JP6572090B2 - 観察窓付き混練装置及び混練観察方法 - Google Patents
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Description
ところが通常シリンダは高温と高い抗張力、耐腐食性を備えた金属製のため、内部を観察することができない。
このため、内部の状態を直接観察するため、押出機のシリンダ側面に透明な観察窓を設置し外部から樹脂の溶融混練状態を観察する試みがなされている(特許文献1、2、非特許文献1、2、3)。
しかも、窓材が混練中に割れたり、窓材の内面に樹脂が付着して内部が観察できなくなったりするという問題があった。
そこで、シリンダ中でスクリューを回転させて混練する混練装置において内部の混練状態を、上記問題無く、観察できる観察窓付き混練装置及びその装置を用いた混練観察方法が要望されていた。
本発明における混練装置とは、単に混練する装置に留まらず、樹脂の溶融混練や反応を伴うシンリンダ内の変化を解析し操作条件を最適化するためにも用いられるので、少なくとも混練の機能を有しているが混練だけの機能に限定されず、混練以外にも加熱手段等を有し樹脂の混練溶融や反応、成形等が観察できる混練装置であることが好ましい。
本発明における混練装置は、筒状体のシリンダ(バレルと称する事もある)の内部に、軸に螺旋状のフライトが付設されたスクリューが挿通されており、シリンダ内に、シリンダに設けたホッパー等から被混練材料を投入し、シリンダ内でスクリューを回転させて被混練材料を混練する装置をいう。溶融や反応、成形等を詳細に観察分析するにはシリンダ内の温度をより詳細に制御するとともに樹脂等の温度の精密な測定ができることが好ましい。
シリンダは単筒(単軸)であっても筒が合わされたもの(二軸等)であってもよい。
シリンダは内部の被混練材料を加熱するため、その外側にヒーター等が付帯されていてもよい。また誘導加熱装置や熱媒加熱装置等が付帯されていてもよい。
窓部は、混練工程の重要な位置にあるシリンダに一又は複数個外部から観察しやすい位置に設けられる。混練は時間経過を伴ってシリンダ中の位置を変えて内部被混練材の様相が変化するので窓部はシリンダに複数個設け観察することが好ましい。窓部の大きさは大きい方が混練状態が全体的に把握しやすいため好ましく、内視鏡を取り付けて得られる視野よりも広い視覚情報が得られる大きさであることがが好ましい。
形状は限定されないが棒状、円状、円環状が好ましく、特に、円環状に発光するものが窓内を均一に照射し、カメラへの反射光が邪魔されず直接観察できるため好ましい。
照明器具の位置は限定されないが、窓を通してシリンダ内部が見える位置にカメラが備えられるので、カメラのレンズの鏡胴の周縁に付帯されていることが、光学上も混練作業上も邪魔にならず好ましい。円環状の発光体の場合は、カメラのレンズの光軸に、円環状の発光体の回転対称中心軸が重なる様に配置されることが好ましい。
間隙(d)が2.0mmよりも大きいと混練機を樹脂の流動観察に用いる場合に樹脂のペレットが窓材との間隙内に入り込み動かなくなり、内部の観察に邪魔になる。因みにペレットとは、樹脂を、加工しやすいように3〜5mm程度の粒状にした加工用原料をいう。
運転条件により、樹脂が溶融した状態で窓が位置する場合は間隙(d)が1.0mmよりも大きいと樹脂等の流動が、本来の樹脂の流れ方とは違う流れをするようになり、つまり間隙に樹脂が入り込んで流れるような特異な樹脂流動を示す場合がある。
一方運転条件により、樹脂が未溶融の状態で窓が位置する場合は間隙(d)が2.0mmよりも大きくなると未溶融ペレットが窓材のスクリュー側の面と、切り欠いたシリンダ内面に相当する面との間隙、すなわち、スクリューの外端と窓の間の間隙を通じて入りこむこと等が起こり、本来の流動状態の観察が妨げられる。
したがって、主に樹脂を原料とする溶融混練状態を観察するためには、樹脂の熱、機械特性および運転条件を設定しその観察したい状態により、窓の所定の間隙(d)を0.5〜2.0mmの間に適宜設定することにより、混練過程を好的に観察することができる。
したがって、本発明では、スクリューの表面は黒色に被覆したものを用いる。黒色層の厚みは限定されない。黒色層には黒光沢、黒半光沢、黒無光沢があるが、黒無光沢が反射しないため最も好ましい。
硬質ブラッククロムメッキは電気めっきの一種で、主な薬品である無水クロム酸を化学反応(酸化反応)させて黒色にするメッキである。通常のシルバークロムメッキと同様に、耐食性、耐摩耗性、耐熱性、外観に優れているが、ムラや傷が目立ちやすく高度な技術が必要である。膜厚を0.1〜10μmと薄く処理をする方法が一般的である。本発明においてはメッキ層の厚みは数μm〜10μmが好ましい。
押出機1の窓部6がシリンダ2の片側に、並んで、6個設けられ、それぞれの窓6に対向したハイスピードカメラ20でシリンダ内での混練の状態を撮影する様になっている。
照明光源23はカメラ本体20にレンズ21を付したレンズ21の先端より前方に環状の白色LEDを付設して用いた。光学系の模式図を3に示す。シリンダ2、スクリュー4、窓部6は断面図で示している。全体配置を示す目的のため、窓部の断面図では後述のパッキング等は省略している。
光学系の配置を図3に示す。円環状の発光体の場合は、カメラのレンズの光軸に、円環状の発光体の回転対称中心軸が重なる様に配置している。
ガラス窓30の裏面と、カメラ本体20との距離は390mm、同じくガラス窓30の裏面とLEDリング照明の前面(ガラス窓側)との距離は240mmとした。
91.0mm長さ、51.0mm幅、厚み33.0mmの厚い小判様の形状の面取りしたシリンダ外から観察する方に位置する上部と、スクリューの軸側に向けて配設される69.8mm長さ、29.8mm幅、11.0mm高さの下部にてなる上下一体物である。
尚、図1、図2では挿通型圧力センサ8は代表的なもののみに引き出し線と符号を付している。
(比較例1〜2)
比較例2では図10に表れているようにスクリューのブラスト部で光が拡散し白い樹脂と同じ色に判定されるため観察に不適であった。
第1窓ではペレットの形状がそのまま見え未溶融であり、第2窓ではペレットが融合しだしている様子がわかるが、スクリューのフライトの後方から樹脂が溶融し始めていることが確認できる。第3、第4窓ではブレークアップ現象が発生していて、固相樹脂の塊と溶融樹脂が混在した状態になっている。
ここでブレークアップ現象とは固相樹脂の間に液相樹脂が入り込む現象をいう。ソリッドベッドが途中で分断されて先の方へ流れていってしまう現象であり、この現象が起こると、先へ流れていったソリッドベッドの切れ端は、メルトプール中に浮遊しているため周りからの伝熱で溶けるしか方法がなく、樹脂温度の不均一等様々な不具合の原因となり好ましくないとされている。
スクリュー回転数30rpmでスクリュー先端圧力は10MPaであった。5分間運転したが、窓材の破損は無かった。圧力の変動の幅を示すため一定の時間内の最大圧力値から最小圧力値を引いた値を圧力変動値として示す(以下同じ)が、圧力変動値は2.48MPaであった。窓部の間隙に特異な樹脂流が観察されることもなく、観察に支障は生じなかった。尚、窓材の破損が発生する場合は運転開始後すぐの場合が多いことと、運転条件が多いことから5分間運転における確認とした。尚、圧力変動とはスクリューフライトの通過によるサージ圧、すなわち間歇的な圧力の変動のことで、これが大きいと窓材の破損につながると推測される。
窓材の破損の有無と圧力変動値等につき表1に示す。
1時間連続運転したが、窓材の破損は無く、圧力変動値は1.93MPaであった。窓部の間隙に特異な樹脂流が観察されることもなく、観察に支障は生じなかった。窓材の破損の有無と圧力変動値等につき表1に示す。
(比較例3〜7)
5分間運転したが、0.4mm以外はすべて窓材の破損を生じた。
圧力変動値はそれぞれ3.65MPa、3.70MPa、3.00MPa、3.02MPa、3.16MPaであった。
微細な傷部分である図15中の拡大(丸数字1)〜拡大(丸数字6)、部分については、拡大(丸数字1)は図16に、拡大(丸数字2)は図17に、拡大(丸数字3)は図18に、拡大(丸数字4)は図19に、拡大(丸数字5)は図20に、拡大(丸数字6)は図21に拡大写真を示す。写真撮影は窓材のガラスの裏側(シリンダ内部側)から株式会社キーエンス製マイクロスコープVH-8000を用いて接写することにより行った。それぞれの破損状態は表面が剥離したような欠け傷であった。
(比較例8〜9)
5分間運転したが、窓材はすべて破損は生じなかった。圧力変動値は1.61MPa、1.66MPaであった。比較例8、9共にペレットが間隙に入り込んではさかりそのまま滞留したため観察の邪魔になった。比較例3〜7、実施例3〜5ではペレットは間隙に入りこまず、実施例6では入り込むが数が少なく移動するため観察に邪魔になる滞留はみられなかった。
したがって、0.4mmよりも間隙(d)が小さければ回転数が大きいと破損しやすいと思われる。
しかし、間隙(d)が0.5mmでは逆転し、90rpm時の方が圧力変動値は小さい。
・回転数領域:1〜137rpm
・成形温度帯:120℃〜330℃
・樹脂:LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PA66(6−6ナイロン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)等
・押出量:1〜40kg/h
・樹脂圧力:0〜40MPa
合計160時間運転後の窓を三分割して撮影した写真を図23〜25に示す。比較例6におけるような窓体の破損は発生していなかった。
本発明の混練観察方法によれば、シリンダ内の混練状態が良好に観察できるので、プロセスの最適化、条件の検討等に好適に用いることができる。
2 シリンダ
3 ホッパー
4 スクリュー
5 モーター
6 可視化窓
7 バンドヒーター
8 圧力サンサー
9 熱電対用孔
11 金型
20 ハイスピードカメラ
21 レンズ
22 照明器具
30 窓材
31 ガラス窓押さえ
32 リング
33 パッキング1
34 パッキング2
35 パッキング3
36 カートリッジヒーター
d 間隙
Claims (4)
- シリンダ中にスクリューが挿通されスクリューによってシリンダ内部の被混練材を混練する、シリンダの一部が切り欠かれその切り欠き部に透明な窓材が嵌められてシリンダ内部が透視できる観察窓を有する観察窓付き混練装置において、挿通されているスクリューの表面が黒色であり、窓材のスクリュー側の面が、切り欠いたシリンダ内面に相当する面よりも0.5〜2.0mm外側に位置することを特徴とする観察窓付き混練装置。
- 窓を通してシリンダ内部が見える位置にカメラが備えられ、シリンダ内部を照射する照明装置が付帯したことを特徴とする請求項1記載の観察窓付き混練装置。
- 挿通されるスクリュー表面が硬質ブラッククロムメッキされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の観察窓付き混練装置。
- 請求項1乃至3記載の観察窓付き混練装置により被混練材料を混練し、観察窓からシリンダ内の被混練材料が混練される状態を観察する混練観察方法。
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