JP6557089B2 - 漂流物捜索用補助装置、漂流物捜索装置、および漂流コンテナの捜索方法 - Google Patents

漂流物捜索用補助装置、漂流物捜索装置、および漂流コンテナの捜索方法 Download PDF

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Description

本発明は漂流物捜索用補助装置、漂流物捜索装置、および漂流コンテナの捜索方法に関するものである。
漂流コンテナなどの漂流物の捜索は、従来、例えば特許文献1に記載されるように、移動速度の速い航空機により漂流物を効率的に探した上で、漂流物近くの海面に航空機からラジオブイを投下し、このラジオブイの位置情報を頼りに船等を現場海域に向かわせてなされる。投下時高度約300ft、飛行速度150ノット以下程度で飛行する航空機から投下されたブイは、空中を落下しながら慣性力で航空機の進行方向に進み、投下位置から約30m航空機の進行方向にずれた位置で海面に着水する。
特開平9-142382号公報
上述のように航空機からのブイの投下位置と、ブイの水面への実際の着水位置とのずれ量を予め把握しておけば、例えば、飛行する航空機から漂流物の約30m手前でブイを投下することにより、ある程度の位置精度で漂流物近くの水面にブイを着水させることが可能になる。
しかしながら、上記従来例は、漂流物の捜索に多大な手間がかかるおそれがあるという欠点がある。すなわち、上述のように漂流物のすぐ近くにブイを着水させ、浮かべたとしても、その後に風や水流によって漂流物とブイの各々が異なる水域へと移動してしまうおそれがあり、この場合には、ブイを見付けても、漂流物を見失ってしまうことになる。見失った漂流物を見付けるには、例えばブイが見付かった位置を起点にして周囲をしらみつぶしに探すなどするしかなく、これには多大な労力と時間を要する。
また、例えば上記ブイにアンカーを取り付けておけば、上述のようにブイが移動するのを防ぐことができるが、この場合にも、漂流物が別の場所に流されてしまうのは防ぐことはできないために、漂流物を見失ってしまうおそれがある。
本発明は以上の欠点を解消すべくなされたものであって、漂流物の捜索効率を高めることのできる漂流物捜索用補助装置の提供を目的とする。また、本発明の他の目的は、漂流物の捜索効率を高めることのできる漂流物捜索装置、および漂流コンテナの捜索方法の提供にある。
本発明によれば上記目的は、
遠隔距離から捜索容易に形成された遠隔捜索用識別部1と、
水面2に浮かぶ漂流物3の不特定位置に事後的に取り付けられる取付部4と、
水面浮揚可能に形成されて前記遠隔捜索用識別部1を水面2上に浮揚した状態に確保する浮揚力発生部5とを有する漂流物捜索用補助装置を提供することより達成される。
本発明によれば、漂流物捜索用補助装置は、遠隔捜索用識別部1により遠隔距離からの捜索を容易にされるとともに、取付部4によって漂流物3に取り付けられる。遠隔捜索用識別部1は浮揚力発生部5により水面2上に浮揚した状態に確保され、また、取付部4による漂流物3への取り付けは、漂流物3が水面2に浮かぶ状態において、その適宜位置に対してなされる。
したがって本発明によれば、漂流物3が風や水流によって流されてしまっても、漂流物捜索用補助装置がこれに追随するために、漂流物3を見失ってしまうのを防止することができる。また、遠隔捜索用識別部1は、水面2上への浮揚状態に保持されるために、水没によって遠隔距離からの捜索容易性が低下してしまうことはない。特に、後述する水難事故のような場合、現場の気象水象条件が厳しい場合が多く、漂流物3、3、・・も広範囲に拡散流出しやすいところ、本発明によれば、このように拡散流出した漂流物3、3、・・もを容易に捜索することができる。
すなわち、例えば海難事故により船舶の積み荷のコンテナが海上にばらまかれてしまった場合などにおいては、以後コンテナは漂流物3として海上を漂流し、他の船舶との衝突という二次災害を招くおそれがあるが、上述のように遠隔捜索用識別部1がこれに追随し、その存在を示す目印となることにより、かかる衝突事故を避けることが可能になる。また、海難事故現場付近での救助活動に際しても、散乱していることで障害になりやすいコンテナ3への対処を簡易迅速にできることにより、万全を期することが可能になる。また、上記コンテナ3は、時間の経過とともに内部に浸水し、その内容物の重量などによっては比較的早期に海底に沈むことも考えられる。このように沈むことにより、現場海域の水深が深い場合には、上述のような二次災害を回避することが可能になる。
一方、上述のように水底に沈んでしまったコンテナ3も、そのまま放置してしまっては現場海域の水生環境に悪影響を及ぼすおそれがあるし、また、内部に収容している荷物によっては回収したいようなときもある。このような場合に備えて上記浮揚力発生部5について、漂流物3が沈むときに、該漂流物3により水面2下へと引き込まれることによって生じる浮揚力により取付部4の漂流物3への取付状態を解除させるようにすれば、上述の補助装置は、漂流物3の沈下位置を示すものとして機能させることができる。
また、上述のようにやむを得ず漂流物3と分離してしまったときには、その後に補助装置を見付けても、漂流物3から分離した後に別の場所に流されてしまっていることがあるために、漂流物3を見失っている可能性がある。この点、上記補助装置について、逐次GNSS信号を受信するとともに、該GNSS信号に基づく自位置情報を蓄積する位置情報蓄積部6を有しておけば、補助装置の漂流経路を特定できるために、漂流物3の沈下位置を特定しやすくなる。また、補助装置が漂流物3から分離する際には、上述のように水面2下へと一時的に引き込まれた後、再度水面2上に戻ることになるために、位置情報蓄積部6に蓄積された位置情報を解析し、標高が一時的に下降・上昇変化したようなポイントを探せば、漂流物3の水没(沈下)位置を特定することも可能になる。なお、このようGNSS信号を受信する場合、上述の浮揚力発生部5は、良好な受信環境を維持するものとして機能する。
また、上述した漂流物3からの分離タイミングは、例えばリミットスイッチ等からなる検知部を取付部4などに設け、取付部4による取り付け状態においてリミットスイッチ等が漂流物3によりON状態に保持されるようにしておくことにより、取付部4が漂流物3から取り外されたときに生じるOFF状態への遷移といった検知部のスイッチング動作等により検知することも可能である。また、このように漂流物3への取り付け状態が解除されたタイミングを特定できれば、そのときの自位置情報のみを漂流物3の沈下位置情報として保存することにより、上述のように自位置情報の多数を蓄積するよりも電力消費を抑えることが可能になる。なお、自位置情報の保存、蓄積には、電力供給が途絶えても記憶内容を保持できる不揮発性のメモリー等を利用するのが望ましい。
また、上述の取付部4は、漂流物3に取り付け可能であれば様々に構成することが可能であり、たとえば、水中での接着が可能な接着剤のほか、漂流物3に突き刺さる銛のように構成したり、あるいは、漂流物3に吸着する吸盤でも足りる。また、上述のコンテナ3のように被吸磁体であれば、取付部4は、磁石7を備え、被吸磁体からなる漂流物3に磁力により取り付けられるようにして構成することが可能である。
以上の取付部4による補助装置の漂流物3への取り付けは、例えば、水難事故現場に急行した巡視艇等から、漂流物3が散乱した直後の事故現場付近などにおいてすることが可能である。具体的には例えば、上述のように取付部4をコンテナ3に磁力により取り付ける場合には、空中で停止可能な無人飛翔体8により吊り下げ解除可能に吊り下げられる無人飛翔体用吊り下げ部9を補助装置に有しておけば、上述の巡視艇等の上から無人飛翔体8を操作して、磁石7により吸着可能なコンテナ3の近くまで補助装置を安全迅速に運搬することができる。このような無人飛翔体8としては、具体的には例えば、近年、開発が急速に進んでいるドローン(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を利用することができる。
一方、上記遠隔捜索用識別部1は、遠隔距離から捜索容易な様々なもので構成することができ、例えば、水域において目立つ色の着色を施した旗などのほか、発光、発音、発煙、さらには上述のラジオブイのように電波を発信するもので構成することが可能である。
以上の補助装置は、従来例におけるラジオブイのように、一般には水域において絶対的な位置を示すものであるブイを、このような固定的な浮標ではなく可動的な浮標として利用して構成することが可能である。この場合、遠隔捜索用識別部1は、上述のように発光手段や、電波の発信手段として構成すれば、その取り扱いが比較的容易になる。また、この場合、上記浮揚力発生部5は、防水処理された内部空間に前記遠隔捜索用識別部1を格納して水面浮揚可能に形成されるブイ本体部10として構成することが可能である。
さらに、上記遠隔捜索用識別部1について、逐次受信されるGNSS信号に基づく自位置情報を無線発信するようにした場合には、広大な海原などにおいて補助装置を目視のみを頼りにして、あるいは、電波標識等のように電波の発信方向を頼りにして捜索する場合に比して、捜索をより簡単にすることができる。この場合において、上記漂流物捜索用補助装置Aを複数用意し、各補助装置Aの自位置情報を無線受信する受信装置Bと合わせて漂流物捜索装置を構成すれば、捜索性を極めて向上させることができる。
すなわち、上述したコンテナ3のような積み荷が水難事故により水域に散乱した場合、その総数は膨大になりやすく、目視によってその多くの位置関係を同時に把握するのは容易ではない。この点、受信装置Bにより各々の位置情報を受信すれば、これらの位置情報の一覧性が極めて向上する。
また、本発明によれば、上記目的は、
水難事故現場付近において散乱浮遊したコンテナ3の適宜位置にブイCを取り付けた後、
水流により海難事故現場付近から他の場所へと漂流したコンテナ3の位置をブイCにより特定する漂流コンテナ3の捜索方法を提供することにより達成される。
この発明によれば、上述したように、水難事故現場付近において散乱浮遊したコンテナ3にブイCを取り付けておくことにより、その後に水難事故現場付近から他の水域に移動したコンテナ3をブイCを目印にして容易に捜索することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、漂流物の捜索効率を高めることができ、漂流物の漂流に伴う衝突事故などを防止することができる。
本発明に係る漂流物捜索用補助装置を示す図で、(a)は全体斜視図、(b)は要部拡大縦断面図である。 漂流物捜索装置の機能ブロック図で、(a)は遠隔捜索用識別部の機能ブロック図、(b)は受信装置の機能ブロック図、(c)は表示装置の機能ブロック図である。 漂流物捜索用補助装置の漂流物への取り付け作業を説明する図である。 漂流物の沈下に伴う取り付け状態の解除過程を説明する図で、(a)は漂流物の沈下初期のイメージ図、(b)は沈下進行時のイメージ図である。
図1ないし図4に本発明の実施の形態を示す。この実施の形態において、漂流物捜索用補助装置Aは、図1(a)に示すように、ブイ本体部10に漂流コンテナ(漂流物3)への取付部4を設けたブイCとして構成される。上記ブイ本体部10は、図1(b)に示すように、ケース21内の防水処理された内部空間に遠隔捜索用識別部1と、気嚢部22とを収容、配置して形成され、該気嚢部22によりブイCを海面(水面2)浮揚可能にする。
また、上記取付部4は、チェーンなどの可撓性を備えた長尺の索状体23と、上記コンテナ3に磁力により吸着する磁石7とを有し、基端部をブイ本体部10に固定した索状体23の先端部に磁石7を取り付けて形成される。この磁石7は、潮流によってはコンテナ3への吸着状態が容易に解消されず、かつ、ブイCがコンテナ3に引っ張られるようにして海面2下へと沈み込む事態になった際に上述の気嚢部22により発生する浮揚力よりもやや小さい程度の吸着力を生じさせる磁力を発揮する。
一方、上記遠隔捜索用識別部1は、図2(a)に示すように、図示省略のプリント基板に演算処理装置等を実装し、これを適宜の架台により支持して形成される管理部24と、この管理部24により管理、制御される受信アンテナ25、発信アンテナ26、発光装置27、および電源装置28とを有する。上記管理部24は、上記受信アンテナ25による電波の受信を制御する受信制御部29と、上記発信アンテナ26による電波の発信を制御する発信制御部30と、上記発光装置27による発光を制御する発光制御部31と、上記電源装置28による電源供給を制御する電源制御部32とを有するとともに、これらの受信制御部29等を制御する制御部33を有する。
上記受信制御部29は、1秒毎などの適宜タイミングでGNSS信号を受信アンテナ25により受信させる。また、上記管理部24は、上述のGNSS信号を解析して自位置情報を算出する自位置情報解析部34と、算出された自位置情報を蓄積する位置情報蓄積部6とを備え、上述のようにGNSS信号を受信すると、上記制御部33は、自位置情報解析部34により自位置情報を算出させた後、これを位置情報蓄積部6に蓄積させる。
また、上記発信制御部30は、上述のようにして算出された自位置情報を1秒毎などの適宜タイミングで発信アンテナ26により発信させる。この発信は、後述する受信装置Bが3km以内の距離にあるときに受信できるように周波数、出力等を調節してなされる。上記発光制御部31は、上述の発光装置27に発光ダイオードを用いるこの実施の形態において、発光装置27を常時発光させる。上記電源制御部32は、電源装置28からの管理部24や発光装置27等への給電を制御するもので、この実施の形態において電源装置28は乾電池からなる。
なお、発光制御部31による発光装置27の制御は、電源装置28の容量や発光装置27の消費電力量に応じて決定することが可能であり、例えば電源装置28に容量の大きいバッテリーを、発光装置27にキセノンランプを採用し、発光装置27の点灯、消灯を所定時間間隔で繰り返しても足りる。また、発信制御部30による自位置情報の発信についても、消費電力を考慮して、後述する受信装置Bからのリクエスト信号を受信した時にするようにしても足りる。
以上の遠隔捜索用識別部1は、図1(b)において二点鎖線で示すように、比較的重量の大きい電源装置28を図1(b)における下側寄りの位置、すなわち中空円柱状のケース21内の長手方向一端部寄りに配置することにより、当該一端部を海底に向けた姿勢で上述の気嚢部22によってブイ本体部10を海面2に浮揚可能にする。この浮揚姿勢において、受発信アンテナ25、26は、図1(b)において二点鎖線で示すように、電波が減衰しやすい海水からより離れた上端側に位置する。同様に図1(b)において二点鎖線で示すように、発光装置27は浮揚姿勢においてやや下側よりの位置、言い換えれば、海面2よりもやや上方となる程度の位置に配置される。
なお、上述の気嚢部22は、ケース21の防水処理された内部空間内に上述した回路基板や乾電池などを収容したときに残る空隙部分、すなわちこの空隙部分を空気で満たして構成され、具体的には、遠隔捜索用識別部1の上部周りを囲むような略円筒形状に形成される。また、遠隔捜索用識別部1が妄りに動かないようにするために、ケース21の内部空間には、軽量材料からなる図示省略の詰め物が適宜入れられる。
以上のブイCと組み合わせることにより漂流物捜索装置となる上述の受信装置Bは、図2(b)に示すように、制御部35により制御される受信部36および出力部37を有する。上記受信部36は、上述のように受信装置BがブイCの3km以内の距離にあるときにおいて発信アンテナ26から発信されたブイCの自位置情報、すなわち位置情報を受信する。このようにして受信部36により位置情報が受信されると、上記制御部35は、この位置情報を出力部37を介して後述の表示装置Dに転送する。この出力部37は、ブルートゥース等の近距離無線通信により位置情報を出力する。
また、上記受信装置B等とともに漂流物捜索装置を構成する上述の表示装置Dは、この実施の形態においては可搬式のコンピュータからなる。このコンピュータは、図2(c)に示すように、上述したブルートゥース等により位置情報の入力を受け付ける入力部38と、この位置情報を表示するディスプレイ等の表示部39とを有し、これらを制御部40により制御して構成される。また、上記コンピュータCは、海図を格納する海図格納部41と、描画部42とを有し、上述した位置情報の表示は、位置情報を構成する経緯度に応じた海図を海図格納部41から読み出した後、この海図上の上記位置情報に対応する位置に描画部42によりブイCを示す印を重ねて描画したものによりなされる。
また、上述したブイCは、コンテナ3への取付部4による取り付けを容易にするために、図1に示すように、吊り下げ部(無人飛翔体用吊り下げ部9)を備える。この吊り下げ部9は、後述する無人飛翔体8によるブイCのコンテナ3までの運搬を可能にするためのもので、上述したケース21同様、合成樹脂材等の軽量で適宜の強度を備えた材料により形成され、具体的には、この種の材料からなる紐状の長尺材によりブイ本体部10の長手方向一端部に閉ループを形成して構成される。
上述のように浮揚姿勢において海底を向く一端部に吊り下げ部9を配置することにより、上下逆向きの姿勢でブイCが無人飛翔体8によりコンテナ3まで吊り下げ運搬されるこの実施の形態において、上述の取付部4には、図1(a)に示すように、索状体23の基端部が円環状にされ、この円環部分に吊り下げ部9の長尺材が摺動自在に挿入されることにより、索状体23の基端部が吊り下げ部9の全長に渡って移動自在にされる。これにより、ブイCが着水後に上下反転する際には、索状体23の基端部が吊り下げ部9に沿って移動することにより、索状体23が不用意に絡まってしまうような事態が防がれる。
また、図1(b)に示すように、磁石7が平板状に形成されるこの実施の形態において、索状体23と磁石7との連結箇所も、磁石7の板面に対して揺動自在にされ、磁石7がコンテナ3に吸着した状態で索状体23が不用意に絡みにくくされる。
以上の漂流物捜索装置によるコンテナ3の捜索方法を以下に説明する。捜索対象となる漂流コンテナ3は、例えば、コンテナ3を積んだ船舶が海難事故を起こし、積荷であるコンテナ3、3、・・が海上に散乱浮遊することにより発生する。かかる海難事故が発生したら、直ちに、適数のブイC、C、・・を積載した巡視艇43が事故現場に急行する。この巡視艇43には、空中で停止可能な無人飛翔体8としての無人ヘリコプターと、この無人ヘリコプター8を遠隔操作するコントローラとしての遠隔操作装置44も載せられており、事故現場で巡視艇43の搭乗員45が遠隔操作装置44を操作することにより、海面2上に散乱した状態で浮かぶコンテナ3まで無人ヘリコプター8によってブイCを運ぶことができる。
図3に示すように、無人ヘリコプター8の底面にはフック47が形成されており、このフック47に吊り下げ部9を掛けることにより、ブイCを事故現場の空域を利用してコンテナ3上空まで吊り下げ運搬することができる。また、この運搬状態において、索状体23はブイ本体部10から下方に垂れ下がっており、コンテナ3のやや上方までブイCが運ばれると、磁石7がコンテナ3に吸着するので、この後、無人ヘリコプター8をフック47の開放方向をやや側方に向けるように傾けた上で、上記開放方向と反対方向に無人ヘリコプター8を移動させれば、吊り下げ部9をフック47から外すことができる。なお、無人ヘリコプター8には、図示省略のカメラが搭載されており、このカメラにより、コンテナ3にブイCを取り付けた状態が撮影、記録される。
索状体23の長さを利用してブイ本体部10をコンテナ3の上方から水平方向にずれた位置にした上で、上述のように吊り下げ部9をフック47から外すと、ブイ本体部10がコンテナ3近傍の海面2に着水する。ブイ本体部10は、運搬状態においては吊り下げ部9を上方に向けた姿勢をとるが、着水後において、電源装置28の重量により上下反転し、気嚢部22によりコンテナ3近傍の水面2に浮揚した状態に保持される。この浮揚状態において、受発信アンテナ25、26は海面2から適宜離れた上方に位置して逐次GNSS情報を受信するとともに、自位置情報を発信する。また、発光装置27は海面2よりもやや上方位置して常時発光し、遠隔からの視認性が良好にされる。
以上のようにしてブイCをコンテナ3に取り付けたら、あるいは、このようなブイCのコンテナ3への取り付け作業と並行して、事故現場において緊急を要する事故処理が進められる。この事故処理は、発光装置27の発光光を頼りにコンテナ3を避けることにより、円滑に進めることができる。
以上のようにして緊急を要する事故処理が終了したら、次に、事後処理として、クレーン付台船等をコンテナ3の漂流位置まで航行させ、コンテナ3の引き揚げ作業を行う。上述のようにコンテナ3が海面2上に浮かび、その近傍においてブイCが海面2上に浮揚状態にあることにより、ブイCの発信アンテナ26からは逐次位置情報が発信されるために、上述のクレーン付台船に受信装置Bと表示装置Dを載せておくことにより、ブイCの3km以内に到着すれば、表示装置DによりブイCの現在位置を詳細に把握することができる。あとは、当該位置までクレーン付台船等を航行させ、コンテナ3を海上から引き揚げて回収すれば、事後処理が終了する。
一方、事故処理には時間を要するために、上述の事後処理を始めるまでにはある程度の時間が経過してしまうのを避けられず、また、上述のクレーン付台船は航行速度も遅いために、引き揚げ作業を開始するまでにコンテナ3内への浸水が進むなどし、コンテナ3が海底へと沈下することも想定される。
図4はこのようなコンテナ3の沈下時の挙動を示すもので、図4(a)に示すようコンテナ3が沈下し始めると、このコンテナ3に磁石7により吸着するブイCも海面2下へと引きずり込まれることになる。しかしながら、ブイCは、海面2下に沈み込む際に気嚢部22により発生する海面2上への浮揚力Uが、磁石7の吸着力、すなわち磁石7を通じて作用する海面2下への引っ張り力Dよりも大きくなるようにされているために、コンテナ3とともにブイCの海面2下への水没が進むと、図4(b)に示すように、磁石7がコンテナ3から外れ、海面2上への浮揚状態に復帰することができる。
したがってコンテナ3の海底への沈下後も、海面2上への浮揚状態を維持するブイCからは位置情報が発信されるために、クレーン付台船がブイCの3km以内に到着すれば、表示装置DによりブイCの現在位置を把握することができ、ブイCを容易に回収することができる。また、回収したブイCの位置情報蓄積部6から位置情報を読み出せば、ブイCのこれまでの位置座標の推移、すなわち漂流経路を把握することができる。したがって、この漂流経路を辿れば、コンテナ3の海底への沈下位置を比較的容易に探すことができるし、上述のようにコンテナ3から外れる際のブイCの水没と、その後の水面2上への浮上に伴う標高情報の一時的な変化を上述の位置座標の推移から判別することができれば、コンテナ3の沈下位置を直接特定することもできる。あとは、コンテナ3の沈下位置の水深等を考慮した上で、その回収の必要性がある場合には、当該位置までクレーン付台船を航行させて回収すればよく、回収の必要性がなければ沈下位置の確認をもって事後処理が終了する。
なお、以上の実施の形態においては、漂流物捜索装置をブイCと受信装置Bに加え、表示装置Dをも含めて構成する場合を示したが、受信装置Bをコンピュータ等で構成し、表示装置Dによる位置情報の表示機能をも備えさせることにより、表示装置Dを省いて構成することが可能である。また、取付部4のコンテナ3への取り付け解除は、索状体23の先端部に配置される磁石7のコンテナ3への吸着状態を解除してするほか、別個に磁石7と、この磁石7が吸着する被吸磁体とを索状体23の中間部に配置し、これら磁石7と被吸磁体との吸着状態を解除することにより索状体23を長手方向に分割可能にすれば、この分割により実現することも可能である。
1 遠隔捜索用識別部
2 水面
3 漂流物
4 取付部
5 浮揚力発生部
6 位置情報蓄積部
7 磁石
8 無人飛翔体
9 無人飛翔体用吊り下げ部
10 ブイ本体部
11 コンテナ
A 漂流物捜索用補助装置
B 受信装置
C ブイ

Claims (10)

  1. 遠隔距離から捜索容易に形成された遠隔捜索用識別部と、
    水面に浮かぶ漂流物の不特定位置に事後的に取り付けられる取付部と、
    水面浮揚可能に形成されて前記遠隔捜索用識別部を水面上に浮揚した状態に確保する浮揚力発生部とを有する漂流物捜索用補助装置。
  2. 前記浮揚力発生部は、漂流物が沈むときに、該漂流物により水面下へと引き込まれることによって生じる浮揚力により取付部の漂流物への取付状態を解除させる請求項1記載の漂流物捜索用補助装置。
  3. 逐次GNSS信号を受信するとともに、該GNSS信号に基づく自位置情報を蓄積する位置情報蓄積部を有する請求項2記載の漂流物捜索用補助装置。
  4. 前記取付部は、磁石を備え、被吸磁体からなる漂流物に磁力により取り付けられる請求項1ないし3のいずれかに記載の漂流物捜索用補助装置。
  5. 無人飛翔体により吊り下げ解除可能に吊り下げられる無人飛翔体用吊り下げ部を有する請求項4記載の漂流物捜索用補助装置。
  6. 前記浮揚力発生部は、防水処理された内部空間に前記遠隔捜索用識別部を格納して水面浮揚可能に形成されるブイ本体部からなる請求項1ないし5のいずれかに記載の漂流物捜索用補助装置。
  7. 前記遠隔捜索用識別部が逐次受信されるGNSS信号に基づく自位置情報を無線発信する請求項1ないし6のいずれかに記載の漂流物捜索用補助装置の複数と、
    各漂流物捜索用補助装置の自位置情報を無線受信する受信装置とを有する漂流物捜索装置。
  8. 水難事故現場付近において散乱浮遊したコンテナの適宜位置にブイを取り付けた後、
    水流により水難事故現場付近から他の場所へと漂流したコンテナの位置をブイにより特定する漂流コンテナの捜索方法。
  9. 前記ブイを、コンテナが沈むときに該コンテナにより水面下へと引き込まれることにより生じる浮揚力によりコンテナへの取付状態を解除可能に取り付け、
    コンテナから外れて水面に浮かぶブイの位置によりコンテナの海底への沈下位置を推測する請求項8記載の漂流コンテナの捜索方法。
  10. 前記ブイが磁石によりコンテナに吸着され、
    前記ブイのコンテナへの取り付けは、水難事故現場において無人飛翔体を操作して前記磁石がコンテナに吸着可能な位置までブイを運搬してなされる請求項8または9記載の漂流コンテナの捜索方法。
JP2015157376A 2015-08-07 2015-08-07 漂流物捜索用補助装置、漂流物捜索装置、および漂流コンテナの捜索方法 Active JP6557089B2 (ja)

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