以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材により常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81により、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aにより検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bにより検出される。第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されることによる入賞を第1始動入賞と称する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されることによる入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたことに基づいて(第1始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。第2始動入賞口についても同様である。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。第2特図保留記憶数についても同様である。
ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。第2特図保留情報についても同様である。
第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」とも称する。また、第1始動入賞と、第2始動入賞とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞」とも称する。また、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82により開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉により開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態または一部開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする、または、し難くする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を通過(進入)した遊技球が、例えば図2に示すカウントスイッチ23により検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能、又は、困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示または可変表示と呼ぶ)する。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称する。第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
遊技領域の右側部分には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。第2も第1と同様である。
遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球が、例えば図2に示すゲートスイッチ21により検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数により、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21により検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置される。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示(変動表示とも呼ぶ)される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置される。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始され、特図ゲームの終了に対応して、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せ等であればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字等の記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々に対応する図柄番号が付される。一例として「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されればよい。
特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。
また、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置される。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。第2始動入賞記憶表示エリア5HRについても同様である。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消去された(移動された)保留表示(即ち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(変動対応表示、消化時表示、今回表示等とも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(変動対応表示領域、消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部等とも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間に配置されている。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像等のアクティブ表示に応じた情報等が特別画像により表示される。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等により操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられる。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材としてのスピーカ8UL、8UR、8LL、8LRなどのスピーカ8が設けられる。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音等が含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌等である。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)としての発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRなどのランプ9が設けられる。
画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9等は演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、演出装置として、駆動部を有する演出用模型等他の演出装置を備えてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。第2特別図柄表示装置4Aによる第2特図ゲームについても同様である。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となってもよく、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄としてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」等)に達するまで、繰返し実行可能である。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったこと等)により、ラウンドの実行が終了してもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒等)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒等)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間等)であって非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。
このように大当り遊技状態は、遊技者にとって有利となる有利状態である。遊技者にとって有利な有利としては、前述した大当り遊技状態の他に、確変状態(高確率状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。即ち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰返し実行される。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組合せの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域で停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作であるリーチ演出(リーチ演出表示)が実行される場合がある。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せ等が最終停止表示される可能性(「大当り期待度」「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}により算出される。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄等の可変表示動作により実現される滑り演出や擬似連演出等が実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部で飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリアで飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数の飾り図柄表示エリアで飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、滑り演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部で飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回行うことができる。「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。
以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いこと等を、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよく、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光等のように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
予告演出のうちには、先読予告演出となるものが含まれればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報等に基づいて判定し、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。
なお、先読予告演出には、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出や、変化させない保留変化ガセ演出等の作用演出が用意されてもよい。第2保留表示についても同様である。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後等に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」とも称する)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとは、例えば、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにより形成される所定の有効ライン上に同一種類の通常図柄(「非確変図柄」とも称する)が揃って最終停止表示する組合せである。通常図柄の一例は、図柄番号が「1」〜「8」の8種類の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の4種類の飾り図柄である。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。
時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態等とは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、何れかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後等に、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとは、例えば、上記有効ライン上に同一種類の確変図柄が揃って最終停止表示する組合せである。確変図柄の一例は、図柄番号が「1」〜「8」の8種類の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の4種類の飾り図柄である。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易くして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われてもよく、複数の制御が組合せられて行われてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せの何れかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。但し、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、ランプ9等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15により中継される。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。
図3(A)に示す例において、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示の決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図15(A)参照)において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」「小当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当りの種別を判定し、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリを判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを含む。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読出す固定データ読出動作や、RAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、RAM102に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、I/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、I/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。乱数回路104は、これらの遊技用乱数の乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアにより各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンとも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンとも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターン等のようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。図5は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、図5に示すようなテーブルを構成するデータ等が記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか、確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bについても同様である。
第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bの夫々では、遊技状態が確変状態であるときに、通常状態又は時短状態であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態では、通常状態又は時短状態であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームを実行するか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられている。
また、ROM101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割当てられている上記決定値が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。
また、ROM101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割当てられている上記決定値が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。
RAM102は、バックアップ電源によりバックアップされていればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、バックアップ電源が電力供給不能になるまでは、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグ等)である。
RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。第2特図保留記憶部151Bについても同様である。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21により検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データを記憶する。普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
I/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読出す固定データ読出動作や、RAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、RAM122に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、I/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、I/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す信号を伝送するための配線、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す信号をコントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線が接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM121には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM121には、当該テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、第1保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。第2保留表示の保留表示態様決定テーブルについても同様である。
また、ROM121には、保留演出(作用演出、保留変化演出とも称する)の実行有無を決定するために参照される保留演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的に、このテーブルには、保留演出の実行なし及び実行ありの夫々に、保留演出の実行有無決定用の乱数値MR7(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。本実施形態において、保留演出とは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出と、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出とである。なお、保留演出には複数種類が存在し、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用して保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出も存在する。当該保留変化演出には、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用するが保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出も存在する。
また、ROM121には、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出(成功演出)の実行有無を決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的には、このテーブルには、アクティブ表示変化演出の実行なし及び実行ありの夫々に、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7(非図示)と比較される数値が割当てられている。
また、ROM121には、アクティブ表示変化演出の演出パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照されるアクティブ表示変化演出パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、このテーブルには、アクティブ表示変化演出の演出パターンの夫々に、アクティブ表示変化演出の演出パターン決定用の乱数値(非図示)と比較される数値が割当てられている。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータ等が記憶されている。演出制御パターンがセットされることにより、飾り図柄等の種々の可変表示動作や予告演出等が実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出等における演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値)と比較される値であって、各演出動作の実行時間に対応した判定値が予め設定されている。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではない。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間でスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよく、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置の制御を進行させる。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図10(B)に示すような第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値に対応した格納領域が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に受信した順番でコマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンドが1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドが、入賞順を維持しつつシフトされる。図10(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bについては、図10(B)の第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと同様である。
また、本実施形態では、図10(D)に示すような第1先読予告バッファ194Cを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1先読予告バッファ194Cには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域が設けられている。即ち、第1先読予告バッファ194Cには、演出制御用CPU120等により決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容等が、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始等により、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられた保留データが削除されるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられた内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始等により、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられた保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられた内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。図10(E)に示すような第2先読予告バッファ194Dについては、図10(D)の第1先読予告バッファ194Cと同様である。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103により遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入ってもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。以下、ステップSは単にSと称する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯等)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すS15で実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のS101で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14は、始動入賞時処理として、図13のS208、S211で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のS220で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S201;Yes)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)であるか否かを判定する(S202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S202で第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S207)。
S201で第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S201;No)、S202で第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(S202;Yes)、S209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S203;Yes)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)であるか否かを判定する(S204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S204で第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S204;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S210)。
S207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(S208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(S209)、S203の処理に進む。S210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(S211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(S212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
CPU103は、始動入賞時処理(S208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(図14のS215)。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。S215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(S216)。
S216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S218)。
S218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S219)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、入賞時乱数値判定処理(S220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(図15(A)のS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130A又は第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」又は「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(S402)。その後、図14のS217で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S403)。大当り判定範囲には、S402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
S403で大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(S403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(S404)。CPU103は、S402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。S404で小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(S404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S405)。
S404で小当り判定範囲内であると判定された場合には(S404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S407)。
S403で大当り判定範囲内であると判定された場合には(S403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(S410)。
S405、S407、S410の処理の何れかを実行した後には、変動カテゴリを判定する(S412)。即ち、変動カテゴリを図5に示す複数種類の何れかに決定する。S412の処理では、CPU103は、ROM101に記憶されている複数の変動カテゴリ決定テーブル(当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数種類の変動カテゴリ決定テーブル)のなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。
具体的には、CPU103は、特図表示結果(例えば、S403やS404の判定結果等)や、保留記憶数(例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値等)に基づいて使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動カテゴリ決定テーブルと、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等から抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動カテゴリのなかから何れかの変動カテゴリを決定する。
図16は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図17は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。この変動カテゴリ決定テーブルは、変動カテゴリを複数種類のいずれかに決定するために参照される。なお、説明の簡略化のため、図17(A)のような決定割合を設定した変動カテゴリ決定テーブルを、単に図17(A)の変動カテゴリ決定テーブルと称する場合がある。図16は、図17(A)〜図17(D)の4種類(設定「C−TBL1」〜設定「C−TBL4」)のなかから何れかの設定を選択する選択例、即ち、上述の4種類の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。
図17の変動カテゴリ決定テーブルは、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動カテゴリに割当てられている。
その後、S412の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図12のS101で始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S120の処理の何れかを選択して実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」又は「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)等が行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等を送信するための送信設定処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマにより経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンにより制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bで特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定してもよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23により検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理等が実行されればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
S120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9等といった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理等が含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、特別図柄通常処理として、図12のS110で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、S231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S231で第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S231;No)、第2特図保留記憶部151Bで保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読出す(S232)。このとき読出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
S232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bで保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S233)。また、S233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154で合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(S234)。
S231で第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、S235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154で第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、S235の処理を、S231で第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
S235で第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S235;No)、第1特図保留記憶部151Aで保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読出す(S236)。このとき読出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
S236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aで保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S237)。また、S237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154で合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S238)。
S234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図15(A)に示すS402の処理と同様に、特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(S239)。即ち、S402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)に応じて第1特図表示結果決定テーブル130A又は第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットしたが、S239の処理では、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットし、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットすればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S240)。
S240で特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S242)。このときには、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(S243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定すること等により(S245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
S241で「大当り」ではないと判定された場合には(S241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(S246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S247)。
S246で「小当り」ではないと判定された場合や(S246;No)、S245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(S248)。
S248で確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S249)、特別図柄通常処理を終了する。S235で第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(S250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
S111の変動パターン設定処理では、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。
上述したように、保留記憶数に応じた夫々の変動カテゴリ決定テーブルの何れにおいても同一の変動カテゴリに対応する乱数値MR3の判定値が存在する場合において、当該同一の変動カテゴリに対応する当該判定値に一致する乱数値MR3が入賞時に抽出されたときは、入賞時乱数値判定処理(S220)の実行時と当該変動パターン設定処理(S111)の実行時とで保留記憶数が大きく異なっていたとしても、変動パターン設定処理では入賞時乱数値判定処理と同一の変動カテゴリが決定される。例えば、上述した、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」〜「C−TBL3」の具体例では、入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「99」であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA5」が決定される。入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「97」〜「98」の範囲であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA4」が決定される。なお、S261の処理では、保留データとして記憶されている変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて変動カテゴリを判定することが好ましいが、CPU103は、新たに変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出し、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて変動カテゴリを決定してもよい。
続いて、CPU103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、S412と同様、変動カテゴリを判定する。即ち、図16の示すように特図表示結果と保留記憶数とに基づき、図17の示した複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから使用する変動カテゴリ決定テーブルを選択し、選択した変動カテゴリ決定テーブルと変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する。続いて、CPU103は、判定結果である変動カテゴリに基づいて、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動パターン決定テーブルと、上述の変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づき、複数種類の変動パターンの中から何れかの変動パターンを決定する。
図19は、変動パターンの決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM101には、変動カテゴリに応じた8種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。
以上のように、主基板11では、S101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(S219)、S403、S404、S409等において判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(S405、S407、S410)、S412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定(S413)が行われ、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(S221)。
これらの処理が実行されてから、図11に示すS17のコマンド制御処理を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。
また、主基板11では、S110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2等を用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、S111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5等を用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。
更に、S111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド等を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図11に示すS17のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンド等が、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(S110)で特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(S111)で飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定等が行われ、夫々の演出制御コマンドにより決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)で検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(S220)により、「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定等が行われ、夫々の演出制御コマンドにより決定された内容が演出制御基板12に送信される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図20のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図20に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S72;No)、S72の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取込む。
このとき取込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S72でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S73)、コマンド解析処理を実行する(S74)。S74で実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
S74でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S75)。S75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
S75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによりカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、S72の処理に戻る。S76で更新され、演出制御に用いられる各種の乱数値としては、後述する確定図柄決定用の乱数値の他、MR6〜MR12等の各種乱数値が含まれる。
図21は、コマンド解析処理として、図20のS74で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S501)。このとき、受信コマンドがなければ(S501;No)、コマンド解析処理を終了する。
S501で受信コマンドがある場合には(S501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(S503)。例えば、S503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S502で受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(S505)。例えば、S505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S504で受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S506)。S506で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S507)。S507で受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(S508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化すること等により、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S509)。
S508で受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(S508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(S510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化すること等により、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S511)。
S506で受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S506;Yes)、S507で受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S507;Yes)、あるいはS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するS503の処理において、第1保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(S512)、S501の処理に戻る。
また、S506で受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S506;Yes)、S507で受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S507;Yes)、あるいはS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するS503の処理において、第2保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭に格納してから(S512)、S501の処理に戻る。
S510で受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(S510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(S513)、S501の処理に戻る。例えば、受信コマンドが遊技状態指定コマンドである場合、その遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定する。また、例えば、受信コマンドが当り終了指定コマンドである場合、その当り終了指定コマンドを解析して、時短であるか否かを特定する。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドや第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
図22は、演出制御プロセス処理として、図20のS75で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(S150)。図23は、入賞時演出決定処理として、図22のS150で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示す入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックし(S151)、新たな受信コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S152)。S152で第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(S152;No)、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける記憶内容をチェックし(S153)、新たな受信コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S153)。S154で第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(S154;No)、入賞時演出決定処理を終了する。
S152において第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(S152;Yes)、図21のコマンド解析処理におけるS513の処理において時短ではないことが特定されている場合には(S155:NO)、第1保留演出決定処理を実行する(S160)。第1保留演出決定処理には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理が含まれている。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加表示させる際の保留表示に対する保留変化演出や保留変化ガセ演出を実行する場合には、当該ステップにおいて、保留変化演出、保留変化ガセ演出を実行するか否かを決定する処理や、保留演出を実行すると決定した場合に保留演出の実行タイミングを決定する処理等を行えばよい。
まず、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加表示させる際の保留表示の表示態様を決定する決定処理について説明する。図24は、保留表示の表示態様の決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM121には、変動カテゴリに応じた7種類の保留表示態様決定テーブルが記憶されているものとする。
図24によれば、(A)〜(G)の各テーブルによって、保留表示の表示態様が決定されるが、決定される表示態様の種類は、通常表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つに大別される。通常表示態様は「球体」である。第1特定表示態様は、「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)である。第2特定表示態様は、「人型キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(キャラクタアイコンとも呼ぶ)である。「球体」の例は図28に示される。「文字アイコン」の例は図30および図32に示される。「キャラクタアイコン」の例は図30および図33に示される。「文字アイコン」および「キャラクタアイコン」のようなアイコン状の保留表示は、一般的な「球体」による通常表示態様とは異なる種別の特定表示態様の保留表示として演出に用いられる。
図24の保留表示態様決定テーブルにおいて、決定対象となる保留記憶の保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されると、所定の文字アイコンの表示態様(例えば「注意」という文字からなる出現時表示態様)で保留表示を出現させた後、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、保留表示態様変化演出と、変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行される場合がある。文字アイコンによる保留表示態様変化演出は、例えば、文字アイコンによる保留表示が通常表示態様で出現表示された後の保留表示中に文字の表示態様が変化することを示唆する演出(例えば「注意」という通常表示態様の文字から、「好機」または「激熱」という特定表示態様の文字に変化することを示唆する演出)である。文字アイコンによる変動対応表示態様変化演出は、例えば、文字アイコンによる保留表示に対応するアクティブ表示中(アクティブ表示エリアAHAでの表示中)に文字アイコンの表示態様が同様に変化することを示唆する演出である。保留表示態様変化演出および変動対応表示態様変化演出は、表示態様変化演出という総称で呼ばれる場合がある。文字アイコンによる保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出との具体例は、図32を参照して後述する。
図24のテーブルにおいて、対象となる保留記憶の保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されると、所定のキャラクタアイコンの表示態様(例えば1人のキャラクタからなる出現時表示態様)で保留表示を出現させた後、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、保留表示態様変化演出と、変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行される場合がある。キャラクタアイコンによる保留表示態様変化演出は、例えば、キャラクタアイコンによる保留表示が通常表示態様で出現表示された後の保留表示中に文字の表示態様が変化することを示唆する演出(例えば1人のキャラクタという通常表示態様から2人のキャラクタまたは3人のキャラクタという特定表示態様に変化することを示唆する演出)である。キャラクタアイコンによる変動対応表示態様変化演出は、例えば、保留表示に対応するアクティブ表示中にキャラクタアイコンの表示態様が同様に変化することを示唆する演出である。キャラクタアイコンによる保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出との具体例は、図33を参照して後述する。
「球体」の保留表示は、図24の各テーブルにおいて「赤色球」「黄色球」「青色球」「白色球」と表示されている。「球体」の保留表示は、例えば、リーチとなる場合には非リーチとなる場合に比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色(初期色)が決定され難くなっている。また、リーチとなる場合においては熱いリーチ(例えば、スーパーリーチ)となるときには熱くないリーチ(例えば、ノーマルリーチ)となるときに比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色が決定され難くなっている。あるいは、図16、図17及び図24によれば、特図表示結果が「大当り」であるときには特図表示結果が「ハズレ」であるときに比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色が決定され難くなっている。換言すれば、赤色や黄色の表示態様は青色や白色の表示態様に比べて、熱い演出が実行される期待度や、大当りとなる期待度が高い。より詳細には、赤色、黄色、青色、白色の順に、熱い演出が実行される期待度や、大当りとなる期待度が高い。
文字アイコンの保留表示の表示態様は、図24の各テーブルにおいて「文字」と表示されている。「文字」に決定されると、新たに追加して出現する保留表示が文字アイコンの表示態様(通常表示態様)とされ、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、前述のような保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行され得る。
キャラクタアイコンの保留表示の表示態様は、図24の各テーブルにおいて「キャラクラ」と表示されている。「キャラクタ」に決定されると、新たに追加して出現する保留表示がキャラクタアイコンの表示態様(通常表示態様)とされ、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、前述のような保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行され得る。
図24のテーブルによれば、乱数MR6の決定割合を参照して理解されるように、大当りの期待度が高い変動表示である程、文字アイコンによる保留表示またはキャラクタアイコンによる保留表示が選択される割合が高い。この例では、また、大当りとなる期待度が高い程、文字アイコンによる保留表示よりも、キャラクタアイコンによる保留表示が選択される割合が高い。
第1保留演出決定処理(S160)において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリに基づいて、図24に示した複数の保留表示態様決定テーブルのなかから使用する保留表示態様決定テーブルを選択し、選択した保留表示態様決定テーブルと保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6とに基づいて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加表示させる保留表示の表示態様(追加時表示態様)を決定する。これにより、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加表示させる保留表示の表示態様が「球体」、「文字アイコン」、および、「キャラクタアイコン」のうちのいずれかに決定され、併せて、「球体」の場合には色が決定される。
第1保留演出決定処理(S160)を実行した後には、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理の決定結果に基づいて第1保留演出決定処理の決定内容を記憶する(S161)。具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理において保留表示の表示態様を、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて、第1保留演出決定処理の決定内容(追加時表示態様)を記憶する。
なお、演出制御用CPU120は、「球体」の保留表示について、第1保留演出決定処理において保留変化演出を実行するか否かを決定し、保留変化演出を実行すると決定した場合には、保留演出決定処理の決定内容(保留変化演出を実行する場合の実行タイミング、保留変化ガセ演出を実行する場合の実行タイミング、保留変化を実行する場合の実行タイミング)に対応する第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて、保留演出決定処理の決定内容(保留変化演出を実行する旨を示す情報(例えばフラグ)、保留変化ガセ演出を実行する旨を示す情報(例えばフラグ)、保留変化を実行する旨を示す情報(例えばフラグ))と、ターゲットの保留表示として保留演出によって変化される保留表示(即ち、当該第1始動入賞による保留表示)を特定する情報(例えば、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号)とを記憶してもよい。
この場合、例えば、第1特図保留記憶数3個目の第1始動入賞時の第1保留演出決定処理において、追加時表示態様「白色」、保留演出「実行あり(保留変化演出実行あり)」、実行タイミング「次変動」のように決定していた場合には、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号(例えば、バッファ番号「3」とする)に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号(バッファ番号「3」)に対応付けて追加時表示態様「白色」を記憶するとともに、実行タイミング「次変動」に対応する第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号(バッファ番号「1」)に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号(バッファ番号「1」)に対応付けて保留変化演出を実行する旨を示す情報とバッファ番号「3」とを記憶すればよい。
なお、演出制御用CPU120は、「球体」の保留表示について、第1保留演出決定処理において保留変化演出を実行すると決定した場合には、第1保留演出決定処理の実行タイミングに対応する第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて、ターゲットの保留表示(当該第1始動入賞による保留表示)を特定する情報のみを記憶してもよい(保留変化演出を実行する旨を示す情報は記憶しなくてもよい)。
S161の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、第1保留演出決定処理(S160)において決定した保留表示の表示態様(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時表示態様)に基づいて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たな保留表示を追加する第1保留追加処理を実行する(S162)。より詳細には、演出制御用CPU120は、上述の第1先読予告バッファ194Cのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時表示態様による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること等により、第1保留演出決定処理において決定した追加時表示態様による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
S154において第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定し(S154;Yes)、図21のコマンド解析処理におけるS513の処理において時短であることが特定されている場合には(S156:YES)、第2保留演出決定処理を実行する(S163)。第2保留演出決定処理には、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理が含まれている。これにより、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加表示させる保留表示の表示態様が「球体」、「文字アイコン」、および、「キャラクタアイコン」のうちのいずれかに決定され、併せて、「球体」の場合には色が決定される。なお、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加表示させる際の保留表示に対する保留変化演出や保留変化ガセ演出を実行する場合には、当該ステップにおいて、保留変化演出、保留変化ガセ演出を実行するか否かを決定する処理や、保留演出を実行すると決定した場合に保留演出の実行タイミングを決定する処理等を行えばよい。
なお、第2始動口入賞に係るS163、S164、S165の夫々の処理は、第1始動口入賞に係るS160、S161、S162の夫々の処理に係る処理と同様であり、各ステップにおける「第1」を「第2」と読み替え、当該読み替えに対応して符号を読み替えることが可能であるため、説明を省略する。
S152で第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定し(S152;Yes)、図21のコマンド解析処理におけるS513の処理において時短であることが特定されている場合(S155:YES)、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加表示させる第1保留表示の表示態様を、初期色(白色)に決定し、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該記憶内容に対応するバッファ番号と同一のバッファ番号に対応付けて、白色の表示態様の第1保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する(S166)。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
また、S154で第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定し(S154;Yes)、図21のコマンド解析処理におけるS513の処理において時短ではないことが特定されている場合(S156:YES)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加表示させる第2保留表示の表示態様を、通常表示(白色の玉)に決定し、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける当該記憶内容に対応するバッファ番号と同一のバッファ番号に対応付けて、通常表示(白色の玉)の表示態様の第2保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する(S166)。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
図22及び図23に示したS150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理、各種の演出や各種演出の演出態様(例えば、主予告演出であるアクティブ表示変化演出や、当該アクティブ表示変化演出の演出態様)を決定する処理等を含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
S172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読出した制御データに基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図25は、可変表示開始設定処理として、図22のS171で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がされたときには(S522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図5の「PA1−1」「PA2−1」「PA2−2」「PA2−3」)であるか否かを判定する(S523)。
S523で非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S524)。
S523で非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S525)。一例として、S525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121等に予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cで停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
S522で特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(S526)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(S526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S527)。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121等に予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照すること等により、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
S526で「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(S526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S528)。一例として、S528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121等に予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無等に応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われてもよい。
図21のコマンド解析処理におけるS513の処理において時短ではないことが特定されている場合(S155:NO)、S524、S525、S527、S528の処理の何れかを実行した後には、保留消化処理を実行する(S531)。具体的には、当該変動に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(換言すれば、当該変動に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。例えば、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。より詳細には、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに移動させてアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること等により、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、S531の処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて、消化する保留表示(アクティブ表示)の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいてシフトし、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいて、アクティブ表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいてシフトする。
S531の処理を実行した後には、演出実行設定処理を実行する(S532)。演出実行設定処理(S532)には、保留表示が「球体」に決定されたときにおいて、保留表示の変化を視認困難または視認不能な状態(隠ぺい状態)にするシルエット演出を実行するか否かを決定する処理、保留表示の態様の変化を示唆する作用演出を実行するか否かを決定する処理、作用演出の結果、保留表示の態様の変化が成功するか失敗するかを決定する処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等が含まれている。
また、演出実行設定処理(S532)には、新たに出現表示された保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等がさらに含まれている。
表示態様変化演出実行タイミング選択処理は、文字アイコンまたはキャラクタアイコンのアイコン形状で保留表示がされた保留記憶に対応する表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の実行タイミングを選択決定する処理である。図27(A),(B)等に示すように、このような保留表示の実行タイミングは、例えば当該保留記憶に対応する保留表示が出現した後の1回目の保留表示シフト後における保留表示中のタイミングと、当該保留記憶に対応するアクティブ表示中のタイミングとのいずれかに選択決定される。
表示態様変化演出種類選択処理は、「文字」または「キャラクタ」のアイコン形状の保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の種類を選択決定する処理である。図27(C),(D)等に示すように、このような表示態様変化演出の種類は、第1変化演出〜第4変化演出のいずれかに選択決定される。
変化態様選択処理は、「文字」または「キャラクタ」のアイコン形状の表示の表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の保留表示またはアクティブ表示の演出態様を選択決定する処理である。図27(E)〜(L)等に示すように、文字アイコンの表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の演出態様は、「変化なし」と「好機」表示と「激熱」表示とのいずれかに選択決定される。キャラクタアイコンの表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の演出態様は、「変化なし」と「2人」表示と「3人」表示とのいずれかに選択決定される。
S532の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(S533)。一例として、S533の処理では、大当り告知音や大当り告知発光によって可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する「一発告知演出」の実行設定を行ってもよい。大当り告知音の一例は、アラーム音、チャイム音、サイレン音等である。大当り告知発光の一例は、発光部材9CCを構成するフラッシュランプの発光等である。また、S533の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出が実行されるように設定してもよい。例えば、所定のランプ9(例えば、発光部材9SL、9SR)が発光するような態様の演出が実行されるように設定してもよい。
S533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S534)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(S535)。例えば、S532の演出実行設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること等により画像表示装置5の画面上で飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板13に伝送すること等によりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送させること等によりランプ9における発光を開始させるための設定を行う。
S535の処理を実行した後には、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドを消化する(S536)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。
また、S536の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122等に設けられる第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファ194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S537)、可変表示開始設定処理を終了する。
ここで、演出実行設定処理(S532)について詳述する。まず、保留表示の変化を視認困難または視認不能な状態(隠ぺい状態)にするシルエット演出を実行するか否かを決定する処理、保留表示の態様の変化を示唆する作用演出を実行するか否かを決定する処理、作用演出の結果、保留表示の態様の変化が成功するか失敗するかを決定する処理について説明する。
図26は、保留選択時演出パターンテーブルを示す第1の図である。図26を参照して、このテーブルは、保留表示が球体に決定されたときにおいて、当該保留表示が対応する変動パターンの種別に応じてシルエット演出を実行するか否か、作用演出を実行するか否か、および、作用演出の結果、保留表示の態様の変化が成功するか失敗するかを決定するためのテーブルである。
このテーブルにおいては、乱数値MR7と比較される判定値の個数が示されている。非リーチの変動パターンPA1−X,PA2−Xに対しては、シルエット演出不実行かつ作用演出不実行に対して判定値の個数が100個、割振られている。同様に、それぞれの変動パターンPA3−X〜PB5−Xに対して、シルエット演出実行かつ作用演出成功、シルエット演出実行かつ作用演出失敗、シルエット演出実行かつ作用演出不実行、シルエット演出不実行かつ作用演出成功、シルエット演出不実行かつ作用演出失敗、および、シルエット演出不実行かつ作用演出不実行のそれぞれに対して判定値の個数が、図26のテーブルで示す個数、割振られている。
このテーブルにおいては、シルエット演出実行の場合は、シルエット演出不実行の場合よりも高い割合で作用演出実行が決定されるように、判定値の個数が割振られている。これによって、シルエット演出と作用演出との間に関連性を持たせることができる。その結果、シルエット演出と作用演出との興趣を向上させることができる。
また、変動パターンの種別およびシルエット演出の実行/不実行に応じて、作用演出の成功によって保留表示が変化する割合が異なるように、作用演出成功が決定されるように、判定値の個数が割振られている。これによって、変動パターンの種別およびシルエット演出の実行/不実行ごとの作用演出の種類によって保留表示が変化する期待度が異なることによって、保留表示が隠ぺい状態の前後で変化しているか否かに遊技者を注目させることができ、作用演出の興趣を向上させることができる。
次に、新たに出現表示された保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理について説明する。図27は、保留選択時演出パターンテーブルを示す第2の図である。
図27(A)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図27(A)では、保留表示中とアクティブ表示中という2種類の表示態様変化演出タイミングに、表示態様変化演出タイミング決定用の乱数値MR10が「保留表示中>アクティブ表示中」という関係の選択割合で割振られている。
図27(B)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図27(B)では、保留表示中とアクティブ表示中という2種類の変化演出タイミングに、表示態様変化演出タイミング選択用の乱数値MR10が、「保留表示<アクティブ表示中」という関係の選択割合で割振られている。
図27(A)および図27(B)によれば、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。一方、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。これにより、表示態様変化演出の変化対象の表示種別(例えば、文字アイコン、キャラクタアイコンという表示種別)および表示態様変化のタイミング(例えば、保留表示中、アクティブ表示中というタイミング)に遊技者を注目させることができ、保留表示の態様を変化させる演出について遊技の興趣を向上させることができる。
また、文字アイコンの表示、および、キャラクタアイコンの表示については、後述する図27(E)〜(L)のように、表示態様変化演出実行後に、実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中とアクティブ表示中とで等しい。したがって、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高く、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高いことに基づけば、保留表示が文字アイコン表示と、キャラクタアイコンの表示とのいずれで表示されるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なるので、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。これにより、アイコン形状で表示された保留表示の表示態様の変化とアクティブ表示の表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、表示態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
図27(C)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留変化演出種類選択テーブルである。文字アイコンによる保留表示が実行されるときの変化演出の種類としては、図31に示すような青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する(青色演出と称する場合がある)第1変化演出と、図31に示すような赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する(赤色演出と称する場合がある)第2変化演出とが選択可能に設けられている。第1変化演出と第2変化演出とは、表示態様変化演出実行後のアイコン表示の変化態様の選択割合が異なり、例えば第2変化演出(赤色演出)の方が、第1変化演出(青色演出)よりも大当りとなる期待度が高い変化態様の選択割合が高く設定されている(図27(E)〜(H)参照)。図27(C)では、第1変化演出と第2変化演出とに、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11が、「第1変化演出=第2変化演出」という関係の選択割合で割振られている。
図27(D)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留変化演出種類選択テーブルである。キャラクタアイコンによる保留表示が実行されるときの表示態様変化演出の種類としては、図31に示すような青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する(青色演出と称する場合がある)第3変化演出と、図31に示すような赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する(赤色演出と称する場合がある)第4変化演出とが選択可能に設けられている。第3変化演出と第4変化演出とは、表示態様変化演出実行後のアイコン表示の変化態様の選択割合が異なり、例えば第4変化演出(赤色演出)の方が、第3変化演出(青色演出)よりも大当りとなる期待度が高い変化態様の選択割合が高く設定されている(図27(I)〜(L)参照)。図27(D)では、第3変化演出と第4変化演出とに、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11が、「第3変化演出=第4変化演出」という関係の選択割合で割振られている。
図27(E)〜図27(H)は、文字アイコンによる保留表示の変化演出について、図27(A)および図27(C)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。これら変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて、「変化なし」と「好機」表示と「激熱」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図27(E)は、表示態様変化演出タイミングが保留表示中として選択決定され、表示態様変化演出種類が第1変化演出に選択決定されたときに用いる第1変化演出保留表示中変化選択テーブルである。図27(F)は、表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中として選択決定され、表示態様変化演出種類が第1変化演出に選択決定されたときに用いる第1変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルである。図27(G)は、表示態様変化演出タイミングが保留表示中に選択決定され、表示態様変化演出種類が第2変化演出に選択決定されたときに用いる第2変化演出保留表示中変化選択テーブルである。図27(H)は、表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中に選択決定され、表示態様変化演出種類が第2変化演出に選択決定されたときに用いる第2変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルである。
図27(E)〜(H)において、「変化なし」は、文字アイコンが変化しない態様を示し、「好機」表示は、文字アイコンが「好機」という文字のアイコンに変化する態様を示し、「激熱」表示は、文字アイコンが「激熱」という文字のアイコンに変化することを示す。
図27(E)〜(H)では、変化選択用の乱数値MR12が、大当り表示結果となるときに「変化なし<好機+激熱(変化あり)」、ハズレ表示結果となるときに「変化なし>好機+激熱(変化あり)」という関係の選択割合で割振られている。また、図27(E)〜(H)では、大当り表示結果となるときに「好機<激熱」、ハズレ表示結果となるときに「好機>激熱」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、文字アイコンが変化したときは、文字アイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、文字アイコンが「激熱」に変化したときは、文字アイコンが「好機」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
文字アイコンにより保留表示がされるときにおいて、表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中に選択決定されたときに用いる図27(F),(H)では、表示態様変化演出タイミングが保留表示中に選択決定されたときに用いる図27(E),(G)と比べて、大当り表示結果となるときに、「激熱」表示の選択割合が高く設定されている。
このような設定により、文字アイコン表示については、図27(A),(B)のように、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、アクティブ表示中に保留表示中と比べて、「好機」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「激熱」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
また、図27(E)〜(H)に示すように大当り表示結果となるときには、第2変化演出(赤色演出)の方が、第1変化演出(青色演出)と比べて、「好機または激熱(変化あり)」表示がされる割合が高い。これにより、第2変化演出(赤色演出)により「好機または激熱(変化あり)」表示がされるときには、第1変化演出(青色演出)により「好機または激熱(変化あり)」表示がされるときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高く、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、第1変化演出(青色演出)と第2変化演出(赤色演出)とで、「好機または激熱(変化あり)」表示がされる割合が異なることにより、アイコン表示についての保留表示中、または、アクティブ表示中の変化態様に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
図27(I)〜図27(L)は、キャラクタアイコンによる保留表示の表示態様変化演出について、図27(A)および図27(C)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。これら演出選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて、「変化なし」と「2人」表示と「3人」表示とに、変化選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図27(I)は、変化演出タイミングが保留表示中として選択決定され、表示態様変化演出種類が第3変化演出に選択決定されたときに用いる第3変化演出保留表示中変化選択テーブルである。図27(J)は、表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中として選択決定され、表示態様変化演出種類が第3変化演出に選択決定されたときに用いる第3変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルである。図27(K)は、表示態様変化演出タイミングが保留表示中として選択決定され、表示態様変化演出種類が第4変化演出に選択決定されたときに用いる第4変化演出保留表示中変化選択テーブルである。図27(L)は、表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中として選択決定され、表示態様変化演出種類が第4変化演出に選択決定されたときに用いる第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルである。
図27(I)〜(L)において、「変化なし」は、キャラクタアイコンが変化しない態様を示し、「2人」表示は、キャラクタアイコンが「2人」のアイコンに変化する態様を示し、「3人」表示は、キャラクタが「3人」のアイコンに変化することを示す。
図27(I)〜(L)では、変化選択用の乱数値MR12が、大当り表示結果となるときに「変化なし<2人+3人(変化あり)」、ハズレ表示結果となるときに「変化なし>2人+3人(変化あり)」という関係の選択割合で割振られている。また、26(I)〜(L)では、大当り表示結果となるときに「2人<3人」、ハズレ表示結果となるときに「2人>3人」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、キャラクタアイコンが変化したときは、キャラクタアイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、キャラクタアイコンが「3人」に変化したときは、キャラクタアイコンが「2人」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
キャラクタアイコンにより保留表示がされるときにおいて、変化演出タイミングが保留表示中に選択決定されたときに用いる図27(I),(K)では、変化演出タイミングが保留表示中に選択決定されたときに用いる図27(J),(L)と比べ、大当り表示結果となるときに「3人」表示の選択割合が高く設定されている。
このような設定により、キャラクタアイコン表示については、図27(A),(B)のように、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、保留表示中にアクティブ表示中と比べて、「2人」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「3人」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
また、図27(I)〜(L)に示すように、大当り表示結果となるときには、第4変化演出(赤色演出)の方が、第3変化演出(青色演出)と比べて、「2人または3人(変化あり)」表示がされる割合が高い。これにより、第4変化演出(赤色演出)により「2人または3人(変化あり)」表示がされるときは、第3変化演出(青色演出)により「2人または3人(変化あり)」表示がされるときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高く、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、第3変化演出(青色演出)と第4変化演出(赤色演出)とで、「2人または3人(変化あり)」表示がされる割合が異なることにより、アイコン表示についての保留表示中、または、アクティブ表示中の変化態様に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
ここで、再び、図25に戻り、可変表示開始設定処理を引き続き説明する。演出実行設定処理(S532)においては、演出制御用CPU120は、新たに出現表示された保留表示として、図24の保留表示態様決定テーブルにより文字アイコンまたはキャラクタアイコンによる保留表示が選択されたものがあるときに、例えば、図27(A)〜(L)を用いて説明したように選択決定された演出内容での表示態様変化演出を実現するための処理を実行する。例えば、図27(A)または図27(B)により表示態様変化演出タイミングが保留表示中として選択決定されたときには、これから開始される変動表示において、保留消化に応じて保留表示がシフトした後に、前述したように選択決定された演出内容での表示態様変化演出を実行するための設定処理をする。
一方、演出実行設定処理(S532)において、図27(A)または図27(B)により表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中として選択決定されたときには、演出対象となる保留記憶に対応するアクティブ表示が実行されるときまで、前述したように選択決定された演出内容を特定するデータを、演出対象となる保留記憶に対応する第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号のデータに対応付けて、表示態様変化演出を実行することを指定するアクティブ表示中変化演出指定データを記憶しておくとともに、前述したように選択決定された演出内容を特定するデータを、RAM122に設けられた表示態様変化演出記憶領域に記憶しておく。そして、演出制御用CPU120は、演出実行設定処理のS532において、これから開始される変動表示が、アクティブ表示中変化演出指定データにより指定された演出対象の保留記憶に対応する変動表示であるか否かを判定し、演出対象の保留記憶に対応する変動表示であると判定されたときに、表示態様変化演出記憶領域に記憶された演出内容を特定するデータに基づいて、アクティブ表示中において表示態様変化演出を実行させる。
以上に説明したような処理が実行されることにより、演出実行設定処理(S532)において、文字アイコンまたはキャラクタアイコンにより保留表示の表示態様が選択され、表示態様変化演出を実行するときには、当該表示態様変化の対象となる保留表示が出現した後の最初の保留表示中、または、当該保留表示に対応する保留記憶に基づく変動表示が実行されるときのアクティブ表示中において、演出実行設定処理(S532)における演出設定に基づいて、表示態様変化演出が実行されることとなる。
また、演出実行設定処理(S532)において、演出制御用CPU120は、「球体」で表示された保留表示について、変動パターンの種別に応じて、シルエット演出の実行/不実行、作用演出の実行/不実行、および、作用演出実行時の成功/失敗を決定する。
次に、アクティブ表示変化演出の選択結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理について説明する。
演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて決定したシルエット演出の実行/不実行、作用演出の実行/不実行、および、作用演出実行時の成功/失敗に応じた演出制御パターンを設定する。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンを演出制御パターンとしてセットするとともに、選択された演出の演出態様に対応する演出パターンを演出制御パターンとしてセットする。そして、演出実行設定処理(S532)を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における制御の具体的な一例について説明する。
パチンコ遊技機1の主基板11の側では、第1始動条件が成立した場合、CPU103は、第1保留記憶数を更新し、第2始動条件が成立した場合、CPU103は、第2保留記憶数を更新する(S215)。CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S217)。CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2等を用いて特図表示結果を判定する(S403、S404)。CPU103は、判定結果である特図表示結果と、S215において更新した保留記憶数と、S217において抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて、変動カテゴリを判定する(S412)。変動カテゴリを判定したCPU103は、判定結果である変動カテゴリを指定する変動カテゴリコマンドの送信を設定し(S413)、コマンド制御処理(S17)を実行する。これにより、S412において判定された変動カテゴリを指定する変動カテゴリコマンド等が主基板11から演出制御基板12に伝送される。
また、主基板11の側では、第1開始条件又は第2開始条件が成立した場合、CPU103は、変動パターン設定処理(S111)において、まず、S217で抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を使用せずに、再度、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出するとともに、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。続いて、CPU103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データや変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データに基づいて変動パターンを決定する。変動パターンを決定したCPU103は、決定結果である変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの送信を設定し、コマンド制御処理(S17)を実行する。これにより、S111において決定された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド等が主基板11から演出制御基板12に伝送される。
パチンコ遊技機1の演出制御基板12の側では、第1始動条件の成立した場合、演出制御用CPU120は、保留演出決定処理(S160)において、第1始動入賞記憶表示エリア5HLまたは第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様)を決定する。また、演出制御用CPU120は、保留演出決定処理の決定結果に基づいて保留演出決定処理の決定内容(例えば、追加時表示態様等)を第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファに記憶させるとともに(S161)、当該記憶内容(追加時表示態様)に基づいて保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLまたは第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する(S162)。
また、演出制御基板12の側では、第1開始条件が成立した場合、演出制御用CPU120は、第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファ194Dを参照し、当該可変表示において、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、演出制御パターンを設定する。
図28は、画像表示装置5において球体の保留表示の場合の作用演出およびシルエット演出の演出表示例を示す表示画面図である。図28を参照して、図25のステップS532で、作用演出およびシルエット演出の設定が終了した後、図22のステップS172で、図28(A)で示すように、画像表示装置5において、飾り図柄5L〜5Rの可変表示が開始される。
そして、図25のステップS532で作用演出を実行することが決定されている場合は、可変表示の開始後、図28(B)で示すように、矢印が保留表示に作用する作用演出が実行される。
これに応じて、図25のステップS532で作用演出が成功すると決定されている場合は、図28(C)で示すように、保留表示の色および形状が変化する。具体的には、色が白の場合は青に変化し、青の場合は黄に変化し、黄の場合は赤に変化する。形状は、球体の周りがオーラに囲まれているように変化する。また、保留表示が変化するときに、保留表示の態様が変化したことを示す変化音も出力される。
その後、飾り図柄の可変表示が終了するごとに、保留表示がシフト表示され、変化した保留表示に対応する可変表示が開始されると、図28(D)で示すように、保留表示のときと同じ色でアクティブ表示AHが表示される。
図25のステップS532でシルエット演出を実行することが決定されている場合は、可変表示の開始後、図28(E)で示すように、カーテンが閉められたような画像が、保留表示、アクティブ表示および飾り図柄の可変表示を隠ぺいするように表示されるシルエット演出が実行される。このシルエット演出においては、保留表示およびアクティブ表示の色が真っ黒に表示され、視認不能とされる。つまり、保留表示およびアクティブ表示が非隠ぺい態様から(色が視認困難なことによる)一部隠ぺい態様とされる。
図25のステップS532でシルエット演出に加えて作用演出を実行することが決定されている場合は、シルエット演出の開始後、図28(F)で示すように、矢印が保留表示に作用する作用演出が実行される。作用演出の矢印は、視認困難であるが、作用演出が実行されていることは視認可能に表示される。
これに応じて、図25のステップS532で作用演出が成功すると決定されている場合は、図28(G)で示すように、保留表示の形状が変化する。保留表示の色が変化しているか否かは視認不能である。具体的には、形状は、視認困難であるが、球体の周りがオーラに囲まれているように変化していることは視認可能に表示される。また、シルエット演出の実行中に新たな始動入賞が生じた場合には、その新たな始動入賞に対応する保留表示が、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示される。この場合においても、新たな始動入賞に対応する保留表示は、色が真っ黒に表示されて視認不能とされる。
シルエット演出が実行されていない場合は、図28(C)で説明したように、作用演出が実行されたときに変化音が出力されるようにしたが、シルエット演出が実行されている場合は、変化しているか否かが視認困難な状態であり、シルエット演出が終了するまでの間、遊技者に期待感を持たせるために、保留表示の色が変化していたとしても、変化音が出力されないようにする。
その後、シルエット演出が終了すると、図28(H)で示すように、作用演出が成功しており保留表示の色が変化されていた場合は、色が変化した保留表示が視認可能となる。このときに、保留表示の態様が変化していたことを示す変化音が出力される。その後、飾り図柄の可変表示が終了するごとに、保留表示がシフト表示され、変化した保留表示に対応する可変表示が開始されると、図28(D)で示すように、保留表示のときと同じ色でアクティブ表示AHが表示される。
図29は、表示態様変化演出と、当該表示態様変化演出における表示態様変化実行の有無との関係を示すタイミングチャートである。図29(A)には、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様変化演出が実行された後に、表示態様変化が実行された例が示されている。図29(B)には、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様変化演出が実行された後に、表示態様変化が実行されなかった例が示されている。
図29(A),(B)に示すように、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様が変化することを示唆する表示態様変化演出としては、対象となる保留表示またはアクティブ表示の表示態様が実際に変化するか否かに関わらず、同様の演出が実行される。そして、図27(E)〜(L)に示したような変化演出態様として「変化なし」が選択されたときは、図29(B)に示すように、保留表示またはアクティブ表示を対象とした表示態様変化演出が実行された後、保留表示またはアクティブ表示の変化が実行されない。一方、図27(E)〜(L)に示したような変化演出態様として「好機」表示または「激熱」表示か、「2人」表示または「3人」表示かが選択されたときは、図29(A)に示すように、保留表示またはアクティブ表示を対象とした表示態様変化演出が実行された後、保留表示またはアクティブ表示の変化が実行される。このように、保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化演出が実行されることと、保留表示またはアクティブ表示の変化が実行されることとは、異なる。
次に、保留表示またはアクティブ表示の第1特定表示態様として用いられる文字アイコンを選択するためのデータが設定された文字アイコン選択テーブルと、保留表示またはアクティブ表示の第2特定表示態様として用いられるキャラクタアイコンを選択するためのデータが設定されたキャラクタアイコン選択テーブルとを説明する。これらのテーブルは、RAM122に記憶されている。
図30は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図30(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図30(B)にキャラクタ選択テーブルが示されている。
図30(A)の文字アイコン選択テーブルにおいては、保留表示の出現時表示として選択される通常表示態様の「注意」という文字よりなる文字アイコンと、図27(E)〜(H)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第1変化表示として選択可能な「好機」の文字よりなる文字アイコンと、図27(E)〜(H)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第2変化表示として選択可能な「激熱」の文字よりなる文字アイコンとが選択可能に設定されている。これらの文字アイコンの大当りへの期待度は、「注意」<「好機」<「激熱」という関係がある。
図30(B)のキャラクタアイコン選択テーブルにおいては、保留表示の出現時表示として選択される通常表示態様の「1人」のキャラクタアイコンと、図27(I)〜(L)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第1変化表示として選択可能な「2人」のキャラクタアイコンと、図27(I)〜(L)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第2変化表示として選択可能な「3人」のキャラクタアイコンとが選択可能に設定されている。これらのキャラクタアイコンについての大当りへの期待度は、「1人」<「2人」<「3人」という関係がある。
次に、前述した第1変化演出〜第4変化演出の演出パターンを選択するためのデータが設定された変化演出パターンテーブルを説明する。変化演出パターンテーブルは、RAM122に記憶されている。
図31は、変化演出パターンテーブルを示す図である。変化演出パターンテーブルにおいては、第1変化演出〜第4変化演出の種類別に、保留表示中に変化演出をする選択がされたときの演出パターンと、アクティブ表示中に変化演出をする選択がされたときの演出パターンとが示されている。保留表示中に変化演出をする選択と、アクティブ表示中に変化演出をする選択とのそれぞれは、図27(A)〜(D)のデータテーブルを用いて行なわれる。
第1変化演出について、保留表示中にする選択がされたときは、演出対象の文字アイコンの保留表示に対して、青色の矢印が下方向に作用する演出パターンの演出(図32参照)が選択されて実行される。第1変化演出について、アクティブ表示中にする選択がされたときは、演出対象の文字アイコンのアクティブ表示に対して、青色の矢印が横方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。
第2変化演出について、保留表示中にする選択がされたときは、演出対象の文字アイコンの保留表示に対して、赤色の矢印が下方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。第2変化演出について、アクティブ表示中にする選択がされたときは、演出対象の文字アイコンのアクティブ表示に対して、赤色の矢印が横方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。
第3変化演出について、保留表示中にする選択がされたときは、演出対象のキャラクタアイコンの保留表示に対して、青色の矢印が下方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。第3変化演出について、アクティブ表示中にする選択がされたときは、演出対象のキャラクタアイコンのアクティブ表示に対して、青色の矢印が横方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。
第4変化演出について、保留表示中にする選択がされたときは、演出対象のキャラクタアイコンの保留表示に対して、赤色の矢印が下方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。第4変化演出について、アクティブ表示中にする選択がされたときは、演出対象のキャラクタアイコンのアクティブ表示に対して、赤色の矢印が横方向に作用する演出パターンの演出が選択されて実行される。
次に、保留表示として文字アイコンを表示したときの演出表示例を説明する。図32は、画像表示装置5において保留表示として文字アイコン61を表示したときの演出表示例を示す表示画面図である。
新たな第1保留記憶が発生したときに、図24のような保留表示態様決定テーブルを用いて文字アイコンによる保留表示態様が決定された場合には、まず、図32(A)に示すような通常表示態様である「注意」表示という文字アイコン61による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに出現させる表示がされる。
図27(A)の文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルにより変化演出のタイミングが「保留表示中」として選択決定され、かつ、図27(C)の文字保留変化演出種類選択テーブルにより変化演出種類が「第1変化演出」に選択決定されたときには、「注意」表示がされた文字アイコン61による保留表示が出現した後の1回目の保留シフト後の保留表示中において、図32(B)に示すように、表示態様変化演出として、青色の矢印が「注意」表示という文字アイコン61による保留表示に対して下方向に作用する第1変化演出が実行される。
図27(E)の第1変化演出保留表示中変化選択テーブルにより第1変化演出後の表示が「激熱」表示に選択決定されたときは、図32(C)に示すように、第1変化演出による表示態様変化演出の実行後に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて、文字アイコン61による保留表示が「注意」表示から「激熱」表示に変化させられる。このように、文字アイコン61による保留表示が変化したときには、その保留表示についての遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留表示後のアクティブ表示としてキャラクタアイコンを表示したときの演出表示例を説明する。図33は、画像表示装置5において保留表示としてキャラクタアイコン62を表示した後のアクティブ表示の演出表示例を示す表示画面図である。
新たな第1保留記憶が発生したときに、図24のような保留表示態様決定テーブルを用いてキャラクタアイコンによる保留表示態様が決定された場合には、まず、図33(A)に示すような通常表示態様である「1人」表示というキャラクタアイコン62による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに出現させる表示がされる。図33(A)の状態は、「1人」表示というキャラクタアイコン62による保留表示が出現表示された後、それ以前の保留表示が消化されて、次回の変動表示をする保留表示として、「1人」表示というキャラクタアイコン62による保留表示がされている状態が示されている。
そして、図27(B)のキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルにより変化演出のタイミングが「アクティブ表示中」として選択決定され、かつ、図27(D)のキャラクタ保留変化演出種類選択テーブルにより変化演出種類が「第4変化演出」に選択決定されたときには、図33(B)に示すような、「1人」表示がされたキャラクタアイコン62による保留表示に対応するアクティブ表示が、アクティブ表示エリアAHAにおいて、「1人」表示のキャラクタアイコン62により行なわれ、図33(B)に示すように、表示態様変化演出として、赤色の矢印が「1人」表示のキャラクタアイコン62によるアクティブ表示に横方向から作用する第4変化演出が実行される。
そして、図27(L)の第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルにより第3変化演出後の表示が「3人」表示に選択決定されたときは、図33(C)に示すように、第4変化演出による変化演出の実行後に、アクティブ表示エリアAHAにおいて、キャラクタアイコン62による保留表示が「1人」表示から「3人」表示に変化させられる。このように、キャラクタアイコン62によるアクティブ表示が変化したときには、今回の変動表示についての遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、演出実行設定処理(S532)に含まれ、図27(A)〜(L)の各種データテーブルを用いて文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示をするときの演出を設定するためのアイコン演出設定処理を説明する。
図34は、アイコン演出設定処理を示すフローチャートである。図27(A)〜(L)の各種データテーブルを用いて文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示またはアクティブ表示をするときの演出を設定するための処理については、前述した演出実行設定処理(S532)に関する処理内容に関連して前述したが、図34では、文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示またはアクティブ表示をするときの演出の設定の流れを明確化するために、アイコン演出設定処理の具体的な処理内容を説明する。
図24のテーブルにおいて、文字アイコンまたはキャラクタアイコンの保留表示態様が選択決定されたときに、アイコン演出設定処理が実行される。アイコン演出設定処理において、演出制御用CPU120は、以下のような処理を実行する。まず、乱数値MR10を抽出し、図24のテーブルにおいて選択された文字アイコンまたはキャラクタアイコンの保留表示態様に応じて、図27(A)または図27(B)に示す変化演出タイミング選択テーブルを用いて、「保留表示中」と「アクティブ表示中」とのどちらかを表示態様変化演出の実行タイミングとして選択決定する(S700)。
次に、乱数値MR11を抽出し、S700により選択決定された「保留表示中」または「アクティブ表示中」の変化演出実行タイミングに応じて、図27(C)または図27(D)に示す変化演出種類選択テーブルを用いて、「保留表示中」については、「第1変化演出」または「第2変化演出」を選択決定し、「アクティブ表示中」については、「第3変化演出」または「第4変化演出」を選択決定する(S701)。
次に、S701において「第1変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S702)。「第1変化演出」が選択決定されたとS702により判定されたときは、S700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S703)。「保留表示中」が選択決定されたとS703により判定されたときは、保留表示中に第1変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(E)の第1変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第1変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S704)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS703により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第1変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(F)の第1変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第1変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S705)、処理を終了する。
また、S701において「第1変化演出」が選択決定されていないとS702により判定されたときは、S701において「第2変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S706)。「第2変化演出」が選択決定されたとS706により判定されたときは、S700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S707)。
「保留表示中」が選択決定されたとS707により判定されたときは、保留表示中に第2変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(G)の第2変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第2変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S708)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS707により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第2変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(H)の第2変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第2変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S709)、処理を終了する。
また、「第2変化演出」が選択決定されていないとS706により判定されたときは、S701において「第3変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S710)。「第3変化演出」が選択決定されたとS710により判定されたときは、S700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S711)。「保留表示中」が選択決定されたとS711により判定されたときは、保留表示中に第3変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(I)の第3変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第3変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S712)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS711により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第3変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(J)の第3変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第3変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S713)、処理を終了する。
また、S701において「第3変化演出」が選択決定されていないとS710により判定されたときは、S701において「第4変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S714)。「第4変化演出」が選択決定されたとS714により判定されたときは、S700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S715)。「保留表示中」が選択決定されたとS715により判定されたときは、保留表示中に第4変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(K)の第4変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第4変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S716)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS715により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第4変化演出を実行するために、乱数値MR12を抽出し、図27(L)の第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第4変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S717)、処理を終了する。
以上に説明したアイコン演出設定処理により、文字アイコンまたはキャラクタアイコンを用いた演出が設定され、当該処理での設定に基づいて可変表示中演出処理(S172)が実行されることにより、例えば図32のような保留表示態様変化演出、および、図33のような変動対応表示態様変化演出が実行されることとなる。
[アイコン表示による表示態様変化演出の変形例]
次に、前述したようなアクティブ表示の演出の各種変形例について説明する。前述した実施の形態では、図27(A)〜(L)、図32、図33に示すように、保留表示中の1つのタイミングと、アクティブ表示中の1つのタイミングとの合計2つのタイミングのうちいずれか1つのタイミングで、文字アイコン表示、または、キャラクタアイコン表示の表示態様を変化させる表示態様変化演出を実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、図35に示されるように、保留表示中における表示態様変化演出の実行タイミングが複数のタイミングから選択可能としてもよい。
図35は、保留表示中の表示態様変化演出の実行タイミングを複数のタイミングから選択する演出例を示す説明図である。図35(A)には、表示態様変化演出のタイミングを説明するための第1始動入賞記憶表示エリア5HLおよびアクティブ表示エリアAHAが示されている。図35(B)には、図27(A)に示された文字保留表示変化演出タイミング選択テーブルの変形例が示されている。図35(C)には、図27(B)に示されたキャラクタ保留表示変化演出タイミング選択テーブルの変形例が示されている。
図35(A)を参照して、この変形例では、保留表示中の2つのタイミングと、アクティブ表示中の1つのタイミングとの合計3つのタイミングのうちいずれか1つのタイミングにおいて、文字アイコン表示、または、キャラクタアイコン表示の表示態様を変化させる表示態様変化演出を実行可能である。保留表示中における2つの表示態様変化演出実行タイミングは、たとえば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて、「1」〜「4」の番号が付された保留表示領域のうち、「2」の番号が付された2番目に古い保留記憶に対応する保留表示がされる表示領域に保留表示がされたとき(第1保留表示中)と、「1」の番号が付された1番目に古い保留記憶に対応する保留表示がされる表示領域に保留表示がされたとき(第2保留表示中)との2つである。
この変形例では、前述したように第1保留表示中、第2保留表示中、および、アクティブ表示中の3つのタイミングから、選択された1つのタイミングで、表示態様変化演出が実行される。この変形例では、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、図35(B)の文字保留表示変化演出タイミング選択テーブルを用いて、タイミングが選択される。図35(B)のテーブルでは、図27(A)のテーブルと同様に、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低く設定されている。一方、この変形例では、キャラクタアイコン表示で保留表示がされるときには、図35(C)のキャラクタ保留表示変化演出タイミング選択テーブルを用いて、タイミングが選択される。図35(C)のテーブルでは、図27(B)のテーブルと同様に、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低く設定されている。このような設定により、この変形例では、前述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、このようにすれば、演出がより変化に富んだものとなり、演出の面白みをより一層向上させることができる。
また、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、保留表示が出現した保留表示領域に近い程、選択される割合が高く設定されている。これにより、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、第1保留表示中のタイミングで表示態様変化演出が実行されるときと、第2保留表示中のタイミングで表示態様変化が演出実行されるときとで、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示の選択割合を異ならせてもよい(たとえば選択割合が高い方が「激熱」表示の選択割合が低い等)。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図27(A)および図27(B)に示すように、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。一方、キャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。これにより、表示態様変化演出の変化対象の表示種別(例えば、文字アイコン、キャラクタアイコンという表示種別)および表示態様変化のタイミング(例えば、保留表示中、アクティブ表示中というタイミング)に遊技者を注目させることができ、保留表示の態様を変化させる演出について遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 文字アイコンの表示、および、キャラクタアイコンの表示については、図27(E)〜(L)のように、表示態様変化演出実行後に、実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中と、アクティブ表示中とで等しい。したがって、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高く、キャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高いことに基づけば、保留表示が文字アイコン表示と、キャラクタアイコンの表示とのいずれで表示されるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なり、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。これにより、アイコン形状で表示された保留表示の表示態様の変化とアクティブ表示の表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、表示態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 表示態様変化演出の変化パターンの変形例として、たとえば、保留表示が文字アイコンでされたときに、所定の割合で、表示態様変化演出により文字アイコンがキャラクタアイコン等のその他のアイコンに変化する演出、および、保留表示がキャラクタアイコンでされたときに、所定の割合で、表示態様変化演出によりキャラクタアイコンが文字アイコン等のその他のアイコンに変化する演出を説明したが、このような演出をすれば、特定表示の表示態様(アイコンの表示態様)の変化、または、特定表示の種別(アイコンの種別)の変化が生じることに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(4) 図27(E)〜(H)等に示すように、第1変化演出(青色演出)と第2変化演出(赤色演出)とで、「好機または激熱(変化あり)」表示がされる割合が異なることにより、アイコン表示についての保留表示中、または、アクティブ表示中の変化態様に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。また、図27(I)〜(L)等に示すように、第3変化演出(青色演出)と第4変化演出(赤色演出)とで、「2人または3人(変化あり)」表示がされる割合が異なることにより、アイコン表示についての保留表示中、または、アクティブ表示中の変化態様に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(5) 文字アイコン表示については、図27(A),(B)のように、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、図27(E)〜(H)のように、大当り表示結果となるときに、アクティブ表示中に保留表示中と比べて、「好機」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い、「激熱」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。また、キャラクタアイコン表示については、図27(A),(B)のように、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、図27(I)〜(L)のように、大当り表示結果となるときに、保留表示中にアクティブ表示中と比べて、「2人」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い、「3人」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとにより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(2) 前述した実施の形態においては、作用演出は保留表示に対して実行されるようにした。しかし、これに限定されず、保留表示と異なる特別図柄/飾り図柄の可変表示に対応する特定表示(たとえば、アクティブ表示)に対して作用演出が実行されるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、シルエット演出が実行されている期間は、1回の飾り図柄の可変表示の実行中の所定期間であることとした。しかし、これに限定されず、シルエット演出のような、特別図柄/飾り図柄の可変表示に対応する特定表示を隠ぺい状態と非隠ぺい状態とに変化させる演出が実行されている期間が、複数回の可変表示に亘る期間であってもよいし、複数の擬似連に亘る期間であってもよいし、特定表示がアクティブ表示である場合はリーチまでまたはリーチ後のタイミングまでの期間であってもよい。複数回の可変表示に亘る期間、特定表示を隠ぺい状態とする場合には、可変表示の表示結果は視認可能とされる。なお、このような処理は、図23の入賞時演出決定処理におけるS160の第1保留演出決定処理やS163の第2保留演出決定処理において、どのような演出パターン(特定表示を隠ぺい状態とする期間、作用演出の実行有無、作用演出の成功・失敗、作用演出実行後の特定表示の態様等を定めた複数の演出パターンのいずれかとするか)とするかを決定してもよい。
たとえば、複数の可変表示に亘る期間、シルエット演出を実行するようにする場合、前述した図25のステップS532において、次回以降の変動表示におけるn回目(nは対象の保留表示が消化されるまでの回数)にいずれかの保留表示に対して作用演出を実行するか否か、作用演出を実行する場合は、保留表示の表示態様を変化させるか否か(つまり作用演出が成功するか失敗するか)、および、変化させるか否かに関わらずシルエット演出を実行するか否かを決定し、シルエット演出を実行すると決定した場合、n回目の可変表示まで継続してシルエット演出を実行し、作用演出を実行すると決定されている場合、そのn回目の可変表示となったときに対象の保留表示(対象の保留表示がアクティブ表示になっている場合はアクティブ表示)に対して作用演出を実行し、対象の保留表示の表示態様を変化させると決定されている場合、対象の保留表示の表示態様(対象の保留表示がアクティブ表示になっている場合はアクティブ表示の表示態様)を変化させ、n回目の可変表示の所定のタイミングで、シルエット演出を終了させ、保留表示の表示態様が視認可能となるようにしてもよい。
(4) この場合に、隠ぺい状態とされている期間に応じて、前述した作用演出のような、特定表示の態様の変化を示唆する示唆演出の態様(たとえば、変化期待度)を異ならせるようにしてもよいし、特定表示の変化の態様(たとえば、変化段階数)を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、隠ぺい状態とされている期間の長さに遊技者を注目させることができ、特定表示が隠された状態における特定表示による興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、保留表示が表示されてから当該保留表示に対応する特別図柄/飾り図柄の可変表示が実行されるまでの、可変表示の開始ごとに、作用演出を成功させるかを決定するようにした。つまり、保留表示を複数段階で変化させることが可能であることとした。そして、保留表示が1回も変化されていないときにシルエット演出が実行され得ることに加えて、保留表示が変化された後にシルエット演出が実行され得る。これによって、保留表示の変化のバリエーションを増やすことができ、保留表示が隠された状態における保留表示による興趣を向上させることができる。
しかし、これに限定されず、1回の特別図柄/飾り図柄の可変表示において、保留表示を複数段階で変化させることが可能であるようにしてもよい。そして、保留表示が変化される前にシルエット演出が実行され得ることに加えて、保留表示が少なくとも1回変化された後にシルエット演出が実行され得るようにしてもよい。これによっても同様の効果を奏することができる。
(6) 前述した実施の形態においては、上位レイヤの画像(カーテンのような画像)で保留表示等を隠ぺい状態とするようにした。しかし、保留表示のような特定表示を隠ぺい状態とすることができるものであれば、画像に限定されず、たとえば、透明度の低いのプラスチック板であってもよいし、画像が表示されていないときには裏側が透過して見える透過液晶であってもよい。
(7) 前述した実施の形態において図28で示した作用演出の態様(たとえば、矢印の大きさ,形状,模様,色彩)によって、保留表示が変化する期待度が異なるようにしてもよいし、保留表示の変化の態様(たとえば、変化段階数)が異なるようにしてもよい。この場合、作用演出の態様は視認可能とされるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、シルエット演出が実行されているときに作用演出が実行される場合には、保留表示が変化したときに、保留表示が変化したことを示す演出(変化音の出力)の実行を禁止するようにした。
しかし、これに限定されず、シルエット演出のような特定表示(保留表示,アクティブ表示)を隠ぺい状態とする演出を実行しているときには、特定表示が変化したときに、特定表示が変化したことを示す演出の実行を制限する(たとえば、変化音を通常時よりも小さくする。隠ぺい状態とされていないときには特定表示の変化態様に応じた変化音(音階や旋律などのメロディやリズム)とする場合(つまり、特定表示の変化態様と変化音とが1対1で対応している場合)に、隠ぺい状態とされているときには非隠ぺい状態では出力されない共通の変化音を出力する。)ようにしてもよい。このように、特定表示が変化したことは認識可能であるが、どのような態様に変化したかは認識できないようにしてもよい。
また、前述した実施の形態においては、変化音を出力するようにしたが、これに限定されず、保留表示が変化したときに、所定の発光部(たとえばLEDランプなど)を発光させるようにしてもよい。
この場合にも、特定表示を隠ぺい状態とする演出を実行しているときには、特定表示が変化したときに、特定表示が変化したことを示す所定の発光部の発光を制限する(たとえば、発光を禁止する。発光輝度を通常時よりも低くする。隠ぺい状態とされていないときには特定表示の変化態様に応じた発光態様とする場合(つまり、特定表示の変化態様と発光態様とが1対1で対応している場合)に、隠ぺい状態とされているときには非隠ぺい状態では行なわれない共通の発光態様とする。)ようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、画像表示装置5が1つであり、飾り図柄の可変表示、ならびに、保留表示およびアクティブ表示が同じ画像表示装置5で行なわれるようにした。しかし、これに限定されず、複数の表示装置を備え、いずれかの表示装置で飾り図柄の可変表示が行なわれ、他の表示装置で保留表示およびアクティブ表示が行なわれるようにしてもよい。この場合は、保留表示およびアクティブ表示が行なわれる表示装置で前述したシルエット演出が行なわれるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、画像表示装置5に表示された保留表示に対してシルエット演出が実行されるようにした。しかし、これに限定されず、第1保留表示器25や第2保留表示器25Bとは別に、保留記憶を表示するための発光手段(演出制御用CPUによって発光制御されるもの)を設けてもよい。この場合、発光表示の態様(たとえば表示色)を、前述の画像表示装置5に表示される保留表示と同様に変化可能に構成して、この発光手段に対してシルエット演出が実行されるようにしてもよい。具体的には、この発光手段を隠ぺいして発光手段の表示態様を視認困難または視認不能にする役物(たとえば、透明度の低いのプラスチック板であってもよいし、画像が表示されていないときには裏側が透過して見える透過液晶であってもよい。)を設けて、シルエット演出を実行するときには、この役物で発光手段を隠ぺいするようにしてもよい。
(11) 確変制御において、大入賞口内に予め特定領域を設け、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられたことにより、大入賞口内の特定領域に遊技球が進入しやすい遊技状態に制御し、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。
(12) その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
(13) プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行われ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
(14) 上記説明では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ(演出制御用CPU120)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行う様にすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(15) 本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(16) そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(17) 前述した実施の形態では「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、例えば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値、100%を含む値、0%および100%を含まない値でもよい。
(18) 前述した実施の形態では、確変大当りとして、変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(19) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。