以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による野生動物捕獲用装置100の構成について説明する。
(野生動物捕獲用装置の全体構成)
本発明の第1実施形態による野生動物捕獲用装置100は、群れ行動をとる集団性の野生動物を捕獲するための装置である。群れ行動をとる集団性の野生動物とは、たとえば、シカ、イノシシ、アライグマ、ヌートリア、サルなどを示す概念である。第1実施形態では、集団性の野生動物のうちの一例としてのシカを捕獲するための野生動物捕獲用装置100について説明する。
野生動物捕獲用装置100は、囲いワナ1と、制御装置2とを備えている。囲いワナ1は、解除部3と、検出部4と、光電センサ5とを備えている。制御装置2は、接続されたバッテリ6から電力が供給されるように構成されている。
囲いワナ1は、アルミなどの金属パイプ11を組み立てることによって形成されている。具体的には、囲いワナ1は、複数の金属パイプ11により骨格が形成されており、金属パイプ11間に網目状の金属パネル12が配置されることによって四方を取り囲む形状に構成されている。金属パイプ11と網目状の金属パネル12とを用いることによって、囲いワナ1の構成を簡素化でき、容易に、囲いワナ1の設置および解体を行うことが可能となる。野生動物の捕獲においては、ワナを設置した場所に捕獲対象の野生動物が寄り付かない場合があり、このような場合には、ワナの設置場所を変更する必要が生じてワナの設置および解体作業が必要となる。また、囲いワナ1の内側(捕獲領域内)には、野生動物を囲いワナ1の内側におびき寄せるためのエサ(図示せず)が置かれる。
また、囲いワナ1は、ゲート部13と、扉部14とを備えている。
ゲート部13は、野生動物を囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入させるための出入り口である。ゲート部13は、たとえば、1つ設けられている。
扉部14は、ゲート部13を閉塞するために設けられている。扉部14は、ゲート部13の枠に沿って上下にスライド可能に構成されている。扉部14は、上方に持ち上げられている状態でゲート部13を開放し、下方に落とされた状態でゲート部13を閉塞するように構成されている。具体的には、扉部14は、野生動物を囲いワナ1に侵入させる際には、図示しないワイヤーの引張力により上方に持ち上げられている。扉部14は、解除部3により引張力が解除されるように構成されている。解除部3が作動することによって自重により下方に落下した扉部14により、ゲート部13が閉鎖される。
制御装置2は、各部に電力を供給する電源部21と、通信部22と、記憶部23と、各部の動作を制御する制御部24と備えている。
電源部21は、バッテリ6の電力を各部に供給するように構成されている。電源部21は、たとえば、検出部4および制御装置2などにバッテリ6の電力を供給するように構成されている。また、制御装置2は、電源部21を介して解除部3、検出部4および光電センサ5への電力供給を制御可能に構成されている。すなわち、制御装置2は、電源部21を介して解除部3、検出部4および光電センサ5に対してバッテリ6から電力が供給される状態および電力が供給されない状態を切り替えることが可能に構成されている。これにより、設定時間以外の時間には、各部への電力供給を停止することができるので、節電することが可能である。
通信部22は、制御装置2を解除部3、検出部4および光電センサ5の各々と通信可能に接続するように構成されている。具体的には、通信部22を介して、制御装置2は、解除部3を作動させる信号を解除部3に送信可能に構成されている。通信部22を介して、制御装置2は、検出部4から計測結果を取得可能に構成されている。通信部22を介して、制御装置2は、光電センサ5から検知結果を取得可能に構成されている。
記憶部23は、書き換え可能な不揮発性のフラッシュメモリからなる。また、記憶部23には、検出部4による計測結果が蓄積されたカウントリスト231が格納されている。
制御部24は、プログラムに基づいて動作するCPUを含み、野生動物捕獲用装置100の全体の動作に関する制御を行うように構成されている。なお、制御部24の詳細は、後で詳細に説明する。
検出部4は、囲いワナ1の上端位置に配置される支持部材4aに取り付けられている。これにより、検出部4は、囲いワナ1の上端位置に設置される。第1実施形態では、検出部4は、1つ設けられている。検出部4は、たとえば、測距センサである。検出部4は、検出部4から対象物までの距離を非接触で測定可能である。図2に示すように、検出部4は、検出部4を中心とした円形の領域R内の対象物を検出可能に構成されている。検出部4は、平面視において、検出部4と、領域R内にある対象物との距離を計測可能である。平面視において、検出部4は、概略的には、捕獲用装置本体100aの略中央に配置されており、詳細には、捕獲用装置本体100aの略中央から若干、ゲート部13と反対側にずれた位置に配置されている。
図3を参照し、検出部4により計測される距離について説明する。検出部4の下方に野生動物がいない場合には、検出部4の検出動作により、検出部4と地面との距離L1が検出される。検出部4の下方に野生動物などの対象物がある場合には、検出部4の検出動作により、検出部4と対象物との距離L2が検出される。距離L1と距離L2との差分が、地面から対象物の計測位置(図3の例では上端部)までの距離(検出部4の下方にある対象物の高さ)L3になる。
検出部4は、捕獲用装置本体100a内の捕獲領域における野生動物の検出動作を所定の時間間隔で行うように構成されている。検出部4が動作するタイミングは、制御部24によって制御されている。また、所定の時間間隔とは、第1の時間間隔と、第1の時間間隔よりも短い時間間隔の第2の時間間隔とを含む概念である。具体的には、第1の時間間隔は、たとえば、1分おきの時間間隔である。また、第2の時間間隔は、たとえば、1秒おきの時間間隔である。検出部4は、野生動物を検出していない場合には、制御部24の制御により第1の時間間隔(1分間隔)で検出動作を行うように構成されている。なお、野生動物を検出していない場合とは、地面から対象物の計測位置までの距離L3が後述する予め設定された設定値L以下の場合である。検出部4は、野生動物を検出した場合には、制御部24の制御により第2の時間間隔(1秒間隔)で検出部4に検出動作を行うように構成されている。検出部4は、検出動作を行っていない状態では(検出動作と次の検出動作との間の期間には)電力が供給されないように構成されている。
光電センサ5(図1参照)は、扉部14の下方に野生動物や人がいるか否かを非接触で検知するために設けられている。光電センサ5が野生動物や人などの対象物を検出した際には、制御部24は、扉部14を落下させない制御を行うことにより、扉部14により野生動物や人などが挟まれてしまう事故が発生するのを抑制することが可能となる。扉部14に野生動物や人などが挟まれてしまった場合には、扉部14と地面との間の隙間から捕獲領域内の野生動物が逃避してしまう虞もある。
(制御部の詳細な構成)
制御部24(図1参照)は、検出部4の検出動作による野生動物の検出頻度の関数(所定の演算により取得された検出頻度)に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を実行するように構成されている。詳細には、制御部24は、検出部4により行われた検出動作の回数のうち検出部4が野生動物を検出した検出回数に基づいて検出頻度を取得するように構成されている。そして、制御部24は、検出頻度が所定の閾値より大きい場合には野生動物の捕獲処理を実行する制御を行うように構成されている。
制御部24は、検出部4と野生動物との間の距離L2に基づいて、野生動物の検出を行うとともに、検出頻度を取得する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部24は、検出部4と地面との距離L1と、検出部4と野生動物との間の距離L2との差分(L3)が、予め設定された設定値Lより大きいか否かを判断する。言い換えると、制御部24は、地面から対象物の計測位置までの距離(検出部4の下方にある対象物の高さ)L3が、予め設定された設定値Lより大きいか否かを判断する。制御部24は、地面から対象物までの距離L3が、予め設定された設定値Lより大きい場合には、検出部4の下方に野生動物がいると判断する制御を行うように構成されている。予め設定された設定値Lは適宜変更可能であり、設定値Lには、捕獲対象の動物に適した数値が設定される。たとえば、シカの場合、設定値Lとして40cmが設定される。制御部24は、図4に示す捕獲処理が行われている時以外は、解除部3、光電センサ5への電力供給を停止する処理を行うように構成されている。
(捕獲処理)
次に、図4を参照して、第1実施形態による捕獲処理について説明する。捕獲処理は、制御部24により行われる。
まず、ステップS1において、制御部24は、検出部4を用いて検出部4と地面との距離L1を取得する処理を行う。
次に、ステップS2において、制御部24は、野生動物が検知された否かを判断する。具体的には、制御部24は、地面から対象物の計測位置までの距離L3が予め設定された設定値Lよりも大きいと判断したことに基づいて、野生動物が検知されたと判断する。制御部24は、野生動物が検知されるまでこの判断を繰り返し、野生動物が検知されると、ステップS3に処理を進める。また、ステップS2において、制御部24は、上記処理に加え、検出部4による検出動作の時間間隔を、第1の時間間隔から第2の時間間隔に切り替える処理を行う。
ステップS3において、制御部24は、野生動物の検出頻度のカウントを開始する処理を行う。
次に、ステップS4において、制御部24は、検出部4と地面との距離L1と、検出部4と対象物との距離L2との差分(L3)が、予め設定された設定値Lよりも大きいか否かを判断する。具体的には、制御部24は、検出部4と地面との距離L1と、検出部4と対象物との距離L2との差分(L3)が、予め設定された設定値L以下と判断した場合には、ステップS6に処理を進める。一方、制御部24は、検出部4と地面との距離L1と、検出部4と対象物との距離L2との差分(L3)が、予め設定された設定値Lよりも大きい場合には、ステップS5に処理を進める。
ステップS5に進んだ場合には、制御部24は、野生動物の検出回数(m)を+1する処理を行なう。その後、制御部24は、ステップS6に処理を進める。
ステップS6に進んだ場合には、制御部24は、所定回数Mの検出動作が終了したか否かを判断する。制御部24は、所定回数Mの検出動作が終了した場合には、ステップS7に処理を進める。制御部24は、所定回数Mの検出動作が終了していない場合には、ステップS3に処理を戻す。なお、所定回数Mは、予め設定された回数であり、たとえば、10回である。また所定回数Mは、適宜変更して設定することが可能である。
ステップS7において、制御部24は、野生動物の検出頻度(Σm/ΣM)を算出する。具体的には、制御部24は、野生動物の検出回数(m)を、予め設定された所定回数Mで除算して、野生動物の検出頻度を算出する。
次に、ステップS8において、制御部24は、野生動物の検出頻度が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する処理を行う。制御部24は、野生動物の検出頻度が所定の閾値よりも大きい場合には、ステップS9に処理を進める。制御部24は、野生動物の検出頻度が所定の閾値以下の場合には、ステップS10に処理を進める。なお、所定の閾値は、予め設定された値であり、たとえば、5/10である。また所定の閾値は、適宜変更して設定することが可能である。この閾値を適宜設定することにより、捕獲する野生動物の数を調整することが可能である。
ステップS9に進んだ場合には、制御部24は、ゲート部13を閉鎖する処理を行う。
具体的には、制御部24は、扉部14を落下させてゲート部13を閉鎖して野生動物を捕獲する。その後、制御部24は捕獲処理を終了する。
ステップS10に進んだ場合には、制御部24は、ゲート部13を閉鎖しない処理を行う。その後、制御部24は、ステップS2に処理を戻す。
上記のステップS1〜S10により、第1実施形態の捕獲処理が行われる。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、捕獲用装置本体100a内の捕獲領域における野生動物の検出動作を所定の時間間隔で行うように構成された検出部4と、検出部4の検出動作による野生動物の検出頻度に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を実行するための制御部24とを設ける。これにより、捕獲用装置本体100aの動物進入用ゲートに設けられたカウントセンサを常時動作させる場合と異なり、捕獲用装置本体100a内の捕獲領域における野生動物を、所定の時間間隔のタイミングで検出することができる。これにより、検出タイミング以外では、検出動作を行わずに済むので、検出部4の電力消費量を低減することができる。特に、野生動物捕獲用装置100を山の中などに設置する際に検出部4をバッテリ(電池)駆動にした場合にも、電力消費量を効果的に低減することができる。
また、捕獲用装置本体の動物進入用ゲートに設けられたカウントセンサにより捕獲用装置本体内に出入りする野生動物が正確に計数されなかったことにより捕獲用装置本体内にいる野生動物の数が正確に取得されない可能性がある(誤って計数した野生動物の数を事後的に修正することができない)捕獲用装置と異なり、捕獲用装置本体100a内の捕獲領域における野生動物を所定の時間間隔で(その場その場で)検出して、野生動物の検出頻度を取得することができる。これにより、検出部4が誤動作を起こしても、誤動作による測定誤差が蓄積しない。
また、複数回の測定結果を統計的に演算することによって、適切に、野生動物の検出頻度を取得することができる。その結果、統計的に演算して取得された、野生動物の検出頻度に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を適切に実行することができる。
また、特定の出入り口(動物進入用ゲート)を通過する野生動物を計数しなくても捕獲領域における野生動物の捕獲処理を適切に実行することができる。これにより、ドロップネットなどの出入り口が限定されないような野生動物捕獲用装置にも本発明を適用することができる。
また、特定の出入り口(動物進入用ゲート)を通過する野生動物を継続的に計数(確認)する野生動物捕獲用装置において野生動物を継続的に計数する時間に比べて、所定の情報(検出部4の検出動作による野生動物の検出頻度)を短時間で取得することができる。その結果、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を迅速に実行することができる。
また、第1実施形態では、検出部4により行われた検出動作の回数のうち検出部4が野生動物を検出した検出回数に基づいて検出頻度を取得し、検出頻度が所定の閾値より大きい場合には野生動物の捕獲処理を実行する制御を行うように制御部24を構成する。これにより、検出部4による検出回数に基づく検出頻度を用いて、野生動物の捕獲処理を適切に実行することができる。
また、第1実施形態では、検出部4が野生動物を検出していない場合には第1の時間間隔で検出部4に検出動作を行わせ、検出部4が野生動物を検出した場合には第2の時間間隔で検出部4に検出動作を行わせて検出頻度を取得する制御を行うように制御部24を構成する。これにより、野生動物が検出される前の状態では検出動作が行われる間隔を長くすることができるので、野生動物が検出される前の状態での無駄な検出動作を減らし、その結果、検出部4の電力消費量を更に低減することができる。
また、第1実施形態では、測距センサと野生動物との間の距離に基づいて、野生動物の検出動作を行うように制御部24を構成する。これにより、検出部4を簡易な測距センサにより構成することができるので、野生動物捕獲用装置100の構成が複雑になるのを抑制することができる。
[第2実施形態]
以下、図5および図7を参照して、本発明の第2実施形態による野生動物捕獲用装置200の構成について説明する。
この第2実施形態では、検出部4を1つ設けた第1実施形態の野生動物捕獲用装置100と異なり、検出部4を複数設けた野生動物捕獲用装置200について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
図5に示す例では、検出部4は、4つ設けられている。複数の検出部4は、それぞれ、捕獲領域における複数の異なる領域(検出部4を中心とした円内の領域R1〜R4)において野生動物の検出動作を行うように配置されている。平面視において、検出部4のうち2つは、概略的には、捕獲用装置本体100aの略中央に配置されており、詳細には、捕獲用装置本体100aの略中央から若干、ゲート部13と反対側(奥側)にずれた位置に配置されている。検出部4のうち残りの2つは、捕獲用装置本体100aの奥側の位置(ゲート部13と反対側の位置)に配置されている。検出部4は、複数であれば良く、設置される検出部4の数は適宜変更することが可能である。
第2実施形態では、制御部224(図1参照)は、複数の検出部4により行われた検出動作の回数のうち、複数の検出部4が野生動物を検出した合計の検出回数に基づいて検出頻度を取得するように構成されている。そして、制御部224は、複数の検出部4により取得された検出頻度が所定の閾値より大きい場合には野生動物の捕獲処理を実行する制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部224は、複数の検出部4の各々を用いた1セットの検出動作において、複数の検出部4の各々に検出動作を行わせる制御を行うように構成されている。1セットの検出動作とは、複数の検出部4のそれぞれが1回ずつ、順次検出動作を行うことを意味する。そして、制御部224は、複数の検出部4が野生動物を検出した合計の検出回数である合計検出回数が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する制御を行うように構成されている。
そして、制御部224は、1セットの検出動作を複数セット行い、複数セットのうち、1セットの検出動作における合計検出回数が閾値よりも大きいと判断された回数に基づいて、検出頻度を取得する制御を行うように構成されている。
制御部224は、複数の検出部4に、それぞれ、異なるタイミングで捕獲領域における野生動物の検出動作を行わせる制御を行うように構成されている。制御部224は、複数の検出部4の各々に、同時に検出動作させないように制御を行う。
第2実施形態では、制御部224は、野生動物を検出するまでは(野生動物が検知された否かを判断する際には)、複数の検出部4のうちいずれか1つの検出部4を第1の時間間隔で動作させる制御を行うように構成されている。また、制御部224は、野生動物が検知された否かを判断する際に、複数の検出部4のうち2以上の検出部4を用いて、各々の検出部4の検出動作間隔を第1の時間間隔で動作させる制御を行ってもよい。
(捕獲処理)
次に、図6および図7を参照して、第2実施形態による捕獲処理について説明する。捕獲処理は、制御部224により行われる。なお、ステップS1〜S5の処理は、第1実施形態の処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS21において、制御部224は、全ての検出部4での検出動作が終了したか否かを判断する。複数の検出部4の各々が1回ずつ検出動作を行う処理が、1セット分の検出動作に相当する。複数の検出部4の各々が行う検出動作の時間間隔(第2の時間間隔)が1秒であるので、1セットは4秒で完結する。制御部224は、全ての検出部4での検出が終了していない場合には、ステップS3に処理を戻す。一方、制御部224は、全ての検出部4での検出が終了したと判断した場合には、ステップS22に処理を進める。
ステップS22において、制御部224は、合計検出回数の割合(Σp/ΣP)を算出する。制御部224は、1セット分の検出動作における各検出部4が野生動物を検出した検出回数である野生動物の検出回数(p)を、各検出部4により検出動作が行われた回数Pで除算して、合計検出回数の割合を算出する。なお、第2実施形態における具体的な、ΣPは4であり、Σpは0、1、2、3または4である。
次に、ステップS23において、制御部224は、合計検出回数の割合が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する処理を行う。具体的には、制御部224は、合計検出回数の割合が所定の閾値よりも大きい場合には、ステップS24に処理を進める。制御部224は、合計検出回数の割合が所定の閾値以下の場合には、ステップS25に処理を進める。なお、所定の閾値は、予め設定された値であり、たとえば、2/4である。また所定の閾値は、適宜変更して設定することが可能である。
ステップS24に進んだ場合には、制御部224は、検出セット数qを+1する処理を行なう。その後、制御部224は、ステップS25に処理を進める。
ステップS25に進んだ場合には、制御部224は、所定回数Q(セット数Q)の検出動作が終了したか否かを判断する。制御部224は、所定回数Qの検出が終了した場合には、ステップS26に処理を進める。制御部224は、所定回数Qの検出が終了していない場合には、ステップS3に処理を戻す。なお、所定回数Q(セット数Q)は、予め設定された回数であり、たとえば、10回(10セット)である。また所定回数Qは、適宜変更して設定することが可能である。
ステップS26において、制御部224は、野生動物の検出頻度(Σq/ΣQ)を算出する。具体的には、制御部224は、1セットの検出動作における合計検出回数が閾値よりも大きいと判断された野生動物の検出回数qの合計回数Σqを、予め設定された検出動作の合計回数ΣQ(総セット数ΣQ)で除算して、野生動物の検出頻度を算出する。
次に、ステップS27において、制御部224は、野生動物の検出頻度が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する処理を行う。制御部224は、野生動物の検出頻度が所定の閾値よりも大きい場合には、ステップS28に処理を進める。制御部224は、野生動物の検出頻度が所定の閾値以下の場合には、ステップS29に処理を進める。なお、所定の閾値は、予め設定された値であり、たとえば、5/10である。また所定の閾値は、適宜変更して設定することが可能である。この閾値を適宜設定することにより、捕獲する野生動物の数を調整することが可能である。
ステップS28に進んだ場合には、制御部224は、ゲート部13を閉鎖する処理を行い、その後、捕獲処理を終了する。
ステップS29に進んだ場合には、制御部224は、ゲート部13を閉鎖しない処理を行い、その後、ステップS2に処理を戻す。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、第1実施形態と同様、検出タイミング以外では、検出動作を行わずに済むので、検出部4の電力消費量を低減することができる。また、野生動物の検出頻度に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を適切に実行することができる。
また、第2実施形態では、捕獲領域における複数の異なる領域において野生動物の検出動作を行うように複数の検出部4をそれぞれ配置する。これにより、検出部4が1つ設けられた場合と比べて、捕獲用装置本体100a内の広い範囲における野生動物の検出頻度を容易に取得することができる。
また、第2実施形態では、複数の検出部4に、それぞれ、異なるタイミングで捕獲領域における野生動物の検出動作を行わせるように制御部224を構成する。これにより、複数の検出部4が互いに干渉を起こさずに、検出動作を行うことができる。これにより、野生動物の検出頻度の取得精度が低下するのを抑制しつつ、捕獲用装置本体100a内の広い範囲における野生動物の検出頻度を取得することができる。
また、第2実施形態では、複数の検出部4の各々を用いた1セットの検出動作において、複数の検出部4の各々に検出動作を行わせ、複数の検出部4が野生動物を検出した検出回数の合計である合計検出回数が所定の閾値よりも大きいか否かを判断するように制御部224を構成する。また、1セットの検出動作を複数セット行い、複数セットのうち、1セットの検出動作における合計検出回数が閾値よりも大きいと判断された回数に基づいて、検出頻度を取得する制御を行うように制御部224を構成する。これにより、複数の検出部4の各々を用いた1セットの検出動作を複数回(複数セット)行うことにより、検出頻度の精度を高めることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
以下、図8〜図11を参照して、本発明の第3実施形態による野生動物捕獲用装置300の構成について説明する。
この第3実施形態では、野生動物の検出頻度を直接的に利用して、捕獲処理を行う第1実施形態の野生動物捕獲用装置100と異なり、検出頻度に基づいて決定された捕獲可能な野生動物の最低検出見込頻度に基づいて、野生動物の捕獲処理行う野生動物捕獲用装置300について説明する。なお、最低検出見込頻度は、特許請求の範囲の「最低捕獲見込み指標」の一例である。
第3実施形態の野生動物捕獲用装置300は、制御部324の制御ブログラムが制御部24の制御ブログラムと異なる点を除いて、第1実施形態の野生動物捕獲用装置100と実質的に同様の構成を有している。また、制御部324は、時間設定を受け付けることにより後述の確認モードの処理および捕獲モードの処理を実行する時間帯以外の時間帯には、解除部3、検出部4および光電センサ5への電力供給が停止される。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
野生動物捕獲用装置300は、後述するように、確認モードにおいて検出見込頻度を決定し、決定された検出見込頻度に基づいて捕獲モードにおいて捕獲対象の野生動物を捕獲するように構成されている。シカのような野生動物は、採餌行動を含む日周活動に関して習慣性があり、毎日略同じ時刻にエサを食べに現れる傾向がある。
この第3実施形態では、制御部324(図1参照)は、確認モードにおいて、検出部4による計測結果に基づいて、囲いワナ1内(捕獲領域内)で捕獲可能な野生動物の検出見込頻度を決定するように構成されている。制御部324は、捕獲モードにおいて、確認モードで決定された検出見込頻度と、囲いワナ1内(捕獲領域内)の野生動物の検出頻度とに基づいて、捕獲動作を実行する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部324は、検出見込頻度と囲いワナ1内(捕獲領域内)の野生動物の検出頻度とに基づいて、解除部3を作動させる信号を送信する制御を行う。制御部324は、検出部4による検出結果に基づいて、扉部14を落下させるか否かを判断する。制御部324は、時計機能を有している。確認モードおよび捕獲モードにおける制御部324の処理については、後述の確認・捕獲処理についての説明の中で詳細に説明する。
(確認・捕獲処理)
次に、図8を参照して、確認・捕獲処理について説明する。確認・捕獲処理は、制御部324により実行される。
まず、ステップS31において、制御部324は、ユーザ(捕獲者)により設定される初期設定値の入力を受け付ける。ユーザは、確認モードの処理および捕獲モードの処理を実行する時間帯(開始時刻および終了時刻)、所望の最低検出頻度、最大確認日数および最低確認日数を設定する。この際、確認モードの処理および捕獲モードの処理を実行する時間帯として、日周活動に関する習慣性から見て野生動物が活発に行動する時間帯を設定することが好ましい。これにより、野生動物が活発に行動する時間帯以外の時間帯には、確認モードの処理および捕獲モードの処理が実行されないので、各部の消費電力量を低減しつつ、野生動物を捕獲することが可能である。野生動物が活発に行動する時間帯以外の時間帯には、野生動物が囲いワナ1内(捕獲領域内)に侵入する可能性が低いので、そのような時間帯で捕獲モードの処理を実行させないようにしても捕獲効率は低下しないと考えられる。ユーザは、所望の最低検出頻度として、囲いワナ1を設置した捕獲場所や捕獲時期(季節など)などから見て捕獲が行われる際の最低検出頻度を設定する。ユーザは、最大確認日数として、確認モードを実行する最大日数を設定するとともに、最低確認日数として、確認モードを実行する最低日数を設定する。すなわち、ユーザは、確認モードにおいて囲いワナ1内(捕獲領域内)の野生動物の検出頻度を計測する最大日数および最低日数をそれぞれ最大確認日数および最低確認日数として設定する必要がある。
次に、ステップS32において、制御部324は、現在時刻が初期設定で設定された開始時刻を過ぎているか否かを判断し、開始時刻になるまでこの判断を繰り返す。制御部324は、開始時刻を過ぎると、ステップS33に処理を進める。
ステップS33において、制御部324は、捕獲モードに移行済みであるか否かを判断する。なお、確認モードから捕獲モードへの移行は、確認モードにおいて検出見込頻度が決定された後に実施される。制御部324は、捕獲モードに移行していない場合には、ステップS34に処理を進め、確認モードの処理を実行する。一方、制御部324は、捕獲モードに移行済みの場合には、ステップS35に処理を進め、捕獲モードの処理を実行する。
(確認モードの処理)
次に、図9を参照して、図8のステップS34における確認モードの処理について説明する。捕獲モードの処理は、制御部324により実行される。
制御部324は、ステップS41において、囲いワナ1内(捕獲領域内)の野生動物の検出頻度を演算する。具体的には、第3実施形態では、ステップS41において、検出部4により、1分おきに1回の検出動作(センシング)を行い、野生動物が検知されると検出部4による100回の検出動作(100回のセンシング)を行い検出頻度を取得する。ステップS41の処理は、予め決められた所定のタイミングで実行される。
次に、ステップS42において、制御部324は、現在時刻が初期設定で設定された終了時刻を過ぎたか否かを判断する。終了時刻が過ぎると、制御部324は、ステップS43において、記憶部23のカウントリスト231(図1参照)にその日の最大の検出頻度を記録する。カウントリスト231には、確認モードの処理において計測された各々の日の最大の検出頻度が蓄積される。
次に、ステップS44において、制御部324は、初期設定で設定された最大確認日数が過ぎたか否かを判断する。最大確認日数が過ぎていない場合には、制御部324は、カウントリスト231に蓄積された各々の日の検出頻度が最低検出頻度以上となる日数が、初期設定で設定された最低確認日数以上であるか否かを判断し、最低検出頻度以上となる日数が最低確認日数以上でない場合には、そのままその日の確認モードの処理を終了する。
ここで、ステップS45の判断について、図10を参照して、具体的な例を挙げて説明する。たとえば、最大確認日数が10(日)、最低確認日数が3(日)、最低検出頻度が50(回)に設定されている場合においては、最低確認日数が3(日)であるので、ケース1〜3のいずれの場合でも、2日目までの判断においては最低検出頻度以上の検出頻度が記録された日数は最低確認日数以上ではない(最低検出頻度以上の検出頻度が記録された日数は最低確認日数未満である)と判断される。そして、ケース1の場合、1日目〜3日目までの全て日において検出頻度が最低検出頻度(50(回))以上であるので、3日目のステップS45の判断において、制御部324により、最低検出頻度(50(回))以上の日数が最低確認日数(3(日))以上と判断される。また、ケース2の場合には、6日目のステップS45の判断において、制御部324により、最低検出頻度(50(回))以上の日数が最低確認日数(3(日))以上と判断される。ケース3の場合には、9日目まで最低検出頻度(50(回))以上の日数が最低確認日数(3(日))以上であると判断されることがなく、10日目のステップS44において、最大確認日数(10(日))が過ぎたと判断されてステップS46に移行される。
最大確認日数が過ぎた場合および最低検出頻度以上の検出頻度が記録された日数が最低確認日数以上となった場合には、それぞれ、ステップS44およびステップS45からステップS46に移行される。そして、制御部324は、ステップS46において、カウントリスト231に蓄積された計測結果に基づいて、最大検出見込頻度および最低検出見込頻度を決定する。この際、制御部324は、カウントリスト231に蓄積された各々の日の最大検出頻度のうちの最上位の検出頻度を最大検出見込頻度として決定する。たとえば、図10のケース1の場合には、蓄積された3日間のうちの最大である2日目の100(回)が最大検出見込頻度として決定される。同様に、ケース2およびケース3の場合には、蓄積された複数日間のうちの最大である80(回)および70(回)がそれぞれ最大検出見込頻度として決定される。
また、制御部324は、カウントリスト231に蓄積された各々の日の最大検出頻度のうちの上位の最低確認日数分の平均値を最低検出見込頻度(最低捕獲見込み指標)として決定する。たとえば、ケース1の場合、蓄積された各々の日の最大検出頻度のうちの最低確認日数(3(日))分の上位は、最上位から順に、100回、60回および50回である。このため、ケース1の場合には、100回、60回および50回の平均値である70回が最低検出見込頻度として決定される。制御部324は、平均値を取得(演算)する際、小数第一位を四捨五入して算出する。また、ケース2の場合には、最低確認日数(3(日))分の上位は、最上位から順に、80回、50回および50回であり、これらの平均値である60回が最低検出見込頻度として決定される。また、ケース3の場合には、最低確認日数(3(日))分の上位は、最上位から順に、70回、40回および30回であり、これらの平均値である50回が最低検出見込頻度として決定される。
また、上記ケース1および2のように、最大確認日数(10(日))が過ぎていない場合でも、最低検出頻度(50(回))以上の日数が最低確認日数(3(日))以上になれば、制御部324により、最大検出見込頻度および最低検出見込頻度が決定される。そして、捕獲見込頻度が決定された後、制御部324は、ステップS47において、確認モードから捕獲モードにモードを切り替えて、確認モードの処理を終了する。
(捕獲モードの処理)
次に、図11を参照して、図8のステップS35における捕獲モードの処理について説明する。捕獲モードの処理は、制御部324により実行される。
制御部324は、ステップS51において、囲いワナ1内(捕獲領域内)の野生動物の検出頻度を演算する。
次に、ステップS52において、制御部324は、ステップS52において、現在時刻が初期設定で設定された終了時刻を過ぎたか否かを判断し、終了時刻になると捕獲モードの処理を終了する。また、終了時刻が過ぎていなければ、制御部324は、ステップS53に処理を進める。
ステップS53において、制御部324は、新たな侵入があったか(検出部4により新たに野生動物が検出されたか)否かを確認する。制御部324は、たとえば、検出動作を100回行い(100回のセンシングを行い)、検出頻度が大きくなった場合には、囲いワナ1内に新たな侵入があったと判断する。制御部324は、新たな侵入があった場合には、ステップS54に処理を進める。一方、制御部324は、新たな侵入がない場合には、ステップS58に処理を進める。
ステップS54において、制御部324は、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が上記の確認モードの処理で決定された最大検出見込頻度以上であるか否かを判断する。そして、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最大検出見込頻度以上の場合には、制御部324は、ステップS55において、扉部14が落下するように解除部3を作動させるまでの待機時間を5秒に設定する。この際、制御部324は、以前に設定された待機時間がある場合(カウントダウン中の場合)には、以前に設定された待機時間をリセットして新たに待機時間を5秒に設定し直す。その後、制御部324は、再度ステップS51の計測結果を取得する動作を行う。すなわち、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最大検出見込頻度以上の場合に、新たに野生動物が検出される度に(新たな侵入がある度)に、待機時間が設定し直される。
一方、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最大検出見込頻度以上でない(最大検出見込頻度未満の)場合には、制御部324は、ステップS56において、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が上記の確認モードの処理で決定された最低検出見込頻度以上で、かつ、最大検出見込頻度未満であるか否かを判断する。囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上で、かつ、最大検出見込頻度未満の場合には、制御部324は、ステップS57において、解除部3を作動させるまでの待機時間を、最大検出見込頻度以上の場合(ステップS55の場合)よりも長い30秒に設定してステップS51の動作に戻る。この際、制御部324は、上記ステップS55の動作と同様に、以前に設定された待機時間がある場合(カウントダウン中の場合)には、以前に設定された待機時間をリセットして新たに待機時間を30秒に設定し直す。このように、第3実施形態では、制御部324により、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度に基づいて、待機時間が設定される。また、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上でない(最低検出見込頻度未満の)場合には、制御部324は、待機時間を設定することなくステップS51の動作に戻る。
また、制御部324は、新たな野生動物の侵入がない場合には、ステップS53の後、ステップS58において、囲いワナ1内の野生動物の頻度が上記の確認モードの処理で決定された最低検出見込頻度以上であるか否かを判断する。制御部324は、最低検出見込頻度以上でなければ(最低検出見込頻度未満であれば)、ステップS51の動作に戻る。
囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上であれば、制御部324は、検出部4による検出頻度に基づいて決定された捕獲領域で捕獲可能な野生動物の最低検出見込頻度に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を実行する処理を、ステップS59以降の処理において実行する。
制御部324は、ステップS59において、検出部4の計測結果に基づいて囲いワナ1内から野生動物が退避(逃避)したか否かを判断する。制御部324は、たとえば、検出動作を100回行い(100回のセンシングを行い)、検出頻度が小さくなった場合には、囲いワナ1内から野生動物が退避(逃避)したと判断する。検出頻度が小さくならなければ(野生動物の退避がなければ)、制御部324は、ステップS60において、ステップS55またはS57で設定された待機時間が経過したか否かを判断し、待機時間が経過していなければステップS51の動作に戻る。一方、待機時間が経過した場合には、制御部324は、ステップS61において、光電センサ5の検知結果に基づいて扉部14の下方に野生動物がいるか否かを判断し、野生動物がいない場合には、ステップS62において、捕獲を実行する。具体的には、制御部324は、ステップS62において、解除部3を作動させることによって、扉部14を落下させてゲート部13を閉塞する。また、扉部14の下方に野生動物がいる場合には、制御部324は、ステップS51の動作に戻る。これにより、扉部14により野生動物が挟まれてしまうという事故の発生を抑制することが可能である。
また、検出頻度が小さくなった(野生動物の退避が確認された)場合には、制御部324は、ステップS63において、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上であるか否かを判断し、最低検出見込頻度以上でなければ(最低検出見込頻度未満であれば)、ステップS51の動作に戻る。すなわち、第3実施形態の野生動物捕獲用装置300では、ステップS58およびS63において、制御部324により、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上であるか否かを判断して、最低検出見込頻度未満の場合には捕獲動作を行わないように制御する。言い換えれば、第3実施形態では、制御部324により、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上の場合にのみ、捕獲動作が実行される。
また、検出頻度が小さくなった(野生動物の退避があった)後でも、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上の場合には、設定された待機時間の経過に拘わらず、即座にステップS61に進む。すなわち、制御部324は、囲いワナ1内の野生動物の検出頻度が最低検出見込頻度以上の場合には、待機時間の経過を待つことなくステップS61に進む。これにより、複数頭の野生動物が囲いワナ1内から連なって退避しようとする場合でも、即座に捕獲を実行することができる。以上の処理により、制御部324は、検出部4による検出頻度に基づいて決定された捕獲領域で捕獲可能な野生動物の最低検出見込頻度(最低捕獲見込み指標)に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を実行する処理を行う。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、第1実施形態と同様、検出タイミング以外では、検出動作を行わずに済むので、検出部4の電力消費量を低減することができる。また、野生動物の検出頻度に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を適切に実行することができる。
また、第3実施形態では、検出頻度に基づいて捕獲領域で捕獲可能な野生動物の最低検出見込頻度を決定し、最低検出見込頻度に基づいて、捕獲領域における野生動物の捕獲処理を実行する制御を行うように制御部324を構成する。これにより、検出頻度に基づく最低検出見込頻度を用いて、群れ行動をとる集団性の野生動物を効率よく捕獲することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明の捕獲部の一例として、囲いワナを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、網ワナ、檻ワナ、箱ワナ、投網式ワナなど、囲いワナ以外の捕獲部であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、1つのゲート部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のゲート部を設ける構成であってもよい。
また、上記第2実施形態では、4つの検出部を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、4つ以外の、複数の検出部を設けてもよい。
また、上記第3実施形態では、1つの検出部を設けた構成において、取得した野生動物の最低検出見込頻度(最低捕獲見込み指標)に基づいて、野生動物の捕獲処理を実行する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の検出部を設けた構成において、取得した野生動物の最低検出見込頻度(最低捕獲見込み指標)に基づいて、野生動物の捕獲処理を実行してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、群れ行動をとる集団性の野生動物のうち、特にシカを捕獲するための野生動物捕獲システムについて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、群れ行動をとる集団性の野生動物であれば、イノシシ、アライグマ、ヌートリア、サルなど、シカ以外の野生動物であってもよい。この場合、捕獲対象の動物に適した形態および捕獲対象の動物に適した大きさの捕獲部を用いることが好ましい。
また、上記第1〜第3実施形態では、記憶部の一例として、フラッシュメモリからなる記憶部を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、フラッシュメモリ以外からなる記憶部であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、検出部が測距センサである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、焦電センサおよび温度センサなど、測距センサ以外の検出部であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、検出部を捕獲用装置本体の上端位置に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検出部を捕獲用装置本体の側部に配置してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、第1の時間間隔が1分であり、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔が1秒である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1の時間間隔および第2の時間間隔は、それぞれ、1分および1秒以外であってもよい。
また、上記第3実施形態では、取得した野生動物の最低検出見込頻度(最低捕獲見込み指標)に基づいて、野生動物の捕獲処理を実行する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検出部の検出動作により取得された頭数以外の複数回の検出値、または、検出部が野生動物を検出した検出時間間隔に基づく最低捕獲見込み指標を用いて、野生動物の捕獲処理を実行してもよい。
また、上記第3実施形態では、制御部により、複数日間にわたって複数回計測された計測結果に基づいて、検出見込頻度を決定する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、捕獲領域内の野生動物の個体数の計測結果に基づいて検出見込頻度を決定する構成であれば、制御部により、1回の計測結果に基づいて検出見込頻度を決定する構成であってもよいし、1日で複数回計測された計測結果に基づいて検出見込頻度を決定する構成であってもよい。
また、上記第3実施形態では、制御部により、捕獲領域内の野生動物の個体数の計測結果に基づいて、最大検出見込頻度および最低検出見込頻度の両方を決定する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部により、少なくとも最低検出見込頻度を決定する構成であれば他の構成であってもよい。また、最大検出見込頻度および最低検出見込頻度以外の検出見込頻度も決定してもよい。
また、上記第3実施形態では、確認モードの処理において、その日の最大の検出頻度を記録する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、確認モードの処理および捕獲モードの処理の両方で、その日の最大の検出頻度を記録する構成であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、野生動物の検出頻度を取得する際に、各実施形態のフロー図により説明された計算方法により野生動物の検出頻度を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、各実施形態のフロー図により説明された計算方法以外の計算方法を用いて、野生動物の検出頻度を取得してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、検出部の検出動作による野生動物の検出頻度に基づいて、野生動物の捕獲処理を実行する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検出部の検出動作により取得された野生動物の頭数以外の複数回の検出値、または、検出部が野生動物を検出した検出時間間隔に基づいて、野生動物の捕獲処理を実行してもよい。たとえば、図12に示すように、所定の検出動作回数における、検出部(測距センサ)の下方にある対象物の距離L3の合計が所定値以上のときに野生動物の捕獲処理を実行してもよい。また、図13に示すように、所定の検出動作回数における、検出部(温度センサ)により検出された温度Tの合計が所定値以上のときに野生動物の捕獲処理を実行してもよい。また、図14に示すように、野生動物が検出される検出時間間隔が所定時間間隔以下(たとえば、検出動作の時間間隔と同じ時間間隔)になったときに野生動物の捕獲処理を実行してもよい。この場合、野生動物が検出される検出時間間隔が所定時間間隔以下である状態が複数回連続したことにより、野生動物の捕獲処理を実行するようにしてもよい。また、検出部の検出動作による野生動物の検出頻度、検出部の検出動作により取得された野生動物の頭数以外の複数回の検出値、または、検出部が野生動物を検出した検出時間間隔のうち、2つまたは3つの情報を用いた(組み合わせた)関数に基づいて、野生動物の捕獲処理を実行してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。