JP6571549B2 - アンモニア処理装置及びアンモニア処理方法 - Google Patents
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Description
例えば、ガスタービンコンバインドサイクル発電や汽力発電等の発電プラントにおいては、アンモニアは脱硝装置や給水系統のPH調整に用いられる。アンモニアの移送時やアンモニア使用機器の点検時に、揮発したアンモニアガスが回収される。この回収されたアンモニアガスは他の廃水や工業用水に溶解されて、プラントで発生した他のアンモニア排水とともに排水処理された後に放流される。
一方、アンモニア排水を浄化するために、例えば特許文献1のような排水処理装置を新たに設けることは、設備コストやランニングコストの増加につながるため容易ではない。
プラントで発生するアンモニアガスを処理するためのアンモニア処理装置であって、
可搬型タンクと、
前記可搬型タンクに設けられ、水の給水ラインに接続可能な給水部と、
前記可搬型タンクに設けられ、前記プラントに設けられた前記アンモニアガスのガス送給ラインに接続可能なアンモニアガス導入部と、
前記給水部を介して前記給水ラインから前記可搬型タンクに注入された前記水に対して、前記アンモニアガス導入部を介して前記ガス送給ラインから導入された前記アンモニアガスを溶解させるためのガス溶解部と、
前記可搬型タンクに設けられ、前記アンモニアガスが前記水に溶解して生成されるアンモニア水を前記プラントに送水する送水ラインに接続可能な送水部と、を備える。
また、上記(1)の構成において、可搬型タンクには、水の給水ラインに接続可能な給水部と、プラントのガス送給ラインに接続可能なアンモニアガス導入部と、プラントの送水ラインに接続可能な送水部と、が設けられている。そのため、アンモニア処理装置は自在に移動可能であり、移動先において給水部、アンモニアガス導入部および送水部をそれぞれに対応したラインに接続すれば、任意の場所においてアンモニアガスの再利用化処理が実施できる。例えば、プラント内においてアンモニア発生設備が複数存在する場合であっても、上記アンモニア処理装置を移動させてこれらのアンモニア発生設備で使用することができる。そのため、アンモニア発生設備ごとにアンモニア処理装置を設置する必要がなく、簡便に且つ低コストでアンモニアガスを処理できる。
前記送水ラインに前記アンモニア水を圧送するためのポンプをさらに備えており、
前記ポンプは、前記アンモニア水の送水量を調節するように制御される構成となっている。
また、上記ポンプを備えることにより、可搬型タンク内のアンモニア濃度に対する制限が殆どなくなる。そのため、可搬型タンク内のアンモニア濃度を厳密に管理する必要がなく、アンモニア処理の簡素化が図れる。
前記可搬型タンクに設けられ、前記プラントに設けられたアンモニア排水の排水送給ラインに接続可能なアンモニア排水導入部をさらに備え、
前記送水部は、前記可搬型タンクに貯留された前記アンモニア排水を含むアンモニア水を、前記送水ラインを介して前記プラントに送水するように構成される。
なお、この構成では、アンモニア処理時、アンモニアガス及びアンモニア排水を同時に可搬型タンクに受け入れてもよいが、アンモニアガス及びアンモニア排水の同時受け入れを行わずに、両者のうち何れか一方のみを可搬型タンクに受け入れるようにしてもよい。
前記送水ラインに前記アンモニア水を圧送するためのポンプと、
前記可搬型タンク内に貯留される前記アンモニア水の貯留量を検出するための貯留量センサと、をさらに備え、
前記貯留量センサの検出値が下限値未満となった場合、前記ポンプを停止させるように構成される。
前記可搬型タンクから排気する排気ラインと、
前記排気ラインに設けられ、アンモニア成分を吸着する吸着部と、
前記吸着部より下流側の前記排気ラインに設けられ、前記アンモニアガスを検出するためのアンモニアガスセンサと、をさらに備える。
前記プラントは、発電プラントであり、
前記可搬型タンクからの前記アンモニア水は、前記発電プラントの給水系統にアンモニアを注入するための薬品注入装置又は前記発電プラントの脱硝装置の少なくとも一方に送水される。
荷役車両のつめが挿入可能な複数の穴が側面に設けられた搬送用パレットをさらに備え、
前記可搬型タンクは、前記搬送用パレット上に設けられている。
プラントで発生するアンモニアガスを処理するためのアンモニア処理方法であって、
水の給水ラインに可搬型タンクの給水部を接続し、前記給水部を介して前記給水ラインから前記可搬型タンクに注水するステップと、
前記プラントに設けられた前記アンモニアガスのガス送給ラインに前記可搬型タンクのアンモニアガス導入部を接続し、前記アンモニアガス導入部を介して前記ガス送給ラインから前記アンモニアガスを前記可搬型タンクに供給するステップと、
前記可搬型タンクに注入された前記水に対して、前記アンモニアガス導入部を介して前記可搬型タンクに供給した前記アンモニアガスを溶解させるステップと、
前記プラントに設けられた送水ラインに前記可搬型タンクの送水部を接続し、前記アンモニアガスが前記水に溶解して生成されるアンモニア水を前記送水ラインを介して前記プラントに送水するステップと、を備える。
また、上記(8)の方法では、アンモニア発生設備まで可搬型タンクを移動させた後、水の給水ライン、プラントのガス送給ライン又はプラントの送水ラインを可搬型タンクに接続すれば、アンモニア発生設備においてアンモニアガスの再利用化処理が実施できる。そのため、簡便に且つ低コストでアンモニアガスを処理できる。
前記プラントに設けられたアンモニアタンクに連通する配管をパージするステップをさらに備え、
前記パージによって前記プラントから排出された前記アンモニアガスを処理する。
前記可搬型タンク内における前記アンモニア水の導電率を監視するステップと、
前記導電率に基づいて、前記パージの異常を検出するステップと、をさらに備える。
前記可搬型タンク内における前記アンモニア水の導電率を監視するステップと、
前記導電率の変化率が所定範囲内になったとき、前記パージが終了したと判断するステップと、をさらに備える。
前記プラントに設けられたアンモニア排水の排水送給ラインに前記可搬型タンクのアンモニア排水導入部を接続し、前記アンモニア排水導入部を介して前記排水送給ラインから前記アンモニア排水を前記可搬型タンクに供給するステップをさらに備える。
また、可搬型タンクはプラント内を自在に移動可能であり、移動場所において給水部、アンモニアガス導入部および送水部をそれぞれに対応したラインに接続すれば、その場所においてアンモニアガスの再利用化処理が実施できる。例えば、プラント内においてアンモニア発生設備が離れて複数存在する場合であっても、上記可搬型タンクを移動させてこれらのアンモニア発生設備で使用することができる。そのため、アンモニア発生設備ごとに可搬型タンクを設置する必要がなく、簡便に且つ低コストでアンモニアガスを処理できる。
また、可搬型タンク2は、その下部に送水部6が接続されている場合、底面2aが送水部6に向けて下方に傾斜していてもよい。これにより、アンモニア水を全て排出する際に、可搬型タンク2内にアンモニア水が残存することを防げる。
さらに、可搬型タンク2は、タンク内からアンモニア水が漏出した場合にそのアンモニア水を受ける防液堤22内に設置されてもよい。
例えば、図1及び図2に示すように、アンモニア処理装置1は、フォークリフト等の荷役車両のつめを挿入可能な複数の穴21aが側面に設けられた搬送用パレット21をさらに備えており、可搬型タンク2はこの搬送用パレット21の上に設置される。これにより、荷役車両によって容易に可搬型タンク2を移動させることができる。
また、給水部3は、純水を供給する構成であってもよい。すなわち、純水を供給するための給水ライン200に接続可能な構成であってもよい。この場合、可搬型タンク2で生成されたアンモニア水には不純物が含まれないため、アンモニア水をプラント100で再利用する際により適している。
ここで、図1に示す実施形態において、ガス送給ライン120はプラント100のアンモニア発生設備115に接続されており、アンモニア発生設備115からアンモニアガスを送給するように構成されている。
なお、アンモニア発生設備115と可搬型タンク2とが離れている場合には、アンモニアガス導入部4は、ガス送給ライン120と、ガス受入れライン41とを連結するための連結ライン(不図示)をさらに含んでいてもよい。
ここで、送水ライン130は、プラント100のアンモニア利用設備110(例えば図4の薬品注入装置108)に接続されており、アンモニア利用設備110にアンモニア水を送給するように構成される。
なお、アンモニア利用設備110と可搬型タンク2とが離れている場合には、送水部6は、送水ライン130と、アンモニア水送出しライン61とを連結するための連結ライン63をさらに含んでいてもよい。
アンモニア利用設備110は、例えば、アンモニア水を一時的に貯留するアンモニアタンク111とアンモニア水を使用先に送る薬注ポンプ112とを含む。
また、上記実施形態において、可搬型タンク2には、給水ライン200に接続可能な給水部3と、プラント100のガス送給ライン120に接続可能なアンモニアガス導入部4と、プラント100の送水ラインに接続可能な送水部6と、が設けられている。そのため、アンモニア処理装置1は自在に移動可能であり、移動先において給水部3、アンモニアガス導入部4および送水部6をそれぞれに対応したラインに接続すれば、任意の場所においてアンモニアガスの再利用化処理が実施できる。例えば、プラント100内においてアンモニア発生設備115が複数存在する場合であっても、上記アンモニア処理装置1を移動させてこれらのアンモニア発生設備115で使用することができる。そのため、アンモニア発生設備115ごとにアンモニア処理装置1を設置する必要がなく、簡便に且つ低コストでアンモニアガスを処理できる。
なお、ポンプ7は、正転逆転式のポンプであってもよい。例えば、アンモニア利用設備110の点検時や異常発生時に、アンモニア利用設備110のアンモニアタンク111からアンモニア水を排出する場合、正転逆転式のポンプ7を逆回転で駆動し、送水ライン130及び送水部6を介してアンモニア利用設備110から可搬型タンク2にアンモニア水を送るようにしてもよい。
また、上記ポンプ7を備えることにより、可搬型タンク2内のアンモニア濃度に対する制限が殆どなくなる。そのため、可搬型タンク2内のアンモニア濃度を厳密に管理する必要がなく、アンモニア処理の簡素化が図れる。
なお、アンモニア利用設備110と可搬型タンク2とが離れている場合には、アンモニア排水導入部8は、排水送給ライン140とアンモニア排水受入れライン81とを連結するための連結ライン83をさらに含んでいてもよい。
なお、この構成では、アンモニア処理時、アンモニアガス及びアンモニア排水を同時に可搬型タンク2に受け入れてもよいが、アンモニアガス及びアンモニア排水の同時受け入れを行わずに、両者のうち何れか一方のみを可搬型タンク2に受け入れるようにしてもよい。
制御部18は、各バルブ32,42,62の制御、ポンプ7の制御、又は、ガス溶解部5の制御の少なくとも一つの制御を行うように構成される。
また、アンモニア処理装置1は、可搬型タンク2内におけるアンモニア水の導電率を監視するための導電率センサ15をさらに備えていてもよい。
例えば、貯留量センサ16は、可搬型タンク2内のアンモニア水が下限値未満となったことを検出するレベルスイッチであってもよい。この場合、レベルスイッチ(貯留量センサ16)によって、可搬型タンク2内のアンモニア水が予め設定された下限値未満であることが検出されたとき、制御部18がポンプ7を停止する制御を行うようになっている。
あるいは、貯留量センサ16は、液面の高さを数値的に検出する液面計であってもよい。この場合、液面計(貯留量センサ16)によって、可搬型タンク2内のアンモニア水の液面高さが検出されたとき、制御部18は、この液面高さが予め設定された下限値と比較し、この液面高さが下限値未満である場合にポンプ7を停止する制御を行うようになっている。
この構成によれば、アンモニア水の貯留量が下限値未満となった場合、ポンプ7を停止することにより、ポンプ7の空回りによる不具合を防止することができる。
また、上述したように、アンモニア処理装置1は、可搬型タンク2内からアンモニアガスを外部へ排出するための排気ライン11と、この排気ライン11に設けられ、アンモニアガスセンサ14よりも上流側に設けられた吸着部13と、を備えている。
この構成において、可搬型タンク2内に充満したアンモニア含有排ガスは、適宜、排気ライン11から外部へ排出される。排気ライン11では、吸着部13においてアンモニア含有排ガス中のアンモニア成分が除去される。
アンモニア含有排ガスの排出に際して、アンモニアガスセンサ14の検出値が上限を超えた場合、吸着部13の劣化又は故障により排気中のアンモニア成分が十分に除去されていないと判断される。このような場合には、吸着部13の交換等によって吸着部13の性能を回復させることにより、アンモニアガスが排出されることを防止でき、外部環境へ与える負荷を最小限に抑えることができる。
図3に例示するように、上述したアンモニア処理装置1は、外部にアンモニアガスが漏出しないように、リークを確認可能な構成となっていてもよい。
例えば、アンモニアガスのリーク確認時、アンモニア排水受入れライン81と、アンモニア水送出しライン61とを連結ライン9で接続し、ポンプ7を起動して循環運転を行う。これにより、アンモニア排水受入れライン81又はアンモニア水送出しライン61のリークを確認することができる。
図4に例示するように幾つかの実施形態では、プラント100は発電プラント101であり、アンモニア処理装置1で生成された可搬型タンク2(図1、図2参照)内のアンモニア水は、発電プラント101の給水系統109にアンモニアを注入するための薬品注入装置108又は発電プラント101の脱硝装置104の少なくとも一方に送水される。なお、薬品注入装置108においてアンモニア水は、発電プラント101の給水系統109にて循環する給水をPH調整するために用いられてもよい。また、脱硝装置104においてアンモニア水は、排ガス中に窒素を還元するための還元剤として用いられてもよい。
例えば、発電プラント101に設けられたアンモニアタンク108aに連通する配管108bを不活性ガスによりパージする際、配管108bからアンモニアガスが押し出されて、被処理ガスであるアンモニアガスが発生する。
あるいは、アンモニア利用設備110(図1、図2参照)である脱硝装置104や薬品注入装置108の点検時、脱硝装置104や薬品注入装置108のアンモニアタンク内に残留するアンモニアガスの排出によって、被処理ガスであるアンモニアガスが発生する。
このようにして発生するアンモニアガスを、上述したアンモニア処理装置1にて再利用化処理することができる。
例えば、アンモニア利用設備110(図1、図2参照)である脱硝装置104や薬品注入装置108の点検時、脱硝装置104や薬品注入装置108のアンモニアタンク108a内に残留するアンモニア排水の排出によって、被処理水であるアンモニア排水が発生する。
あるいは、給水系統109からのブロー排水の排出によって、被処理水であるアンモニア排水が発生する。
このようにして発生するアンモニア排水を、上述したアンモニア処理装置1にて再利用化処理することができる。
なお、アンモニア利用設備110とアンモニア発生設備115とは、同一であってもよい。
なお、アンモニアガス又はアンモニア排水は、一旦別のタンクに回収された後、アンモニア処理装置1において処理されるようにしてもよい。
幾つかの実施形態に係るアンモニア処理方法は、可搬型タンク2に注水する給水ステップと、アンモニアガスを可搬型タンク2に供給するアンモニアガス供給ステップと、アンモニアガスを溶解させるアンモニアガス溶解ステップと、アンモニア水をプラント100に送水する送水ステップと、を備える。
アンモニアガス供給ステップは、プラント100に設けられたアンモニアガスのガス送給ライン120に可搬型タンク2のアンモニアガス導入部4を接続し、アンモニアガス導入部4を介してガス送給ライン120からアンモニアガスを可搬型タンク2に供給する。
可搬型タンク2に注入された水に対して、アンモニアガス導入部4を介して可搬型タンク2に供給したアンモニアガスを溶解させるステップと、
アンモニアガス溶解ステップは、プラント100に設けられた送水ライン130に可搬型タンク2の送水部6を接続し、アンモニアガスが水に溶解して生成されるアンモニア水を、送水ライン130を介してプラント100に送水するステップと、を備える。
また、上記方法では、アンモニア発生設備115まで可搬型タンク2を移動させた後、給水ライン200、プラント100のガス送給ライン120又はプラント100の送水ライン130を可搬型タンク2に接続すれば、アンモニアガス発生設備115においてアンモニアガスの再利用化処理が実施できる。そのため、簡便に且つ低コストでアンモニアガスを処理できる。
さらに、プラント100で発生するアンモニア排水も受け入れ可能とすることにより、プラント100から外部へのアンモニア流出量をより一層抑制することができる。また、プラント100内でのアンモニアの再利用率も向上できる。
例えば図3に示すように、アンモニア水をタンクローリー210からアンモニアタンク108aに移動する前に、アンモニアタンク108aに連通する配管108b内のアンモニアガスが外部に流出しないように、タンクローリー210とアンモニアタンク108aとを接続する配管108bを無害なガス(例えば窒素ガスのような不活性ガス)でパージする必要がある。そこでパージによって配管108bから押し出されたアンモニアガスを回収し、上記方法によって処理することにより、プラント100外部へのアンモニア流出をより一層抑制可能となり、外部環境への負荷を軽減できる。
P[L]×1000[g/L]×b/100=17/22.4a[g] …(1)
したがって、水の注水量P[L]は、以下の式(2)により求められる。
P[L]=17a/224b[L] …(2)
このように、可搬型タンク2内への注水量を算出することによって、適切なアンモニア濃度のアンモニア水を生成することができる。
また、可搬型タンク2はプラント100内を自在に移動可能であり、移動場所において給水部3、アンモニアガス導入部4および送水部6をそれぞれに対応したラインに接続すれば、その場所においてアンモニアガスの再利用化処理が実施できる。例えば、プラント100内においてアンモニア発生設備115が離れて複数存在する場合であっても、上記可搬型タンク2を移動させてこれらのアンモニア発生設備115で使用することができる。そのため、アンモニア発生設備115ごとに可搬型タンク2を設置する必要がなく、簡便に且つ低コストでアンモニアガスを処理できる。
この方法によれば、パージにより配管108bから排出されるアンモニアガスのおおよその量は推定できるため、可搬型タンク2内のアンモニア水の導電率が、配管から排出される推定量のアンモニアガスが溶解したときのアンモニア水の導電率に満たない場合、パージに異常(例えばパージされたアンモニアガスの外部への漏出)が発生したと判断できる。これにより、パージの異常を迅速に検出することができる。導電率は、図1及び図2に示す導電率センサ15により検出してもよい。
この方法によれば、パージにより配管から大部分のアンモニアガスが排出されたら、アンモニアガスの溶解量が減少していき、導電率の変化率が小さくなる。そのため、導電率の変化率が所定範囲内になったとき、パージが終了したと判断することができる。これにより、パージの終了を容易に判断することができる。
例えば、薬品注入装置108に供給するためのアンモニア濃度1%のアンモニア水を生成する場合、まず上述した算出方法により可搬型タンク2への注水量を算出する。具体的には、推定される配管108b内の容積に基づいて、可搬型タンク2へのアンモニアガスの送給量(重量換算)を算出する。そして、上記式(2)に基づいて、アンモニア濃度1%となるような可搬型タンク2への注水量を算出する。
この注水量とアンモニアガスとを可搬型タンク2内に導入し、アンモニアガスを水に溶解させる。この際、導電率センサ15によって、可搬型タンク2内のアンモニア水の導電率を検出する。アンモニアガスが水に溶解し始めると、アンモニア濃度の上昇に伴って、導電率センサ15で検出される導電率も上昇していく。アンモニアガスを溶解させ続けると、可搬型タンク2内のアンモニア水の濃度がさらに上昇していき、図5に示すアンモニア濃度1%に相当する導電率725μS/cmになったとき、パージが終了したと判断することができる。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 可搬型タンク
3 給水部
4 アンモニアガス導入部
5 ガス溶解部
6 送水部
7 ポンプ
8 アンモニア排水導入部
11 排気ライン
13 吸着部
14 アンモニアガスセンサ
15 導電率センサ
16 貯留量センサ
18 制御部
21 パレット
22 防液堤
31 水受入れライン
41 ガス受入れライン
61 アンモニア水送出しライン
81 アンモニア排水受入れライン
100 プラント
101 ガスタービンコンバインドサイクル発電プラント
104 脱硝装置
108 薬品注入装置
108a アンモニアタンク
108b 配管
109 給水系統
110 アンモニア利用設備
111 アンモニアタンク
115 アンモニア発生設備
120 ガス送給ライン
130 送水ライン
140 排水送給ライン
200 給水ライン
Claims (12)
- プラントで発生するアンモニアガスを処理するためのアンモニア処理装置であって、
可搬型タンクと、
前記可搬型タンクに設けられ、水の給水ラインに接続可能な給水部と、
前記可搬型タンクに設けられ、前記プラントに設けられた前記アンモニアガスのガス送給ラインに接続可能なアンモニアガス導入部と、
前記給水部を介して前記給水ラインから前記可搬型タンクに注入された前記水に対して、前記アンモニアガス導入部を介して前記ガス送給ラインから導入された前記アンモニアガスを溶解させるためのガス溶解部と、
前記可搬型タンクに設けられ、前記アンモニアガスが前記水に溶解して生成されるアンモニア水を前記プラントに送水する送水ラインに接続可能な送水部と、を備えることを特徴とするアンモニア処理装置。 - 前記送水ラインに前記アンモニア水を圧送するためのポンプをさらに備えており、
前記ポンプは、前記アンモニア水の送水量を調節するように制御される構成としたことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア処理装置。 - 前記可搬型タンクに設けられ、前記プラントに設けられたアンモニア排水の排水送給ラインに接続可能なアンモニア排水導入部をさらに備え、
前記送水部は、前記可搬型タンクに貯留された前記アンモニア排水を含むアンモニア水を、前記送水ラインを介して前記プラントに送水するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア処理装置。 - 前記送水ラインに前記アンモニア水を圧送するためのポンプと、
前記可搬型タンク内に貯留される前記アンモニア水の貯留量を検出するための貯留量センサと、をさらに備え、
前記貯留量センサの検出値が下限値未満となった場合、前記ポンプを停止させるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のアンモニア処理装置。 - 前記可搬型タンクから排気する排気ラインと、
前記排気ラインに設けられ、アンモニア成分を吸着する吸着部と、
前記吸着部より下流側の前記排気ラインに設けられ、前記アンモニアガスを検出するためのアンモニアガスセンサと、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のアンモニア処理装置。 - 前記プラントは、発電プラントであり、
前記可搬型タンクからの前記アンモニア水は、前記発電プラントの給水系統にアンモニアを注入するための薬品注入装置又は前記発電プラントの脱硝装置の少なくとも一方に送水されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のアンモニア処理装置。 - 荷役車両のつめが挿入可能な複数の穴が側面に設けられた搬送用パレットをさらに備え、
前記可搬型タンクは、前記搬送用パレット上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のアンモニア処理装置。 - プラントで発生するアンモニアガスを処理するためのアンモニア処理方法であって、
水の給水ラインに可搬型タンクの給水部を接続し、前記給水部を介して前記給水ラインから前記可搬型タンクに注水するステップと、
前記プラントに設けられた前記アンモニアガスのガス送給ラインに前記可搬型タンクのアンモニアガス導入部を接続し、前記アンモニアガス導入部を介して前記ガス送給ラインから前記アンモニアガスを前記可搬型タンクに供給するステップと、
前記可搬型タンクに注入された前記水に対して、前記アンモニアガス導入部を介して前記可搬型タンクに供給した前記アンモニアガスを溶解させるステップと、
前記プラントに設けられた送水ラインに前記可搬型タンクの送水部を接続し、前記アンモニアガスが前記水に溶解して生成されるアンモニア水を前記送水ラインを介して前記プラントに送水するステップと、を備えることを特徴とするアンモニア処理方法。 - 前記プラントに設けられたアンモニアタンクに連通する配管をパージするステップをさらに備え、
前記パージによって前記プラントから排出された前記アンモニアガスを処理することを特徴とする請求項8に記載のアンモニア処理方法。 - 前記可搬型タンク内における前記アンモニア水の導電率を監視するステップと、
前記導電率に基づいて、前記パージの異常を検出するステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のアンモニア処理方法。 - 前記可搬型タンク内における前記アンモニア水の導電率を監視するステップと、
前記導電率の変化率が所定範囲内になったとき、前記パージが終了したと判断するステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項9又は10に記載のアンモニア処理方法。 - 前記プラントに設けられたアンモニア排水の排水送給ラインに前記可搬型タンクのアンモニア排水導入部を接続し、前記アンモニア排水導入部を介して前記排水送給ラインから前記アンモニア排水を前記可搬型タンクに供給するステップをさらに備えることを特徴とする請求項8乃至11の何れか一項に記載のアンモニア処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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