<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13には遊技盤24が搭載されている。図2は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。内枠13において遊技盤24の下方に取り付けられた遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射操作装置28が手動操作されることにより遊技球の発射動作を行う。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合又は第2作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面Pよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして大当たり発生抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われる。そして、絵柄の変動表示が行われた後の停止結果として、大当たり発生抽選の結果に対応した表示が行われる。なお、特図表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、特図表示部37aに隣接した位置には、特図保留表示部37bが設けられている。遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部37bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示が行われる。すなわち、特図表示部37aにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、大当たり発生抽選の結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置41において予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
図柄表示装置41の表示内容について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3(a)〜図3(j)は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図4(a)及び図4(b)は図柄表示装置41の表示面Pを示す図である。
図3(a)〜図3(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図4(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Pには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面Pでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図4(b)に示すように、表示面Pは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Pには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当するとともに、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当する。15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せ又は同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。また、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組合せとは異なる所定の図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
図2の説明に戻り、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく大当たり発生抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。また、開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードに対応した表示演出が図柄表示装置41にて実行される。
図1に示すように、上記構成の遊技盤24を有する内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部42が形成されている。窓部42は、略楕円形状をなし、窓パネル43が嵌め込まれている。窓パネル43は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル43を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部42の上方には表示発光部44が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部45が設けられている。また、窓部42の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部46と下側膨出部47とが上下に並設されている。上側膨出部46内側には上方に開口した上皿46aが設けられており、下側膨出部47内側には同じく上方に開口した下皿47aが設けられている。上皿46aは、裏パックユニット15に設けられた払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿47aは、上皿46a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部47において下皿47aの外部の領域には、遊技者により手動操作される操作部を具備する演出用操作装置48が設けられている。演出用操作装置48の操作部は、図柄表示装置41の表示面Pなどにおける演出内容を所定の演出内容とするために遊技者により手動操作される。
内枠13の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、裏パックユニット15には、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源・発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
<主制御装置50>
主制御装置50は、遊技の主たる制御を司る主制御基板51を具備している。なお、主制御装置50において主制御基板51などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板51には、MPU52が搭載されている。MPU52には、当該MPU52により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM53と、そのROM53内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM54と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
なお、ROM53として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM53として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM53と、RAM54とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU52には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU52の入力側には、電源・発射制御装置57が接続されている。電源・発射制御装置57は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板51に動作電力を供給する。ちなみに、当該動作電力は主制御基板51だけでなく、払出制御装置55や後述する表示制御装置70といった他の機器にも供給される。
なお、MPU52と電源・発射制御装置57との電力経路上に停電監視基板を設けてもよい。この場合、当該停電監視基板により停電の発生が監視され、停電の発生が確認された場合にはMPU52に対して停電信号が送信されるようにすることで、MPU52において停電時用の処理を実行することが可能となる。
また、MPU52の入力側には、図示しない各種センサが接続されている。当該各種センサの一部として、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU52において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU52では第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選を実行するとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や変動表示時間の決定抽選を実行する。
ここで、MPU52にて各種抽選を行うための構成について説明する。
MPU52は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、15R確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37a及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、これら各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、抽選カウンタ用バッファ54aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア54bに格納される。
保留格納エリア54bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。実行エリアAEは、特図表示部37aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM53に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、大当たり発生抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の大当たり発生抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口の開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は大入賞口への入賞個数が10個となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口の開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は大入賞口への入賞個数が6個となるまで継続される。
本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構58が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に特電入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に特電入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部38aにおける1回の変動表示時間を短くする)、当該確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM53に振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、明示2R確変大当たり結果と、15R確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、大当たり発生抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、大当たり発生抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、大当たり発生抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、大当たり発生抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、大当たり発生抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、大当たり発生抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、2種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、確変大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、大当たり発生抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示2R確変大当たり結果が含まれていてもよい。この場合、確変大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、大当たり発生抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において大当たり発生抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、大当たり発生抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、特電入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、上記リーチ演出と、当該リーチ演出が発生する前段階などにおいてリーチ演出の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告演出との2種類が設定されている。
リーチ演出には、図柄表示装置41の表示面Pに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Pの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ演出について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示面P内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図4の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ演出となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告演出には、図柄表示装置41の表示面Pにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画像をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告演出は、リーチ演出が行われる場合及びリーチ演出が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ演出の行われる場合の方がリーチ演出の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ演出は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM53のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ演出の発生に対応している場合に実行される。一方、予告演出を行うか否かの決定は、主制御装置50において行うのではなく、音声発光制御装置60において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37aにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU52において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理が1回実行される毎に1回更新され、後述するメイン処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM53の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
普電役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで電役保留エリア54cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
MPU52の出力側には、払出制御装置55が接続されているとともに、電源・発射制御装置57が接続されている。払出制御装置55には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。払出制御装置55は、主制御装置50から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置56により賞球や貸し球の払出制御を行う。電源・発射制御装置57には、発射操作装置28が操作されていることに基づいて発射許可コマンドが送信される。電源・発射制御装置57は、主制御装置50から受信した発射許可コマンドに基づいて、遊技球発射機構58を駆動させ遊技球を遊技領域PAに向けて発射させる。
また、MPU52の出力側には、特図表示部37a及び普図表示部38aが接続されており、これら特図表示部37a及び普図表示部38aの表示制御がMPU52により直接行われる。つまり、各遊技回に際しては、MPU52において特図表示部37aの表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU52において普図表示部38aの表示制御が実行される。
MPU52の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉を開閉動作させる特電入賞駆動部、及び第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電役物駆動部が接続されている。つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口が開閉されるように、MPU52において特電入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU52において普電役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU52の出力側には、音声発光制御装置60が接続されており、当該音声発光制御装置60に対して演出用の各種コマンドを送信する。
ここで、MPU52にて実行される処理について説明する。かかるMPU52の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
図7はメイン処理を示すフローチャートである。ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウェイト処理の実行期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。続くステップS102ではRAM54のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU52の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置57に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM54の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM54をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM54の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置60に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU52はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM54の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
次に、図8のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
続くステップS205では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、RAM54に設けられた遊技停止用フラグに「1」をセットする。
続くステップS206では、上記遊技停止用フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS206にて否定判定をした場合に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部に行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電入賞駆動部への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電役物駆動部への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM54に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28への発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS212では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS213では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア54bに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア54bに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する大当たり発生抽選処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、大当たり発生抽選処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の変動表示時間を選択する処理を実行する。この場合、大当たり当選の有無、大当たり種別及びリーチ発生の有無に対応した変動表示時間テーブルをROM53から読み出し、その読み出した変動表示時間テーブルと、そのタイミングにおける変動種別カウンタCSの数値情報とから今回の遊技回の変動表示時間を決定する。そして、その決定した遊技回の変動表示時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置60に送信するとともに、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。また、MPU52は変動用コマンド及び種別コマンドを送信した場合に変動表示時間の計測を開始する。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中においては当該遊技回に対応する変動表示時間が経過した場合に、特図表示部37aにおいて今回の遊技回の大当たり発生抽選処理及び振分判定処理の結果に対応する停止結果を表示させ、さらに確定表示時間(具体的には0.5sec)の計測を開始する。そして、特図表示部37aに停止結果が表示された状態を確定表示時間に亘って維持させる。確定表示時間が経過した場合、今回の遊技回が外れ結果に対応しているのであれば、保留格納エリア54bに保留情報が記憶されていることを条件として、新たな遊技回を開始させるための処理を実行する。保留情報が記憶されていないのであれば、保留情報が新たに取得されるまで待機する。
一方、今回の遊技回が大当たり結果に対応しているのであれば、開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置60に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されることを示す開放コマンドを音声発光制御装置60に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されることを示す閉鎖コマンドを音声発光制御装置60に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置60に送信するとともに、開閉実行モード後の大当たり発生抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。なお、開閉実行モードは、例えば3secといった期間に亘ってオープニング期間が発生し、このオープニング期間において開閉実行モードが発生したことを遊技者に認識可能とさせる演出が実行される。その後に、特電入賞装置32の開閉が実行されるラウンド遊技が所定回数実行される。そして、所定回数のラウンド遊技が実行された後に、例えば5secといった期間に亘ってエンディング期間が発生し、このエンディング期間において開閉実行モードが終了することを遊技者に認識可能とさせる演出が実行される。
タイマ割込み処理においてステップS213の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS214にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aに対応する保留情報の増減個数を特図保留表示部37bに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aに対応する保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS216では、払出制御装置55から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS217では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS218では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<音声発光制御装置60>
次に、音声発光制御装置60について説明する。
音声発光制御装置60は、図5に示すように、MPU62が搭載された音声発光制御基板61を具備している。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
なお、ROM63として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM63として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM63と、RAM64とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には主制御装置50及び演出用操作装置48が接続されている。MPU62の出力側には表示発光部44及びスピーカ部45が接続されているとともに、表示制御装置70の後述する表示CPU72が接続されている。
<表示制御装置70>
次に、表示制御装置70について説明する。
表示制御装置70は、図5に示すように、表示CPU72と、ワークRAM73と、メモリモジュール74と、VRAM75と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)76と、が搭載された表示制御基板71を備えている。
表示CPU72は、表示制御装置70においてメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読み出し、解釈及び実行を行う。詳細には、表示CPU72は表示制御基板71に搭載された入力ポート77に対してバスを介して接続されており、音声発光制御装置60から送信された各種コマンドは入力ポート77を通じて表示CPU72に入力される。なお、表示CPU72において音声発光制御装置60からコマンドを受信するとは、音声発光制御装置60からコマンドを直接受信する構成に限定されることはなく、中継基板に中継されたコマンドを受信する構成も含まれる。
表示CPU72は、バスを介してワークRAM73、メモリモジュール74及びVRAM75と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、メモリモジュール74に記憶された各種データをワークRAM73に転送させる転送指示を行う。また、表示CPU72は、バスを介してVDP76と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に画像信号を出力させる描画指示を行う。以下、メモリモジュール74、ワークRAM73、VRAM75及びVDP76について説明する。
メモリモジュール74は、制御プログラム及び固定値データを含む制御用データを予め記憶しているとともに、図柄表示装置41に表示される図柄やキャラクタなどのスプライトデータ、背景データ、及び動画像データなどを含む各種画像データを予め記憶している。当該メモリモジュール74は、記憶保持に外部からの電力供給が不要な不揮発性の半導体メモリを有している。ちなみに、記憶容量は4Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該メモリモジュール74は、パチンコ機10の使用に際して、非書き込み用であって読み出し専用のメモリ(ROM)として用いられる。
ここで、各スプライトデータは、キャラクタの外形や模様を規定するビットマップ形式データと、ビットマップ画像の各ピクセルでの表示色を決定する際に参照されるカラーパレットテーブルとの組合せを少なくとも含んでいる。また、背景データは、静止画像データが圧縮された状態のJPEG形式データとして記憶保持されている。動画像データについては、後に詳細に説明する。
ワークRAM73は、メモリモジュール74から読み出されて転送された制御用データを一時的に記憶しておくとともに、フラグ等を一時的に記憶しておくための記憶手段である。ワークRAM73は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は1Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、ワークRAM73は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
ワークRAM73には、表示CPU72からメモリモジュール74へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール74から制御用データが転送される。そして、表示CPU72は、ワークRAM73に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
VRAM75は、図柄表示装置41に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。当該VRAM75は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。但し、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は2Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該VRAM75は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
VRAM75は展開用バッファ81を備えている。展開用バッファ81には、VDP76からメモリモジュール74へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール74から画像データが転送される。また、VRAM75には、VDP76により描画データが作成されるフレームバッファ82が設けられている。なお、VRAM75がVDP76に内蔵されていてもよい。
VDP76は、表示CPU72からの描画指示に基づき、展開用バッファ81に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、図柄表示装置41に対して描画を行う画像生成デバイスであり、図柄表示装置41において液晶表示部41aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス41bを操作する一種の描画回路である。VDP76はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
詳細には、VDP76は、制御部91と、レジスタ92と、動画デコーダ93と、表示回路94と、を備えている。また、これら各回路はバスを介して相互に接続されているとともに、表示CPU72用のI/F95及びVRAM75用のI/F96と接続されている。
VDP76は、表示CPU72から送信された描画指示情報としての描画リストをレジスタ92に記憶させる。レジスタ92に描画リストが記憶されることにより、制御部91では描画リストに従ったプログラムが起動されて予め定められた処理が実行される。なお、制御部91が動作するための制御プログラムの全てが描画リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリを制御部91に内蔵させ、当該制御プログラムと描画リストの内容とによって制御部91が所定の処理を実行する構成としてもよい。また、メモリモジュール74から制御プログラムを事前に読み出す構成としてもよい。
上記処理として、制御部91は、メモリモジュール74に記憶されている画像データをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す。また、制御部91は、展開用バッファ81に読み出された画像データを用いて(又は加工することにより)、フレームバッファ82に1フレーム分の描画データを作成する。1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで図柄表示装置41の表示面Pにおける画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるために必要なデータのことをいう。
ここで、フレームバッファ82には、複数のフレーム領域82a,82bが設けられている。具体的には、第1フレーム領域82aと、第2フレーム領域82bとが設けられている。これら各フレーム領域82a,82bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。具体的には、各フレーム領域82a,82bにはそれぞれ、液晶表示部41a(すなわち表示面P)のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各ドットにおいて256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアにおいて色情報を格納するために必要な記憶容量は1バイトでよい。
フレームバッファ82に第1フレーム領域82a及び第2フレーム領域82bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて図柄表示装置41への描画が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、フレームバッファ82として、ダブルバッファ方式が採用されている。
表示回路94では、第1フレーム領域82a又は第2フレーム領域82bに作成された描画データに基づいて液晶表示部41aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路94に接続された出力ポート78を介して図柄表示装置41に出力される。詳細には、出力対象のフレーム領域82a,82bから表示回路94へ描画データが転送される。その転送された描画データは図柄表示装置41の解像度に対応したものとなるように、図示しないスケーラにより解像度調整が行われて階調データに変換される。そして、当該階調データに基づいて図柄表示装置41の各ドットに対応した画像信号が生成されて出力される。なお、表示回路94からは水平同期信号又は垂直同期信号などの同期信号も出力される。また、動画デコーダ93では、VRAM75の展開用バッファ81に転送された動画像データのデコードを実行する。
<音声発光制御装置60のMPU62の処理構成>
次に、音声発光制御装置60のMPU62(以下、音光側MPU62という)にて実行される処理について説明する。図9は音光側MPU62にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まずステップS301にて、表示発光部44の発光制御、スピーカ部45の音出力制御、及び表示制御装置70の制御を実行するために使用される制御用テーブルを設定するためのテーブル設定処理を実行する。テーブル設定処理では、例えば主制御装置50のMPU52(以下、主側MPU52という)から受信したコマンドに対応した処理を行うための制御パターンテーブルの設定を行う。続くステップS302では、図柄表示装置41の表示制御の内容を表示CPU72に指示するためのコマンド選択処理を実行する。当該コマンド選択処理では、上記ステップS301のテーブル設定処理にて読み出された制御用テーブルに従って表示CPU72へのコマンド出力が行われる。
その後、ステップS303にて、表示発光部44の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。当該発光制御処理では、上記ステップS301のテーブル設定処理にて読み出された制御用テーブルに従って表示発光部44の発光制御を行う。また、ステップS304では、スピーカ部45の音出力制御を行うための音出力制御処理を実行する。当該音出力制御処理では、上記ステップS301のテーブル設定処理にて読み出された制御用テーブルに従ってスピーカ部45の音出力制御を行う。その後、ステップS305にてポインタ更新処理を実行する。ポインタ更新処理では、現状の制御用テーブルのポインタ情報を次のポインタ情報に更新する。
<テーブル設定処理>
図10は、タイマ割込み処理(図9)のステップS301にて実行されるテーブル設定処理を示すフローチャートである。
主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合(ステップS401:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(ステップS402)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU52にて決定された大当たり発生抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報をRAM64に書き込む。
その後、主側MPU52から今回受信した変動用コマンドに対応する変動表示時間が予告演出の発生可能状況に対応する変動表示時間であることを条件として(ステップS403:YES)、予告抽選処理を実行する(ステップS404)。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置41にて予告演出を行わせるか否かを抽選により決定する。かかる予告演出としては、既に説明したとおり、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするものや、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告演出は、リーチ演出が行われる場合及びリーチ演出が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ演出が行われる場合の方がリーチ演出が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告演出は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ発生し易く、さらに大当たり結果に対応した遊技回の方が出現率の低い予告演出が発生し易くなるように設定されている。
予告抽選処理では、音声発光制御装置60のROM63(以下、音光側ROM63という)に予め記憶されている予告抽選用テーブルT1を音声発光制御装置60のRAM64(以下、音光側RAM64という)に読み出す。当該予告抽選用テーブルT1は、変動用コマンド及び種別コマンドの組合せに1対1で対応させて用意されている。したがって、予告抽選処理では、主側MPU52から今回受信した変動用コマンド及び種別コマンドに対応する予告抽選用テーブルT1を音光側ROM63から読み出す。
図11(a)は予告抽選用テーブルT1の一例を説明するための説明図である。予告抽選用テーブルT1には、予告抽選結果と、予告抽選用カウンタの数値範囲とが対応付けられている。予告抽選結果として、予告演出が発生しない非発生と、第1態様で予告演出が実行される第1予告演出と、第2態様で予告演出が実行される第2予告演出とが設定されている。第1予告演出では例えば第1予告演出用の個別画像が所定の態様で動作するように図柄表示装置41に表示され、第2予告演出では例えば第2予告演出用の個別画像が所定の態様で動作するように図柄表示装置41に表示される。予告抽選用カウンタは、音光側RAM64に設けられている。予告抽選用カウンタは「0」〜「239」のいずれかの値を取り得るループカウンタであり、定期的(例えば4msec)に「1」ずつ加算され、最大値に達した場合に「0」に戻る。図11(a)に示すように、予告抽選用テーブルT1においては予告抽選用カウンタにおいて取り得る値がいずれかの予告抽選結果に対して割り振られている。
なお、予告抽選用テーブルT1の種類に応じて、抽選対象となる予告演出の種類が相違し得る。この場合、異なる種類の予告抽選用テーブルT1間において抽選対象となる予告演出の種類が同一であるものの予告演出の選択率が相違している場合もあれば、異なる種類の予告抽選用テーブルT1間において抽選対象となる予告演出の種類の一部又は全部が相違している場合もある。
予告抽選処理では、予告抽選用カウンタのその時点の値を取得し、その取得した値を今回読み出した予告抽選用テーブルT1に対して照合する。そして、予告抽選用カウンタから取得した値に対応する予告抽選結果を今回の予告抽選処理の結果として取得する。
テーブル設定処理(図10)の説明に戻り、ステップS403にて否定判定をした場合、又はステップS404の処理を実行した場合、主側MPU52から今回受信した変動用コマンドに対応する変動表示時間がリーチ演出の発生に対応する変動表示時間であることを条件として(ステップS405:YES)、リーチ演出抽選処理を実行する(ステップS406)。つまり、主側MPU52にて決定された遊技回の変動表示時間がリーチ演出の発生に対応している場合には、リーチ演出抽選処理にて実行対象のリーチ演出の種類が決定され、主側MPU52にて決定された遊技回の変動表示時間がリーチ演出の発生に対応していない場合にはリーチ演出抽選処理が実行されない。
リーチ演出には、既に説明したとおり、図柄表示装置41の表示面Pに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Pの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。当該リーチ演出は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ発生し易く、さらに大当たり結果に対応した遊技回の方が出現率の低いリーチ演出が発生し易くなるように設定されている。
リーチ演出抽選処理では、音光側ROM63に予め記憶されているリーチ抽選用テーブルT2を音光側RAM64に読み出す。当該リーチ抽選用テーブルT2は、変動用コマンド及び種別コマンドの組合せに1対1で対応させて用意されている。したがって、リーチ演出抽選処理では、主側MPU52から今回受信した変動用コマンド及び種別コマンドに対応するリーチ抽選用テーブルT2を音光側ROM63から読み出す。
図11(b)はリーチ抽選用テーブルT2の一例を説明するための説明図である。リーチ抽選用テーブルT2には、リーチ抽選結果と、リーチ抽選用カウンタの数値範囲とが対応付けられている。リーチ抽選結果として、第1態様でリーチ演出が実行される第1リーチ演出と、第2態様でリーチ演出が実行される第2リーチ演出と、第3態様でリーチ演出が実行される第3リーチ演出とが設定されている。第1リーチ演出では例えば第1リーチ演出用の個別画像が所定の態様で動作するように図柄表示装置41に表示され、第2リーチ演出では例えば第2リーチ演出用の個別画像が所定の態様で動作するように図柄表示装置41に表示され、第3リーチ演出では例えば第3リーチ演出用の個別画像が所定の態様で動作するように図柄表示装置41に表示される。リーチ抽選用カウンタは、音光側RAM64に設けられている。リーチ抽選用カウンタは「0」〜「239」のいずれかの値を取り得るループカウンタであり、定期的(例えば4msec)に「1」ずつ加算され、最大値に達した場合に「0」に戻る。図11(b)に示すように、リーチ抽選用テーブルT2においてはリーチ抽選用カウンタにおいて取り得る値がいずれかのリーチ抽選結果に対して割り振られている。
なお、リーチ抽選用テーブルT2の種類に応じて、抽選対象となるリーチ演出の種類が相違し得る。この場合、異なる種類のリーチ抽選用テーブルT2間において抽選対象となるリーチ演出の種類が同一であるもののリーチ演出の選択率が相違している場合もあれば、異なる種類のリーチ抽選用テーブルT2間において抽選対象となるリーチ演出の種類の一部又は全部が相違している場合もある。
リーチ演出抽選処理では、リーチ抽選用カウンタのその時点の値を取得し、その取得した値を今回読み出したリーチ抽選用テーブルT2に対して照合する。そして、リーチ抽選用カウンタから取得した値に対応するリーチ抽選結果を今回のリーチ演出抽選処理の結果として取得する。
テーブル設定処理(図10)の説明に戻り、ステップS405にて否定判定をした場合、又はステップS406の処理を実行した場合、停止図柄決定処理を実行する(ステップS407)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のいずれかであれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一の奇数図柄の組合せは15R確変大当たり結果の場合に選択される一方、同一の偶数図柄の組合せは通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のいずれにおいても選択され得る。なお、同一の図柄の組合せが停止表示される有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、通常大当たり結果であっても同一の奇数図柄の組合せが選択され得る構成としてもよい。
停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が明示2R確変大当たり結果であれば、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一の有効ラインL1〜L5上に特定の図柄の組合せ(「3・4・1」)が成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。
停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンド及び種別コマンドの組合せの内容からリーチ演出の有無を特定する。そして、リーチ演出が発生する場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せ及び上記特定の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一又は二の有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ演出が発生しない場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せ及び上記特定の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
その後、制御パターンテーブルの設定処理を実行する(ステップS408)。制御パターンテーブルの設定処理では、予告抽選処理(ステップS404)の結果、リーチ演出の発生の有無、リーチ演出が発生する場合にはリーチ演出抽選処理(ステップS406)の結果、及び停止図柄決定処理(ステップS407)の結果の組合せに対応する制御パターンテーブルを音光側ROM63から読み出し音光側RAM64に記憶させる。
図12を参照しながら制御パターンテーブルT3について説明する。なお、図12は15R確変大当たり結果となる遊技回において予告演出及びリーチ演出が実行される場合に設定され得る制御パターンテーブルT3の一例を示す図である。
図12に示すように制御パターンテーブルT3には、対象となる遊技回の変動表示時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報とが設定されている。
タスクの内容の情報は今回の遊技回に対応した発光制御及び音出力制御を行うために設定されている情報であり、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた態様で表示発光部44の発光制御が行われるとともにスピーカ部45の音出力制御が行われる。図12に示す制御パターンテーブルT3について具体的には、「0」のポインタ情報に変動開始時のデータが設定されており、「200」のポインタ情報に予告演出開始時のデータが設定されており、「300」のポインタ情報に予告演出終了時のデータが設定されており、「400」のポインタ情報にノーマルリーチ開始時のデータが設定されており、「700」のポインタ情報に、スーパーリーチ開始時のデータが設定されており、「1000」のポインタ情報に、確定演出開始時のデータが設定されており、「1400」のポインタ情報に、待機表示開始時のデータが設定されている。これら各ポインタ情報は、演出の開始、演出の切り換わり、及び演出の終了といった区切りタイミングに対応している。また、これら以外のポインタ情報には、区切りタイミング間の発光制御及び音出力制御を可能とするためのデータが設定されている。
コマンド出力の有無の情報は、音光側MPU62から表示CPU72へのコマンドの出力の有無、及びそのコマンドの種類を示す情報である。タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド選択処理(ステップS302)にて制御パターンテーブルT3に従って表示CPU72へのコマンド出力が行われることで、図柄表示装置41における画像の内容と、表示発光部44における発光内容と、スピーカ部45における音出力内容とを関連付けることが可能となる。つまり、図柄表示装置41における動画の内容に応じて、表示発光部44にて光の演出が実行されるとともに、スピーカ部45にて音出力の演出が実行される。図12に示す制御パターンテーブルT3について具体的には、タスクの内容において変動開始時のデータが設定されている「0」のポインタ情報に対して、コマンドデータが設定されている。したがって、遊技回の変動開始時には、音光側MPU62から表示CPU72へのコマンド送信に基づき、表示CPU72において表示制御が開始される。また、タスクの内容において、予告演出開始時のデータ、ノーマルリーチ開始時のデータ、スーパーリーチ開始時のデータ、確定演出開始時のデータ及び待機表示開始時のデータのそれぞれが設定されている各ポインタ情報、具体的には、「200」、「400」、「700」、「1000」、「1400」の各ポインタ情報に対して、コマンドデータが設定されている。したがって、主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドが送信されるという所定の開始契機が発生したことにより開始される遊技回用の演出の範囲内において、遊技回用の演出に含まれる演出区分の種類が変化する場合には、音光側MPU62から表示CPU72へのコマンド送信に基づき、表示CPU72において新たな演出区分に対応する表示制御が開始される。
なお、制御パターンテーブルT3は遊技回用の演出以外にも、開閉実行モード用の演出や、遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれも実行されていない状況におけるデモ表示用の演出に対応させて設けられている。このように様々な状況に対応させて制御パターンテーブルT3が設定されていることにより、音光側MPU62に動作電力が供給されている状況では何らかの制御パターンテーブルT3が音光側RAM64に読み出された状態となっている。
その後、変動表示時間の決定処理を実行する(ステップS409)。当該処理では、主側MPU52から今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動表示時間の情報を特定し、その特定した変動表示時間の情報を、図11(c)の説明図に示すように音光側RAM64に設けられた変動時間用カウンタ64aにセットする。変動時間用カウンタ64aは、今回の遊技回において図柄表示装置41における図柄の変動表示を終了させて当該図柄の確定表示を開始させるタイミングを音光側MPU62にて特定するためのカウンタである。変動時間用カウンタ64aにセットされた値は、音光側MPU62にてタイマ割込み処理(図9)が起動される度に、すなわち4msecが経過する度に1減算される。
遊技回用の演出が実行される場合における図柄の変動表示態様について、図13(a)及び図13(b)の説明図を参照しながら説明する。図13(a)は図柄表示装置41において図柄が揺動表示される様子を説明するための説明図であり、図13(b)は図柄表示装置41において図柄が確定表示される様子を説明するための説明図である。
完全外れ結果となる遊技回(リーチ演出が発生することなく外れ結果となる遊技回)又はノーマルリーチ表示(リーチ演出用キャラクタが表示されることなく図柄列Z1〜Z3における図柄を利用してリーチ演出が行われる表示内容)が行われる遊技回においては、低識別態様である高速変動表示において全図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示が開始され、その後、所定の順序で各図柄列Z1〜Z3が高識別態様である低速変動表示に切り換わるとともに当該所定の順序で各図柄列Z1〜Z3において待機表示が開始される。そして、全図柄列Z1〜Z3にて待機表示が行われている状態が所定の期間継続された後に、待機表示されていた各図柄が最終停止表示として確定表示され、その確定表示状態が確定表示時間に亘って継続される。
待機表示とは、図13(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Pにおいて各図柄列Z1〜Z3のそれぞれに3個ずつとなるように仮想的に設定された待機領域SA1〜SA9に図柄が待機している表示状態のことである。上図柄列Z1のみが待機表示となり残りの図柄列Z2,Z3にて図柄のスクロール表示が継続される状態においては、上図柄列Z1に対応する待機領域SA1〜SA3に各1個ずつ図柄が待機している状態となる。また、上図柄列Z1及び下図柄列Z3が待機表示となり中図柄列Z2にて図柄のスクロール表示が継続される状態においては、上図柄列Z1に対応する待機領域SA1〜SA3及び下図柄列Z3に対応する待機領域SA7〜SA9に各1個ずつ図柄が待機している状態となる。また、全図柄列Z1〜Z3が待機表示される状態においては、待機領域SA1〜SA9に各1個ずつ図柄が待機している状態となる。待機表示においては、待機領域SA1〜SA9に待機されている図柄が静止表示されているのではなく、同一の待機領域SA1〜SA9の範囲内にて変動表示される。具体的には、待機表示の対象となっている各図柄は、対応する待機領域SA1〜SA9内において停止位置を含んだ範囲であって当該停止位置を間に挟んだ範囲で上下又は左右に揺動する。
確定表示とは、図13(b)に示すように、各図柄列Z1〜Z3の待機領域SA1〜SA9にて待機表示されていた各1個ずつの図柄が、対応する待機領域SA1〜SA9の範囲内における変動表示を終了して、各待機領域SA1〜SA9の停止位置にて対応する図柄が停止表示される表示状態のことである。このように確定表示が行われることにより、今回の遊技回の図柄表示装置41における図柄の停止結果を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
一方、スーパーリーチ表示が行われる遊技回においては、図柄の変動表示が開始され、一部の図柄列である上図柄列Z1及び下図柄列Z3の図柄が各待機領域SA1〜SA3,SA7〜SA9に待機表示されてリーチラインが形成された後に、スーパーリーチ用の画像が表示される。その後、大当たり図柄の組み合わせ又は外れリーチ図柄の組み合わせを形成した状態で、全図柄列Z1〜Z3上の各待機領域に所定の期間に亘って図柄が待機表示される。そして、それら図柄が確定表示され、その確定表示された状態が確定表示時間に亘って継続される。
テーブル設定処理(図10)の説明に戻り、ステップS408にて設定された制御パターンテーブルに従って演出の実行制御が行われている状況であって(ステップS410:YES)、ステップS409にて音光側RAM64の変動時間用カウンタ64aの値が「0」となっている場合(ステップS411:YES)、音光側RAM64に設けられた確定時間用カウンタ64bに確定表示時間(具体的には0.5sec)の情報をセットする(ステップS412)。確定時間用カウンタ64bにセットされた値は、音光側MPU62にてタイマ割込み処理(図9)が起動される度に、すなわち4msecが経過する度に1減算される。また、確定表示時間における表示発光部44の発光制御及びスピーカ部45の音出力制御の態様を決定付ける確定表示用テーブルを音光側ROM63から読み出して音光側RAM64に記憶させる(ステップS413)。当該確定表示用テーブルには、確定表示時間分の発光制御及び音出力制御を実行するための制御データが設定されているが、実際には確定表示時間において表示発光部44は消灯状態となり、スピーカ部45は消音状態となる。その後、確定表示開始コマンドを表示CPU72に送信する(ステップS414)。これにより、表示CPU72では、図柄表示装置41にて待機表示されている各図柄がそのまま確定表示され、さらにその確定表示された状態が確定表示時間(具体的には0.5sec)に亘って維持されるように図柄表示装置41を表示制御する。
ここで、主側MPU52においては、変動用コマンド及び種別コマンドに対応する変動表示時間が経過した場合、特図表示部37aにおいて今回の遊技回の大当たり発生抽選処理及び振分判定処理の結果に対応する停止結果を表示させ、確定表示時間に亘ってその状態を維持させる。主側MPU52にて計測される変動表示時間は音光側MPU62においてステップS409にて設定される変動表示時間と同一であり、さらに主側MPU52にて計測される確定表示時間は音光側MPU62においてステップS412にて設定される確定表示時間と同一である。したがって、主側MPU52にて変動表示時間の経過が確認されたタイミングで図柄表示装置41では図柄の確定表示が開始され、主側MPU52にて確定表示時間の経過が確認されたタイミングで図柄表示装置41では図柄の確定表示が終了する。
なお、テーブル設定処理では、上記各処理以外にも、ステップS415にてその他の処理を実行する。その他の処理では、例えば、主側MPU52からオープニングコマンドを受信している場合に開閉実行モード用の演出を実行するための制御パターンテーブルを読み出し、主側MPU52からエンディングコマンドを受信している場合には開閉実行モード用の演出を終了させるための処理を実行する。また、遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれもが実行されていない状況においては、デモ表示演出を実行するための制御パターンテーブルを読み出す。
上記のとおり本パチンコ機10では、音光側MPU62にて予告演出の有無及び内容を決定するための予告抽選処理(ステップS404)が実行されるとともにリーチ演出の内容を決定するためのリーチ演出抽選処理(ステップS406)が実行される。これにより、主側MPU52において予告演出の有無及び内容を決定する必要がなく、さらにリーチ演出の内容を決定する必要がないため、遊技回用の演出の実行制御に関して主側MPU52の処理負荷を軽減することが可能となる。
但し、予告演出及びリーチ演出の両方が音光側MPU62にて抽選により決定されることに起因して、音光側MPU62にて選択される制御パターンテーブルT3により定まる変動表示時間が主側MPU52にて決定された変動表示時間と一致しないことが起こり得る。つまり、主側MPU52にて決定された変動表示時間と完全に一致させながら予告演出の抽選及びリーチ演出の抽選を実行しようとすると、主側MPU52にて決定され得る変動表示時間のそれぞれに対応させて複数種類の予告演出及び複数種類のリーチ演出をパチンコ機10の設計段階で用意する必要が生じる。この場合、予告演出の種類及びリーチ演出の種類が膨大なものとなってしまう。また、仮に、主側MPU52にて決定され得る変動表示時間のそれぞれに対応させて複数種類の予告演出及び複数種類のリーチ演出をパチンコ機10の設計段階で用意するとしても、主側MPU52にて決定された変動表示時間と完全に一致させながら予告演出の抽選及びリーチ演出の抽選を実行しようとすると、予告演出及びリーチ演出の設計に関して制約が生じてしまう。これに対して、本パチンコ機10では、制御パターンテーブルT3により定まる変動表示時間が主側MPU52にて決定された変動表示時間と一致しないことを許容しながら、遊技回用の演出の終了に際して待機表示及び確定表示が良好に行われる構成となっている。以下、当該構成について説明する。
図14(a)及び図14(b)は、テーブル設定処理(図10)における制御パターンテーブルの設定処理(ステップS408)にて制御パターンテーブルT3を設定する場合に利用される各種パーツテーブルT4〜T9を説明するための説明図である。
パーツテーブルT4〜T9は一の制御パターンテーブルT3の一部又は全部を生じさせるためのテーブルであり、音光側ROM63に予め記憶されている。パーツテーブルT4〜T9は複数のテーブル群に分類されており、一のテーブル群から読み出された一のパーツテーブルがそのまま一の制御パターンテーブルT3として利用される場合もあれば、各テーブル群から読み出したパーツテーブルを組合せることにより一の制御パターンテーブルT3を生じさせる場合もある。
テーブル群としては、第1期間用のテーブル群TG1と、第2期間用のテーブル群TG2とが存在している。第1期間用のテーブル群TG1には、遊技回用の演出にて上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順序で図柄の変動表示がスクロール表示から待機表示に切り換えられる場合における変動表示の開始から下図柄列Z3にて待機表示が開始されるまでの期間に対応するパーツテーブル、及び遊技回用の演出にて全ての図柄列Z1〜Z3において同時に待機表示に切り換えられる場合におけるその遊技回用の演出の全体期間に対応するパーツテーブルが含まれる。遊技回用の演出として予告演出が実行される場合には、その予告演出を実行するための制御データは第1期間用のテーブル群TG1に含まれるパーツテーブルT5,T6に設定されている。例えば第1予告演出を実行するための制御データは第1予告演出用のパーツテーブルT5に設定されており、第2予告演出を実行するための制御データは第2予告演出用のパーツテーブルT6に設定されている。また、予告演出が発生しない場合における遊技回の下図柄列Z3にて待機表示が開始されるまでの期間に対応する制御データは予告演出非発生用のパーツテーブルT4に設定されている。なお、第1期間用のテーブル群TG1には、上記例示したパーツテーブルT4〜T6以外のパーツテーブルも含まれる。
第2期間用のテーブル群TG2には、遊技回用の演出にて上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順序で図柄の変動表示がスクロール表示から待機表示に切り換えられる場合における下図柄列Z3にて待機表示が開始されてから中図柄列Z2にて待機表示が終了するまでの期間に対応するパーツテーブルが含まれる。遊技回用の演出としてリーチ演出が実行される場合には、そのリーチ演出を実行するための制御データは第2期間用のテーブル群TG2に含まれるパーツテーブルT7〜T9に設定されている。例えば第1リーチ演出を実行するための制御データは第1リーチ演出用のパーツテーブルT7に設定されており、第2リーチ演出を実行するための制御データは第2リーチ演出用のパーツテーブルT8に設定されており、第3リーチ演出を実行するための制御データは第3リーチ演出用のパーツテーブルT9に設定されている。なお、第2期間用のテーブル群TG2には上記例示したパーツテーブルT7〜T9以外のパーツテーブルも含まれる。当該パーツテーブルにはリーチ演出が実行されない場合におけるパーツテーブルも含まれる。
テーブル設定処理(図10)のステップS408における制御パターンテーブルの設定処理では、一のパーツテーブルを音光側ROM63における第1期間用のテーブル群TG1の中から読み出す。この場合、例えば外れ結果となる遊技回であって保留格納エリア54bに記憶されている保留情報の数が上限数である4個である場合に開始された遊技回であるといったように、今回の遊技回の変動表示時間が、図柄の変動表示のスクロール表示から待機表示への切り換えが全図柄列Z1〜Z3において同時に発生する変動表示時間に対応している場合には、その第1期間用テーブル群TG1の中から読み出した一のパーツテーブルをそのまま制御パターンテーブルT3として設定する。
一方、今回の遊技回の変動表示時間が、図柄の変動表示の待機表示への切り換えが各図柄列Z1〜Z3において順次発生する変動表示時間に対応している場合には、予告抽選処理(ステップS404)の結果に対応した一のパーツテーブルを音光側ROM63における第1期間用のテーブル群TG1の中から読み出す。また、リーチ演出が発生しない遊技回であれば今回の変動表示時間に対応する一のパーツテーブルを音光側ROM63における第2期間用のテーブル群TG2の中から読み出し、リーチ演出が発生する遊技回であればリーチ演出抽選処理(ステップS405)の結果に対応した一のパーツテーブルを音光側ROM63における第2期間用のテーブル群TG2の中から読み出す。そして、第1期間用のテーブル群TG1から読み出したパーツテーブルと、第2期間用のテーブル群TG2から読み出したパーツテーブルとを組合せることにより、一の制御パターンテーブルT3として設定する。
一のパーツテーブルがそのまま一の制御パターンテーブルT3として設定される状況においては、主側MPU52にて決定された一の変動表示時間に対応する制御パターンテーブルT3の種類が一義的に定まる。一方、複数のパーツテーブルを組合せることにより一の制御パターンテーブルT3が作成される状況においては、主側MPU52にて決定された一の変動表示時間に対応する制御パターンテーブルT3の種類が複数種類存在することとなる。例えば、図11(a)に示す予告抽選用テーブルT1を利用して予告抽選処理(ステップS404)が実行されるとともに図11(b)に示すリーチ抽選用テーブルT2を利用してリーチ演出抽選処理(ステップS406)が実行される状況においては、第1期間用のテーブル群TG1の中から予告演出非発生用のパーツテーブルT4、第1予告演出用のパーツテーブルT5及び第2予告演出用のパーツテーブルT6のいずれかが選択され、第2期間用のテーブル群TG2の中から第1リーチ演出用のパーツテーブルT7、第2リーチ演出用のパーツテーブルT8及び第3リーチ演出用のパーツテーブルT9のいずれかが選択される。
図15は、パーツテーブルT4〜T9により定められる変動表示時間を説明するための説明図である。図15(a1)は予告演出非発生用のパーツテーブルT4により定められる変動表示時間を示し、図15(a2)は第1予告演出用のパーツテーブルT5により定められる変動表示時間を示し、図15(a3)は第2予告演出用のパーツテーブルT6により定められる変動表示時間を示す。また、図15(b1)は第1リーチ演出用のパーツテーブルT7により定められる変動表示時間を示し、図15(b2)は第2リーチ演出用のパーツテーブルT8により定められる変動表示時間を示し、図15(b3)は第3リーチ演出用のパーツテーブルT9により定められる変動表示時間を示す。
図15(a1)〜図15(a3)に示すように、第1予告演出用のパーツテーブルT5により定められる変動表示時間は予告演出非発生用のパーツテーブルT4により定められる変動表示時間よりも時間(Ta1)分長く、第2予告演出用のパーツテーブルT6により定められる変動表示時間は第1予告演出用のパーツテーブルT5により定められる変動表示時間よりも時間(Ta2−Ta1)分長い。また、図15(b1)〜図15(b3)に示すように、第2リーチ演出用のパーツテーブルT8により定められる変動表示時間は第1リーチ演出用のパーツテーブルT7により定められる変動表示時間よりも時間(Tb1)分長く、第3リーチ演出用のパーツテーブルT9により定められる変動表示時間は第2リーチ演出用のパーツテーブルT8により定められる変動表示時間よりも時間(Tb2−Tb1)分長い。
上記構成において図11(a)に示す予告抽選用テーブルT1を利用して予告抽選処理(ステップS404)が実行されるとともに図11(b)に示すリーチ抽選用テーブルT2を利用してリーチ演出抽選処理(ステップS406)が実行された場合、制御パターンテーブルにより定められる変動表示時間が、使用対象となるパーツテーブルT4〜T9の組合せに応じて変動することとなる。具体的には、予告演出非発生用のパーツテーブルT4と第1リーチ演出用のパーツテーブルT7との組合せが選択された場合の変動表示時間が最短となり、第2予告演出用のパーツテーブルT6と第3リーチ演出用のパーツテーブルT9との組合せが選択された場合の変動表示時間が最長となるが、これら変動表示時間の差は(Ta2+Tb2)となる。したがって、主側MPU52から送信される一の変動用コマンドに対して、音光側MPU62にて決定される変動表示時間が異なるものとなり得る。
但し、一の変動用コマンドに対して選択され得る変動表示時間のうち最長の変動表示時間が、当該変動用コマンドに対応する変動表示時間、すなわち主側MPU52にて決定された変動表示時間以下となるように、変動用コマンド及び種別コマンドの組合せに対して選択される予告抽選用テーブルT1及びリーチ抽選用テーブルT2が設定されている。つまり、いずれの予告抽選用テーブルT1が使用される場合及びいずれのリーチ抽選用テーブルT2が使用される場合であっても、複数のパーツテーブルを組合せることにより作成される制御パターンテーブルに対応する変動表示時間は、主側MPU52にて決定された変動表示時間以下となっている。
一の変動用コマンドに対して選択され得る変動表示時間のうち最長の変動表示時間が、主側MPU52にて決定された変動表示時間以下となる構成においては、音光側RAM64の変動時間用カウンタ64aを利用して計測されている変動表示時間が経過する前に、制御パターンテーブルに設定されている最終ポインタに対応する制御が終了することとなる。これに対して、変動時間用カウンタ64aを利用して計測されている変動表示時間が経過する前に最終ポインタに対応する制御が終了した場合には、制御対象となるポインタの値が戻されて待機表示が継続される構成となっている。当該ポインタの値を戻すための処理について説明する。図16は、タイマ割込み処理(図9)のステップS305にて実行されるポインタ更新処理を示すフローチャートである。
ポインタ更新処理では、現状設定されている制御用テーブル(例えば制御パターンテーブル)において使用対象となる制御データを特定する場合に利用されるポインタ情報のうち参照対象とするポインタ情報の値を1加算する(ステップS501)。これにより、タイマ割込み処理(図9)の次回の処理回におけるコマンド選択処理(ステップS302)、発光制御処理(ステップS303)及び音出力制御処理(ステップS304)では今回更新されたポインタ情報の値に対応する制御データが使用される。
その後、参照対象となるポインタ情報の値が制御用テーブルにおいて定められている最終ポインタの値よりも大きく、さらに現状設定されている制御用テーブルが遊技回用の制御パターンテーブルであることを条件として(ステップS502及びステップS503:YES)、ポインタ情報の修正処理を実行する(ステップS504)。ポインタ情報の修正処理では、待機表示が開始されるタイミングに対応したポインタ情報に対応する制御データがタイマ割込み処理(図9)の次回の処理回におけるコマンド選択処理(ステップS302)、発光制御処理(ステップS303)及び音出力制御処理(ステップS304)にて使用されるように、参照対象となるポインタ情報の値を修正する。これにより、変動時間用カウンタ64aを利用して計測されている変動表示時間が経過する前に最終ポインタに対応する制御が終了したとしても、当該変動表示時間が経過するまで待機表示が継続されることとなる。
また、ポインタ情報の修正処理(ステップS504)を実行した場合、待機延長コマンドを表示CPU72に送信する(ステップS505)。表示CPU72は待機延長コマンドを受信した場合、待機表示が継続されるようにするためのデータテーブルの設定を行い、図柄表示装置41において待機表示が継続されるようにする。
次に、図17のタイムチャートを参照しながら、遊技回用の演出が実行される様子について説明する。図17(a)は遊技回の実行期間を示し、図17(b1)及び図17(b2)は第1期間用のテーブル群TG1から読み出されたパーツテーブルを利用した演出の実行制御が行われる期間である第1期間を示し、図17(c1)及び図17(c2)は第2期間用のテーブル群TG2から読み出されたパーツテーブルを利用した演出の実行制御が行われる期間である第2期間を示し、図17(d1)及び図17(d2)は待機表示期間を示し、図17(e1)及び図17(e2)は確定表示期間を示す。なお、図17(b1)、図17(c1)、図17(d1)及び図17(e1)は図11(a)に示す予告抽選用テーブルT1を利用して予告抽選処理(ステップS404)が実行されるとともに図11(b)に示すリーチ抽選用テーブルT2を利用してリーチ演出抽選処理(ステップS406)が実行された場合において最短の変動表示時間となる制御パターンテーブル(以下、最短対応テーブルという)が使用される場合を示し、図17(b2)、図17(c2)、図17(d2)及び図17(e2)は図11(a)に示す予告抽選用テーブルT1を利用して予告抽選処理(ステップS404)が実行されるとともに図11(b)に示すリーチ抽選用テーブルT2を利用してリーチ演出抽選処理(ステップS406)が実行された場合において最長の変動表示時間となる制御パターンテーブル(以下、最長対応テーブルという)が使用される場合を示す。
最短対応テーブルが使用される場合及び最長対応テーブルが使用される場合のいずれであっても、t1のタイミングで、図17(a)に示すように遊技回が開始されるとともに、図17(b1)及び図17(b2)に示すように第1期間が開始される。その後、最短対応テーブルが使用される場合には、t11のタイミングで図17(b1)及び図17(c1)に示すように第1期間が終了して第2期間が開始され、最長対応テーブルが使用される場合には、t21のタイミングで図17(b2)及び図17(c2)に示すように第1期間が終了して第2期間が開始される。
その後、最短対応テーブルが使用される場合には、t12のタイミングで図17(c1)及び図17(d1)に示すように第2期間が終了して待機表示期間が開始され、最長対応テーブルが使用される場合には、t22のタイミングで図17(c2)及び図17(d2)に示すように第2期間が終了して待機表示期間が開始される。この場合、最短対応テーブルが使用される状況では制御パターンテーブルにて定められている待機表示の終了タイミングが変動表示時間の経過タイミングよりも早いタイミングとなっているが、ポインタ更新処理(図16)にてポインタ情報の修正処理(ステップS504)が実行されることにより待機表示が継続されることとなる。
その後、最短対応テーブルが使用される場合及び最長対応テーブルが使用される場合のいずれであっても、t2のタイミングで、音光側RAM64の変動時間用カウンタ64aを利用して計測されている変動表示時間が経過する。したがって、最短対応テーブルが使用される場合であれば図17(d1)及び図17(e1)に示すように待機表示期間が終了して確定表示期間が開始され、最長対応テーブルが使用される場合であれば図17(d2)及び図17(e2)に示すように待機表示期間が終了して確定表示期間が開始される。そして、t3のタイミングで確定表示時間が経過することで、図17(e1)及び図17(e2)に示すように確定表示期間が終了し、図17(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
以上のとおり、光側MPU62にて予告演出の有無及び内容を決定するための予告抽選処理(ステップS404)が実行されるとともにリーチ演出の内容を決定するためのリーチ演出抽選処理(ステップS406)が実行される。これにより、主側MPU52において予告演出の有無及び内容を決定する必要がなく、さらにリーチ演出の内容を決定する必要がないため、遊技回用の演出の実行制御に関して主側MPU52の処理負荷の軽減が図られる。また、主側MPU52から送信される変動用コマンド及び種別コマンドの一の組合せに対して設定される演出態様を多様化させることが可能となる。
同一の変動用コマンドを主側MPU52から受信している場合であっても制御パターンテーブルにより定められる変動表示時間が相違し得るように、予告抽選処理の結果及びリーチ演出抽選処理の結果に対応する制御パターンテーブルが設定される。これにより、予告演出及びリーチ演出の設計を好適に行えるようにしながら、主側MPU52の処理負荷の軽減及び演出態様の多様化を実現することが可能となる。
同一の変動用コマンドを契機として選択された制御パターンテーブルにより定められる変動表示時間が相違し得る構成であっても、主側MPU52にて決定された変動表示時間に対応するタイミングで、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様が待機表示から確定表示に切り換えられる。これにより、制御パターンテーブルにより定められる変動表示時間が相違し得る構成であっても、主側MPU52により決定された変動表示時間に対応するタイミングで図柄表示装置41における遊技回用の演出を終了させることが可能となる。
同一の変動用コマンドを主側MPU52から受信している場合であっても使用対象となる制御パターンテーブルが相違し得る構成において、それら制御パターンテーブルにより決定される変動表示時間のうち最長の変動表示時間が主側MPU52により決定された変動表示時間以下に対応している。そして、主側MPU52により決定された変動表示時間よりも短いに変動表示時間に対応する制御パターンテーブルが使用対象となった場合、主側MPU52により決定された変動表示時間が経過するタイミングとなるまで、図柄表示装置41における図柄の変動表示態様は待機表示に維持される。これにより、いずれの制御パターンテーブルが使用対象となっている場合であっても、遊技回の終了に際して図柄表示装置41において待機表示から確定表示への切り換わりが発生することとなり、例えば所定の演出の途中で確定表示が突然開始されるといった事象や、図柄の確定表示が通常の確定表示期間よりも長い期間に亘って継続してしまうといった事象が発生しないようにすることが可能となる。
音光側RAM64に変動時間用カウンタ64aが設けられており、主側MPU52から受信した変動用コマンドに対応する変動表示時間が変動時間用カウンタ64aに設定されるとともに、当該変動時間用カウンタ64aを利用して計測している変動表示時間が経過した場合に図柄表示装置41における図柄の変動表示態様が確定表示に切り換えられる。これにより、同一の変動用コマンドを主側MPU52から受信している場合であっても制御パターンテーブルにより定められる変動表示時間が相違し得る構成において、確定表示の開始タイミングを示すコマンドを主側MPU52から送信しなくても、主側MPU52にて決定された変動表示時間に対応するタイミングで確定表示を開始することが可能となる。
なお、同一の変動用コマンドを主側MPU52から受信している場合であっても制御パターンテーブルにより定められる変動表示時間が相違し得る構成として、以下の構成を適用してもよい。
・第2期間用のテーブル群TG2に含まれる各種パーツテーブルT7〜T9は、これらパーツテーブルT7〜T9が使用される状況として想定される最長の変動表示時間よりも長い時間に対応する分の制御データが設定されているとともに、終了タイミングに続く後側の期間に対応する制御データとして待機表示を実行するための制御データが設定されている構成としてもよい。この場合、待機表示の実行期間を延長させるための修正処理を制御パターンテーブルに対して実行する必要がなくなる。但し、遊技回の変動表示時間が経過したタイミングでその制御パターンテーブルの使用を終了する必要がある。
・待機表示が開始された以降の演出の実行制御を行うための制御パターンテーブルが待機表示の開始前の演出の実行制御を行うための制御パターンテーブルとは別に設けられており、待機表示が開始された場合には待機表示用の制御パターンテーブルに基づき演出の実行制御が行われる状態に切り換わる構成としてもよい。この場合、いずれの遊技回であっても同一の待機表示用の制御パターンテーブルを使用する構成とすることで、待機表示用の制御パターンテーブルを様々な状況において兼用することが可能となる。当該構成においては、待機表示用の制御パターンテーブルは所定期間に亘って待機表示を行わせるためのテーブルとして設定されており、所定期間よりも長い期間に亘って待機表示を行わせる必要がある場合には待機表示用の制御パターンテーブルをループ使用する構成としてもよい。また、待機表示用の制御パターンテーブルを、待機表示が実行される期間として想定される最長期間以上に亘って待機表示を実行させることを可能とするテーブルとして設定し、遊技回の変動表示時間が経過した場合には当該待機表示用の制御パターンテーブルの使用を途中で終了する構成としてもよい。
・確定表示を開始するための時間の計測が音光側MPU62にて実行される構成に限定されることはなく、確定表示を開始させるタイミングとなった場合には主側MPU52から音光側MPU62にそれに対応するコマンドが送信され、当該コマンドを音光側MPU62にて受信した場合に当該音光側MPU62において確定表示を開始させるための処理が実行される構成としてもよい。
・同一の変動用コマンドを主側MPU52から受信している場合であっても使用対象となる制御パターンテーブルが相違し得る構成において、それら制御パターンテーブルにより決定される変動表示時間のうち最長の変動表示時間が主側MPU52により決定された変動表示時間以下に対応している構成に代えて、制御パターンテーブルにより決定される変動表示時間のうち最長の変動表示時間が主側MPU52により決定される変動表示時間よりも長い時間となり得る構成としてもよい。この場合、遊技回用の演出の実行途中で当該演出を終了させる必要が生じる。したがって、そのような場合には強制終了用の演出が発生するとともに、その強制終了用の演出にて対応する遊技回の大当たり発生抽選及び種別抽選の結果に対応する内容、より詳細には当該遊技回のテーブル設定処理(図10)における停止図柄決定処理(ステップS407)の決定結果に対応する内容が報知される構成としてもよい。より具体的には、図柄表示装置41にて待機表示よりも前の期間に対応するリーチ演出などの演出が実行されている途中であっても、変動表示時間が経過したタイミングでその遊技回の停止結果として決定されている図柄の組合せが突然停止表示されて、その図柄の組合せが停止表示された状態において確定表示が行われる構成としてもよい。
<表示CPU72の処理構成>
次に、表示CPU72にて実行される処理について説明する。図18は表示CPU72にて予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動されるV割込み処理を示すフローチャートである。
なお、VDP76は図柄表示装置41に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示面Pの左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始めて、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力するとともに、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力する。そして、表示面Pの右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合に、VDP76は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示CPU72へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示CPU72に認識させる。このV割込み信号の出力周期は1フレーム分の画像の更新周期と同一の20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。
V割込み処理では、まずコマンド解析処理を実行する(ステップS601)。具体的には、ワークRAM73のコマンドバッファに格納されているコマンドの内容を解析する。ここで、表示CPU72は音光側MPU62からストローブ信号を受信した場合、その時点で実行されている処理が何であったとしてもコマンド割込み処理を実行する。コマンド割込み処理では、入力ポート77にて受信しているコマンドを、ワークRAM73に設けられたコマンドバッファに転送する。
その後、コマンド解析処理の結果が新規コマンドを受信している結果に対応していることを条件として(ステップS602:YES)、コマンド対応処理を実行する(ステップS603)。コマンド対応処理では、受信しているコマンドに対応したプログラムを実行するための実行対象テーブルをメモリモジュール74から読み出す。実行対象テーブルとは、受信したコマンドに対応した動画を図柄表示装置41の表示面Pに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。
表示CPU72が音光側MPU62から受信するコマンドとしては、既に説明した変動開始時のコマンド、予告演出開始時のコマンド、ノーマルリーチ開始時のコマンド、スーパーリーチ開始時のコマンド、確定演出開始時のコマンド、待機表示開始時のコマンド、待機延長コマンド及び確定表示開始コマンドなどがある。これらのコマンドを受信した場合、それら各コマンドに対応した遊技回用の演出を図柄表示装置41にて実行するために必要な実行対象テーブルを読み出す。
ステップS602にて否定判定をした場合、又はステップS603の処理を実行した場合、タスク処理を実行する(ステップS604)。タスク処理では、使用対象として設定されている実行対象テーブルにおける今回の処理回の制御データを参照することで、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるためにVDP76に描画指示を行う上で必要な各種データの設定を行う。当該各種データとして具体的には、メモリモジュール74において制御対象の画像データが記憶されているエリアのアドレス情報、VRAM75において制御対象の画像データを転送するエリアのアドレス情報、制御対象の画像データを用いて描画データを作成すべき対象のフレーム領域82a,82bの情報、作成対象のフレーム領域82a,82bにおいて制御対象の画像データを書き込む際の座標の情報、当該画像データを書き込む際のスケールの情報、及び当該画像データを書き込む際の一律α値(半透明値)の情報などが存在している。
その後、描画リスト出力処理を実行する(ステップS605)。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP76に送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータ情報が合わせて設定される。VDP76では、この描画リストに従ってVRAM75のフレーム領域82a,82bに描画データを作成する。このVDP76における処理については後に詳細に説明する。
ステップS604のタスク処理について図19のフローチャートを参照しながら説明する。まず制御開始用の設定処理を実行する(ステップS701)。制御開始用の設定処理では、現状設定されている実行対象テーブルに基づいて、今回の処理回で制御開始対象となる個別画像が存在しているか否かを判定する。存在している場合には、ワークRAM73において、個別画像の制御を行う上で各種演算を行うための空きバッファ領域を検索して、制御開始対象として把握されている個別画像に1対1で対応するように空きバッファ領域を確保する。さらに、確保した全ての空きバッファ領域に対して初期化処理を実行するとともに、初期化した空きバッファ領域に対して、個別画像に応じた制御開始用のパラメータ情報を設定する。
その後、制御更新対象を把握する(ステップS702)。この制御更新対象は、制御開始処理が完了している個別画像であって今回の処理回以降に1フレーム分の画像に含まれる可能性がある個別画像が対象となる。
その後、背景用演算処理を実行する(ステップS703)。背景用演算処理では、背景の画像を構成することとなる最背面用の静止画像や背景用スプライトのうち今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、仮想2次元平面における座標、回転角度、スケール、一律α値及びαデータ指定などといった描画リストを作成する上で必要な各種パラメータ情報を演算して導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、ワークRAM73において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、演出用演算処理を実行する(ステップS704)。演出用演算処理では、リーチ演出、予告演出及び大当たり演出といった各種演出において表示対象となる演出の画像を構成する演出スプライトのうち今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、上記各種パラメータ情報を導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、ワークRAM73において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、図柄用演算処理を実行する(ステップS705)。図柄用演算処理では、各遊技回において変動表示の対象となる図柄のうち、今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、上記各種パラメータ情報を導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、ワークRAM73において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、描画指示対象の把握処理を実行する(ステップS706)。描画指示対象の把握処理では、上記ステップS703、ステップS704及びステップS705の各演算処理により制御更新対象となった各個別画像のうち、今回の描画データの作成指示に対応する1フレーム分の画像に含まれる個別画像を把握する処理を実行する。当該把握は、各種個別画像の座標、回転角度及びスケールの情報を参照して予め定められた演算を実行することで行われる。ここで把握された個別画像が、描画リストにおいて描画対象として設定される。このように描画リストにて指定する個別画像を、制御開始済みの全ての個別画像とするのではなく、表示対象の個別画像のみとすることで、VDP76において表示対象の個別画像を選別する必要がなく、また選別しないとしても表示対象ではない個別画像について無駄に描画処理を行う必要がなくなる。これにより、VDP76の処理負荷の低減が図られる。
<VDP76における基本的な処理>
次に、VDP76にて実行される基本的な処理について説明する。
VDP76では、表示CPU72から送信されたコマンドに基づいてレジスタ92の値を設定する処理、表示CPU72から送信された描画リストに基づいてフレームバッファ82のフレーム領域82a,82bに描画データを作成する処理、及びフレーム領域82a,82bに作成された描画データに基づいて図柄表示装置41に画像信号を出力する処理が実行される。
上記各処理のうち、レジスタ92の値を設定する処理は、表示CPU72用のI/F95に付随する図示しない回路によって、描画リストを受信した場合にその都度実行される。また、描画データを作成する処理は、予め定められた周期(例えば、1msec)で制御部91によって繰り返し起動される。また、画像信号を出力する処理は、表示回路94によって、予め定められた画像信号の出力開始タイミングとなることで実行される。
以下、上記描画データを作成する処理について詳細に説明する。当該処理の説明に先立ち、表示CPU72からVDP76に送信される描画リストの内容について説明する。図20(a)〜図20(c)は描画リストの内容を説明するための説明図である。
描画リストには、ヘッダ情報が設定されている。ヘッダ情報には、当該描画リストに対応する1フレーム分の画像を表示するための描画データを第1フレーム領域82a及び第2フレーム領域82bのうちいずれに描画するのかを示す情報であるターゲットバッファの情報が設定されている。また、ヘッダ情報には、デコード指定の有無及びデコード対象となる動画像データのアドレスの情報が設定されている。
描画リストには、上記ヘッダ情報以外にも、1フレーム分の画像を表示するために用いられる複数種類の画像データが設定されており、さらに各画像データの描画順序の情報と、各画像データのパラメータ情報とが設定されている。詳細には、描画順序の情報が連番の数値情報となるようにして設定されているとともに、各数値情報に1対1で対応させて使用する画像データの情報が設定されている。また、各画像データの情報に1対1で対応させてパラメータ情報が設定されている。
上記描画順序は、1フレーム分の画像において表示面P奥側に位置するように表示させたい個別画像から先に描画対象となるように設定されている。なお、個別画像とは、背景データといった静止画像データにより規定される一の静止画像や、図柄スプライトデータといったスプライトデータにより規定される一のスプライトのことである。図20(a)の描画リストでは、背景データが最初の描画対象として設定されているとともに、スプライトデータAが2番目、スプライトデータBが3番目、・・・として設定されている。したがって、描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、最初に背景データが書き込まれ、その後に当該背景データに重なるようにしてスプライトデータAが書き込まれ、さらにスプライトデータBが書き込まれる。なお、1フレーム分の画像においては、背景画像→演出画像→図柄の順序で手前側となるように、各個別画像が表示される。
パラメータ情報P(1),P(2),P(3),・・・には、複数種類のパラメータが設定されている。背景データのパラメータP(1)について具体的には、図20(b)に示すように、メモリモジュール74において背景データが記憶されているエリアのアドレスの情報と、VRAM75において背景データを転送するエリアのアドレスの情報と、背景データを書き込む場合における仮想2次元平面上の位置を示す座標の情報と、背景データを書き込む場合における仮想2次元平面上の回転角度を示す回転角度の情報と、背景データの初期状態として設定されているサイズに対して、フレーム領域82a,82bに書き込む際の倍率を示すスケールの情報と、背景データを書き込む場合における全体の透過情報(又は透明情報)を示す一律α値の情報と、αデータの適用有無及び適用対象を示すαデータ指定の情報とが設定されている。上記パラメータの種類は、図20(c)に示すように、スプライトデータAについても同様である。
座標の情報は、画像データを構成する全ピクセルについて個別に設定されるのではなく、一の画像データに対して一の座標の情報が設定される。具体的には、座標の情報が指定される基準ピクセルとして画像データの中心の1ピクセルが設定されている。VDP76では、指定される座標の情報が画像データの中心の1ピクセルであることを認識可能となっており、画像データの配置に際してはその中心の1ピクセルが指定された座標上となるようにする。これにより、表示CPU72において一の画像データに対して指定すべき座標の情報の情報容量(すなわちデータ量)を抑えることができる。また、表示CPU72やVDP76において画像データの全ピクセルについて座標を認識可能としておく必要がないため、プログラムの簡素化も図られる。
ちなみに、上記基準ピクセルは中心の1ピクセルに限定されることはなく、例えば左上や右上といった隅角のピクセルであってもよい。スプライトデータや静止画像データは基本的に矩形状として規定されているため、隅角のピクセルを基準ピクセルとすることで、表示CPU72やVDP76において基準ピクセルの認識を行い易くなる。
また、一律α値とは、一の画像データの全ピクセルに対して適用される透過情報のことであり、表示CPU72における演算結果として導出される数値情報である。当該一律α値は、画像データの全ピクセルに一律で適用される。一方、αデータとは、背景データやスプライトデータの各ピクセル単位で適用される透過情報のことであり、画像データとしてメモリモジュール74に予め記憶されている。当該αデータは、同一の背景データ又は同一のスプライトデータの範囲内において各ピクセル単位で透過情報を相違させることができる。このαデータは、一律α値を設定するためのプログラムデータに比べデータ容量が大きい。
上記のように一律α値とαデータとが設定されていることにより、背景データやスプライトデータの透過度をピクセル単位で細かく制御するのではなく全ピクセルに対して一律で制御すればよい状況では一律α値で対応することができることで必要なデータ容量の削減が図られるとともに、αデータを適用することによって透過度をピクセル単位で細かく制御することも可能となる。
VDP76における描画処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS801では、既に受信している描画リストにて指示された描画データの作成が完了しているか否かを判定する。描画データの作成が完了している場合には、ステップS802にて、表示CPU72から新たな描画リストを受信しているか否かを判定する。新たな描画リストを受信している場合には、ステップS803にて、受信時の対応処理を実行する。
受信時の対応処理では、描画リストに含まれるターゲットバッファの情報から、今回受信した描画リストに対応した1フレーム分の描画データをいずれのフレーム領域82a,82bに描画するのかを把握する。
続くステップS804では、内容把握処理を実行する。内容把握処理では、描画リストに読み出し対象として設定されている画像データをメモリモジュール74から読み出しVRAM75の展開用バッファ81に書き込む。また、内容把握処理では、描画リストにおいて描画対象として最初に設定されている画像データの種類を把握するとともに、当該画像データの各種パラメータ情報を把握する。書き込み処理では、ステップS804における内容把握処理の把握結果に基づいて、作成対象として設定されているフレーム領域82a,82bに今回の描画対象の画像データを書き込む。
一方、ステップS801にて、既に受信している描画リストにて指示された描画データの作成途中であると判定した場合には、ステップS806にて描画リストのカウンタの更新処理を実行する。これにより、描画対象が次の描画順序の画像データに切り換えられる。そして、当該切り換えられた画像データについて、上記ステップS804及びステップS805の処理を実行する。つまり、描画処理が複数回実行されることで、一の描画リストにより指示された1フレーム分の画像の描画データが作成される。
なお、1回の描画処理で1個の画像データのみが処理される構成に限定されることはなく、1回の描画処理で複数個の画像データが処理される構成としてもよく、また描画処理の各処理回において同一個数の画像データが処理される構成に限定されることはなく、描画処理の各処理回において異なる個数の画像データが処理される構成としてもよい。
ステップS802にて否定判定した場合、又はステップS805の処理を実行した後は、ステップS807にて、表示回路94において1フレーム分の画像信号出力が完了しているか否かを判定する。完了していない場合にはそのまま本描画処理を終了し、完了している場合にはステップS808にて表示CPU72にV割込み信号を出力した後に、本描画処理を終了する。
上記1フレーム分の描画データの作成は20msec周期の範囲内で完了するように行われる。また、作成された描画データに基づいて表示回路94から図柄表示装置41に画像信号が出力されるが、既に説明したとおりダブルバッファ方式が採用されているため、当該画像信号の出力は当該出力に対応するフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する描画データの作成と並行して行われる。なお、表示回路94は1フレーム分の画像信号の出力が完了する毎に参照対象とするフレーム領域82a,82bを交互に切り換えるセレクタ回路を有しており、当該セレクタ回路による切換によって、制御部91において描画データの描画対象となっているフレーム領域82a,82bが画像信号を出力するための出力対象とならないように規制されている。
<実行対象テーブルを兼用するための構成>
次に、実行対象テーブルを兼用するための構成について説明する。
本パチンコ機10では各遊技回において図柄表示装置41に設定された図柄列Z1〜Z3にて図柄の変動表示が行われる(図4(a)参照)。図柄列Z1〜Z3は上段・中段・下段というように複数列設定されている。各図柄列Z1〜Z3においては、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順又は降順となるように配列されており、さらに各主図柄の間に数字が付されていない副図柄が1つずつ配置されている。そして、遊技回が開始される場合には、前回の遊技回において最終的に停止表示された図柄の表示態様から、各図柄列Z1〜Z3において図柄の配列順序に従って所定の向きにスクロールするように図柄の変動表示が行われる。その後、各図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が停止される。この場合、各遊技回において最終的に停止表示される図柄の表示態様が相違し得るため、遊技回が開始される場合に各図柄列Z1〜Z3において表示されている図柄の種類は相違し得る。
図柄の変動表示態様の一例を図22のタイムチャートを参照しながら説明する。図22(a)は遊技回の実行期間を示し、図22(b)は全図柄列Z1〜Z3における加速期間を示し、図22(c)は全図柄列Z1〜Z3における高速期間を示し、図22(d)は上図柄列Z1の低速期間を示し、図22(e)は下図柄列Z3の低速期間を示し、図22(f)は中図柄列Z2の低速期間を示す。
t1のタイミングで図22(a)に示すように遊技回が開始される。当該t1のタイミングでは、図22(b)に示すように全図柄列Z1〜Z3において図柄の変動表示速度が徐々に高速となるような動画表示が行われる。この場合の変動表示速度は、各図柄列Z1〜Z3において表示されている図柄の種類を識別可能又は識別し易い変動表示速度である。このように加速期間が存在していることにより、各遊技回において図柄の変動表示が開始される場合の開始態様を一定の態様とすることが可能となり、遊技回が開始されたことを遊技者が認識し易くなる。
その後、t2のタイミングで、図22(b)に示すように加速期間が終了し、図22(c)に示すように全ての図柄列Z1〜Z3において高速で変動表示が行われる高速期間となる。高速期間では、全ての図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示速度が、図柄の種類を識別不可又は識別しづらい変動表示速度となる。高速期間において表示面Pに表示される図柄の種類の調整が行われる。これにより、今回の遊技回の開始時に各図柄列Z1〜Z3に表示されている図柄の種類に関係なく今回の遊技回の停止結果が決定される構成において、図柄表示装置41の表示態様に対して遊技者に違和感を与えないようにしながら、各図柄列Z1〜Z3にて待機表示及び静止表示される図柄の種類を調整することが可能となる。
その後、t3のタイミングで、図22(d)に示すように上図柄列Z1において図柄の変動表示速度が高速から低速に切り換えられる。低速表示が行われる場合、図柄の種類を識別可能又は識別し易い変動表示速度で図柄の変動表示が行われる。この場合、上図柄列Z1においてのみ低速表示が行われ、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては高速表示が継続される。
その後、t4のタイミングで、図22(d)に示すように上図柄列Z1の低速期間が終了することで、上図柄列Z1においては図柄のスクロール表示が終了して待機表示が開始される。また、当該t4のタイミングで、図22(e)に示すように下図柄列Z3において図柄の変動表示速度が高速から低速に切り換えられる。この場合、下図柄列Z3においてのみ低速表示が行われ、中図柄列Z2においては高速表示が継続されるとともに上図柄列Z1においては待機表示が継続される。
その後、t5のタイミング図22(e)に示すように下図柄列Z3の低速期間が終了することで、下図柄列Z3においては図柄のスクロール表示が終了して待機表示が開始される。また、当該t5のタイミングで、図22(f)に示すように中図柄列Z2において図柄の変動表示速度が高速から低速に切り換えられる。この場合、中図柄列Z2においてのみ低速表示が行われ、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においては待機表示が継続される。
その後、t6のタイミングで、図22(f)に示すように中図柄列Z2の低速期間が終了することで、中図柄列Z2においては図柄のスクロール表示が終了して待機表示が開始される。この場合、全図柄列Z1〜Z3において待機表示が行われる状態となり、その後に全図柄列Z1〜Z3において静止表示が行われることとなる。
各図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示に際しては、メモリモジュール74に予め記憶された実行対象テーブルが読み出され、当該実行対象テーブルに従って表示CPU72により表示面Pに表示する図柄の種類が決定されるとともに、表示対象となる図柄の配置位置といった各種パラメータが決定される。ここで、各遊技回の開始時に各図柄列Z1〜Z3にて停止表示されている図柄の種類、及び各遊技回の終了時に各図柄列Z1〜Z3にて停止表示される図柄の種類は、遊技回ごとに相違し得る。例えば、図23(a)に示すような停止表示態様から図柄の変動表示が開始されることもあれば、図23(b)に示すような停止表示態様から図柄の変動表示が開始されることもある。また、例えば、図23(a)に示すような停止表示態様で遊技回が終了する場合もあれば、図23(b)に示すような停止表示態様で遊技回が終了する場合もある。この場合に、それぞれのパターンに応じて実行対象テーブルを予め用意しようとすると、遊技回の変動表示の開始時における停止表示態様として取り得る態様のそれぞれに対応させて実行対象テーブルを用意する必要が生じるとともに、遊技回の終了時における停止表示態様として取り得る態様のそれぞれに対応させて実行対象テーブルを用意する必要が生じる。そうすると、実行対象テーブルの種類が極端に多くなり、実行対象テーブルを予め記憶するために必要な記憶容量が増大化してしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、遊技回の変動表示の開始時における停止表示態様に関係なく共通の実行対象テーブルを使用するとともに、遊技回の終了時における停止表示態様に関係なく共通の実行対象テーブルを使用する構成となっている。当該共通の実行対象テーブルについて説明する。
実行対象テーブルは、加速期間、高速期間及び低速期間のそれぞれに対応させて設けられている。この場合、加速期間については、全図柄列Z1〜Z3に対して共通となるように実行対象テーブルが設けられている。一方、高速期間及び低速期間については、図柄列Z1〜Z3間においては共通させて設けられておらず、図柄列Z1〜Z3のそれぞれに対応させて実行対象テーブルが設けられている。なお、実行対象テーブルは、全図柄列Z1〜Z3の加速期間、全図柄列Z1〜Z3の高速期間、上図柄列Z1の低速期間及び下図柄列Z3の低速期間についてはリーチ演出の発生有無に関係なく使用されるが、中図柄列Z2の低速期間についてはリーチ演出が発生しない場合にのみ使用される。リーチ演出が発生する場合には、中図柄列Z2の低速期間については共通の実行対象テーブルは使用されずに、各リーチ演出に対応する専用の実行対象テーブルが使用される。
実行対象テーブルはメモリモジュール74に予め記憶されている。詳細には、図24(a)の説明図に示すようにメモリモジュール74には、加速期間における全図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された加速期間用記憶エリア101と、高速期間における上図柄列Z1の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された第1高速期間用記憶エリア102と、低速期間における上図柄列Z1の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された第1低速期間用記憶エリア103と、高速期間における中図柄列Z2の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された第2高速期間用記憶エリア104と、低速期間における中図柄列Z2の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された第2低速期間用記憶エリア105と、高速期間における下図柄列Z3の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された第3高速期間用記憶エリア106と、低速期間における下図柄列Z3の図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが予め記憶された第3低速期間用記憶エリア107と、が設けられている。
加速期間、高速期間及び低速期間は遊技回の変動表示時間との関係で一定ではなく、それぞれ期間の長短が存在するように複数種類存在している。この場合に、加速期間用記憶エリア101に記憶されている加速期間用の実行対象テーブルは1種類のみであり、当該加速期間用の実行対象テーブルにより制御可能な加速期間は遊技回の変動表示時間との関係で定められる複数種類の加速期間のうち最長の加速期間以上の期間となっている。これにより、いずれの種類の加速期間が遊技回の変動表示時間との関係で選択されたとしても、その1種類の加速期間用の実行対象テーブルを使用することが可能となる。
第1高速期間用記憶エリア102、第2高速期間用記憶エリア104及び第3高速期間用記憶エリア106のそれぞれには高速期間用の実行対象テーブルが1種類のみ記憶されている。第1高速期間用記憶エリア102に記憶されている第1高速期間用の実行対象テーブルにより制御可能な高速期間は、遊技回の変動表示時間との関係で定められる上図柄列Z1の複数種類の高速期間のうち最長の高速期間以上の期間となっている。また、第2高速期間用記憶エリア104に記憶されている第2高速期間用の実行対象テーブルにより制御可能な高速期間は、遊技回の変動表示時間との関係で定められる中図柄列Z2の複数種類の高速期間のうち最長の高速期間以上の期間となっている。また、第3高速期間用記憶エリア106に記憶されている第3高速期間用の実行対象テーブルにより制御可能な高速期間は、遊技回の変動表示時間との関係で定められる下図柄列Z3の複数種類の高速期間のうち最長の高速期間以上の期間となっている。これにより、各図柄列Z1〜Z3においていずれの種類の高速期間が遊技回の変動表示時間との関係で選択されたとしても、各図柄列Z1〜Z3のそれぞれについて1種類の高速期間用の実行対象テーブルを使用することが可能となる。
第1低速期間用記憶エリア103、第2低速期間用記憶エリア105及び第3低速期間用記憶エリア107のそれぞれには低速期間用の実行対象テーブルが複数種類記憶されている。つまり、第1低速期間用記憶エリア103には上図柄列Z1の低速期間の種類と1対1で対応するように第1低速期間用の実行対象テーブルが複数種類記憶されており、第2低速期間用記憶エリア105には中図柄列Z2の低速期間の種類と1対1で対応するように第2低速期間用の実行対象テーブルが複数種類記憶されており、第3低速期間用記憶エリア107には下図柄列Z3の低速期間の種類と1対1で対応するように第3低速期間用の実行対象テーブルが複数種類記憶されている。このように低速期間の種類ごとに低速期間用の実行対象テーブルが用意されていることにより、当該低速期間用の実行対象テーブルを利用して図柄の変動表示を制御することによって各低速期間に対応するタイミングで図柄の待機表示及び図柄の静止表示を実行することが可能となる。
図25(a)は加速期間用記憶エリア101に予め記憶されている加速期間用の実行対象テーブルT10を説明するための説明図であり、図25(b)は第1高速期間用記憶エリア102に予め記憶されている第1高速期間用の実行対象テーブルT11を説明するための説明図であり、図26は第1低速期間用記憶エリア103に予め記憶されている第1低速期間用の実行対象テーブルT12を説明するための説明図である。なお、第2高速期間用の実行対象テーブル及び第3高速期間用の実行対象テーブルは、ポインタ情報の最大値が第1高速期間用の実行対象テーブルT11とは異なるものの、その他の点は第1高速期間用の実行対象テーブルT11と同一である。また、第1低速期間用記憶エリア103に記憶されている第1低速期間用の実行対象テーブルT12とは異なる種類の実行対象テーブル、第2低速期間用の実行対象テーブル及び第3低速期間用の実行対象テーブルは、ポインタ情報の最大値が第1低速期間用の実行対象テーブルT12とは異なるものの、その他の点は第1低速期間用の実行対象テーブルT12と同一である。
図25(a)、図25(b)及び図26に示すように、各実行対象テーブルT10〜T12には、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応するポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、表示図柄の調整エリアと、タスクの内容の情報とが設定されている。
表示図柄の調整エリアには表示対象となる図柄の種類を特定するための情報が設定される。具体的には、表示図柄の調整エリアには、対応する図柄列Z1〜Z3において1個の図柄に対応する情報が設定される。ここで、各図柄列Z1〜Z3には同時に3個の図柄が表示されることとなるが、表示図柄の調整エリアに設定される情報は図柄の移動方向において先頭に存在している図柄の種類の情報に対応している。また、既に説明したとおり図柄列Z1〜Z3に配列されている図柄の総数は相違しており、具体的には上図柄列Z1と下図柄列Z3とは主図柄と副図柄とを合わせて18個の図柄が配列されているのに対して、中図柄列Z2は主図柄と副図柄とを合わせて20個の図柄が配列されている。したがって、上図柄列Z1及び下図柄列Z3における図柄の変動表示を制御するために実行対象テーブルが利用される場合には表示図柄の調整エリアには「1」〜「18」のいずれかに対応する情報が設定され、中図柄列Z2における図柄の変動表示を制御するために実行対象テーブルが利用される場合には表示図柄の調整エリアには「1」〜「20」のいずれかに対応する情報が設定される。
例えば、上図柄列Z1における図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルにおいて所定のポインタ情報に対応する表示図柄の調整エリアに「1」が設定されている場合には、その所定のポインタ情報に対応するフレームにおいては「1」の主図柄、「1」と「9」の間の副図柄、及び「9」の主図柄が表示対象となる。また、表示図柄の調整エリアに「2」が設定されている場合には、その所定のポインタ情報に対応するフレームにおいては「1」と「9」の間の副図柄、「9」の主図柄、及び「9」と「8」の間の副図柄が表示対象となる。
図柄列Z1〜Z3においては既に説明したとおり図柄がスクロール表示されることとなるが、スクロール表示の対象となる図柄の種類は複数フレームに亘って同一となる。したがって、表示図柄の調整エリアには、連続する複数のポインタ情報に亘って同一の図柄の情報が設定されることとなる。そして、表示図柄の調整エリアに設定される情報がポインタ情報の値が大きくなるに従って変更されることにより、対応する図柄列Z1〜Z3において表示対象となる図柄の種類が変更されることとなる。
タスクの内容の情報には、各フレームにおいて使用対象となる図柄の配置位置(すなわちフレームバッファ82における書き込み対象のフレーム領域82a,82bにおける描画位置)を示す座標の情報及び使用対象となる図柄のサイズを示すスケールの情報などといったパラメータ情報が設定されている。この場合、座標の情報には、対応するフレームにおいて表示対象となる3個の図柄の各配置位置を決定付ける情報が設定されている。したがって、表示図柄の調整エリアの情報から特定される表示対象の3個の図柄のそれぞれに対応した座標の情報を、タスクの内容の情報から特定することが可能である。例えば、上図柄列Z1に適用される実行対象テーブルにおいて連続する複数のポインタ情報の表示図柄の調整エリアに「1」が設定されている場合、これら複数のポインタ情報に対応するタスクの内容の情報には、対応する図柄列における「1」の主図柄、「1」と「9」の間の副図柄、及び「9」の主図柄のそれぞれの配置位置がスクロール表示の方向に徐々に変化するような座標の情報が設定されている。
上記のように表示図柄の調整エリアに設定された情報に対応する複数の図柄が表示対象となり、タスクの内容の情報においてそれら複数の図柄のパラメータ情報が設定される構成において、表示図柄の調整エリアは、メモリモジュール74からワークRAM73に実行対象テーブルが読み出された後において表示CPU72による制御により書き換え可能なエリアとなっている。この書き換えは、対応する実行対象テーブルの使用を開始するタイミングにおいて、対応する図柄列Z1〜Z3で表示対象となっている図柄の種類に応じて行われる。また、図柄のスクロール表示が行われることにより、対応する図柄列Z1〜Z3にて表示対象となる3個の図柄の種類は時間の経過に伴って変化する。この表示対象となる3個の図柄の種類の切り換わりタイミングは各実行対象テーブルT10〜T12において予め定められている。したがって、表示図柄の調整エリアの書き換えに際しては、最初のポインタ情報から次の切り換えタイミングに対応するポインタ情報を一のポインタ群とするとともに、一の切り換えタイミングと次の切り換えタイミングとの間に含まれるポインタ情報を一のポインタ群とした場合に、一のポインタ群に含まれる各ポインタ情報に対応する表示図柄の調整エリアには同一の図柄の情報が設定され、異なるポインタ群間においては異なる図柄の情報が設定される。
各実行対象テーブルT10〜T12における表示図柄の調整エリアには既に説明したとおり表示対象となる図柄の種類を特定するための情報が設定されるが、表示図柄の調整エリアに設定する情報を表示CPU72にて特定するためのエリアとして、図24(b)の説明図に示すように、ワークRAM73には第1調整用カウンタ111、第2調整用カウンタ112及び第3調整用カウンタ113が設けられている。第1調整用カウンタ111は上図柄列Z1に対応しており、第2調整用カウンタ112は中図柄列Z2に対応しており、第3調整用カウンタ113は下図柄列Z3に対応している。
各調整用カウンタ111〜113には、対応する図柄列Z1〜Z3において図柄が右から左に移動する場合の先頭に存在している図柄の種類の情報が設定される。表示CPU72は、各図柄列Z1〜Z3の先頭に存在している図柄が次の順番の図柄に変更される度にその図柄列Z1〜Z3に対応する調整用カウンタ111〜113の値をその変更後の図柄の種類の情報に更新する。これにより、各調整用カウンタ111〜113に設定されている情報が、対応する図柄列Z1〜Z3の先頭に存在している図柄の種類に常に対応することとなる。表示CPU72は、所定の実行対象テーブルによる図柄の変動表示の制御を開始する場合、調整用カウンタ111〜113に設定されている図柄の種類の情報に対応する情報をその所定の実行対象テーブルにおける表示図柄の調整エリアに設定する。
上図柄列Z1における図柄の変動表示を開始する場合において図23(a)に示すように上図柄列Z1の先頭の図柄が「3」の主図柄である場合、第1調整用カウンタ111の値は「5」となる。ここで、各調整用カウンタ111〜113に設定される値と先頭の図柄の種類との関係について、図27の説明図を参照しながら説明する。既に説明したとおり上図柄列Z1及び下図柄列Z3は主図柄と副図柄とを合わせて合計18個の図柄が配列されているのに対して、中図柄列Z2は主図柄と副図柄とを合わせて合計20個の図柄が配列されているため、対応する調整用カウンタ111〜113において取り得る値の種類数が異なる。
第1調整用カウンタ111及び第3調整用カウンタ113の場合、図27(a)に示すように、「1」〜「18」の値を取り得るとともに、各値は上図柄列Z1及び下図柄列Z3のそれぞれにおける合計18個の各図柄と1対1で対応している。この場合、奇数が主図柄に対応しており、偶数が副図柄に対応している。また、上図柄列Z1においては主図柄が右から左へのスクロール方向に対して降順で配列されているのに対して、下図柄列Z3においては主図柄が右から左へのスクロール方向に対して昇順で配列されているが、第1調整用カウンタ111及び第3調整用カウンタ113において取り得る値と先頭の図柄の種類との関係は、第1調整用カウンタ111と第3調整用カウンタ113との間において同一である。
第2調整用カウンタ112の場合、図27(b)に示すように、「1」〜「20」の値を取り得るとともに、各値は中図柄列Z2における合計20個の各図柄と1対1で対応している。この場合、「1」〜「18」の値と先頭の図柄の種類との関係は、第1調整用カウンタ111及び第3調整用カウンタ113の場合と同一である。また、「19」の値は「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に付加的に配列された「4」の主図柄に対応しており、「20」の値は当該「4」の主図柄と「1」の主図柄との間の副図柄に対応している。
上図柄列Z1における加速期間、高速期間及び低速期間の図柄の変動表示の態様を設定する場合を例に挙げて、表示図柄の調整エリアに対する情報の設定態様について説明する。図28(a)は加速期間用の実行対象テーブルT10を説明するための説明図であり、図28(b)は第1高速期間用の実行対象テーブルT11を説明するための説明図であり、図29は第1低速期間用の実行対象テーブルT12を説明するための説明図である。なお、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のそれぞれに対応する実行対象テーブルの表示図柄の調整エリアに対する情報の設定態様は、上図柄列Z1は図柄の配列態様が降順であるのに対して中図柄列Z2及び下図柄列Z3は図柄の配列態様が昇順である点で相違するものの、その他の点は、上図柄列Z1に対応する実行対象テーブルの表示図柄の調整エリアに対する情報の設定態様と同一である。
図23(a)に示す状態で遊技回用の演出が開始される場合、第1調整用カウンタ111の値は「5」となっている。また、上図柄列Z1においては主図柄が右から左へのスクロール方向に対して降順となるように図柄が配列されている。したがって、加速期間用記憶エリア101から読み出された加速期間用の実行対象テーブルT10であって上図柄列Z1に対応するテーブルにおける表示図柄の調整エリアには、図28(a)に示すように、最初のポインタ群に対しては現状の先頭の図柄に対応する「5」が設定され、この場合の制御対象の図柄は、「3」の主図柄と、「3」と「2」の間の副図柄と、「2」の主図柄となる。また、次の順番のポインタ群に対しては現状の先頭の図柄に対して次の順番の図柄に対応する「4」が設定され、その次の順番のポインタ群に対しては当該次の順番の図柄に対して次の順番の図柄に対応する「3」が設定され、その次の順番のポインタ群に対しては当該次の順番の図柄に対して次の順番の図柄に対応する「2」が設定される。つまり、後側のポインタ群に向けて数字が降順となるようにして表示図柄の調整エリアに対する数値設定が行われる。
上記のように表示図柄の調整エリアが設定された加速期間用の実行対象テーブルT10による上図柄列Z1の加速期間の制御が完了した場合、第1調整用カウンタ111の値は「1」となっている。したがって、第1高速期間用記憶エリア102から読み出された第1高速期間用の実行対象テーブルT11における表示図柄の調整エリアには、図28(b)に示すように、最初のポインタ群に対しては現状の先頭の図柄に対応する「1」が設定され、次の順番のポインタ群に対しては現状の先頭の図柄に対して次の順番の図柄に対応する「18」が設定される。つまり、上図柄列Z1においては18個の図柄が右から左へスクロールしながら循環することとなるため、表示図柄の調整エリアに「1」が設定されているポインタ群に対して次の順番に存在しているポインタ群における表示図柄の調整エリアには「18」が設定される。また、それ以降のポインタ群に対しては、連番であって数字の降順となるように表示図柄の調整エリアに値が設定される。
ここで、既に説明したとおり第1高速期間用の実行対象テーブルT11により制御可能な高速期間は、遊技回の変動表示時間との関係で定められる上図柄列Z1の複数種類の高速期間のうち最長の高速期間以上の期間となっている。この場合、第1高速期間用の実行対象テーブルT11の使用タイミングとなった場合には、今回の高速期間とは無関係に、第1高速期間用の実行対象テーブルT11における表示図柄の調整エリアの全てに対して値の設定が行われるものの、今回の高速期間の終了タイミングに対応するポインタ群による制御が完了した段階で第1高速期間用の実行対象テーブルT11による制御を終了し、第1低速期間用の実行対象テーブルT12による制御に切り換わる。この場合、今回の高速期間の終了タイミングに対応するポインタ群における最後のポインタ情報に対応する制御が完了した場合に、第1高速期間用の実行対象テーブルT11による制御が終了する。
なお、これは加速期間用の実行対象テーブルT10についても同様である。つまり、既に説明したとおり加速期間用の実行対象テーブルT10により制御可能な加速期間は、遊技回の変動表示時間との関係で定められる各図柄列Z1〜Z3の複数種類の加速期間のうち最長の加速期間以上の期間となっている。この場合、加速期間用の実行対象テーブルT10の使用タイミングとなった場合には、今回の加速期間とは無関係に、加速期間用の実行対象テーブルT10における表示図柄の調整エリアの全てに対して値の設定が行われるものの、今回の加速期間の終了タイミングに対応するポインタ群による制御が完了した段階で加速期間用の実行対象テーブルT10による制御を終了し、第1高速期間用の実行対象テーブルT11による制御に切り換わる。この場合、今回の加速期間の終了タイミングに対応するポインタ群における最後のポインタ情報に対応する制御が完了した場合に、加速期間用の実行対象テーブルT10による制御が終了する。
図28(b)において表示図柄の調整エリアに「17」が設定されているポインタ群が今回の高速期間の終了タイミングに対応している場合、第1調整用カウンタ111の値は「16」となっている。したがって、第1低速期間用記憶エリア103から読み出された第1低速期間用の実行対象テーブルT12における表示図柄の調整エリアには、図29に示すように、最初のポインタ群に対しては現状の先頭の図柄に対応する「16」が設定され、それ以降のポインタ群に対しては、連番であって数字の降順となるように表示図柄の調整エリアに値が設定される。
以上のように調整用カウンタ111〜113の値を利用して、実行対象テーブルT10〜T12における表示図柄の調整エリアの値が設定される。これにより、実行対象テーブルT10〜T12が複数種類の状況に対して兼用される構成であっても、図柄表示装置41に表示されている図柄の種類に対応する態様で当該図柄の変動表示を制御することが可能となる。
以下、実行対象テーブルを兼用しながら図柄の変動表示を制御するための具体的な処理構成を説明する。図30は、表示CPU72にて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。なお、コマンド対応処理はV割込み処理(図18)におけるステップS603にて実行される。
主制御装置50のMPU52から変動開始用のコマンドを受信している場合(ステップS901:YES)、加速期間用記憶エリア101から加速期間用の実行対象テーブルをワークRAM73に読み出す(ステップS902)。この場合、加速期間用の実行対象テーブルは上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のそれぞれに対応させて読み出されるため、ワークRAM73には合計3個の加速期間用の実行対象テーブルが読み出される。但し、これら3個の加速期間用の実行対象テーブルはいずれも同一種類のテーブルである。
その後、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のそれぞれについて高速期間用の実行対象テーブルを各高速期間用記憶エリア102,104,106からワークRAM73に読み出す(ステップS903)。具体的には、第1高速期間用記憶エリア102から上図柄列Z1に対応する第1高速期間用の実行対象テーブルを読み出し、第2高速期間用記憶エリア104から中図柄列Z2に対応する第2高速期間用の実行対象テーブルを読み出し、第3高速期間用記憶エリア106から下図柄列Z3に対応する第3高速期間用の実行対象テーブルを読み出す。
その後、変動開始用のコマンドに含まれる今回の遊技回における変動表示時間の情報から今回の遊技回においてリーチ演出が発生するか否かを判定する(ステップS904)。リーチ演出が発生しない場合(ステップS904:NO)、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のそれぞれについて今回の遊技回の変動表示時間に対応する低速期間用の実行対象テーブルを各低速期間用記憶エリア103,105,107からワークRAM73に読み出す(ステップS905)。既に説明したとおり低速期間は各図柄列Z1〜Z3のそれぞれにおいて複数種類設定されているが、その低速期間は遊技回の変動表示時間と対応している。したがって、ステップS905では、今回の遊技回の変動表示時間に対応する低速期間用の実行対象テーブルを読み出す。具体的には、第1低速期間用記憶エリア103から今回の変動表示時間(すなわち今回の上図柄列Z1の低速期間)に対応する第1低速期間用の実行対象テーブルを読み出し、第2低速期間用記憶エリア105から今回の変動表示時間(すなわち今回の中図柄列Z2の低速期間)に対応する第2低速期間用の実行対象テーブルを読み出し、第3低速期間用記憶エリア107から今回の変動表示時間(すなわち今回の下図柄列Z3の低速期間)に対応する第3低速期間用の実行対象テーブルを読み出す。
リーチ演出が発生する場合(ステップS904:YES)、上図柄列Z1及び下図柄列Z3のそれぞれについて今回の遊技回の変動表示時間に対応する低速期間用の実行対象テーブルを第1低速期間用記憶エリア103及び第3低速期間用記憶エリア107からワークRAM73に読み出す(ステップS906)。具体的には、第1低速期間用記憶エリア103から今回の変動表示時間(すなわち今回の上図柄列Z1の低速期間)に対応する第1低速期間用の実行対象テーブルを読み出し、第3低速期間用記憶エリア107から今回の変動表示時間(すなわち今回の下図柄列Z3の低速期間)に対応する第3低速期間用の実行対象テーブルを読み出す。その後、今回のリーチ演出に対応する専用の実行対象テーブルをメモリモジュール74からワークRAM73に読み出す(ステップS907)。
ステップS905又はステップS907の処理を実行した場合、ステップS902にて読み出した各加速期間用の実行対象テーブルにおける表示図柄の調整エリアに対して、各調整用カウンタ111〜113の値に対応する情報の設定処理を実行する(ステップS908)。当該設定処理では、上図柄列Z1における図柄の変動表示を制御するために読み出された加速期間用の実行対象テーブルについては、最初のポインタ群に対応する表示図柄の調整エリアに対して第1調整用カウンタ111の値を設定し、それ以降のポインタ群に対しては、ポインタ群ごとに連番であって数字の降順となるように表示図柄の調整エリアに値を設定する。また、中図柄列Z2における図柄の変動表示を制御するために読み出された加速期間用の実行対象テーブルについては、最初のポインタ群に対応する表示図柄の調整エリアに対して第2調整用カウンタ112の値を設定し、それ以降のポインタ群に対しては、ポインタ群ごとに連番であって数字の昇順となるように表示図柄の調整エリアに値を設定する。また、下図柄列Z3における図柄の変動表示を制御するために読み出された加速期間用の実行対象テーブルについては、最初のポインタ群に対応する表示図柄の調整エリアに対して第3調整用カウンタ113の値を設定し、それ以降のポインタ群に対しては、ポインタ群ごとに連番であって数字の昇順となるように表示図柄の調整エリアに値を設定する。
ステップS901にて否定判定をした場合、又はステップS908の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS909)。その他の処理では、変動開始用のコマンドとは異なるコマンドを受信している場合に、その受信したコマンドに対応する処理を実行する。
次に、表示CPU72にて実行される通常変動用演算処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。通常変動用演算処理は、遊技回用の演出が実行されている状況であってリーチ演出が行われていない状況において、タスク処理(図19)におけるステップS705の図柄用演算処理にて実行される。
まず第1調整用カウンタ111の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS1001)。第1調整用カウンタ111の更新タイミングとは、上図柄列Z1に関して使用対象となっている実行対象テーブルにおいて現状の参照対象となっているポインタ情報が一のポインタ群における最後の順番のポインタ情報となっている場合が該当する。第1調整用カウンタ111の更新タイミングである場合(ステップS1001:YES)、第1調整用カウンタ111の値を1減算する(ステップS1002)。そして、その1減算後における第1調整用カウンタ111の値が「0」となっている場合(ステップS1003:YES)、第1調整用カウンタ111に最大値である「18」をセットする(ステップS1004)。
ステップS1005では、第2調整用カウンタ112又は第3調整用カウンタ113の更新タイミングであるか否かを判定する。第2調整用カウンタ112の更新タイミングとは、中図柄列Z2に関して使用対象となっている実行対象テーブルにおいて現状の参照対象となっているポインタ情報が一のポインタ群における最後の順番のポインタ情報となっている場合が該当する。第3調整用カウンタ113の更新タイミングとは、下図柄列Z3に関して使用対象となっている実行対象テーブルにおいて現状の参照対象となっているポインタ情報が一のポインタ群における最後の順番のポインタ情報となっている場合が該当する。
第2調整用カウンタ112又は第3調整用カウンタ113の更新タイミングである場合(ステップS1005:YES)、今回の更新対象の調整用カウンタ112,113の値を1加算する(ステップS1006)。この場合、第2調整用カウンタ112及び第3調整用カウンタ113のうち一方のみが更新対象となる場合もあれば、第2調整用カウンタ112及び第3調整用カウンタ113の両方が更新対象となる場合もある。その後、その1加算後における更新対象の調整用カウンタ112,113の値が最大値を超えているか否かを判定する(ステップS1007)。この場合、第2調整用カウンタ112は最大値が「20」であり、第3調整用カウンタ113は最大値が「18」である。更新対象の調整用カウンタ112,113の値が最大値を超えている場合、その最大値が超えた調整用カウンタ112,113の値を最小値である「1」に設定する(ステップS1008)。
ステップS1009では、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のそれぞれにおいて使用対象となっている実行対象テーブルの中に切り換えタイミングとなっているテーブルが存在しているか否かを判定する。当該切り換えタイミングは、加速期間であれば、加速期間用の実行対象テーブルにおける現状のポインタ情報が、今回の遊技回の変動表示時間に対応する加速期間の終了タイミングに対応するポインタ群の最後のポインタ情報である場合が該当する。加速期間は全図柄列Z1〜Z3において一定であるため、加速期間用の実行対象テーブルから高速期間用の実行対象テーブルへの切り換えタイミングは全図柄列Z1〜Z3において同時に発生する。また、切り換えタイミングは、高速期間であれば、高速期間用の実行対象テーブルにおける現状のポインタ情報が、対応する図柄列Z1〜Z3において今回の遊技回の変動表示時間に対応する高速期間の終了タイミングに対応するポインタ群の最後のポインタ情報である場合が該当する。高速期間は各図柄列Z1〜Z3において異なるため、高速期間用の実行対象テーブルから低速期間用の実行対象テーブルへの切り換えタイミングは各図柄列Z1〜Z3において個別に発生する。
上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のいずれかについて、実行対象テーブルの切り換えタイミングである場合(ステップS1009:YES)、使用対象の実行対象テーブルの変更処理を実行する(ステップS1010)。この場合、切り換えタイミングに該当している図柄列Z1〜Z3の全てについて使用対象の実行対象テーブルを変更する。当該変更処理では、加速期間用の実行対象テーブルが使用対象となっている場合には、コマンド対応処理(図30)におけるステップS903にて既にワークRAM73に読み出されている高速期間用の実行対象テーブルに使用対象を変更し、高速期間用の実行対象テーブルが使用対象となっている場合には、コマンド対応処理(図30)におけるステップS905〜ステップS907にて既にワークRAM73に読み出されている実行対象テーブルに使用対象を変更する。
その後、新たに使用対象として決定された実行対象テーブルにおける表示図柄の調整エリアに対して、その実行対象テーブルに対応する調整用カウンタ111〜113の値に基づく設定処理を実行する。当該設定処理の内容は、図28及び図29を参照しながら説明した内容の通りである。これにより、新たに使用対象として決定された実行対象テーブルの内容が現状の図柄の表示内容に対応する態様に変更される。
ステップS1009にて否定判定をした場合、又はステップS1011の処理を実行した場合、ポインタ更新処理を実行する(ステップS1012)。ポインタ更新処理では、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3のそれぞれについて、使用対象となっている実行対象テーブルにおいて参照対象となっているポインタ情報を次の順番のポインタ情報に更新する。但し、通常変動用演算処理の今回の処理回において使用対象の実行対象テーブルが変更された図柄列Z1〜Z3についてはポインタ情報の更新処理を実行しない。
その後、各図柄列Z1〜Z3について表示対象となる図柄に対応する画像データの種類を把握する(ステップS1013)。この把握に際しては、各図柄列Z1〜Z3のそれぞれで使用対象となっている実行対象テーブルにおいて現状のポインタ情報に対応する表示図柄の調整エリアの値からその実行対象テーブルに対応する図柄列Z1〜Z3における先頭の図柄の種類を把握するとともに、その後に続く2種類の図柄の種類を把握する。また、このような図柄の種類の把握を全ての図柄列Z1〜Z3について行う。
その後、今回の表示対象となる全ての図柄の各種パラメータ情報を、各図柄列Z1〜Z3のそれぞれで使用対象となっている実行対象テーブルにおいて現状のポインタ情報に対応するタスクの内容から把握する。当該パラメータ情報として、上図柄列Z1における3個の図柄の座標、中図柄列Z2における3個の図柄の座標及び下図柄列Z3における3個の図柄の座標が含まれる。
上記のように通常変動用演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、ステップS1013にて把握した図柄が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、それら図柄に適用するパラメータ情報が設定される。
以上のとおり、図柄の変動表示を制御するための実行対象テーブルが様々な状況において兼用されるため、メモリモジュール74に予め記憶しておく実行対象テーブルの数を少なくすることが可能となる。よって、メモリモジュール74において実行対象テーブルを予め記憶しておくために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、実行対象テーブルが兼用される構成であったとしても、表示対象となる図柄の種類は調整用カウンタ111〜113を利用して調整されるため、図柄の変動表示を適切に制御することが可能となる。
加速期間用の実行対象テーブルは1種類のみであり、当該加速期間用の実行対象テーブルにより制御可能な加速期間は遊技回の変動表示時間との関係で定められる複数種類の加速期間のうち最長の加速期間以上の期間となっている。そして、いずれの種類の加速期間であったとしてもその加速期間用の実行対象テーブルが利用され、実行対象の加速期間の種類との関係で当該実行対象テーブルにおいて参照されるポインタ情報の範囲が変更される。これにより、加速期間用の実行対象テーブルの数を抑えることが可能となり、メモリモジュール74において実行対象テーブルを予め記憶しておくために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。特に、1種類の加速期間用の実行対象テーブルが全図柄列Z1〜Z3に対して共通して使用される。この点からも、加速期間用の実行対象テーブルの数を抑えることが可能となる。
各図柄列Z1〜Z3のそれぞれに対して用意されている高速期間用の実行対象テーブルは1種類のみであり、各高速期間用の実行対象テーブルにより制御可能な高速期間は対応する図柄列Z1〜Z3について遊技回の変動表示時間との関係で定められる複数種類の高速期間のうち最長の高速期間以上の期間となっている。そして、一の図柄列Z1〜Z3に関して、いずれの種類の高速期間であったとしても1種類の高速期間用の実行対象テーブルが利用され、実行対象の高速期間の種類との関係で当該実行対象テーブルにおいて参照されるポインタ情報の範囲が変更される。これにより、高速期間用の実行対象テーブルの数を抑えることが可能となり、メモリモジュール74において実行対象テーブルを予め記憶しておくために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
上記のように加速期間用の実行対象テーブル及び高速期間用の実行対象テーブルの数が少なく抑えられた構成であっても、実行対象テーブルの切り換えは参照対象となっているポインタ群における最後の順番のポインタ情報による制御が完了したタイミングで行われる。これにより、新たに使用対象となった実行対象テーブルにおいては一のポインタ群における最初の順番のポインタ情報から制御を開始すればよいため、実行対象テーブルの切り換えを適切に行うことが可能となる。
各実行対象テーブルには、各ポインタ情報におけるタスクの内容に1対1で対応させて表示図柄の調整エリアが設定されている。そして、この表示図柄の調整エリアに設定される情報が調整されることにより、各タスクの内容が適用される図柄の種類が変更される。これにより、各実行対象テーブルを参照するだけで、各更新タイミングにおいてタスクの内容の情報を適用する対象の図柄の種類を把握することが可能となる。
また、実行対象テーブルの使用を開始する場合に当該実行対象テーブルに含まれる表示図柄の調整エリアのそれぞれに対して図柄の種類の情報が設定される。これにより、実行対象テーブルを利用した制御の実行途中で当該実行対象テーブルについての表示図柄の調整エリアの情報を変更するための処理を実行する必要がないため、遊技回用の演出の実行途中における処理構成を簡素化することが可能となる。
<実行対象テーブルの兼用に関する別形態>
・実行対象テーブルに表示図柄の調整エリアが設けられていない構成としてもよい。この場合、実行対象テーブルには対応する調整用カウンタ111〜113の値を切り換える契機の情報とタスクの情報とが少なくとも設定されている構成とすることにより、表示対象となる図柄の種類は調整用カウンタ111〜113から把握することが可能となる。本構成によれば、実行対象テーブルに表示図柄の調整エリアを設定しておく必要がない点で、実行対象テーブルのデータ容量を抑えることが可能となる。
・一の実行対象テーブルを利用した制御期間において全ての種類の個別画像が制御対象となる場合、当該実行対象テーブルの適用対象となる個別画像の種類は常に一定となるものの、当該実行対象テーブルの適用対象となる個別画像の順番が遊技回毎に相違し得ることとなる。したがって、この場合、実行対象テーブルの適用対象となる個別画像の種類は調整されないものの、実行対象テーブルの適用対象となる個別画像の順番が調整されることとなる。
・複数種類の個別画像のうち1種類の個別画像のみを利用して特定変動表示が行われる構成に対して、上記のように実行対象テーブルを兼用する構成を適用してもよい。この場合、実行対象テーブルにおいては特定変動表示の実行対象となる個別画像の動作内容を決定付けるための情報が時系列で設定されており、その情報の適用対象となる個別画像の種類が調整されることとなる。
・加速期間用の実行対象テーブルが全図柄列Z1〜Z3に対して共通して設けられている構成に代えて、加速期間用の実行対象テーブルが図柄列Z1〜Z3毎に設けられている構成としてもよい。また、高速期間用の実行対象テーブルが全図柄列Z1〜Z3に対して共通して使用されるように設けられている構成としてもよい。
・加速期間用の実行対象テーブル及び高速期間用の実行対象テーブルの切り換えは参照対象となっているポインタ群における最後の順番のポインタ情報による制御が完了したタイミングで行われる構成に限定されることはなく、他のポインタ情報による制御が完了したタイミングであってもよい。但し、当該切り換えが発生するタイミングはいずれの加速期間又は高速期間であったとしても、ポインタ群における所定の順番のポインタ情報による制御が完了したタイミングとして設定されていることが好ましい。
<ループ表示演出を行うための構成>
次に、ループ表示演出を行うための構成について説明する。
図32(a)及び図32(b)はループ表示演出の内容を説明するための説明図である。ループ表示演出では、図32(a)に示すように、主制御装置50のMPU62における当否判定の結果に対応した内容の報知を可能とする図柄G1〜G3の後方にループ表示用キャラクタG4が表示されるとともに、当該ループ表示用キャラクタG4の後方にループ表示用背景G5が表示される。なお、ループ表示演出においては図柄G1〜G3の種類が図4(b)の場合とは異なる種類となるとともに、複数列の図柄列における図柄の変動表示の態様も図4(b)の場合とは異なる態様となる。具体的には、立方体形状のベース図柄画像G6〜G8が横方向に3個並設するようにして表示されるとともに、各ベース図柄画像G6〜G8の前面に数字による図柄G1〜G3が表示される。そして、図柄の変動表示に際しては、ベース図柄画像G6〜G8の中央を通るようにして水平方向に延びる回転軸を中心としてベース図柄画像G6〜G8が縦方向に回転し、その回転に伴い各ベース図柄画像G6〜G8の前面に表示される図柄G1〜G3が変更される。図4(b)に示す図柄の表示態様と図32(a)に示す図柄の表示態様との間の変更契機は任意であるが、例えば複数種類の表示モードが存在しており第1表示モードにおいては図4(b)に示す図柄の表示態様となり第2表示モードにおいては図32(a)に示す図柄の表示態様となる構成としてもよい。
ループ表示演出においてループ表示用キャラクタG4は、一連の動作を繰り返し行うように表示される。具体的には、ベース図柄画像G6〜G8の回転表示が行われていない状況では、図32(a)に示すように、停留しているような表示状態において停留中単位期間に亘って停留中動作を行うとともにその停留中動作を繰り返すように、ループ表示用キャラクタG4が表示される(なお、当該表示内容を停留中表示ともいう)。停留中動作としては、例えばループ表示用キャラクタG4が腕組みをした状態で上下動しているような動作が考えられる。一方、いずれかのベース図柄画像G6〜G8において回転表示が行われている状況では、図32(b)に示すように、所定方向へと移動しているような表示状態において移動中単位期間に亘って移動中動作を行うとともにその移動中動作を繰り返すように、ループ表示用キャラクタG4が表示される(なお、当該表示内容を移動中表示ともいう)。移動中動作としては、例えばループ表示用キャラクタG4が所定方向へと走っているような動作が考えられる。
ループ表示演出においてループ表示用背景G5は、ループ表示用キャラクタG4が停留中動作を行っている状況では、図32(a)に示すように、背景のスクロールが発生することはなく、1箇所の背景が表示され続けていると遊技者が認識することが可能なように表示される。一方、ループ表示用キャラクタG4が移動中動作を行っている状況では、図32(b)に示すように、当該ループ表示用キャラクタG4が所定方向へと移動しているかのように表示されることに伴って、当該所定方向とは逆方向に背景画像がスクロールしているように、ループ表示用背景G5が表示される。この場合、ループ表示用背景G5は、背景移動単位期間に亘って一連の背景画像がスクロールするように表示されるとともに、背景移動単位期間が経過する度にその一連の背景画像のスクロールが繰り返されるように表示される。
ループ表示演出の流れについて、図33のタイムチャートを参照しながら説明する。図33(a)は遊技回の実行期間を示し、図33(b)は移動中動作が行われている状況におけるループ表示用キャラクタG4の周期的な表示の流れを示し、図33(c)は停留中動作が行われている状況におけるループ表示用キャラクタG4の周期的な表示の流れを示し、図33(d)はループ表示用背景G5のスクロール表示の流れを示す。
t1のタイミングで、図33(a)に示すように遊技回が開始されることにより、図柄G1〜G3の変動表示が開始される。また、当該t1のタイミングで、図33(b)及び図33(c)に示すように、ループ表示用キャラクタG4は停留中動作を行っている途中の状態から移動中動作を開始するとともに、図33(d)に示すように、ループ表示用背景G5においてもスクロール表示を開始する。
その後、今回の遊技回が終了するタイミングであるt6のタイミングまで、ループ表示用キャラクタG4において移動中動作が繰り返されるとともに、ループ表示用背景G5において一連の背景画像のスクロール表示が繰り返される。詳細には、ループ表示用キャラクタG4は、t1のタイミング〜t2のタイミング、t2のタイミング〜t3のタイミング、t3のタイミング〜t4のタイミングのそれぞれの移動中単位期間Tc1において移動中動作の1実行回が行われる。この場合、移動中動作の1実行回が終了するt2のタイミングで移動中動作の次の1実行回が開始され、移動中動作の1実行回が終了するt3のタイミングで移動中動作の次の1実行回が開始され、移動中動作の1実行回が終了するt4のタイミングで移動中動作の次の1実行回が開始される。また、移動中動作の各実行回の開始タイミングにおけるループ表示用キャラクタG4の表示態様はそれぞれ同一であるとともに、移動中動作の実行回の開始タイミングから同一の時間が経過したタイミングにおけるループ表示用キャラクタG4の表示態様はそれぞれ同一である。
また、ループ表示用背景G5は、t1のタイミング〜t5のタイミングの背景移動単位期間Tc2において一連の背景画像のスクロール表示の1実行回が行われる。この場合、一連の背景画像のスクロール表示の1実行回が終了するt5のタイミングで当該スクロール表示の次の1実行回が開始される。また、当該スクロール表示の各実行回の開始タイミングにおけるループ表示用背景G5の表示態様はそれぞれ同一であるとともに、当該スクロール表示の実行回の開始タイミングから同一の時間が経過したタイミングにおけるループ表示用背景G5の表示態様はそれぞれ同一である。
上記構成において移動中単位期間Tc1は背景移動単位期間Tc2よりも短い期間となっている。したがって、ループ表示用キャラクタG4における移動中動作の1実行回とループ表示用背景G5における一連の背景画像のスクロール表示の1実行回とが同時に開始されたとしても、それら各実行回の終了タイミングは相違することとなる。また、1回の遊技回において移動中動作の1実行回が行われる回数と、1回の遊技回において一連の背景画像のスクロール表示の1実行回が行われる回数とは相違し得る。
その後、t6のタイミングで、図33(a)に示すように遊技回の終了タイミングとなることにより、図33(b)及び図33(c)に示すように、ループ表示用キャラクタG4は移動中動作を行っている状態から停留中動作を行う状態に切り換えられるとともに、図33(d)に示すように、ループ表示用背景G5は一連の背景画像のスクロール表示を行っている状態から停止表示されている状態に切り換えられる。この場合、t6のタイミングはループ表示用キャラクタG4における移動中動作の1実行回の途中のタイミングではあるものの、当該移動中動作はその途中のタイミングで終了されて停留中動作が開始される。また、t6のタイミングはループ表示用背景G5における一連の背景画像のスクロール表示において1実行回の途中のタイミングであり、そのt6のタイミングで表示されている状態でループ表示用背景G5の停止表示が開始される。
t6のタイミングでループ表示用キャラクタG4にて停留中動作が開始され、次の遊技回が開始されるタイミングであるt10のタイミングまで、ループ表示用キャラクタG4において停留中動作が繰り返される。詳細には、ループ表示用キャラクタG4は、t6のタイミング〜t7のタイミング、t7のタイミング〜t8のタイミング、t8のタイミング〜t9のタイミングのそれぞれの停留中単位期間Tc3において停留中動作の1実行回が行われる。この場合、停留中動作の1実行回が終了するt7のタイミングで停留中動作の次の1実行回が開始され、停留中動作の1実行回が終了するt8のタイミングで停留中動作の次の1実行回が開始され、停留中動作の1実行回が終了するt9のタイミングで停留中動作の次の1実行回が開始される。また、停留中動作の各実行回の開始タイミングにおけるループ表示用キャラクタG4の表示態様はそれぞれ同一であるとともに、停留中動作の実行回の開始タイミングから同一の時間が経過したタイミングにおけるループ表示用キャラクタG4の表示態様はそれぞれ同一である。停留中単位期間Tc3は移動中単位期間Tc1よりも短い期間となっている。したがって、同一の実行期間で比較した場合において、停留中動作の1実行回の回数の方が移動中動作の1実行回の回数よりも多くなる。
その後、t10のタイミングで、図33(a)に示すように遊技回が新たに開始される。この場合、当該t10のタイミングは、図33(c)に示すようにループ表示用キャラクタG4は停留中動作の1実行回の途中のタイミングであるものの、ループ表示用キャラクタG4は停留中動作を行っている途中の状態から移動中動作を開始する。そして、ループ表示用キャラクタG4はt1のタイミング〜t6のタイミングの場合と同様に移動中動作を繰り返し実行する。
一方、ループ表示用背景G5は、図33(d)に示すように、前回の遊技回がt6のタイミングで終了した場合にその時点における背景画像の内容で停止表示され、その停止表示された状態がt10のタイミングまで継続されている。したがって、新たな遊技回が開始されたt10のタイミングにおいて、その停止表示された状態から一連の背景画像のスクロール表示が再開される。つまり、t6のタイミング〜t10のタイミングに亘って一連の背景画像のスクロール表示が一旦停止された状態となり、t10のタイミングでt6のタイミングまでの流れを引き継いだ状態で一連の背景画像のスクロール表示が再開されることとなる。
上記のようにスクロール表示演出が実行される場合、ループ表示用キャラクタG4及びループ表示用背景G5が共に図柄G1〜G3の後方において表示され、遊技回の実行中にはループ表示用キャラクタG4及びループ表示用背景G5の両方において所定期間に亘る一連の表示が繰り返されるものの、遊技回が実行されていない状況ではループ表示用キャラクタG4においては停留中動作が繰り返されるのに対して、ループ表示用背景G5においては一連の背景画像のスクロール表示が停止表示される。この場合に、ループ表示用キャラクタG4とループ表示用背景G5とを表示制御するためのテーブルが同一のテーブルとして設定されていると、非遊技回中のテーブルを用意するとともにその非遊技回中のテーブルをループ表示用背景G5において停止表示され得るタイミングの全てに対応する数分用意する、又はループ表示用背景G5において停止表示されるタイミングを固定する必要が生じてしまう。非遊技回中のテーブルをループ表示用背景G5において停止表示され得るタイミングの全てに対応する数分用意しようとすると、当該テーブルの数が多くなりメモリモジュール74の記憶容量を圧迫してしまい、ループ表示用背景G5において停止表示されるタイミングを固定しようとすると、遊技回が終了するタイミングと関係なく非遊技回中におけるループ表示用背景G5の表示態様が画一化してしまう。
これに対して、本実施形態ではループ表示用キャラクタG4を表示制御するためのテーブルと、ループ表示用背景G5を表示制御するためのテーブルとが別々に用意されている。以下、ループ表示演出を実行するためにメモリモジュール74に予め記憶されているデータの内容について、図34(a)の説明図を参照しながら説明する。
ループ表示演出を行うためのデータとしてメモリモジュール74には、図34(a)に示すように、ループ表示用の画像データ群121が予め記憶されている。ループ表示用の画像データ群121には、ベース図柄画像G6〜G8を表示するための画像データ、ベース図柄画像G6〜G8において図柄G1〜G3を表示させるための画像データ、ループ表示用キャラクタG4を表示するための画像データ、及びループ表示用背景G5を表示するための画像データが含まれている。この場合、ループ表示用キャラクタG4を表示するための画像データには、停留中動作を行わせる場合に利用される複数種類の画像データと移動中動作を行わせる場合に利用される複数種類の画像データとが含まれている。また、ループ表示用背景G5を表示するための画像データも複数種類存在している。
メモリモジュール74には、ループ表示用の画像データ群121以外にも、キャラクタ停留用テーブル122、キャラクタ移動用テーブル123及び背景用テーブル124が予め記憶されている。キャラクタ停留用テーブル122は、ループ表示用キャラクタG4に停留中動作を繰り返し行わせるために参照されるテーブルである。キャラクタ移動用テーブル123は、ループ表示用キャラクタG4に移動中動作を繰り返し行わせるために参照されるテーブルである。背景用テーブル124は、ループ表示用キャラクタG4にて移動中動作が行われている状況において一連の背景画像をスクロールさせるために参照されるテーブルである。
図35(a)はキャラクタ停留用テーブル122を説明するための説明図であり、図35(b)はキャラクタ移動用テーブル123を説明するための説明図であり、図35(c)は背景用テーブル124を説明するための説明図である。図35(a)〜図35(c)に示すように、各テーブル122〜124には、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応するポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させてタスクの内容の情報が設定されている。タスクの内容の情報には、対応する各フレームにおいて表示対象となる画像データの種類を特定するための情報が設定されているとともに、表示対象として設定されている画像データの配置位置(すなわちフレームバッファ82における書き込み対象のフレーム領域82a,82bにおける描画位置)を示す座標の情報及び表示対象として設定されている画像データのサイズを示すスケールの情報などといったパラメータ情報が設定されている。
各テーブルについて詳細には、キャラクタ停留用テーブル122は、停留中単位期間Tc3に対応するフレーム数分のポインタ情報(「0」〜「99」)が設定されている。各ポインタ情報に対応するタスクの内容には、当該ポインタ情報に対応するフレームにおいてループ表示用キャラクタG4にて停留中動作の一タイミングにおける表示を行わせるための当該ループ表示用キャラクタG4の画像データの種類及び当該画像データに適用するためのパラメータ情報が設定されている。1フレーム分の画像の描画タイミングとなった場合、前回の描画タイミングにおいて参照対象となったポインタ情報に対して次のポインタ情報が今回の参照対象となり、そのポインタ情報に対応するタスクの内容に従ってループ表示用キャラクタG4の表示制御が実行されることにより、ループ表示用キャラクタG4において停留中動作が行われる。また、ループ表示用キャラクタG4に停留中動作を行わせる期間においてキャラクタ停留用テーブル122の最後のポインタ情報に対応する表示制御が完了した場合、参照対象となるポインタ情報がキャラクタ停留用テーブル122の最初のポインタ情報に戻ることとなる。これにより、停留中動作の1実行回分に対応する表示制御のデータが設定されたキャラクタ停留用テーブル122を利用して、停留中動作を繰り返し実行させることが可能となる。
キャラクタ移動用テーブル123は、移動中単位期間Tc1に対応するフレーム数分のポインタ情報(「0」〜「199」)が設定されている。各ポインタ情報に対応するタスクの内容には、当該ポインタ情報に対応するフレームにおいてループ表示用キャラクタG4にて移動中動作の一タイミングにおける表示を行わせるための当該ループ表示用キャラクタG4の画像データの種類及び当該画像データに適用するためのパラメータ情報が設定されている。1フレーム分の画像の描画タイミングとなった場合、前回の描画タイミングにおいて参照対象となったポインタ情報に対して次のポインタ情報が今回の参照対象となり、そのポインタ情報に対応するタスクの内容に従ってループ表示用キャラクタG4の表示制御が実行されることにより、ループ表示用キャラクタG4において移動中動作が行われる。また、ループ表示用キャラクタG4に移動中動作を行わせる期間においてキャラクタ移動用テーブル123の最後のポインタ情報に対応する表示制御が完了した場合、参照対象となるポインタ情報がキャラクタ移動用テーブル123の最初のポインタ情報に戻ることとなる。これにより、移動中動作の1実行回分に対応する表示制御のデータが設定されたキャラクタ移動用テーブル123を利用して、移動中動作を繰り返し実行させることが可能となる。
背景用テーブル124は、背景移動単位期間Tc2に対応するフレーム数分のポインタ情報(「0」〜「599」)が設定されている。各ポインタ情報に対応するタスクの内容には、当該ポインタ情報に対応するフレームにおいてループ表示用背景G5にてスクロール表示の一タイミングにおける表示を行わせるための当該ループ表示用背景G5の画像データの種類及び当該画像データに適用するためのパラメータ情報が設定されている。1フレーム分の画像の描画タイミングとなった場合、前回の描画タイミングにおいて参照対象となったポインタ情報に対して次のポインタ情報が今回の参照対象となり、そのポインタ情報に対応するタスクの内容に従ってループ表示用背景G5の表示制御が実行されることにより、ループ表示用背景G5において一連の背景画像のスクロール表示が行われる。また、ループ表示用背景G5に当該スクロール表示を行わせる期間において背景用テーブル124の最後のポインタ情報に対応する表示制御が完了した場合、参照対象となるポインタ情報が背景用テーブル124の最初のポインタ情報に戻ることとなる。これにより、スクロール表示の1実行分に対応する表示制御のデータが設定された背景用テーブル124を利用して、スクロール表示を繰り返し実行させることが可能となる。
ループ表示用キャラクタG4を表示制御するためのテーブル122,123と、ループ表示用背景G5を表示制御するためのテーブル124とが別々に設けられた構成において、ループ表示用キャラクタG4における停留中動作の開始とループ表示用背景G5のスクロール表示の停止とを同期させるとともに、ループ表示用キャラクタG4における移動中動作の開始とループ表示用背景G5のスクロール表示の開始とを同期させるべく、図34(b)に示すように、ワークRAM73には連動用フラグ125が設けられている。連動用フラグ125に「1」がセットされている状態がループ表示用キャラクタG4において移動中動作が行われている状況に該当し、当該連動用フラグ125に「1」がセットされている状況においてはループ表示用背景G5のスクロール表示が行われる。一方、連動用フラグが「0」となっている状態がループ表示用キャラクタG4において停留中動作が行われている状況に該当し、当該連動用フラグ125が「0」である状況においてはループ表示用背景G5のスクロール表示が停止される。
以上のようにループ表示用キャラクタG4を表示制御するためのテーブル122,123と、ループ表示用背景G5を表示制御するためのテーブル124とが別々に用意されていることにより、遊技回が終了するタイミングとなった場合には背景用テーブル124についてはポインタ情報の更新を停止させることでループ表示用背景G5を停止表示させる一方、キャラクタ停留用テーブル122のポインタ情報を更新させてループ表示用キャラクタG4の表示制御を行うことでループ表示用キャラクタG4に停留中表示を行わせることが可能となる。よって、遊技回が終了するタイミングに合わせて、ループ表示用背景G5のスクロール表示を任意のタイミングで終了させて停止表示を開始させることが可能となる。また、非遊技回中のテーブルをその任意のタイミングに対応させて複数種類用意する必要がないため、ループ表示演出を制御するためのテーブルの数が抑えられ、当該テーブルを予め記憶しておくための記憶容量を抑えることが可能となる。
なお、遊技回が終了するタイミングとの関係でループ表示用背景G5のスクロール表示が停止されるタイミングの種類は4種類以上存在している。
以下、ループ表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図36は、表示CPU72にて実行されるキャラクタループ用の演算処理を示すフローチャートである。なお、キャラクタループ用の演算処理は、ループ表示演出を実行すべき状況において、タスク処理(図19)におけるステップS704の演出用演算処理にて実行される。
現状読み出されている実行対象テーブルに基づき遊技回の開始タイミングであると特定した場合(ステップS1101:YES)、メモリモジュール74からワークRAM73にキャラクタ移動用テーブル123を読み出して使用対象のテーブルとして設定する(ステップS1102)。その後、ワークRAM73の連動用フラグ125に「1」をセットし(ステップS1103)、さらにキャラクタ移動用テーブル123における参照対象のポインタ情報を「0」クリアする(ステップS1104)。この場合、ステップS1112では、キャラクタ移動用テーブル123の最初のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されているループ表示用キャラクタG4の画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する。また、ステップS1113では、キャラクタ移動用テーブル123の最初のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されている情報を利用して、今回の使用対象の画像データに対して適用するパラメータ情報を導出して把握する。
現状読み出されている実行対象テーブルに基づき遊技回の終了タイミングであると特定した場合(ステップS1105:YES)、メモリモジュール74からワークRAM73にキャラクタ停留用テーブル122を読み出して使用対象のテーブルとして設定する(ステップS1106)。その後、ワークRAM73の連動用フラグ125を「0」クリアし(ステップS1107)、さらにキャラクタ停留用テーブル122における参照対象のポインタ情報を「0」クリアする(ステップS1108)。この場合、ステップS1112では、キャラクタ停留用テーブル122の最初のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されているループ表示用キャラクタG4の画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する。また、ステップS1113では、キャラクタ停留用テーブル122の最初のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されている情報を利用して、今回の使用対象の画像データに適用するパラメータ情報を導出して把握する。
今回が遊技回の開始タイミング及び終了タイミングでもない場合(ステップS1101及びステップS1105:NO)、キャラクタ移動用テーブル123及びキャラクタ停留用テーブル122のうち使用対象となっているテーブルについてポインタ情報を更新する(ステップS1109)。具体的には、ポインタ情報の値を1加算するように更新処理を実行する。そして、その更新後におけるポインタ情報が使用対象となっているテーブルにおけるポインタ情報の最大値を超えた場合(ステップS1110:YES)、そのポインタ情報を初期値に戻すために「0」クリアする(ステップS1111)。この場合、ステップS1112では、使用対象となっているテーブル122,123の現状のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されているループ表示用キャラクタG4の画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する。また、ステップS1113では、使用対象となっているテーブル122,123の現状のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されている情報を利用して、今回の使用対象の画像データに適用するパラメータ情報を導出して把握する。
図37は、表示CPU72にて実行される背景ループ用の演算処理を示すフローチャートである。なお、背景ループ用の演算処理は、ループ表示演出を実行すべき状況において、タスク処理(図19)におけるステップS703の背景用演算処理にて実行される。
ワークRAM73の連動用フラグ125に「1」がセットされている場合(ステップS1201:YES)、背景用テーブル124において参照対象となるポインタ情報を更新する(ステップS1202)。具体的には、ポインタ情報の値を1加算するように更新処理を実行する。そして、その更新後におけるポインタ情報が背景用テーブル124におけるポインタ情報の最大値を超えた場合(ステップS1203:YES)、そのポインタ情報を初期値に戻すために「0」クリアする(ステップS1204)。その後、背景用テーブル124の現状のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されているループ表示用背景G5の画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する(ステップS1205)。また、背景用テーブル124の現状のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されている情報を利用して、今回の使用対象の画像データに適用するパラメータ情報を導出して把握する(ステップS1206)。
連動用フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1201:NO)、背景用テーブル124の現状のポインタ情報に対応するタスクの内容に設定されているループ表示用背景G5の画像データを今回の使用対象の画像データとして把握することにより、前回と同様のループ表示用背景G5の画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する(ステップS1207)。また、ワークRAM73においてそれら画像データに適用するパラメータ情報を格納するためのエリアに設定されているパラメータ情報をそのまま今回の使用対象の画像データに適用するパラメータ情報として把握することにより、前回と同様のループ表示用背景G5のパラメータ情報を今回の使用対象のパラメータ情報として把握する(ステップS1208)。
上記のようにキャラクタループ用の演算処理及び背景ループ用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、ステップS1112とステップS1205又はステップS1207とで把握した画像データが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、それら画像データに適用するパラメータ情報が設定される。
以上のようにループ表示用キャラクタG4を表示制御するためのテーブル122,123と、ループ表示用背景G5を表示制御するためのテーブル124とが別々に用意されていることにより、遊技回が終了するタイミングとなった場合には背景用テーブル124についてはポインタ情報の更新を停止させることでループ表示用背景G5を停止表示させる一方、キャラクタ停留用テーブル122のポインタ情報を更新させてループ表示用キャラクタG4の表示制御を行うことでループ表示用キャラクタG4に停留中表示を行わせることが可能となる。よって、遊技回が終了するタイミングに合わせて、ループ表示用背景G5のスクロール表示を任意のタイミングで終了させて停止表示を開始させることが可能となる。また、非遊技回中のテーブルをその任意のタイミングに対応させて複数種類用意する必要がないため、ループ表示演出を制御するためのテーブルの数が抑えられ、当該テーブルを予め記憶しておくための記憶容量を抑えることが可能となる。
ループ表示用キャラクタG4を表示制御するためのテーブル122,123には専用のポインタ情報が設定されているとともに、ループ表示用背景G5を表示制御するためのテーブル124には専用のポインタ情報が設定されていることにより、それらテーブル122,123,124のうち一方は使用しないようにしながら、他方のポインタ情報の更新を継続したり、他方のポインタ情報を所定の情報に保持したりすることが可能となる。
ループ表示用キャラクタG4の表示制御を行うためのテーブルとして、ループ表示用キャラクタG4に停留中表示を行わせるためのキャラクタ停留用テーブル122と、ループ表示用キャラクタG4に移動中表示を行わせるためのキャラクタ移動用テーブル123とが個別に設けられている。これにより、ループ表示用キャラクタG4の変動表示態様の切り換えに際しては、使用するテーブル122,123を切り換えるだけでよく、これら変動表示態様の切り換えを好適に行うことが可能となる。また、当該切り換えタイミングとして、テーブルの数を抑えながら任意のタイミングを設定することが可能となる。
キャラクタ停留用テーブル122を繰り返しループさせて使用することによりループ表示用キャラクタG4に停留中表示を繰り返させるとともに、キャラクタ移動用テーブル123を繰り返しループさせて使用することによりループ表示用キャラクタG4に移動中表示を繰り返させる。これにより、これらテーブル122,123のデータ容量を抑えることが可能となる。
背景用テーブル124を繰り返しループさせて使用することによりループ表示用背景G5のスクロール表示が繰り返される。この場合、ループ表示用背景G5が1周するまでに要する画像の更新タイミング数と、ループ表示用キャラクタG4の移動中表示が1周するまでに要する画像の更新タイミング数とは相違する。当該構成において、ループ表示用キャラクタG4に移動中表示を行わせるためのキャラクタ移動用テーブル123と、ループ表示用背景G5にスクロール表示を行わせるための背景用テーブル124とが個別に設けられていることにより、各テーブル123,124において1周分に対応した情報のみを設定することが可能となり、1周分を超える無駄な情報を設定する必要が生じない。
キャラクタ移動用テーブル123が使用されてループ表示用キャラクタG4において移動中表示を開始させる場合に連動用フラグ125に「1」がセットされることにより、背景用テーブル124を利用したループ表示用背景G5のスクロール表示が開始され、ループ表示用キャラクタG4の移動中表示を終了させる場合に連動用フラグ125が「0」クリアされることにより、背景用テーブル124を利用したループ表示用背景G5のスクロール表示が終了される。これにより、ループ表示演出の全体の流れを制御するための実行対象テーブルにおいてはループ表示用キャラクタG4についての移動中表示の開始タイミング及び終了タイミングの情報が設定されているだけでよく、ループ表示用背景G5についてのスクロール表示の開始タイミング及び終了タイミングの情報が設定されている必要がない。よって、当該データテーブルに予め設定するデータ量を抑えながら、ループ表示用キャラクタG4とループ表示用背景G5との動きを連動させることが可能となる。
<ループ表示演出に関する別形態>
・ループ表示用キャラクタG4が停留中動作を行っている場合に、ループ表示用背景G5において建物画像のループ表示用キャラクタG4に対する相対位置は変更されないが、建物画像の光の当たり具合、空の景色画像の色合い、並びに空の雲画像の有無及び表示位置などの表示態様が変更されてもよい。この場合、ループ表示用背景G5においてスクロール表示が停止されている状況であってもループ表示用背景G5の表示態様が変更されることとなるため、当該状況におけるループ表示用背景G5を表示制御するためのテーブルが別途設けられていることが好ましい。
・ループ表示用背景G5のスクロール表示がループ表示用キャラクタG4において移動中表示が行われているか否かに関係なく継続される構成としてもよい。この場合であっても、ループ表示用キャラクタG4とループ表示用背景G5とでテーブルを異ならせることにより、それぞれの個別画像G4,G5の1周分の動作に対応するテーブルを用意することが可能となり、1周分を超える無駄な情報を設定する必要がなくなる。これはループ表示用キャラクタG4が移動中表示を継続し、ループ表示用背景G5がスクロール表示を継続する場合であっても同様である。
・ループ表示用キャラクタG4が移動中表示を継続している状況において、ループ表示用背景G5の種類が変化し得る構成としてもよい。当該構成であっても、ループ表示用キャラクタG4を制御するためのテーブルと、ループ表示用背景G5を制御するためのテーブルとを個別に設けることにより、ループ表示用背景G5の切り換えに際しては当該ループ表示用背景G5を制御するためのテーブルを切り換えるだけでよく、ループ表示用キャラクタG4を制御するためのテーブルをそのまま使用することが可能となる。
・連動用フラグ125が設けられておらず、ループ表示演出の全体を制御するための実行対象テーブルにおいて、ループ表示用キャラクタG4における停留中表示と移動中表示との間の切り換えタイミングの情報とともに、ループ表示用背景G5におけるスクロール表示の開始タイミング及び停止タイミングの情報が設定されている構成としてもよい。
<群表示演出を行うための構成>
次に、群表示演出を行うための構成について説明する。
図38(a)及び図38(b)は群表示演出の内容を説明するための説明図である。群表示演出は、多数の群表示用キャラクタG11が一群となって群表示用の方向へ移動していくように表示される演出である。群表示用キャラクタG11は、顔、胴体、両手、両足を有する人が表現されていると遊技者に認識されるように表示される。また、各群表示用キャラクタG11は、手足などの動作内容は相違するものの同一又は類似のキャラクタであると遊技者に認識されるように表示される。そして、それら群表示用キャラクタG11は、群表示期間(例えば3秒など)に亘って図柄表示装置41を一群となって一方向に横切るように表示される。図38(a)の場合と図38(b)の場合とで比較すると、図38(a)に示されている群表示用キャラクタG11の表示位置が図38(b)においては全体的に左方向にずれている。また、各群表示用キャラクタG11は、一群となって移動する方向へと移動していると遊技者に認識される態様の形状で表示される。
なお、群表示用キャラクタG11の移動方向は横方向に限定されることはなく縦方向であってもよく、一部の群表示用キャラクタG11は図柄表示装置41の所定の端部から中央に向けて移動し残りの群表示用キャラクタG11は図柄表示装置41の所定の端部に対して逆側の端部から中央に向けて移動するように表示される構成としてもよい。
群表示演出において群表示用キャラクタG11を表示させるための画像データとして、群表示用の動画像データ131が利用される。動画像データとは、1フレーム分の静止画像データを基準として複数の差分データを有するようにフレーム間圧縮されて、例えばMPEG2方式で符号化された画像データである。当該動画像データがデコードされた場合には、複数フレーム分の静止画像データに展開される。
図39は群表示用の動画像データ131を説明するための説明図である。図39に示すように、群表示用の動画像データ131は、最初のアドレスにファイルデータが設定され、それに続けて各フレームの圧縮データが設定されている。なお、各フレームの圧縮データにはフレームヘッダが付随している。圧縮データは、基準データに相当する1フレーム分のIピクチャデータと、第1の差分データに相当する複数フレーム分のPピクチャデータと、第2の差分データに相当する複数フレーム分のBピクチャデータとを有している。
Iピクチャデータは、復号に際して、当該データ単独で1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。Pピクチャデータは、復号に際して、1フレーム又は複数フレーム前のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータを参照して前方向予測を行うことで、1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。Bピクチャデータは、復号に際して、1フレーム又は複数フレーム前のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータと、1フレーム又は複数フレーム後のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータとを参照して双方向予測を行うことで、1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。
群表示用の動画像データ131における圧縮データにおいては、1フレーム目のデータとしてIピクチャデータが設定されている。また、2フレーム目,・・,m―1フレーム目のデータとしてBピクチャデータが設定されている。また、mフレーム目のデータとしてPピクチャデータが設定されている。また、m+1フレーム目,・・,n―1フレーム目のデータとしてBピクチャデータが設定されている。また、nフレーム目のデータとしてPピクチャデータが設定されている。なお、ピクチャデータの配列パターンは上記のものに限定されることはなく任意である。
群表示用の動画像データ131に対してデコード処理を実行することにより、当該群表示用の動画像データ131から複数の更新タイミング分の静止画像データ(以下、デコード画像データともいう)が作成されることとなる。この場合、群表示用の動画像データ131は画像データの圧縮率との関係で、デコード画像データを使用可能な周期は図柄表示装置41における画像の更新周期よりも長い。
当該画像の更新周期と静止画像データを使用可能な周期との関係について、図40(a)のタイムチャートを参照しながら説明する。図40(a1)は図柄表示装置41における画像の更新タイミングを示し、図40(a2)は静止画像データとしてメモリモジュール74に予め記憶されている画像データの使用可能タイミングを示し、図40(a3)は群表示用の動画像データ131によるデコード画像データの使用可能タイミングを示す。
図柄表示装置41における画像の更新周期Td1は既に説明したとおり20msecとなっており、図40(a1)に示すように、t1のタイミング、t2のタイミング、t3のタイミング、t4のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれにおいて図柄表示装置41における画像が更新される。また、静止画像データとしてメモリモジュール74に予め記憶されている画像データはそのまま利用することが可能であるため、図40(a2)に示すように、t1のタイミング〜t7のタイミングのそれぞれのタイミングにおいて使用可能である。
一方、群表示用の動画像データ131によるデコード画像データの使用可能な周期Td2は、図40(a3)に示すように、図柄表示装置41における画像の更新周期Td1の2倍となっている。したがって、当該デコード画像データは、t1のタイミング、t3のタイミング、t5のタイミング及びt7のタイミングにおいて使用可能ではあるものの、t2のタイミング、t4のタイミング及びt6のタイミングにおいては、新たなデコード画像データを使用することができない。
この場合に、t2のタイミング、t4のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれにおいては、直前のタイミングであるt1のタイミング、t3のタイミング及びt5のタイミングのそれぞれにおいて使用したデコード画像データと同一のデコード画像データを利用することも可能である。しかしながら、同一のデコード画像データを単に使用しようとすると、画像のガタツキが発生するおそれがあり、滑らかな動画表示を行うことができなくなってしまう。これに対して、同一のデコード画像データを使用することとなる連続する2回の更新タイミングにおいて、その同一のデコード画像データにおいて描画対象のフレーム領域82a,82bに描画する範囲を異ならせることにより、画像のガタツキの発生を低減させている。
図40(b)及び図40(c)は同一のデコード画像データ132において描画対象のフレーム領域82a,82bに描画する範囲を異ならせる様子を説明するための説明図である。
VDP76において描画対象のフレーム領域82a,82bに描画データが作成される場合、フレーム領域82a,82bの全単位エリアに対してデータが書き込まれるが、各フレーム領域82a,82bの解像度は800×600のドット数となっている。これに対して、群表示用の動画像データ131にデコード処理を実行することにより得られる各デコード画像データ132は、デコード処理後における初期倍率のサイズにおいてフレーム領域82a,82bのドット数よりも多いピクセル数となっている。そして、初期倍率の各デコード画像データ132により描画可能な範囲は、横方向寸法及び縦方向寸法の両方においてフレーム領域82a,82bよりも大きい。これにより、同一のデコード画像データ132を連続2回の更新タイミングにおいてフレーム領域82a,82bの描画範囲を群表示用キャラクタG11の移動方向に合わせて変化させる構成であっても、図柄表示装置41の全体において群表示用キャラクタG11を表示させることが可能となる。
なお、これに限定されることはなく、デコード画像データ132により描画可能な範囲における横方向及び縦方向のうち群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向はフレーム領域82a,82bにおける当該方向よりも広く設定されているが、横方向及び縦方向のうち群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向とは異なる方向はフレーム領域82a,82bにおける当該方向と同一の寸法又は短い寸法である構成としてもよい。
同一のデコード画像データ132が使用される連続する2回の更新タイミングのうち前側の更新タイミングでは、図40(b)に示すようにデコード画像データ132において群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向の先側の端部、すなわち左側の端部に寄せて、フレーム領域82a,82bへの描画範囲が設定される。一方、後側の更新タイミングでは、図40(c)に示すようにデコード画像データ132において群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向の元側の端部、すなわち右側の端部に寄せて、フレーム領域82a,82bへの描画範囲が設定される。つまり、前側の更新タイミングに対して後側の更新タイミングでは、デコード画像データ132においてフレーム領域82a,82bへの描画範囲が、群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向とは逆側に移動する。これにより、前側の更新タイミングにおいて所定の位置に表示されていた群表示用キャラクタG11は、後側の更新タイミングにおいてその所定の位置よりも左側に移動した位置にて表示されることとなる。よって、同一のデコード画像データ132を連続する2回の更新タイミングにおいて使用する構成であったとしても、それら2回の更新タイミング間において群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向に移動したような表示を行うことが可能となる。なお、デコード画像データ132においてフレーム領域82a,82bへの描画範囲から外れた範囲は描画対象から除外される。
ここで、同一のデコード画像データ132を連続する2回の更新タイミングにおいて使用する場合において、前側の更新タイミングにおける群表示用キャラクタG11に対する後側の更新タイミングにおける群表示用キャラクタG11の移動量は所定移動量となっている。これに対して、当該後側の更新タイミングにおける群表示用キャラクタG11に対する、次の使用タイミングに対応するデコード画像データ132において前側の更新タイミグにおける群表示用キャラクタG11の移動量も上記所定移動量で同一となっている。
つまり、一の使用タイミングにおける第1デコード画像データ132とその次の使用タイミングにおける第2デコード画像データ132とは、一の使用タイミングにおけるデコード画像データ132を使用して表示される2回の更新タイミング間の群表示用キャラクタG11の移動量と、第1デコード画像データ132を使用して表示される後側の更新タイミングと第2デコード画像データ132を使用して表示される前側の更新タイミング間の群表示用キャラクタG11の移動量とが所定移動量で同一となるように設定されている。より詳細には、第1デコード画像データ132を使用する場合及び第2デコード画像データ132を使用する場合のいずれにおいても表示対象となる所定の群表示用キャラクタG11の表示位置で比較した場合に、第1デコード画像データ132を使用する場合の前側の更新タイミングにおける所定の群表示用キャラクタG11の表示位置から、第2デコード画像データ132を使用する場合の前側の更新タイミングにおける所定の群表示用キャラクタG11の表示位置までの移動量が、第1デコード画像データ132を使用する場合の前側の更新タイミングにおける所定の群表示用キャラクタG11の表示位置から、第1デコード画像データ132を使用する場合の後側の更新タイミングにおける所定の群表示用キャラクタG11の表示位置までの移動量の2倍となっている。また、このような移動量の設定を可能とするように、初期倍率の各デコード画像データ132により描画可能な範囲における横方向及び縦方向のうち少なくとも群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向の寸法(具体的には横方向の寸法)は、フレーム領域82a,82bの描画範囲における当該方向の寸法よりも少なくとも上記所定移動量分大きく設定されている。このような構成により、一の更新タイミングと次の更新タイミングとの間における群表示用キャラクタG11の移動量を一定とすることが可能となり、群表示用キャラクタG11の移動を滑らかに行うことが可能となる。
以下、群表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図41は、表示CPU72にて実行される群表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。なお、群表示演出用の演算処理は、群表示演出を実行すべき状況において、タスク処理(図19)におけるステップS704の演出用演算処理にて実行される。
群表示用の動画像データ131にデコード処理を実行するタイミングである場合(ステップS1301:YES)、メモリモジュール74における群表示用の動画像データ131のアドレスを把握するとともに(ステップS1302)、その群表示用の動画像データ131をデコード画像データ132として展開するためのワークRAM73のアドレスを把握し(ステップS1303)、さらに表示CPU72のレジスタにデコード指定情報を記憶する(ステップS1304)。また、ワークRAM73に設けられた同一使用フラグの値を「0」クリアする(ステップS1305)。同一使用フラグは、一の更新タイミングにおいて前回の更新タイミングと同一のデコード画像データ132を使用するか否かを表示CPU72にて特定するためのフラグであり、同一使用フラグの値が「0」である場合には新たなデコード画像データ132を使用することを特定し、同一使用フラグの値が「1」である場合には前回の更新タイミングと同一のデコード画像データ132を使用することを特定する。
上記ステップS1302〜ステップS1305の処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、群表示用の動画像データ131のアドレスの情報が設定されるとともに、当該群表示用の動画像データ131の展開先のアドレスの情報が設定され、さらにデコード指定情報が設定される。当該描画リストを受信した場合、VDP76の動画デコーダ93は図42(a)のフローチャートに示すデコード処理を実行する。詳細には、描画リストにて指定されている情報から群表示用の動画像データ131のアドレスを把握するとともに(ステップS1401)、描画リストにて指定されている情報から群表示用の動画像データ131をデコード画像データ132として展開するエリアのアドレスを把握する(ステップS1402)。そして、ステップS1401にて把握したメモリモジュール74のアドレスから群表示用の動画像データ131を読み出すとともに、当該群表示用の動画像データ131をデコードする。そして、そのデコード結果の各デコード画像データ132を、ステップS1402にて把握したアドレスの各エリアに書き込む(ステップS1403)。
群表示演出用の演算処理(図41)の説明に戻り、ステップS1301にて否定判定をした場合又はステップS1305の処理を実行した場合、ワークRAM73の同一使用フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1306)。同一使用フラグの値が「0」である場合(ステップS1306:YES)、今回は新たなデコード画像データ132を使用対象とする更新タイミングであることを意味する。この場合、まずデコード済みの複数のデコード画像データ132のうち今回の使用順序に対応するデコード画像データ132が展開されているワークRAM73のアドレスを把握する(ステップS1307)。
その後、座標情報として「A、A」座標を把握する(ステップS1308)。ここで、座標情報は使用対象となっている画像データにおける中央のピクセルを描画対象のフレーム領域82a,82bに対していずれの位置に配置するかを定めるための情報である。そして、「A、B」座標である場合、フレーム領域82a,82bに対するデコード画像データ132の設定位置が図40(b)に示す位置となり、デコード画像データ132において左寄りの位置にフレーム領域82a,82bの描画範囲が設定される。なお、Aの値及びBの値はいずれの種類のデコード画像データ132であっても同一となっている。その後、座標情報以外のパラメータ情報を更新して把握した後に(ステップS1309)、ワークRAM73の同一使用フラグに「1」をセットする(ステップS1310)。これにより、次回の更新タイミングでは今回の更新タイミングと同一のデコード画像データ132が使用対象となる。
同一使用フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1306:NO)、今回は前回の更新タイミングと同一のデコード画像データ132を使用対象とする更新タイミングであることを意味する。この場合、前回と同一のデコード画像データ132が展開されているワークRAM73のアドレスを把握する(ステップS1311)。
その後、座標情報として「A−1、B」座標を把握する(ステップS1312)。「A−1、B」座標である場合、フレーム領域82a,82bに対するデコード画像データ132の設定位置が図40(c)に示す位置となり、デコード画像データ132において右寄りの位置にフレーム領域82a,82bの描画範囲が設定される。その後、座標情報以外のパラメータ情報を把握した後に(ステップS1313)、ワークRAM73の同一使用フラグを「0」クリアする(ステップS1314)。これにより、次回の更新タイミングでは新たなデコード画像データ132が使用対象となる。
ステップS1307〜ステップS1310又はステップS1311〜ステップS1314の処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、今回の使用対象となるデコード画像データ132が記憶されているワークRAM73のアドレスの情報が設定されるとともに、座標情報を含めて当該デコード画像データ132に適用するパラメータ情報が設定される。当該描画リストを受信した場合、VDP76は描画処理(図21)のステップS804にて実行される内容把握処理の一部の処理として群表示用の設定処理を実行する。図42(b)は群表示用の設定処理を示すフローチャートである。
群表示用の設定処理では、まず今回の使用対象のデコード画像データ132が格納されているアドレスの情報を描画リストから把握する(ステップS1501)。また、今回の使用対象となるデコード画像データ132に適用する座標情報を描画リストから把握するとともに(ステップS1502)、当該デコード画像データ132に適用する他のパラメータ情報を描画リストから把握する(ステップS1503)。
上記のように群表示用の設定処理が実行されることにより、その後の書き込み処理(ステップS805)にて、描画対象のフレーム領域82a,82bに対して、パラメータが適用された状態で今回のデコード画像データ132が描画される。この場合、座標情報が「A、B」であれば図40(b)に示す範囲が描画され、座標情報が「A−1、B」であれば図40(c)に示す範囲が描画される。そして、その描画データに基づいて図柄表示装置41に画像信号が出力されることで、群表示演出が実行される。
以上のように群表示用の動画像データ131によるデコード画像データ132を使用可能な周期が図柄表示装置41における画像の更新周期の2倍である構成であったとしても、同一のデコード画像データ132を使用することとなる連続する2回の更新タイミングにおいて、その同一のデコード画像データ132においてフレーム領域82a,82bに描画する範囲が異なるものとなる。これにより、画像のガタツキの発生を低減させることが可能となる。
同一のデコード画像データ132を使用することとなる連続2回の更新タイミングにおいて、前側の更新タイミングにおけるデコード画像データ132の描画範囲と、後側の更新タイミングにおけるデコード画像データ132の描画範囲とは一部が重複している。これにより、同一のデコード画像データ132を使用しながら連続2回の更新タイミング間において僅かな画像の変化を生じさせることが可能となる。
同一のデコード画像データ132を使用することとなる連続2回の更新タイミングにおいて、前側の更新タイミングにおける群表示用画像に対して後側の更新タイミングにおける群表示用画像では、各群表示用キャラクタG11がその移動方向の先側にずれた位置となるように、同一のデコード画像データ132において描画対象のフレーム領域82a,82bに描画する範囲が変更される。これにより、同一のデコード画像データ132を連続2回の更新タイミングにおいて使用する構成であっても、群表示用キャラクタG11の動きに連続性を与えることが可能となる。
初期倍率の各デコード画像データ132により描画可能な範囲における横方向及び縦方向のうち少なくとも群表示用キャラクタG11が一群となって移動する方向は、フレーム領域82a,82bにおける当該方向よりも広く設定されている。これにより、同一のデコード画像データ132を連続2回の更新タイミングにおいてフレーム領域82a,82bの描画範囲を群表示用キャラクタG11の移動方向に合わせて変化させる構成であっても、図柄表示装置41の全体において群表示用キャラクタG11を表示させることが可能となる。
一の使用タイミングにおける第1デコード画像データ132とその次の使用タイミングにおける第2デコード画像データ132とは、一の使用タイミングにおけるデコード画像データ132を使用して表示される2回の更新タイミング間の群表示用キャラクタG11の移動量と、第1デコード画像データ132を使用して表示される後側の更新タイミングと第2デコード画像データ132を使用して表示される前側の更新タイミング間の群表示用キャラクタG11の移動量とが同一となるように設定されている。これにより、一の更新タイミングと次の更新タイミングとの間における群表示用キャラクタG11の移動量を一定とすることが可能となり、群表示用キャラクタG11の移動を滑らかに行うことが可能となる。
同一のデコード画像データ132を連続2回の更新タイミングにおいて使用することで表示される画像は多数の群表示用キャラクタG11が同一の方向に移動する画像である。これにより、同一のデコード画像データ132を連続2回の更新タイミングにおいて使用していることが目立ちづらくなる。
<群表示演出に関する別形態>
・初期倍率の各デコード画像データ132により描画可能な範囲における横方向及び縦方向のうち少なくとも群表示用キャラクタG11が一群となって移動する特定方向の寸法(具体的には横方向の寸法)がフレーム領域82a,82bの描画範囲における当該特定方向の寸法よりも少なくとも所定移動量分大きく設定されている構成に限定されることはなく、デコード後におけるデコード画像データ132を初期倍率のサイズから拡大させることにより、少なくとも上記特定方向の寸法がフレーム領域82a,82bの描画範囲における当該特定方向の寸法よりも少なくとも所定移動量分大きく設定される構成としてもよい。この場合、デコード画像データ132に対してサイズの拡大処理を実行する必要が生じるものの、同一のデコード画像データ132を使用する連続2回の更新タイミング間において群表示用キャラクタG11の表示位置を所定移動量分変化させることが可能となる。
・群表示用キャラクタG11の移動方向は横方向に限定されることはなく縦方向であってもよい。この場合、初期倍率のデコード画像データ132又は初期倍率のサイズからの拡大処理後におけるデコード画像データ132により描画可能な範囲における少なくとも縦方向の寸法がフレーム領域82a,82bの描画範囲における縦方向の寸法よりも少なくとも所定移動量分大きく設定されている必要がある。
・群表示用キャラクタG11は人に限定されることはなく、例えば猫、魚及び犬といった他の動物であってもよく、動物以外の物を象形したものであってもよい。
・同一の画像データを連続する複数回の更新タイミングにおいて使用するとともにそれら各回の更新タイミングにおいてフレーム領域82a,82bへの描画範囲を異ならせる構成を、複数の同一の群表示用キャラクタG11が同一の方向に全体的に移動する画像以外の画像に適用してもよい。例えば、図柄表示装置41の液晶表示部41aのサイズを超える大きな単体画像が所定の方向に移動するような動画表示が行われる場合に上記構成を適用してもよい。
・同一の画像データを連続する複数回の更新タイミングにおいて使用するとともにそれら各回の更新タイミングにおいてフレーム領域82a,82bへの描画範囲を異ならせる構成を、動画像データ131をデコードすることにより得られるデコード画像データ132以外の画像データに適用してもよい。例えば、メモリモジュール74に予め記憶されている静止画像データに対して上記構成を適用してもよい。
<有効期間表示演出を行うための構成>
次に、有効期間表示演出を行うための構成について説明する。
図43(a)及び図43(b)は有効期間表示演出の内容を説明するための説明図である。有効期間表示演出とは、演出用操作装置48の操作が有効化される有効期間において当該演出用操作装置48が操作された場合と操作されなかった場合とで演出内容を変化させる操作対応演出が行われる場合において、その有効期間を図柄表示装置41にて表示する演出のことである。
有効期間表示演出においては、図柄表示装置41において演出用操作装置48を操作すべき状況であることを遊技者に認識可能とさせるための操作促進画像G21が表示されるとともに、演出用操作装置48の操作が有効となる残りの期間を遊技者に認識可能とさせるための有効期間画像G22が表示される。操作促進画像G21として、具体的には演出用操作装置48を表す画像が表示されるとともに当該演出用操作装置48が操作されていると認識されるような画像が表示されるが、演出用操作装置48を操作すべき状況であることを遊技者が認識可能であれば具体的な表示内容は任意である。
有効期間画像G22としては、枠画像G23と、帯画像G24と、点滅画像G25とが表示される。枠画像G23は、有効期間画像G22の枠部を表示するための画像であり、横長の四角枠状に表示される。帯画像G24は、枠画像G23による枠部内において当該枠部の左端を基端として右方へと延在するようにして表示され、さらに図43(a)に示すように有効期間表示演出が開始された場合には枠画像G23による枠部内の全体を埋めるように表示されるとともに、残りの有効期間が少なくなるのに伴って図43(b)に示すように右端の位置である先端位置が徐々に左端に向けて移動して枠画像G23による枠内において埋めている範囲が狭くなるように表示される。点滅画像G25は、帯画像G24の先端位置に付加するようにして表示され、帯画像G24の先端位置が徐々に左端に移動する場合に当該先端位置に合わせて移動するように表示される。また、点滅画像G25はその全体が点滅しているように表示される。
ここで、帯画像G24の動きに合わせて点滅画像G25が移動しながら点滅表示が行われる構成の場合、帯画像G24の動きを表示制御するためのデータと点滅画像G25の点滅表示を制御するためのデータとが一のアニメーションデータなどによってまとめて設定されていると、帯画像G24の先端部分の移動速度及び点滅画像G25の点滅周期のうち一方を変更しようとするとそれに連動して他方も変更されてしまう。当該事象が発生する場合について、図44のタイムチャートを参照しながら説明する。図44(a)は帯画像G24における先端部分の移動速度が変化する様子を示し、図44(b)は点滅画像G25の点滅周期が変化する様子を示す。
有効期間表示演出が開始されることにより、t1のタイミングで、図44(a)に示すように帯画像G24の先端部分の移動表示が開始されるとともに、図44(b)に示すように点滅画像G25の点滅表示が開始される。この場合、帯画像G24の先端部分の移動速度は第1速度であるとともに点滅画像G25の点滅周期は第1点滅周期Te1となっている。そして、t1のタイミング〜t5のタイミングに亘って、第1速度による帯画像G24の移動表示及び第1点滅周期Te1による点滅画像G25の点滅表示が行われる。
その後、t5のタイミングで、図44(a)に示すように帯画像G24の先端部分の移動速度が第1速度よりも速い第2速度に変更される。当該速度の変更は、帯画像G24の動きを表示制御するためのデータにおいて時系列で設定されている参照データのうち所定順序のデータを参照して表示制御を行ってからその後の特定順序のデータを参照して表示制御を行うまでに要する時間を短縮することにより行われる。具体的には、表示制御するためのデータとして、連番で設定されたポインタ情報と、当該ポインタ情報に1対1で対応するようにタスクの内容の情報とが設定されている場合に、所定順序のポインタ情報に対応するタスクの内容の情報を参照して帯画像G24の表示制御を行ってから、当該所定順序よりも後の順序である特定順序のポインタ情報に対応するタスクの内容の情報を参照して帯画像G24の表示制御を行うまでに発生する画像の更新タイミングの発生回数を変動させることにより、帯画像G24の先端部分の移動速度が変更される。この場合に、当該表示制御用のデータにおいて帯画像G24を表示制御するためのデータと点滅画像G25を表示制御するためのデータとがまとめて設定されていると、帯画像G24の先端部分の移動速度を変更させるべく、所定順序のポインタ情報に対応するタスクの内容の情報を参照して表示制御を行ってから、当該所定順序よりも後の順序である特定順序のポインタ情報に対応するタスクの内容の情報を参照して表示制御を行うまでに発生する画像の更新タイミングの発生回数を変動させると、点滅画像G25の点滅周期もそれに合わせて変更されることとなってしまう。
つまり、図44(a)においてt5のタイミングで帯画像G24の先端部分の移動速度が第1速度から第2速度に変更されると、図44(b)に示すように点滅画像G25の点滅周期も第1点滅周期Te1から第2点滅周期Te2に変更されてしまう。これは点滅画像G25の点滅周期を変更する場合も同様であり、各表示制御用のデータがまとめて設定されている場合には点滅画像G25の点滅周期を変更すると、帯画像G24の先端部分の移動速度も変更されてしまう。
これに対して、本パチンコ機10においては帯画像G24の表示内容を表示制御するためのデータと、点滅画像G25の表示内容を表示制御するためのデータとがまとめて設けられているのではなく個別に設けられている。以下、有効期間表示演出を実行するためにメモリモジュール74に予め記憶されているデータの内容について、図45の説明図を参照しながら説明する。
有効期間表示演出を行うためのデータとしてメモリモジュール74には、図45に示すように、枠画像G23を表示するための枠表示用画像データ141と、帯画像G24を表示するための帯表示用画像データ142と、点灯状態における点滅画像G25を表示するための点灯用画像データ143と、消灯状態における点滅画像G25を表示するための消灯用画像データ144とが予め記憶されている。VDP76において枠表示用画像データ141を描画対象のフレーム領域82a,82bに描画することにより、図柄表示装置41に枠画像G23を表示することが可能となる。
帯表示用画像データ142は初期倍率において枠画像G23の枠部内の全体を埋めることが可能なサイズに設定されており、帯画像G24の左端部分が枠画像G23の枠部の左端と一致するように初期倍率における帯表示用画像データ142のフレーム領域82a,82bに対する座標情報が設定されることにより、枠画像G23の枠部内の全体を埋めるように帯画像G24が表示される。そして、帯表示用画像データ142の横方向のサイズを初期倍率から徐々に縮小しながら、帯画像G24の左端部分が枠画像G23の枠部の左端と一致するように当該サイズの帯表示用画像データ142のフレーム領域82a,82bに対する座標情報が設定されることにより、帯画像G24の先端部分が徐々に左端に向けて移動する画像が表示される。
点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144はいずれも点滅画像G25を表示するための画像データであり、これら点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144により表示される画像は初期倍率において同一のサイズ及び形状となる。但し、点灯用画像データ143は相対的に明るい色の点滅画像G25を表示させ、消灯用画像データ144は相対的に暗い色の点滅画像G25を表示させる。これら点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144は画像の各更新タイミングにおいていずれか一方のみが使用され、その使用対象となった画像データ143,144は帯画像G24の先端部分に点滅画像G25が手前側から重ねて表示されるように、フレーム領域82a,82bに対する座標情報が設定される。そして、点灯用画像データ143が使用対象となる期間と消灯用画像データ144が使用対象となる期間とが交互に繰り返されることにより、点灯状態の点滅画像G25の表示と消灯状態の点滅画像G25の表示とが交互に繰り返されることとなる。これにより、光が点滅しているように点滅画像G25を表示することが可能となる。
メモリモジュール74には、各種画像データ141〜144以外にも帯表示用テーブル145及び点滅表示用テーブル146が予め記憶されている。帯表示用テーブル145は帯画像G24の表示制御を実行するためのデータであり、具体的には帯表示用画像データ142の横方向のサイズ情報と帯画像G24の先端部分の位置情報とが定められたデータである。点滅表示用テーブル146は点滅画像G25の表示制御を実行するためのデータであり、具体的には点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち点滅画像G25の使用対象となる画像データが定められたデータである。これら帯表示用テーブル145及び点滅表示用テーブル146について詳細に説明する。
図46(a)は帯表示用テーブル145を説明するための説明図である。図46(a)に示すように、帯表示用テーブル145には、連番となるようにポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて帯表示用画像データ142の横方向のサイズ情報と帯画像G24の先端部分の位置情報との組合せが設定されている。参照対象となっているポインタ情報に対応するサイズ情報の倍率で帯表示用画像データ142のサイズが縮小されることにより、帯画像G24の横方向の表示範囲が狭くなる。そして、帯画像G24の左端部分が枠画像G23の枠部における左端と重なるように帯表示用画像データ142がフレーム領域82a,82bに描画されることにより、帯画像G24の先端部分が徐々に左端に向けて移動する画像が表示されることとなる。また、参照対象となっているポインタ情報に対応する先端位置情報は、当該ポインタ情報に対応するサイズ情報の倍率で帯表示用画像データ142が縮小されて描画された場合における帯画像G24の先端部分の位置に対応している。そして、この先端位置情報に対応する位置となるように点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち使用対象の画像データが描画されることにより、帯画像G24の先端部分に手前側から重なるようにして点滅画像G25が表示されることとなる。
帯画像G24の先端部分が第1速度で移動するように当該帯画像G24の表示制御が行われる場合、複数回(例えば5回)である帯側特定回数の画像の更新タイミングに亘って一のポインタ情報に対応する同一のサイズ情報及び先端位置情報が参照される。そして、帯側特定回数の画像の更新タイミングに対して次の画像の更新タイミングにおいてポインタ情報が次の順番のポインタ情報に更新され、そのポインタ情報に対応するサイズ情報及び先端位置情報が帯側特定回数の画像の更新タイミングに亘って参照される。このように帯側特定回数の画像の更新タイミングが経過する度にポインタ情報の更新が行われることにより、先端部分が第1速度で移動するように帯画像G24が表示されるとともにその先端部分に手前側から重なるように点滅画像G25が表示される。
一方、帯画像G24の先端部分が第1速度よりも速い第2速度で移動するように当該帯画像G24の表示制御が行われる場合、帯側特定回数よりも少ない回数である帯側所定回数(例えば2回)の画像の更新タイミングに亘って一のポインタ情報に対応する同一のサイズ情報及び先端位置情報が参照される。そして、帯側所定回数の画像の更新タイミングに対して次の画像の更新タイミングにおいてポインタ情報が次の順番のポインタ情報に更新され、そのポインタ情報に対応するサイズ情報及び先端位置情報が帯側所定回数の画像の更新タイミングに亘って参照される。このように帯側所定回数の画像の更新タイミングが経過する度にポインタ情報の更新が行われることにより、先端部分が第1速度よりも速い第2速度で移動するように帯画像G24が表示されるとともにその先端部分に手前側から重なるように点滅画像G25が表示される。
図46(b)は点滅表示用テーブル146を説明するための説明図である。図46(b)に示すように、点滅表示用テーブル146には、連番となるようにポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち使用対象となる画像データが設定されている。参照対象となっているポインタ情報において使用対象として設定されている画像データ143,144が、その画像の更新タイミングにおける帯表示用テーブル145において参照対象となっているポインタ情報に対応する先端位置情報の位置に描画されることにより、使用対象となっている画像データ143,144に対応する状態の点滅画像G25が帯画像G24の先端部分に手前側から重ねて表示されることとなる。
点滅表示用テーブル146においては「0」〜「9」のポインタ情報に対しては使用対象の画像データとして点灯用画像データ143が設定されており、「10」〜「19」のポインタ情報に対しては使用対象の画像データとして消灯用画像データ144が設定されている。点滅表示用テーブル146を利用した表示制御が行われる場合、ポインタ情報の更新タイミングとなる度に参照対象となるポインタ情報が1加算され、その1加算後におけるポインタ情報の値が最大値である「19」を越えた場合には当該参照対象のポインタ情報の値が「0」クリアされる。つまり、有効期間表示演出が行われている間、点滅表示用テーブル146の参照対象となるポインタ情報は「0」から始まって「19」となるまでを参照周期の1回とした場合に参照周期が複数回繰り返されることとなる。これにより、点滅表示用テーブル146のデータ量を抑えることが可能となる。
点滅画像G25の点滅周期が第1点滅周期Te1となるように当該点滅画像G25の表示制御が行われる場合、複数回(例えば2回)である点滅側特定回数の画像の更新タイミングに亘って一のポインタ情報に対応する同一の使用対象の画像データ143,144が参照される。そして、点滅側特定回数の画像の更新タイミングに対して次の画像の更新タイミングにおいてポインタ情報が次の順番のポインタ情報に更新され、そのポインタ情報に対応する同一の使用対象の画像データ143,144が点滅側特定回数の画像の更新タイミングに亘って参照される。このように点滅側特定回数の画像の更新タイミングが経過する度にポインタ情報の更新が行われることにより、帯画像G24の先端部分に手前側から重なるように表示されている点滅画像G25において第1点滅周期Te1で点滅表示が行われる。
一方、点滅画像G25の点滅周期が第2点滅周期Te2となるように当該点滅画像G25の表示制御が行われる場合、点滅側特定回数よりも少ない回数である点滅側所定回数(例えば1回)の画像の更新タイミングに亘って一のポインタ情報に対応する同一の使用対象の画像データ143,144が参照される。そして、点滅側所定回数の画像の更新タイミングに対して次の画像の更新タイミングにおいてポインタ情報が次の順番のポインタ情報に更新され、そのポインタ情報に対応する同一の使用対象の画像データ143,144が点滅側所定回数の画像の更新タイミングに亘って参照される。このように点滅側所定回数の画像の更新タイミングが経過する度にポインタ情報の更新が行われることにより、帯画像G24の先端部分に手前側から重なるように表示されている点滅画像G25において第2点滅周期Te2で点滅表示が行われる。
帯表示用テーブル145及び点滅表示用テーブル146の両方を利用して有効期間表示演出が実行される様子について、図47のタイムチャートを参照しながら説明する。図47(a1)及び図47(a2)は帯画像G24における先端部分の移動速度の様子を示し、図47(b1)及び図47(b2)は点滅画像G25の点滅周期の様子を示す。
まず、図47(a1)及び図47(b1)を参照しながら点滅画像G25の点滅周期が一定である状況下において帯画像G24における先端部分の移動速度が変更される場合について説明する。
有効期間表示演出が開始されることにより、t11のタイミングで、図47(a1)に示すように帯画像G24の先端部分の移動表示が開始されるとともに、図47(b1)に示すように点滅画像G25の点滅表示が開始される。この場合、帯画像G24の先端部分の移動速度は第1速度であるとともに点滅画像G25の点滅周期は第1点滅周期Te1となっている。そして、t11のタイミング〜t15のタイミングに亘って、第1速度による帯画像G24の移動表示及び第1点滅周期Te1による点滅画像G25の点滅表示が行われる。
その後、t15のタイミングで、帯表示用テーブル145においてポインタ情報の更新が行われるまでに要する画像の更新タイミングの発生回数が帯側特定回数よりも少ない回数である帯側所定回数に変更されることで、図47(a1)に示すように帯画像G24の先端部分の移動速度が第1速度よりも速い第2速度に変更される。それに対して、点滅表示用テーブル146においてポインタ情報の更新が行われるまでに要する画像の更新タイミングの発生回数はそれまでの点滅側特定回数に維持されることで、図47(b1)に示すように点滅画像G25の点滅周期は第1点滅周期Te1に維持される。
次に、図47(a2)及び図47(b2)を参照しながら帯画像G24における先端部分の移動速度が一定である状況下において点滅画像G25の点滅周期が変更される場合について説明する。
有効期間表示演出が開始されることにより、t21のタイミングで、図47(a2)に示すように帯画像G24の先端部分の移動表示が開始されるとともに、図47(b2)に示すように点滅画像G25の点滅表示が開始される。この場合、帯画像G24の先端部分の移動速度は第1速度であるとともに点滅画像G25の点滅周期は第1点滅周期Te1となっている。そして、t21のタイミング〜t25のタイミングに亘って、第1速度による帯画像G24の移動表示及び第1点滅周期Te1による点滅画像G25の点滅表示が行われる。
その後、t25のタイミングで、点滅表示用テーブル146においてポインタ情報の更新が行われるまでに要する画像の更新タイミングの発生回数が点滅側特定回数よりも少ない回数である点滅側所定回数に変更されることで、図47(b2)に示すように点滅画像G25の点滅周期が第1点滅周期Te1よりも短い第2点滅周期Te2に変更される。それに対して、帯表示用テーブル145においてポインタ情報の更新が行われるまでに要する画像の更新タイミングの発生回数はそれまでの帯側特定回数に維持されることで、図47(a2)に示すように帯画像G24の先端部分の移動速度は第1速度に維持される。
以上のように、帯画像G24の表示内容を表示制御するためのデータとして帯表示用テーブル145が設けられているとともに点滅画像G25の表示内容を表示制御するためのデータとして点滅表示用テーブル146が設けられていることにより、帯画像G24の先端部分の移動速度及び点滅画像G25の点滅周期のうち一方を変更しないようにしながら他方を変更することが可能となる。これにより、帯画像G24の移動速度と点滅画像G25の点滅周期とのそれぞれを独立して変更することが可能となり、有効期間表示演出の表示態様の多様化を好適に実現することが可能となる。
ここで、本パチンコ機10では、帯画像G24及び点滅画像G25の表示内容が、有効期間において演出用操作装置48が操作された場合にそれに対して操作対応特別演出が実行される期待度と関連付けられている。具体的には、帯画像G24の先端部分の移動速度が最後まで第1速度に維持されるとともに点滅画像G25の点滅周期が最後まで第1点滅周期Te1に維持される場合を第1表示内容、帯画像G24の先端部分の移動速度が途中で第2速度に変更されるとともに点滅画像G25の点滅周期が最後まで第1点滅周期Te1に維持される場合を第2表示内容、及び帯画像G24の先端部分の移動速度が最後まで第1速度に維持されるとともに点滅画像G25の点滅周期が途中で第2点滅周期Te2に変更される場合を第3表示内容とした場合に、第2表示内容の方が第1表示内容よりも上記期待度が高く、第3表示内容の方が第2表示内容よりも上記期待度が高くなるように設定されている。これにより、帯画像G24及び点滅画像G25の表示内容を確認することで、演出用操作装置48が操作された場合にそれに対して操作対応特別演出が実行される期待度を把握することが可能となり、有効期間表示演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
また、演出用操作装置48が操作された場合にそれに対して操作対応特別演出が実行された場合の方が、演出用操作装置48が操作された場合にそれに対して操作対応特別演出が実行されない場合よりも、対応する遊技回において大当たり結果となる期待度が高くなるように、当該操作対応特別演出の発生確率が設定されている。この場合に上記のとおり帯画像G24及び点滅画像G25の表示内容が操作対応特別演出の実行期待度と関連付けられているため、帯画像G24及び点滅画像G25の表示内容は大当たり結果の期待度とも関連付けられていることとなる。この点からも、有効期間表示演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
なお、有効期間において演出用操作装置48が操作された場合に第1操作対応演出及び第2操作対応演出を含めて複数種類の操作対応演出のいずれかが実行される構成としてもよく、この場合、帯画像G24及び点滅画像G25の表示内容が所定の操作対応演出の実行期待度と関連付けられている構成としてもよい。
以下、有効期間表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図48は、表示CPU72にて実行される有効期間表示用の演算処理を示すフローチャートである。なお、有効期間表示用の演算処理は、有効期間表示演出を実行すべき状況において、タスク処理(図19)におけるステップS704の演出用演算処理にて実行される。
有効期間表示演出の開始タイミングである場合(ステップS1601:YES)、帯表示用テーブル145及び点滅表示用テーブル146をメモリモジュール74からワークRAM73に読み出す(ステップS1602)。そして、帯画像G24の移動速度の設定処理として、帯表示用テーブル145におけるポインタ情報の更新周期を第1速度に対応する更新周期に設定するとともに(ステップS1603)、点滅画像G25の点滅周期の設定処理として、点滅表示用テーブル146におけるポインタ情報の更新周期を第1点滅周期Te1に対応する更新周期に設定する(ステップS1604)。
その後、点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち、点滅表示用テーブル146において最初のポインタ情報に対応させて設定されている使用対象の画像データを、点滅画像G25を今回表示するための画像データとして把握するとともに(ステップS1613)、枠表示用画像データ141及び帯表示用画像データ142を今回使用する画像データとして把握する(ステップS1614)。その後、帯表示用テーブル145において最初のポインタ情報に対応させて設定されているサイズ情報を帯表示用画像データ142に適用するためのサイズ情報として把握するとともに(ステップS1615)、帯表示用テーブル145において最初のポインタ情報に対応させて設定されている先端位置情報を点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち今回の使用対象である画像データを描画する位置情報として把握し(ステップS1616)、さらにこれら以外のパラメータ情報を把握する(ステップS1617)。
上記のように有効期間表示用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち点滅表示用テーブル146において最初のポインタ情報に対応させて設定されている使用対象の画像データと、枠表示用画像データ141と帯表示用画像データ142とが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS1615〜ステップS1617にて把握したパラメータ情報が設定される。
有効期間表示演出の開始タイミングではない場合(ステップS1601:NO)、帯画像G24側のポインタ情報の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS1605)。帯画像G24の先端部分の移動速度が第1速度に設定されている場合、帯表示用テーブル145のポインタ情報を前回更新してからの画像の更新タイミングの発生回数が帯側特定回数である場合に帯画像G24側のポインタ情報の更新タイミングであると判定し、帯画像G24の先端部分の移動速度が第2速度に設定されている場合、帯表示用テーブル145のポインタ情報を前回更新してからの画像の更新タイミングの発生回数が帯側所定回数である場合に帯画像G24側のポインタ情報の更新タイミングであると判定する。帯画像G24側のポインタ情報の更新タイミングである場合(ステップS1605:YES)、帯表示用テーブル145において参照対象となるポインタ情報の値が1加算されるように当該ポインタ情報を更新する(ステップS1606)。
有効期間表示演出の開始タイミングではない場合(ステップS1601:NO)、点滅画像G25側のポインタ情報の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS1607)。点滅画像G25の点滅周期が第1点滅周期Te1に設定されている場合、点滅表示用テーブル146のポインタ情報を前回更新してからの画像の更新タイミングの発生回数が点滅側特定回数である場合に点滅画像G25側のポインタ情報の更新タイミングであると判定し、点滅画像G25の点滅周期が第2点滅周期Te2に設定されている場合、点滅表示用テーブル146のポインタ情報を前回更新してからの画像の更新タイミングの発生回数が点滅側所定回数である場合に点滅画像G25側のポインタ情報の更新タイミングであると判定する。点滅画像G25側のポインタ情報の更新タイミングである場合(ステップS1607:YES)、点滅表示用テーブル146において参照対象となるポインタ情報の値が1加算されるように当該ポインタ情報を更新する(ステップS1608)。
有効期間表示演出の開始タイミングではない場合(ステップS1601:NO)、帯画像G24の先端部分の移動速度を変更するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1609)。移動速度の変更の有無及び移動速度を変更する場合にはその変更タイミングは、今回の有効期間表示演出の開始時において決定されており、表示CPU72はその開始時において決定したタイミングであるか否かを判定する。また、当該変更タイミングの特定方法としては、今回の有効期間表示演出の開始時において上記変更タイミングとなる画像の更新タイミングの発生回数を決定し、その決定された画像の更新タイミングの発生回数となった場合に上記変更タイミングであると特定する方法が考えらえる。帯画像G24の先端部分の移動速度を変更するタイミングである場合(ステップS1609:YES)、帯画像G24の移動速度の設定処理として、帯表示用テーブル145におけるポインタ情報の更新周期を第2速度に対応する更新周期に設定する(ステップS1610)。
有効期間表示演出の開始タイミングではない場合(ステップS1601:NO)、点滅画像G25の点滅周期を変更するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1611)。点滅周期の変更の有無及び点滅周期を変更する場合にはその変更タイミングは、今回の有効期間表示演出の開始時において決定されており、表示CPU72はその開始時において決定したタイミングであるか否かを判定する。また、当該変更タイミングの特定方法としては、今回の有効期間表示演出の開始時において上記変更タイミングとなる画像の更新タイミングの発生回数を決定し、その決定された画像の更新タイミングの発生回数となった場合に上記変更タイミングであると特定する方法が考えらえる。点滅画像G25の点滅周期を変更するタイミングである場合(ステップS1611:YES)、点滅画像G25の点滅周期の設定処理として、点滅表示用テーブル146におけるポインタ情報の更新周期を第2点滅周期Te2に対応する更新周期に設定する(ステップS1612)。
その後、点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち、点滅表示用テーブル146において現状の参照対象のポインタ情報に対応させて設定されている使用対象の画像データを、点滅画像G25を今回表示するための画像データとして把握する(ステップS1613)。この場合、今回の処理回においてステップS1608の処理が実行されていない場合には、前回の処理回において参照対象となったポインタ情報に対応する画像データが把握され、今回の処理回においてステップS1608の処理が実行されている場合には、今回新たに更新されて参照対象となったポインタ情報に対応する画像データが把握される。また、枠表示用画像データ141及び帯表示用画像データ142を今回使用する画像データとして把握する(ステップS1614)。
その後、帯表示用テーブル145において現状の参照対象のポインタ情報に対応させて設定されているサイズ情報を帯表示用画像データ142に適用するためのサイズ情報として把握するとともに(ステップS1615)、帯表示用テーブル145において現状の参照対象のポインタ情報に対応させて設定されている先端位置情報を点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち今回の使用対象である画像データを描画する位置情報として把握する。この場合、今回の処理回においてステップS1606の処理が実行されていない場合には、前回の処理回において参照対象となったポインタ情報に対応するサイズ情報及び先端位置情報が把握され、今回の処理回においてステップS1606の処理が実行されている場合には、今回新たに更新されて参照対象となったポインタ情報に対応するサイズ情報及び先端位置情報が把握される。また、これら以外のパラメータ情報を把握する(ステップS1617)。
上記のように有効期間表示用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち点滅表示用テーブル146において現状の参照対象のポインタ情報に対応させて設定されている使用対象の画像データと、枠表示用画像データ141と帯表示用画像データ142とが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS1615〜ステップS1617にて把握したパラメータ情報が設定される。
以上のように帯画像G24の表示内容を表示制御するためのデータとして帯表示用テーブル145が設けられているとともに点滅画像G25の表示内容を表示制御するためのデータとして点滅表示用テーブル146が設けられていることにより、帯画像G24の先端部分の移動速度及び点滅画像G25の点滅周期のうち一方を変更しないようにしながら他方を変更することが可能となる。これにより、帯画像G24の移動速度と点滅画像G25の点滅周期とのそれぞれを独立して変更することが可能となり、有効期間表示演出の表示態様の多様化を好適に実現することが可能となる。
特に、帯画像G24の先端部分の移動速度を変更する場合には帯表示用テーブル145におけるポインタ情報の更新周期を変更するだけであるため、いずれの移動速度であったとしても同一の帯表示用テーブル145が使用される。同様に点滅画像G25の点滅周期を変更する場合には点滅表示用テーブル146におけるポインタ情報の更新周期を変更するだけであるため、いずれの点滅周期であったとしても同一の点滅表示用テーブル146が使用される。例えば、帯画像G24の表示内容を表示制御するためのデータと点滅画像G25の表示内容を表示制御するためのデータとが一のテーブルにまとめて設定されている構成において帯画像G24の先端部分の移動速度及び点滅画像G25の点滅周期のうち一方を他方に影響を与えずに変更しようとすると、それに対応するテーブルを別途用意する必要が生じるとともに、そのテーブルは移動速度と点滅周期との組合せの種類数分必要となる。そうすると、当該テーブルを予め記憶しておくために必要なメモリモジュール74の記憶容量が増大化してしまう。これに対して、いずれの移動速度であったとしても同一の帯表示用テーブル145が使用されるとともにいずれの点滅周期であったとしても同一の点滅表示用テーブル146が使用されるため、メモリモジュール74の記憶容量の増大化を抑制しながら有効期間表示演出の表示態様の多様化を実現することが可能となる。
帯表示用テーブル145には、点灯用画像データ143及び消灯用画像データ144のうち使用対象となる画像データを設定する位置の情報に対応する先端位置情報が設定されている。これにより、帯画像G24の表示態様を決定付ける情報に関連させて、帯画像G24の先端部分の位置に点滅画像G25を配置するための情報が設定されることとなる。よって、帯表示用テーブル145と点滅表示用テーブル146とが個別に設けられた構成において、帯画像G24と点滅画像G25との相対位置を調整するための処理構成を簡素化させることが可能となる。
<有効期間表示演出に関する別形態>
・点滅表示用テーブル146のポインタ情報が「0」及び「1」のみであり、それら「0」及び「1」のうち一方が点灯用画像データ143に対応しており、他方が消灯用画像データ144に対応している構成としてもよい。この場合、「0」と「1」との間でのポインタ情報の更新周期を調整することで、点滅画像G25の点滅周期を第1点滅周期Te1及び第2点滅周期Te2のいずれかに設定することが可能となる。本構成によれば、点滅表示用テーブル146のデータ量をより小さくすることが可能となる。
・帯画像G24の先端部分の移動速度が第1速度である場合には1回の画像の更新タイミング毎に帯表示用テーブル145における参照対象のポインタ情報に1加算され、帯画像G24の先端部分の移動速度が第2速度である場合には1回の画像の更新タイミング毎に帯表示用テーブル145における参照対象のポインタ情報に2以上の値が加算される構成としてもよい。つまり、第1速度と第2速度とで1回の画像の更新タイミング毎に帯表示用テーブル145における参照対象のポインタ情報に加算される値が異なる構成としてもよい。当該構成であっても、同一の帯表示用テーブル145を利用しながら、帯画像G24の先端部分の移動速度を第1速度と第2速度との間で変更することが可能となる。
・点滅画像G25の点滅周期が第1点滅周期Te1である場合には1回の画像の更新タイミング毎に点滅表示用テーブル146における参照対象のポインタ情報に1加算され、点滅画像G25の点滅周期が第2点滅周期Te2である場合には1回の画像の更新タイミング毎に点滅表示用テーブル146における参照対象のポインタ情報に2以上の値が加算される構成としてもよい。つまり、第1点滅周期Te1と第2点滅周期Te2とで1回の画像の更新タイミング毎に点滅表示用テーブル146における参照対象のポインタ情報に加算される値が異なる構成としてもよい。当該構成であっても、同一の点滅表示用テーブル146を利用しながら、点滅画像G25の点滅周期を第1点滅周期Te1と第2点滅周期Te2との間で変更することが可能となる。
・点滅画像G25を表示するための画像データは2種類に限定されることはなく3種類以上であってもよく、点滅画像G25の点滅周期は2種類に限定されることはなく3種類以上であってもよい。また、帯画像G24の先端部分の移動速度は2種類に限定されることはなく3種類以上であってもよい。
・点滅画像G25を表示するために使用される画像データの種類を決定するために点滅表示用テーブル146が使用される構成に代えて、プログラム上の処理によってテーブルを使うことなく点滅画像G25を表示するために使用される画像データの種類が決定される構成としてもよい。
・帯画像G24のサイズが時間の経過に伴って変化する構成に加えて又は代えて、帯画像G24の形状及び色の少なくとも一方が時間の経過に伴って変化する構成としてもよい。また、点滅画像G25を表示するための画像データの種類が時間の経過に伴って変化する構成に加えて又は代えて、点滅画像G25のサイズ、形状及び色のうち少なくとも一つが時間の経過に伴って変化する構成としてもよい。
<数表示演出を行うための構成>
次に、数表示演出を行うための構成について説明する。
図49は数表示演出の内容を説明するための説明図である。数表示演出は、高頻度入賞モードの開閉実行モードにおいて当該開閉実行モードの開始時から遊技者が獲得した遊技球の個数(以下、獲得個数という)を図柄表示装置41にて表示する演出である。獲得個数とは、開閉実行モードの開始時から遊技者に払い出された遊技球の合計個数と、開閉実行モードの開始時から遊技領域PAに発射された遊技球の合計個数との差の個数のことである。また、数表示演出による獲得個数の表示は、開閉実行モードにおいてオープニング期間が開始された場合に開始され、その開閉実行モードにおいて遊技者への遊技球の払出契機が発生した場合及び遊技球の発射が行われた場合にそれに合わせて表示内容が変更される。図49について詳細には、図柄表示装置41にて開閉実行モード用の表示演出が実行されている状況において、その図柄表示装置41の縁部側にて個数表示画像G31が表示される。遊技者は個数表示画像G31を確認することで、開閉実行モードにおいて獲得した遊技球の個数を把握することが可能となる。
図50は数表示演出を行うための電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置50のMPU52には、入賞検知センサ151〜154、発射球検知センサ155及び戻り球検知センサ156が電気的に接続されている。入賞検知センサ151〜154は、遊技球の払い出しの契機となる入賞の発生を検知するためのセンサであり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34に1対1で対応させて複数種類設けられている。主制御装置50のMPU52は、複数種類の入賞検知センサ151〜154のそれぞれから検知信号を受信する。そして、当該MPU52は、いずれかの入賞検知センサ151〜154から対応する入球部において遊技球の入球が発生したことに対応する信号を受信した場合、その入賞に対応した個数の遊技球の払い出しを指示するための賞球コマンドを払出制御装置55に送信する。
払出制御装置55は、MPU159aが搭載された払出制御基板158を備えている。MPU159aには、当該MPU159aにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM159bと、そのROM159b内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM159cと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。払出制御装置55のMPU159aには払出装置56が電気的に接続されており、当該MPU159aは主制御装置50から賞球コマンドを受信した場合には払出装置56に設けられた払出モータ56aへの駆動信号の出力を開始することで遊技球の払い出しを開始させる。そして、当該MPU159aは、払出装置56に設けられた払出検知センサ56bの検知結果に基づき計測した遊技球の払出個数が、賞球コマンドに設定されている個数の情報に対応した個数となった場合に、払出モータ56aへの駆動信号の出力を停止させて遊技球の払い出しを停止させる。また、払出制御装置55のMPU159aは、払出検知センサ56bにて1個の遊技球を検知する度に、主制御装置50のMPU52に1個の遊技球の払い出しが完了したことを示す払出完了信号を送信する。
発射球検知センサ155は、発射操作装置28が操作された場合に遊技領域PAに向けて遊技球を発射するための遊技球発射機構161に設けられている。図51は内枠13の下側領域を拡大して示す当該内枠13の正面図である。遊技球発射機構161は、内枠13の前面において遊技盤24の下方に設けられている。遊技球発射機構161は、遊技盤24に形成された誘導レールに向けて延びる発射レール162と、上皿46aから発射レール162上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド163と、発射レール162上に供給された1個の遊技球B1をソレノイド163による打ち出しを可能とする位置にて保持するための保持部材164とを備えている。発射操作装置28が操作されている場合には所定の発射周期(例えば60msec)となる度にソレノイド163に駆動信号が供給されて、ソレノイド163による遊技球の打ち出しが行われる。
当該遊技球発射機構161において発射球検知センサ155は、発射レール162の最下流部の位置を通過する遊技球を検知するように設けられている。つまり、発射レール162の最下流部から誘導レールに向けて発射される遊技球を検知するように発射球検知センサ155が設けられており、発射球検知センサ155により検知された遊技球は発射レール162を逆流することはない。
発射球検知センサ155は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、遊技球B1が検知範囲に存在している状況では発射球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、遊技球B1が検知範囲に存在していない状況では発射球非検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、発射球検知センサ155によって、発射レール162の最下流部の位置を通過して誘導レールに向けて発射された遊技球の個数を特定することが可能となる。なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、発射球検知センサ155は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。
戻り球検知センサ156は、発射レール162の最下流部から誘導レールに向けて発射されたものの遊技領域PAに到達することなく誘導レールを逆流した遊技球を回収する戻り球用回収部165に設けられている。戻り球用回収部165は、内枠13の前面において誘導レールと発射レール162とを横方向に離間させることにより生じた領域に形成されており、両レール間に亘って存在している。戻り球用回収部165は、所定の深さ寸法を有する空間として形成されているとともに、当該空間が上方に開放させて形成されている。戻り球用回収部165は下皿47aに連通されており、戻り球用回収部165にて回収された遊技球B1は自重により下皿47aに排出される。
当該戻り球用回収部165において戻り球検知センサ156は、戻り球用回収部165の最下流部の位置を通過する遊技球を検知するように設けられている。つまり、戻り球用回収部165の最下流部から下皿47aに向けて流下していく遊技球を検知するように戻り球検知センサ156が設けられている。
戻り球検知センサ156は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、遊技球が検知範囲に存在している状況では戻り球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、遊技球が検知範囲に存在していない状況では戻り球非検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、戻り球検知センサ156によって、戻り球用回収部165にて回収された遊技球の個数を特定することが可能となる。なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、戻り球検知センサ156は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。
図50を参照する説明に戻り、主制御装置50のMPU52は、払出制御装置55のMPU159aからの払出完了信号の受信結果、発射球検知センサ155からの発射球検知信号の受信結果、及び戻り球検知センサ156からの戻り球検知信号の受信結果のそれぞれに対応するコマンドを音光側MPU62に送信する。これらコマンドについて詳細には、主制御装置50のMPU52は、払出完了信号を受信した回数を計測し、払出完了信号の受信が10回発生した場合には10個の遊技球の払い出しが完了したことを示す情報が設定された賞球完了コマンドを音光側MPU62に送信する。また、主制御装置50のMPU52は、払出完了信号を前回受信してから受信待機期間(例えば2sec)が経過しても次の払出完了信号を受信しない場合には、賞球完了コマンドを前回送信してから払出完了信号を受信した回数が10回に達していなくても賞球完了コマンドを音光側MPU62に送信する。この賞球完了コマンドには、賞球完了コマンドを前回送信してから受信した払出完了信号の回数を示す情報が設定される。また、主制御装置50のMPU52は、発射球検知センサ155から発射球検知信号を受信した場合には1個の遊技球の発射が行われたことを示す発射実行コマンドを音光側MPU62に送信し、戻り球検知センサ156から戻り球検知信号を受信した場合には1個の戻り球が発生したことを示す戻り球発生コマンドを音光側MPU62に送信する。
音光側MPU62は、開閉実行モードである場合、主制御装置50のMPU52から賞球完了コマンド、発射実行コマンド及び戻り球発生コマンドを受信する度に、獲得球数の表示を可能とするための計測処理を行う。そして、その計測処理の結果に対応する計測コマンドを、当該計測コマンドの送信タイミングとなった場合に表示制御装置70の表示CPU72に送信する。表示CPU72は、受信した計測コマンドの内容を反映させた状態で図柄表示装置41において個数表示画像G31を表示させる。
以下、数表示演出を行うために音光側MPU62及び表示CPU72にて実行される処理内容について説明する。まず音光側MPU62にて実行される処理内容について説明する。
図52は、音光側MPU62にて実行される計数用処理を示すフローチャートである。なお、計数用処理は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS301のテーブル設定処理にて実行される。
開閉実行モードである場合において賞球完了コマンドを受信した場合(ステップS1701及びステップS1702:YES)、音光側RAM64に設けられた計測用カウンタ166に、今回受信した賞球完了コマンドに設定されている遊技球の払い出しの完了個数に対応する値を加算する(ステップS1703)。計測用カウンタ166は、開閉実行モードにおいて一の計測コマンドの送信タイミングから次の計測コマンドの送信タイミングまでに発生した獲得個数を計測するために用いられるカウンタである。例えば、10個の遊技球の払い出しが完了したことを示す賞球完了コマンドを受信した場合には計測用カウンタ166に「10」の値を加算し、3個の遊技球の払い出しが完了したことを示す賞球完了コマンドを受信した場合には計測用カウンタ166に「3」の値を加算する。
開閉実行モードである場合において発射実行コマンドを受信した場合(ステップS1701及びステップS1704:YES)、計測用カウンタ166から「1」を減算する(ステップS1705)。計測用カウンタ166は正の値及び負の値の両方を計測可能とするように構成されており、例えば計測用カウンタ166の値が「5」の場合に発射実行コマンドを受信した場合には計測用カウンタ166の値は「4」となり、計測用カウンタ166の値が「0」の場合に発射実行コマンドを受信した場合には計測用カウンタ166の値は「−1」となる。また、開閉実行モードである場合において戻り球発生コマンドを受信した場合(ステップS1701及びステップS1706:YES)、計測用カウンタ166の値に「1」を加算する(ステップS1707)。
図53は、音光側MPU62にて実行される計測コマンドの出力設定処理を示すフローチャートである。なお、計数用処理は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS302のコマンド選択処理にて実行される。
計測コマンドの出力設定処理では、まず計測コマンドの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS1801)。計測コマンドの出力タイミングは、開閉実行モードである状況においてコマンド出力周期が経過することで発生する。コマンド出力周期は、個数表示画像G31の更新周期よりも長い周期として設定されており、より詳細には個数表示画像G31の更新周期を2倍した周期よりも長く、個数表示画像G31の更新周期を3倍した周期よりも短い周期として設定されている。なお、個数表示画像G31の更新周期は、1フレーム分の画像の更新周期である20msecよりも長い周期として設定されており、例えば300msecに設定されている。但し、個数表示画像G31の更新周期が経過することで発生する個数表示画像G31の更新タイミングは、1フレーム分の画像の更新タイミングに該当する。
計測コマンドの出力タイミングである場合(ステップS1801:YES)、計測用カウンタ166の値が「0」以上であるか否かを判定することで、計測用カウンタ166の値が獲得個数の増加に対応しているか否かを判定する(ステップS1802)。計測用カウンタ166の値が獲得個数の増加に対応している場合(ステップS1802:YES)、音光側ROM63から増加用計測コマンドを読み出し、その読み出した増加用計測コマンドに対して、計測用カウンタ166の現状の値に対応した情報を設定する(ステップS1803)。そして、その情報設定後の増加用計測コマンドを表示CPU72に送信する(ステップS1804)。これにより、表示CPU72において獲得個数が増加したことが特定されるとともに、その増加分の個数が特定される。
計測コマンドの出力タイミングである場合であって計測用カウンタ166の値が「0」未満である場合(ステップS1801:YES、ステップS1802:NO)、計測用カウンタ166の値が獲得個数の減少に対応していることを意味する。この場合、音光側ROM63から減少用計測コマンドを読み出し、その読み出した減少用計測コマンドに対して、計測用カウンタ166の現状の値に対応した情報を設定する(ステップS1805)。そして、その情報設定後の減少用計測コマンドを表示CPU72に送信する(ステップS1806)。これにより、表示CPU72において獲得個数が減少したことが特定されるとともに、その減少分の個数が特定される。
ステップS1804又はステップS1806の処理を実行した場合、計測用カウンタ166の値を「0」クリアする(ステップS1807)。これにより、計測コマンドへの設定対象となった獲得個数の情報は、計測用カウンタ166から消去されることとなる。
次に、表示CPU72にて実行される処理内容について説明する。図54は、表示CPU72にて実行される計測コマンド対応処理を示すフローチャートである。なお、計測コマンド対応処理は、V割込み処理(図18)におけるステップS603のコマンド対応処理にて実行される。
音光側MPU62から増加用計測コマンドを受信した場合(ステップS1901:YES)、ワークRAM73に設けられた反映用カウンタ167に、今回受信した増加用計測コマンドに設定されている獲得個数の増加分の個数に対応する値を加算する(ステップS1902)。反映用カウンタ167は、個数表示画像G31として現状表示されている獲得個数の表示に対して今後反映させるべき増減分の個数を表示CPU72にて特定するためのカウンタである。音光側MPU62から減少用計測コマンドを受信した場合(ステップS1903:YES)、反映用カウンタ167の値から、今回受信した減少用計測コマンドに設定されている獲得個数の減少分の個数に対応する値を減算する(ステップS1904)。
図55は、表示CPU72にて実行される計測表示用の演算処理を示すフローチャートである。なお、計測表示用の演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS704の演出用演算処理にて実行される。
個数表示画像G31の更新タイミングである場合(ステップS2001:YES)、反映用カウンタ167の値が0未満であれば(ステップS2002:YES)、ワークRAM73に設けられた合計用カウンタ168の減算処理を実行する(ステップS2003)。合計用カウンタ168は、個数表示画像G31として表示する獲得個数の値を決定するカウンタであり、合計用カウンタ168に記憶されている値が個数表示画像G31として表示される。したがって、合計用カウンタ168の値が変動することにより個数表示画像G31の内容がそれに合わせて変動する。合計用カウンタ168の減算処理では、現状の合計用カウンタ168の値から、現状の反映用カウンタ167に設定されている獲得個数の減少分の値を減算する。つまり、反映用カウンタ167の値が獲得個数の減少に対応する値となっている場合、その値に関係なく、反映用カウンタ167に設定されている獲得個数の減少分の値の全てが合計用カウンタ168の値に反映される。これにより、獲得個数の減少が発生する場合、その減少分の全てがまとめて個数表示画像G31における獲得個数の表示に反映されることとなる。その後、反映用カウンタ167の値を「0」クリアする(ステップS2004)。
個数表示画像G31の更新タイミングであって反映用カウンタ167の値が「0」以上である場合(ステップS2001:YES、ステップS2002:NO)、当該反映用カウンタ167の値が1以上であるか否かを判定する(ステップS2005)。反映用カウンタ167の値が1以上ではない場合(ステップS2005:NO)、反映用カウンタ167の値が「0」であることを意味する。この場合、個数表示画像G31の今回の更新タイミングにおいて合計用カウンタ168の増減は発生しない。したがって、個数表示画像G31における獲得個数の表示内容はそのまま維持される。
反映用カウンタ167の値が1以上である場合(ステップS2005:YES)、当該反映用カウンタ167の値が第1基準値以上であるか否かを判定する(ステップS2006)。ここで、個数表示画像G31において表示されている獲得個数を増加させる場合、個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値は所定の制限値に制限されている。これにより、獲得個数が増加する場合には個数表示画像G31において獲得個数の表示が増加するように更新される期間が長く継続され易くすることが可能となり、開閉実行モードにおいて獲得個数が増加している印象を遊技者に与え易くなる。
個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値は複数種類設定されており、具体的には当該加算対象となる値として、第1加算対象値である「5」と、第1加算対象値よりも小さい第2加算対象値である「3」と、第2加算対象値よりも小さい第3加算対象値である「1」とが設定されている。そして、反映用カウンタ167の値が第1基準値として予め設定されている「12」の値よりも大きい場合には加算対象となる値として「5」が選択され、反映用カウンタ167の値が第1基準値よりも小さい値である第2基準値として予め設定されている「5」の値よりも大きい場合には加算対象となる値として「3」が選択され、反映用カウンタ167の値が「5」の値以下である場合には加算対象となる値として「1」が選択される。これにより、個数表示画像G31における獲得個数の表示に反映されることなく反映用カウンタ167において待機される獲得個数の増加分の値が極端に大きな値となってしまうことを抑えることが可能となるとともに、個数表示画像G31における獲得個数の増加態様を多様化させることが可能となる。
ちなみに、払出装置56は払出モータ56aが通常の速度で動作している場合、24msecに1個の割合で遊技球を払い出す。また、遊技球の発射周期は60msecである。これに対して、音光側MPU62による計測コマンドの出力周期は約720msecである。そうすると、増加用計測コマンドに含まれる獲得個数の増加分の値としては最大で「18」の値が設定されるため、反映用カウンタ167の値が第1基準値よりも大きい値となる状況は発生し得る。
計測表示用の演算処理について詳細には、反映用カウンタ167の値が第1基準値よりも大きい場合(ステップS2006:YES)、合計用カウンタ168に第1加算対象値を加算するとともに(ステップS2007)、反映用カウンタ167から第1加算対象値を減算する(ステップS2008)。これにより、個数表示画像G31として表示されている獲得個数の値が第1加算対象値分増加するとともに、反映用カウンタ167において待機されている獲得個数の増加分の値が第1加算対象値分減少する。
反映用カウンタ167の値が第1基準値以下であって第2基準値よりも大きい場合(ステップS2006:NO、ステップS2009:YES)、合計用カウンタ168に第2加算対象値を加算するとともに(ステップS2010)、反映用カウンタ167から第2加算対象値を減算する(ステップS2011)。これにより、個数表示画像G31として表示されている獲得個数の値が第2加算対象値分増加するとともに、反映用カウンタ167において待機されている獲得個数の増加分の値が第2加算対象値分減少する。
反映用カウンタ167の値が第2基準値以下である場合(ステップS2009:NO)、合計用カウンタ168に第3加算対象値を加算するとともに(ステップS2012)、反映用カウンタ167から第3加算対象値を減算する(ステップS2013)。これにより、個数表示画像G31として表示されている獲得個数の値が第3加算対象値分増加するとともに、反映用カウンタ167において待機されている獲得個数の増加分の値が第3加算対象値分減少する。
ステップS2004の処理を実行した場合、ステップS2005にて否定判定をした場合、ステップS2008の処理を実行した場合、ステップS2011の処理を実行した場合、又はステップS2013の処理を実行した場合、合計用カウンタ168の値に対応する画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する(ステップS2014)。そして、当該画像データに適用するパラメータ情報を把握する(ステップS2015)。これにより、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、現状の合計用カウンタ168の値に対応した画像を個数表示画像G31として表示するための画像データが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、当該画像データに適用するパラメータ情報が設定される。
次に、数表示演出が実行される様子を図56のタイムチャートを参照しながら説明する。図56(a)は音光側MPU62からの計測コマンドの送信タイミングを示し、図56(b)は反映用カウンタ167の値が変動する様子を示し、図56(c)は個数表示画像G31の更新タイミングを示す。
t1のタイミングで、図56(a)に示すように音光側MPU62から表示CPU72に計測コマンドが送信される。この場合、当該計測コマンドは獲得個数の増加分として「17」が設定された増加用計測コマンドである。したがって、当該t1のタイミングで、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値が「17」に設定される。但し、当該t1のタイミングは個数表示画像G31の更新タイミングではないため、反映用カウンタ167に設定された値は、個数表示画像G31における獲得個数の表示に対しては反映されない。
その後、t2のタイミングで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミングとなる。この場合、反映用カウンタ167の値は第1基準値よりも大きい値である「17」となっているため、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値から第1加算対象値である「5」が減算される。そして、個数表示画像G31における獲得個数の表示が、それまでの値に対して第1加算対象値が加算された値に更新される。
その後、t3のタイミング及びt4のタイミングのそれぞれで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミングとなる。これらの場合、反映用カウンタ167の値は第1基準値以下であって第2基準値よりも大きい値となっているため、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値から第2加算対象値である「3」が減算される。そして、個数表示画像G31における獲得個数の表示が、それまでの値に対して第2加算対象値が加算された値に更新される。
その後、t5のタイミングで、図56(a)に示すように音光側MPU62から表示CPU72に計測コマンドが送信される。この場合、当該計測コマンドは獲得個数の減少分として「3」が設定された減少用計測コマンドである。したがって、当該t5のタイミングで、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値が「6」から「3」が減算されて「3」に更新される。
その後、t6のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミングとなる。これらの場合、反映用カウンタ167の値は第2基準値以下となっているため、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値から第3加算対象値である「1」が減算される、そして、個数表示画像G31における獲得個数の表示が、それまでの値に対して第3加算対象値が加算された値に更新される。
その後、t8のタイミングで、図56(a)に示すように音光側MPU62から表示CPU72に計測コマンドが送信される。この場合、当該計測コマンドは獲得個数の増加分として「5」が設定された増加用計測コマンドである。したがって、当該t8のタイミングで、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値が「1」から5加算されて「6」に更新される。
その後、t9のタイミングで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミグとなる。この場合、反映用カウンタ167の値は再び第2基準値よりも大きな値となっているため、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値から第2加算対象値である「3」が減算される。そして、個数表示画像G31における獲得個数の表示が、それまでの値に対して第2加算対象値が加算された値に更新される。
その後、t10のタイミング、t12のタイミング及びt13のタイミングのそれぞれで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミングとなる。これらの場合、反映用カウンタ167の値は第2基準値以下となっているため、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値から第3加算対象値である「1」が減算される、そして、個数表示画像G31における獲得個数の表示が、それまでの値に対して第3加算対象値が加算された値に更新される。なお、t11のタイミングで図56(a)に示すように計測コマンドが送信されているが、当該計測コマンドには獲得個数の増減分の情報として「0」が設定されているため、反映用カウンタ167の値は変更されていない。
その後、t14のタイミングで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミングとなるが、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値は「0」であるため、当該反映用カウンタ167の値はそのまま維持されるとともに、個数表示画像G31における獲得個数の表示もそのまま維持される。
その後、t15のタイミングで、図56(a)に示すように音光側MPU62から表示CPU72に計測コマンドが送信される。この場合、当該計測コマンドは獲得個数の減少分として「5」が設定された減少用計測コマンドである。したがって、当該t15のタイミングで、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値が「0」から5減算されて「−5」に更新される。
その後、t16のタイミングで、図56(c)に示すように個数表示画像G31の更新タイミングとなる。この場合、反映用カウンタ167の値は獲得個数の減少に相当するマイナスの値となっている。反映用カウンタ167の値が獲得個数の減少に相当するマイナスの値である場合、その値に関係なく、一度に獲得個数の表示に反映される。したがって、図56(b)に示すように反映用カウンタ167の値は「0」クリアされる。
以上のように数表示演出として開閉実行モードが開始されてからの遊技球の獲得個数が、実際の獲得個数の増減に合わせて変動させながら表示されることにより、開閉実行モードの途中であってもその時点までに獲得している遊技球の個数を遊技者が把握することが可能となる。この場合に、個数表示画像G31において表示されている獲得個数を増加させる場合、個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値は所定の制限値に制限されている。これにより、獲得個数が増加する場合には個数表示画像G31において獲得個数の表示が増加するように更新される期間が長く継続され易くすることが可能となり、開閉実行モードにおいて獲得個数が増加している印象を遊技者に与え易くなる。
個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値は複数種類設定されている。そして、反映用カウンタ167の値が大きいほど個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値は大きい値となり、反映用カウンタ167の値が小さいほど個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値は小さい値となる。これにより、個数表示画像G31における獲得個数の表示に反映されることなく反映用カウンタ167において待機される獲得個数の増加分の値が極端に大きな値となってしまうことを抑えることが可能となるとともに、個数表示画像G31における獲得個数の増加態様を多様化させることが可能となる。
反映用カウンタ167の値が第1基準値以下となり個数表示画像G31の獲得個数の表示に対して第2加算対象値が加算される状況となったとしても、その後に反映用カウンタ167の値が第1基準値よりも大きい値となった場合には個数表示画像G31の獲得個数の表示に対して第1加算対象値が加算される状況に復帰する。これにより、個数表示画像G31の各更新タイミングにおける状況に対して適切な態様で獲得個数の表示の更新を行うことが可能となる。
反映用カウンタ167の値が獲得個数の減少に相当するマイナスの値である場合には、当該反映用カウンタ167の値に関係なく、その減少分の値が一度にまとめて個数表示画像G31における獲得個数の表示に反映される。これにより、獲得個数の表示が減少するように更新される期間が長く継続されてしまわないようにすることが可能となる。また、反映用カウンタ167の値がマイナスの値になった場合には、個数表示画像G31の1回の更新タイミングで反映用カウンタ167の値を「0」クリアすることが可能となり、その後に反映用カウンタ167の値がプラスの値となり易くすることが可能となる。よって、獲得個数の表示が増加するように更新される機会を多く発生させることが可能となる。
<数表示演出に関する更なる別形態>
・主制御装置50のMPU52から音光側MPU62に賞球完了コマンドが送信される構成に代えて、払出制御装置55のMPU159aに賞球コマンドを送信する場合にそれと同一の賞球コマンドを音光側MPU62に送信する構成としてもよい。この場合、獲得個数の表示には、実際には払い出されていないものの払出予定の遊技球の個数が加算されることとなる。
・発射球検知センサ155にて検知された遊技球の発射個数及び戻り球検知センサ156にて検知された遊技球の戻り球個数が獲得個数の表示に反映される構成としたが、これらのうち一方又は両方が獲得個数の表示に反映されない構成としてもよい。
・数表示演出は開閉実行モードにおいてオープニング期間が開始された場合に開始される構成としたが、これに代えて、オープニング期間が終了して最初のラウンド遊技回が開始される場合に開始される構成としてもよい。
・数表示演出は1回の開閉実行モードが終了する場合に終了する構成としたが、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる場合には当該高頻度サポートモードにおいて数表示演出が継続され、さらに低頻度サポートモードを間に挟むことなく開閉実行モードが複数回発生した場合には最初の開閉実行モードが開始されてからの遊技球の獲得個数が継続して表示される構成としてもよい。また、開閉実行モードの終了後に大当たり発生抽選モードが高確率モードとなる場合には当該高確率モードにおいて数表示演出が継続され、さらに低確率モードを間に挟むことなく開閉実行モードが複数回発生した場合には最初の開閉実行モードが開始されてからの遊技球の獲得個数が継続して表示される構成としてもよい。
・発射操作装置28に対して発射操作が行われている状況であるか否かを特定可能とし、発射操作装置28に対して発射操作が行われているか否かに応じて、個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値が変化する構成としてもよい。例えば、獲得個数の加算対象となっている値が同一であったとしても、発射操作が行われていない状況よりも発射操作が行われている状況の方が個数表示画像G31の1回の更新タイミングにおいて獲得個数の加算対象となる値が大きい値となる又は大きい値になり易い構成としてもよく、小さい値となる又は小さい値になり易い構成としてもよい。なお、発射操作装置28に対して発射操作が行われている状況であるか否かを特定可能とする構成としては、発射操作装置28に対して遊技者が触れていることを検知するタッチセンサを設け当該タッチセンサがONとなっている場合には発射操作が行われている状況であると特定する構成としてもよく、当該構成に加えて又は代えて、発射操作装置28の回動操作量を把握するための可変抵抗器を設け当該可変抵抗器の検知結果が回動操作量が所定量以上である結果に対応している場合に発射操作が行われている状況であると特定する構成としてもよい。
<数表示演出に関する更なる別形態>
・数表示演出を適用する対象は、開閉実行モードにおける遊技球の獲得個数を表示するための演出に限定されることはなく任意である。例えば、スロットマシンにおいてRTゲーム、ATゲーム又はARTゲームといった遊技者に有利な有利遊技状態の残りの継続ゲーム数が当該有利遊技状態の途中で増加し得る場合において、数表示演出として、残りの継続ゲーム数が増加していく様子を示す増加表示演出が実行される構成としてもよい。当該増加表示演出を行うために表示CPU72にて実行される増加表示用の演算処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
有利遊技状態の残りの継続ゲーム数を増加させる契機が発生した場合、増加表示演出が開始される。増加表示演出の開始タイミングである場合(ステップS2101:YES)、対象増加値の除算処理を実行する(ステップS2102)。対象増加値の除算処理では、有利遊技状態の残りの継続ゲーム数に増加させるゲーム数として決定された対象増加値を予め定められた除算値である「100」で除算する。対象増加値は複数種類設定されており、それら複数種類の対象増加値はいずれも除算値で除算した場合の商の値が8以下となるように設定されているとともに、除算値で除算した場合の商の値が相互に相違するように設定されている。具体的には、対象増加値として、「50」、「100」及び「250」が設定されている。対象増加値が「50」である場合には除算値で除算した結果は商が「0」であり余りが「50」となり、対象増加値が「100」である場合には除算値で除算した結果は商が「1」であり余りが「0」となり、対象増加値が「250」である場合には除算値で除算した結果は商が「2」であり余りが「50」となる。
対象増加値の除算処理を実行した場合、当該除算処理により導出された商の値に対して「1」を加算した値を単位増加値としてワークRAM73に記憶する(ステップS2103)。単位増加値は、増加表示演出として図柄表示装置41に表示されている残りの継続ゲーム数の表示を、当該表示の1回の更新タイミングにおいて増加させる値である。上記のとおり対象増加値の種類に応じて除算値で除算した結果の商が異なるため、対象増加値の種類に応じて単位増加値も相違することとなる。
その後、ワークRAM73に設けられた単位増加カウンタの設定処理を実行する(ステップS2104)。単位増加カウンタは、今回の増加表示演出において当該増加表示演出による表示が更新される回数を表示CPU72にて特定するためのカウンタである。ステップS2104では、今回の対象増加値を、ステップS2103にて導出した単位増加値で除算する。そして、その除算により算出された商の値を単位増加カウンタに設定する。例えば、対象増加値が「250」である場合には単位増加値は「3」となり、この単位増加値で対象増加値を除算すると商が「83」であり余りが「1」となる。この場合、単位増加カウンタには、「83」が設定される。また、対象増加値を単位増加値で除算した結果、余りが1以上である場合にはその余りを残数値としてワークRAM73に記憶する(ステップS2105)。
ステップS2105の処理を実行した場合、又は増加表示演出の更新タイミングである場合(ステップS2106:YES)、ワークRAM73の単位増加カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS2107)。単位増加カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2107:YES)、ワークRAM73に設けられた合計用カウンタの現状の値に、ステップS2103にて算出した単位増加値を加算する(ステップS2108)。合計用カウンタは、残りの継続ゲーム数をゲーム数画像として表示する場合にその値を決定するカウンタであり、合計用カウンタに記憶されている値がゲーム数画像として表示される。なお、増加表示演出が開始された場合に、その時点における残りの継続ゲーム数が合計用カウンタに設定される。
ステップS2108にて、合計用カウンタの現状の値に単位増加値が加算されることにより、ゲーム数画像の値は現状の値から単位増加値分、増加する。その後、単位増加カウンタの値を1減算する(ステップS2109)。
単位増加カウンタの値が「0」である場合(ステップS2107:NO)、ワークRAM73に残数値が記憶されていることを条件として(ステップS2110:YES)、合計用カウンタに残数値を加算する(ステップS2111)。これにより、ゲーム数画像の値は現状の値から残数値分、増加する。
ステップS2109の処理を実行した場合、ステップS2110にて否定判定をした場合、又はステップS2111の処理を実行した場合、合計用カウンタの値に対応する画像データを今回の使用対象の画像データとして把握する(ステップS2112)。そして、当該画像データに適用するパラメータ情報を把握する(ステップS2113)。これにより、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、現状の合計用カウンタの値に対応した画像をゲーム数画像として表示するための画像データが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、当該画像データに適用するパラメータ情報が設定される。
上記構成によれば、有利遊技状態の残りの継続ゲーム数が増加する演出が実行される場合において、対象増加値に応じて単位増加値が変動するため、継続ゲーム数に対象増加値が加算される場合におけるゲーム数画像の各更新タイミングにおけるゲーム数の増加態様を多様化させることが可能となる。
また、このように継続ゲーム数の増加態様を多様化させる場合であっても、単位増加値を決定するための処理構成、単位増加カウンタの値を設定するための処理構成、及びゲーム数画像を更新するための処理構成は、対象増加値がいずれの種類であっても一定である。これにより、処理構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
また、対象増加値に応じた単位増加値が設定されるため、単位増加値を確認することで対象増加値を遊技者に予測させることが可能となる。よって、ゲーム数画像の更新態様に遊技者を注目させることが可能となり、結果的に増加表示演出への注目度を高めることが可能となる。
なお、対象増加値の除算処理(ステップS2102)を実行する場合の除算値を複数種類用意し、抽選により決定された除算値を利用して当該除算処理が実行される構成としてもよい。この場合、同一の対象増加値であっても継続ゲーム数に対象増加値が加算される場合におけるゲーム数画像の各更新タイミングにおけるゲーム数の増加態様を多様化させることが可能となる。
<擬似動画演出を行うための構成>
次に、擬似動画演出を行うための構成について説明する。
擬似動画演出は、疑似動画演出期間に亘って図柄表示装置41にて動画表示が実行される演出である。疑似動画演出期間においては、図柄表示装置41にて表示される画像の少なくとも一部が変更されることとなる画像の更新タイミングが複数回である特定更新回数(例えば、600回)発生する。疑似動画演出期間における画像の各更新タイミングにおいては、当該更新タイミングにおいて使用対象となっている1個の静止画像データ171〜173が、描画対象となるフレーム領域82a,82bの全体に対して描画され、当該1個の静止画像データ171〜173による画像が図柄表示装置41の全体に亘って表示される。この場合に、疑似動画演出期間において使用対象となる静止画像データ171〜173の数が、上記特定更新回数よりも少ない構成となっている。
詳細には、図58の説明図に示すように、メモリモジュール74には、疑似動画演出を実行するための静止画像データ171〜173として、第1キャラクタ用画像データ171と、エフェクト画像データ172と、第2キャラクタ用画像データ173とが予め記憶されている。第1キャラクタ用画像データ171は、図59(a)の説明図に示すように、第1キャラクタ用画像G41として、人を表した第1疑似動画用キャラクタG42と、第1疑似動画用キャラクタG42とは異なる人を表した第2疑似動画用キャラクタG43と、それら第1疑似動画用キャラクタG42及び第2疑似動画用キャラクタG43の奥側に表示される疑似動画用背景G44とを図柄表示装置41の全体に表示するための画像データである。第1キャラクタ用画像G41は、カメラなどの撮像装置により撮像した画像である。
エフェクト画像データ172は、図59(b)の説明図に示すように、エフェクト画像G45として、エフェクト用背景G46の手前において光源から周囲に光が照射されている様子を表す光線画像G47が表示される画像を図柄表示装置41の全体に表示するための画像データである。エフェクト画像G45とは、視的効果を高めるための画像であり、光線画像G47以外にも、爆風を表す画像、水飛沫を表す画像、及びキャラクタの周囲が発光しているかのにように表すオーラ画像などが挙げられる。エフェクト画像G45は、画像を作成するためのソフトウェアを利用して作成された画像である。
第2キャラクタ用画像データ173は、図59(c)の説明図に示すように、第2キャラクタ用画像G48として、第1キャラクタ用画像G41と同様に、第1疑似動画用キャラクタG42と、第2疑似動画用キャラクタG43と、疑似動画用背景G44とを図柄表示装置41の全体に表示するための画像データである。また、第2キャラクタ用画像G48は、カメラなどの撮像装置により撮像した画像である。
但し、第2キャラクタ用画像データ173による第1疑似動画用キャラクタG42及び第2疑似動画用キャラクタG43の表示態様は、第1キャラクタ用画像データ171による第1疑似動画用キャラクタG42及び第2疑似動画用キャラクタG43の表示態様と異なっている。具体的には、第1疑似動画用キャラクタG42における一部の領域である手を表す手領域の形状、胴体を表す胴体領域の向き、及び胴体領域に対する手領域の相対位置などが、第1キャラクタ用画像G41と第2キャラクタ用画像G48との間で異なっている。また、第2疑似動画用キャラクタG43における一部の領域である手を表す手領域の形状、胴体を表す胴体領域の向き、及び胴体領域に対する手領域の相対位置などが、第1キャラクタ用画像G41と第2キャラクタ用画像G48との間で異なっている。
第1キャラクタ用画像G41と第2キャラクタ用画像G48との間において、第1疑似動画用キャラクタG42の表示態様に連続性がなく、同様に第2疑似動画用キャラクタG43の表示態様にも連続性がない。第1疑似動画用キャラクタG42について表示態様に連続性がないとは、第2キャラクタ用画像G48における第1疑似動画用キャラクタG42の手領域などの所定領域の形状、及び当該所定領域と第1疑似動画用キャラクタG42の他の領域との間の相対位置が、第1キャラクタ用画像G41の表示態様から想定される次の画像の更新タイミングにおける態様と異なっていることをいう。同様に、第2疑似動画用キャラクタG43について表示態様に連続性がないとは、第2キャラクタ用画像G48におけ第2疑似動画用キャラクタG43の手領域などの所定領域の形状、及び当該所定領域と第2疑似動画用キャラクタG43の他の領域との間の相対位置が、第1キャラクタ用画像G41の表示態様から想定される次の画像の更新タイミングにおける態様と異なっていることをいう。
第1キャラクタ用画像G41を表示する第1表示期間と、第2キャラクタ用画像G48を表示する第3表示期間との間に、エフェクト画像G45を表示する第2表示期間が設定されている。これにより、第1キャラクタ用画像G41が表示された直後に第2キャラクタ用画像G48が表示される場合よりも、第1キャラクタ用画像G41と第2キャラクタ用画像G48との間における各疑似動画用キャラクタG42,G43の非連続性が目立たなくなる。そして、各疑似動画用キャラクタG42,G43の非連続性を目立たなくさせながら、第1表示期間と第3表示期間とのそれぞれにおいて各疑似動画用キャラクタG42,G43が異なる表示態様で表示されることにより、キャラクタ用画像データ171,173の数が画像の更新タイミングに対して少なく且つ各疑似動画用キャラクタG42,G43の動作に連続性がないキャラクタ用画像データ171,173を利用しながらも、疑似動画用キャラクタG42,G43の動画表示が行われていると遊技者に認識させることが可能となる。
第1キャラクタ用画像G41を表示する第1表示期間、エフェクト画像G45を表示する第2表示期間、及び第2キャラクタ用画像G48を表示する第3表示期間は、それぞれ画像の更新タイミングが複数回発生する期間となっとており、各表示期間は相互に同一の期間となっている。第1表示期間、第2表示期間及び第3表示期間のそれぞれにて画像の更新タイミングが複数回発生する構成において、各表示期間において使用対象となる画像データ171〜173は既に説明したとおり1種類のみである。但し、各表示期間のそれぞれにおいて、使用対象の画像データ171〜173のフレーム領域82a,82bへの描画態様が各更新タイミングにおいて変更される構成となっている。具体的には、各画像データ171〜173において描画対象のフレーム領域82a,82bに描画する範囲を順次異ならせる構成となっている。以下、当該構成について説明する。
図60は各画像データ171〜173において描画対象のフレーム領域82a,82bに描画する範囲を異ならせる様子を説明するための説明図である。
VDP76において描画対象のフレーム領域82a,82bに描画データが作成される場合、フレーム領域82a,82bの全単位エリアに対してデータが書き込まれるが、各フレーム領域82a,82bの解像度は800×600のドット数となっている。これに対して、第1キャラクタ用画像データ171、エフェクト画像データ172及び第2キャラクタ用画像データ173は、メモリモジュール74に記憶されている状態のサイズにおいてフレーム領域82a,82bのドット数よりも多いピクセル数となっている。そして、当該初期倍率の各画像データ171〜173により描画可能な範囲は、横方向寸法及び縦方向寸法の両方においてフレーム領域82a,82bよりも大きい。これにより、各表示期間において使用対象となっている1種類の画像データ171〜173において描画対象となる範囲を異ならせることが可能となる。さらに、このように使用対象となっている1種類の画像データ171〜173において描画対象となる範囲を異ならせる構成であっても、図柄表示装置41の全体においてその1種類の画像データ171〜173に対応する画像を表示させることが可能となる。
第1キャラクタ用画像データ171、エフェクト画像データ172及び第2キャラクタ用画像データ173のそれぞれのメモリモジュール74に記憶されている状態のサイズは、相互に同一となっている。そして、各画像データ171〜173において描画対象となる範囲を異ならせる態様は、第1表示期間、第2表示期間及び第3表示期間のいずれであっても同一となっている。具体的には、各表示期間の開始タイミングにおいては、その使用対象となる画像データ171〜173において所定の隅角側に寄せた範囲が描画対象となる範囲として設定されている。そして、その後の画像の更新タイミングにおいてその描画対象となる範囲が上記所定の隅角に対して反対側の隅角側に向けて徐々に移動するように、当該描画対象となる範囲の変更態様が設定されている。
描画対象となる範囲を変更させるためのデータは、図58に示すように、疑似動画用テーブル174としてメモリモジュール74に予め記憶されている。図61は疑似動画用テーブル174を説明するための説明図である。図61に示すように、疑似動画用テーブル174には、連番となるポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて描画対象となる範囲を決定付ける描画範囲情報が設定されている。ポインタ情報は、各表示期間において発生する画像の更新タイミングの数分設定されている。これにより、各表示期間においては疑似動画用テーブル174を参照することで、全ての更新タイミングに対応する描画範囲情報を導出することが可能となる。また、疑似動画用テーブル174が各表示期間において兼用されることにより、各表示期間のそれぞれに対応させて疑似動画用テーブル174を予め用意する構成に比べて、疑似動画用テーブル174を予め記憶しておくために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
図62は疑似動画演出が実行される様子を示すタイムチャートである。図62(a)は第1表示期間を示し、図62(b)は第2表示期間を示し、図62(c)は第3表示期間を示し、図62(d)は各表示期間において使用対象となっている画像データ171〜173の描画対象となる範囲が変更される様子を示す。
t1のタイミングで疑似動画演出が開始されることにより、図62(a)に示すように第1表示期間が開始される。そして、当該第1表示期間はt1のタイミング〜t2のタイミングに亘って継続することとなるが、その間において図62(d)に示すように第1キャラクタ用画像データ171において描画対象となる範囲は一定の方向性を持ちながら徐々に変更される。
t2のタイミングで、図62(a)に示すように第1表示期間が終了するとともに、図62(b)に示すように第2表示期間が開始される。そして、当該第2表示期間はt2のタイミング〜t3のタイミングに亘って継続することとなるが、その間において図62(d)に示すようにエフェクト画像データ172において描画対象となる範囲は一定の方向性を持ちながら徐々に変更される。この方向性及び連続する更新タイミング間における描画範囲のずれ量は、第1表示期間の場合と同一である。
t3のタイミングで、図62(b)に示すように第2表示期間が終了するとともに、図62(c)に示すように第3表示期間が開始される。そして、当該第3表示期間はt3のタイミング〜t4のタイミングに亘って継続することとなるが、その間において図62(d)に示すように第2キャラクタ用画像データ173において描画対象となる範囲は一定の方向性を持ちながら徐々に変更される。この方向性及び連続する更新タイミング間における描画範囲のずれ量は、第1表示期間及び第2表示期間の場合と同一である。
以下、疑似動画演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図63は、表示CPU72にて実行される疑似動画演出用の演算処理を示すフローチャートである。なお、疑似動画演出用の演算処理は、疑似動画演出を実行すべき状況において、タスク処理(図19)におけるステップS704の演出用演算処理にて実行される。
第1表示期間である場合(ステップS2201:YES)、今回が第1表示期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2202)。なお、表示CPU72は疑似動画演出を開始する場合に疑似動画演出の全体の流れを制御するための実行対象テーブルをメモリモジュール74から読み出しており、その実行対象テーブルを参照することで今回がいずれの表示期間に該当しているのかの特定、及び各表示期間の開始タイミングであるか否かの特定を行っている。
第1表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2202:YES)、疑似動画用テーブル174をメモリモジュール74からワークRAM73に読み出す(ステップS2203)。ステップS2202にて否定判定をした場合、又はステップS2203の処理を実行した場合、第1キャラクタ用画像データ171を今回使用する画像データとして把握する(ステップS2204)。また、疑似動画用テーブル174において現状の参照対象となっているポインタ情報に対応させて設定されている描画範囲情報を把握する(ステップS2205)。その後、描画範囲情報以外のパラメータ情報を把握した後に(ステップS2206)、疑似動画用テーブル174において参照対象となるポインタ情報の値が1加算されるように当該参照対象のポインタ情報を更新する(ステップS2207)。
上記のように疑似動画演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、第1キャラクタ用画像データ171が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS2205及びステップS2206にて把握したパラメータ情報が設定される。
第2表示期間である場合(ステップS2201:NO、ステップS2208:YES)、今回が第2表示期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2209)。第2表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2209:YES)、第1表示期間においてワークRAM73に既に読み出されている疑似動画用テーブル174における参照対象のポインタ情報の値を「0」クリアする(ステップS2210)。これにより、疑似動画用テーブル174における最初のポインタ情報に対応させて設定されている描画範囲情報が、第2表示期間の開始タイミングにおいて使用対象となる。
ステップS2209にて否定判定をした場合、又はステップS2210の処理を実行した場合、エフェクト画像データ172を今回使用する画像データとして把握する(ステップS2211)。また、疑似動画用テーブル174において現状の参照対象となっているポインタ情報に対応させて設定されている描画範囲情報を把握する(ステップS2212)。その後、描画範囲情報以外のパラメータ情報を把握した後に(ステップS2213)、疑似動画用テーブル174において参照対象となるポインタ情報の値が1加算されるように当該参照対象のポインタ情報を更新する(ステップS2214)。
上記のように疑似動画演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、エフェクト画像データ172が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS2212及びステップS2213にて把握したパラメータ情報が設定される。
第3表示期間である場合(ステップS2201及びステップS2208:NO)、今回が第3表示期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2215)。第3表示期間の開始タイミングである場合(ステップS2215:YES)、第1表示期間においてワークRAM73に既に読み出されている疑似動画用テーブル174における参照対象のポインタ情報の値を「0」クリアする(ステップS2216)。これにより、疑似動画用テーブル174における最初のポインタ情報に対応させて設定されている描画範囲情報が、第3表示期間の開始タイミングにおいて使用対象となる。
ステップS2215にて否定判定をした場合、又はステップS2216の処理を実行した場合、第2キャラクタ用画像データ173を今回使用する画像データとして把握する(ステップS2217)。また、疑似動画用テーブル174において現状の参照対象となっているポインタ情報に対応させて設定されている描画範囲情報を把握する(ステップS2218)。その後、描画範囲情報以外のパラメータ情報を把握した後に(ステップS2219)、疑似動画用テーブル174において参照対象となるポインタ情報の値が1加算されるように当該参照対象のポインタ情報を更新する(ステップS2220)。
上記のように疑似動画演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、第2キャラクタ用画像データ173が描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS2218及びステップS2219にて把握したパラメータ情報が設定される。
ここで、第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173は、疑似動画演出とは別の演出において個別に利用される。具体的には、第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードにおいてそれぞれ異なるラウンド遊技中に実行されるラウンド演出の表示画像として利用される。図64は、表示CPU72にて実行されるラウンド演出用の演算処理を示すフローチャートである。なお、ラウンド演出用の演算処理は、ラウンド演出を実行すべき状況において、タスク処理(図19)におけるステップS704の演出用演算処理にて実行される。
最初のラウンド遊技の実行期間である場合(ステップS2301:YES)、第1キャラクタ用画像データ171を今回使用する画像データとして把握するとともに(ステップS2302)、その他の画像データを今回使用する画像データとして把握する(ステップS2303)。その後、これら画像データに適用するパラメータ情報を把握する(ステップS2304)。このようにラウンド演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、第1キャラクタ用画像データ171及びステップS2303にて把握した画像データが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS2304にて把握したパラメータ情報が設定される。
8番目のラウンド遊技の実行期間である場合(ステップS2305:YES)、第2キャラクタ用画像データ173を今回使用する画像データとして把握するとともに(ステップS2306)、その他の画像データを今回使用する画像データとして把握する(ステップS2307)。その後、これら画像データに適用するパラメータ情報を把握する(ステップS2308)。このようにラウンド演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS605)においてVDP76に送信される描画リストには、第2キャラクタ用画像データ173及びステップS2307にて把握した画像データが描画対象として設定される。また、当該描画リストには、ステップS2308にて把握したパラメータ情報が設定される。
なお、最初のラウンド遊技及び8番目のラウンド遊技ではない場合には、その他の処理を実行する(ステップS2309)。この場合、第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173は使用対象の画像データとして選択されない。
以上のように第1キャラクタ用画像G41を表示する第1表示期間と、第2キャラクタ用画像G48を表示する第3表示期間との間に、エフェクト画像G45を表示する第2表示期間が設定されている。これにより、第1キャラクタ用画像G41が表示された直後に第2キャラクタ用画像G48が表示される場合よりも、第1キャラクタ用画像G41と第2キャラクタ用画像G48との間における各疑似動画用キャラクタG42,G43の非連続性が目立たなくなる。そして、各疑似動画用キャラクタG42,G43の非連続性を目立たなくさせながら、第1表示期間と第2表示期間とのそれぞれにおいて各疑似動画用キャラクタG42,G43が異なる表示態様で表示されることにより、キャラクタ用画像データ171,173の数が画像の更新タイミングに対して少なく且つ各疑似動画用キャラクタG42,G43の動作に連続性がないキャラクタ用画像データ171,173を利用しながらも、疑似動画用キャラクタG42,G43の動画表示が行われていると遊技者に認識させることが可能となる。
特に、第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173はそれぞれ異なるラウンド遊技におけるラウンド演出用の画像を表示するために用意された画像データであり、その使用目的からすると第1キャラクタ用画像G41及び第2キャラクタ用画像G48との間における各疑似動画用キャラクタG42,G43の動きの連続性は要求されない。この場合に、上記のようにエフェクト画像G45の表示期間を間に挟むようにして第1キャラクタ用画像G41の表示期間及び第2キャラクタ用画像G48の表示期間を生じさせることにより、ラウンド演出用の画像を表示するために用意された第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173を利用して、疑似動画演出を実行することが可能となる。
擬似動画演出の各表示期間において使用対象となる画像データ171〜173のフレーム領域82a,82bへの描画態様が各更新タイミングにおいて変更される。これにより、各表示期間において1種類の画像データ171〜173を利用しながら、動きのある画像表示を行うことが可能となる。
疑似動画演出の各表示期間において使用対象となる画像データ171〜173のフレーム領域82a,82bへの描画態様を変更させるための疑似動画用テーブル174は、各表示期間において兼用される。これにより、メモリモジュール74において必要な記憶容量を抑えながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
<疑似動画演出に関する別形態>
・各疑似動画用キャラクタG42,G43を表示するためのキャラクタ用画像データ171,173が2種類のみ存在している構成に限定されることはなく、3種類以上存在している構成としてもよい。例えば、第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173とは別に、各疑似動画用キャラクタG42,G43を表示させるとともに第1キャラクタ用画像G41及び第2キャラクタ用画像G48とは各疑似動画用キャラクタG42,G43の表示態様を異ならせる第3キャラクタ用画像データがメモリモジュール74に予め記憶されている構成としてもよい。この場合、疑似動画演出期間として、第1キャラクタ用画像データ171が使用対象となる第1表示期間と、エフェクト画像データ172が使用対象となる第2表示期間と、第2キャラクタ用画像データ173が使用対象となる第3表示期間と、エフェクト画像データ172又はそれとは異なるエフェクト画像データが使用対象となる第4表示期間と、第3キャラクタ用画像データが使用対象となる第5表示期間とが存在することとなる。
・疑似動画演出の各表示期間が相互に同一の期間である構成に限定されることはなく、各表示期間は相互に異なる期間ではあるものの略同一の期間である構成としてもよく、各表示期間のうち少なくとも一つの表示期間は他の表示期間と大きく異なる期間である構成としてもよい。例えば、第1表示期間と第2表示期間とは同一又は略同一の期間ではあるものの、エフェクト期間はこれら第1表示期間及び第2表示期間よりも長い期間又は短い期間である構成としてもよい。各表示期間が相互に相違する場合、疑似動画用テーブル174を各表示期間のうち最長の期間となる表示期間の全ての更新タイミングに対応するように作成することで、他の表示期間においてもこの疑似動画用テーブル174を兼用することが可能となる。
・疑似動画用テーブル174により導出される描画範囲情報が開始タイミングと終了タイミングとで連続性を有するのであれば、疑似動画演出における一の表示期間において当該疑似動画用テーブル174を複数周回使用したとしても違和感が生じない。この場合、疑似動画用テーブル174において一の表示期間の全体に対応するデータが設定されている必要はなく、一の表示期間の一部の期間に対応するデータのみが設定されていれば十分である。
・第1キャラクタ用画像データ171、エフェクト画像データ172及び第2キャラクタ用画像データ173はメモリモジュール74に記憶されている状態の初期倍率のサイズにおいてフレーム領域82a,82bよりも大きいサイズである構成に限定されることはなく、初期倍率のサイズにおいてはフレーム領域82a,82bと同一又はそれよりも小さいサイズであり、メモリモジュール74から読み出した後にフレーム領域82a,82bよりも大きいサイズとなるように拡大処理が実行される構成としてもよい。この場合、ラウンド演出用の画像を表示させるために利用する場合には、第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173を初期倍率のサイズで利用し、疑似動画演出用の画像を表示させるために利用する場合には、それら第1キャラクタ用画像データ171及び第2キャラクタ用画像データ173を初期倍率のサイズから拡大させたサイズで利用する構成としてもよい。
・疑似動画演出の各表示期間において使用対象となる画像データ171〜173のフレーム領域82a,82bへの描画態様を各更新タイミングにおいて変更させるための方法は、画像データ171〜173において描画対象となる範囲を異ならせる方法に限定されない。例えば、画像データ171〜173において描画対象となる範囲を徐々に狭くすることで、結果的に表示対象の画像が徐々に拡大表示されるようにする方法としてもよい。また、画像データ171〜173において描画対象となる範囲を徐々に広くすることで、結果的に表示対象の画像が徐々に縮小表示されるようにする方法としてもよい。
・疑似動画演出の第1表示期間では第1キャラクタ用画像データ171のみが使用対象の画像データとなる構成に限定されることはなく、第1表示期間においては第1キャラクタ用画像データ171をフレーム領域82a,82bに描画した後に、当該フレーム領域82a,82bの一部の範囲に対して他の画像データが描画される構成としてもよい。この場合であっても、当該他の画像データの後方においては第1キャラクタ用画像G41が表示されることとなり、第1キャラクタ用画像G41と第2キャラクタ用画像G48との間でエフェクト画像G45を表示させることにより、各疑似動画用キャラクタG42,G43による動画が表示されていると遊技者に認識させることが可能となる。
<疑似動画演出に関する更なる別形態>
・疑似動画演出の態様として図65(a)〜図65(c)に示す態様も考えられる。当該態様について具体的には、図65(a)及び図65(c)に示すように、疑似動画演出では疑似動画用キャラクタG51が表示される。疑似動画用キャラクタG51を表示するための画像データとして第1疑似動画用画像データと、第2疑似動画用画像データとがメモリモジュール74に予め記憶されており、第1疑似動画用画像データが使用対象となることにより図65(a)に示すように第1疑似動画用画像G52が表示され、第2疑似動画用画像データが使用対象となることにより図65(c)に示すように第2疑似動画用画像G53が表示される。
第1疑似動画用画像G52では図65(a)に示すように疑似動画用キャラクタG51の所定部位G51a(具体的には両腕)が所定の動作経路で動く前の様子が表示され、第2疑似動画用画像G53では図65(c)に示すように疑似動画用キャラクタG51の所定部位G51aが所定の動作経路で動いた後の様子が表示される。但し、第1疑似動画用画像G52と第2疑似動画用画像G53との間における疑似動画用キャラクタG51の所定部位G51aの位置は、遊技者に動きの連続性を認識させづらい程度に離れている。
これに対して、第1疑似動画用画像G52の表示期間と第2疑似動画用画像G53の表示期間との間において、図65(b)に示すように疑似動画用エフェクト画像G54が表示される。この疑似動画用エフェクト画像G54では、泡などの小さい個別画像G54aが多数表示される。また、疑似動画用エフェクト画像G54は所定期間に亘って表示され、その所定期間において多数の小さい個別画像G54aは、疑似動画用キャラクタG51の上記所定部位G51aにおける上記所定の動作経路に沿った移動方向と同一の方向に移動するように動画表示される。
上記構成であることにより、第1疑似動画用画像G52と第2疑似動画用画像G53との間における疑似動画用キャラクタG51の所定部位G51aの位置が、遊技者に動きの連続性を認識させづらい程度に離れている構成であったとしても、疑似動画用エフェクト画像G54における小さい個別画像G54aの動きによる視的効果によって、第1疑似動画用画像G52と第2疑似動画用画像G53との間において所定部位G51aが所定の動作経路に沿って動いたと遊技者に認識させることが可能となる。これにより、疑似動画用キャラクタG51を表示するための疑似動画用画像データの数が少ない構成であっても、第1疑似動画用画像G52と第2疑似動画用画像G53との間における所定部位G51aの位置の非連続性を目立たせないようにしながら、疑似動画用キャラクタG51の動画表示が行われていると遊技者に認識させることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、表示制御に関する電気的構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。図66は、本実施形態における電気的構成を示すブロック図である。
図66に示す構成では上記第1の実施形態と同様に、主制御装置50を備えている。また、主制御装置50には、払出装置56を制御する払出制御装置55と、主制御装置50を含めた各機器への電力供給の機能を担うとともに遊技球発射機構58を駆動制御する電源・発射制御装置57と、遊技回の結果を表示する特図ユニット37と、普電開放抽選の結果を表示する普図ユニット38と、が電気的に接続されている。また、主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて表示発光部44及びスピーカ部45を駆動制御する音声発光制御装置60が設けられており、さらに当該音声発光制御装置60から送信されるコマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する表示制御装置200が設けられている。
表示制御装置200は、図66に示すように、表示CPU201と、ワークRAM202と、メモリモジュール203と、VRAM204と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)205と、が搭載された表示制御基板206を備えている。
表示CPU201は、表示制御装置200においてメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読み出し、解釈及び実行を行う。詳細には、表示CPU201は表示制御基板206に搭載された入力ポート207に対してバスを介して接続されており、音声発光制御装置60から送信された各種コマンドは入力ポート207を通じて表示CPU201に入力される。
表示CPU201は、バスを介してワークRAM202、メモリモジュール203及びVRAM204と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、メモリモジュール203に記憶された各種データをワークRAM202に転送させる転送指示を行う。また、表示CPU201は、バスを介してVDP205と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に3次元画像(3D画像)を表示させるための描画指示を行う。以下、メモリモジュール203、ワークRAM202、VRAM204及びVDP205について説明する。
メモリモジュール203は、制御プログラム及び固定値データを含む制御用データを予め記憶しているとともに、3次元画像を表示するための各種画像データを予め記憶している。当該メモリモジュール203は、記憶保持に外部からの電力供給が不要な不揮発性の半導体メモリを有している。ちなみに、記憶容量は4Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置200における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該メモリモジュール203は、パチンコ機10の使用に際して、非書き込み用であって読み出し専用のメモリ(ROM)として用いられる。
メモリモジュール203に記憶されている各種画像データには、図柄表示装置41に表示される図柄やキャラクタなどのオブジェクトデータと、当該オブジェクトデータに貼り付けられるテクスチャデータと、1フレーム分の画像において最背面の画像を構成する背面用の画像データとが含まれている。
ここで、オブジェクトデータとは、仮想3次元空間に相当する3次元の座標系であるワールド座標系に配置される3次元の仮想物体であり、複数のポリゴンによって構成された3次元情報である。また、ポリゴンとは、複数個の3次元座標の頂点で定義される多角形平面である。オブジェクトデータには、例えばサーフェスモデルを適用するため、オブジェクトデータ毎に予め設定された基準座標を原点として、各ポリゴンの頂点座標情報が設定されている。つまり、各オブジェクトデータでは、自己完結のローカル座標系において各ポリゴンの相対位置(すなわち、向きやサイズ)が3次元的に定義されている。
テクスチャデータとは、オブジェクトデータの各ポリゴンに貼り付ける画像であり、テクスチャデータがオブジェクトデータに貼り付けられることにより、オブジェクトデータに対応する画像、例えば図柄やキャラクタなどを含む表示画像が生成される。テクスチャデータの持ち方は、任意であるが、例えばビットマップ形式データと、ビットマップ画像の各ピクセルでの表示色を決定する際に参照されるカラーパレットとの組合せを少なくとも含んでいる。
最背面の画像は、2次元画像(2D画像)を構成している。背面用の画像データの持ち方は、任意であるが、例えば2次元の静止画像データが圧縮された状態のJPEG形式データとして記憶保持されている。ちなみに、当該背面用の画像データがワールド座標系に配置される場合には板状オブジェクトデータ(すなわち板ポリゴン)が利用される。
ワークRAM202は、メモリモジュール203から読み出されて転送された制御用データを一時的に記憶しておくとともに、フラグ等を一時的に記憶しておくための記憶手段である。ワークRAM202は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は1Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置200における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、ワークRAM202は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
ワークRAM202には、表示CPU201からメモリモジュール203へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール203から制御用データが転送される。そして、表示CPU201は、ワークRAM202に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
VRAM204は、図柄表示装置41に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。当該VRAM204は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。但し、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は2Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置200における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該VRAM204は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
VRAM204は展開用バッファ211を備えており、展開用バッファ211には、VDP205からメモリモジュール203へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール203から画像データが転送される。また、VRAM204には、VDP205により描画データが作成されるフレームバッファ212が設けられている。
VDP205は、表示CPU201からの描画指示に基づき、展開用バッファ211に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、図柄表示装置41に対して描画を行う画像生成デバイスであり、図柄表示装置41において液晶表示部41aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス41bを操作する一種の描画回路である。VDP205はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
詳細には、VDP205は、ジオメトリ演算部221と、レンダリング部222と、レジスタ223と、表示回路225と、を備えている。また、これら各回路はバスを介して相互に接続されているとともに、表示CPU201用のI/F226及びVRAM204用のI/F227と接続されている。
表示CPU201用のI/F226は、表示CPU201から送信された描画指示情報としての描画リストをレジスタ223に記憶させる。ジオメトリ演算部221は、レジスタ223に格納された描画リストに基づいて、メモリモジュール203に記憶されている各種画像データをVRAM204の展開用バッファ211に読み出す。また、ジオメトリ演算部221は、配置対象として指定されているオブジェクトデータをワールド座標系内に配置する。また、ジオメトリ演算部221は、オブジェクトデータをワールド座標系内に配置する場合及び配置した後に、各種の座標変換処理を実行する。そして、最終的に表示面Pのスクリーン座標に対応する3次元空間に対応させて、オブジェクトをクリッピングする。
レンダリング部222は、レジスタ223に格納された描画リストに基づいて、クリッピングされた各オブジェクトデータに対して光源調整や、テクスチャデータの貼付を行い、オブジェクトデータの外観を決定する。また、レンダリング部222は、各オブジェクトデータを所定の2次元平面上に投影させて2次元データを作成するとともに、深度情報に基づく各種調整を行い2次元データである1フレーム分の描画データをフレームバッファ212に作成する。1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで図柄表示装置41の表示面Pにおける画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるのに必要なデータのことをいう。
なお、ジオメトリ演算部221及びレンダリング部222が動作するための制御プログラムの全てが描画リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリをVDP205に内蔵させ、当該制御プログラムと描画リストの内容によってジオメトリ演算部221及びレンダリング部222が処理を実行する構成としてもよい。また、メモリモジュール203から制御プログラムを事前に読み出す構成としてもよい。また、ジオメトリ演算部221及びレンダリング部222がプログラムを利用することなく、描画リストに対応したハード回路の動作のみで処理を実行する構成としてもよい。
ここで、フレームバッファ212には、複数のフレーム領域212a,212bが設けられている。具体的には、第1フレーム領域212aと、第2フレーム領域212bとが設けられている。これら各フレーム領域212a,212bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。具体的には、各フレーム領域212a,212bにはそれぞれ、液晶表示部41a(すなわち表示面P)のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各ドットにおいて256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアにおいて色情報を格納するために必要な記憶容量は1バイトでよい。
フレームバッファ212に第1フレーム領域212a及び第2フレーム領域212bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて図柄表示装置41への描画が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、フレームバッファ212として、ダブルバッファ方式が採用されている。
表示回路225では、第1フレーム領域212a又は第2フレーム領域212bに作成された描画データに基づいて液晶表示部41aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路225に接続された出力ポート208を介して図柄表示装置41に出力される。詳細には、出力対象のフレーム領域212a,212bから表示回路225へ描画データが転送される。その転送された描画データは図柄表示装置41の解像度に対応したものとなるように、図示しないスケーラにより解像度調整が行われて階調データに変換される。そして、当該階調データに基づいて図柄表示装置41の各ドットに対応した画像信号が生成されて出力される。なお、表示回路225からは水平同期信号又は垂直同期信号などの同期信号も出力される。
<表示CPU201における基本的な処理>
次に、表示CPU201における基本的な処理について説明する。
図67は、本実施形態におけるV割込み処理を示すフローチャートである。V割込み処理では、今回が表示CPU201への電力供給の開始タイミングである場合(ステップS2401:YES)、メモリモジュール203に予め記憶されている全てのテクスチャデータを、VRAM204の展開用バッファ211に設けられたテクスチャ用エリア211aに読み出す(ステップS2402)。
ステップS2401にて否定判定をした場合、又はステップS2402の処理を実行した場合、コマンド解析処理を実行する(ステップS2403)。具体的には、ワークRAM202のコマンドバッファに格納されているコマンドの内容を解析する。ここで、表示CPU201は音光側MPU62からストローブ信号を受信した場合、その時点で実行されている処理が何であったとしてもコマンド割込み処理を実行する。コマンド割込み処理では、入力ポート207にて受信しているコマンドを、ワークRAM202に設けられたコマンドバッファに転送する。
その後、コマンド解析処理の結果が新規コマンドを受信している結果に対応していることを条件として(ステップS2404:YES)、コマンド対応処理を実行する(ステップS2405)。コマンド対応処理では、受信しているコマンドに対応したプログラムを実行するための実行対象テーブルをメモリモジュール203から読み出す。実行対象テーブルとは、受信したコマンドに対応した動画を図柄表示装置41に表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。
表示CPU201が音光側MPU62から受信するコマンドとしては、上記第1の実施形態と同様に、変動開始時のコマンド、予告演出開始時のコマンド、ノーマルリーチ開始時のコマンド、スーパーリーチ開始時のコマンド、確定演出開始時のコマンド、待機表示開始時のコマンド及び確定表示開始コマンドなどがある。これらのコマンドを受信した場合、それら各コマンドに対応した遊技回用の演出を図柄表示装置41にて実行するために必要な実行対象テーブルを読み出す。
ステップS2404にて否定判定をした場合、又はステップS2405の処理を実行した場合、タスク処理を実行する(ステップS2406)。タスク処理では、使用対象として設定されているデータテーブルにおける今回の処理回の制御データを参照することで、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるためにVDP205に描画指示を行う上で必要な各種データの設定を行う。当該各種データとして具体的には、メモリモジュール203において制御対象の画像データが記憶されているエリアのアドレス情報、VRAM204において制御対象の画像データを転送するエリアのアドレス情報、制御対象の画像データを用いて描画データを作成すべき対象のフレーム領域212a,212bの情報、及び仮想3次元空間を利用して3D画像を作成するための各種情報が存在している。
その後、描画リスト出力処理を実行する(ステップS2407)。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP205に送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータ情報が合わせて設定される。VDP205では、この描画リストに従ってVRAM204のフレーム領域212a,212bに描画データを作成する。
図68は、ステップS2406のタスク処理を示すフローチャートである。
タスク処理ではまず制御開始用の設定処理を実行する(ステップS2501)。制御開始用の設定処理では、今回の処理回で表示CPU201において新たに制御(演算)を開始する個別画像を設定するための処理を実行する。なお、個別画像とは、背面用の画像データなどの静止画像データにより規定される一の2D画像や、オブジェクト用の画像データとテクスチャ用の画像データとの組み合わせにより規定される一の3D画像のことである。
制御開始用の設定処理について具体的には、先ず現状設定されている実行対象テーブルに基づいて、今回の処理回で制御開始対象となる個別画像が存在しているか否かを判定する。存在している場合には、ワークRAM202において、個別画像の制御を行う上で各種演算を行うための空きバッファ領域を検索して、制御開始対象として把握されている個別画像に1対1で対応するように空きバッファ領域を確保する。さらに、確保した全ての空きバッファ領域に対して初期化処理を実行するとともに、初期化した空きバッファ領域に対して、個別画像に応じた制御開始用のパラメータを設定する。
その後、制御更新対象を把握する(ステップS2502)。この制御更新対象は、制御開始処理が完了している個別画像であって今回の処理回以降に1フレーム分の画像に含まれる可能性がある個別画像が対象となる。
その後、背景用演算処理を実行する(ステップS2503)。背景用演算処理では、背景の画像を構成することとなる最背面用の画像や、背景用キャラクタについて、ワールド座標系内における座標、回転角度、スケール、明暗を付けるためのライトの情報、投影を行うためのカメラの情報、及びZテスト指定などといった描画リストを作成する上で必要な各種パラメータを演算して導き出す処理を実行する。
その後、演出用演算処理を実行する(ステップS2504)。演出用演算処理では、リーチ表示、予告表示及び大当たり演出といった各種演出において表示対象となる個別画像について、上記各種パラメータを演算して導き出す処理を実行する。
その後、図柄用演算処理を実行する(ステップS2505)。図柄用演算処理では、各遊技回において変動表示の対象となる図柄の画像について、上記各種パラメータを演算して導き出す処理を実行する。
ちなみに、ステップS2503〜ステップS2505の各処理では、ステップS2501にて設定された制御開始用のパラメータを更新する処理を実行する。また、ステップS2503〜ステップS2505の各処理では、個別画像の各種パラメータを画像更新タイミングとなる度に特定のパターンに従って変化させるように設定されたアニメーション用データが用いられる。このアニメーション用データは、個別画像の種類に応じて定められている。また、アニメーション用データは、メモリモジュール203に予め記憶されており、表示CPU201において読み出す必要があるタイミングとなるまでにワークRAM202に事前転送される。
その後、ワールド座標系への配置対象の把握処理を実行する(ステップS2506)。ワールド座標系への配置対象の把握処理では、上記ステップS2503〜ステップS2505の各処理により制御更新対象となった各個別画像のうち、今回の描画リストにおいて描画対象として設定する個別画像を把握する処理を実行する。当該把握は、現状設定されている実行対象テーブルに基づいて行われる。ここで把握された個別画像が、描画リストにおいて描画対象として設定される。
つまり、表示CPU201にて制御対象となる個別画像の方が、VDP205にて制御対象となる個別画像よりも多く設定されているため、ステップS2506においてその調整を行っている。但し、これに限定されることはなく、表示CPU201において制御対象となる個別画像と、VDP205において制御対象となる個別画像とが同一である構成としてもよく、この場合、ステップS2506の処理を実行する必要がなくなる。
<VDP205における基本的な処理>
次に、VDP205にて実行される基本的な処理について説明する。
VDP205では、表示CPU201から送信されたコマンドに基づいてレジスタ223の値を設定する処理、表示CPU201から送信された描画リストに基づいてフレームバッファ212のフレーム領域212a,212bに描画データを作成する処理、フレーム領域212a,212bに作成された描画データに基づいて図柄表示装置41に画像信号を出力する処理が少なくとも実行される。
上記各処理のうち、レジスタ223の値を設定する処理は、表示CPU201用のI/F226に付随する図示しない回路によって、描画リストを受信した場合にその都度実行される。また、描画データを作成する処理は、ジオメトリ演算部221及びレンダリング部222の協同により、予め定められた周期(例えば、20msec)で繰り返し実行される。また、画像信号を出力する処理は、表示回路225によって、予め定められた画像信号の出力開始タイミングとなることで実行される。
以下、上記描画データを作成する処理について詳細に説明する。当該処理の説明に先立ち、表示CPU201からVDP205に送信される描画リストの内容について説明する。図69(a)〜図69(c)は描画リストの内容を説明するための説明図である。
描画リストには、ヘッダ情報が設定されている。ヘッダ情報には、当該描画リストに係る1フレーム分の画像を、第1フレーム領域212a及び第2フレーム領域212bのうちいずれを作成対象とするかを示す情報であるターゲットバッファの情報が設定されている。また、ヘッダ情報には、各種指定情報が設定されている。
描画リストには、上記ヘッダ情報以外にも、今回の描画データの作成に際してワールド座標系への配置対象となる複数種類の画像データが設定されており、さらに各画像データの描画順序の情報と、各画像データのパラメータ情報とが設定されている。詳細には、描画順序の情報が連番の数値情報となるようにして設定されているとともに、各数値情報に1対1で対応させてパラメータ情報が設定されている。
図69(a)の描画リストでは、背面用の画像データが最初の描画対象として設定されているとともに、背景用オブジェクトAが2番目、背景用オブジェクトBが3番目、・・・として設定されている。また、これら背景用の画像データよりも後の順番として、演出用の画像データが設定されており、例えば演出用オブジェクトAがm番目、演出用オブジェクトBがm+1番目、・・・として設定されている。また、これら演出用の画像データよりも後の順番として、図柄用の画像データが設定されており、例えば図柄用オブジェクトAがn番目、図柄用オブジェクトBがn+1番目、・・・として設定されている。
なお、描画リストにおいて各画像データが設定されている順番は上記のものに限定されることはなく、設定されている順番が上記のものとは逆の順番であってもよく、図柄用の画像データの後に演出用の画像データ又は背景用の画像データが設定されていてもよく、所定の演出用の画像データと他の演出用の画像データとの間の順番に図柄用の画像データが設定されていてもよい。
パラメータ情報P(1),P(2),P(3),・・・,P(m),P(m+1),・・・,P(n),P(n+1),・・・には、複数種類のパラメータ情報が設定されている。背面用の画像データのパラメータ情報P(1)について具体的には、図69(b)に示すように、メモリモジュール203において背面用の画像データが記憶されているエリアのアドレスの情報と、背面用の画像データを設定する場合におけるワールド座標系内の位置を示す座標の情報(X値の情報,Y値の情報,Z値の情報)と、背面用の画像データを設定する場合におけるワールド座標系内の回転角度を示す回転角度の情報と、背面用の画像データの初期状態として設定されているスケールに対して、ワールド座標系に設定する際の倍率を示すスケールの情報と、背面用の画像データを設定する場合における全体の透過情報(又は透明情報)を示す一律α値の情報と、が設定されている。
ここで、座標の情報は、オブジェクトデータの全頂点について個別に設定される。また、この座標の情報はオブジェクトデータに対して設定されているが、テクスチャデータには設定されていない。テクスチャデータは、各ピクセルの座標値が、オブジェクトデータの各頂点に関連付けて予め定められている。この座標値は、ワールド座標系における座標値とは異なるUV座標値であり、オブジェクトデータ及びテクスチャデータの組合せに対して付属させた状態でメモリモジュール203に記憶されている。このUV座標値はテクスチャマッピングする際にVDP205により参照される。
パラメータ情報(P1)には、背面用の画像データを描画用の仮想2次元平面上に投影する場合における仮想カメラの座標及び向きの情報を含むカメラの情報と、背面用の画像データをレンダリングする場合における陰影を決定する仮想光源の位置及び向きの情報を含むライトの情報と、が設定されている。
パラメータ情報(P1)には、隠面消去を行う手法の一種であるZバッファ法の適用有無を示すZテスト指定の情報が設定されている。Zバッファ法とは、ワールド座標系内において多数のオブジェクトや2次元画像が奥行き方向(Z軸方向)に重なった場合に、Z軸上に並ぶ各ピクセル(又は各ボクセル、各画素、各ポリゴン)について視点からの距離を順次参照し、最も視点に近いピクセルに設定されている数値情報をフレーム領域212a,212bにおける対応する単位エリアに設定する深度調整用の処理方法である。
なお、上記隠面消去を行う手法としてZバッファ法以外にも、Zソート法が設定されている。Zソート法とは、Z軸上に並ぶ各ピクセルについて、各ピクセルに設定されている数値情報をフレーム領域212a,212bにおける対応する単位エリアに順次設定する深度調整用の処理方法である。当該Zソート法を適用する場合には、各ピクセルに設定されているα値が参照されて、Z軸上に並ぶ各ピクセルの色情報に対応した数値情報に対して対応するα値が適用された状態で、それら数値情報の加算処理や融合用の演算処理が実行されることとなる。Zソートによる隠面処理の具体的な処理構成の説明は省略するが、エフェクト画像を表示させる場合に起動される。
パラメータ情報(P1)には、αデータの適用有無及び適用対象を示すαデータ指定の情報と、フォグの適用有無及び適用対象を示すフォグ指定の情報と、が設定されている。
ここで、α値とは対応するピクセルの透過情報のことである。このα値の描画リスト上における設定の仕方として、上記一律α値を指定する方法と、αデータ指定を行う方法とがある。一律α値とは、一の画像データの全ピクセルに対して適用される透過情報のことであり、表示CPU201における演算結果として導出される数値情報である。当該一律α値は、画像データの全ピクセルに一律で適用される。一方、αデータとは、2次元の静止画像データやテクスチャデータの各ピクセル単位で適用される透過情報のことであり、画像データとしてメモリモジュール203に予め記憶されている。当該αデータは、同一の静止画像データ又は同一のテクスチャデータの範囲内において各ピクセル単位で透過情報を相違させることができる。このαデータは、一律α値を設定するためのプログラムデータに比べデータ容量が大きい。
上記のように一律α値とαデータとが設定されていることにより、2次元の静止画像データやテクスチャデータの透過度をピクセル単位で細かく制御するのではなく全ピクセルに対して一律で制御すればよい状況では一律α値で対応することができることで必要なデータ容量の削減が図られるとともに、αデータを適用することによって透過度をピクセル単位で細かく制御することも可能となる。
フォグとは、ワールド座標系において所定方向、具体的にはZ軸方向の位置に対する明るさの度合いを調整するための情報である。フォグは、霧を表現したり、洞窟内を表現したりする場合に使用される。ここで、1フレーム分の画像の全体に対して単一のフォグを適用してもよい。この場合、1フレーム分の画像に一定の態様でフォグがかかることとなる。また、これに代えて、1フレーム分の画像の全体に対して複数のフォグを適用してもよい。この場合、Z軸方向の奥側に配置されているオブジェクトに対してその他のオブジェクトと同様のフォグを適用すると暗すぎることで質感がでないような状況において、当該オブジェクトには別のフォグを設定する構成とするとよい。これにより、上記質感を損なわせないようにしつつ、フォグを設定することによる効果を得ることができる。
パラメータ情報P(2)といった他のパラメータでは、図69(c)に示すように、上記図69(b)の各種情報のうち、背面用の画像データの情報に代えて、オブジェクトの情報とテクスチャの情報とが設定されている。これらの情報としては、メモリモジュール203においてオブジェクトやテクスチャが記憶されているエリアのアドレスの情報が設定されている。
VDP205における描画処理について、図70のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、描画処理の実行に伴い描画データが作成される様子を、図71を参照しながら説明する。
まず表示CPU201から新たな描画リストを受信しているか否かを判定する(ステップS2601)。新たな描画リストを受信している場合には、背景用の設定処理を実行する(ステップS2602)。
背景用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、背景画像を表示するための背面用の画像データ及びキャラクタを表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、それら画像データやオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。
配置されていない場合には、ワールド座標系への配置を行うために参照する空きバッファ領域を画像データ毎に検索し、空きバッファ領域を確保した場合にはその領域の初期化処理を実行する。その後、メモリモジュール203においてその画像データが記憶されているアドレスを把握して読み出すとともに、描画リストに指定された座標、回転角度及びスケールとなるように、その画像データについてのローカル座標系の座標値をワールド座標系の座標値に変換させるワールド変換処理を実行して、上記確保したバッファ領域に設定する。
配置されている場合には、既に確保されたバッファ領域に設定されている各種パラメータの更新処理を実行する。また、背景用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない背景用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
その後、演出用の設定処理を実行する(ステップS2603)。演出用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、演出画像を表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、その把握したオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、上記背景用の設定処理において説明した場合と同様に、配置を開始するための処理を実行する。配置されている場合には、各種パラメータの更新処理を実行する。また、演出用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない演出用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
その後、図柄用の設定処理を実行する(ステップS2604)。図柄用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、図柄を表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、その把握したオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、上記背景用の設定処理において説明した場合と同様に、配置を開始するための処理を実行する。配置されている場合には、各種パラメータの更新処理を実行する。また、図柄用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない図柄用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
上記ステップS2602〜ステップS2604の処理が実行されることにより、図71に示すように、X軸,Y軸,Z軸で規定されたワールド座標系内に、描画リストにより配置対象として指定されている最背面画像用の画像データPC1と、各種オブジェクトデータPC2〜PC10とが、同じく描画リストにより指定されている座標、回転角度及びスケールで配置されたシーンの設定が完了する。なお、図71においては、最背面画像用の画像データPC1や各種オブジェクトデータPC2〜PC10が配置されている様子を簡易的に示している。
その後、カメラ座標系(カメラ空間)への変換処理を実行する(ステップS2605)。カメラ座標系への変換処理では、描画リストにより指定されたカメラの情報により、視点の座標及び向きを決定するとともに、その視点の座標及び向きに基づいて、ワールド座標系を、視点を原点としたカメラ座標系(カメラ空間)に変換する。これにより、図71に示すように、カメラ形状で示す視点PC11が設定され、それに対応した座標系が設定された状態となる。
ここで、カメラの情報は、個別画像(最背面画像用の画像データPC1及び各種オブジェクトデータPC2〜PC10)毎に設定されており、実際には個別画像毎にカメラ座標系が存在することとなる。このように個別画像毎にカメラ座標系が設定されることにより視点切換を個別に行うことが可能となり、描画データの作成の自由度が高められる。但し、説明の便宜上、図71には全ての個別画像が単一の視点に設定されている状態を示す。
その後、視野座標系(視野空間)への変換処理を実行する(ステップS2606)。視野座標系への変換処理では、上記各カメラ座標系を、視点からの視野(視野角)に対応する視野座標系に変換する。これにより、各個別画像について、対応する視点の視野内に含まれている場合にはそれが抽出されるとともに、視点から近い個別画像が拡大されるとともに、視点から遠い個別画像が縮小される。
その後、クリッピング処理を実行する(ステップS2607)。クリッピング処理では、ステップS2606にて抽出された各個別画像が、それぞれ対応する視点を共通の原点として把握される。そして、その状態で描画対象のフレーム領域212a,212b(すなわち図柄表示装置41)に応じたスクリーン領域PC12(図71を参照)に対応する空間を基準として、ステップS2606にて抽出された各個別画像をクリッピングする。
その後、ライティング処理を実行する(ステップS2608)。ライティング処理では、描画リストにより指定されたライトの情報により、仮想光源の種類、座標及び向きを決定するとともに、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトについて上記仮想光源に基づき陰影や反射等を演算する。
その後、色情報の設定処理を実行する(ステップS2609)。色情報の設定処理では、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトに対して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で、色情報を設定することで、各オブジェクトの外観を決定する。かかる色情報の設定処理では、基本的に、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトデータに対して、それぞれに対応するテクスチャデータを貼り付けるテクスチャマッピング処理が実行される。また、状況によっては、バンプマッピングや透明度マッピングなどの処理が実行される。
その後、ステップS2610及びステップS2611にて、ステップS2607にて抽出され、さらにライティング処理や色情報の設定処理が完了した各個別画像を、仮想2次元平面であるスクリーン領域PC12に投影(例えば、透視投影や平行投影)することで描画データを作成する。
具体的には、まず演出及び背景用の描画データ作成処理を実行する(ステップS2610)。演出及び背景用の描画データ作成処理では、背景画像として設定されている最背面画像用の画像データ及びオブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域PC12への投影を行うことで、背景用の描画データを作成する。また、演出画像として設定されているオブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域PC12への投影を行うことで、演出用の描画データを作成する。
ここで、VRAM204には、図66に示すようにスクリーン用バッファ214が設けられており、スクリーン用バッファ214には背景用の描画データ及び演出用の描画データがまとめて書き込まれる演出及び背景用のバッファと、図柄用の描画データが書き込まれる図柄用のバッファとが設定されている。また、演出及び背景用のバッファ、図柄用のバッファには、スクリーン領域PC12のピクセル数と同一のドット数のエリアが設定されている。ステップS2610にて作成される背景用の描画データ及び演出用の描画データは、背景用の描画データにおける一部の領域に演出用の描画データが上書きされるようにして演出及び背景用のバッファに書き込まれる。なお、描画リストにおいて背景用の画像データが指定されていない場合には背景用の描画データは作成されることはなく、描画リストにおいて演出用の画像データが指定されていない場合には演出用の描画データは作成されない。
その後、図柄用の描画データ作成処理を実行する(ステップS2611)。図柄用の描画データ作成処理では、図柄として設定されているオブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域PC12への投影を行うことで、スクリーン用バッファ214における図柄用のバッファに図柄用の描画データを作成する。なお、描画リストにおいて図柄用の画像データが指定されていない場合には図柄用の描画データは作成されない。
その後、描画データ合成処理を実行する(ステップS2612)。描画データ合成処理では、ステップS2610及びステップS2611の処理によりそれぞれ個別にスクリーン用バッファ214に作成されている演出及び背景用の描画データと、図柄用の描画データとを合成して、その合成結果を描画対象のフレーム領域212a,212bに1フレーム分の描画データとして書き込む。
この場合、その書き込む順序は、演出及び背景用の描画データ→図柄用の描画データの順序で奥側から手前側に並ぶように規定されている。したがって、描画対象のフレーム領域212a,212bに対して、まず演出及び背景用の描画データを書き込み、次に図柄用の描画データを書き込む。この際、描画の実行対象となったピクセルに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像がそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像と手前側の画像との融合が行われ、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対する手前側の画像の上書きが行われるように、ブレンド用の演算が実行される。
ちなみに、各描画データは1フレーム分の面積を有するように規定されているが、図柄用の描画データにおいて投影が行われなかったブランク部分については完全透明のα値が設定されている。
上記1フレーム分の描画データの作成は20msec周期の範囲内で完了するように行われる。また、作成された描画データに基づいて表示回路225から図柄表示装置41に画像信号が出力されるが、既に説明したとおりダブルバッファ方式が採用されているため、当該画像信号の出力は当該出力に対応するフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する描画データの作成と並行して行われる。また、表示回路225は1フレーム分の画像信号の出力が完了する毎に参照対象とするフレーム領域212a,212bを交互に切り換えるセレクタ回路を有しており、当該セレクタ回路による切換によって、描画データの描画対象となっているフレーム領域212a,212bが画像信号を出力するための出力対象とならないように規制されている。
なお、上記ステップS2602〜ステップS2607までがジオメトリ演算部221により実行される処理であり、上記ステップS2608〜ステップS2612がレンダリング部222により実行される処理である。
<時刻対応演出を行うための構成>
次に、時刻対応演出を行うための構成について説明する。
時刻対応演出とは、所定の時刻となる度に所定時間(例えば10分)に亘ってパチンコ機10が時刻対応の演出状態となる演出である。所定の時刻としては、例えば10時、11時、12時・・・といったように1時間間隔となるように設定されている構成が考えられる。また、時刻対応の演出状態について具体的には、図柄表示装置41において時刻対応の背景画像が表示されるとともに、表示発光部44における発光態様及びスピーカ部45からの音楽の出力態様も時刻対応の態様となる。また、時刻対応の演出状態となった場合、大当たり結果となる遊技回において特別対応画像が表示され得るようになる、又は大当たり結果となる遊技回において特別対応画像が表示される確率が時刻対応の演出状態ではない状態の場合よりも高くなる。所定の時刻となることでパチンコ機10が時刻対応の演出状態となる構成とすることにより、例えば当該パチンコ機10が遊技ホールに複数台設置されている場合には、それら複数台のパチンコ機10にて時刻対応演出を同時に行わせることが可能となる。
時刻対応演出の実行を可能とするために、図66に示すように、音声発光制御装置60にはRTC65が設けられている。RTC65は時刻情報を音光側MPU62に出力することが可能である。RTC65はバックアップ電源を独自に備えており、パチンコ機10への動作電力の供給が停止されている状況であっても時刻の経過を管理できるようになっている。音光側MPU62は、必要に応じてRTC65から時刻情報を取得することで、その取得タイミングにおける時刻が時刻対応演出の開始契機に対応する時刻であるか否かを特定することが可能である。そして、音光側MPU62は、RTC65から取得した時刻情報が時刻対応演出の開始契機に対応する時刻となっている場合、時刻対応演出を開始するための処理を実行する。
時刻対応演出が実行される様子について、図72及び図73を参照しながら説明する。図72(a)は時刻対応演出が実行されていない期間である通常期間を示し、図72(b)は時刻対応演出の実行期間の一部である準備期間を示し、図72(c)は時刻対応演出の実行期間の一部であって準備期間の後に開始されるスペシャル期間を示す。また、図73(a)は通常期間における図柄表示装置41の表示内容を説明するための説明図であり、図73(b)は準備期間における図柄表示装置41の表示内容を説明するための説明図であり、図73(c)はスペシャル期間における図柄表示装置41の表示内容を説明するための説明図である。
図72(a)に示すように、時刻対応演出が実行されていない通常期間においてt1のタイミングで、RTC65からMPU62に供給される時刻情報が時刻対応演出の開始契機に対応する時刻情報となる。これにより、図72(a)及び図72(b)に示すように、当該t1のタイミングで通常期間が終了して準備期間が開始される。これにより、図柄表示装置41の表示態様は、図73(a)に示すような通常期間に対応する表示態様から、図73(b)に示すような準備期間に対応する表示態様に変更される。
通常期間に対応する表示態様と準備期間に対応する表示態様とでは、背景画像に表示される最背面の画像の内容が異なるとともに最背面の画像の手前にて表示される背景用個別画像の種類が異なる。具体的には、通常期間に対応する表示態様において表示される背景用個別画像G61a,G61bは2個であるのに対して、準備期間に対応する表示態様において表示される背景用個別画像G62a〜G62dは4個である。これにより、通常期間よりも準備期間の方が図柄表示装置41の表示態様が派手なものとなり、図柄表示装置41に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、準備期間においては、スペシャル期間が開始されるまでの残り時間に対応する情報を報知するための残時間報知画像G63が図柄表示装置41に表示される。残時間報知画像G63として、スペシャル期間が開始されるまでの残り時間が減算式で表示される。これにより、スペシャル期間の開始が近付いていることを遊技者に認識させることが可能となる。なお、通常期間と準備期間とで図柄の表示態様は同一であるが、図柄の表示態様が変更される構成としてもよい。
その後、図72(b)及び図72(c)に示すように、t2のタイミングで準備期間が終了してスペシャル期間が開始される。これにより、図柄表示装置41の表示態様は、図73(b)に示すような準備期間に対応する表示態様から、図73(c)に示すようなスペシャル期間に対応する表示態様に変更される。
準備期間に対応する表示態様とスペシャル期間に対応する表示態様とでは、背景画像に表示される最背面の画像の内容が異なるとともに最背面の画像の手前にて表示される背景用個別画像の種類が異なる。具体的には、準備期間に対応する表示態様において表示される背景用個別画像G62a〜G62dは4個であるのに対して、スペシャル期間に対応する表示態様において表示される背景用個別画像G64a〜G64gは7個である。これにより、準備期間よりもスペシャル期間の方が図柄表示装置41の表示態様が派手なものとなり、図柄表示装置41に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、スペシャル期間においては、スペシャル期間であることを報知するためのスペシャル報知画像G65が図柄表示装置41に表示される。これにより、スペシャル期間であることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。なお、準備期間とスペシャル期間とで図柄の表示態様は同一であるが、図柄の表示態様が変更される構成としてもよい。
スペシャル期間が開始されてから所定期間が経過したタイミングであるt3のタイミングで、図72(c)に示すようにスペシャル期間が終了して、図72(a)に示すように通常期間に復帰する。その後、t4のタイミング〜t6のタイミング、及びt7のタイミング〜t9のタイミングのそれぞれにおいて時刻対応演出が実行される。この場合、所定の実行回における時刻対応演出が開始されてから次の実行回における時刻対応演出が開始されるまでの期間はTf1で一定となっている。また、各時刻対応演出の実行回において準備期間が開始されてからスペシャル期間が開始されるまでの期間もTf2で一定となっている。これにより、複数台のパチンコ機10において時刻対応演出を同時に開始することができるとともに、複数台のパチンコ機10においてスペシャル期間を同時に開始することができる。
上記のとおり時刻対応演出はRTC65の時刻情報を利用して定期的に実行されることとなるが、開閉実行モード中に時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、当該開閉実行モードが継続している間は、図柄表示装置41の背景画像として準備期間用の最背面の画像及び準備期間用の背景用個別画像G62a〜G62dは表示されることなく、さらには図柄表示装置41の背景画像としてスペシャル期間用の最背面の画像及びスペシャル期間用の背景用個別画像G64a〜G64gは表示されない。但し、準備期間においては開閉実行モード用の画像の一部に手前から重ねて表示されるようにして残時間報知画像G63が表示され、スペシャル期間においては開閉実行モード用の画像の一部に手前から重ねて表示されるようにしてスペシャル報知画像G65が表示される。これにより、開閉実行モード用の演出を優先して実行させることで開閉実行モードが発生したことに対する遊技者の満足感を好適に高めながら、時刻対応演出の実行期間中であることを遊技者に認識させることが可能となる。また、開閉実行モード中であっても本来なら時刻対応演出の実行期間となっていることを遊技ホールの管理者が把握することが可能となり、複数台のパチンコ機10を見比べてRTC65に関して異常が発生していないか否かを確認する作業を開閉実行モード中であるか否かに関係なく行うことが可能となる。
その一方、表示発光部44における表示態様及びスピーカ部45からの音楽の出力態様は、開閉実行モード中であっても時刻対応演出の開始タイミングから、時刻対応の態様となる。これにより、表示発光部44における表示態様及びスピーカ部45からの音楽の出力態様については、複数台のパチンコ機10において時刻対応の態様で揃えることが可能となる。
開閉実行モード中に時刻対応演出の開始タイミングとなり本来なら時刻対応演出を実行している期間である状況において開閉実行モードが終了した場合には、その終了タイミングが準備期間中に対応しているのであれば、図柄表示装置41の背景画像として準備期間用の最背面の画像及び準備期間用の背景用個別画像G62a〜G62dの表示が開始されるとともに残時間報知画像G63の表示が継続される。また、開閉実行モードの終了タイミングがスペシャル期間中に対応しているのであれば、図柄表示装置41の背景画像としてスペシャル期間用の最背面の画像及びスペシャル期間用の背景用個別画像G64a〜G64gの表示が開始されるとともにスペシャル報知画像G65の表示が継続される。これにより、本来の実行態様による時刻対応演出が実行される機会を多くすることが可能となる。
開閉実行モードの最長継続期間は準備期間よりも長いもののスペシャル期間よりは短い。これにより、開閉実行モード中において時刻対応演出の開始タイミングとなった場合には当該時刻対応演出の実行回の途中で開閉実行モードが終了することとなる。これにより、本来の実行態様による時刻対応演出が実行される機会を多くすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、開閉実行モードの最長継続期間の方が時刻対応演出の実行期間よりも長い構成としてもよい。
遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モード用の演出が実行されていない状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合とは時刻対応演出の開始態様が相違している。具体的には、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、図74の説明図に示すように、背景画像、演出画像及び図柄画像についてはそれまでの遊技回用の演出の表示態様を継続させる。つまり、図柄表示装置41の背景画像として準備期間用の最背面の画像及び準備期間用の背景用個別画像G62a〜G62dの表示は開始されない。但し、遊技回用の演出として表示されている背景画像の一部に手前から重ねて表示されるようにして残時間報知画像G63が表示される。ちなみに、当該残時間報知画像G63は、図柄の視認性を低下させないようにすべく図柄とは重複しないように表示される。
以下、遊技回用の演出の実行状況との関係で時刻対応演出が実行される様子について、図75のタイムチャートを参照しながら説明する。図75(a)は時刻対応演出の開始タイミングを示し、図75(b)は遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれも実行されていない状況で実行されるデモ表示の実行期間を示し、図75(c)は遊技回用の演出の実行期間を示し、図75(d)は準備期間を示し、図75(e)は図74に示すような画像表示が行われる遅延中期間を示し、図75(f)は背景画像として図73(b)に示すような画像が表示される準備期間用画像の表示期間を示し、図75(g)はスペシャル期間を示し、図75(h)は時刻対応の発光制御期間を示す。
まず遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出が実行されていない状況で時刻対応演出の開始タイミングとなる場合について説明する。
図75(b)に示すようにデモ表示の実行期間においてt1のタイミングで、図75(a)に示すように時刻対応演出の開始タイミングとなる。この場合、当該t1のタイミングで、図75(d)に示すように準備期間が開始されるとともに、図75(f)に示すように準備期間用画像の表示が開始される。また、当該t1のタイミングで、図75(h)に示すように表示発光部44において時刻対応の態様による発光が開始される。なお、スピーカ部45においても当該t1のタイミングで時刻対応の態様による音楽の出力が開始される。
その後、準備期間の途中であるt2のタイミングで、図75(c)に示すように遊技回用の演出が開始される。この場合、準備期間用の背景画像が表示されている状態において図柄の変動表示が開始される。つまり、それまでの表示パターンに則した態様による準備期間用の背景画像の表示が継続された状態で図柄の変動表示が開始される。
その後、遊技回用の演出の実行途中であるt3のタイミングで、図75(d)に示すように準備期間が終了するとともに図75(g)に示すようにスペシャル期間が開始される。この場合、それまでの表示パターンに則した態様による図柄の変動表示が継続された状態で、スペシャル期間用の背景画像の表示が開始される。そして、図75(b)に示すようにデモ表示が実行されている状況であるt4のタイミングで、スペシャル期間として担保されている実行期間が経過することにより、図75(g)に示すようにスペシャル期間が終了し、それに伴って今回の実行回の時刻対応演出が終了することとなる。当該t4のタイミングで、図75(h)に示すように表示発光部44における時刻対応の態様による発光が終了される。なお、スピーカ部45においても当該t4のタイミングで時刻対応の態様による音楽の出力が停止される。また、遊技回用の演出が実行されている状況でスペシャル期間として担保されている実行期間が経過した場合には、当該遊技回用の演出が終了して遊技回用の演出が新たに開始される場合又はデモ表示が開始される場合にスペシャル期間が終了する。
次に、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなる場合について説明する。
図75(c)に示すように遊技回用の演出の実行期間においてt5のタイミングで、図75(a)に示すように時刻対応演出の開始タイミングとなる。この場合、当該t5のタイミングで、図75(d)に示すように準備期間が開始されるものの、図73(b)に示すような準備期間用の背景画像の表示は開始されることはなく、図75(e)に示すように遅延中期間が開始される。遅延中期間においては、既に説明したとおり、それまでの表示パターンによる遊技回用の演出の画像表示が継続されながら残時間報知画像G63が付加される。
一方、当該t5のタイミングで、図75(h)に示すように表示発光部44において時刻対応の態様による発光が開始される。なお、スピーカ部45においても当該t5のタイミングで時刻対応の態様による音楽の出力が開始される。これにより、表示発光部44における表示態様及びスピーカ部45からの音楽の出力態様については、複数台のパチンコ機10において時刻対応の態様で揃えることが可能となる。
その後、t6のタイミングで図75(c)に示すようにそれまで実行されていた遊技回用の演出が終了するとともに、t7のタイミングで新たな遊技回用の演出が開始される。当該t7のタイミングで、図75(e)に示すように遅延中期間が終了して、図75(f)に示すように準備期間用の背景画像の表示が開始される。つまり、遊技回用の演出の実行途中で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、その遊技回用の演出が終了するまでは遅延中期間として準備期間用の背景画像の表示は行われず、その遊技回用の演出が終了して新たな遊技回用の演出が開始される場合に準備期間用の背景画像の表示が開始される。また、遊技回用の演出が終了して新たな遊技回用の演出が開始されない場合にはデモ表示が開始される場合に準備期間用の背景画像の表示が開始される。これにより、遊技回用の演出が終了してから、新たな遊技回用の演出が開始されるまでの期間又はデモ表示が開始されるまでの期間を、準備期間用の背景画像の表示を開始するための制御期間として利用することが可能となる。なお、デモ表示は、遊技回用の演出が終了してから新たな遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が開始されることなく0.5secが経過した場合に開始される。
その後、遊技回用の演出の実行途中であるt8のタイミングで、図75(d)に示すように準備期間が終了するとともに図75(g)に示すようにスペシャル期間が開始される。この場合、それまでの表示パターンに則した態様による図柄の変動表示が継続された状態で、スペシャル期間用の背景画像の表示が開始される。そして、図75(b)に示すようにデモ表示が実行されている状況であるt9のタイミングで、スペシャル期間として担保されている実行期間が経過することにより、図75(g)に示すようにスペシャル期間が終了し、それに伴って今回の実行回の時刻対応演出が終了することとなる。当該t9のタイミングで、図75(h)に示すように表示発光部44における時刻対応の態様による発光が終了される。なお、スピーカ部45においても当該t9のタイミングで時刻対応の態様による音楽の出力が停止される。
上記のとおり遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、背景画像、演出画像及び図柄画像についてはそれまでの遊技回用の演出の表示態様を継続させながら、遊技回用の演出として表示されている背景画像の一部に手前から重ねて表示されるようにして残時間報知画像G63が表示される。これにより、遊技回用の演出として既に決定されている内容に従った画像の表示を維持させながら、時刻対応演出の実行期間中であることを遊技者に認識させることが可能となる。
特に、遊技回用の演出としてリーチ用キャラクタ画像が表示されるスーパーリーチが行われている状況で準備期間用の背景画像の表示を開始させようとすると、図柄表示装置41に画像を表示させるために利用される画像データの種類数が極端に多くなり処理負荷が極端に高くなってしまうおそれがある。これに対して、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合には、残時間報知画像G63を付加するだけで、遊技回用の演出として既に決定されている内容に従った画像の表示が維持される。これにより、上記のように処理負荷が極端に高くなってしまうことを阻止することが可能となる。
ここで、準備期間の継続期間Tf3は一定となっており、当該継続期間Tf3は遊技回用の演出において選択され得る最長の変動表示時間よりも長い時間として設定されている。これにより、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなったとしても、その遊技回用の演出の変動表示時間及び時刻対応演出の開始タイミングとは無関係に、その実行途中の遊技回用の演出は準備期間が経過する前に終了する。したがって、スペシャル期間が開始される前に、準備期間用の背景画像が表示される期間を確保することが可能となる。
このように準備期間用の背景画像が表示される期間が確保されることにより、スペシャル期間が開始される場合には、その開始タイミングから図73(c)に示すようなスペシャル期間用の背景画像の表示を開始することが可能となる。これにより、複数台のパチンコ機10においてスペシャル期間用の背景画像の表示が同時に開始され易くすることが可能となる。
次に、時刻対応演出を実行するためのデータ構成について説明する。
図76(a)の説明図に示すように、音光側ROM63には時刻対応演出用のデータテーブル231が予め記憶されている。時刻対応演出用のデータテーブル231は、音光側MPU62において時刻対応演出の実行制御を行うために参照されるテーブルである。図76(b)は時刻対応演出用のデータテーブル231を説明するための説明図である。
時刻対応演出用のデータテーブル231には、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応するポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて各種タイミングの情報と発光データと音出力データとの組合せが設定されている。参照対象となっているポインタ情報に対応する各種タイミングの情報を参照することで、準備期間の開始タイミング、スペシャル期間用の画像データ群233の転送タイミング、準備期間の終了タイミング、スペシャル期間の開始タイミング、通常演出用の画像データ群の復帰タイミング、及びスペシャル期間として担保されている実行期間の終了タイミング、を音光側MPU62にて特定することが可能となる。また、参照対象となっているポインタ情報に対応する発光データ(PD(0)、PD(1)・・・)を利用して表示発光部44の発光制御を実行することで表示発光部44の発光態様を時刻対応の態様とすることが可能となり、参照対象となっているポインタ情報に対応する音出力データ(SD(0)、SD(1)・・・)を利用してスピーカ部45の音出力制御を実行することでスピーカ部45からの音の出力態様を時刻対応の態様とすることが可能となる。
図77の説明図に示すように、表示制御装置200のメモリモジュール203には、準備期間用の画像データ群232、スペシャル期間用の画像データ群233、残時間対応テーブル234、準備期間用テーブル235、スペシャル報知対応テーブル236及びスペシャル期間用テーブル237が予め記憶されている。準備期間用の画像データ群232には、準備期間用の最背面の画像を表示するための画像データ、準備期間用の背景用個別画像G62a〜G62dを表示するための画像データ、及び残時間報知画像G63を表示するための画像データが含まれている。スペシャル期間用の画像データ群233には、スペシャル期間用の最背面の画像を表示するための画像データ、スペシャル期間用の背景用個別画像G64a〜G64gを表示するための画像データ、及びスペシャル報知画像G65を表示するための画像データが含まれている。
残時間対応テーブル234は、遅延期間であるか否かに関係なく準備期間において残時間報知画像G63を表示制御するためのデータであり、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応する各ポインタ情報に対応させて、残時間報知画像G63を表示するための画像データに適用するパラメータ情報が設定されている。準備期間用テーブル235は、遅延期間ではない準備期間において準備期間用の背景画像を表示制御するためのデータであり、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応する各ポインタ情報に対応させて、準備期間用の背景画像を表示するための画像データに適用するパラメータ情報が設定されている。残時間対応テーブル234と準備期間用テーブル235とが別々に設けられていることにより、準備期間であっても準備期間用の背景画像が表示されない遅延期間においては準備期間用の表示制御を行うために残時間対応テーブル234のみを参照することで、準備期間用の背景画像を表示しない状況において残時間報知画像G63を表示させることが可能となる。その一方、準備期間であって遅延期間以外の期間においては残時間対応テーブル234及び準備期間用テーブル235の両方を参照することで、準備期間用の背景画像を表示している状況において残時間報知画像G63を表示させることが可能となる。
スペシャル報知対応テーブル236は、開閉実行モードであるか否かに関係なくスペシャル期間においてスペシャル報知画像G65を表示制御するためのデータであり、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応する各ポインタ情報に対応させて、スペシャル報知画像G65を表示するための画像データに適用するパラメータ情報が設定されている。スペシャル期間用テーブル237は、開閉実行モードではないスペシャル期間においてスペシャル期間用の背景画像を表示制御するためのデータであり、1フレーム分の画像の更新タイミングに対応する各ポインタ情報に対応させて、スペシャル期間用の背景画像を表示するための画像データに適用するパラメータ情報が設定されている。スペシャル報知対応テーブル236とスペシャル期間用テーブル237とが別々に設けられていることにより、スペシャル期間であってもスペシャル期間用の背景画像が表示されない期間においてはスペシャル期間用の表示制御を行うためにスペシャル報知対応テーブル236のみを参照することで、スペシャル期間用の背景画像を表示しない状況においてスペシャル報知画像G65を表示させることが可能となる。その一方、スペシャル期間であって開閉実行モードではない状況においてはスペシャル報知対応テーブル236及びスペシャル期間用テーブル237の両方を参照することで、スペシャル期間用の背景画像を表示している状況においてスペシャル報知画像G65を表示させることが可能となる。
既に説明したとおり、スペシャル期間は、スペシャル期間として担保されている実行期間が経過した場合に終了することとなるが、遊技回用の演出が実行されている場合又は開閉実行モード用の演出が実行されている場合においてスペシャル期間として担保されている実行期間が経過した場合には、その実行途中の遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が終了して遊技回用の演出が新たに開始される場合又はデモ表示が新たに開始される場合に終了する。そして、スペシャル期間が終了することで通常演出に復帰する。これに対応させて、スペシャル期間用テーブル237はスペシャル期間が継続し得る最長の期間以上の期間に対応させて設定されている。これにより、スペシャル期間の終了タイミングが不規則に発生するとしても、当該終了タイミングが発生するまでスペシャル期間を継続させることが可能となる。
以下、時刻対応演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図78は、音光側MPU62にて実行されるRTC対応処理を示すフローチャートである。なお、RTC対応処理は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS301のテーブル設定処理にて実行される。
準備期間の開始タイミングである場合(ステップS2701:YES)、準備期間開始用の設定処理を実行する(ステップS2702)。準備期間開始用の設定処理では、図79のフローチャートに示すようにまず時刻対応演出用のデータテーブル231を音光側ROM63から音光側RAM64に読み出す(ステップS2801)。その後、準備期間用データの読み出し指示コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS2802)。
図80は表示CPU201にて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。なお、コマンド対応処理は、V割込み処理(図67)のステップS2405にて実行される。表示CPU201は、準備期間用データの読み出し指示コマンドを受信した場合(ステップS2901:YES)、準備期間用の画像データ群232のうちテクスチャデータ以外のデータをメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に転送させる(ステップS2902)。なお、準備期間用の画像データ群232のうちテクスチャデータは表示CPU201への動作電力の供給開始時にメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に設けられたテクスチャ用エリア211aに転送されている。ステップS2902の処理が実行されることにより、準備期間が開始された場合に遅延期間が開始されるか否かに関係なく、準備期間用の画像データ群232の全てが準備期間の開始時にVRAM204の展開用バッファ211に読み出された状態となる。これにより、準備期間において準備期間用の背景画像の更新及び残時間報知画像G63の更新を円滑に行うことが可能となる。
準備期間開始用の設定処理(図79)の説明に戻り、ステップS2802の処理を実行した後は、現状が遅延対象状況であるか否かを判定する(ステップS2803)。遊技回用の演出が実行されている状況又は開閉実行モード用の演出が実行されている状況が遅延対象状況に該当する。遅延対象状況である場合(ステップS2803:YES)、音光側RAM64に設けられた遅延中フラグに「1」をセットする(ステップS2804)。遅延中フラグは、遅延期間であることを音光側MPU62にて特定するためのフラグである。その後、遅延用コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS2805)。
図80のフローチャートに示すように、表示CPU201は、遅延用コマンドを受信した場合(ステップS2903:YES)、残時間対応テーブル234をメモリモジュール203からワークRAM202に転送させる(ステップS2904)。これにより、残時間報知画像G63の表示が図柄表示装置41において開始されることとなる。
準備期間開始用の設定処理(図79)の説明に戻り、現状が遅延対象状況ではない場合(ステップS2803:NO)、音光側RAM64に設けられた準備用表示フラグに「1」をセットする(ステップS2806)。準備用表示フラグは、準備期間用の背景画像を表示している状況であることを音光側MPU62にて特定するためのフラグである。その後、準備用表示開始コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS2807)。
図80のフローチャートに示すように、表示CPU201は、準備用表示開始コマンドを受信した場合(ステップS2905:YES)、準備期間用の読み出し処理を実行する(ステップS2906)。準備期間用の読み出し処理では、残時間対応テーブル234がワークRAM202に既に読み出されている状況であれば準備期間用テーブル235をメモリモジュール203からワークRAM202に読み出すことで、ワークRAM202に残時間対応テーブル234及び準備期間用テーブル235の両方が読み出された状態とする。また、準備期間用の読み出し処理では、残時間対応テーブル234がワークRAM202に読み出されていない状況であれば残時間対応テーブル234及び準備期間用テーブル235の両方をメモリモジュール203からワークRAM202に読み出す。残時間対応テーブル234及び準備期間用テーブル235の両方がワークRAM202に読み出されることにより、準備期間用の背景画像が表示されている状況において残時間報知画像G63が表示されることとなる。
RTC対応処理(図78)の説明に戻り、準備期間中である場合(ステップS2703:YES)、準備期間中の設定処理を実行する(ステップS2704)。準備期間中の設定処理では、図81のフローチャートに示すように、準備期間の終了タイミング及びデータの転送タイミングのいずれでもなく(ステップS3001及びステップS3002:NO)、音光側RAM64の遅延中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3003:YES)、遅延解除タイミングであるか否かを判定する(ステップS3004)。遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなることで遅延期間が発生している場合には、その遊技回用の演出が終了して新たな遊技回用の演出が開始された場合又はデモ表示が開始された場合に、遅延解除タイミングであると判定する。また、開閉実行モード用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなることで遅延期間が発生している場合には、当該開閉実行モード用の演出が終了して新たな遊技回用の演出が開始された場合又はデモ表示が開始された場合に、遅延解除タイミングであると判定する。
遅延解除タイミングである場合(ステップS3004:YES)、音光側RAM64の遅延中フラグを「0」クリアするとともに(ステップS3005)、音光側RAM64の準備用表示フラグに「1」をセットする(ステップS3006)。その後、準備用表示開始コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3007)。準備用表示開始コマンドを受信した場合における表示CPU201の処理内容は既に説明したとおりである。
準備期間中の設定処理において、時刻対応演出用のデータテーブル231に基づきデータの転送タイミングであると判定した場合(ステップS3002:YES)、スペシャル期間用データの読み出し指示コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3008)。図80のフローチャートに示すように、表示CPU201は、スペシャル期間用データの読み出し指示コマンドを受信した場合(ステップS2907:YES)、スペシャル期間用の画像データ群233のうちテクスチャデータ以外のデータをメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に転送させる(ステップS2908)。なお、スペシャル期間用の画像データ群233のうちテクスチャデータは表示CPU201への動作電力の供給開始時にメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に設けられたテクスチャ用エリア211aに転送されている。ステップS2908の処理が実行されることにより、スペシャル期間が開始されるまでにスペシャル期間用の画像データ群233の全てがVRAM204の展開用バッファ211に読み出された状態となる。これにより、スペシャル期間の開始時にスペシャル期間用の背景画像及びスペシャル報知画像G65の表示を早期に開始させることが可能となるとともに、スペシャル期間においてスペシャル期間用の背景画像及びスペシャル報知画像G65の更新を円滑に行うことが可能となる。
準備期間中の設定処理(図81)の説明に戻り、時刻対応演出用のデータテーブル231に基づき準備期間の終了タイミングであると判定した場合(ステップS3001:YES)、音光側RAM64の遅延中フラグ及び準備用表示フラグを「0」クリアするとともに(ステップS3009)、音光側RAM64に設けられたスペシャル期間フラグに「1」をセットする(ステップS3010)。スペシャル期間フラグは、スペシャル期間であることを音光側MPU62にて特定するためのフラグである。その後、スペシャル期間開始コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3011)。
図80のフローチャートに示すように、表示CPU201はスペシャル期間開始コマンドを受信した場合(ステップS2909:YES)、スペシャル報知対応テーブル236及びスペシャル期間用テーブル237をメモリモジュール203からワークRAM202に転送させる(ステップS2910)。スペシャル報知対応テーブル236がワークRAM202に読み出されることにより、開閉実行モードであるか否かに関係なく、スペシャル報知画像G65の表示が図柄表示装置41において開始されることとなる。また、開閉実行モードではない状況であれば、スペシャル演出用の背景画像の表示が図柄表示装置41において開始されることとなる。
RTC対応処理(図78)の説明に戻り、スペシャル期間中である場合(ステップS2705:YES)、スペシャル期間中の設定処理を実行する(ステップS2706)。スペシャル期間中の設定処理では、図82のフローチャートに示すように、スペシャル期間の終了タイミングではない場合(ステップS3101:NO)、時刻対応演出用のデータテーブル231に基づきデータ復帰タイミングであるか否かを判定する(ステップS3102)。データ復帰タイミングであると判定した場合(ステップS3102:YES)、通常期間用データの読み出し指示コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3103)。
図80のフローチャートに示すように、表示CPU201は、通常期間用データの読み出し指示コマンドを受信した場合(ステップS2911:YES)、時刻対応演出が実行されていない状況における通常演出用の背景画像を表示するための画像データ群のうちテクスチャデータ以外のデータをメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に転送させる(ステップS2912)。
スペシャル期間中の設定処理(図82)の説明に戻り、時刻対応演出用のデータテーブル231に基づきスペシャル期間として担保されている実行期間の終了タイミングであると判定した場合(ステップS3101:YES)、ステップS3104に進む。ステップS3104では、時刻対応演出から通常演出への復帰可能状況であるか否かを判定する。復帰可能状況とは、スペシャル期間として担保されている実行期間の終了タイミングにおいてデモ表示が行われている場合には当該実行期間の終了タイミングであり、スペシャル期間として担保されている実行期間の終了タイミングにおいて遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が実行されている場合にはその実行途中の遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が終了して遊技回用の演出が新たに開始されるタイミング又はデモ表示が開始されるタイミングである。
復帰可能状況である場合(ステップS3104:YES)、スペシャル期間用の発光制御及び音出力制御を終了する(ステップS3105)。これにより、時刻対応演出が実行されていない状況における通常演出用の態様による表示発光部44の発光制御、及び時刻対応演出が実行されていない状況における通常演出用の態様にいおるスピーカ部45の音出力制御が再開される。その後、RAM64のスペシャル期間フラグを「0」クリアするとともに(ステップS3106)、スペシャル期間終了コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3107)。
図80のフローチャートに示すように、表示CPU201は、スペシャル期間終了コマンドを受信した場合(ステップS2913:YES)、時刻対応演出が実行されていない状況における通常演出用の背景画像を表示するためのテーブルをメモリモジュール203からワークRAM202に転送させる(ステップS2914)。これにより、図柄表示装置41においてスペシャル期間用の背景画像の表示が終了されて、通常演出用の背景画像の表示が再開される。なお、コマンド対応処理では、他のコマンドを受信した場合にそれに対応した処理を実行する(ステップS2915)。
次に、音光側MPU62にて実行される本実施形態におけるテーブル設定処理について図83のフローチャートを参照しながら説明する、なお、テーブル設定処理は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS301にて実行される。
主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合(ステップS3201:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(ステップS3202)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU52にて決定された大当たり発生抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかを特定し、その特定した情報を音光側RAM64に書き込む。
その後、主側MPU52から今回受信した変動用コマンドに対応する変動表示時間がリーチ演出の発生に対応する変動表示時間である場合(ステップS3203:YES)、リーチ演出の種類を決定するための抽選処理にて利用する抽選テーブルの選択処理を実行する。当該抽選テーブルの選択処理について具体的には、音光側RAM64の準備用表示フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS3204:YES)、準備期間用抽選テーブルを音光側ROM63から音光側RAM64に読み出す(ステップS3205)。また、音光側RAM64のスペシャル期間フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS3206:YES)、スペシャル期間用抽選テーブルを音光側ROM63から音光側RAM64に読み出す(ステップS3207)。また、準備用表示フラグ及びスペシャル期間フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合には(ステップS3206:NO)、通常期間用抽選テーブルを音光側ROM63から音光側RAM64に読み出す。そして、準備期間用抽選テーブル、スペシャル期間用抽選テーブル及び通常期間用抽選テーブルのうち今回の使用対象として選択された抽選テーブルを利用してリーチ演出抽選処理を実行する(ステップS3209)。リーチ演出抽選処理では、リーチ抽選用カウンタのその時点の値を取得し、その取得した値を今回の使用対象として選択された抽選テーブルに対して照合する。そして、リーチ抽選用カウンタから取得した値に対応するリーチ抽選結果を今回のリーチ演出抽選処理の結果として取得する。
ここで、リーチ演出は複数種類設定されており、各リーチ演出はリーチ演出用画像を図柄表示装置41に表示するためのVDP205の処理負荷が相違している。なお、処理負荷の相違は、リーチ演出用画像を表示させるために使用される画像データの種類及び画像データのサイズに応じて発生する。リーチ演出には、リーチ演出用画像を表示するためのVDP205の処理負荷が最も大きい大負荷演出と、リーチ演出用画像を表示するためのVDP205の処理負荷が大負荷演出よりも小さい中負荷演出と、リーチ演出用画像を表示するためのVDP205の処理負荷が中負荷演出よりも小さい小負荷演出とが含まれている。この場合に、通常期間用抽選テーブルには、選択対象のリーチ演出の種類として、大負荷演出、中負荷演出及び小負荷演出の全てが含まれている。一方、準備期間用抽選テーブルには、選択対象のリーチ演出の種類として、大負荷演出及び中負荷演出が含まれておらず小負荷演出は含まれている。また、スペシャル期間用抽選テーブルには、選択対象のリーチ演出の種類として、大負荷演出が含まれておらず中負荷演出及び小負荷演出が含まれている。
スペシャル期間においては既に説明したとおりスペシャル期間用の背景画像が表示されるため、準備期間及び通常期間よりも図柄表示装置41に画像を表示させるためのVDP205の処理負荷が大きい。これに対して、スペシャル期間においてはリーチ演出として大負荷演出が選択されない。これにより、スペシャル期間においてスペシャル期間用の背景画像を表示させるようにしながら大負荷演出を表示させるという状況が発生しないようにすることが可能となり、VDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまう状況が発生しないようにすることが可能となる。
スペシャル期間を開始させる場合にはスペシャル期間用の背景画像を表示させるために必要な全ての画像データについてワールド座標系への初期設定を行う必要が生じるため、スペシャル期間を更新させる場合に比べてVDP205の処理負荷はそれだけ大きくなる。これに対して、スペシャル期間の前に発生する準備期間においてはリーチ演出として大負荷演出及び中負荷演出が選択されない。これにより、準備期間において開始された遊技回用の演出が実行されている状況でスペシャル期間への移行が発生したとしても、そのスペシャル期間への移行が大負荷演出及び中負荷演出の実行途中にて発生してしまわないようにすることが可能となる。よって、VDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまう状況が発生しないようにすることが可能となる。
既に説明したとおり、準備期間の実行期間は遊技回用の演出として選択され得る最長の変動表示時間よりも長い時間として設定されている。これにより、通常期間において開始された遊技回用の演出ではリーチ演出として大負荷演出又は中負荷演出が実行され得るとしても、それらリーチ演出は準備期間の終了タイミングまでに終了する。そして、既に説明したとおり、準備期間において開始された遊技回用の演出では大負荷演出及び中負荷演出が選択されない。これにより、大負荷演出又は中負荷演出が実行されている状況でスペシャル期間への移行が発生してしまわないようにすることが可能となる。よって、VDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまう状況が発生しないようにすることが可能となる。
なお、スペシャル期間用抽選テーブルには大当たり結果となる遊技回において選択され得るリーチ演出として特別対応画像が表示されるリーチ演出が含まれており、通常期間用抽選テーブル及び準備期間用抽選テーブルには当該特別対応画像が表示されるリーチ演出が含まれていない。これにより、スペシャル期間においてのみ発生する演出を設定することが可能となる。
ステップS3203にて否定判定をした場合、又はステップS3209の処理を実行した場合、停止図柄決定処理を実行する(ステップS3210)。停止図柄決定処理の内容は、上記第1の実施形態におけるテーブル設定処理(図10)のステップS407と同一である。
その後、制御パターンテーブルの設定処理を実行する(ステップS3211)。制御パターンテーブルの設定処理では、リーチ演出の発生の有無、リーチ演出が発生する場合にはリーチ演出抽選処理(ステップS3209)の結果、及び停止図柄決定処理(ステップS3210)の結果の組合せに対応する制御パターンテーブルを音光側ROM63から読み出し音光側RAM64に記憶させる。
その後、変動表示時間の決定処理を実行する(ステップS3212)。当該処理では、主側MPU52から今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動表示時間の情報を特定し、その特定した変動表示時間の情報を音光側RAM64に設けられた変動時間用カウンタにセットする。変動時間用カウンタは、今回の遊技回において図柄表示装置41における図柄の変動表示を終了させて当該図柄の確定表示を開始させるタイミングを音光側MPU62にて特定するためのカウンタである。変動時間用カウンタにセットされた値は、音光側MPU62にてタイマ割込み処理(図9)が起動される度に、すなわち4msecが経過する度に1減算される。
その後、ステップS3211にて選択した制御パターンテーブルに対応する情報を含む変動パターンコマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3213)。これにより、表示CPU201は図柄表示装置41における遊技回用の演出を開始させるとともに、音光側MPU62にて決定された演出内容に従った態様で当該遊技回用の演出を進行させる。この場合、今回の遊技回においてリーチ演出が発生することが決定されている場合には、ステップS3209にて選択されたリーチ演出が図柄表示装置41にて実行されるようにする。なお、テーブル設定処理では、上記各処理以外にもステップS3214にてその他の処理を実行する。その他の処理の内容は、上記第1の実施形態におけるテーブル設定処理(図10)のステップS415と同一である。
以上のようにRTC65の時刻情報が時刻対応演出の開始契機に対応する時刻となっている場合、時刻対応演出が開始される。これにより、所定の時刻となったことを契機として、所定の演出を実行することが可能となる。また、遊技ホールにパチンコ機10が複数台設置されている場合にはそれら複数台のパチンコ機10にて時刻対応演出を一斉に開始することが可能となる。
この場合に、時刻対応演出が開始された場合には準備期間が最初に発生し、準備期間が経過した場合に当該準備期間よりも図柄表示装置41における画像の表示内容が派手なものとなるスペシャル期間が発生する。これにより、スペシャル期間がこれから発生することを遊技者に認識させることが可能となり、スペシャル期間が発生することへの期待感を段階的に高めることが可能となる。また、準備期間においては残時間報知画像G63が図柄表示装置41に表示され、当該残時間報知画像G63ではスペシャル期間が開始されるまでの残り時間が減算式で表示される。これにより、スペシャル期間の開始が近付いていることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、背景画像、演出画像及び図柄画像についてはそれまでの遊技回用の演出の表示態様を継続させながら、遊技回用の演出として表示されている背景画像の一部に手前から重ねて表示されるようにして残時間報知画像G63が表示される。これにより、遊技回用の演出として既に決定されている内容に従った画像の表示を維持させながら、時刻対応演出の実行期間中であることを遊技者に認識させることが可能となる。
特に、遊技回用の演出としてリーチ用キャラクタ画像が表示されるスーパーリーチが行われている状況で準備期間用の背景画像の表示を開始させようとすると、図柄表示装置41に画像を表示させるために利用される画像データの種類数が極端に多くなり処理負荷が極端に大きくなってしまうおそれがある。これに対して、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合には、残時間報知画像G63を付加するだけで、遊技回用の演出として既に決定されている内容に従った画像の表示が維持される。これにより、上記のように処理負荷が極端に大きくなってしまうことを阻止することが可能となる。
準備期間の継続期間は一定となっており、当該継続期間は遊技回用の演出において選択され得る最長の変動表示時間よりも長い時間として設定されている。これにより、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなったとしても、その遊技回用の演出の変動表示時間及び時刻対応演出の開始タイミングとは無関係に、その実行途中の遊技回用の演出は準備期間が経過する前に終了する。したがって、スペシャル期間が開始される前に、準備期間用の背景画像が表示される期間を確保することが可能となる。
このように準備期間用の背景画像が表示される期間が確保されることにより、スペシャル期間が開始される場合には、その開始タイミングからスペシャル期間用の背景画像の表示を開始することが可能となる。これにより、複数台のパチンコ機10においてスペシャル期間用の背景画像の表示が同時に開始され易くすることが可能となる。
スペシャル期間においてはスペシャル期間用の背景画像が表示されるため、準備期間及び通常期間よりも図柄表示装置41に画像を表示させるためのVDP205の処理負荷が大きい。これに対して、スペシャル期間においてはリーチ演出として大負荷演出が選択されない。これにより、スペシャル期間においてスペシャル期間用の背景画像を表示させるようにしながら大負荷演出を表示させるという状況が発生しないようにすることが可能となり、VDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまう状況が発生しないようにすることが可能となる。
スペシャル期間を開始させる場合にはスペシャル期間用の背景画像を表示させるために必要な全ての画像データについてワールド座標系への初期設定を行う必要が生じるため、スペシャル期間を更新させる場合に比べてVDP205の処理負荷はそれだけ大きくなる。これに対して、スペシャル期間の前に発生する準備期間においてはリーチ演出として大負荷演出及び中負荷演出が選択されない。これにより、準備期間において開始された遊技回用の演出が実行されている状況でスペシャル期間への移行が発生したとしても、そのスペシャル期間への移行が大負荷演出及び中負荷演出の実行途中にて発生してしまわないようにすることが可能となる。よって、VDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまう状況が発生しないようにすることが可能となる。
準備期間の実行期間は遊技回用の演出として選択され得る最長の変動表示時間よりも長い時間として設定されている。これにより、通常期間において開始された遊技回用の演出ではリーチ演出として大負荷演出又は中負荷演出が実行され得るとしても、それらリーチ演出は準備期間の終了タイミングまでに終了する。そして、準備期間において開始された遊技回用の演出では大負荷演出及び中負荷演出が選択されない。これにより、大負荷演出又は中負荷演出が実行されている状況でスペシャル期間への移行が発生してしまわないようにすることが可能となる。よって、VDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまう状況が発生しないようにすることが可能となる。
表示発光部44における時刻対応の態様による発光及びスピーカ部45における時刻対応の態様による音出力は、時刻対応演出の開始タイミングとなった場合に遊技回用の演出の実行途中であるか否かに関係なく開始される。これにより、遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合にはその遊技回用の演出が終了するまでは図柄表示装置41における準備期間用の背景画像の表示が遅延されることに起因して複数台のパチンコ機10における背景画像の内容が揃わないとしても、表示発光部44の発光内容及びスピーカ部45からの音出力内容についてはそれら複数台のパチンコ機10において同時に開始させることが可能となる。よって、複数台のパチンコ機10にて時刻対応演出が一斉に開始されたという印象を遊技者に与えることが可能となる。
<時刻対応演出に関する別形態>
・準備期間においては図柄表示装置41にて準備期間用の背景画像が表示される構成に加えて又は代えて、図柄列Z1〜Z3にて変動表示される図柄の表示態様が準備期間用の表示態様となる構成としてもよく、準備期間に対応する表示態様で所定のキャラクタ画像が表示される構成としてもよい。また、スペシャル期間においては図柄表示装置41にてスペシャル期間用の背景画像が表示される構成に加えて又は代えて、図柄列Z1〜Z3にて変動表示される図柄の表示態様がスペシャル期間用の表示態様となる構成としてもよく、スペシャル期間に対応する表示態様で所定のキャラクタ画像が表示される構成としてもよい。
・図柄表示装置41にてデモ表示が行われている状況においてスペシャル期間として担保されている実行期間が経過した場合には、当該実行期間が経過したタイミングから所定時間(例えば3sec)が経過した場合にスペシャル期間が終了して通常演出に復帰する構成としてもよい。この場合、その所定時間を利用して通常演出用の画像データ群をVRAM204の展開用バッファ211に復帰させることが可能となるとともに、ワールド座標系に対して通常演出用の画像データ群を設定するための初期設定を行うことが可能となる。
・遊技回用の演出が実行されている状況においてスペシャル期間として担保されている実行期間が経過した場合には、当該遊技回用の演出に続けて開閉実行モード用の演出が実行されるとしても、当該遊技回用の演出が終了した場合にスペシャル期間が終了する構成としてもよい。これにより、スペシャル期間が極端に長時間に亘って継続してしまわないようにすることが可能となる。
・時刻対応演出の開始タイミングを特定するためにRTC65を利用する構成に限定されることはなく、例えば音光側RAM64に設けられたタイマカウンタを利用して時刻対応演出が前回開始されてからの経過時間を計測して、その計測している経過時間が時刻対応演出の発生周期に対応する時間となった場合に音光側MPU62が時刻対応演出の開始タイミングであると特定する構成としてもよい。
・テクスチャデータの全てが表示CPU201への動作電力の供給開始時にメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に読み出されるのではなく、使用する必要が生じた場合にその使用対象となるテクスチャデータがその都度読み出される構成としてもよい。この場合、コマンド対応処理(図80)におけるステップS2902では準備期間用の画像データ群232の全てが読み出され、ステップS2908ではスペシャル期間用の画像データ群233の全てが読み出され、ステップS2912では通常演出用の背景画像を表示するための画像データ群の全てが読み出されることとなる。
・準備期間においては図84の説明図に示すように、図柄表示装置41の一部に設定された区画表示領域G66において各図柄列Z1〜Z3における図柄が表示され、区画表示領域G66以外の領域において準備期間用の背景画像が表示される構成としてもよい。これにより、準備期間であることを強調して表示することが可能となる。
・準備期間においては遊技回用の演出の新たな開始が制限されて、その制限されている状態はスペシャル期間が開始された場合に解除される構成としてもよい。これにより、遊技回用の演出が実行されている途中でスペシャル期間が開始されないようにすることが可能となる。
・時刻対応演出の開始タイミングとなった場合に遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれもが実行されていない場合には準備期間を経由することなくスペシャル期間が開始され、時刻対応演出の開始タイミングとなった場合に遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が実行されている場合にはそれら演出が実行されている間は準備期間となり、その実行途中であった演出が終了した場合にスペシャル期間が開始される構成としてもよい。
・表示発光部44における時刻対応の発光制御期間及びスピーカ部45における時刻対応の音出力制御期間のうち少なくとも一方は、図柄表示装置41における時刻対応演出の開始タイミングに対して所定秒が経過した後に開始される構成としてもよい。この場合、所定秒が経過した後に開始される対象となる制御期間は、図柄表示装置41においてスペシャル期間が開始される前に開始されることが好ましい。
<時刻対応演出に関する更なる別形態>
・本別形態では、遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなった場合、その実行途中である遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が終了するまでは残時間報知画像G63を含めて準備期間用の画像は一切表示されない。以下、当該作用を生じさせるための処理構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図85は、本別形態における準備期間開始用の設定処理を示すフローチャートである。
まず時刻対応演出用のデータテーブル231をROM63からRAM64に読み出す(ステップS3301)。その後、準備期間用データの読み出し指示コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3302)。これにより、上記実施形態と同様に、表示CPU201は、準備期間用の画像データ群232のうちテクスチャデータ以外のデータをメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に転送させる。なお、準備期間用の画像データ群232のうちテクスチャデータは表示CPU201への動作電力の供給開始時にメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に設けられたテクスチャ用エリア211aに転送されている。
ステップS3302の処理を実行した後は、現状が遅延対象状況であるか否かを判定する(ステップS3303)。遊技回用の演出が実行されている状況又は開閉実行モード用の演出が実行されている状況が遅延対象状況に該当する。遅延対象状況である場合(ステップS3303:YES)、音光側RAM64に設けられた遅延中フラグに「1」をセットする(ステップS3304)。
現状が遅延対象状況ではない場合(ステップS3303:NO)、音光側RAM64に設けられた準備用表示フラグに「1」をセットする(ステップS3305)。その後、準備用表示として準備期間用の背景画像及び残時間報知画像G63を表示する継続期間を算出する(ステップS3306)。今回は時刻対応演出の開始タイミングにおいて準備期間が開始される場合であるため、準備用表示の継続期間は時刻対応演出の開始タイミングからスペシャル期間の開始タイミングまでの時間となる。そして、ステップS3306にて算出した準備表示用の継続期間に対応する情報を、音光側ROM63から読み出した準備用表示開始コマンドに設定し(ステップS3307)、その準備用表示開始コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3308)。
図86は本別形態におけるコマンド対応処理を示すフローチャートである。表示CPU201は、準備用表示開始コマンドを受信した場合(ステップS3401:YES)、当該準備用表示開始コマンドから準備期間の残り期間を把握する(ステップS3402)。そして、準備期間の残り期間の範囲内で固定の開始値(例えば「60」)から固定の終了値(例えば「0」)となるまで残時間報知画像G63においてカウント値の減算表示を行う場合における当該カウント値の更新周期を設定する(ステップS3403)。具体的には、固定の開始値からカウント値の表示を開始して、カウント値の更新周期及び1回の更新周期におけるカウント値の減算値(具体的には「1」)を一定としながら、準備期間の残り期間でカウント値が固定の終了値となるようにするために必要なカウント値の更新周期を算出する。そして、その算出結果に対応する準備期間用テーブルをメモリモジュール203からワークRAM202に読み出す(ステップS3404)。これにより、ステップS3403にて算出された更新周期に従って、残時間報知画像G63におけるカウント値の更新が行われる。なお、コマンド対応処理では、上記処理以外の処理も実行する。
図87は、本別形態における準備期間中の設定処理を示すフローチャートである。
準備期間の終了タイミング及びデータの転送タイミングのいずれでもなく(ステップS3501及びステップS3502:NO)、音光側RAM64の遅延中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3503:YES)、遅延解除タイミングであるか否かを判定する(ステップS3504)。遊技回用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなることで遅延期間が発生している場合には、その遊技回用の演出が終了して新たな遊技回用の演出が開始された場合又はデモ表示が開始された場合に、遅延解除タイミングであると判定する。また、開閉実行モード用の演出が実行されている状況で時刻対応演出の開始タイミングとなることで遅延期間が発生している場合には、当該開閉実行モード用の演出が終了して新たな遊技回用の演出が開始された場合又はデモ表示が開始された場合に、遅延解除タイミングであると判定する。
遅延解除タイミングである場合(ステップS3504:YES)、RAM64の遅延中フラグを「0」クリアするとともに(ステップS3505)、RAM64の準備用表示フラグに「1」をセットする(ステップS3506)。その後、準備用表示として準備期間用の背景画像及び残時間報知画像G63を表示する継続期間を算出する(ステップS3507)。今回は時刻対応演出の開始タイミングよりも後のタイミングにおいて準備期間が開始される場合であるため、スペシャル期間の開始タイミングまでの残りの期間が準備用表示の継続期間となる。そして、ステップS3507にて算出した準備表示用の継続期間に対応する情報を、音光側ROM63から読み出した準備用表示開始コマンドに設定し(ステップS3508)、その準備用表示開始コマンドを表示CPU201に送信する(ステップS3509)。これにより、表示CPU201におけるコマンド対応処理(図86)において既に説明したステップS3402〜ステップS3404の処理が実行されることにより、既に説明したように準備期間の残りの期間において残時間報知画像G63におけるカウント値が固定の開始値から固定の終了値となるまで減算表示される。
なお、ステップS3510〜ステップS3513の処理内容は上記実施形態における準備期間中の設定処理(図81)におけるステップS3008〜ステップS3011の処理内容と同一である。
以上のように遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が実行されている状況において時刻対応演出の開始タイミングとなった場合には、その実行途中の遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が終了するまでは残時間報知画像G63を含めて準備期間用の画像の表示は開始されない。これにより、例えば所定のリーチ演出が実行されていることにより大当たり結果となることへの期待感が高まっている状況において準備期間用の画像の表示が突然開始されて、その所定のリーチ演出への遊技者の注目度が低下してしまうという事象が発生しないようにすることが可能となる。
また、このように実行途中の遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が終了するまでは残時間報知画像G63を含めて準備期間用の画像の表示が開始されない構成において、その実行途中の遊技回用の演出又は開閉実行モード用の演出が終了して準備期間用の画像の表示が開始される場合には準備期間の残りの継続期間との関係で残時間報知画像G63におけるカウント値の更新周期が設定される。これにより、時刻対応演出の開始タイミングよりも後のタイミングで準備期間用の画像の表示が開始される場合であっても、残時間報知画像G63におけるカウント値の表示を固定の開始値から固定の終了値となるまで行うことが可能となる。
<別保存演出を行うための構成>
次に、別保存演出を行うための構成について説明する。
別保存演出とは、ワールド座標系に配置されている3次元の画像データを仮想2次元平面に投影することで作成された描画データを別保存データとして保存しておき、その後において当該別保存データを板状オブジェクトデータに設定することによってワールド座標系に配置するとともにワールド座標系に配置されている他の画像データと一緒にその別保存データを仮想2次元平面に投影することで描画データを作成することにより画像の表示を行う演出のことである。また、別保存データをワールド座標系に配置することに基づき作成された描画データを利用して画像の表示が行われる期間においては、別保存データを作成する場合に仮想2次元平面への投影対象となった3次元の画像データに対して、仮想2次元平面への投影対象から除外するマスク制御が実行される。マスク制御において仮想2次元平面への投影対象から除外される対象となった画像データはワールド座標系に配置されない構成としてもよく、ワールド座標系に配置されるものの配置位置や形状などの更新は行われずにさらに投影対象から除外される構成としてもよい。このように別保存データを利用した描画データの作成と、マスク制御とを実行することにより、表示対象となる画像の種類が増加する場合であってもVDP205の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
図88は、別保存演出の具体的な内容を説明するための説明図であり、図88(a1)及び図88(b1)はワールド座標系に3次元の画像データが配置されている様子を示し、図88(a2)及び図88(b2)は仮想2次元平面に投影することで作成された描画データを利用して表示される画像の内容を示す。
別保存演出が実行されていない状況においては、図88(a1)に示すように、視点PC11を基準とした場合に最も奥側の位置に最背面の画像データ241が配置され、その手前に第1背景個別画像用の画像データ242と第2背景個別画像用の画像データ243とが配置され、さらに手前側に演出キャラクタ用の画像データ244が配置されている。なお、最背面の画像データ241は板状オブジェクトデータ(すなわち板ポリゴン)に最背面用のテクスチャデータが貼り付けられた画像データである。板状オブジェクトデータは厚みのないオブジェクトデータであり、厚みのある立体的なオブジェクトデータと比べて、データ容量が小さく且つVDP205におけるジオメトリ演算及びレンダリングに際しての処理負荷が小さい。
図88(a1)のように3次元の画像データ241〜244が配置されている状態において仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図88(a2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。当該1フレーム分の画像においては、最背面の画像G71の手前において第1背景個別画像G72と第2背景個別画像G73とが表示されるとともにさらにその手前において演出キャラクタ画像G74が表示される。そして、複数の画像の更新タイミング間において、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243及び演出キャラクタ用の画像データ244のワールド座標系における配置位置及び形状などを変更させることにより、1フレーム分の画像において第1背景個別画像G72、第2背景個別画像G73及び演出キャラクタ画像G74の表示位置や形状などを変更させることが可能となる。
図88(a1)のように3次元の画像データ241〜244が配置されている状態において最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243を投影対象とする一方、演出キャラクタ用の画像データ244を投影対象としないようにして仮想2次元平面への投影処理を実行することで、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73の静止画の表示を可能とする2次元の描画データを第1別保存データとして作成することが可能となる。その第1別保存データを板状ポリゴンデータに貼り付けることで第1別保存画像データ245としてワールド座標系に配置するとともに、その手前に演出キャラクタ用の画像データ244と、追加個別画像用の画像データ246とを配置することにより、図88(b1)に示す状態となる。そして、この状態においてそれら第1別保存画像データ245、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246に対して仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図88(b2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。当該1フレーム分の画像においては、最背面の画像G71の手前において第1背景個別画像G72と第2背景個別画像G73とが表示されるとともにさらにその手前において演出キャラクタ画像G74及び追加個別画像G75が表示される。
但し、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73を表示するための画像データは第1別保存画像データ245を用いて静止画としてワールド座標系に配置されているため、複数の画像の更新タイミング間において第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73の配置位置や形状などを個別に変更させることはできない。その一方、演出キャラクタ画像G74及び追加個別画像G75を表示するための画像データは演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246として個別にワールド座標系に配置されているため、複数の画像の更新タイミング間において演出キャラクタ画像G74及び追加個別画像G75の配置位置や形状などを個別に変更させることが可能となる。
上記のように第1別保存画像データ245を利用して描画データが作成される場合において、当該第1別保存画像データ245は、ワールド座標系において第1別保存データを作成する場合に最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243が配置されていた位置よりも手前側に配置される。そして、第1別保存画像データ245よりも奥側の空間MS1はマスク制御により仮想2次元平面への投影対象から除外される。これにより、第1別保存画像データ245を利用して描画データを作成する場合には、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73を表示するために仮想2次元平面への投影対象となる画像データの数が少なくなり、これら画像G71〜G73を表示するためのVDP205の処理負荷が小さくなる。したがって、追加個別画像G75が表示対象として新たに追加されたとしても、VDP205の処理負荷が大きくなることを抑えることが可能となる。
マスク制御が実行されることにより最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243が仮想2次元平面への投影対象から除外されている状況であっても、ワークRAM202においてこれら画像データ241〜243についての座標の情報及びスケールの情報といったパラメータ情報は記憶保持される。これにより、これら画像データ241〜243を仮想2次元平面に投影することにより画像を表示させる期間に復帰する場合に、これら画像データ241〜243のパラメータ情報を更新するための領域をワークRAM202に確保するための処理を実行する必要が生じない。画像データのパラメータ情報を新たに更新対象として設定するためには、そのパラメータ情報を記憶保持するためのワークRAM202の記憶領域の検索処理及びその検索処理により検索された記憶領域のクリア処理などの初期設定処理を実行する必要が生じ、当該初期設定処理の処理負荷はパラメータ情報を更新するための処理負荷よりも大きい。このような事情においてマスク制御の対象となっている画像データ241〜243のパラメータ情報がワークRAM202に記憶保持されることにより、当該マスク制御が解除された場合における表示CPU201の処理負荷が極端に大きくなってしまうことを阻止することが可能となる。
また、表示CPU201はマスク制御が実行されることにより上記各画像データ241〜243が仮想2次元平面への投影対象から除外されている状況であっても、これら第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243についてのパラメータ情報の更新処理を継続する。これにより、第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が行われている期間が終了した直後において、当該期間の開始直前の状態から第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73の動きが再開されるのではなく、当該期間の開始直前の表示状態に対して、それまでの表示パターンに従って当該期間が継続した時間分動きの変化が継続された場合の状態から第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73の動きを再開させることが可能となる。
また、マスク制御が実行されることにより最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243が仮想2次元平面への投影対象から除外されている状況であっても、VRAM204においてこれら画像データ241〜243をワールド座標系に配置するために参照される情報が格納されたバッファ領域は保持される。これにより、これら画像データ241〜243を仮想2次元平面に投影することにより画像を表示させる期間に復帰する場合に、これら画像データ241〜243をワールド座標系に配置するために参照される情報を格納するバッファ領域をVRAM204に確保するための処理を実行する必要が生じない。当該バッファ領域を確保するためにはVRAM204の記憶領域の検索処理及びその検索処理により検索された記憶領域のクリア処理などの初期設定処理を実行する必要が生じるが、マスク制御の対象となっている画像データ241〜243のバッファ領域がそのままVRAM204において保持されることにより、当該マスク制御が解除された場合におけるVDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまうことを阻止することが可能となる。
ここで、マスク制御を実行している状況においてそのマスク制御により投影対象から除外されている画像データを利用して別保存データを作成する必要が生じた場合、その画像データは投影対象から除外されているため当該画像データを利用した別保存データを作成することができない。このような事象が発生する場合について図89(a)〜図89(c)を参照しながら説明する。図89(a1)〜図89(c1)はワールド座標系に3次元の画像データが配置されている様子を示し、図89(a2)〜図89(c2)は仮想2次元平面に投影することで作成された描画データを利用して表示される画像の内容を示す。
図89(a1)に示すように、ワールド座標系において最も奥側の位置に最背面の画像データ241が配置され、その手前に第1背景個別画像用の画像データ242と第2背景個別画像用の画像データ243とが配置され、さらに手前側に演出キャラクタ用の画像データ244が配置されている状態にて仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図89(a2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。この場合に、図89(a1)に示すような各画像データ241〜244の配置状態において作成された描画データが第2別保存データとして保存される。
その後、図89(b1)に示すように、その第2別保存データを板状ポリゴンデータに貼り付けることで第2別保存画像データ247としてワールド座標系に配置するとももに、当該第2別保存画像データ247の手前にエフェクト画像G76を表示させるためのエフェクト画像データ248を配置する。そして、これら第2別保存画像データ247及びエフェクト画像データ248に対して仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図89(b2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。なお、エフェクト画像データ248は板状ポリゴンデータにエフェクト画像用のテクスチャデータが貼り付けられたデータであり、当該エフェクト画像データ248には全体的に透明又は半透明のα値が設定されており不透明のα値は設定されていないため、第2別保存画像データ247に対してエフェクト画像データ248は透明化処理又は半透明化処理が施された状態で上書きされる。
上記のように第2別保存画像データ247を利用して描画データが作成される場合において、当該第2別保存画像データ247は、ワールド座標系において第2別保存データを作成する場合に最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243及び演出キャラクタ用の画像データ244が配置されていた位置よりも手前側に配置される。そして、第2別保存画像データ247よりも奥側の空間MS2はマスク制御により仮想2次元平面への投影対象から除外される。これにより、第2別保存画像データ247を利用して描画データを作成する場合には、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72、第2背景個別画像G73及び演出キャラクタ画像G74を表示するために仮想2次元平面への投影対象となる画像データの数が少なくなり、これら画像G71〜G74を表示するためのVDP205の処理負荷が小さくなる。したがって、エフェクト画像G76が表示対象として新たに追加されたとしても、VDP205の処理負荷が大きくなることを抑えることが可能となる。
但し、第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われた直後に、図88(b1)に示すような第1別保存画像データ245、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246を利用した画像の表示を行う必要が生じた場合、第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われている期間においては最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243に対してマスク制御が実行されているため、第1別保存画像データ245を作成することができない。そうすると、例えば図88(c1)に示すようにワールド座標系において演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246の奥側に第1別保存画像データ245を配置することができず、図88(c2)に示すように背景の画像が表示されていない状態で演出キャラクタ画像G74及び追加個別画像G75が表示された状態となってしまう。また、例えばワールド座標系に演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246だけではなく、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243を配置してそれら全ての画像データ241〜244,246を仮想2次元平面に対して投影することで描画データを作成しようとすると、VDP205の処理負荷が大きくなってしまう。このような状況が発生してしまう場合として、本パチンコ機10では、演出用操作装置48が操作された場合に第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われる操作対応演出が発生する構成において当該操作対応演出が終了した直後に第1別保存画像データ245を利用した画像の表示を行う必要が生じる場合が存在している。
これに対して、本パチンコ機10においては第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われている直後に第1別保存画像データ245を利用した画像の表示を行うことが可能な構成となっている。以下、図90を参照しながら、別保存演出が行われる様子について説明する。図90は別保存演出が行われる様子を示すタイムチャートであり、図90(a)はマスク制御が実行されない通常描画期間を示し、図90(b)はマスク制御が実行されるマスク制御期間を示し、図90(c)は第1別保存データ及び第2別保存データのうち少なくとも一方の別保存が実行されるタイミングを示し、図90(d)は第1別保存データがVRAM204に設けられた第1別保存バッファ251に記憶保持されている期間を示し、図90(e)は第2別保存データがVRAM204に設けられた第2別保存バッファ252に記憶保持されている期間を示し、図90(f)は演出用操作装置48の操作有効期間を示し、図90(g)は演出用操作装置48の操作タイミングを示し、図90(h)は操作対応演出の実行期間を示す。
まず第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が行われる場合について説明する。
図90(a)に示すようにマスク制御が行われていない通常描画期間において、t1のタイミングで図90(c)に示すように第1別保存データの保存実行タイミングとなる。この場合、図88(a),図88(b)に示すように第1別保存データが作成され、その第1別保存データがVRAM204の第1別保存バッファ251に記憶保持される。これにより、図90(d)に示すようにt1のタイミングで、第1別保存バッファ251に第1別保存画像データ245が記憶保持された状態となる。
その後、t2のタイミングで、第1別保存画像データ245を利用した画像を表示する期間となることで、図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が行われる期間となる。この場合、当該マスク制御が行われる期間であっても、第1別保存画像データ245において表示対象となる最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243についての各種パラメータ情報はワークRAM202において記憶保持されるとともに、それら各種パラメータ情報の更新処理は表示CPU201において継続される。
その後、t3のタイミングで、第1別保存画像データ245を利用した画像を表示する期間が終了することで、図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が終了して、マスク制御が行われない通常描画期間に復帰する。この場合、上記のとおりマスク制御期間であっても最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243についての各種パラメータ情報の表示CPU201における更新処理は継続されているため、これら画像G71〜G73の表示はマスク制御が開始されたタイミングに対してマスク制御の実行期間分経過したタイミングに対応する表示態様から開始される。
次に、第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われた直後に第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が行われる場合について説明する。なお、以下の説明では図91(a)〜図91(c)を適宜参照する。図91(a)〜図91(c)は第1別保存画像データ245を利用した画像の表示及び第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われる様子を説明するための説明図であり、図91(a1)〜図91(c1)はワールド座標系に3次元の画像データが配置される様子を示し、図91(a2)〜図91(c2)は仮想2次元平面に投影することで作成された描画データを利用して表示される画像の内容を示す。
図90(a)に示すようにマスク制御が行われていない通常描画期間において、t4のタイミングで図90(f)に示すように演出用操作装置48の操作有効期間の開始タイミングとなる。この場合、当該t4のタイミングで、図90(c)に示すように別保存が実行される。この別保存の実行タイミングにおいて別保存の実行対象となるのは第1別保存データ及び第2別保存データの両方である。
これら第1別保存データ及び第2別保存データの両方が作成される様子について、図91(a)を参照しながら説明する。図91(a1)に示すように、ワールド座標系において最も奥側の位置に最背面の画像データ241が配置され、その手前に第1背景個別画像用の画像データ242と第2背景個別画像用の画像データ243とが配置され、さらに手前側に演出キャラクタ用の画像データ244が配置されている状態にて仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図91(a2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。この場合に、図91(a1)に示す各画像データ241〜244の全てを仮想2次元平面への投影対象として作成された描画データが第2別保存データとして第2別保存バッファ252に保存される。当該第2別保存データは、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72、第2背景個別画像G73及び演出キャラクタ画像G74の静止画の表示を可能とするデータである。
また、図91(a1)のように3次元の画像データ241〜244が配置されている状態において最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243を投影対象とする一方、演出キャラクタ用の画像データ244を投影対象としないようにして仮想2次元平面への投影処理が実行されることで、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73の静止画の表示を可能とする2次元の描画データが第1別保存データとして作成される。そして、その第1別保存データが第1別保存バッファ251に保存される。
図90を参照した説明に戻り、t4のタイミングで、第1別保存データ及び第2別保存データが作成されることにより、図90(d)に示すように第1別保存バッファ251に第1別保存データが記憶保持された状態となるとともに、図90(e)に示すように第2別保存バッファ252に第2別保存データが記憶保持された状態となる。
その後、t5のタイミングで、図90(g)に示すように演出用操作装置48が操作されることにより、図90(h)に示すように操作対応演出が開始される。この場合、図91(b1)に示すように第2別保存データが板状ポリゴンデータに貼り付けられて第2別保存画像データ247としてワールド座標系に配置されるとももに、当該第2別保存画像データ247の手前にエフェクト画像G76を表示させるためのエフェクト画像データ248が配置される。そして、これら第2別保存画像データ247及びエフェクト画像データ248に対して仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図91(b2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。
t5のタイミングで操作対応演出が開始されることにより、当該t5のタイミングで図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が行われる期間となる。この場合、当該マスク制御が行われる期間であっても、第2別保存画像データ247において表示対象となる最背面の画像G71、第1背景個別画像G72、第2背景個別画像G73及び演出キャラクタ画像G74のそれぞれに対応する画像データ241〜244についての各種パラメータ情報はワークRAM202において記憶保持されるとともに、それら各種パラメータ情報の更新処理は表示CPU201において継続される。
その後、t6のタイミングで、図90(h)に示すように操作対応演出が終了する。この場合、当該t6のタイミングで第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が開始される。この場合、図91(c1)に示すように第1別保存データが板状ポリゴンデータに貼り付けられて第1別保存画像データ245としてワールド座標系に配置されるとともに、その手前に演出キャラクタ用の画像データ244と追加個別画像用の画像データ246とが配置される。そして、この状態においてそれら第1別保存画像データ245、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246に対して仮想2次元平面への投影が行われて描画データが作成されることにより、図91(c2)に示すような1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。この場合、上記のとおりマスク制御期間であっても演出キャラクタ用の画像データ244についてのパラメータ情報の表示CPU201における更新処理は継続されているため、演出キャラクタ画像G74の表示はマスク制御が開始されたタイミングに対してマスク制御の実行期間が経過したタイミングに対応する表示態様から開始される。
t6のタイミングにおいて第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が開始されることにより、図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が継続される。但し、マスク制御の対象となるのは、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243であり、演出キャラクタ画像G74及び追加個別画像G75に対応する画像データ244,246はマスク制御の対象とならない。マスク制御の対象となっている画像G71〜G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243についての各種パラメータ情報はワークRAM202において記憶保持されるとともに、それら各種パラメータ情報の更新処理は表示CPU201において継続される。
その後、t7のタイミングで、第1別保存画像データ245を利用した画像を表示する期間が終了することで、図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が終了して、マスク制御が行われない通常描画期間に復帰する。この場合、上記のとおりマスク制御期間であっても最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243についての各種パラメータ情報の表示CPU201における更新処理は継続されているため、これら画像G71〜G73の表示はマスク制御が開始されたタイミングに対してマスク制御の実行期間分経過したタイミングに対応する表示態様から開始される。これにより、スピーカ部45などといった図柄表示装置41以外の演出実行装置との間の演出内容を整合させることが可能となる。
次に、第1別保存データ及び第2別保存データの両方が別保存されるものの、第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われることなく第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が行われる場合について説明する。
図90(a)に示すようにマスク制御が行われていない通常描画期間において、t8のタイミングで図90(f)に示すように演出用操作装置48の操作有効期間が開始タイミングとなる。この場合、t4のタイミングの場合と同様に、図90(c)に示すように第1別保存データ及び第2別保存データの両方についての別保存の実行タイミングとなる。したがって、図90(d)に示すように第1別保存バッファ251に第1別保存データが記憶保持された状態となるとともに、図90(e)に示すように第2別保存バッファ252に第2別保存データが記憶保持された状態となる。
但し、図90(f)及び図90(g)に示すようにt9のタイミングで、演出用操作装置48が操作されることなく操作有効期間が経過する。この場合、第2別保存画像データ247を利用した画像の表示が行われないため、t8のタイミングからt9のタイミングに亘ってマスク制御は実行されない。したがって、t9のタイミングにおいて、その後に使用する第1別保存データを再度作成する。つまり、t8のタイミングで作成されて第1別保存バッファ251に記憶保持された第1別保存データが消去されて、t9のタイミングで作成された第1別保存データが第1別保存バッファ251に新しく記憶保持される。これにより、第1別保存画像データ245を利用するタイミングに対してより近いタイミングの表示態様による各画像G71〜G73を、第1別保存画像データ245を利用した画像にて表示させることが可能となる。なお、第1別保存データが新たに作成されるタイミングは、操作有効期間が経過した画像の更新タイミングに対して、次の画像の更新タイミングである。
その後、t10のタイミングで、第1別保存画像データ245を利用した画像の表示が開始されることにより、図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が開始される。但し、マスク制御の対象となるのは、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243であり、演出キャラクタ画像G74及び追加個別画像G75に対応する画像データ244,246はマスク制御の対象とならない。マスク制御の対象となっている画像G71〜G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243についての各種パラメータ情報はワークRAM202において記憶保持されるとともに、それら各種パラメータ情報の更新処理は表示CPU201において継続される。
その後、t11のタイミングで、第1別保存画像データ245を利用した画像を表示する期間が終了することで、図90(a)及び図90(b)に示すようにマスク制御が終了して、マスク制御が行われない通常描画期間に復帰する。この場合、上記のとおりマスク制御期間であっても最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73のそれぞれに対応する画像データ241〜243についての各種パラメータ情報の表示CPU201における更新処理は継続されているため、これら画像G71〜G73の表示はマスク制御が開始されたタイミングに対してマスク制御の実行期間分経過したタイミングに対応する表示態様から開始される。これにより、スピーカ部45などといった図柄表示装置41以外の演出実行装置との間の演出内容を整合させることが可能となる。
以下、別保存演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図92は、表示CPU201にて実行される別保存演出用の演算処理を示すフローチャートである。なお、別保存演出用の演算処理は、別保存演出を実行すべき遊技回においてタスク処理(図68)におけるステップS2503の背景用演算処理にて実行される。
まず今回の遊技回用の演出を制御するためにワークRAM202に読み出されている実行対象テーブルにおいて参照対象となるポインタ情報を更新することで、実行対象テーブルにおいて参照対象となるデータの内容を今回の処理回に対応するデータとする(ステップS3601)。その後、操作対応演出の実行中及び操作有効期間のいずれでもない場合(ステップS3602及びステップS3603:NO)、第1別保存データの利用期間であるか否かを判定する(ステップS3604)。第1別保存データの利用期間は、操作有効期間が発生しない遊技回であって別保存演出が発生する遊技回であれば、当該遊技回の経過時間が所定の時間となった場合に発生し、操作有効期間が発生する遊技回であれば、操作対応演出が実行されることなく操作有効期間が経過した場合又は操作対応演出が終了した場合に発生する。
第1別保存データの利用期間ではない場合(ステップS3604:NO)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応する種類の画像データを把握する(ステップS3605)。当該画像データには、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243及び演出キャラクタ用の画像データ244が含まれる。その後、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243のそれぞれについてパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM202においてこれら各画像データ241〜244に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3606及びステップS3607)。その後、別保存データの非使用指示情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3608)。また、第1別保存データの作成タイミングである場合には(ステップS3609:YES)、別保存データの第1作成指示情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3610)。
上記のように別保存演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS3605にて把握した各種画像データ241〜244がワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、それら画像データ241〜244に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには別保存データの非使用指示情報が設定されるとともに、今回が第1別保存データの作成タイミングである場合には別保存データの第1作成指示情報が設定される。
別保存演出用の演算処理において第1別保存データの利用期間中である場合(ステップS3604:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応する種類の画像データを把握する(ステップS3611〜ステップS3613)。当該画像データには、第1別保存バッファ251に記憶保持されている第1別保存データ、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246が含まれる。その後、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243、追加個別画像用の画像データ246及び第1別保存データのそれぞれについてパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM202においてこれら各画像データ241〜244,246に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3614〜ステップS3617)。この場合、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243はワールド座標系への配置対象とならないが、これら画像データ241〜244,246についてのパラメータ情報のワークRAM202における記憶保持及び当該パラメータ情報の更新は継続される。その後、別保存データの使用指示情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3618)。
上記のように別保存演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS3611〜ステップS3613にて把握した各種画像データ241〜244,246がワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、それら画像データ241〜244,246に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには別保存データの使用指示情報が設定される。
別保存演出用の演算処理において、操作有効期間である場合には(ステップS3603:YES)、ステップS3618にて操作有効期間中処理を実行し、操作対応演出中である場合には(ステップS3602:YES)、ステップS3619にて操作対応演出中処理を実行する。これら操作有効期間中処理及び操作対応演出中処理について以下に説明する。
図93は操作有効期間中処理を示すフローチャートである。
操作有効期間の開始タイミングである場合(ステップS3701:YES)、別保存データの第2作成指示情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3702)。ステップS3702の処理を実行した場合、又は操作有効期間の開始タイミングではなく且つ演出用操作装置48が操作されていない場合(ステップS3701及びステップS3703:NO)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応する種類の画像データを把握する(ステップS3704)。当該画像データには、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243及び演出キャラクタ用の画像データ244が含まれる。その後、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243のそれぞれについてパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM202においてこれら各画像データ241〜244に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3705及びステップS3706)。その後、有効期間情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3707)。また、操作有効期間の終了タイミングである場合には(ステップS3708:YES)、別保存データの第1作成指示情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3709)。
上記のように操作有効期間中処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS3704にて把握した各種画像データ241〜244がワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、それら画像データ241〜244に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには有効期間情報が設定されるとともに、今回が操作有効期間の開始タイミングであれば別保存データの第2作成指示情報が設定され、今回が操作有効期間の終了タイミングであれば別保存データの第1作成指示情報が設定される。
操作有効期間中処理において演出用操作装置48が操作された場合(ステップS3703:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応する種類の画像データを把握する(ステップS3710及びステップS3711)。当該画像データには、第2別保存バッファ252に記憶保持されている第2別保存データ及びエフェクト画像データ248が含まれる。その後、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243、エフェクト画像データ248及び第2別保存データのそれぞれについてパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM202においてこれら各画像データ241〜244,248に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3712〜ステップS3715)。この場合、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243はワールド座標系への配置対象とならないが、これら画像データ241〜244についてのパラメータ情報のワークRAM202における記憶保持及び当該パラメータ情報の更新は継続される。その後、操作対応演出情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3716)。
上記のように別保存演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS3710及びステップS3711にて把握した各種画像データ248がワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、それら画像データ248に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには操作対応演出情報が設定される。
図94は操作対応演出中処理を示すフローチャートである。
まず現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の更新タイミングに対応する種類の画像データを把握する(ステップS3801及びステップS3802)。当該画像データには、第2別保存バッファ252に記憶保持されている第2別保存データ及びエフェクト画像データ248が含まれる。その後、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243、エフェクト画像データ248及び第2別保存データのそれぞれについてパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM202においてこれら各画像データ241〜244,248に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS3803〜ステップS3806)。この場合、演出キャラクタ用の画像データ244、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243はワールド座標系への配置対象とならないが、これら画像データ241〜244についてのパラメータ情報のワークRAM202における記憶保持及び当該パラメータ情報の更新は継続される。その後、操作対応演出情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS3806)。
上記のように別保存演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS3801及びステップS3802にて把握した各種画像データ248がワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、それら画像データ248に適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには操作対応演出情報が設定される。
次に、VDP205にて実行される別保存表示用の設定処理について、図95のフローチャートを参照しながら説明する。別保存表示用の設定処理は、描画処理(図70)のステップS2602にて実行される背景用の設定処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて別保存データの非使用指示情報、別保存データの使用指示情報、有効期間情報又は操作対応演出情報が設定されている場合に、別保存表示用の設定処理が実行される。
今回の描画リストに別保存データの使用指示情報が設定されておらず、さらに今回の描画リストに操作対応演出情報が設定されていない場合(ステップS3901:NO)、今回の描画リストに基づき、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243及び演出キャラクタ用の画像データ244をワールド座標系への配置対象として把握する(ステップS3902)。また、それら画像データ241〜244に適用するパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する(ステップS3903)。そして、それら配置対象の画像データ241〜244に対して今回把握したパラメータ情報を適用した状態で、ワールド座標系への設定処理を実行する(ステップS3904)。これにより、図91(a2)に示すような1フレーム分の画像が図柄表示装置41に表示される。
今回の描画リストに別保存データの使用指示情報が設定されている場合(ステップS3905:YES)、今回の描画リストに基づき、第1別保存データ、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246をワールド座標系への配置対象として把握する(ステップS3906〜ステップS3908)。また、第1別保存データ、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246に適用するパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する(ステップS3909)。そして、第1別保存データ、演出キャラクタ用の画像データ244及び追加個別画像用の画像データ246に対して今回把握したパラメータ情報を適用した状態で、ワールド座標系への設定処理を実行する(ステップS3904)。これにより、図91(c2)に示すような1フレーム分の画像が図柄表示装置41に表示される。
今回の描画リストに操作対応演出情報が設定されている場合(ステップS3905:NO)、今回の描画リストに基づき、第2別保存データ及びエフェクト画像データ248をワールド座標系への配置対象として把握する(ステップS3910及びステップS3911)。また、第2別保存データ及びエフェクト画像データ248に適用するパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する(ステップS3912)。そして、第2別保存データ及びエフェクト画像データ248に対して今回把握したパラメータ情報を適用した状態で、ワールド座標系への設定処理を実行する(ステップS3904)。これにより、図91(b2)に示すような1フレーム分の画像が図柄表示装置41に表示される。
次に、VDP205にて実行される別保存表示用の描画データ作成処理について、図96のフローチャートを参照しながら説明する。別保存表示用の描画データ作成処理は、描画処理(図70)のステップS2610にて実行される演出及び背景用の描画データ作成処理の一部の処理として実行される。また、描画リストにおいて別保存データの非使用指示情報、別保存データの使用指示情報、有効期間情報又は操作対応演出情報が設定されている場合に、別保存表示用の描画データ作成処理が実行される。
今回の描画リストに別保存データの第1作成指示情報又は別保存データの第2作成指示情報が設定されている場合(ステップS4001:YES)、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243を仮想2次元平面に投影することにより第1別保存データを作成する(ステップS4002)。そして、その作成した第1別保存データをVRAM204の第1別保存バッファ251に書き込む(ステップS4003)。これにより、第1別保存バッファ251に第1別保存データが記憶保持された状態となる。
ステップS4001にて否定判定をした場合又はステップS4002の処理を実行した場合、図91(a2)、図91(b2)及び図91(c2)のいずれかの画像を表示するための描画データを作成する(ステップS4004)。当該描画データは、1フレームの画像を表示させるために描画処理(図70)におけるステップS2612の描画データ合成処理において利用される。
その後、今回の描画リストに別保存データの第2作成指示情報が設定されている場合(ステップS4005:YES)、直前のステップS4004にて作成した描画データを第2別保存データとしてVRAM204の第2別保存バッファ252に書き込む(ステップS4006)。これにより、第2別保存バッファ252に第2別保存データが記憶保持された状態となる。また、第2別保存データは1フレーム分の画像を表示させるために利用される描画データがそのまま利用されるため、第2別保存データを作成するための処理負荷を抑えることが可能となる。
以上のとおり、第1別保存データを利用して画像を表示する場合には、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243に対してマスク制御を実行しながら、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73を表示させることが可能となる。これにより、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72及び第2背景個別画像G73を表示させるためのVDP205の処理負荷が小さくなり、追加個別画像G75が表示対象として新たに追加されたとしても、VDP205の処理負荷が大きくなることを抑えることが可能となる。また、第2別保存データを利用して画像を表示する場合には、最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243及び演出キャラクタ用の画像データ244に対してマスク制御を実行しながら、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72、第2背景個別画像G73及び演出キャラクタ画像G74を表示させることが可能となる。これにより、最背面の画像G71、第1背景個別画像G72、第2背景個別画像G73及び演出キャラクタ画像G74を表示させるためのVDP205の処理負荷が小さくなり、エフェクト画像G76が表示対象として新たに追加されたとしても、VDP205の処理負荷が大きくなることを抑えることが可能となる。
マスク制御が実行されることにより仮想2次元平面への投影対象から除外されている画像データのパラメータ情報は、ワークRAM202から消去されることなく記憶保持される。これにより、当該画像データを仮想2次元平面に投影することにより画像を表示させる期間に復帰する場合に、当該画像データのパラメータ情報を更新するための領域をワークRAM202に確保するための処理を実行する必要が生じない。画像データのパラメータ情報を新たに更新対象として設定するためには、そのパラメータ情報を記憶保持するためのワークRAM202の記憶領域の検索処理及びその検索処理により検索された記憶領域のクリア処理などの初期設定処理を実行する必要が生じ、当該初期設定処理の処理負荷はパラメータ情報を更新するための処理負荷よりも大きい。このような事情においてマスク制御の対象となっている画像データのパラメータ情報がワークRAM202に記憶保持されることにより、当該マスク制御が解除された場合における表示CPU201の処理負荷が極端に大きくなってしまうことを阻止することが可能となる。
また、表示CPU201はマスク制御が実行されることにより所定の画像データが仮想2次元平面への投影対象から除外されている状況であっても、当該所定の画像データについてのパラメータ情報の更新処理を継続する。これにより、第1別保存データ又は第2別保存データを利用した画像の表示が行われている期間が終了した直後において、当該期間の開始直前の状態から所定の画像データに対応する画像の動きが再開されるのではなく、当該期間の開始直前の表示状態に対して、それまでの表示パターンに従って当該期間が継続した時間分動きの変化が継続された場合の状態から上記所定の画像データに対応する画像の動きを再開させることが可能となる。これにより、スピーカ部45などといった図柄表示装置41以外の演出実行装置との間の演出内容を整合させることが可能となる。
また、マスク制御が実行されることにより最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242及び第2背景個別画像用の画像データ243が仮想2次元平面への投影対象から除外されている状況であっても、VRAM204においてこれら画像データ241〜243をワールド座標系に配置するために参照される情報が格納されたバッファ領域は保持される。これにより、これら画像データ241〜243を仮想2次元平面に投影することにより画像を表示させる期間に復帰する場合に、これら画像データ241〜243をワールド座標系に配置するために参照される情報を格納するバッファ領域をVRAM204に確保するための処理を実行する必要が生じない。当該バッファ領域を確保するためにはVRAM204の記憶領域の検索処理及びその検索処理により検索された記憶領域のクリア処理などの初期設定処理を実行する必要が生じるが、マスク制御の対象となっている画像データ241〜243のバッファ領域がそのままVRAM204において保持されることにより、当該マスク制御が解除された場合におけるVDP205の処理負荷が極端に大きくなってしまうことを阻止することが可能となる。
第2別保存データを利用した画像を表示する期間が終了した直後において第1別保存データを利用した画像を表示する期間が発生し得る場合には、第2別保存データを利用した画像を表示する期間が開始される前に、第2別保存データだけではなく第1別保存データが作成される。これにより、第2別保存データを利用した画像を表示する期間において第1別保存データを作成するための画像データ241〜243に対してマスク制御が実行される構成であっても、第2別保存データを利用した画像を表示する期間が終了した直後において第1別保存データを利用した画像を表示することが可能となる。
また、第2別保存データを利用した画像を表示する期間が開始される前に第1別保存データが作成される構成であっても、第2別保存データを利用した画像を表示する期間が発生しないことによって第1別保存データを作成するための画像データ241〜243に対してマスク制御が実行されていない場合には、第1別保存データを利用した画像の表示を開始する直前に第1別保存データの作成が新たに行われる。これにより、第1別保存データを利用するタイミングに対してより近いタイミングの表示態様による各画像G71〜G73を、第1別保存データを利用した画像にて表示させることが可能となる。
<別保存演出に関する別形態>
・操作有効期間が開始される場合に第1別保存データ及び第2別保存データの両方が記憶保持される構成に代えて、操作有効期間が開始される前の所定タイミングで第1別保存データ及び第2別保存データのうち一方の別保存データが記憶保持され、当該所定タイミングよりも後であって操作有効期間の開始前のタイミング又は操作有効期間の開始タイミングで他方の別保存データが記憶保持される構成としてもよい。この場合、第1別保存データ及び第2別保存データの両方が同一の処理回において記憶保持される構成に比べて、処理負荷を分散させることが可能となる。
・マスク制御が実行されている場合にはそのマスク制御の実行対象となっている画像データがワールド座標系に配置されない構成に代えて、マスク制御の実行対象となっている画像データもワールド座標系に配置されるものの仮想2次元平面への投影対象から除外される構成としてもよい。この場合、マスク制御が終了した場合に当該マスク制御の実行対象となっていた画像データをワールド座標系に再度配置するための処理を実行する必要が生じない。また、当該構成においてはマスク制御の対象となっている画像データについては、ワールド座標系への配置対象となるもののVDP205において当該画像データに適用するパラメータ情報は変更されない構成としてもよい。但し、表示CPU201における当該画像データのパラメータ情報の更新は継続されることが好ましい。
・マスク制御の対象となっている画像データについてのパラメータ情報の更新が表示CPU201にて継続される構成に代えて、マスク制御の対象となっている画像データについては表示CPU201におけるパラメータ情報の更新が行われない構成としてもよい。この場合、マスク制御の対象となっていた画像データに対応する画像の動作は、別保存データに対応する画像の表示状態から再開されることとなる。なお、当該構成であっても、ワークRAM202においてそのマスク制御の対象となるパラメータ情報が記憶された状態がマスク制御の実行中にて記憶保持される構成とすることが好ましい。
・事前に別保存される別保存データは2種類に限定されることはなく、3種類以上であってもよい。また、別保存データが1種類である構成に対して、上記マスク制御の構成を適用してもよい。
<アングル表示演出を行うための構成>
次に、アングル表示演出を行うための構成について説明する。
アングル表示演出とは、時間の経過とともに動きが変化する表示対象をそれぞれ異なるアングルから見た状態で表示可能とする複数種類の動画を利用するとともに、演出用操作装置48の操作に基づきそれまで使用対象となっていた動画とは異なるアングルの動画に使用対象を変更する演出のことである。アングル表示演出の具体的な表示内容について図97(a)及び図97(b)の説明図を参照しながら説明する。図97(a)及び図97(b)に示すように、アングル表示演出では実写映像が動画として表示される。この実写映像においては実写キャラクタ画像G81として人が表示されており、この実写キャラクタ画像G81が動く様子が動画として表示される。また、図97(a)は実写キャラクタ画像G81に対して所定のアングルとなるAアングルから実写キャラクタ画像G81の人を撮像した動画に対応しており、図97(b)はAアングルとは異なるアングルから実写キャラクタ画像G81の人を撮像した動画に対応している。なお、Aアングルの動画及びBアングルの動画以外にも、Aアングル及びBアングルとは異なるCアングルから実写キャラクタ画像G81の人を撮像した動画も存在している。
アングル表示演出を実行するためにメモリモジュール203に予め記憶されているデータの内容について、図98の説明図を参照しながら説明する。
アングル表示演出を実行するためのデータとしてメモリモジュール203には、Aアングルの動画を表示するための動画データとして、Aアングルの第1動画データ群261、Aアングルの第2動画データ群262及びAアングルの第3動画データ群263が予め記憶されている。また、メモリモジュール203には、Bアングルの動画を表示するための動画データとして、Bアングルの第1動画データ群264、Bアングルの第2動画データ群265及びBアングルの第3動画データ群266が予め記憶されている。また、メモリモジュール203には、Cアングルの動画を表示するための動画データとして、Cアングルの第1動画データ群267、Cアングルの第2動画データ群268及びCアングルの第3動画データ群269が予め記憶されている。
図99は各動画データ群261〜269を説明するための説明図であり、図99(a)はAアングルの第1動画データ群261を示し、図99(b)はAアングルの第2動画データ群262を示し、図99(c)はAアングルの第3動画データ群263を示し、図99(d)はBアングルの第1動画データ群264を示し、図99(e)はBアングルの第2動画データ群265を示し、図99(f)はBアングルの第3動画データ群266を示し、図99(g)はCアングルの第1動画データ群267を示し、図99(h)はCアングルの第2動画データ群268を示し、図99(i)はCアングルの第3動画データ群269を示す。
図99(a)〜図99(i)に示すように、各動画データ群261〜269はそれぞれ、複数の動画像データ271a〜273cを有している。動画像データ271a〜273cとは、既に説明したとおり、1フレーム分の静止画像データを基準として複数の差分データを有するようにフレーム間圧縮されて、例えばMPEG2方式で符号化された画像データである。当該動画像データ271a〜273cがデコードされた場合には、複数フレーム分の静止画像データに展開される。
各動画データ群261〜269のそれぞれが有している1個の動画像データ271a〜273cは、動画像データとして設定可能な最小単位数分の静止画像データを再生可能とするようにそのデータ量が設定されている。当該最小単位数分の静止画像データについて具体的には、各動画像データ271a〜273cは48個の静止画像データを再生可能、換言すれば48回の画像の更新(48フレームの更新)が可能となっている。各動画データ群261〜269のそれぞれは、そのような動画像データ271a〜273cを同一数(具体的には20個)有している。
Aアングルの第1動画データ群261、Aアングルの第2動画データ群262及びAアングルの第3動画データ群263はいずれも、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をAアングルに対応する角度で見た様子の一連の動画を表示させるためのものである。当該Aアングルに対応する角度で見た様子の一連の動画は、Aアングルの各動画データ群261〜263において複数の動画像データ271a〜271cに分割されている。この場合、Aアングルの各動画データ群261〜263において、デコード対象となる順序が所定の順序となる動画像データ271a〜271cにおける最後の順番の静止画像データと当該所定の順序に対して次の順序となる動画像データ271a〜271cにおける最初の順番の静止画像データとは上記所定の動作パターンにおいて実写キャラクタ画像G81の動きが連続性を有している。したがって、Aアングルの第1動画データ群261であれば予め定められたデコード順序に従って当該Aアングルの第1動画データ群261に含まれる動画像データ271aを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をAアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。また、Aアングルの第2動画データ群262であれば予め定められたデコード順序に従って当該Aアングルの第2動画データ群262に含まれる動画像データ271bを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をAアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。また、Aアングルの第3動画データ群263であれば予め定められたデコード順序に従って当該Aアングルの第3動画データ群263に含まれる動画像データ271cを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をAアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。
Bアングルの第1動画データ群264、Bアングルの第2動画データ群265及びBアングルの第3動画データ群266はいずれも、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をBアングルに対応する角度で見た様子の一連の動画を表示させるためのものである。当該Bアングルに対応する角度で見た様子の一連の動画は、Bアングルの各動画データ群264〜266において複数の動画像データ272a〜272cに分割されている。この場合、Bアングルの各動画データ群264〜266において、デコード対象となる順序が所定の順序となる動画像データ272a〜272cにおける最後の順番の静止画像データと当該所定の順序に対して次の順序となる動画像データ272a〜272cにおける最初の順番の静止画像データとは上記所定の動作パターンにおいて実写キャラクタ画像G81の動きが連続性を有している。したがって、Bアングルの第1動画データ群264であれば予め定められたデコード順序に従って当該Bアングルの第1動画データ群264に含まれる動画像データ272aを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をBアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。また、Bアングルの第2動画データ群265であれば予め定められたデコード順序に従って当該Bアングルの第2動画データ群265に含まれる動画像データ272bを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をBアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。また、Bアングルの第3動画データ群266であれば予め定められたデコード順序に従って当該Bアングルの第3動画データ群266に含まれる動画像データ272cを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をBアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。
Cアングルの第1動画データ群267、Cアングルの第2動画データ群268及びCアングルの第3動画データ群269はいずれも、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をCアングルに対応する角度で見た様子の一連の動画を表示させるためのものである。当該Cアングルに対応する角度で見た様子の一連の動画は、Cアングルの各動画データ群267〜269において複数の動画像データ273a〜273cに分割されている。この場合、Cアングルの各動画データ群267〜269において、デコード対象となる順序が所定の順序となる動画像データ273a〜273cにおける最後の順番の静止画像データと当該所定の順序に対して次の順序となる動画像データ273a〜273cにおける最初の順番の静止画像データとは上記所定の動作パターンにおいて実写キャラクタ画像G81の動きが連続性を有している。したがって、Cアングルの第1動画データ群267であれば予め定められたデコード順序に従って当該Cアングルの第1動画データ群267に含まれる動画像データ273aを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をCアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。また、Cアングルの第2動画データ群268であれば予め定められたデコード順序に従って当該Cアングルの第2動画データ群268に含まれる動画像データ273bを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をCアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。また、Cアングルの第3動画データ群269であれば予め定められたデコード順序に従って当該Cアングルの第3動画データ群269に含まれる動画像データ273cを順次デコード処理しながら画像表示を行わせることにより、実写キャラクタ画像G81が所定の動作パターンに従って動く様子をCアングルに対応する角度で見た様子の一連の動作を表示させることが可能となる。
動画像データ271a〜273cはデコード処理を実行することで静止画像データを導出するものであるため、動画像データ271a〜273cの途中のタイミングから画像の表示を開始することはできず、仮に動画像データ271a〜273cの途中のタイミングから画像の表示を開始させる場合、当該途中のタイミングの静止画像データが導出されるまで処理待ち時間が発生してしまう。この場合に、各動画データ群261〜269が複数の動画像データ271a〜273cを有していることにより、所定の順番の動画像データ271a〜273cと次の順番の動画像データ271a〜273cとの切り換えタイミングをアングルの変更タイミングとして利用することが可能となる。よって、アングル表示演出の実行途中においてアングルの種類をAアングル、Bアングル及びCアングルの中で変更することが可能となる。
ここで、アングル表示演出においてアングルの変更契機は演出用操作装置48の操作により発生する。この場合に、演出用操作装置48の操作タイミングに対してアングルの変更が早期に発生しないと、演出用操作装置48の操作を契機としてアングルが変更されたという印象を遊技者に与えづらくなってしまう。これに対して、既に説明したとおり、A〜Cの各アングルには同一の動画を表示させるための動画データ群261〜269がそれぞれ複数、具体的には3個存在している。さらに、任意の動画像データ271a〜273cにおける最初の順番の静止画像データに対応するアングル表示演出開始後の画像の更新回数(フレーム数)は、同一のアングル内において動画データ群261〜269間で相違している。
具体的には、A〜Cの各アングルにおいて第1動画データ群261,264,267は、最初の順番の動画像データ271a,272a,273aにおける最初の順番の静止画像データがアングル表示演出の開始タイミングに対応しており、その後の順番の動画像データ271a,272a,273aは前の順番の動画像データ271a,272a,273aに対して、動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数に対応する数分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。この場合、Aアングルの第1動画データ群261、Bアングルの第1動画データ群264及びCアングルの第1動画データ群267は同一数の動画像データ271a,272a,273aを有しているとともに、相互に対応する順番の動画像データ271a,272a,273aにおける最初の順番の静止画像データに対応するアングル表示演出開始後の画像の更新回数は同一となっている。
A〜Cの各アングルにおいて第2動画データ群262,265,268は、各順番の動画像データ271b,272b,273bにおける最初の順番の静止画像データが、A〜Cの各アングルの第1動画データ群261,264,267において対応する順番の動画像データ271a,272a,273aにおける最初の順番の静止画像データに対して、第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。換言すれば、A〜Cの各アングルにおいて第2動画データ群262,265,268は、最初の順番の動画像データ271b,272b,273bにおける最初の順番の静止画像データはアングル表示演出の開始タイミングに対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応しており、その後の順番の動画像データ271b,272b,273bは前の順番の動画像データ271b,272b,273bに対して、動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数に対応する数分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。この場合、第2動画データ群262,265,268に含まれている各動画像データ271b,272b,273bは、同一のアングルにおいて第1動画データ群261,264,267に含まれている動画像データ271a,272a,273aであって対応する順番の動画像データ271a,272a,273aとデコード処理により作成される静止画像データの内容が一部重複している。さらに言うと、第2動画データ群262,265,268に含まれている1個の動画像データ271b,272b,273bにより作成される静止画像データは全て、第1動画データ群261,264,267に含まれている連続する2個の動画像データ271a,272a,273aにより作成される静止画像データに含まれる。
A〜Cの各アングルにおいて第3動画データ群263,266,269は、各順番の動画像データ271c,272c,273cにおける最初の順番の静止画像データが、A〜Cの各アングルの第2動画データ群262,265,268において対応する順番の動画像データ271b,272b,273bにおける最初の順番の静止画像データに対して、第2基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。換言すれば、A〜Cの各アングルにおいて第3動画データ群263,266,269は、最初の順番の動画像データ271c,272c,273cにおける最初の順番の静止画像データはアングル表示演出の開始タイミングに対して第1基準期間K1の2倍に相当する第2基準期間K2分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応しており、その後の順番の動画像データ271c,272c,273cは前の順番の動画像データ271c,272c,273cに対して、動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数に対応する数分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。この場合、第3動画データ群263,266,269に含まれている各動画像データ271c,272c,273cは、同一のアングルにおいて第1動画データ群261,264,267に含まれている動画像データ271a,272a,273aであって対応する順番の動画像データ271a,272a,273aとデコード処理により作成される静止画像データの内容が一部重複しているとともに、同一のアングルにおいて第2動画データ群262,265,268に含まれている動画像データ271b,272b,273bであって対応する順番の動画像データ271b,272b,273bとデコード処理により作成される静止画像データの内容が一部重複している。さらに言うと、第3動画データ群263,266,269に含まれている1個の動画像データ271c,272c,273cにより作成される静止画像データは全て、第1動画データ群261,264,267に含まれている連続する2個の動画像データ271a,272a,273aにより作成される静止画像データに含まれ、第2動画データ群262,265,268に含まれている連続する2個の動画像データ271b,272b,273bにより作成される静止画像データに含まれる。
第1基準期間K1において再生可能な静止画像データの数は、各動画像データ271a〜273cに含まれる一の動画像データ271a〜273cにより再生可能な静止画像データの数よりも少なくなっている。換言すれば、第1基準期間K1における画像の更新回数(フレーム数)は、各動画像データ271a〜273cに含まれる一の動画像データ271a〜273cによる画像の更新回数よりも少なくなっている。さらに言うと、第1基準期間K1において再生可能な静止画像データの数は、動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数よりも少なくなっている。具体的には、第1基準期間K1において再生可能な静止画像データの数は16個であり、第1基準期間K1における画像の更新回数は16回となっている。
第2基準期間K2において再生可能な静止画像データの数は、各動画像データ271a〜273cに含まれる一の動画像データ271a〜273cにより再生可能な静止画像データの数よりも少なくなっている。換言すれば、第2基準期間K2における画像の更新回数(フレーム数)は、各動画像データ271a〜273cに含まれる一の動画像データ271a〜273cによる画像の更新回数よりも少なくなっている。さらに言うと、第2基準期間K2において再生可能な静止画像データの数は、動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数よりも少なくなっている。具体的には、第1基準期間K1において再生可能な静止画像データの数は32個であり、第1基準期間K1における画像の更新回数は32回となっている。
上記のようにA〜Cの各アングルに同一の動画を表示させるための動画データ群261〜269がそれぞれ複数設けられている。また、各アングルにおいて第2動画データ群262,265,268は第1動画データ群261,264,267に対して動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数よりも少ない数に対応する第1基準期間K1分ずれているとともに、第3動画データ群263,266,269は第2動画データ群262,265,268に対して動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数よりも少ない数に対応する第1基準期間K1分ずれている。これにより、各アングルにおいて所定の順番の動画像データ271a〜273cと次の順番の動画像データ271a〜273cとの切り換えタイミングを多く生じさせることが可能となり、演出用操作装置48の操作タイミングに対してアングルの変更を早期に発生させることが可能となる。
次に、アングル表示演出が進行していく様子について図100のタイムチャートを参照しながら説明する。図100(a)は演出用操作装置48の操作タイミングを示し、図100(b)は演出用操作装置48の操作に対してアングルが切り換わるまでの待機期間を示し、図100(c)はアングルを切り換えることが可能なタイミングを示し、図100(d)はAアングルの動画が表示されている期間を示し、図100(e)はAアングルの動画データ群261〜263に含まれる1個の動画像データ271a〜271cをメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に読み出している期間を示し、図100(f)はBアングルの動画が表示されている期間を示し、図100(g)はBアングルの動画データ群264〜266に含まれる1個の動画像データ272a〜272cをメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に読み出している期間を示す。なお、以下の説明ではAアングルからBアングルに変更される場合について説明するが、アングルの変更の他のパターンについても同様である。
図100(d)に示すようにAアングルの動画データ群261〜263のうち第1動画データ群261を利用した動画の表示が行われている状況においては、図100(c)に示すようにt1のタイミングでBアングルの第2動画データ群265への切り換え可能タイミングが発生するとともに、t2のタイミングでBアングルの第3動画データ群266への切り換え可能タイミングが発生する。但し、これらt1のタイミング及びt2のタイミングのそれぞれまでに演出用操作装置48が操作されていないため、アングルの切り換えは発生しない。
なお、演出用操作装置48の操作を契機としたアングルの切り換えはAアングル、Bアングル及びCアングルの中で所定の順序でループさせて行われる。具体的には、アングル表示演出の開始タイミングにおいてはAアングルが選択され、その後に演出用操作装置48の操作を契機としてAアングル→Bアングル→Cアングル→Aアングル→Bアングル→Cアングル→Aアングル→・・・という順序でアングルの切り換えが発生する。
その後、t3のタイミングで、動画表示の対象となっているAアングルの第1動画データ群261において次の順番の動画像データ271aを読み出してデコードするタイミングとなる。したがって、当該t3のタイミングで、図100(e)に示すように当該次の順番の動画像データ271aがメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211における動画データ用エリア211bに読み出され、当該動画像データ271aに対してデコード処理が開始される。この場合、1個の動画像データ271aのみがメモリモジュール203から動画データ用エリア211bに読み出されデコード処理が開始される。そして、そのデコード処理後における複数の静止画像データは動画データ用エリア211bに書き込まれる。また、当該1個の動画像データ271aの読み出し及びデコード処理に際しては、現状の表示対象となっている1個の動画像データ271aから作成された静止画像データが消去されないように動画データ用エリア211bへのデータの設定が行われる。
その後、上記デコード処理が完了するタイミングであるt4のタイミングで、図100(c)に示すようにBアングルの第1動画データ群264への切り換え可能タイミングが発生する。但し、当該t4のタイミングまでに演出用操作装置48が操作されていないため、アングルの切り換えは発生することはなく、t4のタイミングでデコードが完了したAアングルの第1動画データ群261の動画像データ271aを利用した動画の表示が開始される。
その後、t5のタイミングで、図100(a)に示すように演出用操作装置48が操作される。この場合、現状の表示対象となっている動画像データ271aの動画の表示中であり、Bアングルの動画データ群264〜266への切り換えタイミングではないため、図100(b)に示すようにアングルの切り換えが待機された状態となる。
その後、t6のタイミングで、Bアングルの動画データ群264〜266への切り換え可能タイミングであるt7のタイミングに対して、1個の動画像データ271a〜273cのデコードを可能とする期間分だけ前のタイミングであるデコード開始可能タイミングとなる。したがって、当該t6のタイミングで、図100(g)に示すようにBアングルの第2動画データ群265において切り換え先の動画像データ272bのデコードが開始される。具体的には、Bアングルの第2動画データ群265において今回の切り換え先の動画像データ272bがメモリモジュール203から動画データ用エリア211bに読み出され、その動画像データ272bに対してデコード処理が開始される。そして、そのデコード処理後における複数の静止画像データは動画データ用エリア211bに書き込まれる。また、当該1個の動画像データ272bの読み出し及びデコード処理に際しては、現状の表示対象となっている1個の動画像データ271aから作成された静止画像データが消去されないように動画データ用エリア211bへのデータの設定が行われる。なお、デコード開始可能タイミングと切り換え可能タイミングとの間の期間は1個の動画像データ271a〜273cにより動画表示が行われる期間よりも短い期間となっており、例えばデコード開始可能タイミングは直後の切り換え可能タイミングに対して2回分前の画像の更新タイミングに対応している。
その後、上記デコード処理が完了するタイミングであるt7のタイミングで、当該t7のタイミングでデコードが完了したBアングルの第2動画データ群265の動画像データ272bを利用した動画の表示が開始される。これにより、図100(f)に示すように、Bアングルの動画の表示が開始される。
その後、図100(c)に示すようにt8のタイミングで、Cアングルの第3動画データ群269への切り換え可能タイミングが発生する。但し、当該t8のタイミングまでに演出用操作装置48が操作されていないため、アングルの切り換えは発生することはなく、t7のタイミングでデコードが完了しているBアングルの第2動画データ群265の動画像データ272bを利用した動画の表示が継続される。
上記のように演出用操作装置48の操作に基づきアングルの変更が行われることとなるが、演出用操作装置48の操作タイミングがその操作タイミングで切り換え先の動画像データ271a〜273cのデコード処理を開始しても、次のアングルの切り換え可能タイミングまでにそのデコード処理が完了しない場合には、当該次のアングルの切り換え可能タイミングではアングルの切り換えは行われずに、さらにその次のアングルの切り換え可能タイミングにおいてアングルの切り換えが行われる。かかる動作について説明する。
図100(d)に示すようにAアングルの動画データ群261〜263のうち第1動画データ群261を利用した動画の表示が行われている状況において、t9のタイミングで図100(a)に示すように演出用操作装置48が操作される。この場合、現状の表示対象となっている動画像データ271aの動画の表示中であり、Bアングルの動画データ群264〜266への切り換えタイミングではないため、図100(b)に示すようにアングルの切り換えが待機された状態となる。
その後、t10のタイミングで、図100(c)に示すようにBアングルの動画データ群264〜266への切り換え可能タイミングとなる。但し、演出用操作装置48が操作されたt9のタイミングと、Bアングルの動画データ群264〜266への切り換え可能タイミングであるt10のタイミングとの間の期間は、1個の動画像データ271a〜273cに対してデコード処理を完了させるために要する期間未満である。したがって、当該t10のタイミングではBアングルの動画データ群264〜266への切り換えは発生しない。なお、当該t10のタイミングにおいては未だBアングルの動画像データ272a〜272cの読み出し及びデコード処理は開始されていない。
その後、t11のタイミングで、Bアングルの動画データ群264〜266への切り換え可能タイミングであるt12のタイミングに対して、1個の動画像データ271a〜273cのデコードを可能とする期間分だけ前のタイミングであるデコード開始可能タイミングとなる。したがって、t11のタイミングで、図100(g)に示すようにBアングルの第3動画データ群266において切り換え先の動画像データ272cのデコードが開始される。具体的には、Bアングルの第3動画データ群266において今回の切り換え先の動画像データ272cがメモリモジュール203から動画データ用エリア211bに読み出され、その動画像データ272cに対してデコード処理が開始される。そして、そのデコード処理後における複数の静止画像データは動画データ用エリア211bに書き込まれる。また、当該1個の動画像データ272cの読み出し及びデコード処理に際しては、現状の表示対象となっている1個の動画像データ271aから作成された静止画像データが消去されないように動画データ用エリア211bにおけるデータの設定が行われる。
その後、上記デコード処理が完了するタイミングであるt12のタイミングで、当該t12のタイミングでデコードが完了したBアングルの第3動画データ群266の動画像データ272cを利用した動画の表示が開始される。これにより、図100(f)に示すように、Bアングルの動画の表示が開始される。
その後、図100(c)に示すようにt13のタイミングで、Cアングルの第1動画データ群267への切り換え可能タイミングが発生する。但し、当該t13のタイミングまでに演出用操作装置48が操作されていないため、アングルの切り換えは発生することはなく、t12のタイミングでデコードが完了しているBアングルの第3動画データ群266の動画像データ272cを利用した動画の表示が継続される。
上記のようにアングルの切り換え可能タイミングの直前で演出用操作装置48が操作された場合には、その次の切り換え可能タイミングにおいてアングルの切り換えを行う構成とすることにより、切り換え先のアングルの動画像データ271a〜273cに対するデコードが完了したタイミングにおいてアングルの切り換えが行われることとなる。これにより、アングルの切り換えに際して、動画像データ271a〜273cのデコード待ち時間が発生しないようにすることが可能となる。
以下、アングル表示演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図101は、表示CPU201にて実行されるアングル表示演出用の演算処理を示すフローチャートである。なお、アングル表示演出用の演算処理は、アングル表示演出を実行すべき開閉実行モードにおいてタスク処理(図68)におけるステップS2504の演出用演算処理にて実行される。
アングル表示演出を開始する直前のオープニング期間である場合(ステップS4101:YES)、オープニング用処理を実行する(ステップS4102)。オープニング期間とは、Aアングル〜Cアングルのいずれかによる動画の表示を開始する前に設定されている期間であり、当該オープニング期間においてこれからAアングル〜Cアングルのいずれかによる動画の表示が開始されること、及び演出用操作装置48を操作することでアングルを変更可能であることが報知される。また、オープニング期間においては演出用操作装置48の操作に基づき、動画表示の開始タイミングにおいて表示対象となるアングルを選択することができる。
オープニング用処理について図102のフローチャートを参照しながら説明する。まず動画像データ271a〜273cの読み出し期間であるか否かを判定する(ステップS4201)。オープニング期間は最初にアングルの選択を可能とするアングル選択期間が設定されており、その後に動画像データ271a〜273cの読み出し期間が設定されている。アングル選択期間である場合(ステップS4201:NO)、音光側MPU62から操作発生コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS4202)。演出用操作装置48は音光側MPU62と電気的に接続されており、演出用操作装置48が操作された場合には音光側MPU62から表示CPU201に操作発生コマンドが送信される。
音光側MPU62から操作発生コマンドを受信している場合(ステップS4202:YES)、ワークRAM202に設けられたアングルカウンタの更新処理を実行する(ステップS4203)。アングルカウンタは、動画像データ271a〜273cの読み出しタイミングにおいていずれのアングルの動画像データ271a〜273cが読み出し対象となっているのかを表示CPU201にて特定するためのカウンタである。アングルカウンタの値が「0」である場合がAアングルに対応しており、アングルカウンタの値が「1」である場合がBアングルに対応しており、アングルカウンタの値が「2」である場合がCアングルに対応している。オープニング期間が開始された場合にはアングルカウンタの値は「0」となっており、操作発生コマンドを受信してステップS4203の処理が実行されて当該アングルカウンタの値に1加算される。また、1加算後におけるアングルカウンタの値が「3」となった場合には当該アングルカウンタの値が「0」クリアされる。
一方、動画像データ271a〜273cの読み出し期間である場合(ステップS4201:YES)、ワークRAM202のアングルカウンタにおける現状の値に対応した動画像データ271a〜273cを把握する(ステップS4204)。この場合、アングルカウンタの値が「0」であればAアングルの第1動画データ群261における最初の順番の動画像データ271aを把握し、アングルカウンタの値が「1」であればBアングルの第1動画データ群264における最初の順番の動画像データ272aを把握し、アングルカウンタの値が「2」であればCアングルの第1動画データ群267における最初の順番の動画像データ273aを把握する。その後、デコード指定情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4205)。
ステップS4202にて否定判定をした場合、ステップS4203の処理を実行した場合、又はステップS4205の処理を実行した場合、オープニング期間において今回の更新タイミングに対応する画像を表示するために必要な各種画像データを把握するとともに(ステップS4206)、それら画像データに適用するパラメータ情報を演算して導き出す(ステップS4207)。そして、オープニング情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4208)。
上記のようにオープニング用処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS4206にて把握した各種画像データがワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、これら各種画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストにはオープニング情報が設定される。当該描画リストに従ってVDP205において描画処理(図70)が実行されることにより、オープニング期間用の画像が図柄表示装置41にて表示されることとなる。
また、デコード指定情報が表示CPU201のレジスタに記憶されている場合には、上記描画リストに、そのデコード指定情報が設定されるとともに、ステップS4204にて把握した動画像データ271a〜273cが記憶されているメモリモジュール203のアドレスの情報及び動画データ用エリア211bにおいてその動画像データ271a〜273cを静止画像データとして展開するエリアのアドレスが設定される。この場合、VDP205ではその描画リストにおいて指定されている動画像データ271a〜273cをメモリモジュール203から動画データ用エリア211bに読み出して図103のフローチャートに示すデコード処理を実行する。
詳細には、描画リストにて指定されている情報から動画像データ271a〜273cのアドレスを把握するとともに(ステップS4301)、描画リストに指定されている情報から当該動画像データ271a〜273cを静止画像データとして展開するエリアのアドレスを把握する(ステップS4302)。そして、ステップS4301にて把握したメモリモジュール203のアドレスから動画像データ271a〜273cを読み出すとともに、当該動画像データ271a〜273cをデコードする。そして、そのデコード結果の静止画像データ群を、ステップS4302にて把握した動画データ用エリア211bのアドレスの各エリアに書き込む(ステップS4303)。
アングル表示演出用の演算処理(図101)の説明に戻り、オープニング期間ではない場合(ステップS4101:NO)、音光側MPU62から操作発生コマンドを受信していることを条件として(ステップS4103:YES)、ワークRAM202に設けられた操作受付フラグに「1」をセットする(ステップS4104)。操作受付フラグは、アングルを切り換えるべきことを表示CPU201にて特定するためのフラグである。操作受付フラグは1個のみ設けられており、アングルの切り換えが発生するまでに演出用操作装置48が複数回操作されたとしても2回目以降の演出用操作装置48の操作に対しては操作受付フラグに「1」がセットされた状態が維持されるだけである。そして、詳細は後述するように操作受付フラグに「1」がセットされている場合、アングルの切り換えが発生するまでに演出用操作装置48が何回操作されたとしても現状のアングルから次の順番のアングルに対する切り換えが発生する。これにより、アングルの切り換えが発生する場合には、図柄表示装置41にて表示されているアングル表示演出の内容として予め定められた順序でアングルが切り換わることとなる。
アングル表示演出用の演算処理では、ステップS4105にて動画像データ271a〜273cのデコード開始可能タイミングであるか否かを判定する。当該デコード開始可能タイミングは、その後に発生するアングルの切り換え可能タイミング(図100におけるt1のタイミング、t2のタイミング、t4のタイミング、t7のタイミング、t8のタイミング、t10のタイミング、t12のタイミング、t13のタイミング)に対して所定期間前、換言すれば所定回数前の画像の更新タイミングとして設定されている。より具体的には、デコード開始可能タイミングと切り換え可能タイミングとの間の期間は1個の動画像データ271a〜273cにより動画表示が行われる期間よりも短い期間となっており、例えばデコード開始可能タイミングは直後の切り換え可能タイミングに対して2回分前の画像の更新タイミングに対応している。なお、動画像データのデコードタイミングか否かは、アングル表示演出を開始する場合にメモリモジュール203からワークRAM202に読み出されたアングル表示演出用の実行対象テーブルに基づき把握される。
動画像データ271a〜273cのデコード開始可能タイミングである場合(ステップS4105:YES)、ワークRAM202の操作受付フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4106)。操作受付フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4106:NO)、ワークRAM202に設けられたタイミングカウンタの値を1減算する(ステップS4107)。タイミングカウンタは、アングルの切り換えが発生することなく同一の動画データ群261〜269についての1個の動画像データ271a〜273cによる動画の表示が継続されている場合において、当該同一の動画データ群261〜269における次の順番の動画像データ271a〜273cのデコード処理を実行するタイミングを表示CPU201にて特定するためのカウンタである。タイミングカウンタには、動画像データ271a〜273cのデコード処理が新たに実行される場合に「3」がセットされ、同一の動画像データ271a〜273cが利用されている状況において動画像データ271a〜273cのデコードタイミングとなる度にタイミングカウンタの値が「1」減算される。なお、アングル表示演出においてオープニング期間が終了したタイミングにおいては、タイミングカウンタの値は「3」となっている。
「1」減算後のタイミングカウンタの値が「0」となっている場合(ステップS4108:YES)、同一の動画データ群261〜269において次の順番の動画像データ271a〜273cをデコードするタイミングであることを意味する。この場合、ステップS4109〜ステップS4112に示す動画像データ271a〜273cのデコード用処理を実行する。
具体的には、まずアングルカウンタの現状の値に対応した動画対応テーブル275をメモリモジュール203からワークRAM202に読み出す(ステップS4109)。アングルカウンタは既に説明したとおり、動画像データ271a〜273cの読み出しタイミングにおいていずれのアングルの動画像データ271a〜273cが読み出し対象となっているのかを表示CPU201にて特定するためのカウンタである。動画対応テーブル275は、Aアングル、Bアングル及びCアングルのそれぞれに対して1対1で対応させてメモリモジュール203に予め記憶されている。動画対応テーブル275は、新たな動画像データ271a〜273cへの切り換えが発生し得るタイミングと、その切り換えタイミングにおける切り換え先の動画像データ271a〜273cの種類との関係が予め定められている。また、各アングルにおいて第1動画データ群261,264,267と第2動画データ群262,265,268と第3動画データ群263,266,269とで、新たな動画像データ271a〜273cへの切り換えが発生し得るタイミングが相違するとともに切り換え先の動画像データ271a〜273cの種類も相違するため、動画対応テーブル275においては使用対象となる動画データ群261〜269ごとに上記データが設定されている。
図104(a)はAアングルに対応する動画対応テーブル275を説明するための説明図である。なお、Bアングルに対応する動画対応テーブル及びCアングルに対応する動画対応テーブルの内容は、図104(a)と同様である。
図104(a)に示すように、新たな動画像データ271a〜271cへの切り換えが発生し得るタイミングを特定するための情報として切り換え対応のポインタ情報が設定されている。ポインタ情報は、動画像データ271a〜271cを利用した画像の更新が行われた回数に対応しており、具体的には動画像データ271a〜271cを利用した画像の更新が1回行われるごとに参照対象のポインタ情報が1加算される。また、アングル表示演出において最初の動画像データ271a〜271cを利用した画像の表示が開始された場合、参照対象のポインタ情報は「0」である。そして、この参照対象のポインタ情報の更新は、アングル表示演出において動画像データ271a〜271cを利用した画像の表示が終了するまで、途中で「0」クリアされることなく継続される。したがって、ポインタ情報が「16」とはそれまでに動画像データ271a〜271cを利用した画像の更新が16回行われたことを意味し、ポインタ情報が「32」とはそれまでに動画像データ271a〜271cを利用した画像の更新が32回行われたことを意味する。
切り換え対応のポインタ情報のそれぞれに対応させて1種類の動画像データ271a〜271cが設定されている。既に説明したとおり、第1動画データ群261は最初の順番の動画像データ271aがアングル表示演出の開始タイミングに対応しており、その後の順番の動画像データ271aは前の順番の動画像データ271aに対して、1個の動画像データ271aを利用して表示可能な静止画像データの数分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。したがって、第1動画データ群261については最初の順番の動画像データ271aは動画対応テーブル275に設定されておらず、1個の動画像データ271aを利用して表示可能な静止画像データの数に対して整数倍した各値のそれぞれに対応するポインタ情報が切り換え対応のポインタ情報として設定されている。そして、それら各切り換え対応のポインタ情報のそれぞれに対して、対応する動画像データ271aの種類の情報、具体的にはVRAM204の動画データ用エリア211bにおいて各動画像データ271aが展開されているエリアのアドレスの情報が設定されている。
第2動画データ群262の各動画像データ271bは、既に説明したとおり、第1動画データ群261の各動画像データ271aに対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。したがって、第2動画データ群262については最初の順番の動画像データ271bの切り換え対応のポインタ情報として、アングル表示演出の開始タイミングに対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングのポインタ情報が設定されている。また、第2動画データ群262における最初の順番以降の動画像データ271bについては、切り換え対応のポインタ情報として、第1動画データ群261の動画像データ271aに設定されている各切り換え対応のポインタ情報に対して、第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングのポインタ情報が設定されている。
第3動画データ群263の各動画像データ271cは、既に説明したとおり、第1動画データ群261の各動画像データ271aに対して第2基準期間K2分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。したがって、第3動画データ群263については最初の順番の動画像データ271cの切り換え対応のポインタ情報として、アングル表示演出の開始タイミングに対して第2基準期間K2分だけ動画の表示が進行したタイミングのポインタ情報が設定されている。また、第3動画データ群263における最初の順番以降の動画像データ271cについては、切り換え対応のポインタ情報として、第1動画データ群261の動画像データ271aに設定されている各切り換え対応のポインタ情報に対して、第2基準期間K2分だけ動画の表示が進行したタイミングのポインタ情報が設定されている。
アングル表示演出用の演算処理(図101)の説明に戻り、動画対応テーブル275を読み出した後は、今回読み出してデコード処理を実行する対象の動画像データ271a〜273cを把握する(ステップS4110)。当該把握に際しては、ワークRAM202に設けられた対象動画カウンタを参照する。対象動画カウンタは、動画像データ271a〜273cの読み出しタイミングにおいていずれの動画データ群261〜269が読み出し対象となっているのかを表示CPU201にて特定するためのカウンタである。対象動画カウンタの値が「0」である場合が第1動画データ群261,264,267に対応しており、対象動画カウンタの値が「1」である場合が第2動画データ群262,265,268に対応しており、対象動画カウンタの値が「2」である場合が第3動画データ群263,266,269に対応している。ステップS4110では、対象動画カウンタの値に基づき、ステップS4109にて読み出した動画対応テーブル275において、読み出し対象となっている動画データ群261〜269の種類を特定する。そして、その読み出し対象となっている動画データ群261〜269に対して設定されている切り換え対応のポインタ情報のうち、アングル表示演出における現状のポインタ情報よりも大きい値であって現状のポインタ情報に対して最も近い値の切り換え対応のポインタ情報に対応させて設定されている動画像データ271a〜273cの情報を把握する。これにより、今回読み出してデコード処理を実行すべき動画像データ271a〜273cの情報が表示CPU201にて把握される。
その後、ワークRAM202のタイミングカウンタに「3」をセットし(ステップS4111)、デコード指定情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4112)。これら処理が実行された場合、今回の描画リストには、デコード指定情報が設定されるとともに、ステップS4110にて把握した動画像データ271a〜273cが記憶されているメモリモジュール203のアドレスの情報及び動画データ用エリア211bにおいてその動画像データ271a〜273cを静止画像データとして展開するエリアのアドレスが設定される。当該描画リストを受信したVDP205は既に説明したようにデコード処理(図103)を実行することで、その読み出し対象となっている動画像データ271a〜273cをメモリモジュール203から動画データ用エリア211bに読み出してデコード処理を実行し、デコード処理後の各静止画像データを当該動画データ用エリア211bにおける指定されたエリアに書き込む。
一方、アングル表示演出用の演算処理(図101)において、デコード開始可能タイミングであってワークRAM202の操作受付フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4105及びステップS4106:YES)、当該操作受付フラグを「0」クリアし(ステップS4113)、切り換え参照テーブル276をメモリモジュール203からワークRAM202に読み出す(ステップS4114)。切り換え参照テーブル276は、演出用操作装置48の操作に基づきアングルを変更する場合において現状のアングル及び動画データ群261〜269の種類との関係で切り換え先のアングル及び動画データ群261〜269の種類を特定するためのテーブルである。
図104(b)は切り換え参照テーブル276を説明するための説明図である。図104(b)に示すように、新たな動画像データ271a〜273cへの切り換えが発生し得るタイミングを特定するための情報として切り換え対応のポインタ情報が設定されている。ポインタ情報の内容は、図104(a)の動画対応テーブル275について説明した内容と同様である。切り換え対応のポインタ情報は、第1動画データ群261,264,267、第2動画データ群262,265,268及び第3動画データ群263,266,269のそれぞれの切り換え可能タイミングに対応させて設定されている。具体的には、最初の切り換え対応のポインタ情報は、アングル表示演出の開始タイミングに対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングのポインタ情報が設定されており、その後の切り換え対応のポインタ情報は直前の切り換え対応のポインタ情報に対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングのポインタ情報が設定されている。
各切り換え対応のポインタ情報に対しては、現状のアングルと、切り換え先のアングル及び動画データ群261〜269の組合せとの対応関係の情報が設定されている。具体的には、既に説明したとおり演出用操作装置48の操作を契機としてアングルが変更される場合、Aアングル→Bアングル→Cアングル→Aアングル→Bアングル→Cアングル→Aアングル→・・・という順序でアングルの切り換えが発生する。また、第1動画データ群261,264,267への切り換え可能タイミング、第2動画データ群262,265,268への切り換え可能タイミング及び第3動画データ群263,266,269への切り換え可能タイミングは図104(a)の動画対応テーブル275について説明した内容のとおりである。したがって、図104(b)に示すような対応関係となる。
アングル表示演出用の演算処理(図101)の説明に戻り、切り換え参照テーブル276を読み出した後は、当該切り換え参照テーブル276に基づきアングルカウンタ及び対象動画カウンタの設定処理を実行する(ステップS4115)。当該設定処理では、切り換え参照テーブル276に設定されている切り換え対応のポインタ情報のうち、アングル表示演出における現状のポインタ情報よりも大きい値であって現状のポインタ情報に対して最も近い値の切り換え対応のポインタ情報を特定し、その切り換え対応のポインタ情報において現状のアングルに対応させて設定されている情報を特定する。例えば、アングル表示演出における現状のポインタ情報が「10」であり、現状のアングルがAアングルである場合、切り換え参照テーブル276に基づき、切り換え先のアングルの情報としてBアングルの情報を特定し、切り換え先の動画データ群261〜269の情報として第2動画データ群265の情報を特定する。また、例えば、アングル表示演出における現状のポインタ情報が「68」であり、現状のアングルがCアングルである場合、切り換え参照テーブル276に基づき、切り換え先のアングル情報としてAアングルの情報を特定し、切り換え先の動画データ群261〜269の情報として第3動画データ群263の情報を特定する。特定した切り換え先のアングル情報はアングルカウンタに設定し、特定した切り換え先の動画データ群261〜269の情報は対象動画カウンタに設定する。
ステップS4113〜ステップS4115の処理を実行した後は、既に説明したステップS4109〜ステップS4112の処理を実行する。この場合、ステップS4109では、ステップS4115にて新たに設定されたアングルカウンタの値に対応する動画対応テーブル275を読み出し、ステップS4110では、ステップS4115にて新たに設定された対象動画カウンタの値に対応する動画像データ271a〜273cを把握する。
アングル表示演出用の演算処理では、動画像データ271a〜273cの種類を変更するタイミングであるか否かを判定する(ステップS4116)。ステップS4109〜ステップS4112の処理が実行された場合、ワークRAM202に設けられた変更契機フラグに「1」がセットされる。ステップS4116では、当該変更契機フラグに「1」がセットされている場合であって、動画像データ271a〜273cの切り換え可能タイミングとなった場合に、動画像データ271a〜273cの種類を変更するタイミングであるとして肯定判定をする。動画像データ271a〜273cの切り換え可能タイミングとは既に説明したとおりであり、最初の切り換え可能タイミングはアングル表示演出の開始タイミングに対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応しており、その後の切り換え可能タイミングは直前の切り換え可能タイミングに対して第1基準期間K1分だけ動画の表示が進行したタイミングに対応している。
動画像データ271a〜273cの変更タイミングである場合(ステップS4116:YES)、ワークRAM202に設けられたフレームカウンタの値を「0」クリアする(ステップS4117)。なお、ステップS4116にて肯定判定をした場合に変更契機フラグを「0」クリアする。フレームカウンタは、VRAM204の動画データ用エリア211bに展開されている動画像データ271a〜273cの各静止画像データのうちいずれの静止画像データを使用対象とするのかを表示CPU201にて特定するためのカウンタである。フレームカウンタの値が「0」である場合、展開されている1個の動画像データ271a〜273cにおける最初の順番の静止画像データが使用対象として把握される。また、静止画像データが後述するステップS4118にて使用対象として把握された場合にフレームカウンタの値が1加算され、次回のステップS4118ではその1加算後のフレームカウンタの値に対応する順番の静止画像データが使用対象として把握される。
ステップS4116にて否定判定をした場合、又はステップS4117の処理を実行した場合、ワークRAM202のフレームカウンタの値に対応する静止画像データを今回の更新タイミングにおいて使用する画像データとして把握する(ステップS4118)。この場合、フレームカウンタの値を1加算する。また、今回の更新タイミングに対応する画像を表示するために必要な他の画像データを把握するとともに(ステップS4119)、ステップS4118及びステップS4119にて把握した画像データに適用するパラメータ情報を演算して導き出す(ステップS4120)。そして、アングル演出情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4121)。
上記のようにアングル表示演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS4118及びステップS4119にて把握した各種画像データがワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、これら各種画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストにはアングル演出情報が設定される。
VDP205は上記描画リストを受信した場合、アングル表示演出用の設定処理として図105のフローチャートに示すように、まずステップS4118にて把握された静止画像データを把握し(ステップS4401)、次にステップS4119にて把握されたその他の画像データを把握する(ステップS4402)。さらにステップS4120にて把握されたパラメータ情報を把握する(ステップS4403)。そして、ステップS4401及びステップS4402にて把握した画像データを、ステップS4403にて把握したパラメータ情報を適用した状態で、ワールド座標系に設定する(ステップS4404)。これにより、アングル表示演出用の画像を表示するための描画データが最終的に作成され、アングル表示演出用の画像が図柄表示装置41に表示されることとなる。なお、アングル表示演出用の設定処理は、アングル演出情報が設定された描画リストを受信した場合に、描画処理(図70)におけるステップS2603の演出用の設定処理にて実行される。
以上のとおり各動画データ群261〜269が複数の動画像データ271a〜273cを有していることにより、所定の順番の動画像データ271a〜273cと次の順番の動画像データ271a〜273cとの切り換えタイミングをアングルの変更タイミングとして利用することが可能となる。よって、アングル表示演出の実行途中においてアングルの種類をAアングル、Bアングル及びCアングルの中で変更することが可能となる。
また、これら動画像データ271a〜273cは、動画像データとして設定可能な最小単位数分の静止画像データを再生可能とするようにそのデータ量が設定されている。これにより、使用対象となる動画像データ271a〜273cを切り換えることが可能なタイミングを多く設定することが可能となる。また、当該構成によれば、一度に読み出す画像データのデータ量を小さくすることが可能となる。
A〜Cの各アングルに同一の動画を表示させるための動画データ群261〜269がそれぞれ複数設けられている。また、各アングルにおいて第2動画データ群262,265,268は第1動画データ群261,264,267に対して動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数よりも少ない数に対応する第1基準期間K1分ずれているとともに、第3動画データ群263,266,269は第2動画データ群262,265,268に対して動画像データ271a〜273cとして設定可能な静止画像データの最小単位数よりも少ない数に対応する第1基準期間K1分ずれている。これにより、各アングルにおいて所定の順番の動画像データ271a〜273cと次の順番の動画像データ271a〜273cとの切り換えタイミングを多く生じさせることが可能となり、演出用操作装置48の操作タイミングに対してアングルの変更を早期に発生させることが可能となる。
動画像データ271a〜273cは選択対象となっているアングル毎にまとめて読み出されるのではなく、1個の動画像データ271a〜273cがデコードされて使用対象となっている状況において、次に使用対象となる動画像データ271a〜273cをデコードするタイミングとなった場合にその使用対象の1個の動画像データ271a〜273cが読み出されてデコードされる構成である。これにより、VRAM204の動画データ用エリア211bにおいて動画像データ271a〜273cを読み出すために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
一の動画像データ271a〜273cがデコードされて使用対象となっている状況において、次に使用対象となる動画像データ271a〜273cが読み出されてデコードされる構成である。これにより、新たな動画像データ271a〜273cが使用対象となる場合に、動画像データ271a〜273cをデコードするための待ち時間が生じないようにすることが可能となる。
演出用操作装置48の操作に基づきアングルが変更される構成において、演出用操作装置48の操作タイミングが動画像データ271a〜273cの切り換え可能タイミングよりも前であってもデコード開始可能タイミングよりも後である場合にはその演出用操作装置48の操作に対するアングルの変更は直後の切り換え可能タイミングではなく、直後の切り換え可能タイミングに対して次の切り換え可能タイミングにて発生する。これにより、演出用操作装置48の操作に対するアングル切り換えを円滑に行うことが可能となる。
<アングル表示演出に関する別形態>
・1個の動画像データ271a〜273cにより表示可能な画像の数が全て同一である構成に限定されることはなく、少なくとも一部の動画像データにより表示可能な画像の数が他の動画像データとは異なる構成としてもよい。この場合、各動画像データ271a〜273cの種類に応じて新たな動画像データ271a〜273cへの切り換え可能タイミング及びデコード開始可能タイミングが設定されている必要がある。
・操作有効期間に演出用操作装置48が操作された場合に動画像データを利用した動画表示が開始される構成において、当該動画表示が操作有効期間の開始タイミングからの経過時間に対応するタイミングから開始される構成に対して、一連の特定動画を表示させることを可能とする動画データ群と、当該特定動画の途中のタイミングから開始される動画を表示させることを可能とする別の動画データ群とが個別に設けられている構成を適用してもよい。
・一のアングルに対して用意されている動画データ群の数は3種類に限定されることはなく、2種類であってもよく、4種類以上であってもよい。また、アングルの種類は3種類に限定されることはなく、2種類であってもよく、4種類以上であってもよい。
<特別動画使用演出を行うための構成>
次に、特別動画使用演出を行うための構成について説明する。
特別動画使用演出とは、図柄表示装置41において画像の表示を行う場合に特別動画像データ282を使用する演出のことである。図106は特別動画像データ282の内容を説明するための説明図であり、図106(a)は既に説明した動画像データ271a〜273cなどの通常動画像データ281を示し、図106(b)は特別動画像データ282を示す。
図106(a)に示すように、通常動画像データ281は、最初のアドレスにファイルデータが設定され、それに続けて各フレームの圧縮データが設定されている。なお、各フレームの圧縮データにはフレームヘッダが付随している。圧縮データは、基準データに相当する1フレーム分のIピクチャデータと、第1の差分データに相当する複数フレーム分のPピクチャデータと、第2の差分データに相当する複数フレーム分のBピクチャデータと、を有している。
Iピクチャデータは、復号に際して、当該データ単独で1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。Pピクチャデータは、復号に際して、1フレーム又は複数フレーム前のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータを参照して前方向予測を行うことで、1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。Bピクチャデータは、復号に際して、1フレーム又は複数フレーム前のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータと、1フレーム又は複数フレーム後のIピクチャデータ若しくはPピクチャデータとを参照して双方向予測を行うことで、1フレーム分の静止画像データを作成することができるデータである。
通常動画像データ281における圧縮データにおいては、1フレーム目のデータとしてIピクチャデータが設定されている。また、2フレーム目,・・,m―1フレーム目のデータとしてBピクチャデータが設定されている。また、mフレーム目のデータとしてPピクチャデータが設定されている。また、m+1フレーム目,・・,n―1フレーム目のデータとしてBピクチャデータが設定されている。また、nフレーム目のデータとしてPピクチャデータが設定されている。なお、ピクチャデータの配列パターンは上記のものに限定されることはなく任意である。
通常動画像データ281に対してデコード処理を実行することにより、当該通常動画像データ281から複数の更新タイミング分の静止画像データ283a〜283d(以下、通常デコード画像データ283a〜283dという)がVRAM204の動画データ用エリア211bに作成されることとなる。この場合、これら通常デコード画像データ283a〜283dは、それら通常デコード画像データ283a〜283dにより表示される画像のうち一部の画像の内容が相互に相違する画像データとなる。
一方、図106(b)に示すように、特別動画像データ282は、最初のアドレスにファイルデータが設定され、それに続けて基準データに相当する1フレーム分のIピクチャデータが設定されているが、当該Iピクチャデータ以外の圧縮データは設定されていない。特別動画像データ282に対してデコード処理を実行することにより、当該特別動画像データ282から複数の更新タイミング分の静止画像データ284(以下、特別デコード画像データ284という)がVRAM204の動画データ用エリア211bに作成されることとなる。但し、これら特別デコード画像データ284は、それら特別デコード画像データ284により表示される画像の内容が全て同一の画像データとなる。
特別動画像データ282は、動画像データとして設定可能な最小単位数分の静止画像データを再生可能とするようにそのデータ量が設定されている。当該最小単位数分の静止画像データについて具体的には、特別動画像データ282は48個の静止画像データを再生可能、換言すれば48回の画像の更新(48フレームの更新)が可能となっている。したがって、特別動画像データ282をデコード処理した場合、画像の内容として同一の特別デコード画像データ284が最小単位数分作成されることとなる。なお、通常動画像データ281に該当する動画像データ271a〜273cは既に説明したとおり動画像データとして設定可能な最小単位数分の静止画像データを再生可能とするようにそのデータ量が設定されているが、動画像データ271a〜273c以外の通常動画像データ281は動画像データとして設定可能な最小単位数分よりも多い数の静止画像データを作成可能とするようにそのデータ量が設定されている。
特別動画像データ282は通常動画像データ281と同様にメモリモジュール203に予め記憶されているが、当該メモリモジュール203には特別動画像データ282が複数種類記憶されている。デコード処理後における特別デコード画像データ284による画像の内容は、特別動画像データ282の種類毎に相違している。
特別デコード画像データ284はテクスチャデータとして使用される。この場合、メモリモジュール203には特別デコード画像データ284をテクスチャデータとして適用するための所定のオブジェクトデータが予め記憶されている。特別デコード画像データ284及び所定のオブジェクトデータを利用して表示される画像の種類は任意であるが、例えば人、猫、魚及び犬といった動物のキャラクタ画像が表示される構成としてもよく、動物以外の物を象形した個別画像が表示される構成としてもよい。
上記のように特別動画像データ282が設定されていることにより、1個のテクスチャデータを動画像データとしてメモリモジュール203に記憶させておくことが可能となる。既に説明したとおり静止画像データとしてメモリモジュール203に予め記憶されているテクスチャデータは、表示CPU201への動作電力の供給が開始された場合にその全てがメモリモジュール203から読み出されてVRAM204の展開用バッファ211におけるテクスチャ用エリア211aに書き込まれる。この場合、テクスチャデータの種類が増加するほどテクスチャ用エリア211aにおいて必要な記憶容量が増加してしまう。その一方、使用対象となるテクスチャデータの種類が変化する度に、テクスチャ用エリア211aに読み出されているテクスチャデータの種類を変更しようとするとVDP205の処理負荷が増加してしまう。
これに対して、一部のテクスチャデータについては特別動画像データ282として記憶することにより、テクスチャ用エリア211aの入れ換えを不要としながら一部のテクスチャデータについては必要に応じてVRAM204に読み出すことが可能となる。また、テクスチャデータとしてメモリモジュール203に記憶されているのではなく、特別動画像データ282として記憶されているため、動画データ用エリア211bを利用して特別動画像データ282からテクスチャデータを作成することが可能となる。さらにまた、テクスチャデータを利用するためのエリアとして動画データ用エリア211bを兼用する場合において、当該動画データ用エリア211bにはテクスチャデータそのものが読み出されるのではなく特別動画像データ282が読み出されるため、VDP205における動画データ用エリア211bの扱いを当該動画データ用エリア211bに読み出されるデータの種類に応じて変更させる必要が生じない。
次に、特別動画使用演出が実行される様子について図107のタイムチャートを参照しながら説明する。図107(a)は動作電力の供給開始タイミングを示し、図107(b)はメモリモジュール203からテクスチャ用エリア211aへのテクスチャデータの読み出し期間を示し、図107(c)はテクスチャ用エリア211aにおけるテクスチャデータの記憶保持期間を示し、図107(d)は特別動画使用演出の開始タイミングを示し、図107(e)は特別動画使用演出の実行期間であって特別動画像データ282が使用される前の期間を示し、図107(f)はメモリモジュール203から動画データ用エリア211bへの特別動画像データ282の読み出し期間を示し、図107(g)は特別動画像データ282の使用期間を示す。
t1のタイミングで、図107(a)に示すように表示CPU201への動作電力の供給開始タイミングとなることで、図107(b)に示すようにメモリモジュール203からテクスチャ用エリア211aへのテクスチャデータの読み出しが開始され、当該テクスチャデータの読み出しがt2のタイミングで完了する。これにより、図107(c)に示すようにVRAM204への動作電力の供給が継続されている間は、メモリモジュール203に予め記憶されている全てのテクスチャデータがテクスチャ用エリア211aにおいて記憶保持される。なお、VRAM204にはバックアップ電力が供給されないため、表示制御装置200への動作電力の供給が停止された場合にはテクスチャ用エリア211aにおいてテクスチャデータを記憶保持することができなくなる。
その後、t3のタイミングで、図107(d)に示すように特別動画使用演出の開始タイミングとなる。但し、当該t3のタイミングでは特別動画像データ282の使用は開始されない。したがって、当該t3のタイミングでは、必要に応じてメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211におけるテクスチャ用エリア211a及び動画データ用エリア211b以外のエリアに読み出さたオブジェクトデータ、及び動作電力の供給開始時にテクスチャ用エリア211aに読み出されたテクスチャデータを利用して描画データが作成され、その描画データを利用して図柄表示装置41にて画像が表示される。
その後、t4のタイミングで、図107(f)に示すように、特別動画像データ282の読み出しタイミングとなることで、メモリモジュール203から動画データ用エリア211bへの特別動画像データ282の読み出しが開始されるとともに、動画データ用エリア211bに読み出された特別動画像データ282に対してデコード処理が実行される。そして、t5のタイミングで、特別動画像データ282のデコード処理が完了して、当該特別動画像データ282に対してデコード処理を実行することにより作成された複数の特別デコード画像データ284が動画データ用エリア211bに書き込まれる。
特別動画像データ282のデコード処理が完了したt5のタイミングで、図107(g)に示すように特別デコード画像データ284を使用した画像の表示が開始される。この場合、特別デコード画像データ284が所定のオブジェクトデータに貼り付けるためのテクスチャデータとして使用され、それら所定のオブジェクトデータ及び特別デコード画像データ284を含めて仮想2次元平面への投影が行われることで描画データが作成される。そして、その描画データを用いて図柄表示装置41における画像の表示が行われることで、特別デコード画像データ284を利用した画像の表示が行われる。その後、t6のタイミングで、特別動画像データ282を利用した画像の表示が終了する。
以下、特別動画使用演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図108は、表示CPU201にて実行される特別動画使用演出用の演算処理を示すフローチャートである。なお、特別動画使用演出用の演算処理は、特別動画使用演出を実行すべき遊技回においてタスク処理(図68)におけるステップS2504の演出用演算処理にて実行される。
特別動画像データ282の使用期間ではない場合(ステップS4501:NO)、特別動画使用演出の実行制御を行うためにワークRAM202に読み出された実行対象テーブルを参照することにより特別動画像データ282の読み出しタイミングであるか否かを判定する(ステップS4502)。特別動画像データ282の読み出しタイミングである場合(ステップS4502:YES)、今回読み出してデコード処理を実行する対象の特別動画像データ282を把握する(ステップS4502)。なお、特別動画使用演出は複数種類存在しており、特別動画使用演出の種類毎に使用対象となる特別動画像データ282の種類が相違している。また、デコード指定情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4504)。
その後、今回の更新タイミングに対応する画像を表示するために必要な各種画像データを把握するとともに(ステップS4505)、それら画像データに適用するパラメータ情報を演算して導き出す(ステップS4506)。そして、特別動画使用演出情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4507)。なお、ステップS4505にて把握した各種画像データには、メモリモジュール203に記憶されているオブジェクトデータが含まれるとともに、テクスチャ用エリア211aに読み出されているテクスチャデータが含まれる。
上記のように特別動画使用演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS4505にて把握した各種画像データがワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、これら各種画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには特別動画使用演出情報が設定される。
また、デコード指定情報が表示CPU201のレジスタに記憶されている場合には、上記描画リストに、そのデコード指定情報が設定されるとともに、ステップS4503にて把握した特別動画像データ282が記憶されているメモリモジュール203のアドレスの情報及び動画データ用エリア211bにおいてその特別動画像データ282を特別デコード画像データ284として展開するエリアのアドレスが設定される。この場合、VDP205ではその描画リストにおいて指定されている種類の特別動画像データ282をメモリモジュール203から動画データ用エリア211bに読み出して図103のフローチャートに示すデコード処理を実行する。
詳細には、描画リストにて指定されている情報から特別動画像データ282のアドレスを把握するとともに(ステップS4301)、描画リストに指定されている情報から当該特別動画像データ282を特別デコード画像データ284として展開するエリアのアドレスを把握する(ステップS4302)。そして、ステップS4301にて把握したメモリモジュール203のアドレスから特別動画像データ282を読み出すとともに、当該特別動画像データ282をデコードする。そして、そのデコード結果の複数の特別デコード画像データ284を、ステップS4302にて把握した動画データ用エリア211bのアドレスの各エリアに書き込む(ステップS4303)。これにより、特別動画像データ282から作成された全ての特別デコード画像データ284が動画データ用エリア211bに書き込まれた状態となる。
特別動画使用演出用の演算処理(図108)の説明に戻り、特別動画像データ282の使用期間である場合(ステップS4501:YES)、ワークRAM202のフレームカウンタの値に対応する特別デコード画像データ284を今回の更新タイミングにおいて使用する画像データとして把握する(ステップS4508)。フレームカウンタは、動画データ用エリア211bに展開されている特別動画像データ282の各特別デコード画像データ284のうちいずれの特別デコード画像データ284を使用対象とするのかを表示CPU201にて特定するためのカウンタである。フレームカウンタは、アングル表示演出といったように通常動画像データ281を使用する場合にも利用される。また、特別動画像データ282の使用期間が開始された場合、フレームカウンタの値は「0」となっており、フレームカウンタの値が「0」の場合には特別動画像データ282における最初の順番の特別デコード画像データ284が使用対象として把握される。また、特別デコード画像データ284がステップS4508にて使用対象として把握された場合にフレームカウンタの値が1加算され、次回のステップS4508ではその1加算後のフレームカウンタの値に対応する順番の特別デコード画像データ284が使用対象として把握される。
ここで、既に説明したとおり1種類の特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより作成された複数の特別デコード画像データ284は、いずれも同一の画像データであり当該特別デコード画像データ284を用いて表示される画像の内容は同一である。これに対して、特別デコード画像データ284をテクスチャデータとして使用する場合、常に1個の特別デコード画像データ284を使用するのではなく、フレームカウンタの値に対応する特別デコード画像データ284を使用する。これにより、通常動画像データ281を用いて画像の表示を行う場合と同様の処理構成を利用することが可能となる。
その後、今回の更新タイミングに対応する画像を表示するために必要な他の画像データを把握する(ステップS4509)。この場合、当該画像データには、特別デコード画像データ284を適用する所定のオブジェクトデータが含まれる。その後、ステップS4508及びステップS4509にて把握した画像データに適用するパラメータ情報を演算して導き出すとともに(ステップS4510)、特別動画像データの使用指示情報を表示CPU201のレジスタに記憶する(ステップS4511)。
上記のように特別動画使用演出用の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS2407)においてVDP205に送信される描画リストには、ステップS4508及びステップS4509にて把握した各種画像データがワールド座標系への配置対象として設定される。また、当該描画リストには、これら各種画像データに適用するパラメータ情報が設定される。また、当該描画リストには特別動画像データの使用指示情報が設定される。
VDP205は、特別動画使用演出情報又は特別動画像データの使用指示情報が設定された描画リストを受信した場合、特別動画使用演出用の設定処理を実行する。特別動画使用演出用の設定処理では図109のフローチャートに示すように、特別動画像データの使用指示情報が設定されている場合には(ステップS4601:YES)、ステップS4508にて把握された特別デコード画像データ284を把握する(ステップS4602)。また、ステップS4509にて把握されたその他の画像データを把握するとともに(ステップS4603)、ステップS4510にて把握されたパラメータ情報を把握する(ステップS4604)。そして、ステップS4602及びステップS4603にて把握した画像データを、ステップS4604にて把握したパラメータ情報を適用した状態で、ワールド座標系に設定する(ステップS4605)。これにより、特別デコード画像データ284をテクスチャデータとして利用した特別動画使用演出用の画像を表示するための描画データが最終的に作成され、当該特別動画使用演出用の画像が図柄表示装置41に表示されることとなる。なお、特別動画使用演出用の設定処理は、特別動画使用演出情報又は特別動画像データの使用指示情報が設定された描画リストを受信した場合に、描画処理(図70)におけるステップS2603の演出用の設定処理にて実行される。
以上のとおり特別動画像データ282が設定されていることにより、1個のテクスチャデータを動画像データとしてメモリモジュール203に記憶させておくことが可能となる。既に説明したとおり静止画像データとしてメモリモジュール203に予め記憶されているテクスチャデータは、表示CPU201への動作電力の供給が開始された場合にその全てがメモリモジュール203から読み出されてVRAM204の展開用バッファ211におけるテクスチャ用エリア211aに書き込まれる。この場合、テクスチャデータの種類が増加するほどテクスチャ用エリア211aにおいて必要な記憶容量が増加してしまう。その一方、使用対象となるテクスチャデータの種類が変化する度に、テクスチャ用エリア211aに読み出されているテクスチャデータの種類を変更しようとするとVDP205の処理負荷が増加してしまう。
これに対して、一部のテクスチャデータについては特別動画像データ282として記憶することにより、テクスチャ用エリア211aの入れ換えを不要としながら一部のテクスチャデータについては必要に応じてVRAM204に読み出すことが可能となる。また、テクスチャデータとしてメモリモジュール203に記憶されているのではなく、特別動画像データ282として記憶されているため、動画データ用エリア211bを利用して特別動画像データ282からテクスチャデータを作成することが可能となる。さらにまた、テクスチャデータを利用するためのエリアとして動画データ用エリア211bを兼用する場合において、当該動画データ用エリア211bにはテクスチャデータそのものが読み出されるのではなく特別動画像データ282が読み出されるため、VDP205における動画データ用エリア211bの扱いを当該動画データ用エリア211bに読み出されるデータの種類に応じて変更させる必要が生じない。
特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより作成される特別デコード画像データ284の数は1種類である。これにより、必要のない画像データが作成されてしまわないようにすることが可能となる。
1種類の特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより作成された複数の特別デコード画像データ284は、いずれも同一の画像データであり当該特別デコード画像データ284を用いて表示される画像の内容は同一である。これに対して、特別デコード画像データ284をテクスチャデータとして使用する場合、常に1個の特別デコード画像データ284を使用するのではなく、フレームカウンタの値に対応する特別デコード画像データ284を使用する。これにより、通常動画像データ281を用いて画像の表示を行う場合と同様の処理構成を利用することが可能となる。
特別動画像データ282はIピクチャデータのみを有しており、BピクチャデータやPピクチャデータといった差分データを有していない。これにより、特別動画像データ282のデータ構成を簡素なものとすることが可能となる。
特別動画像データ282は動画像データとして設定可能な最小単位のデータ量として設定されている。これにより、特別動画像データ282のデータ容量を小さく抑えることが可能となる。
<特別動画使用演出に関する別形態>
・テクスチャデータだけではなくオブジェクトデータも、表示CPU201への動作電力の供給が開始された場合にメモリモジュール203からVRAM204の展開用バッファ211に読み出される構成としてもよい。この場合、オブジェクトデータをVRAM204に適宜のタイミングで読み出す必要がないため、描画データの各作成タイミングにおけるVDP205の処理負荷を軽減することが可能となる。
・特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより複数種類の画像データが作成されるものの、そのうちの一種類又は一部の種類のみが使用対象となる構成としてもよい。この場合であっても、テクスチャデータを動画像データとして扱うことが可能となる。
・特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより1個の画像データのみが作成される構成としてもよい。この場合、特別動画像データ282にデコード処理を実行することで作成された画像データを記憶しておくための記憶容量を抑えることが可能となる。
・特別動画像データ282は同一のIピクチャデータのみが複数設定されており、特別動画像データ282にデコード処理を実行した場合、Iピクチャデータの数分の画像データが作成される構成としてもよい。
・特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより同一種類の画像データが複数作成されるが、そのうちの1個の画像データのみが使用対象となる構成としてもよい。この場合、デコード処理を実行することにより作成された複数の画像データのうち、1個の画像データのみが動画データ用エリア211bに記憶保持され、残りは消去される構成としてもよい。
・VRAM204の展開用バッファ211に別保存用エリアを設け、特別動画像データ282にデコード処理を実行することにより動画データ用エリア211bに作成された画像データの全部又は一部は別保存用エリアに転送される構成としてもよい。この場合、当該画像データを使用後においても別保存用エリアにおいて記憶保持することが可能となり、次回の使用に際しては別保存用エリアからその画像データを読み出す構成とすることで、特別動画像データ282に対する再度のデコード処理を実行する必要がなくなる。
・特別動画像データ282はBピクチャデータやPピクチャデータなどの差分データを有しているが、差分が「0」となるようにそれら差分データが設定されている構成としてもよい。この場合であっても、同一種類の特別デコード画像データ284を複数作成することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態における音光側MPU62の処理構成、表示CPU72の処理構成及びVDP76の処理構成を、上記第2の実施形態のように図柄表示装置41に3D画像を表示する構成に適用してもよい。また、上記第2の実施形態における音光側MPU62の処理構成、表示CPU201の処理構成及びVDP205の処理構成を、上記第1の実施形態のように図柄表示装置41に2D画像を表示する構成に適用してもよい。
(2)上記第2の実施形態では、カメラ(視点)がワールド座標系に配置される画像データ毎に個別に設定される構成としたが、これに代えて、ワールド座標系に配置される全画像データに対して単一のカメラが共通して設定される構成としてもよい。
(3)上記第2の実施形態では、ワールド座標系に配置された画像データは、背景画像、演出画像及び図柄画像の単位で投影される構成としたが、背景画像及び演出画像の単位でまとめて投影される構成としてもよく、演出画像及び図柄画像の単位でまとめて投影される構成としてもよく、全てがまとめて投影される構成としてもよい。
(4)上記第2の実施形態において、色情報の設定処理(ステップS2609)を行う場合に、投影される面のみにテクスチャの貼り付けといった色情報の設定を行う構成としてもよい。この場合、レンダリングの処理負荷を低減させることができる。また、これに代えて、投影前にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行うのではなく、投影後にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行う構成としてもよい。この場合、投影に際して、投影平面を構成する各ピクセルの座標情報を記憶しておくようにして、その座標情報を元にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行うようにすればよい。
(5)主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置60により表示制御装置90が制御される構成に代えて、主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置90が音声発光制御装置60を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置60と表示制御装置90とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置50に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置50に集約されていてもよい。また、主制御装置50から音声発光制御装置60に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置60から表示制御装置90に送信されるコマンドの構成も任意である。
(6)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU201、VDP205)と、
を備え、
前記表示用記憶手段は、デコード処理が実行されることにより作成され前記表示制御手段により使用対象となる画像データが1種類である特別動画像データ(特別動画像データ282)が前記表示用記憶手段に記憶されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、デコード処理が実行され表示制御手段により使用対象となる画像データが1種類である特別動画像データが設けられていることにより、そのデコード後における1種類の画像データを特別動画像データとして扱うことが可能となる。これにより、そのデコード後における1種類の画像データと同類の画像データの容量を増やさないようにしながら、当該1種類の画像データを使用可能とすることが可能となる。
特徴A2.前記特別動画像データは、前記デコード処理が実行されることにより1種類の画像データが作成される動画像データであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特別動画像データをデコード処理した場合に複数種類の画像データが作成されるのではなく、1種類の画像データが作成される構成であるため、必要のない画像データが作成されてしまわないようにしながら上記のような効果を奏することが可能となる。
特徴A3.前記特別動画像データは、前記デコード処理が実行されることにより同一の内容の特別画像データ(静止画像データ284)が複数作成されるデータであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、特別動画像データにデコード処理を実行した場合、同一の内容の特別画像データが複数作成されるため、他の動画像データから作成された画像データと同様の扱いをしながら、同一の内容の特別画像データを複数の画像の更新タイミングにおいて使用することが可能となる。
特徴A4.前記表示制御手段は、画像の更新タイミングが所定の更新タイミングである場合には前記特別動画像データから作成された所定の順序の前記特別画像データを使用し、前記所定の更新タイミングに対して次の更新タイミングである場合には前記所定の順序に対して次の順序の前記特別画像データを使用することを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特別動画像データに対してデコード処理を実行することで同一の内容の特別画像データが複数作成されるとともに、それら特別画像データは所定の順序で使用対象となる。これにより、特別動画像データに対してデコード処理を実行することで作成された特別画像データを、特別動画像データ以外の動画像データに対してデコード処理を実行することで作成された画像データと同様に扱うことが可能となる。
特徴A5.前記特別動画像データ以外の動画像データは、当該動画像データに対して前記デコード処理を実行することにより前記画像データを作成する場合の基準となる基準データ(Iピクチャデータ)と、当該基準データに対して適用することで当該基準データにより作成される画像データとは異なる画像データを作成することが可能な差分データ(Bピクチャデータ、Pピクチャデータ)とを有し、
前記特別動画像データは、前記基準データを有し前記差分データを有していないことを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特別動画像データは基準データを有し差分データを有していないため、デコード処理が実行された場合に1種類のみの画像データが作成される特別動画像データのデータ構成を簡素なものとすることが可能となる。また、特別動画像データのデータ容量を小さく抑えることが可能となる。
特徴A6.前記特別動画像データは動画像データとして設定可能な最小単位のデータ量として設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特別動画像データのデータ容量を小さく抑えることが可能となる。
特徴A7.前記表示制御手段は、前記表示用記憶手段に記憶されている所定画像データ(テクスチャデータ)に所定処理を実行することで当該所定画像データに対応する画像を表示させる所定処理実行手段(VDP205におけるステップS2609の処理を実行する機能)を備え、
前記特別動画像データに前記デコード処理を実行することで作成される特別画像データに対応する画像を表示させる場合、前記所定処理実行手段により前記特別画像データに対して前記所定処理が実行される構成であり、
前記表示制御手段において前記画像データが利用される場合、当該画像データが前記表示用記憶手段から読み出し用記憶手段(VRAM204)に読み出される構成であり、
前記読み出し用記憶手段は、前記所定画像データが読み出される第1読み出し領域(テクスチャ用エリア211a)と、前記特別動画像データが読み出される第2読み出し領域(動画データ用エリア211b)と、を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、表示制御手段において画像データが利用される場合、当該画像データが表示用記憶手段から直接使用されるのではなく、読み出し用記憶手段に一旦読み出された後に使用される構成であるため、画像データを読み出し用記憶手段に事前に読み出しておくことで表示制御手段において画像データを使用する場合にその画像データを即座に使用することが可能となる。また、読み出し用記憶手段には、所定画像データが読み出される第1読み出し領域と、特別動画像データが読み出される第2読み出し領域とが設けられていることにより、それぞれの用途に応じた読み出し用の領域が設定されることとなり、表示制御手段において画像データを使用する場合にその画像データの種類に応じて領域の指定を行うことが可能となる。
この場合に、上記特徴A1の構成を備え、表示制御手段において1種類の特別画像データのみが使用対象となるにも関わらずその特別画像データが所定画像データとしてではなく特別動画像データとして表示用記憶手段に記憶されている。これにより、特別画像データについては第1読み出し領域ではなく第2読み出し領域に読み出されるため、特別画像データを使用するための領域を第1読み出し領域に確保する必要が生じない。よって、第1読み出し領域において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴A8.前記表示用記憶手段には、前記所定画像データが複数種類記憶されており、
当該遊技機は、
所定の読み出しタイミングとなった場合に、複数種類の前記所定画像データの全てを前記第1読み出し領域に読み出す第1読み出し実行手段(表示CPU201におけるステップS2402の処理を実行する機能)と、
前記特別動画像データ以外の動画像データに対応する画像データが前記第2読み出し領域に記憶されている状況で、前記特別動画像データに対応する画像データを前記第2読み出し領域に記憶させる場合、その画像データを当該第2読み出し領域に既に記憶されている画像データに対して上書きする第2読み出し実行手段(VDP205におけるデコード処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、複数種類の所定画像データの全てが第1読み出し領域に読み出されるため、所定画像データを必要に応じて読み出す必要がなくなる。その一方、第2読み出し領域には必要に応じて動画像データが読み出され、新たな動画像データが読み出される場合には第2読み出し領域に対して上書きされる。これにより、第2読み出し領域において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。この場合に、上記特徴A1の構成を備え、表示制御手段において1種類の特別画像データのみが使用対象となるにも関わらずその特別画像データが所定画像データとしてではなく特別動画像データとして表示用記憶手段に記憶されている。これにより、特別画像データについては第1読み出し領域ではなく第2読み出し領域に読み出されるため、特別画像データを使用するための領域を第1読み出し領域に確保する必要が生じない。よって、第1読み出し領域において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴A9.前記第1読み出し実行手段は、動作電力の供給が開始された場合に、複数種類の前記所定画像データの全てを前記第1読み出し領域に読み出すことを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、複数種類の所定画像データの全てが第1読み出し領域に読み出された状態を早期に生じさせることが可能となる。
特徴A10.前記特別動画像データに前記デコード処理を実行することにより作成される特別画像データは、3次元画像を表示するために用いられるテクスチャデータであることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、テクスチャデータを利用する場合において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴A1〜A10のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備えた遊技機において、
前記表示部にて所定期間に亘って個別画像(図柄列Z1〜Z3にて表示される図柄)に特定変動表示を行わせる場合に画像の各更新タイミングにおける前記個別画像の表示態様を決定付けるデータが設定された態様決定用情報(加速期間用の実行対象テーブルT10、第1高速期間用の実行対象テーブルT11、第1低速期間用の実行対象テーブルT12)を予め記憶する情報記憶手段(メモリモジュール74)を備え、
前記表示制御手段は、
複数種類の前記個別画像において前記態様決定用情報を適用する前記個別画像の種類及び複数種類の前記個別画像において前記態様決定用情報を適用する順序のうち少なくとも一方を決定する対象決定手段(表示CPU72におけるステップS908及びステップS1011の処理を実行する機能)と、
当該対象決定手段により決定された内容に従って前記態様決定用情報を適用することにより前記特定変動表示を行わせる適用実行手段(表示CPU72におけるステップS1012〜ステップS1014の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、態様決定用情報が複数種類の個別画像に対して共通して適用される。これにより、特定変動表示が実行される各種状況に対して態様決定用情報を共通して使用することが可能となり、態様決定用情報の数を少なくすることが可能となる。よって、情報記憶手段において態様決定用情報を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴B2.前記特定変動表示が新たに開始される場合、その開始時に表示される種類の前記個別画像が所定の変動開始態様により変動表示を開始するように表示制御される構成であって、その開始時に表示される前記個別画像の種類は変化し得る構成であり、
前記態様決定用情報として、少なくとも前記所定の変動開始態様による変動表示を前記個別画像に行わせるための情報が設定されており、
前記対象決定手段は、前記特定変動表示の開始時に表示される種類の前記個別画像に応じて、複数種類の前記個別画像において前記態様決定用情報を適用する前記個別画像の種類及び複数種類の前記個別画像において前記態様決定用情報を適用する順序のうち少なくとも一方を決定することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定変動表示の開始時における変動表示の態様を所定の変動開始態様で一定とすることで特定変動表示が開始されたことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。また、そのように特定変動表示の開始時における変動表示の態様を一定とした場合であっても、開始時に表示される個別画像の種類が変化し得ることにより、特定変動表示が開始される場合における態様を多様化させることが可能となる。
当該構成において、態様決定用情報には特定変動表示の開始時において所定の変動開始態様により個別画像の変動表示を行わせるための情報が設定されているとともに、特定変動表示の開始時に表示される種類の個別画像に対応する態様で態様決定用情報の適用対象となる個別画像の種類及び個別画像の順序のうち少なくとも一方が決定される。これにより、特定変動表示の開始時に表示される個別画像の種類が変化し得る構成であっても、特定変動表示を行わせるための態様決定用情報を共通して使用することが可能となる。
特徴B3.前記特定変動表示が前回終了した場合に表示されていた前記個別画像の種類に対応する種類の前記個別画像が、その次の実行回における前記特定変動表示の開始時に表示されることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特定変動表示が前回終了した場合に表示されていた個別画像の種類に対応する種類の個別画像がその次の実行回における特定変動表示の開始時に表示されるため、特定変動表示が繰り返し実行される場合において特定変動表示の各実行回に連続性を付与することが可能となる。この場合、特定変動表示の開始時において所定の変動開始態様により変動表示が開始される対象となる個別画像の種類が相違することとなるが、上記特徴B2の構成を備えていることにより、特定変動表示の開始時に表示される個別画像の種類が変化し得る構成であっても特定変動表示を行わせるための態様決定用情報を共通して使用することが可能となる。
特徴B4.前記態様決定用情報には、前記特定変動表示の態様を決定する態様情報(タスクの内容)が時系列で設定されており、
前記対象決定手段は、それら各態様情報のそれぞれを適用する対象の前記個別画像の種類を、前記特定変動表示の実行対象となる前記個別画像の種類が当該特定変動表示の進行に伴って変化することに対応させて決定することを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、特定変動表示の実行対象となる個別画像の種類が特定変動表示の進行に伴って変化する構成であっても、態様決定用情報において時系列で設定された態様情報を適用する対象の個別画像の種類がそれぞれ決定される。これにより、特定変動表示の実行対象となる個別画像の種類が特定変動表示の進行に伴って変化する構成であっても態様決定用情報を共通して使用することが可能となる。
特徴B5.前記態様決定用情報は、当該態様決定用情報が使用される状況として想定される最長の継続期間以上の期間に対応する情報として設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、態様決定用情報が使用される様々な状況の継続期間がいずれであったとしても、態様決定用情報を共通して使用することが可能となる。
特徴B6.前記態様決定用情報が使用される状況の継続期間は、当該態様決定用情報の適用対象となっている前記個別画像の種類の一の切り換えタイミングから次の切り換えタイミングまでにおける予め定められたタイミングで当該態様決定用情報の使用が終了するように設定されていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
態様決定用情報が使用される様々な状況の継続期間に対応させて態様決定用情報が設定されている構成の場合、態様決定用情報に設定されている時系列の情報の途中で当該態様決定用情報の使用の終了タイミングとなり、次の制御用の情報が使用対象となることが想定される。この場合に、特徴B6によれば、態様決定用情報の使用の終了タイミングが、態様決定用情報の適用対象となっている個別画像の種類の一の切り換えタイミングから次の切り換えタイミングまでにおける予め定められたタイミングとなる。これにより、次の制御用の情報の使用を開始する状況を一定のものとすることが可能となり、当該制御用の情報の設計の容易化が図られる。
なお、「当該態様決定用情報の適用対象となっている前記個別画像の種類の一の切り換えタイミングから次の切り換えタイミングまでにおける予め定められたタイミング」には、「当該態様決定用情報の適用対象となっている前記個別画像の種類が切り換わるタイミング」も含まれる。
特徴B7.前記態様決定用情報は、
前記特定変動表示の態様を決定するための態様情報が時系列で設定された態様情報群(タスクの内容)と、
前記態様情報を適用する前記個別画像の種類の情報が設定される対象情報が前記態様情報に対応させて複数設定された対象情報群(表示図柄の調整エリア)と、
を備え、
前記対象決定手段は、前記態様決定用情報の使用を開始する場合に、前記対象情報群に含まれる前記対象情報のそれぞれに対して前記個別画像の種類の情報を設定することを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、態様決定用情報には態様情報群と対象情報群とが設定されていることにより、態様決定用情報を参照するだけで、各更新タイミングにおいて態様情報を適用する対象の個別画像の種類を把握することが可能となる。この場合に、態様決定用情報の使用を開始する場合に当該態様決定用情報の対象情報群に含まれる対象情報のそれぞれに対して個別画像の種類の情報が設定される。これにより、特定変動表示の実行途中で適用対象となる個別画像の種類を調整する処理を実行する必要がないため、特定変動表示の実行途中の処理構成を簡素化することが可能となる。
特徴B8.前記特定変動表示は複数の変動表示領域のそれぞれにおいて行われる構成であり、
前記態様決定用情報は、前記複数の変動表示領域のそれぞれにおける前記特定変動表示を制御するための情報として共通して使用されることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、複数の変動表示領域のそれぞれにおける特定変動表示に対して態様決定用情報が共通して使用されるため、態様決定用情報の数を抑えることが可能となる。
なお、特徴B1〜B8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、第1種類画像(ループ表示用キャラクタG4)と第2種類画像(ループ表示用背景G5)とが同時に前記表示部に表示されるようにする同時表示制御手段(表示CPU72におけるキャラクタループ用の演算処理及び背景ループ用の演算処理を実行する機能、VDP76)を備え、
当該遊技機は、前記第1種類画像の表示態様を決定する第1態様情報が時系列で設定された第1態様決定用情報(キャラクタ移動用テーブル123)と、前記第2種類画像の表示態様を決定する第2態様情報が時系列で設定された第2態様決定用情報(背景用テーブル124)と、を予め記憶する情報記憶手段(メモリモジュール74)を備え、
前記同時表示制御手段は、前記第1種類画像と前記第2種類画像とを前記表示部に同時に表示する場合、前記第1態様決定用情報に従って前記第1種類画像の表示態様を決定し、前記第2態様決定用情報に従って前記第2種類画像の表示態様を決定することを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1種類画像と第2種類画像とが同時に表示される構成において、それら第1種類画像及び第2種類画像の表示態様を決定するための態様決定用情報が一の態様決定用情報として設けられているのではなく、第1種類画像の表示態様を決定するための第1態様決定用情報と第2種類画像の表示態様を決定するための第2態様決定用情報とが個別に設けられている。これにより、第1種類画像及び第2種類画像のうち一方が停止表示されている状況において他方が変動表示され、その後にその停止表示されている側の画像がその停止表示されている状態から変動表示を再開する場合であっても、第1態様決定用情報及び第2態様決定用情報のそれぞれを利用して独立して各種類画像の表示制御を行うことが可能である。よって、第1種類画像及び第2種類画像の両方が同時に表示される表示演出の制御を好適に行うことが可能となる。
特徴C2.前記第1態様決定用情報は、
前記第1種類画像の更新タイミングとなる度に前記同時表示制御手段による参照対象が順次更新される第1参照情報が複数設定された第1参照情報群(ポインタ情報)と、
前記第1種類画像の各更新タイミングにおける当該第1種類画像の表示態様を決定するための第1態様情報が前記第1参照情報のそれぞれに対応させて設定された第1態様情報群(タスクの内容)と、
を備え、
前記第2態様決定用情報は、
前記第2種類画像の更新タイミングとなる度に前記同時表示制御手段による参照対象が順次更新される第2参照情報が複数設定された第2参照情報群(ポインタ情報)と、
前記第2種類画像の各更新タイミングにおける当該第2種類画像の表示態様を決定するための第2態様情報が前記第2参照情報のそれぞれに対応させて設定された第2態様情報群(タスクの内容)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1態様決定用情報には専用の第1参照情報群が設定されているとともに第2態様決定用情報には専用の第2参照情報群が設定されている。これにより、第1態様決定用情報及び第2態様決定用情報のうち一方は使用しないようにしながら、他方の参照対象となる参照情報の更新を継続したり、他方の参照対象となる参照情報を所定の参照情報に保持したりすることを行うことが可能となる。
特徴C3.前記第1態様決定用情報は、前記第1種類画像に第1変動態様による表示を行わせるための前記第1態様情報が時系列で設定された情報であり、
前記情報記憶手段は、前記第1種類画像に前記第1変動態様とは異なる変動態様による表示を行わせるための情報が時系列で設定された第3態様決定用情報(キャラクタ停留用テーブル122)を予め記憶していることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1種類画像を表示する場合であっても変動態様の内容が相違することに対応させて異なる態様決定用情報が設けられている。これにより、第1種類画像に第1変動態様による表示を行わせる状況と第1種類画像に当該第1変動態様とは異なる変動態様による表示を行わせる状況との切り換えに際しては、使用する態様決定用情報を第1態様決定用情報と第3態様決定用情報との間で切り換えるだけでよく、これら変動態様の切り換えを好適に行うことが可能となる。
特徴C4.前記同時表示制御手段は、
前記第1種類画像及び前記第2種類画像の両方が変動表示されるように前記表示部を表示制御する第1同時表示制御手段(表示CPU72におけるステップS1102〜ステップS1104、ステップS1109〜ステップS1113及びステップS1202〜ステップS1206の処理を実行する機能)と、
前記第1種類画像及び前記第2種類画像のうち一方が変動表示され、他方が停止表示されるように前記表示部を表示制御する第2同時表示制御手段(表示CPU72におけるステップS1105〜ステップS1113及びステップS1207〜ステップS1208の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1種類画像及び第2種類画像の両方が変動表示される状況と、第1種類画像及び第2種類画像のうち一方が変動表示され他方が停止表示される状況とが発生することにより、第1種類画像及び第2種類画像の両方が表示される状況であっても表示態様の多様化を図ることが可能となる。この場合に、上記特徴C1の構成を備え、第1態様決定用情報と第2態様決定用情報とが個別に設けられていることにより、それら表示状況の切り換えに際しては第1態様決定用情報及び第2態様決定用情報の使用状況を切り換えるだけでよく、これら表示状況の切り換えを好適に行うことが可能となる。
特徴C5.前記第1同時表示制御手段は、前記第1種類画像が第1変動態様による表示を行い、前記第2種類画像が第2変動態様による表示を行うように前記表示部を表示制御し、
前記第2同時表示制御手段は、前記第1種類画像が前記第1変動態様とは異なる変動態様による表示を行い、前記第2種類画像が停止表示を行うように前記表示部を表示制御し、
前記第1態様決定用情報は、前記第1種類画像に前記第1変動態様による表示を行わせるための前記第1態様情報が時系列で設定された情報であり、
前記情報記憶手段は、前記第1種類画像に前記異なる変動態様による表示を行わせるための情報が時系列で設定された第3態様決定用情報(キャラクタ停留用テーブル122)を予め記憶していることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、第1種類画像が第1変動態様により変動表示されるとともに第2種類画像が第2変動態様により変動表示される状況と、第1種類画像が第1変動態様とは異なる変動態様により変動表示されるとともに第2種類画像が停止表示される状況とが発生することにより、第1種類画像及び第2種類画像の両方が表示される状況であっても表示態様の多様化を図ることが可能となる。この場合に、第1種類画像については第1態様決定用情報と第3態様決定用情報とが個別に設けられているとともに、第2種類画像については第2態様決定用情報が個別に設けられている。これにより、それら表示状況の切り換えに際しては、第1種類画像については使用対象を第1態様決定用情報と第3態様決定用情報との間で切り換えるとともに、第2種類画像については第2態様決定用情報において使用対象の情報を更新する状況と固定する状況とを切り換えるだけでよい。よって、これら表示状況の切り換えを好適に行うことが可能となる。
特徴C6.前記第1態様決定用情報は、前記第1種類画像に一連の第1変動態様による表示を1周分行わせるために必要な情報が時系列で設定されており、
前記同時表示制御手段は、前記第1態様決定用情報を繰り返し使用することにより前記第1種類画像による前記一連の第1変動態様の表示を繰り返し行わせることが可能であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1態様決定用情報を繰り返し使用することにより、第1種類画像に一連の第1変動態様の表示を繰り返し行わせることが可能となる。第1種類画像を変動表示させるための情報と第2種類画像を変動表示させるための情報とが一の態様決定用情報として統合して設定されていると、第1種類画像において一連の第1変動態様の表示の1周分が終了して次の1周分が開始される場合に、第2種類画像においても1周分の表示が開始される表示内容でない限り、第1種類画像に第1変動態様の表示を行わせるための情報を1周分よりも多く設定する必要が生じる。この場合、1周を超える分の情報は無駄となってしまう。これに対して、上記特徴C1の構成を備え、第1態様決定用情報と第2態様決定用情報とが個別に設けられていることにより、そのような無駄な情報を設定する必要がない。
特徴C7.前記第2態様決定用情報は、前記第2種類画像に一連の第2変動態様による表示を1周分行わせるために必要な情報が時系列で設定されており、
前記同時表示制御手段は、前記第2態様決定用情報を繰り返し使用することにより前記第2種類画像による前記一連の第2変動態様の表示を繰り返し行わせることが可能であり、
前記第1種類画像に前記第1変動態様による表示を1周分行わせるために必要な当該第1種類画像の更新タイミングの数と、前記第2種類画像に前記第2変動態様による表示を1周分行わせるために必要な当該第2種類画像の更新タイミングの数とが相違していることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1態様決定用情報と第2態様決定用情報とが個別に設けられていることにより、第1変動態様及び第2変動態様のそれぞれの1周分に対応した情報のみを各態様決定用情報において設定することが可能となり、無駄な情報を設定する必要がない。
特徴C8.前記同時表示制御手段は、
前記第1態様決定用情報に従った前記第1種類画像の表示を開始する場合に開始情報を開始情報記憶手段(連動用フラグ125)に設定し、前記第1態様決定用情報に従った前記第1種類画像の表示を終了する場合に前記開始情報記憶手段から前記開始情報を消去する手段(表示CPU72におけるステップS1103及びステップS1107の処理を実行する機能)と、
前記開始情報記憶手段に前記開始情報が設定されている場合に、前記第2態様決定用情報に従った前記第2種類画像の表示を行わせる手段(表示CPU72におけるステップS1201にて肯定判定をする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第1態様決定用情報に従った第1種類画像の表示が開始される場合に開始情報が設定されて当該表示が終了される場合に当該開始情報が消去され、開始情報が設定されている場合に第2態様決定用情報に従った第2種類画像の表示が行われる構成であるため、第1態様決定用情報の使用開始タイミングの情報が予め用意されてさえいれば、第1態様決定用情報の使用に合わせて第2態様決定用情報を使用することが可能となる。これにより、第1態様決定用情報と第2態様決定用情報とが個別に設けられた構成において使用開始タイミングの情報の情報量を少なくすることが可能となる。
なお、特徴C1〜C8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
設定用記憶手段(第1フレーム領域82a、第2フレーム領域82b)に前記画像データを設定することに基づき描画データを作成し、当該描画データに応じた画像信号を前記表示手段に出力することに基づき前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、
特定画像データ(デコード画像データ132)において前記設定用記憶手段に設定する範囲を第1設定範囲に設定することで第1設定範囲画像が表示されるようにする第1設定範囲制御手段(表示CPU72におけるステップS1307〜ステップS1309の処理を実行する機能、VDP76)と、
前記特定画像データにおいて前記設定用記憶手段に設定する範囲を前記第1設定範囲とは異なる第2設定範囲に設定することで第2設定範囲画像が表示されるようにする第2設定範囲制御手段(表示CPU72におけるステップS1311〜ステップS1313の処理を実行する機能、VDP76)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、同一の特定画像データを利用しながらも設定用記憶手段に設定する範囲を第1設定範囲と第2設定範囲との間で変化させることにより、第1設定範囲画像及び第2設定範囲画像のそれぞれを表示させることが可能となる。これにより、画像データの種類が少ない状況であっても表示される画像の内容に変化を与えることが可能となる。
特徴D2.前記第1設定範囲と前記第2設定範囲とは一部が重複していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、第1設定範囲と第2設定範囲とは一部が重複しているため、同一の特定画像データを利用しながら第1設定範囲画像と第2設定範囲画像との間で僅かな画像の変化を生じさせることが可能となる。
特徴D3.前記第1設定範囲画像が表示された次の画像の更新タイミングにおいて前記第2設定範囲画像が表示されることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、第1設定範囲画像が表示された次の画像の更新タイミングにおいて第2設定範囲画像が表示されることにより、第1設定範囲画像と第2設定範囲画像とを一連の画像として使用することが可能となる。
特徴D4.前記第1設定範囲画像及び前記第2設定範囲画像はいずれも所定の個別画像(群表示用キャラクタG11)を表示対象として含み、当該所定の個別画像が所定方向に移動するように表示される場合に前記第1設定範囲画像及び前記第2設定範囲画像が表示される構成であり、
前記第1設定範囲画像に含まれる前記所定の個別画像の表示位置に対して前記第2設定範囲画像に含まれる前記所定の個別画像の表示位置が当該所定の個別画像が前記所定方向に移動した表示位置に対応するように、前記第1設定範囲及び前記第2設定範囲が設定されていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、所定の個別画像が所定方向に移動するように表示される画像の表示を、少ない数の画像データによって実現することが可能となる。
特徴D5.前記第1設定範囲画像及び前記第2設定範囲画像は、前記所定の個別画像が多数表示される演出期間において当該所定の個別画像を多数表示させる画像であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、所定の個別画像が多数表示される状況において同一の特定画像データを利用した第1設定範囲画像及び第2設定範囲画像の表示が行われるため、同一の特定画像データを利用していることが目立ちづらくなる。
特徴D6.前記特定画像データのデータサイズは、前記設定用記憶手段において前記表示部への表示対象となる領域のデータサイズよりも大きく設定されており、
前記第1設定範囲及び前記第2設定範囲は、前記設定用記憶手段において前記表示部への表示対象となる領域の全体を埋める範囲に対応していることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、同一の特定画像データを利用して第1設定範囲画像及び第2設定範囲画像の表示が行われていることが目立たないようにすることが可能となる。
特徴D7.前記特定画像データは、前記表示用記憶手段に記憶されている動画像データに対してデコード処理を実行することにより作成される画像データであることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
動画像データに対してデコード処理を実行することにより作成される画像データの数が画像の更新タイミングに対して少ない数であったとしても、上記特徴D1の構成を備え、同一の特定画像データを利用して第1設定範囲画像及び第2設定範囲画像という異なる画像を表示させることが可能であるため、複数の更新タイミング間において同一の画像が表示されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴D8.前記動画像データに対して前記デコード処理を実行することにより作成される複数の画像データは、前記特定画像データを含めて、所定の個別画像を所定方向に移動するように表示するための画像データであり、
前記第1設定範囲制御手段及び前記第2設定範囲制御手段は、前記複数の画像データのそれぞれについて前記第1設定範囲の適用及び前記第2設定範囲の適用を行うことを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、同一の処理構成を利用しながら、動画像データに対してデコード処理を実行することにより作成される画像データの数が画像の更新タイミングに対して少ない数である状況に対処することが可能となる。
特徴D9.前記動画像データに対して前記デコード処理を実行することにより作成される複数の画像データは、前記特定画像データを含めて、所定の個別画像を所定方向に移動するように表示するための画像データであり、
前記第1設定範囲画像が表示された次の画像の更新タイミングにおいて前記第2設定範囲画像が表示され、
前記第1設定範囲画像に含まれる前記所定の個別画像の第1表示位置に対して前記第2設定範囲画像に含まれる前記所定の個別画像の第2表示位置が当該所定の個別画像が前記所定方向に移動した表示位置に対応するように、前記第1設定範囲及び前記第2設定範囲が設定されており、
前記複数の画像データのうち前記特定画像データの次に使用対象となる次使用画像データを使用して前記第2設定範囲画像の次に表示される画像においては、前記所定の個別画像の表示位置が前記第2設定範囲画像における前記所定の個別画像の表示位置に対して、前記第1表示位置から前記第2表示位置までの移動量と同一又は略同一の移動量分、前記所定の個別画像が前記所定方向に移動した表示位置となることを特徴とする特徴D7又はD8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、同一の特定画像データから第1設定範囲画像及び第2設定範囲画像を表示させる場合であっても、複数の更新タイミング間における所定の個別画像の所定方向への移動量を一定とすることが可能となる。
なお、特徴D1〜D9のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、
所定個別画像(有効期間画像G22)に所定態様による変化表示を行わせる場合における各更新タイミングの前記所定個別画像の第1表示内容(帯画像G24のサイズ位置情報及び点滅画像G25の位置情報)を、当該第1表示内容を決定付ける第1所定態様情報が時系列で設定された第1所定態様決定用情報(帯表示用テーブル145)を利用して決定する第1決定手段(表示CPU72におけるステップS1606、ステップS1615及びステップS1616の処理を実行する機能)と、
前記所定個別画像に前記所定態様による変化表示を行わせる場合における各更新タイミングの前記所定個別画像の第2表示内容(点滅画像G25を表示させるための画像データの種類)を、前記第1所定態様決定用情報を利用することなく決定する第2決定手段(表示CPU72におけるステップS1608及びステップS1613の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、所定個別画像に所定態様による変化表示を行わせる場合において当該所定個別画像の第1表示内容と第2表示内容とをそれぞれ独立して個別に制御することが可能となる。これにより、所定個別画像における所定態様による変化表示の表示態様を多様化させる場合に、第1表示内容と第2表示内容とを独立して個別に制御することが可能となり、当該多様化を行い易くなる。
特徴E2.前記第2決定手段は、前記所定個別画像に前記所定態様による変化表示を行わせる場合における各更新タイミングの前記所定個別画像の第2表示内容を、当該第2表示内容を決定付ける第2所定態様情報が時系列で設定された第2所定態様決定用情報(点滅表示用テーブル146)を利用して決定することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、第1表示内容を決定付ける第1所定態様決定用情報と、第2表示内容を決定付ける第2所定態様決定用情報とが個別に設けられていることにより、各所定態様用情報に従って表示制御を実行することを可能としながら、第1表示内容と第2表示内容とを独立して個別に制御することが可能となる。
特徴E3.前記第1所定態様決定用情報は、
前記所定個別画像の前記第1表示内容の更新タイミングとなる度に前記第1決定手段による参照対象が順次更新される第1所定参照情報が複数設定された第1所定参照情報群(ポインタ情報)と、
前記所定個別画像の前記第1表示内容の各更新タイミングにおける当該第1表示内容を決定するための前記第1所定態様情報が前記第1所定参照情報のそれぞれに対応させて設定された第1所定態様情報群(サイズ情報及び先端位置情報)と、
を備え、
前記第2所定態様決定用情報は、
前記所定個別画像の前記第2表示内容の更新タイミングとなる度に前記第2決定手段による参照対象が順次更新される第2所定参照情報が複数設定された第2所定参照情報群(ポインタ情報)と、
前記所定個別画像の前記第2表示内容の各更新タイミングにおける当該第2表示内容を決定するための前記第2所定態様情報が前記第2所定参照情報のそれぞれに対応させて設定された第2所定態様情報群(画像データの情報)と、
を備えていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、第1所定態様決定用情報には専用の第1所定参照情報群が設定されているとともに第2所定態様決定用情報には専用の第2所定参照情報群が設定されている。これにより、第1表示内容の更新周期と第2表示内容の更新周期とを個別に独立して制御し易くなる。
特徴E4.前記第1表示内容及び前記第2表示内容のうち一方の更新周期を他方の更新周期とは独立して変更させる手段(表示CPU72におけるステップS1610及びステップS1612の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、第1表示内容及び第2表示内容のうち一方の更新周期が他方の更新周期とは独立して変更されることにより、所定個別画像における所定態様による変化表示の表示態様の多様化を好適に実現することが可能となる。
特徴E5.前記表示制御手段は、設定用記憶手段(第1フレーム領域82a、第2フレーム領域82b)に画像データを設定することで描画データを作成し、当該描画データに応じた画像信号を前記表示手段に出力することに基づき前記表示部に画像を表示させ、
前記所定個別画像は、第1所定個別画像データ(帯表示用画像データ142)と第2所定個別画像データ(点灯用画像データ143、消灯用画像データ144)とを利用して表示され、
前記第1表示内容は、前記所定個別画像において前記第1所定個別画像データを利用して表示される画像の表示内容に対応しており、
前記第2表示内容は、前記所定個別画像において前記第2所定個別画像データを利用して表示される画像の表示内容に対応しており、
前記第1所定態様決定用情報には、前記設定用記憶手段に前記第2所定個別画像データを設定する場合に当該第2所定個別画像データを前記第1所定個別画像データに関連付けて設定するための情報(先端位置情報)が設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、第1表示内容と第2表示内容とを独立して個別に制御可能とした構成であっても、第1所定個別画像データに関連付けた態様による第2所定個別画像データの設定用記憶手段への設定を容易に行うことが可能となる。
特徴E6.前記第1表示内容及び前記第2表示内容のうち一方は、前記所定個別画像のサイズ、形状及び色のうち少なくとも一つであり、
前記第1表示内容及び前記第2表示内容のうち他方は、前記所定個別画像を表示するための画像データの種類であることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、所定個別画像のサイズ、形状及び色のうち少なくとも一つと、所定個別画像を表示するための画像データの種類とを独立して個別に制御することが可能となる。
なお、特徴E1〜E6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール203)と、
前記画像データが設定される設定用記憶手段(VRAM204)と、
前記画像データを前記設定用記憶手段に設定する場合にその設定態様を決定付けるパラメータ情報を導出する導出手段(表示CPU201)と、
当該導出手段により導出された前記パラメータ情報に応じて前記画像データを前記設定用記憶手段に設定することに基づき描画データを作成し、当該描画データに応じた画像信号を前記表示手段に出力することに基づき前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(VDP205)と、
を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、所定種類画像データ(最背面の画像データ241、第1背景個別画像用の画像データ242、第2背景個別画像用の画像データ243、演出キャラクタ用の画像データ244)を前記設定用記憶手段に設定することに基づき所定種類画像を前側期間に亘って表示させた後に、前記所定種類画像データを前記設定用記憶手段に設定することに基づく前記所定種類画像の表示を後側期間に亘って行わないようにする所定種類制御手段(VDP205における別保存表示用の設定処理を実行する機能)を備え、
前記前側期間において前記所定種類画像データに適用するために前記導出手段により導出されたパラメータ情報は所定記憶手段(ワークRAM202)の所定記憶領域に記憶され、その所定記憶領域は前記後側期間であっても前記所定種類画像データのパラメータ情報を記憶するための領域として保持されることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定種類画像データを利用した所定種類画像の表示が中断されている状況であっても、当該所定種類画像データに適用するためのパラメータ情報が記憶された所定記憶領域は当該所定種類画像データのパラメータ情報を記憶するための領域として保持されることにより、所定種類画像データを利用した所定種類画像の表示を再開する場合に当該所定記憶領域を確保するための処理を新たに実行する必要が生じない。これにより、所定種類画像データを利用した所定種類画像の表示を再開する場合における処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴F2.前記導出手段は、前記後側期間であっても前記所定種類画像データに適用するためのパラメータ情報を更新することを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、後側期間であっても所定種類画像データに適用するためのパラメータ情報が更新されるため、後側期間が終了して所定種類画像データを利用した所定種類画像の表示が再開される場合、後側期間の開始直前の表示状態に対して、時系列で定められた表示パターンに従って後側期間分、所定種類画像の内容の変化が継続された場合の状態から、所定種類画像データを利用した所定種類画像の表示を再開させることが可能となる。
特徴F3.前記所定種類制御手段は、前記前側期間において前記所定種類画像データを前記設定用記憶手段に設定することに基づき作成された事前作成データ(第1別保存画像データ245、第2別保存画像データ247)を利用して、前記後側期間における前記描画データを作成することを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、後側期間であっても所定種類画像を表示させることが可能となる。
特徴F4.前記所定種類制御手段は、前記後側期間において前記事前作成データと追加画像データ(追加個別画像用の画像データ246、エフェクト画像データ248)とを前記設定用記憶手段に設定することに基づき前記描画データを作成することを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、後側期間においては追加画像データが使用対象の画像データとして追加されるため、表示内容を派手なものとすることが可能となる。また、後側期間においては所定種類画像を表示するための画像データとして所定種類画像データが使用されるのではなく事前作成データが使用されるため、追加画像データが使用対象の画像データとして追加されたとしても処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴F5.前記後側期間は、前記前側期間において所定開始契機が発生した場合に発生し、
前記所定種類制御手段は、前記前側期間において前記所定開始契機が発生し得る状況となる前に前記事前作成データを作成することを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、事前作成データは所定開始契機が発生し得る状況となる前に作成されるため、所定開始契機が発生したタイミングで事前作成データを作成する構成に比べて、所定開始契機が発生したタイミングの処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴F6.前記所定種類制御手段は、前記前側期間において前記所定開始契機が発生し得る状況となる前に前記事前作成データを作成したものの分岐タイミングまでに前記所定開始契機が発生しなかった場合、継続された前記前側期間において前記事前作成データを新たに作成することを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、事前作成データは必要に応じて新たに作成されるため、事前作成データを実際に使用するタイミングに対してより近いタイミングにおいて作成された事前作成データを使用することが可能となる。
特徴F7.前記所定種類制御手段は、前記前側期間において前記事前作成データを当該事前作成データにより表示される画像の内容が相違するように複数種類作成することを特徴とする特徴F3乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F7によれば、事前作成データが複数種類作成されることにより、事前作成データを利用して画像の表示が実行される状況を多様化させることが可能となる。
特徴F8.前記事前作成データとして少なくとも第1事前作成データ(第2別保存画像データ247)と第2事前作成データ(第1別保存画像データ245)とが作成される構成であり、
前記後側期間として、第1後側期間と、当該第1後側期間よりも後に発生し得る第2後側期間とが存在しており、
前記所定種類制御手段は、
前記第1後側期間において前記第1事前作成データを利用して前記描画データを作成する第1事前作成手段(VDP205におけるステップS3910〜ステップS3912の処理を実行する機能)と、
前記第2後側期間において前記第2事前作成データを利用して前記描画データを作成する第2事前作成手段(VDP205におけるステップS3906〜ステップS3909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、各後側期間に適した事前作成データを利用することが可能となる。
特徴F9.前記第1後側期間は前記前側期間において所定開始契機が発生した場合に発生し、
前記第1事前作成データ及び前記第2事前作成データは、前記前側期間において前記所定開始契機が発生し得る状況となる前に作成され、
前記第2事前作成手段は、前記前側期間において前記所定開始契機が発生しなかった場合、継続された前記前側期間において前記第2事前作成データを新たに作成することを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
特徴F9によれば、第1後側期間が発生しなかった場合には第2後側期間が発生する前に第2事前作成データが新たに作成されるため、第2事前作成データを実際に使用するタイミングに対してより近いタイミングにおいて作成された第2事前作成データを使用することが可能となる。
特徴F10.前記表示制御手段は、
前記設定用記憶手段における仮想3次元空間内に前記画像データとして3次元情報であるオブジェクトデータを配置する配置手段(VDP205におけるステップS2602〜ステップS2604の処理を実行する機能)と、
前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP205におけるステップS2605〜ステップS2606の処理を実行する機能)と、
前記視点に基づいて設定される投影平面に前記オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて前記描画データを作成する描画用設定手段(VDP205におけるステップS2607〜ステップS2612の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F10によれば、3次元画像を表示する構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴F1〜F10のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群〜上記特徴F群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴G群>
特徴G1.第1制御手段(主側MPU52)と、第2制御手段(音光側MPU62、表示CPU72、VDP76)とを備え、
前記第1制御手段は、
遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU52における特図特電制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果に対応する所定対応情報(変動用コマンド及び種別コマンド)を送信する情報送信手段(主側MPU52における特図特電制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記所定対応情報に対応する単位演出(遊技回用の演出)の演出内容を決定する内容決定手段(音光側MPU62におけるステップS404及びステップS406〜ステップS408の処理を実行する機能)と、
当該内容決定手段により決定された演出内容に対応する前記単位演出が実行されるように演出実行手段(図柄表示装置41)を制御する演出実行制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備え、
同一種類の前記所定対応情報に基づき前記内容決定手段により決定され得る演出内容として、演出の継続期間が第1継続期間に相当する第1演出内容と、演出の継続期間が第2継続期間に相当する第2演出内容とが少なくとも含まれていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、同一種類の所定対応情報から演出の継続期間が相違する演出内容が選択され得ることにより、演出内容を多様化することが可能となるとともに、演出内容を決定するための処理構成の自由度を高めることが可能となる。
特徴G2.前記演出実行制御手段は、前記内容決定手段によりいずれの演出内容が決定されたとしても前記所定対応情報に対応する継続期間が経過した場合に前記単位演出を終了させることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、いずれの演出内容が決定されたとしても所定対応情報に対応する継続期間が経過した場合に単位演出が終了するため、同一種類の所定対応情報から演出の継続期間が相違する演出内容が選択され得る構成であったとしても、単位演出の継続期間を所定対応情報に対応する継続期間とすることが可能となる。
特徴G3.前記第1制御手段は、前記単位演出の継続期間を決定する継続期間決定手段(主側MPU52における特図特電制御処理を実行する機能)を備え、
前記所定対応情報には前記継続期間決定手段により決定された継続期間を前記第2制御手段において特定可能とする情報が含まれることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、第1制御手段において単位演出の継続期間が決定されることにより、第2制御手段において単位演出の実行制御が行われる構成であっても第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を要することなく第1制御手段において単位演出の継続期間を把握することが可能となる。この場合に、上記特徴G2の構成を備えていることにより、同一種類の所定対応情報から演出の継続期間が相違する演出内容が選択され得る構成であったとしても、単位演出の継続期間を第1制御手段において決定された継続期間とすることが可能となる。
特徴G4.前記内容決定手段により決定される演出内容は、当該演出内容に相当する継続期間が、演出内容の決定の契機となった前記所定対応情報に対応する継続期間以下となる演出内容であることを特徴とする特徴G2又はG3に記載の遊技機。
特徴G4によれば、内容決定手段により決定された演出内容の実行途中において単位演出の継続期間が経過して当該単位演出が終了されてしまうという事象が発生しないようにすることが可能となる。
特徴G5.前記演出実行制御手段は、前記単位演出として、絵柄の変動表示が行われた後に当該絵柄を所定の領域に留めて待機表示させる演出を前記演出実行手段に行わせるものであり、
前記内容決定手段により決定された演出内容の継続期間が前記所定対応情報に対応する継続期間よりも短い場合、前記待機表示の実行期間をそれに合わせて延長させる手段(音光側MPU62におけるステップS504の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G2乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、待機表示の実行期間を延長させることで、内容決定手段により決定された演出内容の継続期間と所定対応情報に対応する継続期間との差分が補われる。これにより、当該差分を補うために単位演出の演出内容を大きく修正する必要がなくなり、当該差分を補うための処理構成を簡素化させることが可能となる。
特徴G6.前記内容決定手段は、
第1抽選処理を実行することで前記単位演出のうち第1演出範囲の演出内容を決定する手段(音光側MPU62におけるステップS404の処理を実行する機能)と、
第2抽選処理を実行することで前記単位演出のうち第2演出範囲の演出内容を決定する手段(音光側MPU62におけるステップS406の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、第1抽選処理及び第2抽選処理が実行されて単位演出の演出内容が決定されることにより、単位演出の演出内容を不規則に決定することが可能となる。この場合に、上記特徴G1の構成を備え、同一種類の所定対応情報から演出の継続期間が相違する演出内容が選択され得るため、第1抽選処理及び第2抽選処理の設計の自由度が高められる。
なお、特徴G1〜G6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴G群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示演出などといった演出を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴H群>
特徴H1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
計測対象の数(遊技球の獲得個数)に対応する計測結果情報(個数表示画像G31)が前記表示部に表示されるように前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示CPU72における計測表示用の演算処理を実行する機能、表示CPU72における増加表示用の演算処理を実行する機能)と、
を備え、
当該表示制御手段は、前記計測結果情報を更新する場合における当該計測結果情報において表示されている値の変化値を変更する変化値変更手段(表示CPU72におけるステップS2003、ステップS2007、ステップS2010及びステップS2012の処理を実行する機能、表示CPU72におけるステップS2102〜ステップS2104の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、計測対象の数に対応する計測結果情報が表示部において表示されることにより、計測対象の数を遊技者に認識させることが可能となる。この場合に、計測結果情報を更新する場合における当該計測結果情報において現状表示されている値の変化値が変更される。これにより、計測結果情報が変化していく態様を多様化させることが可能となる。
特徴H2.前記表示制御手段は、計測開始契機が発生した場合に前記計測結果情報の表示を開始させ、計測終了契機が発生した場合にその計測回における前記計測結果情報の表示を終了させるものであり、
前記変化値変更手段は、1回の前記計測回の範囲内において前記変化値を変更し得ることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、計測結果情報の変化値が1回の計測回の範囲内において変更され得るため、1回の計測回の範囲内においても計測結果情報が変化していく態様を多様化させることが可能となる。
特徴H3.前記表示制御手段は、計測開始契機が発生した場合に前記計測結果情報の表示を開始させ、計測終了契機が発生した場合にその計測回における前記計測結果情報の表示を終了させるものであり、
前記変化値変更手段は、1回の前記計測回と他の前記計測回との間で前記変化値を変更し得ることを特徴とする特徴H1又はH2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、各計測回において計測結果情報が変化していく態様を多様化させることが可能となる。
特徴H4.前記変化値変更手段は、前記計測結果情報として最終的に表示する値を所定値で除算した結果に対応する値を前記変化値とすることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
特徴H4によれば、計測結果情報として最終的に表示する値に応じて計測結果情報に対応する値の変化値を不規則なものとすることが可能となる。
特徴H5.前記変化値変更手段は、前記計測結果情報において表示されている値に反映させるべき値に応じて前記変化値を変更することを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H5によれば、計測結果情報において表示されている値に反映させるべき値に応じて変化値が変更されることにより、当該反映させるべき値に関連させながら計測結果情報の値の変化値を変更させることが可能となる。
特徴H6.前記変化値変更手段は、前記計測結果情報において表示されている値に反映させるべき値が大きいほど、前記変化値の値を大きい値とすることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H6によれば、計測結果情報において表示されている値に反映させるべき値が大きいほど変化値の値が大きい値となることにより、当該反映させるべき値の計測結果情報への反映を完了するまでに要する期間の短縮化を図りながら、計測結果情報が変化していく態様を多様化させることが可能となる。
特徴H7.前記表示制御手段は、
前記計測結果情報において表示されている値に反映させるべき値が計測対象の値が増加に対応する値である場合、当該反映させるべき値を複数回の更新タイミングに分けて前記計測結果情報において表示されている値に反映させる第1反映手段(表示CPU72におけるステップS2005〜ステップS2013の処理を実行する機能)と、
前記計測結果情報において表示されている値に反映させるべき値が計測対象の値が減少に対応する値である場合、当該反映させるべき値を1回の更新タイミングで前記計測結果情報において表示されている値に反映させる第2反映手段(表示CPU72におけるステップS2003及びステップS2004の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変化値変更手段は、前記第1反映手段により前記反映させるべき値が複数回の更新タイミングに分けて前記計測結果情報において表示されている値に反映される場合に、それら各更新タイミングにおける前記変化値を変更させ得ることを特徴とする特徴H1乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H7によれば、計測対象の値が増加する場合には反映させるべき値が複数回の更新タイミングに分けて反映されることにより計測対象の値が増加していることを強調することが可能となり、計測対象の値が減少する場合には反映させるべき値が1回の更新タイミングで反映されることにより計測対象の値が減少することを目立たないようにすることが可能となる。この場合に、計測対象の値が増加する場合には各更新タイミングにおける変化値が変更され得るため、計測対象の値が増加していることを強調している状況において計測結果情報が変化していく態様を多様化させることが可能となる。
特徴H8.前記計測対象は、遊技者が使用可能な遊技媒体の数の増加分と、遊技者が使用可能な遊技媒体の数の減少分との差分であることを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H8によれば、遊技者が使用可能な遊技媒体の数の増加分と減少分との差分が計測結果情報として表示される場合において、当該計測結果情報が変化していく態様を多様化させることが可能となる。
なお、特徴H1〜H8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴H群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴I群>
特徴I1.演出を実行する演出実行手段(図柄表示装置41)と、
当該演出実行手段を制御する演出制御手段(音光側MPU62、表示CPU201、VDP205)と、
を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、予め定められた開始対応時刻となった場合、開始条件が成立した場合に前記演出実行手段にて特別演出(スペシャル期間の演出)を開始させる時刻対応制御手段(音光側MPU62におけるステップS3010及びステップS3011の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、予め定められた開始対応時刻となった場合に特別演出が開始されることにより、所定の時刻となったことを契機とした演出を行うことが可能となる。また、例えば遊技ホールに設置された複数台の遊技機において同一の演出が同時に開始されるようにすることが可能となる。また、開始対応時刻となった場合であって開始条件が成立した場合に特別演出が開始されることにより、処理負荷や遊技内容の理解の容易化などの観点から特別演出を開始させると好ましくない状況において特別演出が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴I2.前記時刻対応制御手段は、前記開始対応時刻となった場合、準備期間が経過した後に前記特別演出を開始させることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、開始対応時刻となった場合には準備期間が経過した後に特別演出が開始されるため、特別演出の開始時刻を所定の時刻とすることが可能となる。また、準備期間において特別演出を実行するために必要な処理を分散して実行することが可能となり、処理負荷を分散することが可能となる。
特徴I3.前記演出制御手段は、任意のタイミングで発生する任意契機が発生した場合に前記演出実行手段にて任意対応演出(遊技回用の演出)を実行させる任意対応制御手段(音光側MPU62におけるステップS3208〜ステップS3213の処理を実行する機能)を備え、
前記準備期間は、前記任意対応演出の実行期間のうち最長実行期間以上の期間として設定されていることを特徴とする特徴I2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、準備期間が任意対応演出の最長実行期間以上の期間として設定されていることにより、任意対応演出が実行されている状況において開始対応時刻となったとしても、特別演出を開始させるタイミングとなる前にその実行途中の任意対応演出が終了することとなる。これにより、特別演出が開始される場合における任意対応演出の実行状況を所定の状況に制限することが可能となり、特別演出が開始されるタイミングの処理負荷が極端に高くなってしまう事象の発生を阻止することが可能となる。
特徴I4.前記演出制御手段は、任意のタイミングで発生する任意契機が発生した場合に前記演出実行手段にて任意対応演出(遊技回用の演出)を実行させる任意対応制御手段(音光側MPU62におけるステップS3208〜ステップS3213の処理を実行する機能)を備え、
当該任意対応制御手段は、前記開始対応時刻となった後であって前記開始条件が成立するまでに前記任意対応演出を開始させる場合、当該任意対応演出の演出内容を所定の演出内容に制限することを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
特徴I4によれば、特別演出が開始される場合における任意対応演出の演出内容を所定の演出内容に制限することが可能となる。これにより、開始対応時刻となった後であって特別演出を開始する前に任意対応演出を開始させることを可能としながら、特別演出が開始されるタイミングの処理負荷が極端に高くなってしまう事象の発生を阻止することが可能となる。
特徴I5.前記演出制御手段は、前記開始対応時刻となった場合であって前記開始条件が成立するまで、準備対応演出(準備期間の演出)を前記演出実行手段にて実行させる準備対応制御手段(音光側MPU62におけるステップS2806、ステップS2807、ステップS3006及びステップS3007の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I5によれば、準備対応演出が実行されることにより、これから特別演出が実行されることを遊技者に認識させることが可能となる。
特徴I6.前記準備対応制御手段は、前記開始対応時刻となった場合に制限条件が成立している場合、当該制限条件が解除されるまで前記準備対応演出を開始させないことを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I6によれば、制限条件が成立している場合には開始対応時刻となったとしても準備対応演出が開始されないことにより、処理負荷などの観点から好ましくない状況において準備対応演出が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴I7.前記準備対応制御手段は、前記制限条件が成立している場合、それに対応する報知(残時間報知画像G63の表示)が実行されるようにすることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
特徴I7によれば、準備対応演出及び特別演出がこれから実行されることを制限条件が成立している状況であっても遊技者に認識させることが可能となる。
特徴I8.前記演出制御手段は、任意のタイミングで発生する任意契機が発生した場合に前記演出実行手段にて任意対応演出(遊技回用の演出)を実行させる任意対応制御手段(音光側MPU62におけるステップS3208〜ステップS3213の処理を実行する機能)を備え、
前記準備対応制御手段は、前記任意対応演出が実行されている状況において前記開始対応時刻となった場合、前記制限条件が成立しているとして、当該任意対応演出が終了するまで前記準備対応演出を開始させないことを特徴とする特徴I6又はI7に記載の遊技機。
特徴I8によれば、任意対応演出の実行途中で準備対応演出が開始されないようにすることが可能となる。これにより、準備対応演出が開始されるタイミングの処理負荷が極端に高くなってしまう事象の発生を阻止することが可能となる。
特徴I9.前記演出実行手段は、表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段であり、
前記準備対応演出と他の演出(遊技回用の演出)とが同時に実行される場合、前記表示部の一部の領域において前記準備対応演出が実行され、前記表示部の他の領域(区画表示領域G66)において前記他の演出が実行されることを特徴とする特徴I5乃至I8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I9によれば、準備対応演出と他の演出とのそれぞれを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴I10.前記準備対応制御手段は、前記準備対応演出として、前記特別演出が開始されるまでの残り時間に対応する残時間情報(残時間報知画像G63)を前記演出実行手段にて報知させることを特徴とする特徴I5乃至I9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I10によれば、遊技者は残時間情報を確認することにより特別演出の開始が近付いていることを認識することが可能となる。
特徴I11.前記準備対応制御手段は、
前記準備対応演出が開始されるタイミングがいずれのタイミングであったとしても前記残時間情報として所定の初期値の情報から表示を開始させて所定の終了値の情報となるまで当該残時間情報の更新を継続させる手段(表示CPU201におけるステップS3404の処理を実行する機能)と、
前記準備対応演出が開始されるタイミングに応じて、前記残時間情報の1回の更新値を変更させる手段(表示CPU201におけるステップS3402及びステップS3403の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴I10に記載の遊技機。
特徴I11によれば、残時間情報の更新態様を準備対応演出が開始されるタイミングに関連させて多様化させることが可能となる。
特徴I12.前記開始対応時刻又はそれ以降であって前記開始条件が成立する前の所定の時刻となった場合に、前記演出実行手段とは異なる演出実行手段(表示発光部44、スピーカ部45)において所定の演出を開始させる手段(音光側MPU62におけるステップS2801の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I12によれば、開始対応時刻となったことを契機として所定の演出を確実に開始させることが可能となる。これにより、例えば遊技ホールに設置されている複数台の遊技機における演出実行手段の演出実行状況とは無関係に、それら複数台の遊技機において所定の演出を一斉に開始することが可能となる。
なお、特徴I1〜I12のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴I群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては斬新な遊技内容を提供する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴J群>
特徴J1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
設定用記憶手段(第1フレーム領域82a、第2フレーム領域82b)に前記画像データを設定することに基づき描画データを作成し、当該描画データに応じた画像信号を前記表示手段に出力することに基づき前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU72、VDP76)と、
を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記表示用記憶手段に予め記憶された第1静止画像データ(第1キャラクタ用画像データ171)を利用して特定の個別画像(第1疑似動画用キャラクタG42、第2疑似動画用キャラクタG43、疑似動画用キャラクタG51)を含む第1フレーム画像(第1キャラクタ用画像G41、第1疑似動画用画像G52)を表示させる第1フレーム制御手段(表示CPU72におけるステップS2204〜ステップS2207の処理を実行する機能)と、
前記表示用記憶手段に予め記憶された第2静止画像データ(第2キャラクタ用画像データ173)を利用して前記特定の個別画像を含む第2フレーム画像(第2キャラクタ用画像G48、第2疑似動画用画像G53)を表示させる第2フレーム制御手段(表示CPU72におけるステップS2217〜ステップS2220の処理を実行する機能)と、
前記第1フレーム画像が表示された後の画像の更新タイミングであって前記第2フレーム画像が表示される前の画像の更新タイミングにおいて、前記表示用記憶手段に予め記憶された途中画像データ(エフェクト画像データ172)を利用して、前記特定の個別画像を含まない途中画像(エフェクト画像G45、疑似動画用エフェクト画像G54)を表示させる途中制御手段(表示CPU72におけるステップS2211〜ステップS2214の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、特定の個別画像を含む第1フレーム画像が表示される更新タイミングと、特定の個別画像を含む第2フレーム画像が表示される更新タイミングとの間に、特定の個別画像を含まない途中画像が表示される。これにより、特定の個別画像についての動画表示が行われていると遊技者に認識させるための画像データが十分に存在していない状況であっても、途中画像を介在させることによって特定の個別画像についての動画表示が行われていると遊技者に認識させることが可能となる。
特徴J2.前記第1フレーム制御手段は、前記設定用記憶手段への前記第1静止画像データの設定態様を変化させることにより、複数の更新タイミングにおいて異なる表示態様による前記第1フレーム画像を表示させることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機、。
特徴J2によれば、第1静止画像データを利用することによって、特定の個別画像を表示しながら複数の更新タイミングにおいて表示態様が変更される状況を生じさせることが可能となる。
特徴J3.前記第2フレーム制御手段は、前記設定用記憶手段への前記第2静止画像データの設定態様を変化させることにより、複数の更新タイミングにおいて異なる表示態様による前記第2フレーム画像を表示させることを特徴とする特徴J1又はJ2に記載の遊技機。
特徴J3によれば、第2静止画像データを利用することによって、特定の個別画像を表示しながら複数の更新タイミングにおいて表示態様が変更される状況を生じさせることが可能となる。
特徴J4.特定演出期間において、前記第1フレーム画像の次に前記途中画像が表示され、当該途中画像の次に前記第2フレーム画像が表示される構成であり、
前記第1静止画像データは前記特定演出期間とは異なる第1期間において使用され、
前記第2静止画像データは前記特定演出期間及び前記第1期間とは異なる第2期間において使用されることを特徴とする特徴J1乃至J3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J4によれば、第1期間において使用される第1静止画像データ及び第2期間において使用される第2静止画像データを利用して特定演出期間において特定の個別画像を表示する演出が実行される。これにより、静止画像データを複数の状況で兼用することが可能となり、表示用記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。この場合に、上記特徴J1の構成を備えていることにより、そのように第1静止画像データ及び第2静止画像データを利用する構成であっても、特定演出期間において特定の個別画像についての動画表示が行われていると遊技者に認識させることが可能となる。
特徴J5.前記第1フレーム画像において表示される前記特定の個別画像の所定部位(所定部位G51a)に対して、前記第2フレーム画像において表示される前記特定の個別画像の前記所定部位が、所定の動作経路の先側の位置に表示されるように前記第1静止画像データ及び前記第2静止画像データが設定されており、
前記途中画像において表示される途中個別画像(個別画像G54a)は前記所定の動作経路に従って変位するように前記途中画像データが設定されていることを特徴とする特徴J1乃至J4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J5によれば、第1静止画像データ及び第2静止画像データによる特定の個別画像における所定部位の動作経路に従って途中個別画像が変位するようにして途中画像が表示されることにより、第1静止画像データによる特定の個別画像における所定部位の表示位置と第2静止画像データによる特定の個別画像における所定部位の表示位置とが離れている場合であっても、所定部位が所定の動作経路に従って変位しているという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴J6.前記第1フレーム画像及び前記第2フレーム画像は実写画像であり、前記途中画像は非実写画像であることを特徴とする特徴J1乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J6によれば、実写画像の種類が少ない状況であっても非実写画像を利用することにより、特定の個別画像についての動画表示が行われているという印象を遊技者に与えることが可能となる。
なお、特徴J1〜J6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴K群>
特徴K1.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール203)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU201、VDP205)と、
を備え、
前記表示用記憶手段は、
デコード処理が実行されることにより作成された画像データが使用されることで一連の特定動画を表示させることを可能とする第1動画像データ(Aアングルの第1動画データ群261)と、
前記デコード処理が実行されることにより作成される画像データが使用されることで前記特定動画の途中のタイミングから開始される特定途中動画を表示させることを可能とする第2動画像データ(Aアングルの第2動画データ群262)と、
を予め記憶していることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、第1動画像データだけではなく第2動画像データが設けられていることにより、表示開始契機が発生するタイミングに応じて使用対象として第1動画像データ及び第2動画像データのいずれかを選択することが可能となる。これにより、使用対象の動画像データを切り換えるだけで、特定動画の最初から当該特定動画の表示を開始させることができるとともに、特定動画の途中から当該特定動画の表示を開始させることができる。
特徴K2.前記第1動画像データは、前記特定動画において対応する表示期間をそれぞれ異ならせて複数の第1単位動画像データ(動画像データ271a)を有しており、
前記第2動画像データは、前記特定途中動画において対応する表示期間をそれぞれ異ならせて複数の第2単位動画像データ(動画像データ271b)を有しており、
前記第2単位動画像データのそれぞれは、複数の前記第1単位動画像データにおいて対応する順番の第1単位動画像データを使用することにより表示される動画の途中のタイミングから開始される動画を表示させるデータとして設定されていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特徴K2によれば、特定動画を途中から開始させることを可能とするタイミングを多く設定することが可能となり、表示開始契機の発生タイミングに対応する表示内容からの特定動画の開始を行い易くなる。
特徴K3.対応する順番同士の前記第1単位動画像データ及び前記第2単位動画像データにおいて、当該第1単位動画像データを使用することにより表示される動画の開始タイミングと当該第2単位動画像データを使用することにより表示される動画の開始タイミングとの間における画像の更新タイミングのずれ量は、対応する順番同士の前記第1単位動画像データ及び前記第2単位動画像データの組合せのそれぞれにおいて同一又は略同一であることを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
特徴K3によれば、第1単位動画像データによる動画の表示を開始させることが可能なタイミング及び第2単位動画像データによる動画の表示を開始させることが可能なタイミングの設計の容易化が図られる。
特徴K4.前記第1単位動画像データ及び前記第2単位動画像データは、前記デコード処理が実行されることにより作成される画像データの数が動画像データとして設定可能な最小数となるデータであることを特徴とする特徴K2又はK3に記載の遊技機。
特徴K4によれば、第1動画像データによる動画の表示に切り換えることが可能なタイミング及び第2動画像データによる動画の表示に切り換えることが可能なタイミングを多く設定することが可能となる。また、一度に読み出す動画像データのデータ量を少なくすることが可能となる。
特徴K5.前記表示制御手段は、前記特定動画の開始に対応するタイミングよりも前のタイミングで遊技者による所定操作が行われた場合、前記第1動画像データを使用した前記特定動画の表示を開始させ、前記特定動画の開始に対応するタイミングよりも後のタイミングで前記所定操作が行われた場合、前記第2動画像データを使用した前記特定途中動画の表示を開始させる対象切換手段(表示CPU201におけるステップS4105〜ステップS4117の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K5によれば、遊技者による所定操作が任意のタイミングで発生するとしても、その所定操作の発生タイミングに対応する状況から特定動画の表示を開始させることが可能となる。
特徴K6.前記対象切換手段は、前記特定動画の開始に対応するタイミングよりも後のタイミングであって前記特定途中動画の開始に対応するタイミングよりも前のタイミングで前記所定操作が行われた場合であっても、当該開始に対応するタイミングに対して前記第2動画像データの使用を開始するために必要となる期間よりも前のタイミング以降に前記所定操作が行われた場合、前記第2動画像データを使用した前記特定途中動画の表示を開始させないことを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
特徴K6によれば、第2動画像データの使用を円滑に開始させることを可能とする範囲内において、所定操作の発生タイミングに対応する状況から特定動画の表示を開始させることが可能となる。
特徴K7.前記表示制御手段は、複数種類の動画のうちいずれかの動画を表示させている状況において遊技者による所定操作が行われた場合に他の動画を表示させる状況に切り換える対象切換手段(表示CPU201におけるステップS4105〜ステップS4117の処理を実行する機能)を備え、
前記第1動画像データ及び前記第2動画像データの組合せは、前記複数種類の動画のうち第1動画を表示させるための動画像データとして設けられており、
前記表示用記憶手段は、
前記デコード処理が実行されることにより作成された画像データが使用されることで一連の所定動画を表示させることを可能とする第3動画像データ(Bアングルの第1動画データ群264)と、
前記デコード処理が実行されることにより作成される画像データが使用されることで前記所定動画の途中のタイミングから開始される所定途中動画を表示させることを可能とする第4動画像データ(Bアングルの第2動画データ群265)と、
を予め記憶しており、
前記第3動画像データ及び前記第4動画像データの組合せは、前記複数種類の動画のうち第2動画を表示させるための動画像データとして設けられていることを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K7によれば、第1動画と第2動画との間で表示対象となる動画の切り換えが可能となるタイミングを多く設定することが可能となる。
特徴K8.前記第1動画像データと前記第3動画像データとは所定演出期間において開始画像が表示され得るタイミングが一致しており、
前記第2動画像データと前記第4動画像データとは前記所定演出期間において開始画像が表示され得るタイミングが一致していることを特徴とする特徴K7に記載の遊技機。
特徴K8によれば、第1動画及び第2動画のうち一方から他方に切り換えられる場合、切り換え元の表示内容に対応する表示内容から切り換え先の動画の表示を開始することが可能となる。
特徴K9.前記第1動画と前記第2動画とは、特別個別画像を表示する角度が異なる動画であることを特徴とする特徴K7又はK8に記載の遊技機。
特徴K9によれば、特別個別画像を表示する角度が異なる複数の動画間において表示対象が切り換わる構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K10.表示部(液晶表示部41a)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール203)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示制御手段(表示CPU201、VDP205)と、
を備え、
前記表示用記憶手段は、デコード処理が実行されることにより作成された画像データが使用されることで一連の特別動画を表示させることを可能とする所定動画像データ(各種動画データ群261〜269)を予め記憶しており、
前記所定動画像データは、前記特別動画において対応する表示期間をそれぞれ異ならせて複数の特別単位動画像データ(動画像データ271a〜273c)を有しており、
前記特別単位動画像データは、前記デコード処理が実行されることにより作成される画像データの数が動画像データとして設定可能な最小数となるデータであることを特徴とする遊技機。
特徴K10によれば、所定動画像データによる動画の表示に切り換えることが可能なタイミングを多く設定することが可能となる。また、一度に読み出す動画像データのデータ量を少なくすることが可能となる。
なお、特徴K1〜K10のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B8、特徴C1〜C8、特徴D1〜D9、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G6、特徴H1〜H8、特徴I1〜I12、特徴J1〜J6、特徴K1〜K10のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組合せた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴J群及び上記特徴K群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。