JP6557737B2 - 質量スペクトルの検出及び解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は化学分析分野に関し、具体的には、質量スペクトルの検出及び解析方法に関する。
質量分析計(MS)は幅広く応用される化学分析装置であり、各分野に応用されている。ある質量分析計において、物質は、イオン源部分で、各種の手段により電荷を取得し又は失い(Ionization)、荷電イオンになり、次に質量電荷比(m/z)の異なる荷電イオンが異なる原理で分離し(Filtering)、次に検出器(Detector)に到着して、質量スペクトルを得る。質量スペクトルにおいて、物質を帯電させる方法が多く、ガスクロマトグラフィー質量スペクトル用の方法は電子イオン化(Electron Ionization、EI)、化学イオン化(Chemical Ionization、CI)が挙げられ、液体クロマトグラフィー質量用の方法はエレクトロスプレーイオン化(Electrospray Ionization、ESI)、大気圧化学イオン化(Atmosphere Pressure Chemical Ionization、APCI)等が挙げられる。
質量スペクトルの解析、特に未知物質スペクトルへの解析が非常に重要である。従来の各種の質量スペクトルデータは、各種の経験を利用してスペクトルの解析を行う必要がある。例えば、主に揮発性物質を検出することに用いられるEI−MSは、いくつかのルール(例えば窒素ルール)を利用して、まず分子イオンピークを探し、次に同位体及びエネルギールールに基づいて各フラグメントの質量スペクトルピークの帰属を推定し、最終的に各質量スペクトルグラフが代表する物質の構造を得る。天然物、漢方薬において多くの未知成分がある。一方では、EI−MSスペクトルグラフにおいて、既知物に対して、従来技術は、主に質量スペクトルグラフ及びNISTデータベースのような質量スペクトルのデータベースを利用して照合し、次に成分構造情報を得る。しかし、漢方薬等の複雑な成分に対して、それに多くの異性体成分が含有されるため、それらの質量スペクトルフラグメントの位置の大部分が同じであり、いくつかの位置での存在度が異なるだけである。このような場合、純粋な物質の質量スペクトル及びNISTデータベースを照合して、そのような異性体を確定することは難しい。
液体クロマトグラフィー質量スペクトル(ESI−MS、APCI−MS等)及び固体クロマトグラフィー質量スペクトルにおいて、一般的な場合、物質が起電する過程に、割れることがなく、いくつかのイオン(Na、K、H)と錯体を形成し、ひいてはポリマーを形成し、且つ複数の電荷を持つようになる。従って、液体クロマトグラフィー質量スペクトルにおいて、一段質量スペクトル(MS)の質量スペクトルピークによりどんな化合物であるかを確定しにくく、定性を必要とすれば、多段質量スペクトル(MS)で多段破砕を行ってから、質量スペクトルピークが代表する化合物の情報を定性できる。
従来の質量スペクトル分析では、質量スペクトルグラフの解析は非常に専門的な学科であり、スペクトルの解析のルールが多いが、必要な学科知識の基礎が高く、関連する専門分野が広いため、堪能な人が少ない。従来の質量スペクトルの解析も、これらの原因により、コストが高く、質量スペクトルの解析の応用を制限する。
質量スペクトルにおいて、分子が質量分析計のイオン源に発生するイオン化及び分解は非常に複雑な過程であり、様々なイオンを生成する。質量スペクトルのイオン分解の過程は単分子反応であり、複雑な反応過程である。質量スペクトルのイオン分解ルールは、自体と環境の影響を受け、それが生じた分子イオン及びフラグメントイオンが自体構造と内部エネルギーの影響を受け、電荷が発生する過程と環境の影響をも受ける。例えばEI電圧、真空度、イオン加速電圧の大きさは、いずれもイオン分解の動力学過程に影響を与える。質量スペクトルにおいてイオン発生過程が非常に短く、ほぼ10ミリ秒ほどであり、従って実験の観点からその分解過程を取得することが非常に困難であり、通常の方法は、量子力学方法で解析することである。他の方法で質量スペクトルイオン分解の動力学過程を研究することは報道されていない。
分析機器及び各種の分析方法において、各種の数学的方法を応用して、分析における基線問題のような各種の問題を解決することを助ける。これらの数学的方法はケモメトリックス法と総称される。ケモメトリックス法を利用してこれらの質量スペクトルイオンの断片化過程(動力学過程)を解析することを助けることが、研究価値がある課題である。
質量スペクトルイオンの断片化過程を順調に把握することは、非常に重要な意味を有し、研究者が新しい化合物をより迅速で、簡単に発見することに寄与し、各種の化合物の構造情報を多く把握できるとともに、得られた各種の動力学情報により、各種の類似する化合物構造(例えば異性体)を区別でき、定性に寄与する。
[独立成分]
独立成分とは混合物におけるある成分、基又はフラグメントであり、その行動モードが他の成分、基又はフラグメントに干渉されていない。その行動モードは一貫し、その濃度変化によって被検出の幅(例えば存在度)が変化するだけであり、その特徴(例えば純粋なスペクトル)は変化しない。例えば、1つの混合物質量スペクトルにおいて、独立成分はその中の各純粋な成分であってもよく、その純粋なスペクトルが異なるサンプリング時間にいずれも一致し、他の成分の影響を受けない。1つの純粋な物質の質量スペクトルイオン分解過程において、独立成分はある独立した荷電した基又はフラグメントであってもよく、その質量と成分が固定であるため、それらの質量スペクトル(同位体ピークを含む)も固定である。数学の面から解釈すると、多くの独立成分を含む統合体は、その統合表象が各独立システムの線形加算であり、すなわち線形システムである。実際の線形システムは、電子サンプリング、データ処理等の過程に関連し、かつ各種のノイズの原因により、線形システムと多少異なる。
[エントロピー最小化アルゴリズム(Entropy Minimization Algorithms)]
ケモメトリックス法及び化学反応速度論は2つの学科であり、そのうちケモメトリックス法−エントロピー最小化アルゴリズムは、化学反応における中間産物の発見及び混合スペクトルの解析に用いられる。エントロピー最小化アルゴリズム(Entropy Minimization Algorithm、EMと略称)はShannon Entropy(シャノンエントロピー)から発展されてなる。Shannon Entropy原理は1948年非特許文献1に最初に発行され、それは情報分野の専門用語であり、ランダムパラメータの不確実性を測定することに用いられる。
非特許文献2はShannon Entropyを化学分析に最も早く適用し、2002年にBTEM (Band−Target Entropy Minimization)[非特許文献3]、すなわちバンド標的エントロピー最小化方法エントロピー最小化方法を発表した。該方法は赤外光スペクトルを利用し、ある密閉反応体系を研究することにより、異なる反応時間に赤外データサンプリングを行い、次にエントロピー最小化アルゴリズムを利用し、反応体系における各反応物と生成物の赤外スペクトルグラフを再構成する。
エントロピー最小化アルゴリズムは反応の動力学を研究できるが、該方法は主に混合スペクトルからその各成分の純粋なスペクトルを再構成することに用いられる。2003年に張華俊らはtBTEM方法(Weighted Two−Band Target Entropy Minimization[非特許文献4])を発表し、すなわち加重多重バンドターゲットエントロピー最小化方法であり、該方法は初めに質量スペクトルの解析に応用される。2006年に張華俊らはMREM(Multi−Reconstruction Entropy Minimization)方法[非特許文献5]、すなわち多重再構成エントロピー最小化方法を発表した。該方法はグローバル最適化方法の代わりに局所最適化方法を使用し、且つ検索範囲を手動に指定することを必要とせずに、純粋なスペクトルを自動的に検索する機能を真に実現する。
2009年にエントロピー最小化方法が紫外線スペクトルグラフ解析[非特許文献6]に順調に応用された。
C.E. Shannon、 The Bell System Technical Journal、 27 (1948) 379−423. Y.Z.Zeng、M.Garland、Analytica Chimica Acta、359(1998)303−310. W.Chew、E.Widjaja、M.Garland、Organometallics、21(2002) 1982−1990. H.J.Zhang、M.Garland、Y.Z.Zeng、P.Wu、J Am Soc Mass Spectrom、14(2003)1295−1305. H.J.Zhang、W.Chew、M.Garland、Applied Spectroscopy、61(2007)1366−1372. F.Gao、H.J.Zhang、L.F.Guo、M. Garland、Chemometrics and Intelligent Laboratory Systems、95 (2009)94−100. W.Chew、E.Widjaja、M.Garland、Organometallics、 21(2002)1982−1990. H.J.Zhang、 M.Garland、Y.Z.Zeng、P.Wu、J Am Soc Mass Spectrom、14(2003)1295−1305. H.J.Zhang、W.Chew、M. Garland、Applied Spectroscopy、61(2007)1366−1372.
従来の質量スペクトルの検出及び解析分野に存在している欠陥を克服するために、本発明は新たな質量スペクトルの検出及び解析方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、本発明に係る質量スペクトルの検出及び解析方法は、
質量分析計で検出する時の1つ又は複数のパラメータを摂動条件として用いて、前記摂動条件における1組の異なる数値を設定し、前記摂動条件の異なる数値条件下で検出対象の物質を前記質量分析計で検出し、1組の質量スペクトルデータを取得するステップ1)と、
ステップ1)で得られた1組の質量スペクトルデータをエントロピー最小化アルゴリズムにより計算して、前記質量スペクトルグラフにおける独立したイオン及びその動力学過程を得るステップ2)と、
ステップ2)で得られた独立したイオン及びその動力学過程に応じて質量スペクトル解析を行うステップ3)と、を含む。
前記摂動条件は電界強度、磁場強度、放射強度、真空度、衝突分子の大きさや種類、励起光源の波長又は強度等を含むが、それらに限定されるものではない。
前記ステップ2)の前に、ステップ1)で得られた1組の質量スペクトルデータをさらに前処理することをさらに含み、前記前処理は1組の質量スペクトルデータにおける単一質量スペクトルデータを線形変換する処理(例えば単位化処理等)である。前記前処理はノイズと背景の処理を行ってもよい。
本発明に記載された質量分析計はガスクロマトグラフィー−質量分析計又は液体クロマトグラフィー−質量分析計を含むが、それらに限定されるものではない。
前記質量分析計のイオン化方式は化学イオン化、電子イオン化、エレクトロスプレーイオン化又は大気圧化学イオン化等の通常のイオン化方法を含むが、それらに限定されるものではない。
従来の質量スペクトル分析において、通常、ある帯電モード(例えばEI、CI、APCI、ESI)で、固定のパラメータで検出対象の物質を検出して、質量スペクトルグラフ(本発明では「1次元質量スペクトル」と呼ばれる)を得る。しかしながら、同一帯電モードで、異なるパラメータ設定で、各物質は化学結合エネルギー及び空間構造が異なるため、その帯電、割れの方式も異なる。例えばベンゼン環構造は長鎖構造アルカンより破砕しにくく、同一パラメータ設定で、1次元スペクトルグラフにおいてベンゼン環と長鎖アルカンを区別できない。しかし、一連の異なるパラメータ設定で分析すると、ベンゼン環と長鎖アルカンが異なる摂動条件下で破砕されるため、ベンゼン環であるか、又は長鎖アルカンであるかを容易に知ることができる。異なる摂動条件下で、同一物質の破砕過程に対する研究は、質量スペクトル破砕動力学研究と呼ばれる。
EI−MS分析において、EV電圧が高すぎて(例えば100V)、分子が破砕されやすく、その分子イオンピークを基本的に検出できず、同時にEV電圧が高すぎるため、フラグメントが低m/z領域に集中し、照合と定性に不利である。EV電圧が低すぎる場合(例えば10V)で、分子イオンを取得しやすく、しかし、フラグメントが少なく、且つ応答が低いため、照合と定性に不利である。従って、通常にEV電圧を最適化された70Vほどに設定する。
EI−MSを例として、1次元質量スペクトルは1)〜3)の問題を有する。1)不安定で、極性が強く、分子量が大きいという分子に対して、デフォルトEVで、分子イオンピークを取得しにくい。2)1次元質量スペクトルにより質量スペクトルにおけるあるイオンピークの変化過程を取得できない。3)多くの場合、特に物質の分子量が大きい場合で、それらの多くのイオンフラグメントの親分子量の差が非常に小さく、さらに各フラグメントの同位体ピークにより、これらのイオンの質量スペクトルピークが相互に重なり、これらのピークがどんなフラグメントにより引き起こされたかを判断しにくい。3)1次元質量スペクトルにより、物質が異なるパラメータで破砕する動力学過程を取得しにくい。
同様に、MSの1次元質量スペクトルにおいて、類似する現象もある。通常に、重なりピークの干渉により、多段階質量スペクトルを行って、深く破砕して分析することを必要とする。
本発明の方法により、あるモードで異なるパラメータ設定での1組の質量スペクトルグラフ(本発明では「2次元質量スペクトル」と呼ばれる)を得て、それにより、各イオンの変化過程を取得できる。あるフラグメントイオンに対して、それらの親イオン及び同位体イオンが必ず所定の比例を維持するため、同一フラグメントイオンの1つのクラスタピークは、異なる条件でのスペクトルグラフにおいて、独立成分である。分子量の近いアルカン又はアルケンフラグメントに対して、その行動が独立であるため、それらのいくつかの同位体ピークが重なっても、2次元質量スペクトルにおいて、識別できる。ある独立したイオン(その同位体ピークを含む)が確定されると、その同位体ピークの存在度と質量電荷比を迅速に利用して、該独立したイオンのイオン式(分子式と類似する)を取得できる。ある物質の各独立したイオンはいずれもイオン式を得ると、該物質の分子式を早くまとめることができる。
さらに、分子における各基、その結合エネルギー及び空間構造が異なるため、異なるパラメータで、その表現行動が異なる。2次元質量スペクトルにより、各独立基の破砕動力学過程が異なることにより、各独立基を識別できる。質量スペクトル分析において、多くの異性体、又は同族体は、その分子の多くの基が同じであり、それらの一次元質量スペクトルグラフの相違が顕著ではなく、異性体と同族体を識別しにくい。しかし異性体の空間構造が異なるため、それらの動力学過程も異なり、それらの一次元質量スペクトルの細かい差別と合わせると、これらの異性体と同族体を定性できる。
本発明に係る検出及び解析方法は、質量スペクトル分析において、あるパラメータを変更することにより1種又は複数種の摂動を増加させ、2次元質量スペクトルを得て、次にエントロピー最小化アルゴリズムにより2次元質量スペクトルを解析して、各独立成分(イオン)及び対応する濃度変化(動力学過程)を発見する。発見した各種の独立成分及びそれらの動力学過程を利用し、使用者はこれらの独立したイオンの質量スペクトルピーク(ベースピークと同位体ピーク)に基づいてこれらの独立したイオンの化学構造式を推定し、さらに検出対象の物質全体の構造式を推定することができる。さらに、使用者はこれらの独立したイオンの動力学過程に基づいて異性体を区別して、該分子における結合の結合エネルギーの大きさ及び可能な空間構造を判断することができる。
従来技術と比べて、本発明に係る検出及び解析方法は、検出対象の物質に対して、それらは既知であるか、又は未知であるかに関わらず、定性分析を迅速で、正確に行うことができ、特に、いくつかの従来の質量スペクトル技術により区別しにくい異性体、同族体等に対して、本発明に係る方法は動力学過程の相違によりそれを分離して、さらにこれらの物質を定性することができる。本発明に係る検出及び解析方法は操作しやすく、分析結果が正確であり、非常に高い応用将来性を有する。
本発明の実施例1によるEV=30Vでのジクロロメタンの全イオン電流を示す図である。 図1における異なる保持時間に得られた質量スペクトルデータを簡単に加算した後の質量スペクトルデータを示す図である。 本発明の実施例1による13個の異なるEV電圧で得られた質量スペクトルを示す3次元図である。 図3の最高ピークを単位化した後の13個の質量スペクトルを示す3次元図である。 本発明の実施例1における基準ピークCHCl のイオン質量スペクトルピークを示す図である。 本発明の実施例1における基準ピークCHClのイオン質量スペクトルピークを示す図である。 本発明の実施例1における最高ピークを単位化した後の、2次元質量スペクトルグラフを示す図である。 本発明の実施例1における最高ピークを単位化した後の、独立したイオンの反応動力学過程を示す図である。 本発明の実施例1における別の方式でフルスペクトルグラフの最高ピークを単位化した後の、2次元質量スペクトルグラフを示す図である。 本発明の実施例1における別の方式でフルスペクトルグラフの最高ピークを単位化した後の、独立したイオンの反応動力学過程を示す図である。 本発明の実施例3における異なるCID電圧で得られたMSスペクトルグラフを示す図である。 本発明の実施例3における再構成により得られた独立したイオンA、B、Cに対応する各再構成濃度、総再構成濃度及び実際濃度を示す図である。 本発明の実施例3における再構成により得られた独立したイオンAの質量スペクトルグラフを示す図である。 本発明の実施例3における再構成により得られた独立したイオンBの質量スペクトルグラフを示す図である。 本発明の実施例3における再構成により得られた独立したイオンCの質量スペクトルグラフを示す図である。 発明の実施例3におけるスルファドキシンの分子式及びMS分析において同時に分解した各イオンの化学式を示す図である。 本発明の質量スペクトル検出及び解析の過程を示す概略図である。
以下、実施例を参照しながら本発明を詳細に説明し、それにより本発明の特徴と利点がより明らかになる。ただし、実施例は本発明の発想を理解するためのものに過ぎず、本発明の範囲は本明細書に示される実施例に限定されるものではない。
特に明記しない限り、本発明に用いる用語はいずれも当業者が通常に理解する意味である。
図12に示されるように、検出対象の物質(未知物又は既知物を含む)を検出して解析する時、まず質量分析計に1つ又は複数の摂動パラメータ条件(すなわち上述の摂動条件)を設定し、且つ該摂動条件に対応する1組の異なる数値を設定し、該異なる数値条件下で質量分析計を用いて検出対象の物質に対して質量スペクトル分析を行い、1組の質量スペクトルデータを取得するステップと、
次に取得された1組の質量スペクトルデータ(2次元質量スペクトルデータ)をエントロピー最小化方法により計算し、前記質量スペクトルグラフにおける独立したイオン及びその動力学過程を得るステップと、
その後、得られた独立したイオン及びその動力学過程に対して質量スペクトル分析を行い、検出対象の物質の分子構造を取得するステップと、を用いる。
同時に、いくつかの応答値の小さい質量スペクトルデータに対して、エントロピー最小化方法により良好に解析するために、簡単で、通常のデータ前処理を行って、1組の質量スペクトルデータにおける単一質量スペクトルデータに対して線形変換処理(例えば単位化処理等)、又はノイズと背景の処理を行う必要がある。
本発明に係る検出及び解析方法は、質量スペクトル分析において、あるパラメータを変更することにより1種又は複数種の摂動を増加させ、2次元質量スペクトルを得て、次にエントロピー最小化アルゴリズムにより2次元質量スペクトルを解析して、各独立成分(イオン)及び対応する濃度変化(動力学過程)を発見する。発見した各種の独立成分及びそれらの動力学過程を利用し、使用者はこれらの独立したイオンの質量スペクトルピーク(ベースピークと同位体ピーク)に基づいてこれらの独立したイオンの化学構造式を推定し、さらに検出対象の物質全体の構造式を推定することができる。さらに、使用者はこれらの独立したイオンの動力学過程に基づいて異性体を区別して、該分子における結合の結合エネルギーの大きさ及び可能な空間構造を判断することができる。
(実施例1)
機器及び化学品:ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−EI−MS)、ジクロロメタン及び他の成分の混合物。
実験条件:同じ実験条件下で、EV電圧(EV=10〜70V、間隔が5Vであり、総計で13回実験する)で、等量の混合物に対してGC−EI−MS分析を行い、総計で13個の実験データを得る。図1、2に示されるように、それはEV=30Vの実験データを示し、すなわち通常検出に記載された「一次元質量スペクトル」である。
データ処理:それぞれの実験データにおいて、ジクロロメタンの保持時間に基づき、同じ保持時間範囲内に、実験で得られた各異なる保持時間での質量スペクトルデータを簡単に加算し、最終的に1つの質量スペクトルデータを得る。13個のGC−MSデータにおいて、最終的に得る13個の質量スペクトルデータを得る。この13個のデータを統合し、エントロピー最小化アルゴリズムを利用して解析する。
図3から分かるように、GC−MSはEVが小さい場合、そのフラグメントイオンの存在度が非常に小さく、EVイオンが大きい場合、そのフラグメントイオンの存在度が大きい。発明者は、EV=10Vでの総存在度が9.872E5であり、EV=50Vの場合、その存在度が5.265E7であり、EV=10Vでの存在度の53倍であることを発見した。このようなデータに基づき、エントロピー最小化アルゴリズムは各独立したイオンを確実に解析できない。その原因として、EVが小さい場合、そのイオンの存在度が非常に小さく、その変化が高EVにおけるイオン変化に比べて、無視でき、すなわちマスキングされる。すなわち、イオンはEVが小さい場合でどのように変化しても、その変化がイオンの高EV場合での変化に対して、無視できる。
このような問題を解決するために、異なるEV条件下での各質量スペクトルに対して、その存在度の最も高い値を利用して、それ自体を単位化し、すなわち単位化後の質量スペクトルは、そのイオンの最高ピークがいずれも数値1又はある固定の数値であり、他のイオンピークの高さがそれに従って変化し、図4に示される。
エントロピー最小化アルゴリズム(例えば、非特許文献7、非特許文献8及び非特許文献9)を利用して、その中の独立成分の純粋なスペクトルを発見でき、計算により、2つの独立基イオンを発見し、次に同位体ピークの強度比演算方法を利用して、それらの同位体ピークの存在度分布及びm/zの値に基づき、最終的にそれらがCHCl 及びCHClであると判定し、図5A、図5Bに示される。
独立したイオンCHCl 又はCHClの1つのクラスタ質量スペクトルピークは、一次元質量スペクトルにおいて、多くのピークを有するため、分析される化合物が未知であると、1種のイオンで形成される1つのクラスタピークであるか、異なるイオンで形成される1つのクラスタピークであるかを判断できない。使用者は2つの異なるイオンで形成される1つのクラスタピーク、例えば同一炭素原子数を含有する飽和アルカンのフラグメントイオンピーク及び1つの二重結合を含有するアルケンフラグメントイオンピークであると考えることができる。一次元質量スペクトルにおいて、独立したイオンを判断できないため、その可能なイオン分子量を利用してどのイオン(例えば基準ピークが28の質量スペクトルピークは、CO又はN のピークである可能性がある)であるかを判断できない。
しかし、エントロピー最小化アルゴリズムの解析により、独立したイオンCHCl 又はCHClの1つのクラスタピークで、1種のイオンの質量スペクトルピークであると確定でき、その同位体ピークの分布及びm/zの値に基づき、経験が豊富な使用者はすぐ元素塩素(Cl)を含有するイオンであると知ることができ、さらにイオンCHCl 又はCHClであることを知る。経験のない使用者もサードパーティソフトウェア(例えばNIST14)を利用して、m/zの値及びピークの分布を照合することにより、イオンCHCl 又はCHClであるかを判断できる。これらの独立したイオンの構造情報、及び得られた分子イオンピークに基づき、該化合物がCHClであることを知ることができる。
しかし、最高ピークを簡単に利用して各一次元スペクトルグラフを単位化する場合、その動力学結果の物理的意味が顕著ではない。図6A、図6Bは各独立フラグメントのEV変化での動力学過程を示す。最高ピークをいずれも1に単位化したため、CHClの再構成「濃度」が基本的に直線である。いくつかの問題を説明できるが、実際の物理的意味が明らかではない。
別の単位化方法を用い、すなわち各異なるEVでの一次元質量スペクトルグラフに対して、そのすべてのデータチャネルの値を加算し、次に加算した値をすべて1又はある特定の数値に変更し、該数値を利用して各データチャネルの値を単位化する。このような単位化方法で、いずれかの独立したイオンの濃度はそのすべての独立したイオンに占める百分率とみなしてもよい。このような単位化方法により、それらの2次元質量スペクトルデータは図7A、図7Bに示される。エントロピー最小化アルゴリズムを応用して得られた独立したイオンの動力学過程は図7A、図7Bに示される。
確認できるように、ジクロロメタンは質量スペクトルにおいて、その分子イオン(CHCl )の百分率濃度がEVの増加に伴って、減少し始め、EV=30ほどになると、増加し始める。逆に、子イオンCHClの濃度がまず増加し、その後に減少する。このような動力学過程は、原因としてEVが低い場合で、衝突エネルギーが低いため、分子を帯電させることができるが、分子が破砕できない。しかしエネルギーの増加に伴って、分子が破砕でき、従ってイオンCHClの濃度が増加し始め、分子イオンCHCl が減少し始める。EVの継続増加に伴って、CHClイオンがより高いエネルギーの電子により破砕され、その濃度が小さくなる。従って異なるEV条件での独立したイオン反応動力学に基づき、分子の質量スペクトルにおける破砕過程を取得できる。異性体に対して、その空間構造が異なり、結合ビットが異なり、結合エネルギーが異なるため、その破砕動力学も相違を有し、それらを区別できる。
さらに、通常のEV=70Vの条件下で、多くの分子量の大きい物質は、質量スペクトルにおいて破砕されやすく、従って完全な分子イオンピークを取得しにくく、低EVの場合で、分子イオンピークを取得しやすい。さらに、一次元質量スペクトルにおいて、ある時、背景の干渉により、分子イオンピークの質量電荷比より大きいピークが発生する場合があり、従って判断しにくい。EVを変更する方法をEMと合わせて使用すると、独立したイオン及びその動力学を知ることができるだけでなく、分離イオンピークを容易に取得し、且つ背景干渉を除去し、分子イオンピークを早めに判断することができる。
同様に、液体クロマトグラフィー質量スペクトルにおいて、一次元質量スペクトルにおけるいくつかの未知物の質量スペクトルピークは、破砕された後(例えばタンデム質量スペクトル分析又はイオントラップ質量スペクトル分析を使用し)、多くのフラグメントイオンの質量スペクトルが発生し、その加速電圧等を変更すると、2次元質量スペクトルを形成できる。数学の面から、液体クロマトグラフィーの2次元質量スペクトル及びGC−EI−MSの2次元質量スペクトルは、EM方法に対して、同じであり、同様な動力学解析として、独立したイオン及び動力学等の情報を取得でき、次に各独立したイオンの情報を統合し、親イオンの情報にまとめる。
(実施例2)
一台のEI−MS機器において、純粋なジクロロメタンをマイクロインジェクションポンプで質量分析計にゆっくりと直接インジェクションし、同時にEVの電圧を変更し、他の実験条件は実施例1の実験条件と一致である。複数回のサンプリング分析を行った。次に異なるEV条件でのデータを収集した後、EMの計算により、その独立したイオン及びそれらの反応動力学を得た。
今回の実験は、結果が実施例1における結果と一致している。独立したイオンCHCl 及びCHCl、及びそれらの動力学過程を発見した。
(実施例3)
一台の液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化(ESI)のタンデム質量スペクトル分析において、スルファドキシン溶液をインジェクションポンプで質量スペクトルに直接注入して分析した。試料注入レートが100μL/minである。スルファドキシン溶液の溶媒が50%のメタノール−水溶液であり、スルファドキシンの濃度が1.0μg/mLである。質量スペクトル検出モードがESI+である。
異なる衝突誘起解離(CID)の衝突エネルギー下(10−80eV、間隔が5eVである)で、スルファドキシンの親イオンを解離して、その子イオンのMS質量スペクトルを走査して記録し、最終的に15個のMSスペクトルグラフが収集され、それらのスペクトルグラフは図8に示される。
本実施例におけるMSスペクトルグラフは、インジェクションポンプで等速に注入されるので、親イオンの濃度が変わらず、後続に親イオンが解離されるため、その非帯電粒子及び負帯電粒子が記録できず、従って存在度全体が解離エネルギーの増加に伴って減少する。この過程はガスクロマトグラフィー質量スペクトル分析におけるEVの大きさを変更することにより2次元質量スペクトルを得る過程と異なり、それが生じたデータを単位化する必要がない。
図9に示されるように、単位化されてない2次元MSデータにおいて、EMアルゴリズムを応用して、その独立したイオンA、B、C及びそれらの動力学変化過程を得た。そのうち総再構成濃度は各再構成濃度A、B、Cの総和である。各再構成濃度に対応する再構成された独立したイオンのスペクトルグラフは図10A、図10B、図10Cに示される。
図9から分かるように、この解離過程は明らかに3つのステップを有し、その動力学が非常に明らかになり、AがBを生成し、次にBがCを生成する。
(1)親イオンAの分解
親イオンが解離電圧の増加に伴って、4つの主な二次イオンBに分解され、25eVになる時、ほぼ完全に分解された。
(2)二次イオンBの発生及び分解
親イオンAの分解に伴って、Aは4種の二次イオンに同時に分離され、この4つのイオンはいずれも親イオンから分離され、且つ一致する割合を維持し、従って独立したクラスタとして再構成され、解離電圧の継続増加に伴って、Aの減少及びBの分解により、Bが20eVほどに最も多くなり、次に減少し始め、45eVになる時、完全に分解された。
(3)三次イオンCの発生及び分解
確認できるように、Cの発生がBの分解により引き起こされ、Bの分解に伴って、Cが後(20eV)に増加し始め、Bの分解の増加に伴って、Cも増加し始め、同時にBにおける各イオンが同時に分解して、多くの異なるフラグメントイオンが発生するため、三次イオンの種類が多い。
該結果によれば、親イオンAは4つの子イオンに同時に分解されることを明らかに示す。これは、一次元MS質量スペクトルにおいて発見できない。この4つの子イオンの質量電荷比がそれぞれ108、156、218及び245である。スルファドキシンの分子式及び各イオンの化学式は図11に示される。
二次イオンBの各成分のピークの高さの割合に基づき、Bにおける各イオンの割合百分率は、以下である。
m/z=108、12.7%。m/z=156、73.1%。m/z=218、5.1%。m/z=245、9.1%。
これらの割合はAが生成したBにおける各イオンの割合である。使用者はこれらの割合情報及び動力学結果に基づき、通常の技術に応じてさらに分析して、より多くの情報を取得し、それにより検出対象の物質の構造等を得ることができる。
三次イオンCにおいて、その最大のイオンピークがm/z=108であり、二次イオンBにおける最小ピークと同じであり、この結果によれば、アルゴリズムが重なりピークを処理できることを示す。該結果は、二次イオンにおけるm/z=218及び245の構造式が正確であることをも示し、なぜかというと、それらはいずれもm/z=108の断片を含有するからである。
本発明に説明された実施形態は例示するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、当業者は本発明の範囲内に各種の他の置換、変更及び改良を行うことができ、例えば、本分野の他の研究者は本発明の構想を参考にして又は利用し、多次元質量スペクトル及び他のアルゴリズムを利用して、その独立したイオンに対して動力学分析を行い、且つ同じ効果を達成することができる。従って、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲のみにより限定される。
(付記1)
質量分析計で検出する時の1つ又は複数のパラメータを外乱条件として用いて、前記外乱条件における1組の異なる数値を設定し、前記外乱条件の異なる数値条件下で検出対象の物質を前記質量分析計で検出し、1組の質量スペクトルデータを取得するステップ1)と、
ステップ1)で得られた1組の質量スペクトルデータをエントロピー最小化アルゴリズムにより計算して、前記質量スペクトルデータにおける独立したイオン及びその動力学過程を得るステップ2)と、
ステップ2)で得られた独立したイオン及びその動力学過程に応じて質量スペクトル解析を行うステップ3)と、を含む質量スペクトルの検出及び解析方法。
(付記2)
前記外乱条件は電界強度、磁場強度、放射強度、真空度、衝突分子の大きさや種類、励起光源の波長又は強度のうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記3)
前記ステップ1)は前記質量スペクトルデータに対してデータ前処理を行うことをさらに含むことを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記4)
前記データ前処理は単一の質量スペクトルデータを線形変換することを含むことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記5)
前記データ前処理はノイズ除去及び背景処理を含むことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記6)
前記ステップ2)及びステップ3)に記載の各独立したイオンの動力学過程が各独立したイオンの濃度に対応して変化することを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記7)
前記ステップ3)は、解析して前記独立したイオンの構造を得て、さらに前記検出対象の物質の構造を得ることを含むことを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記8)
前記ステップ3)は、各独立したイオンの質量スペクトルピークに基づいて各独立したイオンの化学構造式を推定し、さらに検出対象の物質の構造式を推定することをさらに含み、前記質量スペクトルピークはベースピーク及び/又は同位体ピークを含むことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記9)
前記ステップ3)は、各独立したイオンの動力学過程に基づいて異性体を区別し、さらに検出対象の物質の分子における結合の結合エネルギーの大きさと空間構造を判断することをさらに含むことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記10)
前記質量分析計はガスクロマトグラフィー−質量分析計又は液体クロマトグラフィー−質量分析計を含むことを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記11)
前記質量分析計のイオン化方式は化学イオン化、電子イオン化、エレクトロスプレーイオン化又は大気圧化学イオン化方式を含むことを特徴とする付記7に記載の方法。

Claims (13)

  1. 検出対象として独立成分を質量分析計で検出する時の1つ又は複数のパラメータを摂動条件として用いて、前記摂動条件における1組の異なる数値を設定し、前記摂動条件の異なる数値条件下で検出対象の物質を前記質量分析計で検出し、前記独立成分の、前記摂動条件の異なる数値条件下での1組の異なる質量スペクトルデータを取得するステップ1)と、
    ステップ1)で得られた1組の異なる質量スペクトルデータをエントロピー最小化アルゴリズムにより計算して、前記質量スペクトルデータにおける検出対象のフラグメントから構成される、独立したイオン及びその破砕動力学変化過程を得るステップ2)と、
    ステップ2)で得られた独立したイオン及びその破砕動力学変化過程に応じて質量スペクトル解析を行うステップ3)と、を含む質量スペクトルの検出及び解析方法。
  2. 前記摂動条件は電界強度、磁場強度、放射強度、真空度、衝突分子の大きさや種類、励起光源の波長又は強度のうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップ1)は前記質量スペクトルデータに対してデータ前処理を行うことをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記データ前処理は単一の質量スペクトルデータを線形変換することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記データ前処理はノイズ除去及び背景処理を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記ステップ2)及びステップ3)に記載の各独立したイオンの破砕動力学変化過程が各独立したイオンの濃度に対応して変化することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記ステップ3)は、解析して前記独立したイオンの構造を得て、さらに前記検出対象の物質の構造を得ることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記ステップ3)は、各独立したイオンの質量スペクトルピークに基づいて各独立したイオンの化学構造式を推定し、さらに検出対象の物質の構造式を推定することをさらに含み、前記質量スペクトルピークはベースピーク及び/又は同位体ピークを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記ステップ3)は、各独立したイオンの破砕動力学変化過程に基づいて異性体を区別し、さらに検出対象の物質の分子における結合の結合エネルギーの大きさと空間構造を判断することをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  10. 前記質量分析計はガスクロマトグラフィー−質量分析計又は液体クロマトグラフィー−質量分析計を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記質量分析計のイオン化方式は化学イオン化、電子イオン化、エレクトロスプレーイオン化又は大気圧化学イオン化方式を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  12. 前記独立成分は、混合物中の独立成分であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記独立成分の、前記摂動条件の異なる数値条件下での1組の異なる質量スペクトルデータを取得するステップ1)において、m/z、摂動条件及び強度をそれぞれ軸とする3次元質量スペクトルグラフを得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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