JP6575942B2 - プロジェクトqcd管理システム - Google Patents
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Description
ソフトウェアの規模を測定する手法として、ソースコード行数を評価するSLOC(Source Line Of Code)やソフトウェアの機能数や複雑さを評価したFP(Function Point)法が広く知られている。また、規模を基に工数を見積る手法として、COCOMO(Constructive Cost Model)やCoBRA(Cost estimation,Benchmarking and Risk Assessment)法が著名である。
また工期の設定も必要であるが、必要な工期を見積る手法としてBoehmが考案した方法の簡略形で、工数だけを基に見積もる方法が著名である。
そして欠陥率の見積に関しては、COQUALMO(Constructive QUALity MOdel)があるが、複雑であり、一般には知られていない。
従来のソフトウェア開発工数見積支援システムでは、プロジェクトデータを回帰分析するなどして見積りを行なっている。(たとえば、特許文献1参照)
ソフトウェア開発工期の見積もり支援システムは、工数との関係を回帰分析した結果を用いるなどして見積を行っている。
欠陥率に関する見積支援システムは公になっているものは存在しない。
また欠陥率に対する見積り支援システムは無く、類似システムの平均値を用いるしかないため、欠陥率を目標以下にするために工数を幾ら増加すべきか、工期をどの程度伸ばすか等は、感に頼らざるを得ない状況であった。
また従来見積もることが出来なかった欠陥率に関し、従来の工期の見積に近い精度の見積もりを可能にすることを目的にするものである。
また目標とする工数、工期、欠陥率とするためには、平均要員数、ピーク要員数、専任率などのプロジェクト管理指標をどれだけ改善すれば良いかのシミュレーションをシミュレーション装置によって実現する。
また、QCD間のトレードオフ関係をモデル化することにより、欠陥率を幾ら改善するには工期を何日延長すればよいかなどのシミュレーションも可能にする。
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるプロジェクトQCD管理システムを示す構成図である。
図1において、QCD見積機生成装置1は、与えられたプロジェクト管理実績データ6を入力とし、QCD見積機11とQCDシミュレーション機12を生成するための装置である。QCD見積装置2は、新規又は再構築プロジェクトの見積りを行うためのデータを入力とし、QCD見積機11を用いて、工数、工期そして欠陥率の見積りに必要な情報を推論する装置である。
なお、QCD見積機生成装置1とQCD見積装置2とシミュレーション機3は、それぞれ計算機によって構成される。
変数構築機7は、プロジェクト管理実績データ6のデータ項目を組み合わせ、出力値(工数、工期、欠陥率)や他変数と関連度の高い変数を構築する。
QCD見積モデル構築機8は、共分散構造分析モデルを利用して実現され、プロジェクト管理実績データ6の統計情報から工数、工期、欠陥率各々の見積りを推論するQCD見積モデル9を生成する。
モデル検定機10は、機械学習機によって生成されたQCD見積モデル9を検定し、その精度を検証する部分で、統計的有意が認められる変数間の相関だけを残す様、モデルをチューニングする。
QCD見積機11は、QCD見積機生成装置1によってチューニングされたQCD見積モデル9を元にQCD見積りを行う部分である。
QCDシミュレーション機12は、QCD見積機生成装置1によってチューニングされたQCD見積モデル9を元にQCDのシミュレーションを行う部分である。
QCD見積機11はユーザ端末からのユーザインターフェースの内のプロジェクト変数14を受けて、見積値15をユーザ端末に返す。
QCDシミュレーション機はユーザ端末5からQCDの目標値16を受けて、その改善値を達成するに必要なプロジェクト管理指標の変数の改善巾17を返す。
図2において、プロジェクト管理実績データ6として、ソフトウェア開発QCD見積りのための指標を示し、各指標について単位、備考を示している。
まず、図3に従い、実施の形態1のQCD見積機生成装置1の動作について説明する。
処理310で、過去に蓄積されたプロジェクト管理実績データを変数構築機7に入力する。次に、処理311で平均要員数と工期及び工数を組み合わせて専任率を導出し、平均要員数、ピーク要員数そして専任率を掛け合わせた、ピーク要員比率という指標を設ける。この指標はQCDとの相関が非常に強く、工期と欠陥率の見積精度を上げている。
処理312では、変数間相互の因果関係をパス図モデルとして作成する。パス図モデル設定後、処理313で、プロジェクト管理実績データをQCD見積モデル構築機8に入力し、共分散構造分析を行うことで、有意な相関のパスのみを残したQCD見積モデル9を生成し、処理314で、QCD見積モデル9の推定精度検定を行う。
共分散構造分析ではデータの欠測値があってもそのデータを補完する機能を設定することで、欠測値があるプロジェクト管理実績データも生かすことで、見積精度の高いモデルを生成する。
処理316の検定で十分な見積り精度が出ると判定された場合、生成されたQCD見積モデル9をQCD見積機11として出力し、処理を終了する。
処理410では、QCDの見積を行いたいプロジェクト変数14をユーザ端末4から入力する。処理420では、変数をQCD見積機11に入力し、QCDの見積値15をユーザ端末4へ出力する。
QCD見積モデルは、共分散構造分析を用いることで、変数及びQCD間の相互関係を定量的に表し、変数やQCDの一つが変動した時、他の変数やQCDがどの程度影響を受けるかの算定を可能にする。この機能を用いてシミュレーションを可能にする。
処理510では、QCDの目標値16をユーザ端末4から入力する。処理520では、目標値をQCDシミュレーション機12に入力し、目標値とするために必要な変数の改善巾17をユーザ端末4へ出力する
2 QCD見積装置
3 シミュレーション装置
4 ユーザ端末1
5 ユーザ端末2
6 プロジェクト管理実績データ
7 変数構築機
8 QCD見積モデル構築機
9 QCD見積モデル
10 モデル検定機
11 QCD見積機
12 QCDシミュレーション機
13 ユーザインターフェース
14 プロジェクト変数
15 見積値
16 目標値
17 変数の改善巾
Claims (3)
- 入力されたプロジェクト管理実績データから、ソフトウェア開発の工数(C)、工期(D)及び欠陥率(Q)各々の見積りを推論するQCD見積モデルを生成するQCD見積機生成装置と、
入力された、工数(C)、工期(D)及び欠陥率(Q)の見積りを行うためのプロジェクト変数と、前記QCD見積モデルから、工数(C)、工期(D)及び欠陥率(Q)の見積値を生成するQCD見積装置と、
入力された、工数(C)、工期(D)及び欠陥率(Q)の目標値と、前記QCD見積モデルを用いたシミュレーションを行い、前記見積値を前記目標値とするための前記プロジェクト変数の改善巾を出力するシミュレーション装置と、
を備え
前記プロジェクト管理実績データは、平均要員数及びピーク時要員数を変数として含み、
前記QCD見積機生成装置は、
平均要員数、ピーク時要員数、工期(D)及び工数(C)を組み合わせて導出される専任率と、前記平均要員数、前記ピーク時要員数及び前記専任率から導出される、工数(C)、工期(D)及び欠陥率(Q)との相関が強いピーク要員比率とを指標として用いて、前記QCD見積モデルの精度を検証する
ことを特徴とするプロジェクトQCD管理システム。 - 前記QCD見積機生成装置は、前記プロジェクト管理実績データに対して共分散構造分析を用いることで前記QCD見積モデルを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクトQCD管理システム。 - 前記共分散構造分析には、欠測値を補完する機能が設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクトQCD管理システム。
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