JP6565088B2 - フレームエラーレート予測装置、それを用いた無線通信装置および無線通信システム - Google Patents

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本発明は、フレームエラーレート予測装置、それを用いた無線通信装置および無線通信システムに関する。
近年、ISM(industrial, scientific, and medical radio)帯においてモバイルトラヒックのオフロードが進展しており、無線LAN(local area network)の周波数利用効率向上が望まれている。高い周波数利用効率の実現に向けては、実用上十分に低いフレーム誤り率(FER: frame error rate)を達成可能で、かつできるだけ高い伝送レートを用いる必要がある。一般に、FER が1%から10%程度となるよう、伝搬状況に応じてMCS(modulation and coding scheme)を制御することが考えられる。ここで、MCSとは、変調方式・チャネル符号化率について、予め定められた組合せのテーブルをいう(たとえば、特許文献1を参照)。たとえば、受信機の受信状態が悪い場合や、低誤り率での通信が必要な送信データは、低い伝送レートのMCSを用い、逆に、受信機の受信状態が良い場合や、比較的高い誤り率を許容する送信データは、高い伝送レートのMCSを用いるなどの決定方法を用いるような適応的な制御が行われる。
無線LANにおいて、適切なMCSに制御する方式として、伝送成功率や再送回数に応じてMCSを調節し、伝搬状況に適したMCSを選択する方式が知られている(非特許文献1を参照)。しかし、この方式では最適なMCSを選択するまで伝搬状況に合わないMCSでフレーム送信を行うため、再送や低レート送信によって、スループットが低下する恐れがある。このため、伝送効率の改善には事前にFER(Frame Error Rate)を予測し、その結果に基づいてMCSの決定を行うことが望ましいが、その実現には高精度なFER予測が必要となる。
FERが1%から10%となるような領域において、ペアワイズ誤り率(PEP:pairwise error probability)に基づいたFER値の理論計算によりFERを精度良く予測できることが知られている(非特許文献2)。
現在普及しているIEEE802.11a以降の無線LANにおいてPEPによって誤り率を求める場合、畳み込み符号化OFDM(COFDM: coded orthogonal frequency division multiplexing)におけるPEPを求める必要がある。COFDMにおけるPEPについては、これまで非特許文献3などで検討されている。
非特許文献3では、インターリーブ後のビット誤りがランダムとみなせる場合の、PEPの解析を行っている。ランダム誤りとみなせる場合、ハミング距離が最小自由距離だけ離れたエラーパスが支配的となり、かつ伝搬路の周波数応答もランダムとみなすことができる。非特許文献3では、この性質を利用したPEPの導出方法を提示している。
しかしながら、現実的な無線LANの運用を想定した場合、その通信路は、必ずしもランダム誤りとみなせる環境とはならない。IEEE802.11aなどの無線LANでは、帯域幅、インターリーブサイズが十分に広くなく、かつ、数百(ns)程度の遅延分散までしか考慮されていないため、ビット誤りの発生を十分に分散させることができない場合がある。そのため、等価的に周波数応答をランダムとみなせなくなり、伝搬路の周波数応答に依存しない、上述した非特許文献3の近似式が成立しない。また、最小自由距離のエラーパスのPEPが支配的となる前提も成立せず、最小自由距離以上のハミング距離を持つエラーパスのPEPも考慮する必要が生じる。したがって、非特許文献3にて提示されているPEPの導出方法では、無線LAN環境におけるPEPを精度よく近似することができない。
このような問題を解決するために、非特許文献4に開示された技術では、畳み込み符号化OFDM方式で通信する通信システムにおいて、ビット誤り率(BER:bit error rate)予測として、送信機、受信機、あるいはその両方において推定された通信経路による電力の減衰を表す情報および雑音電力とに基づいて、PEPを導出する。マルチパス環境下のOFDM通信の場合、伝搬路の影響はサブキャリアの周波数応答によって異なる。さらに、無線LANでは多値変調も利用される。そのため、各符号語ビットは異なる影響を受け、PEPはトレリスの各位置で異なる。非特許文献4に開示された技術ではトレリスの位置によるPEPの違いを考慮するため、インターリーバサイズに相当するトレリスの区間内の各位置においてPEPを計算し、得られたPEPから復号後にビット誤りとなるビット数の期待値を算出しBER予測を行う。FER予測としては、各情報ビットの誤り率が等しくなることを仮定し、予測されたBERに基づいて、FERを予測することを想定している。
特開2010−41074号明細書
特開2011−211433号明細書
特開2013−187561号明細書
S. Biaz and S. Wu, "Rate adaptation algorithms for IEEE 802.11 networks: A survey and comparison," 2008 IEEE Symposium on Computers and Communications, pp.130-136, July 2008.
A. Martinez, A. Guillen i Fabregas, and G. Caire, "Error probability analysis of bit-interleaved coded modulation,"IEEETransactions on Information Theory, vol.52, no.1, pp.262-271, Jan. 2006.
Y. Hori and H. Ochiai,"Performance analysis and interleaver structure optimization for short-frame BICM-OFDM systems," IEEETransactions on Wireless Communications, vol.15, no.1, pp.651-662, Jan. 2016.
しかしながら、非特許文献4に開示の技術では、パンクチャ時の検討は行われていない。パンクチャとは符号語を間引くことにより、符号化率を上げる処理である。パンクチャ時のPEPを計算するためには、同様にエラーパターンを間引く必要がある。パンクチャによって間引かれるビット位置は、トレリス上の特定の位置であるため、エラーパターンのトレリス上の開始位置によって、エラーパターン内の間引かれるビットが変わる。その結果、トレリスの位置によってPEPが異なるため、パンクチャを想定していない従来技術の枠組みではパンクチャ時のFERを精度よく予測できないという問題点がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、畳み込み符号化処理後にパンクチャ処理がされトレリス上の位置によってエラーパターンが異なるような通信システムにおいて、FERを予測することを可能とするFER予測装置、それを用いた無線通信装置および無線通信システムを提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、トレリス図により復号可能な畳み込み符号化方式で符号化された信号にパンクチャ処理を施し、同一のインターリーブ処理がフレーム内の送信ビットに繰り返し実行され、インターリーブ後にサブキャリア変調を行って直交周波数分割多重方式で通信する通信システムのフレームエラーレート予測装置であって、畳み込み符号化方式で採用されるものとして予め設定された畳み込み符号化の符号化率とサブキャリア変調における変調方式との組、並びにパンクチャ処理の周期の情報を格納するための記憶手段と、通信経路において推定された、伝搬路の電力の減衰を表す伝搬路特性情報および雑音電力に基づいて、記憶手段に格納された符号化率および変調方式の組のそれぞれについて、畳み込み符号化に対する復号処理におけるエラーパスのペアワイズ誤り率を、パンクチャ処理の周期に応じて同一のエラーパターンに対応するパンクチャ後のパターンを切り替えることで、フレームのサイズに相当するトレリス図の区間の各位置で算出し、各位置で計算されたペアワイズ誤り率の総和として、フレーム誤り率を予測するフレーム誤り率予測手段とを備える。
好ましくは、フレーム誤り率予測手段は、フレーム内において、送信ビットは、デインターリーブ処理後の符号化系列に対する伝搬路変動が周期的とみなせるように設定されたブロック長ごとに複数のブロックに分割されている場合に、ロックの1つに相当するトレリス図の区間でペアワイズ誤り率の総和としてブロック誤り率を計算し、各ブロックのブロック誤り率が互いに等しいものとして、ブロック誤り率とフレーム内に含まれるブロック数からフレーム誤り率を予測する。
好ましくは、通信システムは、直交周波数分割多重方式による通信を行い、ブロックは、直交周波数分割多重方式における1シンボルである。
好ましくは、伝搬路特性情報は、通信経路において推定された電力遅延プロファイルである。
好ましくは、伝搬路特性情報は、伝搬路のインパルス応答である。
この発明の他の局面に従うと、トレリス図により復号可能な畳み込み符号化方式で符号化された信号にパンクチャ処理を施し、同一のインターリーブ処理がフレーム内の送信ビットに繰り返し実行され、インターリーブ後にサブキャリア変調を行って直交周波数分割多重方式で通信する無線通信装置であって、受信装置から送信された、伝搬路の電力の減衰を表す伝搬路特性情報および雑音電力の推定値をフィードバック情報として受信する受信手段と、畳み込み符号化方式で採用されるものとして予め設定された畳み込み符号化の符号化率とサブキャリア変調における変調方式との組、並びにパンクチャ処理の周期の情報を格納するための記憶手段と、フィードバック情報に基づいて、記憶手段に格納された符号化率および変調方式の組のうち、スループットを最大とする組を選択する選択手段とを備え、選択手段は、伝搬路特性情報および雑音電力に基づいて、記憶手段に格納された符号化率および変調方式の組のそれぞれについて、畳み込み符号化に対する復号処理におけるエラーパスのペアワイズ誤り率を、パンクチャ処理の周期に応じて同一のエラーパターンに対応するパンクチャ後のパターンを切り替えることで、フレームのサイズに相当するトレリス図の区間の各位置で算出し、各位置で計算されたペアワイズ誤り率の総和として、フレーム誤り率を予測するフレーム誤り率予測手段と、予測されたフレーム誤り率に基づいて、所定のフレームエラーレート内において、最大のスループットとなる組を選択する変調方式選択手段とを含み、変調方式選択手段により選択された組に応じて、送信データに対して、畳み込み符号化および変調処理を実行して送信するための送信手段をさらに備える。
好ましくは、フレーム誤り率予測手段は、フレーム内において、送信ビットは、デインターリーブ処理後の符号化系列に対する伝搬路変動が周期的とみなせるように設定されたブロック長ごとに複数のブロックに分割されている場合に、ロックの1つに相当するトレリス図の区間でペアワイズ誤り率の総和としてブロック誤り率を計算し、各ブロックのブロック誤り率が互いに等しいものとして、ブロック誤り率とフレーム内に含まれるブロック数からフレーム誤り率を予測する。
好ましくは、無線通信装置は、直交周波数分割多重方式による通信を行い、ブロックは、直交周波数分割多重方式における1シンボルである。
好ましくは、伝搬路特性情報は、伝搬路において推定された電力遅延プロファイルである。
好ましくは、伝搬路特性情報は、伝搬路のインパルス応答である
この発明のさらに他の局面に従うと、トレリス図により復号可能な畳み込み符号化方式で符号化された信号にパンクチャ処理を施し、同一のインターリーブ処理がフレーム内の送信ビットに繰り返し実行され、インターリーブ後にサブキャリア変調を行って直交周波数分割多重方式で通信する無線通信無線通信システムであって、受信装置を備え、受信装置は、通信経路において、伝搬路の電力の減衰を表す伝搬路特性情報および雑音電力を推定する通信経路状態推定手段と、推定された伝搬路特性情報および雑音電力を送信するための第1の送信手段とを含み、送信装置をさらに備え、送信装置は、受信装置から送信された、伝搬路特性情報および雑音電力の推定値をフィードバック情報として受信する受信手段と、畳み込み符号化直交周波数分割多重方式で採用されるものとして予め設定された畳み込み符号化の符号化率とサブキャリア変調における変調方式との組、並びにパンクチャ処理の周期の情報を格納するための記憶手段と、フィードバック情報に基づいて、記憶手段に格納された符号化率および変調方式の組のうち、スループットを最大とする組を選択する選択手段とを含み、選択手段は、伝搬路特性情報および雑音電力に基づいて、記憶手段に格納された符号化率および変調方式の組のそれぞれについて、畳み込み符号化に対する復号処理におけるエラーパスのペアワイズ誤り率を、パンクチャ処理の周期に応じて同一のエラーパターンに対応するパンクチャ後のパターンを切り替えることで、フレームのサイズに相当するトレリス図の区間の各位置で算出し、各位置で計算されたペアワイズ誤り率の総和として、フレーム誤り率を予測するフレーム誤り率予測手段と、予測されたフレーム誤り率に基づいて、所定のフレームエラーレート内において、最大のスループットとなる組を選択する変調方式選択手段とを有し、変調方式選択手段により選択された組に応じて、送信データに対して、畳み込み符号化および変調処理を実行して送信するための第2の送信手段をさらに含む。
「ペアワイズ誤り率(PEP)」とは、送信機から長さLの符号語CLが送信されたとする場合、この系列を受信機側で、CL´と誤りを含んで復号するときに、符号語CLを符号語CL´と誤って判定する確率のことをいう。
「最小自由距離」とは、畳み込み符号において、2つの情報系列uとvに対する符号語をc(u)、c(v)とするとき、全エラーパスと真のパスについて、2つの符号系列のハミング距離の最小値をいう。
「電力遅延プロファイル」とは、伝搬路が遅延時間の異なる多数のパスから構成されていると想定するとき、受信電力が遅延時間領域でどのように分布しているかを表す。すなわち、実施の伝搬路では、経路ごとにその経路長が異なるため、インパルス応答は時間広がりを有する。そこで、「電力遅延プロファイル」は、インパルス応答の2乗集合平均値で表される。
「ダイバーシチ次数」とは、あるエラーパスに対応する符号語と送信符号語間で異なるビットがマッピングされる各サブキャリアの周波数応答がランダム(無相関)とみなせるサブキャリアの数をいう。通信路の誤りが、ランダム誤りとみなせる環境では、ダイバーシチ次数が最大(エラーパスに対応する符号語と送信符号語間で異なるビットが通過した伝搬路の周波数応答が無相関)となる。ダイバーシチ次数がそれより低い場合、バースト誤りが生じやすく、BERが劣化する。
「エラーパス」とは、畳み込み符号に対する最尤復号によってそのパスが選択された場合、ビット誤りが生じるパスをいう。
「エラーパターン」とは、真のパスとエラーパスで異なる区間に対応するエラーパスの符号語をいう。所定の畳み込み符号において、発生しうるエラーパターンは、生成多項式に応じて有限個であるため、これに番号を付して、たとえば、「p番目のエラーパターン」と呼ぶことにする。
「ハミング距離」とは、2つのビット列の中で、対応する位置にある異なったビットの数をいう。
この発明によれば、畳み込み符号化処理後にパンクチャ処理がされトレリス上の位置によってPEPが異なるような通信システムにおいて、FERを予測することが可能である。
実施の形態1の無線通信システムの構成を説明するためのブロック図である。 図1に示したOFDM方式での送信および受信処理を模式的に説明するための概念図である。 拘束長3、生成多項式(5, 7)を有する畳み込み符号のdH=5におけるエラーパスを示す図である。 パンクチャ処理をしない場合、トレリスの各位置で生じる可能性のあるエラーパターンが等しくなることを示す図である。 パンクチャ処理をする場合、トレリスの位置によって、エラーパターンが変化することを示す図である。 図1に示した適応レート制御部1110の構成を説明するためのブロック図である。 実施の形態1の適応レート制御について説明するためのフローチャートである。 トレリス上の位置によってPEPが異なる場合の問題点を説明するための概念図である。 式(4)の概念を示す概念図である。 フレーム内で、各ブロックに同一のインターリーブ処理が繰り返して実施されている場合のPEPのパターンを説明するための概念図である。 ブロック単位での演算でFERを予測する手続きを説明するための概念図である。 IEEE 802.11nを想定したシミュレーションにより得られたFERと以下に説明する実施の形態の手法による予測FERとを比較した図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムおよび無線通信装置の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
以下に説明する通り、本実施の形態では、無線LAN環境などのように、必ずしも通信路における誤りが、ランダム誤りとみなせないような環境であって、畳み込み符号のトレリスにおいてその位置によってPEPが異なるような場合に、精度よくFERを予測する方法について説明する。
以下では、本実施の形態の技術的な意義をわかりやすくするために、以下のような順序で、FERの計算方法について説明する。
(1)まず、トレリス上のどの位置でもPEPが同一となるようなシステムを想定した、FERの算出について説明する。
(2)次に、本実施の形態のFERの計算方法として、フレームサイズに相当するトレリスの区間でPEPを計算しFERを予測する方法について説明する。このとき、併せて、畳込み符号化の後にパンクチャ処理がなされた場合のPEPの予測手法についても説明する。
(3)さらに、(2)を前提として、無線LAN等の同じインターリーブが繰り返し実行される通信システムにおいて,フレーム内で伝搬路変動がないとみなせる場合,デインターリーブ後の符号化系列が受ける伝搬路変動が、ブロック長を周期として周期的となるようにブロックを設定し,ブロック周期でブロック誤り率が等しくなることを利用して、PEPを計算する区間を1ブロックに相当するトレリスの区間に限定し(演算コストを低減し)、FERを予測する方法について説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の無線通信システムの構成を説明するためのブロック図である。
図1を参照して、送信装置1000は、送信系列のデータに対して、畳み込み符号による誤り訂正符号化処理を行うための誤り訂正符号化部1002と、誤り訂正符号化後のデータに対してパンクチャ処理を事項するためのパンクチャ部1003と、パンクチャ処理後のデータに対してインターリーブ処理を行うインターリーブ部1004と、インターリーブ後のデータ列に対して、直列並列変換をし、後述するように選択されたMCSに基づいて、データ列をサブキャリア数に分割し、それぞれ分割したデータにサブキャリア変調を行うための変調部1010と、変調部1010出力のデジタル信号に対して、逆フーリエ変換処理およびガードインターバルの付加処理を実行してOFDMシンボルを生成し、デジタルアナログ変換処理を実行するための直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調部1012と、OFDM変調後の信号に対して、直交変調処理、アップコンバート処理、電力増幅処理などを実行する高周波処理部(RF部)1014と、RF部1014の高周波信号を送出するためのアンテナ1020とを含む。
なお、アンテナ1020で受信した信号に対して、RF部1014は、低雑音増幅処理、ダウンコンバート処理および直交復調処理なども実行するものとする。
また、サブキャリア変調の変調方式には、特に限定されないが、たとえば、BPSK、QPSK、16QAM、64QAMなどの種類があるものとする。
また、「パンクチャ処理」とは、送信装置1000側で符号化率を制御するために行われるビットの間引き処理のことである。
さらに、送信装置1000は、受信装置2000側からの電力遅延プロファイルおよび雑音電力の推定値をRF部1014を介して受信し、復調および復号処理を実行するための受信処理部1100と、受信した電力遅延プロファイルおよび雑音電力の推定値に基づいて、適応的にMCSを変更する制御を実施して、誤り訂正符号化部1002の符号化率や変調部1010での変調方式を制御する適応レート制御部1110とを含む。
なお、受信装置2000からの電力遅延プロファイルおよび雑音電力の推定値の通信方式については、データの送信と同様の通信方式でもよいし、他の通信方式を採用してもよい。
受信装置2000は、アンテナ2002と、アンテナ2002の信号の低雑音増幅処理、ダウンコンバート処理および直交復調処理などを実行するRF部2010と、RF部2010からの信号に対して、アナログデジタル変換処理、ガードインターバルの除去処理、フーリエ変換処理などのOFDM復調処理を実行するためのOFDM復調部2012と、OFDM復調部2012からの信号に対して、変調部1010の逆処理により、受信データ列を生成するための復調部2014と、復調部2014の出力に対してデインターリーブ処理を実行するためのデインターリーブ部2016と、デインターリーブ処理後のデータに対して、デパンクチャ処理を実行するためのデパンクチャ部2017と、デパンクチャ処理後のデータに対して畳み込み符号に対する復号により誤り訂正処理を実行するための誤り訂正部2018とを含む。
受信装置2000においても、RF部2010は、電力遅延プロファイルおよび雑音電力の推定値の送信のための直交変調処理、アップコンバート処理、電力増幅処理などを実行するものとする。
受信装置2000は、さらに、RF部2010を介して受信した信号における、たとえば、パイロット信号などにより、電力遅延プロファイルの推定値および雑音電力の推定値の算出を行うための電力遅延プロファイル/雑音電力推定部2100と、電力遅延プロファイル/雑音電力推定部2100からの推定値を送信信号に変換して、RF部2010を介してアンテナ2002から送信装置1000に向けて送信するための送信処理部2110とを含む。
なお、「デパンクチャ処理」とは、送信装置1000側で符号化率を制御するために行われたパンクチャリング(ビットの間引き)の実施位置に、受信装置2000側で、所定のビット(たとえば、ゼロ(0))を挿入することである。
図2は、図1に示したOFDM方式での送信および受信処理を模式的に説明するための概念図である。
図2に示すように、畳み込み符号化されインターリーブされた送信信号は、所定の変調方式で、複素信号としてサブキャリアごとにマッピングされ、逆フーリエ変換の後に、デジタルアナログ変換されて、直交変調などを含む周波数変換処理がされて、伝送路に送出される。
伝送路から受信した信号は、直交検波などを含む周波数逆変換処理を経て、アナログデジタル変換されて、フーリエ変換され、逆マッピングされた受信信号は、デインターリーブ処理および畳み込み符号による誤り訂正処理が実行される。
構成ビットが全て0の符号語を生じるトレリスパス(以下、真のパス)とハミング距離dH離れた符号語を生じるパス(以下、エラーパス)を考える(畳み込み符号は線形符号であるため、真のパス、エラーパスを上述のように設定しても一般性を失わない)。
図3は、拘束長3、生成多項式(5, 7)を有する畳み込み符号のdH=5におけるエラーパスを示す図である。
この場合、真のパスは符号語…, 0, 0, 0, 0, 0, 0,…に対応し、エラーパスは符号語…,1, 1, 0, 1, 1, 1,… に対応する。エラーパスはトレリス上のある位置(図3では、t=2)で真のパスから離れ、その後合流するため、この区間のみ異なるビットのパターンを持つ。本実施の形態ではこの異なるビットのパターンをエラーパターンと呼ぶ。例えば、図3では、エラーパターンは[1, 1, 0, 1, 1, 1] である。
さらに、後述するように、所定の畳み込み符号について発生しうる、このようなエラーパターンに基づいて、FERが予測される。
図4は、パンクチャ処理をしない場合のトレリス図の位置とエラーパターンの関係を示す図である。
パンクチャ処理を実行しない場合は、トレリス図において、位置t=1,t=2,t=3のいずれの位置からエラーパターンが発生したときでも、エラーパターンは、全てのtで同一である。
図5は、パンクチャ処理を実行する場合のトレリス図の位置とエラーパターンの関係を示す図である。
ここでは、パンクチャ処理は、所定のビット数(たとえば、4ビット)ごとに、周期的に実行されているものとする。
そして、このようなパンクチャ処理を実行する周期については、送信側と受信側で予め既知な状態となるように情報の設定または交換が行われているものとする。
したがって、図5に示すように、パンクチャ時には、位置tによりエラーパターンが変わることになる。
たとえば、t=1 ではエラーパターン中の4番目のビットがパンクチャされて、エラーパターンは、“11011”になる。一方、t=2では、2,6番目のビットがパンクチャされて、エラーパターンは“1011”となる。また、この例のように、4ビット周期でパンクチャが実行される場合、t=3からのエラーパターンe3(アンダーバー)はt=1からのe1(アンダーバー)と等しくなり、周期的に同一となる。
したがって、以下に説明するように、本実施の形態のフレームエラーレートの予測処理では、パンクチャ処理に対応するため、位置tによってエラーパターンを周期的に切り替えながら、PEPを求める。
具体的には、エラーパターン中の誤りビット(ビット”1”)がマッピングされるサブキャリアをインターリーブ構成を考慮して求め、そのサブキャリアのSNR(signal to noise power ratio)と変調方式から定まる信号点間距離からPEPを求める。
なお、ここで、「x(アンダーバー)」とは、文字「x」の下にアンダーバーが付されていることを示し、この文字が、ベクトルであることを示す。
[FERの予測処理の構成]
図6は、図1に示した適応レート制御部1110の構成を説明するためのブロック図である。
図6を参照して、適応レート制御部1110は、予め設定されたMCSの組の情報とパンクチャ処理の周期に関する情報とを格納するための記憶部3020と、受信装置2000側から送られてきた電力遅延プロファイルの推定値および雑音電力の推定値を受けて記憶部3020に一旦格納し、記憶部3020に格納された各MCSについて、通信に使用されるフレームサイズの情報に基づいて、FERを、各MCSについて予測するFER予測部3030と、予測されたFERの値に基づいて、システムにおいて予め設定され要求されているFERを下回るMCSの中で最大のスループットを達成するMCSを選択するMCS選択部3040とを含む。
なお、FER予測部3030の動作については、後ほど、より詳しく説明する。
図7は、実施の形態1の適応レート制御について説明するためのフローチャートである。
図7を参照して、まず、受信装置2000側において、電力遅延プロファイル/雑音電力推定部2100が、電力遅延プロファイルと雑音電力との推定を実行する(S100)。
電力遅延プロファイルの推定と雑音電力の推定には、特に限定されないが、たとえば、以下の文献に開示の手法を用いることができる。
公知文献1:T. Cui and C. Tellambura, ”Power delay profile and noise variance estimation for OFDM,” IEEE Communications Letters, vol. 10, no. 1, pp. 25-27, Jan 2006
推定値は、受信装置2000から送信されて(S102)、送信装置1000で受信され(S104)、送信装置1000のFER予測部3030では、フレーム内の各位置におけるエラーパスのPEPを計算し、フレーム内での総和を算出することで、各MCSについてFERの予測値を算出し(S108)、MCS選択部3040が、算出されたFERに基づいて、所定のMCSのうちで、規定のFERを達成する範囲で、最大のスループットとなるMCSを選択する(S110)。
選択されたMCSに応じて、選択された符号化率で誤り訂正符号化部1002が畳み込み符号化を実行して、変調部1010が選択された変調方式でのサブキャリア変調を実行する(S112)。
変調後のデータが送信装置1000から送信され(S114)、受信装置2000において受信される(S116)。
このような処理であれば、受信装置側で、電力遅延プロファイルと雑音電力との推定を行い、送信装置側にフィードバックした時点で、適応的に符号化率や変調方式を変更できる。したがって、FERを正確に予測することによって伝搬状況に合わないMCSでのフレーム送信回数を低減しスループットを向上できる。
[FER予測部3030が実行する動作]
以下では、FER予測部3030が実行する動作について、数式に従い説明する。
1.本実施の形態の手法の特徴
以下の説明で明らかとなるように、本実施の形態のFERの予測では、以下のような特徴がある。
i)伝搬路のインパルス応答長と最小自由距離から達成できるダイバーシチ次数を算出し、低いダイバーシチ次数しか達成できない伝搬環境でも予測を可能にする。
ii)最小自由距離より長いエラーパスも考慮して誤り率を算出する。
iii)フレームサイズに相当するトレリスの区間で、各位置についてPEPを計算して総和をとることによりFERを予測する。
iv)畳込み符号化後において、パンクチャ処理を施さない場合は、同一であったエラーパターンについて、トレリス図上の位置に応じて、エラーパターンが周期的に変化することを考慮して、ペアワイズ誤り率を算出する。
以下、さらに詳しく説明する。
2.システムモデル
2. 1 システムモデル 以下では説明の簡単のために、SISO(single-input single-output)-OFDMを想定する。そして、データサブキャリア数をKdata、FFT(fast Fourier transform)サイズをKfftとする。また、伝搬路は周波数選択性フェージング伝搬路を想定しOFDMシンボル内では変動しないものとする。伝搬路を有限インパルス応答フィルタとみなすと、各タップ係数は、以下の式で表される。
ここで、h= [h,…,hL]T(Lはインパルス応答長)は、各要素が互いに独立で平均0、分散1 の複素正規分布に従う確率変数となるベクトルであり、Pは電力遅延プロファイルを表す対角行列である。ただし、(…)Tはベクトルあるいは行列の転置を表し、Pの要素は、以下の式を満たす。
また、Lはガードインターバル長を超えないものとする。ガードインターバル除去後、FFTを施した第kサブキャリアの受信信号Ykは以下のように与えられる。
ここで、Xkは送信シンボル、Zkは平均0、分散σ である複素加法性白色雑音のFFT 結果である。Hkは第kサブキャリアにおける伝搬路の周波数応答であり、次式で与えられる。
ここで、gH Kfft (k)はFFT行列のk行目の第1要素から第L要素までを抜き出したベクトルであり、(…)Hはエルミート転置を表す。また、以下の関係が成り立つ。
(1)本実施の形態のFER予測部の動作と対比されるべき従来技術による処理
以下の公知文献に開示の技術に基づいて、まず、トレリス上のどの位置でもPEPが同一となるようなシステムを想定した場合のFERの算出法について説明する。
すなわち、符号語誤りビットが受ける伝搬路の影響が無相関とみなせる程度に大きく,かつ符号語誤りビットがトレリス上のどの位置においても変調シンボル内の各ビット位置に等確率にマッピングされるインターリーバを用いるシステムを想定した場合のFERの算出方法について説明する。
公知文献2:M. Pursley and D. Taipale, "Error Probabilities for Spread-Spectrum Packet Radio with Convolutional Codes and Viterbi Decoding," in IEEE Transactions on Communications, vol. 35, no. 1, pp. 1-12, Jan 1987.
公知文献3:C. Y. Lou and B. Daneshrad, "PER prediction for convolutionally coded MIMO OFDM systems − An analytical approach," MILCOM 2012 - 2012 IEEE Military Communications Conference, Orlando, FL, 2012, pp. 1-6.
まず、FERとは、フレーム内のどこかの位置でエラーイベントのいずれかが生じる確率であるから、畳み込み符号において、p番目のエラーパターンがトレリスの時刻tにおいて発生するというエラーイベントをet,p(アンダーバー)とすると、FERは、以下の式のように表される。
ここで、さらに、和事象の確率の上限について成り立つ、以下のようなユニオンバウンドの式を上記FERの式(3)に適用することを考える。
その場合、FERは、以下のように表される。
さらに、公知文献2に従って、トレリス上のどの位置でもPEPを同一とみなせる場合は、FERは以下の式のとおりとなる。
ここで、Lframeは、フレーム内のビット数である。また、ΣPEP(ep(アンダーバー))は、トレリス上の特定されないある位置でエラーイベントが生じる確率を示す。

2.2フレームサイズに相当するトレリスの区間でPEPを計算しFERを予測する方法
上述したような本実施の形態のFER予測部の動作と対比されるべき従来技術による処理には、以下のような問題点がある。
すなわち、トレリス上の位置によってPEPが異なる場合、上記の式(3−2)のようにFERを計算することは妥当ではなく、その結果、予測精度が劣化してしまう。
図8は、トレリス上の位置によってPEPが異なる場合の問題点を説明するための概念図である。
まず、図8に示されるように、畳み込み符号化された送信信号をパンクチャ・インターリーブ処理したのちに、サブキャリアごとに、多値変調のマッピングを実行する処理を考える。
図8においては、たとえば、多値変調としては、16QAMを想定し、説明の簡単のために、実軸方向についてのマッピングのみを抜き出して示している。
まず、サブキャリアごとに送信信号を分割してマッピングする場合、マッピングされるサブキャリアによってSNRが異なるために、受信側では、畳み込み符号の復号時のトレリスの位置によって、PEPが異なる、ということが生じうる。
また、多値変調の場合,誤りにくいビット,誤りやすいビットが存在することになり、マッピングされるビット位置によってPEPが異なるということも生じうる。
たとえば、2ビットの信号“00”,“01”,“11”,“10”を考えた場合、1ビット目の値に応じて、マッピングされる象限が“0”の場合は左象限(図中、実線)となり“1”の場合は右象限(図中、点線)に分かれる。この結果、受信側のデマッピング処理では、1ビット目の誤りは生じにくい。
これに対して、2ビット目については、“1”の場合は、原点を挟んで隣接して対向する2信号点であるのに対して、“0”の場合は、原点を挟んで上記“1”の場合の2信号点を挟んで対向する2信号点となる。このため、マッピングされる空間(コンスタレーション)において、ビットが反転することによる信号点間の距離は、1ビット目よりも2ビット目の方が小さいため、2ビット目の方は、1ビット目に比べて、誤りが発生しやすくなる。
すなわち、例えば無線LANのような通信システムではサブキャリア毎のSNRが異なり、かつ多値変調を用いる(マッピングされるシンボル内のビット位置で誤り率が異なる)ため、トレリス上の位置よってPEPは異なる。
このようにPEPがトレリス上の位置によって異なる場合は、以下の式のように、FERを求めるため,フレームサイズに相当するトレリスの区間でトレリス上の位置を考慮してPEPの計算を行い,得られたPEPの総和をとることによってFERを予測する。
しかも、このときに、上述したようにエラーパターンがトレリス図上での位置に応じて、周期的に変化することを考慮する必要がある。
そこで、具体的には、以下のような計算によりFERを算出する。
ここで、式(4)において、Lframeは、フレームサイズに相当する区間を意味する。
また、ptは、エラーパターンがフレーム内の位置(時点)に応じて、周期的に変化することを表す。したがって、p番目のエラーパターンは、図3〜図5で説明した場合は、2種類があり、位置tに応じて、周期的に切り替わるものとし、ptに関する和は、このような切り替えを行いながら和をとることを意味する。なお、このようなエラーパターンの種類及び周期は、畳込み符号化の構成およびパンクチャ処理の周期に依存して、予め規定されているものとする。以下では、特に必要のない限り、ptを、単に、pと表記する。
したがって、式(4)は、各フレームの位置ごとに計算したPEPを、フレーム内で総和をとることによって、FERを算出することを意味する。ただし、式(4)中のPEP(et,p(アンダーバー))の計算には、例えば、非特許文献3あるいは4のようなトレリス上でエラーパターンが生じる位置まで考慮したPEPの計算方法を用いる。また、トレリス上の位置を考慮できないようなPEPの計算方法(例えば、以下の公知文献4)を適用する場合はエラーパターン毎にすべてのtに対して同一のPEPを式(4)に代入することにより、FERを計算できる。そのため、式(4)はPEPの計算方法により限定されるものではない。
公知文献4:G. Caire, G. Taricco, and E. Biglieri, ”Bit-interleaved coded modulation,”IEEE Trans. Inf. Theory, vol. 44, no. 3, pp. 927-946, May 1998.
図9は、式(4)の概念を示す概念図である。
図9においては、トレリスの1フレーム分において、異なる位置で起こりうる異なるエラーイベントを、異なる太さで示している。
実際には、たとえば、t=1の位置から始まるエラーイベントは複数ある。
したがって、どの範囲までのエラーイベントを考慮するかは予め設定する。特に限定されないが、例えば,ハミング距離がある値以下のエラーイベントのみ考慮することで考慮するイベントを選択する。
以下では、このように、真のパスと、エラーパスのハミング距離が、距離dH以下であるようなエラーイベントのみを考慮することにする。
これらのエラーイベントについて、PEPをフレーム内の各位置について計算し、総和をとることにより、エラーイベントが生じる確率を求める。
以下では、トレリスの位置に応じて、PEPが異なる場合のPEPの計算について説明する。
まず、たとえば、図3において説明した場合は、エラーパターンは[1, 1, 0, 1, 1, 1] であり、畳み込み符号のdH=5におけるエラーパスを示していた。
以下では、p番目のエラーパターンがトレリス上の位置tから始まる、真のパスとのハミング距離dH離れたエラーパスのPEPをPEP(et,p(アンダーバー))と表すことにする。
例えば、図3の場合、エラーパターン[1,1,0,1 ,1,1]を出力する符号器への入力ビット列は、ビット1をひとつだけ持ち、他のビットはすべて0であるビット列である。
構成ビットが全て0の符号語を生じるトレリスパス(以下、真のパス)とハミング距離dH離れた符号語を生じるパス(以下、エラーパス)の条件付きPEPは、非特許文献4によれば、以下の式で表される。
エラーパスe t,p(アンダーバー)をインターリーブし、エラーパターンのw番目の誤りビットがマッピングされたサブキャリア番号をkw、当該サブキャリアで送信するシンボル内ビット位置をiwとする。また、Δw(iw)で表される距離は誤りビットが割り当てられたシンボルについて、誤りがない場合の信号点と、誤りビットを含んだ場合の信号点間の2乗ユークリッド距離とする。また、Hkは第kサブキャリアの周波数応答を表し、Hkwはw番目の誤りビットがマッピングされたサブキャリアの周波数応答である。さらに、H(アンダーバー)、Δ(アンダーバー)はそれぞれHkw、Δw(iw)を要素に持つベクトルである。
この場合、PEPはH(アンダーバー)、Δ(アンダーバー)について期待値を求めることにより、次式で与えられる。
ここで、E{…}aはaに関する期待値演算を表す。式(5)では伝送フレームごとに伝搬路が変化することを想定し、複数フレームを伝送した場合の復号後FERを導出するため、サブキャリアの周波数応答Hkwに関して期待値を求めている。また、Δw(iw)は真のパスとエラーパス、インターリーバ構造から決定できるが、実際には真のパスは符号器の入力ビットに依存するためΔw(iw)は確率変数となる。そのため、式(5)ではΔw(iw)に関しても期待値を求めている。さらに、式(5)の条件付きPEPは次式で与えられる。
式(5)によると、PEPを導出するためには式(6)について、Hkw,Δw(iw)に関する期待値を求めればよい。その準備としてまず、式(6)の分子を以下のように変形する。
次にPA´Pを固有値分解すると、以下のようになる。
ここで、λlはl番目に大きなユークリッドノルムを持つPA´Pの非零の固有値、vlはvのl番目の要素でその振幅は、以下の確率密度関数のレイリー分布に従う。
rは、ダイバーシチ次数である。ただし、rank(…)は行列のランク、min(…)は最小値を表す。
ここで、PEPについては以下のようにいうことができる。
送信されたビット列はトレリス線図上の1つのパスで表すことができ、送信したビット列以外のパスが受信側で選ばれるとき復号後ビット誤りが生じる。受信側では各パスのメトリックを計算し、最大のメトリックを持つパスを選ぶことになる。「PEP」とはあるエラーパスのメトリックが真のパスのメトリックを超える確率であり、低FER領域ではエラーパスに対応するビット系列が復号結果として得られる確率に漸近する。
式(12)を式(6)に代入して次式を得る。
非特許文献3,4と同様、vlに関して期待値を求めることにより次式を得る。
さらに、Δw(iw)に関して期待値を求める。
Δw(iw)はシンボル内のビット位置iwによって異なる確率密度を持つ有限な離散確率変数であり、λlはPA´Pの固有値であるため、あるエラーパスet,p(アンダーバー)が与えられている場合、Δw(iw)から一意に決定できる。
Δw(iw)は有限な離散確率変数であるから、λlも有限な離散確率変数となる。したがって、以下のようになる。
ここで,離散確率変数Δw(iw)の取りうる値がmiw通りとすると、以下の関係がなりたつ。
エラーレートが低い領域では、SNRが十分に高い(シンボル間距離に対する雑音の大きさが小さい)ためシンボル誤りは隣接する信号点に誤る場合が支配的になることが予想される。
信号点間の最小ユークリッド距離をdminとすると、w=1,…,dHに対してΔw(iw)=dmin 2となる項がJ個の項の中で支配的になると期待される。また、この支配的になる項のPjをPminと表記する。すなわち、Pminはw=1,…,dHに対してΔw(iw)=dmin 2となる確率を表し、変調方式とエラーパス、インターリーバ構造から決定される。
また、λl,minは、以下の式で算出される行列PAmin´Pの固有値である。
本実施の形態では、送信機側と受信機側とで、パンクチャ処理の構成とインターリーバ構造は、予め既知である。したがって、式(15)の計算を実行する場合は、送信機側で、電力遅延プロファイルの情報(行列PA´Pの計算に必要)、雑音電力(σの算出に必要)と符号器構成の構成(すなわち、MCSの情報)があれば、実行できることになる。
式(15)の総乗部分はダイバーシチ次数rが大きくなるにつれて減少し、ダイバーシチ次数の大きなエラーパスのPEPはダイバーシチ次数の小さなエラーパスのPEPより低くなる。しかし、無線LANを想定した場合、遅延分散が小さいためdH≧Lとなる可能性がある。このとき、すべてのエラーパスのダイバーシチ次数が等しくLとなり、FERが低い領域においても最小自由距離より離れたパスのPEPが無視できなくなる可能性がある。そのため、真のパスからハミング距離df+φ離れたエラーパスのPEP まで考慮する。ここで、φの値は、実験的に、予め適切な値を設定しておくものとする。
以上のような手続により、PEPが予測できれば、FER予測部3030によるFERの予測値は、以下の式により実行することができる。
ただし、pに関する総和はエラーパスのハミング距離がdf+φ以下となるものについて行う。
本実施の形態の構成によれば、畳み込み符号を用いる通信システムにおいて、トレリスの位置によって誤り率が異なるような状況においても、精度よくFERを予測することを可能とするFER予測装置が実現できる。またこのような、FER予測装置を用いることで、パンクチャを行い、かつトレリス上の各位置のPEPが等しいとみなせない場合においても、適切なMCSを適応的に選択して通信を行うことが可能な無線通信装置および無線通信システムが実現できる。
[実施の形態1の変形例]
以上の説明では、フレームエラーレート(FER)の予測においては、フレームに相当するトレリス上の各位置で、PEPを算出することとした。
ただし、たとえば、無線LANなどの通信システムにおいては、同一フレーム内で同じインターリーブが繰り返し実行される。
このような通信システムにおいて、フレーム内では伝搬路変動が一定であるとみなせる場合、デインターリーブ後の符号化系列が受ける伝搬路変動は、ブロック長を周期として周期的となる。
図10は、このようにフレーム内で、各ブロックに同一のインターリーブ処理が繰り返して実施されている場合のPEPのパターンを説明するための概念図である。
図10に示すように、フレーム内で、各ブロックに同一のインターリーブ処理が繰り返して実施されている場合は、各符号語誤りビットが受ける伝搬路の影響は周期的となる。この結果、インターリーブ周期でブロック誤り率が等しくなる。
このことを利用して、PEPを計算する区間を1ブロックに相当するトレリスの区間に限定して、演算コストを低減し、FERを予測することが可能となる。
図11は、このようにブロック単位での演算でFERを予測する手続きを説明するための概念図である。
デインターリーブ後の符号化系列が受ける伝搬路の影響が、インターリーブブロック長を周期として周期的となるようにブロックを設定する場合、ブロック周期で等しいPEPが繰り返されることになる。
ブロック周期をLblockとし、フレーム内のブロック数をNitlとして、ブロック内のPEPをPitlとすると、FERは、以下の式のように表される。
すなわち、FERの予測の計算にあたっては、1ブロックのペアワイズ誤り率Pitlを求めれば十分であり、フレームサイズ分の区間でPEPを計算するより少ない演算コストで予測が可能となる。
たとえば、無線LANの場合、フレーム内での伝搬路変動が小さく、かつOFDMシンボル単位でインターリーブを行うため、OFDMシンボルに相当する周期でPEPが等しいとみなせる。したがって、各OFDMシンボルで誤りが生じる確率は同一とみなせることになり、上記の式を用いて、FERの予測を実行することが可能となる。
たとえば、OFDMシンボル内で1つ以上のエラーイベントが起きる確率Psymを算出すれば、以下の式に従って、OFDM通信されるシステムのFERは、以下の式で表される。
frameは、1フレーム長であり、Lsymは、OFDM1シンボル内の符号化ビット数(=インターリーブサイズ)であり、Rは符号化率を表す。()の右肩の指数は、1フレーム分の情報ビットを送信するためのOFDMシンボル数を表す。
ただし、より一般には、インターリーブブロックのサイズは、OFDMシンボル単位とすることに限定されるものではなく、1フレーム内で複数のインターリーブブロックにわたって、同一のインターリーブ処理が繰り返されるのであれば、そのようなブロックについてPEPを算出すればよい。
図12は、IEEE 802。11nを想定したシミュレーションにより得られたFERと以上説明した実施の形態の手法による予測FERとを比較した図である。
図12において、ペイロード長は12000ビットとした。伝搬路は、10パス指数減衰モデル(到来間隔50ns,減衰量4.3dB)のフレーム内で静的なブロックフェージングとした。
アンテナ数は、送信側および受信側ともに1とし、帯域幅は20MHz、符号化率は3/4とした。また、電力遅延プロファイル、雑音電力は既知であるとした。
図12の比較結果より、一般的なFERの要求値である0.1から0.01の範囲において約3dB以内の誤差で予測が可能であることがわかる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、PEPを、電力遅延プロファイルにより計算した。しかしながら、伝搬路の条件によっては、PEPを、サブキャリアの周波数応答(インパルス応答と等価)から以下のように計算することが可能である。実施の形態2では、PEPを、サブキャリアの周波数応答により算出する場合について説明する。
非特許文献4では伝搬路の周波数応答がOFDMシンボル内では変動しないことを想定している。言い換えればフレームごとあるいはそれより短い間隔で変動することを許容している。しかし、無線LAN環境では無線装置の移動がある程度少ないことが想定されるため、複数のフレームで伝搬路を同一とみなせる(観測時間内で伝搬路の変動を無視できる)ような場合が生じうる。このような場合、サブキャリアの周波数応答Hkw(あるいは伝搬路のインパルス応答)は定数とみなせる。そのため、条件付きPEPは、式(6)においてサブキャリアの周波数応答(あるいはインパルス応答)が時間的に変化しないと仮定して定数として扱うことによって計算できる。この場合、式(6)に対して以下のようにΔw(iw)についてのみ期待値を求めればよい。
ただし、サブキャリアの周波数応答と伝搬路のインパルス応答は式(2)のように等価的に変換可能なので、式(17)はインパルス応答からも計算できる。
実施の形態1と同様に、w=1,…,dfに対してΔw(iw)=dmin 2となる項がJ個の項の中で支配的になると期待される。この支配的になる項のPjをPminと表記する。よって、式(17)を以下のように近似する。
このように条件付きPEPを計算してもよい。このような処理を行えば、電力遅延プロファイルの代わりにサブキャリアの周波数応答(あるいはインパルス応答)の推定を行うことによりFERの予測が可能になる。
その他の処理については、実施の形態1で説明したものと同様であるので、説明は繰り返さない。
したがって、本明細書においては、以下のように、用語を用いることとする。
「伝搬路特性情報」とは、伝搬路の電力の減衰を表す情報のことをいい、典型的には、上述した電力遅延プロファイルを意味する。さらに、上述のように、観測時間内で伝搬路の変動を無視できるという条件を満たす場合は、通信経路において推定された伝搬路の瞬時的な情報、すなわち、畳み込み符号化OFDM方式における各サブキャリアの周波数応答(等価的にインパルス応答)をも含むものとする。
以上説明したように、本実施の形態の構成によっても、通信路における誤りが、ランダム誤りとみなせない場合においても、精度よく復号後BERを予測して、フレームエラーレートを予測することを可能とするフレームエラーレート予測装置が実現できる。またこのような、フレームエラーレート予測装置を用いることで、通信路における誤りが、ランダム誤りとみなせない場合においても、適切なMCSを適応的に選択して通信を行うことが可能な無線通信装置および無線通信システムが実現できる。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
1000 送信装置、1002 誤り訂正符号化部、1003 パンクチャ部、1004 インターリーブ部、1010 変調部、1012 OFDM変調部、1014 RF部、1020 アンテナ、1100 受信処理部、1110,1110´ 適応レート制御部、2000 受信装置、2002 アンテナ、2010 RF部、2012 OFDM復調部、2014 復調部、2016 デインターリーブ部、2017 デパンクチャ部、2018 誤り訂正部、2100 電力遅延プロファイル/雑音電力推定部、2110 送信処理部、3010 BER予測部、3020,3050 MCS記憶部、3030 FER予測部、3040 MCS選択部。

Claims (11)

  1. トレリス図により復号可能な畳み込み符号化方式で符号化された信号にパンクチャ処理を施し、同一のインターリーブ処理がフレーム内の送信ビットに繰り返し実行され、インターリーブ後にサブキャリア変調を行って直交周波数分割多重方式で通信する通信システムのフレームエラーレート予測装置であって、
    前記畳み込み符号化方式で採用されるものとして予め設定された畳み込み符号化の符号化率と前記サブキャリア変調における変調方式との組、並びにパンクチャ処理の周期の情報を格納するための記憶手段と、
    通信経路において推定された、伝搬路の電力の減衰を表す伝搬路特性情報および雑音電力に基づいて、前記記憶手段に格納された前記符号化率および前記変調方式の組のそれぞれについて、前記畳み込み符号化に対する復号処理におけるエラーパスのペアワイズ誤り率を、前記パンクチャ処理の周期に応じて同一のエラーパターンに対応するパンクチャ後のパターンを切り替えることで、前記フレームのサイズに相当するトレリス図の区間の各位置で算出し、各前記位置で計算されたペアワイズ誤り率の総和として、フレーム誤り率を予測するフレーム誤り率予測手段とを備える、フレームエラーレート予測装置。
  2. 前記フレーム誤り率予測手段は、前記フレーム内において、前記送信ビットは、デインターリーブ処理後の符号化系列に対する伝搬路変動が周期的とみなせるように設定されたブロック長ごとに複数のブロックに分割されている場合に、前記ブロックの1つに相当するトレリス図の区間で前記ペアワイズ誤り率の総和としてブロック誤り率を計算し、各前記ブロックのブロック誤り率が互いに等しいものとして、前記ブロック誤り率と前記フレーム内に含まれるブロック数から前記フレーム誤り率を予測する、請求項1記載のフレームエラーレート予測装置。
  3. 前記通信システムは、直交周波数分割多重方式による通信を行い、前記ブロックは、直交周波数分割多重方式における1シンボルである、請求項2記載のフレームエラーレート予測装置。
  4. 前記伝搬路特性情報は、前記通信経路において推定された電力遅延プロファイルである、請求項1記載のフレームエラーレート予測装置。
  5. 前記伝搬路特性情報は、前記伝搬路のインパルス応答である、請求項1記載のフレームエラーレート予測装置。
  6. トレリス図により復号可能な畳み込み符号化方式で符号化された信号にパンクチャ処理を施し、同一のインターリーブ処理がフレーム内の送信ビットに繰り返し実行され、インターリーブ後にサブキャリア変調を行って直交周波数分割多重方式で通信する無線通信装置であって、
    受信装置から送信された、伝搬路の電力の減衰を表す伝搬路特性情報および雑音電力の推定値をフィードバック情報として受信する受信手段と、
    前記畳み込み符号化方式で採用されるものとして予め設定された畳み込み符号化の符号化率と前記サブキャリア変調における変調方式との組、並びにパンクチャ処理の周期の情報を格納するための記憶手段と、
    前記フィードバック情報に基づいて、前記記憶手段に格納された前記符号化率および前記変調方式の組のうち、スループットを最大とする組を選択する選択手段とを備え、
    前記選択手段は、
    前記伝搬路特性情報および前記雑音電力に基づいて、前記記憶手段に格納された前記符号化率および前記変調方式の組のそれぞれについて、前記畳み込み符号化に対する復号処理におけるエラーパスのペアワイズ誤り率を、前記パンクチャ処理の周期に応じて同一のエラーパターンに対応するパンクチャ後のパターンを切り替えることで、前記フレームのサイズに相当するトレリス図の区間の各位置で算出し、各前記位置で計算されたペアワイズ誤り率の総和として、フレーム誤り率を予測するフレーム誤り率予測手段と、
    予測されたフレーム誤り率に基づいて、所定のフレームエラーレート内において、最大のスループットとなる前記組を選択する変調方式選択手段とを含み、
    前記変調方式選択手段により選択された前記組に応じて、送信データに対して、畳み込み符号化および変調処理を実行して送信するための送信手段をさらに備える、無線通信装置。
  7. 前記フレーム誤り率予測手段は、前記フレーム内において、前記送信ビットは、デインターリーブ処理後の符号化系列に対する伝搬路変動が周期的とみなせるように設定されたブロック長ごとに複数のブロックに分割されている場合に、前記ブロックの1つに相当するトレリス図の区間で前記ペアワイズ誤り率の総和としてブロック誤り率を計算し、各前記ブロックのブロック誤り率が互いに等しいものとして、前記ブロック誤り率と前記フレーム内に含まれるブロック数から前記フレーム誤り率を予測する、請求項6記載の無線通信装置。
  8. 前記無線通信装置は、直交周波数分割多重方式による通信を行い、前記ブロックは、直交周波数分割多重方式における1シンボルである、請求項7記載の無線通信装置。
  9. 前記伝搬路特性情報は、前記伝搬路において推定された電力遅延プロファイルである、請求項6記載の無線通信装置。
  10. 前記伝搬路特性情報は、前記伝搬路のインパルス応答である、請求項6記載の無線通信装置。
  11. トレリス図により復号可能な畳み込み符号化方式で符号化された信号にパンクチャ処理を施し、同一のインターリーブ処理がフレーム内の送信ビットに繰り返し実行され、インターリーブ後にサブキャリア変調を行って直交周波数分割多重方式で通信する無線通信システムであって、
    受信装置を備え、
    前記受信装置は、
    通信経路において、伝搬路の電力の減衰を表す伝搬路特性情報および雑音電力を推定する通信経路状態推定手段と、
    前記推定された伝搬路特性情報および雑音電力を送信するための第1の送信手段とを含み、
    送信装置をさらに備え、
    前記送信装置は、
    前記受信装置から送信された、前記伝搬路特性情報および前記雑音電力の推定値をフィードバック情報として受信する受信手段と、
    前記畳み込み符号化直交周波数分割多重方式で採用されるものとして予め設定された畳み込み符号化の符号化率と前記サブキャリア変調における変調方式との組、並びにパンクチャ処理の周期の情報を格納するための記憶手段と、
    前記フィードバック情報に基づいて、前記記憶手段に格納された前記符号化率および前記変調方式の組のうち、スループットを最大とする組を選択する選択手段とを含み、
    前記選択手段は、
    前記伝搬路特性情報および前記雑音電力に基づいて、前記記憶手段に格納された前記符号化率および前記変調方式の組のそれぞれについて、前記畳み込み符号化に対する復号処理におけるエラーパスのペアワイズ誤り率を、前記パンクチャ処理の周期に応じて同一のエラーパターンに対応するパンクチャ後のパターンを切り替えることで、前記フレームのサイズに相当するトレリス図の区間の各位置で算出し、各前記位置で計算されたペアワイズ誤り率の総和として、フレーム誤り率を予測するフレーム誤り率予測手段と、
    予測されたフレーム誤り率に基づいて、所定のフレームエラーレート内において、最大のスループットとなる前記組を選択する変調方式選択手段とを有し、
    前記変調方式選択手段により選択された前記組に応じて、送信データに対して、畳み込み符号化および変調処理を実行して送信するための第2の送信手段をさらに含む、無線通信システム。
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