JP6581791B2 - 水素再結合装置及び原子力プラント - Google Patents

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Description

本発明は、触媒反応により水素と酸素とを結合する水素再結合装置及び原子力プラントに関するものである。
従来、高速増殖炉等の原子力プラントにおいて取り扱われるナトリウムが漏えいして燃焼することにより発生するナトリウムエアロゾルを除去するナトリウムエアロゾル除去装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−124893号公報
ところで、高速炉等の原子力プラントのシビアアクシデントの発生を想定した場合、ナトリウムエアロゾルと共に、水素が発生する可能性がある。このため、このような原子力プラントには、水素を処理する装置を設置することが望ましい。このような装置としては、触媒表面において水素及び酸素を吸着し、吸着した水素及び酸素を触媒反応により結合して、水蒸気として放出するような水素再結合装置が考えられる。しかしながら、ナトリウムエアロゾルが発生すると、触媒表面にナトリウムエアロゾルが付着し、水素及び酸素の吸着を妨げることから、触媒反応が阻害されて、水素の処理を行うことが困難となる。
ここで、触媒の一部において触媒反応が発生すれば、触媒反応が生じた部位から他の部位へ熱が伝達し、ナトリウムエアロゾルが付着した触媒部が加熱されると、ナトリウムエアロゾルが溶融、または、揮発して、触媒表面を露出させることができるため、装置を適切に作動させるためには、少なくとも触媒の所定の部位において初期の触媒反応を発生させればよい。
そこで、本発明は、初期の触媒反応を好適に発生させることができる水素再結合装置及び原子力プラントを提供することを課題とする。
本発明の水素再結合装置は、冷却材として液体金属が使用される原子力プラントに設けられる水素再結合装置において、前記原子力プラント内の雰囲気が流通する雰囲気流路と、前記雰囲気流路に設けられ、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒部と、前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の上流側の前記雰囲気流路に設けられ、少なくとも前記触媒部の一部を覆って設けられる上流側被覆部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、少なくとも触媒部の上流側の一部を、上流側被覆部によって覆うことができるため、上流側被覆部は、エアロゾルの触媒部への付着を抑制することができる。このため、上流側被覆部によって覆われた触媒部の少なくとも一部において、初期の触媒反応を発生させることができる。よって、上流側被覆部に覆われていない触媒部にエアロゾルが付着する場合であっても、初期の触媒反応が発生した触媒部の一部から熱が伝達されることで、エアロゾルを溶融させ、触媒部を露出させることができる。これにより、エアロゾルが発生しても、触媒部を露出させることで、触媒部の触媒反応を好適に発生させることができるため、水素を好適に処理することができる。なお、上流側被覆部は、少なくとも触媒部の一部を覆えばよく、触媒部の全部を覆ってもよい。また、雰囲気流路は、雰囲気の流入口及び流出口が形成された筐体を用いて形成してもよいし、ダクトを用いて形成してもよい。さらに、液体金属としては、例えば、ナトリウムが用いられ、この場合、発生するエアロゾルは、ナトリウムエアロゾルである。
また、前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の下流側の前記雰囲気流路に設けられ、少なくとも前記触媒部の一部を覆って設けられる下流側被覆部を、さらに備えることが好ましい。
この構成によれば、触媒部の下流側においても、少なくとも触媒部の一部を、下流側被覆部によって覆うことができる。このため、雰囲気流路の下流側から入り込むエアロゾルが、触媒部に付着することを抑制することができる。
また、前記上流側被覆部及び前記下流側被覆部は、フィルタ部材であることが好ましい。
この構成によれば、フィルタ部材を用いることで、エアロゾルの浸入を抑制しつつ、水素、酸素及び水蒸気を含む雰囲気(気体)の流通を許容することができる。なお、フィルタ部材としては、例えば、エアロゾルの浸入を抑制可能なメッシュとなる金属フィルタが適用される。また、フィルタ部材は、触媒部に隣接して設けられてもよいし、触媒部から離して設けられてもよい。
また、前記上流側被覆部は、複数の羽根を有すると共に回転軸を中心に回転するロータであることが好ましい。
この構成によれば、雰囲気流路の上流側からエアロゾルが入り込み、ロータに付着しても、回転するロータの遠心力及び回転振動によってエアロゾルを落とすことができる。このため、エアロゾルが、触媒部に付着することを抑制することができる。なお、ロータは、触媒反応の熱によって生じる上昇気流により、受動的に回転する構成であってもよいし、駆動源からの動力によって回転する構成であってもよい。
また、前記回転軸は、その軸方向が、前記雰囲気の流通方向に沿って設けられ、前記複数の羽根は、前記回転軸の軸方向から見て、前記雰囲気流路を塞ぐように、相互に重複する配置となっていることが好ましい。
この構成によれば、羽根間を流通する雰囲気に含まれるエアロゾルは、複数の羽根に衝突し易くなることから、ロータを通過し難い。このため、エアロゾルが、触媒部に付着することを抑制することができる。
また、前記複数の羽根の各々は、少なくとも表面に、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒層が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の羽根にエアロゾルが付着する場合であっても、触媒反応の熱によりエアロゾルを溶融させて、エアロゾルを落とすことができる。
また、前記複数の羽根の各々の表面には、撥水性を有するコーティング膜が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の羽根にエアロゾルが付着する場合であっても、コーティング膜がエアロゾルを弾いて、エアロゾルを落とすことができる。
また、前記上流側被覆部は、洗浄機能付フィルタユニットであり、前記洗浄機能付フィルタユニットは、前記雰囲気中に含まれるエアロゾルを除去する除去位置に配置されるフィルタ部材と、前記フィルタ部材を洗浄位置において洗浄する洗浄部と、前記フィルタ部材を前記除去位置と前記洗浄位置との間で移動させる移動部と、を有することが好ましい。
この構成によれば、移動部により、エアロゾルが付着したフィルタ部材を洗浄位置に移動させて、フィルタ部材を洗浄することができ、また、洗浄後のフィルタ部材を除去位置に移動させることができる。
また、前記洗浄部は、洗浄液を溜めた洗浄プールであり、前記移動部は、前記洗浄プールの前記洗浄液に没する前記洗浄位置に、前記フィルタ部材を移動させることが好ましい。
この構成によれば、フィルタ部材を洗浄プールに没して洗浄することができる。
また、前記移動部は、一対のプーリと、前記一対のプーリに架け渡される環状のベルト部材と、を含み、前記フィルタ部材は、前記ベルト部材に複数取り付けられることが好ましい。
この構成によれば、移動部は、ベルト部材を一対のプーリの間で周回させることで、複数のフィルタ部材を、順次、除去位置及び洗浄位置に移動させることができる。
また、前記移動部は、一対のプーリを含み、前記フィルタ部材は、前記一対のプーリに架け渡される環状のベルトに形成されることが好ましい。
この構成によれば、移動部は、フィルタ部材を一対のプーリの間で周回させることで、フィルタ部材を、連続的に除去位置及び洗浄位置に移動させることができる。
また、前記移動部は、前記フィルタ部材に付着したエアロゾルの自重によって、前記フィルタ部材を移動させることが好ましい。
この構成によれば、移動部は、エアロゾルの自重を利用して、フィルタ部材を受動的に移動させることができる。このため、移動部は、駆動源からの動力を必要としないことから、動力の確保が困難な状況であっても、フィルタ部材を、除去位置と洗浄位置との間で移動させることができる。
また、前記移動部は、駆動源からの動力によって、前記フィルタ部材を移動させることが好ましい。
この構成によれば、移動部は、駆動源からの動力によって、フィルタ部材を確実に移動させることができる。
また、前記上流側被覆部は、フィルタユニットであり、前記フィルタユニットは、厚さ方向に重ねて積層した複数のフィルタ部材と、前記エアロゾルが付着した前記フィルタ部材を剥落させて、新たな前記フィルタ部材を露出させるフィルタ剥落機構と、を有することが好ましい。
この構成によれば、エアロゾルが付着したフィルタ部材を剥落させることで、新たなフィルタ部材を露出させることができる。このため、エアロゾルが、触媒部に付着することを抑制することができる。
また、本発明の原子力プラントは、一次冷却材として液体金属が使用される原子炉容器と、前記原子炉容器を内部に格納する原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器の内部に設けられる、上記の水素再結合装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、原子炉格納容器の内部でエアロゾル及び水素が発生しても、水素再結合装置を用いて水素を好適に処理することができる。
また、本発明の原子力プラントは、一次冷却材として液体金属が使用される原子炉容器と、前記原子炉容器を内部に格納する原子炉格納容器と、前記一次冷却材と熱交換される二次冷却材として液体金属が使用される二次系設備と、前記二次系設備を内部に収容する建屋と、前記建屋の内部に設けられる、上記の水素再結合装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、建屋の内部でエアロゾル及び水素が発生しても、水素再結合装置を用いて水素を好適に処理することができる。
図1は、実施形態1に係る水素再結合装置が設けられる原子力プラントを模式的に表した概略構成図である。 図2は、実施形態1に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。 図3は、実施形態2に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。 図4は、実施形態3に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。 図5は、実施形態4に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。 図6は、図5のA−A断面図である。 図7は、実施形態5に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る水素再結合装置が設けられる原子力プラントを模式的に表した概略構成図である。図2は、実施形態1に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。
実施形態1に係る水素再結合装置30は、原子力プラント10内に発生する水素を処理するものである。先ず、水素再結合装置30の説明に先立ち、原子力プラント10について説明する。
図1に示すように、原子力プラント10は、中性子により核分裂反応を発生させる原子炉を含む発電プラントであり、原子炉としては、例えば、高速増殖炉12が適用されている。この高速増殖炉12は、冷却材として液体金属を使用しており、実施形態1では、ナトリウムを使用している。なお、液体金属としては、ナトリウム以外に、例えば、鉛、ビスマス、鉛とビスマスの合金、水銀、カリウム、NaK(ナトリウムカリウム合金)などがある。
この原子力プラント10において、原子炉格納容器11は、内部に高速増殖炉12、一次主冷却系中間熱交換器13、一次主冷却系循環ポンプ14が格納されている。この高速増殖炉12と一次主冷却系中間熱交換器13と一次主冷却系循環ポンプ14とは、一次主冷却系配管15a,15b,15cにより連結されている。従って、この高速増殖炉12、一次主冷却系中間熱交換器13、一次主冷却系循環ポンプ14、各一次主冷却系配管15a,15b,15cにより一次系ナトリウムループが形成されている。そのため、高速増殖炉12の炉心で原子燃料が核分裂を起こして熱が発生すると、一次主冷却系循環ポンプ14によりナトリウムが循環することで、この発生した熱がナトリウムにより吸収されて冷却される。
原子炉格納容器11の外部には、建屋20が設けられ、建屋20の内部には、蒸気発生器としての過熱器16及び蒸発器17、二次主冷却系循環ポンプ18が配置されている。そして、この過熱器16と蒸発器17と二次主冷却系循環ポンプ18とは、二次主冷却系配管19a,19b,19cにより連結されており、二次主冷却系配管19aが原子炉格納容器11内に浸入し、一部が一次主冷却系中間熱交換器13内に配設されている。従って、この過熱器16、蒸発器17、二次主冷却系循環ポンプ18、各二次主冷却系配管19a,19b,19cにより二次系ナトリウムループ(二次系設備)が形成されており、二次主冷却系循環ポンプ18によりナトリウムが循環することで、一次主冷却系中間熱交換器13で一次系のナトリウムの熱が二次系のナトリウムにより吸収されて冷却される。
三次冷却系配管22は、過熱器16及び蒸発器17内を挿通するように配置されている。この三次冷却系配管22は、一端部が蒸気タービン23と連結されており、この蒸気タービン23には、発電機24が接続されている。また、蒸気タービン23は、復水器25を有しており、この復水器25には、冷却水(例えば、海水)を給排する取水管26及び排水管27が連結されている。この取水管26は、循環水ポンプ28を有し、排水管27と共に他端部が海中に配置されている。そして、この復水器25は、三次冷却系配管22の他端部に連結されており、この三次冷却系配管22に給水ポンプ29が設けられている。従って、この三次冷却系配管22、蒸気タービン23、復水器25により三次系水ループが形成されており、給水ポンプ29により水が循環することで、過熱器16及び蒸発器17で二次系のナトリウムの熱が水により吸収されて冷却される。
即ち、過熱器16及び蒸発器17にて、二次系の高温ナトリウムと熱交換を行って生成された蒸気は、三次冷却系配管22を通して蒸気タービン23に送られ、この蒸気により蒸気タービン23を駆動して発電機24により発電を行う。そして、蒸気タービン23を駆動した蒸気は、復水器25で海水を用いて冷却されて復水となり、給水ポンプ29により過熱器16及び蒸発器17に戻される。
ここで、冷却材としてナトリウムを使用する原子力プラント10では、シビアアクシデントの発生時において発生する水素を処理するための水素再結合装置30が設けられている。このとき、水素再結合装置30は、シビアアクシデントの発生時において、ナトリウムが漏えいすることでナトリウムエアロゾルが発生する場合であっても、水素を処理することが可能な構成となっている。
具体的に、図2を参照して、水素再結合装置30について説明する。水素再結合装置30は、原子炉格納容器11の内部、または建屋20の内部に適宜配置されている。水素再結合装置30は、原子炉格納容器11または建屋20の内部で発生した水素を処理している。水素再結合装置30は、筐体31と、触媒部32と、上流側フィルタ部材(上流側被覆部)33と、下流側フィルタ部材(下流側被覆部)34と、を備える。
筐体31は、鉛直方向に長い箱状に形成されている。筐体31には、原子力プラント10内(原子炉格納容器11内または建屋20内)の雰囲気が筐体31内に流入する流入口41と、筐体31内の雰囲気が原子力プラント10内に流出する流出口42とが形成されている。流入口41は、筐体31の鉛直方向の下方側に形成されている。流出口42は、筐体31の鉛直方向の上方側の側面に形成されている。このため、雰囲気は、筐体31の流入口41から筐体31の内部に流入し、筐体31の内部を通過して、筐体31の流出口42から流出する。よって、筐体31の内部には、原子力プラント10内の雰囲気が流通する雰囲気流路43が形成され、この雰囲気流路43は、鉛直方向に沿って形成されている。
触媒部32は、流入口41と流出口42との間の筐体31の内部に設けられ、筐体31内における雰囲気の流通を許容している。触媒部32は、流通する雰囲気に含まれる酸素及び水素を吸着する。筐体31内の雰囲気は、鉛直方向の下方側から上方側に向かって流れる。このため、水素再結合装置30は、筐体31の流入口41から原子力プラント10内の雰囲気を吸い込み、筐体31の流入口41から水蒸気を含む雰囲気を流出させる。
なお、触媒部32は、上記の触媒反応を発生させると共に、雰囲気の流通を許容する構成であればよい。このため、触媒部32は、触媒を塗布したプレートである触媒プレートを複数並べた構成であってもよいし、触媒を塗布した粒状体を充填した構成であってもよく、触媒の表面積が触媒反応を発生可能な表面積となる形状であれば、特に限定されない。
上流側フィルタ部材33は、流入口41と触媒部32との間の筐体31の内部に設けられており、雰囲気流路43において触媒部32の上流側に配置されている。上流側フィルタ部材33は、触媒部32の下面の一部を覆うように、触媒部32に隣接して配置されている。また、上流側フィルタ部材33は、筐体31の内面に寄せて配置されている。上流側フィルタ部材33は、例えば、金属フィルタを用いて構成され、流入口41から流入するナトリウムエアロゾルの触媒部32への浸入を抑制する一方で、雰囲気の流通を許容するメッシュとなっている。このため、上流側フィルタ部材33は、流入口41から雰囲気と共にナトリウムエアロゾルが流入する場合であっても、ナトリウムエアロゾルの触媒部32の下方側からの浸入を抑制することができる。
下流側フィルタ部材34は、上流側フィルタ部材33と同様の構成となっており、流出口42と触媒部32との間の筐体31の内部に設けられ、雰囲気流路43において触媒部32の下流側に配置されている。下流側フィルタ部材34は、触媒部32の上面の一部を覆うように、触媒部32に隣接して配置されている。このとき、下流側フィルタ部材34は、鉛直方向において、上流側フィルタ部材33と対向して配置されている。また、下流側フィルタ部材34は、筐体31の内面に寄せて配置されている。下流側フィルタ部材34は、例えば、金属フィルタを用いて構成され、流出口42から流入するナトリウムエアロゾルの触媒部32への浸入を抑制する一方で、雰囲気の流通を許容するメッシュとなっている。このため、下流側フィルタ部材34は、流出口42から雰囲気と共にナトリウムエアロゾルが流入する場合であっても、ナトリウムエアロゾルの触媒部32の上方側からの浸入を抑制することができる。
このように構成される水素再結合装置30において、筐体31の内部に、水素及びナトリウムエアロゾルを含む雰囲気が流入すると、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34は、ナトリウムエアロゾルの触媒部32の一部への浸入を抑制する。一方で、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34は、水素を含む雰囲気の触媒部32の一部への流通を許容することから、触媒部32の一部は、雰囲気に含まれる水素及び酸素によって、初期の触媒反応を発生させる。初期の触媒反応によって発生する熱は、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34が覆われていない部位の触媒部32に伝達される。このため、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34が覆われていない触媒部32の部位に、ナトリウムエアロゾルが付着しても、初期の触媒反応によって触媒部32の全体が加熱されるため、ナトリウムエアロゾルが溶融、または、揮発して、触媒部32が露出する。
以上のように、実施形態1によれば、触媒部32の上流側及び下流側の一部を、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34によって覆うことができる。このため、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34は、ナトリウムエアロゾルの触媒部32への付着を抑制することができる。これにより、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34によって覆われた触媒部32の一部において、初期の触媒反応を発生させることができる。よって、水素再結合装置30は、ナトリウムエアロゾルが発生しても、触媒部32を露出させることができ、触媒部32の触媒反応を好適に発生させることができるため、水素を好適に処理することができる。
また、実施形態1によれば、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34を用いることで、ナトリウムエアロゾルの浸入を抑制しつつ、水素、酸素及び水蒸気を含む雰囲気(気体)の流通を許容することができる。
また、実施形態1によれば、原子炉格納容器11の内部または建屋20で、ナトリウムエアロゾル及び水素が発生しても、水素再結合装置30を用いて水素を好適に処理することができる。
なお、実施形態1において、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34は、触媒部32の一部を覆うように設けたが、触媒部32の全面を覆うように設けてもよい。この場合、触媒部32は、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34がナトリウムエアロゾルの付着によって閉塞してしまう前に、原子力プラント10内の雰囲気に含まれ、水素燃焼の要因となる酸素を処理することが求められる。
また、実施形態1では、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34は、触媒部32に隣接して設けたが、触媒部32から離して設けてもよく、特に限定されない。つまり、上流側フィルタ部材33は、流入口41と触媒部32との間の雰囲気流路43に設けられればよく、また、下流側フィルタ部材34は、流出口42と触媒部32との間の雰囲気流路43に設けられればよい。
また、実施形態1では、上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34を配置したが、少なくとも上流側フィルタ部材33を配置すればよく、下流側フィルタ部材34を省いてもよい。
また、実施形態1では、筐体31を用いて雰囲気流路43を形成したが、雰囲気流路43は、ダクトを用いて形成してもよい。
[実施形態2]
次に、図3を参照して、実施形態2に係る水素再結合装置50について説明する。図3は、実施形態2に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。なお、実施形態2では、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分について説明し、実施形態1と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。
実施形態2の水素再結合装置50は、実施形態1の水素再結合装置30に設けられる上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34に代えて、ロータ51が設けられている。
ロータ51は、筐体31の流入口41に設けられており、複数の羽根53を有すると共に、回転軸55を中心に自由回転可能となっている。ロータ51の回転軸55は、その軸方向が、雰囲気流路43に沿って流通する雰囲気の流通方向、すなわち、鉛直方向となっている。複数の羽根53は、回転軸55の周囲に所定の間隔を空けて配置されている。このため、流入口41から流入する雰囲気は、羽根53間を通過して、筐体31内に入り込む。また、複数の羽根53は、回転軸55の軸方向から見て、流入口41(つまり、雰囲気流路43)を塞ぐように、相互に重複する配置となっている。このため、回転軸55の軸方向から見た流入口41は、軸方向に連通する開口が形成されないことから、雰囲気に含まれるナトリウムエアロゾルは、各羽根53に衝突し易くなる。
また、ロータ51は、自由回転可能な構成となっていることから、触媒部32の触媒反応の熱によって上昇気流が発生すると、雰囲気流路43の上流側から下流側に向かって雰囲気が流通することで、受動的に回転する。回転するロータ51は、各羽根53に付着したナトリウムエアロゾルを、遠心力または回転による振動によって払い飛ばす。ここで、ロータ51の周囲には、囲い部材56が設けられている。このため、遠心力によって払い飛ばされたナトリウムエアロゾルは、囲い部材56に付着し、囲い部材56をつたって落下する。
以上のように、実施形態2によれば、雰囲気流路43の下流側からエアロゾルが入り込み、ロータ51に付着しても、回転するロータ51の遠心力及び回転振動によってエアロゾルを落とすことができる。このため、エアロゾルが、触媒部32に付着することを抑制することができる。
また、実施形態2によれば、羽根53間を流通する雰囲気に含まれるナトリウムエアロゾルは、複数の羽根53に衝突し易くなることから、ロータ51を通過し難い。このため、ナトリウムエアロゾルが、触媒部32に付着することを抑制することができる。
なお、実施形態2のロータ51は、触媒反応の熱によって生じる上昇気流によって受動的に回転する構成としたが、図示しない駆動源からの動力によって回転する構成であってもよい。
また、実施形態2のロータ51に設けられる複数の羽根53の表面に、触媒部32と同じ触媒となる触媒層を形成してもよい。この場合、触媒層は、複数の羽根53の表面において触媒反応が発生することで、触媒反応の熱により、ナトリウムエアロゾルを溶融させ、ナトリウムエアロゾルをロータ51から落とす。
また、実施形態2のロータ51に設けられる複数の羽根53の表面に、撥水性を有するコーティング膜を形成してもよい。この場合、コーティング膜は、複数の羽根53に付着したナトリウムエアロゾルを弾いて、ロータ51から落とす。
[実施形態3]
次に、図4を参照して、実施形態3に係る水素再結合装置60について説明する。図4は、実施形態3に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。なお、実施形態3でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1及び2と異なる部分について説明し、実施形態1及び2と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。
実施形態3の水素再結合装置60は、実施形態1の水素再結合装置30に設けられる上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34に代えて、洗浄機能付フィルタユニット61が設けられている。
洗浄機能付フィルタユニット61は、筐体31の流入口41に接続されており、ユニットケース65と、複数のフィルタ部材66と、無限軌道部(移動部)67と、洗浄プール68と、を有している。
ユニットケース65は、箱状に形成され、原子力プラント10内の雰囲気がユニットケース65内に流入するガス流入口71と、ユニットケース65内の雰囲気が筐体31内に流出するガス流出口72とが形成されている。ガス流入口71は、ユニットケース65の鉛直方向の下方側に形成され、水平方向の一方側に寄せて形成されている。ガス流出口72は、ユニットケース65の鉛直方向の上方側に形成され、水平方向の一方側に寄せて形成されている。そして、ガス流出口72は、鉛直方向において、ガス流入口71と対向する位置に形成されている。このガス流出口72は、筐体31の流入口41に接続される。このため、雰囲気は、ユニットケース65のガス流入口71からユニットケース65の内部に流入し、ユニットケース65の内部を通過して、ユニットケース65のガス流出口72から流出する。ユニットケース65から流出した雰囲気は、筐体31の流入口41に流入し、筐体31の内部(触媒部32)を通過して、筐体31の流出口42から流出する。よって、雰囲気流路43は、ユニットケース65及び筐体31の内部において、鉛直方向に沿って形成されている。
無限軌道部67は、一対のプーリ75と、ベルト部材76と、を含んで構成されている。一対のプーリ75は、水平方向に並んで配置されており、各プーリ75は、自由回転可能となっている。ベルト部材76は、各プーリ75の軸方向において所定の幅を有すると共に、環状に形成され、一対のプーリ75に架け渡されている。このため、ベルト部材76は、一対のプーリ75の周りを周回する。この無限軌道部67は、ユニットケース65の内部に形成される雰囲気流路43に隣接して配置される。
複数のフィルタ部材66は、無限軌道部67のベルト部材76に所定の間隔を空けて並べて取り付けられている。各フィルタ部材66は、ベルト部材76の周面に対して突出するように取り付けられる。このフィルタ部材66は、実施形態1の上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34と同様に、金属フィルタを用いて構成されている。フィルタ部材66は、無限軌道部67のベルト部材76が周回することで、複数のフィルタ部材66が周回移動する。このとき、複数のフィルタ部材66は、少なくとも1つのフィルタ部材66が、ユニットケース65の内部の雰囲気流路43を遮るように、無限軌道部67によって移動させられる。そして、雰囲気流路43を遮る位置が、ナトリウムエアロゾルを除去する除去位置となっている。よって、各フィルタ部材66は、無限軌道部67の移動によって、除去位置に順次位置することとなる。
洗浄プール68は、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材66を洗浄するものである。洗浄プール68は、その内部に洗浄液を溜めている。洗浄液としては、例えば、アルコール系の溶剤が用いられている。洗浄プール68は、無限軌道部67の下方側に配置され、無限軌道部67の下方側を周回する複数のフィルタ部材66が洗浄液中に没するように配置されている。
このように構成される水素再結合装置60において、ユニットケース65の内部に、水素及びナトリウムエアロゾルを含む雰囲気が流入する。すると、雰囲気中のナトリウムエアロゾルは、除去位置に位置するフィルタ部材66に付着し、これにより、ナトリウムエアロゾルが除去された雰囲気は、ユニットケース65の内部を通過して、筐体31に流入する。そして、筐体31内の触媒部32は、雰囲気に含まれる水素及び酸素によって触媒反応が発生することで、水素を処理する。ここで、無限軌道部67は、除去位置にあるフィルタ部材66に付着するナトリウムエアロゾルの付着量が多くなると、ナトリウムエアロゾルの自重によって、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材66を下方側に移動させると共に、新たなフィルタ部材66を除去位置に移動させる。下方側に移動したフィルタ部材66は、洗浄プール68の洗浄液に没する洗浄位置において洗浄される。そして、無限軌道部67は、除去位置においてナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材66を、順次、下方側に移動させることで、複数のフィルタ部材66を、除去位置及び洗浄位置に、順次移動させることができる。このように、無限軌道部67は、付着したナトリウムエアロゾルの自重によって、受動的に複数のフィルタ部材66を移動させることができる。
以上のように、実施形態3によれば、無限軌道部67により、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材66を洗浄位置に移動させて、フィルタ部材66を洗浄することができ、また、洗浄後のフィルタ部材66を除去位置に移動させて、ナトリウムエアロゾルの除去を行うことができる。
また、実施形態3によれば、フィルタ部材66を洗浄プール68に没することで、簡単に洗浄することができる。
また、実施形態3によれば、無限軌道部67は、ベルト部材76を一対のプーリ75の間で周回させることで、複数のフィルタ部材66を、順次、除去位置及び洗浄位置に移動させることができる。
また、実施形態3によれば、無限軌道部67は、フィルタ部材66に付着したナトリウムエアロゾルの自重によって、フィルタ部材66を受動的に移動させることができる。このため、無限軌道部67は、駆動源からの動力を必要としないことから、動力の確保が困難な状況であっても、フィルタ部材66を、除去位置と洗浄位置との間で移動させることができる。
なお、実施形態3の無限軌道部67は、エアロゾルの自重によって、フィルタ部材66を受動的に移動させる構成としたが、図示しない駆動源からの動力によって移動させる構成であってもよい。この場合、無限軌道部67は、駆動源からの動力によって、フィルタ部材66を確実に移動させることができる。
[実施形態4]
次に、図5及び図6を参照して、実施形態4に係る水素再結合装置80について説明する。図5は、実施形態4に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。図6は、図5のA−A断面図である。なお、実施形態4でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1から3と異なる部分について説明し、実施形態1から3と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。
実施形態4の水素再結合装置80は、実施形態1の水素再結合装置30に設けられる上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34に代えて、洗浄機能付フィルタユニット81が設けられている。
洗浄機能付フィルタユニット81は、筐体31の流入口41に接続されており、ユニットケース85と、フィルタ部材86と、一対のプーリ87と、洗浄プール88と、を有している。
ユニットケース85は、箱状に形成され、原子力プラント10内の雰囲気がユニットケース85内に流入するガス流入口91と、ユニットケース85内の雰囲気が筐体31内に流出するガス流出口92とが形成されている。ガス流入口91は、ユニットケース85の側面に形成され、ユニットケース85の鉛直方向において中央部に形成されている。ガス流出口92は、ユニットケース85の側面に形成され、ユニットケース85の鉛直方向において中央部に形成されている。このとき、図6に示すように、ガス流出口92の開口面は、ガス流入口91の開口面と直交するように形成されている。このガス流出口92には、接続管89の一端側が接続され、接続管89の他端側は、筐体31の流入口41に接続される。このため、雰囲気は、ユニットケース85のガス流入口91からユニットケース85の内部に流入し、ユニットケース85の内部を通過して、ユニットケース85のガス流出口92から流出する。ユニットケース85から流出した雰囲気は、筐体31の流入口41に流入し、筐体31の内部(触媒部32)を通過して、筐体31の流出口42から流出する。よって、雰囲気流路43は、ユニットケース85の内部において、ガス流入口91からガス流出口92に向かって形成され、筐体31の内部において、鉛直方向に沿って形成されている。
一対のプーリ87は、鉛直方向に並んで配置されており、各プーリ87は、自由回転可能となっている。また、各プーリ87は、その回転軸が、ガス流出口92の開口面に対して直交するように配置され、ガス流出口92の鉛直方向の両側に、一対のプーリ87が位置するように設けられる。
フィルタ部材86は、各プーリ87の軸方向における長さと同じ長さの幅を有すると共に、環状に形成され、一対のプーリ87に架け渡されている。このため、環状となるフィルタ部材86の内側には、ガス流出口92が位置する。また、フィルタ部材86は、実施形態1の上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34と同様に、金属フィルタを用いて構成されている。そして、フィルタ部材86は、一対のプーリ87の周りを周回する。このフィルタ部材86は、その周面が、ガス流入口91の開口面と対向するように配置される。このため、フィルタ部材86のガス流入口91に対向する一部は、ユニットケース85の内部の雰囲気流路43を遮るように配置される。そして、雰囲気流路43を遮る位置が、ナトリウムエアロゾルを除去する除去位置となっている。
洗浄プール88は、実施形態3と同様に、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材86を洗浄するものである。洗浄プール88は、その内部に洗浄液を溜めており、フィルタ部材86の下方側の一部が洗浄液中に没するように配置されている。
また、ユニットケース85の内部には、環状のフィルタ部材86の外側に配置される外側閉塞板94と、環状のフィルタ部材86の内側に配置される内側閉塞板95とが設けられている。外側閉塞板94は、フィルタ部材86の上方側に設けられ、フィルタ部材86の外周面とユニットケース85の内周面との間を閉塞するように設けられる。このため、外側閉塞板94は、ガス流入口91からユニットケース85の内部に流入した雰囲気が、フィルタ部材86を挟んだガス流入口91の反対側に流入することを抑制する。内側閉塞板95は、一対のプーリ87の間に設けられると共に、ガス流出口92を挟んで、ガス流入口91の反対側のフィルタ部材86の一部に沿って設けられる。このため、内側閉塞板95は、フィルタ部材86を通過した雰囲気が、再びフィルタ部材86を通過して、フィルタ部材86の外側に流出することを抑制する。
このように構成される水素再結合装置80において、ユニットケース85の内部に、水素及びナトリウムエアロゾルを含む雰囲気が流入する。すると、雰囲気中のナトリウムエアロゾルは、除去位置に位置するフィルタ部材86の一部に付着し、これにより、ナトリウムエアロゾルが除去された雰囲気は、フィルタ部材86の内側を通過して、ガス流出口92から流出する。ガス流出口92から流出した雰囲気は、接続管89を流通して、筐体31に流入する。そして、筐体31内の触媒部32は、雰囲気に含まれる水素及び酸素によって触媒反応が発生することで、水素を処理する。ここで、一対のプーリ87は、除去位置にあるフィルタ部材86の一部に付着するナトリウムエアロゾルの付着量が多くなると、ナトリウムエアロゾルの自重によって、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材86の一部を下方側に移動させる。これにより、フィルタ部材86は、一対のプーリ87を周回することで、ナトリウムエアロゾルが付着していないフィルタ部材86の一部を除去位置に移動させる。ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材86の一部は、洗浄プール88の洗浄液に没する洗浄位置において洗浄される。そして、一対のプーリ87は、除去位置においてナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材86の一部を、順次、下方側に移動させることで、フィルタ部材86を、除去位置及び洗浄位置に、連続的移動させることができる。このように、一対のプーリ87は、付着したナトリウムエアロゾルの自重によって、受動的にフィルタ部材86を周回移動させることができる。
以上のように、実施形態4によれば、フィルタ部材86を一対のプーリ87の間で周回させることができるため、フィルタ部材86を、連続的に除去位置及び洗浄位置に移動させることができる。
なお、実施形態4の一対のプーリ87は、ナトリウムエアロゾルの自重によって、フィルタ部材86を受動的に周回移動させる構成としたが、図示しない駆動源からの動力によって移動させる構成であってもよい。この場合、一対のプーリ87は、駆動源からの動力によって、フィルタ部材86を確実に移動させることができる。
[実施形態5]
次に、図7を参照して、実施形態5に係る水素再結合装置100について説明する。図7は、実施形態5に係る水素再結合装置を模式的に表した断面図である。なお、実施形態5でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1から4と異なる部分について説明し、実施形態1から4と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。
実施形態5の水素再結合装置100は、実施形態1の水素再結合装置30に設けられる上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34に代えて、フィルタユニット101が設けられている。
フィルタユニット101は、筐体31の流入口41に設けられており、複数のフィルタ部材105と、フィルタ剥落機構106と、を有している。
複数のフィルタ部材105は、厚さ方向に重ねて積層されており、各フィルタ部材105は、実施形態1の上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34と同様に、金属フィルタを用いて構成されている。このフィルタ部材105は、筐体31の流入口41の全面を覆うように設けられている。
フィルタ剥落機構106は、ナトリウムエアロゾルが付着していない各フィルタ部材105を、積層状態となるように保持する。一方で、フィルタ剥落機構106は、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材105を、フィルタ部材105の一端部を中心として、フィルタ部材105の他端部が鉛直方向の下方側に展開するように、フィルタ部材105を剥落させる。
以上のように、実施形態5によれば、ナトリウムエアロゾルが付着したフィルタ部材105を剥落させることで、新たなフィルタ部材105を露出させることができる。このため、ナトリウムエアロゾルが、触媒部32に付着することを抑制することができる。
なお、実施形態1から5は、適宜組み合わせてもよく、例えば、実施形態1の上流側フィルタ部材33及び下流側フィルタ部材34を、実施形態2から5の水素再結合装置50,60,80,100に適用してもよい。
10 原子力プラント
11 原子炉格納容器
12 高速増殖炉
20 建屋
23 蒸気タービン
24 発電機
25 復水器
30 水素再結合装置
31 筐体
32 触媒部
33 上流側フィルタ部材
34 下流側フィルタ部材
41 流入口
42 流出口
43 雰囲気流路
50 水素再結合装置(実施形態2)
51 ロータ
53 羽根
55 回転軸
56 囲い部材
60 水素再結合装置(実施形態3)
61 洗浄機能付フィルタユニット
65 ユニットケース
66 フィルタ部材
67 無限軌道部
68 洗浄プール
71 ガス流入口
72 ガス流出口
75 プーリ
76 ベルト部材
80 水素再結合装置(実施形態4)
81 洗浄機能付フィルタユニット
85 ユニットケース
86 フィルタ部材
87 プーリ
88 洗浄プール
89 接続管
91 ガス流入口
92 ガス流出口
100 水素再結合装置(実施形態5)
101 フィルタユニット
105 フィルタ部材
106 フィルタ剥落機構

Claims (14)

  1. 冷却材として液体金属が使用される原子力プラントに設けられる水素再結合装置において、
    前記原子力プラント内の雰囲気が流通する雰囲気流路と、
    前記雰囲気流路に設けられ、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒部と、
    前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の上流側の前記雰囲気流路に設けられ、前記触媒部の一部を覆って設けられる上流側被覆部と、を備え
    前記上流側被覆部は、前記原子力プラント内において発生するエアロゾルの侵入を抑制する一方で、前記雰囲気の流通を許容するフィルタ部材であることを特徴とする水素再結合装置。
  2. 冷却材として液体金属が使用される原子力プラントに設けられる水素再結合装置において、
    前記原子力プラント内の雰囲気が流通する雰囲気流路と、
    前記雰囲気流路に設けられ、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒部と、
    前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の上流側の前記雰囲気流路に設けられ、前記触媒部を覆って設けられる上流側被覆部と、を備え、
    前記上流側被覆部は、複数の羽根を有すると共に回転軸を中心に回転するロータであり、
    前記回転軸は、その軸方向が、前記雰囲気の流通方向に沿って設けられ、
    前記複数の羽根は、前記回転軸の軸方向から見て、前記雰囲気流路を塞ぐように、相互に重複する配置となっていることを特徴とする水素再結合装置。
  3. 前記複数の羽根の各々は、少なくとも表面に、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の水素再結合装置。
  4. 前記複数の羽根の各々の表面には、撥水性を有するコーティング膜が形成されていることを特徴とする請求項に記載の水素再結合装置。
  5. 冷却材として液体金属が使用される原子力プラントに設けられる水素再結合装置において、
    前記原子力プラント内の雰囲気が流通する雰囲気流路と、
    前記雰囲気流路に設けられ、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒部と、
    前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の上流側の前記雰囲気流路に設けられ、少なくとも前記触媒部の一部を覆って設けられる上流側被覆部と、を備え、
    前記上流側被覆部は、洗浄機能付フィルタユニットであり、
    前記洗浄機能付フィルタユニットは、
    前記雰囲気中に含まれるエアロゾルを除去する除去位置に配置されるフィルタ部材と、
    前記フィルタ部材を洗浄位置において洗浄する洗浄部と、
    前記フィルタ部材を前記除去位置と前記洗浄位置との間で移動させる移動部と、を有することを特徴とする水素再結合装置。
  6. 前記洗浄部は、洗浄液を溜めた洗浄プールであり、
    前記移動部は、前記洗浄プールの前記洗浄液に没する前記洗浄位置に、前記フィルタ部材を移動させることを特徴とする請求項に記載の水素再結合装置。
  7. 前記移動部は、一対のプーリと、前記一対のプーリに架け渡される環状のベルト部材と、を含み、
    前記フィルタ部材は、前記ベルト部材に複数取り付けられることを特徴とする請求項またはに記載の水素再結合装置。
  8. 前記移動部は、一対のプーリを含み、
    前記フィルタ部材は、前記一対のプーリに架け渡される環状のベルトに形成されることを特徴とする請求項またはに記載の水素再結合装置。
  9. 前記移動部は、前記フィルタ部材に付着したエアロゾルの自重によって、前記フィルタ部材を移動させることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の水素再結合装置。
  10. 前記移動部は、駆動源からの動力によって、前記フィルタ部材を移動させることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の水素再結合装置。
  11. 冷却材として液体金属が使用される原子力プラントに設けられる水素再結合装置において、
    前記原子力プラント内の雰囲気が流通する雰囲気流路と、
    前記雰囲気流路に設けられ、前記雰囲気中に含まれる水素及び酸素を触媒反応により結合させて水蒸気を発生させる触媒部と、
    前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の上流側の前記雰囲気流路に設けられ、少なくとも前記触媒部の一部を覆って設けられる上流側被覆部と、を備え、
    前記上流側被覆部は、フィルタユニットであり、
    前記フィルタユニットは、
    厚さ方向に重ねて積層した複数のフィルタ部材と、
    エアロゾルが付着した前記フィルタ部材を剥落させて、新たな前記フィルタ部材を露出させるフィルタ剥落機構と、を有することを特徴とする水素再結合装置。
  12. 前記雰囲気の流通方向において、前記触媒部の下流側の前記雰囲気流路に設けられ、少なくとも前記触媒部の一部を覆って設けられる下流側被覆部を、さらに備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の水素再結合装置。
  13. 一次冷却材として液体金属が使用される原子炉容器と、
    前記原子炉容器を内部に格納する原子炉格納容器と、
    前記原子炉格納容器の内部に設けられる、請求項1から12のいずれか1項に記載の水素再結合装置と、を備えることを特徴とする原子力プラント。
  14. 一次冷却材として液体金属が使用される原子炉容器と、
    前記原子炉容器を内部に格納する原子炉格納容器と、
    前記一次冷却材と熱交換される二次冷却材として液体金属が使用される二次系設備と、
    前記二次系設備を内部に収容する建屋と、
    前記建屋の内部に設けられる、請求項1から12のいずれか1項に記載の水素再結合装置と、を備えることを特徴とする原子力プラント。
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