JP6575291B2 - 閃光放電ランプ点灯装置及び照射装置 - Google Patents

閃光放電ランプ点灯装置及び照射装置 Download PDF

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Description

本発明は、閃光放電ランプ点灯装置及びそれを用いた照射装置に関する。
特許文献1のフラッシュランプ装置は、フラッシュランプと、フラッシュランプにエネルギーを供給するためのコンデンサと、コンデンサとフラッシュランプの間に接続されたコイルと、フラッシュランプに巻回されたトリガ電極と、トリガ電極に接続されたトリガ回路を備える。コンデンサが充電された状態でトリガ回路がトリガ電極に高電圧を印加すると、フラッシュランプが絶縁破壊され、コンデンサからの電流が投入される。これにより、フラッシュランプにはコンデンサの容量とコイルのインダクタンスによって決まるパルス状のランプ電流が流れ、閃光点灯が行われる。
特許文献2の熱処理装置は、上記のような構成において、フラッシュランプに直列接続されたIGBT等の半導体スイッチング素子を更に備え、半導体スイッチング素子が所定のパルス幅及びパルス間隔でオン/オフされる。これにより、半導体スイッチング素子のオン期間に対応する幅のパルス電流がフラッシュランプに流れ、半導体ウェハー等の被照射体においては、ランプ電流に追従する温度プロファイルによる熱処理が行われる。すなわち、半導体スイッチング素子のオン期間を調整することにより温度プロファイルが制御される。
特許4140279号公報 特開2009−70948号公報
しかし、特許文献1の装置においては、高いピークで短い幅のパルスからなるランプ電流を生成することが難しく、そのため高温かつ短時間の照射による適切な温度プロファイルを実現することができない。特に、装置が半導体ウェハーのイオンの活性化に用いられる場合には、イオンの拡散熱を抑制しつつイオンを高活性化させるための高温かつ短時間の熱処理が望まれるが、上記のような長い幅のパルス電流では短時間の熱処理はできない。ここで、コンデンサの充電電圧を高くして電流ピークを高くしようとすると、幅の太いパルス電流による高温かつ長時間の照射が行われることになる。このような調整されない温度プロファイルは、半導体ウェハー等の処理対象物において急激な温度上昇がもたらし、処理対象物の歪み、割れ等の原因となる。
また、特許文献2の装置においては、ランプ電流の経路に半導体スイッチング素子が挿入されるため、この半導体スイッチング素子の部品調達及びコストの観点から装置の大容量化(高電圧大電流化)が難しく、実現できたとしても装置の保守が容易でないという問題がある。そして、近年、処理対象物である半導体ウェハーの更なる微細化に伴い、照射における電流ピークの増大化が要求されるようになってきている。例えば、閃光照射装置において、ランプ電圧4000V、ランプ電流1000A〜4000A以上が必要となる場合があるが、このような耐電圧及び電流容量をもつ半導体スイッチング素子は、市場で入手できるラインナップが限られ、非常に高コストとなる。また、フラッシュランプの閃光点灯の目的上、半導体スイッチング素子には短時間に大電流が通電されるため、そのパワーサイクルに起因して半導体スイッチング素子の短寿命化も問題となる。そして、半導体スイッチング素子は回路基板上でスナバ回路、ゲート回路といった周辺回路に接続されているため、その取外し及び新品素子の実装による交換が難しい。
またさらに、上記装置においては、閃光放電ランプ毎に半導体スイッチング素子のパルス幅等を制御するための制御回路が必要となるため、複数の閃光放電ランプを並列点灯させる場合にその並列数に応じた数の制御回路が必要となる。したがって、装置における制御構成が複雑になるという問題もある。
そこで、本発明は、高温かつ短時間の照射による所望の温度プロファイルを実現するとともに装置の大容量化及び保守の容易化を可能とし、複数のランプを並列点灯させる場合にも簡素な制御構成が適用可能な閃光放電ランプ点灯装置及びそれを用いた照射装置を提供することを課題とする。
本発明の閃光放電ランプ照射装置は、蓄電素子と、蓄電素子から閃光放電ランプに放電される電流の経路に挿入接続されたコイルと、コイルに並列接続されて容量成分を有する容量性回路と、閃光放電ランプを絶縁破壊させて蓄電素子の充電電荷を放電させる始動回路とを備える。
上記の閃光放電ランプ照射装置によると、蓄電素子から閃光放電ランプに放電される電流の経路に挿入接続されたコイルに、容量成分を有する容量性回路が並列接続されるので、コイルと容量性回路の共振作用により、ランプ電流パルスの高ピーク化及びピーク付近の狭幅化が可能となる。また、コイルに容量性回路が並列接続される一方で、ランプ電流経路に半導体素子が接続される必要はない。したがって、閃光放電ランプ点灯装置において、高温かつ短時間の照射による所望の温度プロファイルを実現するとともに、装置の大容量化及び保守の容易化を可能とすることができる。
第1の形態による閃光放電ランプ点灯装置では、容量性回路はコンデンサからなる。これにより、簡素な構成で所望のランプ電流パルス及び温度プロファイルを生成できる閃光放電ランプ点灯装置が実現される。
第2の形態による閃光放電ランプ点灯装置では、容量性回路は、コンデンサと追加コイルの直列回路からなる。このように、コンデンサの容量の調整に加えて追加コイルのインダクタンスの調整を行うことができ、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの高い調整性及び設計自由度が得られる。
第3の形態による閃光放電ランプ点灯装置は、m≧2のmについて、m本の閃光放電ランプにそれぞれ接続されるm個の点灯回路ユニットと、m本の閃光放電ランプを同時に絶縁破壊させてm個の点灯回路ユニットから電流を放電させる始動回路と、始動回路を作動させる制御部とを備え、m個の点灯回路ユニットの各々が、蓄電素子と、蓄電素子から閃光放電ランプに放電される電流の経路に挿入接続されたコイルと、コイルに並列接続され、コンデンサ、又はコンデンサと追加コイルの直列回路からなる容量性回路とを備える。
上記第3の形態の閃光放電ランプ点灯装置によると、それぞれの容量性回路の構成を適正化することにより、複数の閃光放電ランプ毎にランプ電流パルス波形を所望の態様に異ならせ、それにより被照射面全体として均一な温度条件を得ることができる。そして、始動回路を作動させるために制御部は単一の始動信号を出力するだけでよい。したがって、複数の点灯回路ユニットによる多灯点灯においても、簡素な制御構成で被照射面における均一な温度条件の実現が可能となる。
上記第3の形態において、m個の点灯回路ユニットの各々が、n≧1のnについて、コイルに並列接続された、n組の調整コンデンサと機械的スイッチの直列回路からなる並列容量性回路を更に備えていてもよい。また、容量性回路と、コイル及び並列容量性回路との接続を開閉可能な機械的スイッチが更に設けられてもよい。この構成によると、機械的スイッチの選択的開閉により、コイルに並列接続される容量成分を調整することができ、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの調整性が向上する。また、調整が機械的スイッチの切換によって行われるので、点灯制御構成の簡素さが維持される。
また、上記第3の形態において、m個の点灯回路ユニットの各々が、容量性回路に直列接続されて容量性回路とともにコイルに並列接続された直列誘導性回路を更に備え、直列誘導性回路が、n≧1のnについて、n個の調整コイルの直列回路及びn個の調整コイルの各々に並列接続されたn個の機械的スイッチからなる構成としてもよい。この構成によると、機械的スイッチの選択的開閉により、コイルに並列接続されるインダクタンス成分を調整することができ、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの調整性が向上する。また、調整が機械的スイッチの切換によって行われるので、点灯制御構成の簡素さが維持される。
本発明の照射装置は、上記いずれかの閃光放電ランプ点灯装置と、閃光放電ランプとを備える。これにより、高温かつ短時間の照射による所望の温度プロファイルを実現するとともに装置の大容量化及び保守の容易化を可能とする簡素な制御構成の照射装置が実現される。
本発明の第1の実施形態による閃光放電ランプ点灯装置を示す図である。 第1の実施形態による閃光放電ランプ点灯装置の動作を説明する図である。 第2の実施形態による閃光放電ランプ点灯装置を示す図である。 第2の実施形態による閃光放電ランプ照射装置の動作を説明する図である。 第3の実施形態による閃光放電ランプ点灯装置を示す図である。 第3の実施形態の変形例による閃光放電ランプ点灯装置の一部を示す図である。 第3の実施形態の変形例による閃光放電ランプ点灯装置の一部を示す図である。 第3の実施形態の変形例による閃光放電ランプ点灯装置の一部を示す図である。 本発明の変形例による閃光放電ランプ点灯装置を示す図である。
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態による閃光放電ランプ点灯装置(以下、「点灯装置」という)100を示す。点灯装置100は、充電回路1、コンデンサ2、コイル3、始動回路4、制御部5、容量性回路6及び電圧検出回路9を備え、容量性回路6はコンデンサ7からなる。点灯装置100の出力端に閃光放電ランプ(以下、「ランプ」という)20が接続され、点灯装置100及びランプ20が照射装置を構成する。概略として、充電回路1によってコンデンサ2が充電され、始動回路4によってランプ20が絶縁破壊されると、コンデンサ2に充電されていたエネルギーが、コイル3及びコンデンサ7の並列回路を介してランプ20に投入され、閃光点灯が行われる。
ランプ20は、キセノンランプ等の閃光放電に適したランプであり、処理対象物(被照射対象物)を照射して加熱するためのランプである。処理対象物は、例えば、半導体製造工程における半導体ウェハー等である。ランプ20は、4000Vの電圧が印加された状態で絶縁破壊されると4000A程度のピークのランプ電流が通電されるように設計されているものとする。なお、本例では、1本のランプ20を示しているが、複数のランプが直列接続されていてもよい。
充電回路1は昇圧コンバータを含む。商用電源等の交流電源が入力される場合には、充電回路1は、例えば、交流電圧を全波整流する全波整流器、全波整流出力を平滑する平滑コンデンサ、平滑電圧を高周波で交流変換するフルブリッジ回路、交流変換出力を昇圧する昇圧トランス、及び昇圧トランスの2次出力を整流する整流回路を含む。充電回路1に直流電源が入力される場合には、上記の全波整流器が不要となる。本実施形態では、昇圧出力は4000V程度であるものとする。
コンデンサ2は、充電回路1からの昇圧出力を蓄電する蓄電素子として機能する。したがって、充電が完了した時点で4000V程度の電圧が保持される。本実施形態では、蓄電素子としてコンデンサ2(例えば、オイルコンデンサ)を示すが、蓄電素子は電気二重層コンデンサ、バッテリ、電解コンデンサ等であってもよい。なお、図面においては、コンデンサ2として、1つのコンデンサを図示しているが、充電電圧、コンデンサの電圧定格、静電容量等を考慮して、複数のコンデンサが並列接続、直列接続又は直並列接続される構成が採用されてもよい。
コイル3は、コンデンサ2からランプ20へのランプ電流経路上に挿入接続される。コイル3は、コンデンサ2からランプ20に流れるランプ電流のパルス波形を調整するために通常接続される要素である。
始動回路4はトリガ導体部4aを有し、トリガ導体部4aはランプ20に巻回されたトリガ線からなる。ランプ20の点灯時に、始動回路4は、制御部5からの始動信号に応じてトリガ導体部4aに高電圧パルスを発生させ、ランプ20を絶縁破壊させる。始動回路4は、例えば、トランスと、トランスの1次巻線に直列接続された1次コンデンサ及びスイッチ素子と、1次コンデンサを充電する充電用回路を含み、トランスの2次巻線がトリガ導体部4aに接続される構成とすることができる。1次コンデンサが充電された状態でスイッチ素子が導通すると1次コンデンサからの放電電流によりトランスの1次巻線に1次パルス電圧が発生する。1次パルス電圧がトランスの巻数比に応じて昇圧され、トランスの2次巻線に発生する昇圧された2次パルス電圧がトリガ導体部4aに印加される。
制御部5は、充電回路1及び始動回路4を制御する。制御部5は、例えば装置外部から点灯指令を受けると、充電回路1に充電開始信号を出力してコンデンサ2を充電させる。例えば分圧抵抗(高抵抗素子)からなる電圧検出回路9によって検出されるコンデンサ2の充電電圧が所定値(本例では、4000V)に達すると、充電回路1は充電を停止し、充電完了信号を制御部5に出力する。あるいは、電圧検出回路9による電圧検出値が制御部5に直接入力されるようにして(破線参照)、電圧検出値が所定値に達した時点で制御部5が充電完了信号を充電回路1に出力して充電動作を停止させるようにしてもよい。制御部5は、充電完了信号を受信又は出力すると、始動信号を始動回路4に出力して始動回路4を作動させる。
コンデンサ7(容量性回路6)がコイル3に並列接続され、コイル3とともに並列共振回路を構成する。ここで、仮にコンデンサ7がないとした場合、ランプ電流は、コンデンサ2の容量、コイル3のインダクタンス、ランプ20のインピーダンス等によって決まるパルス状の電流となる。これに対して、コンデンサ7が接続される場合には、上記のパルス状の電流に対して、コイル3とコンデンサ7の共振周波数で振動しながら減衰するパルス波形が重畳される。
図2に、本実施形態の実施例1及び比較例におけるランプ電流波形のシミュレーション結果を示す。横軸は時間であり、縦軸は電流であり、実線I1は実施例1のランプ電流波形を示し、点線I0は比較例のランプ電流波形を示す。実施例1においては、コイル3のインダクタンスLは20μHであり、コンデンサ7の容量Cは20μFであり、その共振周波数fr(=1/(2π√L))は約8.0kHzである。一方、比較例は、図1の回路構成からコンデンサ7を除いたものである。なお、ランプ20のインピーダンスは適宜モデル化されているものとし、コンデンサ2の充電電圧は4000Vであるものとする。
図2に示すように、比較例のランプ電流波形(点線I0)では、放電開始後(点灯開始後)97μsにおいてピーク値が約3180Aとなる。一方、実施例1のランプ電流波形(実線I1)では、放電開始後104μsにおいてピーク値が約3690Aとなり、コイル3とコンデンサ7の共振周波数(約8.0kHz)での減衰振動が現われる。すなわち、実施例1のランプ電流パルスでは、比較例のランプ電流パルスと比べて、ピーク値が高く(約1.2倍)、そのピーク付近の幅が短い。このように、本実施形態では、ランプ電流パルスの高ピーク化及びピーク付近の狭幅化が実現される。また、容量Cを適正化することによって、所望のランプ電流パルス波形が形成され得ることが分かる。
以上のように、本実施形態の点灯装置100は、蓄電素子であるコンデンサ2と、コンデンサ2からランプ20に放電される電流の経路に挿入接続されたコイル3と、コイル3に並列接続された容量性回路6と、ランプ20を絶縁破壊させてコンデンサ2の充電電荷を放電させる始動回路4を備える。このように、コイル3に並列接続されて容量成分(コンデンサ7)を有する容量性回路6が設けられるので、コイル3と容量性回路6の共振作用により、ランプ電流パルスの高ピーク化及びピーク付近の狭幅化が可能となる。また、コイル3に容量性回路6が並列接続される一方で、ランプ電流経路に半導体素子が接続される必要はない。したがって、点灯装置100及びそれを用いた照射装置において、高温かつ短時間の照射による所望の温度プロファイルを実現するとともに、装置の大容量化及び保守の容易化が可能となる。また、容量性回路6がコンデンサ7からなるので、簡素な構成で所望のランプ電流パルス及び温度プロファイルを生成できる点灯装置100が実現される。
<第2の実施形態>
図3に、第2の実施形態の点灯装置100を示す。第1の実施形態と実質的に同様の構成には同様の符号を付し、その重複する説明を省略する。図3に示すように、本実施形態では、容量性回路6がコンデンサ7とコイル8(追加コイル)の直列回路からなる。
図4に、本実施形態の実施例2及び実施例3のランプ電流波形のシミュレーション結果を示す。横軸は時間であり、縦軸は電流であり、実線I2は実施例2のランプ電流波形を示し、実線I3は実施例3のランプ電流波形を示す。シミュレーション条件は第1の実施形態(図2)と同様である。なお、破線I1及び点線I0は、それぞれ上述の第1の実施形態及び比較例のランプ電流波形である。実施例2及び3において、コイル3のインダクタンスLはともに20μHであり、コンデンサ7の容量Cはともに20μFであり、これらは実施例1と同じである。実施例2(実線I2)のコイル8のインダクタンスLは10μHであり、実施例3(実線I3)のコイル8のインダクタンスLは20μHである。
図4に示すように、比較例のランプ電流波形では放電開始後97μsにおいてピーク値が約3180Aとなる。一方、実施例2のランプ電流波形では、放電開始後135μsにおいてピーク値が約3520Aとなり、実施例3のランプ電流波形では、放電開始後154μsにおいてピーク値が約3290Aとなる。そして、実施例2及び3のランプ電流パルスはそれぞれの共振周波数で振動しながら減衰する。すなわち、実施例2及び3のランプ電流パルスでは、比較例のランプ電流パルスと比べて、ピーク値が高く、そのピーク付近の幅が短い。このように、本実施形態では、ランプ電流パルスの高ピーク化及びピーク付近の狭幅化が実現されるとともに、容量C及びインダクタンスLの最適化によって、パルスの勾配、ピーク位置等を調整することが可能となる。
以上のように、本実施形態の点灯装置100においては、容量性回路6がコンデンサ7とコイル8の直列回路からなる構成としたので、コンデンサ7の容量の調整に加えてコイル8のインダクタンスの調整を行うことができる。これにより、第1の実施形態において得られる効果に加えて、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの高い調整性及び設計自由度が得られる。
<第3の実施形態>
上記第1及び第2の実施形態では、1つの点灯装置が1本のランプ20を点灯する構成を示したが、本実施形態では、1つの点灯装置が複数のランプ20を並列的に点灯する構成を示す。
図5に、本実施形態の点灯装置101を示す。第1及び第2の実施形態と実質的に同様の構成には同様の符号を付し、その重複する説明を省略する。点灯装置101は、1つの充電回路1、始動回路4、制御部5及び電圧検出回路9と、m個(m≧2)の並列接続された点灯回路ユニット50−1〜50−mとを有する。以降において、点灯回路ユニット50−1〜50−mについて、その全体を総称して又は一部を代表して点灯回路ユニット50という。
点灯回路ユニット50の各々は、コンデンサ2、コイル3、トリガ導体部4a、容量性回路6及びダイオード13を含み、m本のランプ20の各々に接続される。各点灯回路ユニット50は、実質的に同様の構成を有する(電圧検出回路9の接続の有無は異なる)。容量性回路6は、第1の実施形態で示したようなコンデンサ7からなるものであってもよいし、第2の実施形態で示したようなコンデンサ7とコイル8の直列回路からなるものであってもよい。各コンデンサ2は、充電回路1から各ダイオード13を介して充電される。コンデンサ2の充電態様は点灯回路ユニット50−1〜50−m間で実質的に同じであるので、その充電制御において、いずれか1つのコンデンサ2(図5においては点灯回路ユニット50−1のコンデンサ2)の充電電圧が電圧検出回路9によって検出されればよい。あるいは、電圧検出回路9による電圧検出値が制御部5に直接入力されるようにして、電圧検出値が所定値に達した時点で制御部5が充電完了信号を充電回路1に出力して充電動作を停止させるようにしてもよい。
また、図5においては、1つの始動回路4がm本のトリガ導体部4aを有する構成を示すが、1つの制御部5に接続されたm個の始動回路4が点灯回路ユニット50−1〜50−mにそれぞれに含まれて、それぞれのトリガ導体部4aを有していてもよい。また、1つの制御部5に接続されたm個より少ない複数の始動回路4の各々が1〜複数本のトリガ導体部4aを有していてもよい。言い換えると、1つの制御部5からm本のトリガ導体部4aまでの間に設けられる始動回路4の数は任意である。いずれの場合においても、制御部5から単一の始動信号が1〜m個の始動回路4に出力される。
ここで、複数のランプ20の間で、その位置関係に応じて照射による温度プロファイルを意図的に異ならせる場合がある。例えば、複数の直管型ランプ20が平行に配置される場合に外側に配置されるランプと内側に配置されるランプとで温度プロファイルを異ならせて、被照射面全体として均一な温度条件を生成する場合が想定される。あるいは、複数の円環型ランプ20が同心円状に配置される場合に中心付近に配置されるランプと周縁付近に配置されるランプとで温度プロファイルを異ならせて、被照射面全体として均一な温度条件を生成する場合が想定される。このような場合に、各点灯回路ユニット50において容量性回路6の構成(コンデンサ7のみ又はコンデンサ7とコイル8の直列回路の選択)及び各素子の特性値が適正化されることにより、ランプ20毎のランプ電流パルス波形及び温度プロファイルが調整される。そして、このようにランプ電流パルス波形を意図的に異ならせる場合であっても、制御部5は始動回路4を作動させる際に単一の始動信号を出力するだけでよい。したがって、複数の点灯回路ユニット50による多灯点灯において、単一の始動信号での点灯が可能であり、始動制御手段が複雑化することもない。
以上のように、本実施形態の点灯装置101は、m本のランプ20にそれぞれ接続される点灯回路ユニット50−1〜50−mと、m本のランプ20を同時に絶縁破壊させて各点灯回路ユニット50から電流を放電させる始動回路4と、始動回路4を作動させる制御部5を備える。そして、各点灯回路ユニット50は、蓄電素子であるコンデンサ2と、コンデンサ2からランプ20に放電される電流の経路に挿入接続されたコイル3と、コイル3に並列接続され、コンデンサ7又はコンデンサ7とコイル8の直列回路からなる容量性回路6とを備える。これにより、容量性回路6の構成及び特性値の適正化により、複数のランプ20間でランプ電流パルス波形を所望の態様に異ならせることができる。この場合に、始動回路4を作動させるために制御部5は単一の始動信号を出力するだけでよい。したがって、複数の点灯回路ユニットによる多灯点灯においても、簡素な制御構成で被照射面における均一な温度条件の実現が可能となる。
<第3の実施形態の変形例>
(1)変形例1
図6Aに、第3の実施形態の点灯装置101の一変形例におけるコイル3及び容量性回路6の周辺部分を示す。本変形例では、内部的に切換可能な並列容量性回路10がコイル3及び容量性回路6に並列接続される。
図6Aに示すように、並列容量性回路10は、相互に並列接続されたコンデンサ7−1〜7−n(調整コンデンサ)とスイッチ11−1〜11−nのそれぞれの直列回路からなる(n≧1、以下同じ)。スイッチ11−1〜11−nの各々は、ナイフスイッチ、断路器、リレー、電磁接触器、シリンダー(エアシリンダー、電動シリンダー等)等の機械的スイッチである。スイッチ11−1〜11−nは、コンデンサ7−1〜7−nの各々と、コイル3及び容量性回路6との接続を開閉することができ、これにより、コンデンサ7−1〜7−nのうちの選択されたものがコイル3及び容量性回路6に並列接続される。このような使用に適する耐電圧及び電流容量を有する上記機械的スイッチは、半導体スイッチング素子とは異なり、市場で入手が容易であり、長寿命かつ低コストである。また、スイッチ11−1〜11−nは、市販スイッチに限らず、端子に接続された配線、銅バー等を繋ぎかえる構成で実現されてもよい。
また、図6Bに示すように、容量性回路6(図6Bにおいてはコンデンサ7)にもスイッチ11−0を接続して、全てのコンデンサ7及び7−1〜7−nの各々とコイル3との接続が開閉されるようにしてもよい。ただし、実際の使用時には、スイッチ11−0〜11−nの少なくとも1つは閉じられていずれかの容量成分がコイル3に並列接続される。
したがって、本変形例(図6A又は図6B)によると、スイッチ11−1〜11−n又は11−0〜11−nの開閉が適宜選択されることにより、コイル3に並列接続される合成容量成分が調整される。したがって、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの調整性が向上する。また、調整がスイッチ11−1〜11−n又は11−0〜11−nの切換によって行われるので、点灯制御構成の簡素さが維持される。
(2)変形例2
図7に、第3の実施形態の点灯装置101の他の変形例におけるコイル3及び容量性回路6の周辺部分を示す。上記変形例1では、コイル3に接続される容量成分が切り換えられる構成を示したが、本変形例ではコイル3に接続されるインダクタンス成分が切り換えられる構成を示す。
図7に示すように、容量性回路6に対して直列誘導性回路12が直列接続され、容量性回路10と直列誘導性回路12の直列回路がコイル3に並列接続される。直列誘導性回路12は、コイル8−1〜8−n(調整コイル)の直列回路(なお、n=1の場合も便宜的に直列回路というものとする)及びコイル8−1〜8−nの各々に並列接続されたスイッチ11−1〜11−nからなる。容量性回路6は、第1の実施形態で示したようなコンデンサ7からなるものであってもよいし、第2の実施形態で示したようなコンデンサ7とコイル8の直列回路からなるものであってもよい。
スイッチ11−1〜11−nの各々は、変形例1と同様に、トグルスイッチ、ロッカースイッチ等の機械的スイッチであればよい。スイッチ11−1〜11−nは、コイル8−1〜8−nの各々を短絡することができ、これによりコイル8−1〜8−nのうちの選択されたものが容量性回路6に直列接続される。
したがって、本変形例では、スイッチ11−1〜11−nの開閉を適宜選択することにより、コイル3に並列接続される合成インダクタンス成分が調整される。したがって、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの調整性が向上する。また、調整がスイッチ11−1〜11−nの切換によって行われるので、点灯制御構成の簡素さが維持される。
なお、図6A、図6B及び図7に示す構成は、第1及び第2の実施形態の点灯装置100にも適用可能である。これにより、点灯装置100からランプ20までの配線のインピーダンスに応じてランプ電流パルス波形及び温度プロファイルを調整することが容易となる。
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
(1)照射装置の用途
例えば、上記各実施形態では、点灯装置100又は101及びランプ20を含む照射装置が半導体製造工程において半導体ウェハー等の加熱処理に用いられることが想定されているが、用途はこれに限定されない。本発明の照射装置は、導電性インクの光焼成処理、殺菌処理、接着材硬化処理等、閃光点灯による照射を必要とする種々の処理に適用可能である。
(2)容量性回路6等の変形
上記各実施形態においては、容量性回路6がコンデンサ7又はコンデンサ7とコイル8の直列回路である構成を示したが、コイル3に容量成分が並列接続される構成であれば容量性回路6は上記以外の構成であってもよい。また、図8に示すように、コイル3がコイル3a及び3bの直列回路からなり、コンデンサ7(容量性回路6)がコイル3aに並列接続される構成としてもよい。このような構成によっても、インダクタ3a及び3bのそれぞれのインダクタンス並びにコンデンサ7の容量を適宜選定することによって、ランプ電流パルス波形及び温度プロファイルの調整が可能となる。
2 コンデンサ(蓄電素子)
3 コイル
4 始動回路
5 制御部
6 容量性回路
7 コンデンサ
7−1〜7−n コンデンサ(調整コンデンサ)
8 コイル(追加コイル)
8−1〜8−n コイル(調整コイル)
10 並列容量性回路
11−0〜11−n スイッチ(機械的スイッチ)
12 直列誘導性回路
20 閃光放電ランプ
50、50−1〜50−m 点灯回路ユニット
100、101 閃光放電ランプ点灯装置

Claims (8)

  1. 閃光放電ランプ点灯装置であって、
    蓄電素子と、
    前記蓄電素子から閃光放電ランプに放電される電流の経路に挿入接続されたコイルと、
    前記コイルに並列接続され、容量成分を有する容量性回路と、
    前記閃光放電ランプを絶縁破壊させて前記蓄電素子の充電電荷を放電させる始動回路と
    を備え、前記蓄電素子からの放電によるパルス状の電流に前記コイル及び前記容量性回路の共振作用によって形成されるパルス波形が重畳された電流が、前記閃光放電ランプに通電される、閃光放電ランプ点灯装置。
  2. 前記容量性回路がコンデンサからなる請求項1に記載の閃光放電ランプ点灯装置。
  3. 前記容量性回路がコンデンサと追加コイルの直列回路からなる請求項1に記載の閃光放電ランプ点灯装置。
  4. 閃光放電ランプ点灯装置であって、m≧2のmについて、
    m本の閃光放電ランプにそれぞれ接続されるm個の点灯回路ユニットと、
    前記m本の閃光放電ランプを同時に絶縁破壊させて前記m個の点灯回路ユニットから電流を放電させる始動回路と、
    前記始動回路を作動させる制御部と
    を備え、前記m個の点灯回路ユニットの各々が、
    蓄電素子と、
    前記蓄電素子から閃光放電ランプに放電される電流の経路に挿入接続されたコイルと、
    前記コイルに並列接続され、コンデンサ又はコンデンサと追加コイルの直列回路からなる容量性回路と
    を備え、前記蓄電素子からの放電によるパルス状の電流に前記コイル及び前記容量性回路の共振作用によって形成されるパルス波形が重畳された電流が、前記閃光放電ランプに通電される、閃光放電ランプ点灯装置。
  5. 前記m個の点灯回路ユニットの各々が、n≧1のnについて、前記コイルに並列接続された、n組の調整コンデンサと機械的スイッチの直列回路からなる並列容量性回路を更に備える請求項4に記載の閃光放電ランプ点灯装置。
  6. 前記容量性回路と、前記コイル及び前記並列容量性回路との接続を開閉可能な機械的スイッチを更に含む請求項5に記載の閃光放電ランプ点灯装置。
  7. 前記m個の点灯回路ユニットの各々が、前記容量性回路に直列接続されて前記容量性回路とともに前記コイルに並列接続された直列誘導性回路を更に備え、前記直列誘導性回路が、n≧1のnについて、n個の調整コイルの直列回路及び該n個の調整コイルの各々に並列接続されたn個の機械的スイッチからなる請求項4に記載の閃光放電ランプ点灯装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の閃光放電ランプ点灯装置と、前記閃光放電ランプとを備えた照射装置。
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