JP6581112B2 - 固形状発泡性浴用剤 - Google Patents
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Description
(特許文献2)特開2010−275257号公報
(特許文献3)特開2008−142347号公報
上面、側面、及び底面を有するとともに、上面に沈降部を有する略柱状体を呈し、沈降部の少なくとも一部の端部が側面に到達するまで延設されて側面表面上に凹部を備え、かつ前記上面が浴水との接触により発泡するものであり、
上面表面上に位置する少なくとも3つの接点を含む外接平面であって、底面から最も離間する上面外接平面に対し、底面方向に1mm平行離間する仮想横断平面によって固形状発泡性浴用剤を切断したときに、
前記仮想横断平面における固形状発泡性浴用剤の水平投影面積が、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積の5%以上70%以下である固形状発泡性浴用剤に関する。
上面、側面、及び底面を有するとともに、上面に沈降部を有する略柱状体を呈し、かつ前記沈降部の少なくとも一部の端部が側面に到達するまで延設されて側面表面上に凹部を備え、
前記凹部が形成されていることにより、前記上面に肌を接触させながら使用したときに、浴水の固形状発泡性浴用剤への流入経路を有し、浴水に投入した後に発泡を持続するものであり、
上面表面上に位置する少なくとも3つの接点を含む外接平面であって、底面から最も離間する上面外接平面に対し、底面方向に1mm平行離間する仮想横断平面によって発泡性浴用剤を切断したときに、
前記仮想横断平面における固形状発泡性浴用剤の水平投影面積が、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積の5%以上70%以下である固形状発泡性浴用剤に関する。
一方、本発明者らは、入浴の態様も全身浴や部分浴等多様化するなか、浴水中で用いたときに、良好な発泡感を直接肌で感じ、これを持続させることのできる浴用剤の検討を行ったところ、従来技術では十分に効果が得られないことを見出した。特に、上記特許文献に記載の浴用剤が有する形状では、肌を浴用剤に接触させながら使用すると、浴水との接触領域が狭まったり、浴水の浴用剤への流入が遮断されたりするため、入浴中に継続して良好な発泡感を肌で実感するのは困難であることが判明した。
本発明の固形状発泡性浴用剤は、炭酸塩(a)及び有機酸(b)を含有する。かかる成分(a)は、本発明の固形状発泡性浴用剤を浴水に投入したときに、成分(b)の有機酸とともに炭酸ガスを発生させることができ、これによって血行促進効果をもたらし、皮膚に良好な温まり感をも付与することができる。
本発明の固形状発泡性浴用剤は、浴水との接触により、浴用剤の表面から発泡するものであり、上面、側面、及び底面のいずれからでも発泡することができる。なかでも、上述のように本発明の固形状発泡性浴用剤に肌を接触させながら使用しても、発泡の持続性を高めることができるという観点から、上面11から発泡するものであることが好ましい。
なお、図1〜2に示す固形状発泡性浴用剤1の沈降部2は、その形状が略半円柱状を呈し、上面11の中央部から側面12に向けて放射状に8個形成されてなる。
なお、図4(b)に示す固形状発泡性浴用剤では、沈降部2が略半円柱状を呈しつつ、沈降部2の端部がいずれも側面12に到達するまでほぼ直線的に延設されてなり、側面12表面上に複数の凹部4を形成してなる。
また、前記最大高さhに対する前記最大深さdの比率(d/h)は、沈降部を有しつつ、固形状発泡性浴用剤の強度を確保する観点、及び使用中における崩壊し難さの観点から、0.01〜0.9であることが好ましく、0.1〜0.8であることがより好ましく、0.2〜0.5であることがさらに好ましく、0.25〜0.5であることが殊更に好ましい。
また、上面11、側面12、及び底面13のいずれにおいても、肌を接触させて用いる場合に良好な感触を付与する観点から、面と面の接合部や角部において面取りされているのが好ましい。
本発明の固形状発泡性浴用剤を用いた入浴の態様は、全身浴、部分浴、足浴等いずれであってもよいが、本発明の効果を十分に享受する観点から、足浴であるのが好ましく、快適な発泡感を実感する観点から、上面11に足裏が直接触れるように用いるのが好ましい。
[1]炭酸塩及び有機酸を含有する固形状発泡性浴用剤であって、
上面、側面、及び底面を有するとともに、上面に沈降部を有する略柱状体を呈し、沈降部の少なくとも一部の端部が側面に到達するまで延設されて側面表面上に凹部を備え、かつ前記上面が浴水との接触により発泡するものであり、
上面表面上に位置する少なくとも3つの接点を含む外接平面であって、底面から最も離間する上面外接平面に対し、底面方向に1mm平行離間する仮想横断平面によって固形状発泡性浴用剤を切断したときに、
前記仮想横断平面における固形状発泡性浴用剤の水平投影面積が、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積の5%以上70%以下である固形状発泡性浴用剤。
[2]炭酸塩及び有機酸を含有する固形状発泡性浴用剤であって、
上面、側面、及び底面を有するとともに、上面に沈降部を有する略柱状体を呈し、かつ前記沈降部の少なくとも一部の端部が側面に到達するまで延設されて側面表面上に凹部を備え、
前記凹部が形成されていることにより、前記上面に肌を接触させながら使用したときに、浴水の固形状発泡性浴用剤への流入経路を有し、浴水に投入した後に発泡を持続するものであり、
上面表面上に位置する少なくとも3つの接点を含む外接平面であって、底面から最も離間する上面外接平面に対し、底面方向に1mm平行離間する仮想横断平面によって固形状発泡性浴用剤を切断したときに、
前記仮想横断平面における固形状発泡性浴用剤の水平投影面積が、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積の5%以上70%以下である固形状発泡性浴用剤。
[3]前記上面に肌を接触させながら使用したときに、浴水の固形状発泡性浴用剤への流入経路を有し、浴水に投入した後に発泡を持続するものである上記[1]の固形状発泡性浴用剤。
[4]前記上面が、浴水との接触により発泡するものである上記[2]の固形状発泡性浴用剤。
[5]炭酸塩の含有量が、固形状発泡性浴用剤中に好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは25質量%以上であり、殊更に好ましくは35質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは65質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下であり、殊更に好ましくは55質量%以下である上記[1]〜[4]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[6]炭酸塩中の炭酸ジアルカリ金属塩の含有量が、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下であり、より好ましくは99質量%以下であり、さらに好ましくは95質量%以下である上記[1]〜[5]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[7]有機酸の含有量が、固形状発泡性浴用剤中に好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは25質量%以上であり、さらに好ましくは35質量%以上であり、殊更に好ましくは40質量%であり、また、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは68質量%以下であり、さらに好ましくは66質量%以下であり、さらに好ましくは63質量%以下であり、殊更に好ましくは60質量%以下である上記[1]〜[6]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[8]沈降部の壁面形状が、略半四角柱状、又は略半円柱状である上記[1]〜[7]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[9]上面の中央部から側面に向けて複数の沈降部が放射状又は並列して形成されている上記[1]〜[8]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[10]上面の中央部から側面に向けて複数の沈降部が放射状に形成される場合、上面に形成される沈降部の数は、上面の中央部から側面に向かう沈降部を1個として数える場合に、好ましくは1個以上であり、より好ましくは2個以上であり、さらに好ましくは4個以上であり、好ましくは20個以下であり、より好ましくは14個以下であり、さらに好ましくは10個以下であり、殊更に好ましくは8個以下である上記[1]〜[9]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[11]上面において複数の沈降部が並列して形成される場合、上面に形成される沈降部の数は、好ましくは1個以上であり、より好ましくは2個以上であり、好ましくは10個以下であり、より好ましくは8個以下である上記[1]〜[10]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[12]側面表面上に形成されてなる凹部における最小差し渡し長さは、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上であり、さらに好ましくは10mm以上であり、殊更に好ましくは12mm以上であり、好ましくは100mm以下であり、より好ましくは50mm以下であり、さらに好ましくは36mm以下である上記[1]〜[11]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[13]側面表面上に形成されてなる凹部における最大深さは、好ましくは1mm超であり、より好ましくは1.5mm以上であり、さらに好ましくは3mm以上であり、殊更に好ましくは4mm以上であり、好ましくは30mm以下であり、より好ましくは20mm以下であり、殊更に好ましくは10mm以下である上記[1]〜[12]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[14]固形状発泡性浴用剤の最大高さは、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上であり、さらに好ましくは8mm以上であり、殊更に好ましくは10mm以上であり、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは40mm以下であり、さらに好ましくは30mm以下であり、殊更に好ましくは25mm以下である上記[1]〜[13]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[15]固形状発泡性浴用剤の大きさ(v)に対する固形状発泡性浴用剤の最大高さ(h)の比率(h/v)は、好ましくは0.05〜1であり、より好ましくは0.1〜0.7であり、さらに好ましくは0.15〜0.5である上記[1]〜[14]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[16]固形状発泡性浴用剤の上面が、全体的に外周側から中央部に向けて、次第に陥没していくようなすり鉢状の形状を有している上記[1]〜[15]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[17]さらに、中央部に中央凹部が形成されてなる上記[1]〜[16]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[18]前記中央凹部は底面へ貫通せず、有底であって、前記最大高さ(h)に対する中央凹部の底面からの高さ(h0)の比率(h0/h)が、好ましくは0.05〜0.95であり、より好ましくは0.1〜0.85であり、さらに好ましくは0.3〜0.75であり、殊更に好ましくは0.4〜0.7である上記[17]の固形状発泡性浴用剤。
[19]仮想横断平面において有する断面の水平投影面積は、固形状発泡性浴用剤の最大面積を基準としたときの割合が、5%以上であって、好ましくは10%以上であり、より好ましくは12%以上であり、70%以下であって、好ましくは55%以下であり、より好ましくは50%以下である上記[1]〜[18]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[20]固形状発泡性浴用剤全体の密度は、好ましくは1g/cm3以上であり、より好ましくは1.03g/cm3以上であり、より好ましくは1.06g/cm3以上であり、さらに好ましくは1.1g/cm3以上であり、さらに好ましくは1.2g/cm3以上であり、また、好ましくは1.8g/cm3以下であり、より好ましくは1.7g/cm3以下である上記[1]〜[19]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[21]全身浴、部分浴、足浴のいずれかの入浴態様で用いるのが好ましく、足浴で用いるのがより好ましく、上面に足裏が直接触れるように用いるのがさらに好ましい上記[1]〜[20]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
[22]好ましくは全身浴、部分浴、足浴のいずれかに使用することが好ましく、足浴に使用することがより好ましく、上面に足裏が直接触れるように使用することがさらに好ましい上記[1]〜[20]いずれか1の固形状発泡性浴用剤。
表1に示す処方の浴用剤組成物を調製し、ロータリー式打錠機を用いて、表2〜4に示す各種の形状、寸法及び個数等を備える異なる形状の錠剤を成形した。その一部の具体的な形状を図1〜図6にも示す。なお、比較例4〜5の錠剤は、中央凹部のみが形成されてなり、比較例8の錠剤に形成されてなる中央凹部は、錠剤の上面から底面まで貫通していた。
得られた固形状発泡性浴用剤を用い、40℃の湯6Lに各固形状発泡性浴用剤を2錠投入し、専門パネラー6名により、錠剤上面に両足の土踏まずを乗せて足浴し、下記基準にしたがって発泡強度、及び発泡の持続性を評価して、6名の平均値を求め、各評価の指標とした。なお、実施例及び比較例の錠剤の密度は、実施例2〜9については1.48g/cm3、その他のものは1.2〜1.7g/cm3の範囲内であり、いずれも浴湯に投入後、速やかに湯の底へ沈んだ。
結果を表2〜4に示す。
5点:足裏で強い発泡を感じることができた。
4点:足裏でやや強い発泡を感じることができた。
3点:足裏で発泡を感じることができた。
2点:足裏でやや弱い発泡を感じることができた。
1点:足裏で微弱な発泡を感じることができた又は発泡を感じることができなかった。
3点:足裏で発泡が十分持続した。
2点:足裏で発泡が持続した。
1点:足裏で発泡がやや持続した/感じられなかった。
11:上面
12:側面
13:底面
2 :沈降部
3 :隆起部
4 :側面12表面上に形成されてなる凹部
d :凹部4における最大深さ
h :本発明の固形状発泡性浴用剤の最大高さ
w :凹部4の最小差し渡し長さ
S :沈降部2に沿った縦断面
T :隆起部3に沿った縦断面
X :上面11表面上に位置した底面からの最大距離を有する3点を含む仮想平面
Y :仮想平面Xに対し、底面13方向に1mm平行離間する仮想横断平面
Z :底面13に平行する横断平面
k :仮想平面Xと仮想横断平面Yとの離間距離(=1mm)
Claims (7)
- 炭酸塩及び有機酸を含有する、足浴に用いるための固形状発泡性浴用剤であって、
上面、側面、及び底面を有するとともに、上面に4個以上10個以下の沈降部を有する略柱状体を呈し、上面表面が外周側から中央部に向けて次第に陥没するすり鉢状の形状であって中央部において中央凹部を備え、沈降部が上面の中央部から側面に向けて放射状に形成されてなり、前記沈降部の少なくとも一部の端部が側面に到達するまで延設されて側面表面上に凹部を備え、かつ前記上面が浴水との接触により発泡するものであり、
固形状発泡性浴用剤の最大高さ(h)に対する前記側面表面上の凹部における最大深さ(d)の比率(d/h)が0.2〜0.5であり、前記最大高さ(h)に対する中央凹部の底面からの高さ(h 0 )の比率(h 0 /h)が0.1〜0.85であり、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積が1930mm 2 以上6100mm 2 以下であり、さらに
上面表面上に位置する少なくとも3つの接点を含む外接平面であって、底面から最も離間する上面外接平面に対し、底面方向に1mm平行離間する仮想横断平面によって固形状発泡性浴用剤を切断したときに、
前記仮想横断平面における固形状発泡性浴用剤の水平投影面積が、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積の5%以上70%以下である、足浴に用いるための固形状発泡性浴用剤。 - 炭酸塩及び有機酸を含有る、足浴に用いるための固形状発泡性浴用剤であって、
上面、側面、及び底面を有するとともに、上面に4個以上10個以下の沈降部を有する略柱状体を呈し、上面表面が外周側から中央部に向けて次第に陥没するすり鉢状の形状であって中央部において中央凹部を備え、沈降部が上面の中央部から側面に向けて放射状に形成されてなり、かつ前記沈降部の少なくとも一部の端部が側面に到達するまで延設されて側面表面上に凹部を備え、
前記凹部が形成されていることにより、前記上面に肌を接触させながら使用したときに、浴水の固形状発泡性浴用剤への流入経路を有し、浴水に投入した後に発泡を持続するものであり、
固形状発泡性浴用剤の最大高さ(h)に対する前記側面表面上の凹部における最大深さ(d)の比率(d/h)が0.2〜0.5であり、前記最大高さ(h)に対する中央凹部の底面からの高さ(h 0 )の比率(h 0 /h)が0.1〜0.85であり、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積が1930mm 2 以上6100mm 2 以下であり、さらに
上面表面上に位置する少なくとも3つの接点を含む外接平面であって、底面から最も離間する上面外接平面に対し、底面方向に1mm平行離間する仮想横断平面によって発泡性浴用剤を切断したときに、
前記仮想横断平面における固形状発泡性浴用剤の水平投影面積が、固形状発泡性浴用剤全体の水平投影面積の5%以上70%以下である、足浴に用いるための固形状発泡性浴用剤。 - 前記側面表面上の凹部における最小差し渡し長さが、3mm以上100mm以下である請求項1又は2に記載の固形状発泡性浴用剤。
- 前記側面表面上の凹部における最大深さが、1mm超30mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形状発泡性浴用剤。
- 前記沈降部の壁面形状が、延設方向に向けて湾曲していてもよい略半四角柱状、略半円柱状又は略半円錐状を呈する請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形状発泡性浴用剤。
- 固形状発泡性浴用剤の最大高さが、3mm以上50mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形状発泡性浴用剤。
- 固形状発泡性浴用剤全体の密度が、1g/cm3以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形状発泡性浴用剤。
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