以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図11を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図4はリールの外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図5は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7はステッピングモータのステップ数の割り当て状態を説明するための説明図であり、図8は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図9は役に割り当てられたストップボタンの押し順を示す説明図であり、図10はリールの停止制御に用いられるテーブルを説明するための説明図であり、図11はこのスロットマシン1における遊技状態及び演出状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、所定の図柄の組み合わせを所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行う主制御手段100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御する副制御手段200と、から構成されている。
(主制御手段100)
主制御手段100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う当選役決定手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う入賞判定手段130、入賞時の遊技メダルの払い出し等を制御する払出制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段160、後述するフリーズ制御を行うフリーズ制御手段170、操作手段30を構成するストップボタン33a〜33cの押し順を判定する操作順序判定手段175、遊技に関する情報を外部集中端子板80を介して外部機器(例えば、スロットマシン1を管理するホールコンピュータや各々のスロットマシン1の状態を表示する表示装置等)に出力する外部信号送信手段180、主制御手段100から副制御手段200に制御コマンドを送信する制御コマンド送信手段185、及び、第2乱数発生手段190を有して構成されている。この主制御手段100は、図3に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選や演出(例えば、フリーズ演出)の抽選等を行うための乱数値を発生させる乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、副制御手段200と通信を行うI/F回路105と、が主制御基板上に取り付けられて構成されており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。この主制御手段100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。なお、メインCPU101には、プログラムの実行で用いる数値等を記憶するレジスタを有しており、以下の説明では、このレジスタを用いた処理について説明するが、これらの処理は一例であって、メインCPU101のレジスタとRAM103とは適宜使用することができる。
この主制御手段100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。そして、3個のリール21a〜21cが、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらの左リール21a、中リール21b及び右リール21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄(図柄90〜98)が見えるように配置されている。
リール21a〜21cの各々には、例えば、図4に示すように0番から19番までの20個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図4に示す図柄及びその配置は一例である。また、図2に示すように、リール駆動手段22(22a〜22c)は、ステッピングモータ等で構成され、リール21(21a〜21c)の各々の回転中心部に連結され、その作動は主制御手段100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、有効ライン上に表示されている図柄を判定するときに各々のリール21a〜21cの停止位置を決定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値は主制御手段100により読み出され入賞判定手段130により処理される。ここで、各々のリール駆動手段22(22a〜22c)の上方には、リールセンサが配置されている。このリールセンサは、リール21(21a〜21c)の基準となる位置を検知するものであり、リール21(21a〜21c)に取り付けられた被検知部材(インデックス)が、リール駆動手段22(22a〜22cのベース)に取り付けられたリールセンサによって検出されるように構成されている。ここで、被検知部材は、リール21a〜21cの図柄番号0(の下端)が有効ラインに位置するタイミングで検知されるように取り付けられている。これにより、リール21(21a〜21c)が一回転するごとに、それぞれの被検知部材がリールセンサにより検知され、基準となる位置を特定することができ、このインデックスを検知したときに現在の回転位置を0クリアすることで、この基準となる位置に基づいて各々のリール21a〜21cの停止位置を決定することができる。なお、リールセンサとしては、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等を用いることができる。
また、リール表示窓11から見える9つの図柄に対応する箇所のそれぞれの後方に、複数のバックランプ44が配置されている。このバックランプ44を点灯することにより、各図柄を強調表示することができる。あるいは、全てのバックランプ44を点灯し、強調したいライン上のバックランプ44の照度を高くし、強調したくないその他のバックランプ44の照度を低くしてもよい。具体的には、各々の箇所に配置された複数のバックラップ44の点灯個数を調整する、バックラップ44の単位時間当たりの点灯時間/消灯時間の比率(デューティ比)を変更する、又は、バックラップ44がフルカラーLEDで構成されているときに暗めの色で点灯させる等で実現することができる。このように、リール21(21a〜21c)は、複数の図柄が表示された複数の表示領域(リール表示窓11から見える合計9つの図柄の領域)を変動表示させる変動表示手段としての機能を有し、また、バックランプ44は、この変動表示手段の表示領域に対する演出を行う表示領域演出手段としての機能を有している。また、後述する入賞役−B1〜B8のようにストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている役に対してその押し順を演出として報知するときに、後述する無効ライン上にあるバックランプ44を点滅させたり、ストップボタン33a〜33cの停止操作毎に複数ある無効ライン上のバックランプ44を、1ラインずつ消灯するように構成してもよい。
また、主制御手段100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、清算ボタン34、電源スイッチ35、設定変更キースイッチ36、及び、リセット/設定スイッチ37を有している。
スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(後述する「クレジット」)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって後述する図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、図柄組み合わせラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に電子的な情報として貯留される(例えば、RAM103に記憶される)ように構成されている(以下、単に「貯留」と呼ぶ)。また、清算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。また、電源スイッチ35は、このスロットマシン1の電源をオン・オフするためのスイッチである。また、設定変更キースイッチ36およびリセット/設定スイッチ37は、後述する設定値設定手段150で設定値を変更するとき等に用いられる。
また、この主制御手段100の入力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルを検出するための2つのセンサ(第1投入センサ61及び第2投入センサ62)、遊技メダルを払い出す装置であるホッパー装置から払い出された遊技メダルを検出する払出センサ71、前扉3の開閉を検出するドアスイッチ91、並びに、設定変更キースイッチ36等が格納されたエリアのドアの開閉を検出する設定ドアスイッチ92が接続されている。第1及び第2投入センサ61,62並びに払出センサ71の検出結果は払出制御手段140で処理され、ドアスイッチ91及び設定変更キースイッチ36は設定値設定手段150で処理される。なお、メダル投入口51からホッパー装置に連通する流路に対し、上流側に第1投入センサ61が配置され、下流側に第2投入センサ62が配置されている。また、この流路を遊技メダルが流下する過程で、第1及び第2投入センサ61,62が同時に遊技メダルを検出するタイミングがあるように配置されている。なお、第1及び第2投入センサ61,62の上流に第3投入センサを設け、遊技メダルが第3投入センサを通過したときから第1及び第2投入センサ61,62で検出される時間に基づいて以上の判定を行うように構成してもよい。
また、この主制御手段100の出力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルの流路を決定するセレクタに設けられたブロッカ60、ホッパーモータ70および外部集中端子板80が接続されている。ここで、ブロッカ60は、遊技メダルを受け付けない期間にメダル投入口51から投入されたメダルを返却用の流路に導く機能を有している。また、ホッパーモータ70は、ホッパー装置から遊技メダルを払い出すときに作動する。これらのブロッカ60及びホッパーモータ70の動作は、払出制御手段140により制御される。
(当選役決定手段110)
当選役決定手段110は、図3に示す乱数発生器102(以降の説明では、この乱数発生器102を「第1の乱数発生手段」とも呼ぶ)から第1の乱数値を取得し、この乱数発生器102とは異なる第2の乱数発生手段190(詳細は後述する)から第2の乱数値を取得して、これらの第1の乱数値及び第2の乱数値を演算により処理して第3の乱数値(判定用数値)を生成し、この第3の乱数値と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルとにより役に当選したか否かを判定するように構成されている(以下、役抽選テーブルに設定された役毎の当選確率のデータを「確率データ」と呼ぶ)。この当選役決定手段110による当選役の決定方法については後述する。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1の役としては、図5に示すように、特別役、入賞役、及び、再遊技役が設けられている。この当選役決定手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段111に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、当選役決定手段110は、当選役を決定し、変動表示手段の表示領域を変動表示させるときに、少なくともその変動表示内容(停止図柄)を決定する役決定手段及び抽選手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが後述する有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態に移行されるという役であり、本実施形態においては、MB(ミドルボーナス)が設けられている。このMBは特別遊技の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図5に示す特別役MBの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、MB遊技に移行するように構成されている。なお、MB遊技は、抽選結果に関わらず全ての入賞役が当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、30枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、右リール21cが該当する)。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、MB遊技においてベットされる遊技メダルの枚数は2枚に設定されている。
なお、特別役はこのMBに限定されることはなく、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、CB(チャレンジボーナス)等を設けることもできる。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。ここで、BB遊技は、一般遊技と所定入賞役が高確率で当選するボーナスゲーム(RB)とを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。他にも、一般遊技とボーナスゲーム(BB遊技)とで当選する図柄の組み合わせの当選確率がボーナスゲームの方が一般遊技よりも有利になるように構成することができる。また、RB遊技は、所定入賞役が高確率で当選するボーナスゲームを12回行うか、8回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、SBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、所定入賞役が高確率で当選するボーナスゲームを1遊技行うSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。また、CBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、抽選結果に関わらず全ての入賞役が当選した状態となり、1遊技の結果が得られた場合に終了する。このCB遊技において、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるように定められている。また、後述するAT遊技の作動の契機となる役(AT作動役)の当選に対してフラグ情報記憶手段111に対して特別役のフラグをオンにし、このAT作動役の図柄の組み合わせ(AT作動図柄)が有効ライン上に停止表示されることでオフするように構成してもよい。
また、入賞役とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、図5に示すように、入賞役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払い出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。この本実施形態に係るスロットマシン1においては、入賞役として入賞役−01〜26が設定されている。また、再遊技役(リプレイ)とは、この再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示すように再遊技役−01〜04が設定されている。なお、再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した次の遊技においても、貯留枚数が最大でない限りは、メダル投入口51からの遊技メダルの投入は可能である。
この当選役決定手段110は、抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段111、及び、当選役決定手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段112を有している。
(フラグ情報記憶手段111)
フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110によって何らかの役に当選したとき(後述するように、役抽選処理S5080において当選した役の条件装置検索番号が条件装置番号バッファに設定されたとき)に、当選した役の種類及びそのフラグをオンにして記憶する。なお、特別役を有するスロットマシンにおいては、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報は、特別役の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。また、MB遊技中は、当選役決定手段110の抽選結果に拘わらず、特別役を除く全ての払い出しを有する役の当選フラグをオンすることができる。但し、抽選結果で再遊技役(リプレイ)が当選したときは、その再遊技役のフラグをオンにするように構成してもよい。このように、フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110で決定された役を記憶する決定役記憶手段としての機能を有している。
(特別役持ち越し手段112)
特別役持ち越し手段112は、当選役決定手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段111に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、特別役のうちSBと、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。また、特別役を持ち越し中(後述する内部中遊技状態RT1にあるとき)に、当選役決定手段110による役抽選の結果、入賞役が当選したときは、特別役と入賞役のフラグが立っている状態であり、停止態様によって当選フラグのうちのいずれかを有効ライン上に停止させることができる。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6(a)に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段160で管理されている遊技状態(例えば、非内部中遊技状態、内部中遊技状態、特別遊技状態等)、当選役決定手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々を停止させる。このように、リール制御手段120は、複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としてのリール21a〜21cを、停止手段であるストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止させる変動表示制御手段の機能を有している。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11に表示されているリール21a〜21cには、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。例えば、本実施形態では、図1に示すように、リール表示窓11に表示される3×3の9個の図柄停止位置90〜98に対して、それぞれのリール21a〜21cから1個ずつの図柄停止位置を選択してそれらを結ぶラインとして構成される。
さらに、これらの図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。これらの有効ライン及び無効ラインは、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて設定されるように構成することもできるし、予め決めておくこともできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図1に示すように、左リール21a〜右リール21cの中段の図柄停止位置91,94及び97を結ぶラインLが有効ラインとして設定されている。また、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
上述したリール駆動手段22a〜22cの各々を構成するステッピングモータは、特に図示していないが、主制御手段100から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイルを有している。そして、4相のコイルのうち、同時に2つが励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうちの1つが励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1−2相励磁により、ローターが回転するように構成されている。また、このステッピングモータにはリール21a〜21cの制御用に所定のステップ数が定められており、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てることで、1図柄単位での停止を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1が有するステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)におけるステップ数の割り当てについて説明する。このステッピングモータは、全ステップ数として例えば504ステップ(=16×25+4×26)が設定され、かつ、回転速度が80rpmとなっている。また、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間Ts(例えば、190ms)以内に、かつ、当該時点から最大5個の図柄の範囲内で、リール21a〜21cの回転を停止させるように構成されている。
例えば、リール21a〜21cとして、周囲に21個の図柄が配置されたリールを使用する場合には、各図柄に対して、均等に24ステップを割り当てることができる。そして、上述したように、ステッピングモータの回転速度は80rpmであることから、1ステップ当たりの制御時間は1.49msとなる。すると、ストップボタン33a〜33cの各々が操作された時点から最大で5図柄先で停止させるとすると、5図柄分のステップ数は120ステップ(=24×5)であるため、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、178.8ms(=1.49×120)となる。なお、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングによっては、1ステップ分、遅れて停止の処理が行われる可能性があるが、これを考慮しても、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、最大で180.29ms(=178.8+1.49)となり、190ms以内に収めることができる。
しかし、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21cには、上述したように、周囲に20個の図柄が表示されており、各図柄に対して均等にステップ数を割り当てることができない。また、21個の場合よりも図柄の数が1個減ることにより、割り当てられるステップ数が多くなる図柄が必要となるため、ステップ数の割り当てが偏ると、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から最大で5図柄先で停止させようとした場合、190ms以内に停止させることができなくなるおそれがある。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1では、図7に示すように、全ステップ数として設定されている504ステップを20で除算したときの商M(すなわち25)及び余りP(すなわち4)に基づき、20個の図柄のうち、連続する5個の図柄の範囲のいずれにもM+1ステップ(すなわち、26ステップ)を割り当てたP/4個(すなわち、1個)の図柄と、Mステップ(すなわち、25ステップ)を割り当てた(20−P)/4個(すなわち、4個)の図柄とが含まれるように構成している。具体的には図8に示すように、25ステップ、25ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップという並びを4回繰り返すように、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てている。
このように各リール21a〜21cにステップ数を割り当てることにより、20個の図柄のうち、いずれの連続する5個の範囲においても25ステップが割り当てられた4個と26ステップが割り当てられた1個が含まれることとなるため、5個の図柄の範囲におけるステップ数の合計は126ステップ(=25×4+26)となり、停止時間を190ms以内に収めることができる。なお、ステップ数を増やすのではなく、1ステップ進めるのに掛ける時間(割込時間)を変更してもよい。
また、上述したように、当選役決定手段110で決定される役に特別役が含まれるスロットマシン1のリール制御手段120は、特別役に当選し、特別役持ち越し手段112によりその特別役が持ち越されている遊技において、入賞役−01や再遊技役−01に当選しているときは、これらの役を優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成することができる。具体的には、再遊技役が当選しているときは他の当選役に優先して必ずこの再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、入賞役については、特別役に優先して図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成することができる。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、後述するようにリール制御用の停止テーブルを用いて行われる。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている(最小遊技時間T0が経過するまでの期間を「ウエイト期間」と呼ぶ)。すなわち、図6(a)に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図6(b)に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、入賞役は、上述したように入賞役−01〜26の26個の役から構成されている。この入賞役−01〜26は、図5に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。また、これらの役に対して複数の図柄の組み合わせが対応付けられている場合がある(例えば、入賞役−02〜21、23〜26)。なお、この入賞役−01〜26に対しては、図8に示すように、これらの入賞役−01〜26を組み合わせた(重複当選されるように構成された)15個の当選役が割り当てられている(入賞役−A1〜A3、入賞役−B1〜B8、入賞役−C1〜C2、入賞役−D及び入賞役−E)。この図8において、当選役の括弧内は、それぞれの当選役に割り当てられた入賞役−01〜26を示し、例えば、当選役として入賞役−A1が決定されたときは、入賞役−18及び入賞役−23が重複して当選することを示している。なお、本実施形態の入賞役−01〜26を含む当選役においては、この入賞役が重複当選する構成となっているが、いずれかの入賞役が単独当選する当選役を含むように構成してもよい。
そして、図9(a)に示すように、これらの当選役のうち、入賞役−B1〜B8、及び、入賞役−C1〜C2に対して、入賞役−01の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている(以下、これらの入賞役を「押し順ベル」と呼び、入賞役−01の図柄の組み合わせが停止する押し順を「正解押し順」と呼ぶ)。なお、この図9において、たとえば「左**」は、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2及び第3停止は、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cが任意の順序で操作される場合を示している。また、「中左右」は、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止として右ストップボタン33cが操作される場合を示している。
上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに、リール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21a〜右リール21cの何れにおいても、「ベルA」の図柄は、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。そのため、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上に、左リール21aから順に、「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」の図柄を引き込んで停止させることができる。すなわち、上述した入賞役−B1〜B8及び入賞役−C1〜C2(押し順ベル)が当選し、割り当てられた押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されたとしても、リール制御手段120は、上述した図柄で構成される入賞役−01の図柄の組み合わせ(「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」)を有効ライン上に揃える制御を行うように構成されている。また、これらのリール21a〜21cにおける「リプレイ」の図柄、及び、中リール21b及び右リール21cにおける「スイカ」の図柄も同様に、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。
以下に、押し順ベルが当選したときのリール制御手段120による停止制御の例として、入賞役−B1が当選役である場合について、ストップボタン33a〜33cの押し順毎に説明する。なお、図8に示すように入賞役−B1に対しては、入賞役−01、入賞役−02、入賞役−10及び入賞役−18が重複当選し、その正解押し順(入賞役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃う押し順)は「中左右」である。
(中左右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
当選役として入賞役−B1が決定されたときに、中左右の順でストップボタン33a〜33cが操作される、すなわち、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止とし右ストップボタン33cが操作されると、各々のストップボタン33a〜33cの操作において、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上に入賞役−01(「ベルA」−「ベルA」−「ベルA」)の図柄の組み合わせを停止させ8枚(特別遊技中は2枚)の払い出しを行う(図9の「○」)。なお、以降の説明において、この入賞役−01を「8枚役ベル」と呼ぶ。ここで、「枚数優先停止制御」とは、重複当選している複数の入賞役のうち、最も払い出し枚数が多い役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するようにリール21a〜21cを停止制御することを指す。本実施形態において、入賞役−B1で当選する入賞役のうち、払い出される遊技メダルの枚数が最も多いのは、図5に示すように、8枚(又は2枚)の遊技メダルが払い出される入賞役−01である。
(中右左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
中左右で操作した場合の停止制御で説明したように、第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に入賞役−01を構成する「ベルA」の図柄を停止させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。ここで、「個数優先停止制御」とは、1つのリール(21a〜21cの各々)の停止受付時に、停止可能な範囲内でその図柄を有効ライン上に停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール21a〜21cを停止制御することを指す(一つの役に複数の図柄の組み合わせが割り当てられているときは、図柄の組み合わせ毎に1個の役と考える)。本実施形態のスロットマシン1において、入賞役−B1を構成する入賞役−01、入賞役−02、入賞役−10及び入賞役−18に割り当てられた図柄の組み合わせのうち、中リール21bに「ベルA」の図柄を含む図柄の組み合わせ(役)が割り当てられているものは、入賞役−01及び入賞役−18である。ここで、右リール21cの中段に「ベルA」の図柄を停止させると入賞役−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができないが、「リプレイ」の図柄を停止させると、入賞役−18を構成する2つの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。また、上述したように、右リール21cにおいて、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作された場合であっても、右リール21cの中段に「リプレイ」の図柄を引き込んで停止させることができる。以上より、リール制御手段120は、第2停止に対して右リール21cの中段に「リプレイ」の図柄を停止させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、上述のように、中リール21bの中段に「ベルA」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「リプレイ」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄を停止させることで入賞役−18の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、第3停止に対して左リール21aの中段に入賞役−18を構成する「バー」又は「ブランク」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、これらの図柄のいずれかを停止させて1枚の払い出しを行い(図9の「●」)、停止させることができないときは、いずれの役の図柄の組み合わせも有効ライン上に停止しない図柄を停止させる(図9の「×」)。なお、このときに有効ライン上に表示した図柄の組み合わせを「ベルこぼし目」と呼ぶ。また、以降の説明において、入賞役−B1〜B8及び入賞役−C1〜C2を構成する入賞役−02〜21を「1枚役ベル」と呼ぶ。
(右左中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、右リール21cの中段に「ベルA」を停止させると、入賞役−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができない。また同様に、「銀」又は「赤7」の図柄を停止させると、入賞役−02を構成する2つの図柄のうち、いずれか一方の図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができない。一方、「スイカ」の図柄を停止させると、入賞役−10を構成する2つの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。なお、上述したように、右リール21cにおいて、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作された場合であっても、中段に「スイカ」の図柄を引き込んで停止させることができる。以上より、本実施形態に係るスロットマシン1においては、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときは右リール21cの中段に「スイカ」の図柄を引き込んで停止させるように構成されている。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時点で、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄を停止させると、入賞役−10を構成する図柄が有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、第2停止に対して左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、これらの図柄のいずれかを停止させ、停止させることができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を有効ライン上に停止させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bが操作される時点で、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止しているときは、中リール21bの中段に「銀」の図柄を停止させると、入賞役−10の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止しているときの第3停止に対して、中リール21bの中段に入賞役−10を構成する「銀」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図9の「▲」)、停止させることができないとき、又は、左リール21aの中段にベルこぼし目を構成する図柄が停止しているときは、中リール21bの中段にベルこぼし目を構成する図柄を停止させる(図9の「×」)。
(右中左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
右左中で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に入賞役−10を構成する「スイカ」の図柄を停止させる。
次に、第2停止である中ストップボタン33bの操作時点で、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止しているため、中リール21bの中段に「銀」の図柄を停止させると、入賞役−10を構成する図柄を有効ライン上に停止させることできる。そのため、リール制御手段120は、第2停止に対して、「銀」の図柄を中リール21bの中段に引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させ、停止させることができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を中段に停止させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、上述のように、中リール21bの中段に「銀」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止しているときは、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄を停止させることで入賞役−10の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、中リール21bの中段に「銀」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止しているときの第3停止に対して、左リール21aの中段に入賞役−10を構成する「バー」又は「ブランク」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図9の「▲」)、停止させることができないとき、又は、中リール21bの中段にベルこぼし目を構成する図柄が停止しているときは、左リール21aの中段にベルこぼし目を構成する図柄を停止させる(図9の「×」)。
(左中右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作されると、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って左リール21aの中段に停止させる図柄を決定する。本実施形態のスロットマシン1において、左リール21aの中段に「ベルA」の図柄を停止させると、入賞役−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができなくなる。一方、「リプレイ」、「バー」又は「ブランク」の図柄のいずれかを停止させると、入賞役−02、入賞役−10及び入賞役−18を構成する図柄の組み合わせのうちの2つを有効ライン上に揃えることができる。ここで、「リプレイ」の図柄は、左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる。以上より、本実施形態に係るスロットマシン1においては、第1停止として左ストップボタン33aが操作されたときは左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄を引き込んで停止させるように構成されている。
次に、第2停止である中ストップボタン33bの操作時点で、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止しているため、中リール21bの中段に「銀」の図柄を停止させると、入賞役−02を構成する図柄を有効ライン上に停止させることできる。そのため、リール制御手段120は、第2停止に対して、「銀」の図柄を中リール21bの中段に引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させ、停止させることができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を中段に停止させる。
そして、第3停止である右ストップボタン33cが操作される時点で、上述のように、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止し、中リール21bの中段に「銀」の図柄が停止しているときは、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄を停止させることで入賞役−02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止し、中リール21bの中段に「銀」の図柄が停止しているときの第3停止に対して、右リール21cの中段に入賞役−02を構成する「銀」又は「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図9の「△」)、停止させることができないとき、又は、中リール21bの中段にベルこぼし目を構成する図柄が停止しているときは、右リール21cの中段にベルこぼし目を構成する図柄を停止させる(図9の「×」)。
(左右中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、左リール21aの中段に入賞役−02の図柄の組み合わせを構成する「リプレイ」の図柄を中段(有効ライン上)に停止させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時点で、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止しているため、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄を停止させると、入賞役−02を構成する図柄が有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、第2停止に対して右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、これらの図柄のいずれかを停止させ、停止させることができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を有効ライン上に停止させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bが操作される時点で、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄が停止しているときは、中リール21bの中段に「銀」の図柄を停止させると、入賞役−02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。したがって、リール制御手段120は、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄が停止しているときの第3停止に対して、中リール21bの中段に入賞役−02を構成する「銀」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図9の「△」)、停止させることができないとき、又は、右リール21cの中段にベルこぼし目を構成する図柄が停止しているときは、中リール21bの中段にベルこぼし目を構成する図柄を停止させる(図9の「×」)。
ここでは、押し順ベルの例として入賞役−B1に当選した場合について説明したが、入賞役−B2〜B8、及び、入賞役−C1〜C2も同様の処理で停止制御が行われる。なお、以降の説明において、左ストップボタン33aを第1停止として押す操作を「順押し」と呼び、中ストップボタン33b又は右ストップボタン33cを第1停止として押す操作を「変則押し」と呼ぶ。
以上のように、本発明に係るスロットマシン1において、押し順ベルである入賞役−B1〜B8、及び、入賞役−C1〜C2が当選したときは、予め割り当てられた押し順(正解押し順)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは有効ライン上に入賞役−01の図柄の組み合わせ(正解ベル表示である8枚役ベル)が揃って8枚(特別遊技中は2枚)の遊技メダルが払い出され、それ以外の押し順(以下「不正解押し順」と呼ぶ)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、これらのストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、入賞役−02〜21の図柄の組み合わせ(1枚役ベル)が有効ライン上に揃って1枚(特別遊技中は2枚)の遊技メダルが払い出されるか、又は、揃えることができないときはベルこぼし目となり遊技メダルは払い出されない。なお、図9に示すように、入賞役−C1〜C2が当選したときは、第1停止として中ストップボタン33b又は右ストップボタン33cが操作されたときが正解押し順となり、第1停止として左ストップボタン33aが操作されたときが不正解押し順となる(第2停止及び第3停止は任意の順序となる)。
また、当選役である入賞役−Dは、ストップボタン33a〜33cをどの押し順で操作しても、入賞役−02〜09の図柄の組み合わせのいずれかが有効ライン上に停止して、1枚の遊技メダルが払い出される。また、当選役である入賞役−Eは、第1停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bが操作されたときは、入賞役−02〜09の図柄の組み合わせのいずれかが有効ライン上に停止して、1枚の遊技メダルが払い出され、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときは、入賞役−22の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止して3枚の遊技メダルが払い出される。この入賞役−22は、有効ライン上に「ベルA」−「スイカ」−「リプレイ」が停止する役であり、この入賞役−22の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止すると、図4から明らかなように、リール表示窓11内の右下がりのライン上に「スイカ」の図柄が揃うことになる。すなわち、入賞役−Eは、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときに、「スイカ」の図柄が揃うため、いわゆる「押し順スイカ」として用いることができる。
また、当選役である入賞役−A1は、第1停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bのいずれか一方が操作されると、そのストップボタンの操作タイミングに拘わらず引き込むことのできる「リプレイ」の図柄を操作されたストップボタンに対応するリール(左リール21a又は中リール21b)の中段に停止させ、第2停止又は第3停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bの他方が操作されると、「リプレイ」の図柄を左リール21a又は中リール21bの中段に停止させることで、入賞役−23を構成する図柄を左リール21a及び中リール21bの中段に停止させることができる。そして、第2停止又は第3停止の右ストップボタン33cの操作時に、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、これらの図柄を停止させることにより、入賞役−23の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させ、引き込むことができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を停止させる。上述したように、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から最大5個の図柄の範囲内で、リール21a〜21cの回転を停止させるように構成されているため、図4から明らかなように、右リール21cにおける19番の「銀」の図柄は、14〜18番の図柄が右リール21cの中段に位置するときに右ストップボタン33cが操作されると中段にこの19番の「銀」の図柄を停止させることができる。同様に、9番の「赤7」の図柄は、4〜8番の図柄が右リール21cの中段に位置するときに右ストップボタン33cが操作されると中段にこの9番の「赤7」の図柄を停止させることができる。すなわち、右リール21cの20個の図柄うち、14〜18番の5個の図柄、及び、4〜8番の5個の図柄が(合わせて10個の図柄が)右リール21cの中段に位置するときに右ストップボタン33cが操作されると、入賞役−23の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるので、第1停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bが操作されたときの入賞役−23の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する確率は1/2となる(残りの1/2はベルこぼし目となる)。
一方、入賞役−A1の当選に対して、第1停止として右ストップボタン33cが操作されると、この右ストップボタン33cの操作タイミングに拘わらず引き込むことのできる「リプレイ」の図柄を右リール21cの中段に停止させ、第2停止又は第3停止の中ストップボタン33bの操作時に、この中ストップボタン33bの操作タイミングに拘わらず引き込むことのできる「ベルA」の図柄を中リール21bの中段に停止させることで、入賞役−18を構成する図柄を中リール21b及び右リール21cの中段に停止させることができる。そして、第2停止又は第3停止の左ストップボタン33aの操作時に、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、これらの図柄を停止させることにより、入賞役−18の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止され、引き込むことができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を停止させる。この左リール21aにおける「バー」及び「ブランク」の図柄は、上述した右リール21cにおける「銀」及び「赤7」の図柄と同様に、1/2の確率で右リール21cの中段に停止させることができる(右リール21cの20個の図柄のうち、10個の図柄が中段にあるときに右ストップボタン33cが操作されると、「バー」又は「ブランク」の図柄を中段に停止させることができる)ので、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときの入賞役−18の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する確率は1/2となる(残りの1/2はベルこぼし目となる)。
また、当選役である入賞役−A2は、第1停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bが操作されたときは、上述した入賞役−A1の場合の入賞役−23と同様に、入賞役−24を構成する右リール21cの「バー」及び「ベルB」を中段に停止させることができる確率が1/2であることから(左及び中リール21a,21bの図柄は同一である)、1/2の確率で入賞役−24の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときは、1/2の確率で入賞役−18の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、入賞役−A3は、ストップボタン33a〜33cを、右中左以外の順序で操作したときは、入賞役−23〜25のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止して1枚の遊技メダルが払い出される。また、入賞役−A3の当選に対して、ストップボタン33a〜33cを右中左の順序で操作をしたときは、リール制御手段120は、第1停止である右ストップボタン33aの操作時に、「バー」の図柄を右リール21cの中段に停止させることができるときは、この図柄を停止させる。この場合、図5から明らかなように、第2及び第3停止における中ストップボタン33b及び左ストップボタン33aの操作タイミングによって、特別役(MB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する可能性がある。一方、第1停止で「バー」の図柄を右リール21cの中段に停止させることができないときは、入賞役−26の図柄が有効ライン上に停止して1枚の遊技メダルが払い出される。これらの入賞役−A1〜A3は、いわゆる「チャンス目」として用いることができる。
また、当選役である再遊技役(リプレイ)は、図8に示すように、再遊技役−A、再遊技役−B、再遊技役−C、及び、再遊技役−Dから構成されており、これらの再遊技役は、図5に示す再遊技役−01〜04を組み合わせて構成されている(図8のかっこ内に示す番号の意味は、入賞役のときと同じである)。なお、これらの再遊技役は、図4に示すリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す再遊技役−01〜04に割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されても、これらの再遊技役−01〜04のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。
ここで、当選役である再遊技役−Aは、ストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されても、中段に再遊技役−01の図柄の組み合わせが停止して「リプレイ」の図柄が揃う。なお、本実施形態におけるスロットマシン1では、所定の条件を満たしたときに(後述する主演出状態が所定の状態にあるときに)、この再遊技役−Aに当選すると、抽選により押し順パターンを割り当てることにより、ストップボタン33a〜33cの押し順により、割り当てられた押し順に基づいて演出状態を決定するように構成されている。したがって、以降の説明ではこの再遊技役−Aを「押し順リプレイ」とも呼ぶ。
また、当選役である再遊技役−Bは、第1停止として左ストップボタン33a又は右ストップボタン33cが操作されたときは、中段に再遊技役−01の図柄の組み合わせが停止して「リプレイ」の図柄が揃い、中ストップボタン33bが操作されたときは、中段に再遊技役−02の図柄の組み合わせが停止する。このとき、図4から明らかなように、右上がりのライン上に「リプレイ」の図柄が揃う。また、当選役である再遊技役−Cは、第1停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bが操作されたときは、中段に再遊技役−01の図柄の組み合わせが停止して「リプレイ」の図柄が揃い、右ストップボタン33cが操作されたときは、中段に再遊技役−02の図柄の組み合わせが停止する。このとき、図4から明らかなように、右上がりのライン上に「リプレイ」の図柄が揃う。
また、当選役である再遊技役−Dは、第1停止として左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bが操作されたときは、中段に再遊技役−03又は再遊技役−04の図柄の組み合わせが停止する。なお、リール制御手段120は、再遊技役−03の図柄の組み合わせとしての右リール21cの停止制御は、10番の「スイカ」の図柄を停止させるか、この「スイカ」の図柄を停止させることができないときは「チェリー」の図柄を停止させる。これにより、リール表示窓11の上段又は右下がりのライン上に「ベルA」又は「ベルB」の図柄が揃うことなる。一方、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときは、中段に再遊技役−01の図柄の組み合わせが停止して「リプレイ」の図柄が揃う。このように、再遊技役−04は、再遊技役としての機能を有し、見かけ上入賞役(入賞役−01)が成立したように見せかける「ベルリプレイ」として用いることができる。
なお、このようなスロットマシン1においては、特別役が当選するときに、入賞役−01や再遊技役−01が重複して当選するように構成してもよい。例えば、特別役と再遊技役−01が重複当選する構成の場合は、特別役が当選した遊技では、再遊技役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に優先して揃うため、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。入賞役−01も特別役に優先して揃うようにすれば、同様に当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。これに限らず、特別役は単独当選をしてもよく、非内部中遊技状態から内部中遊技状態へ移行したときは、特別役が入賞する(特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)のを困難にするために、再遊技役の当選領域を多くすることもできる(例えば、非内部中遊技状態のときははずれの頻度を高くし、内部中遊技状態のときは、はずれの領域を再遊技役の領域にすることで、特別役の入賞を困難にすることができる)。また、2枚の遊技メダルをベットした遊技(2枚賭けの遊技)で当選することができる特別役(これを「特別役1」とする)を設け、この特別役1は、3枚の遊技メダルをベットした遊技(3枚賭けの遊技)ではその図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができないようにすることで、3枚賭けの遊技では特別役1に入賞しないようにする(特別役1が当選した状態の内部中遊技状態を継続させる)ように構成することもできる。この場合、3枚賭けの遊技で当選することができる特別役(これを「特別役2」とする)を設けてもよい。この場合、特別役2は、3枚賭けの遊技ではその図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるが、2枚賭けの遊技では停止させることができないようにしてもよい。
ここで、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止制御の方法について説明する。このリール制御手段120は、上述したリール21a〜21cの制御を行うために、図2に示すように、回転開始制御手段121、停止テーブル記憶手段122、停止位置データ作成手段123、回転位置検出手段124及び回転停止制御手段125を有している。
(回転開始制御手段121)
回転開始制御手段121は、リール21a〜21cの回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、スタートレバー32の操作に基づいて出力されるスタート信号が入力されることで、各々のリール21a〜21cに設けられているステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)に回転開始信号を出力し、これらのステッピングモータを起動させることにより、全てのリール21a〜21cの回転を開始させるように構成されている。また、回転開始制御手段121は、スタートレバー32が操作されると、予め定められた所定の加速度で全てのリール21a〜21cを回転させ、全てのリール21a〜21cの回転速度が所定の速度に達すると、この所定の速度で定速回転を行わせるように構成されている。
(停止テーブル記憶手段122)
停止テーブル記憶手段122は、リール21a〜21cを停止させるための情報である停止順序選択テーブル及び停止テーブルを記憶している。停止テーブルは、図10(b)に示すように、リール21a〜21cの各々において、ストップボタン33a〜33cが操作されたときにリール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄の番号(0〜19番)に対して、どの図柄を下段に相当する位置に停止させるかについて規定されているテーブルであり、それぞれにテーブル番号が割り当てられている。例えば、図10(b)に示す停止テーブルは、押し順ベルの1つである入賞役−B1を停止させるために用いられるテーブルを示している。
具体的に、この図10(b)において、1番のテーブルは、左リール21a及び右リール21cの中段に「ベルA」の図柄を停止させるために用いられる。また、2番のテーブルは、中リール21bの中段に「ベルA」の図柄を停止させるために用いられる。また、3番のテーブルは、右リール21cの中段に「リプレイ」の図柄を停止させるために用いられる。また、4番のテーブルは、左リール21aの中段に「バー」または「ブランク」の図柄を停止させるために用いられる。また、5番のテーブルは、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄を停止させるために用いられる。また、6番のテーブルは、中リール21bの中段に「銀」の図柄を停止させるために用いられる。また、7番のテーブルは、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄を停止させるために用いられる。そして、8番のテーブルは、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄を停止させるために用いられる。なお、図10(b)においては、2つの図柄番号を選択可能なとき(例えば、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄を停止する場合に、9番の「赤7」の図柄で停止操作を受け付けたときは、この9番の「赤7」の図柄を下段に停止させれば10番の「スイカ」の図柄が中段に停止し、11番の「ベルA」の図柄を下段に停止させれば12番の「スイカ」の図柄が中段に停止するとき)は、いずれか一方の図柄番号を予め設定している。しかしながら、両方を設定して、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、所定のアルゴリズムに従って停止する図柄番号を選択するように構成してもよい。なお、この図10(b)は入賞役−B1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。また、4番のテーブルは、左リール21aの中段に「バー」又は「ブランク」の図柄を停止することができないときは、「ベルA」の図柄を中段に停止させるように構成されている。また、6番のテーブルは、中リール21bの中段に「銀」の図柄を停止することができないときは、「ベルA」の図柄を中段に停止させるように構成されている。同様に、8番のテーブルは、右リール21cの中段に「銀」又は「赤7」の図柄を停止させることができなときは、「スイカ」の図柄を中段に停止させるように構成されている。
そして、上述の入賞役−B1を例にして説明したリール制御手段120の具体的な停止制御に示すように、当選役とストップボタン33a〜33cの押し順(打順)とにより、どの停止テーブルを使用するかを決定することができる。本実施形態に係るスロットマシン1は、この当選役と打順の関係を、図10(a)に示す停止順序選択テーブルに記憶している。ここで、当選役決定手段110で当選した役(条件装置番号)に対して、図柄制御番号を割り当て、停止順序選択テーブルは、この図柄制御番号をキーにして打順とテーブルの関係を定義している。なお、この図10(a)において、「/」は、それまでに有効ライン上に停止している図柄により選択されるテーブルが変化する場合を表し、「*」は、図10(b)に示していない、ベルこぼし目を構成するためのテーブルが選択されることを表している。また、この図10(a)は入賞役−B1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。
また、図10(a),(b)に示す停止順序選択テーブル及び停止テーブルにおいて、一部のテーブルは2以上のリールで共用してもよい。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aと右リール21cにおいて、「ベルA」の図柄配置は共通しており、これらのリールに「ベルA」の図柄を停止させるときは、左リール21aと右リール21cで共通の停止テーブル(図10(b)に示す1番のテーブル)を共用している。このように構成することにより、停止テーブルのための記憶容量を少なくし、ROM104等を有効利用することができる。
なお、図10(b)に示す停止テーブルは、受付操作がされたときの中段に位置する図柄番号と、その図柄番号に対して何番の図柄番号の図柄を下段に停止させるかの対応が定義されているが、本発明はこの構成に限定されることはない。例えば、受付操作がされた図柄番号に対して、何コマ滑らせて停止するかを定義するテーブル構成とすることもできる。例えば、図10(b)に示すテーブル番号が1番の停止テーブルは左リール21a及び右リール21cの中段に「ベルA」の図柄を停止させるものである。ここで、左リール21aにおいて、7番の「スイカ」の図柄が中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると10番の「リプレイ」の図柄を下段に停止させる。そのため、滑らせるコマ数(スベリコマ数)で停止テーブルを規定するときは、7番の図柄番号に対しては「4」が設定される(中段にある7番から4コマ滑ると10番の図柄が下段に停止する)。このようなスベリコマ数による停止テーブルは、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21bのいずれにも使用することもできるし、リール21a〜21bのうち、一部のリールに対しては、図10(b)に示す停止図柄の図柄番号を規定した停止テーブルを使用し、残りのリールに対してはスベリコマ数で定義した停止テーブルを使用するというように、使い分けることもできる。
(停止位置データ作成手段123)
停止位置データ作成手段123は、当選役決定手段110による抽選の結果に基づき、ストップボタン33a〜33cが操作された場合にリール21a〜21cを停止させる停止位置を決定するために、上述した停止順序選択テーブルに基づいて停止テーブルからいずれかのテーブルを選択して停止位置データを作成する。この停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されて、3個のリール21a〜21cが全て定速回転状態となると、第1停止のストップボタンが操作されるまでの間に、3個のリール21a〜21cのそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また、第1停止のストップボタン(ストップボタン33a〜33cのいずれか)が操作された後は、この第1停止から遅くとも第2停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第2停止のストップブタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第1停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの2個のリール(すなわち、第1停止のストップボタンが操作された時点で回転中の2個のリール)のそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また同様に、第2停止のストップボタンが操作された後は、第2停止のストップボタンが操作されてから遅くとも第3停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第3停止のストップボタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第2停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの1個のリール(すなわち、第2停止のストップボタンが操作された時点で回転中の1個のリール)について、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。
例えば、スタートレバー32が操作された後、中リール21bに対応する中ストップボタン33b、左リール21aに対応する左ストップボタン33a、右リール21cに対応する右ストップボタン33cという順番で(すなわち、入賞役−B1に対する正解押し順で)、ストップボタン33a〜33cの操作が行われるものとする。この場合には、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作され、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となると、全てのリール21a〜21cについて停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。図10(a)に示す例では、第1停止の前に、左リール21aに対しては7番のテーブルを選択し、中リール21bに対しては1番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては5番のテーブルを選択して停止位置データを作成する。そして、第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、第2停止である左ストップボタン33aが操作されるまでの間に、回転中の左リール21a及び右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。すなわち、左リール21aに対しては2番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては3番のテーブルを選択する。さらに、第2停止として左ストップボタン33aが操作されると、第3停止である右ストップボタン33cが操作されるまでの間に、回転中の右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。ここでは、右リール21cに対して1番のテーブルを選択する。なお、第2停止又は第3停止に対する停止位置データの作成において、直前の停止操作に対して選択されたテーブルと同じテーブルを選択するときは、既に停止位置データが作成されているため、再度の作成の必要はなく、直前の停止操作のための停止位置データをそのまま次の停止操作で利用することができる(もちろん、再度作成し直してもよい)。
また、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されたときは、3つ全てのリール21a〜21の回転速度が定速となったときではなく、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間や、リール21a〜21cが回転を開始するまでの間に、全てのリール21a〜21cについて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成するように構成してもよい。また、停止位置データ作成手段123は、ストップボタン33a〜33cのうち、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンが操作される時点までの間に、停止テーブルを選択しなおすのではなく、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンの操作が可能となる時点(すなわち、次のストップボタンの操作を受付可能な状態となる時点)までの間に、停止テーブルを選択して停止位置データを作成しなおすように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから第1停止のストップボタンが操作されるまで、及び、ストップボタン33a〜33cのうち、いずれか一つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでに、リール21a〜21cのうち、回転中の全てのリールについての停止テーブルを選択して停止位置データを作成できるようにすべく、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作された後に、所定時間の間、次のストップボタンの操作を受付不可とする受付不可期間を設けている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの時間は、これらのリール21a〜21cについての停止データを選択して停止位置データを作成するために十分なものとなっている。
(回転位置検出手段124)
回転位置検出手段124は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出するためのものである。具体的には、回転位置検出手段124は、特に図示していないが、ステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、及び、このカウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。より具体的には、各リール21a〜21cが回転を開始し、全てのリール21a〜21cが所定の速度で定速回転するようになった後、リールセンサ(図示しておらず)により被検知部材(インデックス)の通過が検知されたことを契機として、カウント手段が、ステッピングモータへ出力するパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるカウント値に基づいて、被検知部材(インデックス)の回転角度(現在の図柄位置)を算出し、これによりストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出することとなる。また、カウント手段によるパルス信号のカウント値は、リールセンサにより被検知部材(インデックス)の通過が検知される都度、リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
(回転停止制御手段125)
回転停止制御手段125は、ストップボタン33a〜33cの操作に基づき、停止位置データ作成手段123aにより作成された停止位置データにおいて当該ストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して定められた停止位置で、これらのリール21a〜21cを停止させるためのものである。すなわち、ストップボタン33a〜33cが操作されると、このストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して、停止位置データにおいて定められている停止位置で、リール21a〜21cは停止することとなる。
なお、図8には、後述する各遊技状態における役の当選確率(役抽選テーブルの構成)も示している。ここで、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。また、MBが当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときの特別遊技状態においては、役の抽選が行われた後、後述するフラグ情報記憶手段111の全てのフラグが当選した状態になるが、ストップボタン33a〜33cの押し順態様などにより、予め定められた役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。また、どの役にも当選しない確率(いわゆる「はずれ」の場合の確率)は、特別役、入賞役及び再遊技役の当選確率の合計を1から引いた確率である。なお、「はずれ」は設けなくてもよい(抽選により、何れかの役に必ず当選するように構成してもよい)。また、役抽選の結果がはずれのときは、リール制御手段120は、図5に示す図柄の組み合わせのいずれにも該当しない図柄の組み合わせ(「ハズレ目」)を有効ライン上に停止させるように構成されている。
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述した有効ライン上に役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)、又は、遊技状態が移行する特定図柄が停止したと判定する。このとき、入賞判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから入賞判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120により上述したようなテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められたときに、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては入賞役−01〜26)に応じた遊技メダルの払い出しを行う。すなわち、この払出制御手段140は、リール21a〜21cの所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与手段としての機能を有している。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを電子情報として貯留することができる(このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚(特別遊技時は2枚))を超える遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払い出しを、ホッパーモータ70を作動させてホッパー装置に行わせるように構成されている。また、払出制御手段140は、清算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払い出しを、ホッパー装置に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。この遊技媒体貯留手段141に貯留されているクレジット数は、このスロットマシン1の前面(前扉3)の所定の位置(例えば、前扉3の上端部)に表示される(貯留されているクレジット数を表示する部分を「クレジット表示部」と呼ぶ)。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、設定変更キースイッチ36の操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源スイッチ35がオフにされている状態で設定変更キースイッチ36をオンにしたまま電源スイッチ35をオンして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を入力した後、設定変更キースイッチ36をオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、当選役決定手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図8に示す当選確率は一例である(例えば、設定値が1のときの値である)。また、設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(特別役の当選フラグや通常遊技状態(非内部中遊技状態)、再遊技確率変動遊技状態(内部中遊技状態)などの遊技状態)は保持される一方、他の情報(リールの駆動状態や入賞役の当選フラグなど)は初期化されるように構成することもできる。また、特別役を有するスロットマシンにおいては、特別遊技状態にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成することもできる。さらに、内部中遊技状態においても設定値の変更ができないように構成してもよい。また、フリーズが実行されているときは設定値を変更できないように構成してもよい。また、設定値を変更しても役の当選確率は変化しないように構成し、副制御手段200で実行される演出における抽選確率を変化させることで、出玉率を変化させるように構成してもよい。
(遊技状態制御手段160)
遊技状態制御手段160は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段161、特別遊技制御手段162、及び、再遊技確率変動遊技制御手段163を有して構成される。図11(a)に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されて設置値が変更されたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段160は、通常遊技制御手段161を実行し、このスロットマシン1は、非内部中遊技状態RT0になる。ここで、「非内部中」とは、工場集荷後に初めて電源が投入されたときや初期化時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この非内部中遊技状態RT0において、当選役決定手段110により特別役に当選し、その遊技においてリール21a〜21cの有効ライン上に特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ以外の図柄の組み合わせが停止したこと、すなわち、特別役の当選に対して当該遊技で特別遊技へ移行しないことが決定すると、遊技状態制御手段160は、再遊技確率変動遊技制御手段163を起動し、このスロットマシン1は、内部中遊技状態RT1に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。また、再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が非内部中遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。また、図8に示す内部中遊技状態RT1の当選確率のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が非内部中遊技状態RT0よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。このように、内部中遊技状態RT1に移行すると、特別役持ち越し手段112により、当選した特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、内部中遊技状態RT1が継続される)。なお、内部中に移行するタイミングとしては、当選役決定手段110により特別役に当選したことに基づいて移行してもよい。この通常の遊技状態(非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1)では、後述するAT遊技が実行されなければ、基本的にはベットする遊技メダルの枚数の方が当該遊技で獲得できる期待枚数より多くなる。
また、非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1において、当選した特別役に対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると、遊技状態制御手段160は特別遊技制御手段162を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態RT2になる。特別遊技状態RT2に移行すると、所定の終了条件を満たすまで遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。具体的には、この特別遊技状態RT2の遊技中は、ベットする遊技メダルの枚数と払い出される遊技メダルの枚数が同じであることから、枚数を維持して遊技を進めることができる。なお、遊技メダルの枚数が、遊技を進めるにつれて増えるようにベットする枚数に対する払い出し枚数を設定してもよい。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばその特別遊技状態RT2において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合(例えば、29枚を超える枚数が払い出された場合)である。この特別遊技状態RT2において所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段162の作動が終了し、通常遊技制御手段161が実行されて非内部中遊技状態RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、入賞役に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃える(入賞する)と払出制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、再遊技役(リプレイ)に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。例えば、有効ライン上に当選役の図柄の組み合わせが揃うことにより遊技状態を移行させるように構成してもよいし、有効ライン上に当選役とは異なる遊技状態移行図柄(遊技メダルの払い出しや再遊技の付与、及び、普通役物(SB)取りこぼしの対象とならない図柄の組み合わせ)を表示させて、遊技状態を移行させてもよい。
(フリーズ制御手段170)
フリーズ制御手段170は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定の期間において不能にする(一時停止状態にする)又は抽選結果を停止表示させる制御を遅延するフリーズ演出を行う。すなわち、このフリーズ制御手段170は、フリーズ演出を実行するための抽選を行う抽選手段としての機能を有している。
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体(遊技メダル)の受け付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットボタン31の操作の受け付け、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作の受け付け、又は、リール21a〜21cの停止操作の受け付け(ストップボタン33a〜33cの操作の受け付け)に関する機能を一時停止状態(操作受付不可状態)にすることが挙げられる。
また、フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサ(第1及び第2投入センサ61,62)による遊技媒体の投入検出処理、ベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートレバー32の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止状態にしている期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受け付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートレバー32の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートレバー32が操作されたときに所定期間はリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選とリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリール21a〜21cの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップボタン33a〜33cの操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出と、において、フリーズ演出の制御処理が異なる。また、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作態様)によって、フリーズ演出が発生するか否かを決定するように構成してもよい。また、特定契機(レア役入賞等)から所定期間だけ実行抽選を行い、当選した場合にフリーズ演出を行うように構成してもよい。
ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリール21a〜21cの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリール21a〜21cを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップボタン33a〜33cの操作の受付処理より後の停止制御処理を行うので、停止受け付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、ストップボタン33a〜33cのうち、最後のストップボタン以外のストップボタンの操作で特定の図柄が有効ライン上に停止表示されたときは、次に停止するストップボタンの停止制御を行わず、最後のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技役(リプレイ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止状態にさせるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップボタン33a〜33cの操作に基づく停止制御処理は行わないが、リール21a〜21cの回転態様は任意に設定することができる。
例えば、所定期間におけるリール21a〜21cの回転態様として、リール21a〜21cを通常回転とは逆方向に回転すること、リール21a〜21cを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを停止すること、複数のリール21a〜21cのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リール21a〜21cの回転速度を変化させること、または、遊技者の操作に起因してリール21a〜21cの動作を変化させることが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートレバー32、ベットボタン31、ストップボタン33a〜33c、清算ボタン34)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止状態の期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止状態の期間を短くする制御処理として、一時停止状態の期間を強制終了すること、または、一時停止状態の期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止状態の期間を長くする制御処理として、一時停止状態の期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止状態の期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止状態の期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止状態の期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような演出遊技である疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる(以降の説明では単に「疑似遊技」とも呼ぶ)。疑似遊技フリーズ演出は、スタートレバー32が操作されたことに基づいたスタートレバー受付処理からリール21a〜21cの回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートレバー32の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートレバー32の操作に基づく役抽選処理やストップボタン33a〜33cの操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出では、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミング、リール21a〜21cのうち、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動き(揺れ変動)を行ってもよい。これにより、通常の遊技(以降の説明では「本遊技」と呼ぶ)であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
なお、フリーズ演出は、所定の期間が経過すると終了するように構成されている。但し、所定の期間が経過する前に、所定の操作(スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作)を行うと、フリーズ演出をキャンセルできるように構成することも可能である。また、所定の期間が経過する前に、さらに所定の期間だけフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定するように構成することも可能である。なお、フリーズ演出が終了した時点のリール21a〜21cの状態によっては、この状態からリール21a〜21cを回転開始させると、リール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、全てのリール21a〜21cの回転開始時間をランダムに変化させる(すなわち、フリーズ演出後に、リール21a〜21cの回転開始順序がランダムに変化する)ように構成することができる。あるいは、フリーズ演出が実行されないときのリール21a〜21cの回転開始処理と、フリーズ演出が実行された後のリール21a〜21cの回転開始処理とを異なるように構成することも可能である。また、フリーズ演出でリール21a〜21cを回転及び停止させたときは、リール21a〜21cの図柄の位置を、フリーズ演出が実行される前の状態に戻し、そこから回転を開始するように構成することができる。このように、フリーズ制御手段170は、遊技中の所定期間内において遅延演出(疑似遊技)を実行する遅延演出制御手段としての機能を有している。
−疑似遊技の実行契機について−
本実施形態に係るスロットマシン1では、抽選により疑似遊技を実行する権利(以下「ストック」と呼ぶ)が与えられるように構成されている。このストックを抽選する契機は、遊技毎に実行される抽選と、所定の遊技数毎(周期毎)に実行される抽選とから構成されている。なお遊技毎の抽選も周期毎の抽選も、ストックを付与するか否かと、付与するときは種類(「レベル」若しくは「シナリオ番号」と呼ぶ)を決定して蓄積し、蓄積したストックを取り出すときに、疑似遊技が実行されるまでの遊技数(「前兆遊技数」と呼ぶ)を決定し、疑似遊技を実行するときに、疑似条件装置番号を決定している。なお、本実施形態に係るスロットマシン1において蓄積できるストックの最大値は8個に設定されており、蓄積された順で取り出されて疑似遊技に使用される。また、後述するように、遊技毎及び周期毎の抽選において、シナリオ番号が0のときはハズレに相当し(ストックは蓄積されない)、シナリオ番号が1のときは、ストックを蓄積するがそのストックを取り出したときに疑似遊技は実行されないように構成されている。そのため、フリーズ制御手段170は、所定の条件を満たしたときに、疑似遊技(演出遊技)のストック(実行権利)となる第1の値であるシナリオ番号を決定し、このストックを所定の個数まで蓄積可能な権利設定手段としての機能と、前兆遊技が実行される期間(前兆遊技期間)を決定する前兆遊技期間決定手段としての機能と、シナリオ番号に基づいて第2の値である疑似条件装置番号を決定し(詳細は後述する)、当該疑似条件装置番号に基づいて演出遊技を実行する演出遊技実行手段としての機能を有している。
(操作順序判定手段175)
操作順序判定手段175は、ストップボタン33a〜33cの操作順序を判定する。この操作判定手段175により、押し順ベルや押し順リプレイが当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cの操作順序を取得し、当選役に割り当てられた押し順か否かを判定することができる。また、ストップボタン33a〜33cが変則押しされたときに、ペナルティ判定を行うことができる。また、この判定結果に基づいて、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止図柄の決定や、フリーズ状態の移行、及び、外部信号の出力が行われる。
−演出状態と押し順による演出状態の管理について−
本実施形態に係るスロットマシン1は、遊技に対する演出の状態を主制御手段100で管理している。また、この演出状態は、主演出状態と補助演出状態で構成されている。具体的には、図11(b)に示すように、主演出状態として「通常(1)」、「バトル/ミッション(2)」、「AT準備(3)」、「AT通常(4)」、「ボーナス準備(5)」及び「ボーナス(6)」で構成されている(かっこ内の数字はそれぞれの主演出状態を識別するための主演出状態番号を示している)。なお、「バトル/ミッション」は「BM」と省略する。また、主演出状態が「通常(1)」は、複数の補助演出状態で構成されており、この補助演出状態としては「通常(0)」、「プレ前兆(1)」及び「探索(2)」で構成されている(かっこ内の数字はそれぞれの補助演出状態を識別するための補助演出状態番号を示している)。また、主演出状態番号と補助演出番号をハイフン(−)でつないで表現する場合もある(ハイフンの前が主演出状態番号で、ハイフンの後ろが補助演出状態番号を示す。例えば、主演出状態が「通常(1)」で補助演出状態が「通常(0)」のときは、(1−0)と表す。
このスロットマシン1の工場出荷時等は、主演出状態は「通常(1)」に設定され、補助演出状態は「通常(0)」に設定されている。この状態においては、遊技毎にモード移行ポイント抽選を行い当選したときはモード移行ポイントが付与され、このモード移行ポイントが付与されると補助演出状態が「プレ前兆(1)」に移行する。この「プレ前兆(1)」に移行するときに、滞在遊技数が抽選等により決定され、当選値が後述する演出情報カウンタに格納されて遊技毎に減算される。そして、その滞在遊技数の間においてもモード移行ポイント抽選が行われるので、当選したときはそれらのポイントを蓄積し、「プレ前兆(1)」の最後の遊技において、蓄積されたモード移行ポイントが閾値以上であれば、補助演出状態を「探索(2)」に移行させ、閾値より小さいときは「通常(0)」に移行させる。この「探索(2)」に移行するときも、滞在遊技数が抽選等により決定され、当選値が演出情報カウンタに格納されて遊技毎に減算される。そして、その滞在遊技数の遊技が実行されると、主演出状態を「BM(2)」に移行させる。この「BM(2)」に移行するときは、「探索(2)」で蓄積したモード移行ポイントに基づいて滞在遊技数が決定される。この「BM(2)」においては、遊技毎にAT抽選が行われ、当選すると主演出状態を「AT準備(3)」に移行させる。また、滞在遊技数の遊技が実行されると、AT抽選の当否に拘わらず、主演出状態を「AT準備(3)」に移行させる。
主演出状態である「AT準備(3)」は、「通常(1−0)」に移行させるか、「AT通常(4)」に移行させるかを決定する演出状態である。これらの移行は、上述した押し順リプレイの当選に対するストップボタン33a〜33cの押し順により、後述するAT移行カウンタを更新することで決定される。したがって、どちらの演出状態に移行させるかは、押し順リプレイの当選に対する副制御手段200の押し順の報知により制御することができる。
主演出状態である「AT通常(4)」は、押し順ベルの当選に対して正解押し順を報知することにより、遊技者に有利なAT遊技を実行する状態である。また、この「AT通常(4)」からは、「通常(1−0)」又は「ボーナス準備(5)」に移行する。「AT通常(4)」を継続するか、「通常(1−0)」又は「ボーナス準備(5)」に移行するかは、押し順リプレイの当選に対するストップボタン33a〜33cの押し順で決定される。したがって、この「AT通常(4)」からの演出状態の移行先も押し順リプレイの当選に対する副制御手段200の押し順の報知により制御することができる。
主演出状態である「ボーナス準備(5)」は、この主演出状態を「ボーナス(6)」に移行させるか、「AT通常(4)」に移行させるかを決定する演出状態である。この移行先の決定は、押し順リプレイの当選に対するストップボタン33a〜33cの押し順と、主演出状態番号及び補助演出状態番号で決定される。さらに、主演出状態である「ボーナス(6)」においては、押し順ベルの当選に対して、移行時に決定された回数の正解押し順の報知が行われる遊技者に有利な遊技が実行される。移行時に決定された回数の報知が行われると、主演出状態が「ボーナス準備(5)」に移行する。ここで、押し順ベルの報知の回数は、後述する演出情報カウンタに記憶し、押し順ベルに当選する毎にこの演出情報カウンタの値を減算することにより管理することができる。
なお、主演出状態が「通常(1)」、「BM(2)」、「AT通常(4)」及び「ボーナス準備(5)」のときは、疑似遊技において、所定の図柄の組み合わせが停止すると(疑似遊技番号が15〜18のときは)、「ボーナス(6)」に直接移行するように構成されている。
以上のように、主演出状態が「AT準備(3)」のとき、及び、「AT通常(4)」のときは、他の状態へ移行するか否かを、押し順リプレイの当選に対するストップボタン33a〜33cの押し順で決定している。後述する演出制御手段301は、実行された疑似遊技の図柄(疑似条件装置番号)やシナリオ番号(レベル)により、AT遊技(「AT通常(4)」の状態)への移行や、ボーナス遊技への移行(「ボーナス準備(5)」の状態への移行を決定する(もしくは、抽選確率を変化させる))を決定するように構成されている。
(外部信号送信手段180)
外部信号送信手段180は、主制御手段100に接続された外部集中端子板80を介して、遊技に関する情報を出力するものである。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー32が操作されたときの情報、投入された遊技メダルや払い出された遊技メダルの情報、特定の図柄の組み合わせ(例えば「赤7−赤7−赤7」)が有効ライン上に表示されたときの情報等であって、これらの情報に基づいて遊技回数やボーナスゲームの開始を外部装置で表示する(若しくは管理する)ための情報である。例えば、スタートレバー32が操作されたときの情報により遊技回数を表示することができ、投入された遊技メダルと払い出された遊技メダルの枚数の差から差枚数を表示することができる。また、特定の図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたときの情報により、ボーナスの回数を表示することができる。
(制御コマンド送信手段185)
制御コマンド送信手段185は、主制御手段100の情報を副制御手段200に伝達するための制御コマンドを送信するための手段である。副制御手段200は、後述するように、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、演出の態様や実行タイミングを決定するように構成されている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200による制御コマンドの取りこぼし等を防止するために、後述するように、同じコマンドを2回送信するように構成されている。
(第2乱数発生手段190)
主制御手段100は、この主制御手段100により発生する乱数値の更新が行われる第2乱数発生手段190を有している。この第2乱数発生手段190により発生する乱数値は2バイトの乱数値であって、ソフト乱数とも呼ばれる。この第2乱数発生手段190は、後述する割込処理が実行されるごとにソフト乱数更新処理が実行されその値が更新されるように構成されている。また、このソフト乱数更新処理は、遊技を開始してからスタートレバー32が操作されるまでの間と、リール21a〜21cが回転を開始してから全てのリールが停止するまでの間においても実行されるように構成されている。このように、割込処理だけでなく、遊技進行メイン処理内のループ処理内でソフト乱数を更新することにより、後述する遊技進行メイン処理内の更新タイミング及び回数は、遊技者の操作の影響を受けて変化するため(1回の単位遊技でソフト乱数が更新される回数が遊技者の操作タイミング等で変化するため)、この第2乱数発生手段190で発生される乱数値(ソフト乱数)のランダム性を担保することができる。
(副制御手段200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御する主制御手段100とその遊技に対する演出を制御する副制御手段200とは分離して構成されている。そのため、主制御手段100は、副制御手段200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドを副制御手段200に送信するように構成されており、副制御手段200を構成する副制御基板300の演出制御手段301は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、放音部(スピーカ)43、及び、バックランプ44により映像、光及び音響効果並びにリール表示窓11に表示される図柄を用いて演出を行うように構成されている。
この副制御手段200において副制御基板300と画像制御基板400とは、図3に示すように、バス210に接続されている。副制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340、及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像制御基板400には、サブサブCPU470、画像制御IC410及び音源IC440が設けられており、上述のバス210に接続されたサブサブCPU470により制御される。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカ43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述した各種演出用ランプ42(42a,42b)、及び、バックランプ44も接続されてその点灯・消灯動作が副制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ操作スイッチ45が接続されている。このサブ操作スイッチ45は、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ操作スイッチ45は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像制御基板400に設けられたサブサブCPU470に対してサブ制御コマンドを送信することにより、このサブサブCPU470により画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41や放音部43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、放音部43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報に基づいて再生され、アンプ460を介して放音部43(43a,43b)から出力される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、画像表示装置41に表示される映像を用いた演出における放音部43を用いた音声の出力は、副制御基板300のサブCPU310から送信されるサブ制御コマンドに基づいて、画像制御基板400のサブサブCPU470により実行される。また、画像表示装置41を用いず、放音部43からの音の出力だけの演出(及びエラーの報知)も、サブCPU310から送信されるサブ制御コマンドによりサブサブCPU470で実行される。そのため、画像制御基板400に搭載される音源IC(サウンドチップ)440として、音を出力するチャネルを複数有するものを用いることにより、複数のチャネルに対して画像表示装置41を用いた演出の音声の出力(主に、画像制御基板400の制御による音の出力)と、画像表示装置41を用いない演出の音声の出力(主に、副制御基板300の制御による音の出力)とのそれぞれで使用するチャネルを割り当てることにより、副制御基板300と画像制御基板400とで使用チャネルが重ならないようにすることができる(例えば、16チャネルある音源IC440の場合に、1〜6チャネルを副制御基板300に割り当て、7〜16チャネルを画像制御基板400に割り当てる)。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述したように、主制御手段100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、副制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
図2に示すように、副制御基板300には、演出を実行する演出制御手段301、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段302及び画像制御基板400に対してサブ制御コマンドを送信するサブ制御コマンド送信手段303が設けられている。また、画像制御基板400には、画像及びサウンドの制御を行う画像/サウンド出力手段401、及び、副制御基板300から送信されたサブ制御コマンドを受信するサブ制御コマンド受信手段402が設けられている。なお、上述したように、主制御手段100は、同一の制御コマンドを2回送信するように構成されている。そのため、副制御基板300は、2個の同一の制御コマンドを受信したときにその制御コマンドを有効としてもよい(1個しか受信できないときは無効として破棄する)。この場合、主制御手段100から受信した制御コマンドの信頼性が向上する。また、いずれか一個の制御コマンドを受信できたときにその制御コマンドを有効としてもよい。あるいは、2個の制御コマンドの一部が欠損してもそれらの制御コマンドから1つの制御コマンドを再生することができるときは、その制御コマンドを有効として扱ってもよい。この場合、主制御手段100から送信される制御コマンドの取りこぼしを防止することができる。このように、副制御手段200を構成する演出制御基板300の演出制御手段301は画像や音声の出力の指示を行う出力指示手段としての機能を有し、画像制御基板400の画像/サウンド出力手段401は表示手段としての画像表示装置41や音声出力手段としての放音部43に対して画像や音声の出力の制御を行う表示制御手段としての機能を有している。
(副制御基板300による画像制御基板400の制御の具体例)
それでは、副制御基板300による画像制御基板400の作動を制御するための具体例を図12〜図16を用いて説明する。ここで、図12は、パワーオンリセット時の画像制御基板400の処理のフローチャートであり、図13は、起動と暴走監視のタイムチャートであり、図14は、副制御基板300から画像制御基板400に対してデータを送信するときのフローチャートであり、図15は、サブ制御コマンドの流れを説明するための説明図であり、図16は、サブ制御コマンドのデータ構造を説明するための説明図である。
−起動について−
電源投入時には、副制御基板300のサブCPU310は、画像制御基板400のサブサブCPU470に対してリセット信号を送信することにより、画像制御基板400のリセット(「パワーオンリセット」とも呼ぶ)を行う。このとき、画像制御基板400のサブサブCPU470は、画像制御IC410や音源IC440、その他周辺回路のリセットを行う。なお、リセット発生タイミングとしては、上述した電源投入時以外に、後述するシリアル通信での異常時や、画像制御基板400の正常動作を監視するための信号(以下、「暴走監視信号」と呼ぶ)の異常時、上述した設定変更が行われて副制御基板300が設定値の変更に関する制御コマンドを受信したとき、副制御基板300に異常が発生したとき等に行われる。なお、リセット時は、画像制御基板400の各種ハードウェア設定及びRAM初期化処理が必ず実行され、いかなる場合でも、リセットにより確実に起動時の手続が実行されるように構成されている。具体的には、図12に示すように、画像制御基板400のサブサブCPU470は、副制御基板300からリセット信号を受信してパワーオンリセット処理を開始すると、割込設定処理(割込マスク)を行い(ステップS700)、この画像制御基板400の各種ハードウェアの設定処理を行う(ステップS701)。また、サブサブCPU470は、ビデオRAM420等のRAMの初期化処理(ステップS702)、及び画像制御IC410の初期化処理(ステップS703)を行い、シリアル通信を可能にし(ステップS704)、暴走監視信号の出力を開始し(ステップS705)、画像表示装置41に「画面準備中」の文字を表示する(ステップS706)。なお、ステップS700〜S706の実行順序は任意でよく、図12の順序に制限されることはない。但し、ステップS705の暴走監視信号の出力は、ステップS704のシリアル通信が可能になり、ステップS703の画像制御IC410の初期化が完了した時点(ブートが完了した時点)で開始する。そしてブートが完了すると、サブサブCPU470は、ビデオRAM420に対して常駐データを転送する処理を行う(ステップS707)。この常駐データ転送処理は、常駐データの転送を開始し(ステップS7071)、データ転送が終了したか否かを監視し(ステップS7072)、常駐データの転送が終了したと判断すると、画像表示可能信号をオンにして(ステップS7073)、この処理を終了する。ここで、サブサブCPU470は、常駐データの転送中は、副制御基板300から画像表示に関するサブ制御コマンド(以下、「画像系コマンド」とも呼ぶ)が送信されても無視し、音の出力に関するサブ制御コマンド(以下、「サウンド系コマンド」とも呼ぶ)は処理するように構成されている(基本的に、副制御基板300は、パワーオンリセット中には画像系コマンドは送信しない)。なお、ステップS706で表示された「画面準備中」は、副制御基板300から画像表示の指示のサブ制御コマンド(画像系コマンド)を受信するまで表示が継続される。
−起動と暴走監視について−
次に、図13を用いて、図12に示したパワーオンリセット処理と暴走監視の関係を説明する。時刻t10において副制御基板300からリセット信号が出力され(リセット信号が高い電圧(H)から低い電圧(L)になり、さらに、高い電圧(H)に戻る)、画像制御基板400のサブサブCPU470がこのリセット信号を検出すると(時刻t11)、上述したパワーオンリセット処理がこの画像制御基板400で実行される。ここで、サブサブCPU470は、上述したブートが完了すると(時刻t12)、ステップS705で暴走監視信号の出力を開始する。この暴走監視信号は、画像表示装置41に対する画像の表示切り替え毎(1フレーム毎)に、高い電圧(H)と低い電圧(L)を切り替えるように構成されている。そして、サブサブCPU470は、ブートが完了すると常駐データの転送を開始し(時刻t13)、この常駐データの転送が完了すると(時刻t15)、画像表示可能信号を高い電圧(H)に切り替える(画像表示可能信号は、初期設定時は低い電圧(L)に設定されている)。
一方、副制御基板300のサブCPU310は、暴走監視信号の切り替わりを4回検出すると(時刻t14)、画像制御基板400の起動完了と判断する。但し、リセット信号の出力から所定の時間(例えば30秒)経過しても画像制御基板400の起動完了と判断できない場合は、サブCPU310は画像制御基板400の異常と判断して再度リセットを行うように構成されている(図13には図示せず)。なお、サブCPU310は、画像制御基板400の起動完了と判断すると、副制御基板300と画像制御基板400との間のサブ制御コマンドの送信(シリアル通信)を許可するとともに、サウンド系コマンドの送信を許可する(すなわち、画像制御基板400の起動完了から、常駐データの転送終了までは、副制御基板300は、サウンド系のコマンドのみを画像制御基板400に送信するように構成されている)。
次に、副制御基板300のサブCPU310は、暴走監視信号と画像表示可能信号との論理積の切り替わりを4回検出すると(時刻t16)、画像制御基板400における常駐データの転送終了と判断する。但し、画像制御基板400の起動完了から所定の時間(例えば70秒)経過しても常駐データの転送終了と判断できない場合は、サブCPU310は画像制御基板400の異常と判断して再度リセットを行うように構成されている(図13には図示せず)。また、サブCPU310は、常駐データの転送終了と判断すると(画像制御基板400の表示準備が完了したと判断すると)、画像系コマンドの送信を許可するとともに、画像制御基板400が正常に動作していることの監視(「WDT(Watch Dog Timer)監視」とも呼ぶ)を有効にする。
なお、副制御基板300のサブCPU310は、画像制御基板400の表示準備が完了したと判断した後は、常時、暴走監視信号と画像表示可能信号との論理積を監視することにより上述したWDT監視を行う。サブCPU310は、このWDT監視において所定の時間(例えば10秒以上)信号の切り替わりを検出しなかった場合は、画像制御基板400の異常と判断する(時刻t17から10秒が経過した時刻t18)。サブCPU310は、画像制御基板400の異常と判断した場合は、リセット信号を出力して画像制御基板400をリセットし、その後の状態に応じて適当なサブ制御コマンドを画像制御基板400に送信して表示を復帰させる。なお、以上の説明おけるリセット信号等の電圧の高低(H/L)は、逆でもよい。
−通信方式−
副制御基板300のサブCPU310から画像制御基板400のサブサブCPU470へ送信するサブ制御コマンドは2バイト構成(チェックサムは1バイト)となっており、シリアル通信で行われる。ここで、通信フォーマットとしては、例えば、8ビットデータの調歩同期式(パリティ(偶数パリティ)有り、ストップビット=1ビット)が用いられ、所定の通信速度(例えば、38400ビット/秒)でデータが伝送される。具体的には図14に示すように、サブCPU310は、リトライ回数に0を設定し(ステップS710)、送信バッファに貯められたデータが1バイトずつサブサブCPU470に送信される(ステップS711)。なお、ここでは、送信バッファに貯められた複数のサブ制御コマンド(合計でnバイトとする)がまとめて送信される場合について説明する。また、本実施形態においては、1バイトのデータの最上位ビット(MSB)で、データかチェックサムかを表しており、MSBが0のときはデータを示し、1のときはチェックサムを示す。そして、サブCPU310は、nバイトのデータ送信が完了すると(最後にチェックサムを送信すると)、サブサブCPU470から応答信号(ACK)の受信を待つための時間(受信待ち時間)を設定する(ステップS712)。
図14には図示していないが、上述したデータを受信した画像制御基板400のサブサブCPU470は、サブCPU310から送信されたデータに含まれるコマンド数とチェックサムを検査し、異常があるときは受信エラーの応答信号を送信する。一方、コマンド数とチェックサムが正常なときは、受信したコマンドを図15に示す受信バッファに保存して正常受信の応答信号として受信したチェックサムをサブCPU310に送信する。
そして、副制御基板300のサブCPU310は、受信待ち時間が所定の閾値を超えてタイムアウトしたか否かを判断し(ステップS713)、タイムアウトしていないときは、サブサブCPU470からの受信データがあるか否かを判断し(ステップS714)、受信データがあるときは正常受信の応答信号であるか否かを判断する(ステップS715)。サブサブCPU470からの応答信号が正常受信を示すものであるときは、送信完了を設定して(ステップS716)、このデータ送信処理を終了する。また、ステップS714で受信がないと判断したときは、ステップS713に戻る。また、ステップS713でタイムアウトしたと判断するか、ステップS715で正常受信を示す応答信号でないと判断したときは、リトライ回数に1を加算し(ステップS717)、現在のリトライ回数が所定の回数(例えば3回)を超えているか否かを判断する(ステップS718)。ここで、リトライ回数が3回以下のときは、復旧処理を行う(ステップS719)。具体的には、サブCPU310は、ダミーのチェックサムデータをサブサブCPU470に送信して上記タイムアウトが発生するまでの間にサブサブCPU470から応答信号を受信するか否かを監視し、応答信号を受信できたときは通信が回復したとして、再度上記手順にしたがってデータの送信を行う。一方、リトライ回数が3回を超えたときは、通信リセット要求を設定する(ステップS720)。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1において、1回の連続送信(チェックサムを送信するまで)における最大送信バイト数は、例えば、チェックサムを含んで15バイトに設定されている。したがって、複数の制御コマンドで1つの制御を行う場合(例えば、2つのコマンドを1つのコマンド群とすることにより、4バイトのデータで1つのコマンド群が構成される場合)、画像制御基板400のサブサブCPU470側のフレームを跨いでこのコマンド群が送信される場合がある。
−サブ制御コマンドについて−
上述したように、副制御基板300のサブCPU310から送信されたデータは、図15に示すように、一旦、画像制御基板400の受信キューに蓄えられた後、受信バッファに移動される。そして、最上位ビット(MSB)が0のデータを2バイトずつ組み立ててサブ制御コマンドとしてコマンドバッファに記憶し、さらに、画像系コマンドは画像系コマンドバッファに記憶し、サウンド系コマンドはサウンド系コマンドバッファに記憶する(図15では、コマンド1,2,4,6が画像系コマンドで、コマンド3,5,7がサウンド系コマンドである場合を示している)。ここで、サブ制御コマンドは、図16に示すようなデータ構造とすることができる。すなわち、2バイトのサブ制御コマンドのうち、上位バイト(15ビットから8ビットまで)の上位4ビットをコマンド分類として、「0001」を例えばサウンド系コマンドとする(最上位ビット(MSB=15ビット)は0がデータを示している)。また、続く3ビットで、コマンドの種類を指定する。この3ビットは0〜7の8種類のコマンドを指定することができるため、例えば、図16に示すように割り当てることができる。なお、下位バイト(7ビットから0ビットまで)は、コマンド種類に応じた情報を設定することができる(この場合も最上位ビット(MSB=7ビット)は0がデータを示している)。また、図15の受信バッファに示すように、MSB=1のデータ(チェックサム)の後のMSB=0のデータ(サブ制御コマンドを構成することができない1バイトのデータ)は破棄することにより、ノイズ等により発生したエラーデータを処理しないようにすることができる。
このように画像系コマンドとサウンド系コマンドをそれぞれ別のバッファに記憶することにより、画像系の処理落ち又はローディング待ち等で、サウンド(音)の出力も遅れてしまうことを回避することができる。
なお、図16はサウンド系コマンド(上位4ビットが「0001=1」)であるときの例を示したが、画像系コマンドは上位4ビットに「0100、0101、0110=4〜6」が設定される。また、後述するストックに関する情報や押し順に関する情報のためのサブ制御コマンドは、上位4ビットに「0011=3」が設定される。また、エラーに関する情報や特別な情報を表示させるためのサブ制御コマンドは、上位4ビットに「0000又は0111=0又は7」が設定される。
(副制御基板300による処理の制御)
このような副制御基板300における処理の制御について、図17を用いて具体的に説明する。なお、図17は、副制御基板300で実行されるサブメインループ処理の流れを示すフローチャートである。この副制御基板300のサブCPU310は、図17に示すサブメインループ処理を割り込み処理により繰り返し実行するように構成されている(本実施形態では約16ms毎にこの処理を繰り返すように構成されており、1回の処理を「フレーム」と呼んでいる)。
1フレームの処理が開始されると、副制御基板300のサブCPU310は、ランプ(演出用ランプ42、バックランプ44等)の点灯及び音を出力するための制御を行う(ステップS730)。また、液晶ユニット(画像表示装置41及びこれを制御するための画像制御IC410等)の監視(ステップS731)、アンプ(音源IC440やアンプ460)の状態の監視(ステップS732)、及び、バスコントローラ(バス210等)の監視(ステップS733)を行う。さらに、サブCPU310は、フレーム毎に実行すべき処理の実行を行う(ステップS734)。そして、現在実行しているフレームの残りの時間で、主制御手段100から送信された制御コマンドをコマンドバッファから取り出し、当該制御コマンドに応じた処理(ステップS735)及び乱数の更新などの残余時間処理(ステップS736)を実行し、16msが経過して1フレームが終了したと判断すると上述したステップS730に戻りこれらの処理を繰り返す(ステップS737)。
(主制御手段100での処理)
次に、図18〜図55を合わせて用いて主制御手段100で実行される処理について説明する。ここで、図18はプログラム開始処理の流れを示すフローチャートであり、図19は設定変更処理の流れを示すフローチャートであり、図20は電源復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図21は制御コマンドセット1処理及び制御コマンドセット2処理の流れを示すフローチャートであり、図22は、主要な変数を示す説明図であり、図23は遊技進行メイン処理の流れを示すフローチャートであり、図24は遊技メダル管理処理の流れを示すフローチャートであり、図25は遊技メダル投入チェック処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図26は遊技メダル投入チェック処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図27は貯留枚数1枚加算処理及び遊技メダル1枚加算処理の流れを示すフローチャートであり、図28は役抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図29は抽選判定処理の流れを示すフローチャートであり、図30は疑似遊技実行判定処理の流れを示すフローチャートであり、図31はテーブル番号決定テーブル及びテーブルモード決定テーブルを示す説明図であり、図32は疑似条件装置を示す説明図であり、図33は押し順パターン抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図34は周期遊技数管理処理、疑似遊技ストック処理及び疑似遊技ストック管理処理の流れを示すフローチャートであり、図35は遊技開始処理、モード移行ポイントカウンタ加算抽選処理及びレバー系コマンド処理の流れを示すフローチャートであり、図36は疑似遊技実行処理及びリール停止管理処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図37はリール停止管理処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図38は遊技終了処理の流れを示すフローチャートであり、図39は主演出状態1,3状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図40は再遊技押し順判定A処理及び前兆管理処理の流れを示すフローチャートであり、図41はモード前兆終了処理の流れを示すフローチャートであり、図42は主演出状態2状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図43は主演出状態4状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図44は再遊技押し順判定B処理の流れを示すフローチャートであり、図45は主演出状態5状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図46は主演出状態が「ボーナス準備(5)」のときの押し順リプレイの操作順序と変数及び操作内容を示す説明図であり、図47は主演出状態6状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図48はボーナス終了処理、状態移行変数操作処理及びAT終了処理の流れを示すフローチャートであり、図49はボーナス直当たり時変数操作処理の流れを示すフローチャートであり、図50は全停系コマンド処理及び疑似遊技前兆遊技数処理の流れを示すフローチャートであり、図51は遊技終了チェック処理の流れを示すフローチャートであり、図52は割込処理の流れを示すフローチャートであり、図53は電源断処理の流れを示すフローチャートであり、図54は制御コマンド送信処理の流れを示すフローチャートであり、図55はソフト乱数更新処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御手段100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムとして、電源投入時に実行されるプログラム開始処理S500及びこのプログラム開始処理S500に続けて実行されるプログラムであって、単位遊技毎に繰り返し実行される遊技進行メイン処理S540と、所定の割込間隔(例えば、1.49ms)で実行される割込処理S570とで構成されている。
[電源投入時の処理]
−プログラム開始処理S500−
本実施形態に係るスロットマシン1の電源スイッチ35が操作されて電源が投入されると、主制御手段100のメインCPU101において、図18に示すプログラム開始処理S500が実行される。このプログラム開始処理S500において、主制御手段100は、まず、メインCPU101のレジスタを初期化し(ステップS501)、今回の電源投入の前の電源断において、後述する電源断処理S5540が正常に実行されたか否かを電源断処理フラグで確認する(ステップS502)。このステップS502において、電源断処理フラグが正常値である、すなわち、電源断処理S5540が正常に実行されたと判断すると、主制御手段100は、RAM103の全範囲に対してチェックサムを算出する(ステップS503,S504)。なお、ステップS502において電源断フラグが正常値でない(例えば設定されていない)ために電源断処理S5540が正常に実行されていないと判断したときは、このチェックサムを算出する処理は実行されない。そして、チェックサムを算出した結果を電源断復帰データとしてレジスタに記憶する(ステップS505)。すなわち、RAM103のいずれかの領域で異常が検出された情報、若しくは、RAM103の全ての範囲で正常である情報が電源断復帰データとして記憶される。
次に、主制御手段100は、入力ポート1のデータを読み出してレジスタに記憶する(ステップS506)。この入力ポート1は、1バイト(8ビット)の情報であって、ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92、設定変更キースイッチ36及びリセット/設定スイッチ37の開閉又はオン・オフ情報が予め決められたビットに設定されるように構成されている。すなわち、この入力ポート1の1バイトの情報を読み出すことにより、ドアの開閉又は設定変更キースイッチのオン・オフを検知することができる。主制御手段100は、この入力ポート1の情報のうち、指定スイッチ(ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92及び設定変更キースイッチ36の全て)がオンであるか否かを判断する(ステップS507)。そして、これらの全てのスイッチがオンであると判断すると、主制御手段100は、ステップS505でレジスタに記憶した電源断復帰データが異常であるか否かを判断し(ステップS508)、異常で無いと判断すると、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS509)。この設定変更不可フラグは、設定変更処理を不可とするためのフラグであって、本実施形態に係るスロットマシン1では、後述する役抽選処理S545から遊技終了チェック処理S568までの間はこの設定変更不可フラグがオンとなる。主制御手段100は、ステップS507で指定スイッチの全てがオンでないと判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンであると判断したときは、電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS510)、正常であると判断したときは電源復帰処理S531を実行し、正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS511)。この復帰不可能エラーの状態を解除するためには、設定変更キースイッチ36をオンした状態で電源を投入することにより、後述する設定変更処理S512を実行させることが必要である。
−設定変更処理S512−
主制御手段100は、設定変更処理S512に移行したときは、図19に示すように、RAM103の初期化範囲として所定範囲をレジスタに記憶する(ステップS513)。この所定範囲は、電源断処理S5540が正常に実行されたと判断した場合の範囲であって、設定値データ、RT状態番号、条件装置フラグは含まれない(これらの値は初期化されない)。また、主制御手段100は上述した電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS514)、正常でないと判断したときは、RAM103の初期化範囲として特定範囲をレジスタに記憶する(ステップ515)。電源断処理S5540が正常でないと判断したときは、設定値データ、RT状態番号及び条件装置フラグの範囲も初期化の対象とする。また、ステップS514で正常であると判断したときは、ステップS515を実行せずに次のステップに進む。そして、主制御手段100は、上述したステップS513又はステップS515で設定された範囲の初期化を行う(ステップS516,S517)。
次に主制御手段100は、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS518)、「設定変更開始」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS519)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS520)。
また、主制御手段100は、RAM103に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS521)、正常でないと判断したときは、設定値として「1」をRAM103に記憶する(ステップS522)。また、ステップS521で正常であると判断したときは、ステップS522を実行せずに次のステップに進む。そして、主制御手段100は、設定変更処理中を示すランプを点灯させ(ステップS523)、リセット/設定スイッチ37の操作を検出したときに(ステップS524)設定値を更新する(ステップS525)という処理をスタートレバー32の操作を検知するまで繰り返す(ステップS526)。ここで、設定変更処理中のランプは、例えば7セグメントディスプレイで構成され現在の設定値が表示されるように構成することができる。主制御手段100は、ステップS526でスタートレバー32の操作を検出し、設定変更キースイッチ36がオフになったことを検出すると(ステップS527)、設定変更処理中のランプを消灯し(ステップS528)、「設定変更終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS529)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS530)、遊技進行メイン処理S540を実行する。
−電源復帰処理S531−
主制御手段100は、電源復帰処理S531に移行したときは、図20に示すように、RAM103に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS532)、正常であると判断したときは、RAM103の未使用領域の初期化範囲をレジスタに記憶し(ステップS533)、この初期化範囲の初期化を行う(ステップS534,S535)。次に、主制御手段100は、電源断前の入力データから最新のデータに更新するために、入力ポート0〜2のデータを読み込み(ステップS536)、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS537)、「電源断処理フラグ」を示すデータをRAM103からクリアし(ステップS538)、電源断がされたときに中断されたプログラムの実行位置に復帰する。なお、主制御手段100は、ステップS532で設定値が正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS539)。このときも、この復帰不可能エラーの状態を解除するために、設定変更キースイッチ36をオンした状態で電源を投入して、上述した設定変更処理S512を実行させることが必要である。また、入力ポート0は、1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、清算ボタン34、1ベットボタン31a、MAXベットボタン31b、スタートレバー32、左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cがオンになったときにその値(1又は0)が変化するように構成されている。また、入力ポート2も1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、電源断を検知したとき、第1投入センサ61及び第2投入センサ62で遊技メダルを検知したとき、払出センサ71で遊技メダルを検知したとき、並びに、ホッパー装置のサブタンクの満杯を検知したときにその値(1又は0)が変化するように構成されている。
[制御コマンドを送信するための設定処理]
−制御コマンドセット1処理S5000−
−制御コマンドセット2処理S5010−
制御コマンドセット1処理S5000は、制御コマンドセット2処理S5010を呼び出して、レジスタに記憶された情報を制御コマンドとして制御コマンドバッファに記憶させるための処理である。なお、この処理で設定された制御コマンドは、後述する制御コマンド送信処理S5550で副制御手段200に送信される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における制御コマンドは2バイトデータで構成され、上位1バイトを「第1制御コマンド」と呼び、下位1バイトを「第2制御コマンド」と呼ぶ。また、副制御手段200に送信するための制御コマンドを記憶しておく制御コマンドバッファは、RAM103に設けられ、32個の制御コマンドをバッファ可能に構成されている(データサイズは64バイト)。
主制御手段100は、制御コマンドセット1処理S5000が呼び出されると、図21に示すように、まず、割込処理の実行を禁止し(ステップS5001)、制御コマンドセット2処理S5010を実行する(ステップS5002)。
この制御コマンドセット2処理S5010が呼び出されると、主制御手段100は、書込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5011)、このアドレスのデータ(書込ポインタの値)をレジスタにセットする(ステップS5012)。ここで、書込ポインタは、制御コマンドバッファにおいて、次の制御コマンドを書き込める位置を保持しており、制御コマンドバッファに1つの制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタの値に1が加算される。なお、制御コマンドバッファは循環的に使用されるため、この制御コマンドバッファの最後の領域に制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタは、制御コマンドバッファの先頭の領域の位置を記憶するように構成されている。同様に、後述する読込ポインタは、制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドであって、未だ送信されていない制御コマンドうち、最初に記憶された位置を保持している。そして、制御コマンドバッファの先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5013)、このレジスタの先頭アドレスの値に、レジスタにセットされた書込ポインタの値を2倍したものを加算することにより、制御コマンドを書き込むアドレス(以下「指定アドレス」と呼ぶ)を決定する(ステップS5014)。
次に、主制御手段100は、レジスタに記憶されている指定アドレスの位置に記憶されているデータを読み出し、このデータが「0」でないか否かを判断する。すなわち、この指定アドレスのデータが「0」でないときは、制御コマンドバッファに32個のコマンドがバッファされていることになるため、主制御手段100は、指定アドレスのデータとして「0」が記憶されているか否かを判断することにより、制御コマンドバッファに記憶されている制御コマンド数が32よりも小さいか否かを判断する(ステップS5015)。このステップS5015で制御コマンドバッファにバッファされている制御コマンドの数が32より少ないと判断すると、主制御手段100は、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RAM103に記憶されているデータを参照する必要があるデータか否かを判断し(ステップS5016)、RAM103に記憶されているデータを参照するときは、第2制御コマンドとして書き込むデータをRAM103から読み出してレジスタに記憶する(ステップS5017)。ここで、「データを参照する必要があるデータ」としては、規定数情報(再遊技時の自動投入枚数)、設定値情報、RT状態番号、等である。また、ステップS5016でRAM103に記憶されているデータを参照しないと判断したときは、ステップS5017を実行せずに次のステップに進む。そして、制御コマンドセット1処理S5000が実行される直前の処理でレジスタに記憶されたデータを第1制御コマンドを示すデータとしてRAM103の指定アドレスの位置に記憶し(ステップS5018)、レジスタに記憶されている指定アドレスに1を加算して、RAM103の第1制御コマンドを記憶した次のアドレスに、レジスタに記憶されている第2制御コマンドを示すデータを記憶し(ステップS5019)、書込ポインタに1を加算し(ステップS5020)、制御コマンドセット1処理S5000に戻る。そして、主制御手段100は、割込を許可し(ステップS5003)、制御コマンドセット1処理S5000を終了して、この制御コマンドセット1処理S5000が呼び出された処理に戻る。
[単位遊技毎の処理(遊技進行メイン処理S540)]
本実施形態に係るスロットマシン1は、電源投入後に上述したプログラム開始処理S500、設定変更処理S512、電源復帰処理S513が実行されると、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理S540が実行される。ここでは、1回の遊技(単位遊技)の進行に沿ってこの遊技進行メイン処理S540を説明する。なお、この遊技進行メイン処理S540で用いられる主な変数を図22に示す。
主制御手段100は、遊技進行メイン処理S540に移行したときは、図23に示すように、まず、遊技開始チェック処理を実行する(ステップS541)。この遊技開始チェック処理S541において、主制御手段100は、前回の遊技で有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせにより、今回の遊技が再遊技又は特別遊技(MB遊技)であると判断したときは、それぞれの遊技に対応する作動フラグ(再遊技作動フラグ又は特別遊技作動フラグ)をセットする。また、各種遊技情報(設定値、遊技状態、RT状態)を示す制御コマンドを制御コマンドバッファに書き込む。また、今回の遊技が再遊技であるときは、前回の遊技でベットされた遊技メダルを自動投入する処理を行う。さらに、セレクタのブロッカ60をオンにし、メダルの流路を形成する。但し、今回の遊技が再遊技であって、クレジット数が最大(50枚)であるときは、ブロッカ60をオンにしない。
次に、主制御手段100は、メダル投入口51から投入されるかベットボタン31が操作されてベットされた遊技メダルの数と規定数が一致し(遊技メダル限界フラグがオンの状態)、且つ、スタートレバー32がオンされるまで、繰り返し遊技メダル管理処理S5030を実行する(ステップS542,S543)。
−遊技メダル管理処理S5030−
遊技メダル管理処理S5030は、遊技進行メイン処理S540において、遊技開始時の遊技メダルのベットを管理するものである。遊技メダル管理処理S5030が実行されると主制御手段100は、図24に示すように、ブロッカ60がオンであるか否かを判断し(ステップS5031)、ブロッカ60がオンのときは、さらに、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5032)、いずれかの投入センサがオンのときは遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。なお、図24〜図26においては、第1投入センサ61を「投入センサ1」と表記し、第2投入センサ62を「投入センサ2」と表記する。また、ステップS5031でブロッカ60がオンでないと判断したとき、及び、ステップS5032で2つの投入センサ61,62のいずれもがオンでないと判断したときは、主制御手段100は、ベットボタン31及び清算ボタン34の操作が受け付け可能であるか否かを判断し(ステップS5033)、さらに、これらのボタンの操作が受け付け可能であるときは、ベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出したか否かを判断する(ステップS5034)。そして、ステップS5034で操作受付を検出したときは、主制御手段100はその操作受付が清算ボタン34に対する操作であるか否かを判断し(ステップS5035)、清算ボタン34に対する操作であるときは、遊技メダル清算処理を実行し(ステップS5036)、清算ボタン34に対する操作でないときはベットボタン31に対する操作であるため、遊技メダルの貯留投入処理を実行し(ステップS5037)、遊技メダル管理処理S5030を終了して遊技進行メインS540に戻る。なお、ステップS5033でベットボタン31及び清算ボタン34の操作受付が可能でないと判断したとき、及び、ステップS5034でベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出していないと判断したときは、そのまま遊技メダル管理処理S5030を終了する。
一方、ステップS5032で、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンになったことを検知すると、主制御手段100は、図25に示す遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。この遊技メダル投入チェック処理S5038において、主制御手段100は、スタートレバー受付許可フラグをクリアし(ステップS5039)、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5040)。第1投入センサ61がオンでないときは、下流側の第2投入センサ62が先に遊技メダルを検出したことを意味しているため、主制御手段100は、図26に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図25に戻り、主制御手段100は、ステップS5040で第1投入センサ61がオンであると判断すると、投入センサ1通過チェック時間をセットし(ステップS5041)、第1投入センサ61及び第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5042)。そして、このステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンでないと判断すると、主制御手段100は、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5043)。このステップS5043で第1投入センサ61がオンでないときは、遊技メダルが流路を逆流していると考えられるため、図26に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5043で第1投入センサ61がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5044)、経過していないと判断したときはステップS5042に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5044で投入センサ1チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1投入センサ61で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図26に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図25に戻り、ステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断すると、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間をセットし(ステップS5045)、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5046)。主制御手段100は、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンでないと判断すると、次に、第1及び第2投入センサ61,62がオンであるか否かを判断し(ステップS5047)、これらのセンサ61,62がオンでないと判断すると、図26に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5047で、第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間又は投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5048)、いずれの通過チェック時間も経過していないと判断したときはステップS5046に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5048で投入センサ1チェック時間又は投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1及び第2投入センサ61,62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図26に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
ステップS5046で第1投入センサ61がオフで、第2投入センサ62がオンであると判断すると、主制御手段100は、図26に示すように、第1及び第2投入センサ61,62がオフであるか否かを判断し(ステップS5049)、第1及び第2投入センサ61,62がオフでないと判断すると、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5050)、第2投入センサ62がオンでないときは、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。一方、ステップS5050で第2投入センサ62がオンであると判断したときは、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5051)、経過していないと判断したときはステップS5049に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5051で投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第2投入センサ62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
次に、主制御手段100は、ステップS5049で第1及び第2投入センサ61,62がオフであると判断すると、現在の遊技の規定数を取得し、また、現在の遊技において再遊技作動フラグがオンになっているか(再遊技が作動しているか)を確認する(ステップS5052)。さらに、主制御手段100は、貯留されている遊技メダルの枚数(クレジット数)を読み込む(ステップS5053)。そして、現時点でベットされている遊技メダルの枚数と貯留されている遊技メダルの枚数の合計値が、規定数に最大貯留数を加えた枚数より少ないか否かにより、次の遊技メダルも投入可能であるか否かを判断し(ステップS5054)、投入可能でないときはブロッカ60をオフにする(ステップS5055)。このブロッカ60のオフにより、以降に投入された遊技メダルは返却口へ戻されることになる。また、ステップS5054で上限未満であると判断したときは、ステップS5055を実行せずに次のステップに進む。
更に、主制御手段100は、「1枚投入」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5056)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5057)。そして、主制御手段100は、遊技メダル限界フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS5058)、この遊技メダル限界フラグがオンであるときは貯留枚数1枚加算処理S5059を実行する。
貯留枚数1枚加算処理S5059は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、クレジットとして遊技媒体貯留手段141に加算するための処理であり、主制御手段100は、図27に示すように、貯留されている遊技メダルの枚数をRAM103から読み込み(ステップS5060)、この貯留枚数に1を加算して更新し(ステップS5061)、更新された貯留枚数をRAM103に保存する(ステップS5062)。そして、図26に示すように、スタートレバー受付許可フラグをオンにして(ステップS5077)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
一方、主制御手段100は、ステップS5058で遊技メダル限界フラグがオフであると判断したときは、遊技メダル1枚加算処理S5063を実行する。なお、遊技メダル限界フラグは、後述する遊技メダル1枚加算処理S5063でセットされる。
遊技メダル1枚加算処理S5063は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、ベットされる遊技メダルの枚数に加算するための処理であり、主制御手段100は、図27に示すように、ベットされている遊技メダルの枚数をRAM103から読み出し(ステップS5064)、この遊技メダル枚数に1を加算して更新し(ステップS5065)、更新された遊技メダル枚数をRAM103に保存する(ステップS5066)。次に、主制御手段100は、前回遊技における入賞で獲得した遊技メダルの枚数の情報をクリアし(ステップS5067)、ベットされた遊技メダルの枚数を出力ポートに設定することによりこの投入枚数を表示するLEDを点灯させる(ステップS5068)。さらに、主制御手段100は、現在の遊技の規定数を確認し(ステップS5069)、また、現在ベットされている遊技メダルの枚数をRAM103から読み込み(ステップS5070)、ベットされている遊技メダルの枚数と規定数が一致するか否かを判断することにより、ベットできる遊技メダルの枚数が限界に達しているか否かを判断し(ステップS5071)、限界に達しているときは遊技メダル限界フラグをセットし(ステップS5072)、スタートレバー受付許可フラグをオンにし(ステップS5073)、図26に戻り遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。なお、ステップS5071で限界に達していないと判断したときはステップS5072及びステップS5073は実行されない。また、遊技メダル限界フラグは、図23に示す遊技開始チェック処理S541でクリアされる。
図23に戻り、ステップS543で遊技メダル限界フラグがオンで且つスタートレバー32がオンされたと判断すると、スタートレバー受付フラグがオフにされる。また、このスタートレバー受付フラグがオンとなっているときはスタートレバー32が操作可能であることを所定のランプで報知する。そして、主制御手段100は、ステップS543でベットされた遊技メダルの枚数と規定数が一致し、且つ、スタートレバー32がオンされたと判断すると、セレクタのブロッカ60をオフし(ステップS544)、役抽選処理S5080を実行して当選役を決定し(ステップS545)、続いて当選役や遊技状態に基づいてフリーズ演出を実行するか否かを決定するフリーズ処理を実行する(ステップS546)。
−役抽選処理S5080−
役抽選処理S5080は、遊技進行メイン処理S540において、当選役を決定する処理である。図27に示すように、役抽選処理S5080において、主制御手段100は、第1乱数発生手段である乱数発生器102の乱数値レジスタから乱数値(2バイト乱数)を取得して第1の乱数値とし(ステップS5081)、また、第2乱数発生手段190からソフト乱数(2バイト)を読み出して第2の乱数値とする(ステップS5082)。そして、第1の乱数値と第2の乱数値から演算で(例えば、加算処理により)第3の乱数値(2バイト)を生成して役抽選用乱数値とし(ステップS5083)、この役抽選用乱数値をレジスタにセットする(ステップS5084)。このように、第1乱数発生手段である乱数発生器102から取得した第1の乱数値と、第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数である第2の乱数値とから演算により第3の乱数値を生成して役抽選に用いることにより、この役抽選で用いる乱数値のランダム性を高くし、当選する役に規則性がないようにすることができる。
主制御手段100は、このようにして生成された役抽選用乱数値を用いて役の抽選を行うが、このとき、本実施形態に係るスロットマシン1では、再遊技役、入賞役、特別役(MB)の順で抽選を行う。但し、再遊技役の抽選は特別遊技状態RT2では実行されない。あるいは、役の抽選は実行するが、再遊技役が抽選されないように構成してもよい。また、特別役の抽選は、内部中遊技状態RT1及び特別遊技状態RT2では実行されない。
まず、主制御手段100は、RT状態番号を取得し(ステップS5085)、次に、MBが作動しているか否かを判断することにより特別遊技状態RT2であるか否かを判断し(ステップS5086)、特別遊技状態RT2でないときは、RT状態番号に応じて再遊技役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5087)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5088)。ここで、条件装置内部抽選アドレステーブルとは、図8に示す当選番号を検索キーとし(以下、検索番号と呼ぶ)、この検索番号に対して当該検索番号に対応する役の確率データ(図8に示す値数)が役の種類毎(再遊技役、入賞役、特別役)に設定されているテーブルである。後述する抽選判定処理S5100で当選の判定を行う順に検索番号と確率データの組みが並んで記憶されている。なお、以降の説明では当選判定を行う役の全てを検索番号及び確率データの組として列挙している場合について説明するが、検索番号が連続し、同じ確率データを繰り返すときは、その繰り返すデータの検索番号、確率データ及び繰り返し数を記憶するように構成してもよい。例えば、図8に示す構成の場合、検索番号(当選番号)が8〜14の入賞役−B1〜B8は、その値数(確率データ)が4030であるため、「検索番号=8」、「確率データ=4030」、「繰り返し回数=8」と表し、繰り返す毎に検索番号に1を加算するように構成することができる。このように構成すると、条件装置内部抽選アドレステーブルに使用するメモリ量を削減することができる。
図29に示すように、抽選判定処理S5100において、主制御手段100は、再遊技役又は入賞役の抽選判定であるか否かを判断し(ステップS5101)、再遊技役又は入賞役の抽選判定であるときは、その条件装置内部抽選アドレステーブルの最初の検索番号をセットする(ステップS5102)。例えば、再遊技役の抽選判定であって、再遊技役の確率データが図8に示す順序に設定されている場合、検索番号として「1」が設定される。次に設定値別の確率データがあるか否かを判断し(ステップS5103)、設定値別の確率データがないときは、現在設定されている検索番号に基づいて設定値共通の確率データを取得し(ステップS5104)、設置値別の確率データがあるときは、設定値を取得し(ステップS5105),この設定値と現在設定されている検索番号に基づいて設定値別の確率データを取得する(ステップS5106)。次に、役抽選処理S5080のステップS5084でセットした役抽選用乱数値(第3の乱数値)を読み込み(ステップS5107)、この役抽選用乱数値から現在の検索番号の確率データを減算し(ステップS5108)、確率データが減算された役抽選用乱数値を保存する(ステップS5109)。そして、主制御手段100は、現在の役抽選用乱数値が0より小さいかを判断し(ステップS5110)、役抽選用乱数値が0以上のときは、検索番号に1を加算し(ステップS5111)、全ての検索番号について検索が終了したか否かを判断し(ステップS5112)、当否判定が終了していないときは、ステップS5107に戻り上記の処理を繰り返す。また、ステップS5110で現在の役抽選用乱数値が0より小さいと判断したときは、抽選判定処理S5100を終了する。すなわち、ステップS5110で役抽選用乱数が0より小さくなったと判断したときに、そのときの検索番号の役に当選したと判断することができる。
また、ステップS5112において、条件装置内部抽選アドレステーブルの全ての検索番号の確率データを減算しても役抽選用乱数が0以上のときは、主制御手段100は検索番号に0を設定してクリアする(ステップS5113)。検索番号に0を設定することにより、現在の条件装置内部抽選アドレステーブルに含まれる役には当選していないと判断することができる。図8の場合、非内部中遊技状態RT0のときに、抽選判定処理S5100が呼び出された時点の役抽選用乱数値(第3の乱数値)が9000であった場合、検索番号(当選番号)1から14の再遊技役の確率データ(値数)をこの役抽選用乱数から減算しても0より小さくならないため、再遊技役には当選していないと判断される。また、役抽選用乱数(第3の乱数値)が50であった場合、検索番号(当選番号)が「1」の再遊技役−Aの確率データ(2977)を役抽選用乱数から減算すると0より小さくなるため、この再遊技役−Aに当選したと判断することができる。
図28に戻り、主制御手段100は、ステップS5088の抽選判定処理の結果、検索番号が0でないか否かにより再遊技役に当選したか否かを判断し(ステップS5089)、当選していると判断したときは、現在の検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5099)、この役抽選処理S5080を終了する。一方、ステップS5089で再遊技役に当選していないと判断したときは、次に、RT状態番号に応じて入賞役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5090)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5091)。上述の例で説明すると、ステップS5083で生成した役抽選用乱数値(第3の乱数値)が9000であった場合、再遊技役に対する抽選判定処理を実行した時点で役抽選用乱数値は22となっている(再遊技役の全ての確率データの合計値が8978であるため)。そのため、非内部中遊技状態RT0における検索番号(当選番号)5の入賞役−A1の確率データが82であるため、この入賞役−A1が当選したと判断される。主制御手段100は、ステップS5091の抽選判定の結果から入賞役に当選しているか否かを判断し(ステップS5092)、当選していないと判断したとき(検索番号が0であるとき)は、MB条件装置が作動して内部中遊技状態RT1であるか否かを判断し(ステップS5093)、内部中遊技状態RT1でないときは、特別役(MB)の条件装置検索番号を取得し(ステップS5094)、特別役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5095)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5096)。この処理でも、特別役に当選したときはその検索番号が設定され、特別役に当選していないとき(再遊技役、入賞役、特別役のいずれにも当選していなく、はずれとなったとき)は、検索番号に0が設定されている。なお、ステップS5092で入賞役に当選したと判断したとき、及び、ステップS5093でMB条件装置が作動していると判断したときは、ステップS5094〜S5096は実行されず、次のステップに進む。
最後に、MBが作動中であるか否か、言い換えると特別遊技状態RT2であるか否かを判断し(ステップS5097)、MBが作動中であると判断したときは、全ての入賞役が当選しているときの条件装置検索番号をセットする(ステップS5098)。すなわち、特別遊技状態RT2においては、役の抽選結果に拘わらず、全ての入賞役が当選した状態となる。具体的には、図8の場合、検索番号(当選番号)が「20」となる。そして、現在の条件装置検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5099)、この役抽選処理S5080を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、役抽選のために生成した第3の乱数値(役抽選用乱数値)から、予め決められた順序で確率データ(当選判定データ)を減算していき、0より小さくなったときの確率データに対する役に当選したと判断するように構成されている。この構成によると、当選の判定を行いたい役(判定対象)毎に確率データを対応付けて条件装置内部抽選アドレステーブル(当選判定データ群)として記憶し、第3の乱数値からこの確率データを順に減算処理するだけで当否の判定することができるので、抽選の判定処理を簡単に実現することができる。もちろん、第3の乱数値(役抽選用乱数値)に上記確率データを順番に加算していき、最大値(2バイトデータの場合は65535)を超えたときに当選していると判定することも可能である。しかしながら、加算により判定する場合、例えば、乱数値の範囲が0〜999の抽選を行う場合、第3の乱数値に所定の値(例えば、2バイトデータなら64537)を加算した上でさらに確率データを加算しなければならず、処理が複雑になってしまう。一方、上述した減算方式であれば、乱数値がどのような範囲であっても、抽選用の乱数値から確率データを順に減算することで判定することができる。
なお、以上の説明では、役の種類毎に、条件装置内部抽選アドレステーブルを設定する場合について説明したが、例えば、抽選の順序にしたがって、再遊技役、入賞役、特別役の順でまとめてテーブルを定義しておき、当選判定をする際に、判定に用いる範囲を指定するように構成してもよい。例えば、再遊技役が5個あり、その検索番号が1〜5とし、入賞役が5個あり、その検索番号が6〜10とし、特別役が1個あり、その検索番号が11として、この順で並んで定義されているとする。この場合、非内部中遊技状態RT0で再遊技役、入賞役、特別役の順で判定するときは、「検索番号が1から11個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役、入賞役、特別役の当選判定を行うことができる。一方、内部中遊技状態RT1のときは、特別役の当選判定をしないので、「検索番号が1から10個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役と入賞役の判定を行うことができる。そのため、このようなデータ構造で条件装置内部抽選アドレステーブルを記憶すると、当選判定の処理をより簡単に実現することができる。
図23に戻り、主制御手段100は、主演出状態番号MRが3であるか否か、すなわち、現在の主演出状態が「AT準備(3)」であるか否かを判断し(ステップS547)、主演出状態番号MRが3でないと判断したときは、疑似遊技実行判定処理S5120を実行して、疑似遊技を実行するか否かを決定する(ステップS548)。
−疑似遊技実行判定処理S5120−
図30に示すように、疑似遊技実行判定処理S5120において、主制御手段100は、現在の主演出状態番号MRが1〜5の何れかであるか否かを判断し(ステップS5121)、主演出状態番号MRが1〜5でない、すなわち、主演出状態番号MRが6である「ボーナス(6)」のときは、疑似遊技は実行されないため、この疑似遊技実行判定処理S5120を終了する。また、ステップS5121で、主演出状態番号MRが1〜5の何れかであるときは、疑似遊技前兆カウンタCPが0であるか否かを判断し(ステップS5122)、疑似遊技前兆カウンタCPが0であるときは、疑似遊技を実行する状態にないため(疑似遊技のための前兆遊技ではないため)、疑似遊技実行判定処理S5120を終了する。また、ステップS5122で疑似遊技前兆カウンタCPが0でないときは、現在、前兆遊技が実行されている状態であるから、この疑似遊技前兆カウンタCPから1を減算し(ステップS5123)、疑似遊技前兆カウンタCPが0になったか否かを判断する(ステップS5124)。このステップS5124で疑似遊技前兆カウンタCPが0でないときは、当該遊技で疑似遊技は実行されない(前兆遊技が継続する)ため、疑似遊技実行判定処理S5120を終了する。
一方、ステップS5124で、疑似遊技前兆カウンタCPが0であると判断したときは、当該遊技で疑似遊技が実行される。そのため、主制御手段100は、当該遊技で実行される疑似遊技のためのストック(シナリオ番号)をRAM103のシナリオ消費バッファに保存し(ステップS5125)、また、RAM103の疑似遊技保存領域より使用済ストック情報を消去し(ステップS5126)、また、当該遊技でストックを使って疑似遊技を実行するため、疑似遊技ストックカウンタCGから1を減算する(ステップS5127)。そして、主制御手段100は、シナリオ消費バッファに記憶されているシナリオ番号が1であるか否かを判断する(ステップS5128)。上述したように、シナリオ番号が1であるときは、ストックはされているが、そのストックでは疑似遊技が実行されないように構成されている。そのため、主制御手段100は、ステップS5128でシナリオ番号が1であると判断したときは、疑似遊技実行判定処理S5120を終了する。また、ステップS5128でシナリオ番号が1でないと判断したときは、疑似遊技条件装置抽選テーブルモードをセットし(ステップS5129)、このテーブルモードに対応した抽選テーブルを用いて疑似遊技の当選役に相当する疑似条件装置番号の抽選を行い(ステップS5130)、当選値を疑似条件装置番号に設定し(ステップS5131)、疑似遊技実行判定処理S5120を終了する。このように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、疑似条件装置番号の抽選は、図32に示すように、シナリオ番号のレベルにより当選確率が異なるように構成されている。また、この疑似遊技実行判定処理S5120では、主演出状態が「ボーナス(6)」のときは、疑似遊技前兆カウンタCPの減算が行われない(疑似遊技を実行するための前兆遊技数の減算が行われない)ように構成されている。すなわち、主演出状態が「ボーナス(6)」に移行したときは、前兆遊技数の減算が停止し、次の演出状態に移行したときに再開するように構成されている。これにより、遊技の進行速度に変化を付けることができ、また、特定の演出状態固有の疑似遊技を設定することができる。
ここで、疑似遊技条件装置抽選テーブルモードの決定方法について図31及び図32を用いて説明する。まず、図31(a)に示すテーブル番号決定テーブルを用いて、主演出状態番号MR及び補助演出状態番号ARからテーブル番号を決定する。このテーブル番号決定テーブルにおいて、主演出状態番号MRが2,4,5のときは補助演出番号ARは参照しないため「−」で示している。そして、図31(b)に示すテーブルモード決定テーブルを用いて、テーブル番号とシナリオ消費バッファに記憶されているシナリオ番号とから疑似条件装置抽選テーブルモードを決定する。このテーブルモード決定テーブルにおいて、シナリオ番号が0のときはハズレであり、また、シナリオ番号が1のときは疑似条件装置抽選が行われないので「−」で示している。例えば、演出状態が「通常(1−0)」のときで、シナリオ番号が2のときは、テーブル番号決定テーブルにより0番のテーブル番号が選択され、この0番のテーブル番号と2番のシナリオ番号とに基づいてテーブルモード決定テーブルにより、疑似条件装置抽選テーブルモードとして「A」が選択される。なお、ステップS5130の疑似条件装置抽選は、図32に示すように、疑似条件装置抽選テーブルモード毎に定められた抽選テーブルを用いて行われる。
本実施形態に係るスロットマシン1において、疑似遊技の当選役である疑似条件装置番号は、図32に示す18個の役が設けられている。例えば、疑似条件装置番号が1の「疑似チェリー+リプレイ」は、左リール21aの下段に3番又は13番の「チェリー」の図柄が停止する。このとき、左リール21aの上段には「リプレイ」の図柄が停止するので、中リール21aの中段及び右リール21cの下段に「リプレイ」の図柄を停止させることにより、右下がりのライン上に「リプレイ」の図柄が停止表示される。また、疑似条件装置番号が8の「疑似ダブルスイカ」は、左リール21aの上段に2番、7番又は8番の「スイカ」の図柄を停止させ、中リール21bの中段及び上段に10番及び11番の「スイカ」の図柄を停止させ、右リール21cの下段及び上段に10番及び12番を停止させる。なお、15番から18番の疑似条件装置は、後述するボーナス直当たり時の疑似遊技で使用される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段100で当選した疑似条件装置番号に応じて、後述する副制御手段200(演出制御手段301)でAT遊技やボーナス遊技への移行を決定するように構成されている。例えば、4番の疑似弱スイカや9番の疑似弱チェリーに当選したときは、5番の疑似強スイカや10番の疑似強チェリーに当選したときよりも、AT遊技やボーナス遊技の当選確率が低くなるように構成されている。上述した疑似条件装置抽選テーブルモードが「A」のときは、図32に示すように、疑似弱スイカや疑似弱チェリーの当選確率が高くなっているため、AT遊技やボーナス遊技の当選確率は低くなる。また、疑似条件装置抽選テーブルモードが「C」のときは、疑似強スイカや疑似強チェリーの当選確率が高くなっているため、AT遊技やボーナス遊技の当選確率が高くなり、疑似条件装置抽選テーブルモードが「B」のときは、AT遊技やボーナス遊技の当選確率が「A」と「C」の中間となる。図31から明らかなように、主演出状態番号MRの値が大きくなるほど、疑似条件装置抽選テーブルモードが「A」よりも「C」の方が選択され易くなるため、AT遊技やボーナス遊技が当選する確率が高くなるように構成されている。なお、疑似条件装置テーブルモードが「D」のときは、「A」〜「C」に比べて、より多くの疑似条件装置番号が、同じ様な確率で当選するように構成されており、また、この「D」は主演出状態が「AT通常(4)」や「ボーナス準備(5)」で選択されるテーブル番号(3)のときにのみ当選する可能性があるため、「AT通常(4)」や「ボーナス準備(5)」にあるときの演出のバリエーションを多くして、遊技性を高くすることができる。
なお、図31(b)に示したテーブルモード決定テーブルにおいて、シナリオ番号が「0」及び「1」のときは、疑似条件装置テーブルモードが選択されない(ハズレる)ように構成した場合について示しているが、図31(c)に示すように、シナリオ番号が「1」のときはハズレとせず、必ず疑似遊技が発生するように構成してもよい。ここで、図31(c)は、テーブル番号が「2」のときのテーブルを示しているだけであり、その他のテーブル番号においても同様の構成としてもよい。
図23に戻り、主制御手段100は、疑似条件装置番号が0であるか否かにより、疑似遊技を実行するか否かを判断し(ステップS549)、疑似条件装置番号が1以上であれば、疑似遊技を実行すると判断して、ステップS550に進む。一方、疑似条件装置番号が0のときは、疑似遊技を実行しないと判断して、本遊技を実行するためにステップS559に進む。
−疑似遊技の実行−
主制御手段100は、ステップS549で、疑似条件装置番号が1以上であると判断すると、状態固定カウンタCFが0であるか否かを判断する(ステップS550)。本実施形態に係るスロットマシン1は、演出によりストップボタン33a〜33cの押し順が報知されない限り、順押しで操作するように構成されている。そのため、ストップボタン33a〜33cの押し順が報知されていない遊技、具体的には、主演出状態番号MRが1(通常)、2(BM)及び3(AT準備)の遊技において、押し順ベル又は押し順リプレイの当選に対して変則押しがされたときは、状態固定カウンタCFに所定の値(本実施形態では5)を設定し、この状態固定カウンタCFが0でない遊技においては、所定の処理を実行しない(罰則処理により遊技者にペナルティを与える(遊技者に不利益を与える))ように構成されている。本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段100は、ステップS550で状態固定カウンタCFが0であると判断したときは、周期遊技数管理処理S5160及び疑似遊技ストック処理S5170を実行し(ステップS551,S552)、状態固定カウンタCFが0でないと判断したときは、ステップS551及びS552を実行しないように構成されている。
−周期遊技数管理処理S5160−
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、抽選により疑似遊技の権利(ストック)が与えられるが、その抽選の契機は、遊技毎に実行される抽選と、所定の遊技数毎(周期毎)に実行される抽選とから構成されている。この周期遊技数管理処理S5160は、周期毎の抽選を行う処理である。この周期毎の処理(遊技数のカウント及び抽選)は、主演出状態が「通常(1)」、「BM(2)」及び「AT準備(3)」のとき(主演出状態番号MRが1〜3のとき)が対象となる。また、特別遊技(MB遊技)が実行されているときも、周期毎の処理は実行されないように構成されている。
図34に示すように、主制御手段100は、現在の主演出状態番号MRが1〜3であるか否かを判断し(ステップS5161)、主演出状態が「通常(1)」、「BM(2)」及び「AT準備(3)」のいずれかの状態であると判断すると、さらにMB作動中であるか(上述した特別遊技制御手段162が作動中であるか)否かを判断し(ステップS5162)、MB作動中でなければ、周期管理カウンタCCに1を加算する(ステップS5163)。そして、主制御手段100は、この周期管理カウンタCCの値が所定の値(最大値であって、例えば、本実施形態では50に設定されている)より大きいか否かを判断し(ステップS5164)、最大値より大きい場合は、当該遊技で周期毎のストック抽選(「周期ストック抽選」と呼ぶ)を行う。具体的には、周期管理カウンタCCに0を設定してクリアし(ステップS5165)、周期ストック抽選を行ってシナリオ番号を決定し(ステップS5166)、この周期ストック抽選に当選したか否かを判断し(ステップS5167)、当選したと判断したとき(本実施形態では、シナリオ番号は0〜4の値をとり、0のときはハズレと判断し、1〜4のときは当選と判断する)は、疑似遊技の情報(ストック情報)としてシナリオ番号を保存するために疑似遊技ストック管理処理S5180を実行する(ステップS5168)。なお、シナリオ番号の抽選は、主演出状態及び補助演出状態に応じてその当選確率が異なるように構成してもよい。
主制御手段100は、疑似遊技ストック管理処理S5180において、ストックされている疑似遊技の数を管理する疑似遊技ストックカウンタCGが8であるか否かを判断し(ステップS5181)、この疑似遊技ストックカウンタCGが8より小さいときは、疑似遊技保存領域に当選したストック情報(シナリオ番号)を保存し(ステップS5182)、疑似遊技ストックカウンタCGに1を加算して(ステップS5183)、疑似遊技ストック管理処理S5180を終了する。一方、ステップS5181で疑似遊技ストックカウンタCGが8であると判断したときは、当選値をクリアして(ステップS5184)、疑似遊技ストック管理処理S5180を終了する。このように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、疑似遊技の当選情報(ストック情報)は最大8個まで蓄積することができ、最大個数(8個)のストック情報が蓄積されているときは、新たな当選情報は破棄されるように構成されている。
主制御手段100は、ステップS5168において疑似遊技ストック管理処理S5180の実行が終了すると、当選値をストック周期用バッファにセットして一時的に記憶し(ステップS5169)、周期遊技数管理処理S5160を終了する。なお、ステップS5161で現在の主演出状態番号MRが1〜3でないと判断したとき、ステップS5162でMBが作動中であると判断したとき、ステップS5164で周期管理カウンタCCが最大値より大きくないと判断したとき、及び、ステップS5167で周期ストック抽選にハズレたと判断したときは、以降の処理を実行せずに周期遊技数管理処理S5160を終了する。
−疑似遊技ストック処理S5170−
周期遊技数管理処理S5160が実行されると、主制御手段100は、次に疑似遊技ストック処理S5170を実行する。この疑似遊技ストック処理S5170は、遊技毎に、疑似遊技の権利(ストック)を付与するか否かの抽選を行う処理である。なお、この遊技毎の抽選は、本実施形態に係るスロットマシン1では、主演出状態が「ボーナス(6)」以外のとき(主演出状態番号MRが1〜5のとき)に実行される。
主制御手段100は、主演出状態番号MRが1〜5のいずれかであるか否かを判断し(ステップS5171),これらの主演出状態番号であると判断すると、遊技毎のストック抽選(「疑似遊技ストック抽選」と呼ぶ)を行い(ステップS5172)、この疑似遊技ストック抽選に当選したか否かを判断する(ステップS5173)。疑似遊技ストック抽選の当否は、上述した周期遊技数管理処理S5160と同様に、シナリオ番号が0のときはハズレと判断し、1〜4のときは当選と判断することができる。主制御手段100は、ステップS5173で、疑似遊技ストック抽選に当選したと判断したときは、上述した疑似遊技ストック管理処理S5180を実行して、疑似遊技ストックカウンタCGが最大になるまでストック情報を蓄積し(ステップS5174)、当選値をストック当選用バッファにセットして一時的に記憶し(ステップS5175)、疑似遊技ストック処理S5170を終了する。なお、ステップS5171で現在の主演出状態番号が1〜5でないと判断したとき、及び、ステップS5173で疑似遊技ストック抽選にハズレたと判断したときは、以降の処理を実行せずに疑似遊技ストック処理S5170を終了する。なお、シナリオ番号の抽選は、主演出状態及び補助演出状態に応じてその当選確率が異なるように構成してもよい。なお、ストックの抽選を特定の役(本遊技における条件装置番号、又は、疑似遊技における疑似条件装置番号)が当選したときのみに実行するように限定してもよい(例えば、ベルリプレイに当選したとき)。
図23に戻り、主制御手段100は、疑似遊技のための遊技開始処理S5190を実行する(ステップS553)。
−遊技開始処理S5190−
遊技開始処理S5190は、主演出状態が「通常(1)」のときの補助演出状態の移行の判定に用いられるモード移行ポイントの処理と、スタートレバー32が操作されたときの情報を制御コマンドとして副制御手段200に送信する処理とを行うものである。図35に示すように、主制御手段100は、主演出状態番号MRが1であるか否かを判断し(ステップS5191)、1であるときは、モード移行ポイントカウンタ加算抽選処理S5200を実行し(ステップS5192)、1でないときはこの処理を実行せずに次のステップに進む。モード移行ポイントカウンタ加算抽選処理S5200において、主制御手段100は、状態固定カウンタCFが0であるか否かを判断し(ステップS5201)、0であるときは、モード移行ポイントカウンタ加算抽選を行い(ステップS5202)、この加算抽選に当選したときは、その当選値をモード移行ポイントカウンタCMに加算し(ステップS5204)、モード移行ポイントカウンタ加算抽選処理S5200を終了する。一方、ステップS5201で状態固定カウンタCFが0でないとき、すなわち、ペナルティが与えられているときは、モード移行ポイントカウンタ加算抽選処理S5200を終了し、モード移行ポイントが付与されないように構成されている。また、ステップS5202のモード移行ポイントカウンタ加算抽選の結果、当選値が0のときは、ステップS5203でこの抽選にハズレたと判断し、モード移行ポイントカウンタ加算抽選処理S5200を終了する。なお、モード移行ポイントカウンタ加算抽選は、所定の値の範囲(例えば、0〜5)から当選値を決定するように構成してもよいし、ポイントを付与するか否か(0か、1以上の値か)を抽選で決定してもよい。また、役抽選の結果や、補助演出状態に応じて、当選値が変化するように構成してもよい。
次に、主制御手段100は、レバー系コマンド処理S5210を実行する(ステップS5193)。レバー系コマンド処理S5210において、主制御手段100は、現在の遊技が疑似遊技であるか否かを判断し(ステップS5211)、疑似遊技でないときは、後述するように、本遊技において実行される押し順パターン抽選処理S5140で決定される押し順パターン番号をレジスタに記憶し(ステップS5212)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5213)。疑似遊技であるときは、ステップS5212,S5213は実行されず次のステップに進む。そして、主制御手段100は、ストック個数を示す疑似遊技ストックカウンタCGの値をレジスタに記憶し(ステップS5214)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5215)。また、周期遊技数を示す周期管理カウンタCCの値をレジスタに記憶し(ステップS5216)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5217)。また、ストック周期用バッファに記憶されている周期ストック抽選の当選値をレジスタに記憶し(ステップS5218)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5219)。また、ストック当選用バッファに記憶されている疑似遊技ストック抽選の当選値をレジスタに記憶し(ステップS5220)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5221)。また、モード移行ポイントの値であるモード移行ポイントカウンタCMの値をレジスタに記憶し(ステップS5222)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5223)。また、疑似遊技に用いる疑似条件装置番号をレジスタに記憶し(ステップS5224)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5225)。なお、本遊技が実行されているときにこのレバー系コマンド処理S5210が実行されると、疑似条件装置番号には0が設定されている。そして、本遊技で用いる条件装置番号をレジスタに記憶し(ステップS5226)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5227)、このレバー系コマンド処理S5210を終了し、さらに、遊技開始処理S5190を終了する。このレバー系コマンド処理S5210で送信される制御コマンドを「レバー系コマンド」と呼ぶ。
図23に戻り、主制御手段100は、疑似遊技実行処理S5230を実行する(ステップS554)。
−疑似遊技実行処理S5230−
本実施形態に係るスロットマシン1において、疑似遊技及び本遊技は、いずれもリール21a〜リール21bの回転及び停止を行うように構成されており、これらのリール21a〜21cの作動の制御は、疑似遊技及び本遊技で共通の処理(リール停止管理処理S5260)として実行される。そのため、図36に示すように、この疑似遊技実行処理S5230において、主制御手段100は、リール停止管理処理S5260を実行することにより、疑似遊技としてのリール21a〜21cの回転及び停止を行い(ステップS5231)、全リールが停止すると、「疑似遊技終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5232)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5233)、さらに疑似条件装置番号に0を設定して(ステップS5234)、疑似遊技実行処理S5230を終了する。
−リール停止管理処理S5260−
主制御手段100は、リール停止管理処理S5260が実行されると、図36に示すように、入力検知時間(例えば20秒)をRAM103に記憶する(ステップS5261)。この入力検知時間は本遊技では使用せずに疑似遊技の実行中に使用されるものであり、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始してから、この入力検知時間が経過しても遊技者によりストップボタン33a〜33cが操作されないときは、全てのリール21a〜21cを揺れ変動している状態で停止させるように構成されている。第1停止から第2停止の間、また、第2停止から第3停止の間も入力検知時間を経過すると残りのリールの全てが停止するように構成されている。
次に、主制御手段100は、揺れ変動フラグがオンであるか否かを判断することにより、現在の遊技が疑似遊技を実行した後の遊技(すなわち、本遊技)であるか否かを判断する(ステップS5262)。揺れ変動フラグは、疑似遊技においてリール21a〜21cを停止させるときにオンになるように構成されており、この揺れ変動フラグにより、現在の遊技が疑似遊技の後の遊技であるか否を判断することができる。そして、疑似遊技を実行した後の遊技でない場合は、リール21a〜21cの各々のリールのリール回転開始待機カウンタの値として、所定の値(例えば「1」)をRAM103に記憶し(ステップS5263)、疑似遊技を実行した後の遊技である場合は、リール毎に設けられてリール回転開始待機カウンタの値として異なる値(例えば、第1乱数発生手段である乱数発生器102から取得した乱数値、または第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数値)をRAM103に記憶する(ステップS5264)。ここで、リール回転開始待機カウンタは、リール21a〜21cの回転を開始させるまでの間のウエイト時間であり、リール回転開始待機カウンタの値が「0」となるとリール21a〜21cの回転を開始させる。疑似遊技では、「赤7−赤7−赤7」のような図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する場合があるが、このとき、3つのリール21a〜21cの回転開始を同時に行うと、本遊技においてリール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、各々のリールのリール回転開始待機カウンタに異なる値を与えることにより、それぞれのリールがランダムに回転を開始することになる。リール回転開始待機カウンタに異なる値を与える方法としては、3つの乱数値を用いてもよいし、1つの乱数値を用いてもよい。また、各々のリールのリール回転開始待機カウンタに値をセットするときに、特定の順序(例えば、左中右)で回転するような値をセットしてもよい。
ここで、上述したレバー系コマンド処理S5210から明らかなように、遊技が開始してリール21a〜21cが回転を開始するまでの間に多数の制御コマンドが主制御手段100から副制御手段200に送信される。副制御手段200は、この制御コマンドに基づいて演出の実行を制御している。また、主制御手段100から副制御手段200に対する制御コマンドの送信は、後述する割込処理S570で実行されるが、1回の割込で1個の制御コマンドを送信し、また、副制御手段200での制御コマンドの取りこぼしを防止するために、同じコマンドを2回送信している。すなわち、1個の制御コマンドを送信するためには2回の割込処理が必要となる。さらに、副制御手段200に送信される制御コマンドの数は、例えば、フリーズ処理S546の抽選結果等により変化する。そのため、例えば、リール21a〜21cの回転開始に合わせて実行される演出がある場合に、全ての制御コマンドが副制御手段200に送信されないと、リール21a〜21cの回転が開始しているにも拘わらず、対応する演出が遅れて実行されるという状態が発生する可能性がある。そのため、主制御手段100は、この主制御手段100において送信待ち状態の制御コマンドが全て送信されるまでウエイト(待機処理)を行うように構成されている(ステップS5265)。後述するように、送信待ちの制御コマンドはRAM103の制御コマンドバッファに記憶され、後述する制御コマンド送信処理S5550により記憶された順番で取り出され副制御手段200に送信される。そのため、制御コマンド送信処理S5550による送信待ちの全ての制御コマンドが送信される(実際には、送信用のバッファ(キュー)に制御コマンドが書き込まれる)までウエイトすることで、リール21a〜21cの回転開始と副制御手段200により演出の実行タイミングを合わせることができる。
なお、ステップS5265で、全ての制御コマンドが送信されたことを確認する代わりに、予め決められた時間だけウエイトを行うように構成してもよい。また、送信待ちの制御コマンドの数に応じて、ウエイトする時間を決定するように構成してもよい。
また、主制御手段100は、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS5266)、最小遊技時間を経過しているときは、リールが回転開始待機状態であるという状態を副制御手段200に渡すために、「リール回転開始待機」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5267)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5268)、リール21a〜21cを定速回転(80rpm/分)にするための情報をRAM103に記憶する(ステップS5269)。なお、リール21a〜21cの回転及び停止の制御(リール駆動制御)は、後述する割込処理S570で実行される。
また、主制御手段100は、リールが定速で回転中か否かを判断し(ステップS5270)、定速中のときは不良検出カウンタ値が異常値であるか否かを判断し(ステップS5271)、異常値であるときは、例えばリール21a〜21cを回転させるステッピングモータが脱調等している可能性があるため、リール21a〜21cを定速回転にするための情報をRAM103に再度記憶する(ステップS5272)。さらに、主制御手段100は、図37に示すように、リール21a〜21cの全てのリールに対して、リールが定速で回転中かの確認が終了したか否かを判断し、確認が終了するまでステップS5270に戻って上記の処理を繰り返す(ステップS5273)。
以上の処理により、リール21a〜21cが定速で回転している状態であるため、主制御手段100は、次に、リール制御手段120で説明した停止位置データ(停止可能位置)を作成済みか否かを判断し(ステップS5274)、作成されていない場合は、停止位置データ(停止可能位置)を作成する(ステップS5275)。また、主制御手段100は、上述した疑似条件装置番号により疑似遊技中か否かを判断し(ステップS5276)、疑似遊技中であるときは揺れ変動フラグオンをRAM103に記憶し(ステップS5277)、疑似遊技中でないときは揺れ変動フラグオフをRAM103に記憶する(ステップS5278)。さらに、主制御手段100は、本遊技中はストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否かを、また、疑似遊技中はストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否か、又は、入力検知時間を経過したか否かを判断し(ステップS5279)、停止ボタンの受付又は疑似遊技中の入力検知時間の経過を検知すると、上述した停止位置データに基づいて停止位置を決定し(ステップS5280)、「停止するリール及び滑りコマ数」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5281)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5282)。そして、主制御手段100は、全てのリール21a〜21cが停止したか否かを判断し(ステップS5282)、停止していない場合はステップS5270に戻って上記の処理を繰り返し、停止しているときはこのリール停止管理処理S5260を終了する。
図23に戻り、主制御手段100は、ステップS554で疑似遊技の実行が終了すると、次に、遊技終了処理S5290を実行する(ステップS555)。
−遊技終了処理S5290−
遊技終了処理S5290は、疑似遊技及び本遊技のそれぞれの終了時(リール21a〜21cの全てが停止したとき)に、演出状態の移行、疑似遊技が実行される前の前兆遊技数の設定、及び、リール全停時の制御コマンドの送信を行う処理である。図38に示すように、主制御手段100は、現在の主演出状態番号MRが1,2,4,5のいずれかであるか否かを判定し(ステップS5291)、これらの番号であるときは、当該遊技の疑似条件装置番号が15〜18のいずれかであるか否かを判定する(ステップS5292)。本実施形態に係るスロットマシン1では、主演出状態の移行は、上述した条件に従って移行するが、疑似遊技において「ボーナス(6)」への移行を示す役(具体的には、図32に示す、疑似条件装置番号が15〜18の役)に当選し、その図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときは、主演出状態を「ボーナス(6)」(主演出番号MR=6)に移行させるように構成されている。なお、以降の説明において、疑似遊技で疑似条件装置番号が15〜18の図柄が有効ライン上に停止したときの「ボーナス(6)」への移行を「ボーナス直当たり」と呼ぶ。
主制御手段100は、ステップS5292で疑似条件装置番号が15〜18の何れかであると判断したときは、周期管理カウンタCCに0を設定してクリアし(ステップS5293)、状態移行時変数操作処理S5460を実行し(ステップS5294)、ボーナス直当たり時変数操作処理S5480を実行し(ステップS5295)、主演出状態番号MRに6を設定して主演出状態を「ボーナス(6)」に移行させ(ステップS5296)、ステップS5306に進む。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、主演出状態が「ボーナス(6)」に移行すると疑似遊技の権利(ストック)を抽選するための周期のカウンタの値がリセットされる(0に戻り、「ボーナス(6)」終了後に再度カウントされる)ように構成されているため、ステップS5293で周期管理カウンタCCをクリアしている。
−状態移行時変数操作処理S5460−
本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段100で管理される演出状態を、主演出状態番号MRで管理される主演出状態に加えて、補助演出状態番号ARで管理される補助演出状態、演出情報カウンタCR、モード移行ポイントカウンタCM等の補助的な変数により管理している。そのため、状態移行時変数操作処理S5460により、主演出状態を移行させるときは、補助的な変数をクリアすることにより、主演出状態が移行したときの処理で不整合が発生しないようにしている。具体的には、図48に示すように、状態移行時変数操作処理S5460において、主制御手段100は、演出情報カウンタCRに0を設定してクリアし(ステップS5461)、モード移行ポイントカウンタCMに0を設定してクリアし(ステップS5462)、補助演出状態番号ARに0を設定する(ステップS5463)。
−ボーナス直当たり時変数操作処理S5480−
ボーナス直当たり時変数操作処理S5480は、ボーナスに直当たりして主演出状態を「ボーナス(6)」に移行させるときに、変数等の設定を行う処理である。図49に示すように、主制御手段100は、疑似条件装置番号が15であるか否かを判断し(ステップS5481)、15であるときは補助演出状態番号ARに0を設定する(ステップS5482)。また、ステップS5481で疑似条件装置番号が15でないと判断したときは、疑似条件装置番号が16又は17であるか否かを判断し(ステップS5483)、16又は17であるときは補助演出状態番号ARに1を設定する(ステップS5484)。また、ステップS5483で疑似条件装置番号が16又は17でないと判断したときは、疑似条件装置番号は18であるため、補助演出状態番号ARに2を設定する(ステップS5485)。補助演出状態番号ARの値は、後述する全停系コマンド処理S550により、制御コマンドとして副制御手段200に送信される。そのため、疑似遊技で停止した図柄の組み合わせに応じて補助演出状態番号ARの値を設定することにより、疑似遊技の結果に応じた演出を副制御手段200で実行することができる。
次に、主制御手段100は、主演出状態が「ボーナス(6)」における遊技数を決定するために補助演出状態番号ARに基づくボーナスナビ抽選を実行し(ステップS5486)、当選値をボーナスナビカウンタCNにセットする(ステップS5487)。このボーナスナビカウンタCNの値は、後述するように、主演出状態が「ボーナス(6)」にあるときに、押し順ベルの当選に対して正解押し順を報知する回数を示している(例えば、30ゲーム、40ゲーム、50ゲーム等が付与される)。なお、ボーナスナビ抽選は、今回のボーナス移行の契機となった疑似条件装置番号及び補助演出状態番号ARに応じて、付与される遊技数の期待値を変化させるように構成してもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1においては、ボーナスに直当たりしたときは罰則処理を解除するように構成されているため、主制御手段100は、状態固定カウンタCFに0を設定してクリアする(ステップS5488)。さらに、AT移行カウンタCAにも0が設定されクリアされる(ステップS5489)。
図38に戻り、ステップS5291において、主演出状態番号MRが3又は6であると判断されたとき、及び、ステップS5292でボーナス直当たりでないと判断したときは、現在の主演出状態に応じた演出状態の移行処理が行われる。具体的には、主演出状態番号MRが1又は3であると判断したときは(ステップS5297)、主演出状態1,3状態移行処理S5310が実行される(ステップS5298)。また、主演出状態番号MRが2であると判断したときは(ステップS5299)、主演出状態2状態移行処理S5370が実行される(ステップS5300)。また、主演出状態番号MRが4であると判断したときは(ステップS5301)、主演出状態4状態移行処理S5390が実行される(ステップS5302)。また、主演出状態番号MRが5であると判断したときは(ステップS5303)、主演出状態5状態移行処理S5420が実行され(ステップS5304)、5でないときは主演出状態番号MRが6であるから、主演出状態6状態移行処理S5430が実行される。
−主演出状態1,3状態移行処理S5310−
主演出状態1,3状態移行処理S5310は、主演出状態番号MRが1又は3のときに実行される処理である。図39に示すように、主制御手段100は、疑似条件装置番号が0であるか否かを判断することにより、現在の遊技で疑似遊技が実行されたのか、本遊技が実行されたのかを判断する(ステップS5311)。そして、ステップS5311で本遊技であると判断すると、押し順パターン番号が0であるか否かを判断することにより、当該遊技で押し順リプレイに当選して押し順パターンが設定されているか否かを判断する(ステップS5312)。このステップS5312で押し順パターン番号が0でないときは、後述する押し順パターン抽選処理S5140で、押し順リプレイの当選に対して押し順パターンが割り当てられていることを示しており、主制御手段100は、再遊技押し順判定A処理S5330を実行して(ステップS5313)、次のステップに進む。
上述したように、押し順リプレイの当選に対して、A〜Fの6種類の押し順のいずれかが割り当てられている。そして、押し順Aで操作さがされたときは、AT移行カウンタCAに1を加算し、押し順E又はFで操作がされたときは、AT移行カウンタCAに0を設定してクリアするように構成されている。なお、それ以外の押し順(押し順B,C,D)は報知されないため、罰則処理の対象となる。具体的には、図40に示すように、主制御手段100は、再遊技押し順判定A処理S5330において、押し順Aで操作がされたと判断すると(ステップS5331)、AT移行カウンタCAに1を加算する(ステップS5332)。また、押し順B,C,Dのいずれかで操作がされたと判断すると(ステップS5333)、AT移行カウンタCAに0を設定してクリアし(ステップS5334)、状態固定カウンタCFに5を設定する(ステップS5335)。さらに、押し順E又はFで操作がされたと判断すると、AT移行カウンタCAに0を設定してクリアする(ステップS5337)。
図39に戻り、主制御手段100は、ステップS5312で押し順パターンが0である、すなわち、当該遊技で押し順リプレイに当選していないと判断すると、ストップボタン33a〜33cが変則押し順で操作されたか否かを判断し(ステップS5314)、変則押し順で操作されたときは、状態固定カウンタCFに5を設定し(ステップS5315)、AT移行カウンタCAに0を設定してクリアし(ステップS5316)、次のステップに進む。また、ステップS5314で変則押し順で操作されていないと判断すると、状態固定カウンタCFが0でないときは、この状態固定カウンタCFから1を減算して(ステップS5317,S5318)、次のステップに進む。
次に、主制御手段100は、AT移行カウンタCAが2であるか否かを判断する(ステップS5319)。後述するように、主演出状態が「AT準備(3)」に移行するときに、AT移行カウンタCAに1が設定されているため、再遊技押し順判定A処理S5330のステップS5332でこのAT移行カウンタCAに1が加算されると2になり、主制御手段100は、主演出状態を「AT通常(4)」に移行させる。具体的には、主制御手段100は、周期管理カウンタCCに0を設定してクリアし(ステップS5320)、上述した状態移行時変数操作処理S5460を実行し(ステップS5321)、外部出力をオンし(ステップS5322)、主演出状態番号MRに4を設定して(ステップS5323)、この主演出状態1,3状態移行処理S5310を終了する。
一方、ステップS5319でAT移行カウンタCAが2でないと判断したときは、AT移行カウンタCAが0であるか否かを判断する(ステップS5324)。主演出状態が「AT準備(3)」に移行するときは、AT移行カウンタCAに1が設定されているため、AT移行カウンタCAが0であるときは、主演出状態が「通常(1)」である。したがって、主制御手段100は、ステップS5324でAT移行カウンタCAが0であると判断すると、主演出状態番号MRに1を設定する(ステップS5324,S5325)。さらに、主制御手段100はモード移行ポイントカウンタCMが0であるか否かを判断し(ステップS5326)、モード移行ポイントカウンタCMが0でないときは、前兆管理処理S5340を実行する(S5327)。なお、ステップS5311で疑似条件装置番号が0でない、すなわち、現在の遊技で疑似遊技が実行されたと判断したときは、上述したステップS5326,S5327を実行する。
なお、主演出状態が「通常(1)」にあるときでも、AT移行カウンタCAが2になると、主演出状態が「AT通常(4)」に移行する。そのため、主演出状態が「AT通常(4)」にあり、後述する演出制御手段301もAT遊技を実行しているときに、「通常(1−0)」に移行してしまった場合でも、押し順リプレイに対してAT移行カウンタCAに加算する押し順を報知することにより、「AT通常(4)」に戻すことができる。
−前兆管理処理S5340−
前兆管理処理S5340は、主演出状態が「通常(1)」であるときに、補助演出状態を移行させる、若しくは、主演出状態を「BM(2)」に移行させる処理である。図40に示すように、主制御手段100は、まず、補助演出状態の各々における滞在遊技数を管理する演出情報カウンタCRが0であるか否かを判断する(ステップS5341)。このステップS5341で、演出情報カウンタCRが0であるときは、補助演出状態が「通常(0)」であって、モード移行ポイントが付与された状態であるため、補助演出状態を「プレ前兆(1)」に移行させるために、補助演出状態番号ARに1を設定し(ステップS5345)、プレ前兆での滞在遊技数を決定するための抽選である演出情報カウンタ抽選を行い(ステップS5346)、当選値を演出情報カウンタCRに設定して(ステップS5347)、前兆管理処理S5340を終了する。
一方、ステップS5341で演出情報カウンタCRが0でないと判断したときは、現在の補助演出状態が「プレ前兆(1)」又は「探索(2)」であるため、演出情報カウンタCRから1を減算し(ステップS5342)、演出情報カウンタCRが0になったときは(ステップS5343)、モード前兆終了処理S5350を実行して(ステップS5344),この前兆管理処理S5340を終了する。また、ステップS5343で演出情報カウンタCRが0でないときは、そのまま前兆管理処理S5340を終了する。
図41に示すように、モード前兆終了処理S5350において、主制御手段100は、補助演出状態番号ARが1であるか否か、すなわち、現在の補助演出状態が「プレ前兆(1)」であるか否かを判断し(ステップS5351)、プレ前兆であると判断したときは、モード移行ポイントカウンタCMの値が所定の閾値より小さいか否かを判断する(ステップS5352)。補助演出状態が「プレ前兆(1)」において、このプレ前兆に移行するときに演出情報カウンタCRに設定された遊技数の遊技が実行され、それらの遊技においてモード移行ポイントがモード移行ポイントカウンタCMに加算される。そして、プレ前兆終了時にこのモード移行ポイントカウンタCMの値が所定の閾値以上のときは、補助演出状態を「探索(2)」に移行させ、閾値より小さいときは「通常(0)」に戻るように構成されている。したがって、主制御手段100は、ステップS5352において、モード移行ポイントカウンタCMが、所定の閾値より小さいと判断したときは、上述した状態移行時変数操作処理S5460を実行して、演出情報カウンタCR、モード移行ポイントカウンタCM及び補助演出状態番号ARに0を設定し(ステップS5353)、補助演出状態を「通常(0)」に移行させる。一方、ステップS5352においてモード移行ポイントカウンタCMが所定の閾値以上であると判断したときは、補助演出状態を「探索(2)」に移行させるために、補助演出状態番号ARに2を設定し(ステップS5354)、探索での滞在遊技数を決定するための抽選である演出情報カウンタ抽選を行い(ステップS5355)、当選値を演出情報カウンタCRに設定する(ステップS5356)。
また、主制御手段100は、ステップS5351で、現在の補助演出状態番号ARが1でない、すなわち、現在の補助演出状態が「探索(2)」であると判断したときは、主演出状態を「BM(2)」に移行させるために、BMでの滞在遊技数を決定するための抽選である演出情報カウンタ抽選を行い(ステップS5357)、当選値を演出情報カウンタCRに設定し(ステップS5358)、モード移行ポイントカウンタCM及び補助演出状態番号ARに0を設定し(ステップS5359,S5360)、主演出状態番号MRに2を設定する(ステップS5361)。なお、状態移行時変数操作処理S5460を実行した後に、演出情報カウンタCRの抽選を行ってもよい。
−主演出状態2状態移行処理S5370−
主演出状態2状態移行処理S5370は、主演出状態番号MRが2のときに実行される処理である。具体的には、演出情報カウンタCRが0になると、主演出状態が「AT準備(3)」に移行させるように構成されている。図42に示すように、主制御手段100は、疑似条件装置番号が0であるか否かを判断することにより、現在の遊技で疑似遊技が実行されたのか、本遊技が実行されたのかを判断する(ステップS5371)。そして、疑似条件装置番号が0であって本遊技であると判断したときは、主制御手段100は、ストップボタン33a〜33cが変則押しされた否かを判断し(ステップS5372)、変則押しされたときは、罰則処理を実行するために、状態固定カウンタCFに5を設定し(ステップS5375)、AT移行カウンタCAに0を設定してクリアする(ステップS5374)。一方、ステップS5372で変則押しでないと判断したときは、状態固定カウンタCFが0でないときは、この状態固定カウンタCFから1を減算する(ステップS5375,S5376)。なお、ステップS5371で疑似条件装置番号が0でなく、疑似遊技であると判断すると、これらの処理を実行せず、次のステップに進む。
次に、主制御手段100は、演出情報カウンタCRから1を減算し(ステップS5377)、この演出情報カウンタCRが0になったと判断したときは(ステップS5378)、上述した状態移行時変数操作処理S5460を実行して、演出情報カウンタCR、モード移行ポイントカウンタCM及び補助演出状態番号ARに0を設定し(ステップS5379)、AT移行カウンタCAに1を設定し(ステップS5380)、主演出状態番号MRに3を設定して主演出状態を「AT準備(3)」に移行させる(ステップS5381)。
−主演出状態4状態移行処理S5390−
主演出状態4状態移行処理S5390は、主演出状態番号MRが4のときに実行される処理である。具体的には、AT移行カウンタCA及びボーナス準備カウンタCBの値により、主演出状態を「通常(1)」に移行させるか、「ボーナス準備(5)」に移行させるように構成されている。図43に示すように、主制御手段100は、疑似条件装置番号が0であるか否かを判断することにより、現在の遊技で疑似遊技が実行されたのか、本遊技が実行されたのかを判断する(ステップS5391)。そして、疑似条件装置番号が0であって本遊技であると判断したときは、主制御手段100は、押し順パターン番号が0であるか否かを判断することにより、当該遊技で押し順リプレイに当選しているか否かを判断する(ステップS5392)。このステップS5392で押し順パターン番号が0でないときは、後述する押し順パターン抽選処理S5140で、押し順リプレイの当選に対して押し順パターンが割り当てられていることを示しており、主制御手段は100は、再遊技押し順判定B処理S5410を実行して(ステップS5393)、次のステップに進む。
上述したように、押し順リプレイの当選に対して、A〜Fの6種類の押し順のいずれかが割り当てられている。そして、図44に示すように、再遊技押し順判定B処理S5410において、主制御手段100は、は、ストップボタン33a〜33cが、押し順Aで操作されたときは(ステップS5411)、AT移行カウンタCAに1を加算し(ステップS5421)、ボーナス準備カウンタCBに0を設定してクリアする(ステップS5431)。また、ストップボタン33a〜33cが、押し順Bで操作されたときは(ステップS5414)、ボーナス準備カウンタCBに1を加算する(ステップS5415)。また、ストップボタン33a〜33cが、押し順C又はEで操作されたときは(ステップS5416)、AT移行カウンタCAから1を減算し(ステップS5417)、ボーナス準備カウンタCBに0を設定してクリアする(ステップS5418)。なお、押し順D及びFに対しては、何の処理も実行しない。なお、ボーナス準備カウンタCBは、疑似遊技発生時に抽選で更新するようにしてもよい。
図43に戻って、主制御手段100は、AT移行カウンタCAが0であるか否かを判断する(ステップS5394)。上述した再遊技押し順判定B処理S5410では、押し順リプレイの当選に対し、押し順Aで操作されたときは、AT移行カウンタCAに1が加算され、押し順C又はEで操作されたときはAT移行カウンタCAから1が減算される。本実施形態に係るスロットマシン1は、押し順リプレイの当選に対して、副制御手段200により、押し順Aを報知することにより、「AT通常(4)」が継続し、押し順C又はEを報知することにより、AT移行カウンタCAが0になったときに「AT通常(4)」が終了して主演出状態が「通常(1)」に移行するように構成されている。そのため、主制御手段100は、ステップS5394で、AT移行カウンタCAが0であると判断したときは、AT終了処理S5470を実行し(ステップS5395)、主演出状態番号MRに1を設定して主演出状態を「通常(1)」に移行させる(ステップS5396)。なお、AT終了処理S5470は、図48に示すようにボーナス準備カウンタCBに0を設定してクリアする処理である(ステップS5471)。
一方、ステップS5394で、AT移行カウンタCAが0でないと判断したときは、主制御手段100は、ボーナス準備カウンタCBが1であるか否かを判断し(ステップS5397)、ボーナス準備カウンタCBが1であるときは、AT移行カウンタCA及びボーナス準備カウンタCBに0を設定してクリアし(ステップS5398,S5399)、主演出状態番号MRに5を設定して、演出状態を「ボーナス準備(5)」に移行させる(ステップS5400)。すなわち、押し順リプレイの当選に対して、副制御手段200で押し順Bを報知することにより、主演出状態を「ボーナス準備(5)」に移行させることができる。
−主演出状態5状態移行処理S5420−
主演出状態5状態移行処理S5420は、主演出状態番号MRが5のときに実行される処理である。具体的には、押し順リプレイの当選に対するストップボタン33a〜33cの押し順で、主演出状態を「AT通常(4)」に移行させるか、「ボーナス(6)」に移行させるかを決定し、また、この押し順により、主演出状態が「ボーナス(6)」に移行するときのリール演出としての疑似遊技の態様(疑似条件装置番号)を決定するように構成されている。
図45に示すように、主制御手段100は、疑似条件装置番号が0であるか否かを判断することにより、現在の遊技で疑似遊技が実行されたのか、本遊技が実行されたのかを判断し(ステップS5421)、疑似条件装置番号が0でなく、疑似遊技であると判断すると、主演出状態5状態移行処理S5420を終了する。また、疑似条件装置番号が0であって本遊技であると判断したときは、主制御手段100は、押し順パターン番号が0であるか否かを判断することにより、当該遊技で押し順リプレイに当選しているか否かを判断し(ステップS5422)、押し順パターン番号が0で、押し順リプレイに当選していないときも、主演出状態5状態移行処理S5420を終了する。そして、ステップS5422で押し順パターン番号が0でないときは、後述する押し順パターン抽選処理S5140で、押し順リプレイの当選に対して押し順パターンが割り当てられていることを示しており、主制御手段100は、ストップボタン33a〜33cの押し順と、補助演出状態番号ARに基づいて、図46に示すテーブルから変数の値を決定して設定する(ステップS5423)。
図46は、主演出状態が「ボーナス準備(5)」であるときに、補助演出状態番号ARが0〜2の3つの値のいずれかをとる場合を示している。まず、主演出状態が「ボーナス準備(5)」に移行した時点では、補助演出状態番号ARは0に設定されている。したがって、「ボーナス準備(5)」に移行した最初の遊技ではステップS5423において、図46(a)に示すテーブルを用いて変数の値が決定される。このテーブルは、次の遊技のステップS5423で用いられる補助演出状態番号ARを決定するものであり、ストップボタン33a〜33cが押し順Aで操作されたときは、補助演出状態番号ARに1が設定され、押し順Bで操作されたときは、補助演出状態番号ARに2が設定される(主演出状態番号MRは変化しない)。また、押し順C〜Eで操作されたときは、補助演出状態番号AR及び主演出状態番号MRは変化せず、次の遊技のステップS5423でも図46(a)のテーブルが用いられる(以下、「維持」と呼ぶ)。なお、押し順Fで操作されたときは、補助演出状態番号ARに0が設定され、主演出状態番号MRに4が設定されるため、主演出状態が「AT通常(4)」に移行する(以下、「転落」と呼ぶ)。
補助演出状態番号ARが1又は2のときは、ステップS5423において、図46(b)又は(c)のテーブルを用いて変数の値が決定される。補助演出状態番号ARが1のときに、押し順Aで操作がされると、補助演出状態番号ARに0が設定され、主演出状態番号MRに6が設定されるため、主演出状態が「ボーナス(6)」に移行する。このとき、疑似条件装置番号として15が設定されるため、次遊技のスタートレバー32の操作時に、疑似遊技が実行される。また、補助演出状態番号ARが2のときに、押し順Aで操作がされたときは、補助演出状態番号ARに0が設定され、主演出状態番号MRに6が設定されるため、主演出状態が「ボーナス(6)」に移行する。このとき、疑似条件装置番号として16が設定されるため、次遊技のスタートレバー32の操作時に、疑似遊技が実行される。同様に、押し順Bのときは疑似条件装置番号に17が設定され、押し順Cのときは疑似条件装置番号に18が設定される。また、補助演出状態番号が1で押し順B又はEで操作されたとき、及び、補助演出状態番号が2で押し順Eで操作されたときは、補助演出状態番号ARに0が設定されるため、次の遊技では、図46(a)のテーブルが用いられる(以下、「1手戻り」と呼ぶ)。また、その他の押し順は、維持又は転落となる。なお、以上の説明では主演出状態を「ボーナス(6)」に移行させたときに、次の遊技で疑似遊技を発生させるように構成しているが、待機演出(リール演出)を実行するように構成してもよい。
図45に戻り、主制御手段100は、ステップS5423で設定された変数により、主演出状態番号MRが4であるか否かを判断し(ステップS5424)、主演出状態が「AT通常(4)」であると判断したときは、AT移行カウンタCAに2を設定する(ステップS5425)。また、ステップS5424で主演出状態番号MRが4でないと判断したときは、6であるか否かを判断し(ステップS5426)、主演出状態が「ボーナス(6)」であると判断したときは、BB突入フラグFBに1を設定し(ステップS5427)、主演出状態が「ボーナス(6)」における遊技数を決定するためにボーナスナビ抽選を実行し(ステップS5428)、当選値をボーナスナビカウンタCNにセットする(ステップS5429)。ステップS5426で主演出状態番号MRが6でないときは、そのまま主演出状態5状態移行処理S5420を終了する。なお、ステップS5428で実行されるボーナスナビ抽選は、補助演出状態番号ARや、ボーナス突入時の疑似条件装置番号を用いることによって、疑似遊技で揃う図柄別に期待度を異ならせることができる。
このように、主演出状態が「ボーナス準備(5)」のときは、押し順リプレイの押し順により、主演出状態番号MR及び補助演出状態番号ARを設定することにより、主演出状態の移行や、そのときに実行される疑似遊技を変化させることができる。なお、副制御手段200で、押し順リプレイに対する押し順を報知することで、副制御手段200からこれらの変数を制御することもできるし、具体的な押し順は報知せず、補助演出状態番号ARが0のときの、操作順序A、Bの二択により、遊技者に選択させるように構成することもできる。
−主演出状態6状態移行処理S5430−
主演出状態6状態移行処理S5430は、主演出状態番号MRが6のときに実行される処理である。主演出状態が「ボーナス(6)」のときは、ボーナスナビカウンタCNが0になるまで、押し順ベルの当選に対して正解押し順を報知するように構成されている。
図47に示すように、主制御手段100は、まず、BB突入フラグFBが1であるか否かを判断し(ステップS5431)、1であるときは、このBB突入フラグFBに0を設定して終了する(ステップS5432)。上述したように、主演出状態が「ボーナス準備(5)」から「ボーナス(6)」に移行するときに、疑似遊技が実行されるため、主制御手段100は、このBB突入フラグFBによりこの疑似遊技が実行されるか否かを判断している。なお、疑似遊技でボーナス直当たりとなり、主演出状態が「ボーナス(6)」に移行したときは、疑似遊技が実行されないが、その場合はBB突入フラグFBに1が設定されていない。
ステップS5431でBB突入フラグFBが1でないと判断すると、主制御手段100は、押し順ベルに当選したか否かを判断し(ステップS5433)、押し順ベルに当選しているときは、ボーナスナビカウンタCNから1を減算し(ステップS5434)、このボーナスナビカウンタCNが0であるか否かを判断する(ステップS5435)。そして、ボーナスナビカウンタCNが0であるときは、ボーナス終了処理S5450を実行する(ステップS5436)。このボーナス終了処理S5450は、図48に示すように、補助演出状態番号ARに0を設定し(ステップS5451)、BB突入フラグFB、ボーナスナビカウンタCN及びベルこぼしカウンタCLに0を設定し(ステップS5452〜S5454)、主演出状態番号MRに5を設定して主演出状態を「ボーナス準備(5)」に移行させ(ステップS5455)、外部出力をオフにする(ステップS5456)。
図47に戻って、主制御手段100は、ステップS5435でボーナスナビカウンタCNが0でないと判断したときは、押し順ベルの当選に対して有効ライン上に8枚役ベルである入賞役−01の図柄の組み合わせが表示されなかったか(ベル非入賞か)否かを判断する(ステップS5437)。本実施形態に係るスロットマシン1では、主演出状態が「ボーナス(6)」のときに、ベル非入賞になるとその回数をカウントし、連続して2回ベル非入賞になると、「ボーナス準備(5)」に移行されるように構成されている。そのため、ステップS5437においてベル非入賞であると判断すると、主制御手段100は、ベルこぼしカウンタCLに1を加算し(ステップS5438)、ベルこぼしカウンタCLが2であるか否かを判断し(ステップS5439)、ベルこぼしカウンタCLが2のときは、上述したボーナス終了処理S5450を実行する(ステップS5440)。また、ステップS5437で順押しされていないと判断したときは、ベルこぼしカウンタCLに0を設定してクリアする(ステップS5441)。
このように、主演出状態が「ボーナス(6)」であるときに、押し順ベルの当選に対して2回連続してベル非入賞になると、「ボーナス準備(5)」に移行するように構成されている。すなわち、主演出状態が「ボーナス(6)」にあるときに、押し順ベルの当選に対してその正解押し順を報知しないと、遊技者はストップボタン33a〜33cを順押しするため、「ボーナス(6)」が終了することになる。
図38に戻り、現在の主演出状態番号MRに応じて状態移行処理が実行されると、主制御手段100は、疑似遊技前兆遊技数処理S5490を実行する(ステップS5306)。この疑似遊技前兆遊技数処理S5490は、図50に示すように、主演出状態番号MRが1,2,4,5であって(ステップS5491)、疑似遊技前兆カウンタCPが0であり(ステップS5492)、かつ、疑似遊技保存領域にストックがあるとき(ステップS5493)に実行される処理であり、疑似遊技前兆カウンタ抽選を行って、前兆遊技数を抽選で決定し(ステップS5494)、当選値を疑似遊技前兆カウンタCPに設定する(ステップS5495)。なお、前兆遊技数の抽選は、遊技状態(シナリオ番号や主演出状態及び補助演出状態等)に応じて当選確率が変化するように構成してもよい。また、状態固定カウンタCFの値が0でなく、罰則処理が実行されているときは、罰則処理が実行されていないときと比べて前兆遊技数が短くなるように構成してもよい。また、前兆遊技数は、主演出状態や補助演出状態を跨いで(これらの状態が変化しても)、疑似遊技は実行可能である。
さらに、図38に戻り、主制御手段100は、全停系コマンド処理S5500を実行し、リール21a〜21cが停止したときの主制御手段100の情報を制御コマンドとして副制御手段200に送信する(ステップS5307)。
図50に示すように、全停系コマンド処理S5500において、主制御手段100は、疑似遊技前兆カウンタCPの値をレジスタに記憶し(ステップS5501)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5502)。また、AT移行カウンタCAの値をレジスタに記憶し(ステップS5503)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5504)。また、ボーナス準備カウンタCBの値をレジスタに記憶し(ステップS5505)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5506)。また、ボーナスナビカウンタCNの値をレジスタに記憶し(ステップS5507)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5508)。また、主演出状態番号MRの値をレジスタに記憶し(ステップS5509)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5510)。また、補助演出状態番号ARの値をレジスタに記憶し(ステップS5511)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5512)。
また、主制御手段100は、疑似遊技中であるか否かを判断し(ステップS5513)、疑似遊技中でないときは、「図柄組み合わせ表示」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5514)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5515)、疑似遊技中であるときは、「疑似遊技終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5516)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5517)。なお、この全停系コマンド処理S5500で送信される制御コマンドを「全停系コマンド」と呼ぶ。
また、疑似遊技においてリール21a〜21cが揺れ変動して停止している状態で、所定の時間(例えば、20秒であって、「入力検知時間」と呼ぶ)経過すると、スタートレバー32が操作されていなくても、リール21a〜21cが回転を開始して本遊技が実行されるように構成されている。そのため、図23に示すように、主制御手段100は、入力検知時間をRAM103に記憶し(ステップS556)、入力検知時間を経過するか(ステップS557)、スタートレバー32の操作を検知すると(ステップS558)、ステップS547に戻り、本遊技の処理を実行する。
−本遊技の実行−
上述したように、主制御手段100は、ステップS549で、疑似条件装置番号が0であると判断すると、本遊技を実行する。まず、主制御手段100は、状態固定カウンタCFが0であるか否かを判断する(ステップS559)。本遊技においてもストップボタン33a〜33cの押し順が報知されていない遊技、具体的には、主演出状態が、「通常(1)」、「BM(2)」及び「AT準備(3)」の遊技において、押し順ベル又は押し順リプレイの当選に対して変則押しがされたときは、状態固定カウンタCFに所定の値(本実施形態では5)を設定し、この状態固定カウンタCFが0でない遊技においては、所定の処理を実行しない(罰則処理により遊技者にペナルティを与える(遊技者に不利益を与える))ように構成されている。本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段100は、ステップS559で状態固定カウンタCFが0であると判断したときは、押し順パターン抽選処理S5140、周期遊技数管理処理S5160及び疑似遊技ストック処理S5170を実行し(ステップS560〜S562)、状態固定カウンタCFが0でないと判断したときは、ステップS560〜S562を実行しないように構成されている。周期遊技数管理処理S5160及び疑似遊技ストック処理S5170は、既に、疑似遊技において説明しているため、ここでは、本遊技のときだけ実行される押し順パターン抽選処理S5140について説明する。
−押し順パターン抽選処理S5140−
押し順パターン抽選処理S5140は、押し順リプレイ(再遊技役−A)に当選したときに、主演出状態に応じてその押し順パターンを決定するものである。そのため、この押し順パターン抽選処理S5140は本遊技でのみ実行される。具体的には、ストップボタン33a〜33cに対しては6つの押し順があるため、抽選によりそれぞれの押し順に上述したA〜Fを割り当てる。具体的には、図33に示すように、主演出状態番号MRが1又は3であるときは(ステップS5141)、押し順リプレイである再遊技役−Aに当選したときに(ステップS5142)、押し順パターンA抽選を行って、6つの押し順のそれぞれにA〜Fを割り当てた押し順パターンAを設定する(ステップS5143)。また、主演出状態番号MRが4であるときは(ステップS5144)、押し順リプレイである再遊技役−Aに当選したときに(ステップS5145)、押し順パターンB抽選を行って、6つの押し順のそれぞれにA〜Fを割り当てた押し順パターンBを設定する(ステップS5144)。また、主演出状態番号MRが5であるときは(ステップS5147)、押し順リプレイである再遊技役−Aに当選したときに(ステップS5148)、押し順パターンC抽選を行って、6つの押し順のそれぞれにA〜Fを割り当てた押し順パターンCを設定する(ステップS5149)。なお、これらの主演出状態でないときは、押し順パターン0を設定する(ステップS5150)。
上述したように、押し順パターンAは主演出状態番号MRが1又は3のときに、再遊技押し順判定A処理S5330で利用されるものであり、押し順パターンBは主演出状態番号MRが4のときに、再遊技押し順判定B処理S5410で利用されるものであり、押し順パターンCは主演出状態番号MRが5のときに、変数を設定するために利用される。
図23に戻り、主制御手段100は、遊技開始処理S5190を実行してモード移行ポイントの設定及び主制御手段100の状態を制御コマンドして副制御手段200に送信し(ステップS563)、リール停止管理処理S5260を実行して、本遊技におけるリール21a〜21cの回転及び停止を行い(ステップS564)、遊技終了処理S5290を実行して、本遊技の結果に応じて、主演出状態を移行させ、また、疑似遊技のための前兆遊技数の設定及び主制御手段100の状態を制御コマンドとして副制御手段200に送信する(ステップS565)。
そして、有効ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせに基づいて何れかの役に対応する図柄の組み合わせが停止したか否かを判断し(ステップS566)、入賞役に入賞しているときは、停止表示されている図柄の組み合わせの入賞役に割り当てられている枚数の遊技メダルの払出しを行い(ステップS567)、遊技終了チェック処理S5520を実行し(ステップS568)、一回の遊技を終了してステップS541に戻る。
−遊技終了チェック処理S5520−
遊技終了チェック処理S5520は、一回の遊技の最後に主制御手段100で実行される遊技の状態や演出の状態を管理する処理である。この遊技終了チェック処理S5520が実行されると、主制御手段100は、図51に示すように、まず、フラグ情報記憶手段111における非持ち越し役(上述した特別役MB以外の役)に対応する条件装置アドレスをセットし(ステップS5521)、これらのアドレスに記憶されている全ての非持ち越し役に対応する条件装置フラグをオフにする(ステップS5522,S5523)。また、入賞判定処理S566で、有効ライン上にMB作動図柄(特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ)が停止しているか否かを判断し(ステップS5524),停止しているときはMBの条件装置フラグをクリアする(ステップS5525)。また、主制御手段100は、特別遊技作動中を示す特別役作動フラグ及び再遊技作動中を示す再遊技作動フラグをチェックし(ステップS5526)、特別遊技(MB)が作動中か否かを判断し(ステップS5527)、MBが作動中であるときは、この特別遊技(MB)が開始してから払い出された遊技メダルの枚数が特別遊技の終了条件を満たしているか否かを判断する(ステップS5528)。そして、条件装置フラグを取得し(ステップS5529)、この条件装置フラグから現在の遊技状態を示すRT番号(非内部中遊技状態RT0又は内部中遊技状態RT1)を生成してRAM103に保存し(ステップS5530)、この遊技終了チェック処理S5520を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1の疑似遊技は、疑似遊技の権利であるストックの抽選をするときに、まず、シナリオ番号を決定し、ストックが使用されるときに前兆遊技数を抽選で決定し、疑似遊技が実行されるときに、主演出状態及び補助演出状態に基づいてテーブル番号を決定し、そのテーブル番号とシナリオ番号で指定される抽選テーブルによりに疑似条件装置番号を決定するように構成されていることから、演出状態に応じた疑似遊技を実行させることができ、また、複数機会の抽選で疑似遊技の演出内容(疑似条件装置番号)が決定されるため、このスロットマシン1の遊技に対する遊技者の興味をさらに惹きつけることができる。疑似遊技の実行権利(ストック)は、遊技毎の抽選に加えて周期毎の抽選も行われる。この構成により、疑似遊技に対する遊技者の期待感を継続させることができる。
なお、以上の説明では、役抽選後に、疑似遊技の実行の有無(前兆遊技数の減算、疑似遊技の抽選及び実行)を行い、その後、ストックを獲得する際には、シナリオ番号(レベル)を定めて、保留可能な場合には保留し、保留できないときは破棄するように構成されている。ストックの獲得よりストックの使用(消化)を先に実行すると、特定役に当選した遊技においてこの特定役に対応する表示が行われたにも拘わらず、保留がされないという不都合が生じる場合があるが、以上の構成によるとこのような不都合を減らすことができる。
また、以上の説明では、疑似遊技及び本遊技において周期遊技数管理処理S5160、疑似遊技ストック処理S5170の順序で実行している。この構成において、周期毎の抽選と遊技毎の抽選とが同一の遊技で発生した場合、必ず先に周期毎のストックが蓄積される。言い換えると、周期毎の抽選で蓄積されているストックの数が最大値に達すると、遊技毎のストックが破棄されてしまう。そのため、周期毎の抽選と遊技毎の抽選が同一の遊技で発生したときは、予め定めたストックの蓄積を優先してもよい。例えば、周期によるストックの獲得の方がAT当選の期待値が高く設定され(高いシナリオ番号(レベル))が設定されている場合は、周期毎の抽選によるストックを優先させるように構成してもよい。また、周期毎及び遊技毎のストックのうち、期待値が高い方を蓄積するように構成してもよい。
また、以上の説明では、主演出状態が「通常(1)」、「BM(2)」及び「AT準備(3)」であるときに、遊技毎に状態固定カウンタCFから1を減算する処理を実行している。ここで、状態固定カウンタCFから1を減算した結果、その値が0になったときに、疑似遊技ストックカウンタCGが0でないときは、状態固定カウンタCFに1を設定するように構成してもよい。このように構成すると、現在蓄積されているストックが0になるまでは、状態固定カウンタの値が1となるため、罰則処理が継続することになる。
また、主演出状態が「ボーナス準備(5)」から、複数種類の「ボーナス(6)」に移行する場合(状態は同じだが、見た目上揃う図柄が異なる場合であって、揃った図柄により有利度が異なる仕様のとき)は、「ボーナス準備(5)」における押し順リプレイに対する押し順で補助演出状態番号ARや演出情報カウンタCR等の値を更新することもでき、このときは、主演出状態が切り替わる場合であっても、状態移行時変数操作処理S5460を実行しないように構成してもよい。また、「ボーナス(6)」ではなく「AT準備(3)」の押し順により変数を操作して、ATの有利度を異ならせる場合も同様に状態移行時変数操作処理S5460を実行しなくてもよい。このように構成することにより、主演出状態が切り替わるタイミングで引き継いだ補助演出状態番号AR等の変数は、移行先の演出状態における初期ゲーム数決定抽選や、上乗せ抽選テーブルの決定などに入力情報として用いることができる。
−割込処理S570−
主制御手段100のメインCPU101は、上述した遊技進行メイン処理S540を実行しているが、所定の割込間隔(例えば、1.49ms)で、割込処理S570を実行するように構成されている。この割込処理S570は、制御用カウンタの更新、ソフト乱数の更新、入力ポートからのデータによる操作手段30等の操作の検出、リール21a〜21cの駆動制御、制御コマンドの送信等を行う処理である。
図52に示すように、この割込処理S570が実行されると、主制御手段100は、まず初期処理としてメインループ処理で処理中のレジスタ値の退避及び重複割込の禁止を行う(ステップS571)。次に、主制御手段100は、電源断検出回路により電源電圧が所定値以下になったことに基づいて出力される信号が入力ポートに入力されるため、この入力ポートの状態により電源断を検知したか否かを判断し(ステップS572)、電源断を検出したときは後述する電源断処理S5540を実行する。一方、電源断を検知しないときは、制御用カウンタ値の更新を行う(ステップS573)。この制御用カウンタとは、上述した揺れ変動カウンタや割込カウンタ等である。また、主制御手段100は、タイマ計測を行う(ステップS574)。具体的には、最小遊技時間を計測カウンタやメダル滞留時間を計測するカウンタの減算処理を行う。また、主制御手段100は、7セグメントディスプレイの表示制御処理を実行する(ステップS575)。本実施形態では詳細に説明していないが、スロットマシン1には、このスロットマシン1の状態に応じて、設定値、獲得枚数値、貯留枚数値を表示するための7セグメントディスプレイが設けられており、これらの発光パターンが制御される。また、主制御手段100は、入力ポート0〜2の情報を読み出す処理を行う(ステップS576)。この処理により、ベットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c等の操作系、並びに、セレクタやホッパー装置のセンサ系の状態を、入力ポートから読み出したデータにより生成し、RAM103に記憶する。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの各々に対して回転や停止等の作動の制御を行い(ステップS577,S578)、また、ポート出力処理を行う(ステップS579)。具体的には、リール21a〜21cを回転させるステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)やホッパーモータ70、ブロッカ60を作動させるための励磁出力値を出力ポートに設定する。また、主制御手段100は、後述する制御コマンド送信処理S5550を実行して遊技進行メイン処理S540等でRAM103の制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドを副制御手段200に送信する(ステップS580)。
さらに、主制御手段100は、RAM103に記憶されている外部信号データをレジスタにセットし(ステップS581)、これらの外部信号データに基づいて外部信号出力する(ステップS582)。また、主制御手段100は、上述した第2乱数発生手段190のソフト乱数値を更新し、また、リール回転開始待機カウンタ値に乱数値の更新処理(減算)を行う(ステップS583)。最後に、ステップS571で退避させたレジスタ値を復帰させ、次回の割込許可をして(ステップS584)、一回の割込処理S570を終了する。
−電源断処理S5540−
電源断処理S5540が実行されると、主制御手段100は、図53に示すように、全出力ポートの出力をオフし(ステップS5541)、電源断処理が実行されたことを示すデータである電源断処理フラグをRAM103に記憶する(ステップS5542)。なお、電源断処理フラグには、この電源断処理S5540が実行されたときは、例えば「1」が設定される。そして、制御コマンドの読込ポインタ(詳細は後述する)の値を偶数に設定する(ステップS5543)。本実施形態に係るスロットマシン1では、制御コマンドを副制御手段200に送信するときに、同じコマンドを2回送信している。そのため、制御コマンドの1回目の送信をしたときに電源断が発生すると、電源断復帰後の制御コマンドの処理(設定処理及び送信処理)が複雑になるため、電源断発生時に再度1回目の送信から再開できるように、読込ポインタの値を偶数にしている(具体的には書込ポインタの値の最後のビットを0にする)。このように、本実施形態においては、最後のビットの値で1回目の送信であるか2回目の送信であるかを判断しているが、1回目の送信及び2回目の送信をフラグにより管理してもよい。例えば、1回目の送信が行われると送信済みフラグを設定し、2回目の送信が行われたときにこの送信済みフラグをクリアするようにしてもよい。また、電源断発生時には再度1回目の送信から再開できるように送信済みフラグをクリアする。
次に、主制御手段100は、RAM103の全範囲に対してチェックサムデータを算出し(ステップS5544,S5545)、このチェックサムデータをRAM103に記憶し(ステップS5546)、リセットされるまで待機する(ステップS5547)。電源電圧が低下してこの電源断処理S5540が実行された後に、電源が再投入されると、主制御手段100に設けられた電源電圧監視装置からリセット信号が出力され、このスロットマシン1は再起動することになる。
−制御コマンド送信処理S5550−
制御コマンド送信処理S5550は、割込処理S570で実行され、制御コマンドを副制御手段200に送信する処理を行う。図54に示すように、まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファ(制御コマンドセット2処理S5010で制御コマンドが書き込まれる領域)の先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5551)、さらに、読込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5552)、先頭アドレスがセットされているレジスタの値に、読込ポインタの値(読込ポインタのアドレスに格納されている値)を加算することにより、送信制御対象の制御コマンドが格納されている制御コマンドバッファのアドレスを決定する(ステップS5553)。なお、このステップS5553において、最下位ビットの値を0にする(2進数で、11111110と論理積を行う)。これにより、読込ポインタが偶数のときも、この偶数のときから1進めた奇数のときも、偶数のときと同じアドレスになる。すなわち、読込ポインタが偶数のときは制御コマンド送信の1回目の送信が行われ、奇数のときは同じデータに対して2回目の送信を行うことができる。なお、制御コマンドバッファの先頭アドレスも偶数であるものとする。そして、このアドレスに格納されている値が0であるか否かを判断することにより制御コマンドが格納されているか否かを判断し(ステップS5554)、制御コマンドが格納されていないときはこの制御コマンド送信処理S5550を終了する。
一方、ステップS5554で制御コマンドが格納されていると判断したときは、副制御手段200に制御コマンドを送信するためのレジスタ(送信用レジスタ)のアドレスをレジスタにセットし(ステップS5555)、現在の制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)にあるデータ(制御コマンドの上位1バイト)を読み出して、このデータを送信用レジスタのアドレス(レジスタに設定されている)に書き込み、また、制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)に1を加算する(ステップS5556)。さらに、現在の制御コマンドバッファのアドレスにあるデータ(ステップS5556でアドレスが1進められているため、制御コマンドの下位1バイト)を読み出して、送信用レジスタのアドレスにこのデータを送信用レジスタのアドレスに書き込む(ステップS5557)。なお、送信用レジスタにデータが書き込まれると、そのデータが副制御手段200に送信される。
さらに、主制御手段100は、読込ポインタの値が奇数であるか否かを判断することにより、制御コマンドの2回目の送信が行われた否かを判断し(ステップS5558)、2回目の送信が行われたときは当該制御コマンドが格納されている送信対象制御コマンドバッファの値を0に設定してクリアする(ステップS5559)。最後に(1回目の送信時も2回目の送信時も)、読込ポインタの値に1を加算して(ステップS5560)、制御コマンド送信処理S5550を終了する。
−ソフト乱数更新処理S5570−
図55を用いてソフト乱数更新処理S5570について説明する。上述したように、割込処理S570や、遊技進行メイン処理S540等からソフト乱数更新処理S5570が呼び出されると、第2乱数発生手段190からソフト乱数の現在値を取得し(ステップS5571)、この現在値に所定の加算値を加算する(ステップS5572)。ここで、加算値は素数であって、例えば10909が利用される。このような素数を加算して更新することにより、2バイトの乱数値であれば、各更新時には異なる値となり、且つ、65536回更新すると初期値に戻る。そして、RAM103に記憶されているソフト乱数の初期値を取得し(ステップS5573)、この初期値と加算値が加算された現在値とを比較する(ステップS5574)。初期値と現在値とが一致したときは、割込処理S570が実行される毎にカウントされる割込カウンタ値を取得し(ステップS5575)、この割込カウンタ値を第2乱数発生手段190の現在値として記憶し(ステップS5576)、また、割込カウンタ値を初期値として保存する(ステップS5577)。最後に現在値(ステップS5572において更新値が加算された現在値、又は、ステップS5576で割込カウンタ値が設定された現在値)をソフト乱数値として保存することで(ステップS5578)、第2乱数発生手段190の乱数値の更新を終了する。
なお、以上の説明において、「割り込み処理」とは、主制御手段1000のメインCPU101において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割り込み方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割り込みやソフトウェア割り込みといった方式を採用することができる)。
(副制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段(主制御基板)100で制御される遊技の進行に応じて、単位遊技ごとに、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出制御手段(例えば、副制御基板300のサブCPU310で実行されるプログラム)301により演出パターンが選択され、画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、バックランプ44等からなる演出手段40を用いた演出が実行される。具体的には、主制御手段100から送信される制御コマンドに基づいて、スタートレバー32が操作されてから第3停止のストップボタン33(33a〜33cのいずれか)が操作されて全てのリール21a〜21cが停止するまでの間に行う演出パターン、全てのリールが停止したときの状況に応じて(例えば、何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃っていた(入賞していた)場合に)行う演出パターン、及び、次の遊技のベットボタン31の操作時に行う演出パターンを決定し、この演出パターンに基づいて演出を行う。以下、この演出制御手段301による演出実行処理について図56を用いて説明する。ここで、図56は、演出制御手段301による演出実行処理を示すフローチャートである。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1は、主制御手段100で、演出状態を管理しており、副制御手段200は主制御手段100から送信される制御コマンドに含まれる主演出状態番号MRや補助演出状態番号ARにより演出状態を決定して、現在の演出状態にあった演出を実行するように構成されている。もちろん、この副制御手段200においても、演出の状態を管理しており(以下、「副演出状態」と呼ぶ)、主制御手段100の演出状態が「AT準備(3)」にあるときは、「AT通常(4)」に移行させるか「通常(1−0)」に移行させるかを、副演出状態に基づいて副制御手段200側の処理で決定して、押し順リプレイに対する押し順を演出として報知するように構成されている。また、主制御手段100の演出状態が「AT通常(4)」にあるときに、この状態を維持するか、「通常(1−0)」又は「ボーナス準備(5)」に移行させるかを副演出状態に基づいて副制御手段200側の処理で決定して、押し順リプレイに対する押し順を演出として報知するように構成されている。また、「AT通常(4)」にあるとき、又は、「ボーナス(6)」にあるときの押し順ベルに対する正解押し順の報知も、副演出状態に基づいて副制御手段200側の処理で報知するか否かを決定している。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、演出制御手段301による上述した演出状態の移行を、疑似遊技の種類(疑似条件装置番号)やストックのシナリオ番号(レベル)に応じて行う、いわゆる「出玉抽選」で決定するように構成されている。例えば、演出制御手段301は、主演出状態が「AT通常(4)」であり、AT遊技の演出を実行しているときに、疑似遊技が実行されると、その疑似遊技の情報(疑似条件装置番号やシナリオ番号)により、AT遊技数を上乗せするか否かを決定する抽選(上乗せ抽選)を行い、あるいは、「ボーナス準備(5)」に移行させるか否かを決定する抽選(ボーナス抽選)を行うように構成されている。上述したように、「ボーナス準備(5)」に移行させることを決定したときは、演出制御手段301は、再遊技役−Aの当選に対して、割り当てられた押し順パターンを報知する。また、演出制御手段301は、主演出状態が「通常(1)」であり、通常の演出を実行しているときに、疑似遊技が実行されると、その疑似遊技の情報により、「AT通常(4)」に移行させるか否かを決定する抽選(AT抽選)を行うように構成してもよい。演出制御手段301は、主演出状態を「通常(1)」から「AT通常(4)」に移行させるときも、再遊技役−Aの当選に対して割り当てられた押し順パターンを報知する。
また、本実施形態に係るスロットマシン1において、非内部中遊技状態RT0の遊技で用いられる役抽選テーブルによる役の抽選では、図8に示すように、約1/4の確率で特別役に当選する。そのため、非内部中遊技状態RT0にあるときは、すぐに、遊技状態が内部中遊技状態RT1に移行する。すなわち、このスロットマシン1においては、ほとんどの遊技が内部中遊技状態RT1で実行されることになるので、以下の説明では、特に断らない限り、内部中遊技状態RT1で遊技が行われているものとして説明する。なお、内部中遊技状態RT1にあるときに、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる方法としては、置数が1(図8において、当選確率の分子の値が1)のはずれを設け、図8の当選役のいずれにも当選しない遊技において(すなわち、役抽選にはずれたときに)、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるタイミングでストップボタン33a〜33cが操作されたときにこのMBの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させるように構成してもよいし、特定役の当選時に、特定の押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときに、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることを可能にしてもよい。
図56に示すように、演出制御手段301は、主制御手段100から送信される制御コマンドを受信してスタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS740)、制御コマンドに含まれる遊技状態や、主演出状態番号、補助演出状態番号、条件装置番号、疑似条件装置番号、ストックに関する情報等の遊技情報(レバー系コマンド)を取得し、これらの情報をRAM330に記憶する(ステップS741)。そして、演出制御手段301は、これらの情報に基づいて副演出状態を決定する(ステップS742)。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、演出の状態を主演出状態及び補助演出状態として主制御手段100で管理している。しかしながら、演出制御手段301は、これらの演出状態に基づいて、独自に副演出状態を管理している。具体的には、上述したように、主演出状態が「AT準備(3)」のときに、「通常(1−0)」に移行させるか「AT通常(4)」に移行させるかは、押し順リプレイの当選に対する押し順で決定され、その押し順の報知は演出制御手段301により実行される。したがって、演出制御手段301は、この演出制御手段301で管理する副演出状態に基づいて、押し順リプレイに対する押し順を報知するように構成されている。同様に、主演出状態が「AT通常(4)」のときに、「通常(1−0)」に移行させるか「ボーナス準備(5)」に移行させるかも、押し順リプレイの当選に対する押し順で決定されるため、その押し順の報知を、演出制御手段301はこの演出制御手段301が管理する副演出状態に基づいて決定するように構成されている。
演出制御手段301は、遊技情報から副演出状態を決定すると、その副演出状態に応じた抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて演出パターンを抽選により決定する(ステップS743)。ここで、演出制御手段301は、副演出状態ごとに抽選テーブルが設けられており、副演出状態に応じた抽選テーブルを選択することにより、副演出状態に応じた演出パターンを選択することができる。そして、抽選により決定された演出パターンに基づいて、演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されてから全てのリール21a〜21cが停止するまでの間の演出(演出1)を実行する(ステップS744)。上述した押し順リプレイに対する押し順の報知や、AT遊技やボーナス遊技における押し順ベルに対する押し順の報知は、この演出1で実行される。具体的には、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、押し順を画像表示装置41等を用いて押し順を報知する。
次に、演出制御手段301は、主制御手段100から送信される制御コマンドを監視して全てのリール21a〜21cが停止したかを判断し(ステップS745)、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると、制御コマンドに含まれるATやボーナスに関する情報や、主演出状態番号、補助演出状態番号、停止図柄に関する情報等の遊技情報(全停系コマンド)を取得し、これらの情報をRAM330に記憶する(ステップS746)。そして、演出制御手段301は、これらの遊技情報から有効ライン上に停止した図柄の組み合わせを判定し(ステップS747)、その状態に応じた演出(演出2)を実行する(ステップS748)。例えば、入賞役の図柄の組み合わせが揃ったときや再遊技役の図柄の組み合わせが揃ったときは、当該役に対応する演出を実行し、いずれの役の図柄の組み合わせも揃わなかったときは、ハズレのときの演出を実行する。さらに、演出制御手段301は主制御手段100から送信されるベットに関する制御コマンドを監視し(ステップS749)、ベット操作がされたときは、次遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間の演出(演出3)を実行し(ステップS750)、一回の遊技に対する演出の実行を終了する。なお、演出制御手段301による演出は、疑似遊技も本遊技も、それぞれ1つの単位遊技として実行される。
(ストックに関する情報の表示について)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、遊技毎、又は周期毎に抽選が行われて、疑似遊技を実行する権利であるストックが付与されるように構成されている。この周期の遊技数及びストックの情報(まとめて「ストックに関する情報」と呼ぶ)は、上述した制御コマンド(レバー系コマンド及び全停系コマンド)で主制御手段100から副制御手段200に通知される。そのため、演出制御手段301は、これらの情報を画像表示装置41に表示して遊技者に報知するように構成されており、以下、図57を用いて、ストックに関する情報の表示について説明する。ここで、図57は、ストックに関する情報を表示している画面を示す説明図である。
上述したように、演出制御手段301は、画像表示装置41に画像を表示するときは、サブ制御コマンドを画像制御基板400に送信し、画像制御基板400で実行されている画像/サウンド出力手段401により画像(ストックに関する情報)が画像表示装置41に出力される。この画像表示装置41に表示される画像は、複数のレイヤで構成されている。すなわち、レイヤ毎に表示する画像を設定することができ、それらの画像は、レイヤの順序にしたがって画像表示装置41に表示される(上位レイヤに設定された画像は、下位レイヤの画像の上に重ね合わせて表示される)。そのため、このストックに関する情報は、演出制御手段301で決定された演出パターンに基づく演出を表示するレイヤ(演出用レイヤ)に優先するレイヤ(上位レイヤ)に表示されるように構成されている。また、上述した押し順リプレイや押し順ベルに対する押し順の表示も、演出用レイヤに優先するレイヤに表示されるように構成されている。なお、このようなストックに関する情報や押し順に関する情報を表示するレイヤをまとめて「表示系レイヤ」と呼ぶ。
まず、周期の遊技数に関する情報は、図57に示すように、画像表示装置41の画面の右上に周期遊技数表示G1として表示されている。上述したように、罰則処理が実行されていない限り、疑似遊技及び本遊技の開始時に周期遊技数が更新されて制御コマンドとして送信されるため、演出制御手段301は、レバー系コマンドを受信するたびに、画像制御基板400にサブ制御コマンドを送信して、この周期遊技数表示G1を更新する。
また、周期毎又は遊技毎の抽選で当選したときのストックの情報(シナリオ番号)は、レバー系コマンドで主制御手段100から送信されるため、演出制御手段301は、この制御コマンドを受信して、ストックが当選したと判断したときは、画像制御基板400にサブ制御コマンドを送信して、その情報をストック情報G2として表示する(図57では、1つのストックを1つの円の図形で表示した場合を示している)。このとき、シナリオ番号を円の図形の色で示唆してもよい。具体的には、例えば、赤、黄、青の3種類の色から抽選で決定するようにし、シナリオ番号が小さいほど、青色が選択され易くし、シナリオ番号が大きいほど、赤色が選択され易くする。このように構成することにより、保留されているストックの数を円の図形の数で遊技者に報知するとともに、各ストックのレベル(シナリオ番号)を色で示唆することができる。ストック情報G2にストック(円の図形)を追加するときは、最も下に追加される演出を行う。なお、レバー系コマンドを受信したときにストック情報G2に対するストックの表示を行わず、全停系コマンドを受信したときに表示するように構成してもよい。
また、蓄積されているストックが使用され、前兆遊技数が決定されたときの情報は、全停系コマンドで主制御手段100から送信されるため、演出制御手段301は、この制御コマンドを受信して、ストックが使用されたと判断したときは、画像制御基板400にサブ制御コマンドを送信して、その情報を前兆情報G3として表示する。図57では、前兆遊技数を円の図形内の数字で表示し、レベル(シナリオ番号)を示唆する情報を文字列として表示しているが、シナリオ番号をストック情報G2と同様に色で示唆してもよいし、これらを組み合わせてもよい。なお、ストックが使用されるときは、ストック情報G2に縦に並んで表示されている円の図形のうち、最も上の円の図形を消去し、それより下の円の図形を上方に移動させる演出を行う。これにより、蓄積されているストックが蓄積順に使用されることを示すことができる。また、前兆情報G3に表示される前兆遊技数は、単位遊技が行われるごとに1ずつ減算される。なお、この前兆遊技数は、主制御手段100で決定され、全停系コマンドで送信された遊技数(以下、「真の前兆遊技数」と呼ぶ)を表示する必要はない。例えば、抽選により真の前兆遊技数以上の値を決定し、この値を前兆情報G3に表示してもよい。この場合、前兆情報G3に表示されている遊技数が0になる前に疑似遊技が実行される。そのため、疑似遊技が実行されるときは、現在の表示が0になる演出を実行してもよい。ここで、疑似遊技が実行されるとこの前兆情報G3は画面上から消える。
なお、疑似遊技が実行される遊技で疑似遊技ストック処理S5170での当選によりストックを獲得した場合には、疑似遊技を開始するためのスタートレバー32の操作ではストックが蓄積される表示を行わず、疑似遊技を終了させるスタートレバー32の操作でストックが蓄積される表示を行うように構成することが好ましい。これにより、疑似遊技中にストックが蓄積される旨の表示をしてしまう不都合を防ぐことができる。
また、上述したように、シナリオ番号が1のストックは、疑似遊技が実行されない。したがって、ストックが使用されるときにそのストックのシナリオ番号が1のときは、ストック情報G2から該当するストックの図形が消える演出が実行される。また、周期毎の抽選により当選したストックと、遊技毎の抽選により当選したストックとを判別可能になるために、周期毎の抽選により当選したストックは、画面左側からストック情報G2に追加される演出を実行し、遊技毎の抽選により当選したストックは、画面下側からストック情報G2に値化される演出を実行してもよい。また、周期毎の抽選で当選したストックの図形と遊技毎の抽選で当選したストックの図形の色を変えて表示してもよい。また、ストック情報G2に縦に並んでいる図形は、遊技の進行に合わせて色を変化するように構成してもよい。例えば、図31の構成の場合、シナリオ番号がCのストックが追加されたときに青で表示され、ストック情報G2内で上方に移動する毎に、黄、赤と変化させる。このような演出を行うと、遊技の進行に従い遊技者の期待が膨らみ、このスロットマシン1の遊技に惹きつけることができる。
(演出制御手段301による罰則処理について)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、所定の条件を満たしたときに押し順リプレイに対して押し順を割り当て、その押し順により主演出状態や補助演出状態を変化させるように構成されている。また、押し順ベルに当選したときは、正解押し順で操作がされると8枚役ベルが揃ってより多くの遊技メダルが獲得できるように構成されている。そのため、所定の条件を満たしていないときに、遊技者がストップボタン33a〜33cを変則押しすると、罰則処理を与えるように構成されている。具体的には上述したように、5ゲームの間(状態固定カウンタCFが0になるまでの間)、遊技毎及び周期毎のストックの付与がされず、また、この期間においては、本遊技における押し順リプレイに対する押し順パターンの設定も行われないため、「AT準備(3)」から「AT通常(4)」への移行や、「AT通常(4)」から「ボーナス準備(5)」への移行、及び、「ボーナス準備(5)」から「ボーナス(6)」への移行も行われない。また、モード移行ポイントの付与も行われないため、「通常(1−0)」から「プレ前兆(1−1)」への移行も行われないし、「プレ前兆(1−1)」から「探索(1−2)」への移行の可能性も低くなる。
更に、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cに対して変則押しがされたときに、主制御手段100で実行される罰則処理とは別に、演出制御手段301でも個別の罰則処理を実行するように構成されている。具体的には、演出制御手段301は、副演出状態がATやボーナスでないときの変則押しや、押し順が報知されているにも拘わらず、報知された押し順と異なる順序で操作さしたときに、ペナルティ状態に移行する。演出制御手段301は、ペナルティ状態に移行するときに、ペナルティモード(主制御手段100と副制御手段200の演出状態の不一致や、ペナルティ状態を示す情報)と、ペナルティカウンタ(ペナルティ遊技の実行数に関するカウンタ)を設定する。
このペナルティ状態において、演出制御手段301は、ペナルティ状態が継続している間、遊技者にとって有利な処理の少なくとも1つを実行しない等を行う。例えば、ペナルティが発生したときは、演出制御手段301は、「AT通常(4)」や「ボーナス準備(5)」へ移行する条件を満たしていても、当該ペナルティが発生した遊技からこのペナルティが解除されるまでの間はこれらの演出状態に移行しないように構成される。また、5ゲームの間、AT・ボーナス抽選を行わないように構成することや、「AT通常(4)」に移行したときに、5ゲーム又は5回の報知を行わないように構成することもできる。なお、ストップボタン33a〜33cに対して変則押しがされたときは、警告音を出力するように構成してもよい。この警告音は、ペナルティの対象となるときだけ出力するように構成してもよいし、ペナルティと関わりなく変則押しがされたときに出力するように構成してもよい。また、この警告音は、主制御手段100側で出力するように構成してもよいし、副制御手段200側で出力するように構成してもよい。
なお、この演出制御手段301によるペナルティ状態を解除するための遊技数は、上述した主制御手段100の遊技数(状態固定カウンタCFの値)とは同一である必要はない。また、主制御手段100では、状態固定カウンタCFが0になると罰則処理が終了するが、演出制御手段301は、必ずしもペナルティカウンタの値でペナルティ状態を解除する必要はなく、ペナルティカウンタの値が所定の値になった以降の遊技で、所定の条件を満たしたときに演出制御手段301におけるペナルティ状態を解除するように構成してもよい。
(イレギュラーフリーズ)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1における演出状態は、主制御手段100で管理される主演出状態及び補助演出状態に基づいて決定されるが、副制御手段200の演出制御手段301で独自に副演出状態を管理しているため、主制御手段100の演出状態と副制御手段200(演出制御手段301)の演出状態との間で異なる演出状態になる場合がある。例えば、演出制御手段301がペナルティ状態にあり、ATやボーナスに移行しない状態であるときに、主制御手段100で実行される疑似遊技で、ボーナスに移行する図柄の組み合わせが停止する場合である。具体的には、主制御手段100の主演出状態が「AT通常(4)」であるときに、演出制御手段301で実行されている演出においてボーナス遊技への移行条件を満たしていないにも拘わらず、押し順リプレイの演出制御手段301による押し順の報知を無視して遊技者がストップボタン33a〜33cを操作することにより、主演出状態が「ボーナス準備(5)」に移行する場合である。
このように、副制御手段200(演出制御手段301)のペナルティ状態においてフリーズ演出(上述した疑似遊技やリール演出)が発生した場合、演出制御手段301は、「イレギュラーフリーズ(本来発生すべきでないタイミングで発生するフリーズ演出)」と判断して、画像表示装置41に「ペナルティ中」の旨を表示するように構成されている。フリーズ演出は、一般的には遊技者に有利な状態の発生を報知するために使用されることが多く、このようなイレギュラーフリーズの表示を行うことで、ペナルティ状態にある遊技で特に遊技者に対する特典の抽選も行わないときに、フリーズ演出が発生したことに基づいて遊技者に期待感を抱かせることを防止することができる。以下に、イレギュラーフリーズの制御方法について、図58を用いて説明する。ここで、図58は、イレギュラーフリーズを実行するためのテーブルを示す説明図である。
イレギュラーフリーズに対する処理は、主制御手段100からの制御コマンド(疑似条件装置番号)を受け付けたときに実行される。すなわち、演出制御手段301におけるAT抽選処理やボーナス抽選処理等の「出玉抽選」を行うタイミングで、図58(a)に示す、予め定められたテーブル(イレギュラーフリーズ判定テーブル)から現在のペナルティ状態を参照してイレギュラーフリーズ実行フラグを設定する。このイレギュラーフリーズ判定テーブルは、ペナルティモード毎に、副演出状態及びペナルティカウンタの有無(0であるか、0でないか)によって、実行するフリーズ演出毎(疑似条件装置番号毎)に実行フラグのオン及びオフを切り替えるように構成されている。例えば、ペナルティモードが0であって、副演出状態が「通常」であるときに、疑似条件装置番号が0(疑似遊技が実行されない)ときは、ペナルティカウンタの値に拘わらず0が設定されているため、イレギュラーフリーズ実行フラグはセットされないが、疑似条件装置番号が1のときは、ペナルティカウンタが0でない(ペナルティ状態である)ときは1が設定されているため、イレギュラーフリーズ実行フラグがセットされる。
演出制御手段301は、イレギュラーフリーズ実行フラグがセットされると、サブ制御コマンドを画像制御基板400に送信して、イレギュラーフリーズ表示を行う。画像制御基板400の画像/サウンド出力手段401は、イレギュラーフリーズに対応するサブ制御コマンドを受信したときは、上述した表示系レイヤよりもさらに上位のレイヤにこのイレギュラーフリーズ画像を表示するように構成されている。そのため、疑似条件装置番号に対応した演出として画像表示装置41に画像が表示されていても、イレギュラーフリーズ画像はこの演出画像の上位レイヤに設定されるため、イレギュラーフリーズ画面を画像表示装置41の表示領域全体に表示することにより、このイレギュラーフリーズ画像で演出画像を隠すことができる。図58(b)に、イレギュラーフリーズのためのサブ制御コマンドの例を示す。このコマンドは、サブ制御コマンドの構成として説明したように、上位4ビットに7(=0111)が設定されている。例えば、「7A00」のサブ制御コマンドを画像制御基板400に送信すると、通常のイレギュラーフリーズ画面が表示される(例えば、「イレギュラーフリーズ発生中」の文字が表示される)。
ところで、フリーズ演出の中には、所定の操作を行わないとそのフリーズ演出を解除できないものがある。具体的には、上述した疑似遊技では、ストップボタン33a〜33cを操作してリール21a〜21cを停止させるか、所定の待機時間(例えば、20秒)が経過しないと、疑似遊技は終了しない。そのため、図58(b)の「7A02」のように、上述した通常のイレギュラーフリーズ画面に加えて、「通常操作を行うか一定時間経過で演出が進行します」というメッセージを表示するように構成することで、遊技者に演出を進行させる手段を提示することができる。
具体的には、ペナルティ状態における疑似遊技に対するイレギュラーフリーズの実行の場合は、疑似遊技開始時の演出制御手段301による演出抽選の結果をクリアし、サブ制御コマンド(上述した「7A00」)を送信してイレギュラーフリーズ報知を行わせるとともに、フリーズ演出を終了させるための手順として「ストップボタンを押してください」のメッセージを出力させるサブ制御コマンド(例えば、図58(c)に示す「7A04」)を送信する。さらに、全リール仮停止後に「スタートレバーを押下してください」を表示させるサブ制御コマンド(例えば、図58(c)に示す「7A05」)を送信してもよい。ここで、上述したように、演出制御手段301は、主制御手段100から条件装置番号等の遊技情報を受信してAT抽選などのいわゆる「(サブ)出玉抽選」を行った後に、画像表示装置41やスピーカ43から出力するための演出を決定する抽選処理を行っているが、疑似遊技と本遊技の開始操作(スタートレバー32のオン)で異なる演出抽選を行っているため、疑似遊技開始時の演出制御手段301による演出抽選の結果をクリアしても問題は発生しない。もちろん、クリアしないように構成してもよい。
また、フリーズ演出の進行に関する操作方法が複数で、順番がある場合は、イレギュラーフリーズ画面で、次に操作するボタンを指示するように構成してもよい。例えば、最初に、「イレギュラーフリーズ発生中/左ボタンを押してください」と表示し、左ストップボタン33aが操作されると、「イレギュラーフリーズ発生中/中ボタンを押してください」と表示し、中ストップボタン33bが操作されると、「イレギュラーフリーズ発生中/右ボタンを押してください」と表示し、右ストップボタン33cが操作されると、「イレギュラーフリーズ発生中/スタートレバーを操作してください」と表示する。また、フリーズ演出を進行させるための操作が、同じタイミングで複数あり、それぞれの操作態様が異なる場合は、操作が容易な方(予め報知する内容は画像ROM430に記憶されている)を報知してもよい。例えば、MAXベットボタン31bの連打または左ストップボタン33aで中リール21bを特殊停止させる方法があるときに、操作回数の少ない「左ストップボタンを押してください」と表示する。また、フリーズ演出を進行させるための操作が、同じタイミングで複数あり、それぞれの操作をした後に実行される遅延処理の時間が異なる時は、操作後の遅延時間が最も短くなる操作を報知してもよい。
一方、遊技者不参加のリール演出に関するイレギュラーフリーズの実行の場合は、遊技開始時にリール演出後の演出決定を行うことから(リール演出開始時のスタートレバー32のオンで、リール演出実行後の本遊技の演出抽選(乱数取得)を行っているため)演出抽選結果のクリアを行わない。また、フリーズ終了は所定時間の経過で終了するため、イレギュラーフリーズ画面に「しばらくお待ちください」という表示を行う。また、遊技者参加のリール演出に対するイレギュラーフリーズにおいても、同様の理由で演出抽選結果をクリアしない。
このようなイレギュラーフリーズの機能を設けることにより、イレギュラーフリーズ実行時は、フリーズ演出(疑似遊技等)の発生に基づいて、演出制御手段301でAT抽選や状態移行をしなくても、フリーズ演出が特典の付与等を意味するものでないことを報知しているため、遊技者は違和感を覚えない。特に、「イレギュラーフリーズ発生中」というメッセージのみでは、遊技者がどうしたら遊技できるかわからず、フリーズ演出が自動的に解除されるまで遊技ができず不利益となってしまうため、イレギュラーフリーズにおいて遊技者がフリーズを進行させるための処理を報知することにより、フリーズ演出を早期に終了させることができる。
なお、上述したように、疑似遊技で特定の疑似条件装置番号(例えば、15〜18)に当選すると、「赤7」の図柄等が揃って主演出状態が「ボーナス(6)」に移行するが、ペナルティ状態にあるときは、演出制御手段301が押し順ベルの当選に対する正解押し順を報知しないことにより、「ボーナス準備(5)」に戻すことができる。そのため、イレギュラーフリーズを表示することで、特定の図柄の組み合わせの効果が発揮しないことを報知しても、所定の遊技数が経過したときに、主演出状態及び補助演出状態と、副演出状態とを一致させることができる。
また、いわゆるプレミア扱いのフリーズ演出(発生タイミングをあらかじめセットされるものでは無く、スタートレバー32が操作されたときに役抽選とフリーズ抽選を行った結果実行されるものであって、例えば65536分の1の確率等で発生するもの)については、上述したイレギュラーフリーズ判定テーブルを用いたイレギュラーフリーズのフラグの確認を行わず、フリーズ演出を実行させてもよい。
なお、画像制御基板400は、イレギュラーフリーズ処理の実行中は、上述した画像表示装置41の制御(イレギュラーフリーズ実行中の表示)と音の制御を行うが、演出用ランプ42の消灯制御は行わなくてもよい。このような演出用ランプ42は、エラーが発生したときに警報モードで点滅するため、エラー発生を報知する役目があるためである。なお、上述したプレミア演出による演出用ランプ42の点滅(例えば、レインボー点灯する)については、停止させるように構成してもよい。
(エラー発生時)
本実施形態に係るスロットマシン1では、前扉3が開放されたときや、ホッパー装置でメダルが詰まったときに、エラーと検知され、このエラーを通知するための制御コマンドが副制御手段200に送信される。そして、このエラーを報知するために、副制御手段200の演出制御手段301から画像制御基板400にサブ制御コマンド(上位4ビットに「0000=0」が設定されたサブ制御コマンド)を送信すると、画像/サウンド出力手段401により、上述したイレギュラーフリーズと同様、エラーを報知する画面が、表示系レイヤよりもさらに上位レイヤに設定されて画像表示装置41に表示される。また、エラーに対応した音声も出力される。
このようなエラーが遊技中に発生した場合、リセットボタンが押下されるまでエラーの報知が実行される。エラーの種類によっては、リール21a〜21cが回転中である場合(疑似遊技も加速中扱いのため、回転中に含まれる)において、リセットボタンを押下してもエラー解除せず、全リール停止後にリセットボタンを押下することで解除できるように設定されたエラーがある。このような、回転中解除不可エラーが発生しているときに、イレギュラーフリーズ、特にストップボタン33a〜33cにフリーズ動作の進行がセットされていないものが選択された場合、画面にエラーの報知がされ続け、ストップボタン33a〜33cによる停止操作も実行不可のため、どのようにしたらエラーを解除できるかわからなくなってしまう。
このような状況を解決するために、本実施形態に係るスロットマシン1は、エラー表示とイレギュラーフリーズ表示が重なったときに、上述したサブ制御コマンドを送信して、画面上のエラー表示画面の情報を見えなくしない位置に、フリーズの進行に関する操作方法を重ねて表示させるように構成されている。上述したように、イレギュラーフリーズの表示データを生成するためのサブ制御コマンドが、イレギュラーフリーズ実行中表示用のコマンドと、フリーズ進行操作報知用のコマンドの2つで形成されている。そのため、エラーの表示優先順位が第一の場合は、エラー表示時にエラーコマンドとフリーズ進行操作報知用のコマンドを組み合わせて表示することで対応できる(エラー表示用のサブ制御コマンドを送信した後、進行操作報知用のサブ制御コマンド(例えば、図58(b)の「7A03」)を送信する)。また、エラーの表示優先順位を下げてもよい場合は、イレギュラーフリーズの表示優先順位をエラーよりも優先する(エラー表示よりもイレギュラーフリーズの表示を上位のレイヤに設定する)ように構成してもよい。
なお、イレギュラーフリーズ発生時でなくても、フリーズ演出発生時にはフリーズ進行操作報知用のデータを作成するように構成し、フリーズ演出とエラーが重なったときは、エラー表示用データと、フリーズ進行操作報知用のデータを組み合わせて表示するようにしてもよい。
また、エラーの解除条件が全リールの停止ではなく、リセットボタンを操作しても所定の条件の成立(例えば、時間経過)まで報知を続けるエラーの場合には、操作態様の報知を付加してもよく、この場合の報知のタイミングとしては、エラー報知開始時、リセットボタン押下時、エラー報知終了後の通常演出画面又はイレギュラーフリーズ画面で報知を開始してもよい。また、不正操作(いわゆる「ゴト」)の疑いがあるエラーの場合には、いずれのタイミングでも報知しない構成としてもよい。
(主な効果)
本実施形態に係るスロットマシン1の主な特徴及びその効果をまとめると以下のようになる。第1に、このスロットマシン1は、本遊技及び疑似遊技を開始するためのスタートレバー32が操作されたときに、遊技毎の抽選、又は所定の遊技数(周期)毎の抽選(疑似遊技ストック抽選)を行い、疑似遊技を実行する権利(ストック)としてシナリオ番号(第1の値)を決定し、このシナリオ番号を蓄積(記憶)する。また、ストップボタン33a〜33cのうち、第3停止のストップボタンが操作されて全てのリール21a〜21cが停止したときに、前兆遊技数が0であり(前兆遊技が実行されておらず)、且つ、ストック(シナリオ番号)が蓄積されているときは、そのストックを取り出して前兆遊技を決定する。そして、次遊技を開始するためのスタートレバー3が操作される毎に、前兆遊技数を減算していき、その前兆遊技数が0になった遊技(前兆遊技数が0でないときは疑似遊技は実行されていない)において、第1の値であるシナリオ番号に基づいて第2の値である疑似条件装置番号を決定して疑似遊技を実行するように構成されている。すなわち、ストックに当選し、第1の値であるシナリオ番号が決定された遊技において、前兆遊技が実行されていなければ、当該遊技で、ストックが取り出されて前兆遊技が開始する。一方、ストックに当選した遊技で前兆遊技が実行されているときは、そのストックは蓄積された状態となり、現在実行されている前兆遊技が終了し(前兆遊技数が0となり)、疑似遊技が実行されたときに、この疑似遊技の第3停止で次のストックが取り出されて前兆遊技が開始する。このとき、疑似遊技ストック抽選では第1の値であるシナリオ番号を決定するが、疑似遊技における停止図柄(第2の値である疑似条件装置番号)は決定されず、前兆遊技が実行されて疑似遊技が実行されるときに、シナリオ番号に基づいて疑似条件装置番号が決定され、この疑似条件装置番号に基づいて疑似遊技が実行される。上述したように、演出制御手段301は、この疑似遊技の結果に基づいて出玉抽選を行っているため、ストックが設定されたときは出玉抽選の結果を推測することが困難となるため、このスロットマシン1の遊技性を向上させることができる。
第2に、このスロットマシン1の主制御手段100で制御される演出状態は、主演出状態(第1の変数である主演出状態番号MR)及び補助演出状態(第2の変数である補助演出状態番号AR)で決定されるように構成されている。従来のスロットマシンは、ボーナス内部中へ移行したときに、非内部中とは異なるパターン及び確率でリール演出実行するように構成されている。すなわち、遊技者が有利な状態に移行する確率が高まったときにリール演出の発生状況を変化させることで、遊技者に有利状態への移行を示唆するように構成されている。また、昨今の遊技機としては、通常は特定の遊技状態(RT状態)にのみ滞在し、当選役の入賞に関する報知の実施の有無のみで、遊技者に有利な状態及び不利な状態を切り替える、いわゆるAT機と呼ばれるスロットマシンが知られている。このような遊技機では、遊技状態の移行を行う事象が発生することは多くなく、たとえば遊技者の操作順序に基づき前述のリール演出の発生確率を変えるように設計しているが、遊技性の多様化に基づき、リール演出等の発生を管理するための状態を内部に多く保有しなければならずその制御が煩雑化していた。しかしながら、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、演出状態を2つの変数(第1の変数及び第2の変数)で管理しているので、1つの演出状態へ切り替えるために、第1の変数(又は第2の変数)のみを参照して移行することができたり、第1及び第2の変数の2つで移行することができ、少ない変数で多様な演出態様を実現することができる。また、主制御手段100で管理される複数の演出状態を、副制御手段200で実行される演出態様として一つにまとめた上で、リール演出の実行判定用のテーブルを共通化又は細分化して持つことが可能となる。
また、第3に、本実施形態に係るスロットマシン1は、主制御手段における遊技の状態(主演出状態及び補助演出状態)、及び、副制御手段200の演出制御手段301における演出の状態(副演出状態)に不一致が発生するような所定の関係にあり、且つ、主制御手段100においてフリーズ演出(疑似遊技)が発生したときに、画像表示装置41にイレギュラーフリーズ画面を表示させるように構成されている。例えば、演出制御手段301がストップボタン33a〜33cの操作順序を報知していないにも拘わらず、遊技者が変則押しをしてペナルティ状態になっているにも拘わらず、疑似遊技で主演出状態を「ボーナス(6)」に移行させる図柄の組み合わせが表示された場合に、イレギュラーフリーズ画面が表示される。また、主制御手段100において、このフリーズ演出を解除して、遊技の進行を実行させる条件があるときは、イレギュラーフリーズ画面に、その解除のための条件を表示させるように構成されている。エラーが発生してそのエラーを報知する画面が表示されているときも同様である。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1のように、主制御手段100と演出制御手段301の各々で管理する演出状態が一致しないときに、イレギュラーフリーズ画面を表示することで、遊技機の遊技性の中で、主制御手段100があるべき状態でないときに発生するフリーズ演出(リール演出)に基づき、遊技者に過度な期待感を抱かせてしまうことを防止することができる。