JP6582983B2 - 癌化学療法時の副作用軽減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、癌化学療法時の副作用軽減剤に関する。また、本発明は、癌化学療法の治療完遂率改善剤、並びに、癌の予防及び/又は治療剤に関する。
一般的に癌はDNAの変異による細胞の制御不能な異常増殖で、正常細胞よりも増殖速度が速いのが特徴である。化学療法剤は、この増殖速度の速さを利用して、すなわち細胞分裂を阻害することで分裂が盛んな標的の癌細胞に障害を与える。しかしこの作用は、癌細胞に特異的な作用ではなく、正常な細胞にも影響を及ぼすため、化学療法剤投与に伴う二次的な反応、いわゆる副作用が様々な部位に発生する。
癌化学療法には、治療形態としていくつかの方法が存在する。集学的治療(combined modality chemotherapy)では薬剤のほかに、放射線療法や外科手術などを組み合わせて実施する。多剤併用療法(combination chemotherapy)は、いくつもの薬剤を同時に患者に投与する方法で、薬剤は異なる作用機序と副作用を持つものが選択される。当該方法は、単一薬剤での治療と異なり、癌が化学療法剤に対して耐性を獲得する機会が最小になる利点がある。(術後)補助化学療法(adjuvant chemotherapy)は、外科手術などにより癌が取り除かれた後に一定期間、癌の再発リスクを抑えるために実施する。また、転移した癌細胞は新たに増殖し盛んに分裂するので、補助化学療法が有効であることが多い。術前化学療法(neoadjuvant chemotherapy)は、乳癌を中心に行われており、手術前の化学療法により癌を小さくしてから外科的に癌を取り除くことを目的に実施する。
癌化学療法は盛んに分裂する癌細胞に対して有効であるが、生体には癌細胞と同様に新陳代謝が速く、分裂も盛んに行われている正常組織及び細胞が存在する。化学療法剤はこうした分裂の盛んな正常組織及び細胞にも作用してしまうので、場合によっては重大な副作用が生じる。このような場合は、化学療法の継続が困難となり、治療中止や抗癌剤が減量となるため、化学療法の治療効果(癌の縮小や癌再発リスクの低減など)が十分に得られない。
化学療法剤による副作用は、有害事象共通用語基準v4.0(Common Terminology Criteria for Adverse Events:CTCAE)に、症状のグレードも含め規定されている。化学療法剤の種類によって各症状の発現に強弱はあるが、主な有害事象としては、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、骨髄毒性(白血球、顆粒球減少)、皮膚障害、脱毛、神経障害、間質性肺炎、肝障害、腎障害、心障害等がある。化学療法の効果を最大限に得るためにも、これらの副作用を抑えることは重要な課題である。
現状、副作用を抑える支持療法がいくつか実施されている。骨髄毒性に伴う顆粒球減少による感染症に対する支持療法としては、例えば、感染予防目的としてST合剤(サルファ剤であるサルファメソキサゾールと抗菌薬であるトリメトプリムとの合剤)を予防投与する方法や、抗真菌薬シロップを用いる方法等が挙げられる。
骨髄毒性の支持療法は、赤血球や血小板の減少には輸血を行い、顆粒球減少には合成G−CSF(granulocyte-colony stimulating factor:顆粒球コロニー刺激因子)を投与することにより補う。場合によって、重篤な骨髄毒性が発症した際は造血幹細胞が破壊される。その際は、化学療法実施前に患者から取り出した造血幹細胞を培養し、化学療法後に再度注入する自己移植が行われる。
消化器症状に対する支持療法としては、後述の通り、口内炎、嘔吐、下痢に対して、各種の支持療法が実施されている。口内炎は、化学療法による粘膜障害や感染によって難治化しやすく、支持療法としては口腔内ケアを行い、極端に熱いものの摂取を控えるなどの対処がとられる。嘔吐は、延髄に存在する嘔吐中枢で制御されている。化学療法による嘔吐には3つの機序が提唱されており、基本的には発症時期で分類され、それぞれで中枢性に作用する薬剤が使用される。下痢には、化学療法当日に出現する自律神経の刺激による早発性下痢と治療後数日〜2週間程度で起こる消化管粘膜障害に伴う遅発性下痢がある。これらに対しては、止瀉薬を用いることが多い。
これら支持療法は、いずれにしても対症療法で、即ち副作用が発症してから施されるものであり、化学療法に伴う副作用の発現自体を予防するものではない。
その他、栄養学的な介入により化学療法時の副作用を予防及び改善させることを目的に、いくつかの栄養剤が臨床的に検討されている。例えば、成分栄養剤であるエレンタール(商品名)は、構成成分であるグルタミンに粘膜保護作用があり、食道癌化学療法時に摂取することにより、口内炎の発症を軽減することが知られている。また、半消化態栄養剤であるラコール(商品名)は、豊富に含まれるω3系脂肪酸に抗炎症作用等の機能があり、化学放射線療法時の白血球減少、好中球減少、口内炎、下痢に対して軽減させる効果があると報告されている。その他、ラコールと同様にω3系脂肪酸や亜鉛を含むプロシュア(商品名)が化学療法時の副作用を軽減すると報告されている。
しかしながら、化学療法時におけるこれら栄養剤による介入は、副作用によって食欲が低下しているにもかかわらず、介入効果を得るためには1日400〜500ml程度摂取しなければならず、総じてコンプライアンスが悪いとされている。
本発明の目的は、上記のような癌化学療法時における種々の副作用を軽減し、癌化学療法の治療完遂率を改善することのできる、癌化学療法時の副作用軽減剤を提供することにある。
発明者らは、シスチン又はその誘導体と、テアニンとを組み合わせて摂取することにより、癌化学療法時における種々の副作用を軽減し、癌化学療法の治療完遂率を改善し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1](A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを組み合わせてなる、癌化学療法時の副作用軽減剤。
[2](A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを含有する組成物である、上記[1]記載の剤。
[3](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[1]又は[2]記載の剤。
[4]癌化学療法の治療完遂率改善剤である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の剤。
[5]上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の剤と、抗癌剤とを組み合わせてなる、癌の予防及び/又は治療薬。
[6](A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを組み合わせてなる、癌化学療法の治療完遂率改善剤。
[7](A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを含有する組成物である、上記[6]記載の剤。
[8](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[6]又は[7]記載の剤。
[9](A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンと、抗癌剤とを組み合わせてなる、癌の予防及び/又は治療薬。
[10](A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを含有する組成物と、抗癌剤とを組み合わせてなる、上記[9]記載の予防及び/又は治療薬。
[11](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[9]又は[10]記載の予防及び/又は治療薬。
[12]上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌化学療法時の副作用軽減方法。
[13](A)シスチン又はその誘導体、並びに(B)テアニンの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌化学療法時の副作用軽減方法。
[14](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[13]記載の方法。
[15]上記[4]及び[6]〜[8]のいずれか1つに記載の剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌化学療法の治療完遂率改善方法。
[16](A)シスチン又はその誘導体、並びに(B)テアニンの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌化学療法の治療完遂率改善方法。
[17](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[16]記載の方法。
[18]上記[5]及び[9]〜[11]のいずれか1つに記載の予防及び/又は治療薬を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌の予防及び/又は治療方法。
[19](A)シスチン又はその誘導体、(B)テアニン、並びに抗癌剤の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌の予防及び/又は治療方法。
[20](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[19]記載の方法。
[21]癌化学療法時の副作用軽減における使用のための、(A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの組み合わせ。
[22]癌化学療法の治療完遂率改善における使用のための、上記[21]記載の組み合わせ。
[23]癌化学療法の治療完遂率改善における使用のための、(A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの組み合わせ。
[24]癌の予防及び/又は治療における使用のための、上記[21]記載の組み合わせと抗癌剤との組み合わせ。
[25]癌の予防及び/又は治療における使用のための、(A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンと抗癌剤との組み合わせ。
[26](A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、上記[21]〜[25]のいずれか1つに記載の組み合わせ。
[27]上記[1]〜[4]及び[6]〜[8]のいずれか1つに記載の剤を製造するための、(A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンの使用。
[28]上記[5]及び[9]〜[11]のいずれか1つに記載の予防及び/又は治療薬を製造するための、(A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンと抗癌剤の使用。
本発明によれば、癌化学療法時における種々の副作用を軽減し、癌化学療法の治療完遂率を改善することのできる、癌化学療法時の副作用軽減剤を提供できる。
また本発明によれば、癌化学療法の治療完遂率改善剤、並びに、癌の予防及び/又は治療剤を提供できる。
試験例2の試験スケジュールを示す。 試験例2(1−1)における、血中の顆粒球数の変化を示すグラフである。縦軸は、血中の顆粒球数(カウント)を示す。横軸の「Pre」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前を示し、「2−wk」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与開始から2週間後を示す。 試験例2(1−1)における、血中の顆粒球数の変化を示すグラフである。縦軸は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前の血中の顆粒球数を1としたときの、血中の顆粒球数の相対値を示す。横軸の「Pre」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前を示し、「2−wk」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与開始から2週間後を示す。 試験例2(1−2)における、血中の顆粒球数の変化を示すグラフである。縦軸は、血中の顆粒球数(カウント)を示す。横軸の「Pre」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前を示し、「2−wk」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与開始から2週間後を示す。***:対応のあるt検定、p<0.001。 試験例2(1−2)における、血中の顆粒球数の変化を示すグラフである。縦軸は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前の血中の顆粒球数を1としたときの、血中の顆粒球数の相対値を示す。横軸の「Pre」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前を示し、「2−wk」は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与開始から2週間後を示す。†:t検定、p<0.1。 試験例2(2−1)における、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法時の副作用発症率を示すグラフである。縦軸は、各副作用(グレード2以上)の発症率(%)を示す。横軸は、左から順に、顆粒球減少、食欲不振、悪心、下痢、倦怠感を示す。「Control」は対照群を示し、「Cystine and theanine」はシスチン及びテアニン摂取群を示す。 試験例2(2−2)における、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法時の副作用発症率を示すグラフである。縦軸は、副作用(グレード2以上)の発症率(%)を示す。横軸は、顆粒球減少を示す。「Control」は対照群を示し、「Cystine and theanine」はシスチン及びテアニン摂取群を示す。 試験例2(2−2)における、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法時の副作用発症率を示すグラフである。縦軸は、各副作用(グレード2以上)の発症率(%)を示す。横軸は、左から順に、口内炎、食欲不振、悪心、下痢、倦怠感、皮疹を示す。「Control」は対照群を示し、「Cystine and theanine」はシスチン及びテアニン摂取群を示す。**:フィッシャーの正確確率検定、p<0.05、†:フィッシャーの正確確率検定、p<0.1。 試験例2(3−1)における、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法の治療完遂率を示すグラフである。縦軸は、治療完遂率(%)を示す。横軸の「Control」は対照群を示し、「Cystine and theanine」はシスチン及びテアニン摂取群を示す。 試験例2(3−2)における、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法の治療完遂率を示すグラフである。縦軸は、治療完遂率(%)を示す。横軸の「Control」は対照群を示し、「Cystine and theanine」はシスチン及びテアニン摂取群を示す。**:フィッシャーの正確確率検定、p<0.01。 試験例2(4)における、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の全用量を服用できた期間を示すグラフである。縦軸は、全用量を服用できた期間(day)を示す。横軸の「Control」は対照群を示し、「Cystine and theanine」はシスチン及びテアニン摂取群を示す。**:t検定、p<0.01。
1.癌化学療法時の副作用軽減剤
本発明の癌化学療法時の副作用軽減剤は、(A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを組み合わせてなることを主たる特徴とする。
本明細書において、本発明の癌化学療法時の副作用軽減剤を、便宜上「本発明の剤」とも称する。
[成分A]
本発明の剤の成分Aは、シスチン又はその誘導体である。
シスチンは、L−体、D−体及びDL−体のいずれも使用可能であるが、好ましくはL−体、DL−体であり、更に好ましくはL−体である。
シスチンの誘導体(シスチン誘導体)は、シスチンから誘導される化合物であって、癌化学療法時の副作用軽減作用を有するものであればよい。シスチンの誘導体には、シスチンの単量体であるシステイン、更にはシステインから誘導される化合物(システイン誘導体)も含まれる。
シスチン誘導体としては、例えば、グルタチオン、グルタチオンジスルフィド(酸化型グルタチオン)、グルタチオンアルキルエステル(例えば、グルタチオンエチルエステル等)、酸化型グルタチオンジアルキルエステル(例えば、酸化型グルタチオンジエチルエステル等)、システイン、システインアルキルエステル(例えば、システインメチルエステル、システインエチルエステル等)、3−[(カルボキシメチル)チオ]アラニン、N−アシルシステイン(例えば、N−アセチルシステイン等)、N−アシルシステインアルキルエステル(例えば、N−アセチルシステインメチルエステル、N−アセチルシステインエチルエステル等)、N−アシルシスチン(例えば、N−アセチルシスチン等)、N−アシルシスチンアルキルエステル(例えば、N−アセチルシスチンメチルエステル等)、N,N’−ジアシルシスチン(例えば、N,N’−ジアセチルシスチン等)、N,N’−ジアシルシスチンジアルキルエステル(例えば、N,N’−ジアセチルシスチンジメチルエステル、N,N’−ジアセチルシスチンジエチルエステル等)、S−アルキルシステインスルフォキシド等が挙げられる。
シスチン及びシスチン誘導体は塩の態様であってもよく、本明細書における「シスチン又はその誘導体」なる用語は塩をも包含する概念である。
かかる塩としては、薬理学的に許容されるものであれば、特に制限はなく、例えば、無機酸または有機酸との塩が挙げられる。無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等が挙げられ、有機酸としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。また、塩基との塩とすることもできる。塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
成分Aは、好ましくはL−シスチンである。
[成分B]
本発明の剤の成分Bは、テアニンである。
テアニンは、L−体、D−体及びDL−体のいずれも使用可能であるが、好ましくはL−体、DL−体であり、更に好ましくはL−体である。
テアニンは塩の態様であってもよく、本明細書における「テアニン」なる用語は塩をも包含する概念である。
かかる塩としては、薬理学的に許容されるものであれば、特に制限はなく、例えば、無機酸または有機酸との塩が挙げられる。無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等が挙げられ、有機酸としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。また、塩基との塩とすることもできる。塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
成分Bは、好ましくはL−テアニンである。
本発明の剤は、摂取時に成分Aと成分Bとを組み合わすことができるものであれば、その形態は特に制限されない。例えば、本発明の剤は、成分Aと成分Bとを含有する単一の組成物であってよい。また、本発明の剤は、成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを組み合わせて用いてもよい。
本発明の剤の摂取形態は、特に限定されず、例えば、(1)成分Aと成分Bとを含有する組成物、即ち、単一の組成物として摂取してもよく、(2)成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを、同一経路で同時に摂取してもよく、(3)成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを、同一経路で時間差をおいて摂取してもよく(例えば成分A、成分Bの順序での摂取、あるいは逆の順序での摂取)、(4)成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを、異なる経路で同時に摂取してもよく、(5)成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを、異なる経路で時間差をおいて摂取してもよい(例えば成分A、成分Bの順序での摂取、あるいは逆の順序での摂取)。
なお、成分Aと成分Bとを時間差をおいて摂取する場合、両者が体内で共存することが好ましい。
本発明の剤において、成分Aと成分Bとの重量比は、両者が単一の組成物に含まれる場合、別個の組成物に含まれる場合のいずれにおいても、通常A:B=100:1〜1:100の範囲であり、A:B=20:1〜1:2の範囲が好ましい。
本発明の剤において、成分Aの摂取量は1日あたり通常1μg/kg体重〜800mg/kg体重の範囲であり、100μg/kg体重〜100mg/kg体重の範囲が好ましい。
本発明の剤において、成分Bの摂取量は、1日あたり通常1μg/kg体重〜800mg/kg体重の範囲であり、20μg/kg体重〜100mg/kg体重の範囲が好ましい。
本発明の剤において、成分Aと成分Bとの合計の摂取量は1日あたり通常100μg/kg体重〜800mg/kg体重の範囲であり、500μg/kg体重〜100mg/kg体重の範囲が好ましい。
本発明の剤は、上記1日あたりの摂取量を一度に、又は数回に分けて摂取することができる。また摂取期間は特に限定されないが、通常1〜90日間の範囲であり、1〜30日間の範囲が好ましい。
本発明の剤の適用対象としては、例えば、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)等が挙げられ、好ましくはヒトである。
本発明の剤の剤形は特に制限されず、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、エリキシル剤、シロップ剤、マイクロカプセル剤、ドリンク剤、乳剤、懸濁液剤等の経口医薬;皮膚外用剤(例、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、液剤、ローション剤、パック剤、入浴剤等)、注射剤、点鼻液剤、輸液等の非経口医薬;粉末状製品、顆粒状製品、カプセル状製品、タブレット状製品、液状製品、ゼリー状製品、ガム状製品、シート状製品、固形状製品等が挙げられる。
本発明の剤が、成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを組み合わせて用いるものである場合、これらの組成物の剤形は、同一であってもよいし、異なってもよい。
本発明の剤は必要に応じて、通常用いられる製剤用物質を含有することができる。該製剤用物質としては、例えば、結合剤、賦形剤、膨化剤、潤滑剤、流動性改善剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、防腐剤、被覆剤、担体、安定剤等が挙げられる。その他、各種ビタミン類、各種アミノ酸類を含有しても良い。
本発明の剤が、成分Aを含有する第1組成物と、成分Bを含有する第2組成物とを組み合わせて用いるものである場合、これらの組成物が含有する製剤用物質は、同一であってもよいし、異なってもよい。
結合剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、コーンスターチ及びゼラチン等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、微晶性セルロース及び結晶セルロース等が挙げられる。
膨化剤としては、例えば、コーンスターチ、前ゼラチン化デンプン、アルギン酸及びデキストリン等が挙げられる。
潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
流動性改善剤としては、例えば、微粒二酸化ケイ素等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、ショ糖、乳糖及びアスパルテーム等が挙げられる。
香味剤としては、例えば、ペパーミント、ワニラ香料、チェリー香料及びオレンジ香料等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン及びプロピルパラベン等が挙げられる。
被覆剤としては、例えば、シェラック及び砂糖等が挙げられる。
本発明の剤の剤形が例えばカプセル剤である場合には、上記の材料に加え、さらに液状担体(例、油脂)等を含有することができる。
本発明の剤は、癌化学療法時の副作用を軽減するために用いられる。本明細書において、癌化学療法時の副作用の「軽減」とは、該副作用を緩和すること(消失させることを含む)又は該副作用の悪化を防ぐこと若しくは遅延させることを意味する。また、該副作用は、本発明の剤を摂取する時に既に発生しているものの他、摂取後に発生するものも含む概念である。従って、本明細書における癌化学療法時の副作用の「軽減」は、上記に加え、副作用の発生を抑制することも意味する。
癌化学療法時の副作用としては、例えば、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、倦怠感、骨髄毒性(白血球、顆粒球減少)、皮膚障害、脱毛、神経障害、間質性肺炎、肝障害、腎障害、心障害等が挙げられる。中でも、本発明の剤は、癌化学療法の休止の原因となり得る副作用(例、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、倦怠感、顆粒球減少等)を軽減するために好ましく用いられる。
癌化学療法に用いられる抗癌剤は特に制限されず、例えば、抗癌性抗生物質、プラチナ製剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物アルカロイド、分子標的治療剤、ホルモン剤等が挙げられる。
抗癌性抗生物質(抗腫瘍性抗生物質)とは、癌細胞に関連するDNA又はRNAに損傷を引き起こすことにより癌細胞の増殖を抑制する抗癌剤(DNA障害性抗癌剤)に属する抗生物質をいう。抗癌性抗生物質としては、例えば、アドリアマイシン、エピドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、ピラルビシン、アムルビシン、イダルビシン等のアントラサイクリン系抗癌剤;マイトマイシンC、ブレオマイシン、ペプロマイシン、クロモマイシンA3、アクチノマイシンD、ジノスタチンスチマラマー等が挙げられる。
プラチナ製剤とは、DNAの構成塩基であるグアニン、アデニンのN−7位に、2つの塩素原子部位で結合し、DNA鎖内に架橋を形成し、DNA合成を阻害することによって癌細胞の増殖を抑制する効果を発揮する抗癌剤をいう。プラチナ製剤としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン等が挙げられる。
アルキル化剤とは、DNAをアルキル化することにより切断して癌細胞の増殖を抑制する効果を発揮する抗癌剤をいう。アルキル化剤としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、クロラムブシル、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン等のナイトロジェンマスタード類;カルボコン、チオテパ等のエチレンイミン類;ブスルファン、トシル酸インプロスルファン等のスルホン酸エステル類;ニムスチン、ラニムスチン、ダカルバジン、プロカルバジン等のニトロソウレア類、テモゾロミド等が挙げられる。
代謝拮抗剤とは、癌細胞が分裂又は増殖する際に、核酸の材料となる物質と化学的構造が近似している物質でDNAの合成を妨げ、癌細胞の代謝を阻害して、増殖を抑制する抗癌剤をいう。代謝拮抗剤としては、例えば、5−フルオロウラシル(5FU)、テガフール、カルモフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、ドキシフルリジン、フロクスウリジン、シタラビン、エノシタビン、ゲムシタビン等のピリミジン代謝拮抗剤;メルカプトプリン、チオグアニン、リン酸フルダラビン、チオイノシン等のプリン代謝拮抗剤;メトトレキサート、トリメトプリム、ピリメタシン等の葉酸代謝拮抗剤等が挙げられる。
植物アルカロイドとしては、癌細胞の分裂に作用する微小管形成を阻害するビンカアルカロイド系、異常な微小管形成を引き起こし、癌細胞の分裂を阻害するタキサン系、細胞分裂の過程でDNAの切断と再結合に作用するトポイソメラーゼを阻害して、癌細胞を死滅させるトポイソメラーゼ阻害剤等が挙げられる。ビンカアルカロイド系としては、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン等が挙げられる。タキサン系としては、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル等が挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤としては、例えば、イリノテカン、ノギテカン、エトポシド、ソブゾキサン等が挙げられる。
分子標的治療剤とは、癌細胞の増殖に関わる分子を標的にして、その分子を阻害することにより癌細胞を殺傷する活性を有する抗癌剤をいう。分子標的治療剤としては、特に限定されないが、例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、リツキシマブ、セツキシマブ、インフリキシマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ等が挙げられる。
ホルモン剤とは、癌細胞の分裂又は増殖に関与するホルモンに作用する抗癌剤をいう。ホルモン剤としては、特に限定されないが、例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、エチニルエストラジオール、クロルマジノン、ゴセレリン、タモキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、プレドニゾロン、リュープロレリン、レトロゾール等が挙げられる。
本発明の剤は、代謝拮抗剤(より好ましくはピリミジン代謝拮抗剤、特に好ましくは5FU、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)を用いる癌化学療法時の副作用を軽減するために好ましく用いられる。
癌化学療法の治療形態は特に制限されず、例えば、集学的治療、多剤併用療法、(術後)補助化学療法、術前化学療法等が挙げられる。
2.癌化学療法の治療完遂率改善剤
本発明の剤は、癌化学療法の休止の原因となり得る副作用を軽減し得るため、癌化学療法の治療完遂率改善剤として用いられ得る。
本明細書において「癌化学療法の治療完遂率」とは、癌化学療法が行われた患者群における、該癌化学療法を副作用によって休止することなく完了することができた患者の割合をいう。癌化学療法を完了することができたか否かの判定基準は、例えば癌化学療法において用いられる抗癌剤の種類、投与スケジュール等に応じて適宜設定し得る。例えば、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法の投与スケジュールは、患者の年齢、性別、病状等に応じて適宜設定し得るが、後述の実施例に示されるように、該配合剤を1日2回、4週間連日経口投与した後、2週間休薬し、これを1クールとして投与を繰り返す場合は、最初の1クールを、副作用によって該配合剤の投与を休止することなく完了することができた患者を、該癌化学療法を完了することができた患者として判定し得る。テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法は、実施し得たクール数によって5年生存率が変化することから、治療完遂率を改善することは生命予後の改善にとって有用である。
癌化学療法に用いられる抗癌剤は特に制限されず、例えば、本発明の剤の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の剤は、代謝拮抗剤(より好ましくはピリミジン代謝拮抗剤、特に好ましくは5FU、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)を用いる癌化学療法の治療完遂率を改善するために好ましく用いられ得る。
3.癌の予防及び/又は治療薬
本発明は、副作用(好ましくは、癌化学療法の休止の原因となり得る副作用)が軽減された癌の予防及び/又は治療薬も提供する。本発明の癌の予防及び/又は治療薬は、本発明の剤と、抗癌剤とを組み合わせてなることを主たる特徴とする。
本明細書において、本発明の癌の予防及び/又は治療薬を、便宜上「本発明の予防及び/又は治療薬」とも称する。
本発明の予防及び/又は治療薬における抗癌剤としては、例えば、本発明の剤の説明において、癌化学療法に用いられる抗癌剤として例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の予防及び/又は治療薬は、本発明の剤と抗癌剤とを組み合わせてなるものであり、投与時にこれらを組み合わすことができるものであれば、その形態は特に制限されない。例えば、本発明の剤と抗癌剤とは、単一の製剤としてもよいし、別個の製剤としてもよい。
抗癌剤は、副作用からの回復等のため、通常休薬期間を挟んで一定の投与間隔で投与されるが、本発明の剤は安全性が高いため、抗癌剤の休薬期間中も投与することができ、また抗癌剤の投与間隔よりも短い間隔で投与することができる。例えば、抗癌剤を一定の期間毎(例、数日〜数週間毎等)に投与し、本発明の剤を抗癌剤よりも短い間隔(例、毎日等)で投与することができる。このような場合も、本発明の剤と抗癌剤とを組み合わせていると言い得る。
本発明の予防及び/又は治療薬は、本発明の剤と抗癌剤とを同時に投与してもよい。
本発明の予防及び/又は治療薬において、本発明の剤と抗癌剤とを別個の製剤とする場合、本発明の剤及び抗癌剤の投与経路は、同一であってもよいし、異なってもよい。
本発明の予防及び/又は治療薬において、抗癌剤の投与量は、抗癌剤の種類毎に患者の病態、年齢、投与方法等に応じて適宜設定することができる。
本発明の予防及び/又は治療薬の投与対象としては、例えば、本発明の剤の適用対象と同様のものが挙げられ、好適な対象も同様である。
本発明の予防及び/又は治療薬の剤形としては、例えば、本発明の剤を医薬として提供する場合の剤形と同様のものが挙げられ、好適な剤形も同様である。
本発明の予防及び/又は治療薬が、本発明の剤と抗癌剤とを別個の製剤とするものである場合、これらの製剤の剤形は、同一であってもよいし、異なってもよい。
本発明の予防及び/又は治療薬は必要に応じて、医薬的に許容し得る製剤用物質を含有することができる。その具体例としては、本発明の剤の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の予防及び/又は治療薬が、本発明の剤と抗癌剤とを別個の製剤とするものである場合、これらの製剤が含有する製剤用物質は、同一であってもよいし、異なってもよい。
本発明の予防及び/又は治療薬の対象となる癌としては、例えば、乳癌(例、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌等)、前立腺癌(例、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌等)、膵癌(例、膵管癌等)、胃癌(例、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌等)、肺癌(例、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫等)、結腸癌(例、消化管間質腫瘍等)、直腸癌(例、消化管間質腫瘍等)、大腸癌(例、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍等)、小腸癌(例、非ホジキンリンパ腫、消化管間質腫瘍等)、食道癌、十二指腸癌、舌癌、咽頭癌(例、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌等)、唾液腺癌、脳腫瘍(例、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫等)、神経鞘腫、肝臓癌(例、原発性肝癌、肝外胆管癌等)、腎臓癌(例、腎細胞癌、腎盂と尿管の移行上皮癌等)、胆嚢癌、胆管癌、膵臓癌、肝癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌(例、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍等)、膀胱癌、尿道癌、皮膚癌(例、眼内(眼)黒色腫、メルケル細胞癌等)、血管腫、悪性リンパ腫(例、細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病)、悪性黒色腫、甲状腺癌(例、甲状腺髄様癌等)、副甲状腺癌、鼻腔癌、副鼻腔癌、骨腫瘍(例、骨肉腫、ユーイング腫瘍、子宮肉腫、軟部組織肉腫等)、血管線維腫、網膜肉腫、陰茎癌、精巣腫瘍、小児固形癌(例、ウィルムス腫瘍、小児腎腫瘍等)、カポジ肉腫、AIDSに起因するカポジ肉腫、上顎洞腫瘍、線維性組織球腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、白血病(例、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病等)等が挙げられる。
本発明の予防及び/又は治療薬は、副作用が軽減されたものであり、当該副作用としては、例えば、本発明の剤の説明において癌化学療法時の副作用として例示したものと同様のものが挙げられる。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1:シスチン及びテアニン含有サプリメントの製造
L−シスチン2,625g、L−テアニン1,050g、デキストリン1,710g、アスパルテーム15gを混合した後、結晶セルロース1,500g及び重量比で30%の70%エタノールを加えて練合し、押し出し造粒した。得られた造粒物は、含水率1.6%以下まで乾燥後整粒し、16メッシュPASSの粒子を得た後、微粒二酸化ケイ素37.5g、グリセリン脂肪酸エステル487.5g及びワニラ香料75gを加え混合した。得られた混合物は、11mmΦ、500mg、打錠圧力2.0ton、回転数20rpm、硬度平均10kgの条件で打錠した。以上の操作で、1錠あたり175mgのL−シスチン及び70mgのL−テアニンを含有する直径11mmの錠剤(全量:425mg)を製造した。
試験例1:多剤併用の癌化学療法時に口内炎を発症した患者を対象とした副作用軽減効果の評価
多剤併用の癌化学療法が行われ、副作用として口内炎が発症した患者14名を、本試験の対象とした。該患者の疾患は、直腸癌、結腸癌、胃癌又は乳癌であった。該患者は、癌の種類及び進行ステージに対応したレジメンに基づき、多剤併用の癌化学療法が行われ、CTCAE v4.0にて口内炎の発症が確認された時点から1箇月間、シスチン及びテアニン含有サプリメント(L−シスチンとして700mg、L−テアニンとして280mg、サプリメントの総量として1.7g)を1日1回摂取させた。摂取開始から1箇月後、口内炎の状態をCTCAE v4.0のグレード分類を用いて評価した。また、口内炎の状態及び痛みについて、患者自身による主観評価を実施した。当該主観評価の評価基準は、下記の通りである。
[口内炎の状態]
1:治った。又は、できなくなった。
2:完治しないが、良くなった。
3:変わりなし。
4:やや悪化した。
5:かなり悪化した。
[口内炎の痛み]
1:なくなった。
2:なくならないが、良くなった。
3:変わりなし。
4:ややひどくなった。
5:かなりひどくなった。
結果を表1に示す。
註)BV:ベバシズマブ、FOLIFILI:5FU+l−ロイコボリン+イリノテカン、cetu及びCmab:セツキシマブ、CPT11:塩酸イリノテカン、FOLFOX:5FU+l−ロイコボリン+オキサリプラチン、FEC:5FU+エピルビシン+シクロホスファミド、HPT:ハーセプチン(商品名、トラスツズマブ)、DXT:ドセタキセル、S1及びTS1:TS−1(商品名、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)、CDDP:シスプラチン
「FOLFOX+BV>Cmab+CPT11」は、当初はFOLFOX+BVを投与し、その後、これに代えてCmab+CPT11を投与したことを意味する。同様に、「HPT+DTX>HPT+S1」は、当初はHPT+DTXを投与し、その後、これに代えてHPT+S1を投与したことを意味する。
表1に示した通り、多剤併用の癌化学療法の開始後に口内炎を発症した患者に対して、シスチン及びテアニン含有サプリメントを1箇月間摂取させたところ、CTCAE v4.0の副作用のグレード分類による評価において、57.1%の患者に口内炎の改善が認められた。また、患者自身による主観評価においても、85.7%の患者に口内炎の状態の改善が認められ、64.3%の患者に口内炎の痛みの改善が認められた。
これらの結果から、多剤併用の癌化学療法の開始後に口内炎を発症した患者に対して、シスチン及びテアニン含有サプリメントを摂取させることにより、口内炎が改善したことが明らかとなった。
試験例2:大腸癌又は胃癌の術後補助化学療法時における副作用軽減効果の評価
大腸癌又は胃癌の術後補助化学療法として、外科手術から6週間以内に、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(商品名:TS−1)の投与が予定されている患者を、本試験の対象とした。対象患者は、封筒法にて、シスチン及びテアニンを摂取させる群(シスチン及びテアニン摂取群)と、シスチン及びテアニンを摂取させない群(対照群)との2群に分けた。本試験においてテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の用量は、患者の体表面積が1.25m未満の場合はテガフール相当量で80mg/dayとし、該体表面積が1.25m以上〜1.5m未満の場合はテガフール相当量で100mg/dayとし、該体表面積が1.5m以上の場合はテガフール相当量で120mg/dayとした。また、該用量は各患者の腎機能(クレアチニンクリアランス)に応じて適宜調整した。テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与スケジュールは、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を1日2回、4週間連日経口投与した後、2週間休薬し、これを1クールとして投与を繰り返した。シスチン及びテアニン摂取群は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与開始の1週間前から連続5週間(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与1クール目の4週間を含む)、シスチン及びテアニン含有サプリメント(L−シスチンとして700mg、L−テアニンとして280mg、サプリメントの総量として1.7g)を、1日1回朝に、少量の水とともに摂取した。対照群は、シスチン及びテアニン含有サプリメントを摂取せず、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤のみを摂取した。両群とも、試験終了までは、サプリメント類及びビタミン類の服用を禁止した。テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与前、投与開始から1週間後、2週間後、4週間後及び6週間後に、採血及び副作用の症状(食欲不振、悪心、下痢及び倦怠感)の聴取を実施した。採血結果、副作用の発生状況及び重症度は、CTCAE v4.0のグレード分類を用いて評価した。CTCAE v4.0のグレード分類による評価において、血中の顆粒球数、食欲不振、悪心、下痢及び倦怠感のいずれかがグレード2以上であった患者は、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与を休止した。図1に、試験スケジュールを図示する。
(1−1)シスチン及びテアニン摂取群14名及び対照群15名について、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与による骨髄毒性に伴う顆粒球減少について解析した。
結果を図2及び図3に示す。
図2及び図3に示す通り、対照群では、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与開始2週間後に骨髄毒性に伴う顆粒球減少が確認されたが、シスチン及びテアニン摂取群では当該顆粒球減少が抑制されていた。
当該結果から、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う顆粒球減少が軽減したことが明らかとなった。
(1−2)上記(1−1)の解析の後、シスチン及びテアニン摂取群の人数を14名から25名に増やし、また対照群の人数を15名から25名に増やして、上記(1−1)と同様に、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与による骨髄毒性に伴う顆粒球減少について解析を行った。
結果を図4及び図5に示す。
図4及び図5に示す通り、対照群では、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与開始2週間後に骨髄毒性に伴う顆粒球減少が確認されたが、シスチン及びテアニン摂取群では当該顆粒球減少が抑制されていた。
従って、当該結果からも、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う顆粒球減少が軽減したことが確認された。
(2−1)シスチン及びテアニン摂取群17名及び対照群18名について、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う各副作用についてCTCAE v4.0のグレード分類を用いて評価した。具体的には、顆粒球減少、食欲不振、悪心、下痢及び倦怠感について、TS−1の休薬基準であるグレード2以上の副作用発症率を解析した。
結果を図6に示す。
図6に示す通り、シスチン及びテアニン摂取群では、顆粒球減少、食欲不振、悪心、下痢及び倦怠感のいずれにおいても、対照群と比較して発症率が低下していた。
当該結果から、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う顆粒球減少、食欲不振、悪心、下痢及び倦怠感の発症が軽減したことが明らかとなった。
(2−2)上記(2−1)の解析の後、シスチン及びテアニン摂取群及び対照群の人数を増やして、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う各副作用についてCTCAE v4.0のグレード分類を用いて評価した。具体的には、シスチン及びテアニン摂取群31名及び対照群27名の顆粒球減少、並びに、シスチン及びテアニン摂取群32名及び対照群31名の口内炎、食欲不振、悪心、下痢、倦怠感及び皮疹について、グレード2以上の副作用発症率を解析した。
結果を図7及び図8に示す。
図7及び図8に示す通り、シスチン及びテアニン摂取群では、顆粒球減少、口内炎、食欲不振、悪心、下痢、倦怠感及び皮疹のいずれにおいても、対照群と比較して発症率が低下していた。
当該結果から、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う顆粒球減少、口内炎、食欲不振、悪心、下痢、倦怠感及び皮疹の発症が軽減したことが明らかとなった。
(3−1)シスチン及びテアニン摂取群17名及び対照群18名について、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法の治療完遂率を解析した。当該癌化学療法の最初の1クールを、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の投与を休止することなく完了することができた患者数(N)を「治療完遂症例数」とし、また、該治療完遂症例数の、各群の総患者数(シスチン及びテアニン摂取群:17名、対照群:18名)に対する割合(%)を、「治療完遂率」として算出した。
結果を表2及び図9に示す。
表2及び図9に示す通り、シスチン及びテアニン摂取群では、対照群と比較して、治療完遂率が高値であった。
当該結果から、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う各種副作用が軽減し、癌化学療法の治療完遂率が改善したことが明らかとなった。
(3−2)上記(3−1)の解析の後、シスチン及びテアニン摂取群の人数を17名から32名に増やし、また対照群の人数を18名から31名に増やして、)上記(3−1)と同様に、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を用いる癌化学療法の治療完遂率を解析した。
結果を表3及び図10に示す。
表3及び図10に示す通り、シスチン及びテアニン摂取群では、対照群と比較して、治療完遂率が高値であった。
従って、当該結果からも、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う各種副作用が軽減し、癌化学療法の治療完遂率が改善したことが確認された。
(4)シスチン及びテアニン摂取群32名及び対照群31名について、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の全用量を、副作用により減量することなく服薬できた期間を解析した。本試験において、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の用量は該配合剤の添付文書に従い、基本的にCTCAE v4.0のグレード分類におけるグレード2以上の副作用が発現した場合に、休薬もしくは減量した。
結果を図11に示す。
図11に示す通り、シスチン及びテアニン摂取群では、対照群と比較して、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の全用量を服薬できた期間が長かった。
当該結果から、シスチン及びテアニン含有サプリメントの摂取により、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与に伴う各種副作用が軽減し、該配合剤の全用量を、より長期間服薬できるようになったことが明らかとなった。
本発明によれば、癌化学療法時における種々の副作用を軽減し、癌化学療法の治療完遂率を改善することのできる、癌化学療法時の副作用軽減剤を提供できる。
また本発明によれば、癌化学療法の治療完遂率改善剤、並びに、癌の予防及び/又は治療剤を提供できる。
本出願は、日本で出願された特願2013-159736(出願日:2013年7月31日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (6)

  1. (A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを組み合わせてなる、癌化学療法の治療完遂率改善剤であって、
    シスチンの誘導体が、グルタチオン、グルタチオンジスルフィド、グルタチオンアルキルエステル、酸化型グルタチオンジアルキルエステル、システイン、システインアルキルエステル、3−[(カルボキシメチル)チオ]アラニン、N−アシルシステイン、N−アシルシステインアルキルエステル、N−アシルシスチン、N−アシルシスチンアルキルエステル、N,N’−ジアシルシスチン、N,N’−ジアシルシスチンジアルキルエステル及びS−アルキルシステインスルフォキシドからなる群より選択される、剤。
  2. (A)シスチン又はその誘導体と、(B)テアニンとを含有する組成物である、請求項1記載の剤。
  3. (A)シスチン又はその誘導体と(B)テアニンとの重量比が、A:B=100:1〜1:100である、請求項1又は2記載の剤。
  4. (A)シスチン又はその誘導体が、シスチンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤。
  5. 癌化学療法が、抗癌性抗生物質、プラチナ製剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物アルカロイド、分子標的治療剤及びホルモン剤からなる群より選択される少なくとも一つの抗癌剤を用いる癌化学療法である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
  6. 癌化学療法の治療完遂率改善が、癌化学療法の休止の原因となり得る副作用を軽減することによるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
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