JP6580008B2 - 名前解決装置、名前解決システム、名前解決方法及び名前解決プログラム - Google Patents
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そこで、多数のクライアントが配備される現場の近く、例えば携帯端末の基地局の近くに分散配備されたエッジサーバでクライアントから生じるデータの処理を行い、トラフィック及びクライアントへの応答時間を削減させるエッジコンピューティングが提案されている。
ここで、設定ファイルは、運用者によって、エッジサーバを設置した時に最寄りの基地局IDを調査し、エッジサーバに設定したIPアドレスと対応付けて作成される。
特許文献1には、移動体通信システムの制御信号をトリガとして在圏状態を把握する技術が提案されている。しかしながら、移動体通信システム外のDNSサーバがこの在圏状態を把握することは難しかった。
特許文献2には、移動体通信システム外の装置からの要求によりクライアントの在圏状態を通知する技術が提案されている。しかしながら、移動体通信システム外からは、要求を行うまで在圏状態を把握できず、クライアントの移動に伴うハンドオーバを即時に検知して、最新の在圏状態を把握することは難しかった。
図1は、本実施形態に係る名前解決システム100の全体構成を示す図である。
名前解決システム100は、クライアント1と、モバイルネットワーク2と、クラウドサーバ3と、通知サーバ4と、名前解決装置5を備える。
MME22は、各クライアント1がどのeNB21に接続して、モバイルネットワーク2内でどのような転送経路をとるかを管理する通信装置である。
SGW23は、1つ又は複数のeNBを収容し、後述のPGW24とeNBとの間でデータを伝送する通信装置である。
PGW24は、外部のネットワークとのインタフェースを有する通信装置である。
スイッチ26はMME22とSGW23との間に設置され、この区間を伝送するモバイルネットワーク2の制御信号(例えば、3GPP TS 29.274で規定されているGTPv2−Cプロトコル)をミラーリングし、通知サーバに伝送する。
通知サーバ4は、モバイルネットワーク2の制御信号を受信し、クライアント1の在圏状態の変更通知を名前解決装置5へ提供する。
名前解決装置5は、クライアント1からの要求(DNSクエリ)に応じて名前解決(DNSレスポンス)を行うDNSサーバである。
通知サーバ4は、受信部41と、キャプチャ部42と、フィルタ部43と、記憶部44と、通知作成部45(取得部)と、送信部46とを備える。
キャプチャ部42は、受信部41により受信された制御信号を、GTPv2−Cプロトコル仕様に則り解析する。
また、フィルタ部43は、レスポン信号を抽出した場合には、パケットの中情報、例えばCreate Session Responseの場合は、TEIDと、クライアント1に割り当てるIPアドレスであるPAA(PDN Address and Prefix)とを、通知作成部45に転送する。
記憶部44には、リクエスト信号から抽出されたTEID、IMSI及びECGIが保持される。これに対して、通知作成部45は、レスポンス信号から抽出されたTEID及びPAAを照合し、TEIDが一致するデータを対応付け、TEID、PAA、IMSI及びECGIの組み合わせを、クライアント1の在圏状態として送信部46に提供する。
名前解決装置5は、プラグインソフトウェアにより実装されるプラグイン機能部50と、標準DNS機能部60と、通信制御部70とを備える。
プラグイン機能部50は、クエリ受信部51と、送信元変換部52(受信部)と、クエリ処理部53(処理部)と、レスポンス送信部54とを備える。
標準DNS機能部60は、BINDなどのオープンソースとして公開されているバイナリファイルにより実装される名前解決処理部61と、設定ファイル群62(named.confファイル、ゾーンファイル、root.hintファイル)とを備える。
例えば、送信元変換部52は、「12.0.0.1」という送信元IPアドレスを、在圏状態DB521に照会して、対応する基地局のIDである「440 99 00000001 255」という送信元情報に変換して、クエリ処理部53に通知する。
また、送信元変換部52は、通知サーバ4から在圏状態の変更通知を受信した場合には、変更通知の内容に応じて在圏状態DB521を書き換える。
クエリ処理部53は、DNSクエリの一部を変換して、標準DNS機能部60にDNSメッセージ(Aレコードリクエスト)を送信する。具体的には、DNSクエリのFQDNにホスト名の形式で基地局のID(ECGI)に対応する文字列が加えられる。
また、クエリ処理部53は、標準DNS機能部60から受け取ったDNSメッセージ(Aレコードレスポンス)を一部変換して、クライアント1への応答内容(応答IPアドレス)を、レスポンス送信部54に通知する。具体的には、加えられた基地局のID(ECGI)に対応する文字列が取り外される。
送信元変換部52は、在圏状態DB521を参照し、送信元アドレス(PAA)「12.0.0.1」に対応する基地局のID(ECGI)「440 99 00000001 255」を取得し、クエリ処理部53に提供する。
ここで、ポート番号は、プラグイン機能部50及び標準DNS機能部60のそれぞれにおいて、DNSメッセージを受信する際に衝突が発生しないように別々に設定される。具体的には、名前解決装置5がDNSメッセージを受信するポート番号である53番がプラグイン機能部50に割り当てられ、未使用の特定ポート(例えば、10053番)が標準DNS機能部60に割り当てられる。
なお、ポート番号には、クエリ処理部53がAレコードリクエストを送信した際に使用した送信元ポート番号が設定される。
ここで、クライアント1の在圏状態が変更される時とは、モバイルネットワーク2への接続、異なるMME22間でのS1ハンドオーバ、同一のMME22でのX2ハンドオーバ、LTEから3Gへのハンドオーバ、3GからLTEへのハンドオーバ、モバイルネットワーク2からの切断などである。
在圏状態が変更される各ケースにおいて、3GPP TS 23.401に既定される処理シーケンスに、スイッチ26、通知サーバ4及び名前解決装置5が介在する。
Create Session Responseを受信したMME22は、eNB21及びクライアント1に対して残りの接続処理を実行する(図中の8.〜13.)。接続処理が完了した後、クライアント1は、エッジサーバ25との通信が可能となる(図中の14.)。
クライアント1がモバイルネットワーク2へ接続する際には、通知サーバ4がスイッチ26から受信すべき制御信号は、Create Session Request及びCreate Session Responseである。
ここで、制御信号は、GTPv2−Cプロトコル仕様に則っており、制御信号の種類(Message Type value)が決められている。また、制御信号の種類に応じて、格納される情報(Information Elements)が決められている。例えば、Create Session Requestの場合は、Messsage Typeは32であり、Information ElementsはTEID、IMSI及びECGIである。また、Create Session Responseの場合は、Messsage Typeは33であり、Information ElementsはTEID及びPAAである。
フィルタ部43は、制御信号のヘッダ部にあるMessage Type valueを調べ、対象の制御信号のみ(図6の接続時の場合は、32及び33)にフィルタリングを行う(S3)。
制御信号がCreate Session Requestでなく(S4でNO)、Create Session Response、すなわちMessage Type valueが33であれば(S6でYES)、通知作成部45は、制御信号の情報であるTEID及びPAAを受信すると、TEIDの値をキーに、記憶部44に記憶されているリクエスト信号の情報の組み合わせ(TEID、IMSI及びECGI)を照会する(S7)。なお、照会結果が得られた場合、この情報は、記憶部44から消去される。
得られた在圏状態の情報は、送信部46により在圏状態の変更通知として名前解決装置5に送信され、在圏状態DB521に格納される(S9)。
なお、S6において、Create Session Responseでもないと判定された場合には、フィルタ部43は、この制御信号を破棄する(S10)。
なお、図中のeNB、MME、SGWの前に付く接頭文字のS又はTは、それぞれハンドオーバ元(Source)又はハンドオーバ先(Target)であることを示している。例えば、SeNBは、ハンドオーバ元のeNB21を意味する。また破線矢印で示している手順は、SGW23を跨ぐハンドオーバが行われる際に実行される。
また、Modify Bearer Responseも、同様にミラーリング(Modify Bearer Responseの複製)が行われ、通知サーバ4にもModify Bearer Responseが送信される(図中の16.)。
クライアント1がS1ハンドオーバをする際には、通知サーバ4がスイッチ26から受信すべき制御信号は、Modify Bearer Request及びModify Bearer Responseである。
ここで、制御信号には、種類に応じて、例えば、Modify Bearer RequestにはTEID、及びハンドオーバ先の基地局のIDであるECGIが、Modify Bearer ResponseにはTEIDとModify Bearer Requestの結果を示すCauseの値とが格納されている。
フィルタ部43は、制御信号のヘッダ部にあるMessage Type valueを調べ、対象の制御信号のみ(図8のS1ハンドオーバの場合は34及び35)にフィルタリングを行う(S3)。
制御信号がModify Bearer Response、すなわちMessageType valueが35であれば(S6でYES)、通知作成部45は、TEID及びCauseを受信すると、Causeの値がハンドオーバの成功を示すものであればTEIDの値をキーに、記憶部44に記憶されているリクエスト信号の情報の組み合わせ(TEID、ECGI)を照会する(S7)。なお、照会結果が得られた場合、この情報は、記憶部44から消去される。
得られた在圏状態の情報は、送信部46により変更通知として名前解決装置5に送信される(S9)。名前解決装置5では、変更通知のTEIDをキーにして、在圏状態DB521のECGIが書き換えられる。
なお、S6において、Modify Bearer Responseでもないと判定された場合には、フィルタ部43は、この制御信号を破棄する(S10)。
なお、図中のeNBの前に付く接頭文字のS又はTは、それぞれハンドオーバ元(Source)又はハンドオーバ先(Target)であることを示している。例えば、SeNBは、ハンドオーバ元のeNB21を意味する。
また、Modify Bearer Responseも、同様にミラーリング(Modify Bearer Responseの複製)が行われ、通知サーバ4にもModify Bearer Responseが送信される(図中の5.)。
なお、通知サーバ4においては、S1ハンドオーバの場合(図8)と同じ処理が実行される。
なお、図中のRNC(Radio Network Controller)及びSGNS(Serving GPRS Support Node)は、それぞれ3Gシステムにおいて、LTEシステムのeNB21及びMME22に相当する通信装置である。
また、図中のeNB、RNC、MME、SGSN、SGWの前に付く接頭文字のS又はTは、それぞれハンドオーバ元(Source)又はハンドオーバ先(Target)であることを示している。例えば、SeNBは、ハンドオーバ元のeNB21を意味する。また、破線矢印で示している手順は、SGW23を跨ぐハンドオーバが行われる際に実行される。
また、Modify Bearer Responseも、同様にミラーリング(Modify Bearer Responseの複製)が行われ、通知サーバ4にもModify Bearer Responseが送信される(図中の8.)。
なお、通知サーバ4においては、S1ハンドオーバの場合(図8)と同じ処理が実行される。
なお、図中のeNB、RNC、MME、SGSN、SGWの前に付く接頭文字のS又はTは、それぞれハンドオーバ元(Source)又はハンドオーバ先(Target)であることを示している。例えば、SeNBは、ハンドオーバ元のeNB21を意味する。また、破線矢印で示している手順は、SGW23を跨ぐハンドオーバが行われる際に実行される。
また、Modify Bearer Responseも、同様にミラーリング(Modify Bearer Responseの複製)が行われ、通知サーバ4にもModify Bearer Responseが送信される(図中の8.)。
なお、通知サーバ4においては、S1ハンドオーバの場合(図8)と同じ処理が実行される。
また、Delete Session Responseも、同様にミラーリング(Delete Session Responseの複製)が行われ、通知サーバ4にもDelete Session Responseが送信される(図中の5.)。
名前解決装置5では、変更通知に基づいて、在圏状態DB521におけるクライアント1のIMSIに対応するECGIが削除される。あるいは、この切断されたクライアント1のレコードが在圏状態DB521から削除されてもよい。
したがって、名前解決装置5は、クライアント1が位置登録する基地局が頻繁に変更される移動体通信システム(モバイルネットワーク2)から、クライアント1の在圏状態の更新を即時に検知できるので、在圏状態DB521を動的に更新して、クライアント1の最寄りの適切なエッジサーバ25のIPアドレスを応答できる。
さらに、クライアント1の接続、ハンドオーバ、切断など、在圏状態が変化する度に設定ファイル群62の更新・リロードを行う必要が無くなり、名前解決装置5の運用が自動化される。
本発明は、クライアント1のIPアドレスと、このクライアント1の場所を示す情報(地名、基地局のID(ECGI)など)との対応関係を保持し、さらに、場所を示す情報と対応する最寄りのエッジサーバのIPアドレスとを設定ファイルに記載する既知の名前解決の手法に適用可能である。
また、本実施形態で抽出した制御信号は一例であり、在圏状態を取得可能な他の制御信号が用いられてもよい。
2 モバイルネットワーク
3 クラウドサーバ
4 通知サーバ
5 名前解決装置
25 エッジサーバ
26 スイッチ
41 受信部
42 キャプチャ部
43 フィルタ部
44 記憶部
45 通知作成部
46 送信部
50 プラグイン機能部
51 クエリ受信部
52 送信元変換部
53 クエリ処理部
54 レスポンス送信部
60 標準DNS機能部
61 名前解決処理部
62 設定ファイル群
70 通信制御部
100 名前解決システム
521 在圏状態DB
621 ゾーンファイル
622 named.confファイル
623 root.hintファイル
Claims (7)
- 移動体通信システムにおける制御信号から抽出された、クライアントを特定する情報と基地局のIDとの対応関係を含む在圏状態の変更通知を受信する受信部と、
前記変更通知に基づいて、前記クライアントの最新の在圏状態を記憶する記憶部と、
DNSクエリの送信元である前記クライアントの前記在圏状態に基づいて、前記基地局のIDに対応付けられたアドレスを応答する処理部と、を備える名前解決装置。 - 前記受信部は、前記クライアントのネットワークへの接続処理時に、当該クライアントのアドレスを含む前記変更通知を受信し、
前記処理部は、前記DNSクエリの送信元アドレスから前記基地局のIDを導出する請求項1に記載の名前解決装置。 - 前記記憶部は、前記クライアントのハンドオーバ時に受信した前記変更通知に基づいて、当該クライアントを特定するセッションの識別子をキーにして、記憶している前記基地局のIDを更新する請求項1又は請求項2に記載の名前解決装置。
- 前記記憶部は、前記クライアントのネットワークからの切断処理時に受信した前記変更通知に基づいて、記憶している前記基地局のIDを削除する請求項1から請求項3のいずれかに記載の名前解決装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の名前解決装置と、当該名前解決装置に情報提供する通知サーバとを備える名前解決システムであって、
前記通知サーバは、
移動体通信システムにおける制御信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された制御信号から特定種類のパケットを抽出するフィルタ部と、
前記フィルタ部により抽出された同一セッションのパケット内の情報から、クライアントの在圏状態として、当該クライアントを特定する情報と基地局のIDとの対応関係を取得する取得部と、
前記在圏状態の変更通知を前記名前解決装置へ送信する送信部と、を備える名前解決システム。 - 移動体通信システムにおける制御信号から抽出された、クライアントを特定する情報と基地局のIDとの対応関係を含む在圏状態の変更通知を受信する受信ステップと、
前記変更通知に基づいて、前記クライアントの最新の在圏状態を記憶する記憶ステップと、
DNSクエリの送信元である前記クライアントの前記在圏状態に基づいて、前記基地局のIDに対応付けられたアドレスを応答する処理ステップと、をコンピュータが実行する名前解決方法。 - 移動体通信システムにおける制御信号から抽出された、クライアントを特定する情報と基地局のIDとの対応関係を含む在圏状態の変更通知を受信する受信ステップと、
前記変更通知に基づいて、前記クライアントの最新の在圏状態を記憶する記憶ステップと、
DNSクエリの送信元である前記クライアントの前記在圏状態に基づいて、前記基地局のIDに対応付けられたアドレスを応答する処理ステップと、をコンピュータに実行させるための名前解決プログラム。
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