はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技機前方から視認可能であり遊技球が流下する遊技領域(遊技領域YS)に、
表示部(表示画面G)にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート33)と、
第1開閉部材(可動翼片34b)を有し、該第1開閉部材が閉状態である場合には遊技球が入球し難く開状態となることで遊技球が入球し易くなる入賞装置(電動式チューリップ34)と、
第2開閉部材(可動翼片168)を有し、該第2開閉部材が開状態となることで遊技球が入球可能となると共に、遊技機前方から視認可能な遊技球転動領域(誘導通路183及び回転体201等)、及び該遊技球転動領域を転動する遊技球が入球可能な有利口(V入賞口182a)を内部に有する入賞役物装置(入賞役物装置150)と、
遊技球が入球可能な開放状態と入球し難い閉鎖状態とに切り換え可能な特定入賞装置(可変入賞装置32)と
を備え、
さらに、前記入球部に遊技球が入球したか否かを判定する入球部入球判定手段(主制御基板271aの信号読込処理機能S301)と、
該入球部入球判定手段により前記入球部に遊技球が入球したと判定された場合に、前記第1開閉部材を開状態とするか否かの抽選を行う抽選手段(主制御基板271aのデータ格納機能S404)と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて前記絵柄の変動表示を行うと共に、前記抽選手段の抽選結果が開状態当選の場合に、前記表示部にて特定表示を行うよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御基板214aの表示処理)と、
前記特定表示がなされた場合に、前記第1開閉部材を開状態とする第1開閉部材制御手段(主制御基板271aの電動式チューリップ開閉処理)と、
前記入賞装置に遊技球が入球したか否かを判定する入賞判定手段(主制御基板271aの信号読込処理機能S303)と、
該入賞判定手段により前記入賞装置に遊技球が入球したと判定された場合に、前記第2開閉部材を開状態とする第2開閉部材制御手段(主制御基板271aの入賞役物装置開閉処理)と、
前記有利口に遊技球が入球したか否かを判定する有利口入球判定手段(主制御基板271aの信号読込処理機能S307)と、
該有利口入球判定手段により前記有利口に遊技球が入球したと判定された場合に、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御基板271aの状態移行処理機能S1302,S1310〜S1313)と、
前記特別遊技状態下で、前記特定入賞装置を開閉制御する特定入賞装置制御手段(主制御基板271a)と、
前記特定入賞装置に遊技球が入球した場合に、入球に応じた特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御基板271a,払出制御基板311a)と
を備え、
前記特定入賞装置制御手段は、
前記特定入賞装置における1回の開放状態の開放時間として、第1時間(29.5秒)と、それよりも短い第2時間(3秒)との少なくとも2種類の規定時間を記憶する規定時間記憶手段(主制御基板271aのROM502)と、
1の前記特別遊技状態下で複数回発生する前記各開放状態の各開放時間として前記各規定時間のいずれかを設定する開放時間設定手段(主制御基板271aの短時間開放カウンタ確認処理S1503及び開放時間設定処理S1504,S1506)と、
前記特定入賞装置を開放状態に切り換える開放制御手段(主制御基板271aの大入賞口開放処理S1505)と、
前記開放状態に切り換えられてから前記開放時間設定手段の設定した開放時間が経過した場合に、前記特定入賞装置を閉鎖状態に切り換える閉鎖制御手段(主制御基板271aの大入賞口閉鎖処理S1510)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、入球部に遊技球が入球し抽選手段の抽選により当選となることで、絵柄表示装置の表示部において特定表示がなされ、入賞装置が開状態となる。そして、入賞装置に遊技球が入球することで、入賞役物装置が開状態となる。この開状態となった入賞役物装置に入球した遊技球は入賞役物装置内部に設けられた遊技球転動領域を転動し、その遊技球が有利口に入球することで遊技状態が特別遊技状態に移行する。当該特別遊技状態下では、特定入賞装置の開閉が行われ、特定入賞装置に遊技球が入球することで、入球に応じた特典が遊技者に付与されるようになっている。かかる構成とすることにより、遊技球が流下する遊技領域を備えた従来の遊技機に対して顕著な差を与え、独自性を付加することができる。
また、特定入賞装置が開放状態となった場合、特定入賞装置は開放時間の経過を以って閉鎖される。この場合に、開放時間として複数の規定時間を記憶する構成とすることにより、特定入賞装置が複数回開放される中で種々の開放時間を設定することが可能となる。また、特定入賞装置における1回の開放状態の開放時間として、第1時間と、それよりも短い第2時間との少なくとも2種類の規定時間を記憶する構成とすることにより、1回の開放に基づいて付与される特典を変化させることが可能となる。故に、どれだけ特典が付与されるのかを期待しながら遊技者に遊技を行わせることが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。以上の結果、特別遊技状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
なお、入賞装置の「遊技球が入球し難い閉状態」とは、遊技球が入球しにくい状態のみならず遊技球の入球が不可能な状態を含む。
また、特定入賞装置の「遊技球が入球し難い閉鎖状態」とは、遊技球が入球しにくい状態のみならず遊技球の入球が不可能な状態をも含む。
手段2.手段1において、前記第1時間は、1回の開放状態で前記特定入賞装置に所定数の遊技球入球が見込まれるように設定されており、
前記第2時間は、1回の開放状態で前記特定入賞装置に前記所定数の遊技球入球が見込み難いように設定されていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、開放時間として第1時間が設定されることにより、その回の開放状態で特定入賞装置に所定数の遊技球入球が見込まれる。一方、開放時間として第2時間が設定されると、その回の開放状態で特定入賞装置に所定数の遊技球入球が見込み難くなる。これにより、1回の開放に基づいて付与される特典を明確に変化させることが可能となる。
手段3.手段2において、遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を所定間隔(0.6秒)毎に発射する球発射手段(ソレノイド62)と、その発射された遊技球を前記遊技領域に導く球通路(レールユニット50の球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口31、風車37等)とを備え、
前記特定入賞装置制御手段は、前記開放時間が経過する前に所定数(10個)の遊技球が入球した場合、前記特定入賞装置を閉鎖状態に切り換える第2閉鎖制御手段(主制御基板271aの大入賞口閉鎖処理S1510)を備え、
さらに、前記開放時間設定手段により設定される規定時間を前記第1時間及び前記第2時間のみとすると共に、
前記第1時間を、前記球発射手段が所定数の遊技球を発射するのに要する発射時間(6秒)より長く、前記第2開放時間を前記発射時間より短く設定したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、開放時間として第1時間又は第2時間のいずれかが設定されるため、特定入賞装置の開放パターンが少なくなり、記憶容量や処理負荷の軽減に繋がる。この場合に、第1時間は所定数の遊技球が発射されるのに要する発射時間より長く、第2時間は発射時間より短く設定されている。これにより、1回の開放に基づいて付与される特典を明確に変化させることが可能となる。
手段4.手段1において、前記特定入賞装置制御手段は、前記開放時間が経過する前に所定数(10個)の遊技球が入球した場合、前記特定入賞装置を閉鎖状態に切り換える第2閉鎖制御手段(主制御基板271aの大入賞口閉鎖処理S1510)を備え、
さらに、前記第1時間は、1回の開放状態で前記特定入賞装置に前記所定数の遊技球入球が見込まれるように設定されており、
前記第2時間は、1回の開放状態で前記特定入賞装置に前記所定数の遊技球入球が見込み難いように設定されていることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、開放時間として第1時間が設定されることにより、その回の開放状態で特定入賞装置に所定数の遊技球入球が見込まれる。そして、この所定数の遊技球が入球することにより設定された開放時間が経過していなくても特定入賞装置は閉鎖状態に切り換えられる。一方、開放時間として第2時間が設定されると、その回の開放状態で特定入賞装置に所定数の遊技球入球が見込み難くなる。これにより、1回の開放に基づいて付与される特典を明確に変化させることが可能となる。
手段5.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記特定入賞装置制御手段は、前記開放制御手段が前記特別遊技状態下で初回の開放制御を行う前までに、複数回開閉される前記特定入賞装置の各回の開放時間を前記各規定時間のいずれかから決定する開放態様決定手段(主制御基板271aの大当たり状態設定処理S1310)を備え、
前記開放時間設定手段は、前記開放態様決定手段の決定した開放態様(開放パターン)に基づいて、前記各規定時間のいずれかを前記開放時間として設定することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、特別遊技状態下で初回の開放制御が行われる前までに、複数回開閉される特定入賞装置の各回の開放時間が規定時間のいずれかから決定される。かかる構成とすることにより、特定入賞装置の各開放制御時には決定された規定時間を開放時間として設定すればよいので、遊技に関わる処理負荷が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。特別遊技状態下においては、特定入賞装置を開閉する処理に加えて例えば特定入賞装置に入球した遊技球数を確認する処理や当該処理結果に基づいて特典を付与する処理等を行う必要があり、これらの処理負荷のみで多大なものがあるからである。
手段6.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記特定入賞装置制御手段は、前記開放制御手段が前記特別遊技状態下で初回の開放制御を行う前までに、複数回開閉される前記特定入賞装置の各開放時間として前記各規定時間が設定される回数を決定する開放態様決定手段(主制御基板271aの大当たり状態設定処理S1310)を備え、
前記開放時間設定手段は、前記開放態様決定手段の決定した開放態様(開放パターン)に基づいて、前記各規定時間のいずれかを前記開放時間として設定することを特徴とする遊技機。
手段6によれば、特別遊技状態下で初回の開放制御が行われる前までに、特定入賞装置の各開放時間としてそれぞれの規定時間が設定される回数が決定される。かかる構成とすることにより、特定入賞装置の各開放制御時には決定された回数に基づいて規定時間を開放時間として設定すればよいので、遊技に関わる処理負荷が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。特別遊技状態下においては、特定入賞装置を開閉する処理に加えて例えば特定入賞装置に入球した遊技球数を確認する処理や当該処理結果に基づいて特典を付与する処理等を行う必要があり、これらの処理負荷のみで多大なものがあるからである。
なお、上記手段5及び手段6において、有利口入球判定手段により有利口に遊技球が入球したと判定された場合に開放態様決定手段が開放態様を決定する構成とすることで、開放制御手段が特別遊技状態下で初回の開放制御を行う前までに開放態様を決定することができる。
手段7.手段6において、前記開放時間設定手段は、開放時間として複数回設定することが決定された規定時間を、決定された回数分だけ連続して設定することを特徴とする遊技機。
手段7によれば、開放時間として複数回設定される規定時間は連続して設定される。かかる構成とすることにより、遊技に関わる制御負荷が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
手段8.手段5乃至手段7のいずれかにおいて、前記開放態様決定手段は、複数回発生する前記開放状態のうち前記第1時間が少なくとも1回設定されるように開放態様を決定することを特徴とする遊技機。
手段8によれば、特別遊技状態に移行し開放状態が複数回発生する場合、少なくとも1回は第1時間が設定される。すなわち、1回は第2時間よりも長い開放時間が設定される。これにより、1回の開放に基づいて付与される特典を確実に変化させることが可能となる。
特に、上記手段2乃至手段4のいずれかを備えた構成においては、第1時間が設定されると、その回の開放状態で特定入賞装置に所定数の遊技球入球が見込まれる。よって、特別遊技状態に移行したにも関わらず所定数の遊技球入球に応じた特典が付与されない不具合を抑制することが可能となる。
手段9.手段5乃至手段8のいずれかにおいて、前記開放時間設定手段により設定される規定時間を前記第1時間及び前記第2時間のみとし、
前記規定時間記憶手段は、少なくとも一方の規定時間が1の特別遊技状態下で設定される回数が定められた設定回数パターン(開放パターン)を予め複数記憶しており、
前記開放態様決定手段は、前記複数の設定回数パターンから1の設定回数パターンを開放態様として選択することを特徴とする遊技機。
手段9によれば、少なくとも一方の規定時間が1の特別遊技状態下で設定される回数が定められた設定回数パターンが予め複数記憶されている。かかる構成とすることにより、比較的簡単な処理構成で特別遊技状態下における特定入賞装置の開放態様を決定することが可能となる。
手段10.手段9において、所定条件が成立している場合に、前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を同特別遊技状態と遊技者の有利度合いが異なる第2特別遊技状態(高確率状態)に移行させる第2特別遊技状態移行手段(主制御基板271aの高確率状態移行処理S1318)を備え、
前記開放態様決定手段は、
前記所定条件が成立している場合、前記第1時間の設定回数が最も多い設定回数パターンの選択率が他の設定回数パターンの選択率と比して高くなるようにし、且つ、前記所定条件が成立していない場合、前記第2時間の設定回数が最も多い設定回数パターンの選択率が他の設定回数パターンの選択率と比して高くなるようにしたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、特別遊技状態の終了後に第2特別遊技状態に移行する場合があり、その後に第2特別遊技状態に移行する特別遊技状態の場合、設定回数パターンのうち第1時間の設定回数が最も多い設定回数パターンが高確率で選択され、その後に第2特別遊技状態に移行しない特別遊技状態の場合、設定回数パターンのうち第2時間の設定回数が最も多い設定回数パターンが高確率で選択される。
当該構成とすることにより、特別遊技状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。第2特別遊技状態当選である場合には、第2特別遊技状態へ移行することに伴う有利さに加えて多くの特典付与を受けることが可能となるため、遊技者の有利度合いを好適に高めることが可能となるからである。
なお、入球部入球判定手段により入球部に遊技球が入球したと判定された場合、入賞判定手段により入賞装置に遊技球が入球したと判定された場合、又は有利口入球判定手段により有利口に遊技球が入球したと判定された場合に、第2特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う第2抽選手段(主制御基板271aのデータ格納機能S404)を備えた構成とし、第2抽選手段の抽選結果が第2特別遊技状態当選となることを、「所定条件の成立」としてもよい。
また、入賞役物装置の内部に有利口を複数設け、そのうちの一部を特定有利口とし、当該特定有利口に遊技球が入球することを、「所定条件の成立」としてもよい。かかる場合、有利口入球判定手段は、特定入球判定手段を備え、該特定入球判定手段により特定有利口に遊技球が入球したと判定された場合、第2特別遊技状態移行手段は遊技状態を第2特別遊技状態に移行させ、開放態様決定手段は開放態様の決定を行う構成とする。
手段11.手段5乃至手段10のいずれかにおいて、前記開放態様決定手段は、抽選により前記開放態様を決定することを特徴とする遊技機。
手段11によれば、開放態様は抽選により決定される。これにより、開放態様の決定が不規則に行われ、特別遊技状態における開放態様を変化に富んだものとすることができる。
手段12.手段5乃至手段11のいずれかにおいて、前記開放態様決定手段の決定した開放態様を表示する手段を非具備とすることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、特定入賞装置の開放がどのような開放時間で行われるのかは表示されない。かかる構成とすることにより、特定入賞装置が開放される毎に長い規定時間が開放時間として設定されていることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
手段13.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記開放時間設定手段は、各回の開放毎に今回の開放回における前記開放時間を、抽選に基づいて設定することを特徴とする遊技機。
手段13によれば、各回の開放毎に今回の開放回における開放時間が抽選に基づいて設定される。これにより、特定入賞装置の各開放をいずれの開放時間で開放させるかを記憶する記憶容量を軽減させることが可能となる。
手段14.手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記特別遊技状態移行手段が遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる場合、前記特定入賞装置が前記開放状態に特定回数切り換えられることを教示する開放回数教示手段(表示制御基板214a、図柄表示装置41)を備えることを特徴とする遊技機。
手段14によれば、遊技状態が特別遊技状態に移行する場合、特定入賞装置が特定回数開放されることが教示される。かかる構成とすることにより、種々の開放時間が設定される構成にあって、仮に初回の開放時に短い規定時間が開放時間として設定されたとしても、次回以降の開放時に長い規定時間が開放時間として設定されることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
手段15.手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記開放時間設定手段が前記各規定時間のいずれかを設定する場合に、1の特別遊技状態下で先に設定した規定時間以上の長さを有する規定時間を次に設定するよう設定可能な規定時間を規制する規制手段(主制御装置271の短時間開放カウンタ、短時間開放カウンタ確認処理S1503、及びROM502に記憶されている開放パターン情報)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、特定回数行われる特定入賞装置の開放の中で、先の開放回で設定した規定時間以上の長さを有する規定時間が次の開放回で設定される。すなわち、特定回数行われる特定入賞装置の開放の中で、先の開放回で設定した規定時間と同一の規定時間又はそれよりも長い規定時間が次の開放回で設定され、先の開放回で設定した規定時間よりも短い規定時間が次の開放回で設定されることはない。これにより、何回目の開放から時間の長い規定時間が設定されるかを期待させながら各開放下の遊技を行わせることが可能となる。故に、特別遊技状態における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
手段16.手段1乃至手段15のいずれかにおいて、前記特定入賞装置の各開放前に、次回の開放時間として設定される規定時間を示唆する示唆演出を行うよう前記絵柄表示装置を示唆表示制御する示唆演出手段(表示制御基板214aの開放動画表示処理S2505,S2506)を備えることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、特定入賞装置の各開放前には、開放時間として設定される規定時間を示唆する示唆演出が行われる。かかる構成とすることにより、遊技者の予期せぬタイミングで特定入賞装置が閉鎖される不具合を抑制することが可能となり、特別遊技状態の開始から終了まで、特典が付与されることに対する期待感を持続させることが可能となる。
手段17.手段16において、前記示唆演出手段は、前記閉鎖状態下において前記示唆演出を行うよう前記絵柄表示装置を示唆表示制御することを特徴とする遊技機。
手段17によれば、示唆演出は特定入賞装置が閉鎖されている状況下で行われる。かかる構成とすることにより、特定入賞装置が開放されている状況下にあってはどれだけの特典が付与されるかを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、特定入賞装置が閉鎖されている状況下にあっては、次回の開放に長い規定時間が設定されることを期待させながら示唆演出を楽しませることが可能となる。故に、特定入賞装置の開放を待つ待機時間となりがちであった特定入賞装置の閉鎖されている時間を有効活用することが可能となり、特別遊技状態下の遊技を該特別遊技状態の開始から終了まで楽しませることが可能となる。
手段18.手段17において、前記特別遊技状態下における1の前記開放状態が終了してから次の前記開放状態が開始されるまでの時間を略一定としたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、特別遊技状態下における1の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの時間が略一定であるので、示唆演出パターンをその単一の時間に合わせて予め設定しておけばよい。例えば、かかる時間が複数パターン存在する場合には、そのパターン数に応じて示唆演出パターンを予め設定する必要が生じ、この場合、示唆演出用の記憶容量が極端に増大するおそれがある。これに対して、本手段によれば、示唆演出用の記憶容量を極力軽減することができる。
手段19.手段1乃至手段18のいずれかにおいて、前記第2時間を、前記特定入賞装置が閉鎖されてから次に開放されるまでの閉鎖時間より長く設定したことを特徴とする遊技機。
手段19によれば、第2時間は、特定入賞装置が閉鎖されてから次に開放されるまでの閉鎖時間より長く設定されている。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行したにも関わらず特定入賞装置の閉鎖している時間の方が長くなることを防止することが可能となり、遊技者が不利益を被っている印象を抱くことを軽減させることが可能となる。
手段20.遊技機前方から視認可能であり遊技球が流下する遊技領域に、
表示部にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部と、
開閉部材を有し、該開閉部材が開状態となることで遊技球が入球可能となると共に、遊技機前方から視認可能な遊技球転動領域、及び該遊技球転動領域を転動する遊技球が入球可能な有利口を内部に有する入賞役物装置と、
遊技球が入球可能な開放状態と入球し難い閉鎖状態とに切り換え可能な特定入賞装置とを備え、
さらに、前記入球部に遊技球が入球したか否かを判定する入球部入球判定手段と、
該入球部入球判定手段により前記入球部に遊技球が入球したと判定された場合に、前記開閉部材を開状態とするか否かの抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて前記絵柄の変動表示を行うと共に、前記抽選手段の抽選結果が開状態当選の場合に、前記表示部にて特定表示を行うよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段と、
前記特定表示がなされた場合に、前記開閉部材を開状態とする開閉部材制御手段と、
前記有利口に遊技球が入球したか否かを判定する有利口入球判定手段と、
該有利口入球判定手段により前記有利口に遊技球が入球したと判定された場合に、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記特別遊技状態下で、前記特定入賞装置を開閉制御する特定入賞装置制御手段と、
前記特定入賞装置に遊技球が入球した場合に、入球に応じた特典を遊技者に付与する特典付与手段と
を備え、
前記特定入賞装置制御手段は、
前記特定入賞装置における1回の開放状態の開放時間として、第1時間と、それよりも短い第2時間との少なくとも2種類の規定時間を記憶する規定時間記憶手段と、
1の前記特別遊技状態下で複数回発生する前記各開放状態の各開放時間として前記各規定時間のいずれかを設定する開放時間設定手段と、
前記特定入賞装置を開放状態に切り換える開放制御手段と、
前記開放状態に切り換えられてから前記開放時間設定手段の設定した開放時間が経過した場合に、前記特定入賞装置を閉鎖状態に切り換える閉鎖制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段20の遊技機では、入球部に遊技球が入球し抽選手段の抽選により当選となることで、絵柄表示装置の表示部において特定表示がなされ、入賞役物装置が開状態となる。そして、開状態となった入賞役物装置に遊技球が入球することで、当該遊技球は入賞役物装置内部に設けられた転動領域を転動し、その遊技球が有利口に入球することで、遊技状態が特別遊技状態に移行する。当該特別遊技状態下では、特定入賞装置の開閉が行われ、特定入賞装置に遊技球が入球することで、入球に応じた特典が遊技者に付与されるようになっている。かかる構成とすることにより、遊技球が流下する遊技領域を備えた従来の遊技機に対して顕著な差を与え、独自性を付加することができる。
また、特定入賞装置が開放状態となった場合、特定入賞装置は開放時間の経過を以って閉鎖される。この場合に、開放時間として複数の規定時間を記憶する構成とすることにより、特定入賞装置が複数回開放される中で種々の開放時間を設定することが可能となる。また、特定入賞装置における1回の開放状態の開放時間として、第1時間と、それよりも短い第2時間との少なくとも2種類の規定時間を記憶する構成とすることにより、1回の開放に基づいて付与される特典を変化させることが可能となる。故に、どれだけ特典が付与されるのかを期待しながら遊技者に遊技を行わせることが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。以上の結果、特別遊技状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
なお、特定入賞装置の「遊技球が入球し難い閉鎖状態」とは、遊技球が入球しにくい状態のみならず遊技球の入球が不可能な状態をも含む。
また、当該手段20に対して、上記手段2乃至手段19のいずれかの構成を適用することで、各手段の効果を享受することができる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機10には右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。
本体枠12の前面側の下部位置には、ABS樹脂にて形成された前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。
遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。操作ハンドル18aは、ABS樹脂にて成形されており、その表面にメッキ処理が施されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。これらタッチセンサ、発射スイッチ、ダイヤル可変抵抗器及び止め打ちスイッチの信号線は、後述する電源及び発射制御装置313に接続されている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構60側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤30には、後述する遊技球発射機構60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射機構60から発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部52は内レール部51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。ここで、レールユニット50の上下及び左右の各端部は略直線状に形成されている。
以上のように、遊技盤30の盤面はレールユニット50により内外領域に区画され、略円形状に区画された内側領域が遊技領域とされている。かかる遊技領域の構成については、後に詳細に説明する。
樹脂ベース25の窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射機構60が取り付けられている。遊技球発射機構60は、ベース部材としての金属板61を備えており、金属板61には、電磁式のソレノイド62と、発射レール63とが取り付けられている。
ソレノイド62は、本体部62aと出力軸62bとを主要構成部品として備えており、本体部61aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸62bが伸縮方向に移動する。また、ソレノイド62は、通電時に出力軸62bが左斜め上方へ突出するように配置されている。発射レール63は、ソレノイド62により打ち出された遊技球を案内するものであり、その長手方向が出力軸62bの伸縮方向に延びるように配置されている。なお、発射レール63上には前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から1つずつ遊技球が供給され、当該遊技球は金属板61上に取り付けられたストッパ64により発射レール63上に保持される。
以上の構成において、遊技者により遊技球発射ハンドル18が操作されるのに基づいてソレノイド62が通電されると出力軸62bが突出し、発射レール63上においてストッパ64により保持されている遊技球が打ち出される。そして、当該遊技球は発射レール63上を移動し、遊技領域に打ち出される。
本体枠12の前面において発射レール63の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部(図示略)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
次に、前扉枠13について説明する。
図1に示すように、前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になる形状であってもよい。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたCRユニットに紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。
前扉枠13の背面の下側には、前記発射レール63に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている(図2参照)。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール63の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール63から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
前扉枠13の背面の下側における樹脂ケース136の右側には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
本実施の形態のパチンコ機10では、前扉枠13を閉じた状態にあっては、内外のレール部51,52間に形成された球案内通路の一部が前扉枠13により覆い隠される構成となっている。それ故、球案内通路では手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射機構60より発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らず戻ってくると、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前扉枠13に、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。
次に、遊技盤30に形成された遊技領域YSの構成について図4を用いて説明する。
遊技盤30の遊技領域YS内には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口31、可変入賞装置32、スルーゲート33、電動式チューリップ34、可変表示ユニット35、特定ランプ45及び入賞役物装置150がそれぞれ設けられている。可変表示ユニット35、スルーゲート33、電動式チューリップ34及び可変入賞装置32は、この順番で遊技領域YSの中央線上に並べて配置されており、一般入賞口31は可変入賞装置32の左右両側に配置されている。また、入賞役物装置150は遊技領域YSの左側に偏倚して配置されており、特定ランプ45は内レール部51の右側部に近接させて配置されている。ここで、可変表示ユニット35の遊技領域YSにおいて占める面積と、入賞役物装置150の遊技領域YSにおいて占める面積とは略同一となっている。
一般入賞口31、可変入賞装置32及び電動式チューリップ34に遊技球が入ると、一般入賞口31についてはそれが図示しない検出センサにより検出され、可変入賞装置32についてはそれが内部に設けられた特定入賞センサ32aにより検出され、電動式チューリップ34についてはそれが内部に設けられた作動センサ34aにより検出され、それら各検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。また、スルーゲート33には、スルーゲートセンサ33aが設けられており、遊技球の通過が検出される。その他に、遊技領域YSの最下部にはアウト口36が設けられており、可変入賞装置32や入賞役物装置150等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技領域YSには、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘37が植設されていると共に、風車38等の各種部材(役物)が配設されている。
電動式チューリップ34は、一対の可動翼片34bを備えている。可動翼片34bは遊技盤30の背面側に設けられたソレノイド34cに連結されている。なお、可動翼片34b及びソレノイド34cにより電動役物が構成されている。ソレノイド34cが励磁されていない場合、一対の可動翼片34bは上方へ起立し所定の間隔を置いて対峙する。そして、遊技領域YSにおける電動式チューリップ34の上方に両可動翼片34bを断続的に結ぶように複数(ここでは、3本)の閉鎖用釘37aが配設されていることにより、電動式チューリップ34は遊技球の入球が不可能な閉鎖状態となっている。一方、ソレノイド34cが励磁されることにより各可動翼片34bは外側に開く。すなわち、電動式チューリップ34が開放状態となる。この際、両端に位置する閉鎖用釘37aと、各可動翼片34bとの間に遊技球1個分よりも大きな隙間ができることにより、電動式チューリップ34への遊技球の入球が可能な状態となる。
特定ランプ45は、赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプがカバー部材に収容されて構成されている。そして、スルーゲート33の遊技球の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、スルーゲート33の遊技球の通過をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。発光色の切り換え停止時期にて、赤色又は緑色が停止表示された場合には、電動式チューリップ34が開放状態となり、電動式チューリップ34への遊技球の入球が可能となる。また、赤色で停止表示された場合と、緑色で停止表示された場合とで、最終的に大当たりとなった場合の遊技者が得られる利益が異なっており、前者の場合に遊技者はより大きな利益を得ることができる。
可変表示ユニット35には、スルーゲート33の遊技球の通過をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。すなわち、スルーゲート33を遊技球が通過することで、上述した特定ランプ45における発光色の切り替えと、図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われる。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。このセンターフレーム43は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面Gの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
センターフレーム43の上部には、特定ランプ45及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球がスルーゲート33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイからなる表示画面Gを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて3列で図柄が表示され、それぞれの図柄列で図柄が上下方向に変動表示されるようになっている。そして、一部の図柄列(本実施の形態では、左図柄と右図柄)における図柄が停止表示された場合に、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が揃うことで、電動式チューリップ34が開放状態となる。すなわち、上述したように特定ランプ45にて赤色又は緑色が停止表示され、さらに図柄表示装置41にて所定の組合せの図柄が揃う(一部の図柄は変動表示されている)ことで、電動式チューリップ34は開放状態となる。なお、図柄表示装置41は、8インチ以外の10インチ,7インチ等の液晶ディスプレイを備えたもの、ワイドサイズのディスプレイを備えたもの、又はCRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面Gを構成したものであってもよい。
入賞役物装置150は、電動式チューリップ34への遊技球の入球を条件として開放状態となり、当該入賞役物装置150への遊技球の入球が可能となる。入賞役物装置150内に遊技球が入り、さらにその遊技球が入賞役物装置150内に設けられたV入賞口に入ると、それが後述するV入賞センサ192により検出され、大当たり状態となる。
可変入賞装置32は、略板状の可動プレート32bを備えている。可動プレート32bは遊技盤30の背面側に設けられたソレノイド32cに連結されている。なお、可動プレート32b及びソレノイド32cにより電動役物が構成されている。ソレノイド32cが励磁されていない場合、可動プレート32bはその前面がパチンコ機10前方を向くように起立し、可変入賞装置32の開口を塞ぐ。これにより、可変入賞装置32は、遊技球の入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態となっている。一方、ソレノイド32cが励磁されることにより、可動プレート32bはその下端を軸線として手前側に回動し、遊技領域YSに対して略垂直方向に起立した状態となる。すなわち、可変入賞装置32が遊技球の入球が可能な開放状態となる。可変入賞装置32(電動役物)の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返し開放されるものが一般的である。
次に、入賞役物装置150の構成について図5〜図8を用いて詳細に説明する。図5(a)は入賞役物装置150の斜視図であり、図5(b)は入賞役物装置150に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図であり、図6は入賞役物装置150の分解斜視図であり、図7は入賞役物装置150を構成する回転体ユニット180の分解斜視図であり、図8は回転体ユニット180の平面図である。
入賞役物装置150は、大別して役物ユニット160と回転体ユニット180とから構成されている。役物ユニット160は、図6に示すように、ベース枠161を備えており、ベース枠161のフランジ162が遊技盤30にネジ止め固定されている。ベース枠161は、前後方向に延びる球受け板163により上下に区画されて、前後に貫通した上側開口164と下側開口165とが形成されている。
ベース枠161の前面における上側開口164の上方には、所定の厚みを有する天井部材167が取り付けられている。また、上側開口164の左右両側には、天井部材167と同一の厚みを有する一対の可動翼片168が設けられている。ベース枠161の背面側には、通路形成部材171及びソレノイド固定板172が設けられており、ソレノイド固定板172の背面に一対の電磁式ソレノイド173が取り付けられている。電磁式ソレノイド173には通路形成部材171及びソレノイド固定板172を貫通して設けられたリンク176の一端が連結されており、当該リンク176の他端が可動翼片168の軸部に連結されている。従って、可動翼片168は電磁式ソレノイド173の駆動により開放動作される。
当該開放動作について詳細に説明すると、各可動翼片168は電磁式ソレノイド173が励磁されていないときには上方へ起立し、それぞれの先端部は天井部材167の左右両端に近接する。一方、電磁式ソレノイド173が励磁されると、各可動翼片168はそれぞれ外側へ開き、各可動翼片168の先端部と天井部材167の左右両端との間には遊技球1個分よりも大きな隙間ができる。かかる構成により、各可動翼片168が開き入賞役物装置150が開放状態となったときにのみ、入賞役物装置150内への遊技球の入球が可能となる。なお、可動翼片168と電磁式ソレノイド173とが電動役物を構成する。また、電磁式ソレノイド173は、通路形成部材171及びソレノイド固定板172により遊技機前方から視認できない構成となっており、当該電磁式ソレノイド173は背面側がカバー部材174によりカバーされている。
ベース枠161の前面における下側開口165の縁部には、前枠175が取り付けられている。前枠175の上部に形成された延出壁175aは、ベース枠161の球受け板163よりも上方に延出しており、かかる延出壁175aにより球受け板163上に到達した遊技球の前方への飛び出しが規制されている。
通路形成部材171には、前後方向に延び球受け板163に繋がる通路板177が形成されており、さらに通路板177の奥側には上下方向に延びる遊技球通路178が形成されている(図5(b)に示す)。そして、通路板177が遊技球通路178に向けて下方に傾斜し、さらに当該遊技球通路178に向けて幅が狭くなる構成であることにより、球受け板163上に到達した遊技球は遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は当該遊技球通路178を流下する。遊技球通路178の入口側には入口センサ179が設けられており、入賞役物装置150に入球した遊技球は必ず且つ即座に入口センサ179を通過する。これにより、入賞役物装置150への遊技球の入球が検出される。なお、入口センサ179は、周知の近接センサにより構成されている。
役物ユニット160には、通路形成部材171の下方に位置するようにして回転体ユニット180が取り付けられている。回転体ユニット180は、図7に示すように、誘導通路形成部材181と排出通路形成部材191とを備えている。
誘導通路形成部材181には、その略中央に下方に凹んだ凹部182が形成されている。凹部182は、平面視で円形状をしている。そして、凹部182の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路183が形成されている。誘導通路183は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。誘導通路183の手前側中央は、ベース枠161の下側開口165の下端部分に位置している。誘導通路183の奥側中央は、役物ユニット160の遊技球通路178の鉛直下方に位置している。誘導通路183の奥側中央を形成する通路壁183aは周りの通路壁183aに比べ背が高くなっており、奥側の誘導通路183の上方には水平方向に延びる通路カバー184が形成されている。但し、通路カバー184には入口用開口184aが形成されており、平面視で(図8参照)、誘導通路183の奥側部分は奥側中央のみが露出された構成となっている。この入口用開口184aが遊技球通路178の出口と重なっていることにより、遊技球通路178を流下した遊技球は確実に誘導通路183の奥側中央に到達する。
誘導通路183の奥側中央には、球振分け部185が形成されている。球振分け部185は、その中心から左右両方に向けて下方に傾斜する傾斜面を有する。従って、誘導通路183に到達した遊技球は、左右いずれかに振り分けられる。そして、誘導通路183の傾斜に沿って転がることで誘導通路183の手前側に誘導される。誘導通路183の手前側には、凹部182側へ傾斜した導出部186が形成されている。
凹部182には、その底面にV入賞口182aが形成されている。V入賞口182aは排出通路形成部材191に形成されたV入賞通路191aに通じており、V入賞口182aに入った遊技球はV入賞通路191aを通じて入賞役物装置150の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路191aにはV入賞センサ192が設けられており、V入賞通路191aを通過する遊技球はV入賞センサ192により検出される。なお、V入賞センサ192の位置を、V入賞通路191aのより上流の位置に配置してもよい。
また、凹部182の側面には外れ口182bが形成されている。外れ口182bは排出通路形成部材191に形成された外れ用通路191bに通じており、外れ口182bに入った遊技球は外れ用通路191bを通じて入賞役物装置150の外部へ排出される。この場合に、外れ用通路191bには外れ用センサ193が設けられており、外れ用通路191bを通過する遊技球は外れ用センサ193により検出される。なお、V入賞センサ192及び外れ用センサ193は、周知の近接センサにより構成されている。また、V入賞通路191a及び外れ用通路191bを通じて入賞役物装置150の外部へ排出される遊技球は、図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部に排出される。
排出通路形成部材191には下側からモータ194が取り付けられており、当該モータ194の上下方向に延びる出力軸194aは、排出通路形成部材191及び誘導通路形成部材181を貫通している。そして、出力軸194aには回転体201が固定されている。なお、当該モータ194をステッピングモータとしてもよい。
回転体201は、誘導通路形成部材181の凹部182よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部182内に位置している。そして、回転体201はモータ194の駆動に伴って反時計回りに回転する。回転体201の外周には内側に凹んだ10個の球案内部202が形成されており、これら球案内部202は等間隔で並んでいる。このうち、9個の球案内部202は有底の外れ口案内部203となっており、1個の球案内部202は無底のV入賞口案内部204となっている。外れ口案内部203の底面は、外側に向かうほど低位となるように傾斜している。各球案内部202は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路183の導出部186から導出される遊技球はいずれかの球案内部202に入る。この場合に、V入賞口案内部204に入った遊技球は回転体201の回転に伴ってV入賞口182aの上部に到達し、当該V入賞口182aからV入賞通路191a内に落下する。一方、外れ口案内部203に入った遊技球は回転体201の回転に伴って外れ口182bの横方に到達し、当該外れ口182bから外れ用通路191b内に入る。
ここで、本実施の形態では、回転体201の回転位置を把握するために回転位置検出センサ196が設けられている。回転位置検出センサ196は所定の間隔を置いて対向する一対のアーム部196a,196bを有しており、一方のアーム部196aには発光素子が配設され、他方のアーム部196bにおける発光素子と対向する位置には受光素子が配設されている。回転位置検出センサ196はセンサ基板197上に設けられており、センサ基板197は、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間(発光素子と受光素子との間)に、モータ194の出力軸194bに設けられたカットバン198が位置するように排出通路形成部材191に固定されている。
カットバン198は、略ドーナツ状をしており、出力軸194aの回転に伴って回転する。但し、非連続となるように切欠部198aが形成されている。従って、回転位置検出センサ196の発光素子からの光は基本的にカットバン198に遮られ、出力軸194aの回転に伴って切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過するときのみ発光素子からの光が受光素子に到達する。そして、回転体201の外周におけるV入賞口案内部204の位置に対応させて切欠部198aが形成されていることにより、受光素子が発光素子からの光を検知したか否かを監視することで、回転体201の回転位置を把握することができる。ちなみに、V入賞口案内部204が導出部186の手前側を通過する際に、切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過する。
なお、回転位置検出センサ196の信号線を除いて、モータ194の電力線や、入口センサ179、電磁式ソレノイド173、V入賞センサ192及び外れ口センサ193の信号線は、誘導通路形成部材181に取り付けられた中継端子板199に接続されている。そして、これらの信号線はハーネスとして1束にされて後述する主制御装置271に接続されている。一方、回転位置検出センサ196の信号線は、後述する表示制御装置214に接続されている。
以上説明した入賞役物装置150に入った遊技球は、球受け板163上を転がることにより遊技球通路178内に入る。この場合に、当該遊技球は入口センサ179により検出される。遊技球通路178を流下した遊技球は、誘導通路183の奥側中央に形成された球振分け部185上に到達する。そして、当該球振分け部185により左右いずれかの誘導通路183に振分けられ、その振り分けられた誘導通路183を転がることで導出部186に誘導される。導出部186に誘導された遊技球は当該導出部186の傾斜に沿って転がることで凹部182内に導出される。
凹部182内では回転体201が常に一定の速度で回転しており、凹部182内に導出されて外れ口案内部203に入った遊技球は外れ口182bに案内される。この場合に、当該遊技球は外れ口センサ193により検出される。一方、凹部182内に導出されてV入賞口案内部204に入った遊技球はV入賞口182aに案内される。この場合に、当該遊技球はV入賞センサ192により検出される。そして、V入賞センサ192により検出されることで、大当たり状態が発生する。
なお、10個の球案内部202のうち、V入賞口案内部204が1個であることにより、入賞役物装置150内に入った遊技球は1/10の確率でV入賞口182aに入ることとなる。また、V入賞センサ192及び外れ口センサ193により遊技球が検出されることで、上皿23に対し所定数の賞品球が払い出される。さらに、回転体ユニット180上における遊技球の動きは、前枠175の開口及びベース枠161の下側開口165を介して遊技機前方から視認可能となっている。
また、V入賞センサ192により遊技球が検出された直後に図柄表示装置41では所定図柄の組合せが成立した表示(大当たり表示)がなされる。この場合に、回転体201の回転位置が回転位置検出センサ196により検出されていることにより、大当たり表示がなされる前の段階ではV入賞口182aに対するV入賞口案内部204の位置に対応させた態様で図柄が変動表示される。これについては、後に詳細に説明する。
以上説明したパチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が配置されるとともに、遊技球を供給するための払出機構部や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。図9では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板271aは、遊技の主たる制御を司るものである。主制御基板271aには、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データ(例えば、後述する確変大当たりテーブルや通常大当たりテーブルなど)を記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータが保持される構成となっている。
主制御基板271aのCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御基板271aの入力側には、主制御装置271に設けられた電源監視基板271b、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。スイッチ群などとして詳細には、可変入賞装置32の特定入賞センサ32aとソレノイド32c、電動式チューリップ34のソレノイド34c、及び入賞役物装置150のソレノイド173などが接続されている。この場合に、電源監視基板271bには電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御基板271aには電源監視基板271bを介して電源が供給される。
一方、主制御基板271aの出力側には、電源監視基板271b、払出制御基板311aが接続されている。払出制御基板311aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。かかる場合に、当該各種コマンドは、ハーネスHLを介して一方向通信によって出力される。また、主制御基板271aの出力側には、中継端子板276が接続されている。中継端子板276を介して主制御基板271aから表示制御装置214に設けられた表示制御基板214aに対して各種コマンドなどが出力される。さらには、特定ランプ45に配設されたLEDランプのスイッチも接続されている。これにより、特定ランプ45は、主制御基板271aにより直接的に制御されることとなる。
電源監視基板271bは、主制御基板271aと電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板311aは、払出機構部352に設けられた払出装置により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのRAM513は、主制御基板271aのRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータを保持できる構成となっている。また、RAM513における各種のカウンタ等が記憶される作業エリアには、コマンド入力フラグ格納エリアなどといった各種フラグ格納エリアと共に、主制御基板271aから出力されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513aが設けられている。
コマンドバッファ513aは、主制御基板271aから出力されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513aにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、主制御基板271a(上述したハーネスHLを介して)、電源及び発射制御基板313a及び裏パック接続基板381が接続されている。また、払出制御基板311aの出力側には、主制御基板271a及び裏パック接続基板381が接続されている。かかる場合に、裏パック接続基板381を介して払出機構部352が接続されている。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部は、裏パック接続基板381を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMのデータ記憶保持用電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びデータ記憶保持用電源を主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して供給する。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従って発射ソレノイド62の発射制御を担うものであり、発射ソレノイド62は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。具体的には、発射制御部には遊技球発射ハンドル18に設けられた発射スイッチ331、タッチセンサ332及び止め打ちスイッチ333が接続されており、発射スイッチ331及びタッチセンサ332がオン、止め打ちスイッチ333がオフの状態となった場合に限って発射許可信号を主制御基板271a(電源監視基板271bを介して)に出力する。主制御基板271aは、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期の発射制御信号を発射制御部(電源監視基板271bを介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従って発射ソレノイド62を駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル18にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいて発射ソレノイド62による打ち出し速度を決定する。
なお、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられており、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御基板271aのRAM503に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。即ち、RAM消去スイッチ323が押された際、RAM消去スイッチ回路は主制御基板271aに対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御基板271aにおいてRAM503のデータがクリアされる。また、この際、主制御基板271aから払出制御基板311aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板311aにおいてもRAM513のデータがクリアされる。
ここで、電源監視基板271bは、上述したように、電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。かかる場合に、この電源が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御基板271aのCPU501に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御基板271aは、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。
また、主制御基板271aは、停電時処理において、ハーネスHLを介して払出制御基板311aに停電コマンドを出力する。払出制御基板311aはこの停電コマンドに基づいて後述する停電時処理を実行する。即ち、本実施の形態では、払出制御基板311aは、電源監視基板271bから停電信号を入力して停電時処理を実行するのではなく、主制御基板271aから停電コマンドを入力することで停電時処理を実行する。
なお、電源及び発射制御基板313aは、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御基板271a及び払出制御基板311aは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
表示制御基板214aは、音声ランプ制御装置272及び図柄表示装置41における図柄の変動表示を制御するものである。そこで、この表示制御基板214aにおける図柄の表示制御に関わる構成を図10に基づいて説明する。
主制御基板271aの入力ポートには、スルーゲート33に設けられたスルーゲートセンサ33aと、電動式チューリップ34に設けられた作動センサ34aとが接続され、さらに入賞役物装置150に設けられた入口センサ179、V入賞センサ192及び外れ用センサ193が接続されている。そして、主制御基板271aは、これら各種センサからの入力信号に基づいて表示制御基板214aに図柄表示コマンドを出力する。
表示制御基板214aは、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526とを備えている。CPU521にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。
CPU521は、基本的に主制御基板271aから出力される図柄表示コマンドに基づいて図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポートのそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させるものである。
ここで、表示制御基板214aには、入賞役物装置150のモータ194に設けられた回転位置検出センサ196が接続されている。そして、表示制御基板214aは、遊技が進行する上での所定の期間においては回転位置検出センサ196からの入力信号に基づいて図柄表示装置41の表示を制御する。これについては、後に詳細に説明する。
次に、図柄表示装置41の表示内容について、図11に基づいて説明する。
図柄表示装置41には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃うことで特別遊技状態たる大当たり状態に突入し、さらにその後、高確率時の状態に移行する。また、偶数番号(0,2,4,6,8)が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃うことで大当たり状態に移行するが、かかる場合には高確率時の状態には移行しない。なお、高確率時とは、図柄の組み合わせが予め定められた確率変動図柄の組み合わせによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
そして、図柄表示装置41には、各図柄列毎に20個の図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れ、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。図柄表示装置41には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置41には、3段×3列の計9個の図柄が表示される。また、図柄表示装置41には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
また、本実施の形態では、左図柄列及び右図柄列の変動表示が停止した段階(中図柄列は変動表示中)でいずれかの有効ライン上に同一の主図柄の組合せが揃うことで(いわゆる、リーチ変動表示となることで)、電動式チューリップ34の可動翼片34bが作動状態(開放状態)となる。この場合に、特定ランプ45においては、赤色又は緑色が表示される。詳細には、高確率図柄の組合せでリーチ変動表示となった場合に赤色が表示され、低確率図柄の組合せでリーチ変動表示となった場合に緑色が表示される。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御基板271aのCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、特定ランプ45の発光色の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定や可変入賞装置32の開閉態様の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、リーチの抽選に使用するリーチ乱数カウンタC1と、リーチ種別を判定する際に使用するリーチ種別カウンタC2と、可変入賞装置32の開閉態様を設定する際に使用する開閉態様カウンタC3と、リーチ乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置41の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、特定ランプ45に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、スルーゲート33における遊技球の通過履歴に合わせて、リーチ乱数カウンタC1及びリーチ種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、リーチ乱数カウンタC1は、例えば0〜69の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり69)に達した後0に戻る構成となっている。特にリーチ乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該リーチ乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、リーチ乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜69)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。リーチ乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート33を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。リーチとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時にリーチとなる乱数の値の数は7で、その値は「3,15,23,35,43,55,63」であり、高確率時にリーチとなる乱数の値の数は21で、その値は「3,5,7,13,15,17,23,25,27,33,35,37,43,45,47,53,55,57,63,65,67」である。すなわち、低確率時には1/10の確率でリーチとなり、高確率時には3/10の確率でリーチとなる。
リーチ種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、リーチ種別カウンタC2によって、大当たり状態の終了後に高確率状態に移行させるか否かを決定することとしており、例えば、C2=0〜24が大当たり状態終了後に高確率状態に移行する確変リーチに該当し、C2=25〜49が大当たり状態終了後に通常状態に移行する通常リーチに該当する。なお、リーチ種別カウンタC2により、リーチ時における図柄の組合せ及び当該図柄の組合せを停止させる位置も決定される。即ち、本実施の形態では、図柄表示装置41において有効ラインが5ラインであり、主図柄が10通り設定されていることから、50個のカウンタ値によって全てのパターンが設定されていることとなる。そして、C2=0〜24のとき、即ち、確変リーチのときには、奇数番号の図柄の組合せと当該図柄の組合わせを停止させる位置が決定される。一方、C2=25〜49のとき、即ち、通常リーチのときには、偶数番号の図柄の組合せと当該図柄の組合わせを停止させる位置が決定される。リーチ種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート33を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
開閉態様カウンタC3は、例えば0〜104の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり104)に達した後0に戻る構成となっている。詳細は後述するが、本実施形態では、可変入賞装置32の開放時間として3秒と29.5秒の2通りが予め記憶されている。そして、開閉態様カウンタC3によって、15ラウンドのうち3秒開放を何ラウンド行うかを決定することとしている。これは、大当たり状態下で払い出される賞球数に変化を持たせるための工夫であり、リーチ図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)と大当たり状態下で払い出される遊技球数とを一義的に関連付けないための工夫である。開閉態様カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート33を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、リーチ変動表示となるまでの表示態様や、その他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置41の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、特定ランプ45に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置41における左図柄列及び右図柄列の図柄の変動時間に相当する。なお、リーチが発生しない場合には、右図柄列の図柄の停止直後に中図柄列の図柄が停止する。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特定ランプ45に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、リーチ抽選が外れとなった時に左列図柄、中列図柄、右列図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の外れ図柄バッファに格納される。そして、図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC1の値に応じて外れ図柄バッファのバッファ値が取得される。
次いで、主制御基板271aのCPU501により実行される各制御処理を図13〜図28のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図13は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視基板271bからCPU501のNMI端子に出力され、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM503に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。当該処理については、後に説明する。
次に、主制御基板271aのCPU501により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、図10に示したスルーゲートセンサ33aなどといった各種センサや払出制御基板311aなどからの信号読込処理を実行する。すなわち、主制御基板271aに接続されている各種センサの状態や払出制御基板311aなどからの信号を読み込むと共に、当該センサや信号の状態を判定して検出情報を保存する(但し、RAM消去スイッチ323の状態や停電信号を除く)。なお、検出情報の保存は、RAM503内に設けられた各検出情報に対応するフラグ格納エリアにフラグをセットすることにより行われる。
ここで、当該信号読込処理における一部の処理を図15のフローチャートを用いて説明する。ステップS301では、スルーゲートセンサ33aがONとなっているか否かを判別し、ONとなっている場合にはステップS302にてRAM503に設けられた作動フラグ格納エリアに作動フラグをセットした後にステップS303に進み、ONとなっていない場合にはそのままステップS303に進む。その後、かかるステップS301及びステップS302と類似した処理を、ステップS303とステップS304、ステップS305とステップS306、ステップS307とステップS308、ステップS309とステップS310にてそれぞれ実行する。
すなわち、ステップS303では作動センサ34aがONとなっているか否かを判別し、ステップS304では入賞フラグ格納エリアに入賞フラグをセットする。また、ステップS305では入口センサ179がONとなっているか否かを判別し、ステップS306では入球フラグ格納エリアに入球フラグをセットする。また、ステップS307ではV入賞センサ192がONとなっているか否かを判別し、ステップS308ではV入賞フラグ格納エリアにV入賞フラグをセットする。また、ステップS309では外れ用センサ193がONとなっているか否かを判別し、ステップS310では外れフラグ格納エリアに外れフラグをセットする。
なお、上述した入賞フラグ格納エリア、V入賞フラグ格納エリア及び外れフラグ格納エリアは、それぞれ遊技制御用と払出制御用との2種類が設定されており、遊技制御用の各エリアにセットされたフラグに基づいて後述する遊技の制御が行われ、払出制御用の各エリアにセットされたフラグに基づいて後述する賞球コマンドの出力が行われる。
また、当該信号読込処理では、可変入賞装置32に設けられた特定入賞センサ32aがONとなっているか否かを判別し、ONとなっている場合にはRAM503に設けられた特定入賞フラグ格納エリアに特定入賞フラグをセットする。この場合に、特定入賞フラグは複数設定されており、複数の遊技球が連続して特定入賞センサ32aにより検出されたとしても各検出の記憶が確実に行われる。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、リーチ乱数カウンタC1、リーチ種別カウンタC2及び開閉態様カウンタC3の更新を実行する。具体的には、リーチ乱数カウンタC1、リーチ種別カウンタC2及び開閉態様カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行した後に、本処理を終了する。ここで、この始動入賞処理を図16のフローチャートを用いて説明する。先ずステップS401では、RAM503に設けられた作動フラグ格納エリアに作動フラグがセットされているか否かを判別する。作動フラグがセットされている場合には、続くステップS402にて、特定ランプ45及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。作動フラグがセットされており、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS403に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。続くステップS404では、前記ステップS203で更新したリーチ乱数カウンタC1及びリーチ種別カウンタC2の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、遊技球がスルーゲート33を通過した場合、それに伴い図柄表示装置41による図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(ステップS404)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1,C2の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS501では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、サブ側の制御基板(払出制御基板311a等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS502では、RAM503のアクセスを許可する。
その後、ステップS503では、電源及び発射制御装置313に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判別し、続くステップS504ではRAM503の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS505ではRAM判定値を算出し、続くステップS506では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS509〜S511の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS509〜S511の処理に移行する。
ステップS509では、サブ側の制御基板となる払出制御基板311a(及び表示制御基板214a等)を初期化するために、払出初期化コマンド(及び表示初期化コマンド等)を出力する。続くステップS510ではRAM503の使用領域を0にクリアし、ステップS511ではRAM503の初期化処理を実行する。その後、ステップS512にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグがセットされていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS507にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS508にてサブ側の制御基板(払出制御基板311a及び表示制御基板214a等)を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS512にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS601〜S609の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS611,S612のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS601では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御基板に出力する。具体的には、入賞フラグや特定入賞フラグなどの有無を判別し、これらのフラグがあれば払出制御基板311aに対して獲得遊技球数に対応する賞球コマンドを出力する。また、図柄表示装置41における表示態様に関して図柄組合せコマンド、外れ決定コマンド、入球コマンド、転動終了コマンド及び状態移行コマンド等を表示制御基板214aに出力する。
次に、ステップS602では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS603では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板313aから発射許可信号を入力していることを条件として0.6sec周期で当該電源及び発射制御基板313aに発射制御信号を出力する。これにより、電源及び発射制御基板313aは、発射ソレノイド62を1回励磁し、遊技球を1個発射させる。
その後、ステップS604にて外れ図柄カウンタ更新処理を実行し、ステップS605にて特定ランプ部制御処理を実行し、ステップS606にて電動式チューリップ開閉処理を実行し、ステップS607にて入賞役物装置開閉処理を実行し、ステップS608にて遊技状態移行処理を実行した後に、ステップS609に進む。これらステップS604〜ステップS608の各処理については後に説明する。
ステップS609では、RAM503内に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。停電フラグがセットされていない場合は、ステップS610にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS611,S612)。つまり、ステップS611では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS612では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS601〜S609の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、リーチ乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に両変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS609にて、停電フラグがセットされていると判別した場合は、停電により電源が遮断されたことになるので、ステップS613以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS613では、各割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS614にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板(払出制御基板311aや表示制御基板214aなど)に対して出力する。そして、ステップS615にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS616にてRAM503のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板313aからRAMのデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM503に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、ステップS604の外れ図柄カウンタ更新処理を、図19のフローチャートを用いて説明する。
ステップS701では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS702では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS701がYES)であればステップS703に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS702がYES)であればステップS704に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS701,S702が共にNO)であればステップS705に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS703〜S705の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS706では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、大当たり図柄の組み合わせである場合、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでない場合、ステップS707では、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合せである場合、そのまま本処理を終了する。リーチ図柄の組合せでない場合、ステップS708にてその時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。
次に、ステップS605の特定ランプ制御処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。
ステップS801では、特定ランプ45が切り替え表示中であるか否かを判別する。特定ランプ45が切り替え表示中でない場合にはステップS802に進み、図柄表示装置41においてリーチ変動表示がなされている否かを判別する。この判別は、後述する作動カウンタSC及び転動カウンタMCの値が0か否か、並びに開放フラグの有無が判別されることにより行われる。より詳細には、作動カウンタSC若しくは転動カウンタMCが0でない、又は開放フラグがセットされている場合には、リーチ変動表示中と判別する。なお、主制御基板271aと表示制御基板214aとの間の制御のタイムラグを鑑みて、かかるステップS802では後述する外れ決定コマンドを表示制御基板214aに出力してからの切替開始待機時間が計測され、当該切替開始待機時間が所定時間となるまで肯定判別を行わない構成となっている。ステップS802にて肯定判別した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、否定判別した場合には、ステップS803に進む。
ステップS803では、特定ランプ45及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。そして、作動保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS805では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、特定ランプ45に表示される色の切り替えを開始する切替開始処理を実行する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためにタイマをリセットし、さらに特定ランプ45に配設されたLEDランプの現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、特定ランプ45には、赤色が表示される。なお、リーチ状態の終了後でない場合には、切り替え表示開始前は青色光源のスイッチがオンとなっており、リーチ状態の終了後である場合には、赤色光源又は緑色光源のスイッチがオンとなっている。また、この切替開始処理においては、上記処理を行うのと共に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている第2変動種別カウンタCS2の値を確認し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて特定ランプ45に表示される色の切替表示時間を決定する。なお、第2変動種別カウンタCS2の数値と表示される色の切替表示時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
その後、ステップS807では、図柄組合せコマンド設定処理を実行する。ここで、図21のフローチャートを用いて図柄組合せコマンド設定処理の詳細を説明すると、ステップS901では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC1の値に基づいてリーチ発生か否かを判別する。リーチ発生か否かはリーチ乱数カウンタ値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。前述した通り、通常状態たる低確率状態下であればリーチ乱数カウンタC1の数値0〜69のうち「3,15,23,35,43,55,63」がリーチ発生値であり、高確率状態下であれば「3,5,7,13,15,17,23,25,27,33,35,37,43,45,47,53,55,57,63,65,67」がリーチ発生値である。
リーチ発生と判別した場合にはステップS902に進み、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ種別カウンタC2の値を図柄組合せコマンドに設定する。また、この際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている両変動種別カウンタCS1,CS2の値も図柄組合せコマンドとして設定する。表示制御基板214aでは、リーチ種別カウンタC2に対応するリーチ図柄をテーブルに基づいて決定する。この場合に、リーチ種別カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りのリーチ図柄の何れかに対応している。また、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてリーチ変動表示となるまでの表示態様を決定し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ変動表示となるまで(左図柄及び右図柄が停止するまで)の経過時間を決定する。但し、当該経過時間は、特定ランプ45における色の切替表示時間と同一となっている。
ステップS901でリーチ発生ではないと判別した場合には、ステップS903で外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を図柄組合せコマンドに設定する。また、この際、両変動種別カウンタCS1,CS2の値も図柄組合せコマンドとして設定する。表示制御基板214aでは、左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRに対応する外れ図柄をテーブルに基づいて決定する。また、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて最終停止するまでの表示態様を決定し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて最終停止するまでの経過時間を決定する。但し、当該経過時間は、特定ランプ45における色の切替表示時間と対応づけて決定される。
図20の説明に戻り、ステップS801にて特定ランプ45に表示される色が切り替え表示中である場合には、ステップS808に進み、切替表示時間が経過したか否かを判別する。切替表示時間が経過していない場合には、ステップS809において表示色切替処理を実行する。この表示色切替処理により、各光源のスイッチがオンオフ制御され、特定ランプ45に表示される色が切り替えられる。具体的には、表示色が赤色、緑色、青色の順序で所定時間(例えば、1sec)毎に切り替わるように光源のスイッチをオン/オフ制御する。
一方、切替表示時間が経過していた場合には、ステップS810において切替終了処理を実行する。この切替終了処理は、特定ランプ45に表示される色の切り替えを最終的にどの色で停止させるかを判別し、判別された色の光源をオン制御するための処理である。具体的には、まず現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御する。その後、RAM503のカウンタ用バッファに格納されているリーチ乱数カウンタC1の値及びリーチ種別カウンタC2の値を再度確認し、確変リーチが発生する場合には赤色光源のスイッチをオン制御し、通常リーチが発生する場合には緑色光源のスイッチをオン制御し、リーチが発生しない場合には青色光源のスイッチをオン制御する。これにより、それぞれの遊技結果に応じた色が特定ランプ45に表示されることとなる。なお。ここで設定された表示色は、次回の切替開始処理まで維持される。また、当該切替終了処理において赤色光源又は緑色光源のスイッチをオン制御する場合には、RAM503に設けられたリーチ変動フラグ格納エリアにリーチ変動フラグをセットする。
次に、ステップS606の電動式チューリップ開閉処理を、図22のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1001では、電動式チューリップ34の可動翼片34bが作動状態であるか否かを確認することにより、電動式チューリップ34が開放中か否かを判別する。電動式チューリップ34が開放中でない場合には、ステップS1002にてRAM503に設けられた作動カウンタSCが0か否かを判別する。作動カウンタSCが0の場合には、ステップS1003にてRAM503に設けられたリーチ変動フラグ格納エリアにリーチ変動フラグがセットされているか否かを判別する。当該リーチ変動フラグは、上述した特定ランプ部制御処理(図20)におけるステップS810の切替終了処理にてセットされるフラグである。リーチ変動フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、リーチ変動フラグがセットされている場合には、ステップS1004にて作動カウンタSCを6にセットする。この際、リーチ変動フラグをクリアする。その後、ステップS1005にて可動翼片34bを作動状態とする開処理を実行する。これにより、電動式チューリップ34が開放状態となる。そして、ステップS1006にて可動翼片34bの開閉タイミングを計るための第1タイマT1に500(すなわち1秒)をセットした後に本処理を終了する。この第1タイマT1にセットされたタイマ値は、タイマ割込み処理の都度、すなわち2msec周期で1つずつ減算される。
電動式チューリップ34が開放される(可動翼片34bが作動状態となる)ことにより、次回の電動式チューリップ開閉処理ではステップS1001にて肯定判別をする。ステップS1001にて肯定判別をした場合、ステップS1007にて第1タイマT1が0となったか否かを判別する。すなわち、可動翼片34bが作動状態となってから1秒経過したか否かを判別する。第1タイマT1が0となっていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、第1タイマT1が0となっている場合には、ステップS1008にて可動翼片34bを非作動状態とする閉処理を実行する。これにより、電動式チューリップ34が閉鎖状態となる。その後、ステップS1009にて作動カウンタSCを1減算し、ステップS1010にて第1タイマT1に2500(すなわち5秒)をセットし、さらにステップS1011にて外れ決定コマンド設定処理を実行した後に、本処理を終了する。外れ決定コマンド設定処理については後に説明する。
また、ステップS1001にて否定判別をし、さらにステップS1002にて作動カウンタSCが0でないと判別した場合には、ステップS1012にて第1タイマT1が0となったか否かを判別する。すなわち、可動翼片34bが非作動状態となってから5秒が経過したか否かを判別する。第1タイマT1が0となっていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、第1タイマT1が0となっている場合には、ステップS1005にて開処理を実行し、さらにステップS1006にて第1タイマT1に500をセットする。
すなわち、本実施の形態では、特定ランプ45において赤色又は緑色が停止表示されることで、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる。この特定周期開放状態では、1秒間の開放状態が5秒周期で6回発生する。
次に、ステップS607の入賞役物装置開閉処理を、図23のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1101では、RAM503に設けられた開放フラグ格納エリアに開放フラグがセットされているか否かを判別する。開放フラグがセットされていない場合には、ステップS1102にて入賞フラグがセットされているか否かを判別する。当該入賞フラグは、上述したように、電動式チューリップ34に遊技球が入り作動センサ34aがONとなることでセットされるフラグである。なお、電動式チューリップ34の1回の開放で複数の遊技球が入り得るが、入賞フラグがセットされている状況下で作動センサ34aがONとなってもそれは無効化される。ただし、上述した払出制御用の入賞フラグはセットされるため、賞球は発生する。
入賞フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、入賞フラグがセットされていた場合には、ステップS1103にて現在の遊技状態が大当たり状態か否かを判別する。大当たり状態でない場合には、ステップS1104にて転動カウンタMCが0か否かを判別する。転動カウンタMCは、入賞役物装置150の入口センサ179により遊技球が検出されることにより1加算され、外れ用センサ193により遊技球が検出されることにより1減算されるカウンタである。転動カウンタMCが0の場合には、ステップS1105にて開処理を実行する。開処理では、入賞役物装置150に設けられた電磁式ソレノイド173を励磁することで可動翼片168を作動状態とする。これにより、入賞役物装置150が開放状態となる。その後、ステップS1106にて可動翼片168の閉タイミングを計るための第2タイマT2に900(すなわち1.8秒)をセットする。この第2タイマT2にセットされたタイマ値は、タイマ割込み処理の都度、すなわち2msec周期で1ずつ減算される。
一方、ステップS1103にて遊技状態が大当たり状態である場合には、ステップS1107にて入賞フラグをクリアして本処理を終了する。すなわち、大当たり状態では、電動式チューリップ34に遊技球が入ったとしても入賞役物装置150は開放されない。また、ステップS1104にて転動カウンタMCが0でない場合にも、ステップS1106にて入賞フラグをクリアして本処理を終了する。すなわち、入賞役物装置150内に遊技球がある場合には、電動式チューリップ34に遊技球が入ったとしても入賞役物装置150は開放されない。
開放フラグがセットされており、ステップS1101にて肯定判別をした場合には、ステップS1108にて第2タイマT2が0となったか否かを判別する。すなわち、可動翼片168が作動状態となってから1.8秒経過したか否かを判別する。第2タイマT2が0となっていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、第2タイマT2が0となっていた場合には、ステップS1109にて閉処理を実行する。閉処理では、電磁式ソレノイド173の励磁を終了する。これにより、可動翼片168が非作動状態となり、入賞役物装置150は閉鎖状態となる。また、閉処理では、開放フラグをクリアする。その後、ステップS1110にて外れ決定コマンド設定処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、外れ決定コマンド設定処理について図24のフローチャートを用いて説明する。
当該処理では、ステップS1201にて作動カウンタSCが0か否かを判別する。また、ステップS1202にて転動カウンタMCが0か否かを判別する。また、ステップS1203にて開放フラグがセットされているか否かを判別する。そして、作動カウンタSCが0であり(ステップS1201にて肯定判別をし)、転動カウンタMCが0であり(ステップS1202にて肯定判別をし)、開放フラグがセットされていない(ステップS1203にて否定判別をした)場合に、ステップS1204にて外れ決定コマンドをセットする。一方、上記判別のうちいずれか1つでも異なる場合には、ステップS1204にて外れ決定コマンドをセットすることなく本処理を終了する。すなわち、電動式チューリップ34にて一旦、特定周期開放状態が発生した後に、大当たり状態が発生することなく当該特定周期開放状態が完全に終了することにより、外れ決定コマンドがセットされる。この場合に、外れ決定コマンド設定処理を、電動式チューリップ開閉処理及び入賞役物装置開閉処理の両方の閉処理の後に実行することで、外れが決定した際には確実に外れ決定コマンドがセットされる。外れ決定コマンドは、通常処理(図18)のステップS601における外部出力処理にて表示制御基板214aに出力される。表示制御基板214aは、当該コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動態様を所定のものとする。これについては、後に説明する。
なお、電動式チューリップ開閉処理にて実行される外れ決定コマンド設定処理では、ステップS1204の処理を行う前に遊技状態が大当たり状態か否かを判別し、大当たり状態の場合には外れ決定コマンドがセットされない構成となっている。これにより、大当たり状態において外れ決定コマンドがセットされることが防止されている。
次に、ステップS608の遊技状態移行処理を、図25のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、遊技状態が大当たり状態か否かを判別する。大当たり状態でない場合には、ステップS1302にてRAM503に設けられたV入賞フラグ格納エリアにV入賞フラグがセットされているか否かを判別する。当該V入賞フラグは、上述したように、入賞役物装置150のV入賞口182aに遊技球が入りV入賞センサ192がONとなることでセットされるフラグである。
V入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS1303にてRAM503に設けられた入球フラグ格納エリアに入球フラグがセットされているか否かを判別する。当該入球フラグは、上述したように、入賞役物装置150に遊技球が入り入口センサ179がONとなることでセットされるフラグである。入球フラグがセットされている場合には、入賞役物装置150内に遊技球が入ったこととなるので、ステップS1304にて転動カウンタMCを1加算し、さらにステップS1305にて入球コマンドをセットした後に、本処理を終了する。入球コマンドは、通常処理(図18)のステップS601における外部出力処理にて表示制御基板214aに出力される。表示制御基板214aは、当該コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動態様を所定のものとする。これについては、後に説明する。なお、ステップS1304おいて入球フラグをクリアする。
一方、ステップS1303にて入球フラグがセットされていない場合には、ステップS1306にてRAM503に設けられた外れフラグ格納エリアに外れフラグがセットされているか否かを判別する。外れフラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。外れフラグがセットされている場合には、ステップS1307にて転動カウンタMCを1減算する。この際、外れフラグをクリアする。その後、ステップS1308にて転動カウンタMCが0か否かを判別する。転動カウンタMCが0でない場合には、そのまま本処理を終了する。転動カウンタMCが0の場合には、入賞役物装置150内を転動していた遊技球がすべて外部に排出されたこととなるので、ステップS1309にて転動終了コマンドをセットした後に、本処理を終了する。転動終了コマンドは、通常処理(図18)のステップS601における外部出力処理にて表示制御基板214aに出力される。表示制御基板214aは、当該コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動態様を所定のものとする。これについては、後に説明する。
入賞役物装置150内を転動する遊技球がV入賞口182aに入りV入賞センサ192により検出された場合にはV入賞フラグがセットされるため、ステップS1302にて肯定判別をする。かかる場合、ステップS1310に進み、大当たり状態設定処理を実行する。
大当たり状態設定処理では、図26に示すように、ステップS1401にて、タイマ割込み処理(図14)のステップS203で更新した開閉態様カウンタC3の値を、RAM503に設けられた当該カウンタ用の格納エリアに格納する。その後、ステップS1402に進み、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ種別カウンタC2の値が24以下か否かを判定する。リーチ種別カウンタC2の値が24以下である場合には確変リーチ後の大当たり(以下、確変大当たり)が発生したことを意味する。そこで、ステップS1403では確変大当たりテーブルを参照し、ステップS1401にて格納した開閉態様カウンタC3の値と対応する可変入賞装置32の開閉態様を求める。
ここで、確変大当たりテーブルとは、図27(a)に示すように、開閉態様カウンタC3の値と、大当たり状態下での可変入賞装置32の開閉態様との対応関係を表すテーブルである。
本実施形態では、可変入賞装置32の開放時間として3秒と29.5秒の2通りが予め記憶されており、大当たり状態下における可変入賞装置32(以下、「大入賞口」という)の開放パターンが5パターン設定されている。より具体的には、大入賞口の開放パターンとして、15ラウンド全ての開放時間が29.5秒と設定される開放パターン1と、1〜3ラウンドの開放時間が3秒と設定されると共に4〜15ラウンドの開放時間が29.5秒と設定される開放パターン2と、1〜6ラウンドの開放時間が3秒と設定されると共に7〜15ラウンドの開放時間が29.5秒と設定される開放パターン3と、1〜9ラウンドの開放時間が3秒と設定されると共に10〜15ラウンドの開放時間が29.5秒と設定される開放パターン4と、1〜12ラウンドの開放時間が3秒と設定されると共に13〜15ラウンドの開放時間が29.5秒と設定される開放パターン5とが設定されている。そして、C3=0〜53が開放パターン1に該当し、C3=54〜83が開放パターン2に該当し、C3=84〜95が開放パターン3に該当し、C3=96〜101が開放パターン4に該当し、C3=102〜104が開放パターン5に該当する。つまり、確変大当たりが発生する場合、開放パターン1が選択される割合は約51.4パーセントであり、開放パターン2が選択される割合は約28.6パーセントであり、開放パターン3が選択される割合は約11.4パーセントであり、開放パターン4が選択される割合は約5.7パーセントであり、開放パターン5が選択される割合は約2.9パーセントである。従って、確変大当たりが発生する場合には、開放パターン1が最も選択されやすい。
続くステップS1404では、確変大当たりテーブルから求めた3秒開放を行うラウンド数を短時間開放カウンタSOCにセットする。例えば、開閉態様カウンタC3の値が77である場合、確変大当たりテーブルの対応する内容は開放パターン2である。開放パターン2では3秒開放が3ラウンド行われるため、短時間開放カウンタSOCに3をセットする。その後、ステップS1405にてRAM503に設けられた確変フラグ格納エリアに確変フラグをセットした後に、本処理を終了する。
一方、ステップS1402においてリーチ種別カウンタC2の値が24より大きい場合には、通常リーチ後の大当たり(以下、通常大当たり)が発生したことを意味する。かかる場合にはステップS1406に進み、通常大当たりテーブルを参照し、ステップS1401にて格納した開閉態様カウンタC3の値と対応する可変入賞装置32の開閉態様を求める。通常大当たりテーブルとは、確変大当たりテーブルと同様、開閉態様カウンタC3の値と、大当たり状態下での可変入賞装置32の開閉態様との対応関係を表すテーブルである。図27(b)に示すように、通常大当たりテーブルでは、C3=0〜13が開放パターン1に該当し、C3=14〜27が開放パターン2に該当し、C3=28〜41が開放パターン3に該当し、C3=42〜55が開放パターン4に該当し、C3=56〜104が開放パターン5に該当する。つまり、通常大当たりが発生する場合、開放パターン1〜開放パターン4が約13.3パーセントの割合で均等に選択され、約46.7パーセントの割合で開放パターン5が選択される。従って、通常大当たりが発生する場合には、確変大当たりが発生する場合と異なり、開放パターン5が最も選択されやすい。
続くステップS1407では、通常大当たりテーブルから求めた3秒開放を行うラウンド数を短時間開放カウンタSOCにセットし、本処理を終了する。例えば、開閉態様カウンタC3の値が77である場合、通常大当たりテーブルの対応する内容は開放パターン5である。開放パターン5では3秒開放が12ラウンド行われるため、短時間開放カウンタSOCに12をセットする。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、大当たり状態設定処理を実行した後は、ステップS1311〜ステップS1311に示す大当たり状態開始処理を実行する。大当たり状態開始処理では、ステップS1311において、RAM503に設けられたラウンドカウンタRCに15をセットする。ラウンドカウンタRCは、可変入賞装置32の大入賞口を開放する回数をカウントするためのカウンタである。その後、ステップS1312では可変入賞装置32の開閉タイミングを計るための第3タイマT3に4500(すなわち9秒)をセットする。ここで、第3タイマT3に4500をセットするのは、図柄表示装置41において大当たり発生表示と、開放表示とが行われた後に大入賞口を開放するためである。なお、この第3タイマT3にセットされたタイマ値は、タイマ割込み処理の都度、すなわち2msec周期で1ずつ減算される。ステップS1312にてタイマ値をセットした後は、ステップS1313では状態移行コマンドをセットして本処理を終了する。状態移行コマンドは、通常処理(図18)のステップS601における外部出力処理にて表示制御基板214aに出力される。表示制御基板214aは、当該コマンドを入力することにより、遊技状態が大当たり状態に移行したことを認識し、図柄表示装置41における図柄の変動態様を所定のものとする。これについては、後に説明する。
以上の処理により遊技状態が大当たり状態となった場合、ステップS1301では肯定判別をし、ステップS1314に進む。ステップS1314では、大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、図28に示すように、先ずステップS1501にて大入賞口が開放中であるか否かを判別する。具体的には、可変入賞装置32の電動役物32bを開閉する大入賞口ソレノイドの励磁状態に基づいてかかる判別を行う。大入賞口が開放中でない場合にはステップS1502に進み、第3タイマT3の値が0か否かを判別する。第3タイマT3の値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0の場合には、さらにステップS1503にて短時間開放カウンタSOCの値が0でないか否かを判別する。短時間開放カウンタSOCの値が0でない場合には、ステップS1504にて第3タイマT3に1500(すなわち3秒)をセットすると共にステップS1505にて大入賞口を開放し、本処理を終了する。この結果、大入賞口が最大3秒開放するラウンドが開始される。また、短時間開放カウンタSOCの値が0の場合には、ステップS1506にて第3タイマT3に14750(すなわち29.5秒)をセットすると共にステップS1505にて大入賞口を開放し、本処理を終了する。この結果、大入賞口が最大29.5秒開放するラウンドが開始される。
また、ステップS1501にて大入賞口が開放中である場合にはステップS1507に進み、第3タイマT3の値が0か否かを判別する。第3タイマT3の値が0でない場合には、さらにステップS1508にて大入賞口に遊技球が10個入賞したか否かを可変入賞装置32に設けられたカウントスイッチの検出結果に基づいて判別する。第3タイマT3の値が0でなく且つ大入賞口に遊技球が10個入賞していない場合には、大入賞口の閉鎖条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、第3タイマT3の値が0又は大入賞口に遊技球が10個入賞した場合には、大入賞口の閉鎖条件が成立していることを意味するため、ステップS1509にて短時間開放カウンタSOCの値を1減算すると共にステップS1510にて大入賞口を閉鎖する。ちなみに、短時間開放カウンタSOCの値が減算前の段階で0である場合には、ステップS1509にて減算処理を行うことなくステップS1510にて大入賞口を閉鎖する。
続くステップS1511では第3タイマT3に3000(すなわち6秒)をセットする。ここで、第3タイマT3に3000をセットするのは、図柄表示装置41において3S又は29.5S開放表示がなされた後に大入賞口を開放するためである。その後、ステップS1512では動画コマンドをセットする。動画コマンドは、通常処理(図18)のステップs601における外部出力処理にて表示制御基板214aに出力される。表示制御基板214aは、当該コマンドを入力することにより、1回のラウンドが終了したことを認識し、例えば次ラウンドの開放態様を教示する大当たり動画等を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。続く、ステップS1513ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、本処理を終了する。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、大入賞口開閉処理の後、ステップS1315では、ラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別し、0となっていない場合にはそのまま本処理を終了する。また、ステップS1315にてラウンドカウンタRCの値が0である場合には、ステップS1316にて大当たり状態を終了させる大当たり状態終了処理を行う。従って、大当たり状態下では、ラウンドカウンタRCにセットされた回数(すなわち15回)の大入賞口の連続開放が許容される。
大当たり状態終了処理を行った後、ステップS1317〜ステップS1319では状態移行処理を行う。すなわち、ステップS1317では、RAM503に設けられた確変フラグ格納エリアに確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされている場合には確変大当たりが発生したことを意味するため、ステップS1318に進み、それ以降の遊技状態を高確率状態とする処理を行って本処理を終了する。なお、この際、確変フラグをクリアする。また、確変フラグがセットされていない場合には通常大当たりが発生したことを意味するため、ステップS1319にてそれ以降の遊技状態を低確率状態とする処理を行って本処理を終了する。
次に、払出制御基板311aのCPU511により実行される各制御処理を図29〜図34のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU511の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、主制御基板271aから出力されるコマンドの入力により起動される入力時割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめに入力時割込み処理とを説明し、その後、メイン処理及びタイマ割込み処理を説明する。
入力時割込み処理では、図29に示すように、先ずステップS1601にて主制御基板271aから出力されたコマンドをRAM513のコマンドバッファ513aに記憶し、その後、ステップS1602にてRAM513に設けられたコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグをセットし、本処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファ513aに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に入力したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
次に、払出制御基板311aのメイン処理を、図30のフローチャートを用いて説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS1701では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS1702に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS1703で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS1704では、RAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS1705ではRAM判定値を算出し、続くステップS1706では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグがセットされていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合はRAM513の初期化処理(ステップS1711〜S1713)に移行する。つまり、ステップS1711ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS1712ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS1713ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。
一方、停電フラグがセットされており、さらにRAM判定値(チェックサム値等)が正常である場合は、復電時の処理(停電による電源遮断後の復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS1707にて停電フラグをクリアすると共に、ステップS1708にて賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS1709ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。なお、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。
ステップS1709又はステップS1713の処理の後は、ステップS1710にて割込みを許可し、ステップS1714にてRAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別し、停電フラグがセットされていなければ、停電フラグがセットされるまで待機する。
一方、停電フラグがセットされている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS1715移行の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS1715にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS1716にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS1717にてRAM513のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板313aからRAM513のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM513に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、払出制御基板311aのCPU511により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図31のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS1801では、主制御基板271aから入力したコマンドの判定を行うコマンド判定処理を実行する。このコマンド判定処理では、図32に示すように、ステップS1901にて、RAM513のコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグがセットされているか否かを判別する。コマンド入力フラグがセットされていない場合は、新たなコマンドが主制御基板271aから出力されていないので、そのまま本処理を終了する。一方、コマンド入力フラグがセットされていた場合は、ステップS1902にてコマンド読出し処理を実行する。コマンド読出し処理では、入力したコマンドをRAM513のコマンドバッファ513aから読出し、さらにコマンド入力フラグをクリアする。
その後、読み出されたコマンドの種類を、ステップS1903、ステップS1905、ステップS1910及びステップS1911の各処理にて判別し、各コマンドに対応した処理を実行する。つまり、ステップS1903では、停電コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、ステップS1904にてRAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットして、本処理を終了する。この停電フラグがセットされていることにより、上述した停電時処理が実行される。
ステップS1905では、払出初期化コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、電源投入時に主制御基板271aからRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS1906〜ステップS1909の処理を実行した後に本処理を終了する。ステップS1906では、RAM513に設けられた払出許可フラグ格納エリアに払出許可フラグがセットされているか否かを判別し、当該フラグがセットされていない場合は、ステップS1907にてRAM513の作業領域を0にクリアし、さらにステップS1908にてRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS1909にて払出許可フラグをセットすることで、賞球の払出が許可される。
なお、ステップS1906において払出許可フラグがセットされている場合は、ステップS1907及びステップS1908の処理を行うことなく本処理を終了する。かかる構成とすることにより、RAM消去スイッチが押されていないにも関わらずノイズなどの原因で払出初期化コマンドの入力を認識したとしても、その際に残っている賞球が遊技者に払い出されることなく消去されることを防止できる。
ステップS1910では、復電コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、払出制御基板311aが停電による電源遮断の前の状態に復帰するので、ステップS1909にて払出許可フラグをセットした後に本処理を終了する。かかる構成とすることにより、電源遮断前に賞球が残っていた場合に当該賞球を即座に払い出すことができる。
ステップS1911では、賞球コマンドである否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS1912にて賞球コマンドに対応した賞球個数を総賞球個数に加算した後に、ステップS1909にて払出許可フラグをセットし本処理を終了する。
なお、コマンドバッファ513aから読み出したコマンドが、停電コマンド、払出初期化コマンド、復電コマンド又は賞球コマンドのいずれでもない場合は、当該コマンドはノイズ等により生じたコマンドと認識し、コマンドバッファ513aの読出ポインタを更新するだけで他の処理を行わずに本処理を終了する。
タイマ割込み処理(図36)の説明に戻り、コマンド判定処理を実行した後は、ステップS1802にて払出許可フラグがセットされているか否かを判別する。払出許可フラグがセットされていない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、払出許可フラグがセットされている場合は、ステップS1803にて払出制御装置311に設けられた状態復帰スイッチをチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
また、ステップS1804では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1805では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1806〜S1808では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS1801のコマンド判定処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1806,S1807が共にNO)、ステップS1808に進み、図33に示した後述する賞球制御処理を開始する。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が0であれば(ステップS1806,S1807の何れかがYES)、ステップS1809〜S1811の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つCRユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1809がNO、S1810がYES)、ステップS1811に進み、図34に示した後述する貸球制御処理を開始する。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1809がYES又はS1810がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1812では、状態復帰スイッチをチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出機構部352の払出装置に設けられた払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1813では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本処理を終了する。
ここで、図33に示す賞球制御処理において、ステップS2001では、払出モータを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS2002では、払出モータの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータの回転が正常でなければ、ステップS2003に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
また、払出モータの回転が正常であれば、ステップS2004に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS2005に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS2006に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS2007で払出モータの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
また、図34に示す貸球制御処理において、ステップS2101では、払出モータを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS2102では、払出モータの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータの回転が正常でなければ、ステップS2103に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
また、払出モータの回転が正常であれば、ステップS2104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS2105に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS2106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS2107で払出モータの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
次に、表示制御基板214aのCPU521により実行される表示処理を、図35のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS2201では、遊技状態が大当たり状態か否かを判別する。大当たり状態でない場合には、ステップS2202にて図柄表示装置41において図柄が変動中か否かを判別する。図柄が変動中でない場合には、ステップS2203にて主制御基板271aから図柄組合せコマンドを入力したか否かを判別する。図柄組合せコマンドを入力していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、図柄組合せコマンドを入力している場合にはステップS2204にて変動開始設定処理を実行する。
変動開始設定処理では、図36に示すように、先ずステップS2301にて、図柄組合せコマンドにリーチ種別カウンタC2の情報が含まれているか否かを判別する。かかる情報が含まれていない場合には、ステップS2302〜ステップS2304の外れ用変動開始設定処理を実行した後に本処理を終了する。すなわち、ステップS2302では、図柄組合せコマンドに含まれる左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値に対応する外れ図柄の組合せを、プログラムROM522に設けられた外れ図柄用テーブルに基づいて設定する。続くステップS2303では、図柄組合せコマンドに含まれる第2変動種別カウンタCS2の値に対応する最終停止までの変動時間を、プログラムROM522に設けられた外れ変動時間用テーブルに基づいて設定する。この変動時間は、特定ランプ45の切替表示時間と対応している。これにより、特定ランプ45に青色が停止表示されるタイミングで、図柄表示装置41には外れ図柄の組合せが停止表示される。その後、ステップS2304では、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の値に対応する外れ用の変動態様を、プログラムROM522に設けられた外れ変動態様用テーブルに基づいて設定する。
また、図柄組合せコマンドにリーチ種別カウンタC2の情報が含まれている場合には、ステップS2305〜ステップS2307のリーチ用変動開始設定処理を実行した後に本処理を終了する。すなわち、ステップS2305では、リーチ種別カウンタC2の値に対応するリーチ図柄の組合せを、プログラムROM522に設けられたリーチ図柄用テーブルに基づいて設定する。続くステップS2306では、図柄組合せコマンドに含まれる第2変動種別カウンタCS2の値に対応するリーチ変動表示までの変動時間を、プログラムROM522に設けられたリーチ変動時間用テーブルに基づいて設定する。この変動時間は、特定ランプ45の切替表示時間と対応している。これにより、特定ランプ45に赤色又は緑色が停止表示されるタイミングで、図柄表示装置41にはリーチ図柄の組合せが停止表示されリーチ変動表示が開始される。その後、ステップS2307では、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の値に対応するリーチ用の変動態様を、プログラムROM522に設けられたリーチ変動態様用テーブルに基づいて設定する。
なお、上述したように、図柄表示装置41の左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れ、右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れる。そして、図柄表示装置41には有効ラインとして右上がりラインL4と右上がりラインL5とが設定されており、両ラインはクロスしている。従って、リーチ変動表示が行われる場合には、右上がりラインL4と左上がりラインL5との両方にリーチ図柄の組合せが停止表示されることがある。この場合、見た目上は2つのリーチ変動表示が同時になされていることになるが、表示制御基板214aはリーチ種別カウンタC2の値に基づいてリーチ図柄の種類とリーチ図柄が停止する有効ラインを決定するため、一方のラインに停止している図柄に関してリーチ変動表示が制御される。
表示処理(図35)の説明に戻り、変動開始設定処理の後は、ステップS2205にて変動開始処理を実行した後に本処理を終了する。これにより、変動開始設定処理における設定に基づいた図柄の変動表示が実行されるように図柄表示装置41が制御される。
また、ステップS2202において図柄が変動中と判別された場合には、ステップS2206に進む。ステップS2206では、図柄表示装置41においてリーチ変動表示中か否かを判別する。具体的には、リーチ種別カウンタC2の情報があるか否かを判別し、さらにリーチ変動表示となるまでの変動時間が経過したか否かを判別することで、リーチ変動表示中か否かを判別する。リーチ変動表示中でない場合には、ステップS2207にて継続表示処理を実行した後に本処理を終了する。継続表示処理では、変動開始設定処理における設定に基づいた表示制御が継続される。一方、リーチ変動表示中である場合には、ステップS2208にてリーチ変動表示処理を実行した後に本処理を終了する。当該リーチ変動表示処理については後に説明する。
一方、ステップS2201において大当たり状態の場合には、ステップS2209にて大当たり表示処理を実行した後に本処理を終了する。当該大当たり表示処理については後に説明する。
次に、リーチ変動表示処理を、図37のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS2401では、主制御基板271aから状態移行コマンドを入力したか否かを判別する。状態移行コマンドを入力していない場合には、ステップS2402にて主制御基板271aから入球コマンドを入力したか否かを判別する。入球コマンドを入力している場合には、入賞役物装置150内を遊技球が転動していることになる。この場合、ステップS2403及びステップS2404の処理を実行した後に本処理を終了する。
すなわち、ステップS2403では、入賞役物装置150に設けられた回転位置検出センサ196からの信号に基づき、V入賞口182aに対する回転体201のV入賞口案内部204の回転位置を把握する。具体的には、表示制御基板214aは回転位置把握用タイマを備えており、モータ194に設けられたカットバン198の切欠部198aが回転位置検出センサ196を通過するタイミングで当該タイマをリセットする(例えば、0秒にセットし直す)。そして、当該タイマの計測時間に対応するV入賞口案内部204の回転位置を、プログラムROM522に設けられた回転位置把握用テーブルに基づいて求める。
続く、ステップS2404では、中図柄列の図柄が通常時よりも低速で変動表示されるように、且つV入賞口182aに対するV入賞口案内部204の回転位置に対応して中図柄列の図柄が変動表示されるように低速表示処理を実行する。より詳しくは、キャラクタROM525にはリーチ図柄の組合せの種類と回転体201の回転位置とのそれぞれに対応した低速表示用のデータ群が予め記憶されている。各データ群は、低速表示を開始するタイミング、及び低速表示を開始するタイミングで図柄表示装置41に表示される図柄の種類が異なっている。また、低速表示される図柄の変動速度は、回転体201が1周するのに要する時間(例えば、5秒)と、遊技球がV入賞口182aに入球し表示制御基板214aにて後述する大当たり発生表示処理が行われるまでに要する時間(例えば、0.5秒)とを合計した周期で、リーチ図柄の組合せに対応した図柄(以下、リーチ図柄という)がリーチとなっている有効ライン(以下、リーチラインという)上を通過する程度となっている。これにより、低速表示中は、V入賞口182aの上部にV入賞口案内部204が到達するタイミングに対応して(若干遅れて)、リーチ図柄がリーチライン上に位置することとなる。この場合に、低速表示される図柄の変動速度が上記速度であることにより、低速表示されている中図柄列の各図柄の種類を遊技者は認識することができる。
ステップS2402において入球コマンドを入力していない場合には、ステップS2405にて主制御基板271aから転動終了コマンドを入力したか否かを判別する。転動終了コマンドを入力している場合には、入賞役物装置150内における遊技球の転動が終了していることになる。この場合、ステップS2406にて、低速で変動表示する中図柄列の図柄が通常時の速度で変動表示されるように通常表示処理を実行する。これにより、リーチ変動表示の変動速度が元に戻る。
ステップS2405において転動終了コマンドを入力していない場合には、ステップS2407にて主制御基板271aから外れ決定コマンドを入力したか否かを判別する。外れ決定コマンドを入力している場合には、大当たり状態が発生することなく、電動式チューリップ34の特定周期開放状態が終了したこととなる。この場合、ステップS2408にて、リーチ図柄の組合せの種類と異なる中図柄列の図柄がリーチとなっている有効ライン上に停止するように外れ決定表示処理を実行する。より詳しくは、キャラクタROM525には各リーチ図柄と対応した外れ用のデータ群が予め記憶されており、そこから現在のリーチ図柄と対応したデータ群のデータを出力する。これにより、リーチ変動表示が終了する。
ステップS2407において外れ決定コマンドを入力していない場合には、ステップS2409にて継続表示処理を実行する。当該継続表示処理により、上述した低速表示、通常表示又は外れ決定表示が継続される。
一方、ステップS2401において状態移行コマンドを入力している場合、遊技状態が大当たり状態に移行したことを意味するため、ステップS2410〜ステップS2413の大当たり発生処理を実行した後に本処理を終了する。すなわち、ステップS2410では表示ラウンドカウンタHRCに15をセットし、ステップS2411では、状態移行コマンドからいずれの開放パターンが行われるかを解析し、短時間開放表示カウンタHSOCに対応する値をセットする。続く、ステップS2412では、大当たり発生表示用タイマTに3秒をセットし、ステップS2413では大当たり発生表示処理を実行する。大当たり発生表示処理では、キャラクタROM525に記憶された各リーチ図柄と対応した当り用のデータ群から、現在のリーチ図柄の組合せの種類と対応したデータ群を出力する。これにより、リーチ図柄の組合せの種類と同じ中図柄列の図柄がリーチとなっている有効ライン上に停止表示される。さらに、その後、キャラクタROM525に記憶されたオープニング動画データ群のデータを順次出力することにより、オープニング動画を表示させる。
ここで、図柄表示装置41の表示画面Gにおける図柄の変動表示の態様を図38のタイミングチャートを用いて説明する。但し、ここでは、リーチ変動表示が発生する場合の態様を説明する。図の(a)〜(f)は、図柄表示装置41の表示画面Gにおける表示態様を簡易的に示す。
図38に示すように、t1のタイミングで図柄組合せコマンドを入力することにより、(a)に示すように図柄の変動表示が開始される。この場合、すべての図柄列において図柄が変動表示されている。その後、t2のタイミングでリーチ変動表示までの変動時間が経過することで、(b)に示すように左図柄列及び右図柄列の図柄の変動表示が停止し、リーチ変動表示が開始される。ここでは、「7」図柄の組合せが中ラインL2上に停止表示されている(以下、当該ラインをリーチラインという)。この際、特定ランプ45における色の切替表示が停止される。また、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる。
その後、t3のタイミングで入賞役物装置150内部に遊技球が入球し入球コマンドを入力することにより、(c)に示すように中図柄列の図柄が低速で変動表示される。この場合に、上述したとおり、回転体201に設けられたV入賞口案内部204がV入賞口182aの上部を通過するタイミングに対応して、リーチライン上を「7」図柄が通過する。
そして、大当たり状態が発生することなく入賞役物装置150内の遊技球が外部に排出された場合には、t4のタイミングで転動終了コマンドを入力することにより、(d)に示すように、中図柄列の図柄が通常時の速度で変動表示される。その後、t5のタイミングで電動式チューリップ34の特定周期開放状態が終了し、外れ決定コマンドを入力することにより、(e)に示すように、リーチライン上にリーチ図柄と異なる図柄(ここでは、「3」図柄)が停止表示される。この状態は、次の変動表示が開始されるまで、すなわち、次の図柄組合せコマンドを入力するまで維持される。なお、上述したとおり、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となった場合、1秒間の開放状態が5秒周期で6回発生する。従って、1の特定周期開放状態において、入賞役物装置150内に遊技球が入りその遊技球が外部に排出された後に、再び入賞役物装置150内に遊技球が入ることがある。よって、(d)に示す状態となった後に、再度、(c)に示す状態となることがある。
一方、入賞役物装置150内の遊技球がV入賞口に入り大当たり状態が発生する場合には、t6のタイミングで状態移行コマンドを入力することにより、(f)に示すように、リーチライン上にリーチ図柄(ここでは、「7」図柄)が停止表示される。そして、その後、オープニング動画が表示される。
次に、大当たり表示処理について、図39のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS2501では、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて大当たり発生表示が行われているか否かを判別する。大当たり発生表示が行われている場合には、ステップS2502にて大当たり発生表示用タイマTが0か否かを判別する。当該タイマTが0でない場合には、ステップS2503にて継続表示処理を実行することで大当たり発生表示を継続する。これにより、大当たり発生表示は3秒間行われる。
ステップS2502において大当たり発生表示用タイマTが0の場合には、ステップS2504〜ステップS2506に示す開放時間報知処理を行う。開放時間報知処理では、ステップS2504にて短時間開放表示カウンタHSOCの値が0か否かを判別し、0でない場合にはステップS2505にて大入賞口が3秒開放されることを示す短時間開放動画を表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、本処理を終了する。また、短時間開放表示カウンタHSOCの値が0の場合には、ステップS2506にて大入賞口が29.5秒開放されることを示す長時間開放動画を表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、本処理を終了する。なお、本実施形態では、表示制御装置214のキャラクタROM525に、短時間開放動画データ群及び長時間開放動画データ群が予め記憶されており、上記開放時間報知処理では、対応するデータ群のデータを図柄表示装置41等に順次出力することにより、各開放動画を表示させる。また、各開放動画データ群のデータを全て出力した場合、図柄表示装置41に6秒間の動画がそれぞれ表示される構成となっている。
一方、ステップS2501において大当たり発生表示中でない場合には、ステップS2507にて動画コマンドを入力したか否かを判別する。動画コマンドを入力している場合には、大入賞口が閉鎖されて1回のラウンドが終了したことを意味する。そこで、ステップS2508にて短時間開放表示カウンタHSOCの値を1減算すると共に、ステップS2509にて表示ラウンドカウンタHRCの値を1減算する。ちなみに、短時間開放表示カウンタHSOCの値が減算前の段階で0である場合には、ステップS2508にて減算処理を行うことなくステップS2509の処理を行う。そして、ステップS2510では表示ラウンドカウンタHRCの値が0か否かを判別し、0でない場合には大入賞口の開放が15回終了していないことを意味するため、前記ステップS2504〜S2506の開放時間報知処理を行う。表示ラウンドカウンタHRCの値が0の場合には大入賞口の開放が15回終了したことを意味するため、ステップS2511に進み、大当たり状態が終了することを示すエンディング動画を表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、本処理を終了する。また、ステップS2507にて動画コマンドを入力していない場合には、大入賞口が開放されていることを意味するため、ステップS2503にて継続動画を表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、本処理を終了する。ちなみに、いずれかの開放動画を表示させる処理やエンディング動画を表示させる処理は、キャラクタROM525に記憶された対応するデータ群の全てのデータを出力した後に大当たり表示処理を終了するが、継続動画を表示させる処理は、対応するデータ群のうち1つのデータを出力する毎に大当たり表示処理を終了する。これは、大入賞口が閉鎖されたことを示す動画コマンドの入力を迅速に察知するための工夫である。
次に、大当たり状態に移行した際の動作について、図40のタイミングチャートに基づき説明する。図40において、(a)は開放時間を1種類のみ備えた既存のパチンコ機における動作の一例を、(b)は開放時間を2種類備えた本パチンコ機10における開放パターン3の動作を示している。なお、本パチンコ機10におけるその他の開放パターンについても、3秒開放の行われる回数が異なることを除き、基本動作は開放パターン3と同じである。
図40(a)に示すように、開放時間を1種類のみ備えた既存のパチンコ機では、大当たり状態に移行したt1のタイミングから大当たり状態が終了するt2のタイミングまで大当たり動画が表示されると共に大入賞口の開閉が行われる。具体的には、大当たり状態に移行したt1のタイミングでオープニング動画が開始され、オープニング動画が終了したr1のタイミングで1ラウンド目の大入賞口開放が行われる。大入賞口は、29.5秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したe1のタイミングで閉鎖される。その後、3秒の待機時間を経過したr2のタイミングで2ラウンド目の大入賞口開放が行われ、1ラウンド目と同様、29.5秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したe2のタイミングで閉鎖される。このようにして大入賞口の開閉が繰り返し行われ、15ラウンド目の大入賞口開放が終了したe15のタイミングでエンディング動画が開始され、エンディング動画が終了したt2のタイミングで大当たり状態が終了する。
1ラウンド目の大入賞口開放が行われるr1のタイミングから15ラウンド目の大入賞口閉鎖が行われるe15のタイミングまでの大当たり動画としては、大入賞口が開放されている間(例えばr1〜e1等)に、例えば現在のラウンド数や大入賞口に入賞した遊技球数等のラウンド情報を報知する動画が表示され、待機時間(例えばe1〜r2等)は大入賞口が閉鎖されていることを示唆する動画が表示される。
パチンコ機の遊技球発射間隔は一般に約0.6秒であるため、上記既存のパチンコ機では、29.5秒の開放時間を経過することなく10個の遊技球が大入賞口に入賞して各ラウンドが終了することが一般的である。この結果、大当たり状態に移行すると毎回ほぼ一定の賞球を獲得することが可能なものとなっている。
図40(b)に示すように、開放時間を2種類備えた本パチンコ機10でも、大当たり状態に移行したt1のタイミングから大当たり状態が終了するt2のタイミングまで大当たり動画が表示されると共に大入賞口の開閉が行われる。
具体的には、大当たり状態に移行し、オープニング動画が終了したt1のタイミングで1ラウンド目の開放時間が3秒であることを示唆する短時間開放動画が6秒間表示され、短時間開放動画が終了したr1のタイミングで1ラウンド目の大入賞口開放が行われる。大入賞口は、3秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したe1のタイミングで閉鎖される。その後、2ラウンド目の開放時間も3秒であることを示唆する短時間開放動画が6秒間表示され、短時間開放動画が終了したr2のタイミングで2ラウンド目の大入賞口開放が行われる。大入賞口は、1ラウンド目と同様、3秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したe2のタイミングで閉鎖される。開放パターン3では、このようにして6ラウンド目まで短時間開放動画と3秒間の大入賞口開閉とが繰り返し行われる。6ラウンド目の大入賞口が閉鎖されたe6のタイミングからは、開放時間が29.5秒であることを示唆する長時間開放動画が6秒間表示され、長時間開放動画が終了したr7のタイミングで7ラウンド目の大入賞口開放が行われる。大入賞口は、29.5秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したe7のタイミングで閉鎖される。その後、8ラウンド目の開放時間も29.5秒であることを示唆する長時間開放動画が6秒間表示され、長時間開放動画が終了したr8のタイミングで8ラウンド目の大入賞口開放が行われる。大入賞口は、7ラウンド目と同様、29.5秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したe8のタイミングで閉鎖される。このようにして7〜15ラウンドでは、長時間開放動画と29.5秒間の大入賞口開閉とが繰り返し行われ、15ラウンド目の大入賞口開放が終了したe15のタイミングでエンディング動画が開始され、エンディング動画が終了したt2のタイミングで大当たり状態が終了する。また、大入賞口が開放されている間の大当たり動画としては、大入賞口開放前に表示された開放動画と対応する継続動画が表示される。
このように本パチンコ機10では、大入賞口が閉鎖されている待機時間(例えばe1〜r2等)に次ラウンドの開放時間を示唆する開放動画が表示され、大入賞口が開放されている間(例えばr1〜e1等)はただ開放動画と対応する継続動画が表示されるのみである。つまり、ラウンド情報を報知する動画は大入賞口開放前に表示される。また、29.5秒開放が何回行われるのかが大当たり状態移行時に教示されることはなく、各ラウンドの開放時間が何秒となるかは各ラウンド開始前の開放動画からしか示唆されない。
上記開放パターン3では、1〜6ラウンドが開放時間として3秒を設定され、7〜15ラウンドが開放時間として29.5秒を設定される。かかる場合、7〜15ラウンドの大入賞口開放は、既存のパチンコ機と同様29.5秒の開放時間が設定されるため、10個の遊技球が大入賞口に入賞して終了する可能性が高い。遊技球発射間隔が約0.6秒であるため、29.5秒の開放時間に約50球の遊技球を発射することが可能だからである。一方、1〜6ラウンドの大入賞口開放は、開放時間が3秒であるため、10個の遊技球が入賞することなく3秒の開放時間が経過して終了する可能性が高い。かかる場合には、3秒の開放時間に約5球の遊技球しか発射することができないからである。つまり、開放時間として3秒と29.5秒の2種類を備えた本パチンコ機10では、3秒開放が行われた回数によって、大当たり状態に移行した際に獲得できる賞球数が変動することとなる。ちなみに、開放パターン1では約1800個の遊技球の獲得が期待でき、開放パターン2では約1530個の遊技球の獲得が期待でき、開放パターン3では約1260個の遊技球の獲得が期待でき、開放パターン4では約990個の遊技球の獲得が期待でき、開放パターン5では約720個の遊技球の獲得が期待できることとなる。
次に、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される開放動画について説明する。図41は、3秒開放が行われる場合に表示される短時間開放動画の一連の表示態様を示す図であり、図42は、29.5秒開放が行われる場合に表示される長時間開放動画の一連の表示態様を示す図である。
短時間開放動画では、図41(a)に示すように、表示画面Gの中央に杖を持った少女キャラクタが表示され、この少女キャラクタが、これから変身する旨と、変身に成功すれば29.5秒開放が行われることを教示する。また、表示画面Gの左上部には、次回の大入賞口の開放回数(本表示態様では1ラウンド)と、大入賞口が15回開放されることとが表示される。その後、図41(b)に示すように、少女キャラクタが呪文を唱えながら杖を上空にかざす様が表示され、呪文と共に少女キャラクタが眩い光に囲まれる様が表示される。眩い光は少女キャラクタのみならず表示画面G全体を包み、光が収まった際には、変身に失敗して床に落下する少女キャラクタが表示される(図41(c))。その後、図41(d)に示すように、木の妖精キャラクタと、変身に失敗して落胆する少女キャラクタとが表示され、3秒開放が行われる旨を木の妖精キャラクタが教示する。なお、短時間開放動画後の継続動画では、少女キャラクタがもう1回変身に挑戦するよう木の妖精キャラクタに励まされる様が表示される。
長時間開放動画では、図42(a)に示すように、表示画面Gの中央に杖を持った少女キャラクタが表示され、この少女キャラクタが、これから変身する旨と、変身に成功すれば29.5秒開放が行われることを教示する。また、表示画面Gの左上部には、次回の大入賞口の開放回数(本表示態様では7ラウンド)と、大入賞口が15回開放されることとが表示される。その後、図42(b)に示すように、少女キャラクタが呪文を唱えながら杖を上空にかざす様が表示され、呪文と共に少女キャラクタが眩い光に囲まれる様が表示される。眩い光は少女キャラクタのみならず表示画面G全体を包み、光が収まると共に変身に成功して大きくなった少女キャラクタが表示される(図42(c))。その後、図42(d)に示すように、変身に成功した少女キャラクタが表示画面G全体に表示され、29.5秒開放が行われることが教示される。なお、長時間開放動画後の継続動画では、変身に成功した少女キャラクタが種々の魔法をかける様が表示される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技領域YSに可変入賞装置32、図柄表示装置41及び入賞役物装置150を設け、可変入賞装置32及び図柄表示装置41に関わる遊技性と、入賞役物装置150に関わる遊技性とを融合した構成とすることにより、従来あるパチンコ機に対して顕著な差を与え、独自性を付加することができる。
当該パチンコ機10において、大入賞口の開放時間として3秒と29.5秒の2種類を設定することにより、大当たり状態に移行した際の大入賞口の開放パターンにバリエーションを持たせることが可能となる。また、1回の大入賞口開放に基づいて払い出される賞球数に変化を持たせることも可能となる。29.5秒の開放時間であればほぼ10個の遊技球を入賞させられるものの、3秒の開放時間では10個の遊技球を入賞させられないからである。故に、大当たり状態下における遊技において、各ラウンド毎にどれだけ賞球を獲得できるか期待しながら遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。さらにいうと、一般の遊技者であれば、1回の大当たり状態によって少しでも多くの賞球を獲得したいと考えると想定される。故に、10個の遊技球が入賞し易い29.5秒と、入賞しにくい3秒とを開放時間として設定することにより、特別遊技状態下における遊技性を好適に高めることが可能となる。3秒開放が行われた場合においては、少しでも多くの遊技球を入賞させるべく遊技を行わせることが可能となるし、29.5秒開放が行われた場合においては、3秒開放でないという満足感を抱かせつつ10個の遊技球を入賞させるべく遊技を行わせることが可能となるからである。
開放時間を複数備える構成において大当たり状態に移行した際に15ラウンド行う構成とすることにより、大当たり状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。大入賞口が開放されるという大当たり状態下における遊技性を15回分担保することが可能となると共に、15回のうち何回29.5秒開放が行われるのかに遊技者の関心を向けさせることが可能となるからである。確かに、大入賞口の開放回数が異なる大当たり状態を複数備える構成にあっても、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成にあっては、遊技者の遊技意欲を著しく低下させてしまう可能性が懸念される。より多くの賞球を獲得したい遊技者であれば最も多く開放される大当たり状態を基準として各大当たり状態を判断することが想定され、開放回数が少ない大当たり状態に移行した場合、遊技者はあたかも不利益を被ったかのような印象を抱いてしまう可能性があるからである。一方、本パチンコ機10の場合、大入賞口の開放回数は固定であって開放時間が変化するものであり、少なくとも3秒間は大入賞口が開放されるため、少しでも多くの遊技球を入賞させようと遊技者の遊技意欲を駆り立たせることが可能となる。
大当たり状態に移行した際に、大入賞口開放が15回行われることを報知する構成とすることにより、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。仮に1ラウンド目に3秒開放が行われたとしても、大入賞口があと14回開放されることを認識できているため、2ラウンド目以降に29.5秒開放が行われることを期待させることが可能となるからである。また、29.5秒開放が何回行われるかを大当たり状態移行時に報知しない構成とすることにより、大入賞口が開放される毎に29.5秒開放を期待させながら遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技状態を大当たり状態に移行させるタイミングで大入賞口の開放パターンを決定する構成とすることにより、主制御基板271aの処理負荷が増大化することを抑制しつつ、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。大当たり状態下においては、大入賞口を開閉する処理に加えて、入賞した遊技球数を確認する処理や賞球を払い出させるべく賞球コマンドを出力する処理等を行う必要があり、大当たり状態下で大入賞口の開放時間を決定する構成とした場合、主制御基板271aにかかる処理負荷が多大なものとなってしまうからである。
大入賞口開閉処理において、3秒開放を短時間開放カウンタSOCに設定された回数だけ行った後に29.5秒開放を行う構成とすることにより、主制御基板271aの処理負荷が増大化することを抑制しつつ、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。大当たり状態下でいずれの開放時間を設定するかを決定する構成とした場合、大当たり状態下における主制御基板271aの処理負荷が多大なものとなってしまうからである。また、最初に3秒開放を行う構成とすることにより、何ラウンド目から29.5秒開放となるかを期待させながら各ラウンドの遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。さらにいうと、29.5秒開放を最初に行った後に3秒開放を行う構成とした場合、29.5秒開放から3秒開放に変わったことに対して、遊技者はあたかも不利益を被ったかのような印象を抱いてしまう可能性がある。しかしながら、最初に3秒開放を行う本構成においては、かかる印象を抱かせることを抑制しつつ大当たり状態における遊技を行わせることが可能となる。
大入賞口の開放時間を示唆する開放動画を表示した後に大入賞口を開放する構成とすることにより、遊技者の予期せぬタイミングで大入賞口が閉鎖される不具合を抑制することが可能となり、大当たり状態の開始から終了まで、賞球が払い出されることに対する期待感を持続させることが可能となる。また、かかる構成の場合、大入賞口が開放されている状況下にあってはどれだけの賞球が払い出されるかを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、大入賞口が閉鎖されている状況下にあっては、次ラウンドの開放時間が29.5秒となることを期待させながら開放動画を楽しませることが可能となる。故に、大入賞口に遊技球を入賞させるという大当たり状態下の遊技と、動画を表示して遊技者を楽しませるという図柄表示装置41の機能とを相乗的に高めることが可能となり、大当たり状態下の遊技を開始から終了まで楽しませることが可能となる。また、大入賞口の開放を待つための時間となりがちであった大入賞口の閉鎖されている時間を有効活用することも可能となる。
短時間開放時間を3秒と設定し、大入賞口が閉鎖されている待機時間を6秒と設定することにより、大当たり状態下で遊技者の所有する遊技球が減少することを回避することが可能となる。遊技球の発射間隔は0.6秒であるため、短時間開放が行われている間に5球の遊技球を発射することができ、待機時間内に10球の遊技球を発射することができる。つまり、短時間開放が行われる場合、遊技者は大入賞口の開放から次の開放までの間に最大15球の遊技球を発射させることができる。一方、大入賞口に遊技球が入賞した場合、1球入賞する毎に15球の遊技球が払い出される。すなわち、5球のうち1球でも大入賞口に入賞すれば、遊技者は遊技球を減らすことなく大当たり状態下での遊技を行うことができる。したがって、短時間開放が行われた場合であっても、遊技者は自己の所有する遊技球を増加させることを期待しながら遊技を行うことが可能となる。故に、自己の所有する遊技球を増加させるという大当たり状態下での遊技性を確保しつつ、開放動画を表示するための時間を十分に確保することが可能となる。
リーチ図柄を決定するリーチ種別カウンタC2と、大入賞口の開放パターンを決定する開閉態様カウンタC3とを別個に設けることにより、V入賞口182aに遊技球が入ったタイミングで図柄表示装置41に表示される大当たり図柄と、大当たり状態における大入賞口の開放パターンとを独立して決定することが可能となる。この結果、最終表示された大当たり図柄の組合せから開放パターンを予測することが困難なものとなり、いかなる大当たり図柄の組合せで停止した場合であっても、29.5秒開放が何回行われるのかを期待させながら遊技者に遊技を行わせることが可能となる。
確変大当たりが発生する場合には、15ラウンド全ての開放時間が29.5秒と設定される開放パターン1の選択される割合を最も高く構成し、通常大当たりが発生する場合には、29.5秒開放が3ラウンド行われる開放パターン5の選択される割合を最も高く構成することにより、大当たり状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。確変大当たりである場合には、確変大当たりであることに対する優越感に加えて多くの賞球が払い出される期待感を抱かせることが可能となるし、通常大当たりである場合には、可変入賞装置32に少しでも多くの遊技球を入賞させるべく遊技を行わせることが可能となるからである。
各開放パターンにおいて、少なくとも1ラウンドは29.5秒開放を行う構成とすることにより、大入賞口が10個の遊技球入賞を以って閉鎖されるラウンドを少なくとも1ラウンドは遊技者に行わせることが可能となる。この結果、大当たり状態に移行したにも関わらず遊技者の所有する遊技球が増加しない不具合を抑制することが可能となる。
電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる場合、図柄表示装置41にてリーチ変動表示が行われる。そして、入賞役物装置150のV入賞口182aに遊技球が入球することでリーチライン上に大当たり図柄の組合せが成立してリーチ変動表示が終了する。かかる構成であることにより、入賞役物装置150に関する遊技と図柄表示装置41に関する遊技との間に相関を持たせることができ、遊技者は、V入賞口182aに遊技球が入球することを期待しながら遊技球の転動を視認する遊技と、大当たり図柄の組合せが有効ライン上に停止することを期待しながら図柄表示装置41における図柄の変動表示を視認する遊技とを同時に楽しむことができる。よって、遊技への注目度を高めることができる。さらに、当該構成によれば、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となっていることを明確に教示することができる。
この場合に、入賞役物装置150内部に遊技球が入球すると、回転体201に設けられたV入賞口案内部204がV入賞口182aの上部を通過するタイミングに対応して、リーチライン上をリーチ図柄の組合せに対応した図柄が通過するようにリーチ変動表示が行われる。すなわち、V入賞口案内部204がV入賞口182aの上部に近付くのに伴って、リーチライン上にリーチ図柄の組合せに対応した図柄が近付き、V入賞口案内部204がV入賞口182aの上部に到達することに対応して、リーチライン上にリーチ図柄の組合せに対応した図柄が位置し、V入賞口案内部204がV入賞口182aの上部から遠ざかるのに伴って、リーチライン上からリーチ図柄の組合せに対応した図柄が遠ざかる。かかる構成とすることにより、V入賞口182aに遊技球が入球する場合、図柄表示装置41ではリーチ変動表示の一連の中で有効ライン上に大当たり図柄の組合せを成立させることができる。例えば、リーチ変動表示の一連の流れと無関係に有効ライン上に大当たり図柄の組合せが成立すると、入賞役物装置150に関する遊技と図柄表示装置41に関する遊技との間の相関が損なわれ、上記効果を消失するおそれがある。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を防止でき、さらには入賞役物装置150に関する遊技と図柄表示装置41に関する遊技との間の相関がより強くなり、遊技への注目度をより高めることができる。
入賞役物装置150に回転位置検出センサ196を設け、当該回転位置検出センサ196からの検出信号に基づいてV入賞口182aに対するV入賞口案内部204の位置を把握し、各回のリーチ変動表示毎にV入賞口案内部204の位置に対応した変動パターンを設定する構成とすることにより、V入賞口182aに対するV入賞口案内部204の位置と、変動パターンとを正確に対応させることができる。
V入賞口案内部204の位置に対応した変動パターンをプログラムROM522に予め複数記憶し、この記憶された複数の変動パターンから1の変動パターンを設定する構成とすることにより、V入賞口案内部204の位置に対応した変動パターンの設定を比較的簡単な処理構成で行うことができる。
V入賞口案内部204の位置に対応したリーチ変動表示が行われる場合、回転体201が1周するのに要する時間と、遊技球がV入賞口182aに入球し表示制御基板214aにて大当たり発生表示処理が行われるまでに要する時間とを合計した周期で、最終停止図柄列が1循環される。かかる構成とすることにより、一連のリーチ変動表示の中で有効ライン上に大当たり図柄の組合せを成立させることを、確実に担保することができる。
リーチ変動表示において低速表示が行われる場合に、変動表示されている図柄の種類を遊技者が認識できる程度の速度で最終停止図柄列の図柄の変動表示を行う構成とすることにより、遊技者はリーチライン上にリーチ図柄の組合せに対応した図柄が位置する状態となるタイミングを予測しながらリーチ変動表示を視認する。当該構成において、V入賞口182aに遊技球が入球した際、一連のリーチ変動表示の流れと関係なくリーチライン上にリーチ図柄の組合せに対応した図柄が停止すると、変動表示されている図柄の種類がそれまでの流れとは無関係に変更されたことが目立ち、上述した効果を消失するおそれがある。これに対して、V入賞口案内部204の位置に対応したリーチ変動表示を行い、一連のリーチ変動表示の中でリーチライン上にリーチ図柄の組合せに対応した図柄を停止させることにより、このような不都合の発生を防止できる。
ここで、入賞役物装置150の内部に遊技球が入球することで、図柄表示装置41におけるリーチ変動表示を通常表示から低速表示に変更し、V入賞口182aに入球することなく入賞役物装置150内の遊技球が外部に排出されることで図柄表示装置41におけるリーチ変動表示を低速表示から通常表示に復帰させる構成とすることにより、入賞役物装置150に関する遊技球の動きと、リーチ変動表示の態様との間に相関を持たせることができる。よって、遊技球の転動を視認する遊技と、図柄の変動表示を視認する遊技とを、それぞれ独立したものとしてではなく一体的なものとして遊技者に提供することができる。また、入賞役物装置150内に遊技球があることを遊技者に明確に教示することができる。さらに、低速表示では、通常表示よりも最終停止図柄の変動速度が遅くなる構成とすることにより、遊技者はリーチ変動表示における最終停止図柄の動きを把握し易くなる。このように、入賞役物装置150内に遊技球が入球するというV入賞口182aへの入球の期待度が高まる状況下において、最終停止図柄の動きを把握し易くすることで、入賞役物装置150に関する遊技球の動きとリーチ変動表示の態様との間の相関をより強くすることができる。
V入賞口案内部204の位置に対応したリーチ変動表示を、入賞役物装置150の内部に遊技球が入球したときのみ行う構成とすることにより、V入賞口案内部204の位置に対応した変動パターンをリーチ変動表示の開始時に毎回設定する必要がないので、表示制御基板214aの処理負荷を軽減することができる。
電動式チューリップ34における特定周期開放状態の開始と略同一のタイミングで図柄表示装置41にてリーチ変動表示が開始される構成とすることにより、電動式チューリップ34における特定周期開放状態の開始と図柄表示装置41におけるリーチ変動表示の開始との間に相関を持たせることができる。よって、遊技球の転動を視認する遊技と、図柄の変動表示を視認する遊技とを、それぞれ独立したものとしてではなく一体的なものとして遊技者に提供することができる。
V入賞口182aに遊技球が入球することなく、電動式チューリップ34及び入賞役物装置150の開閉制御が終了し、さらに入賞役物装置150の内部を遊技球が転動していないと判定された場合に、リーチ変動表示が終了する。かかる構成とすることにより、電動式チューリップ34にて特定周期開放状態となった後の当該電動式チューリップ34及び入賞役物装置150における遊技球の一連の動きの終了と、図柄表示装置41におけるリーチ変動表示の終了との間に相関を持たせることができる。よって、遊技球の転動を視認する遊技と、図柄の変動表示を視認する遊技とを、それぞれ独立したものとしてではなく一体的なものとして遊技者に提供することができる。また、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となった後の当該電動式チューリップ34及び入賞役物装置150における動作の終了と略同一のタイミングで、図柄表示装置41におけるリーチ変動表示を終了する構成とすることにより、上記効果はより顕著なものとすることができる。
また、特定周期開放状態では、電動式チューリップ34の開閉制御が複数回数(1秒間の開放状態が5秒周期で6回)行われる。この場合に、上記のとおり、複数回数行われる電動式チューリップ34の開閉制御が終了するまでリーチ変動表示が継続されることにより、特定周期開放状態が継続していることを明確に教示することができる。
図柄表示装置41において確変リーチが発生している状況下で、V入賞口182aに遊技球が入球した場合、確変大当たりが発生する構成とすることにより、遊技者はリーチラインを形成しているリーチ図柄の組合せの種類を視認することで、確変大当たりが発生し得るか否かを判断することができる。よって、図柄の変動表示への注目度を高めることができる。
遊技領域YSにおいて可変表示ユニット35が占める面積と、遊技領域YSにおいて入賞役物装置150が占める面積とが略同一である構成とすることにより、遊技者の視線を可変表示ユニット35と入賞役物装置150との両方に対して均等に向けさせることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、大入賞口の開放時間として3秒と29.5秒の2種類を備える構成について説明したが、さらに多くの開放時間を備える構成であってもよい。例えば、遊技球の発射間隔が約0.6秒である場合、10個の遊技球が入賞しにくい3秒と、10個の遊技球が入賞し得る6秒と、10個の遊技球が入賞し易い29.5秒の3種類を備える構成とする。
(2)上記実施の形態では、大入賞口の開放時間を2種類備え、開放パターンを5種類備える構成について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、開放パターンの数は任意である。開放時間を2種類備える構成にあっては、開放パターンを最大15種類設定することが可能である。
(3)上記実施の形態では、大当たり状態に移行すると大入賞口が15回開閉される構成について説明したが、15回に限定されるものではなく、複数開閉されるのであれば回数は任意である。また、大入賞口の開閉回数を複数備える構成に種々の開放時間を設定する構成であってもよい。但し、かかる構成にあっては、大入賞口が何回開放されるのかを大当たり状態移行時に教示することが望ましい。
(4)上記実施の形態では、遊技状態を大当たり状態に移行させるタイミングで大入賞口の開放パターンを決定する構成としたが、図柄表示装置41における変動表示の開始時に開放パターンを決定する構成としてもよい。但し、V入賞口182aに遊技球が入球することで大当たり状態に移行するため、変動表示の開始時においてはその変動表示回で大当たり状態に移行するか否か定かでない。すなわち、大当たり状態に移行するか否かに関係なく開放パターンが決定されることとなる。本構成であっても、大当たり状態下で初回の開放制御を行う前までに開放パターンが決定され、主制御基板271aの処理負荷が増大化することを抑制しつつ、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
また、大当たり状態下で初回の開放制御を行う前までに開放パターンを決定するのではなく、例えば各ラウンドの開放前にいずれの開放時間を設定するかを抽選等に基づいて決定する構成としてもよい。
(5)上記実施の形態では、3秒開放を短時間開放カウンタSOCに設定された回数だけ行った後に29.5秒開放を行う構成としたが、29.5秒開放を先に行った後に3秒開放を行う構成であってもよいし、短時間開放カウンタSOCに設定された回数の範囲内で3秒開放と29.5秒開放をランダムに行う構成であってもよい。すなわち、少なくとも一方の開放時間を設定する回数を大当たり状態に移行する前までに決定しておき、大当たり状態下で3秒か29.5秒のいずれの開放時間を設定するかを決定された回数の範囲内で選択する構成としてもよい。
(6)上記実施の形態では、開放パターンとして各ラウンドの開放時間が予め設定されている構成としたが、開放時間として2種類を備える構成の場合、一方の開放時間さえ設定されていれば上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
また、短時間開放カウンタSOCに3秒開放を行うラウンド数をセットする構成の場合、15ラウンドのうち3秒開放を行うラウンド数のみを確変大当たりテーブル及び通常大当たりテーブルに設定しておけば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
(7)上記実施の形態では、確変大当たりテーブル又は通常大当たりテーブルを参照し、開閉態様カウンタ用の格納エリアに格納されている開閉態様カウンタC3の値と対応する可変入賞装置32の開閉態様を求め、対応するテーブルから求めた3秒開放を行うラウンド数を短時間開放カウンタSOCにセットする構成としたが、かかる構成を変更する。短時間開放カウンタSOCを非具備とし、開閉態様カウンタC3の値と対応する可変入賞装置32の開閉態様を開閉態様格納エリアにセットする構成とする。そして、各ラウンドの開放時間をセットする際に、開閉態様格納エリアに格納された開閉態様からセットすべき開放時間を求める構成とする。かかる構成においても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(8)上記実施の形態では、短時間開放時間を3秒とし、大入賞口が閉鎖されている待機時間を6秒としたが、短時間開放時間を例えば6.5秒等の待機時間より長い時間としてもよい。かかる構成とすれば、大当たり状態下で大入賞口の開放されている時間の方が閉鎖されている時間よりも長くなるため、遊技者があたかも不利益を被っているかのような印象を抱くことを軽減させることが可能となる。なお、待機時間を2.5秒等の3秒より短い時間としてもよいことは言うまでもない。
(9)上記実施の形態では、開放動画の開始すなわち大当たり状態への移行と共に大入賞口が15回開放されることを表示する構成としたが、大当たり状態下で大入賞口が15回開放されることを遊技者が把握できる構成であれば、表示するタイミングは任意である。例えば、大当たり変動が終了したタイミングで表示する構成としてもよいし、大当たり変動の変動途中で表示する構成であってもよい。或いは、遊技状態や大当たり変動と無関係に図柄表示装置41の一部で表示し続ける構成としてもよい。
(10)上記実施の形態では、大入賞口が閉鎖されている待機時間中に開放動画を表示する構成としたが、大入賞口の開放と並行して次のラウンドに関する開放動画を表示する構成としてもよい。但し、かかる構成においては、少なくとも長時間開放動画として3秒用と29.5秒用の2種類を予め準備しておく必要が生じるため、記憶容量の増大化が懸念される。
(11)大入賞口の開放パターンを特定ランプ45の表示色により示す構成としてもよい。特定ランプ45における表示色の切り換えは図柄表示装置41においてリーチ変動表示がなされるタイミングで停止されるが、V入賞口182aに遊技球が入球したタイミングで特定ランプ45における表示色の切り換えを再度開始する構成とする。そして、初回の大入賞口の開放が行われる前までに特定ランプ45における表示色の切り換えを停止し、その表示色により開放パターンを示す構成とする。当該構成とすることにより、遊技ホールの従業員等は特定ランプ45の表示色を視認することで開放パターンを把握することが可能となり、大入賞口の開放に関して不正が行われた場合に当該不正行為を発見することが可能となる。なお、特定ランプ45と開放パターンとを関連付けたとしても、どのような開放態様が行われるかを遊技者が把握しづらいため、大当たり状態中の遊技者の期待感は維持される。
(12)上記実施の形態における表示制御基板214aは、状態移行コマンドに基づいて遊技状態が大当たり状態に移行したこと及びいずれの開放パターンが行われるのかを認識し、動画コマンドに基づいて大入賞口の閉鎖を認識する構成としたが、大入賞口の開閉と図柄表示装置41の表示とを連動させる構成であれば、かかる構成に限定されるものではない。例えば、主制御基板271aは、遊技状態が大当たり状態に移行したことを意味する状態移行コマンドと、いずれの開放パターンが行われるのかを意味する開放パターンコマンドと、大入賞口が開放されたことを意味する開放コマンドと、遊技球が大入賞口に1球入賞したことを意味する入賞コマンドとを表示制御基板214aに送信する構成とする。かかる構成とすれば、上記実施形態と同様の作用効果に加えて、何個の遊技球が入賞したのかを図柄表示装置41上にて表示することも可能となる。
(13)上記実施の形態では、大当たりが発生すると特別遊技状態としての大当たり状態に移行し、その後、第2特別遊技状態としての高確率状態に移行するパチンコ機について説明したが、第2特別遊技状態を備えていない遊技機や、特別遊技状態の終了後に複数の第2特別遊技状態に連続して移行する遊技機に上記構成を適用してもよい。例えば、大当たり状態の終了後に、図柄の変動表示(特定ランプ45の切替表示)が所定回数(例えば7回)行われるまで高確率状態に移行し、該高確率状態が終了すると、図柄の変動表示(特定ランプ45の切替表示)が所定回数(例えば50回)行われるまで切替短縮状態に移行する構成とする。
(14)上記実施の形態では、最終停止表示された図柄の組合せと、移行する大当たり状態及び高確率状態への移行有無とが一義的に関連付けられている構成としたが、関連付けられていない構成であってもよい。すなわち、移行する大当たり状態及び高確率状態への移行有無とを、最終停止表示された図柄の組合せから遊技者が認識できない構成としてもよい。
(15)上記実施の形態では、図柄表示装置41においてリーチ変動表示となることで、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる構成としたが、図柄表示装置41においてすべての図柄が停止し同一の図柄が揃うことで、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる構成としてもよい。また、図柄表示装置41に3つの図柄列を設定するのではなく、2つの図柄列を設定する構成としてもよい。そして、同一の図柄が揃った状態で停止表示されることで、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる構成としてもよい。また、数字の付された図柄を変動表示させるのではなく、1種類又は2種類以上のキャラクタを変動表示させて、キャラクタが所定の変動表示態様となることで、電動式チューリップ34が特定周期開放状態となる構成としてもよい。
(16)上記実施の形態では、回転位置検出センサ196を設け、入賞役物装置150内に遊技球がある間は、回転体201の回転位置に合わせて最終停止図柄の変動表示を行う構成としたが、回転位置検出センサ196を設けずに、回転体201の回転位置に関係なく最終停止図柄の変動表示を行う構成としてもよい。
(17)上記実施の形態では、大当たり状態が発生する場合に、それが確変大当たりとなるか通常大当たりとなるかの抽選を、遊技球がスルーゲート33を通過することで行う構成としたが、これを変更してもよい。例えば、電動式チューリップ34に遊技球が入球することで当該抽選を行う構成としてもよく、またV入賞口182aに遊技球が入球することで当該抽選を行う構成としてもよい。
また、例えば、V入賞口182aとして、一般V入賞口と特定V入賞口とを設ける構成としてもよい。そして、回転体201のV入賞口案内部に入った遊技球は、いずれかのV入賞口に案内される構成とする。この場合、特定V入賞口に遊技球が入球することで確変大当たりとなり、一般V入賞口に遊技球が入球することで通常大当たりとなる構成とする。
(18)入賞役物装置の構成は、入賞役物装置150の構成に限定されることはなく、電動役物と、遊技球転動領域(上記実施の形態では、誘導通路183及び回転体201等)と、有利口(上記実施の形態では、V入賞口182a)とを備えているのであれば、他の構成であってもよい。例えば、遊技球転動領域として第1通路と第2通路とを備え、さらに遊技球をいずれかに振り分ける振分け部材を設ける構成とする。そして、第1通路に振り分けられた遊技球は有利口に誘導され、第2通路に振り分けられた遊技球は外れ口に誘導される構成とする。この場合、振分け部材の構成を設定することで、第1通路に振り分けられる確率をある程度設定することができる。
(19)上記実施の形態では、主制御基板271aにおいて、図柄表示装置41における停止図柄の細かな組合せを決定する構成であったが、これを変更してもよい。例えば、主制御基板271aは、図柄表示装置41における停止図柄の細かな組合せを決定せずに、表示制御基板214aがこれらを決定する構成であってもよい。この場合、主制御基板271aは、確変リーチ、通常リーチ又はリーチ発生無しのうちのいずれが当該変動表示回において発生するかの旨と、特定ランプ45に表示される色の切替表示時間とを含めた表示コマンドを表示制御基板214aに対して出力する構成とする。そして、表示制御基板214aは、この主制御基板271aからの表示コマンドに基づいて、停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定し、切替表示時間の範囲内で図柄の変動表示を制御する。本構成であれば、上記実施の形態における効果を奏しつつ、さらに主制御基板271aの処理負荷の軽減を図ることができる。
(20)上記実施の形態では、図柄の変動表示を行う図柄表示装置41と別に特定ランプ45を設ける構成としたが、特定ランプ45を設けずともよい。
(21)上記実施の形態では、遊技領域YSにおける電動式チューリップ34の上方に閉鎖用釘37aを配設することで、電動式チューリップ34が開放状態とならない限り遊技球の入球が不可能な構成であったが、当該閉鎖用釘37aを設けずに、電動式チューリップ34が開放状態でなくても、遊技球の入球が発生し得る構成としてもよい。但し、開放状態とならない限り遊技球が入球しにくい状態としておく。
また、例えば、ソレノイド34cが励磁されていない状況下において、一対の可動翼片34bが遊技球1個分以上の間隔を開けることなく対峙する構成とすることにより、閉鎖状態では遊技球の入球が不可能な構成としてもよい。
(22)上記実施の形態では、電動式チューリップ34に遊技球が入球することで入賞役物装置150が開放状態となる構成であったが、電動式チューリップ34に遊技球が入球することで抽選を行い、当該抽選結果が開状態当選となった場合に入賞役物装置150を開放状態とする構成としてもよい。具体的には、主制御基板271aのROM502に所定の乱数を有する開放抽選カウンタと、開状態当選となる開放抽選カウンタの値が対応付けられたテーブルを設定しておき、電動式チューリップ34に遊技球が入球したタイミングで開放抽選カウンタの更新値をラッチする。そして、このラッチした開放抽選カウンタの値が開状態当選として設定された値の場合に、入賞役物装置150を開放状態とする。
(23)電動式チューリップ34が設けられていない構成であってもよい。この場合、遊技球がスルーゲート33を通過することで、図柄表示装置41において図柄の変動表示が開始され、リーチ変動表示となることで入賞役物装置150が開放状態となる構成とする。
(24)上記実施の形態では、入賞役物装置150内に遊技球入球した場合には、それがV入賞センサ192又は外れ口センサ193により検出されることにより、賞品球の払い出しを実行したが、これに代えて、入口センサ179により検出された段階で賞品球の払い出しを実行する構成としてもよい。
(25)上記実施の形態では、主制御基板271aからのコマンドに基づいて表示制御基板214aが音声ランプ制御装置272を制御する構成としたが、これに代えて、主制御基板271aからのコマンドに基づいて音声ランプ制御装置272が表示制御基板214aを制御する構成としてもよい。
(26)上記実施の形態では、図柄組合せコマンドに、リーチ種別カウンタC2の値及び第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の値が共に設定される構成としたが、これに代えて、リーチ種別カウンタC2の値及び第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の値がそれぞれ別々のコマンドとして設定される構成としてもよい。また、リーチ種別カウンタC2の値及び第1変動種別カウンタCS1の値が1のコマンドに設定され、第2変動種別カウンタCS2の値が別のコマンドに設定される構成としてもよい。つまり、停止させる図柄を決定するためのコマンドと、図柄の変動時間を決定するためのコマンドとが、それぞれ異なるコマンドとして設定された構成としてもよい。
(27)主制御基板271aから表示制御基板214aに対して、図柄組合せコマンドを出力してから特定ランプ45の切替表示時間が経過した後に図柄停止コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、特定ランプ45における表示色の切替時間と、図柄の変動表示時間(リーチ変動表示となる場合にはリーチ変動表示となるまでの時間)とを、確実に同一なものとすることができる。
(28)入賞役物装置150における誘導通路183の位置に遊技球の通過を検出するセンサ(例えば、近接センサ)を設け、その検出結果に応じてリーチ変動表示の態様を変更する構成としてもよい。当該構成としては、例えば、リーチ変動表示中における中図柄列の図柄の変動表示速度を、高・中・低の3種類設定しておく。そして、入賞役物装置150内に遊技球がない場合には高速で変動表示させ、入口センサ179により遊技球の通過が検出された場合には中速で変動表示させ、誘導通路183に設けたセンサにより遊技球の通過が検出された場合に低速で変動表示する。これにより、リーチ変動表示の態様を多様化することができる。