JP6573012B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(エンジン)に用いられる点火装置に関し、特に火花放電の継続技術に関する。
点火プラグの負担を軽減し、無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続させる技術として、周知の点火回路によって最初の火花放電(主点火と称す)を開始させた後、主点火が吹き消える前に1次コイルの低電圧側からバッテリ電圧供給ラインに向けて電気エネルギを投入して2次コイルに同一方向の電流(直流の2次電流)を継続して流し、主点火で生じた火花放電を任意の期間(以下、放電継続期間)に亘って継続させるエネルギ投入回路を考案した(公知技術でない)。
なお、以下では、エネルギ投入回路により継続させる火花放電(主点火に続く火花放電)を継続火花放電と称する。
エネルギ投入回路は、放電継続期間中の1次電流(投入エネルギ)を制御することで、2次電流をコントロールして火花放電の維持を行う。継続火花放電中の2次電流をコントロールすることで、火花放電の吹き消えと再放電の繰り返しによる点火プラグの負担を軽減し、且つ無駄な電力消費を抑えて、火花放電の継続を行うことができる。
また、主点火に続く継続火花放電において2次電流を同一方向に流すため、主点火に続く継続火花放電において火花放電が途切れ難い。このため、エネルギ投入による継続火花放電を採用することで、希薄燃焼で、且つ気筒内に旋回流が生じる運転状態においても、火花放電の吹き消えを回避できる。
次に、本発明の理解補助の目的で、継続火花放電を行う点火装置の代表例(本発明を適用していないもの。以下、参考例と呼ぶ)を図18〜20に基づき説明する(上述したように、周知技術ではない)。なお、図18〜20に用いる符合は、後述する「実施例」と同一機能物に同一符合を付したものである。
図18に示す点火装置は、点火プラグ、点火コイル3、主点火及び継続火花放電を制御するコントローラ4、及びコントローラ4に必要な信号を送信する信号送信部を備える。
コントローラ4内には、主点火を行うフルトラタイプの主点火回路10、及び継続火花放電を行うエネルギ投入回路11が配されている。
主点火回路10は、信号送信部であるECU5(エンジン・コントロール・ユニットの略)から付与される点火信号IGTに基づいて作動するものであり、点火信号IGTがローからハイに切り替わることで、点火コイル3の1次コイルが通電される。そして、点火信号IGTがハイからローに切り替わり1次コイルの通電が遮断されると、点火コイル3の2次コイルに高電圧が発生し、点火プラグにおいて主点火が開始される。
エネルギ投入回路11は、ECU5から付与される放電継続信号IGW及び2次電流指令値I2aを示す2次電流指令信号IGAに基づいて作動するものであり、放電継続期間信号IGWがローからハイに切り替わることで、1次コイルのマイナス側(低電圧側)からプラス側(高電圧側)に向かう電気エネルギの投入が開始される。具体的には、エネルギ投入用スイッチング手段をON−OFF制御することで2次電流を2次電流指令値I2aに維持されるようにコントロールする。
次に図19を用いて、継続火花放電を行う点火装置の作動の説明をする。「IGT」は点火信号IGTのハイ/ロー信号、「IGW」は放電継続信号IGWのハイ/ロー信号、「点火用スイッチ」は点火用スイッチング手段のON/OFF動作、「エネルギ投入用スイッチ」は、エネルギ投入用スイッチング手段のON/OFF動作、点火用「I1」は1次電流(1次コイルに流れる電流値)、「I2」は2次電流(2次コイルに流れる電流値)、である。
ECU5が点火信号IGTを出力すると、点火信号IGTがハイとされる期間ΔT1(t01〜t02)に亘って点火用スイッチング手段がONされる。
点火信号IGTがハイからローへ切り替わると、点火用スイッチング手段がOFFされ、1次コイルの通電状態が遮断される。すると、2次コイルに高電圧が発生し、点火プラグにおいて主点火が開始される。
点火プラグにおいて主点火が開始された後、2次電流は略のこぎり波形状で減衰する。そして、2次電流が「所定の下限電流値(火花放電を維持するための電流値)」に低下する前に、ECU5が放電継続信号IGWを出力する。
ECU5が放電継続信号IGWを出力すると、エネルギ投入用スイッチング手段がON−OFF制御されて、エネルギ投入回路11内のコンデンサに蓄えられていた電気エネルギの一部が、1次コイルに投入される。これにより、エネルギ投入用スイッチング手段がONされるたびに1次コイルに1次電流が追加して流れ、1次電流が追加される毎に、主点火による2次電流と同方向の2次電流が2次コイルに順次追加して流れる。
このように、エネルギ投入用スイッチング手段をON−OFF制御することで、2次電流が火花放電を維持可能な程度に継続して流れる。すなわち、放電継続信号IGWがハイとされる期間ΔT2(t03〜t04)に亘って2次電流を所定の目標範囲(I2a付近)に維持させる。その結果、放電継続信号IGWのハイ継続中は、継続火花放電が点火プラグに維持される。
(問題点)
ここで、ECU5は主点火回路10に対して点火信号IGTを、エネルギ投入回路11に対して放電継続信号IGWを送信する。
図20に示すように、点火信号IGT及び放電継続信号IGWは、それぞれエンジンの気筒毎に必要である。このため、図18に示すように、4気筒エンジンでは、点火信号IGT及び放電継続信号IGWを送信するために、ECU5からコントローラ4に接続される信号線が8本(IGT♯1〜♯4用の4本とIGW♯1〜♯4用の4本)必要となる。
また、2次電流指令値I2aを運転状態等に応じて変化させる場合に、2次電流指令信号IGAをエネルギ投入回路11に対して逐次送信する必要もある。
この場合、2次電流指令信号IGAを送信するための信号線がさらに必要となる。
例えば、参考例では、図18に示すように、3つの電流値(100mA,150mA,200mA)の内の1つの値を運転状態等に応じて2次電流指令値I2aとして選択する態様であり、2次電流指令信号IGAを送信するために電流値毎に1本の合計3本の信号線が必要となる。
以上のように、継続火花放電を行う点火装置では、ECU5とコントローラ4とを接続する信号線が多く、高コスト化を招く。
(参考技術)
本発明に関連する技術として、多重点火をするための回路を有する点火装置において、点火信号IGTを送信するための信号線及び多重期間信号IGWを送信するための信号線が気筒毎に設けられたものが開示されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2では、多重期間信号IGWを送信するための信号線が1本である図が掲載されているが、信号の多重化や二次電流指令値については一切記載されていない。
特開2009−52435号公報 特開2006−63973号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、継続火花放電を行う内燃機関用点火装置において、ECUとコントローラとを接続する信号線の本数を少なくして、低コスト化を実現することにある。
本発明1の内燃機関用点火装置は、以下に説明する主点火回路、エネルギ投入回路、多重信号送信部、及び気筒別抽出部を有する。
主点火回路は、点火コイルの1次コイルの通電制御を行って点火プラグに火花放電を生じさせる回路である。
エネルギ投入回路は、主点火回路の作動によって開始した火花放電中に、1次コイルに電気エネルギを投入して点火コイルの2次コイルに同一方向の2次電流を流し、主点火回路の作動によって開始した火花放電を継続させる回路である。
多重信号送信部は、気筒毎の火花放電継続の指示信号である気筒別放電継続信号(IGW♯1〜4)の少なくとも2気筒分を多重化した多重化信号(IGWc)を生成し、この多重化信号(IGWc)を送信する。
気筒別抽出部は、多重化信号(IGWc)を受信し、多重信号送信部から気筒別放電継続信号(IGW♯1〜4)を抽出する。
ここで、エネルギ投入回路は、2次電流指令値に基づいて2次電流を目標範囲に維持し、多重信号送信部は、多重化信号(IGWc)に2次電流指令値を示す2次電流指令信号(IGA)を付加して送信する。
本発明によれば、気筒別放電継続信号(IGW♯1〜4)の全気筒分を多重化した多重化信号(IGWc)を用いるため、ECUで多重化信号(IGWc)を生成して、コントローラ内に気筒別抽出部を配置すれば、ECUとコントローラとの間を接続する信号線を少なくできる。
本発明2の内燃機関用点火装置は、本発明1の多重信号送信部及び気筒別抽出部に替えて、以下に説明する統合信号送信部及び信号分離部を有する。
統合信号送信部は、主点火作動の指示信号である点火信号(IGT)に、火花放電継続の指示信号である放電継続信号(IGW)を付加した統合信号(IGC)を気筒毎に生成し、気筒毎の統合信号(IGC)を気筒毎に1つの信号線で送信する。
信号分離部は、気筒毎に1つの信号線を介して統合信号を受信し、統合信号(IGC)から点火信号(IGT)と放電継続信号(IGW)とを分離して、点火信号(IGT)を主点火回路に出力し、放電継続信号(IGW)をエネルギ投入回路に出力する。
ここで、統合信号(IGC)は、点火信号(IGT)に、放電継続信号(IGW)と2次電流指令値を示す2次電流指令信号(IGA)とを付加したものである。
本発明によれば、点火信号(IGT)に放電継続信号(IGW)を付加した統合信号(IGC)を用いるため、ECUで統合信号(IGC)を生成して、コントローラ内に信号分離部を配置すれば、ECUとコントローラとの間を接続する信号線を少なくできる。
内燃機関用点火装置の概略構成図である(実施例1)。 内燃機関用点火装置の概略回路図である(実施例1)。 点火信号IGT及び多重化信号IGWcを示すタイムチャートである(実施例1)。 気筒別抽出部の概略回路図である(実施例1)。 気筒別放電継続信号IGW#1〜4の抽出を説明するタイムチャートである(実施例1)。 2次電流指令信号IGAを抽出する部分の概略回路図である(実施例1)。 2次電流指令信号IGAの抽出を説明するタイムチャートである(実施例1)。 点火信号IGT及び多重化信号IGWcを示すタイムチャートである(実施例2)。 点火信号IGT及び多重化信号IGWcを示すタイムチャートである(実施例3)。 内燃機関用点火装置の概略構成図である(実施例4)。 内燃機関用点火装置の1つの気筒分を表示した概略構成図である(実施例4)。 統合信号の信号パターンを示す説明図である(実施例4)。 統合信号を示すタイムチャートである(実施例4)。 信号分離部の概略回路図である(実施例4)。 信号分離を説明するタイムチャートである(実施例4)。 統合信号の信号パターンを示す説明図である(実施例5)。 統合信号の信号パターンを示す説明図である(実施例5)。 内燃機関用点火装置の概略構成図である(参考例)。 内燃機関用点火装置の作動を説明するためのタイムチャートである(参考例)。 各信号線により送信される点火信号(IGT)、放電継続信号(IGW)、及び2次電流指令信号(IGA)を示すタイムチャートである(参考例)。
以下において「発明を実施するための形態」を詳細に説明する。
本発明の具体的な一例(実施例)を図面に基づき説明する。なお、以下の「実施例」は具体的な一例を開示するものであり、本発明が「実施例」に限定されないことは言うまでもない。
[実施例1]
図1〜図7を参照して実施例1を説明する。
この実施例1における点火装置は、車両走行用の火花点火エンジンに搭載されるものであり、所定の点火タイミング(点火時期)で燃焼室内の混合気に着火(点火)を行うものである。なお、エンジンの一例は、ガソリンを燃料とする希薄燃焼(リーンバーン燃焼)が可能な直噴式エンジンであり、気筒内に混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。
この実施例1における点火装置は、各気筒の点火プラグ1ごとに対応した点火コイル3を用いるDI(ダイレクト・イグニッション)タイプである。
まず、点火装置の構成の概要を図1及び図2を用いて説明する。図2は1気筒分を代表して、点火装置の回路構成の概要を説明するものである。
点火装置は、点火プラグ1、点火コイル3、主点火及び継続火花放電を制御するコントローラ4、及びコントローラ4に必要な信号を送信する信号送信部として機能するECU5を備える。
コントローラ4は、ECU5から与えられる指示信号(点火信号IGT、放電継続信号IGW、2次電流指令信号IGA)に基づいて点火コイル3の1次コイル6を通電制御するものであり、1次コイル3を通電制御することで2次コイル7に生じる電気エネルギをコントロールして、点火プラグ1の火花放電をコントロールする。
コントローラ4は、後に説明する主点火回路10、エネルギ投入回路11を有する。
ECU5は、各種センサから取得したエンジンパラメータ(暖機状態、エンジン回転速度、エンジン負荷等)やエンジンの制御状態(希薄燃焼の有無、旋回流の程度等)に応じて各指示信号を生成してコントローラ4に送信する。
点火プラグ1は、周知なものであり、点火コイル3の2次コイル7の一端と出力端子を介して接続される中心電極と、エンジンのシリンダヘッド等を介してアース接地される外側電極とを備え、2次コイル7に生じる電気エネルギにより中心電極と外側電極との間で火花放電を生じさせる。点火プラグ1は気筒毎に搭載される。
点火コイル3は、1次コイル6と、この1次コイル6の巻数より多くの巻数を有する2次コイル7とを備える。
1次コイル6の一端は、点火コイル3のプラス端子に接続されるものであり、このプラス端子はバッテリ電圧供給ラインα(車載バッテリ13のプラス電極から電力の供給を受けるライン)に接続される。
1次コイル6の他端は、点火コイル3の接地側端子に接続されるものであり、この接地側端子は、主点火回路10の点火用スイッチング手段15(パワートランジスタ、MOS型トランジスタ等)を介してアース接地される。
2次コイル7の一端は、上述したように出力端子に接続されるものであり、この出力端子が点火プラグ1の中心電極に接続される。
2次コイル7の他端は、バッテリ電圧供給ラインαまたはアース接地される。具体的な一例として、この実施例の2次コイル7の他端は、1次コイル6の通電時に発生する不要な電圧を抑制するための第1ダイオード16を介して点火コイル3のプラス端子に接続される。
主点火回路10は、点火コイル3の1次コイル6の通電制御を行って点火プラグ1に火花放電を生じさせる回路である。
主点火回路10は、点火信号IGTが与えられる期間に亘って1次コイル6に車載バッテリ13の電圧(バッテリ電圧)を印加するものである。具体的に、主点火回路10は、1次コイル6の通電状態を断続する点火用スイッチング手段15(パワートランジスタ等)を備えるものであり、点火信号IGTが与えられると、点火用スイッチング手段15をONして1次コイル6にバッテリ電圧を印加する。
ここで、点火信号IGTは、主点火回路10において1次コイル6に磁気エネルギを蓄えさせる期間(エネルギ蓄積時間ΔT1)および放電開始タイミングt02を指令する信号である(図3参照)。なお、点火信号IGTは気筒毎に生成される(IGT♯1〜♯4)。
エネルギ投入回路11は、主点火回路10の作動によって開始した火花放電中に、1次コイル6に電気エネルギを投入して2次コイル7に同一方向の2次電流を流し、主点火回路10の作動によって開始した火花放電を継続させる回路である。
エネルギ投入回路11は、以下の昇圧回路18と投入エネルギ制御手段19とを備えて構成される。
昇圧回路18は、ECU5から点火信号IGTが与えられる期間において車載バッテリ13の電圧を昇圧してコンデンサ20に蓄える。
投入エネルギ制御手段19は、コンデンサ20に蓄えた電気エネルギを1次コイル6のマイナス側(接地側)に投入する。
昇圧回路18は、コンデンサ20以外に、チョークコイル21、昇圧用スイッチング手段22、昇圧用ドライバ回路23および第2ダイオード24を備えて構成される。なお、昇圧用スイッチング手段22は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。
ここで、チョークコイル21は一端が車載バッテリ13のプラス電極に接続され、昇圧用スイッチング手段22によりチョークコイル21の通電状態が断続される。また、昇圧用ドライバ回路23は、昇圧用スイッチング手段22に制御信号を与えて昇圧用スイッチング手段22をオンオフさせるものであり、昇圧用スイッチング手段22のオンオフ動作により、チョークコイル21で蓄えた磁気エネルギはコンデンサ20で電気エネルギとして充電される。
なお、昇圧用ドライバ回路23は、ECU5から点火信号IGTがONされる期間において昇圧用スイッチング手段22を所定周期で繰り返してオンオフするように設けられている。また、第2ダイオード24は、コンデンサ20に蓄えた電気エネルギがチョークコイル21側へ逆流するのを防ぐものである。
投入エネルギ制御手段19は、次の投入用スイッチング手段26、投入用ドライバ回路27および第3ダイオード28を備えて構成される。なお、投入用スイッチング手段26は、例えば、MOS型トランジスタである。
ここで、投入用スイッチング手段26は、コンデンサ20に蓄えた電気エネルギを1次コイル6にマイナス側(低電圧側)から投入するのをオンオフし、投入用ドライバ回路27は、投入用スイッチング手段26に制御信号を与えてオンオフさせる。
そして、投入用ドライバ回路27は、投入用スイッチング手段26をオンオフさせてコンデンサ20から1次コイル6に投入する電気エネルギを制御することで、放電継続信号IGWが与えられる期間において2次電流を2次電流指令値I2aに維持させる。
ここで、放電継続信号IGWは、エネルギ投入タイミングt03と継続火花放電を継続する期間を指令する信号であり、より具体的には、投入用スイッチング手段26にオンオフを繰り返させて昇圧回路18から1次コイル6に電気エネルギを投入する期間(エネルギ投入時間ΔT2)を指令する信号である。なお、放電継続信号IGWは気筒毎に生成される(IGW♯1〜♯4)。
第3ダイオード28は、1次コイル6からコンデンサ20への電流の逆流を阻止するものである。
投入用ドライバ回路27の具体的な一例は、2次電流が2次電流指令値I2aを維持するようにオープン制御(フィードフォワード制御)によってエネルギ投入用スイッチング手段26をON−OFF制御するものである。あるいは、2次電流を電流検出抵抗を用いてモニターし、モニターした2次電流が2次電流指令値I2aを維持するようにエネルギ投入用スイッチング手段26のON−OFF状態をフィードバック制御するものであってもよい。
なお、継続火花放電中における2次電流指令値I2aは、一定であっても良いし、エンジンの運転状態に応じて変更するものであっても良い。
本実施例では、エンジンの運転状態に応じて3つの電流値から1つの電流値を選択しエネルギ投入回路11に出力しており、このための指示信号を2次電流指令信号IGAとしている。
(実施例の特徴)
点火装置は、多重信号送信部と気筒別抽出部30とを備える。
本実施例ではECU5が多重信号送信部として機能する。
ECU5は、気筒毎の火花放電継続の指示信号である気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4を、全気筒分を多重化した多重化信号IGWcとして生成する。
そして、この多重化信号IGWcを一本の信号線31によって送信する。
気筒別抽出部30は、信号線31を介して多重化信号IGWcを受信し、多重信号送信部から気筒別放電継続信号IGW♯1〜4を抽出する。
気筒別抽出部30は、コントローラ4内のエネルギ投入回路11に設けられている。
例えば、本実施例では、投入用ドライバ回路27が気筒毎に設けられており、気筒別抽出部30で多重化信号IGWcから気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4を抽出して、それぞれ対応する気筒の投入用ドライバ回路27に送信する態様となっている。
なお、投入用ドライバ回路27が全気筒共通に設けられており、投入用ドライバ回路27内に気筒別抽出部30を設けてもよい。
多重化信号IGWcの具体例を図3を用いて説明する。
図20に示すように、気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4は、エネルギ投入タイミングt03とエネルギ投入時間ΔT2を指令する信号であり、それぞれパルスのローからハイへの立ち上がりタイミングがエネルギ投入タイミングt03に相当し、パルス幅がエネルギ投入時間ΔT2に相当する。なお、パルス幅は気筒毎に異なっていてもよい。
各放電継続信号IGW♯1〜4のエネルギ投入タイミングt03は、対応気筒の点火信号IGT♯1〜4の放電開始タイミングt02の後に設定される。
多重化信号IGWcは、気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4のパルスを時分割で多重化したものである。すなわち、点火信号IGT♯1〜4の出力順に合わせて、気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4に対応するパルスP♯1〜4を順次出力させる信号である。
各気筒に対応するパルスP♯1〜4の立ち上がりタイミングは、各気筒におけるエネルギ投入タイミングt03に相当するように設定されている。
また、多重化信号IGWcのハイ信号レベルの大きさLが、2次電流信号IGAを示すものとなる。この点は後に詳述する。
次に、図4及び図5を用いて、気筒別抽出部30での多重化信号IGWcからの気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4の抽出について説明する。
気筒別抽出部30は、タイマ回路31〜34、AND回路35〜38を含んで構成される。
タイマ回路31〜34は、それぞれ点火信号IGT♯1〜4のパルスの立下りから所定時間ハイ信号を出力する回路である。なお、この所定時間は、エネルギ投入時間ΔT2として設定され得る最大値よりも大きく設定してあり、例えば2msである。
AND回路35は、タイマ回路31からの出力W1と多重化信号IGWcとの論理積によって第1気筒の放電継続信号IGW♯1を抽出する(図5参照)。
同様に、AND回路36は、タイマ回路32からの出力W2と多重化信号IGWcとの論理積によって第1気筒の放電継続信号IGW♯2を抽出する。
AND回路37は、タイマ回路33からの出力W3と多重化信号IGWcとの論理積によって第1気筒の放電継続信号IGW♯3を抽出する。
AND回路38は、タイマ回路34からの出力W4と多重化信号IGWcとの論理積によって第1気筒の放電継続信号IGW♯4を抽出する。
そして、抽出された気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4は、それぞれ対応する気筒の投入用ドライバ回路27に送信される。
次に、多重化信号IGWcへの2次電流指令信号IGAの付加について図6及び図7を用いて説明する。
本実施例では、多重化信号IGWcのハイ信号レベルの大きさLが、2次電流信号IGAを示すものとなる。
すなわち、図7に示すように、多重化信号IGWcのハイ信号レベルが閾値H1〜3のいずれの閾値以上となっているかによって、3つの電流値のいずれが選択されたかの情報を2次電流指令信号IGAとして抽出する。
具体的には、多重化信号IGWcでは、2次電流指令値I2aを200mAと指示する場合には、閾値H2未満で閾値H3以上の信号レベルとなるようにし、150mAと指示する場合には、閾値H1未満で閾値H2以上の信号レベルとなるようにし、100mAと指示する場合には、閾値H1以上の信号レベルとなるようにしている。
すなわち、信号レベルが閾値H1以上の場合には2次電流指令値I2aを100mAと指示するための信号となり、閾値H1未満で閾値H2以上の場合には2次電流指令値I2aを150mAと指示するための信号となり、閾値H2未満で閾値H3以上の場合には2次電流指令値I2aを200mAと指示するための信号となる。
従って、信号レベルを設定することにより2次電流指令信号IGAを付加している。
ここで、図6を用いて、多重化信号IGWcからの2次電流指令値I2aの抽出回路を説明する。
この回路は、コンパレータ41〜43、NOT回路44〜46、アナログ出力回路47等を含んで構成されている。
コンパレータ41は、多重化信号IGWcと閾値H1とを比較し、閾値H1より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路44で反転させることにより信号E1を抽出する。信号E1は、2次電流指令値I2aが100mAの場合にハイ出力となる。
コンパレータ42は、多重化信号IGWcと閾値H2とを比較し、閾値H2より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路45で反転させることにより信号E2を抽出する。信号E2は、2次電流指令値I2aが100mAまたは150mAの場合にハイ出力となる。
コンパレータ43は、多重化信号IGWcと閾値H3とを比較し、閾値H3より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路46で反転させることにより信号E3を抽出する。信号E3は、2次電流指令値I2aが100mAまたは150mAまたは200mAの場合にハイ出力となる。
アナログ出力回路47は、並列に接続された抵抗51〜53、および抵抗51〜53にそれぞれ直列に接続されたスイッチング素子61〜63等により構成されている。
第1スイッチング素子61は、信号E1がハイ出力であるときにONとなり、信号E1がロー出力である場合にはOFFとなる。
第2スイッチング素子62は、信号E2がハイ出力であるときにONとなり、信号E2がロー出力である場合にはOFFとなる。
第3スイッチング素子63は、信号E3がハイ出力であるときにONとなり、信号E3がロー出力である場合にはOFFとなる。
すなわち、信号E1がロー、信号E2がロー、信号E3がハイの場合には、第3スイッチング素子63のみがONとなる。
また、信号E1がロー、信号E2がハイ、信号E3がハイの場合には、第2スイッチング素子62と第3スイッチング素子63がONとなる。
また、信号E1がハイ、信号E2がハイ、信号E3がハイの場合には、第1〜第3スイッチング素子61〜63の全てがONとなる。
抵抗51〜53は、第3スイッチング素子63のみがONとなる場合に200mA、第2スイッチング素子62と第3スイッチング素子63がONとなる場合に150mA、第1〜第3スイッチング素子61〜63の全てがONとなる場合に100mAがアナログ出力されるように、抵抗値が設定されている。
従って、3つの電流値から1つの電流値を選択しエネルギ投入回路11に出力するための指示信号である2次電流指令信号IGAは、信号E1〜E3として抽出され、実際の2次電流指令値I2aは信号E1〜E3からアナログ出力回路47を介して出力される。
(実施例の効果)
実施例の点火装置は、気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4を多重化した多重化信号IGWcを出力する多重信号送信部と、多重信号送信部から気筒別放電継続信号IGW♯1〜4を抽出する気筒別抽出部30を備える。
これによれば、本実施例のように、ECU5で多重化信号IGWcを生成して、コントローラ4内に気筒別抽出部30を配置すれば、ECU5とコントローラ4との間を接続する信号線31を減らすことができる。
つまり、気筒別の放電継続信号IGW♯1〜4をコントローラ4に送信する場合とは異なり、気筒分の信号線が不要であり、共通の信号線31を用いることができる。
また、多重化信号IGWcに2次電流指令信号IGAも付加しているため、2次電流指令信号IGA用の信号線も不要となる。従って、ECU5とコントローラ4との間を接続する信号線の本数を減らすことができる。
[実施例2]
図8を参照して実施例2を説明する。なお、実施例2において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
本実施例は、多重化信号IGWcへの2次電流指令信号IGAの付加態様が実施例1と異なっている。
実施例2では、点火信号IGTのハイ信号継続中に、PWMで電流量を指令するものである。
実施例2によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。加えて、電流指令値を自由に設定することも可能である。
[実施例3]
図9を参照して実施例3を説明する。なお、実施例3において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
本実施例は、多重化信号IGWcへの2次電流指令信号IGAの付加態様が実施例1と異なっている。
実施例3では、点火信号IGTのハイ信号継続中に、IGWの立ち上がりタイミングで電流量を指令するものである。
例えば、立ち上がりt05から立下がりt02の時間ΔT3で電流量を指令する。
本実施例によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。加えて、電流指令値を自由に設定することも可能である。
また、前記実施例3では、t05で立ち上がりt02で立ち下がった後、t03で立ち上がりt04で立下がる多重化信号IGWcを用いたが、多重化信号IGWcは、t05で立ち上がりt04で立下がる信号であってもよい。この場合、t03タイミングはt02タイミングを基にコントローラ4内部で生成する。
[実施例4]
図10〜図15を参照して実施例4を説明する。
実施例4の点火装置は、実施例1の点火装置と同様に、点火プラグ1、点火コイル3、主点火及び継続火花放電を制御するコントローラ4、及びECU5を備える。
それぞれの要素の説明は、実施例1における説明と同様であるため省略する。
実施例1〜3では、気筒別の信号を多重化することで信号線を減らしたが、本実施例では異なる種類の信号を統合化することで信号線を減らす。
複数の信号を1本の信号線で送信し、コントローラ内で必要な情報を読み取るという点で、実施例1〜3と実施例4とは共通している。
以下に、実施例4の詳細を説明する。
ECU5は、各種センサから取得したエンジンパラメータ(暖機状態、エンジン回転速度、エンジン負荷等)やエンジンの制御状態(希薄燃焼の有無、旋回流の程度等)に応じた点火信号IGT、放電継続信号IGW、及び2次電流指令信号IGAを統合した統合信号IGCを出力する統合信号送信部をなす。
そして、コントローラ4内に、統合信号IGCから点火信号IGT、放電継続信号IGW、及び2次電流指令信号IGAを分離する信号分離部300を設ける。
信号分離部300は、統合信号IGCから分離した点火信号IGTを主点火回路10に出力し、放電継続信号IGWと2次電流指令信号IGAをエネルギ投入回路11に出力する。
統合信号IGCの具体例を図12を用いて説明する。代表して第1気筒の統合信号IGCを用いて説明する。
統合信号IGCは、信号レベルを3段階の階段状に時間変位させて、複数の信号レベルを有した階段状をなしている。すなわち、統合信号IGCのハイ信号は、時間の経過とともに、以下に説明する第1ハイ信号Sa、第2ハイ信号Sb、第3ハイ信号Scを有する。
所定タイミングP1で閾値h1を超える第1ハイ信号Saを出力し、第1ハイ信号Saを所定期間ΔQ1継続させた後、所定タイミングP2で階段状に信号レベルを低下させ、閾値h1以下であって閾値h2を越える第2ハイ信号Sbを出力する。そして、第2ハイ信号Sbを所定期間継続させた後、所定タイミングP3でさらに信号レベルを低下させ、閾値h2以下であって閾値h3〜5のいずれかを越える第3ハイ信号Scを出力する。そして、第3ハイ信号Scを所定期間ΔQ2継続させた後、所定タイミングP4で信号をロー(OFF)にする。
この階段状の統合信号IGCにおいて、ΔQ1が点火信号IGTのON継続時間(エネルギ蓄積時間ΔT1)に、タイミングP2(信号レベルの変化点)が点火信号IGTのOFFタイミング(放電開始タイミングt02)に相当する。また、タイミングP1は点火信号IGTのONタイミングt01に相当する。
また、タイミングP3(信号レベルの変化点)が放電継続信号IGWのONタイミング(エネルギ投入タイミングt03)に相当し、ΔQ2が放電継続信号IGWのON継続時間(エネルギ投入時間ΔT2)に相当する。また、タイミングP4は放電継続信号IGWのOFFタイミングt04に相当する。
また、第3ハイ信号Scの信号レベルの大きさLが、2次電流指令信号IGAに相当する。すなわち、閾値h3〜5のいずれの閾値以上となっているかによって、3つの電流値のいずれが選択されたかの情報を2次電流指令信号IGAとして抽出する。
具体的には、統合信号IGCでは、2次電流指令値I2aを200mAと指示する場合には、閾値h4未満で閾値h5以上の信号レベルとなるようにし、150mAと指示する場合には、閾値h3未満で閾値h4以上の信号レベルとなるようにし、100mAと指示する場合には、閾値h2未満閾値h3以上の信号レベルとなるようにしている。
すなわち、閾値h2未満閾値h3以上の場合には2次電流指令値I2aを100mAと指示するための信号となり、閾値h3未満で閾値h4以上の場合には2次電流指令値I2aを150mAと指示するための信号となり、閾値h4未満で閾値h5以上の場合には2次電流指令値I2aを200mAと指示するための信号となる。
従って、第3ハイ信号Scの信号レベルの大きさLが、2次電流指令信号IGAを示す信号に相当する。
図13に示すように、統合信号IGCは、気筒毎にIGC♯1〜♯4として設けられ、それぞれ信号線31を介してコントローラ4に送信される。なお、統合信号IGC♯1〜♯4は気筒毎の点火時期に合わせて互いに位相がずれている。
次に、図14及び図15を用いて、信号分離部300での統合信号IGCからの信号分離について説明する。代表して第1気筒の統合信号IGCを用いて説明する。
信号分離部300は、コンパレータ73〜77、NOT回路78〜81、AND回路82〜84、アナログ出力回路85等を含んで構成されている。
コンパレータ73は、統合信号IGCと閾値h1とを比較し閾値h1より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路78で反転させることにより信号E10を抽出する。
この信号E10は、そのハイ出力の期間ΔQ1がエネルギ蓄積時間ΔT1となり、ハイからローへの切り替わりタイミングP2が放電開始タイミングt02に相当する。すなわち、信号E10は点火信号IGTとなる。従って、点火信号IGTが抽出され、この信号は、主点火回路10に出力される。
コンパレータ74は、統合信号IGCと閾値h2とを比較し、閾値h2より高い場合にロー信号を出力させることで信号E20を抽出する。
コンパレータ75は、統合信号IGCと閾値h3とを比較し、閾値h3より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路79で反転させることにより信号E30を抽出する。
コンパレータ76は、統合信号IGCと閾値h4とを比較し、閾値h4より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路80で反転させることにより信号E40を抽出する。
コンパレータ77は、統合信号IGCと閾値h5とを比較し、閾値h5より高い場合にロー出力させる。そして、この信号をNOT回路81で反転させることにより信号E50を抽出する。
AND回路82は、信号E20と信号E30との論理積によって信号F1を生成する。信号F1は、2次電流指令値I2aが100mAの場合にハイ出力となる。
AND回路83は、信号E20と信号E40との論理積によって信号F2を生成する。信号F2は、2次電流指令値I2aが100mAまたは150mAの場合にハイ出力となる。
AND回路84は、信号E20と信号E50との論理積によって信号F3を生成する。信号F3は、2次電流指令値I2aが100mAまたは150mAまたは200mAの場合にハイ出力となる。
また、信号F1〜F3はそのハイ出力の期間ΔQ2がエネルギ投入時間ΔT2となり、ローからハイへの切り替わりタイミングP3がエネルギ投入タイミングt03に相当する。すなわち、放電継続信号IGWに相当する。
従って、いずれの2次電流指令値の場合もハイ出力となる信号F3を放電継続信号IGWとして抽出して、エネルギ投入回路11に出力する。
アナログ出力回路85は、並列に接続された抵抗86〜88、および抵抗86〜88にそれぞれ直列に接続されたスイッチング素子91〜93等により構成されている。
第1スイッチング素子91は、信号F1がハイ出力であるときにONとなり、信号F1がロー出力である場合にはOFFとなる。
第2スイッチング素子92は、信号F2がハイ出力であるときにONとなり、信号F2がロー出力である場合にはOFFとなる。
第3スイッチング素子93は、信号F3がハイ出力であるときにONとなり、信号F3がロー出力である場合にはOFFとなる。
すなわち、信号F1がロー、信号F2がロー、信号F3がハイの場合には、第3スイッチング素子93のみがONとなる。
また、信号F1がロー、信号F2がハイ、信号F3がハイの場合には、第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子53がONとなる。
また、信号F1がハイ、信号F2がハイ、信号F3がハイの場合には、第1〜第3スイッチング素子91〜93の全てがONとなる。
抵抗86〜88は、第3スイッチング素子93のみがONとなる場合に200mA、第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93がONとなる場合に150mA、第1〜第3スイッチング素子91〜93の全てがONとなる場合に100mAがアナログ出力されるように、抵抗値が設定されている。
従って、3つの電流値から1つの電流値を選択しエネルギ投入回路11に出力するための指示信号である2次電流指令信号IGAは、信号F1〜F3として抽出され、実際の2次電流指令値I2aは信号F1〜F3からアナログ出力回路85を介して出力される。
(実施例4の効果)
実施例4の点火装置では、ECU5が点火信号IGT、放電継続信号IGW、及び2次電流指令信号IGAを統合した統合信号IGCを出力する統合信号送信部をなす。そして、コントローラ4内に、統合信号IGCから点火信号IGT、放電継続信号IGW、及び2次電流指令信号IGAを分離する信号分離部300を設ける。信号分離部300は、統合信号IGCから分離した点火信号IGTを主点火回路10に出力し、放電継続信号IGWと2次電流指令信号IGAをエネルギ投入回路11に出力する。
すなわち、点火信号IGTに放電継続信号IGW及び2次電流指令信号IGAを付加した統合信号IGCを用いている。これによれば、本実施例のように、ECU5で統合信号IGCを生成して、コントローラ4内に信号分離部300を配置すれば、ECU5とコントローラ4との間を接続する信号線31は統合信号IGCを送信する分のみで足りる。
つまり、点火信号IGT、放電継続信号IGWのそれぞれに気筒分の信号線が不要となり、2次電流指令信号IGA用の信号線も不要となる。従って、ECU5とコントローラ4との間を接続する信号線の本数を減らすことができる。
[実施例5]
実施例5を実施例4と異なる点を中心に図16及び17を用いて説明する。
本実施例の統合信号IGCの具体例を図16を用いて説明する。代表して第1気筒の統合信号IGCを用いて説明する。
本実施例の統合信号IGCは、所定タイミングP10におけるローからハイへの立ち上がり、その後の所定タイミングP20におけるハイからローへの立下り、その後の所定タイミングP30におけるローからハイの立ち上がり、その後の所定タイミングP40におけるハイからローの立下りを有する。
この信号において、タイミングP10は点火信号IGTのONタイミングt01に相当する。タイミングP10からP20までの期間ΔQ10は点火信号IGTのON継続時間(エネルギ蓄積時間ΔT1)に相当する。タイミングP20が点火信号IGTのOFFタイミング(放電開始タイミングt02)に相当する。
また、タイミングP30が放電継続信号IGWのONタイミング(エネルギ投入タイミングt03)に相当し、タイミングP30からP40までの期間ΔQ20は放電継続信号IGWのON継続時間(エネルギ投入時間ΔT2)に相当する。タイミングP40は放電継続信号IGWのOFFタイミングt04に相当する。
そして、ΔQ10の内、タイミングP10からタイミングP10aまでの所定期間ΔQaにおける信号レベル(電位)の大きさLによって2次電流指令信号IGAを指示する。
次に、本実施例の統合信号IGCからの各信号の抽出について説明する。
統合信号IGCの最初の立ち上がりタイミングであるタイミングP10を読み取ることで、点火信号IGTのONタイミングt01を把握する。また、統合信号IGCのタイミングP10に続く立下りタイミングであるタイミングP20を読み取ることで点火信号IGTのOFFタイミングt02を把握する。t01とt02を把握できるため、t01でハイとなりt02でローとなるパルス(点火信号IGT)を抽出できる。
また、統合信号IGCにおけるタイミングP20の後の立ち上がりタイミングであるタイミングP30を読み取ることで、放電継続信号IGWのONタイミングt03を把握する。そして、統合信号IGCにおけるタイミングP30の後の立ち上がりタイミングであるタイミングP40を読み取ることで、放電継続信号IGWのOFFタイミングt04を把握する。t03とt04を把握できるため、t03でハイとなりt04でローとなるパルス(放電継続信号IGW)を抽出できる。
また、統合信号IGCにおけるΔQaでの信号レベルが閾値h30〜50のいずれの閾値以上となっているかを読み取ることによって、3つの電流値のいずれが選択されたかの情報を2次電流指令信号IGAとして抽出する。
本実施例によっても、実施例4と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施例では、統合信号IGCのエネルギ蓄積時間ΔT1の開始時期(点火信号IGTのONタイミングt01)を指示するための立ち上がりから始まる所定期間ΔQaにおける信号レベルの大きさによって2次電流指令値を指示している。つまり、エネルギ蓄積時間ΔT1の開始時期付近で2次電流指令値を指示している。これによれば、エネルギ蓄積時間ΔT1の開始時期付近は点火ノイズの影響を受けないため、信号レベルで指示された2次電流指令値を読み取りやすくなる。
なお、図16に示す統合信号IGCでは、点火信号IGTのOFFタイミングt02はハイからロー(OFF)になる信号レベルの変化点により指示され、放電継続信号IGWのONタイミングt03はローからハイになる信号レベルの変化点により指示されていた。しかし、統合信号IGCは図17に示すように、タイミングP20以降の信号レベルを階段状に変化させて、その信号レベルの変化点によってt03、t04を指示してもよい。すなわち、図17に示す統合信号IGCでは、タイミングP20で少し信号レベルが下がり、タイミングP30でさらに信号レベルが下がり、タイミングP40で信号レベルがローにまで下がっている。この態様でも、点火信号IGT及び放電継続信号IGWの必要な情報を統合信号IGCに含めることができている。
実施例1〜3では、多重化信号IGWcに2次電流指令値を示す2次電流指令信号IGAを付加していたが、2次電流指令信号IGAを付加しなくてもよい。
実施例1〜3では、全気筒分の信号を多重化したが、少なくとも2気筒分以上の信号を多重化するものであればよい。なお、多重化する信号の組み合わせは、点火間隔が広く確保できる点火位相での組み合わせがよい(例えば第1気筒と第4気筒等)。
また、実施例4および実施例5では、統合信号IGCに2次電流指令値を示す2次電流指令信号IGAを付加していたが、2次電流指令信号IGAを付加しなくてもよい。
上記の実施例では、ガソリンエンジンに本発明の点火装置を用いる例を示したが、継続火花放電によって燃料(具体的には混合気)の着火性の向上を図ることができるため、エタノール燃料や混合燃料を用いるエンジンに適用しても良い。もちろん、粗悪燃料が用いられる可能性のあるエンジンに用いても継続火花放電により着火性の向上を図ることができる。
上記の実施例では、希薄燃焼(リーンバーン燃焼)運転が可能なエンジンに本発明の点火装置を用いる例を示したが、希薄燃焼とは異なる燃焼状態であっても継続火花放電によって着火性の向上を図ることができるため、リーンバーンエンジンへの適用に限定するものではなく、希薄燃焼を行わないエンジンに用いても良い。
上記の実施例では、燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式エンジンに本発明の点火装置を用いる例を示したが、吸気バルブの吸気上流側(吸気ポート内)に燃料を噴射するポート噴射式のエンジンに用いても良い。
上記の実施例では、混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を気筒内にて積極的に生じさせるエンジンに本発明の点火装置を用いた例を開示したが、旋回流コントロール手段(タンブル流コントロールバルブやスワール流コントロールバルブ等)を有しないエンジンに用いても良い。
上記の実施例では、DIタイプの点火装置に本発明を適用したが、2次電圧を各点火プラグ1に分配供給するディストリビュータタイプや、2次電圧の分配の必要性のない単気筒エンジン(例えば、自動二輪車等)の点火装置に本発明を適用しても良い。
1 点火プラグ
3 点火コイル
5 ECU(多重信号送信部、統合信号送信部)
6 1次コイル
7 2次コイル
10 主点火回路
11 エネルギ投入回路
30 気筒別抽出部
300 信号分離部


Claims (6)

  1. 多気筒内燃機関の気筒毎に設けられる点火コイル(3)により作動する点火プラグ(1)と、
    前記点火コイル(3)の1次コイル(6)の通電制御を行って前記点火プラグ(1)に火花放電を生じさせる主点火回路(10)と、
    この主点火回路(10)の作動によって開始した火花放電中に、前記1次コイル(6)に電気エネルギを投入して前記点火コイル(3)の2次コイル(7)に同一方向の2次電流を流し、前記主点火回路(10)の作動によって開始した火花放電を継続させるエネルギ投入回路(11)と、
    気筒毎の火花放電継続の指示信号である気筒別放電継続信号(IGW♯1〜4)の少なくとも2気筒分を多重化した多重化信号(IGWc)を生成し、この多重化信号(IGWc)を送信する多重信号送信部(5)と、
    前記多重化信号(IGWc)を受信し、前記多重信号送信部(5)から前記気筒別放電継続信号(IGW♯1〜4)を抽出する気筒別抽出部(30)とを備え、
    前記エネルギ投入回路(11)は、2次電流指令値に基づいて前記2次電流を目標範囲に維持し、
    前記多重信号送信部(5)は、前記多重化信号(IGWc)に前記2次電流指令値を示す2次電流指令信号(IGA)を付加して送信することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、
    前記多重化信号(IGWc)は、前記気筒別放電継続信号(IGW♯1〜4)の全気筒分を多重化したものであることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  3. 点火コイル(3)の1次コイル(6)の通電制御を行って点火プラグ(1)に火花放電を生じさせる主点火回路(10)と、
    この主点火回路(10)の作動によって開始した火花放電中に、前記1次コイル(6)に電気エネルギを投入して前記点火コイル(3)の2次コイル(7)に同一方向の2次電流を流し、前記主点火回路(10)の作動によって開始した火花放電を継続させるエネルギ投入回路(11)と、
    主点火作動の指示信号である点火信号(IGT)に、少なくとも火花放電継続の指示信号である放電継続信号(IGW)を付加した統合信号(IGC)を気筒毎に生成し、気筒毎の前記統合信号(IGC)を気筒毎に1つの信号線(31)で送信する統合信号送信部(5)と、
    前記信号線(31)を介して前記統合信号(IGC)を受信し、前記統合信号(IGC)から前記点火信号(IGT)と前記放電継続信号(IGW)とを分離して、前記点火信号(IGT)を前記主点火回路(10)に出力し、前記放電継続信号(IGW)を前記エネルギ投入回路(11)に出力する信号分離部(300)とを備え、
    前記エネルギ投入回路(11)は、2次電流指令値に基づいて前記2次電流を目標範囲に維持し、
    前記統合信号(IGC)は、前記点火信号(IGT)に、前記放電継続信号(IGW)と前記2次電流指令値を示す2次電流指令信号(IGA)とを付加したものであることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関用点火装置において、
    前記統合信号送信部(5)は、信号レベルの変化点を設けることにより、前記点火信号(IGT)に、前記放電継続信号(IGW)を付加することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  5. 請求項3に記載の内燃機関用点火装置において、
    前記統合信号送信部(5)は、信号レベルの変化点を設けることにより、前記点火信号(IGT)に、前記放電継続信号(IGW)及び前記2次電流指令信号(IGA)を付加することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  6. 請求項3または5に記載の内燃機関用点火装置において、
    前記点火信号(IGT)は、主点火回路(10)によって前記1次コイル(6)に磁気エネルギを蓄積させる期間であるエネルギ蓄積時間を指令する信号であり、
    前記統合信号(IGC)は、前記エネルギ蓄積時間の開始タイミングを、前記統合信号(IGC)の立ち上がりタイミングにより指示し、前記2次電流指令値を、前記立ち上がりタイミングから始まる所定期間における信号レベルの大きさによって指示することを特徴とする内燃機関用点火装置。


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