JP6576203B2 - 被験物質の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被験物質の評価方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、外用剤の開発などに有用な被験物質の評価方法に関する。
TRPV1は、カプサイシン、熱などに感受性を有するイオンチャネルである(例えば、非特許文献1参照)。また、TRPV1の活性化は、炎症性疼痛と関連していることが知られている。したがって、炎症性疼痛の鎮痛剤として、TRPV1の活性を阻害する物質の臨床治験が進められている。しかし、従来のTRPV1活性阻害剤には熱に対する感覚の低下または発熱をもたらす傾向があることから、より臨床応用に適したTRPV1活性阻害剤が求められている。
ところで、メントールは、鎮痛作用を有していることが知られているが、その詳細なメカニズムは明らかになっていなかった。冷感センサーであるTRPM8と鎮痛に関与していることからメントールの鎮痛効果はTRPM8を活性化することによるという報告や、オピオイド受容体を活性化することによるという報告などがあるが、どちらもメントールの鎮痛効果を説明するには不十分であった(例えば、非特許文献1参照)。そのため、メントールの鎮痛メカニズムを明らかにし、その鎮痛効果を制御することで効率的に鎮痛効果を付与ことが可能になると考えらえる。
中川貴之、「痛みの受容機構と新規鎮痛薬創製の可能性」、生化学、公益社団法人日本生化学会、平成25年7月25日、第85巻、第7号、p.561−565
また、本発明者らは、現時点では、メントールとTRPV1の活性の抑制との関連性や、前記関連性を利用して、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有しているかどうかを評価する方法を具体的に記載した文献を発見していない。
さらに、メントール単独での鎮痛効果は十分ではないことから、より優れた鎮痛効果を発揮する処方の開発が求められている。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかを簡便な操作で、かつ高い再現性で評価する被験物質の評価方法を提供することを目的とする。
明は
(1) 被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかを評価する被験物質の評価方法であって、TRPV1発現細胞を、被験物質とTRPV1アゴニストとメントールとを含有する被験試料およびTRPV1アゴニストとメントールとを含有する比較試料のそれぞれに接触させ、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と、前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とを測定し、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とに基づき、前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを評価する被験物質の評価方法であり、前記被験試料および比較試料のそれぞれにおけるメントールの濃度が10mM以下であることを特徴とする被験物質の評価方法、ならびに
(2) 前記被験試料および比較試料のそれぞれにおけるメントールの濃度が少なくとも3mMである前記(1)に記載の評価方法
に関する。
本発明の被験物質の評価方法は、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかを簡便な操作で、かつ高い再現性で評価することができるという優れた効果を奏する。
参考例1において、TRPV1発現細胞における電流の経時的変化を調べた結果を示すグラフである。 参考例2において、メントール濃度と活性との関係を調べた結果を示すグラフである。 実施例1において、被験試料に含まれる被験物質の種類と活性との関係を調べた結果を示すグラフである。 実施例1において、被験試料に含まれる被験物質の種類と抑制比率との関係を調べた結果を示すグラフである。
本発明の被験物質の評価方法は、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかを評価する被験物質の評価方法であって、TRPV1発現細胞を、被験物質とTRPV1アゴニストとメントールとを含有する被験試料およびTRPV1アゴニストとメントールとを含有する比較試料のそれぞれに接触させ、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と、前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とを測定し、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とに基づき、前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを評価することを特徴とする。
本発明者らは、従来、TRPV1の活性化を抑制する物質について鋭意研究を重ねたところ、TRPV1の活性化を抑制しないと考えられていたメントールが、意外なことに、TRPV1の活性化を抑制すること見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
本発明の被験物質の評価方法は、TRPV1発現細胞を、被験物質とTRPV1アゴニストとメントールとを含有する被験試料およびTRPV1アゴニストとメントールとを含有する比較試料のそれぞれに接触させ、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と、前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とを測定し、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とに基づき、前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを評価するという一連の操作は採用されている点に1つの大きな特徴を有する。このように、本発明の被験物質の評価方法によれば、前記操作が採用されているので、メントールによるTRPV1活性抑制作用に対する被験物質が有する増幅作用を簡便な操作で的確に評価することができる。また、本発明の被験物質の評価方法によれば、TRPV1発現細胞における前記細胞内カルシウム濃度の変化は、ヒトの主観に影響されることなく、同一条件下に同時に何回も並行して精密に測定することができる。したがって、本発明の被験物質の評価方法によれば、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかを簡便な操作で、かつ高い再現性で評価することができる。
前記被験物質としては、例えば、無機化合物、有機化合物、植物抽出物、微生物培養物、微生物抽出物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記被験物質は、そのまま用いてもよく、必要に応じて、溶媒に溶解させて用いてもよい。前記溶媒は、TRPV1発現細胞の生育、TRPV1の生理学的機能の発現に影響を与えない溶媒であるのが望ましい。被験物質を溶解させる溶媒としては、例えば、エタノール、生理的食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記TRPV1発現細胞は、野生型TRPV1の生理学的機能と同様の生理学的機能を発現する細胞である。前記野生型TRPV1の生理学的機能と同様の生理学的機能としては、例えば、TRPV1アゴニストによる化学刺激、熱覚刺激(例えば、43℃前後の刺激)などの刺激による細胞外から細胞内への陽イオンの透過などが挙げられる。
前記TRPV1発現細胞としては、内因性TRPV1を発現している野生型の細胞であってもよく、TRPV1をコードする核酸が発現可能に宿主細胞に導入された外因性TRPV1発現細胞などが挙げられる。前記TRPV1発現細胞のなかでは、かかるTRPV1を介して引き起こされる生理学的事象を簡便な操作で測定する観点から、外因性TRPV1発現細胞が好ましい。
前記内因性TRPV1を発現している野生型の細胞としては、特に限定されないが、例えば、感覚神経の細胞、脳の細胞、膀胱上皮の細胞などが挙げられる。
前記外因性TRPV1発現細胞は、宿主細胞に導入された前記核酸が、染色体外要素として存在している細胞であってもよく、宿主細胞に導入された前記核酸が組み込みにより染色体に組み込まれている細胞であってもよい。前記外因性TRPV1発現細胞は、慣用の形質転換方法によって、前記TRPV1をコードする核酸を保持する組換えベクターなどにより宿主細胞を形質転換することにより得られる。
TRPV1をコードする核酸は、ヒトTRPV1をコードする核酸であってもよく、他の動物のTRPV1をコードする核酸であってもよい。ヒトへの適用に適した物質を的確に評価する観点から、ヒトTRPV1をコードする核酸であることが好ましい。前記TRPV1をコードする核酸としては、例えば、配列番号:2に示されるアミノ酸配列をコードする核酸などが挙げられるが、本発明は、特に限定されるものではない。配列番号:2に示されるアミノ酸配列は、配列番号:1に示される塩基配列中の276位〜2795位の塩基配列にコードされている。配列番号:1に示される塩基配列は、アクセッション番号:NM_080704としてGenBankに登録されているヒトTRPV1をコードする核酸の塩基配列である。前記TRPV1をコードする核酸は、前記核酸によりコードされるポリペプチドが前記生理学的機能を発現するのであれば、TRPV1の構造遺伝子の塩基配列中に変異を有するバリアントの核酸であってもよい。
バリアントの核酸としては、例えば、
(I)配列番号:2に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードし、コードされるポリペプチドが、前記TRPV1の生理学的機能の少なくとも1種を発現するポリペプチドである核酸、
(II)配列番号:2において、1個または数個のアミノ酸残基の置換、欠失または付加を有するアミノ酸配列をコードし、コードされるポリペプチドが、前記TRPV1の生理学的機能の少なくとも1種を発現するポリペプチドである核酸、
(III)配列番号:1に示される塩基配列中の276位〜2795位からなる塩基配列からなる核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下にハイブリダイズし、かつ前記TRPV1の生理学的機能の少なくとも1種を少なくとも発現するポリペプチドをコードする核酸、
(IV)配列番号:1に示される塩基配列中の276位〜2795位の配列からなる核酸とオルタナティブスプライシングを介して異なる塩基配列からなり、かつ前記TRPV1の生理学的機能の少なくとも1種を発現するポリペプチドである核酸(以下、「スプライシングバリアント」という)
などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されない。
なお、前記(I)において、「配列同一性」の値は、配列番号:2に示されるアミノ酸配列に対して、評価対象のアミノ酸配列をアラインメントし、一致したアミノ酸残基数を全アミノ酸残基数で除したものを百分率で表わした値である。アラインメントは、例えば、BLASTアルゴリズムに基づくPROTEIN BLASTなどを用いて行なうことができる。また、前記(II)において、「1個または数個」は、1〜30個であるが、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個または2個である。前記(II)において、アミノ酸残基の置換、欠失または付加(以下、置換、欠失または付加を総称して「変異」ともいう)は、TRPV1の生理学的機能の発現に関与する領域以外の領域に存在していてもよく、TRPV1の生理学的機能の発現に影響のない範囲であれば、TRPV1の生理学的機能の発現に関与する領域の発現に関与する領域に存在していてもよい。なお、アミノ酸残基の変異がTRPV1の生理学的機能の発現に関与する領域に存在する場合、TRPV1の生理学的機能を十分に発現させる観点から、前記変異は、保存的置換であることが好ましい。また、本明細書において、「ストリンジェントな条件」は、配列番号:2のアミノ酸配列からなるポリペプチドの生理学的機能と同等またはそれ以上の生理学的機能を有するポリペプチドをコードする核酸を得る観点から、好ましくは配列番号:1に示される塩基配列中の276位〜2795位からなる塩基配列からなる核酸の相補鎖と、配列番号:1に示される塩基配列中の276位〜2795位からなる塩基配列からなる核酸に対する配列相同性が少なくとも80%である塩基配列からなる核酸とが特異的にハイブリダイゼーションする条件である。前記ストリンジェントな条件としては、例えば、配列番号:1に示される塩基配列中の276位〜2795位の配列からなる核酸の相補鎖とハイブリダイゼーション対象の核酸とを、ハイブリダイゼーション用溶液〔組成:6×SSC(組成:0.9M塩化ナトリウム、0.09Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5質量%ドデシル硫酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、100μg/ml変性サケ精子DNA、50体積%ホルムアミド〕中、42℃でインキュベーションし、つぎに、0.1質量%ドデシル硫酸ナトリウム含有0.1×SSC中、50℃の温度で洗浄を行なう条件などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、ストリンジェントな条件は、モレキュラー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル第2版〔ザンブルーク(Sambrook,J.)ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2nd ed.)、1998年、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス発行〕に記載された手法にしたがい、適宜より高いストリンジェンシーが得られる条件に変更することができる。前記スプライシングバリアントとしては、例えば、GenBankアクセッション番号:NM_018727.5、NM_080705.3、NM_080706.3などの塩基配列で示される核酸が挙げられるが、本発明は、特に限定されるものではない。
前記組換えベクターは、前記TRPV1をコードする核酸を、慣用のベクターと連結させることにより得られる。前記ベクターは、例えば、選択マーカー遺伝子、発現プロモーターなどを有していてもよい。前記宿主細胞としては、前記TRPV1が効率よく発現され、かつ培養が容易なものであればよく、例えば、動物細胞、細菌細胞、植物細胞、昆虫細胞などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの宿主細胞のなかでは、ヒトへの適用に適した物質を的確に評価する観点から、、好ましくは動物細胞である。前記動物細胞としては、例えば、HEK293細胞、Hela細胞などのヒト細胞;COS−7細胞などのサル細胞;CHO細胞、NIH3T3細胞などのマウス細胞;oocyte細胞などのアフリカツメガエルの卵細胞などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの動物細胞のなかでは、ヒトへの適用に適した物質を的確に評価する観点から、HEK293細胞、CHO細胞、COS−7細胞およびNIH3T3細胞が好ましく、HEK293細胞がより好ましい。
形質転換後の細胞からの外因性TRPV1発現細胞の選択は、例えば、用いられた組換えベクターが選択マーカー遺伝子を有する場合、選択マーカー遺伝子に応じた選択培地で培養することなどにより行なうことができる。また、得られた細胞が外因性TRPV1発現細胞であることの確認は、例えば、細胞を、カプサイシンと接触させ、後述の細胞内カルシウムイオン濃度の測定方法により、接触後の細胞の細胞内カルシウムイオン濃度を測定することにより行なうことができる。細胞が外因性TRPV1発現細胞である場合、カプサイシン接触後の細胞の細胞内カルシウムイオン濃度は、カプサイシンと接触させていない細胞の細胞内カルシウムイオン濃度よりも大きくなる。
まず、TRPV1発現細胞を、被験物質とTRPV1アゴニストとメントールとを含有する被験試料およびTRPV1アゴニストとメントールとを含有する比較試料のそれぞれに接触させる。
なお、本発明においては、TRPV1発現細胞と被験試料および比較試料のそれぞれとの接触に先立ち、TRPV1発現細胞とTRPV1アゴニストとを接触させることができる。この場合、TRPV1発現細胞におけるTRPV1を予め活性化させることができることから、メントールによるTRPV1活性抑制作用に対する被験物質が有する増幅作用をより的確に評価することができる。TRPV1発現細胞とTRPV1アゴニストとの接触は、例えば、TRPV1アゴニストを含有する液体中でTRPV1発現細胞をインキュベーションすることなどによって行なうことができる。
前記TRPV1アゴニストとしては、例えば、カプサイシン、レシニフェラトキシン、アナンダミド、カンフル、2−アミノエトキシジフェニルホウ酸塩、アリシン、(5Z,8Z,10Z,12S,14Z)−12−ヒドロペルオキシ−5,8,10,14−イコサテトラエン酸、(5Z,8Z,11Z,13E,15S)−15−ヒドロペルオキシ−5,8,11,13−イコサテトラエン酸、ロイコトリエンB、酸、ピペリンなどが挙げられるが、本発明は、特に限定されるものではない。
前記TRPV1アゴニストを含有する液体に用いられる溶媒としては、例えば、溶媒A〔組成:140mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、2mM塩化マグネシウム、2mM塩化カルシウム、10mMグルコースおよび10mMヘペス塩酸緩衝液(pH7.4)〕、ダルベッコ改変イーグル培地などが挙げられるが、特に限定されない。
前記TRPV1アゴニストを含有する液体におけるTRPV1アゴニストの濃度は、TRPV1アゴニストの種類、TRPV1発現細胞の数などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1アゴニストの種類、TRPV1発現細胞の数などに応じて適宜決定することが望ましい。前記TRPV1アゴニストが、レシニフェラトキシンまたはロイコトリエンBである場合、前記TRPV1アゴニストを含有する液体におけるTRPV1アゴニストの濃度は、TRPV1に対するTRPV1アゴニストの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは0.01nM以上、より好ましくは0.1nM以上であり、抑制効果をより効率良く比較する観点から、好ましくは100nM以下、より好ましくは50nM以下である。また、前記TRPV1アゴニストが、カプサイシン、ピペリン、アナンダミドまたはアリシンである場合、前記TRPV1アゴニストを含有する液体におけるTRPV1アゴニストの濃度は、TRPV1に対するTRPV1アゴニストの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは0.01μM以上、より好ましくは0.1μM以上であり、抑制効果をより効率良く比較する観点から、好ましくは10μM以下、より好ましくは1μM以下である。さらに、前記TRPV1アゴニストが、カンフル、2−アミノエトキシジフェニルホウ酸塩、(5Z,8Z,10Z,12S,14Z)−12−ヒドロペルオキシ−5,8,10,14−イコサテトラエン酸または(5Z,8Z,11Z,13E,15S)−15−ヒドロペルオキシ−5,8,11,13−イコサテトラエン酸である場合、TRPV1に対するTRPV1アゴニストの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは0.01mM以上、より好ましくは0.1mM以上であり、抑制効果をより効率良く比較する観点から、好ましくは10mM以下、より好ましくは1mM以下である。
前記TRPV1アゴニストを含有する液体とTRPV1発現細胞との接触に際して、前記TRPV1アゴニストを含有する液体1mLあたりのTRPV1発現細胞の数は、試験データの信頼性の観点から、1×10細胞以上、より好ましくは1×10細胞以上であり、TRPV1発現細胞におけるTRPV1の生理学的機能を十分に発揮させる観点から、1×10細胞以下、より好ましくは5×10細胞以下である。
前記TRPV1アゴニストを含有する液体とTRPV1発現細胞との接触に際して、接触温度は、TRPV1発現細胞の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1発現細胞の種類などに応じて適宜決定することが望ましい。
前記TRPV1アゴニストを含有する液体とTRPV1発現細胞との接触に際して、接触時間は、TRPV1アゴニストの種類、TRPV1アゴニストを含有する液体におけるTRPV1アゴニストの濃度、TRPV1発現細胞の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1アゴニストの種類、TRPV1アゴニストを含有する液体におけるTRPV1アゴニストの濃度、TRPV1発現細胞の種類などに応じて適宜決定することが望ましい。
TRPV1発現細胞と被験試料との接触は、例えば、被験試料中において、TRPV1発現細胞と被験試料とを混合してインキュベーションすることなどによって行なうことができる。また、TRPV1発現細胞と比較試料との接触は、例えば、比較試料中において、TRPV1発現細胞と比較試料とを混合してインキュベーションすることなどによって行なうことができる。
前記被験試料は、被験物質とTRPV1アゴニストとメントールとを含有する。前記被験試料は、TRPV1アゴニストに接触後のTRPV1発現細胞との接触が容易であることから、通常、液状の試料である。被験試料が液状の試料である場合、溶媒は、前記TRPV1アゴニストを含有する液体に用いられる溶媒と同じ溶媒である。
前記被験試料における被験物質の濃度は、被験物質の種類、TRPV1発現細胞の数などによって異なるので、一概には決定することができないことから、被験物質の種類、TRPV1発現細胞の数などに応じて適宜決定することが望ましい。
前記被験試料におけるTRPV1アゴニストの濃度は、TRPV1アゴニストの種類、TRPV1発現細胞の数などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1アゴニストの種類、TRPV1発現細胞の数などに応じて適宜決定することが望ましい。前記TRPV1アゴニストが、レシニフェラトキシンまたはロイコトリエンBである場合、前記被験試料におけるTRPV1アゴニストの濃度は、通常、TRPV1に対するTRPV1アゴニストの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは0.01nM以上、より好ましくは0.1nM以上であり、抑制効果をより効率良く比較する観点から、好ましくは100nM以下、より好ましくは50nM以下である。また、前記TRPV1アゴニストが、カプサイシン、ピペリン、アナンダミドまたはアリシンである場合、前記被験試料におけるTRPV1アゴニストの濃度は、TRPV1に対するTRPV1アゴニストの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは0.01μM以上、より好ましくは0.1μM以上であり、抑制効果をより効率良く比較する観点から、好ましくは10μM以下、より好ましくは1μM以下である。さらに、前記TRPV1アゴニストが、カンフル、2−アミノエトキシジフェニルホウ酸塩、(5Z,8Z,10Z,12S,14Z)−12−ヒドロペルオキシ−5,8,10,14−イコサテトラエン酸または(5Z,8Z,11Z,13E,15S)−15−ヒドロペルオキシ−5,8,11,13−イコサテトラエン酸である場合、前記被験試料におけるTRPV1アゴニストの濃度は、TRPV1に対するTRPV1アゴニストの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは0.01mM以上、より好ましくは0.1mM以上であり、抑制効果をより効率良く比較する観点から、好ましくは10mM以下、より好ましくは1mM以下である。なお、TRPV1発現細胞と被験試料および比較試料のそれぞれとの接触に先立ち、前記TRPV1アゴニストを含有する液体を用いてTRPV1発現細胞とTRPV1アゴニストとを接触させた場合、前記被験試料におけるTRPV1アゴニストの濃度は、前記TRPV1アゴニストを含有する液体におけるTRPV1アゴニストの濃度と同じ濃度である。
前記被験試料におけるメントールの濃度は、TRPV1発現細胞の数などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1発現細胞の数などに応じて適宜決定することが望ましい。前記被験試料におけるメントールの濃度は、通常、TRPV1に対するメントールの作用を十分に発現させる観点から、好ましくは3mM以上、より好ましくは4mM以上であり、前記被験試料にメントールを十分に溶解させる観点から、好ましくは15mM以下、より好ましくは10mM以下である。
前記比較試料は、TRPV1アゴニストとメントールとを含有する。前記比較試料は、TRPV1アゴニストに接触後のTRPV1発現細胞との接触が容易であることから、被検試料と同様に、通常、液状の試料である。比較試料が液状の試料である場合、溶媒は、前記TRPV1アゴニストを含有する液体および被験試料に用いられる溶媒と同じ溶媒である。
前記比較試料におけるTRPV1アゴニストの濃度およびメントールの濃度は、前記被験試料におけるTRPV1アゴニストの濃度およびメントールの濃度と同じ濃度である。
TRPV1発現細胞と、前記被験試料および前記比較試料のそれぞれとの接触に際して、前記被験試料または前記比較試料1mLあたりのTRPV1発現細胞の数は、試験データの信頼性の観点から、1×10細胞以上、より好ましくは5×10細胞以上であり、TRPV1発現細胞におけるTRPV1の生理学的機能を十分に発揮させる観点から、5×10細胞以下、より好ましくは1×10細胞以下である。なお、TRPV1発現細胞と被験試料および比較試料のそれぞれとの接触に先立ち、前記TRPV1アゴニストを含有する液体を用いてTRPV1発現細胞とTRPV1アゴニストとを接触させた場合、前記被験試料または前記比較試料1mLあたりのTRPV1発現細胞の数は、前記TRPV1アゴニスト含有する液体1mLあたりのTRPV1発現細胞の数と同様である。
TRPV1発現細胞と、被験試料および比較試料のそれぞれとの接触の際の接触温度は、TRPV1発現細胞の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1発現細胞の種類などに応じて適宜決定することが望ましい。前記TRPV1発現細胞と被験試料との接触の際の接触温度と、前記TRPV1発現細胞と比較試料との接触の際の接触温度は、同じ温度である。なお、TRPV1発現細胞と被験試料および比較試料のそれぞれとの接触に先立ち、前記TRPV1アゴニストを含有する液体を用いてTRPV1発現細胞とTRPV1アゴニストとを接触させた場合、TRPV1発現細胞と、被験試料および比較試料のそれぞれとの接触の際の接触温度は、前記TRPV1アゴニストを含有する液体とTRPV1発現細胞との接触の際の接触温度と同様である。
前記TRPV1発現細胞と、被験試料および比較試料のそれぞれとの接触の際の接触時間は、TRPV1アゴニストの種類、被験試料および比較試料のそれぞれにおけるTRPV1アゴニストの濃度、被験試料および比較試料におけるメントールの濃度、被験試料における被験物質の濃度、TRPV1発現細胞の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、TRPV1アゴニストの種類、被験試料および比較試料のそれぞれにおけるTRPV1アゴニストの濃度、被験試料および比較試料におけるメントールの濃度、被験試料における被験物質の濃度、TRPV1発現細胞の種類などに応じて適宜決定することが望ましい。前記TRPV1発現細胞と被験試料との接触の際の接触時間と、前記TRPV1発現細胞と比較試料との接触の際の接触時間は、同じ時間である。
前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化および前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化は、例えば、
a)カルシウムイオンと特異的に結合するカルシウム指示薬をTRPV1発現細胞に導入するステップ、
b)前記ステップa)でカルシウム指示薬が導入されたTRPV1発現細胞内のカルシウムイオンに前記カルシウム指示薬を結合させ、カルシウムイオンと結合したカルシウム指示薬の量を継時的に測定する方法などによって測定することができる。
前記カルシウム指示薬は、カルシウムイオンと結合したカルシウム指示薬の量を簡便な操作で測定することができることから、カルシウムイオンとの結合前後の変化を光学的特性の変化などによって検出することができる試薬であることが好ましい。前記光学的特性の変化としては、例えば、蛍光強度の変化、吸光度の変化などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものでない。前記カルシウム指示薬としては、例えば、カルシウムイオンとの結合前後に蛍光強度が変化する蛍光カルシウム指示薬などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記カルシウム指示薬のなかでは、測定が容易であり、かつTRPV1発現細胞内に存在する夾雑物質の動態との区別化が容易である観点から、カルシウムイオンとの結合前後に蛍光強度が変化する蛍光カルシウム指示薬が好ましい。前記蛍光カルシウム指示薬としては、例えば、FURA 2、FURA 2−AM、Fluo−3、Fluo−4などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記蛍光カルシウム指示薬は、1種類の励起波長を有していてもよく、2種類以上の励起波長を有していてもよい。前記カルシウム指示薬が前記蛍光カルシウム指示薬である場合、当該蛍光カルシウム指示薬は、蛍光強度の測定が容易であり、しかも被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかの評価の精度をより高めることができることから、2種類の励起波長を有する蛍光カルシウム指示薬が好ましい。
前記細胞内カルシウム濃度の変化の測定に際して、1種類の励起波長を有する蛍光カルシウム指示薬を用いる場合、当該励起波長における蛍光強度に基づき、細胞内カルシウム濃度の変化を測定することができる。
また、前記細胞内カルシウム濃度の変化の測定に際し、2種類以上の励起波長を有する蛍光カルシウム指示薬を用いる場合、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかの評価の精度をより高める観点から、当該2種類以上の励起波長から選ばれた2種類の励起波長(第1励起波長および第2励起波長)を選択し、第1励起波長および第2励起波長のそれぞれにおける蛍光強度から算出された蛍光強度比に基づき、細胞内カルシウム濃度の変化を測定することができる。細胞内カルシウム濃度の測定に際し、例えば、2種類の励起波長を有する蛍光カルシウム指示薬であるFURA 2−AMを用いる場合、第1励起波長における蛍光強度(以下、「第1蛍光強度」ともいう)として340nmにおける蛍光強度および第2励起波長における蛍光強度(以下、「第2蛍光強度」ともいう)として380nmにおける蛍光強度を用いることができる。この場合、前記蛍光強度比は、例えば、式(I):
に基づいて求めることができる。なお、本明細書において、「蛍光強度340nm」は励起波長340nmにおける蛍光強度を示し、「蛍光強度380nm」は励起波長380nmにおける蛍光強度を示す。
前記TRPV1アゴニストに接触させたTRPV1発現細胞内では、TRPV1アゴニストに接触させていないTRPV1発現細胞に比べて、TRPV1を介するTRPV1発現細胞外からTRPV1発現細胞内へのカルシウムイオンの流入量が増大する。これに対し、前記TRPV1アゴニストとメントールとに接触させたTRPV1発現細胞は、前記TRPV1アゴニストに接触させ、かつメントールと接触させていないTRPV1発現細胞に比べて、TRPV1を介するTRPV1発現細胞外からTRPV1発現細胞内へのカルシウムイオンの流入量が減少する。
なお、蛍光カルシウム指示薬が2種類の励起波長を有する場合、より精度を高める観点から、各励起波長における蛍光強度から蛍光強度比を算出することが好ましい。例えば、蛍光カルシウム指示薬であるFURA 2−AMの励起波長は、340nmおよび380nmである。この場合、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化は、Δ蛍光強度比被験物質に基づき測定することができる。前記Δ蛍光強度比被験物質は、式(II):
に基づいて算出することができる。また、前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化は、Δ蛍光強度比メントールに基づき測定することができる。
前記Δ蛍光強度比メントールは、式(III):
に基づいて算出することができる。前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかは、Δ蛍光強度比被験物質に基づいて算出される抑制率被験物質とΔ蛍光強度比メントールに基づいて算出される抑制率メントールとを比較することによって評価することができる。抑制率被験物質は、式(IV):
に基づいて算出することができる。また、抑制率メントールは、式(V):
に基づいて算出することができる。なお、Δ蛍光強度比アゴニストは、式(VI):
に基づいて算出することができる。なお、前記対照は、被験試料および比較試料の種類などによって異なるので、一概には決定することができないことから、被験試料および比較試料の種類などに応じて適宜決定することが望ましい。被験試料および比較試料が液状の試料である場合、前記対照としては、例えば、前記被験試料および前記比較試料に用いられる溶媒と同じ溶媒などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
抑制率被験物質と抑制率メントールとの比較は、例えば、式(VII):
に基づいて算出される抑制比率を用いて行なうことができる。ここで、前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用の増幅作用を有することの判断基準としては、例えば、抑制比率が、好ましくは130以上、より好ましくは140以上、さらに好ましくは150以上、より一層好ましくは200以上であることなどが挙げられる。抑制比率が130以上である場合、メントールによるTRPV1活性抑制作用が被験物質によって相加的ではなく、相乗的に増幅されていると考えられる。
鎮痛剤としてメントールを単独で用いた場合、十分な鎮痛効果を得にくい。本発明の被験物質の評価方法に供することによって、メントールによるTRPV1の活性抑制作用を増幅させる物質であることが判明した被験物質は、メントールとの併用により、メントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させることができることから、TRPV1を介して痛みを示す部位などでより高い鎮痛効果を得ることができる物質であると考えられる。そのため、本発明の被験物質の評価方法によれば、例えば、外用剤、内服剤などの成分として用いられる化合物などを被験物質として用いることにより、前記化合物などが、メントールとの併用により、TRPV1を介した皮膚などでの痛み感覚をより効果的に抑制することができるかどうかを調べることができる。また、本発明の被験物質の評価方法によれば、メントールによるTRPV1の活性抑制作用を増幅させる物質のスクリーニング、薬理学的評価などを行なうことができる。したがって、本発明の被験物質の評価方法は、鎮痛作用を有する外用剤、内服剤などの開発に用いられることが期待されるものである。
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
(製造例1)
ヒトTRPV1をコードするcDNA〔配列番号:3(GenBankアクセッション番号:MN_080704.3)に示される塩基配列の276位〜2795位のポリヌクレオチド〕を、哺乳動物細胞用ベクター〔ライフテクノロジーズ(Life Technologies)社製、商品名:pcDNA3.1(+)〕のクローニングサイトに挿入し、ヒトTRPV1発現ベクターを得た。得られたヒトTRPV1発現ベクター1μgと、遺伝子導入用試薬〔ライフテクノロジーズ社製、商品名:PLUS Reagent〕6μLとを混合し、混合物Iを得た。また、遺伝子導入用カチオン性脂質〔ライフテクノロジーズ社製、商品名:Lipofectamine(登録商標) Transfection Reagent〕4μLと、血清使用量低減培地〔インビトロジェン社製、商品名:Opti−MEM(登録商標) I Reduced Serum Medium〕200μLとを混合し、混合物IIを得た。
また、5体積%二酸化炭素の雰囲気中、37℃に維持された直径35mmのシャーレ上の10質量%ウシ胎仔血清アルブミン含有ダルベッコ改変イーグル培地(以下、「FBS含有DMEM」ともいう)中において、5×10細胞のHEK293細胞を70%のコンフルエンシーになるまで培養した。
得られた細胞培養物に、前記混合物Iと混合物IIとを添加することにより、HEK293細胞に前記ヒトTRPV1発現ベクターを導入し、TRPV1発現細胞を得た。
(製造例2)
カプサイシンをその濃度が0.1μMとなるように溶媒A〔組成:140mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、2mM塩化マグネシウム、2mM塩化カルシウム、10mMグルコースおよび10mMヘペス塩酸緩衝液(pH7.4)〕に溶解させ、カプサイシン含有試料料を得た。
(製造例3)
メントールおよびカプサイシンをメントールの濃度が5mMおよびカプサイシンの濃度が0.1μMとなるように溶媒Aに溶解させ、カプサイシン−メントール含有試料を得た。
(製造例4〜9)
メントールをその濃度が0.03mM(製造例4)、0.1mM(製造例5)、0.3mM(製造例6)、1mM(製造例7)、3mM(製造例8)または10mM(製造例9)となるように溶媒Aに溶解させ、メントール含有試料を得た。
(製造例10〜15)
製造例3において、メントールをその濃度が0.03mM(製造例10)、0.1mM(製造例11)、0.3mM(製造例12)、1mM(製造例13)、3mM(製造例14)または10mM(製造例15)となるように溶媒Aに溶解させたことを除き、製造例3と同様の操作を行ない、カプサイシン−メントール含有試料を得た。
(参考例1)
製造例1で得られたTRPV1発現細胞を溶媒A中、37℃で2分間振盪させながらインキュベーションすることにより、TRPV1発現細胞を洗浄した。つぎに、洗浄後のTRPV1発現細胞を溶媒Aが入った循環定温チャンバーに入れた。循環定温チャンバー中のTRPV1発現細胞に、電極の先端を接触させ、電流記録ソフトウェア〔モルキュラーデバイス社製、商品名:pCLAMP10〕と電流記録装置〔モルキュラーデバイス社製、商品名:Axopatch 200B Amplifier〕とを用い、電圧を−60mVに固定したときの電流変化を測定した。測定開始時から30秒間経過後に、TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例2で得られたカプサイシン含有試料を循環させることにより、TRPV1発現細胞をカプサイシンに曝露した。前記カプサイシン含有試料循環開始時から20秒間経過後に、TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例3で得られたカプサイシン−メントール含有試料を循環させることにより、TRPV1発現細胞をカプサイシンとメントールとに曝露した。前記カプサイシン−メントール含有試料循環開始時から15秒間経過後に、TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例2で得られたカプサイシン含有試料を循環させることにより、TRPV1発現細胞をカプサイシンに曝露した。前記カプサイシン含有試料循環開始時から30秒間経過後に、電流変化の測定を終了した。
参考例1において、TRPV1発現細胞における電流の経時的変化を調べた結果を図1に示す。図中、黒色バーはTRPV1発現細胞をカプサイシンに曝露した期間、白色バーはTRPV1発現細胞をカプサイシンとメントールとに曝露した期間を示す。
図1に示された結果から、TRPV1発現細胞をカプサイシンのみに曝露した期間における電流に比べ、TRPV1発現細胞をカプサイシンとメントールとに曝露した期間における電流が低いことがわかる。したがって、これらの結果から、メントールは、TRPV1活性抑制作用を示すことがわかる。
(参考例2)
(1)FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞の調製
製造例1で得られたTRPV1発現細胞を、細胞内カルシウムイオン測定用試薬であるFURA 2−AM(ライフテクノロジーズ社製)を最終濃度5μMで含む10質量%FBS含有DMEM中、室温(25℃)で60分間インキュベーションすることにより、前記TRPV1発現細胞にFURA 2−AMを導入し、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を得た。
(2)蛍光強度の測定
参考例2(1)で得られたFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を循環定温チャンバー付蛍光測定装置〔浜松ホトニクス(株)製、商品名:ARGUS−50〕の循環定温各チャンバーに入れた。その後、各チャンバー中のFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を、溶媒Aで洗浄した。以下において、循環定温チャンバーにおいて、励起波長340nmにおけるTRPV1発現細胞に導入され、かつ細胞内のカルシウムイオンに結合したFURA 2−AMに基づく蛍光の強度(以下、「蛍光強度340nm」という)および励起波長380nmにおけるTRPM1発現細胞に導入されたFURA 2−AMに基づく蛍光の強度(以下、「蛍光強度380nm」という)を経時的に測定した。
洗浄後のFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例4で得られたメントール含有試料を循環させることにより、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をメントールに曝露した。メントール含有試料循環開始時から75秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例10〜15で得られたカプサイシン−メントール含有試料を循環させることにより、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンとメントールとに曝露した。カプサイシン−メントール含有試料循環開始時から75秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例4で得られたメントール含有試料を循環させることにより、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をメントールに曝露した。メントール含有試料循環開始時から75秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、溶媒Aを循環させた。溶媒Aの循環開始時から100秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例2で得られたカプサイシン含有試料を50秒間循環させた。
(3)活性の算出
FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンのみに曝露したときの測定された蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmから、Δ蛍光強度比アゴニストを算出した。前記Δ蛍光強度比アゴニストは、式(VI)に基づいて算出した。なお、前記対照は、溶媒Aである。
また、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンとメントールとに曝露したときの蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmから、Δ蛍光強度比メントールを算出した。前記Δ蛍光強度比メントールは、式(III)に基づいて算出した。なお、前記対照は、溶媒Aである。
算出されたΔ蛍光強度比アゴニストとΔ蛍光強度比メントールとから、活性メントールを算出した。なお、活性メントールは、式(VIII):
に基づいて算出した。また、前記において、製造例4で得られたメントール含有試料を用いる代わりに、製造例5〜9で得られたメントール含有試料を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、活性メントールを求めた。
参考例2において、メントール濃度と活性との関係を調べた結果を図2に示す。
図2に示された結果から、被験試料におけるメントール濃度が少なくとも3mMである場合、活性(活性メントール)が顕著に抑制されることがわかる。したがって、これらの結果から、メントールによるTRPV1活性抑制作用は、被験試料におけるメントール濃度が少なくとも3mMであることが好ましいことがわかる。
(製造例16)
メントール、被験物質としてのポリエチレングリコール(オキシエチレン基の平均付加モル数が1500;以下、「PEG1500」いう)およびカプサイシンをメントールの濃度が5mM、PEG1500の濃度が0.01質量%およびカプサイシンの濃度が0.1μMとなるように溶媒Aに溶解させ、被験試料を得た。
また、メントールおよびPEG1500をメントールの濃度が5mMおよびPEG1500の濃度が0.01質量%となるように溶媒Aに溶解させ、比較試料を得た。
(製造例17)
製造例16において、被験物質としてPEG1500を用いる代わりにポリエチレングリコール(オキシエチレン基の平均付加モル数が1500;以下、「PEG400」いう)を用いたことを除き、製造例16と同様の操作を行ない、被験試料および比較試料を得た。
(製造例18)
メントール、被験物質としてのエタノールおよびカプサイシンをメントールの濃度が5mM、エタノールの濃度が1Mおよびカプサイシンの濃度が0.1μMとなるように溶媒Aに溶解させ、被験試料を得た。
また、メントールおよびエタノールをメントールの濃度が5mMおよびエタノールの濃度が1Mとなるように溶媒Aに溶解させ、比較試料を得た。
(製造例19)
製造例18において、被験物質としてエタノールを用いる代わりにプロピレングリコールを用いたことを除き、製造例18と同様の操作を行ない、被験試料および比較試料を得た。
(製造例20)
メントール、被験物質としてのカプサゼピンおよびカプサイシンをメントールの濃度が5mM、カプサゼピンの濃度が1μMおよびカプサイシンの濃度が0.1μMとなるように溶媒Aに溶解させ、被験試料を得た。
また、メントールおよびカプサゼピンをメントールの濃度が5mMおよびカプサゼピンの濃度が1μMとなるように溶媒Aに溶解させ、比較試料を得た。
(製造例21)
製造例20において、被験物質としてカプサゼピンを用いる代わりにルテニウムレッドを用いたことを除き、製造例20と同様の操作を行ない、被験試料および比較試料を得た。
(製造例22)
メントールをその濃度が5mMとなるように溶媒Aに溶解させ、メントール含有試料を得た。
(実施例1)
(1)FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞の調製
参考例2(1)と同様の操作を行ない、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を得た。
(2)蛍光強度の測定
実施例1(1)で得られたFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を循環定温チャンバー付蛍光測定装置〔浜松ホトニクス(株)製、商品名:ARGUS−50〕の各循環チャンバーに入れた。その後、各チャンバー中のFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を、溶媒Aで洗浄した。以下において、循環定温チャンバーにおいて、蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmを経時的に測定した。
洗浄後のFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例22で得られたメントール含有試料を循環させた。前記メントール含有試料循環開始時から75秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例3で得られたカプサイシン−メントール含有試料を循環させた。前記カプサイシン−メントール含有試料循環開始時から75秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例22で得られたメントール含有試料を循環させた。前記メントール含有試料循環開始時から75秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、溶媒Aを循環させた。溶媒Aの循環開始時から100秒間経過後、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞が入った循環定温チャンバー内において、製造例2で得られたカプサイシン含有試料を50秒間循環させ、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンのみに曝露した。
(3)活性の算出
FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンのみに曝露したときの測定された蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmを用い、式(VI)に基づいてΔ蛍光強度比アゴニストを算出した。
また、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンとメントールとに曝露したときの蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmから、Δ蛍光強度比メントールを算出した。前記Δ蛍光強度比メントールは、式(III)に基づいて算出した。
算出されたΔ蛍光強度比アゴニストとΔ蛍光強度比メントールとから、活性メントールを算出した。なお、活性メントールは、式(VIII)に基づいて算出した。
また、前記において、製造例22で得られたメントール含有試料を用いる代わりに製造例16〜21で得られた比較試料を用いたことおよび製造例3で得られたカプサイシン−メントール含有試料を用いる代わりに製造例16〜21で得られた被験試料を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmを経時的に測定した。
FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞をカプサイシンのみに曝露したときの測定された蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmを用い、式(VI)に基づいてΔ蛍光強度比アゴニストを算出した。
また、FURA 2−AM導入TRPV1発現細胞に被験試料を接触させることによってFURA 2−AM導入TRPV1発現細胞を被験物質とカプサイシンとメタノールとに曝露したときの蛍光強度340nmおよび蛍光強度380nmから、Δ蛍光強度比被験物質を算出した。前記Δ蛍光強度比被験物質は、式(II)に基づいて算出した。なお、前記対照は、溶媒Aである。
算出されたΔ蛍光強度比アゴニストとΔ蛍光強度比被験物質とから、活性被験物質を算出した。なお、活性被験物質は、式(IX):
に基づいて算出した。
実施例1において、被験試料に含まれる被験物質の種類と活性との関係を調べた結果を図3に示す。図中、レーン1はメントール含有試料(メントールのみ)を用いたときの活性(活性メントール)、レーン2は被験物質としてPEG1500を含む製造例16で得られた被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)、レーン3は被験物質としてPEG400を含む製造例17で得られた被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)、レーン4は被験物質としてエタノールを含む製造例18で得られた被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)、レーン5は被験物質としてプロピレングリコールを含む製造例19で得られた被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)、レーン6は被験物質としてカプサゼピンを含む製造例20で得られた被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)、レーン7は被験物質としてルテニウムレッドを含む製造例21で得られた被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)を示す。
図3に示された結果から、メントール含有試料を用いたときの活性(活性メントール)および被験物質としてカプサセピンおよびルテニウムレッドのそれぞれを含む被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)は、100%未満であることがわかる。なお、被験物質としてカプサセピンおよびルテニウムレッドのそれぞれを含む被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)は、80%を超えているのに対し、メントール含有試料を用いたときの活性(活性メントール)は、50%未満であることがわかる。したがって、これらの結果から、カプサセピンおよびルテニウムレッドは、メントールと比べて顕著に弱いTRPV1活性抑制作用を有していることが示唆される。これに対し、被験物質としてPEG1500、PEG400、エタノールおよびプロピレングリコールのそれぞれを含む被験試料を用いたときの活性(活性被験物質)は、100%を超えていることから、TRPV1活性化作用を有していることがわかる。
(4)抑制比率の算出
実施例1(3)で算出されたΔ蛍光強度比アゴニストおよびΔ蛍光強度比被験物質を用い、抑制率被験物質を算出した。抑制率被験物質は、式(IV)に基づいて算出した。また、実施例1(3)で算出されたΔ蛍光強度比アゴニストおよびΔ蛍光強度比メントールを用い、抑制率メントールを算出した。抑制率メントールは、式(V)に基づいて算出した。算出された抑制率被験物質および抑制率メントールを用い、抑制比率を算出した。抑制比率は、式(VII)に基づいて算出した。
実施例1において、被験試料に含まれる被験物質の種類と抑制比率との関係を調べた結果を図4に示す。図中、レーン1はメントール含有試料(メントールのみ)を用いたときの抑制比率、レーン2は被験物質としてPEG1500を含む製造例16で得られた被験試料を用いたときの抑制比率、レーン3は被験物質としてPEG400を含む製造例17で得られた被験試料を用いたときの抑制比率、レーン4は被験物質としてエタノールを含む製造例18で得られた被験試料を用いたときの抑制比率、レーン5は被験物質としてプロピレングリコールを含む製造例19で得られた被験試料を用いたときの抑制比率、レーン6は被験物質としてカプサゼピンを含む製造例20で得られた被験試料を用いたときの抑制比率、レーン7は被験物質としてルテニウムレッドを含む製造例21で得られた被験試料を用いたときの抑制比率を示す。
抑制比率が、130以上である場合、メントールによるTRPV1活性抑制作用が被験物質によって相加的ではなく、相乗的に増幅されていることが示唆される。図4に示された結果から、被験物質としてカプサゼピンを含む製造例20で得られた被験試料および被験物質としてルテニウムレッドを含む製造例21で得られた被験試料のそれぞれを用いたときの抑制比率は、140を超えていることがわかる。なお、図3に示された結果から、カプサゼピンおよびルテニウムレッドは、TRPV1活性抑制作用を有していることが、メントールと比べて著しく小さいことが示唆されている。したがって、これらの結果から、カプサゼピンおよびルテニウムレッドは、メントールによるTRPV1活性抑制作用を相乗的に増幅していることがわかる。
これに対し、被験物質としてPEG1500を含む製造例16で得られた被験試料、被験物質としてPEG400を含む製造例17で得られた被験試料、被験物質としてエタノールを含む製造例18で得られた被験試料および被験物質としてプロピレングリコールを含む製造例19で得られた被験試料のそれぞれを用いたときの抑制比率は、80未満であることがわかる。したがって、これらの結果から、PEG1500、PEG400、エタノールおよびプロピレングリコールは、メントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅していないことがわかる。
以上の結果から、TRPV1アゴニストと被験物質とメントールとを含有する被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と、TRPV1アゴニストとメントールとを含有する比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と基づき、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを評価することができることがわかる。また、前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを評価する際に、前記TRPV1発現細胞を用いることにより、同一条件下に同時に何回も並行して評価を行なうことができることから、前記操作を行なうことにより、被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを再現性よく評価することができることがわかる。

Claims (2)

  1. 被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる作用を有する物質であるかどうかを評価する被験物質の評価方法であって、TRPV1発現細胞を、TRPV1アゴニストと被験物質とメントールとを含有する被験試料およびTRPV1アゴニストとメントールとを含有する比較試料のそれぞれに接触させ、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と、前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とを測定し、前記被験試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化と前記比較試料の接触前後のTRPV1発現細胞の細胞内カルシウム濃度の変化とに基づき、前記被験物質がメントールによるTRPV1活性抑制作用を増幅させる物質であるかどうかを評価する被験物質の評価方法であり、前記被験試料および比較試料のそれぞれにおけるメントールの濃度が10mM以下であることを特徴とする被験物質の評価方法。
  2. 前記被験試料および比較試料のそれぞれにおけるメントールの濃度が少なくとも3mMである請求項1に記載の評価方法。
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