JP6585464B2 - 情報記録装置、情報記録装置の改竄防止方法、およびプログラム - Google Patents

情報記録装置、情報記録装置の改竄防止方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、音声や動画等の情報を記録する際に、改竄防止処理を行う情報記録装置、情報記録装置の改竄防止方法、およびプログラムに関する。
音声等の情報を記録する際に、後日、証拠と使用できるようにするために、音声データの記録の際に改竄防止処理を行うようにした情報記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−173185号公報
音声や動画を記録する際に、記録動作中に重要な部分が継続するとは限らず、重要でない部分は編集により削除してもよく、また記録動作中に早戻しを行って編集しながら記録することができる。すなわち、音声等の情報を記録する際に、早戻し部材を操作することにより、記録部分を早戻し、その後、再生させながら、ユーザが記録不要と判断する記録位置から、再度、音声等の記録をし直すことができる。
このように編集を行いながら、音声データ等の記録を行うことができる情報記録装置において、改竄防止を行うことについては、上述の特許文献1には、何ら記載されていない。また、改竄防止処理を施したような場合に、編集操作を行った場合の来歴を記録することについても記載されていない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、編集を行いながら、音声データ等の記録を行う場合であっても改竄防止を行うことが可能であり、また編集操作を行った場合に来歴を記録可能な情報記録装置、情報記録装置の改竄防止方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る改情報記録装置は、音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、上記音声データおよび/または画像データに対して、改竄防止処理を施す改竄防止部と、上記音声データおよび/または画像データに対して、編集操作を行うための操作部材と、上記操作部材による編集操作に基づいて、上記音声データおよび/または画像データに対して編集操作の来歴が分かる編集証拠ファイルを作成する制御部と、を具備する。
の発明に係る情報記録装置は、音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部と、編集操作を行うための操作部材と、上記操作部材による編集操作よって、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部と、を具備し、上記編集操作は、上記情報入力部によって一旦取得され記録された上記音声データおよび/または画像データの記録位置を戻し、この戻された記録位置から音声データおよび/または画像データを上書きする操作であり、上記消去候補は、上記上書きする部分の音声データおよび/または画像データである。
の発明に係る情報記録装置は、音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部と、編集操作を行うための操作部材と、上記操作部材による編集操作よって、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部と、上記改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部と、を有し、上記判定部によって、上記改竄防止処理を施すと判定された場合には、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、上記消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去することにより生成した第1のファイルと、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、消去候補となる音声データおよび/または画像データも含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施した第2のファイルと、を生成する。
の発明に係る情報記録装置は、音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部と、編集操作を行うための操作部材と、上記操作部材による編集操作よって、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部と、を具備する。
の発明に係る情報記録装置は、上記第の発明において、上記編集操作は、上記情報入力部によって一旦取得され記録された上記音声データおよび/または画像データの記録位置を戻し、この戻された記録位置から音声データおよび/または画像データを上書きする操作であり、上記消去候補は、上記上書きする部分の音声データおよび/または画像データである。
の発明に係る情報記録装置は、上記第の発明において、上記改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部を有し、上記判定部によって、上記改竄防止処理を施さないと判定された場合には、上記消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去したファイルを生成する。
の発明に係る情報記録装置は、上記第の発明において、上記改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部を有し、上記判定部によって、上記改竄防止処理を施すと判定された場合には、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、消去候補となる音声データおよび/または画像データも含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施した第2のファイルと、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、上記消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去することにより生成した後に、上記改竄防止部によって改竄防止処理が施された第3のファイルと、を生成する。
の発明に係る情報記録装置の改竄防止方法は、音声データおよび/または画像データを取得し、上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施し、操作部材による編集操作よって、上記取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータに対して、上記改竄防止処理を施させる。
の発明に係るプログラムは、情報記録装置のコンピュータに改竄防止を実行させるためのプログラムにおいて、音声データおよび/または画像データを取得し、上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施し、操作部材による編集操作よって、上記取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータに対して、上記改竄防止処理を施させる、ことを上記コンピュータに実行させる。
本発明によれば、編集を行いながら、音声データ等の記録を行う場合であっても改竄防止を行うことが可能であり、また編集操作を行った場合に来歴を記録可能な情報記録装置、情報記録装置の改竄防止方法、およびプログラムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る情報記録システムの主として電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の使用状態を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の録音部分を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の音声ファイルを説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の音声ファイルの構造を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の「早戻し確認」の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る端末機器の「ノイズ除去なし録音および改竄防止」の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る端末機器の音声ファイルを説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る端末機器の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る端末機器の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る端末機器の「早戻し確認」の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る端末機器における音声ファイルの構造を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る管理機器の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る外部機器の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施形態として情報記録システムに適用した例について説明する。この情報記録システムの端末機器は、音声データ入力用のマイクと画像データ入力用の撮像素子を有し、入力した音声データや動画の画像データに改竄防止処理を行うことなく、通常の音声処理や画像処理を施した上で、記録部に記録可能である。また、音声データや画像データに改竄防止処理を行うための改竄防止部を有し、所定の改竄防止時の条件に合致した場合には、改竄防止部によって改竄防止処理を施したデータを、通常処理施したデータとは別に、記録部に記録する。
また、この端末機器は、早戻し操作部材を有し、記録中に早戻し操作を行うと、早戻しを行い、早戻しを解除すると、再生を行い、ユーザが記録不要と判断する記録位置から、再度、音声等の記録をし直す。改竄防止処理が指示されている場合には、第1実施形態においては、早戻しされた部分も含めて改竄防止処理が施される(図4(b)参照)。なお、後述する第2実施形態においては、上書きされた後のデータに対して改竄防止処理を行う(図9(b)参照)。
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報記録システムの主として電気的構成を示すブロック図である。この情報記録システムは、端末機器10、外部機器20、管理機器30、およびこれらを結ぶネットワーク40から構成されている。
図1において、端末機器10は、音声データや画像データの入力および記録を行う。外部機器20は、端末機器10で記録された音声データや画像データの再生機器であり、改竄防止処理されたデータの場合には、管理機器30によって認証されているか否かを表示することができる。管理機器30は、ネットワーク40を介して、端末機器10に改竄防止処理の際に必要な登録手続を行い、また外部機器20に対してデータが管理機器30から認証を受けているか否かを通知する。
端末機器10内の情報入力部2は、音声データ入力用のマイクと、このマイクによって入力した音声データの音声データ処理回路等を含む。また情報入力部2は、画像データ入力用の撮像素子、この撮像素子の撮像制御回路等を含む。情報入力部2で入力し処理された音声データおよび画像データは、制御部1に出力される。情報入力部2は、音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部として機能する。
改竄防止部5は、改竄防止回路等を有し、情報入力部2によって入力され処理された音声データおよび画像データに対して、公知の改竄防止処理を施し、制御部1に出力する。改竄防止処理としては、例えば、ハッシュ関数等の考え方を用いて、所定のデータ量毎に処理を行えばよい。また、改竄防止処理を行ったデータに対して、秘密鍵など、合鍵も考慮した暗号化等の処理を施してもよい。暗号化処理を施すことにより、より改竄防止のレベルを高めるようにしてもよい。改竄防止部5は、音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部として機能する。
なお、改竄防止の技術は、送受信を考えた場合、電子署名の技術と言い換えてもよい。つまり、秘密鍵で暗号化した電子署名と画像や音声のコンテンツデータと公開鍵を相手に送り、受け取った相手が、公開鍵で電子署名を復号化し、送られてきたコンテンツデータからハッシュ関数を用いてダイジェストを作成すれば、電子署名との比較によって改竄を検出できるからである。以下、改竄防止の記載は、このようなハッシュ関数作成や秘密鍵で暗号化する過程とも含む。暗号化や、秘密鍵や公開鍵の厳密性等は、その求められる要求レベルによって変更可能である。また、ハッシュ関数以外のデータ検証用演算を採用しても良い。
時計部9は、タイマーを有し、日時情報を制御部1に出力する。この日時情報は、音声データや画像データの入力・生成時情報として、音声データや画像データに添付して記録する。また、後述するように、改竄防止処理を行うタイミングとして日時情報を利用することも可能である。例えば、図5を用いて後述するように、音声データのセクターヘッドに記録時の時刻情報を記録することが可能である。
トリガ部6は、改竄防止部5によって音声データや画像データに対して、改竄防止処理の開始や終了のトリガをかける。後述するように、改竄防止処理は、条件記録部4cに記録されている条件を満たすと、トリガ部6が制御部1に対してトリガ出力を行い、改竄防止処理が実行される(トリガ出力を行う条件については、図6AのS3等参照)。
通信部7は、通信回路を有し、ネットワーク40やUSB端子等を通じて外部機器20や管理機器30と接続され、記録部4に記録された音声データや画像データを出力する。また、管理機器30と改竄防止処理のための登録手続を行う。
操作部3は、音声データを扱う場合には、スライドスイッチを有し、このスライドスイッチを順次スライドさせていくと、その位置により、録音指示、停止指示、再生指示、早戻し指示となる。また、スライドスイッチ以外にも、早送り釦、停止釦、編集釦、メニュー釦を有している。なお、スライドスイッチの代わりに、録音釦、早戻し釦、再生釦、停止釦等を設けてもよい。操作部3は、編集操作を行うための操作部材としての機能を果たす。
また、操作部3は、端末機器10が、画像データを扱う場合には、レリーズ釦、動画釦、再生釦、編集釦、メニュー釦等の操作部材を有し、これらの操作部材の操作状態を検出し、制御部1に出力する。また、操作部3は、改竄防止処理の開始や終了を指示するための改竄防止処理指示釦(トリガ釦)を有し、この改竄防止処理指示釦の操作状態を検出し、制御部1に出力する。
表示部8は、画像データを扱う場合には、ライブビュー表示、再生表示、メニュー画面表示等を行い、音声データを扱う場合には、メニュー画面等の表示を行う。また、改竄防止処理を行っている場合には、処理中であることを示す警告表示を行う。また、音声データを扱う場合には、再生用のスピーカを有する。電源部11は、電源電池等を含み、端末機器10の各部に対して、電源を供給する。
記録部4は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリや揮発性メモリを有し、これらのメモリによってフォルダ4a、フォルダ4b、および条件記録部4cを構成する。フォルダ4aは、通常処理され、改竄防止処理が施されていない音声データや画像データを記録するためのフォルダである。フォルダ4bは、改竄防止処理が施された音声データや画像データを記録するためのフォルダである。
条件記録部4cには、トリガ部6において、改竄防止処理の開始や終了を指示するための予め決められた条件を記録しておく。改竄防止処理の開始や終了の条件としては、例えば、操作部3の内のトリガ釦が押圧されると改竄防止処理を開始させ、トリガ釦の押圧が解除されると改竄防止処理を終了するようにしてもよい。
予め決められた条件は、音声データおよび/または画像データを取得している時に、ユーザが指定した指定期間であることとしてもよい。また、予め決められた条件としては、時計部9からの日時情報に基づいて予め指定した日時に達すると改竄防止処理を開始し、予め指定した日時に達すると、改竄防止処理を終了するようにしてもよい。
また、予め決められた条件としては、情報入力部2によって入力した音声データに対して音声認識処理を行い、特定のフレーズを検出すると改竄防止処理を開始し、特定のフレーズを検出すると改竄防止処理を終了するようにしてもよい。また、端末機器10内に振動検出部等を設け、通常では加えられないような特定の動きを検出すると改竄防止処理を開始し、再度、特定の動きを検出すると改竄防止処理を終了するようにしてもよい。
条件記録部4cには、例示した前述の条件等を記録しておく。これらの条件は、工場出荷段階で不揮発性メモリに記録しておいてもよいが、メニュー画面等から、ユーザが適宜、設定してもよい(例えば、図6BのS35参照)。条件記録部4cは、改竄防止部による改竄防止処理を行うための予め決められた条件を記録する条件記録部として機能する。
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、周辺回路、およびプログラムコードを記憶した電気的に書き換え可能なメモリ(例えば、フラッシュROM)等を含み、プログラムコードに従って端末機器10内の各部を制御する。また、制御部1内には、音声データや画像データの処理部を有し、例えば、A/D変換器や画像処理回路、画像圧縮回路、画像伸張回路、音声圧縮回路、音声伸張回路、画像編集部、音声編集部等を有する。
また、制御部1内には、記録制御部1aと環境音識別部1bを有している。これらの各部の機能は前述のCPU、周辺回路およびプログラムコードによって実行される。記録制御部1aは、情報入力部2によって入力され、音声処理や画像処理が施されたデータをフォルダ4bに記録し、また改竄防止部5によって改竄防止処理が施されたデータをフォルダ4b記録するように、記録制御を行う。また、改竄防止処理が施されていないデータに対して編集処理を行うことができる。編集処理としては、例えば、ノイズ除去処理、一部のデータを消去し、編集作業等がある
環境音識別部1bは、音声データからノイズを除去する。ノイズは、特定周波数や特定の波形を有しており、また持続音である場合があることから、これらの特徴を有するデータ部分を抽出して、ノイズを除去する。なお、改竄防止処理が施される場合には、ノイズ除去処理は行われない(図4(b)参照)。改竄防止処理は、原音を忠実に記録することにより、証拠能力を高めていることから、ノイズ除去処理等の編集処理を行わないようにしている。
さらに、環境音識別部1b又は制御部1は、画像データに対して、画像ノイズの除去を行う。環境音識別部1bは、音声データに対して環境音を除去し、および/または画像データに対して画像ノイズを除去するノイズ除去部として機能する。改竄防止部によって改竄防止処理を施す場合には、ノイズ除去部による上記環境音の除去および/または画像ノイズの除去を禁止する(例えば、図6AのS7参照)。
また、制御部1は、操作部材による編集操作に基づいて、音声データおよび/または画像データに対して編集操作の来歴が分かる編集証拠ファイルを作成する制御部として機能する(例えば、図7のS47参照)。制御部1は、操作部材による編集操作よって、情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを含めたデータについて、改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部として機能する(例えば、図6AのS7参照)。
また、制御部1は、予め決められた条件に合致すると、改竄防止部による改竄防止処理を施した音声データおよび/または画像データと、改竄防止処理を施さない音声データおよび/または画像データの両方を記録部に記録させる制御部として機能する(例えば、図6AのS3〜S11参照)。
外部機器20は、音声データや画像データを再生する専用機器や、音声データや画像データを入力して再生するパーソナルコンピュータ等である。外部機器20内には、制御部21、暗号部22、通信部23を有する。
通信部23は、ネットワーク40を通じて、端末機器10と通信を行い、音声データや画像データを入力する。また、USB端子等を通じて、端末機器から音声データや画像データを入力する。なお、端末機器から直接音声データや画像データを入力する以外にも、サーバー等を介して、間接的に入力するようにしてもよい。
暗号部22は、暗号化が施された改竄防止処理済みの画像データの復号化処理を行う。前述したように、改竄防止部5において改竄防止処理を行う際に、改竄防止処理のために暗号化を施す場合がある。そこで、この暗号部20は、このような暗号化が施された改竄防止処理済みの画像データの復号化を行う。復号化に必要なデータは、管理機器30から取得する。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、周辺回路、およびプログラムコードを記憶した電気的に書き換え可能なメモリ(例えば、フラッシュROM)等を含み、プログラムコードに従って外部機器20内の各部を制御する。
また、制御部21は、プログラムコードに従って、通常処理された音声データや画像データ、および改竄防止処理された再生処理を行う。また、改竄防止処理がなされているか否かの判定を行い、判定結果の表示を行う。また、改竄防止処理がなされていないデータに対して編集処理を行う。
管理機器30は、ネットワーク40に接続されたサーバーであり、音声データや画像データに対して改竄防止処理を行うために必要なデータを、端末機器10からの要求に応じて、端末機器10に送信する(登録手続とも言う)。また、改竄防止処理が施されたデータであるか否かを、端末機器10や外部機器20からの要求に応じて判定、または判定するためのデータを出力する。管理機器30内には、制御部31、暗号部32、通信部33を有する。
通信部31は、ネットワーク40を通じて、端末機器10や外部機器20と通信を行う。通信としては、端末機器10に改竄防止処理に必要なデータを送信し、また、改竄防止処理が適正になされたか否かを判定するためのデータを送信する。
暗号部32は、改竄防止処理を行う際に暗号化を行う場合に必要なきまりを決め、また、暗号を復号化するためのデータを記憶している。この暗号化および復号化に必要なデータは、端末機器10や外部機器20が認証された後に送信される。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、周辺回路、およびプログラムコードを記憶した電気的に書き換え可能なメモリ(例えば、フラッシュROM)等を含み、プログラムコードに従って管理機器30内の各部を制御する。
また、制御部31は、プログラムコードに従って、改竄防止処理のためのデータを端末機器10に送信するための処理を実行する。また、改竄防止処理がなされているか否かの判定を行い、判定結果を外部機器20等に出力し、また、改竄防止処理を判定するためのデータを外部機器20等に出力する。
次に、図2を用いて、端末機器10の早戻しおよび上書録音の操作(以下、「早戻し・録音操作」という)について説明する。図2(a)は、操作部3のスライドスイッチ3aを矢印Aの方向にスライドさせて録音位置とすると、マイク2aから音声データを入力し、録音状態となる。この状態から、図2(b)に示すように、スライドスイッチ3aを矢印Bの方向にスライドさせて早戻し位置とすると、記録された音声データを早戻ししながら、記録済みの音声データを高速で再生する。
図2(b)に示す状態では、早戻しながら、音声が高速で再生されるので、ユーザは、録音を失敗した部分を確認することができる。失敗部分を除去できる位置まで戻すと、図2(c)に示すように、ユーザはスライドスイッチ3aを矢印A方向にスライドさせて録音位置にして、録音を再開する。これによって、記録された音声データの不要部分に、新たに音声データが上書き記録される。
次に、図3を用いて、改竄防止処理を行わない場合において、早戻し・録音操作によって記録される音声データについて説明する。時刻t1において、ユーザはスライドスイッチ3aをスライドさせて録音状態とする(図2(a)参照)。この状態で時刻t3まで録音を継続し、音声データ53a、53bを記録する。時刻t3において、ユーザは、不要部分を録音したことに気づき、スライドスイッチ3aを早戻し方向にスライドさせる(図2(b)参照)。
時刻t4になると、不要部分の最初の位置まで戻すことができる。このときの音声データは、丁度、時刻t2に録音したデータに相当する。時刻t4から録音を再開すると、時刻t2〜時刻t3に間に録音された音声データ53bに対して、時刻t4からの音声データ53cが上書きされる。
さらに、時刻t6になると、時刻t3の場合と同様、ユーザは不要部分を録音したことに気づき、スライドスイッチ3aを早戻し方向にスライドさせる(図2(b)参照)。時刻t7になると、不要部分の最初の位置まで戻すことができる。このときの音声データは、丁度、時刻t5に録音したデータに相当する。時刻t7から録音を再開すると、時刻t5〜時刻t6に間に録音された音声データ53dに対して、時刻t7からの音声データ53eが上書きされる。
このように、改竄防止処理を行わない場合には、早戻し・録音操作を行うことにより、時刻t2〜t3、t5〜t6の間で一旦録音がなされる。しかし、これらの音声データに対して上書き録音されることから、最終的には、時刻t1〜t2、時刻t4〜t5、時刻t7〜t8の音声データ53a、53c、53eが編集用の音声データとして記録部4に記録される(後述する図4(a)参照)。
次に、改竄防止処理が行われる場合について説明する。この場合には、時刻t3において、早戻しを行っても、時刻t2〜t3、t5〜t6の音声データ53b、53dに対して上書き録音することなく記録部4に音声データを記録したままにしておく(後述する図4(b)参照)。従って、時刻t1〜t3、t4〜t6、t7〜t8に記録された音声データ53a〜53eに対して、改竄防止処理を施す。
このように、改竄防止処理を行う場合には、早戻し・録音操作を行うことにより取得した音声データの全てを記録しておき、これらの音声データに対して改竄防止処理を施す。すなわち、改竄防止処理を行わない場合には、最終的には消去されてしまう音声データ53b、53dについても記録しておく。
なお、音声データの再生の際には、時刻t1〜t2、t4〜t5、t7〜t8に記録された音声データ53a、53c、53eのみを再生するようにすればよい。このような再生を行うには、ヘッダに上書き部分に対応する音声データをあることを記憶しておき、再生の際にはそこの部分をスキップするようにすればよい。証拠確認用としては、音声としては聴こえないけれど、データを見れば分かるようにしてもよく、また専用アプリケーションソフトによって聴こえるようにしてもよい。
次に、図4を用いて、本実施形態において記録される2種類の音声ファイルについて説明する。本実施形態においては、図4に示すように、改竄防止処理が指示されていない場合には、図4(a)に示すように、編集用ファイルが生成され、一方、改竄防止処理が指示されている場合には、図4(b)に示すように、証拠用ファイルが生成される。
図4(a)に示す編集用ファイル(ファイルAと称す)は、ヘッダ51Aと音声データ53Aからなり、音声データ51には、前述した音声データ53a、53c、53eが記録される。この編集用ファイルは、ディクテーション(口述筆記)の際に便利なファイル形式であり、改竄防止処理が施されていないことから、編集も可能である。
図4(b)に示す証拠用ファイル(ファイルBと称す)は、ヘッダ51Bと音声データ53Bからなる。ヘッダ51Bには、通常のヘッダに書き込まれる情報の他に、改竄が行われたか否かを判定するためのハッシュ(Hash)値と、途中操作情報が記録される。途中操作情報は、録音を開始した時刻、録音を終了した時刻、早戻しを開始した時刻や、早戻しを終了した時刻等の種々の操作情報である。この操作情報をヘッダ等から読み出すことにより、編集履歴を確認することができ、改竄がなされたかどうかの判定の際にも使用できる。
また、音声データ53Bには、ファイルAと異なり、上書きで消去された音声データ53b、53dも含まれており、音声データ53a〜53eの全てが記録される。ヘッダ51Bに記録されるハッシュ値は、全ての音声データに基づいて算出される。
次に、図5を用いて、音声ファイルの構造について説明する。図5に示す例は、改竄防止処理が施される場合である。ファイルヘッダ51Bには、図4(b)に示すように、通常のヘッダに記録される情報の他に、改竄が行われたか否かを判定するためのハッシュ値や、途中操作情報が記録される。
また、音声データ53a〜53d等には、併せて、セクタヘッダ55a〜55dを書き込むための領域(所定バイト数(例えば、6バイト))が設けられている。このセクタヘッダ55a〜55dには、改竄への強度を高める目的で、現在時刻情報と連番情報(セクタの順番を表す情報)を記録する。ファイルを編集すると、セクタヘッダ55a〜55dに記録された現在時刻情報と連番情報の連続性が失われる。従って、ハッシュ値等の検査の他に、現在時刻情報と連番情報の連続性によっても、改竄がなされたか否かを判定することができる。
次に、図6A、図6B、図7および図8に示すフローチャートを用いて、本実施形態における端末機器10における改竄防止処理について説明する。このフローチャートは、制御部1内のメモリに記憶されたプログラムコードに従って制御部1内のCPUが端末機器10内の各部を制御することにより実行する。なお、端末機器10には、情報入力部2に撮像素子が設けられていることから、動画等の画像データを取り込むことが可能であるが、図6A、図6Bに示す例においては、音声データを取り込む場合についてのみ説明する。
端末機器10の電源部11に電源電池が装填されると端末機器10の動作が開始する。動作が開始すると、まず記録操作中か否かの判定を行う(S1)。ここでは、操作部3の内のスライドスイッチ3aが操作されて録音位置にあり、音声記録が開始しているか否かを判定する。記録操作中の場合には、このステップで、音声データ(または画像データ、単独、または音声データと画像データの組みわせ)を取得する。
ステップS1における判定の結果、記録操作中の場合には、次に、改竄防止時か否かを判定する6(S3)。条件記録部4cには、改竄防止の開始や終了時の条件が記録されており、トリガ部6は、この記録されている条件に一致するタイミングで改竄防止処理を開始し、また終了する。例えば、操作部3のトリガ釦が操作された場合には、改竄防止処理を開始する。
ステップS3における判定の結果、改竄防止時ではない場合には、消去候補があれば消去する(S9)。ここでは、改竄防止を行わない通常の記録である。図2を用いて説明した早戻し・録音操作がなされると、図3の音声データ53b、53dが消去候補となる。そこで、このステップでは、このような消去候補があれ、消去を行う。なお、実際には、消去候補の音声データ53、53dに対して新たな音声データの上書き等を行う。
消去候補を消去すると、次に、ノイズ除去化録音を行い、ファイルAを生成する(S11)。ここでは、通常処理の録音であることから、情報入力部2によって取得し、通常処理された音声データに、環境音識別部1bにおいてノイズ除去処理された音声データを、ファイルAとしてフォルダ4aに記録する。
一方、ステップS3における判定の結果、改竄防止時には、ノイズ除去許可録音を行い、ファイルA候補として記録する(S5)。ここでは、ステップS9と同様に、情報入力部2によって取得し、通常処理された音声データに、環境音識別部1bにおいてノイズ除去処理された音声データや、また、早戻し・録音操作がなされた場合に、不要部分(音声データ53b、53dに相当)を消去した音声データを、ファイルAとしてフォルダ4aに記録する。
また、途中で改竄防止操作をしても、結局、決定的瞬間を捉えられない場合もあるので、必ずしもファイル化する必要もないもあることから、「候補」としている。この結合の有無や、ファイル化の有無は、後でユーザが切り換えるようにしもてよいし、また記録内容や前後の状況等、必要に応じて、自動的に取捨選択できるようにしても良い。
また、ノイズ除去許可録音と並行して、ノイズ除去なし録音と共に改竄防止処理を行った音声データをファイルB候補として記録する(S7)。ここでは、フォルダ4aにノイズ除去処理された音声データを記録すると並行して、改竄防止部5が情報入力部2で取得した音声データに改竄防止処理を施す。この改竄防止処理が施された音声データに対しては、ノイズ除去処理が行われないので、ノイズが重畳している。この改竄防止処理が施された音声データはファイルBとして、フォルダ4bに記録する。このように、ステップS7は、音声データ(または、画像データ単独、または音声データと画像データの組み合わせ)に対して改竄防止処理を施している。このステップS7におけるノイズ除去なし録音&改竄防止の詳しい動作については、図8を用いて後述する。
また、後述するステップS47等において、記録された操作情報等もヘッダに記録を行う(図4のファイルBの途中操作情報参照)。操作情報をヘッダに記録しておけば、後日、編集履歴を容易に確認することができる。また、この編集履歴は、改竄がなされた否かの判定の際に役立てることができる。
なお、ステップS6で生成されたファイルCと、ステップS7で生成されたファイルBについて、両者を関連付けするように記録しておけば、一方で他方を参照することができる。例えば、両ファイル名の名称を同一にしておいもよく、また他方のファイル名を参照できるようにヘッダ等に情報を書き込んでおいてもよい。この結果、ファイルBをみれば、ファイルCの音声データの内容が分かり、またファイルCをみれば、ファイルBの音声データの内容が分かる。
なお、ステップS7において、改竄防止処理を行って音声データを記録している場合には、改竄防止処理を行っていることを表示部8に表示するようにしてもよい。この場合には、ユーザは、この表示を見ることによって、改竄防止処理を行っているか否かを確認することができる。
ステップS1において、記録操作中であった場合には、次に記録操作終了か否かを判定する(S13)。録音動作を停止する場合には、操作部3のスライドスイッチを録音停止位置にスライドさせるので、このステップでは、停止位置にスライドスイッチがあるか否かに基づいて判定する。
ステップS13における判定の結果、記録操作が終了していない場合には、早戻し操作を行っているか否かを判定する(S15)。図2を用いて説明したように、ユーザが早戻し・記録操作を行っているか否かについて、操作部3のスライドスイッチが早戻し位置にあるか否かに基づいて判定する。この判定の結果、早戻しを行っていない場合には、ステップS1に戻る。
一方、ステップS15における判定の結果、早戻しを行っていた場合には、早戻しを行い、早戻し動作を停止した場合には、その位置から録音を再開する。この場合、改竄防止処理を施す場合にはファイルBを生成するように、また改竄防止処理を施さない場合にはファイルAを生成するような処理を行う(図4参照)。この早戻しの詳しい動作については、図7を用いて後述する。
ステップS7、S11、S17における処理を実行すると、ステップS1に戻り、前述の動作を実行する。
ステップS13における判定の結果、記録操作が終了した場合には、編集操作がなされたか否かを判定する(図6BのS21)。操作部3の内の編集釦が操作されると、編集モードに切り替わる。
ステップS21における判定の結果、編集操作であった場合には、ファイルBが指定されているか否かを判定する(S23)。編集を行うにあたって指定された音声ファイルが、ファイルB、すなわち改竄防止処理がなされているファイルであるか否かを判定する。
ステップS23における判定の結果、ファイルBであった場合には、編集を禁止する(S25)。改竄防止処理を施した場合には、録音した後に改竄することはできない。このことをユーザに知らせるために、表示部8に警告表示を行うようにしてもよい。このように、本実施形態においては、改竄防止部によって改竄防止処理が実行された音声データ等に対して編集処理の実行は禁止されている。従って、早戻し・録音操作が行われた場合に、生成されたファイルBに対しては、編集を行うことができない
一方、ステップS23における判定の結果、ファイルBでない場合には記録音声再生・編集を行う(S27)。編集用に音声の再生を可能とし、再生音を聞きながら編集を行う。編集としては、操作部3によって指定された区間について削除する等、種々の編集が可能である。編集用の釦は複数設け、それぞれに異なる編集機能を割り付けても構わない。また、メニュー画面等において、種々の編集を行うようにしてもよい。
ステップS21における判定の結果、編集操作でない場合には、録音設定か否かを判定する(S29)。ここでは、録音設定モードか否かを判定する。録音設定モードは、メニュー画面で行い、録音設定としては、ノイズキャンセル設定、録音音質設定等、種々の設定が可能である。
ステップS29における判定の結果、録音設定であった場合には、ノイズキャンセル等の録音設定を行う(S31)。ここでは、メニュー画面の設定入力に従って録音設定を行う。なお、ノイズキャンセルが設定された場合には、環境音識別部1bによってノイズ除去処理が施される。
ステップS29における判定の結果、録音設定でなかった場合には、条件設定か否かを判定する(S33)。前述したように、トリガ部6において改竄防止処理を行う条件は、条件記録部4cに記録されている。この条件記録部4cに記録する条件を設定するか否かを判定する。条件設定は、メニュー画面において行う。
ステップS33における判定の結果、条件設定の場合には、条件の記録を行う(S35)。ここでは、メニュー画面で設定された条件を条件記録部4cに記録する。
ステップS33における判定の結果、条件設定出なかった場合には、通信その他を行う(S37)。ここでは、例えば、改竄防止処理を行うために必要な登録手続や、改竄防止処理を行うための暗号化されたハッシュ関数を管理機器30から取得する等、種々の処理を、通信部7を介して行う。
ステップS25、S27、S31、S35、S37において処理を行うと、ステップS1に戻る。
このように、本実施形態における端末機器10においては、早戻し・録音操作がなされると、早戻しが行われ、早戻しした位置から再度、録音を行うことができる(S17、図3参照)。そして、改竄防止時には、改竄防止処理が施されたファイルBと、改竄防止処理が施されないファイルAの2種類のファイルが生成され記録される(S5、S7、図4参照)。一方、改竄防止時でない場合には、早戻しの際に消去候補とされたファイルが消去され、新たな音声データが記録される(S9参照)。
また、本実施形態における端末機器10においては、音声データを取得し、改竄防止時には、取得した音声データに対して通常処理を施してフォルダ4aに記録すると並行して、同じ音声データに対して改竄防止処理を施してフォルダ4bに記録している(S5、S7参照)。このため、改竄防止時には、同一の音声データに対して、改竄防止処理を施した音声データと、改竄防止処理を施していない音声データの2つの音声データが生成される。
また、本実施形態における端末機器10においては、音声データの取得後に、編集処理を行う場合には、改竄防止処理を施していない音声データに対してのみ可能である(S27参照)。改竄防止処理を施した音声データに対しては、編集処理を行うことができず(S23、S25参照)、証拠能力の高い音声データを提供することができる。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、ステップS17の「早戻し確認」の動作について説明する。
このフローに入ると、まず、早戻し動作か否かを判定する(S41)。ユーザは、早戻し・録音操作を行う場合には、操作部3のスライドスイッチを早戻し位置にスライドさせる。このステップでは、スライドスイッチが早戻し位置にあるか否かに基づいて判定する。
ステップS41における判定の結果、早戻し動作である場合には、早戻しを行う(S43)。ここでは、早戻し操作がなされている時間に応じて、記録部4に記録されている音声データを過去に遡る。なお、早戻しの際に音声データを要所、要所で再生させて、かつてのテープレコーダのような巻き戻し音を擬似的に発生させてもよい。この再生では、はっきりと音声を聞き取ることはできないが、戻し位置を大雑把に決めるのに役立つ。
続いて、改竄防止時か否かの判定を行う(S45)。ここでは、S3と同様に、条件記録部4cに記録されている条件に基づいて改竄防止を行っているか否かに基づいて判定する。
ステップS45における判定の結果、改竄防止時であった場合には、早戻し動作の記録を行う(S47)。ここでは、早戻し操作を開始した時刻、早戻し操作を停止した時刻、録音を再開した時刻等、早戻し動作に関する情報を記録制御部1a等に記録しておく。この情報を用いて、改竄防止処理を行うようにしてもよい(例えば、ハッシュ値を算出する際に使用する等)。
ステップS41における判定の結果、早戻し動作でない場合には、早戻した部分から記録音再生する(S51)。ここでは、ユーザがスライドスイッチを早戻し位置から再生位置にスライドしていることから、早戻した位置から音声データを読出し、この音声データに基づいて音声再生を行う。ユーザは、この再生音を聞きながら、どの位置から音声データを消去し、上書き録音を行うかを決める。
続いて、未再生部分を消去候補にする(S53)。ステップS51において、音声再生を停止すると、その位置から早戻しを開始した位置までの間が未再生部分となり、この部分を消去候補にする。この未再生部分は、例えば、図3においては、音声データ53b、53dの部分に相当する。消去候補の部分は、音声記録を再開した際に、前述のステップS9において消去される。
未再生部分を消去候補とすると、次に、改竄防止時か否かの判定を行う(S55)。ここでは、ステップS3、S45と同様に、条件記録部4cに記録されている条件に基づいて改竄防止を行っているか否かに基づいて判定する。
ステップS55における判定の結果、改竄防止時の場合には、未再生部を別記録候補にする(ファイルB)(S57)。改竄防止時には、図4(b)のファイルBに示したように、未再生部分に対応する音声データ53b、53dも証拠用として残している。このステップでは、これらの音声データを別記録候補として識別できるようにしておく。ここで、別記録候補とされた音声データは、録音再開時に別記録される(図6AのS7参照)。
続いて、未再生部を消去候補とする(ファイルA)(S59)。改竄防止時には図4(a)のファイルAに示したように、未再生部分に対応する音声データ53b、53dを使用しないで音声ファイルを生成する。このステップでは、これらの音声データを消去候補として識別できるようにしておく。ここで、消去候補とされた音声データは、録音再開時に消去される(図6AのS5参照)。
ステップS59において未再生部を消去候補とすると、またはステップS55、S45における判定の結果、改竄防止時でない場合、またはステップS47において早戻し動作記録を行うと、元のフローに戻る。
このように、早戻し確認のフローにおいては、早戻し操作を停止すると、音声再生を行い(S51)、ユーザが消去を決めた部分を消去候補としている(S53、S59)。改竄防止時には、ファイルAとファイルBの2種類のファイルを作成することから、それぞれの音声ファイルの用途に合わせて、不要な音声を聴かずに済ますようにし、編集操作の有無を判定できるようにしている(S57、S59)。
また、早戻し確認のフローにおいては、改竄防止時、かつ早戻し中であれば、早戻し動作に関連する情報を記録しておく(S47)。この情報も用いて改竄防止用のハッシュ値を生成すれば、より信頼度の高い改竄防止を行うことができる。なお、図7においては、早戻し中のみの情報を記録しているが、未再生部分に関する時刻(例えば、図3における時刻t2、t3、t4等)に関する情報を記録すれば、より改竄防止の信頼性が高くなる。
次に、図8に示すフローチャートを用いて、ステップS7の「ノイズ除去なし録音および改竄防止」の動作について説明する。
このフローに入ると、まず、ノイズ除去なし音声A/Dを行う(S61)。ここでは、情報入力部2で入力した音声データに対して、環境音識別部1bによってノイズ除去処理を行わず、制御部1内のA/D変換器がノイズ除去処理のなされていない音声データをA/D変換する。
続いて、圧縮を行う(S63)。ここでは、ステップS41においてA/D変換された音声データに対して、制御部1内の音声圧縮回路が圧縮処理を行う。
圧縮処理を行うと、この時得られたデータをもとにハッシュ関数計算を行う(S65)。もちろん、重要な音声なので必ずしも圧縮は必須ではない。ここでは、一定量の音声データ(例えば、1セクタ分の音声データ)に対して、ハッシュ関数を演算する。このハッシュ関数は、ステップS37において管理機器30から取得したデータに基づくように暗号化をしてもよい。なお、このデータは、改竄防止を行うたびに、管理機器30から取得すれば信頼性が高くなるが、これらの工程は、改竄防止の要求レベル、電子署名の要求レベルで適宜、省いても増やしても良い。暗号化にはユーザの生体情報などを使っても良いし、専用の回路で暗号化用データを発生させても良い。ハッシュ関数を計算すると、元のフローに戻る。
このように、本発明の第1実施形態においては、改竄防止時であって、早戻し・録音操作のような編集操作を行った場合には、消去される部分の音声データも音声ファイルに残し、この残した音声データも含めた音声ファイルに対して、改竄防止処理を施すようにしている(図4のファイルB、図6AのS7、図7のS57、図8参照)。早戻し・録音操作を行うことにより、録音した音声データの一部を消去可能であるが、本実施形態においては、このような音声データも記録しておき、改竄防止処理を行うので、極めて高い信頼性を得ることができる。
また、本実施形態においては、操作部3による編集操作よって、情報入力部によって取得された音声データ(または画像データ単独、または音声データと画像データの組み合わせでもよい。「音声データ等」と省略する)が消去候補となる場合に(図7のS59参照)、この消去候補となる音声データ等を含めたデータについて、改竄防止部5によって改竄防止処理を施すようにしている(図6AのS7参照)。このため、編集を行いながら、音声データ等の記録を行う場合であっても改竄防止を行うことが可能となる。
また、本実施形態における編集操作は、情報入力部2によって一旦取得され記録された音声データ等の記録位置を戻し、この戻された記録位置から音声データ等を上書きする操作であり、消去候補は、上書きする部分の音声データ等である。この編集操作は、早戻し・録音操作として記載された操作であり、ディクテーション等、口述筆記する際に、簡単に録音部分を編集できるので、便利である。
また、本実施形態においては、改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部を有している(例えば、図6AのS3等)。そして、この判定部によって、改竄防止処理を施さないと判定された場合には(例えば、図6AのS3No)、消去候補となる音声データ等を消去したファイルを生成する(例えば、図6AのS11等)。このため、消去候補が消去されたファイルが生成されるので、再生時には、不要がデータが再生されず、確認が容易となる。
また、本実施形態においては、判定部によって、改竄防止処理を施すと判定された場合には(例えば、図6AのS3Yes)、情報入力部2によって取得された音声データ等のうち、消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去することにより生成した第1のファイル(ファイルA)と、情報入力部2によって取得された音声データ等のうち、消去候補となる音声データ等も含めたデータについて、改竄防止部5によって改竄防止処理を施した第2のファイル(ファイルB)を生成する。このため、不要部分が消去され聞き取りが容易な第1のファイルと、改竄防止の信頼性が高い第2のファイルが同時に生成されるので、用途に応じて、使い分けることができる。
次に、図9ないし図14を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、改竄防止処理のなされるのは、消去された音声データも含まれるファイルBであった。これに対して、本実施形態においては、音声データから不要部分を消去したファイルAについても改竄防止処理を行って、ファイルCを生成し、記録するようにしている。
本実施形態における構成は、第1実施形態に係る図1と同様であるので、詳しい説明を省略する。なお、制御部1は、本実施形態においては、操作部材による編集操作よって、情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、この消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータについて、改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部としての機能を果たす。
図9を用いて、本実施形態において記録される3種類の音声ファイルについて説明する。第1実施形態においては、ファイルAとファイルBの2種類の音声ファイルを生成していた。これに対して、本実施形態においては、図9に示すように、ファイルA、Bに加えて、ファイルCが生成される。改竄防止処理が指示されていない場合には、第1実施形態と同様に、編集用のファイルAが生成される。一方、改竄防止処理が指示されている場合には、証拠用のファイルBに加えて、編集用ファイル2としてファイルCが生成される。
ファイルCは、音声データ53Cは、ファイルAと同様に、上書きされた音声データ53b、53dは消去されており、音声データ53a、53c、53eからなる。また、ヘッダ53Cは、通常のヘッダに書き込まれる情報の他に、改竄が行われたか否かを判定するためのハッシュ(Hash)値が記録される。このハッシュ値は、編集後の操作で生成され、記録される。なお、編集用ファイルCにも、操作情報をヘッダに書き込んでおいてもよい。この場合には、操作情報をヘッダ等から読み出すことにより、編集履歴を確認することができ、改竄がなされたかどうかの判定の際にも使用できる。
次に、図10A、図10B、および図11に示すフローチャートを用いて、本実施形態における端末機器10における改竄防止処理について説明する。このフローチャートは、制御部1内のメモリに記憶されたプログラムコードに従って制御部1内のCPUが端末機器10内の各部を制御することにより実行する。なお、第1実施形態と同様、端末機器10には、情報入力部2に撮像素子が設けられていることから、動画等の画像データを取り込むことが可能であるが、図10A、図10Bに示す例においては、音声データを取り込む場合についてのみ説明する。
図10A、図10Bに示す端末機器のメインフローは、第1実施形態に係る図6A、図6Bのフローチャートと比較し、ステップS5、S17、S23、S25、S27をステップS6、S18、S24、S26、S28に置き換える以外は同じであるので、相違点を中心に説明する。
ステップS1における判定の結果、記録操作中であり、ステップS3における判定の結果、改竄防止時、かつノイズ除去許可の場合には、ノイズ除去許可録音を行い、ファイルC候補を生成する(S6)。ここでは、ノイズ除去を行い、図9(b)に示すファイルCを生成するための録音を行う。ここでは、ノイズを除去すると共に、ステップS17の早戻し確認において消去候補とされた部分(図11のS58参照)を消去し、ハッシュ値を算出する。
またステップS6においてノイズ除去許可録音を行い、ファイルC候補を生成すると並行して、ステップS7において、ノイズ除去なし録音および改竄防止を行う(S7)。ここでの処理は、第1実施形態と同様であり、ファイルB候補を生成する。
また、第1実施形態と同様に、ステップS7において、記録された操作情報等もヘッダに記録を行う(図9のファイルBの途中操作情報参照)。操作情報をヘッダに記録しておけば、後日、編集履歴を容易に確認することができる。また、この編集履歴は、改竄がなされた否かの判定の際に役立てることができる。また、第1実施形態においても記載したように、ステップS6で生成されたファイルCと、ステップS7で生成されたファイルBについて、両者を関連付けするように記録することにより、一方で他方を参照できるようにしてもよい。
ステップS3における判定の結果、改竄防止時でない場合には、ステップS9、S11において、ファイルAを生成する。ここでの処理は第1実施形態と同様であることから、詳しい説明を省略する。
ステップS1における判定の結果、記録操作中でない場合には、記録操作終了か否かを判定し(S13)、この判定の結果、記録操作が終了していない場合には、早戻し確認か否かを判定し(S15)、この判定の結果、早戻しの場合には、早戻し確認を行う(S18)。第2実施形態においては、改竄防止時にはファイルB、Cを生成し、改竄防止時ではない場合には、ファイルAを生成している。ステップS18における早戻し確認においては、図11を用いて後述するように、これらのファイルの生成のための処理を実行する。
ステップS13における判定の結果、記録操作終了の場合には、編集操作か否かを判定し(S21)、この判定の結果、ファイルAか否かを判定する(S24)。この判定の結果、ファイルAであった場合には、追加改竄防止を可能とする(S26)。ここでは、記録音声を再生可能とし、ユーザは、ファイルを削除する等、種々の音声ファイルの編集を行うことができる。
一方、ステップS24における判定の結果、ファイルAでなかった場合には、改竄防止処理の施されたファイルB、Cである。この場合には、その他の編集を可能とする(S28)。ここでは、改竄防止処理が施された音声データの場合には、特殊なアプリケーションソフトを使用すれば、編集できる。この場合には、編集操作を行っても、来歴が残っていることから問題ない。このステップでは、記録音声の再生等を行うようにしてもよい。
ステップS21における判定の結果、編集操作でない場合には、ステップS29以下を実行するが、第1実施形態に係る図6Bと同様の処理であることから、詳しい説明を省略する。
このように、第2実施形態に係る端末機器のメインフローでは、早戻し・録音操作がなされた場合に、消去された部分の音声データ(例えば、図9の音声データ53b、53d)も含めた音声データを記録し、またこれらの音声データに対して改竄防止処理を施したファイルBを生成している(図10AのS6)。また、改竄防止時には、並行して、不要な部分の音声データ(例えば、図9の音声データ53b、53d)を消去し、必要な部分の音声データ(例えば、図9の音声データ53a、53c、53e)のみの音声データを記録し、またこれらの音声データに対して改竄防止処理を施したファイルCを生成している(図10AのS7)。このため、極めて証拠性の高いファイルBと、証拠性は劣るが音声の再生時に聞きやすいファイルCとが生成される。
図11に示すフローチャートを用いて、ステップS18の「早戻し確認」の動作について説明する。
図11に示す早戻し確認のフローは、第1実施形態に係る図7のフローチャートと比較し、ステップS59をステップS58、S60に置き換える以外は同じであるので、相違点を中心に説明する。
ステップS41における判定の結果、早戻し動作が終了し、記録音声を再生し(S51)、未再生部分を消去候補とし(S53)、改竄防止時であった場合には(S55Yes)、未再生部を別記録候補とする(S57)。ここで、別記録候補とされた音声データは、ステップS7において、音声ファイルとして生成されると共に改竄防止処理が施される。
続いて、未再生部を消去候補にする(S58)。図9を用いて説明したように、ファイルCでは、未再生部は消去して音声ファイルを生成する。ここでは消去候補であることが認識できるようにする。消去候補とされた音声ファイルは、ステップS6において消去される。
続いて、再生部までをハッシュ関数化する(S60)。ここでは、早戻しの際に、音声再生された部分をハッシュ関数化し、ファイルCを生成する。
ステップS60において再生部をハッシュ関数化すると、またはステップS55、S45における判定の結果、改竄防止時でない場合、またはステップS47において早戻し動作記録を行うと、元のフローに戻る。
このように、本実施形態においても、早戻し確認のフローにおいては、早戻し操作を停止すると、音声再生を行い(S51)、ユーザが消去を決めた部分を消去候補としている(S53、S59)。また、改竄防止時には、ファイルBとファイルCの2種類のファイルを使用することから、それぞれの音声ファイルの生成の際に識別できるようにしている(S57、S58)。
また、本実施形態においては、ハッシュ値をヘッダに記録し、編集録音時に再利用するようにしている。すなわち、ユーザの文章作成時にはファイル編集を許可し、ディクテーション等の完了以後は改竄を許さないようにしている。つまり、改竄防止が有効であった場合でも、ユーザによる録音時に不要と判断された音声データを残してはいない。また、音声データの途中で先頭から計算し続けたハッシュ値を記録しておくことで、早戻ししてファイルの途中から上書き録音した場合に、上書き直前データのファイルヘッダに記録されたハッシュ値を再利用することで、制御部(CPU)による計算量を減らすことができ、また計算の時間を短縮することができる。
次に、図12を用いて、音声ファイルの構造について説明する。音声ファイル60は、音声データ61と関連ファイル情報62から構成される。音声データ61は、情報入力部2のマイクによって取得され、音声処理されたデータであり、改竄防止処理された音声データと改竄防止処理が施されていない音声データの両方を含む。また、図9を用いて説明したファイルA〜Cでは、ヘッダ51A〜51Cと音声データ53A〜53Cは、図12においては、音声データ61が対応する。
関連画像ファイル名63は、音声データ61を記録中に、併せて記録された画像データの関連画像ファイル名が記録される。関連音声ファイル名64は、関連する音声ファイル名が記録される。改竄防止のファイルと改竄防止なしのファイルの関係が分かるようにすることにより、どちらのファイルからも他方を検索することが可能となり、取扱いが容易になる。暗号化ハッシュ部65は、改竄防止処理を行う際のハッシュ関数を暗号化し記録される。暗号化するのは、前述したように、改竄防止処理を行っても、ハッシュ関数が判ると、改竄されてしまうので、これを防止するために暗号化している。
管理機器があると、公的機関や第三者機関が秘密鍵や公開鍵の管理・運用をサービス化して、システムとして信頼性を高めた改竄防止や電子署名の仕組みを作ることができる。管理機器アドレス名66は、改竄防止処理を行うためのデータを管理機器30から取得しており、この管理機器30のネットワーク上のアドレスを記録する。音声管理情報67は、音声データを記録した際の日時情報、位置情報等を記録する。位置情報は、端末機器10内にGPS(Global Positioning System)等の位置検出部を設けておき、この位置検出部によって検出する。
なお、図12には、画像ファイルが示されていないが、撮像素子によって画像データを取得し、記録する場合には、音声ファイルと同様に、画像ファイルを生成し、記録すればよい。
次に、図13に示すフローチャートを用いて、本実施形態における管理機器30の動作について説明する。このフローチャートは、制御部31内のメモリに記憶されたプログラムコードに従って制御部31内のCPUが管理機器30内の各部を制御することにより実行する。なお、第1実施形態においても、本フローチャートによって管理機器30が動作するようにしてもよい。
このフローに入ると、まず、アクセス判定を行う(S71)。ここでは、端末機器10の通信部7または外部機器20の通信部23を介して、管理機器30にアクセスがあるか否かを判定する。この判定の結果、アクセスがない場合には、定常通信でアクセス状況を把握する(S73)。ここでは、常時、端末機器10や外部機器20からアクセスがあるか否かを監視する。
ステップS61における判定の結果、アクセスがあった場合には、通信相手を確認する(S75)。ここでは、アクセスしてきた機器が、多数存在する端末機器10や外部機器20のいずれであるかを特定する。
通信相手を確認すると、次に、暗号化手続か否かを判定する(S77)。前述したように、改竄防止処理の信頼度を高めるために、改竄防止用のデータに対して暗号化処理を可能としている。このステップでは、暗号化手続のためのデータの送信を要求してきているか否かを判定する。
ステップS77における判定の結果、暗号化手続の場合には、暗号化手続送信を行う(S79)。ここでは、暗号化を行うためのデータを、ステップS75で確認した通信相手に送信する。暗号手続の送信を行うと、ステップS71に戻る。
ステップS77における判定の結果、暗号化手続でない場合には、改竄判定の要求か否かについて判定する(S81)。外部機器20から、音声データや画像データが改竄されているか否かの判定要求がなされる場合がある。ここでは、この要求を受信したか否かを判定する。
ステップS81における判定の結果、改竄判定要求がなされていた場合には、ファイルを受信し、ハッシュ値復号化し比較する(S83)。ここでは、音声データや画像データを、外部機器20から送信してもらい、暗号化されているハッシュ値を復号化し、もとのハッシュ値と比較し、改竄されているか否かを判定する。改竄されていたら、ハッシュ値そのもののみならず、暗号化されたハッシュ値などコンテンツのダイジェスト情報や、電子署名が一致しないので改竄判定を行うことができる。電子署名を暗号化する時にも秘密鍵が必要としておけば、暗号解読も困難となる。
続いて、判定結果を送信、またはファイルを再生する(S85)。ここで、再生された音声や動画は、改竄されていないものなので、状況証拠などに利用することができ、裁判や契約等、重要な状況判断の際に信頼して活用することができる。ここでは、ステップS83における判定結果を、通信相手先の外部機器20に送信する。ステップS85における処理を行うと、ステップS71に戻る。
ステップS81における判定の結果、改竄判定でない場合には、登録手続等の処理を行う。この登録手続は、公的機関等に、対象機器を登録して、暗号化や電子署名における様々なサービスを受けられ、このサービスに対する対価を支払う等の契約を行う。もちろん、対象となる音声や動画を厳重に管理してもらうサービスをあり得る。前述したように、端末機器10は、改竄防止処理を行うに毎に、管理機器30に対して、改竄防止に使用するデータの送信を要求してくるので、そのための処理を実行する。
このように管理機器30は、改竄防止用のデータを端末機器10に送信し、また暗号化手続を要求された場合にはそのためのデータを送信し、また改竄判定がなされた場合には、判定結果を送信している。
次に、図14に示すフローチャートを用いて、本実施形態における外部機器20の動作について説明する。このフローチャートは、制御部21内のメモリに記憶されたプログラムコードに従って制御部21内のCPUが管理機器20内の各部を制御することにより実行する。なお、第1実施形態においても、本フローチャートによって外部機器20が動作するようにしてもよい。
このフローに入ると、まず、アクセスを行うか否かを判定する(S91)。ここでは、端末機器10の通信部7または外部機器20の通信部23を介して、外部機器20がアクセスするか否かを判定する。この判定の結果、アクセスを行わない場合には、アクセスを行うか否かを常時判定する。
ステップS91における判定の結果、アクセスを行う場合には、通信相手を指定する(S93)。ここでは、多数存在する端末機器10や管理機器30のいずれを指定する。
通信相手を指定すると、次に、指定先が管理機器30であるか否かを判定する(S95)。管理機器を第三者に運営してもらうと、二者の契約や訴訟などの場面において、より公正な改竄防止システムにすることが期待できる。ここでは、図13のS81において改竄判定を管理機器30に要求した場合の管理機器30であるか否かを判定する。
ステップS95における判定の結果、管理機器の場合には、ファイルを受信し、再生する(S97)。ここでは、管理機器30から改竄防止の判定結果に基づくファイルを受信し、再生する。このような仕組みで改竄されたものは、そもそも再生できなくするようにしても良い。ステップS97における処理を行うと、ステップS91に戻る。なお、管理機器で生成を行うようにしても良い。
一方、ステップS95における判定の結果、管理機器でない場合には、改竄判定か否かを判定する(S101)。改竄判定は、管理機器に依頼する以外にも、判定のための復号化手続に関する情報があれば、外部機器20内においても実行することができる。
ステップS101における判定の結果、改竄判定の場合には、次に、復号化手続を受信し、ハッシュ値復号化を比較し、この比較結果に基づいて改竄の有無を判定する(S103)。
ステップS103において改竄の有無を判定すると、判定結果を表示し、またはファイルを再生する(S105)。ここでは、ステップS103における判定の結果に従って、「改竄なし」「改竄あり」等の表示を行う。ここでの処理を行うとステップS91に戻る。
ステップS101における判定の結果、改竄判定でない場合には、上述の登録手続を行う。つまり、この登録手続は、公的機関や第三者機関等に、対象となる録音機器、録画機器やユーザを登録してもらい、その機器やユーザに応じた暗号化や電子署名における秘密鍵の交付など様々なサービスを受けられ、対価を支払うような契約を行うものである。もちろん、対象となる音声や動画などのコンテンツデータを厳重に関してもらうようなサービスもあり得るし、保管や保証などを行うようにしても良い。
このように、外部機器20においては、端末機器10において記録された音声データや画像データが、改竄されているか否かを確認することができる。
このように、本発明の第2実施形態においては、操作部3による編集操作よって、情報入力部2によって取得された音声データ等が消去候補となる場合に(例えば、図11のS58)、この消去候補となる音声データ等を消去した後にデータについて、改竄防止部5によって改竄防止処理を施している(図10AのS6)。このため、不要部分を消去したデータが改竄防止されたか否かについての信頼性が高くなる。
また、本実施形態においては、判定部によって、改竄防止処理を施すと判定された場合には(図10AのS3Yes)、上記情報入力部によって取得された音声データ等のうち、消去候補となる音声データ等も含めたデータについて、改竄防止部5によって改竄防止処理を施した第2のファイル(ファイルB)と、情報入力部2によって取得された音声データ等のうち、消去候補となる音声データ等を消去することにより生成した後に、改竄防止部5によって改竄防止処理が施された第3のファイル(ファイルC)を生成する。このため、不要部分が消去されたファイルと不要部分が消去されていないファイルについて、両ファイルが改竄されていないことの信頼性を高めることができる。
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、早戻し・録音操作等、音声データや画像データを記録しながら、編集する場合であっても、改竄防止処理を施すようにしている。このため、改竄されていないことの信頼度が高いデータファイルを生成することが可能となる。
なお、本発明の各実施形態においては、操作部3のスライドスイッチを操作することにより、早戻し・録音操作を行うようしていたが、これに限らず、釦等の他の操作部材によって行うようにしてもよい。また、編集操作として早戻し・録音操作の例を挙げて説明したが、これに限らず、データの記録中に行う編集操作であれば本発明を適用することができる。また、改竄防止時に(例えば、図6Aや図10AのS3Yes)に、2種類のファイルを生成していたが、これに限らず、改竄防止処理を施したファイルを1つのみでもよく、またファイルA〜Cの3種類のファイルを生成するようにしても勿論かまわない。
また、本発明の各実施形態においては、改竄防止処理を施すにあたって、毎回、管理機器30に登録手続を行っていたが、管理機器30との契約等によって、毎回でなくてもよい。また、改竄防止処理の信頼性を高めるために、暗号化処理を施していたが、省略しても勿論かまわない。
また、本発明の各実施形態においては、改竄防止部5、トリガ部6等を、制御部1とはとは別体の構成としたが、各部の全部または一部をソフトウエアで構成し、制御部1内のCPUによって実行するようにしても勿論かまわない。また、端末機器10、外部機器20、および管理機器30内の各部は、ハードウエア回路や部品単体の他、CPUとプログラムによってソフトウエア的に構成してもよく、またDSP(Digital Signal Processor)を利用して構成してもよい。これらは適宜組み合わせてもよいことは勿論である。
また、本発明の各実施形態においては、端末機器として、ICレコーダを用いて説明したが、これに限らず、音声記録や画像記録用の装置としては、デジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラ、監視用カメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、ゲーム機器等に内蔵される情報記録装置でも構わない。いずれにしても、改竄防止機能を有する情報記録用の機器やシステムであれば、民生用、産業用、医療用の分野に限らず、本発明を適用することができる。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1・・・制御部、1a・・・記録制御部、1b・・・環境音識別部、2・・・情報入力部、2a・・・マイク、3・・・操作部、3a・・・スライドスイッチ、4・・・記録部、4a・・・フォルダ、4b・・・フォルダ、4c・・・条件記録部、5・・・改竄防止部、6・・・トリガ部、7・・・通信部、8・・・表示部、9・・・時計部、10・・・端末機器、11・・・電源部、20・・・外部機器、21・・・制御部、22・・・暗号部、23・・・通信部、30・・・管理機器、31・・・制御部、32・・・暗号部、33・・・通信部、40・・・ネットワーク、41・・・ユーザ

Claims (9)

  1. 音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、
    上記音声データおよび/または画像データに対して、改竄防止処理を施す改竄防止部と、
    上記音声データおよび/または画像データに対して、編集操作を行うための操作部材と、
    上記操作部材による編集操作に基づいて、上記音声データおよび/または画像データに対して編集操作の来歴が分かる編集証拠ファイルを作成する制御部と、
    を具備することを特徴とする情報記録装置。
  2. 音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、
    上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部と、
    編集操作を行うための操作部材と、
    上記操作部材による編集操作よって、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部と、
    を具備し、
    上記編集操作は、上記情報入力部によって一旦取得され記録された上記音声データおよび/または画像データの記録位置を戻し、この戻された記録位置から音声データおよび/または画像データを上書きする操作であり、上記消去候補は、上記上書きする部分の音声データおよび/または画像データであることを特徴とする情報記録装置。
  3. 音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、
    上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部と、
    編集操作を行うための操作部材と、
    上記操作部材による編集操作よって、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部と、 上記改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部と、
    を有し、
    上記判定部によって、上記改竄防止処理を施すと判定された場合には、
    上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、上記消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去することにより生成した第1のファイルと、
    上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、消去候補となる音声データおよび/または画像データも含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施した第2のファイルと、
    を生成することを特徴とする情報記録装置。
  4. 音声データおよび/または画像データを取得するための情報入力部と、
    上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施す改竄防止部と、
    編集操作を行うための操作部材と、
    上記操作部材による編集操作よって、上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施させる制御部と、
    を具備することを特徴とする情報記録装置。
  5. 上記編集操作は、上記情報入力部によって一旦取得され記録された上記音声データおよび/または画像データの記録位置を戻し、この戻された記録位置から音声データおよび/または画像データを上書きする操作であり、上記消去候補は、上記上書きする部分の音声データおよび/または画像データであることを特徴とする請求項に記載の情報記録装置。
  6. 上記改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部を有し、
    上記判定部によって、上記改竄防止処理を施さないと判定された場合には、上記消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去したファイルを生成することを特徴とする請求項に記載の情報記録装置。
  7. 上記改竄防止部による上記改竄防止処理を施すか否かを判定する判定部を有し、
    上記判定部によって、上記改竄防止処理を施すと判定された場合には、
    上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、消去候補となる音声データおよび/または画像データも含めたデータについて、上記改竄防止部によって改竄防止処理を施した第2のファイルと、
    上記情報入力部によって取得された音声データおよび/または画像データのうち、上記消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去することにより生成した後に、上記改竄防止部によって改竄防止処理が施された第3のファイルと、
    を生成することを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置。
  8. 音声データおよび/または画像データを取得し、
    上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施し、
    操作部材による編集操作よって、上記取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータに対して、上記改竄防止処理を施させる、
    ことを特徴とする情報記録装置の改竄防止方法。
  9. 情報記録装置のコンピュータに改竄防止を実行させるためのプログラムにおいて、
    音声データおよび/または画像データを取得し、
    上記音声データおよび/または画像データに対して改竄防止処理を施し、
    操作部材による編集操作よって、上記取得された音声データおよび/または画像データが消去候補となる場合に、該消去候補となる音声データおよび/または画像データを消去した後にデータに対して、上記改竄防止処理を施させる、
    ことを上記コンピュータに実行させるためのプログラム。
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