以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ノード装置1000の構成を示すブロック図である。
光ノード装置1000は、光搬送波周波数単位で複数の通信路1400を切替える大粒度切替部1100、通信路1400を介してクライアント信号を送受信する光トランスポンダ装置1200、および制御部1300を有する。
制御部1300は、大粒度切替部1100と光トランスポンダ装置1200の動作を制御する。すなわち、制御部1300は、複数の通信路1400を切替える契機を検出した際に、大粒度切替部1100と光トランスポンダ装置1200に対して通知を行う。
大粒度切替部1100は、この通知を受け付けたときに、通信路1400を例えば通信路1401から通信路1402に切替える。
光トランスポンダ装置1200は、クライアント信号の信号帯域を削減する帯域可変部1220を備える。ここで帯域可変部1220は、大粒度切替部1100が切替えた後の通信路1402の通信品質に応じてクライアント信号の信号帯域を削減する。そして、光トランスポンダ装置1200は、この通知を受け付けたときに、帯域可変部1220においてクライアント信号の帯域を削減した信号光を、大粒度切替部1100が切替えた後の通信路1402に送出する。
このような構成とすることにより、本実施形態の光ノード装置1000によれば、通信路1400の切替えを大粒度切替部1100によって行うことができるので、光・電気・光(OEO)変換を介する必要がない。そのため、通信路1400の切替えに伴う消費電力の増大を抑制することができる。
さらに、本実施形態の光ノード装置1000では、光トランスポンダ装置1200が、クライアント信号の信号帯域を削減する帯域可変部1220を備えた構成としている。すなわち、光ネットワークの送受信端において信号光の帯域幅を削減する構成としているので、経由する全ての通信路において信号光の帯域幅を削減することができる。その結果、光ネットワーク全体としての光周波数利用効率を向上させることが可能となる。
ところで光通信システムにおいては、通信路1400の経路長や通過する光ノード装置の個数によって通信路1400の通信品質が異なる。例えば、切替えた後の通信路1402の経路長が、切替える前の通信路1401の経路長よりも長い場合、通信路1402に切替えることによって通信品質は劣化してしまう。このとき、切替える前の通信路1401と同一の通信量(トラヒック)を確保するために、切替えた後の通信路1402における信号光の帯域幅を増大する必要が生じる。そのため、切替えた後の通信路1402におけるトラヒックの収容効率が低下する、という問題があった。
しかし本実施形態の光ノード装置1000においては、帯域可変部1220が、切替えた後の通信路1402の通信品質に応じてクライアント信号の信号帯域を削減する構成としている。そのため、本実施形態の光ノード装置1000によれば、通信品質が劣る通信路1402に切替えた場合であっても、トラヒックの収容効率の低下を回避し、高い効率でトラヒックを収容することが可能となる。
なお、制御部1300は、通信路1400における障害を検出した際に、上述の通知を行うこととすることができる。そして、大粒度切替部1100が切替えた後の通信路1402において利用可能な最小光周波数帯域幅の個数である障害時帯域スロット数を、制御部1300が通信路1402の通信品質に基づいて決定する。このとき、光トランスポンダ装置1200は、帯域可変部1220が障害時帯域スロット数に基づいてクライアント信号の帯域を削減した信号光を送出する構成とすることができる。
また、光トランスポンダ装置1200は、信号光を送受信する光送受信装置を備える。そして、光送受信装置が、大粒度切替部1100が切替えた後の通信路1402を通して受信した信号光の信号品質を監視することにより、通信路1402の通信品質を取得する構成とすることができる。ここで、信号品質として例えばビット誤り率、または受信信号のシンボル点と理想シンボル点とのズレの分布を用いることができる。
次に、本実施形態による光通信システムについて説明する。本実施形態による光通信システムは、第1の光ノード装置、第2の光ノード装置、および第1の光ノード装置と第2の光ノード装置を接続する第1の通信路1401および第2の通信路1402を有する。ここで、第1の光ノード装置および第2の光ノード装置は、上述した光ノード装置1000の構成と同様である。
本実施形態による光通信システムは、第1の通信路1401および第2の通信路1402の通信品質をそれぞれ管理するネットワーク管理部をさらに備えた構成とすることができる。この場合、第1の光ノード装置および第2の光ノード装置がそれぞれ備える制御部は、第1の通信路1401における障害を検出した際に、大粒度切替部、光トランスポンダ装置、およびネットワーク管理部に対して上述の通知をそれぞれ行う。
そして、ネットワーク管理部は、上述の通知を受け付けたときに、第2の通信路1402において利用可能な最小光周波数帯域幅の個数である障害時帯域スロット数を、第2の通信路1402の通信品質に基づいて決定する。そして、この障害時帯域スロット数を第1の光ノード装置および第2の光ノード装置に通知する。このとき、帯域可変部が障害時帯域スロット数に基づいてクライアント信号の帯域を削減した信号光を、光トランスポンダ装置が第2の通信路1402に送出する構成とすることができる。
次に、本実施形態による光通信路切替方法について説明する。本実施形態による光通信路切替方法は、まず、複数の通信路を切替える契機を検出した際に、複数の通信路を光搬送波周波数単位で切替える。そして、切替えた後の通信路の通信品質に応じてクライアント信号の帯域を削減した信号光を、切替えた後の通信路に送出する。
このとき、通信路における障害を検出した際に、複数の通信路を光搬送波周波数単位で切替えることとすることができる。そして、切替えた後の通信路において利用可能な最小光周波数帯域幅の個数である障害時帯域スロット数を、通信品質に基づいて決定し、この障害時帯域スロット数に基づいてクライアント信号の帯域を削減した信号光を送出する構成とすることができる。
以上説明したように、本実施形態の光ノード装置、光通信システム、および光通信路切替方法によれば、基幹系光ネットワークにおいて、消費電力の増大および光ネットワーク全体としての光周波数利用効率の低下を招くことなく、光通信路を切替えることができる。さらに、通信品質が劣る通信路に切替えた場合であっても、トラヒックの収容効率の低下を回避し、高い効率でトラヒックを収容することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る光通信システムについて、図2A、2Bに示した光通信システムの構成を例に用いて説明する。
図2A、2Bに示した光通信システムは、可変大粒度ノード装置210−1〜6、可変大粒度ノード装置210−1〜6とそれぞれ接続する運用パス117−1〜2および予備パス118から構成される。
通常動作時は図2Aに示すように、可変大粒度ノード装置210−1と可変大粒度ノード装置210−2、および可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4がそれぞれ運用パス117−1、117−2を介して通信を行う。一方、運用パス117−1〜2において障害が発生した場合には、図2Bに示すように、可変大粒度ノード装置210−5と可変大粒度ノード装置210−6を経由する予備パス118を用いてそれぞれ通信を行う。ここで、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4とを接続する予備パス118の経路長は、運用パス117−2の経路長よりも長いものとする。
可変大粒度ノード装置210−1と可変大粒度ノード装置210−2との間の通信を用いて、本実施形態による光通信システムについて、さらに詳細に説明する。
図3A、3Bに示すように、本実施形態の光通信システムは、ネットワーク資源管理部101、可変大粒度ノード装置210−1〜2、可変大粒度ノード装置210−1〜2と接続する運用パス117、および予備パス118を有する。ネットワーク資源管理部101がネットワーク管理部に、可変大粒度ノード装置210−1〜2が第1の光ノード装置および第2の光ノード装置に、運用パス117が第1の通信路に、予備パス118が第2の通信路に、それぞれ対応する。
可変大粒度ノード装置210−1は、可変大粒度切替装置105−1、帯域可変光トランスポンダ(TPND)107−1、および制御機能部113−1を備える。同様に、可変大粒度ノード装置210−2は、可変大粒度切替装置105−2、帯域可変光トランスポンダ(TPND)107−2、および制御機能部113−2を備える。ここで、可変大粒度切替装置105−1〜2が大粒度切替部に、帯域可変光トランスポンダ(TPND)107−1〜2が第1および第2の光トランスポンダ装置に、制御機能部113−1〜2が第1および第2の制御部に、それぞれ対応する。
ネットワーク資源管理部101は、図2A、図2Bに示した全ての可変大粒度ノード装置210−1〜6に接続されている。ネットワーク資源管理部101と制御機能部113−1〜2との間では、通知信号109−1〜2が送受信される。通知信号109−1〜2には、ネットワーク資源管理情報、運用パス117および予備パス118における障害発生時の障害通知、および可変大粒度ノード装置210−1〜2の間の通信確立通知、などが含まれる。
制御機能部113−1は、帯域可変光TPND107−1および可変大粒度切替装置105−1に通知信号109−1を送出する。同様に、制御機能部113−2は、帯域可変光TPND107−2および可変大粒度切替装置105−2に通知信号109−2を送出する。
帯域可変光TPND107は、図3Cに示すように、帯域可変部106、光送受信装置119、クライアントインターフェース120を備える。光送受信装置119および帯域可変部106は、制御機能部113から制御信号を受信する。帯域可変部106はクライアントインターフェース120に対してトラヒック抑制信号送出の命令123を送出する。
ここで、可変大粒度切替装置105は光搬送波周波数単位で通信路を切替える。すなわち、可変大粒度切替装置105は、基幹伝送通信路の最小光周波数帯域幅以上の粒度で方路の切り替えを実施する装置である。例えば、基幹伝送通信路が波長パスの場合には、最小光周波数帯域幅の粒度は光搬送波周波数グリッドの粒度である。この場合、可変大粒度切替装置としては帯域可変光クロスコネクト装置が該当する。具体的には例えば、可変大粒度切替装置105は図4に示すように、通信路117−1〜4上の異なる光帯域スロット数を有する通信126−1〜3を、異なる方路に切り替える。
次に、本実施形態による光通信システムの動作について詳細に説明する。本実施形態の光通信システムによれば、複数の運用パスにおいて障害が発生した場合であっても、通信途絶を防止しつつ予備パスへの切り替えを実現する障害復旧が可能となる。
まず、図2A、図3Aに示した通常動作時における動作について説明する。図2Aに示すように通常動作時は、運用パス117−1〜2を介して、二拠点間の通信を確立する。
図3Aに示すように、ネットワーク資源管理部101は、拠点間通信トラヒック量および光通信システム上で利用可能なネットワーク資源に応じて、二拠点間の通信に利用可能な予め定められた最小光周波数帯域幅(以下、「帯域スロット」と呼ぶ)単位での割当数を決定する。そして、ネットワーク資源管理部101は決定した割当数を制御機能部113−1〜2にそれぞれ通知する。
ネットワーク資源管理部101は、例えば図5に示すように、通常動作時および障害発生時における契約帯域スロット数を拠点間の通信毎に管理する。ここで、通常動作時における契約帯域スロット数である運用パス帯域スロット数は、いずれの拠点間の通信においても4個であるとする。一方、障害発生時における契約帯域スロット数である予備パス帯域スロット数は、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信においては例えば8個とする必要がある。この理由を以下に述べる。
可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4とを接続する予備パス118の経路長は、上述したように、運用パス117−2の経路長よりも長くなる。そのため、予備パスを収容する迂回通信路の信号光品質は劣化する。そこで、例えば、運用パスでは変調方式として16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)方式を採用した場合、予備パスにおいては多値数が低いQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4位相偏移変調)方式を採用することが考えられる。しかしながら、QPSK方式におけるビットレートは16QAM方式におけるビットレートの半分であるため、16QAM方式を採用した場合と同一のトラヒックを通信するためには、予備パスの光帯域幅、すなわち予備パスの帯域スロット数を2倍とする必要がある。したがって、運用パスの帯域スロット数を4個とした場合、予備パスの帯域スロット数は8個とする必要がある。
可変大粒度ノード装置210−1〜6においては、帯域可変光TPND107が備える帯域可変部106が、通知された帯域スロット数に応じてクライアント信号を多重・分離する。そして、帯域可変光TPND107を用いて二拠点間の通信を確立する。
通信路に収容可能な最大帯域は、通常、クライアント信号の帯域の合計値以下であるため、帯域可変部106は単なる多重回路または分離回路として機能する。例えば、光トランスポンダの最大帯域が100Gb/sである場合、クライアント信号として10Gb/s信号を10本、または25Gb/s信号を4本、収容可能である。
なお、本実施形態では、1対1で対向する帯域可変光TPND107を用いて一つの運用パスによる通信を実施する場合について説明する。しかしこれに限らず、対向する複数の帯域固定光トランスポンダを集約(アグリゲート)して一つの運用パスによる通信を確立させることとしてもよい。すなわち、帯域スロット数が4個である通信を、帯域スロット数がそれぞれ2個である通信用の帯域固定光トランスポンダを2組用いて行うこととしてもよい。
図2Bに示すように、運用パス117−1〜2において障害が発生した場合、予備パス118を介して二拠点間の通信を確立する。このとき図3Bに示すように、制御機能部113−1〜2からネットワーク資源管理部101に通知信号109−1〜2が送出される。ネットワーク資源管理部101は、予備パス上に収容する複数の運用パスの障害時帯域スロット数の総和が、予備パス用に割り当てられた帯域スロット数以下となるように、トラヒック量や優先度、最低帯域保証率に応じて障害時帯域スロット数を決定する。そして、決定した障害時帯域スロット数を制御機能部113−1〜2に通知する。
帯域可変光TPND107−1〜2が備える帯域可変部106が、障害時帯域スロット数に応じてクライアント信号の帯域を絞り込むことにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。具体的には、送信側の帯域可変光TPNDの備える帯域可変部106が、クライアントインターフェース120に対してトラヒック抑制信号送出の命令123を送出することにより、クライアント信号のトラヒック抑制を実施する。
ネットワーク資源管理部101は管理テーブル(図5参照)を用いて予備パス帯域スロット数を管理している。ここでネットワーク資源管理部101は、事前に取得した通信路品質情報、または帯域可変光TPNDにおいて算出されるビット誤り率(Bit Error Rate:BER)などの信号品質に基づいて予備パス帯域スロット数を決定する。上述したように、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信においては、運用パス帯域スロット数を4個とした場合、予備パス帯域スロット数は8個とする必要がある。
ここで、障害時帯域スロット数は、予備パス帯域スロット数と契約帯域に対する最低保証帯域の割合である最低帯域保証率に基づいて定める。すなわち、予備パス帯域スロット数(100%保証時)と最低帯域保証率の積の端数を切り上げた値に、障害時帯域スロット数を設定する。
障害時帯域スロットの割り当てにおいて、残帯域スロット数が1個以上ある場合には、最低帯域保証率がゼロの通信に対して1個分の障害時帯域スロットを割り当てる。最低帯域保証率がゼロの通信に対して、予備パス用の残帯域リソースが不足した場合には、Most−Used方式、First−Fit方式、均等割当方式、および予備パスの経路長が長い順による割当方式などに基づいて割り当てることができる。
図6は、障害発生時における経路切り替え動作を説明するためのシーケンス図である。可変大粒度ノード装置210−1〜2は、障害発生時に障害時帯域スロット単位で経路切り替えを実施する。
可変大粒度ノード装置210−1〜2は、運用パスにおいて障害が発生したことを検知すると、通知信号109をネットワーク資源管理部101に送出する(ステップS115−1)。ネットワーク資源管理部101は、障害発生の通知信号109を受信すると、ネットワーク資源管理テーブル(例えば図5)を参照し、障害時帯域スロット数を決定する(ステップS115−2)。次に、可変大粒度切替装置105−1〜2における切替帯域および接続する迂回通信路を決定する(ステップS115−3〜4)。そして、ネットワーク資源管理部101は、制御機能部113−1〜2に対して障害時設定情報を通知する。
障害時設定情報を受け付けた可変大粒度ノード装置210−1〜2の制御機能部113−1〜2は、可変大粒度ノード装置210−1〜2の各部へ障害時設定情報を通知する(ステップS115−5)。この障害時設定情報に基づいて、帯域可変光TPND107−1〜2が備える帯域可変部106の設定を行う(ステップS115−6)。そして、可変大粒度切替装置105−1〜2の切替帯域を帯域スロットの粒度で設定し(ステップS115−7)、可変大粒度切替装置105−1〜2が接続する通信路を迂回通信路へ切替える(ステップS115−8)。
図7に、本実施形態における障害復旧方式によって、障害時帯域スロット数を割り当てた結果を示す。予備パス118の帯域スロット数は、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信における予備パス帯域スロット数である8個となる。したがって、障害発生時には、障害時帯域スロット数に応じて、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信に対して4個のスロットが割り当てられる。なお、予備パス118の帯域スロット数を障害時帯域スロット数の総和としてもよい。
帯域スロット数を割り当てる代わりに、割り当てる光周波数帯域を、光周波数帯域幅の絶対値(例えば、35GHzなど)で指定することとしてもよい。これにより、運用パスを収容するための光周波数帯域幅を連続的に可変させることができる。
一般に通信には、サービス内容によって緊急性は高いが少ない帯域で十分な通信や、逆に帯域が確保されることを重視する通信もある。そのため例えば図8に示すように、多重障害に対して、障害の数に応じて運用パスのトラヒックに対する最低帯域保証率を異ならせる契約を行うことも考えられる。この場合、ネットワーク資源管理部101は障害数に応じた障害時帯域スロット数を制御機能部113−1〜2に通知する。そして、帯域可変光TPND107−1〜2によって、障害時帯域スロット数に応じた通信帯域に絞り込まれた信号光による通信が行われる。
以上説明したように、本実施形態の光通信システムによれば、運用パスにおいて障害が発生した場合、帯域可変部が障害時帯域スロット数に応じてクライアント信号の帯域を絞り込む。これにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。このとき、可変大粒度切替装置が、帯域スロット数に応じて経路の切り替えを行うので、大容量通信に対しても消費電力や装置規模の増大を伴わず、通信途絶を防止することができる。
すなわち、本実施形態の光通信システムによれば、基幹系光ネットワークにおいて、消費電力の増大および光ネットワーク全体としての光周波数利用効率の低下を招くことなく、光通信路を切替えることができる。
また、上述したように、光通信システムにおいては一般に、予備パスの経路長は、運用パスの経路長と比較して長くなる傾向がある。そのため、予備パスを収容する迂回通信路の信号光品質は劣化する。このとき、運用パスと同一のトラヒックを通信するためには、予備パスの光帯域幅が拡大する必要がある。したがって、迂回通信路の経路長が長い場合には、優先度が低いトラヒックを収容する運用パスに対応する予備パスにおいても、占有する光帯域幅が膨大になってしまう。すなわち、迂回通信路の経路長が長い場合には、予備パスにおけるトラヒックの収容効率が低下する、という問題があった。
しかし本実施形態の光通信システムによれば、帯域可変光TPND107−1が備える帯域可変部106が、切替えた後の通信路である予備パス118の通信品質に応じてクライアント信号の信号帯域を削減する構成としている。そのため、本実施形態の光通信システムによれば、通信品質が劣る予備パス118に切替えた場合であっても、トラヒックの収容効率の低下を回避し、高い効率でトラヒックを収容することが可能となる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図9A、9Bに、本発明の第3の実施形態に係る光通信システムの構成を示す。図9Aは本実施形態に係る光通信システムの通常状態における構成を示すブロック図であり、図9Bは障害発生時における構成を示すブロック図である。
本実施形態による光通信システムは、可変大粒度ノード装置211−1〜2を有し、可変大粒度ノード装置211−1〜2が備える制御機能部113−1〜2が通知信号109を直接送受信する構成とした点が、第2の実施形態による光通信システムと異なる。通知信号109には、可変大粒度ノード装置211−1〜2のノード資源管理情報、運用パス117および予備パス118における障害発生時の障害通知、および可変大粒度ノード装置211−1〜2間の通信確立の通知などが含まれる。
次に、本実施形態による光通信システムの動作について詳細に説明する。本実施形態の光通信システムによれば、運用パスにおいて障害が発生した場合であっても、通信途絶を防止しつつ予備パスへの切り替えを実現する障害復旧が可能となる。
まず、図9Aに示した通常動作時における動作について説明する。
制御機能部113−1〜2は、可変大粒度ノード装置211−1〜2間の通信トラヒック量および利用可能なネットワーク資源に応じて、二拠点間の通信に利用可能な予め定められた最小光周波数帯域幅単位での割当数を互いに通知する。この最小光周波数帯域幅を、以下では「帯域スロット」と呼ぶ。そして、制御機能部113−1〜2が、可変大粒度ノード装置211−1〜2間の通常動作時および障害発生時における契約帯域スロット数および最低帯域保証率を管理する。帯域可変光TPND107−1〜2が備える帯域可変部106が、通知された帯域スロット数に応じて、クライアント信号を多重・分離する。そして、帯域可変光TPND107−1〜2を用いて二拠点間の通信を確立する。
図9Bに示すように、運用パス117において障害が発生した場合、制御機能部113−1〜2は通知信号109を送出する。制御機能部113−1〜2は、予備パス上に収容する複数の運用パスの障害時帯域スロット数の総和が、予備パス用に割り当てられた帯域スロット数以下となるように、最低帯域保証率に応じて障害時帯域スロット数を決定する。制御機能部113−1〜2は、第2の実施形態におけるネットワーク資源管理部101が管理するネットワーク資源管理テーブルのうち、可変大粒度ノード装置211−1〜2を通過する通信に関して部分テーブルを構成する。そして、各制御機能部113−1〜2は、この部分テーブルを参照して障害時帯域スロット数を決定する。
帯域可変光TPND107−1〜2が備える帯域可変部106が、障害時帯域スロット数に応じてクライアント信号の帯域を絞り込むことにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。具体的には、送信側の帯域可変光TPNDの備える帯域可変部106が、クライアントインターフェース120に対してトラヒック抑制信号送出の命令123を送出することにより、クライアント信号のトラヒック抑制を実施する。
図10は、障害発生時における経路切り替え動作を説明するためのシーケンス図である。可変大粒度ノード装置211−1は障害の発生を検知すると、障害通知109を通信相手側の可変大粒度ノード装置211−2に送出する(ステップS116−1)。障害通知109を受信した後に、可変大粒度ノード装置211−1〜2は、それぞれが保持している資源管理テーブルを参照して、帯域使用状況、最低帯域保証率、および予備パスの通信品質を互いに通知する(ステップS116−2A〜2B)。
可変大粒度ノード装置211−1〜2は、通知された結果に基づいて、障害時帯域スロットの割り当てを決定する(ステップS116−3A〜3B)。次に、可変大粒度切替装置105−1〜2における切替帯域(ステップS116−4A〜4B)、および可変大粒度切替装置105−1〜2が接続する迂回路を決定する(ステップS116−5A〜5B)。
以上の処理ステップによって、障害時帯域スロットの割り当てが成功した場合には、図6に示したステップS115−5以降の手順により可変大粒度ノード装置211−1〜2の各部の設定を実施する(ステップS115−9A〜9B)。それに対して、割り当てに失敗した場合には、図10に示したステップS116−6(S115―2A〜5A、2B〜5B)の手順を再度実行する。これ以降の動作は第2の実施形態による光通信システムにおける場合と同様である。
以上説明したように、本実施形態の光通信システムによれば、運用パスにおいて障害が発生した場合、帯域可変部が障害時帯域スロット数に応じて、クライアント信号の帯域を絞り込む。これにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。このとき、可変大粒度切替装置が、帯域スロット数に応じて経路の切り替えを行うので、大容量通信に対しても消費電力や装置規模の増大を伴わず、通信途絶を防止することができる。
すなわち、本実施形態の光通信システムによれば、基幹系光ネットワークにおいて、消費電力の増大および光ネットワーク全体としての光周波数利用効率の低下を招くことなく、光通信路を切替えることができる。さらに、通信品質が劣る通信路に切替えた場合であっても、通信品質に基づいて障害時帯域スロット数を決定するので、トラヒックの収容効率の低下を回避し、高い効率でトラヒックを収容することが可能となる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11A、11Bに、本発明の第4の実施形態に係る光通信システムの構成を示す。図11Aは本実施形態に係る光通信システムの通常状態における構成を示すブロック図であり、図11Bは障害発生時における構成を示すブロック図である。
図11A、11Bに示すように、本実施形態による光通信システムは、可変大粒度ノード装置210−1〜6、可変大粒度ノード装置210−1〜6とそれぞれ接続する運用パス117−1および予備パス118−1〜2から構成される。
次に、本実施形態による光通信システムの動作について詳細に説明する。本実施形態の光通信システムによれば、複数の運用パスにおいて障害が発生した場合であっても、通信途絶を防止しつつ予備パスへの切り替えを実現する障害復旧が可能となる。
まず、図11Aに示した通常動作時における動作について説明する。
可変大粒度ノード装置210−1と可変大粒度ノード装置210−2は、運用パス117−1を介して通信を確立する。一方、予備パス118−2には、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信トラヒックが収容されている。
次に、図11Bに示すように、可変大粒度ノード装置210−1と可変大粒度ノード装置210−2との間の通信において、運用パス117−1および予備パス118−1の2箇所で障害が発生した場合について説明する。この場合、予備パス118−2を介して可変大粒度ノード装置210−1と可変大粒度ノード装置210−2との間の通信を確立する。
図12に、ネットワーク資源管理部101が備える管理テーブルの一例を示す。また、図13に、本実施形態における障害復旧方式によって、障害時帯域スロット数を割り当てた結果を示す。
可変大粒度ノード装置210−1と可変大粒度ノード装置210−2との間の通信において、運用パス117−1(図11B)に対して1重障害時の予備パスを予備パス118−1とする。予備パス118−1は、可変大粒度ノード装置210−5と可変大粒度ノード装置210−6を経由し、その経路長は運用パス117−1と同程度であるとする。この場合は、予備パス118−1に切替えても信号光品質が劣化することはないので、変調方式を変更する必要はない。したがって、1重障害発生時における予備パス帯域スロット数は、最低帯域保証率は100%として、運用パス帯域スロット数と同じ4個となる。図12の例では、契約時に定めた最低帯域保証率が50%であるため、1重障害時の予備パスの帯域スロット数は4個×0.5=2個となる(図13の予備パス118−1を参照)。
さらに、予備パス118−1に障害が発生した場合、予備パス118−2を使用する。この場合、予備パス118−2の通信路の長さ(経路長)は、運用パス117−1もしくは予備パス118−1に比べ長くなっている。そのため、信号光品質が劣化するので、多値数が低い変調方式に変更する必要がある。すなわち、第2の実施形態の場合(図5参照)と同様に、例えば16QAM方式からQPSK方式に変調方式を変更することが考えられる。この場合、QPSK方式におけるビットレートは16QAM方式におけるビットレートの半分であるため、16QAM方式を採用した場合と同一のトラヒックを通信するためには、予備パスの光帯域幅、すなわち予備パスの帯域スロット数を2倍とする必要がある。そのため、予備パス118−2の帯域スロット数(最低帯域保証率100%)は8個必要となる。
上述のように契約時に定めた最低帯域保証率が50%であるため、2重障害時の予備パスの帯域スロット数は8個×0.5=4個となる(図13の予備パス118−2の124−1を参照)。このように、障害時帯域スロット数は予備パス帯域スロット数と最低帯域保証率との積の端数を切り上げた値に設定することができる。
また、図11Bに示した可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信において、運用パス117−1に対する1重予備パスを予備パス118−2とする場合、予備パスの通信路が長くなるので、同様に変調方式を変更する必要が生じる。このとき上述したように、16QAM方式からQPSK方式へ変調方式を変更すると、帯域スロット数を2倍とする必要がある。そのため、1重障害時における予備パス118−2の帯域スロット数(最低帯域保証率100%)は8個となる。この場合、図12の例では契約時に定めた最低帯域保証率は0%であるため、1重障害時の予備パスの帯域スロット数は8個×0=0個となる。
ここで、さらに予備パス118−1に障害が発生しても、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信においては通信路の変更は生じない。そのため、2重障害時の予備パス118−2の帯域スロット数(最低帯域保証率100%)は8個のままである。この場合、上述のように契約時に定めた最低帯域保証率は0%であるので、2重障害時の予備パスの帯域スロット数は8個×0=0個となる。
なお、多重障害に対して、障害の数に応じて運用パスのトラヒックに対する最低帯域保証率を異ならせる契約を行うことも考えられる。この場合であっても、本実施形態を適用することができる。
以上説明したように、本実施形態の光通信システムによれば、運用パスおよび予備パスにおいて障害が発生した場合、帯域可変部が障害時帯域スロット数に応じて、クライアント信号の帯域を絞り込む。これにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。このとき、可変大粒度切替装置が、帯域スロット数に応じて経路の切り替えを行うので、大容量通信に対しても消費電力や装置規模の増大を伴わず、通信途絶を防止することができる。
すなわち、本実施形態の光通信システムによれば、基幹系光ネットワークにおいて、消費電力の増大および光ネットワーク全体としての光周波数利用効率の低下を招くことなく、光通信路を切替えることができる。さらに、通信品質が劣る通信路に切替えた場合であっても、通信品質に基づいて障害時帯域スロット数を決定するので、トラヒックの収容効率の低下を回避し、高い効率でトラヒックを収容することが可能となる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図14A、14Bに、本発明の第5の実施形態に係る光通信システムの構成を示す。図14Aは本実施形態に係る光通信システムの通常状態における構成を示すブロック図であり、図14Bは障害発生時における構成を示すブロック図である。
図14A、14Bに示すように、可変大粒度ノード装置212−1〜2は、運用パス117および予備パス118と接続している。可変大粒度ノード装置212−1は帯域可変光TPND126−1を備える。同様に、可変大粒度ノード装置212−2は帯域可変光TPND126−2を備える。
図14Cに、可変大粒度ノード装置212−1〜2が備える帯域可変光TPND126の構成を示す。図14Cに示すように、本実施形態の帯域可変光TPND126は光スペクトル整形設定部125をさらに備えた構成とした点が、第2の実施形態による帯域可変光TPND107と異なる。ここで、光スペクトル整形設定部125は、光送受信装置119に対して信号光の光スペクトル整形の設定を通知する機能を有する。
次に、本実施形態による光通信システムの動作について詳細に説明する。本実施形態の光通信システムによれば、運用パスにおいて障害が発生した場合であっても、通信途絶を防止しつつ予備パスへの切り替えを実現する障害復旧が可能となる。
まず、図14Aに示した通常動作時における動作について説明する。
ネットワーク資源管理部101は、例えば図15に示すようなネットワーク資源管理テーブルを備え、二拠点間の通信における通常時の通信容量を制御機能部113−1〜2にそれぞれ通知する。光スペクトル整形設定部125は、通知された通信容量に応じて、光送受信装置119の信号光の帯域スロット数および光周波数利用効率の設定パラメータとして例えばロールオフ率を設定する。そして、帯域可変光TPND126−1〜2を用いて二拠点間の通信を確立する。このとき、光スペクトル整形設定部125によって、単位周波数当たりの通信容量、すなわち周波数利用効率を可変することが可能となる。
図14Bに示すように、運用パス117において障害が発生した場合、ネットワーク資源管理部101は管理している最低保証通信容量を制御機能部113−1〜2に通知する。光スペクトル整形設定部125は、最低保証通信容量の通知結果に応じて、最低保証通信容量を満たすように光スペクトル整形の設定パラメータ(図15の例では障害時ロールオフ率)を算出し、光送受信装置119に通知する。
光スペクトル整形の設定パラメータの一例として、ナイキストパルスのロールオフ率(r)について説明する。図16に、ロールオフ率rを変化させたときの周波数利用効率の増率(ΔC)の変化を示す。同図では、ロールオフ率が1のときの周波数利用効率の増率を1とした。このとき、ロールオフ率rと周波数利用効率の増率ΔCの関係は次式で与えられる。
ΔC=(1−r)/2+1
ここで、変調方式が偏波多重QPSK(Polarization−Multiplexed Quadrature Phase Shift Keying:PM−QPSK)方式である場合、ロールオフ率が1の場合の周波数利用効率は2bit/s/Hzである。ロールオフ率を0に設定した場合、周波数利用効率は2×1.5=3bit/s/Hzである。したがって、周波数帯域が12.5GHzである単位帯域スロットでは、ロールオフ率を変更することにより、単位帯域スロットに収容可能なトラヒック量は25Gb/sから37.5Gb/sに増大する。
なお、基幹伝送通信路の構成によっては、ロールオフ率を低減することによって通信品質が劣化する場合がある。そのため、ネットワーク資源管理部101は、事前に取得した通信路品質情報、または帯域可変光TPNDにおいて算出されるビット誤り率(Bit Error Rate:BER)などの信号品質に基づいて、障害時ロールオフ率の下限を決定する。
ここで、障害時帯域スロット数は、予備パス帯域スロット数と最低帯域保証率、および障害時ロールオフ率に基づいて定める。すなわち、予備パス帯域スロット数(100%保証時)と最低帯域保証率の積にさらに障害時ロールオフ率を乗算した値の端数を切り上げた値に、障害時帯域スロット数を設定する。
障害時帯域スロットの割り当てにおいて、残帯域スロット数が1個以上ある場合には、最低帯域保証率がゼロの通信に対して1個分の障害時帯域スロットを割り当てる。最低帯域保証率がゼロの通信に対して、予備パス用の残帯域リソースが不足した場合には、Most−Used方式、First−Fit方式、均等割当方式、および予備パスの経路長が長い順による割当方式などに基づいて割り当てることができる。
図17に、本実施形態における障害復旧方式によって、障害時帯域スロット数を割り当てた結果を示す。予備パス118の帯域スロット数は、可変大粒度ノード装置210−3と可変大粒度ノード装置210−4との間の通信における予備パス帯域スロット数である8個である。
障害発生時には、運用パス117−1上の通信124−1(可変大粒度ノード装置210−1〜2間の通信)に対して、障害時ロールオフ率を0.85とし、3個の障害時帯域スロットを割り当てる。また、運用パス117−2上の通信124−2(可変大粒度ノード装置210−3〜4間の通信)に対して、障害時ロールオフ率を1とし、5個の障害時帯域スロットを割り当てる。以上により、予備パス118に通信124−1と通信124−2を収容することができる。
上述の説明では、光スペクトル整形設定部125を用いて光スペクトル整形を実施することにより、光周波数利用効率を変化させることとした。しかし、これに限らず、変調方式を可変にすること、または直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)信号光のサブキャリア数を変更すること、などにより光周波数利用効率を変更することとしてもよい。
上述したように、本実施形態による可変大粒度ノード装置212である光ノード装置が備える光トランスポンダ装置(帯域可変光TPND126)は、光スペクトル整形設定部125を含む光周波数利用効率設定部と、光送受信装置119を備える。光周波数利用効率設定部は、光周波数利用効率の設定パラメータを算出する。そして、光送受信装置はこの設定パラメータに対応した光周波数利用効率で信号光を送出する。
以上説明したように、本実施形態の光通信システムでは、運用パスにおいて障害が発生した場合、障害時帯域スロット数に応じて、最低保証通信容量を満たすようにロールオフ率を設定する。そして、このときのロールオフ率に基づいて、帯域可変部106がクライアント信号の帯域を絞り込む。これにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。このとき、可変大粒度切替装置が帯域スロット数に応じて経路切り替えを行うので、大容量通信に対しても消費電力や装置規模の増大を伴わず、通信途絶を防止することができる。
上述した各実施形態においては、可変大粒度ノード装置210を二拠点にそれぞれ配置して拠点間通信を行うこととした。しかし、これに限らず、図18A、18Bに示すように、可変大粒度ノード装置210をメッシュ状に配置し、それぞれの可変大粒度ノード装置間を基幹伝送通信路によって接続した光通信システムの構成としてもよい。ここで、図18Aは通常状態における光通信システムの構成を示し、図18Bは障害発生時における構成を示す。なお、可変大粒度ノード装置210の配置形状はメッシュ状に限らず、リング状またはツリー状などのノード配置であっても適用可能である。
図18Bに示すように、二拠点間通信用の帯域可変光TPND107−1〜4を備えた可変大粒度ノード装置210−1〜2と直接接続されていない基幹伝送通信路において、2箇所で障害119−1〜2が発生した場合について説明する。帯域可変光TPND107−1〜4が備える帯域可変部106は、ネットワーク資源管理部101からのネットワーク資源情報に基づいて、クライアント信号の帯域を絞りこむ。これにより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。このとき、可変大粒度切替装置105−3〜8が、迂回基幹伝送通信路に接続を切り替えることによって、予備パス118上での通信を確立することができる。
以上説明したように、多数のノードから構成される光通信システムであっても、上述した各実施形態によれば、運用パスにおいて障害が発生した場合、帯域可変部は障害時帯域スロット数に応じてクライアント信号の帯域を絞り込む。これより、障害時帯域スロット数に応じた帯域にトラヒックを収容することが可能となる。このとき、可変大粒度切替装置が帯域スロット数に応じて経路切り替えを行うので、大容量通信に対しても消費電力や装置規模の増大を伴わず、通信途絶を防止することができる。
また、障害発生時に大粒度切替装置を用いた予備パスへの切り替えを、障害時光帯域スロット数の降順に実施する。これにより、先着順に切替えを実施した場合と比較してネットワーク全体の周波数利用効率を向上することが可能である。なお、障害時光帯域スロット数の降順に実施することに限らず、契約帯域スロット数の降順や運用パスの経路長、ホップ数の降順に指定することも可能である。さらに、これらの組み合わせも本実施形態に含まれる。
また、予備パスの波長割当方式として、長波長側から割り当てるFirst−Fit割当方式だけでなく、空き波長の中から他の経路において最も使用回数の大きい波長スロットを選択するMost−Used割当方式などを用いることとしてもよい。
なお、予備パスへの切替順序および波長割当方式は、上述した可変大粒度切替装置105のハードウェアによる制約、例えば方路制約、波長制約、競合制約等に応じて設定することが望ましい。
また、上述した各実施形態においては、運用パス上の障害発生を検出したことを契機として複数の通信路を切替えることとしたが、これに限らない。例えば、光通信システムにおいて新規に拠点間通信を確立する場合に、新規の帯域スロットの設定要求(割り込み要求)が発生したことを契機として通信路を切替えることとしてもよい。すなわち、運用パスの帯域リソースに制限があり、新規通信向けの割当帯域スロット数が不足する場合がある。このとき、上述した各実施形態によれば、既存の運用パスの割当帯域を最低保証帯域に絞りこむことにより、割り当てが可能な帯域スロットを捻出することが可能である。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2013年12月25日に出願された日本出願特願2013−267090を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)光搬送波周波数単位で複数の通信路を切替える大粒度切替部と、前記通信路を介してクライアント信号を送受信する光トランスポンダ装置と、前記大粒度切替部と前記光トランスポンダ装置の動作を制御する制御部、とを有し、前記制御部は、前記複数の通信路を切替える契機を検出した際に、前記大粒度切替部と前記光トランスポンダ装置に対して通知し、前記大粒度切替部は、前記通知を受け付けたときに、前記通信路を切替え、 前記光トランスポンダ装置は、前記大粒度切替部が切替えた後の前記通信路の通信品質に応じて前記クライアント信号の信号帯域を削減する帯域可変部を備え、前記光トランスポンダ装置は、前記通知を受け付けたときに、前記帯域可変部において前記クライアント信号の帯域を削減した信号光を、前記大粒度切替部が切替えた後の前記通信路に送出する光ノード装置。
(付記2)前記制御部は、前記通信路における障害を検出した際に、前記通知を行い、前記大粒度切替部が切替えた後の前記通信路において利用可能な最小光周波数帯域幅の個数である障害時帯域スロット数を、前記通信品質に基づいて決定し、前記光トランスポンダ装置は、前記帯域可変部が前記障害時帯域スロット数に基づいて前記クライアント信号の帯域を削減した信号光を送出する付記1に記載した光ノード装置。
(付記3)前記通信品質は、前記大粒度切替部が切替えた後の前記通信路の経路長に基づいて定まる付記1または2に記載した光ノード装置。
(付記4)前記光トランスポンダ装置は、信号光を送受信する光送受信装置を有し、前記光送受信装置は、前記大粒度切替部が切替えた後の前記通信路を通して受信した信号光の信号品質を監視することにより前記通信品質を取得する付記1から3のいずれか一項に記載した光ノード装置。
(付記5)前記光トランスポンダ装置は、光周波数利用効率設定部と、光送受信装置を備え、前記光周波数利用効率設定部は、光周波数利用効率の設定パラメータを算出し、前記光送受信装置は、前記設定パラメータに対応した光周波数利用効率で前記信号光を送出する付記1から4のいずれか一項に記載した光ノード装置。
(付記6)第1の光ノード装置と、第2の光ノード装置と、前記第1の光ノード装置と前記第2の光ノード装置を接続する第1の通信路および第2の通信路、とを有し、前記第1の光ノード装置および前記第2の光ノード装置は、光搬送波周波数単位で前記第1の通信路と前記第2の通信路を切替える第1および第2の大粒度切替部と、前記第1の通信路および前記第2の通信路を介してクライアント信号を送受信する第1および第2の光トランスポンダ装置と、前記第1および前記第2の大粒度切替部と前記第1および前記第2の光トランスポンダ装置の動作を制御する第1および第2の制御部、とをそれぞれ有し、前記第1および前記第2の制御部は、前記第1の通信路から前記第2の通信路に切替える契機を検出した際に、前記第1および前記第2の大粒度切替部と前記第1および前記第2の光トランスポンダ装置に対して通知し、前記第1および前記第2の大粒度切替部は、前記通知を受け付けたときに、前記第1の通信路から前記第2の通信路に切替え、前記第1および前記第2の光トランスポンダ装置は、前記第2の通信路の通信品質に応じて前記クライアント信号の信号帯域を削減する第1および第2の帯域可変部をそれぞれ備え、前記第1および前記第2の光トランスポンダ装置は、前記通知を受け付けたときに、前記第1および前記第2の帯域可変部において前記クライアント信号の帯域を削減した信号光を、前記第1および前記第2の大粒度切替部が切替えた前記第2の通信路に送出する光通信システム。
(付記7)前記第1の通信路および前記第2の通信路の通信品質をそれぞれ管理するネットワーク管理部をさらに有し、前記第1および前記第2の制御部は、前記第1の通信路における障害を検出した際に、前記第1および前記第2の大粒度切替部、前記第1および前記第2の光トランスポンダ装置、および前記ネットワーク管理部に対して前記通知をそれぞれ行い、前記ネットワーク管理部は、前記通知を受け付けたときに、前記第2の通信路において利用可能な最小光周波数帯域幅の個数である障害時帯域スロット数を、前記第2の通信路の通信品質に基づいて決定し、前記障害時帯域スロット数を前記第1の光ノード装置および前記第2の光ノード装置に通知し、前記第1および前記第2の光トランスポンダ装置は、前記第1および前記第2の帯域可変部が前記障害時帯域スロット数に基づいて前記クライアント信号の帯域を削減した信号光を、前記第2の通信路に送出する付記6に記載した光通信システム。
(付記8)複数の通信路を切替える契機を検出した際に、前記複数の通信路を光搬送波周波数単位で切替え、前記切替えた後の前記通信路の通信品質に応じてクライアント信号の帯域を削減した信号光を、前記切替えた後の前記通信路に送出する光通信路切替方法。
(付記9)前記通信路における障害を検出した際に、前記複数の通信路を光搬送波周波数単位で切替え、前記切替えた後の前記通信路において利用可能な最小光周波数帯域幅の個数である障害時帯域スロット数を、前記通信品質に基づいて決定し、前記障害時帯域スロット数に基づいて前記クライアント信号の帯域を削減した信号光を送出する付記8に記載した光通信路切替方法。
(付記10)前記切替えた後の前記通信路を通して受信した信号光の信号品質を監視することにより、前記通信品質を取得する付記8または9に記載した光通信路切替方法。
(付記11)前記制御部は、前記通信品質に基づいて予備パス帯域スロット数を決定し、前記障害時帯域スロット数を、前記予備パス帯域スロット数と契約帯域に対する最低保証帯域の割合である最低帯域保証率に基づいて定める付記2から5のいずれか一項に記載した光ノード装置。
(付記12)前記信号品質は、ビット誤り率、および受信信号のシンボル点と理想シンボル点とのズレの分布、の少なくともいずれか一方である付記4に記載した光ノード装置。
(付記13)前記大粒度切替部が切替えた後の前記通信路は複数の迂回通信路を有し、前記光トランスポンダ装置は、前記複数の迂回通信路のそれぞれの光周波数帯域を用いて、前記信号光を送出する付記1から5のいずれか一項に記載した光ノード装置。
(付記14)前記光周波数利用効率の設定パラメータは、前記信号光の光周波数スペクトルの形状を可変するパラメータである付記5に記載した光ノード装置。
(付記15)前記光周波数利用効率の設定パラメータは、前記信号光の変調方式を可変するパラメータである付記5に記載した光ノード装置。
(付記16)前記光周波数利用効率の設定パラメータは、前記信号光が直交周波数分割多重信号光である場合のサブキャリア数を変更するパラメータである付記5に記載した光ノード装置。
(付記17)前記ネットワーク管理部は、前記通信品質に基づいて予備パス帯域スロット数を決定し、前記障害時帯域スロット数を、前記予備パス帯域スロット数と契約帯域に対する最低保証帯域の割合である最低帯域保証率に基づいて定める付記7に記載した光通信システム。
(付記18)前記ネットワーク管理部は、通信路の障害状態に応じた複数の帯域削減量を管理し、前記第1および前記第2の帯域可変部は、前記複数の帯域削減量に応じて、削減する信号帯域を変更する付記6または7に記載した光通信システム。
(付記19)前記ネットワーク管理部は、予め設定された通信路の優先度を管理し、前記第1および前記第2の帯域可変部は、前記通信路の優先度に応じて、削減する信号帯域を変更する付記6、7、17、および18のいずれか一項に記載した光通信システム。
(付記20)前記信号光の光周波数利用効率の設定パラメータを算出し、前記設定パラメータに対応した光周波数利用効率で前記信号光を送出する付記8から10のいずれか一項に記載した光通信路切替方法。
(付記21)前記切替えた後の前記通信路に、少なくとも、前記通信路における最小光周波数帯域を割り当てる付記8、9、10、および20のいずれか一項に記載した光通信路切替方法。