JP6582039B2 - 腫瘍血管を選択的に破壊する金属フラーレン単結晶ナノ粒子による腫瘍治療方法 - Google Patents

腫瘍血管を選択的に破壊する金属フラーレン単結晶ナノ粒子による腫瘍治療方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療分野に属し、具体的には、腫瘍血管を選択的に破壊する金属フラーレン単結晶ナノ粒子による腫瘍治療方法に関するものである。
癌の罹患率および死亡率はともに、近年、増加の傾向を示しており、新たに罹患する癌患者の数は、全世界において、年間1500万人にも上り、人類の健康に深刻な脅威を与えている。伝統的に、3つの主な腫瘍治療法、つまり、外科手術、放射線治療、化学療法が用いられてきたが、それらはいずれも限界を有しており、癌が人間の死因の代表的な1つとなっている。近年、科学技術の発展に伴い、温熱療法、高周波焼灼療法、光線力学的療法、免疫療法等、物理学的、化学的、生物学的方法が、腫瘍の治療のために、生まれている。
1971年に、Folkmanらは、固形癌の成長および転移が、腫瘍血管新生に依存しているということを提案した。さらに、腫瘍血管新生を標的として、腫瘍血管新生阻害剤によって腫瘍血管新生を阻害し、腫瘍への栄養源を遮断して、腫瘍を「餓死させる」という新しい癌治療の方法を提案した。
血管は、腫瘍の増殖、成長、発達、修復の基礎となるものであり、卵巣癌、肝臓癌、子宮頸癌、乳癌等の悪性固形癌の大部分は全て、血管依存性の腫瘍である。腫瘍血管は、腫瘍随伴性の血管であり、正常な血管と比較して、構造、機能の両面において異なっている。正常な血管は、3つの膜、つまり、内膜、中膜、外膜からなっているが、腫瘍血管の構造には、薄い内膜が1層存在するのみである。さらに、腫瘍血管の方が内皮ギャップが大きく、構造が不完全であるため、血漿が滲出しうるナノサイズの細孔を多数有している。さらに、腫瘍における血液の輸送は豊富であり、そのため、腫瘍血管は、正常な血管よりも血流量が多く、正常な血管の3倍の高い血圧を有するという特徴も有している。正常な血管と腫瘍血管の間の差異に関する上記の分析に基づいて、腫瘍を治療するために、腫瘍血管の特徴に照準を合わせ、腫瘍血管を選択的に破壊する方法を設計することが可能である。
現在、腫瘍血管新生を対象とする研究は、2つの主な方向性を有している。つまり、血管形成阻害剤(AI)と血管破壊剤(VDA)である。VDAは、悪性腫瘍新生血管を選択的に破壊することができ、それによって癌を治療する目的を果たす薬剤の1種である。この概念は、1980年代に、最初にDenekampによって提案された。VDA開発の提案は、当初、腫瘍血管を物理的手段によって閉塞させ、腫瘍の成長を阻害するという実験的研究から得られた着想に由来するものであった。そして、VDA開発の提案は、徐々に、物理的手段による治療効果と類似の治療効果を薬理学的効果によって達成する薬剤の一種へと発展した。効果の機構は、悪性腫瘍新生血管に選択的に結合して、直接的または間接的に腫瘍新生血管を閉塞または損傷させ、腫瘍細胞の阻血性壊死を引き起こすというものであり、それによって、悪性腫瘍新生血管と正常な血管の間の病態生理学的な差異に基づいて、悪性腫瘍を治療する役割を果たす。しかし、最近開発された小分子のVDAの臨床試験の全てにおいて、高血圧、頻脈、徐脈性不整脈、心房細動、心筋梗塞等の心血管の副作用が報告されており、これらの副作用によって、それらVDAの幅広い臨床利用が制限されている。
本発明の課題の1つは、金属フラーレン単結晶ナノ粒子の新しい用途を提供することにある。
本発明によって提供される金属フラーレン単結晶ナノ粒子の新しい用途は、腫瘍血管破壊剤の調製に用いるというものである。
金属フラーレンは、フラーレンの炭素ケージの中に金属原子を内包させることで形成される新しい内包フラーレンの一種であり(金属内包フラーレンとも称される)、同じ炭素ケージでも、金属単原子、等核または異核の二核クラスターなど、種々の形態の金属原子を内包させることができる。
本発明で使用される金属フラーレンの種類は主に、M@C2n、M@C2n、MA@C2n、MN@C2n、M@C2n、MS@C2n、MO@C2n、M3−xN@C2n、を含んでいる。ただし、MおよびAはともに金属元素を表し、MおよびAはともに、Sc、Yおよびランタナイド金属元素(La〜Lu)のいずれか1つより選択され、30≦n≦60、0≦x≦3である。
本発明で使用される金属フラーレンは、常磁性金属フラーレンのみならず、非常磁性金属フラーレンも含む。
ここで、金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、表面に負電荷を有する水溶性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子である。単結晶ナノ粒子の粒子サイズは、50〜250ナノメートルの範囲にある。ナノ粒子は、剛性を有し(変形しにくく)、腫瘍の血管壁の細孔を通過する際に嵌まり込む。さらに、ナノ粒子は、外部放射エネルギーを吸収し、該放射エネルギーを熱エネルギーに変換し、同時に、該熱エネルギーを蓄積することができ、その結果、内部の蓄積温度が上昇する。その温度が相転移温度に達すると、単結晶ナノ粒子の体積が急激に膨張し、それによって、腫瘍血管の内皮細胞の形態、構造、機能のいずれかに変化を引き起こし、腫瘍血管を閉塞または破壊するという目的を達成する。
金属フラーレン単結晶ナノ粒子の形態および/または構造を変化させる方法は以下のとおりである。つまり、金属フラーレン単結晶ナノ粒子の種類、サイズ、表面修飾化学基の違いに応じて、相転移温度を40〜90℃の間で調整することができ、蓄積温度が材料の相転移温度を超えて相転移が起こった時に、粒子の体積が急速に膨張する。このような金属フラーレンナノ粒子が腫瘍血管のすぐそばに存在すれば、相転移が腫瘍の血管内皮細胞を破壊することになる。そして、血管内皮細胞のアポトーシスまたは基底膜からの剥離を引き起こし、腫瘍血管を損傷させて、癌細胞を餓死させる。その結果、効率的に腫瘍を治療する効果が達成される。
本発明において記載される表面に負電荷を有する水溶性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、水溶性にする修飾を金属フラーレン単結晶ナノ粒子に施し、表面の電気陰性を担保することで、得ることができる。
もちろん、修飾の工程を簡素化するために、水溶性にするための修飾の方法を適切に選択することで、金属フラーレン単結晶に電気陰性を付与するための修飾を、同時に達成することができる。
本発明に使用される金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、水溶性を有している必要があり、静脈を介して生体に注射して、血液循環に沿って腫瘍血管に輸送させて、腫瘍血管において機能させることができる。この目的を達成するために、金属フラーレン単結晶ナノ粒子を水溶性にするための修飾が必要である。修飾された金属フラーレン単結晶ナノ粒子の内側には、単結晶状の金属フラーレン分子が存在し、外側は、複数の水溶性官能基で修飾されている。これら化学官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、アミノ基等、あるはそれらの組み合わせ等、1種または複数の親水基を含むものであり、金属フラーレン単結晶ナノ粒子が水溶性とされる。あるいは、金属フラーレンまたは誘導体の結晶が、アミノ酸、ペプチド鎖等の水溶性の生体小分子によって、直接的に包囲される。金属フラーレンまたは誘導体の結晶粒子は、リポソームや細胞膜担持体等で被覆するなどして、生体親和性を有する担持体材料の補助のもとに、使用してもよい。さらに、自己組織化等によって、水溶性超分子系を形成することもできる。上記の修飾方法は全て、先行技術に開示されている方法によって達成することができる。
本発明で使用される金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、ある程度の電気陰性を有している必要がある。電気陰性を付与する修飾の方法には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基のような電気陰性の官能基を、金属フラーレン単結晶ナノ粒子の表面に、共有結合によって直接的に導入する方法、また、ヒドロキシル化した二酸化ケイ素層、カルボキシル化したカーボンフィルム、ペプチド鎖等の電気陰性を有する担持体で非共有結合的に被覆する方法がある。それらの方法により、材料が、血中で凝集にくくなる。また、正常な血管の壁への吸収が起こらなくなり、衝突が起こったとしても、すぐに跳ね返され、その結果、金属フラーレン単結晶ナノ粒子が相変化する際に、正常な細胞または生物組織に損傷が生じるのを低減することができる。
本発明において記載される表面に負電荷を有する水溶性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、典型的には、水溶液中において、50〜250nmのサイズを有しており、単結晶ナノ粒子は、ある程度の剛性を有している(変形しにくい)。そのため、腫瘍血管の内皮細胞の間のナノ細孔を通り抜けにくく、血管内外の圧力の差によって、血管壁の細孔の部位に緊密に嵌まり込むことができる。その結果、ナノ粒子の相転移によって材料の形態および構造に変化が起こった際に、腫瘍血管の内皮細胞を効率的に破壊するのが促進される。
表面に負電荷を有し、剛性のある構造を有する水溶性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子を得るために、最も効率の良い方法は、アルカリ性条件での固液反応によって調製する方法である。
このような金属フラーレンナノ材料(つまり、表面に負電荷を有する水溶性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子)は、外部放射エネルギーを吸収して、急速に単結晶粒子の中にエネルギーを蓄積することができ、温度がこのような材料の相転移点(40〜90℃)を超えた時に、材料の体積が急速に膨張する。使用される外部エネルギー源は主に、高周波、マイクロ波、赤外レーザー、X線等を含むものである。
本発明において記載される外部放射エネルギー源は主に、高周波(ラジオ波とも称される)、マイクロ波、赤外光、可視光、レーザー光、X線、交番磁場、そしてそれらの任意の組み合わせを含むものである。金属フラーレン単結晶ナノ粒子による放射エネルギーの吸収を促進し、その結果、温度を急速に上昇させ、相転移を起こし、さらにエネルギーを放出するためには、エネルギーの形態は、できる限りにおいて、例えばレーザーパルス、(高周波パルスを含む)電磁パルス等、極短パルスでの放射とする。パルスエネルギー源は、同時に、生体への損傷を低減することができる。
本発明に適用できる金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、具体的には、Gd@C82(OH)、Gd@C60(OH)のような、多数のヒドロキシル基で修飾された常磁性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子とすることができる。さらに、金属フラーレンのカルボキシル誘導体とすることができる。また、LuN@C80(OH)(NHやGd@C82(OH)(COOH)のような、複数の誘導基を有するものとすることができる。ここで、xおよびyは10〜30の間の整数であり、一般には偶数である。
本発明の第二の目的は、腫瘍を治療するための薬剤セットを提供することにある。
本発明で提供される薬剤セットは、上記のような金属フラーレン単結晶ナノ粒子と、それに適合した放射エネルギー源を供給する装置と、からなる。
その薬剤セットは、具体的には、非常磁性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子とパルスレーザーの組、または常磁性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子と高周波の組とすることができる。金属フラーレンの内包金属が原子量の大きい金属(例えばLa族金属)である場合に、薬剤セットは、金属フラーレン単結晶ナノ粒子とX線の組とすることができる。
上記のエネルギー源に関して、当業者は、先行技術の教示によって、またナノ材料を構成する主材料の、異なる放射エネルギーに対する吸収特性に鑑みて、合理的な選択を行うことができる。
本発明の第三の目的は、金属フラーレン単結晶ナノ粒子による腫瘍血管の選択的破壊に基づいた、腫瘍の治療方法を提供することにある。
その腫瘍の治療方法は、以下の段階を含んでいる。
1)治療を要する腫瘍を有する生体に、効果を有する投与量の水溶性金属フラーレン単結晶ナノ粒子を、注射によって投与する段階。
2)前記腫瘍を有する生体の腫瘍の部位に、前記金属フラーレン単結晶ナノ粒子に適合した放射エネルギー源を用いて、照射を行う段階。
本発明において記載される照射時間は、照射を行う時間の長さのことであり、例えば、ナノ材料を注射した後、10分から2時間である。
本発明において記載される「効果を有する投与量」とは、フラーレン単結晶ナノ粒子を本発明の方法で生体に投与した際に、癌の治療に利用される活性成分を効果的に輸送することができる量を指す。
本発明において記載される生体は、人間を含む哺乳類を指す。
上記の腫瘍治療方法において、好ましい注射の方法は、静脈注射である。その場合には、薬剤が、浸透の過程を含まずに直接的に血中で機能して、薬剤の使用量が少なくなり、治療効果が高くなる。
高い進入性を有する高周波の寄与のもと、本治療方法は、生体の表面近傍の腫瘍を治療できるのみならず、生体の深部の器官や組織を治療することもできる。腫瘍血管に選択的な物理学的治療方法が特に欠如しているため、治療される腫瘍の種類は、広い適用可能性を有しており、本治療方法は、肝臓癌、肺癌、結直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、骨癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胃癌、口腔癌、鼻癌、喉頭癌、胆管癌、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、髄膜腫、皮膚癌、黒色腫、肉腫等の一般的な悪性腫瘍を含む、またそれらに限られない全ての固形腫瘍に適用することができる。
本発明において記載される治療方法は、腫瘍血管に対して非常に高い選択性を有しており、腫瘍組織の微環境によって制限を受けない。
本発明で使用される金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、腫瘍を治療する際に、正常な生物組織に、有毒作用や副作用を及ぼすものではなく、以下の点に反映されるような極めて高い生物安全性を有する。
1)金属フラーレンに含有される金属イオンは、フラーレン殻に保護されており、生体内で漏出しない。131Iでラベルする実験によって、金属フラーレンは生体内で代謝され、48時間後に代謝によって生体の体外へと排出され、7日後に体内に残存する金属フラーレンが検出限界以下となることが証明されている。よって、金属フラーレンは、体内に保持されて、長期にわたる有毒作用や副作用をもたらしうるものではない。
2)電気陰性である金属フラーレン誘導体は、正常な血管や細胞膜には吸収されにくいが、血液循環を介して腫瘍血管には直接的に作用する。よって、生体への損傷を回避できる低薬剤濃度で、機能を果たしうる。
加えて、本発明で使用される金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、以下の機能をさらに有している。
1.ガドリニウム金属フラーレンは、核磁気共鳴の造影剤としても使用することができ、腫瘍の形態変化をリアルタイムで観察するのが可能となる。その結果、腫瘍に対する金属フラーレンナノ材料の治療効果を評価することができる。表面をアミノ基で修飾された水溶性フラーレン誘導体に関しては、蛍光を用いて、腫瘍に対する治療効果を検出することもできる。
2.金属フラーレン誘導体は、効果的にフリーラジカルを捕捉するという特性を有しており、正常な組織に損傷を与えないのみならず、さらに、正常な細胞を保護することができる。
3.金属フラーレンは、外部放射の存在下で腫瘍血管を閉塞させることと、同時に腫瘍血管の成長を阻害することの、2つの機能を有している。
加えて、本発明において使用される金属フラーレン単結晶ナノ粒子の濃度は、水溶液中で0.01〜20mmol/Lであり、細胞実験で使用される濃度は0.01〜1mmol/Lである。結果において、この薬剤は、顕著な細胞毒性を有するものではないことが示されている。つまり、動物実験で使用されている濃度は、1〜20mmol/Lであり、マウスは顕著な副作用を示していない。
1〜20mmol/Lの濃度の金属フラーレン単結晶ナノ粒子の水溶液は、使用の際に、静脈から生体に注射され、血液循環の後、選択的かつ特異的に腫瘍血管の細孔に保持されうる。注射の5〜30分後に、外部放射源(例えば高周波)を腫瘍の部位に照射すると、高周波の寄与のもとで金属フラーレンナノ材料の相転移が起こって、体積が急速に膨張し、結果として、腫瘍血管の内皮細胞が損傷を受け、細胞のアポトーシスが促進される。それによって、基底膜が露出され、固形腫瘍の中の血管系が崩壊されて、結果として、腫瘍の虚血や広範な壊死が起こる。
金属フラーレン単結晶ナノ粒子は主に、以下の機構によって腫瘍を治療する。
1.水溶性金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、静脈注射の後、血液循環を介して、腫瘍血管の内皮細胞の細孔、あるいは血管の欠陥部に、保持されうる。しかし、正常な血管には蓄積されない。腫瘍血管の内外の圧力差が大きいので、細孔に配置された金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、血管の内皮細胞の間に緊密に埋め込まれる。
2.金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、高周波あるいはレーザー光の寄与のもと、エネルギーを吸収して熱を生成し、その熱を材料内部に効率的に蓄積することができる。蓄積温度が材料の相転移点(40〜90℃)を超えた時、材料の体積が急速に膨張し、それによって、直接的かつ急速に、内皮細胞のアポトーシスが誘起される。その結果、基底膜が露出し、次いで、血管からの血液の漏出が起こる。それによって、腫瘍組織への栄養の供給が遮断され、腫瘍の治療の目的を達成することができる。
3.損傷を受けた腫瘍組織が生体内に存在し、免疫反応が体を刺激することで、さらに、抗腫瘍効果が得られる。
4.免疫反応という観点での金属フラーレンの特別な特性が、例えばサイトカインの分泌の調整や、樹状細胞の成熟によって、さらに体の免疫反応を増強するのに利用される。
5.金属フラーレンは、外部エネルギーの寄与のもとで、物理的圧力によって、血管を閉塞させることができるとともに、腫瘍血管それ自体の成長を阻害する役割も果たすことができる。
細胞実験により、本発明で記載される金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、正常な細胞に対しては顕著な殺傷効果を有さないことが、確認された。これは、そのような金属フラーレン単結晶ナノ粒子が、表面の電気陰性により、血中で凝集しにくく、正常な血管に吸収されないとともに、材料自体が、細胞を保護する機能を有し、体内の正常な細胞および組織への損傷を効果的に回避させるからである。
ヒドロキシル基で修飾した水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子が、高周波の寄与のもとで、腫瘍を有するマウス(腫瘍の直径は約5mm)に対して与える腫瘍治療効果について、調査を行っている。実験動物におけるイン・ビボの核磁気共鳴画像法の実験の結果によると、腫瘍を有するマウスの体内に静脈注射を行ってから4時間後、腫瘍の部位の顕著な変化が観察されうる。6時間後には、腫瘍の部位で、血流停止の現象が起こる。24時間以内に、内部が空洞で、表面に痂皮形成された腫瘍が観察される。しかし、正常な生物組織、肝臓や脾臓、腎臓のような器官は、影響を受けないままである。腫瘍を有するマウスの他の器官に対する動物実験における画像法および解剖法の結果によると、金属フラーレンナノ材料は、他の器官に、顕著な有毒作用や副作用を及ぼすものではなく、体内において正常に代謝することができる。
本発明は、外部放射エネルギー(高周波、マイクロ波、赤外レーザー、X線等)の寄与のもとで腫瘍血管を選択的に破壊する金属フラーレン単結晶ナノ粒子を利用して、悪性腫瘍の効果的かつ迅速な治療を実現する方法を提供するものである。そのような治療過程は、4つの段階を含んでいる。つまり、(1)常磁性金属フラーレンを、50〜250ナノメートルのサイズを有する剛性のある単結晶粒子とし、その表面に水溶性基で修飾を施して、超純水に溶解させ、生体に静脈注射する。(2)金属フラーレン単結晶ナノ粒子が血液循環を介して腫瘍の部位に到達し、腫瘍血管に多数の細孔や欠陥部が存在するために、血圧の差により、サイズの合う金属フラーレンが腫瘍の細孔や欠陥部の部位に保持される。(3)外部放射エネルギーの寄与のもと、金属フラーレン単結晶ナノ粒子が熱を蓄積し、蓄積温度が材料の相転移点(40〜90℃)を超えた時に、材料の体積が急速に膨張する。(4)相転移によって起こる体積の急な変化により、金属フラーレン単結晶ナノ粒子が腫瘍血管の内皮細胞に損傷を与え、アポトーシスを引き起こすことができる。その結果、血管を破壊して、腫瘍組織への栄養の供給を遮断し、最終的に腫瘍を「餓死させる」効果が達成される。この腫瘍治療方法は、最小侵襲手術を行うことなく、腫瘍血管を遮断することで、腫瘍の転移を効果的に回避できるものである。そのため、広範囲に使用でき、迅速で、安全で、非侵襲の効果的な腫瘍治療方法となる。
金属フラーレン単結晶ナノ粒子が腫瘍血管の内皮細胞を選択的に破壊するのを示す模式図である。図中の黒い粒子は上記特性を満たすナノ材料を示している。緑の粒子は上記条件を満たさないナノ材料を示している。紫色の部位は、ナノ材料の効果によって腫瘍血管の内皮細胞が損傷を受けたことを示している。 ヒドロキシル修飾されたガドリニウム金属フラーレン(Gd@C82)単結晶ナノ粒子の透過電子顕微鏡写真である。 13.5MHzの高周波の照射下で、水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子の水溶液が多数の気泡を発生しているのを示す写真である。 腫瘍を有するマウスの体内に尾静脈から水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子を注射し、高周波治療を行った際に、注射後各経過時間における核磁気共鳴画像と腫瘍の状態の変化を示す一連の写真である(図中の黄色い矢印は腫瘍の部位を示している)。 水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子を注射し、高周波治療を行った後の腫瘍に対する治療効果を示す一連の写真である。 水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子を使用せず、高周波の効果のみを与えた腫瘍血管の環境制御型走査電子顕微鏡写真である。 水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子と高周波によって治療を行った腫瘍血管の環境制御型走査電子顕微鏡写真である(図中の黄色い矢印は腫瘍血管の損傷を受けた部位を示している)。 腫瘍を有するマウスの体内における131Iでラベルした水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子の代謝分布である。
以下、具体的な実施例を参照して本発明を説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
以下の実験で記載される実験方法は、明示的に特定しないかぎり、従来の方法であり、試薬および材料は全て、明示的に特定しないかぎり、市販にて入手可能なものである。
以下の実施例で使用される「金属フラーレン単結晶ナノ粒子」は、具体的には、ヒドロキシル修飾された水溶性ガドリニウム金属フラーレン単結晶ナノ粒子(Gd@C82)である。
具体的な調製方法は以下のとおりである。Gd@C82のナノ粉末(参照:Carbon,2013,65,175)の酸化反応を、過酸化水素(30質量%のH溶液)の寄与のもとで行い、ケージの外側がヒドロキシル修飾されたGd@C82水溶性金属フラーレン単結晶ナノ粒子を得る。そのようなナノ粒子は、剛性を有する構造体であり、表面が多数のヒドロキシル基で修飾されているため、そのような剛性を有する単結晶ナノ粒子は、表面に負電荷を有している。
図2は、上記の水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子の透過写真であり、粒子のサイズは約100nmである。
実施例1:水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子が高周波の照射下で気泡を発生する実験
図3に見られるように、高周波の効果を及ぼしている過程で(13.5MHzの高周波の照射下で)、水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子が、溶液中で多数の気泡を連続的に発生するのが、観察された。これは、水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子が、高周波の寄与のもとで内部にエネルギーを蓄積し、蓄積温度が材料の相転移点(40〜90℃)を超えた時に、材料の体積が急速に膨張し、気泡が発生するからである。
実施例2:腫瘍の治療と、高周波の寄与のもとでの水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子の効果の確認
1)腫瘍を有するマウスの動物モデルの作製
腸体腔にH22肝臓癌細胞株を接種したマウスの腹水を抜き取り、遠心分離によって上澄みを除去して、細胞を計数した。そして、各マウスの右大腿に、10/mLの細胞濃度を有する細胞懸濁液を50μLだけ皮下接種した。5〜7日間成長させた後、腫瘍のサイズが約5mmになった時に、実験を実施した。
2)生きている実験動物に対する核磁気共鳴画像法および腫瘍治療の実験
150μLの水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子水溶液(濃度は10mmol/L)を、腫瘍を有するマウスに尾静脈から注射した。磁場の存在下で、高周波パルスを1時間照射し(温度:37℃、周波数:200MHz、バンド幅:500kHz)、腫瘍組織、腎臓、肝臓の画像を、各経過時間(注射前、そして注射後1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間)において撮影した。
図4が示すものは、磁場の存在下で水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子に高周波を照射した後の、核磁気共鳴画像と腫瘍の状態の変化を示す一連の図である(黄色い矢印で示された部分が腫瘍である)。これらの図から、注射後4時間から8時間で、腫瘍組織に顕著な変化が起こっており、腫瘍組織が徐々に壊死して黒くなり、核磁気共鳴画像の信号が弱くなり、時間の経過とともに、広範囲の腫瘍組織が徐々に除去されている。
図5は、本発明の方法で治療を行ってから24時間以内の腫瘍組織の変化を示す一連の写真である。治療後6時間において、腫瘍の部位で顕著な壊死と黒化の現象が起こっているのが明らかに観察される。そして、24時間後には、腫瘍の内側が空洞となるとともに、外側が痂皮形成されており、大部分の腫瘍組織が生体から除去されている。しかし、肝臓、脾臓、腎臓のような正常な生体組織および器官は、元のままの状態に留まっている。腫瘍を有するマウスの他の器官に対する動物実験の画像法および解剖法の結果によると、金属フラーレンナノ材料は他の器官に顕著な有毒作用や副作用を引き起こすものではなく、体内で正常に代謝することができる。
図6および図7は、それぞれ、水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子での治療を行わなかった場合、あるいは水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子での治療を2日間行った場合に、高周波の効果を与えた後の、腫瘍の環境制御型走査電子顕微鏡写真を示している。図7から、水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子と高周波の効果を与えた後に、腫瘍血管の中で、内皮細胞の壊死と剥離が広範囲に起こっており、血管基底膜が露出しているのが観察される。このことは、高周波の寄与のもとでの水溶性Gd@C82単結晶ナノ粒子の爆発的な膨張の衝撃力によって、腫瘍血管を迅速かつ効率的に破壊することができ、最終的に腫瘍組織を「餓死させ」、効率的かつ迅速な治療の効果を達成できることを示している。
図8に示されるように、金属フラーレンに含有される金属イオンは、フラーレン殻に保護されており、生体内で漏出しない。131Iラベル実験により、それらの金属イオンが生体内で正常に代謝され、大部分の金属フラーレンが48時間後には代謝によって体外に排出され、7日後に体内に残存する金属フラーレンが検出限界以下となることが証明されている。よって、金属フラーレンは、体内に保持されて、長期にわたる有毒作用や副作用をもたらしうるものではない。
本発明によって提供される腫瘍の治療方法は、最小侵襲手術を行うことなく、腫瘍血管を遮断することで、腫瘍の転移を効果的に回避できるものである。そのため、広範囲に使用でき、迅速で、安全で、非侵襲の効果的な腫瘍治療方法となる。

Claims (5)

  1. 腫瘍を治療するための薬剤セットであって、
    前記薬剤セットは、腫瘍血管破壊剤の調製に用いる金属フラーレン単結晶ナノ粒子と、該金属フラーレン単結晶ナノ粒子に含まれる金属フラーレンに適合した放射エネルギー源を供給する装置と、からなり、
    前記金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、表面に負電荷を有する水溶性の金属フラーレン単結晶ナノ粒子であり、
    前記単結晶ナノ粒子の粒子サイズは、50〜250ナノメートルの範囲にあり、
    前記単結晶ナノ粒子の相転移温度は、40〜90℃の範囲にあり、
    前記ナノ粒子は、剛性を有し、腫瘍の血管壁の細孔を通過する際に嵌まり込み、
    さらに、前記ナノ粒子は、外部放射エネルギーを吸収し、該放射エネルギーを熱エネルギーに変換し、同時に、該熱エネルギーを蓄積することができ、その際に、前記金属フラーレン単結晶ナノ粒子の体積が、相転移によって急速に膨張し、それによって、腫瘍血管の内皮細胞の形態、構造、機能のいずれかに変化を引き起こし、
    前記放射エネルギー源は高周波であることを特徴とする腫瘍を治療するための薬剤セット。
  2. 前記金属フラーレン単結晶ナノ粒子における金属フラーレンは、M@C2n、M@C2n、MA@C2n、MN@C2n、M@C2n、MS@C2n、MO@C2n、MxA−xN@C2n、の少なくとも1種から選択されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤セット。
    ただし、MおよびAはともに金属元素を表し、MおよびAはともに、Sc、Yおよびランタナイド金属元素のいずれか1つより選択され、30≦n≦60、0≦x≦3である。
  3. 前記金属フラーレン単結晶ナノ粒子は、Gd@C82(OH)xのようなヒドロキシル基で修飾された単結晶ナノ粒子、Gd@C82(OH)x(NH)yのようなヒドロキシル基とアミノ基で同時に修飾された単結晶ナノ粒子、Gd@C60(OH)xC60、Gd@C60(COOH)xのようなC60系の金属フラーレン単結晶ナノ粒子、GdN@C80(OH)x(NH)y、Gd@C82(OH)x(COOH)y、LuN@C80(OH)x(NH)yのような他の金属フラーレン単結晶ナノ粒子のいずれかであることを特徴とする請求項1から2のいずれか1項に記載の薬剤セット。
    ただし、xは全て10〜30の間の整数を表し、yは全て0〜20の間の整数を表している。
  4. 前記腫瘍は、固形腫瘍であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薬剤セット。
  5. 前記固形腫瘍は、肝臓癌、肺癌、結直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、骨癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胃癌、口腔癌、鼻癌、喉頭癌、胆管癌、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、髄膜腫、皮膚癌、黒色腫、肉腫を含むことを特徴とする請求項4に記載の薬剤セット。
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