JP6577829B2 - 冷却水流動及び潤滑油流動制御システム - Google Patents

冷却水流動及び潤滑油流動制御システム Download PDF

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本発明は、内燃機関である例えばガソリンエンジン等のエンジン用の冷却水の流動及び潤滑油の流動を制御するシステム(冷却水流動及び潤滑油流動制御システム)及びその方法(冷却水流動及び潤滑油流動制御方法)等に関する。
例えば特許文献1は、冷却水流動及び潤滑油流動制御システムとして、油温制御装置を開示し、特許文献1に開示される冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、エンジンから出て来る冷却水の一部をラジエータに入れるラジエータ回路と、エンジンから出て来る冷却水の残部がラジエータをバイパスするバイパス回路と、を備えている。特許文献1のバイパス回路には弁部が設けられ、その弁部は、冷却水の残部を取り込み、且つ、ヒータコアに流れ込む冷却水、及び、熱交換器(オイルウォーマ)に流れ込む冷却水を吐き出し可能である。
エンジンの潤滑油の温度が冷却水の温度未満である時に、特許文献1の弁部は、熱交換器に流れ込む冷却水を供給し、これにより、エンジンを暖機する間に、潤滑油を効率的に加熱することができる。他方、潤滑油の温度が冷却水の温度以上である時に、特許文献1の弁部は、熱交換器に流れ込む冷却水の供給を遮断することができる。
特開2004−301041号公報
その後、潤滑油の温度が冷却水の温度よりも高い所定値以上である時に、特許文献1の弁部は、熱交換器に流れ込む冷却水の供給を再開することができる。これにより、潤滑油を冷却することができる。しかしながら、本発明者らは、特許文献1の弁部を備える冷却水流動及び潤滑油流動制御システムでは、潤滑油の冷却が効率の悪いことを認識した。言い換えれば、熱交換器に流れ込む冷却水は、ラジエータをバイパスするバイパス回路から弁部に供給されるので、その冷却水は、ラジエータによって冷却されていない。
本発明の1つの目的は、潤滑油を効率的に冷却可能な冷却水流動及び潤滑油流動制御システム、並びに冷却水流動及び潤滑油流動制御方法を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、
ラジエータを有するラジエータ回路であって、エンジンから出て来る冷却水の一部を前記ラジエータに入れて、前記ラジエータから出て来る冷却水を第1の弁部を介して前記エンジンに戻す前記ラジエータ回路と、
前記ラジエータをバイパスして第1のバイパス回路を流れる冷却水として、前記エンジンから出て来る前記冷却水の他の一部を、前記第1の弁部を介して前記エンジンに戻す前記第1のバイパス回路と、
ヒータコアを有するヒータコア回路であって、前記エンジンから出て来る前記冷却水の更なる他の一部を前記ヒータコアに入れて、前記ヒータコアから出て来る冷却水を前記第1の弁部を介して前記エンジンに戻す前記ヒータコア回路と、
前記ラジエータから出て来る前記冷却水、前記第1のバイパス回路を流れる前記冷却水、及び、前記ヒータコアから出て来る前記冷却水を取り込み可能であり、且つ、前記エンジンの潤滑油の温度を調整可能な熱交換器に流れ込む冷却水、及び、前記熱交換器をバイパスする冷却水を吐き出し可能である前記第1の弁部と、
前記潤滑油が流れる潤滑油回路と、
前記潤滑油回路を流れる前記潤滑油を取り込み、且つ前記潤滑油を吐き出す第2の弁部と、
を備え、
前記エンジンの出口側の前記冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、前記第1の弁部は、前記ラジエータから出て来る前記冷却水の取り込みを遮断し、且つ前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の吐き出しを遮断するとともに、前記第2の弁部は、前記潤滑油を前記熱交換器に吐き出し、
前記冷却水の前記温度が前記第1の所定値以上であり、且つ前記潤滑油の温度が前記第1の所定値よりも高い第2の所定値以上である時に、前記第1の弁部は、前記ラジエータから出て来る前記冷却水の取り込みを維持し、且つ前記熱交換器に流れ込む前記冷却水の吐き出しを維持するとともに、前記第2の弁部は、前記潤滑油を前記熱交換器に吐き出す。
第1の態様では、エンジンの出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、第1の弁部は、ラジエータから出て来る冷却水の取り込みを遮断し、且つ熱交換器(オイルウォーマ)をバイパスする冷却水の吐き出しを遮断する。言い換えれば、第1の弁部は、冷却水を熱交換器に供給可能であり、これにより、エンジンを暖機する間に、潤滑油を効率的に加熱することができる。なお、第2の弁部から潤滑油が供給されている熱交換器において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。
また、第1の態様では、エンジンの出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第2の所定値以上である時に、第1の弁部は、ラジエータから出て来る冷却水の取り込みを維持し、且つ熱交換器に流れ込む冷却水の吐き出しを維持する。第1の弁部は、ラジエータから出て来る冷却水を熱交換器に供給可能であり、これにより、潤滑油の温度が上昇する時に、潤滑油を効率的に冷却することができる。言い換えれば、熱交換器に供給される冷却水は、ラジエータによって十分に冷却され、その冷却水が弁部に取り込まれている。なお、第2の弁部から潤滑油が供給されている熱交換器において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。
第1の態様に従属する第2の態様において、冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、
前記熱交換器を有する熱交換器回路であって、前記第1の弁部から前記熱交換器に流れ込む前記冷却水を前記エンジンに戻す前記熱交換器回路と、
前記熱交換器をバイパスして第2のバイパス回路を流れる冷却水として、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水を前記エンジンに戻す前記第2のバイパス回路と、
を更に備えてもよい。
第2の態様では、第1の弁部の出力側に、熱交換器回路及び第2のバイパス回路を配置することができる。
第1の態様に従属する第3の態様において、前記第1の弁部は、
前記ラジエータから出て来る前記冷却水、及び、前記ヒータコアから出て来る前記冷却水を取り込み可能であり、且つ、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水を吐き出し可能である第1の弁と、
前記第1のバイパス回路を流れる前記冷却水、及び、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の一部を取り込み可能であり、且つ、前記熱交換器に流れ込む前記冷却水を吐き出し可能である第2の弁と、
を含んでもよく、冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、
前記熱交換器を有する熱交換器回路であって、前記第2の弁から前記熱交換器に流れ込む前記冷却水を第2のバイパス回路に戻す前記熱交換器回路と、
前記第2のバイパス回路を流れる冷却水として、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の他の一部を前記エンジンに戻す前記第2のバイパス回路と、
を更に備えてもよい。
第3の態様では、第1の弁部は、第1の弁及び第2の弁で構築することができ、これにより、第1の弁の出力側及び第2の弁の出力側に、それぞれ、第2のバイパス回路及び熱交換器回路を配置することができる。
第4の態様において、冷却水流動及び潤滑油流動制御方法は、
エンジンの出口側の冷却水の温度を読み込むこと、
前記エンジンの潤滑油の温度を読み込むこと、及び
前記冷却水の前記温度及び前記潤滑油の前記温度に基づき、ラジエータから出て来る冷却水、前記ラジエータをバイパスして第1のバイパス回路を流れる冷却水、及び、ヒータコアから出て来る冷却水を取り込み可能であり、且つ、前記潤滑油の前記温度を調整可能な熱交換器に流れ込む冷却水、及び、前記熱交換器をバイパスする冷却水を吐き出し可能である第1の弁部を制御するとともに、前記潤滑油を吐き出す第2の弁部を制御すること、
を含み、
前記第1の弁部及び前記第2の弁部を前記制御することは、
前記冷却水の前記温度が第1の所定値未満である時に、前記第1の弁部に、前記ラジエータから出て来る前記冷却水の取り込みを遮断させ、且つ前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の吐き出しを遮断させるとともに、前記第2の弁部に、前記潤滑油を前記熱交換器に吐き出させること、及び
前記冷却水の前記温度が前記第1の所定値以上であり、且つ前記潤滑油の前記温度が前記第1の所定値よりも高い第2の所定値以上である時に、前記第1の弁部に、前記ラジエータから出て来る前記冷却水の取り込みを維持させ、且つ前記熱交換器に流れ込む前記冷却水の吐き出しを維持させるとともに、前記第2の弁部に、前記潤滑油を前記熱交換器に吐き出させること、
を有する。
第4の態様では、エンジンの出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、ラジエータから出て来る冷却水の取り込みを遮断し、且つ熱交換器をバイパスする冷却水の吐き出しを遮断するように、第1の弁部は、制御される。言い換えれば、第1の弁部は、冷却水を熱交換器に供給可能であり、これにより、エンジンを暖機する間に、潤滑油を効率的に加熱することができる。なお、第2の弁部から潤滑油が供給されている熱交換器において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。
また、第1の態様では、エンジンの出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第2の所定値以上である時に、ラジエータから出て来る冷却水の取り込みを維持し、且つ熱交換器に流れ込む冷却水の吐き出しを維持するように、第1の弁部は、制御される。第1の弁部は、ラジエータから出て来る冷却水を熱交換器に供給可能であり、これにより、潤滑油の温度が上昇する時に、潤滑油を効率的に冷却することができる。なお、第2の弁部から潤滑油が供給されている熱交換器において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
本発明に従う冷却水流動及び潤滑油流動制御システムの概略構成例(第1の実施形態)を示す。 図1の第1の弁部の具体構成例(5ポート水制御弁)の断面図を示す。 図2の3−3線断面図を示す。 図2の4−4線断面図を示す。 図2の5−5線断面図を示す。 図6(a)〜図6(i)は、図2の5ポート水制御弁の作用説明図を示す。 本発明に従う冷却水流動及び潤滑油流動制御システムの他の概略構成例(第2の実施形態)を示す。 図7の第1の弁部を構成する第1の弁の具体構成例(第1水制御弁)の断面図を示す。 図8の9−9線断面図を示す。 図10(a)〜図10(b)は、図8の第1水制御弁の作用説明図を示す。 図7の第1の弁部を構成する第2の弁の具体構成例(第2水制御弁)の断面図を示す。 図12(a)〜図12(c)は、図11の第2水制御弁の作用説明図を示す。 図1又は図7の第2の弁部の具体構成例(油制御弁)の断面図を示す。 図14(a)〜図14(b)は、図13の油制御弁の作用説明図を示す。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1は、本発明に従う冷却水流動及び潤滑油流動制御システムの概略構成例を示す。図1に示されるように、冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、エンジン20用の冷却水の温度を制御するために、ラジエータ10を有するラジエータ回路(水路、流路)と、ラジエータ10をバイパスする冷却水を循環させるバイパス回路(ラジエータ回路のバイパス回路、第1のバイパス回路)と、ラジエータ10から出て来る冷却水とバイパス回路から出て来る冷却水とを取り込み可能な第1の弁部50と、を備えている。
図1の冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、ヒータコア40を有するヒータコア回路を更に備え、第1の弁部50は、ヒータコア40から出て来る冷却水も取り込み可能である。図示されない自動車等の車両は、例えばガソリンエンジン等であるエンジン20を備え、冷却水でエンジン20を冷却するとともに、エンジン20で温められた冷却水をポンプ36及び第1の弁部50を介してヒータコア40に送り、ヒータコア40を介して車両の室内を温めることができる。
図1の冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、冷却水の熱を車両の外気に伝えるラジエータ10を適切に機能させるために、言い換えれば、ラジエータ10を利用して冷却水の温度を適切に制御するために、検出部24を更に備えることができる。加えて、図1の冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、例えばECU(Electronic Control Unit)である冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60を更に備え、冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60は、その動作の1例として、第1の弁部50の制御量を決定することができる。なお、図1の冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、ヒータコア40を適切に機能させるために、他の検出部(図示せず)を更に備えてもよく、言い換えれば、他の検出部は、図1において省略されている。
図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、当業者によってC/U(Control Unit)と呼ばれてもよく、ECU(C/U)は、一般に、例えばマイクロコンピュータで構成され、具体的には、例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を更に含むことができる。例えば、ROMは、CPUに所定の動作(冷却水流動及び潤滑油制御方法)を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、ECU(例えばROM等のメモリ)は、例えば第1の弁部50の制御量を決定又は演算するために必要なデータを記憶することができる。
図1において、ラジエータ10を有するラジエータ回路は、例えばエンジン20、第1の弁部50等を有してもよく、例えばポンプ36等を更に有してもよい。図1において、ラジエータ回路内には、エンジン20の潤滑油の温度を調整可能な熱交換器30(オイルウォーマ)を有する熱交換器回路と、熱交換器30をバイパスする冷却水を循環させるバイパス回路(熱交換器回路のバイパス回路、第2のバイパス回路)とが、配置されている。
図1のポンプ36(ウォータポンプ)は、例えば電動ポンプであり、ラジエータ回路、第1のバイパス回路、ヒータコア回路、熱交換器回路及び第2のバイパス回路の各々は、冷却水をポンプ36の動力で循環させることができる。図1において、ポンプ36即ち電動ポンプは、第1の弁部50の出口側とエンジン20の入口側との間に配置されている。もちろん、ポンプ36は、例えば機械ポンプであってもよい。但し、好ましくは、ポンプ36は、電動ポンプであり、例えば車両のバッテリ電源(図示せず)を動力とする電動ポンプは、第1の弁部50からの冷却水の流量及び温度で定まる冷却水の熱量(冷却源)をエンジン20に導くことができる。
図1において、検出部24(第1の検出部)は、エンジン20の出口側の冷却水の温度を検出し、例えば温度センサ(水温センサ)で構成される。図1のECUは、検出部24を介して、冷却水の温度を読み込むことができる。図1において、検出部26(第2の検出部)は、エンジン20の出口側の潤滑油の温度を検出し、例えば温度センサ(油温センサ)で構成される。図1のECUは、検出部26を介して、潤滑油の温度を読み込むことができる。ここで、ECUは、例えばCAN(Controller Area Network)である車載ネットワーク等のネットワークLANに接続され、ECUは、ネットワークLAN(及び図示されない他のECU)を介して、冷却水及び/又は潤滑油の温度を判断若しくは推定するための物理量(検出値)を読み込んでもよい。
エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、第1の弁部50は、ラジエータ10から出て来る冷却水の取り込みを遮断し、且つ熱交換器30をバイパスする冷却水の吐き出しを遮断する。言い換えれば、第1の弁部50は、冷却水を熱交換器30に供給可能であり、これにより、エンジン20を暖機する間に、エンジン20の潤滑油を効率的に加熱することができる。
なお、図1の冷却水流動及び潤滑油流動制御システムは、潤滑油が流れる潤滑油回路と、潤滑油回路を流れる潤滑油を取り込み、且つ潤滑油を吐き出す第2の弁部180と、を更に備えている。エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に吐き出し、熱交換器30において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。図1において、潤滑油回路には、熱交換器30をバイパスする潤滑油を循環させるバイパス回路(熱交換器回路の潤滑油側のバイパス回路、第3のバイパス回路)が接続され、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に供給するか否かを決定することができる。潤滑油回路には、図示されない他のポンプ(オイルポンプ)が設けられ、潤滑油回路及び第3のバイパス回路の各々は、潤滑油をその他のポンプの動力で循環させることができる。
次に、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第1の所定値よりも高い第2の所定値以上である時に、第1の弁部50は、ラジエータ10から出て来る冷却水の取り込みを維持し、且つ熱交換器30に流れ込む冷却水の吐き出しを維持する。第1の弁部50は、ラジエータ10から出て来る冷却水を熱交換器30に供給可能であり、これにより、潤滑油の温度が上昇する時に、潤滑油を効率的に冷却することができる。言い換えれば、熱交換器30に供給される冷却水は、ラジエータ10によって十分に冷却され、その冷却水が第1の弁部50に取り込まれている。なお、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第2の所定値以上である時に、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に吐き出し、熱交換器30において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。
第1の所定値は、エンジン20の暖機終了を意味し、具体的には、エンジン20の暖機終了を判断若しくは推定するための温度閾値、又はエンジン20の暖機を終了させるための温度閾値である。第1の所定値は、一例として、摂氏80[degree]である。第2の所定値は、エンジン20のオーバヒートを意味し、具体的には、エンジン20のオーバヒート状態を判断又は推定するための温度閾値である。第2の所定値は、一例として、摂氏120[degree]である。
なお、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度未満である時に、第1の弁部50は、ラジエータ10から出て来る冷却水を取り込むとともに、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に吐き出すことができる。これにより、エンジン20を暖機する間に、潤滑油の温度を早期に上昇させることができる。但し、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度以上であって第2の所定値未満である時に、第1の弁部50は、ラジエータ10から出て来る冷却水を取り込むとともに、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に吐き出さないことができる。ここで、熱交換器30に対する潤滑油の供給を停止すること、即ち第3のバイパス回路を経由してエンジン20に潤滑油を戻すことは、熱交換が不要な状況において図示されない他のポンプ(オイルポンプ)の駆動トルクを熱交換器30が無い状態と同等まで低く設定させて、燃費を向上させることができる。
図2は、図1の第1の弁部50の具体構成例(5ポート水制御弁)の断面図を示す。なお、当業者は、第1の弁部50が、以下に説明される実施例によって不当に限定されないことを留意すべきである。図2に示すように、第1の弁部50としての例えば5ポート水制御弁は、有底円筒状の弁箱51と、この弁箱51に収納されるシリンダ状の弁体52と、この弁体52を収納した後で弁箱51を閉じる弁蓋53と、弁箱51に設けられ弁体52を回すロータリーアクチュエータ54と、を有している。
図2の弁箱51は、ポートB1(入口)と、ポートHC(入口)と、ポートRA(入口)と、ポートHE(出口)と、ポートB2(出口)とからなる5個のポート(出入口)を有している。弁体52は、円筒部55と、この円筒部55の上部開口を閉じる上蓋部56と、円筒部55の下部開口を閉じる下蓋部57とからなる。上蓋部56は、ロータリーアクチュエータ54の回転軸58が嵌る第1軸59を有する。下蓋部57は弁蓋53に設けた凹部61に嵌る第2軸62を有する。弁体52の内部は弁内流路63となる。
円筒部55は、ポートB1及びポートHCに繋がる第1穴65と、この第1穴65より下位位置に設けられポートRAに繋がる第2穴66と、この第2穴66より下位位置に設けられポートHE及びポートB2に繋がる第3穴67及び第4穴68とを有する。さらに、弁箱51の内面と弁体52の外側面の間に、Oリング69が適宜(この実施例では4カ所に)配置される。
図3は、図2の3−3線断面図を示す。図3に示すように、ポートB1とポートHCは、略90[degree]をなすように配置される。図3では、ポートB1が第1穴65を介して弁内流路63と繋がっている。他方、ポートHCは、弁体52で遮断され弁内流路63と繋がっていない。
図4は、図2の4−4線断面図を示す。図4に示すように、ポートRAに対応して第2穴66が配置されている。図4では、ポートRAは、弁体52で遮断され弁内流路63と繋がっていない。
図5は、図2の5−5線断面図を示す。図5に示すように、ポートB2とポートHEは、略100[degree]をなすように配置される。図5では、ポートHEが第3穴67を介して弁内流路63と繋がっている。反面、ポートB2は、弁体52で遮断され弁内流路63と繋がっていない。
図6(a)〜図6(i)は、図2の5ポート水制御弁の作用説明図を示す。5ポート水制御弁(第1の弁部50)の作用を以下に説明する。図6(a)は図3に相当し、図6(b)は図4に相当し、図6(c)は図5に相当する。
図6(a)〜図6(c)での弁体52の回転角度(第1の弁部50の制御量)は、0[degree]である。図6(a)に示すように、ポートHCは閉じており、ポートB1は開いている。図6(b)に示すように、ポートRAは閉じている。図6(c)に示すように、ポートB2は閉じており、ポートHEは開いている。
エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、図6(a)のポートB1から流入した冷却水は、弁内流路63を通って移動し、図6(c)のポートHEから流出する。なお、5ポート水制御弁は、ラジエータ10から出て来る冷却水の取り込みをポートRAで遮断し(図6(b)参照)、且つ熱交換器30をバイパスする冷却水の吐き出しをポートB2で遮断している(図6(c)参照)。
次に、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度以上であって第2の所定値未満である時に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、図2の第1の弁部50の弁体52を90[degree]反時計方向に回すことができる。図6(d)〜図6(f)での弁体52の回転角度(第1の弁部50の制御量)は、90[degree]である。図6(d)に示すように、ポートHCが開き、ポートB1が閉じる。図6(e)に示すように、ポートRAは開く。図6(f)に示すように、ポートB2が開き、ポートHEが閉じる。
図6(d)のポートHCから流入した冷却水は、弁内流路63を通って移動し、図6(f)のポートB2から流出するとともに、図6(e)のポートRAから流入した冷却水は、弁内流路63を通って移動し、図6(f)のポートB2から流出する。5ポート水制御弁は、ラジエータ10を利用して、エンジン20の出口側の冷却水の温度を管理することができる。なお、5ポート水制御弁は、ポートHCから流入した冷却水とポートRAから流入した冷却水とを混合可能な混合弁として機能している。
次に、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第2の所定値以上である時に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、図2の弁体52を、さらに45[degree]反時計方向に回すことができる。図6(g)〜図6(i)での弁体52の回転角度(第1の弁部50の制御量)は、135[degree]である。図6(g)に示すように、ポートHCが開いたままで、ポートB1が閉じたままである。図6(h)に示すように、ポートRAは開いたままである。図6(i)に示すように、ポートB2が開たままで、ポートHEが開く。
図6(g)のポートHCから流入した冷却水は、弁内流路63を通って移動し、図6(i)のポートB2及びポートHEから流出するとともに、図6(h)のポートHCから流入した冷却水は、弁内流路63を通って移動し、図6(i)のポートB2及びポートHEから流出する。5ポート水制御弁は、ラジエータ10を利用して、エンジン20の出口側の冷却水の温度及び潤滑油の温度を管理することができる。なお、5ポート水制御弁は、ポートHCから流入した冷却水とポートRAから流入した冷却水とを混合可能であり、且つポートB2から流出される冷却水とポートHEから流出される冷却水とに分配可能な混合/分配弁として機能している。上述の5ポート水制御弁の開閉状態(及び図1の第2の弁部180の開閉状態)は、以下の表1の通りである。なお、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度未満である時に、弁体52の回転角度(第1の弁部50の制御量)は、例えば65[degree]である。これにより、図6(d)及び図6(f)の閉じたポートB1及びHEは、開くことになり、図6(f)の開いたポートB2は、閉じることになり、潤滑油を上昇させることができる。
Figure 0006577829
表1によれば、エンジン20の出口側の冷却水の温度Twが第1の所定値V1未満である時に、エンジン20を通過した冷却水の全量を他のデバイス(ラジエータ10及びヒータコア40)に通すことなく(RA:CLOSE,HC:CLOSE,B2:CLOSE)、熱交換器30に供給するとともに(B1:OPEN,HE:OPEN)、潤滑油を熱交換器30に供給することができる(OU:OPEN)。エンジン20を暖機する間に、潤滑油の温度を早期に上昇させることができ、エンジン20のフリクションを低減させて燃費を向上させることができる。
冷却水の温度Twが第1の所定値V1以上であり、且つ潤滑油の温度Toが冷却水の温度Tw以上であって第2の所定値V2未満である時に、熱交換器30に冷却水が供給されず(HE:CLOSE)、熱交換器30において冷却水と潤滑油の熱交換は、中止されている。潤滑油の温度が必要以上に下がることを抑制し、燃費を向上させることができる。加えて、潤滑油を熱交換器30に供給しない時に(OU:CLOSE)、図示されない他のポンプ(オイルポンプ)の駆動トルクを熱交換器30が無い状態と同等まで低く設定させて、燃費を向上させることができる。
冷却水の温度Twが第1の所定値V1以上であり、且つ潤滑油の温度Toが第2の所定値V2以上である時に、ラジエータ10を通過した冷却水が熱交換器30に冷却水が供給され(RA:OPEN,HE:OPEN)、潤滑油が熱交換器30に供給される(OU:OPEN)。潤滑油の温度の過度の上昇を抑制し、潤滑油の劣化を抑制することができる。
ところで、エンジン20を暖機する間に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、ヒータの作動要求を受け取ってもよい。エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満であり、且つヒータの作動要求が存在する時に、弁体52の回転角度(第1の弁部50の制御量)は、例えば30[degree]である。これにより、図6(a)の閉じたポートHCは、開くことになる(ポートRA及びB2は、閉じた状態のままである)。従って、ヒータコア(及び室内)を効率的に加熱することができる。ヒータの作動要求を受け取る時に、5ポート水制御弁の開閉状態は、以下の表2の通りである。
Figure 0006577829
表2によれば、ヒータの作動要求が存在する時に、冷却水の温度Tw及び潤滑油の温度Toと無関係に、冷却水がヒータコア40に常に冷却水が供給される(HC:OPEN)。
図7は、本発明に従う冷却水流動及び潤滑油流動制御システムの他の概略構成例(第2の実施形態)を示す。図1の第1の弁部50は、図2の5ポート水制御弁の代わりに、図7の第1水制御弁70(第1の弁)及び第2水制御弁80(第2の弁)で構成されてもよい。図7において、バイパス(ラジエータ回路のバイパス回路、第1のバイパス回路)回路内には、熱交換器30を有する熱交換器回路と、熱交換器30をバイパスする冷却水を循環させるバイパス回路(熱交換器回路のバイパス回路、第2のバイパス回路)とが、配置されている。
図7の第1水制御弁70は、ラジエータ10から出て来る冷却水、及び、ヒータコア40から出て来る冷却水を取り込み可能であり、且つ、熱交換器30をバイパスする冷却水を吐き出し可能である。第2水制御弁80は、第1のバイパス回路を流れる冷却水、及び、熱交換器30をバイパスする冷却水の一部を取り込み可能であり、且つ、熱交換器30に流れ込む冷却水を吐き出し可能である。
熱交換器30を有する熱交換器回路は、熱交換器30に流れ込む冷却水を第2のバイパス回路に戻すことができる。また、第2のバイパス回路は、第2のバイパス回路を流れる冷却水として、熱交換器30をバイパスする冷却水の残部をエンジン20に戻すことができる。
エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、第1水制御弁70は、ラジエータ10から出て来る冷却水の取り込みを遮断するとともに、第2水制御弁80は、熱交換器30をバイパスする冷却水の吐き出しを遮断する。言い換えれば、第2水制御弁80は、冷却水を熱交換器30に供給可能であり、これにより、エンジン20を暖機する間に、潤滑油を効率的に加熱することができる。なお、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に吐き出し、熱交換器30において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。第1の所定値は、エンジン20の暖機終了を意味し、第2の所定値は、エンジン20のオーバヒートを意味する。
次に、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度以上であって第2の所定値以上である時に、第1水制御弁70は、ラジエータ10から出て来る冷却水の取り込みを維持するとともに、第2水制御弁80は、熱交換器30に流れ込む冷却水の吐き出しを維持する。第2水制御弁80は、第1水制御弁70及びポンプ36を介して、ラジエータ10から出て来る冷却水を熱交換器30に供給可能であり、これにより、潤滑油の温度が上昇する時に、潤滑油を効率的に冷却することができる。言い換えれば、熱交換器30に供給される冷却水は、ラジエータ10によって十分に冷却され、その冷却水が第2水制御弁80に取り込まれている。なお、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第2の所定値以上である時に、第2の弁部180は、潤滑油を熱交換器30に吐き出し、熱交換器30において、冷却水と潤滑油の熱交換が実行されている。
図8は、図7の第1の弁部50を構成する第1の弁の具体構成例(第1水制御弁70)の断面図を示す。なお、当業者は、第1の弁部50の第1水制御弁70が、以下に説明される実施例によって不当に限定されないことを留意すべきである。図8に示すように、第1水制御弁70は、弁箱51と、弁体52と、弁蓋53と、ロータリーアクチュエータ54と、を有している。
図8の弁箱51は、ポートRA及びポートHCを有する。弁体52は、ポートRA及びポートHCに対応する第1穴65及び第2穴66を有するとともに、ポートENに連通する第3穴67を有している。弁蓋53は、ポートENを有する。弁体52の内部は弁内流路63となる。
図9は、図8の9−9線断面図を示す。図9に示すように、弁箱51は、ポートRA及びポートHCを有し、弁体52は、ポートRA及びポートHCに対応する第1穴65及び第2穴66を有している。但し、図9では、ポートRA及びポートHCは、弁体52で塞がれている。
図10(a)〜図10(b)は、図8の第1水制御弁の作用説明図を示す。第1の弁部50の第1水制御弁70(第1の弁)の作用を以下に説明する。図10(a)は図9に対応する図であって、図10(a)では、ポートRA及びポートHCが閉じられている。
エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上である時に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、ロータリーアクチュエータ(図8、符号54)で弁体52を90[degree]回すことができる。すると、図10(b)に示すように、ポートRA及びポートHCから流入する冷却水は、弁内流路63を通って移動し、図8に示すポートENから流出する。
図11は、図7の第1の弁部50を構成する第2の弁の具体構成例(第2水制御弁80)の断面図を示す。なお、当業者は、第1の弁部50の第2水制御弁80が、以下に説明される実施例によって不当に限定されないことを留意すべきである。図11に示すように、第2水制御弁80は、弁箱51と、弁体52と、ロータリーアクチュエータ54と、を有している。
図11の弁箱51は、同軸上に配置されるポートB1及びポートB2と、ポートB1及びポートB2を通る軸に直交する軸上に配置されるポートHEとを有する。弁体52は、L字状の弁内流路63を有している。
図12(a)〜図12(c)は、図11の第2水制御弁の作用説明図を示す。第1の弁部50の第2水制御弁80(第2の弁)の作用を以下に説明する。図12(a)では、ポートB1とポートHEとが開いており、ポートB2が閉じている。ポートB1から流入した冷却水は、弁内流路63を通って、ポートHEから流出する。
エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度以上であって第2の所定値未満である時に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、ロータリーアクチュエータ(図11、符号54)で弁体52を反時計方向に90[degree]回すことができる。すると、図12(b)に示すように、ポートB2とポートHEとが弁体52で閉じられ、弁内流路63も一端が弁箱51で閉じられ、結果、ポートB1、B2、HEの全てが閉じている。
次に、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が第2の所定値以上である時に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、ロータリーアクチュエータ(図11、符号54)で弁体52を、さらに反時計方向に90[degree]回すことができる。すると、図12(c)に示すように、ポートB2とポートHEとが開いて、ポートB1が閉じる。ポートB2から流入した冷却水は、弁内流路63を通って、ポートHEから流出する。潤滑油の温度が上昇する時に、潤滑油を効率的に冷却することができる。言い換えれば、熱交換器30に供給される冷却水は、ラジエータ10によって十分に冷却され、その冷却水が第1水制御弁70を介して第2水制御弁80に取り込まれている。上述の第1水制御弁70及び第2水制御弁80の開閉状態(及び図1の第2の弁部180の開閉状態)は、以下の表3の通りである。なお、エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値以上であり、且つ潤滑油の温度が冷却水の温度未満である時に、弁体52の回転角度(第1水制御弁70の制御量)は、例えば90[degree]である。これにより、図10(a)の閉じたポートRA及びHCは、開くことになり、冷却水の温度を管理することができる。
Figure 0006577829
表3によれば、エンジン20の出口側の冷却水の温度Twが第1の所定値V1未満である時に、エンジン20を通過した冷却水の全量を他のデバイス(ラジエータ10及びヒータコア40)に通すことなく(RA:CLOSE,HC:CLOSE,B2:CLOSE)、熱交換器30に供給するとともに(B1:OPEN,HE:OPEN,EN:OPEN)、潤滑油を熱交換器30に供給することができる(OU:OPEN)。冷却水の温度Twが第1の所定値V1以上であり、且つ潤滑油の温度Toが冷却水の温度Tw以上であって第2の所定値V2未満である時に、熱交換器30に冷却水が供給されず(OW:CLOSE)、熱交換器30において冷却水と潤滑油の熱交換は、中止されている。加えて、潤滑油を熱交換器30に供給しない時に(OU:CLOSE)、図示されない他のポンプ(オイルポンプ)の駆動トルクを熱交換器30が無い状態と同等まで低く設定させて、燃費を向上させることができる。冷却水の温度Twが第1の所定値V1以上であり、且つ潤滑油の温度Toが第2の所定値V2以上である時に、ラジエータ10を通過した冷却水が熱交換器30に冷却水が供給され(RA:OPEN,HE:OPEN,EN:OPEN)、潤滑油が熱交換器30に供給される(OU:OPEN)。
ところで、エンジン20を暖機する間に、図1のECU(冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60)は、ヒータの作動要求を受け取ってもよい。エンジン20の出口側の冷却水の温度が第1の所定値未満であり、且つヒータの作動要求が存在する時に、弁体52の回転角度(第1水制御弁70の制御量)は、例えば20[degree]である。これにより、図10(a)の閉じたポートHCは、開くことになる(ポートRAは、閉じた状態のままである)。従って、ヒータコア(及び室内)を効率的に加熱することができる。ヒータの作動要求を受け取る時に、第1水制御弁70及び第2水制御弁80の開閉状態(及び図7の第2の弁部の開閉状態)は、以下の表4の通りである。
Figure 0006577829
表4によれば、ヒータの作動要求が存在する時に、冷却水の温度Tw及び潤滑油の温度Toと無関係に、冷却水がヒータコア40に常に冷却水が供給される(HC:OPEN)。
第1の実施形態は、図1の第1の弁部50として図2の5ポート水制御弁を採用し、第2の実施形態は、図7の第1の弁部50として図8及び図11の第1水制御弁及び第2水制御弁を採用している。第1の弁部50は、これらの例示的な実施例に限定されず、第1の弁部50の一部(ポートRA部分、ポートB1部分、ポートB2部分及び/又はポートHC部分に相当する機構)は、例えばサーモスタットである感温式の弁又はデバイスで構成されてもよく、言い換えれば、図2の5ポート水制御弁は、電動式の弁又はデバイスと感温式の弁又はデバイスとの組み合わせであってもよい。また、電動式の弁又はデバイスである図2の5ポート水制御弁は、複数のアクチュエータを含んでもよく、言い換えれば、5ポート水制御弁は、複数の電動式の弁又はデバイスの組み合わせであってもよい。同様に、図8及び図11の第1水制御弁及び第2水制御弁は、一体化されてもよく、又は、電動式の弁又はデバイスと感温式の弁又はデバイスとの組み合わせであってもよい。
図13は、図1又は図7の第2の弁部180の具体構成例(油制御弁)の断面図を示す。なお、当業者は、第2の弁部180が、以下に説明される実施例によって不当に限定されないことを留意すべきである。図13に示すように、油制御弁(第2の弁部180)は、弁箱181と、この弁箱181に移動可能に収納されるスプール182と、弁箱181の一端に取付けられスプール182を移動するリニアーアクチュエータ183と、を有している。
弁箱181は、ポートIN(入口)と、ポートOU(出口)と、ポートOB(出口)とからなる3個のポート(出入口)を有している。スプール182は、弁箱181内周面に摺接する第1大径部184及び第2大径部185と、これらを結ぶ小径部186とからなる。リニアーアクチュエータ183は、例えば、ソレノイド式アクチュエータである。ソレノイド式アクチュエータであれば、磁力によりロッド187を前進させる。第2大径部185にロッド187が当たっている場合には、第1大径部184と弁箱181との間にリターンスプリング188を介在させる。
図14(a)〜図14(b)は、図13の油制御弁の作用説明図を示す。油制御弁(第2の弁部180)の作用を以下に説明する。図1又は図7の冷却水流動及び潤滑油流動制御装置60は、その動作の1例として、第2の弁部180の制御量を決定することができる。図14(a)では、リニアーアクチュエータ183のロッド187は後退している。第1大径部184がポートOBを塞いでいる。結果、ポートINから流入した潤滑油はポートOUから流出する。次に、第2の弁部180の制御量として、ソレノイドを励磁することにより、リニアーアクチュエータ183のロッド187を磁力で前進させる。すると、スプール182は前進する。
図14(b)に示すように、第2大径部185でポートOUが塞がれ、ポートOBは開となる。ポートINから流入した潤滑油はポートOBから流出する。第2の弁部180の制御量として、ソレノイドを消磁すると、リターンスプリング188の押力で、スプール182が後退し、図14(a)に戻る。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
10・・・ラジエータ、20・・・エンジン、24・・・検出部(第1の検出部)、26・・・検出部(第2の検出部)、30・・・熱交換器、36・・・ポンプ、40・・・ヒータコア、50・・・第1の弁部、60・・・冷却水流動及び潤滑油流動制御装置、70・・・第1水制御弁(第1の弁)、80・・・第2水制御弁(第2の弁)、180・・・第2の弁部。

Claims (1)

  1. ラジエータを有するラジエータ回路であって、エンジンから出て来る冷却水の一部を前記ラジエータに入れて、前記ラジエータから出て来る冷却水を第1の弁部を介して前記エンジンに戻す前記ラジエータ回路と、
    前記ラジエータをバイパスして第1のバイパス回路を流れる冷却水として、前記エンジンから出て来る前記冷却水の他の一部を、前記第1の弁部を介して前記エンジンに戻す前記第1のバイパス回路と、
    ヒータコアを有するヒータコア回路であって、前記エンジンから出て来る前記冷却水の更なる他の一部を前記ヒータコアに入れて、前記ヒータコアから出て来る冷却水を前記第1の弁部を介して前記エンジンに戻す前記ヒータコア回路と、
    前記ラジエータから出て来る前記冷却水、前記第1のバイパス回路を流れる前記冷却水、及び、前記ヒータコアから出て来る前記冷却水を取り込み可能であり、且つ、前記エンジンの潤滑油の温度を調整可能な熱交換器に流れ込む冷却水、及び、前記熱交換器をバイパスする冷却水を吐き出し可能である前記第1の弁部と、
    前記潤滑油が流れる潤滑油回路と、
    前記潤滑油回路を流れる前記潤滑油を取り込み、且つ前記潤滑油を吐き出す第2の弁部と、
    を備え、
    前記エンジンの出口側の前記冷却水の温度が第1の所定値未満である時に、前記第1の弁部は、前記ラジエータから出て来る前記冷却水の取り込みを遮断し、且つ前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の吐き出しを遮断するとともに、前記第2の弁部は、前記潤滑油を前記熱交換器に吐き出し、
    前記冷却水の前記温度が前記第1の所定値以上であり、且つ前記潤滑油の温度が前記第1の所定値よりも高い第2の所定値以上である時に、前記第1の弁部は、前記ラジエータから出て来る前記冷却水の取り込みを維持し、且つ前記熱交換器に流れ込む前記冷却水の吐き出しを維持するとともに、前記第2の弁部は、前記潤滑油を前記熱交換器に吐き出し、
    前記第1の弁部は、
    前記ラジエータから出て来る前記冷却水、及び、前記ヒータコアから出て来る前記冷却水を取り込み可能であり、且つ、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水を吐き出し可能である第1の弁と、
    前記第1のバイパス回路を流れる前記冷却水、及び、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の一部を取り込み可能であり、且つ、前記熱交換器に流れ込む前記冷却水を吐き出し可能である第2の弁と、
    を含み、
    前記熱交換器を有する熱交換器回路であって、前記第2の弁から前記熱交換器に流れ込む前記冷却水を第2のバイパス回路に戻す前記熱交換器回路と、
    前記第2のバイパス回路を流れる冷却水として、前記熱交換器をバイパスする前記冷却水の他の一部を前記エンジンに戻す前記第2のバイパス回路と、
    を更に備えることを特徴とする却水流動及び潤滑油流動制御システム。
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