JP6573102B2 - 医療機器材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、人体の組織や臓器において高度に機能が障害された部位の機能を補うために、生体組織や体液に直接接触して使用される正方晶ジルコニア含有医療機器材料及びその製造方法に関する。
近年、正方晶ジルコニアを含有する材料は、生体親和性があり、靱性、耐摩耗性、硬度等の優れた機械的特性を有することから、医療機器材料として使用が拡大しており、既に、人工関節、歯冠等の歯科修復物、人工歯根に臨床応用されている。しかし、正方晶ジルコニアは、埋入部位の本来の正常組織を材料表面に伝導する組織伝導性が乏しいことから、骨に埋入する場合も軟組織に埋入する場合も、正方晶ジルコニア表面に薄い(厚さ1−10μm)線維性結合組織が生じて骨や軟組織と直接は結合しない。
医療機器材料を代表して人工関節でまず説明する。また、関節には、膝関節、股関節、肩関節、肘関節等様々な関節があるが説明をわかりやすくするため膝関節の場合に関して記述する。
人工膝関節の場合、大腿骨コンポーネント、脛骨コンポーネント、膝蓋骨コンポーネント、ポリエチレンインサートから構成される。ポリエチレンインサートは関節の駆動部であり超高分子ポリエチレン、大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントは、コバルト・クロム、チタン合金などの金属材料、またはセラミックス等の材質をもって構成される。しかし金属材料は長期間生体内で使用すると、金属イオンが溶出し、生体組織を害する恐れがあるほか、金属アレルギーが見られることがある。また、膝関節機能に重要な周囲筋肉組織の回復を術後にMRI観察する際の妨げになるという問題があった。
一方、日常生活において関節は非常に多くの回数屈伸を毎日繰り返すことから耐摩耗性に優れた材質が必須である。膝関節、股関節などの場合、体重の多くの割合を支えるため、強度的にも大きな靱性が必要になる。交換には外科手術を伴うため耐用年数が30年以上と言う非常に長期間が要求される。これらの理由から人工関節に用いる材料の機械的信頼性は非常に大きな問題であり、耐摩耗性の観点では金属材料よりセラミックス材料が優れていることは知られている。
近年、セラミックス技術が向上し、中でも正方晶ジルコニアを含有する材料に関しては、強度的にも十分に高い靱性、及び良好な耐摩耗性が達成できることから、歯科修復物、人工歯根、人工骨、人工関節としての需要が高まりつつあり、現実のものとなってきている。
正方晶ジルコニアは、靱性、耐摩耗性等の機械的な性質の観点からも、他のセラミックスに比べ優れた性質を持つ。正方晶のジルコニア単結晶は、ダイヤモンド、サファイア等に次ぐ硬度を持ち、摩耗させること自体が困難な材料である。また、正方晶のジルコニアは、生体内に挿入した場合でも、非常に安全性の高い性質から、人工関節の母材としての性質は最適な材料であった。
人工膝関節に置換を行う場合、膝関節に繋がる大腿骨及び脛骨の骨切面に、固定材としてアクリル系の樹脂であるPMMAで作製される骨セメントを用いて各コンポーネントを固定する方法が主流であった。しかし、骨セメントを用いて固定する方法では、外科手術中及び術後、アレルギー反応が生じショック症状から死亡に至る場合が発生し、使用に際しては大きな問題がある。そのため、金属材料やジルコニア等のセラミックス材料の表面に骨伝導性の高いリン酸カルシウム等を成膜することにより、手術後体内で生体骨と直接結合させる方法が期待されている。その最適材料として、水酸アパタイト(骨の成分)などのリン酸カルシウムを金属材料やジルコニア等のセラミックス材料の表面にコーティングすることにより骨と結合させる試みがなされてきた(非特許文献1参照)。
先行文献調査をしたところ、人工材料の表面に周期構造の凹凸を超短パルスレーザーで作製した後、リン酸カルシウムの一種である水酸アパタイトを蒸着することにより、母材上に骨結合性の高い水酸アパタイト膜を作製する方法が提案されている(特許文献1参照)。
常温のリン酸カルシウムコーティング法としては、カルシウムイオンを含む溶液とリン酸イオンを含む溶液に基板を交互に浸漬する工程を繰り返すことにより、基板の表面や内部にリン酸カルシウムを析出させる手法が知られている(交互浸漬法)。また、基板に親水化処理(粗面化処理を含む)を施した後に交互浸漬法を実施し、さらに過飽和溶液に浸漬することにより、種々の基板の表面に密着性の高いリン酸カルシウム膜をコーティングする方法が報告されている(特許文献2参照)。
特許第4440270号 特許第4484631号
青木秀希他、「驚異の生体物質アパタイトと表面技術」表面技術、58(12)、744、(2007)
従来、ジルコニアセラミックス材料は、生体に対して安全で機械的性質に優れているという利点を持っている。さらに、ジルコニアセラミックス材料は、生体内に埋設後も、MRIが利用でき回復が確認できるなどの大きな利点を持っている。しかし、ジルコニアセラミックス材料は、オッセオインテグレーションと言う状態で骨と接触しており、骨伝導性が無いため、そのままの状態で骨と強固に結合することは無いという問題がある。ここに、オッセオインテグレーションとは、骨と材料の界面に光学顕微鏡レベルでは軟組織の介在が認められない接触状態のことである。骨伝導性とは、材料上で正常な細胞分化が起こり、その結果、直接材料上に骨が形成される物質または状態をいい、「骨伝導性がある」とは、その材料表面へ直接骨が形成される性質を有することをいう。一般に、骨伝導性がある材料は、オッセオインテグレーション性の材料より、早期に、強固な骨固着が得られる。さらに本発明では「骨伝導的オッセオインテグレーション」という状態を定義する。「骨伝導的オッセオインテグレーション」とは、骨と材料の界面での軟組織の介在が光学顕微鏡レベルで認められず、材料表面へ直接骨が形成されたことも未確認であるものの、骨伝導性材料と同等の期間内に、骨伝導性材料と同等の骨固着強度をもたらすことである。
また、ジルコニアセラミックス材料は、難加工材料であり、さらに、熱やストレスに弱く表面に亀裂や断裂を生じる可能性があるという問題がある。
従来技術のように、ジルコニアセラミックス材料をリン酸リン酸カルシウムでコーティングして人工関節等の医療機器を製造する場合、製造過程で、正方晶ジルコニアが熱等の影響で相転移を起こしやすく、正方晶ジルコニアの優れた機械的特性が損なわれてしまうという問題がある。
特許文献1では、ジルコニア材料の場合については記載されていない。もし、人工材料として、セラミックス、中でもジルコニアを使用して、その表面に凹凸を形成して水酸アパタイトを蒸着すると、母材が加熱により相転移を生じ体積変化を生じる。この体積変化のため亀裂、破断などの甚大な損傷を生じるという問題がある。
例えば、膝関節のように裏表がある医療機器のような場合、骨と接触し固着する部分のみ骨伝導性を持たせ強く固着させることが必要であり、一方、摺動面では長期間低摩擦の面を維持することが必要である。ジルコニアセラミックス材料には、この様な要件を満たし、かつ相転移による機械的性質の低下を引き起こさない加工方法は存在しなかった。
本発明は、これらの問題を解決しようとするものである。本発明は、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料において、(1)温度上昇等による正方晶ジルコニアの相転移や損傷を抑制し、正方晶ジルコニアの優れた機械的特性を保ったまま、(2)意図した特定部位のみが生体内の骨等との十分な結合強度を備えるものを、実現することを目的とする。
既に、本発明者らは、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の特定部位にリン酸カルシウムでコーティングする、医療機器材料の製造方法に関して、前記特定部位に超短パルスレーザーを照射して表面に形成された凹凸の周期より小さいリン酸カルシウム微粒子を蒸着または析出させる技術を出願(特願2014−223132号)で提案している。また、本発明者らは、ジルコニア系セラミックスの表面構造形成方法に関して、レーザー光照射により凹凸の周期構造を形成する技術を出願(特願2014−185472号)で提案している。
前記特願2014−223132号のように、予めリン酸カルシウムを別のプロセスを用いて成膜する方法では、成膜工程が必須となり、機器の製作工程が複雑になるという問題がある。特に、成膜技術が機器と骨との密着性の強さに大きく依存する。また、膜厚が薄すぎる場合、リン酸カルシウム膜が体内で溶解してしまうので骨と固着し難く、一方、厚すぎる場合、接合部分であるリン酸カルシウム自体の硬くて脆いという機械的性質のため、亀裂や剥離を生じてしまうという問題があった。
本発明は、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の特定部位にリン酸カルシウムでコーティングする製造工程を必要としないで、意図した特定部位のみが、生体内の骨等との十分な結合強度を有する、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有する。
本発明の方法は、医療機器材料の製造方法であって、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料に、超短パルスレーザーを照射して表面に凹凸を形成することにより、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを有する領域を選択的に形成することを特徴とする。骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを有する領域は、例えば、生体内で骨と固着させる特定部位である。本発明の方法は、医療機器材料の製造方法であって、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の、生体内で骨と固着させる特定部位に、超短パルスレーザーを照射して表面に凹凸を形成することを特徴とする。前記超短パルスレーザーが、10ps以下のパルス幅をもつ超短パルスレーザーであることが好ましい。
本発明は、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料が、超短パルスレーザーの照射により形成された凹凸表面の構造からなる、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションが他の領域より良い領域を、表面に有することを特徴とする。本発明は、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の、生体内で骨と固着させる特定部位が、超短パルスレーザーの照射により形成された凹凸表面を有することを特徴とする。前記凹凸表面の構造が、凹凸の幅もしくは直径が1μm未満であることが好ましい。
本発明の典型的な対象は、人工関節、人工骨、人工歯根であるが、本発明は、組織適合性が必要とされる、正方晶ジルコニアを含有する人工歯根、歯科修復物、各種人工関節等、様々な医療機器材料に適用可能である。
本発明の方法により製造された正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料は、1μm未満の微細な凹凸により、骨との密着性を高めるとともに、表面が親水化されているため、体内から供給されるリン酸カルシウムにより、生体内で界面にリン酸カルシウム膜が形成されることもある。このため、追加的にリン酸カルシウム特有の組織伝導性、抗血栓性、生体親和性などをジルコニア材料に付与することもできる。
例えば、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料が人工膝関節であれば、摺動部の裏側の骨接合部分のみにレーザー照射を行い凹凸を形成しておくことにより、凹凸表面が骨と接合し最終的に人工膝関節と骨は一体化する。一方、摺動部等の摩擦を伴う面には、レーザー照射を行わないで鏡面を維持することにより、リン酸カルシウムが成膜されることもないので、潤滑な駆動が長期間維持できる。
本発明では、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の特定部位のみに、骨との結合性を与えることが可能となるので、非レーザー照射処理部位は、レーザー照射処理部位とは別の機能を保持できる。例えば、人工膝関節の骨と接合する部分のみ選択的に表面処理することにより、骨と人工膝関節を体内で手術後一体化させつつ、反対側表面の超高分子ポリエチレンと接触する部位は、未処理で低摩擦である鏡面加工された正方晶ジルコニア表面が維持できる。このため、体液はリン酸カルシウム過飽和溶液であるが、体液からリン酸カルシウムが析出するとしても摺動側の表面に膜ができることはなく、摺動面の高い耐摩耗性を保つことができる。
本発明の方法によれば、正方晶ジルコニアの相転移を生じるような加熱を伴わないため、サンドブラスト加工などのようにジルコニア母材の表面に強いストレスや温度上昇を与えることも無く、高い機械的性質を保つことができる。また、ジルコニア母材に対してレーザーを照射するだけなので、汚染物質の付着等の影響が全くないという利点がある。
また、本発明の医療機器材料のような構造により、部分的に必要な範囲のみ正方晶ジルコニアを含有する基材と生体骨を固着させ、異なる二つの機能、例えば高い機械的性質と生体親和性、耐摩耗性と骨伝導性、高い機械的性質と抗血栓性を兼ね備えた医療機器材料を作製することができる。
実施形態1における大腿骨コンポーネントの製造方法を説明する模式図である。 実施形態2における人工膝関節の各コンポーネントの製造方法を説明する模式図である。 実施形態2における人工膝関節を示す模式図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明の実施の形態において、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料とは、正方晶ジルコニアを含有し、生体内に直接埋植、若しくは非埋植でも生体組織や体液に直接接触して使用する医療機器材料であれば特に制限はなく、正方晶ジルコニアの含有率が100%である正方晶ジルコニア多結晶体(TZP)、正方晶ジルコニアと単斜晶ジルコニアから成る部分安定化ジルコニア(PSZ)、正方晶ジルコニアを含む非安定化ジルコニアで母材セラミックス(Al、SiC等)を高靱性化したジルコニア高靱性化セラミックス(ZTC)、及び正方晶ジルコニアの表面被覆や分散による金属ジルコニウムやその他金属との複合体であるか否かは問わない。また、正方晶の安定化に使用される安定化剤(CaO、MgO、Y、CeO等)とその含有量については、正方晶が安定化できれば特に制限はないが、YやCeOを含有する正方晶ジルコニアはインプラント材料として実績があり、好適に用いられる。
本発明の実施の形態において医療機器材料とは、人工関節、人工歯根、人工骨等のように埋植されて組織や体液と直接接触する医療機器の材料、歯科修復物のように非埋植であるが組織や体液と直接接触して使用される医療機器の材料、生体組織若しくは体液に直接接触する医療機器の材料である。また、医療機器の例としてはこれらを例示することができるが、これらに限るものでもない。
本発明の実施の形態は、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の特定部位に、超短パルスレーザーを照射することにより、表面に凹凸を形成するものである。超短パルスレーザーの照射により、凹凸の形成と同時に親水性表面を与えることができる。
超短パルスレーザーによるレーザー加工は、温度上昇を伴わないレーザー加工を実現できる。ジルコニア表面の凹凸加工に際しては、熱的な影響を与えにくい超短パルスレーザーを用いることが特に有効である。超短パルスレーザーにより照射された部分は形状変化を生じるが、ピークパワーが高いためパルス全体としてのエネルギーは極めて抑えられ、パルスが短いため、吸収した熱が照射表面から内部や表面周囲に拡散することなく、照射された部分のみがアブレーションで吹き飛ぶ。
本発明者らは、ジルコニアに対して超短パルスレーザーを照射すると、照射された部分には、微細構造(周期構造又は非周期構造)が形成されることに着目し、該微細構造部分が優れた骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを有していることをウサギ体内に埋植された試料の固着強度から見いだし、本発明に到ったものである。周期構造及び非周期構造のいずれでも、サブμmサイズの凹凸が形成されていれば、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを有している。サブμmサイズとは、1μm未満のサイズをいう。表面に超短パルスレーザー照射をされたジルコニアは、材質が変化したわけでは無く、サブμmサイズの凹凸構造に骨芽細胞が付着し易い状態になり、結果的に骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションの高い状態に変化したと考えられる。
レーザー加工の基本的現象であるレーザーアブレーションの閾値エネルギーは、物質に応じて多少の差はあるが、10ピコ秒程度からナノ秒までパルス幅の1/2乗に比例して増加し、10ps以下ではほぼ横這いであることが知られている。つまり、ジルコニア基材に超短パルスレーザーを照射する場合、加工のためにジルコニア基材に与えるエネルギーは、パルス幅に比例して大きくなる。
特に、ジルコニアは、加熱による相転移で正方晶から単斜晶に変わる際に体積が変化して、破断、亀裂などが生じる。ジルコニアは、酸化イットリウムを添加することにより、体積膨張の程度は緩和されるが、依然として熱影響に対して脆弱な材料である。このため、ジルコニアにレーザー加工を行うためには、熱的に影響の小さい10ps以下のパルス幅の超短パルスレーザーの利用が有効である。
正方晶ジルコニアに熱的な影響による結晶相の変化を与えずに表面に凹凸を形成する「10ps以下のパルス幅」のレーザーとして、チタンサファイアレーザーやイットリビウム系のレーザーを使うことができる。
超短パルスレーザーにより凹凸に表面加工された部分は、親水化されている。この凹凸表面加工した領域を有する医療機器材料を、生体内に設置した場合に、凹凸表面により、ジルコニアと骨とが固着する。レーザー表面加工したジルコニア材は、表面の凹凸形状により、平坦面に比べて強固に固着する。一方、レーザー照射を行わない部分は、鏡面構造を保ったままなので長期にわたって低摩擦を維持できる。
ジルコニア基板表面においては、10ps以下の超短パルスレーザーの連続照射により、波長程度の規則性のある周期構造もしくは不規則のサブμmの凹凸が発生する。パルス幅を増加すると、パルス幅に依存して、熱伝導により深い位置までジルコニア母材が溶融し、高粘度の液体として再度凝固する。そのため、10ps以上のパルス幅の長いレーザーで照射した場合は、1μm以上のサイズの凹凸、さらに、10nsのパルス幅のレーザーで照射した場合は、1桁上の10μmサイズの凹凸が形成される。
サブμmのサイズの凹凸とは、単体穴や突起状の円錐の場合は直径、周期構造を有する場合は周期構造の幅が、サブμmのサイズのものをいう。凹凸形状のサイズは、若干ばらつきがあるが、凹凸凹の凹−凹間の距離、あるいは凸凹凸の凸−凸間の距離の平均値をいう。凹凸形状の深さ(隣り合う凹凸の高さの差(peak to valley、PV値)も、サブμmのサイズであることが好ましい。
[実施形態1]
本実施形態を図1を参照して以下説明する。図1は、製造方法を説明する模式図である。図1は、医療機器材料の例である大腿骨コンポーネント4に超短パルスレーザー2を照射する様子を示している。10ps以下のパルス幅の超短パルスレーザー2を、ジルコニアで作製した大腿骨コンポーネント4に、図1のように照射する。この条件を満たすパルス幅のレーザーとして、チタンサファイアレーザーやYb:YAGレーザーがあげられるが、他のレーザーであってもかまわない。レーザー光照射は、同一の位置で複数回数レーザー光が照射されるようにしつつ、大腿骨コンポーネント4を移動もしくはレーザー光の照射方向を変え、大腿骨と接触する面全てにサブμmの凹凸を作製する。前記凹凸形状は周期構造と非周期構造のいずれでもよい。
チタンサファイアレーザーを用いて凹凸を形成した例について説明する。チタンサファイアレーザー(中心波長800nm、パルス幅40fs、繰り返し550Hz/秒)を、焦点距離100mmのレンズで正方晶ジルコニアを含む部分安定化ジルコニア(3mol Y,ZrO)を含むセラミックス表面に、数十パルスから数百パルス照射することにより、周期800nm、深さ400nmの回折格子状周期構造の凹凸表面が形成された。上記レーザーのジルコニア表面に対するアブレーション閾値は1.5J/cmであり、集光されたレーザー光の強度は径方向にガウス状の強度分布を持つため、周辺の強度の弱い範囲(1.5−2.0J/cmの強度)では規則性のないサブμmの凹凸が形成された。中心部(2.5〜8.0J/cmの照射強度)の位置において周期構造が形成された。これは同一位置に5〜数100回照射を連続的に行った場合に発生し、集光位置を移動させながら同一位置に同じ回数レーザーが照射された場合は、規則性のない1μm未満の凹凸の形成を確認した。上記の照射条件はレーザー偏光が直線であり、規則性のある周期構造は偏光方向に対して平行な縞状方向に形成された。レーザー偏光が円偏光の場合、凹凸は島状に形成された。望ましい照射フルエンスは、一パルスあたりのアブレーション深さが作成される凹凸深さよりも小さいことが必要であり、アブレーション閾値の10倍以下程度の範囲である。
上述のように、凹凸を持つ微細構造を生成するために、同一位置において超短パルスレーザーが数ショットから数十回照射されるように設定を行う。照射方法は、同一点に連続照射を行った後に移動を行う方法、または、照射ビーム径に対してわずかに移動し同一点に連続照射を行う方法等がある。照射レーザーの繰返し周波数は、10kHz以下では照射回数が同一な場合大きな差が無いことから、特にこだわらない。
凹凸表面の親水性について調べた。ジルコニアセラミックスの表面に、超短パルスレーザーを連続照射して、レーザー波長程度の周期構造もしくは周期性のないサブμmの凹凸を形成した場合、水滴の静的接触角度が80〜85度から25〜30度へと大幅に変化し、表面の親水性が向上することが分かった。これは、超短パルスレーザー照射により生じるアブレーションプラズマによる効果と考えられる。
一般に、材料の骨伝導性を生体外で評価するための試験液として、ヒトの体液とほぼ等しい無機イオン濃度とpHを有する擬似体液(SBF)が用いられている。体液環境に類似したSBF中で表面にアパタイト層を形成する材料は、生体内でもその表面にアパタイト層を形成し、同アパタイト層を介して周囲の骨と結合する(骨伝導性を示す)と考えられている。そこで、超短パルスレーザー照射によりサブμmの表面凹凸を形成したジルコニアセラミックスのアパタイト形成能を評価する目的で、上記処理されたジルコニア基板を、SBF中に36.5℃で浸漬した。しかし、SBF浸漬後の超短パルスレーザー照射面に、アパタイト層の形成は確認されなかった(非照射面も同様)。すなわち、今回のSBF試験の結果からは、超短パルスレーザー照射によりサブμmの表面凹凸を形成したジルコニアセラミックスが、生体内で表面にアパタイト層を形成することを示唆する結果は得られなかった。
ジルコニアと骨との固着強度を生体外で予備的に評価する目的で、超短パルスレーザー照射によりサブμmの表面凹凸を形成したジルコニアセラミックスの表面に人工的にアパタイト膜を形成させた。具体的には、超短パルスレーザー照射したジルコニア基板を、カルシウムイオン水溶液とリン酸イオン水溶液に、洗浄と乾燥を挟んで交互に3回浸漬し(交互浸漬処理)、さらにリン酸カルシウム過飽和溶液(体液と同等の塩化ナトリウム濃度と、体液の1.5倍のカルシウムおよびリン酸イオン濃度を有する水溶液、pH=7.40/25℃)に24時間浸漬することで、表面に厚さ数μmのアパタイト膜を形成させた。また、比較例として、酸素プラズマ処理(プラズマエッチング装置を使用)を行って表面を親水化したジルコニア基板に、同様の交互浸漬処理と過飽和溶液への浸漬を行い、表面に厚さ数μmのアパタイト膜を形成させた。粘着テープ剥離試験によりアパタイト膜の密着性を比較したところ、酸素プラズマ処理基板上のアパタイト膜はテープで完全に剥離したのに対し、超短パルスレーザー照射された基板上にはアパタイトが残存した。すなわち、単にジルコニア表面を親水化しただけでは、表面にアパタイト膜を形成させても、膜密着性は弱く、ジルコニア表面のサブμmの表面凹凸構造が、膜密着性の向上に寄与することが確認された。このサブμmの表面凹凸構造による膜密着性の増強効果は、骨組織との界面においても期待される。
超短パルスレーザーの照射により形成したジルコニア表面の生体親和性及び骨との固着強度について次の実験を行い調べた。固着強度は押し込み試験機を用いて固着したジルコニアと骨の破壊強度で測定した。超短パルスレーザーにより表面にサブμmの凹凸が作成されたジルコニア棒(2.4mm角、長さ20mm)を、複数の同じ月齢の雄のウサギ体内の左右の脛骨に3.5mmの円形の貫通穴を開け、挿入した。比較対象には、コントロールとしてフェムト秒レーザーの照射がない鏡面のジルコニア棒、及びフェムト秒レーザー処理したジルコニア棒を、パルスレーザーアブレーションによる成膜及び液相での膜厚の増化を行い3−4μmまでリン酸カルシウムを成膜したジルコニア棒を、同等の標本数、別の個体に埋植した。フェムト秒レーザーを照射して表面加工したものは、照射していていないものと比較して、一ヶ月後の固着強度において、平均で6倍、最大で10倍の固着強度の増加が観測された。この様にフェムト秒レーザー処理したジルコニア棒を、パルスレーザーアブレーションによる成膜及び液相での膜厚の増加を行い3−4μmまでリン酸カルシウムを成膜したジルコニア棒では、コントロールと比較して、平均8.5倍、最大14倍以上であった。フェムト秒レーザー表面処理しただけのジルコニア棒は、個々の測定結果のばらつきは大きいものの、一部はリン酸カルシウム成膜したものより骨固着強度が高いという結果が得られた。超短パルスレーザーの照射により表面処理しただけのジルコニア棒は、超短パルスレーザー照射後にリン酸カルシウム膜を蒸着したものと比べて、固着強度においては遜色なく、生体骨と固着していることが確かめられた。さらに、骨固着強度試験時に、ジルコニア棒と骨の界面で破壊が生じたのか、或いは、骨とジルコニアの界面は破壊せずに骨内で破壊が生じたのかを調べる為、骨固着強度測定後の全ジルコニア棒の表面をアリザニンレッド染色して骨組織の残存の程度を調べた。その結果、フェムト秒レーザー表面処理しただけのジルコニア棒も、フェムト秒レーザー処理とリン酸カルシウム成膜処理したジルコニア棒も、広範囲に骨組織の残存が観察された。すなわち、フェムト秒レーザー表面処理しただけのジルコニア棒は、フェムト秒レーザー処理とリン酸カルシウム成膜処理したジルコニア棒と同様に、高い結合強度で表面に骨が形成されており、フェムト秒レーザー表面処理しただけのジルコニア棒が、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーション性を有していると考えられた。
上述のSBF試験の結果によれば、フェムト秒レーザー処理されたジルコニア棒は、生体内で表面にアパタイト層を形成しないか、形成するとしても長時間を要すると考えられる。それにも関わらず、予めリン酸カルシウム成膜処理したジルコニア棒と同様の骨結合性を示したことは、フェムト秒レーザー処理により形成されたジルコニア表面が、細胞や生体組織に作用し、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーション性を引き出したことを示唆している。アブレーションプラズマにより生成するフリーラジカルなどの活性種や、親水性官能基、サブμmの表面凹凸構造が、複合的に作用した可能性がある。
一方、ウサギの脛骨内に、コントロールとして埋入したジルコニア棒の骨固着は認められず、表面にリン酸カルシウム膜の析出も認められなかった。超短パルスレーザー照射を行わない部分は、生体内においてもリン酸カルシウム膜が生成されることなく、滑らかな鏡面を維持できる。そのため、摺動面においては、ジルコニア鏡面の極めて低い摩擦特性を長期間維持できる。
生体へ挿入を行う際のジルコニア材の固定には、ウサギの実験の様に1ケ月スケールの固定が必要と考えられる。そのため、挿入部分のジルコニア材には、1μm未満の表面加工の他に数10μmから数100μmの凹凸形状やmm程度のピッチのネジ等の機械的にずれ防止構造を形成することも有効である。
以上のように、超短パルスレーザーを連続照射してジルコニア表面を加工することにより、大腿骨コンポーネント等を構成するジルコニア表面の特定部位に、規則正しい周期構造もしくはサブμmの凹凸を持つ粗面が形成される。特定部位の表面は体内で、骨と固着する。一方、レーザー照射を行わない部分は鏡面加工された表面を保ったままなので長期に渡って低摩擦を維持できる。
[実施形態2]
本実施形態を図2及び3を参照して以下説明する。図2は、製造方法を説明する模式図である。図3は製造した人工膝関節を示す図である。人工膝関節を構成する大腿骨コンポーネント4とポリエチレンインサート5と脛骨コンポーネント6の特定部位に対して、図2のように、超短パルスレーザー2を照射する。図3中の、大腿骨コンポーネント4と脛骨コンポーネント6のドット表示部分が、超短パルスレーザー照射により形成された凹凸表面領域である。凹凸表面領域は,人工膝関節置換手術において、生体内の骨と固着する特定部位である。凹凸が形成されない鏡面表面の領域は、低摩擦で摺動部等に適する。人工膝関節を構成する大腿骨コンポーネント4とポリエチレンインサート5と脛骨コンポーネント6のうちの一部を、ジルコニアセラミックス材で構成してもよいし、大半をジルコニアセラミックス材料で構成することも可能である。ジルコニアセラミックス材を用いることにより、ポリエチレンインサート5と脛骨コンポーネント6を一体に形成することもできる。
上記実施形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明は、例えば膝関節等の人工関節に最適なジルコニアを主材料とし、かつジルコニア表面の骨との接合部分に限定して骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを向上させ、強固に人工関節と骨とを結合させる構造の人工関節等を実現するものであり、人工関節以外にも骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを持って骨と結合させる必要がある人工骨やインプラント等にも適用が可能であるので、産業上有用である。
2 超短パルスレーザー
4 大腿骨コンポーネント
5 ポリエチレンインサート
6 脛骨コンポーネント

Claims (4)

  1. 正方晶ジルコニアの含有率が100%である正方晶ジルコニア多結晶体、正方晶ジルコニアと単斜晶ジルコニアから成る部分安定化ジルコニア、正方晶ジルコニアを含む非安定化ジルコニアで母材セラミックスを高靱性化したジルコニア高靱性化セラミックス、正方晶ジルコニアの表面被覆や分散による金属ジルコニウムやその他金属との複合体、及び、正方晶の安定化剤を含有する正方晶ジルコニアのいずれかの材料の表面に、10ps以下のパルス幅をもつ超短パルスレーザーを照射して、前記材料の表面を凹凸の幅もしくは直径が1μm未満の凹凸表面構造とすることにより、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションを有する領域を選択的に形成することを特徴とする、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の製造方法。
  2. 正方晶ジルコニアの含有率が100%である正方晶ジルコニア多結晶体、正方晶ジルコニアと単斜晶ジルコニアから成る部分安定化ジルコニア、正方晶ジルコニアを含む非安定化ジルコニアで母材セラミックスを高靱性化したジルコニア高靱性化セラミックス、正方晶ジルコニアの表面被覆や分散による金属ジルコニウムやその他金属との複合体、及び、正方晶の安定化剤を含有する正方晶ジルコニアのいずれかの材料の表面の、生体内で骨と固着させる特定部位に、10ps以下のパルス幅をもつ超短パルスレーザーを照射して、前記材料の表面を凹凸の幅もしくは直径が1μm未満の凹凸表面構造とすることを特徴とする、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料の製造方法。
  3. 正方晶ジルコニアの含有率が100%である正方晶ジルコニア多結晶体、正方晶ジルコニアと単斜晶ジルコニアから成る部分安定化ジルコニア、正方晶ジルコニアを含む非安定化ジルコニアで母材セラミックスを高靱性化したジルコニア高靱性化セラミックス、正方晶ジルコニアの表面被覆や分散による金属ジルコニウムやその他金属との複合体、及び、正方晶の安定化剤を含有する正方晶ジルコニアのいずれかの材料が、骨伝導性又は骨伝導的オッセオインテグレーションが他の領域より良い領域を、表面に有し、前記良い領域は、凹凸の幅もしくは直径が1μm未満である前記材料の凹凸表面構造のレーザー照射処理部位であることを特徴とする、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料。
  4. 正方晶ジルコニアの含有率が100%である正方晶ジルコニア多結晶体、正方晶ジルコニアと単斜晶ジルコニアから成る部分安定化ジルコニア、正方晶ジルコニアを含む非安定化ジルコニアで母材セラミックスを高靱性化したジルコニア高靱性化セラミックス、正方晶ジルコニアの表面被覆や分散による金属ジルコニウムやその他金属との複合体、及び、正方晶の安定化剤を含有する正方晶ジルコニアのいずれかの材料の、生体内で骨と固着させる特定部位が、凹凸の幅もしくは直径が1μm未満である前記材料の凹凸表面構造のレーザー照射処理部位であることを特徴とする、正方晶ジルコニアを含有する医療機器材料。
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