JP6557110B2 - 状態診断装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、振動データに基づいて鉄道車両の駆動用機器の状態を診断する状態診断装置等に関する。
鉄道車両は、安全性の維持のために定期検査等が行われる。また、運行中の異常を速やかに検知し事故を未然に防ぐことを目的として、鉄道車両に搭載されている各種機器や部品の状態を監視する技術が開発・実用化されている。状態監視の手法としては、診断対象の機器や部品それぞれに、温度センサや振動センサといった各種センサを取り付ける手法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−148466号公報
検査対象となる機器のうち、鉄道車両において特に重点的に検査される機器は駆動用機器である。鉄道車両の駆動用機器としては、電気車の場合には、主電動機と減速機、気動車の場合には、ディーゼルエンジンや変速機、減速機、推進軸といった回転機械が用いられている。これらの駆動用機器は、故障を起こすと列車の安全で正常な運行を妨げることになる重要な機器であるため、その異常を早期に検知して、故障や破損を未然に防ぐことが重要である。また、駆動用機器に発生し得る故障には様々な種類があるが、疑わしい異常が発生した場合には、故障に至る前に、見逃すこと無く確実に検知することが望まれる。このため、単に故障の発生を検知するのみではなく、故障に至る前の異常の段階で検知すること、どのような種類の故障が起きているのか、起きそうなのかについても判定することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記の課題を解決する一助となる、鉄道車両の駆動用機器についての新たな診断技術を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知するための振動センサによって検知された振動データがオクターブバンド分析された分析結果(例えば、図2のオクターブバンド分析結果12)を、前記鉄道車両の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約する集約手段(例えば、図11のコンターマップ生成部204)と、
前記集約手段の集約結果(例えば、図2のコンターマップ14)が、前記駆動用機器のN種類の既知状態(N≧1)それぞれの集約結果基準データ(例えば、図2の学習データ20)に適合するか否かを判別する判別手段(例えば、図11の正常判定部210、故障判定部214)と、
を備えた状態診断装置である。
また、他の発明として、
コンピュータを、
鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知するための振動センサによって検知された振動データがオクターブバンド分析された分析結果を、前記鉄道車両の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約する集約手段、
前記集約手段の集約結果が、前記駆動用機器のN種類の既知状態(N≧1)それぞれの集約結果基準データに適合するか否かを判別する判別手段、
として機能させるためのプログラム(例えば、図11の状態診断プログラム302)を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知した振動データに基づいて、駆動用機器の状態が、N種類の既知状態の何れかであるかを診断するこができる。振動データに基づく既知状態の判別は、振動データをオクターブバンド分析した分析結果を、鉄道列車の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約した集約結果が、N種類の既知状態それぞれの集約結果基準データに適合するか否かによって行われる。駆動用機器の既知状態の集約結果基準データとして、正常状態、及び、複数種類の故障状態のデータを用意することで、故障の発生を検知するとともに、発生した故障の種類を診断することができる。また、正常状態ではないが、故障に至る前の不調状態、例えば摺動部品が摩耗した状態のデータを用意することで、故障につながる状態になっていることを検知することができる。
また、駆動用機器の多くは回転機械であるため、その異常は振動に表れると推定される。このため、駆動用機器の近傍に振動センサを設けるといった簡易な構成で、駆動用機器の状態監視を実現することができる。
第2の発明として、第1の発明の状態診断装置であって、
前記集約結果基準データを記憶する記憶手段(例えば、図11の記憶部300)と、
前記判別手段により何れの前記集約結果基準データにも適合しないと判別された場合に、ユーザの操作入力に従って、当該判別された集約結果のデータを、新たな既知状態と対応付け、新たな集約結果基準データ(例えば、図3の学習データ[故障zn+1]24_n+1)として前記記憶手段に記憶させる追加手段(例えば、図11の故障データ追加部216)と、
を更に備えた状態診断装置を構成しても良い。
この第2の発明によれば、振動データから判別される駆動用機器の状態が何れの既知状態でもない、すなわち未知の状態である場合には、振動データに係る集約データが、ユーザの操作入力に従って、例えば原因調査によって明らかとなった新たな既知状態と対応付けて新たな集約結果基準データとして記憶される。これにより、駆動用機器の状態として未知の状態と判別されたときに、その状態を新たな既知状態とすることができ、既知状態の種類を増やすことができるため、以降において、より多くの状態を検知・診断することができるようになる。
第3の発明として、第2の発明の状態診断装置であって、
前記追加手段は、前記判別手段により適合すると判別された場合に、当該判別された集約結果のデータを、当該適合すると判別された種類の既知状態と対応付けて、新たな集約結果基準データとして前記記憶手段に記憶させる、
状態診断装置を構成しても良い。
この第3の発明によれば、振動データから判別される駆動用機器の状態が何れかの既知状態である場合に、振動データに係る集約データが、判別した既知状態と対応付けて新たな集約結果基準データとして記憶される。これにより、以降における診断の精度を向上させることができる。
第4の発明として、第1〜第3の何れかの発明の状態診断装置であって、
前記判別手段は、
前記集約手段の集約結果を主成分分析する主成分分析手段と、
前記主成分分析の結果が、前記集約結果基準データに適合するか否かを分類する分類手段と、
を有する、
状態診断装置を構成しても良い。
この第4の発明によれば、振動データに基づく既知状態の判別は、集約結果を主成分分析し、この主成分分析結果が集約結果基準データに適合するか否かによって行われる。集約結果に対する主成分分析によって、演算効率の良い診断とし、診断の高速化を図ることができる。
第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明の状態診断装置であって、
前記集約手段は、時間的に前後の前記振動データに係る分析結果を比較し、定常状態の分析結果を抽出する抽出手段を有し、前記抽出手段により抽出された分析結果を集約する、
状態診断装置を構成しても良い。
この第5の発明によれば、所定の単位期間毎の振動データに対するオクターブバンド分析の分析結果のうち、定常状態の分析結果のみを抽出して集約することができる。これにより、既知状態の診断の精度を向上させることができる。
状態診断システムの概略構成図。 状態診断の概要図。 状態診断の詳細図。 オクターブバンド分析の説明図。 コンターマップの説明図。 コンターマップの生成の説明図。 定常状態におけるオクターブバンド分析結果の抽出の説明図。 コンターマップの一例。 コンターマップの差の一例。 状態診断の全体手順の説明図。 状態診断装置の機能構成図。 状態診断処理のフローチャート。
[原理]
(A)システムの概要
図1は、本実施形態の状態診断システム1の適用例である。図1に示すように、状態診断システム1は、振動センサ3と、状態診断装置5と、を備えて構成され、鉄道車両7に搭載されて使用される。鉄道車両7は、本実施形態では電気車とするが、気動車であってもよい。振動センサ3は、診断対象となるモータ(主電動機)や減速器等の駆動用機器の近傍に設置され、駆動用機器の動作によって生じる振動を検知する。図1では台車に設置する例を示している。状態診断装置5は、振動センサ3によって検知された振動データに基づき、診断対象である駆動用機器の状態(正常や故障等)を診断する。なお、鉄道車両7がディーゼル車の場合、ディーゼル機関(エンジン)や変速機、減速機等が、診断対象の駆動用機器となる。
(B)状態監視の概要
図2は、状態診断装置5による状態診断の流れの概要図である。状態診断装置5は、振動センサ3で検知された振動データ10に基づき、1クラス分類器30を用いて、駆動用機器の動作状態を診断する。すなわち、振動データ10に対するオクターブバンド分析を行い、そのオクターブバンド分析結果12を鉄道車両の走行速度別に集約したコンターマップ14を生成する。次いで、このコンターマップ14に基づく主成分分析を行って、特徴ベクトル16を算出する。そして、この特徴ベクトル16をテストデータとし、所与の“状態Z”に対応付けられた学習データ20に基づく1クラス分類器30によって、特徴ベクトル16が学習データ20に適合するか否か、すなわち、駆動用機器の動作状態が“状態Z”であるか否かを判断する。
1クラス分類器30は、機械学習の結果として生成される分類器(判別器)の一種であり、テストデータが所与の学習データのクラスに分類されるかを判断する。本実施形態では、学習データ20は、既知の“状態Z”のときの振動データに対するオクターブバンド分析結果を走行速度別に集約した集約結果基準データに相当し、当該振動データに基づく特徴ベクトルの集合とすることで、振動データを得たときの状態が“状態Z”であるか否かを判断する。
(C)状態監視の手順
図3は、状態診断装置5による状態診断の詳細図である。図3に示すように、状態診断装置5は、得られた振動データに基づく特徴ベクトル(以下、振動データと特徴ベクトルとを含めてテストデータ18という)を、1クラス分類器を用いて、予め記憶した学習データ20と適合するかを判定することで、診断対象の状態を判定する。
学習データ20は、診断対象である駆動用機器が既知の状態であるときの振動データに基づく特徴ベクトルの集合であり、状態が“正常”のときの学習データ[正常]22と、状態が“故障”のときの学習データ[故障]24と、がある。また、駆動用機器の故障は複数種類あり、故障の種類毎に学習データ[故障]24が用意されている。図3では、n種類の故障z(i=1,2,・・,n)それぞれについての学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)が用意されている。なお、故障に至る前の不調状態のデータを学習データとして用意することで、故障に至る前の不調状態の診断をすることができる。
状態診断の手順としては、先ず、学習データ[正常]22を用いて、テストデータ18が学習データ[正常]22と適合するかを判定する。適合するならば、診断対象の駆動用機器の状態は“正常”と判定する。そして、テストデータ18を、学習データ[正常]22に追加する。
適合しないならば、続いて、複数の学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)それぞれを用いて、テストデータ18が学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)それぞれと適合するかを判定する。何れかと適合すると判定したならば、診断対象の駆動用機器の状態は、適合すると判定した学習データ[故障z]24_iに対応する“故障z”と判定する。そして、テストデータ18を、判定した故障zに対応する学習データ[故障z]24_iに追加する。また、テストデータ18が何れの学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)とも適合しないならば、既知の故障zとは異なる新たな種類の“故障zn+1”と判定する。そして、例えば、原因調査によって“故障zn+1”の内容が判明すると、テストデータ18をその“故障zn+1”と対応付けて、新たな学習データ[故障zn+1]24_n+1として生成・記憶する。
(D)特徴ベクトル
振動データに基づく特徴ベクトルの算出としては、先ず、振動データに対するオクターブバンド分析を行う。図4は、振動データに対するオクターブバンド分析の説明図である。図4に示すように、振動データ10に対するオクターブバンド分析が所定のフィルタ処理によって連続的に行われ、オクターブバンド分析結果の記録を、所定の単位期間Δt(例えば、1秒)毎に行うことができる。その結果、単位期間Δt別のオクターブバンド分析結果12として、周波数帯域(オクターブバンド)に対する振動の大きさ(オクターブバンドレベル)が得られる。またこのとき、オクターブバンド分析を行った期間における鉄道車両の走行速度の平均(平均速度)を、当該オクターブバンド分析結果12に対応する走行速度とする。なお、ここで“単位期間”とは、一般的な意味では単位時間と同じであるが、各単位時間の時刻(タイミング)を峻別する意味で“単位期間”と称して説明する。
なお、記録しておくデータとしては、データ量の削減の観点から、走行中にリアルタイムにオクターブバンド分析を行い、振動データ10を記録せずに、単位期間Δt毎のオクターブバンド分析結果のみを記録する方法が好適である。しかし、説明の簡明化のため、本実施形態では、1回の走行に係る振動データ10を記録しておき、事後的に単位期間Δt毎にオクターブバンド分析を行うこととして説明する。勿論、振動データ10の代わりに、オクターブバンド分析結果を記録することとしてもよい。
次いで、これらの単位期間別のオクターブバンド分析結果から、コンターマップを作成する。図5は、オクターブバンド分析結果に基づくコンターマップの作成の説明図である。図5(a)は、コンターマップ14の一例である。図5(a)に示すように、コンターマップ14は、横軸を周波数、縦軸を走行速度として、振動の大きさの分布を表したマップである。図5(a)では、横方向に長い帯状のグラフとなっているが、画素1点1点の白黒の濃淡が振動の大きさの高低を表している。
図5(b)に示すように、コンターマップ14における走行速度(縦軸)は、所定の単位速度Δv(例えば、20km/h)ごとの速度域に区切られている。そして、オクターブバンド分析結果12における周波数帯域別の振動の大きさの値が、当該オクターブバンド分析結果12の速度を含む速度域に対応する値となる。
本実施形態では、1回の走行に係る振動データを用いて、動作モード別にコンターマップを生成する。ここで、1回の走行とは、ある程度の長さに亘る期間での走行であり、例えば、始発駅から終着駅までの走行や、1日の走行とすることができる。また、動作モードとは、力行、惰行及びブレーキの運転操作と、そのノッチ数との組み合わせであり、例えば、力行5ノッチ、・・、力行1ノッチ、惰行、ブレーキ1ノッチ、・・、ブレーキ5ノッチといったように設定される。すなわち、1回の走行に係る振動データに対して、単位期間毎のオクターブバンド分析を行って得られた多数のオクターブバンド分析結果を用いて、当該1回の走行についての動作モード別の複数のコンターマップを作成する。
図6は、1回の走行に係るコンターマップの生成の説明図である。図6に示すように、1回の走行に係る振動データ10から得られる複数のオクターブバンド分析結果12を、動作モード別に分類する。続いて、動作モードそれぞれについて、複数のオクターブ分析結果12を、対応する走行速度に応じて、コンターマップ14における速度域別に分類する。次いで、速度域それぞれについて、当該速度域に分類されたオクターブバンド分析結果12の平均を算出する。そして、この速度域別の平均分析結果13それぞれを、対応する速度域の値としてコンターマップ14を生成する。
また、コンターマップの作成に用いるオクターブバンド分析結果は、診断対象の駆動用機器が定常状態であるときのデータのみを抽出して使用し、駆動用機器の動作が切り替わる過渡状態であるときのデータは不使用とする。
図7は、定常状態でのオクターブバンド分析結果の抽出の説明図である。図7に示すように、振動データ10から得られた複数のオクターブバンド分析結果12に対して、時間的に前後のもの同士を比較することで、定常状態であるか否かを判断する。具体的には、あるオクターブバンド分析結果12と、時間的に直前のオクターブバンド分析結果12との差分を求め、その差分が所定の閾値以下であるならば定常状態と判断し、閾値を超えるならば過渡状態と判断する。ここで、オクターブバンド分析結果同士の差分とは、周波数帯域別の振動の大きさの差である。各周波数帯域の振動の大きさ同士の差分をとり、それらの二乗和の平方根が閾値を超える場合には過渡状態と判断する。
図8は、コンターマップの一例である。図8(a)は、診断対象の状態が“正常”である場合の振動データに基づくコンターマップであり、図8(b)は、診断対象の状態が“故障”である場合の振動データに基づくコンターマップである。これらを比較すると、走行速度には殆ど依存せず、特定の周波数における振動の大きさに違いが表れていることがわかる。つまり、“正常”の場合に比較して“故障”の場合には、特定の周波数成分が多く含まれており、この特定の周波数成分は、故障によって発生する振動の周波数といえる。
そして、図9に示すように、図8(a)に示した“正常”の場合のコンターマップと、図8(b)に示した“故障”の場合のコンターマップとの差を求めると、故障によって発生する振動の周波数成分がより明確になる。
このように、2つのコンターマップの差を対応する2つの振動データの非類似度とみな
せることから、パターン認識の手法を適用することで、コンターマップに基づいて特徴ベクトルを算出する。具体的には、コンターマップに対する主成分分析を行って主成分を求め、その係数を特徴ベクトルとする。主成分の数は、その寄与率に応じて適当に定めることができる。
(E)状態診断
このように求めた1回の走行に該当する特徴ベクトルに基づき、予め用意した学習データを参照した1クラス分類器を用いて、診断対象の状態を診断する。本実施形態では、1クラス分類器として、1クラスサポートベクターマシンの手法を採用する。
1クラスサポートベクターマシンは、特徴ベクトルを2つのクラス(集団)に分類する学習モデルであるサポートベクターマシンを応用した手法である。サポートベクターマシンは、2クラスのデータ間の距離(マージン)が最大となるようにクラスが定められた学習データを分類する超平面を求め、この超平面を利用して、判定対象の特徴ベクトルをどちらかのクラスに分類する。そして、1クラスサポートベクターマシンは、学習データとして正常データの1クラスのみを用い、学習データのクラスとそれ以外とを分類する超平面を求め、この超平面を利用して特徴ベクトルを分類する。その結果、1クラスサポートベクターマシンは、特徴ベクトルが張る空間で、学習データの幾つかを通って学習データの大半を囲むことができる識別境界を作成して、この識別境界によって、判定対象の特徴ベクトルを正常か異常かのどちらかに分類する。この識別境界を作成するためのデータがサポートベクターであり、サポートベクターは識別境界上かその外側に位置する。
1クラスサポートベクターマシンにおいて、特徴ベクトルxの正常/異常の判別に用いられる判別関数f(x)は、次式(1)で定められる。
この判別関数f(x)が正値の場合には、判定対象の特徴ベクトルは、学習データである正常データのクラスに分類されない、すなわち異常であることを表し、負値の場合には、判定対象の特徴ベクトルは、学習データである正常データのクラスに分類される、すなわち正常であることを表す。
式(1)において、関数k(x,y)はカーネル関数であり、ガウシアンカーネルを用いると、次式(2)で定められる。
式(2)において、「x」,「y」は特徴ベクトルである。「γ」は、例えば、学習データのデータ間の距離に応じて定められるパラメータである。
また、式(1)において、「x」は、サポートベクターであり、正常データの特徴ベクトルのうち、対応する係数αが「0」でないものである。「x」は、識別境界上に位置するサポートベクターの何れかである。
サポートベクターxの係数αは、次式(3)の最小化問題の解として算出される。
式(3)において、「ν」は、学習データに含まれていると想定される異常データの割合の上限であり、学習データには異常データは殆ど含まれていないと想定して、非常に小さい値、例えば「0.01」に設定される。「l」は、学習データを構成する特徴ベクトルの数である。
このような1クラスサポートベクターマシンの手法による1クラス分類器では、判別関数f(x)によって算出される値によって、判定対象の特徴ベクトルxが学習データのクラスに分類されるか否かがが判定される。すなわち、判別関数f(x)が負値であるならば、特徴ベクトルxは学習データのクラスに分類され、判別関数f(x)が正値ならば、特徴ベクトルxは学習データのクラスに分類されないことを表す。
つまり、学習データ[正常]に基づく1クラス分類器では、特徴ベクトルが学習データ[正常]のクラスに分類されるか否か、すなわち、診断対象の状態が“正常”であるか否かを判定することができる。また、学習データ[故障z]に基づく1クラス分類器では、特徴ベクトルが学習データ[故障z]のクラスに分類されるか否か、すなわち、診断対象の状態“故障z”であるか否かを判定することができる。
(F)状態診断の全体の流れ
図10は、状態診断装置5による状態診断の全体の流れを示す図である。図10では、下方向を時間軸としている。また、説明の簡明化のため、動作モードに関する図示および説明を省略するが、実際は、動作モード別に学習データが蓄積記憶され、動作モード別に振動データ10に対する状態診断が行われる。
図10に示すように、例えば、定期検査の終了時点など、診断対象の状態が正常であることが確認された時刻tを起点とする学習期間が設定される。この学習期間は、診断対象の状態が“正常”であるときの複数の学習データ[正常]を用意するための期間である。また、学習期間は、診断対象の状態が“正常”であるとみなせ、複数回の走行が行われる程度の期間、例えば、数日〜2週間程度の長さに設定される。つまり、診断対象の状態が“正常”である場合の複数回の走行に係る振動データが得られる。これらの振動データそれぞれに基づく特徴ベクトルを算出し、これらを学習データ[正常]として蓄積記憶する。
学習期間が終了すると、診断期間となる。診断期間では、記憶している学習データを用いて、診断対象の状態を診断する。すなわち、1回の走行毎に、当該走行で得られた振動データに基づいて特徴ベクトルを算出し、記憶している学習データそれぞれと適合するか否かを判定して診断対象の状態を診断し、診断結果に応じて学習データへの追加/新規作成を行う(図3参照)。つまり、診断期間の開始時点tでは、診断対象の状態が“正常”についての学習データ[正常]のみが用意されており、診断対象の状態として“故障”と診断されることで、当該故障についての新たな学習データ[故障]として追加されてゆくことになる。また、どのような故障であるかを対応づけることで、故障の種類ごとに分類して学習データを追加することで、以降における詳細な状態診断を可能とする。
[機能構成]
図11は、状態診断装置5の機能構成図である。図11によれば、状態診断装置5は、操作入力部102と、表示部104と、音声出力部106と、通信部108と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成され、一種のコンピュータシステムである。
操作入力部102は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で実現される入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を処理部に出力する。表示部104は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で実現される表示装置であり、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。音声出力部106は、例えばスピーカ等で実現される音声出力装置であり、処理部200からの音声信号に基づく各種音声出力を行う。通信部108は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、外部装置との間でデータ通信を行う。
処理部200は、例えばCPU等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作入力部102や通信部108からの入力データ等に基づいて、状態診断装置5を構成する各部への指示やデータ転送を行って、状態診断装置5を統括的に制御する。また、処理部200は、オクターブバンド分析部202と、コンターマップ生成部204と、特徴ベクトル算出部206と、学習データ生成部208と、正常判定部210と、正常データ追加部212と、故障判定部214と、故障データ追加部216と、を有し、状態診断プログラム302に従った状態診断処理(図12)を行う。
オクターブバンド分析部202は、振動センサ3によって検知された振動データ10に対して所定のフィルタ処理を行うことで連続的なオクターブバンド分析を行い、このオクターブバンド分析結果を所定の単位期間(例えば1秒)ごとに記憶部300に記憶させる。結果的に、振動データ10は、単位期間ごとのデータのつながりということもできる。
コンターマップ生成部204は、オクターブバンド分析部によるオクターブバンド分析結果に基づき、コンターマップを生成する。すなわち、1回の走行で得られた振動データに対して単位期間ごとに分析して得られた多数のオクターブバンド分析結果に対して、時間的の前後のもの同士を比較して、定常状態のものを抽出する(図7参照)。次いで、抽出したオクターブバンド分析結果を動作モード別に振り分け、同じ動作モードにおけるオクターブバンド分析結果を、対応する走行速度によって所定の速度域別に更に分類し、速度域毎に、オクターブバンド分析結果の平均を求める。そして、速度域別の平均分析結果を用いて、当該走行についてのコンターマップを生成する(図5,図6参照)。したがって、動作モード別のコンターマップを生成することとなる。
特徴ベクトル算出部206は、動作モードそれぞれについて、コンターマップ生成部204によって生成されたコンターマップに基づき、特徴ベクトルを算出する。すなわち、コンターマップに対する主成分分析を行って主成分を求め、求めた主成分に基づく特徴ベクトルを算出する。
学習データ生成部208は、学習期間において“正常”の学習データを生成するための機能部である。学習期間においては、振動データを正常とみなすため、特徴ベクトル算出部206が算出した特徴ベクトルを、動作モード別に学習データ[正常]22として蓄積記憶する。
正常判定部210は、診断期間において、診断対象の振動データが“正常”であるか否かを判定する機能部である。すなわち、診断対象の振動データの動作モードに対応する学習データ[正常]22に基づく1クラス分類器を用いて、診断対象の振動データに係る特徴ベクトルが当該学習データ[正常]22に適合するか否かを判定することで、 “正常”であるか否かを判定する。
正常データ追加部212は、正常判定部210が“正常”と判定した場合に、判定対象であった特徴ベクトルを、該当する動作モードの学習データ[正常]22に追加する。
故障判定部214は、正常判定部210が“正常”でないと判定した特徴ベクトルに基づき、診断対象の振動データが“故障”であるか否か、また“故障”の種類を判定する。すなわち、既知の故障z(i=1,2,・・,n)それぞれについて、診断対象の振動データの動作モードに対応する学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)に基づく1クラス分類器を用いて、特徴ベクトルが学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)に適合するかを判定することで、診断対象の状態が“故障z”であるかを判定する。その結果、故障z(i=1,2,・・,n)の何れでもないと判定した場合には、診断対象の状態は、新たな“故障zn+1”と判定する。
故障データ追加部216は、故障判定部214が判定した“故障z”に対応する学習データ[故障z]24_iに、判定対象であった特徴ベクトルを追加する。このとき、既知の“故障z”と判定されたならば、判定された“故障z”に対応する学習データ[故障z]24_iに追加する。一方、新たな“故障zn+1”と判定されたならば、特徴ベクトルを、例えば操作入力部102から入力される、原因調査の上で内容が判明されたその“故障zn+1”の名称と対応付けて、新たな学習データ[故障zn+1]として記憶させる。
記憶部300は、処理部200が状態診断装置5を統括的に制御するための諸機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部102や通信部108からの入力データが一時的に格納される。記憶部300には、状態診断プログラム302と、走行データ304と、学習データ[正常]22と、学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)と、が記憶される。学習データ[正常]22と、学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)とは、動作モード別に、当該動作モードと関連づけられて記憶される。
走行データ304は、1回の走行に関するデータであり、走行日時と、振動データ10と、振動データ10の測定時刻と同期した時刻データと対応付けて記録された動作モードの時系列データと、振動データ10の測定時刻と同期した時刻データと対応付けて記録された鉄道列車の走行速度データと、を含んでいる。オクターブバンド分析部202が、振動データ10をフィルタ処理してオクターブバンド分析を行ったオクターブバンド分析結果を更に含めて記録してもよい。
[処理の流れ]
図12は、状態診断処理のフローチャートである。この処理は、所定の1回の走行が終了した後に、当該走行において測定された振動データを対象として、処理部200が状態診断プログラム302に従って実行する処理である。
先ず、取得した振動データに基づいて特徴ベクトルを算出する(ステップS1)。すなわち、オクターブバンド分析部202が、振動データに対するオクターブバンド分析を行い、コンターマップ生成部204が、オクターブバンド分析結果を、対応するデータ期間の動作モード別に振り分けて動作モード別のコンターマップを生成し、特徴ベクトル算出部206が、コンターマップに対する主成分分析を行って主成分の値に基づく特徴ベクトルを算出する。次いで、当該走行が行われた期間が学習期間であるか診断期間であるかを判断し、学習期間ならば(ステップS3:YES)、学習データ生成部208が、算出した特徴ベクトルを、該当する動作モードの学習データ[正常]22として記憶する(ステップS5)。
一方、診断期間ならば(ステップS3:NO)、正常判定部210が、学習データ[正常]22に基づく1クラス分類器を用いて、算出した特徴ベクトルが、該当する動作モードの学習データ[正常]22に適合するかを判定する(ステップS7)。その結果、適合すると判定したならば(ステップS9:NO)、診断対象の状態は“正常”と判定する(ステップS11)。そして、正常データ追加部212が、算出した特徴ベクトルを、該当する動作モードの学習データ[正常]22に追加する(ステップS13)。
一方、適合しないと判定したならば(ステップS9:NO)、該当する動作モードの学習データ[故障z]24_i(i=1,2,・・,n)と対応付けて記憶されている、既知状態である故障z(i=1,2,・・,n)それぞれを対象としたループAの処理を行う。ループAでは、故障判定部214が、対象の故障zに対応する学習データ[故障z]24_iに基づく1クラス分類器を用いて、算出した特徴ベクトルが学習データ[故障z]24_iに適合するかを判定する(ステップS15)。その結果、適合すると判定したならば(ステップS17:YES)、診断対象の状態は“故障z”と判定する(ステップS19)。ループAはこのように行われる。
全ての既知状態の故障zを対象としたループAの処理を終了すると、既知状態の故障z(i=1,2,・・,n)のうち、少なくとも1つの故障zと判定したならば(ステップS21:YES)、故障データ追加部216が、算出された特徴ベクトルを、判定した故障zに対応する学習データ[故障z]24_iに追加する(ステップS23)。故障と判定していないならば(ステップS21:NO)、故障判定部214は、診断対象の状態は新たな“故障zn+1”と判定する(ステップS25)。そして、故障データ追加部216が、算出した特徴ベクトルを、該当する動作モードの新たな“故障zn+1”と対応付けて新たな学習データ[故障zn+1]として記憶させる(ステップS27)。以上の処理を行うと、状態診断処理は終了となる。
[作用効果]
このように、本実施形態の状態診断システム1によれば、診断対象の駆動用機器の近傍に設置された振動センサ3によって計測される振動データに基づき、駆動用機器の状態が正常であるか故障が発生したかを判定するとともに、故障が発生した場合にはどのような種類の故障であるのかを診断することができる。
すなわち、状態診断装置5は、振動データをオクターブバンド分析した分析結果を、鉄道車両の走行速度別に集約したコンターマップを生成し、このコンターマップに対する主成分分析を行って、特徴ベクトルを算出する。そして、算出した特徴ベクトルを、正常及び複数種類の故障を含む複数種類の既知状態と対応付けた学習データ20それぞれと適合するか否かを判定することで、駆動用機器の状態を、適合した学習データ20に対応付けられている状態であると判定する。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)システム構成
状態診断システム1は、少なくとも、振動センサ3が鉄道車両7に搭載されていれば良く、状態診断装置5の機能の一部又は全部を地上側の外部装置が担うこととしても良い。例えば、オクターブバンド分析によってデータ量を大幅に削減できることから、振動データに対するオクターブバンド分析までの処理を車上装置(図1における状態診断装置5)において行い、それ以降の処理であるコンターマップの生成や特徴ベクトルの算出、正常/故障の判定を地上装置(例えば、駅や車庫等に設置された外部装置)で行うようにすることができる。
またこの場合、車上装置(状態診断装置5)と地上装置(外部装置)との間のデータ送受信は、列車の走行中に、当該列車に搭載された状態診断装置から、所与の無線通信網を介して外部装置へ送信することとしても良いし、走行中は、振動データに対する処理データを状態診断装置の内部記憶装置に蓄積記憶しておき、運行終了後に、蓄積記憶したデータを、有線通信や無線通信によって外部装置へ送信することしても良い。或いは、状態診断装置は、振動データに対する処理データをUSBメモリ等の外部記憶装置に蓄積記憶しておき、運行終了後に、この外部記憶装置によって外部装置へ入力することとしても良い。
(B)診断対象
また、上述の実施形態では、診断対象を鉄道車両の駆動用機器としたが、動作によって周期的な振動が生じるような回転機械であれば、他の機器にも同様に適用可能である。
(C)診断できる状態(項目)
また、上述の実施形態では、診断できる状態を正常と故障としたが、故障に至る前の不調の状態も診断可能である。学習データを「故障」とラベル付けするのではなく、「不調」とラベル付けして上述した状態診断処理を行えば良い。こうすることで、正常なのか、異常なのか、異常のうちのどこのどういう異常なのか、異常の程度はどの程度か(故障といえるか、不調の程度か)、までを診断することが可能となる。
(D)コンターマップ
振動データのオクターブバンド分析結果からコンターマップを生成する際に、当該分析結果を、鉄道車両の動作モード別に振り分けた(集約した上で)、さらに走行速度毎に集約してコンターマップを生成することとして説明した。しかし、動作モード別の振り分けをせずに、1つの動作モードとみなしてコンターマップを生成することとしてもよい。その場合は、単に、走行速度別に分析結果を集約することとなる。
1 状態診断システム
3 振動センサ
5 状態診断装置
102 操作入力部、104 表示部、106 音声出力部、108 通信部
200 処理部
202 オクターブバンド分析部、204 コンターマップ生成部
206 特徴ベクトル算出部、208 学習データ生成部
210 正常判定部、212 正常データ追加部
214 故障判定部、216 故障データ追加部
300 記憶部
302 状態診断プログラム
304 走行データ
10 振動データ、12 オクターブバンド分析結果
14 コンターマップ、16 特徴ベクトル
20 学習データ、22 学習データ[正常]、24 学習データ[故障]
30 1クラス分類器
7 鉄道車両

Claims (8)

  1. 鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知するための振動センサによって検知された単位時間毎の振動データそれぞれについてオクターブバンド分析された分析結果を、当該オクターブバンド分析に係る周波数帯域毎に、前記鉄道車両の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約する集約手段と、
    前記集約手段の集約結果が、前記駆動用機器のN種類の既知状態(N≧1)それぞれの集約結果基準データに適合するか否かを判別する判別手段と、
    を備えた状態診断装置。
  2. 前記集約結果基準データを記憶する記憶手段と、
    前記判別手段により何れの前記集約結果基準データにも適合しないと判別された場合に当該判別された集約結果のデータを、新たな既知状態と対応付け、新たな集約結果基準データとして前記記憶手段に記憶させる追加手段と、
    を更に備えた請求項1に記載の状態診断装置。
  3. 鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知するための振動センサによって検知された振動データがオクターブバンド分析された分析結果を、前記鉄道車両の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約する集約手段と、
    前記集約手段の集約結果が、前記駆動用機器のN種類の既知状態(N≧1)それぞれの集約結果基準データに適合するか否かを判別する判別手段と、
    前記集約結果基準データを記憶する記憶手段と、
    前記判別手段により何れの前記集約結果基準データにも適合しないと判別された場合に、当該判別された集約結果のデータを、新たな既知状態と対応付け、新たな集約結果基準データとして前記記憶手段に記憶させる追加手段と、
    を備えた状態診断装置。
  4. 前記追加手段は、前記判別手段により適合すると判別された場合に、当該判別された集約結果のデータを、当該適合すると判別された種類の既知状態と対応付けて、新たな集約結果基準データとして前記記憶手段に記憶させる、
    請求項2又は3に記載の状態診断装置。
  5. 前記判別手段は、
    前記集約手段の集約結果を主成分分析する主成分分析手段と、
    前記主成分分析の結果が、前記集約結果基準データに適合するか否かを分類する分類手段と、
    を有する、
    請求項1〜の何れか一項に記載の状態診断装置。
  6. 前記集約手段は、時間的に前後の前記振動データに係る分析結果を比較し、定常状態の分析結果を抽出する抽出手段を有し、前記抽出手段により抽出された分析結果を集約する、
    請求項1〜の何れか一項に記載の状態診断装置。
  7. コンピュータを、
    鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知するための振動センサによって検知された単位時間毎の振動データそれぞれについてオクターブバンド分析された分析結果を、当該オクターブバンド分析に係る周波数帯域毎に、前記鉄道車両の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約する集約手段、
    前記集約手段の集約結果が、前記駆動用機器のN種類の既知状態(N≧1)それぞれの集約結果基準データに適合するか否かを判別する判別手段、
    として機能させるためのプログラム。
  8. コンピュータを、
    鉄道車両に搭載された駆動用機器の振動を検知するための振動センサによって検知された振動データがオクターブバンド分析された分析結果を、前記鉄道車両の動作モード及び走行速度別、或いは、走行速度別に集約する集約手段、
    前記集約手段の集約結果が、前記駆動用機器のN種類の既知状態(N≧1)それぞれの集約結果基準データに適合するか否かを判別する判別手段、
    前記集約結果基準データを記憶する記憶手段、
    前記判別手段により何れの前記集約結果基準データにも適合しないと判別された場合に、当該判別された集約結果のデータを、新たな既知状態と対応付け、新たな集約結果基準データとして前記記憶手段に記憶させる追加手段、
    として機能させるためのプログラム。
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