(本開示の基礎となった知見)
特許文献1に開示されるような従来技術では、新たに設定された制御の方を優先する、或いは時間指定がある制御を優先させることにより、競合の回避が実現されている。しかし、先に設定した制御或いは時間指定のない制御がユーザの所望する制御であることもあり、この場合、ユーザの要求に沿うような制御を実現できないという問題がある。
より具体的には、制御対象となる家電機器である対象機器に対して、ある条件が成立すると、電源をONにする設定を行い、次に、先述した条件とは異なる条件が成立すると、対象機器をOFFにする設定を行った場合を想定する。この場合、この2つの条件の成立が同じタイミングで発生すると、同じ対象機器に対してONとOFFとの矛盾した制御が指示され、競合が発生する。
上記の想定を特許文献1の技術に適用すると、特許文献1では新たに設定した電源のOFFの制御が優先されることになる。しかし、ユーザの所望する制御が電源のONであれば、ユーザの要望に反する制御が行われることになる。
また、特許文献2に開示される技術では、所定の制御を行うべき機器がある場合に、予め各々の条件の優先度を決めておく必要がある。そのため、数多くある外部サービスや全機器の序列を事前に決める必要がある。また、制御の条件の設定を追加する毎に、全体の優先度も設定し直す必要があり、手間がかかるという問題がある。
以上のように、同一機器に対する連携制御の競合を回避するための従来技術は、どちらか一方を固定的に優先するという点で必ずしもユーザの意図に応じたものとはならないという課題があった。更に、このような固定的な優先を実現する場合、種々の競合パターンを回避するための膨大な設定が必要となり、競合回避を行う制御装置の処理負荷が増大すると共に、設定を新たに登録する或いは更新するユーザに対して多大な負担を強いるという課題があった。
本開示は、上述の事情を鑑みてなされたもので、同一機器に対する制御の競合を、ユーザの意図に応じて簡易的に回避することができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本開示の一態様に係る制御方法は、ネットワークを介して接続された二以上の機器を制御する制御装置が行う制御方法であって、
所定の時間帯に前記二以上の機器の少なくとも一つの動作状態が変化したことを条件として他の機器を制御するための第一設定を二以上管理し、
第一時間帯に第一機器の動作状態が変化したことを条件として第二機器を制御させる旨の第二設定を受信し、
前記第一設定と前記第二設定とに基づき、前記第一時間帯に、前記二以上の機器のいずれか一つに対して相反する制御が行われるか否かを判断し、
前記相反する制御が行われると判断した場合、前記相反する制御の原因となる一対の第三設定を前記第一設定及び前記第二設定のうちの少なくとも前記第一設定の中から抽出し、
前記一対の第三設定の制御が前記第一時間帯で重複して行われないように、前記一対の第三設定の制御の時間帯を分割すべき旨の通知を送信する。
本態様によれば、第一時間帯に第一機器の動作状態が変化したことを条件として第二機器を制御させる第二設定が受信されると、第一時間帯において、ネットワークに接続された二以上の機器のいずれか一つの機器に対して相反する制御が行われるか否かが判断される。そして、いずれか一つの機器に対して相反する制御が行われると判断された場合、相反する制御の原因となる一対の第三設定が第一設定及び第二設定のうちの少なくとも第一設定の中から抽出される。そして、一対の第三設定の制御が第一時間帯で重複して行われないように、一対の第三設定の制御の時間帯を分割すべき旨の通知が送信される。この通知を受けたユーザは、第三設定の制御の時間帯が第一時間帯で重複しないように、第三設定の制御の時間帯を分割することができる。
これにより、ある時間帯におけるある機器の動作状態の変化を条件として他の機器を制御するための新たな設定が追加されたことに伴い、既存の複数の設定が連動して実行され、結果として特定の機器に対して相反する制御が行われたとしても、この相反する制御を回避することができる。
また、前記第二設定は、前記制御装置と前記ネットワークを介して接続された表示部を備える端末において行われており、
前記通知は、前記相反する制御が発生している旨を前記表示部に表示することにより行われてもよい。
これにより、端末を用いて新たに第二設定を行うユーザに対して、その第二設定により、相反する制御が発生したとしても、そのことをその端末を通じてユーザに知らせることができる。
また、前記表示部に表示される通知は、さらに、前記相反する制御が発生している機器を含むこととしてもよい。
これにより、設定を行うユーザに対して、新たに追加しようとする設定により発生する、相反する制御がどのような機器で発生しているかを知らせることが可能となる。
また、前記表示部に表示される通知は、前記相反する制御を回避するために、前記一対の第三設定の制御の内容を変更するか否かの入力を受け付けるためのメッセージを含んでもよい。
本態様によれば、表示部に表示される通知は、相反する制御を回避するために、一対の第三設定の制御の内容を変更するか否かの入力を受け付けるためのメッセージが含まれている。これにより、第二設定を行うユーザに対して、第三設定の制御の内容を変更することで、相反する制御が回避できることを知らせることができる。
また、前記一対の第三設定の制御の内容を変更する旨の入力を受け付けた場合、前記一対の第三設定において、分割すべき制御の時間帯の候補を前記表示部に表示してもよい。
本態様によれば、一対の第三設定において、分割すべき制御の時間帯の候補が表示部に表示されるので、相反する制御を回避するための設定をユーザに容易に行わせることが可能となる。
また、前記一対の第三設定の制御の内容を変更する旨の入力を受け付けた場合、前記一対の第三設定において、制御の時間帯を分割するためのスライドバーを、前記表示部に表示してもよい。
これにより、新たに追加しようとする設定により発生する、相反する制御を回避するための設定を、ユーザに直感的な操作で容易に行わせることが可能となる。
また、前記相反する制御が行われるか否かの判断は、前記第一設定及び前記第二設定の制御をトレースするシミュレーションにより行われてもよい。
本態様によれば、第一設定及び第二設定の制御をトレースするシミュレーションを行うことで相反する制御が行われるか否かが判断されるので、この判断を正確に行うことができる。
また、本開示の別の一態様に係る制御方法は、ネットワークを介して接続された二以上の機器を制御する制御装置が行う制御方法であって、
所定の時間帯に前記二以上の機器の少なくとも一つの動作状態が変化したことを条件として他の機器を制御するための第一設定を二以上管理し、
第一時間帯に第一機器の動作状態が変化したことを条件として第二機器を制御させる旨の第二設定を受信し、
前記第一設定と前記第二設定とに基づき、前記第一時間帯に、前記二以上の機器のいずれか一つの機器に対して相反する制御が行われるか否かを判断し、
前記相反する制御が行われると判断した場合、前記相反する制御の原因となる一対の第三設定を前記第一設定及び前記第二設定のうちの少なくとも前記第一設定の中から抽出し、前記一対の第三設定のいずれか一方の制御の条件に、前記二以上の機器の中から所定の機器の動作状態を追加することで、前記相反する制御を回避する。
本態様によれば、一対の第三設定のいずれか一方の制御の条件に所定の機器の動作状態が条件として追加されるので、相反する制御の発生を解消できる。
また、前記二以上の機器の動作状態の履歴を蓄積した履歴情報を管理し、
前記第一設定のうち前記第二設定に連動する第四設定を、前記一対の第三設定の一方の設定として抽出し、前記抽出した第四設定の制御が開始される前後の所定時間で第一動作状態にする操作がされ、且つ前記第四設定の制御が終了される前後の所定時間で前記第一動作状態とは異なる第二動作状態にする操作がされる頻度の高い相関機器を前記履歴情報に基づいて決定し、
前記相関機器が前記第二動作状態にあることを前記第四設定の制御の条件に加えてもよい。
本態様によれば、第一設定の中から第二設定に連動する第四設定が抽出され、抽出された第四設定の制御が開始される前後に第一動作状態にする操作がされ、且つ、第四設定の制御が終了される前後の所定時間で第二動作状態にする操作がされる頻度の高い相関機器が履歴情報から決定される。そして、相関機器が第二動作状態であることが、第四設定の制御の条件に加えられ、第四設定が修正される。
ここで、修正前の第四設定の制御の開始時において、相関機器は第二動作状態になる可能性が低いので、修正前の第四設定の条件として、相関機器が第二動作状態であるという条件を追加すると、第二設定に連動して第四設定が実行されることを回避できる。その結果、相反する制御の発生を回避できる。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。
(実施の形態1)
まず、本実施の形態における機器連動コントロールシステムの全体構成について説明する。
1.1 機器連動コントロールシステムの全体構成
図1は、実施の形態1に係る制御装置が適用された機器連動コントロールシステム100の全体構成の一例を示す図である。
図1に示す機器連動コントロールシステム100は、複数の制御対象機器300と、ネットワーク5を介して複数の機器のうち少なくとも1つ以上の制御対象機器300に対する制御を設定するための1以上の情報端末1、及び制御対象機器300を制御する制御機器(WLAN_AP33、ホームGW34、HEMS35、及びホームコントローラ36)、並びにサーバ4を備える。これらの機器はネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。
ここで、情報端末1は、例えばスマートホン、タブレットなど、タッチパネル機能を有する表示部を備える携帯可能な機器で構成されている。なお、情報端末1は、これらの例に限られず、タッチパネル機能を有する表示部を備え、宅内3の制御対象機器300及びサーバ4とネットワーク5を介して接続することができる機器であれば、その種別は問わない。本実施の形態では、情報端末1はスマートホンであるとして以下説明する。
図1に示す宅内3には、光回線終端装置31、ルータ32、WLAN(Wireless LAN)_AP(access point)33、ホームゲートウェイ(以下、HGWと記載)34、HEMS(home energy management system)35、ホームコントローラ36、及び制御対象機器300などの複数の機器が設置されている。これらの機器も機器連動コントロールシステム100を構成する。本実施の形態に係る制御装置は、サーバ4に実装されるが、ルータ32、HGW34、HEMS35、或いはホームコントローラ36に実装されてもよい。
ホームコントローラ36は、制御対象機器300に対して処理要求を行うリモートコントローラとしての機能を有する。
制御対象機器300は、例えば、テレビ301、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)レコーダ302、空気清浄機303、玄関ドア304、照明305、アロマ器306、エアコン307、及び給湯器308といった家電機器で構成されるが、これは一例である。例えば、冷蔵庫、洗濯機等の家電機器が制御対象機器300として採用されてもよい。
制御対象機器300は、HGW34を介して、サーバ4とネットワーク接続が可能である。また、制御対象機器300は、HGW34から通知された処理要求に応じて、所定の処理を実行し、処理結果をHGW34に通知する。ここで、処理要求に応じて行われる処理には、制御対象機器300のON/OFF及び設定変更といった、制御対象機器300を動作させる処理の他、電子メールを送信する、ソーシャルネットワークサービス(SNS)に投稿するといった処理が含まれる。
HGW34は、サーバ4からの処理要求を宅内3の制御対象機器300に通知するとともに、制御対象機器300から取得した情報や処理結果をサーバ4に対して通知する機能を有する。
ネットワーク5は、ローカルエリアネットワーク、或いはインターネットのようなワイドエリアネットワークであってもよいし、両ネットワークが混在するネットワークであってもよい。本実施の形態では、ネットワーク5は、インターネットとして説明する。
サーバ4は、情報端末1からネットワーク5を介して連携制御設定を受け付ける。ここで、連携制御設定とは、所定の時間帯に二以上の機器の少なくとも一つの動作状態が変化したことを条件として、他の機器を制御するための設定である。例えば、玄関ドア304がOpenになった場合、その時刻が18:00から24:00までの間であれば、照明305が点灯するというような設定が連携制御設定に該当する。
サーバ4は、二以上の連携制御設定が登録された連携制御設定テーブル61(図6参照)を宅内3別に管理している。そして、サーバ4は、新たな連携制御設定を情報端末1から受信すると、連携制御設定テーブル61をトレースするシミュレーションを行うことにより、ある一つの制御対象機器300に対して相反する制御が行われるか否かを判定する。ここで、相反する制御とは、例えば、ある一つの制御対象機器300に対してONの制御とOFFの制御とが同時に指示され、制御が競合することを意味する。
サーバ4は、制御の競合が発生すると判断した場合、競合の原因となる一対の連携制御設定を連携制御設定テーブル61の中から抽出する。そして、サーバ4は、抽出した一対の連携制御設定が新たな連携制御設定が指定する時間帯で重複して行われないように、一対の連携制御設定が指定する時間帯を分割すべき旨の通知を情報端末1に送信する。
また、サーバ4は、制御対象機器300の制御を実行するために必要な情報をHGW34に問い合わせる処理を行う。当該条件に適合した際は、サーバ4は、HGW34を介して制御対象機器300に対して処理要求を通知する。
光回線終端装置31は、ルータ32をネットワーク5に接続させる。ルータ32は、WLAN_AP33、HGW34、HEMS35、及びホームコントローラ36と光回線終端装置31との通信を中継する。
WLAN_AP33は、無線LANに対応する制御対象機器300(図1では、テレビ301)とルータ32との通信を中継する。HGW34は、HGW34に対応する制御対象機器300(図1の例では、空気清浄機303、玄関ドア304、照明305、及びアロマ器306)とルータ32との通信を中継する。HEMS35は、HEMS35に対応する制御対象機器300(図1の例では、エアコン307及び給湯器308)とルータ32との通信を中継する。
1.2 情報端末の構成
図2は、実施の形態1における情報端末1の構成の一例を示すブロック図である。情報端末1は、サーバ4に対して連携制御設定を要求する機能を有する。
以下、詳細に説明する。情報端末1は、図2に示すように、表示部11と、取得部12と、制御部13とを備える。取得部12は、例えば情報端末1をネットワーク5に接続するための通信装置及びCPUで構成され、制御部13はCPU、ROM、RAM等を含むコンピュータで構成される。
表示部11は、例えば、タッチディスプレイで構成され、少なくともタッチ入力が可能なユーザインタフェースを含む表示画面を表示する。表示部11は、制御部13の制御の下、表示画面を表示する。すなわち、表示部11は、制御部13により決定された表示態様で、連携制御設定を入力するための操作メニューなどを含む表示画面を表示する。
取得部12は、ネットワーク5を介して、情報端末1の表示部11に表示される表示画面の表示態様を決定するための制御指標を取得する。
ここで、制御指標には、制御対象機器300が存在する場所、制御対象機器300を制御するための情報、制御対象機器300の属性、制御対象機器300の状態、及び制御対象機器300の機能属性などの情報のうち、任意の情報を組み合わせたものが含まれる。
制御部13は、表示部11に表示される表示画面に、制御対象となる制御対象機器300やサービスの候補を表示させると共に、連携制御設定に必要な情報を表示させる。また、制御部13は、取得部12が取得した制御指標に基づいて決定した表示態様で、表示部11に表示される表示画面に1以上の選択メニューを表示させる。
例えば、制御部13は、連携制御設定をユーザに入力させる場合、複数の制御対象機器300の中から連携対象となる制御対象機器300同士を連結させるユーザインターフェースを表示画面を表示してもよい。
この場合、制御部13は、複数の制御対象機器300を表したアイコン同士を矢印で連結させるユーザインターフェースを表示画面に表示すればよい。
また、制御部13は、ある1つのトリガに対して複数の制御対象機器300が連携されるような選択メニューを表示部11に表示させてもよい。
また、制御部13は、同じタイミングで同一機器に対して、ONとOFFとが競合するような連携制御設定が入力された場合、その連携制御設定の条件として設定された時間帯の分割を促す表示画面を表示部11に表示させてもよい。
1.3 サーバの構成
図3は、実施の形態1におけるサーバ4の構成の一例を示すブロック図である。
サーバ4は、データベース(DB)41と、競合判定部42と、競合設定回避部43と、更新部44と、通知部45とを備える。
ここで、競合判定部42は判断部の一例であり、更新部44は管理部及び受信部の一例であり、競合設定回避部43は抽出部の一例である。競合判定部42及び競合設定回避部43、例えばCPUがプログラムを実行ことで実現される。DB41は、例えば、不揮発性の記憶装置で構成される。更新部44及び通知部45は、例えば、コンピュータをネットワーク5に接続する通信装置及びCPUで構成され、CPUがプログラムを実行することで実現される。
競合判定部42は、情報端末1から送信された新たな連携制御設定が更新部44により受信されると、DB41が記憶する連携制御設定テーブル61をトレースするシミュレーションを行うことにより、ネットワーク5に接続された制御対象機器300の中からある一つの制御対象機器300に対して制御の競合が発生するか否かを判定する。
競合設定回避部43は、競合判定部42により制御の競合が発生すると判定された場合、競合の原因となる一対の連携制御設定を連携制御設定テーブル61の中から抽出する。
更新部44は、新たな連携制御設定を情報端末1から受信すると、受信した連携制御設定を、DB41が記憶する連携制御設定テーブル61(図6参照)に登録する。
また、更新部44は、制御対象機器300の状態変化をリアルタイムに監視している、WLAN_AP33、HGW34、HEMS35から、制御対象機器300の現在の動作状態を取得し、DB41が記憶する制御対象機器300の現在の状態情報を更新する。
通知部45は、競合設定回避部43により抽出された一対の連携制御設定が、新たに追加された連携制御設定が条件として指定する時間帯で重複して行われないように、一対の連携制御設定の時間帯を分割すべき旨の通知を情報端末1に送信する。
図4A、図4Bは、図1に示す機器連動コントロールシステム100において、新たな連携制御設定が入力される際の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、情報端末1は、ユーザからの操作に基づいて、連携制御設定機能を起動する(S1)。ここで、情報端末1には、連携制御設定機能を実行するためのアプリケーションが事前にインストールされており、このアプリケーションを実行する操作がユーザにより入力されることで、S1の処理が実行される。
次に、サーバ4の通知部45は、情報端末1の表示部11に、連携制御設定の開始条件となるトリガ候補を表示させる(S2)。トリガ候補には、制御対象機器300、センサ、或いはサービスの候補が含まれる。ここで、情報端末1の取得部12はサーバ4から送信される制御指標を取得し、情報端末1の制御部13は、取得された制御指標にしたがった表示態様で、トリガ候補をユーザに選択させる選択メニューを表示部11に表示させればよい。
選択メニューは、例えば、制御対象機器300、センサ、或いはサービスを選択する項目を含む第1階層と、種類を選択する項目を含む第2階層と、詳細設定を選択する項目を含む第3階層とを備えるような階層構造の選択メニューが採用されてもよい。サービスとしては、天気をユーザに知らせるサービスや、株価をユーザ知らせるサービスや、防犯のサービスなどが採用できる。
第1階層の選択メニューの中からある項目が選択されると、情報端末1の制御部13は、選択された項目に応じた第2階層の選択メニューを表示部11に表示する。例えば、第1階層でセンサが選択されたとすると、玄関のドアの開閉センサを選択させる「玄関ドア開閉」やガレージの開閉センサを選択させる「ガレージ開閉」といった項目が第2階層の選択メニューとして表示される。このように第2階層で選択される種類には機器と機器の設置場所とが含まれている。
第2階層の選択メニューの中からある項目が選択されると、制御部13は選択された項目に応じた第3階層の選択メニューを表示部11に表示させる。例えば、第2階層で「玄関ドア開閉」の項目が選択されたとすると、玄関ドアを開ける「開」の項目と、玄関ドアを閉める「閉」の項目とを含む第3階層の選択メニューが表示される。ここで、ユーザが「開」の項目を選択したとすると、トリガが確定される。この選択メニューを通じてユーザは、図6のトリガ63に示す「場所/機器」と「Valueの変化点」とを入力する。
次に、サーバ4の更新部44は、情報端末1において、ユーザによりトリガ候補を選択する操作が入力されたか否かを確認する(S3)。なお、S3において、トリガ候補を選択する操作が入力されなかった場合(S3でno)、更新部44は、処理をS2に戻し、該当する操作の入力を待機する。一方、トリガ候補を選択する操作が入力された場合(S3でyes)、処理はS4に進められる。上記の階層構造の選択メニューが採用される場合、第3階層までの項目の選択が終了するとS3でyesと判定され、第3階層までの項目の選択が終了されなければ、S3でnoと判定される。
次に、情報端末1の取得部12は、ネットワーク5を介して、サーバ4から表示画面の表示態様を決定するための制御指標を取得し、制御部13は、S3で選択されたトリガによって動作する制御対象機器300の候補と、候補となる制御対象機器300に対する制御内容の候補とを表示画面に表示させる(S4)。この表示画面は上述したような階層構造を持つ選択メニューを含むものであってもよい。この選択メニューを通じてユーザは、図6の実行64に示す「場所/機器」と「Value」とを入力する。
次に、サーバ4は、情報端末1において、ユーザにより、表示画面に表示された候補の中から、制御対象機器300と制御対象機器300の制御内容とを選択する操作が入力されたか否かを確認する(S5)。なお、S5において、制御対象機器300と、制御対象機器300の制御内容とが選択されたことが確認できなかった場合(S5でno)、サーバ4は、処理をS4に戻し、該当する操作の入力を待機する。
次に、情報端末1の取得部12は、ネットワーク5を介して、サーバ4から表示画面の表示態様を決定するための制御指標を取得し、S5で選択された制御対象機器300を制御する際の条件を入力するための表示画面を表示させる(S6)。ここで入力される条件としては、S3で選択されたトリガが発生する時間帯を制約する条件が採用される。
例えば、トリガとして「玄関ドアのOpen」が選択され、制御対象機器300及び制御内容として「照明のON」が選択され、条件として「夜の時間帯(18:00−24:00)」が選択されたとする。この場合、条件で設定した「夜の時間帯(18:00−24:00)」以外の時間帯で「玄関ドアがOpen」にされたとしても、照明は点灯しない。
図5は、時間帯を設定させる際に表示部11に表示される表示画面51の一例を示す図である。表示画面51では、朝(6:01−11:00)、昼(11:01−15:00)、夕方(15:01−18:00)、夜(18:01−24:00)、及び未明(0:01−6:00)に対応する5つの選択欄52〜56が表示されている。ユーザは、これら5つの選択欄52〜56の中から所望する1つの選択欄を選択する。このように、表示画面51では、設定の容易性の観点から、1日の時間帯を5つに区分することで得られる5つの時間帯の中から、1つの時間帯をユーザに選択させる表示態様が採用されている。
図4Aに参照を戻す。サーバ4の更新部44は、情報端末1において、ユーザにより、S6で表示される表示画面において条件が入力されたことを確認する(S7)。ここでは、更新部44は、情報端末1において、表示画面51に表示された選択欄52〜56の中から1つの選択欄が選択されたことを確認する。なお、表示画面51において、条件無しの選択欄(図略)が設けられていてもよい。S7において、更新部44は、条件の入力を確認できなかった場合(S7でno)、処理をS6に戻し、条件の入力を待機する。
次に、サーバ4の競合判定部42は、DB41から、過去に設定した連携制御設定が登録された連携制御設定テーブル61を参照し、今回追加される連携制御設定によって、同じタイミングで同一の制御対象機器300に対して制御の競合が発生するか否かを判定する(S8)。
この競合の判定について、図6の例を用いて具体的に説明する。図6は、実施の形態1における連携制御設定テーブル61の一例を示す図である。連携制御設定テーブル61は、1つのレコードに対して1つの連携制御設定が登録されており、設定62、トリガ63、実行64、及び条件65を対応付けて記憶する。なお、図6において、No.1〜No.6の連携制御設定が第一設定の一例に相当し、No.7の連携制御設定が第二設定の一例に相当する。
設定62は、連携制御設定の識別子である。図6の例では、設定62には、設定順に1つずつ値が増大する数値が採用されている。トリガ63は、連携制御設定の開始条件を示し、「場所/機器」と「Valueの変化点」とを含む。「場所/機器」は、連携制御設定の開始条件となるトリガ機器(制御対象機器300、センサ、或いはサービス)と、そのトリガ機器の宅内3での設置場所とを示す。
「Valueの変化点」は、「場所/機器」で示すトリガ機器の動作状態の変化内容を示す。すなわち、「場所/機器」で示すトリガ機器の動作状態が「Valueの変化点」で示す変化内容に変化したことが、連携制御設定の開始のトリガとなる。
実行64は、トリガ63に連動して実行される制御内容を示し、「場所/機器」と「Value」とを含む。「場所/機器」は、トリガ63に連動して実行される制御対象機器300と、その制御対象機器300の宅内3での設置場所とを示す。「Value」は、「場所/機器」で示す制御対象機器300に対する制御内容を示す。
条件65は、連携制御設定を開始するに際してトリガ63が満たすべき条件を示し、「種類」と「Value」とを含む。「種類」は、条件65の種類を示し、図6の例では、「時間帯」が採用されている。「Value」は、「種類」の内容を示し、図6の例では、「時間帯」を示す数値が採用されている。
図6の例では、夜間の帰宅時の連携制御を目的に、No.1の「トリガ:玄関ドアのOpen、実行:ホール照明のON、条件:夜(18:00−24:00)」の連携制御設定と、No.2の「トリガ:玄関ドアのOpen、実行:全室空気清浄機のON、条件:なし」の連携制御設定とが登録されている。
次に、夜間の就寝時の連携制御を目的に、No.3の「トリガ:リビング照明のOFF、実行:階段照明のON、条件:夜(18:00−24:00)」の連携制御設定と、No.4の「トリガ:階段照明のON、実行:寝室照明のON、条件:夜(18:00−24:00)」の連携制御設定と、No.5の「トリガ:寝室照明のON、実行:寝室アロマ器のON、条件:夜(18:00−24:00)」の連携制御設定とが登録されている。
また、アロマ器をONすることにより発生したアロマが空気清浄機により除去されることを防止するために、No.6の「トリガ:寝室アロマ器のON、実行:寝室空気清浄機のOFF、条件:なし」の連携制御設定が登録されている。
このような設定がなされている状況において、就寝時の連携制御の拡張を目的に、No.7の「トリガ:ホール照明のON、実行:階段照明の点灯、条件:夜(18:00−24:00)」の連携制御設定が新たに追加されたとする。
この場合、夜(18:00−24:00)に玄関ドアがOpenされると、夜間の帰宅時の連携制御を目的とするNo.1及びNo.2の連携制御設定のトリガ63と条件65とが満たされることになり、「ホール照明のON」と「全室空気清浄機のON」とが実行される。これにより、No.7の連携制御設定のトリガ63である「ホール照明のON」及び条件65である「夜(18:00−24:00)」が満たされることになり、「階段照明のON」が実行される。これにより、夜間の就寝時の連携制御を目的とするNo.4の連携制御設定のトリガ63である「階段照明のON」と条件65である「夜(18:00−24:00)」とが満たされることになり、「寝室照明のON」が実行される。
これに続けて、No.5及びNo.6の連携制御設定が実行されることとなり、「寝室空気清浄機のOFF」が実行されることになる。一方、上記のように、No.2の連携制御設定により寝室空気清浄機がONされている。その結果、寝室空気清浄機に対して、ONとOFFとが同時に実行されることになる。
以上のように、各々異なる目的によって設定した連携制御が繋がり、同じタイミングで同一機器に対して制御の競合が発生してしまうことになる。
図7は、図6に示す連携制御設定テーブル61をツリー構造で示した図である。図7において、左側の点線で囲んだ枠は、夜間の帰宅時の連携制御設定を示し、右側の点線で囲んだ枠は夜間の就寝時の連携制御設定を示している。図7において、矢印に付した「No.+数値」は図6の設定62を示している。
図7において、No.1〜No.6の連携制御設定が設定済みである場合において、ユーザは、帰宅時において、「どうせなら階段の照明も付けておこう」と考え、No.7の連携制御設定を新たに追加している。すなわち、ホール照明のONに連動して階段照明をONさせる連携制御設定が新たに追加されている。
これにより、No.7の連携制御設定の実行によりNo.4の連携制御設定が実行され、夜間の帰宅時の連携制御設定と就寝時の連携制御設定とが連動してしまう。その結果、No.4→No.5→No.6の連携制御設定が実行され、寝室空気清浄機がOFFという制御と、No.2の連携制御設定の実行による空気清浄機のONという制御とが同時に発生し、制御の競合が発生する。
そこで、競合判定部42は、連携制御設定テーブル61に登録された連携制御設定をトレースするシミュレーションを実行することで、制御の競合が発生するか否かを判定する。このシミュレーションとしては、例えば、図7に示すようなツリーを作成する手法が採用できる。或いは、このシミュレーションとしては、例えば、連携制御設定テーブル61に登録された連携制御設定の中から、最初に実行する連携制御設定をNo.1からNo.7まで順番に変えながら、連携制御設定テーブル61に登録された連携制御設定を順次にトレースする処理を繰り返す手法が採用できる。
或いは、このシミュレーションとしては、連携制御設定テーブル61で示す、各連携制御設定に対してIF、THEN、THATのロジックを割り付けて、シミュレーションを行う手法が採用できる。
図4Bに参照を戻す。S8において、競合判定部42が競合が発生すると判定した場合(S8でno)、競合設定回避部43は、競合の原因となる一対の連携制御設定を連携制御設定テーブル61の中から抽出する(S9)。
ここで、前述の例では、競合の発生は、No.7の条件である「夜(18:00−24:00)」が、No.1の条件である「夜(18:00−24:00)」と合致していることに起因している。
そのため、これら2つの連携制御設定の条件が同時に満たされないように時間帯を分割すれば、No.1が実行されてNo.7のトリガ63となる「ホール照明のON」が実行されたとしても、No.7の条件65は満たされなくなるので、「階段照明のON」が実行されなくなる。これにより、図7に示すように、「階段照明のON」の実行に連動する、No.4、No.5、及びNo.6の連携制御設定が実行されなくなる。その結果、寝室空気清浄機に対して、ONとOFFとが同時に実行されることを回避できる。
そこで、競合設定回避部43は、新たに追加した連携制御設定と、この連携制御設定に対して、時間帯が重複する連携制御設定とを競合の原因となる一対の連携制御設定として抽出する。図7に示すツリーの例では、No.7の連携制御設定と時間帯が重複する連携制御設定のうち、最上流にある連携制御設定を抽出するというルールの下、No.1の連携制御設定が抽出されたが、これは一例であり、競合が回避できる連携制御設定であれば、どのような連携制御設定が抽出されてもよい。この例では、No.1、No.7が一対の第三設定の一例に相当する。
例えば、図7に示すように、寝室空気清浄機の制御の競合を回避するには、No.7が実行されても、No.7とNo.6との間にあるNo.3、No.4、No.5のいずれかの連携制御設定が実行されなければよい。そこで、No.7の連携制御設定と、No.3、No.4、No.5のうちいずれか1つの連携制御設定とが競合の原因となる一対の連携制御設定として抽出されてもよい。
また、上記の例では、競合設定回避部43は、抽出する一対の連携制御設定に、新たに追加された連携制御設定を含ませたが、既存の連携制御設定の中から競合の原因となる一対の連携制御設定を抽出してもよい。
例えば、図7の例において、寝室空気清浄機の競合を回避するには、No.1とNo.2の連携制御設定の時間帯を分割することでも実現可能である。そこで、競合設定回避部43は、No.1とNo.2との連携制御設定を、競合の原因となる一対の連携制御設定として抽出してもよい。また、図7の例において、寝室空気清浄機の競合を回避するには、No.1の連携制御設定と、No.2、No.3、No.4、No.5のいずれかの連携制御設定との時間帯を分割することでも実現可能である。そこで、競合設定回避部43は、No.1の連携制御設定とNo.2、No.3、No.4、No.5のいずれかの連携制御設定とを競合の原因となる一対の連携制御設定として抽出してもよい。
図4Bに参照を戻す。通知部45は、S9で抽出した連携制御設定において、「条件」に記載された時間帯の分割をユーザに促すための通知を情報端末1に送信する(S10)。次に、情報端末1の制御部13は、S10で送信された通知を示す表示画面を表示部11に表示させる(S11)。
図8は、時間帯の分割をユーザに促すための通知を示す表示画面71,72の一例を示す図である。図8のセクション(a)に示すように、表示画面71には、競合の原因となる連携制御設定の内容を示す表示欄711と、制御が競合した制御対象機器300を示す表示欄712とが含まれている。
上記の例では、玄関ドアのOpenをトリガに寝室空気清浄機の競合が発生している。そのため、表示欄712には、「不整合内容 玄関ドアOpenによる寝室空気清浄機のONとOFFの同時制御」と記載され、トリガの内容と制御が競合している制御対象機器300とが明示されている。また、表示欄711には、「設定した内容 トリガ:ホール照明 制御:階段照明 条件:夜(18:00−24:00)」と記載され、時間帯の変更対象となるNo.7の連携制御設定の内容が表示されている。
表示画面71の下部には、「はい」と記載されたボタン713と、「設定キャンセル」と記載されたボタン714とが配置されている。
連携制御設定の変更を承諾する場合、ユーザはボタン713を選択する操作を入力し、新たに追加した連携制御設定を破棄する場合、ユーザはボタン714を選択する操作を入力する。
ボタン713を選択する操作が入力されると、表示部11は、図8のセクション(b)に示す表示画面72を表示する。表示画面72には、制御の競合を回避するための複数の時間帯の候補を示す候補表示欄721〜723が含まれている。
図7のセクション(a)の例では、夜(18:00−24:00)の時間帯に、No.7の連携制御設定によって、寝室空気清浄機の競合が発生していることが示されている。そのため、図7のセクション(b)では、夜(18:00−24:00)の時間帯を分割することをユーザに促すために、候補となる時間帯「18:01−20:00」、「20:01−22:00」、及び「22:01−24:00」の3つの時間帯を示す候補表示欄721〜723が表示されている。
ユーザは、表示画面72において、候補表示欄721〜723の中から、所望する時間帯の候補表示欄721〜723を選択する操作を入力することで、No.7の連携制御設定の時間帯を分割する。
なお、時間帯の分割をユーザに促すための表示画面は、図8のセクション(b)に示す表示画面72に限定されない。図9は、時間帯の分割をユーザに促すための別の一例の表示画面91を示す図である。表示画面91には、No.1の連携制御設定の時間帯を分割するためのスライドバー911とNo.7の連携制御設定の時間帯を分割するためのスライドバー912とが表示されている。スライドバー911,912にはゲージGが表示されており、ゲージGの左端は分割前の時間帯の開始時刻を示し、ゲージGの右端は分割前の時間帯の終了時刻を示している。ここでは、No.1、No.7とも分割前の時間帯は「18:00−24:00」なので、スライドバー911,912において、ゲージGの左端には「18:00」、ゲージGの右端には「24:00」と記載されている。
ユーザは、スライドバー911,912のいずれか一方を選択し、選択したスライドバーの左端を左右にスライドさせることで、分割後の時間帯の開始時刻を設定し、選択したスライドバーの右端を左右にスライドさせることで、分割後の時間帯の終了時刻を設定する。この例では、スライドバー911が選択され、左端が20:01に設定され、右端が22:00に設定されている。
これに連動して、選択されなかった方のスライドバー912は、スライドバー911において設定された時間帯が含まれないように、表示形態を変更する。これにより、ユーザは、No.1とNo.7との連携制御設定の時間帯が重複しないように両時間帯を分割できる。この例では、スライドバー912は、スライドバー911の操作に連動して「18:00−20:00」と「22:01−24:00」との時間帯にNo.7の時間帯を分割させている。
なお、図9の例では、ユーザはスライドバーを操作することで時間帯を分割したが、これは一例であり、直接時間を入力することで時間帯を分割してもよい。
図4Bに参照を戻す。S12において、ユーザにより時間帯を分割する操作が入力されると(S12でyes)、情報端末1は、入力結果をサーバ4に送信する。一方、分割する操作が入力されなければ(S12でno)、処理をS11に戻し、操作の入力を待機する。なお、図8のセクション(a)の表示画面71においてボタン714を選択する操作が入力された場合、すなわち、新たに追加する連携制御設定をキャンセルする操作が入力された場合もS12でyesと判定される。
S8において、競合判定部42が競合が発生しないと判定した場合(S8でyes)、或いは、S12において、時間帯を分割する操作が入力された場合(S12でyes)、処理はS13は進められる。
S13において、サーバ4の更新部44は、入力結果にしたがって、連携制御設定テーブル61において該当する連携制御設定の内容を更新する。例えば、図8の表示画面72において、「22:01−24:00」の時間帯が選択されたとすると、更新部44は、図6において、No.7の連携制御設定の時間帯を「22:01−24:00」に更新し、且つ、No.1の連携制御設定の時間帯を「18:00−22:00」に更新する。
以上により、18:00−20:00の時間帯に玄関ドアがOpenされても、No.7の連携制御設定は実行されず、寝室空気清浄機の制御の競合が回避される。
なお、S8でyesと判定されて処理がS13に進められた場合、更新部44は、新たに追加されたNo.7の連携制御設定を連携制御設定テーブル61に正式に登録すればよい。また、図8のセクション(a)においてNo.7の連携制御設定を破棄するボタン714が選択されて、処理がS13に進められた場合、更新部44は、連携制御設定テーブル61に仮登録しておいたNo.7の連携制御設定を削除すればよい。
以降、図6に示す連携制御設定テーブル61のいずれかの連携制御設定において、トリガ63及び条件65に適合する状況が発生すると、通知部45は、ネットワーク5を介してHGW34に、該当する制御対象機器300の制御信号を送信し、HGW34は、その制御信号を該当する制御対象機器300に送信する。これにより、連携制御設定が実行される。なお、本実施の形態では実行64における制御対象は、制御対象機器300であるとして説明したが、サービスやセンサであってもよい。制御対象がサービスである場合、サーバ4は、制御信号をHGW34ではなく、該当サービスを管理する別のサーバに直接通知してもよい。
上記実施の形態では、サーバ4の更新部44は、制御対象機器300の状態変化をリアルタイムに検知しているHGW34との通信を通じて、制御対象機器300の現在の状態情報を取得するとして説明した。
これは一例であり、サーバ4の更新部44は、情報端末1からの処理要求があるたびに、制御対象機器300の状態を、HGW34を介して制御対象機器300に問い合わせてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、複数の連携制御設定のそれぞれの条件として設定された時間帯に着目し、これを適切に分割することによって、同一の機器に対する矛盾した制御を回避することができる。また、本実施の形態の手法は、矛盾した制御のどちらかを固定的に優先する手法ではなく、種々の競合パターンを回避するための膨大な設定を必要としない。したがって、本実施の形態によれば、同一機器に対する連携制御の競合を、ユーザの意図に応じかつ簡易的に回避することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、時間帯の分割をユーザに促す表示画面を情報端末1に表示する態様に代えて、競合の原因となる連携制御設定の条件65に制御対象機器300の動作状態を追加することで制御の競合を回避することを特徴とする。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一構成には同一の符号を付して説明を省く。
本実施の形態において、競合設定回避部43は、条件65において、ある制御対象機器300の動作状態を追加することにより競合を解消する。この場合、競合設定回避部43は、DB41に記憶された制御対象機器300の動作状態の履歴を示す履歴情報を参照することで、条件65に追加する制御対象機器300の動作状態を決定すればよい。以下、具体的に説明する。
図10は、DB41が記憶する履歴情報1000の一例を示す図である。この履歴情報1000は、サーバ4がWLAN_AP、HGW34、及びHEMS35等と適宜通信することでサーバ4により作成及び管理されている。図10の例では、帰宅時である20:00において新たに追加されたNo.7の連携制御設定が実行され、階段照明がONされ、これに連動して、No.4の連携制御設定が実行され、寝室照明がONされている。また、就寝時である23:00に階段照明がOFFされ、No.4の連携制御設定が終了されている。
一方、テレビは、20:10にONされており、No.4の連携制御設定が開始される20:00の前後10分以内にONされていることが分かる。また、テレビは、22:55にOFFされており、No.4の連携制御設定が終了される23:00の前後10分以内にOFFされていることが分かる。このことから、テレビは、No.4の連携制御設定と相関が高く、No.4の連携制御設定の開始時刻である20:00には、テレビはONされる可能性が高いので、No.4の連携制御設定の条件に「テレビ:OFF」を追加すると、帰宅時にNo.4の連携制御設定の実行を回避できることが分かる。
図11は、実施の形態2における競合を回避する処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートでは、図6に示す連携制御設定テーブル61が使用されているものとする。なお、図11に示すフローチャートは、実際に競合が発生したときに実行されてもよいし、新たな連携制御設定が追加されたときに実行されてもよい。
まず、競合判定部42は、図6に示す連携制御設定テーブル61をトレースすることで玄関ドアのOpenをトリガに寝室空気清浄機で競合が発生すると判定する(S101)。
次に、競合設定回避部43は、最も最近に追加した連携制御設定(以下、「追加ルール」と記述する。)を特定する(S102)。ここでは、No.7の連携制御設定が追加ルールとして特定される。
次に、競合設定回避部43は、追加ルールに連動する連携制御設定(以下、「次のルール」と記述する。第四設定に相当)を特定し、特定した次のルールと相関の高い制御対象機器300を履歴情報1000から特定する(S103)。例えば、競合設定回避部43は、過去1週間の履歴情報1000を参照し、次のルールの開始時刻に前後する所定時間(例えば前後10分ずつの合計20分)と次のルールの終了時刻に前後する所定時間とに、動作状態が所定回(例えば3回)以上変化した制御対象機器300を相関の高い制御対象機器300として特定すればよい。ここでは、No.4の連携制御設定が次のルールとして特定される。また、履歴情報1000に示すように、テレビは、No.4の連携制御設定の開始時刻(20:00)に前後の少なくとも一方を含む所定時間にON(第一動作状態に相当)し、No.4の連携制御設定の終了時刻(23:00)に前後の少なくとも一方を含む所定時間にOFF(第二動作状態に相当)する動作状態の変化パターンを、過去1週間に3回以上示したので、テレビが相関の高い制御対象機器300として特定される。
次に、競合設定回避部43は、次のルールの終了時刻に前後する所定時間(例えば前後10分ずつの合計20分)において、次のルールと相関の高い制御対象機器300の動作状態を特定する(S104)。ここでは、No.4の連携制御設定の終了時刻である23:00の5分前の22:55にテレビがOFFされているので、テレビのOFFが動作状態として特定される。
次に、更新部44は、次のルールの条件に、次のルールと相関の高い制御対象機器300と、S104で特定された動作状態とを追加する。ここでは、No.4の連携制御設定の条件に「テレビ:OFF」が追加される。
これにより、帰宅時の玄関ドアのOpenをトリガにNo.1及びNo.7の連携制御設定が実行されても、No.4の連携制御設定が実行されなくなる。その結果、No.5、No.6の連携制御設定が実行されず、寝室空気清浄機の制御の競合を回避できる。
なお、実施の形態2において、相関の高い制御対象機器300の動作状態を条件として追加する場合、追加候補となる制御対象機器300とその動作状態とを情報端末1の表示部11に表示させてユーザに提示してもよい。そして、ユーザから条件の追加に対する承諾が得られた場合に、競合設定回避部43は、該当する連携制御設定の条件65に該当する制御対象機器300とその動作状態とを追加するようにしてもよい。
以上、本実施の形態に係る機器連動コントロールシステムについて説明したが、本開示は、上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、上記の実施の形態とは異なる構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれる。
なお、図2及び図3に示す構成要素は、専用のハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。後者の場合、各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されればよい。