JP6556828B2 - 流動狭窄部を有するラテラルフローアッセイデバイス - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年8月4日に出願された、「LATERAL−FLOW ASSAY DEVICE HAVING FLOW CONSTRICTIONS」と題する米国特許出願第14/817,760号、及び2014年8月8日に出願された、「LATERAL−FLOW ASSAY DEVICE HAVING FLOW CONSTRICTIONS」と題する米国特許出願第62/034,825号に対する米国特許法第119条の優先権を主張し、それぞれの文書の全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
この本出願は、臨床診断の分野に関し、より詳細には、ラテラルフローアッセイデバイスに関する。
診断アッセイの使用は、多くの疾患の診断、治療、及び多く管理に関して非常によく知られている。それに関して、様々な種類の診断アッセイが、例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液、組織生検、大便、痰、皮膚又は咽頭スワブ、及び組織サンプル又は処理済み組織サンプルのような臨床サンプル内の様々な検体の検出を容易にするために開発されてきた。これらのアッセイは、使用が容易で製造コストが低い一方で、急速で高信頼性の結果を提供することがしばしば期待されている。
1つの一般的な種類の使い捨てアッセイデバイスは、液体サンプルを受け取るためのサンプル添加ゾーン又はエリアと、少なくとも1つの試薬ゾーン(別名、結合ゾーン)と、反応ゾーン(別名、検出ゾーン)と、任意選択的に吸収ゾーンと、を含む。これらのゾーンは、流体通路又はチャネルに沿って順番に配列されることができる。ラテラルテストスストリップとして一般に知られているこれらのアッセイデバイスは、多孔質材料、例えば、毛細管流を支持できる流体用経路を画定するニトロセルロースを使用することができる。例としては、本明細書に組み込まれる米国特許第5,559,041号、同第5,714,389号、同第5,120,643号、及び同第6,228,660号に示されたデバイスが挙げられ、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
これらのアッセイデバイスのサンプル添加ゾーンは、液体サンプルを吸収することができ、そして、血液細胞の分離が必要なときに、赤血球を捕捉するのに有効でもある多孔性材料をしばしば含む。そのような材料の例は、高分子メンブランフィルタ、あるいは、例えば、セルロース、羊毛、ガラス繊維、石綿、合成繊維、ポリマー、若しくはこれらの混合物を含む紙、フリース、又は織物のような繊維材料である。
別の種類のラテラルフローアッセイデバイスは、複数の上方に延在するマイクロポスト(「マイクロピラー」又は「突起」とも呼ばれる)を有する非多孔性基体によって画定されている。マイクロポストは、液体が導入されるときに毛細管流動を生成するように、寸法的に、そして、それらの間隔について規定されている。そのようなデバイスの例が、米国特許第8,025,854B2号、国際公開第2003/103835号、国際公開第2005/089082号、国際公開第2005/118139号及び国際公開第2006/137785号に開示されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
上記種類の公知の非多孔性アッセイデバイスが図1に示されている。ラテラルフローアッセイデバイス1は、涙形状を用いて視覚的に表現されたサンプル101を受け取るように構成された少なくとも1つのサンプル添加ゾーン2を有する。サンプル101は、例えば、検体について試験されるべき体液、又は別の流体を含むことができる。ラテラルフローアッセイデバイス1は、また、試薬ゾーン3、少なくとも1つの検出ゾーン4、及び少なくとも1つの吸上ゾーン5を含み、これらのそれぞれが共通基体9に配置される。ゾーン2、3、4、5は、画定された流体流路64に沿って整列し、この流体流路によって、サンプル101又はその一部分は、複数のマイクロポスト7のうちのものの間に提供される毛細管圧力の影響下で、サンプル添加ゾーン2から吸上ゾーン5まで流れる。抗体のような捕捉要素が、検出ゾーン4内に支持されてもよく、これらの要素は、関心の検体に結合することができ、捕捉要素は、例えば、コーティングによってデバイスの上に堆積される。「要素」という用語は、原子、すなわち周期表の元素に限定されず、例えば、イオン結合若しくは共有結合された原子、又は、別の化合物若しくは生体物質のような分子を指す場合もある。加えて、検体の濃度の決定を可能にすることになる反応に関与することもできる標識付きコンジュゲートマテリアルは、試薬ゾーン3のデバイスに別個に堆積され、コンジュゲートマテリアルは、ラテラルフローアッセイデバイス1の検出ゾーン4における検出のための標識を担持する。
コンジュゲートマテリアルは、サンプル101が試薬ゾーン3を通って流れるにつれて徐々に溶解されて、溶解した標識付きコンジュゲートマテリアルのコンジュゲートプルーム及びラテラルフローアッセイデバイス1の画定された流体流路64に沿って検出ゾーン4まで下流に流れるサンプル101を形成する。コンジュゲートプルームが検出ゾーン4の中に流れ込むと、コンジュゲートマテリアルは、例えば、コンジュゲートされたマテリアルと検体との錯体を介して(例えば、「サンドイッチ」アッセイの場合のように)、又は直接的に(例えば、「競合」アッセイの場合のように)捕捉要素によって捕捉されることになる。未結合の溶解コンジュゲートマテリアルは、検出ゾーン4を越えて、吸上ゾーン5の中に掃き出されることになる。
全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国第2006/0289787A1号、米国第2007/0231883A1号、米国特許第7,416,700号及び米国特許第6,139,800号に開示されるような器具は、検出ゾーン4内で結合されたコンジュゲートされたマテリアルを検出するように構成されている。一般的な標識は、蛍光染料を励起させ、結果として生じた蛍光を検出できる探知器を組み込む器具によって検出されることができる蛍光染料を含む。前述のデバイスでは、そして、アッセイの伝導においては、検出ゾーンにおける結果生じた信号レベルは、コンジュゲートマテリアルが溶解され、サンプル101及び未結合のコンジュゲートマテリアルが、ラテラルフローアッセイデバイス1の吸上ゾーン5に到達し、続いてこれを充填した後に、好適な検出器具を使用して読み取られる。
典型的なポイントオブケア(POC)ラテラルフローアッセイ様式では、バックグラウンド信号を低下させ、アッセイ精度を改善するために、未結合のコンジュゲートマテリアルを除去することが望ましい。いくつかのアッセイでは、サンプル101の流体は、検出ゾーン4を通って流れ続け、結局、溶解したコンジュゲートは、検出ゾーン4を越える。このように、流動するサンプル101は、未結合のコンジュゲートマテリアルを除去する。しかし、アッセイ結果と干渉する可能性がある内因性干渉が、サンプル101内に存在することがある(例えば、特定患者のヘモグロビン、ビリルビン)。これらのアッセイに対して、サンプル101とは別の洗浄液が、検出チャネルの検出ゾーン4又は別の部分からの干渉を除去するために適用されてもよい。更に、いくつかのアッセイは、より長いインキュベーション時間を得るために、混合物をサンプル添加ゾーン2に添加する前にコンジュゲートマテリアルをサンプル101と予混合することを含む。これらの種類のアッセイについては、サンプル101がコンジュゲートと混合しているので、洗浄液が、検出ゾーン4から未結合のコンジュゲートを除去するために適用される。これら及び別の実施形態では、洗浄液は、許容可能な洗浄を提供するように様式化又は設計されることができる。従って、洗浄液を添加することが、例えば、POC側方流動様式の一部の選択されたアッセイに必要である。
しかし、洗浄試薬を添加することは、様々な従来のラテラルフローアッセイデバイスにおいての難問である。洗浄液は、ピラー間の間隙中(又は、酢酸セルロースのような多孔性構造の細孔中)を流れることができる。しかし、間隙又は細孔の中での流動抵抗が、ピラーマトリックス(又は多孔性)構造の外側よりも非常に大きいので、洗浄液は、洗浄を達成するために流体流路64(ピラーマトリックス)の中に「押し込まれる」ことができない。洗浄液は、毛細管圧力によって多孔性材料のピラー又は細孔の間の間隙中に「引き込まれ」なければならない。従って、様々な洗浄液との適合性及び使用性がより良好なアッセイデバイス及びその使用方法が必要とされる。
1つの態様によると、ラテラルフローアッセイデバイスが提供され、このラテラルフローアッセイデバイスは、
a)流体流路に沿って配設されたサンプル添加ゾーン及び洗浄液添加ゾーンを有する基体であって、流体流路を通って、サンプルがサンプル添加ゾーンから離れて洗浄液添加ゾーンに向かう下流方向に毛細管作用下で流れ、流体流路は、洗浄液添加ゾーン内で洗浄液を受け取るように構成されている、基体と
b)洗浄液添加ゾーン内に配列された少なくとも1つの親水面と、
c)1つ又は複数の流動狭窄部であって、流動狭窄部は、流体流路から離間配置され、少なくとも1つの親水面と共に、親水面と1つ又は複数の流動狭窄部との間でのメニスカスの形成によって洗浄液を保持するように構成されたリザーバを画定するように配列され、流体流路は、洗浄液を毛細管圧力によってリザーバから引き込むように構成されている、1つ又は複数の流動狭窄部と、を備える。
別の態様に従って、流体サンプルを分析するための装置が提供され、この装置は、
a)流体流路に沿って配設されたサンプル添加ゾーン及び洗浄液添加ゾーンを含む少なくとも1つのアッセイデバイスと、
b)流体サンプルをサンプル添加ゾーンに選択的に適用するように構成されたサンプル測定機構と、
c)洗浄液を洗浄液添加ゾーンに選択的に適用するように構成された洗浄液測定機構であって、洗浄液添加ゾーンは、適用された洗浄液にメニスカスを形成するために、流体流路から離間配置された1つ又は複数の流動狭窄部を含む、洗浄液測定機構と、
d)少なくとも1つの計測デバイスと、
e)サンプル測定機構、洗浄液測定機構、及び少なくとも1つの計測デバイスのそれぞれを、適用された流体サンプルの少なくとも1つの特性を判定するために所定のタイミングプロトコルに従って動作させるように構成されたコントローラであって、コントローラは、サンプル測定機構を動作させた後に、洗浄液測定機構を動作させる、コントローラと、を備える。
更に別の態様に従って、アッセイデバイスの流体流路内の流体サンプルを置換する方法が提供され、この方法は、
流体サンプルをアッセイデバイスのサンプル添加ゾーン上にサンプル供給源から分注することであって、分注された流体サンプルは、アッセイデバイスの流体流路に沿って移動する、ことと、
メニスカスがアッセイデバイスの少なくとも1つの流動狭窄部によって分注された洗浄液に形成されるように、洗浄液を流体流路に沿ってサンプル添加ゾーンの下流にあるアッセイデバイスの洗浄液添加ゾーン上に洗浄液供給源から分注することであって、流体流路は、分注された洗浄液をメニスカスによって少なくとも部分的に画定されたリザーバから引き込み、引き込まれた洗浄液が、流体流路内の流体サンプルの少なくとも一部を置換する、ことと、を含む。
様々な態様が、洗浄液送達の速度又は送達される洗浄液の容積の変動に直面するときでさえ、流体流路への洗浄液の効果的供給を有利に提供する。様々な態様が、洗浄液が流体流路のピラー(又は多孔性)構造の外側に流れることを有利に制限する。様々な態様が、流体流路を通るサンプルの流動を有利に効果的に制限して、アッセイの精度を改善し得る。
様々な実施形態、変更例、及び修正例のこれらの及び別の特徴及び長所が、添付図面と関連して読まれるべきである以下の発明の好ましい実施形態の記載内容から容易に明らかになるであろう。
公知のラテラルフローアッセイデバイスの斜視図である。 別の公知のラテラルフローアッセイデバイスの平面図である。 少なくとも1つの実施形態に従って作成されるラテラルフローアッセイデバイスの平面図である。 例示的な実施形態に従うラテラルフローアッセイデバイスの洗浄液添加ゾーンの詳細の平面図である。 図4の線V−Vに沿った正面断面図であって、例示的な実施形態に従う流れ狭窄を示す。 図4の線VI−VIに沿った側面断面図であり、例示的な実施形態に従う流体流路の中への洗浄液進入を示す。 様々な実施形態に従う洗浄液添加エリアにおける例示的な溝構成の平面図である。 様々な実施形態に従う洗浄液添加エリアにおける例示的な溝構成の平面図である。 様々な実施形態に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの立面断面図であり、流体がアッセイデバイスの内容積を充填する段階を示す。 様々な実施形態に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの立面断面図であり、流体がアッセイデバイスの内容積を充填する段階を示す。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの断面斜視図である。 図11Aの線XIB−XIBに沿った立断面図である。 接触角の作用を示す例示的なラテラルフローアッセイデバイスの立面断面図である。 流体がラテラルフローアッセイデバイスの内容積を充填する段階を示す例示的なラテラルフローアッセイデバイスの立面断面図である。 別の例示的なラテラルフローアッセイデバイスの立面断面図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの別の実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの別の実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの別の実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの更に別の実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの更に別の実験的試験における段階の写真の図形表現である。 様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの更に別の実験的試験における段階の写真の図形表現である。 少なくとも1つの例示的な実施形態に従う流体サンプルを分析するための装置、及び関連する構成要素の概略図である。 アッセイデバイスの流体流路内の流体サンプルを置換する例示的な方法を示すフローチャートである。 様々な実施形態に従うデータ処理システムの構成要素を示すハイレベル線図である。
以下の説明は、ラテラルフローアッセイデバイスのための洗浄液添加エリア設計のための特定の実施形態に関する。本明細書で説明される実施形態は、単に例示的であることを意図し、従って、多数の別の変更形態及び修正形態が可能であることが容易に明らかになるであろう。更に、例えば、「第1」、「第2」、「上側」、「下側」、「最上部」、「底部」、「側方」などのようないくつかの用語が、添付図面に関する好適な基準系を提供するために以下の議論を通して使用される。そのために、これらの用語は、本明細書において別途特に示されない限り、説明された装置及び方法の範囲について過度に限定的であるように考えられてはならない。
添付図面は、必ずしも共通の尺度で表示されているわけではなく、従って、表された寸法に関して、狭く解釈されてはならないことに更に留意しなければならない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別途明確に示されない限り、複数の指示対象を更に含むように意図される。
本説明及び特許請求の範囲全体で数値に関連して使用される「約」という用語は、当業者によく知られており、許容される精度の間隔を示す。この用語に適用される区間は、好ましくは±30%である。
以降の用語の確実を規定する観点から、「検体」という用語は、「マーカー」という用語の同義語として使用され、定量的に又は定性的に測定される任意の化学的又は生物学的物質を最小限包含することが意図され、小分子、タンパク質、抗体、DNA、RNA、核酸、ウイルス成分又は無傷のウイルス、細菌成分又は無傷の細菌、細胞成分又は無傷の細胞、並びにそれらの複合体及び誘導体を挙げることができる。
本明細書において「サンプル」という用語は、例えば、成分の存在又は非存在、成分の濃度などについてのその特性のうちのいずれかの定性的又は定量的決定に委ねられることが意図された一定量の液体、溶液、又は懸濁液を意味する。本発明の文脈における典型的なサンプルは、血液、血漿、血清、リンパ液、尿、唾液、精液、羊水、胃液、痰、唾液、粘液、涙、便などのヒト又は動物の体液である。別の種類のサンプルは、ヒト又は動物組織サンプルに由来し、組織サンプルは、検査のための特定の組織成分を明らかにするために液体、溶液、又は懸濁液中で処理されている。本発明の実施形態は、全ての体液サンプルに適用可能であるが、好ましくは全血、尿、又は痰の試料に適用可能である。
別の例では、サンプルは、食品試験、環境試験、生物学的脅威又は生物学的災害試験などに関連してもよい。これは、本発明において使用され得るサンプルのわずかな例に過ぎない。
本明細書において説明するとき、サンプルの側方流動、及びサンプル内に存在する成分とデバイス内に存在する、又は処置中にデバイスに添加される試薬との相互作用に基づく判定、並びに、そのような相互作用の量的又は質的な検出は、任意の目的、例えば診断目的のためでもよい。そのような試験は、しばしば、「ラテラルフローアッセイ」と呼ばれる。
診断判定の例は、例えば、血中グルコース、血液ケトン、尿グルコース(糖尿)、血液コレステロール(アテローム性動脈硬化、肥満症など)のような慢性代謝疾患などの様々な疾患に特有のマーカーとも呼ばれる検体、別の特有の疾病、例えば、心臓冠状血管梗塞マーカー(例えば、トロポニンI、トロポニン−T、NT−proBNP)、甲状腺機能(例えば甲状腺刺激ホルモン(TSH)の判定)のマーカー、ウイルス感染(例えば特定ウイルス抗体の検出用のラテラルフローイムノアッセイの使用)などのような急性疾病などの別の特定疾病のマーカーについての判定を含むが、これらに限定されるものではない。
更に別の重要なアッセイの分野は、薬物などの治療薬が、そのような薬物を必要とする個体に投与されるコンパニオン診断の分野である。次に適切なアッセイを行って、薬物がその所望の効果を有するかどうかを決定するために適切なマーカーのレベルを決定する。あるいは、本明細書において説明するようなアッセイデバイスは、治療薬の投与の前に、この薬剤を必要とする個体を助けることになるか否かを判定するために使用されてもよい。
アッセイの更に別の重要な分野は、薬物乱用を示す薬物及び薬物代謝物質の容易で迅速な検出のための薬物テストの分野である。例示的なアッセイは、尿又は別のサンプル中の特定薬物及び薬物代謝物質の判定を含む。
「ラテラルフローアッセイデバイス(lateral-flow assay device)」という用語は、本明細書において論じられるとき、流体、例えば少なくとも1つのサンプル、例えば体液サンプルを受け取る任意のデバイスを指し、そして、少なくとも1つの側方に配置された流体輸送経路又は流路を含み、この流体輸送経路又は流路に沿って、様々な場所又は部位(ゾーン)が様々な試薬、フィルタなどを支持するために提供され、この流体輸送経路又は流路を通って、サンプルが毛細管力又は別の適用力の影響を受けて横断し、そして、この流体輸送経路又は流路内で、ラテラルフローアッセイが、関心の少なくとも1つの検体の検出のために処理される。
「自動化臨床アナライザ」、「臨床診断装置」、又は「臨床アナライザ」という用語は、本明細書において論じられるとき、本明細書において論じられるようなラテラルフローアッセイデバイスを含む様々な分析試験要素のスケジューリング及び処理を可能にする任意の装置を指し、そして、その中で複数の試験要素が処理のために最初に装填されてもよい。そのような装置は、装填、培養、及び複数の分析試験要素の試験/評価を自動又は半自動方式で行うように構成された複数の構成要素又はシステムを含んでもよく、そして、その中で、試験要素が少なくとも1つの収容された保管補給品、例えばカートリッジからユーザの操作を伴わずに自動的に分注される。
「試験装置」という用語は、支持体がラテラルフローアッセイデバイスをスケジューリング及び処理することを可能にする任意のデバイス又は分析的システムを指す。試験装置は、自動化臨床アナライザ、又はベンチ、卓上若しくはメインフレーム臨床アナライザのような臨床診断装置、及びポイントオブケア及び別の好適なデバイスを含む場合がある。この用途のために、試験装置は、少なくとも1つのラテラルフローアッセイデバイスを装填、試験又は評価するため複数の構成要素又はシステムを含み、これらは、アッセイデバイスの少なくとも1つの検出信号の存在を検出するための検出器具を含む。
「ゾーン」、「エリア」及び「サイト」という用語は、本明細書、実例及びクレームの文脈において交換可能に使用されることにより、サンプルが最初に適用されるデバイス、その後に向けられるデバイスを含む、従来技術のデバイスの、又は本明細書で説明される実施形態に従うアッセイデバイス上の流体流路の部分を画定する。「反応」という用語は、サンプルの成分と、基体上若しくは基体中の試薬の成分との間で、又はサンプル中に存在する2つ以上の成分の間で起こる任意の相互作用を指すために使用される。「反応」という用語は、具体的に、検体の定性的又は定量的判定の一部として、検体と試薬との間で起こる反応を規定するために使用される。
「基体」又は「支持体」という用語は、サンプルがそれに添加されて、その上若しくはその中で判定が実行されるか、又はそこで検体と試薬との間の反応が起こるキャリア又はマトリックスを意味する。
「検出」及び「検出信号」という用語は、本明細書においては、例えば検出器具(例えば螢光計、反射計又は別の好適なデバイス)のような、視覚的に及び/又は機械的視覚によって監視されることができる知覚可能指示器を提供する機能を指す。
図2を参照すると、別の好適な非多孔性物質又は成形可能プラスチックから作成されてもよい平面基体40を含むラテラルフローアッセイデバイス20の1つの変形例を示す。このデバイス及びこれに関連するデバイスの更なる詳細が、下記及び参照によってその全体が本明細書に組み込まれる「Quality/Process Control of a Lateral−flow assay device Based on Flow Monitoring」と題する米国特許出願公開第2014/0141527 A1号に記載されている。
基体40は、最上面44によって画定されており、この最上面は、流体流路64によって更に画定されている。流体流路64は、サンプル添加ゾーン48と、試薬ゾーン52と、検出チャネル55(簡略のため、1つの検出ゾーン56だけが図示される)に位置する複数の検出ゾーン56と、受取り又は吸上ゾーン60と、を含む相互に間隔をあけた関係にある複数の離散エリア又はゾーンを含む。この設計によると、上述のゾーンのそれぞれは、少なくとも1つの画定された流体流路64に沿って直線的に互いに流体的に相互接続されており、そして、この流体流路において、複数のマイクロポスト7(図1)が、ゾーンのうちの少なくとも1つ及び/又は流体流路64の内部に配設され、マイクロポスト7は、流体流路64の下面、又はラテラルフローアッセイデバイス20上に画定された離散ゾーンから上方に延在する。
マイクロポスト7は、好ましくは、側方毛細管流動を誘導するような寸法にされ、マイクロポスト7は、好ましくは、少なくとも1つの流体流路に沿って流体流動を誘導するような高さ、直径及び/又は中心間距離を含む。その1つの変形例では、マイクロポスト7は、付加構造(すなわち側壁、カバー、若しくは蓋)又は任意の外部作用力の適用の必要がない、いわゆる「開放」構造として毛細管流動を誘導するのに十分な寸法にされてもよい。この特定の設計に従って、画定される流体流路64は、サンプル添加ゾーン48から吸上ゾーン60まで延在するように作成されている。図示される流体流路64は、サンプル添加ゾーン48と吸上ゾーン60との間に概ね直線的に延在する。別の構成では、流体流路64は、1つ又は複数の側方への曲がり又は折返しを含んでもよい。
述べたように様々な実施形態において、画定された流体流路64は、少なくとも部分的に開放しているか、又は完全に開放している。上述のように及び「開放」が意味することは、毛細管流動に寄与する距離に維持された蓋又はカバーがないことである。このように、蓋は、流体流路64及びラテラルフローアッセイデバイス20のための物理的保護として存在する場合、流路内の毛細管流動に寄与することを必要とされない。この特定の設計に従うと、親水層70が、ラテラルフローアッセイデバイス20内での流体流動を増加させるために、吸上ゾーン60のマイクロポスト7の最上部に直接的に適用されてもよく、そして、このラテラルフローアッセイデバイスにおいて、複数の孔72が親水層70に画定されてもよい。親水層70は、プラスチック裏地テープ(図示せず)と、流体流路64に対向するように配列された裏地テープの面上の親水接着剤(図示せず)と、を含んでもよい。様々な例では、流動プロモータ57が、吸上ゾーン60上に設置された親水層70下での流れを促進するために親水層70の縁部に架橋する流体流路64に配列される。
流体流路64における流動を制御するのに有効な流動プロモータ、ミキサー、流動リストリクタ、及び別の構造の様々な例が、2014年8月8日に出願された米国特許出願第62/035,083号に記載されており、その出願の開示内容は、全体が参照によって本明細書に組み込まれる。その出願は、様々な態様に従うサンプル添加ゾーン48の寸法及び形状特性、様々な態様に従うより効率的な溶解をもたらす試薬ゾーン52の機構、様々な態様に従う流体流路64を通過する流体を混合するように構成された流体流路64の曲線部分、及び、様々な態様に従う流動プロモータ57に類似する流動プロモータを含む吸上ゾーン60における機構の例を記載する。
画定されたマイクロポスト7を含む開放側方流路が、例えば、以下の公開された出願、すなわち、国際公開第2003/103835号、国際公開第2005/089082号、国際公開第2005/118139号、国際公開第2006/137785号、及び国際公開第2007/149042号に記載され、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。延在するマイクロポスト7は、マイクロポスト7を有するゾーンに適用された流体、例えば血漿、好ましくは人間の血漿の側方毛細管流動が達成されるような高さ、直径及びマイクロポスト7間の1つ又は複数の距離を有する。これらの関係は、参照によってその全体が組み込まれる米国特許第8,821,812号において論じられている。
上記の高さ、直径、及び1つ又は複数の距離の最適化に加えて、上述のマイクロポスト7は、例えばラテラルフローアッセイデバイス20の試薬ゾーン52及び検出ゾーン56のために、例えば、マイクロポスト7の表面を修正することによって所望の化学的、生物学的、又は物理的機能を付与されてもよい。一実施形態では、マイクロポスト7は、約15〜約150μm、好ましくは約30〜約100μmの高さ間隔と、約10〜約160μm、好ましくは40〜100μmの直径と、互いから約3〜約200μm、好ましくは5〜50μm、又は10〜約50μmのマイクロポスト7間の1つ又は複数の間隙を有する。サンプル添加ゾーン48と吸上ゾーン60との間の流体流路64は、約5〜約500mm、好ましくは約10〜約100mm、及び約0.3〜約10mmの長さ、及び、好ましくは約0.3〜約3mm、好ましくは約0.5〜1.5mmの幅を有してもよい。このデバイス設計に従うマイクロポスト7は、それらの外形及び断面について概ね円筒状である。しかし、マイクロポスト7のそれらの特定の設計は、また、流動を増大させるため、及び物質をフィルタリングするために異なる形状(例えば、菱形、六角形など)及び寸法のマイクロポストに容易に変更され得る。
図2を更に参照すると、サンプル添加ゾーン48は、流体ディスペンサ、例えばピペット又は別の好適なデバイスから流体サンプル101(図1)を受け取ってもよい。サンプルは、一般に、サンプル添加ゾーン48の最上部に堆積されている。様々な実施形態では、フィルタ材料(図示せず)が、サンプル添加ゾーン48の内部に設置されて、サンプルから微粒子をフィルタリングするか、又は血液から血液細胞をフィルタリングすることにより、血漿が、ラテラルフローアッセイデバイス20を通って移動することができる。これらの実施形態では、サンプルは、一般に、フィルタ材料上に堆積されている。
サンプルは、次いで、例えばマイクロポストの毛細管作用によって試薬ゾーン52まで流れるが、この試薬ゾーンは、反応に有効な薬剤、例えば、イムノアッセイのための抗体又は抗原のような結合パートナー、酵素アッセイのための基体、分子診断アッセイのためのプローブ、又は統合薬剤を安定させる物質、阻害反応を抑える物質などのような補助物質を含んでもよい。通常、反応において有効な試薬のうちの1つは、本明細書で論じるような検出可能信号を生じる。場合によっては、試薬は、検体と直接的又は反応の連鎖を介して反応することにより、有色又は蛍光分子のような検出可能信号を形成してもよい。好ましい一実施形態では、試薬ゾーン52はコンジュゲートマテリアルを含む。「コンジュゲート」という用語は、検出要素及び結合パートナーの両方を担持する任意の部分を意味する。
この説明のために、検出要素は、それが送達する信号の物理的な分布及び/又は強度に関して検出可能な薬剤であり、この薬剤は、例えば、発光分子(例えば蛍光剤、リン光剤、化学発光剤、生物発光剤など)、着色分子、反応時発色分子、酵素、ラジオアイソトープ、特異結合表示リガンドなどであるが、これらに限定されない。標識とも呼ばれる検出要素が、また、好ましくは、発色団、蛍光団、放射性標識及び酵素から選択される。好適な標識が、抗体、タンパク質及び核酸を標識付けするための広範囲にわたる色素を提供する商業的供給元から入手可能である。例えば、実際に可視及び赤外線スペクトル全体に及ぶ蛍光団が存在する。好適な蛍光標識又は燐光標識としては、例えば、フルオレセイン、Cy3、Cy5などが挙げられるが、これらに限定されない。好適な化学発光標識としては、例えば、ルミノール、サイリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
同様に、放射活性標識は市販されているか、又は検出素子を、それらが放射活性標識を組み込むように合成することができる。好適な放射性標識としては、放射性沃素及びリン、例えば125I及び32Pが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な酵素標識として、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼなどが挙げられるが、これらに限定されない。2つの標識は、それらが互いに著しく妨害、干渉、又は消光することなく個別に検出されることができ、好ましくは同時に定量化され得るとき、「区別可能」である。例えば、複数の検体又はマーカーが検出されるとき、2つ又は3つ以上の標識が使用されてもよい。
結合パートナーは、検体の存在又は量を判定するために使用されてもよい複合体を形成することができる物質である。例えば、「サンドイッチ」アッセイにおいて、コンジュゲート内の結合パートナーは、検体及びコンジュゲートを含む複合体を形成することができ、そして、複合体は、検出ゾーン56に組み込まれる捕捉要素とも呼ばれる別の結合パートナーに更に結合することができる。競合イムノアッセイでは、検体は、コンジュゲート内の結合パートナーの、検出ゾーン56に組み込まれた捕捉要素とも呼ばれる別の結合パートナーへの結合を阻害する。コンジュゲートに含まれる例示の結合パートナーとしては、抗体、抗原、検体、又は検体模倣体、タンパク質などが挙げられる。
サンプルが試薬ゾーン52内の試薬と相互作用すると、検出物質が溶解を開始し、その検出物質内に結果生じる検出可能信号が流体流動内に含有され、その検出物質は、続いて隣接する検出ゾーン56の中に運ばれる。
依然として図2を参照すると、検出ゾーン56は、任意の検出可能信号を読み取ることができるところである。好ましい実施形態では、捕捉要素が、検出ゾーン56のマイクロポスト7に取り付けられる。捕捉要素は、上記のように、コンジュゲートのための結合パートナー又はコンジュゲートを含有する複合体を保持できる。例えば、検体が特定のタンパク質である場合、コンジュゲートは、そのタンパク質を蛍光プローブなどの検出要素に特異的に結合させることになる抗体であってもよい。捕捉要素は、それで、そのタンパク質に特異的に結合する別の抗体であってもよい。別の例では、マーカー又は検体がDNAである場合、捕捉分子は、合成オリゴヌクレオチド、その類似体、又は特異抗体であってもよいが、これらに限定されない。別の好適な捕捉要素としては、検出されるべき検体に特異的な抗体、抗体断片、アプタマー、及び核酸配列が挙げられる。好適な捕捉要素の非限定例は、ビオチン機能性を含むコンジュゲートに結合するアビジン機能性を有する分子である。検出ゾーン56は、複数の検出ゾーンを含んでもよい。複数の検出ゾーンは、1つ又は複数のマーカーを含むアッセイに使用され得る。複数の検出ゾーンの場合、捕捉要素は、第1及び第2の捕捉要素などの複数の捕捉要素を含むことができる。コンジュゲートは、例えば試薬ゾーン52内でのコーティングによって、ラテラルフローアッセイデバイス20上に予め堆積されてもよい。同様に、捕捉要素は、検出ゾーン56上のラテラルフローアッセイデバイス20上に予め堆積されてもよい。好ましくは、検出要素及び捕捉要素の両方は、ラテラルフローアッセイデバイス20上に、又は試薬ゾーン52及び検出ゾーン56上にそれぞれ予め堆積されている。
吸上ゾーン60が、検出ゾーン56から下流に、流体流路64に沿って存在する。吸上ゾーン60は、流路内に液体サンプル及び任意の別の物質、例えば、未結合の試薬、洗浄液などを受け取る能力を有するラテラルフローアッセイデバイス20のエリアである。吸上ゾーン60は、液体サンプルをラテラルフローアッセイデバイス20の中間の検出ゾーン56を通して、それから外に移動させ続けるための毛細管圧力を提供する。本明細書に記載のラテラルフローアッセイデバイス20の吸上ゾーン60及び別のゾーンは、ニトロセルロースのような多孔性物質を含んでもよく、あるいは、前述のような、マイクロポスト7によって画定される非多孔性構造であってもよい。吸上ゾーン60は、蒸発加熱器又はポンプなどの非毛細管流体駆動手段を更に含んでもよい。様々な実施形態に従って、ラテラルフローアッセイデバイス20において使用されるような吸上ゾーンについての更なる詳細は、米国特許出願第8,025,854号及び米国特許出願公開第2006/0239859 A1号に見られ、これら出願の両方が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
試験(アッセイ)は、一般に、コンジュゲートマテリアルの最後がラテラルフローアッセイデバイス20の吸上ゾーン60の中に移動したときに完了する。この段階において、螢光計又は同様のデバイスなどの検出器具が、検出ゾーン56を走査するために使用され、その検出器具は、例えば、ポータブル(手持ち式又はベンチトップ型)試験装置の内部に組み込まれている。本明細書で説明される様々な方法及び技術を実行するために使用されてもよい検出器具は、種々の数の形式をとることができる。例えば、メインフレーム臨床アナライザが、同時係属中の米国特許出願公開第2013/0330713 A1号に記載されているように、複数のラテラルフローアッセイデバイスを保持するために使用されてもよく、その出願の内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。臨床アナライザにおいて、螢光計などの少なくとも1つの検出器具が、例えば、結果がその中で具備されたプロセッサに送信され得る監視端末としてインキュベータアセンブリに関連して提供されてもよい。
様々な例では、器具は、蛍光発光又は蛍光信号を検出することができる走査装置を含んでもよい。代替として、画像装置及び画像解析が、また、例えば、ラテラルフローアッセイデバイス前面での少なくとも1つの蛍光流体の存在及び位置を判定するために使用されてもよい。更に別の代替的変形例に従うと、赤外線(IR)センサーが、また、ラテラルフローアッセイデバイス内での流体位置を追跡するために利用されることができるであろう。例えば、IRセンサーは、サンプルが実際にラテラルフローアッセイデバイスの基体上に発射されたことを検証するために、流体サンプル101内の水と一般的に関連する約1200nmのピークを検知するために使用されることができる。これらの技術を実行することができる別の好適な方法及び装置を利用できることが本明細書において直ちに明らかになるであろう。
マイクロポスト7(図1)は、好ましくは、ZEONOR(登録商標)などの光学プラスチック材料から、押出成形又はエンボス加工などによって基体40に一体成形される。流体流路64内の検出チャネル55の幅は、一般に、約0.5mm〜約4mm、好ましくは、約2mmである。様々な例に従う流体流路64の別の部分は、約0.5mm未満、約0.5mm〜約4mm、又は約4mm超の幅を有してもよい。約1mmの幅も、また検出チャネル55に対して使用されてもよく、螢光計などの好適な検出器具に提供される十分な信号は、たとえ試薬プルームが検出ゾーン56の幅全体を覆わない場合でも、読み取られることができる。
本明細書で説明されるラテラルフローアッセイデバイスの構成要素(すなわち、デバイスの物理構造であって、デバイスの別の部分からの分離片であるか否かに関わらない物理構造)は、コポリマー、ブレンド物、積層体、金属溶射箔、金属溶射フィルム又は金属から調製されてもよい。あるいは、デバイス構成要素は、コポリマー、ブレンド物、積層体、金属溶射箔、金属溶射フィルム、又は以下の材料のうちの1つに堆積された金属から調製されてもよく、その材料とは、ポリオレフィン、ポリエステル、スチレン含有ポリマー、ポリカーボネート、アクリルポリマー、塩素含有ポリマー、アセタールホモポリマー及びコポリマー、セルロース誘導体及びそれらのエステル、ニトロセルロース、フッ素含有ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、硫黄含有ポリマー、ポリウレタン、シリコン含有ポリマー、ガラス、並びにセラミック材料である。あるいは、デバイスの構成要素は、プラスチック、エラストマー、ラテックス、シリコンチップ、又は金属を用いて作成されてもよく、エラストマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、シリコンエラストマー、又はラテックスを含んでもよい。あるいは、デバイスの構成要素は、ラテックス、ポリスチレンラテックス、又は疎水性ポリマーから調製されてもよく、疎水性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエステルを含んでもよい。あるいは、デバイスの構成要素は、TEFLON(登録商標)、ポリスチレン、ポリアクリレート、又はポリカーボネートを含んでもよい。あるいは、デバイス構成要素は、エンボス加工、ミル加工若しくは射出成形されることができるプラスチック、又は、様々な長鎖アルカンチオールがその上に吸着され得る銅、銀、及び金のフィルムの表面から作成される。ミル加工又は射出成形されることができるプラスチックの構造は、ポリスチレン、ポリカーボネート、又はポリアクリレートを含んでもよい。特に好ましい実施形態では、ラテラルフローアッセイデバイスは、商品名Zeonor(登録商標)の下で販売されるものなどのシクロオレフィンポリマー(COP)から射出成形される。好ましい射出成形技法は、米国特許第6,372,542号、同第6,733,682号、同第6,811,736号、同第6,884,370号、及び同第6,733,682号(これらの全ては参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
依然として図2を参照すると、ラテラルフローアッセイデバイス20又は本明細書で説明される別のラテラルフローアッセイデバイスの画定された流体流路64は、開放又は閉鎖経路、溝、及び毛細管を含んでもよい。様々な実施形態では、流体流路64は、流路を通る毛細管流動が維持されるような寸法、形状及び相互間隔を有するマイクロポスト7(図1)の隣接するものの側方流路を備える。一実施形態では、流路は、底面及び側壁を有する基体40の内部のチャネル内にある。この実施形態では、マイクロポスト7は、流体流路64の底面から突き出ている。側壁は、液体の毛細管作用に寄与しても、寄与しなくてもよい。側壁が液体の毛細管作用に寄与しない場合、最外マイクロポスト7と側壁との間に間隙が提供されることにより、液体をマイクロポスト7によって画定された流路内に収容された状態に保つことができる。好ましくは、試薬ゾーン52内で使用される試薬、及び検出ゾーン56内で使用される捕捉部材又は検出剤は、本明細書に記載のラテラルフローアッセイデバイス20に使用されるマイクロポスト7の外面に直接結合される。
図3は、少なくとも1つの実施形態に従うラテラルフローアッセイデバイス300の平面図である。ラテラルフローアッセイデバイス300は、サンプル添加ゾーン2及び洗浄液添加ゾーン409を有する基体9を含む。サンプル添加ゾーン2及び洗浄液添加ゾーン409は、流体流路64に沿って配設され、その流体流路を通ってサンプル101(図1)が毛細管作用の下でサンプル添加ゾーン2から離れる方で洗浄液添加ゾーン409に向かう流動方向F(「下流方向」)に流れる。流体流路64は、洗浄液301(点線で表現されている)を洗浄液添加ゾーン409内に受け取るように構成されている。例えば、ラテラルフローアッセイデバイス300は、下記で論じるように、洗浄液の通過のための開口部を有するカバーを含んでもよい。別の例では、流体流路64は、上方からの洗浄液の受取りに対して開いている開水路流路であってもよい。
ラテラルフローアッセイデバイス300は、洗浄液添加ゾーン409に配列された少なくとも1つの親水面308を含む。親水面308は、水性洗浄液301について有用である。一例では、基体9は、洗浄液301がそれと45°未満の接触角を有する物質を含むか、又はそれによって被覆されるか、若しくはそれと結合される。本明細書で使用されるとき、「親水面」という用語は、特に、洗浄液301によって濡らされる表面を指す。少なくとも1つの例では、洗浄液301は、洗浄液301が純水に対して疎水性である特定種類のプラスチックを濡らすことを可能にする多数の界面活性剤を含む。親水面308のような親水面は、洗浄液301に対して親水性であるようなプラスチックを含んでもよい。
ラテラルフローアッセイデバイス300は、また、1つ又は複数の流動狭窄部310を含む。本明細書において使用されるとき、「流動狭窄部」は、洗浄液301を洗浄液添加ゾーン409の内部に含有することを助けるか、又は、洗浄液310が洗浄液添加ゾーン409から外に広がることを制限することを助ける構造上の特徴である。いくつかの例示的な流動狭窄部は、親水面308を越える流動の断面を狭めるか、さもなければ、親水面308を越える洗浄液301の流動を(たとえ一時的にでも)妨害するか、阻止するか、又は停止させる。流動狭搾部の例は、基体9に接近するノズルを含み、そして、基体9は、例えば、基体9の溝の縁部において、隅角部を平面から外に方向転換させる。そのような流動狭窄部が、以下で論じられている。図4により明確に示されるように、流動狭窄部310は、流体流路64から側方に離間配置されている。
流動狭窄部310は、以下で論じるように、少なくとも1つの親水面308によって、メニスカスを親水面308と1つ又は複数の流動狭窄部310との間に形成することによって、洗浄液301を保持するように構成されたリザーバ535(図5)を画定するように配列されている。流体流路64は、毛細管圧力によって、洗浄液をリザーバから引き込むように構成されている。
図1及び図2に関して上記で論じたように、ラテラルフローアッセイデバイス300は、例えば、流体流路64内に、複数のマイクロポスト7(図1)を含んでもよい。マイクロポスト7は、洗浄液添加ゾーン409又は本明細書で説明される別のゾーンの近位にある基体9から上方に延在してもよい。マイクロポスト7は、サンプル101、洗浄液301、又はその両方の側方毛細管流動を誘導する、高さ、直径、及びマイクロポスト7間の相互間隔を有する。更に、ラテラルフローアッセイデバイス300は、サンプル添加ゾーン2の下流の流体流路64に沿って配設された少なくとも1つの試薬ゾーン303を含んでもよい。
更に、ラテラルフローアッセイデバイス300は、サンプル添加ゾーン2及び洗浄液添加ゾーン409の下流の流体流路に沿って配設された少なくとも1つの検出ゾーン56を含んでもよい。少なくとも1つの検出ゾーン56は、図37を参照して以下で論じるように、検出可能信号を生成するために、サンプル101の検体に反応する検出物質を含んでもよい。
図4を参照すると、様々な実施形態に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイス400の平面図が示されている。示されるような態様では、溝が、単なる流動狭窄部310として使用される。例えば、ラテラルフローアッセイデバイス300は、上部が開いたラテラルフローアッセイデバイス、すなわち、カバーを有しないラテラルフローアッセイデバイスであってもよい。
この例では、基体9は、少なくとも1つの親水面308を含む。1つ又は複数の流動狭窄部310は、親水面308に、そして、洗浄液添加ゾーン409の内部で側方に形成された少なくとも1つの溝410を含む。様々な例では、溝410は、(上方からから見たとき)細長い、直線の若しくは曲線の、短い、円形の若しくは楕円形の、又は別の形状であってもよい。少なくとも1つの例では、溝410は、細長く、そして50μm〜200μmの幅を有する。別の例では、溝410の幅は、5μm〜1000μmであってもよく、又は1000μm超であってもよい。
示される例では、ラテラルフローアッセイデバイス400は、複数の流動狭窄部310を含み、流動狭窄部310のそれぞれは、親水面308に形成された溝410を含む。溝410は、流体流路64の中心線464の周りのそれぞれの弓状経路411に沿って配列されている。それぞれの弓状経路411は、円形、楕円形、又は別の形状であってもよい。円形の溝は、毛細管圧力が、洗浄液301を流動狭窄部310が存在しない円形構成の中に引き込むように動作するので、より大きい安定性を有利に提供する。従って、少なくとも1つの例では、溝410は、流体流路64の上方に円形流体ドームを維持するために、円形弓状の形状である。溝410のそれぞれのための弓状経路の幾何学的中心は、この例におけるように、流体流路64が直線である場合、好ましくは、流体流路64の幾何学的中心線の上にあり、その結果、洗浄液301が流体流路64の中心線に沿って対称的に流体流路64に入る。
図3に関して上述したように、溝410は、流体流路64から側方に離間配置されている。この間隔は、流体流路64内の洗浄液301又はサンプル101が毛細管圧力によって溝410の中に流れることを有利に制限又は妨害する。
示されるような様々な例では、流動狭窄部310(図3)は、親水面308に形成された少なくとも3つの離間配置された溝410、例えば、4つの離間配置された溝を含む。示されるものなどの様々な例では、溝410のうちの少なくとも1つは、流体流路64の一部分の概ね周りに配設された概ね弓状の経路411に沿って配列されている。複数の溝を使用する態様は、内側溝が、分注中の洗浄液301によって若しくは基体9上に洗浄液301が広がることを許容する溝410の不完全性に起因して、覆われる場合に、有利に様々な洗浄液容積に対してより頑健である(例えば、洗浄液301の容積を測定するべき精度を低減することを可能にする)か、又は、リザーバ535(図5)のドーム形状を維持する信頼性の増加を提供する。
図5は、図4の線V−Vに沿った正面断面図であり、様々な態様に従う流動狭窄部を示す。基体9は、その中に凹んだ流体流路64を有する。流動狭窄部310(図3)のうちの2つは、親水面308によって覆われた領域の内部の基体9中に凹んでいる溝410である。図示される溝410は、概ね長方形の断面を有する。洗浄液301が親水面308を濡らすことにより、毛細管圧力及び液面張力に起因するドーム形状のメニスカス520、530を流体流路64より上に形成する。メニスカス520、530によって周囲を囲まれたリザーバ535の容積は、洗浄液測定機構3725(図37)によって送達される洗浄液301の容積に応じて可変である。メニスカス520、530及びリザーバ535の寸法は、洗浄液301が洗浄を実行するためにリザーバ535から流体流路64の中に引かれるとき収縮する。
リザーバ535は、概ね同じ洗浄性能を維持しながら、送達された洗浄液の広範囲(例えば、7と17μLとの間)にわたる容積を有利に収容する安定したメニスカスを提供する。流体メニスカス520、530の別の長所は、それが洗浄液301の送達速度の大きい変動を緩和できることである。図示される実施形態での溝410は、また、親水面308においてリザーバ535内の洗浄液301の円形形状を維持することを有利に助ける。
親水面308に対して45°の接触角を有する洗浄液301を使用する仮定の例では、親水面308が平坦で、溝410を有しない(溝410の最上部を横切る点線によって視覚的に表現されている)場合には、メニスカス520(点描されて示されている)が形成するであろう。この仮定の例における45°の接触角は、水平親水面308に対する角度521で示される。
45°の接触角を有する洗浄液301、及び溝410を使用する例では、メニスカス530が形成する。45°の接触角は、溝410の鉛直縁部に対する角度531で示される。メニスカス530の下方の容積は、溝410、すなわち、流動狭窄部、及び少なくとも1つの親水面308によって画定されるリザーバ535である。リザーバ535は、親水面308と、1つ又は複数の流動狭窄部310との間でのメニスカス530の形成によって、洗浄液301を保持するように構成されている。
洗浄液301は、表面張力及び接触力によって隅角部511の周りに引かれ、その結果、流動の断面積が制限される。溝410及び結果生じた角度531は、メニスカス520と比較して、メニスカス530を引き起こす。このことは、リザーバ535の半径を増加させて、リザーバ535の容積を増加、又は概ね増加させる。例えば、半球形リザーバは、様々な半径に対して、下記の表1に示す容積を有する。見て取れるように、半径が増加すると急速に容積が増加する。
Figure 0006556828
従って、流体流路64を囲む溝410又は同様の流動狭窄部310を使用することは、メニスカス530の形状及びリザーバ535の形状を維持及び制御することを有利に可能にすることにより、流体流路64より上のリザーバ535の容積を増加させることができる。
図6は、図4の線VI〜VIに沿った側面断面図であり、流体流路64の中への洗浄液301の進入を示す。リザーバ535が、流体流路64の上に配列されて、洗浄液301を保持するように示される。この例では、流体流路64は、基体9の上に配列されたマイクロポスト7を含む。サンプル101は、流体流路64の少なくとも一部分を充填している。様々な例では、洗浄液301は、例えば、マイクロポスト7間の毛細管圧力によって引かれている、リザーバ535の縁部に近接したリザーバ535から流体流路64に入る。
マイクロポスト7を使用する様々な例示的な構成では、洗浄液301は、サンプル添加ゾーン2と検出ゾーン56との間の流体流路64の中に分注されることにより、サンプル101の流体に割り込むか、又はこれを置換する。洗浄液301は、流体流路64より上にドーム形状のメニスカスを形成することにより、新しい洗浄液301が流体流路64より上から流体流路64に入る一方、サンプルの流動が反応ゾーンに向かって流れることを停止する。流体流路64より上のドーム形状の洗浄液メニスカスは、流体流路64より上からの流動抵抗が、マイクロポスト7間を通って流れるサンプル流体と比較して、最小であるので有利である。この低い流動抵抗は、リザーバ535の前方縁部から新しい洗浄液301を供給しつつ、サンプル流動を停止することになる。洗浄液添加エリアの浅い井戸を使用する従来の幾何形状設計は、分注される洗浄液301のドーム形状を確実に維持するわけではない。洗浄液301は、特に洗浄液301が親水面308(図3)に対する低い接触角を有するとき(例えば、接触角が45°であるとき)、容易に広がって、結果として流体流路64より上に洗浄液301の薄層をドームの代わりに生じさせる。この場合、流体流路64より上の洗浄液301がほとんど利用できず、サンプル101が洗浄液の添加後でさえ流動し続けることになるので、洗浄効率は低い。本明細書で説明される構成は、有利にリザーバ535を維持することにより、洗浄液301を流体流路64に効率的に供給する。
特に、少なくとも1つの例では、洗浄液301は、大量の、又は比較的高濃度の界面活性剤を有する。これらの界面活性剤は、洗浄に有用であるが、洗浄液301の薄層から流体流路64の中に引き込むことの困難性を増大させる。従って、この例では、流体流路64がそこから引き込むことができるリザーバ535内にバルク流体を維持することが好ましい。溝410(図5)は、有利にリザーバ535の寸法を増加させて、流動狭窄部を全く伴わない従来方式の場合よりも、流体流路64の中への洗浄液301のより効果的な流動を可能にする。
図5の例では、サンプル101が流体流路64を充填し、洗浄液301が適用され、そして、洗浄液301は、流体流路64内のサンプル101を置換し始めている。洗浄液301は、下流(流動方向Fに沿って)及び上流(流動方向Fの反対側に)の両方に流れることができる。様々な態様では、洗浄液は、上流よりも下流により速く流れる。一例では、流体流路64のエリア655が、少なくとも部分的にリザーバ535の下にあり、このエリアの中には全く流動がない、すなわち、その中では流体流路64の内容物が停滞している。
図7を参照すると、様々な実施形態に従うラテラルフローアッセイデバイス700の例示的な溝構成の平面図が示されている。例示的なラテラルフローアッセイデバイス700の流体流路64は、洗浄液添加ゾーン409に90°の曲がり部を有する。この例では、溝410のうちの少なくとも1つが、洗浄液添加ゾーン409を出る流体流路64の中心線764に沿って、概ね基準点710の周りに配設される。基準点710、すなわち溝410の幾何形状中心のこの配置は、洗浄液添加ゾーン409を離れる流体流路64に沿った洗浄液301の流動における対称性を有利に維持する。
また、ここに示されるように、溝410又は別の流動狭窄部310(図3)のそれぞれは、同じ幅W又は別の寸法を有する必要がない。この例では、溝410は、基準点710に対してそれぞれの半径、例えば、半径R1、R2、R3を有する概ね弓状の経路(図示せず)に沿って配列されている。
図8を参照すると、様々な実施形態に従うラテラルフローアッセイデバイス800の例示的な溝構成の平面図が示されている。この例では、溝410のうちの少なくとも1つは、螺旋の線分として構成されている。線分は、任意の長さ及び巻数を有してもよい(疑義を避けるために明記すると、部分的な巻き及び完全な一巻きに満たないものを有する溝410が使用されてもよい)。その結果、1つ又は複数の溝410は、中央点の周りの360°超の回旋を通過する螺旋であってもよい。しかし、このことは必須でない。
示される例では、溝810は、螺旋経路869に沿って配列されている。螺旋経路869は、流体流路64の両側において側方に延在するように配列されている。従って、溝810のそれぞれは、流体流路64によって通過を阻止されるまで、螺旋経路869に追従する。この態様及び別の態様では、流体流路64及び溝410(又は、様々な態様では、流動狭窄部310の別のもの)が障壁又は隙間によって分離されることにより、流体流路64内の流体は、毛細管圧力によって溝410まで流れることを制限される。
流体流路64の周りの溝410を使用する様々な態様は、洗浄液301のメニスカス形状を維持及び制御することにより、より高いドームが、流体流路64より上に形成されることになり、そして、洗浄液301が、溝410を越えて広がることを制限されることになる。
図9及び図10を参照すると、少なくとも1つの実施形態に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイス900の立面断面図が示されている。図9及び図10は、流体がラテラルフローアッセイデバイス900の内容積を充填する段階を示す。例示的なラテラルフローアッセイデバイス900は、溝410(図8)をそれ自体の流動狭窄部310(図3)としては使用しない。その代わりに、ラテラルフローアッセイデバイス900は、基体9の上方に配列されたカバー990を含む。カバー990は、基体9に対向する親水面908を含む。基体も、また、親水面308を有してもよいが、このことは必須ではない。カバー990は、また、少なくとも部分的に洗浄液添加ゾーン409と整列している洗浄液受口930を画定する、直径dの開口920を含む。開口920は、洗浄液301を受け取るように構成されている。
流動狭窄部310のうちの少なくとも1つは、開口920に近接してカバー990から基体9に向かって延在する突起911(例えば、ノズル又はナブであって、例が以下で論じられている)を含む第1のカバー流動狭窄部910を備える。示される例では、第1のカバー流動狭窄部910、特に突起911は、基体9から第1の所定距離h1まで突き出ている開口920の唇状部を含む。また、示される例では、第2のカバー流動狭窄部912は、開口920の外側に配列され、そして、基体9から第2の所定距離h2まで延在する突起913を含む。第2の所定距離h2は、示されるように、第1の所定距離h1よりも大きくてもよい。別の構成では、h2>h1、h2≒h1、又はh2=h1である。本明細書で用いられるとき、「より高い」、又は「より深い」カバー突起は、カバーから比較的より遠くに延在するものであり、「より短い」又は「より浅い」カバー突起は、カバー990から比較的遠くまで延在しないものである。
図9及び図10の例が、内径dを有するノズル(内部開口920を有するカバー流動狭窄部910)を表す場合がある。ノズルは、洗浄液301を流体供給源(図示されない。例えば、ピペット又はブリスタである)から親水面908、又は親水面308(存在する場合)まで送ってもよい。ノズルは、平面的に環状、例えば、リング構造であってもよい。第2のカバー流動狭窄部912は、外側リングであってもよい。二重外側リング構造(カバー流動狭窄部910、912)の外側において、親水面908と基体9の対向面との間の隙間距離は、h3であり、この距離は、この例では、h2よりも大きい。内側リング(突起911)は、送達される流体量が小さい、例えば5〜7μLのとき、洗浄液301をリザーバ535内に有利に保持する。外側リング(突起913)は、基体9の表面からより遠い離間配置されている(h2>h1)ことにより、より多くの流体、例えば15〜17μLが、制限空間範囲(例えば、概ね5mmに等しい洗浄液添加ゾーン409の直径)内に保持されてもよい。
特に図9を参照すると、一例では、d=2mm、h1=0.35mm、h2=0.8mm、及びh3=1mmである。突起911の外側直径は3mmである。突起911の内側直径は4mmであり、突起913の外側直径は、5mmである。突起911の下方では、間隙の容積は、約2.5μLである。突起911と913との間の間隙容積は、5.5μLである。突起913の下方の間隙容積は、4.6μLである。3つの部分の下方の全容積は、12.6μLである。メニスカス形状は、厳密には直線でないので、実験は、機構が安定性を維持し、そして、標準洗浄を5〜20μLの洗浄容積に提供できることを示した。
図9は、図10と比較して、比較的より少ない量の洗浄液301が添加されたときのリザーバ535を示す。この例では、親水面308が使用される。突起911の円形端部は、洗浄液301がノズル(開口920)においてドームを形成し、より容易に親水面308と接触することを可能にする。具体的には、円形端部は、背面圧力を低減することにより、開口920を通して洗浄液添加エリア409の中により容易に分注することを可能にする。丸い底部は、洗浄液301のメニスカスが基体9に向かって開口920の下方に移動するにつれて、増加した半径を提供することによって背面圧力を低減する。このことは、洗浄液301が、大きい関連圧力によらずに基体9又はそれの親水面308と接触することを可能にする。このことは、例えば、洗浄液301が、例えば、それとの100°の接触角を有する非被覆プラスチックノズルについて、特に有用であり得る。
接触すると、洗浄液301は、親水面308を濡らし、従って側方に広がる。側方に広がることによって、洗浄液301は、また、親水面908を濡らす。毛細管圧力は、メニスカス、例えば、示されるような、リザーバ535を画定するメニスカス935を形成する。
特に図10を参照すると、図9と比較して洗浄液301の比較的より大きい量、例えば15μLが添加されたときのリザーバ535が示されている。この例では、メニスカス1035は、突起913(外側リング)によって安定化されている。リザーバ535は、ニスカス1035及び開口920の内部にあるメニスカス(図示される)によって画定されている。
また、図10の例において、流動狭窄部、例えば、突起913を含むカバー流動狭窄部912のうちの第1のものは、流体流路64に対して画定された近位縁部1018及び遠位縁部1019を含む。遠位縁部1019は、近位縁部1018よりも鋭く曲がっている。このことは、例えば、角531(図5)に関して上記で論じたように、遠位縁部1019において、ドーム高さを有利に増加させる。別の態様では、近位縁部1018が、遠位縁部1019よりも鋭く曲がっているか、又は縁部1018、1019が、等しく鋭く曲がっている。縁部1018、1019の曲率は、メニスカス1035が縁部1018、1019のそれぞれ一つにおいて保持されるときに、リザーバ535に保有されることができる容積を決定するように選択されてもよい。縁部1018、1019の曲率の鋭さを増大させると、縁部1018、1019がそれを用いてメニスカスを「ピン留めする」(保持する)効果が増大する。
図11Aは、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイス1100の切断斜視図であり、図11Bは、図9Aの線XIB−XIBに沿った立面断面図である図11Bに示される断面では、寸法が、ミリメータ単位で与えられる。示されるように、開口920の唇状部は、形状が概ね環状である。毛細管力が自然に円形構成を維持しようとするので、環状ノズルの使用は、図9に示されるメニスカスのようなメニスカスの安定性を有利に改善することができる。また、示されるように、この例では、開口920と開口の唇状部(突起911)とは、互いに同軸である。
この例では、ラテラルフローアッセイデバイス1100のカバー990は、基体9の上方に配列されている。流動狭窄部310のうちの少なくとも1つは、カバー990から基体9に向かって延在し、そして、基体9から離間配置されたノズル1120を含む。ノズルは、洗浄液添加ゾーン409(図9)と少なくとも部分的に整列し、そして、洗浄液301(図9)を受け取るように構成された洗浄液受口930(図9)を画定する。少なくとも1つの流動狭窄部310は、ノズル1120の周りに配列され、そして、カバー990からノズル1120が延在する距離よりも小さい距離だけ延在する環状部(カバー流動狭窄部912)を含むことができる。ノズル1120の開口920は、示されるように、円錐形であってもよい。このことは、洗浄液301をノズル1120を通して分注するヒトにより大きい当てるべき標的を提供することにより、洗浄液301をこぼす確率を低下させることができる。このことは、また、洗浄液301を基体9に向かって引き込むことを助けることができ、その理由は、開口920の直径の縮小が、洗浄液301を開口920の底部近くまで引き下げる毛細管圧力が、洗浄液301を開口920のより広い最上部近くまで引き上げる毛細管圧力を上回るようにさせるからである。あるいは、ノズル1120は、円筒状若しくは直線で囲まれた開口920、又は別の形状の開口920を有してもよい。
図11A及び図11Bに示されるような様々な態様では、ノズル1120及び溝420が一緒に使用される。ノズル1120及び溝420の両方は、メニスカス安定性を維持すること、及び調整された洗浄液301が基体9の親水面308を越えて広がることを制限することを助ける。様々なそのような態様は、図12、図13、及び図15〜図19に関して下記で論じられている。更に、流動狭窄部の様々な例示的な構成が下記で説明される。別途明記しない限り、基体上又はカバー上に示された流動狭窄部は、独立して使用されるか、又は任意の組合せで一緒に使用されてもよい。
図12を参照すると、例示的なラテラルフローアッセイデバイス1200の立面断面図及び接触角の作用の説明図が示されている。この例では、ラテラルフローアッセイデバイス1200は、カバー990に対向する親水面308を有する基体9を含む。1つ又は複数の流動狭窄部310は、1つ又は複数の凹んだ基体流動狭窄部、この例では、溝1210を含む。例えば、溝1210とノズル1120とは、親水面308上での洗浄液301の接触角が40°未満であるとき、一緒に使用されてもよい。体流動狭窄部のうちの少なくとも1つは、例えば、図11Aに示されるように、概ね流体流路64の一部分の周りに配設された概ね弓状の経路411(図4)に沿って配列されてもよい。
洗浄液301が開口920を通してラテラルフローアッセイデバイス1200に添加されると、洗浄液は、カバー990の親水面908及び対向する基体9の親水面308を濡らし、そして、メニスカスを形成する。一例では、洗浄液301は、カバー990の下面の親水面908に沿って這うように進む。メニスカスの形状、従って、洗浄液301の付与された容積に対するリザーバ535の側方範囲は、所望の接触角を有する物質を選択することによって制御されることができる。洗浄液301が親水面308、908との45°未満の接触角を有する例では、1つ又は複数のメニスカス1235が形成する。洗浄液301が親水面308、908との45°超の接触角を有する例では、1つ又は複数のメニスカス1237が形成する。示されるように、メニスカス1237は、メニスカス1235よりも開口920からより遠くまで延在する。それに応じて、様々な態様において、洗浄液301及び親水面308、908の組成が、リザーバ535の所望の側方範囲を提供するように選択されている。
更に、基体流動狭窄部、例えば、溝1210の寸法及び位置は、ノズル1120と協働するように選択されてもよい。この例では、4つの溝1210、1211、1212、1213が視認できる(参照番号1210によって集合的に参照される)。溝1210は、開口920からより遠い溝1210が、開口により近い溝1210よりも、より大きい容積を有するリザーバを形成することに関与するように構成されている。例えば、溝1213は、溝1211の場合よりもより多くの洗浄液301を背後に保有するメニスカスを保持することができる。この非限定的な例では、メニスカス1235は、溝1212の近位縁部(簡単のために、標識付けされていない)によって維持され、メニスカス1237は、溝1213の遠位縁部によって維持されている。
様々な態様では、洗浄液301は、隙間サイズ、すなわち親水面308と908との間の距離が、隣接する場所における距離よりも小さい場所において、安定化メニスカスを形成することができる。溝1210は、このことが溝同士の間の隆起エリアについての論拠であるようにさせ、そして、カバー流動狭窄部は、このことがカバー流動狭窄部と親水面308との間に当てはまるようにさせる。
図13は、洗浄液301がラテラルフローアッセイデバイス1300の内容積を充填する段階を示す例示的なラテラルフローアッセイデバイス1300の立面断面図である。簡単のため、段階は丸数字で表示され、メニスカスは点描曲線で表示されている。段階2、3、及び4のそれぞれは、段階2から始まる初期段階を表示するマーク付きエリア内の洗浄液301を含む。
段階1では、洗浄液301は、上記のように、ノズル1120の内部に保持され、ドームを形成する。
段階2では、洗浄液301が、突起911(ノズル1120の唇状部)と親水面308との間に保持されている。メニスカスは、凹形である。一例では、リザーバ535は、段階2の約5μLを保有する。
段階3では、一層多くの洗浄液301が添加されている。リザーバ535の容積が拡張し、それで、親水面308と突起311との間のメニスカスは、凹形というよりはむしろ凸形である。その結果、リザーバ535は、例えば、段階3において約7μLを保有する。
段階4では、一層多くの洗浄液301が添加されており、リザーバ535が、メニスカス1335まで拡張している。一例では、リザーバ535は、段階4において約20μLを保有する。
図13は、流動狭窄部310(図3)の構成の一例を示し、この構成は、選択された数の段のそれぞれにおいて選択された能力をリザーバ535に提供する。流動狭窄部310、例えば、ノズル1120若しくは別のカバー流動狭窄部、又は溝1210若しくは別の基体流動狭窄部の数及び配列は、流体流路64より上のリザーバ535内に洗浄液301を効果的に保持するように選択されてもよい。例えば、流動狭窄部310は、2μLの増分で洗浄液301の容積を効果的に保持するように構成されてもよい。流動狭窄部のそれぞれのセット、例えば、親水面908から突き出るそれぞれのリングは、リザーバ535の安定した容積の範囲を提供する。この例では、突起911は、5μL(段階2)の容積と7μLの容積(段階3)との間のリザーバ535のうちの安定したリザーバを提供する。多数の流動狭窄部を使用するこれらの範囲及び構成は、ラテラルフローアッセイデバイス1300についての単一の設計の可能な使用範囲を広げる。
図14は、別の例示的なラテラルフローアッセイデバイス1400の立面断面図である。ラテラルフローアッセイデバイス1400は、唇状部1411(カバー流動狭窄部910(図9))を有するノズル1120を含む。唇状部1411は、開口920に対して遠位面1420を有する。遠位面1420は、傾斜しており、鋭く曲がった縁部を有しない。毛細管圧力は、メニスカス1435、1436が傾斜した遠位面1420に接触している限り、洗浄液301(図13)をリザーバ535内に保持する傾向がある。リザーバ535が、例えば、右に移動する場合、毛細管圧力はより狭い開口においてより強いので、メニスカス1435を左に引き込む毛細管圧力は、増加することになり、そして、メニスカス1436を右に引き込む毛細管圧力は、減少することになり、リザーバ535をより中心の位置に戻す。
図15〜図27は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の斜視図である。図15〜図18は、図11A〜図11Bに関して上記で論じた例に類似した例を示す。図15は、基体9の表面から0.75mmだけ離間配置された単一のリング(ノズルの唇状部)を有する構成を示す。図16は、図15の構成に類似しているが、基体から0.35mmだけ離間配置されたリングを有する構成を示す。この構成は、例えば、洗浄液301の単一の容積だけに対して設計されたラテラルフローアッセイデバイスに対して有用であり得る。図17は、それぞれが0.35mmだけ離間配置された2つのリングを有する構成を示す。図18は、0.75mmだけ離間配置された内側リング(ノズルの唇状部)及び0.35mmだけ離間配置された外側リングの2つのリングを有する構成を示す。例示的なデバイスが、図15〜図18に示された構成に従って作成されて、試験された。結果が、下記の表2に与えられている。
表2は、様々な洗浄液容積の、図15〜図18に示される4つの洗浄機構設計の洗浄性能を示す。この試験に使用された洗浄液は、下記の表3に記載された特性を有するPOC洗浄液であった。表2において、「オーバーフロー」は、洗浄液が流体流路64より上に流れたことを示す(洗浄効率が低いことになるので、これは望ましくない)。「メニスカスアウト」は、流体メニスカスが、試験されたラテラルフローアッセイデバイスにおける第3の洗浄溝410(図4)を少なくとも部分的に越えて側方に延在することを意味する。「中心を外れた」とは、流体メニスカスが試験された弓状溝410の中心にないことを意味する。「良い」とは、洗浄液301がリザーバ535(図5)内で安定しており、そして、メニスカスが概ね所望の寸法であることを意味する。「」と記された表2におけるセルは、好ましい実施形態を示す。
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図17は、流動狭窄部310のうちの少なくとも1つが、ノズル1120の周りに配列され、そして、ノズル1120の場合と概ね同じカバー990からの距離だけ延在する環状部1710を含む構成を示す。
一例(図示せず)では、環状部1710は、環状部1710の周りで、例えば90°毎に周期的に中断され、従って、複数の独立した弓状突起を形成してもよい。
図18は、流動狭窄部310のうちの少なくとも1つが、ノズル1120の周りに配列され、そして、ノズル1120の場合よりも大きいカバー990からの距離だけ延在している環状部1810を含む構成を示す。
図19は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の上方斜視図である。図示される構成では、ノズル1120の開口1920と開口1920の唇状部1911とは、互いに軸方向に外れている。洗浄液301は、開口1920を充填して、基体9上に分注されていることが示されている。説明を簡単にするため、唇状部1911及び開口1920の軸が示され、この例では、それらの間にずれ1995が存在する。洗浄液301が受け取られる場所(開口1920)は、洗浄液301が基体9上に分注される場所からずらされることがあるので、軸方向のずれは、ラテラルフローアッセイデバイス1900の設計における増加した融通性を提供する。一態様では、開口920の最低先端部が、洗浄されるべき流体流路64より上に配設されている。また、示されるように、開口1920は、部分的に円錐状、部分的に円筒状の形状を有してもよい。
図20は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイス1900(図19)の構成要素の斜視図である。図20は、ノズル1120の底面斜視図を示す。示されるように、ノズル1120は、提示された円錐状部分を有する。図20は、また、親水面908の一部分を示す。従って、様々な実施形態では、流動狭窄部310の第1のものは、円錐体のような概ね凸形閉鎖形態に成形されている。凸形閉鎖形態は、例えば、平面方向断面が円形、楕円形、又は多角形のナブ(nub)を含んでもよい。
図21は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、流動狭窄部310のうちの少なくとも1つは、ノズル1120から離間配置された突起2112を含む。突起2112は、メニスカスが、ノズル1120だけによって形成されたリザーバ535(図5)に保有されることができる量を越えた任意の過剰洗浄液を既知の場所に区別して引き付けるように形成することを可能にする。このことは、例えば、洗浄液301の過剰量を流体流路64又はその一部分から有利に引き離すことを可能にしてもよい。
図22は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、ノズル2220は、基体9(図19)に対向する段付き面2225を有する。このことは、メニスカスが、優先して形成することになる画定された場所、例えば、段の縁部を有利に提供する。
図23は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、流動狭窄部310のうちの少なくとも1つは、ノズル2220から離間配置された突起2312である。突起2312は、例えば、図21に関して上記したように、洗浄液301の過剰容積を引き付けてもよい。
図24〜図27は、様々な例示的なラテラルフローアッセイデバイスのそれぞれのカバー990の底面斜視図である。カバー990のそれぞれは、それぞれの親水面908を含む。
図24は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、ノズル2420は、比較的狭い開口920を囲む比較的広いプラトー2425を有する。開口920は、洗浄液301が、例えば、図19に示されるように開口920に添加される場所においてより広くてもよい。プラトー2425は、この例では、流動狭窄部310のうちの1つである。プラトー2425は、例えば、直径が1.78mmであってもよい。
図25は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、図18に示される構成と同様に、流動狭窄部320のうちの少なくとも1つが、ノズル2420の周りに配列され、そして、カバー990からノズル2420の場合よりも大きい距離だけ延在する環状部2520を含む。この例では、環状部2520の外径は、3mmである。環状部2520は、ノズル2420と同心状であるか、又は、それから軸方向にずらされてもよい。環状部2520とノズル2420との相対位置は、洗浄液301がラテラルフローアッセイデバイスに添加されるときに形成する所望の形状のメニスカスを提供するように選択されてもよい。
図26は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、流動狭窄部310のうちの少なくとも1つが、環状部2520の周りに概ね対称的に配列され、そして、環状部2520から離間配置されている複数の突起2630を含む。この例では、突起2630のうちの4つは、環状部2520の周りに90°の間隔で存在している。環状部2520、ノズル2420、及び突起2630は、カバー990からの比高について任意の所望の関係を有してもよい。図21に関して上記したように、突起2630は、洗浄液301の余剰容積が保存される場所についての強化された制御を提供する。様々な態様では、突起2630は、全てが同じ形状を有してもよく、又は、任意の数の異なる形状を有してもよく、任意の数の突起2630が使用されてもよく、そして、突起2630は、一様に又は不規則に任意の角度で離間配置されてもよい。
図27は、様々な態様に従うラテラルフローアッセイデバイスの構成要素の底面斜視図である。図示される構成では、流動狭窄部310のうちの少なくとも1つが、ノズル2420の周りに概ね対称的に配列され、そしてノズル2420から離間配置された複数の突起2730、2731を含む。この例では、突起2730のうちの4つは、ノズル2420の周りに突起2731のうちの4つと45°の間隔で交互に配列されている。実線の引出線及び点線の引出線が、明確にするためだけに、制限なく使用される。様々な態様では、突起2730、2731は、全てが同じ形状を有してもよく、又は任意の数の異なる形状を有してもよく、任意の数の突起2730、2731が使用されてもよく、そして、突起2730、2731が、一様に又は不規則に任意の角度で離間配置されてもよい。
図26及び図27に示された構成は、例えば、図24及び図25に示された構成と比較して、多量の洗浄液301を使用するラテラルフローアッセイデバイスに有用であってもよい。
図28〜図36は、様々な態様に従う例示的なラテラルフローアッセイデバイスの実験的試験における段階の写真の図形表現である。試験された例示的なラテラルフローアッセイデバイスは、図11A〜図11Bに示されるように構成された。
実験1(図28〜図30)、実験2(図31〜図33)、及び実験3(図34〜図36)は、様々な流動狭窄部310が、親水面308、908と一緒に、様々な洗浄液(水、POC洗浄水、及びNDSB Wash)を効果的に送達することにより、アッセイ流動プロセスの間に、効果的に洗浄を達成し、ラテラルフローアッセイデバイス内の洗浄液添加エリア409の内部の洗浄液メニスカスの安定性を維持してもよい。試験された洗浄液301の特性が、表3に記載される。
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図28〜図30を参照すると、実験1の段階が示されている。サンプル101(図1)は、血漿中に1%シルウェット界面活性剤であり、可視化のための赤色食用染料を含んでいた。8マイクロリットルのサンプル101が、サンプル添加ゾーン2(図1)に添加された。一旦サンプル101が吸上ゾーン5(図1)の容積の約40%を充填すると、青色食用染料を有する17μLのPOC洗浄液(室温での)が洗浄液添加ゾーン409に添加された。赤色食用染料が、サンプルに添加され、そして、青色色素が、洗浄液に添加される。図28〜図30は、洗浄液添加を伴う試験されたアッセイプロセスの3つの異なる段階における流動及び洗浄パターンを示す。
図28は、洗浄液添加の前に、吸上ゾーン5の容積の約40%を充填したサンプル101(赤色)を示す。図28は、洗浄液301(青色)を添加した直後の試験されたラテラルフローアッセイデバイスを示す。溝410(図4)は、洗浄液301を保持している。図30は、流体、この試験ではサンプル101が、吸上ゾーン5の端部3005に到達したときの洗浄液301分布の分布状態を示す。この実験では、サンプル101の流体は、流体流路64(図3)の検出ゾーンチャネル3064内で洗浄液によって完全に置換された。更に、洗浄液は、領域3001内の吸上ゾーン5の中に延在した。洗浄液添加ゾーン409の下方の流体は、依然として溝410の内部にピン留めされ、そして、洗浄液流動が完了した後も依然として安定している。
図31〜図33を参照すると、実験2における段階が示されている。実験1と同様のサンプル101が、サンプル添加ゾーン2に添加された。図31は、洗浄液添加の前に、吸上ゾーン5の容積の約30%を充填したサンプル101(赤色)を示す。その時点で、洗浄液301が添加された。図32は、洗浄液301、この実験では、緑色食用染料(縁色)を加えた17μLの消イオン水(室温での)を添加した直後の被試験ラテラルフローアッセイデバイスを示す。洗浄液301(縁色)は、溝410の内部に保持されている。図33は、流体、この場合ではサンプル101が吸上ゾーン5の端部3005に到達したときのラテラルフローアッセイデバイスを示す。サンプル101(赤色)の流体は、検出ゾーンチャネル3064内で洗浄液301(縁色)によって完全に置換されている。更に、洗浄液は、領域3301内の吸上ゾーン5の中に延在した。洗浄液添加ゾーン409内の洗浄液301は、洗浄液流動が完了した後でも、依然として溝410の内部にピン留められ、依然として安定している。
図34〜図36を参照すると、実験3における段階が示されている。実験1と同様のサンプル101が、サンプル添加ゾーン2に添加された。図34は、洗浄液添加の前に、吸上ゾーン5の容積の約60%を充填したサンプル101(赤色)を示す。その時点で、洗浄液301が添加された。図35は、洗浄液301、この実験では、青色食品(青色)の加えた17μLのNDSB Wash液(室温での)を添加した直後の被試験ラテラルフローアッセイデバイスを示す。洗浄液301(青色)は、溝410(図4)の内部に保持されている。図36は、流体、この場合ではサンプル101が吸上ゾーン5の端部3005に到達したときのラテラルフローアッセイデバイスを示す。サンプル101(赤色)の流体は、検出ゾーンチャネル3064内で洗浄液301(青色)によって完全に置換されている。更に、洗浄液は、領域3601内の吸上ゾーン5の中に延在した。洗浄液添加ゾーン409内の洗浄液301は、洗浄液流動が完了した後でも、依然として溝410の内部にピン留められ、依然として安定している。
様々な実験が、POC洗浄液を使用図24〜図27に示される構成に対して実施された。全4つのそれらの被試験構成について、洗浄が、POC洗浄液301の全3つの被試験分注容積(10、15及び20μL)に対して効果的に実行された。洗浄液301が、検出ゾーンチャネル3064及び吸上ゾーン5内に明確に視認できた。いくつかの構成では、洗浄液301は、サンプル101がカバー990に接触していない場合、下流側にだけ移動した。いくつかの構成では、洗浄液は、サンプル101がカバー990に接触している場合、上流側及び下流側の両方に移動した。全ての被試験構成は、安定したメニスカスを10μL及び15μLの洗浄液301の容積に提供した。洗浄液301は、それらの容積において、溝410の第3の(最外の)リングの内部に保持された。20μLの容積については、洗浄液301が、いくつかの試験において第3のリングを越えた。1つの試験では、安定しないメニスカス挙動が観察された。従って、流動狭窄部310は、サンプル101及び洗浄液301の容積に基づいて設計されることにより、安定したメニスカス挙動を提供することができる。ナブ(例えば、突起2630(図26))を使用する様々な被試験構成では、ナブは、分注された洗浄液301を本当に引き付けた。メニスカスは、全ての試験において対称的であったわけではない。従って、流動狭窄部310が洗浄液301の容積及び流体流路64の構成に基づいて設計されることにより、メニスカスに所望の程度の対称性を提供してもよい。
図37を参照すると、少なくとも1つの例示的な実施形態に従う、流体サンプル101を分析するための装置3700が示されている。装置3700は、下記の構成要素同士の間でラテラルフローアッセイデバイス300を運ぶための輸送システム3710を含む。簡単にするために、輸送システム3710は、連続コンベヤーベルトとして表現されている。しかし、これに限定されない。輸送システム3710は、下記の構成要素に対してラテラルフローアッセイデバイス300を移動するための、コンベヤ、グリッパ、ロボットアーム、若しくは別の装置を含んでもよく、又は、ラテラルフローアッセイデバイス300に対して下記の構成要素を移動するための、段階、コンベヤ、若しくは別の装置を任意の組合せで含んでもよい。輸送システム3710の様々な例は、それぞれが参照によって本明細書に組み込まれる、本願発明の譲受人に譲渡されたRyanらへの米国特許第8,080,204号及びTomassoらへの米国特許第8,043,562号、並びに参照によって本明細書に組み込まれるBarskiらへの米国特許第7,632,468号に記載されている。処理の様々な段階でのラテラルフローアッセイデバイス300の位置が、破線で示されている。
この例では、ラテラルフローアッセイデバイス300は、サンプル添加ゾーン2、洗浄液添加ゾーン409、及び吸上ゾーン60を含み、これらは、例えば、図3に関して上記で論じたような、流体流路64に沿った順序で配設される。ラテラルフローアッセイデバイスについての上記の実施形態のうちの任意のものが、ラテラルフローアッセイデバイス300、例えば、ラテラルフローアッセイデバイス300、400、700、800、900、1100、1200、1300、1400、1900、又は別の図示若しくは記述されたラテラルフローアッセイデバイスに加えて若しくはその代わりに使用されてもよい。
サンプル測定機構3720は、流体サンプル101を少なくとも1つのラテラルフローアッセイデバイス300のサンプル添加ゾーン2に選択的に適用するように構成されている。図示されるサンプル測定機構3720は、例えば、250μLの流体サンプル101を保有する使い捨て測定チップ3724を含む。様々な態様では、特定の流体サンプル101と特定の使い捨て測定チップ3724との間に一対一対応がある。一例では、それぞれの測定イベントは、流体サンプル101の約5μL〜約10μLを測定する。
図示される例では、単なる説明のために、サンプル測定機構3720は、ピストン3721と、測定チップ3724から流体サンプル101の選択された容積を分注するようにピストン3721を動作させる駆動システム3722と、を含む。測定のための別の構造、例えば、空気若しくは流体圧力源、又は、圧電若しくは温熱アクチュエータも、また、使用されてもよい。例示的な測定チップ3724は、Dingらによる米国特許出願公開第2004/0072367号に記載され、この出願の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。ラテラルフローアッセイデバイス100においてサンプル101を測定することは、本明細書では「スポッティング」と呼ばれる。
例示的な装置3700は、洗浄液301をラテラルフローアッセイデバイス300の洗浄液添加ゾーン409に選択的に適用するように構成された洗浄液測定機構3725を更に含む。一例では、洗浄液測定機構3725は、測定ノズル3726と、アクチュエータ(図示せず)、例えばピストン3721のようなピストンと、を含む。別の例では、洗浄液測定機構は、ブリスタを含む。
洗浄液添加ゾーン409は、適用された洗浄液にメニスカスを形成するために、流体流路64から離間配置された1つ又は複数の流動狭窄部310を含む。洗浄液添加ゾーン409及び流動狭窄部310の例は、図3〜図27に関して上記で論じられている。上記のように、流体流路64は、メニスカスによって少なくとも部分的に画定された被適用洗浄液301をリザーバ535(図5)から引き込むように構成されている。
例示的な装置3700は、少なくとも1つのインキュベータ3730を含む。電位差、速度化学、及びエンドポイン試験を含む様々な種類のサンプル試験が、インキュベータ3730内での様々なインキュベーション間隔及び様々な試験装置の両方を必要とする任意の所定の患者サンプルに対して求められる場合がある。従って、2つ以上のインキュベータ、又はタンデム型若しくは別のマルチ試験可能インキュベータが使用されてもよい。明確のために、1つのインキュベータ3730だけが示される。インキュベータ3730及び関連構成要素の様々な例が、Jakubowiczらへの「Tandem Incubator for Clinical Analyzer」と題する米国特許第4,287,155号及び米国特許第7,312,084号に記載されており、これらの出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
インキュベータ3730は、正確な測定値が得られるまで、ラテラルフローアッセイデバイス300を、例えば、室温で又は選択された環境条件下で保持する。いくつかのラテラルフローアッセイデバイス300は、エンドポイント試験を求め、この試験では、単一回の読取りだけが所定のインキュベーション間隔(例えば、およそ5分間)の後に実行されることが必要である。別のラテラルフローアッセイデバイス300、例えば、速度化学を求めるものは、インキュベーションの経過を通していくつかの読取りを必要とする。インキュベータ3730又は輸送システム3710は、従って、下記で論じるように、インキュベータ3730と計測デバイス3740との間でラテラルフローアッセイデバイス300を輸送するための構造を必要とする場合がある。
示される例示的な装置3700は、少なくとも1つの計測デバイス3740を更に含む。計測デバイス3740は、電圧計、電流計若しくは電荷計のような電位差センサー、又は、比色若しくは光度測定センサーを含んでもよい。例示的な光度測定は、フォトダイオード、及び線走査若しくは面走査反射計、又は電荷結合デバイス(CCD)若しくは相補型金属−酸化物−半導体(CMOS)画像装置のような画像装置を含む。比色センサーは、反射又は伝達モードで動作してもよい。反射比色センサーは、ラテラルフローアッセイデバイス300の前部又は後部を測定するように配列されてもよい。
一例では、計測デバイス3740は、光源3742(ランプとして視覚的に表現されている)を含む。光源3742は、ランプ、発光ダイオード(LED)、レーザ、又は別の光放射源を含んでもよい。例示的な計測デバイス3740は、また、ラテラルフローアッセイデバイス300の検出ゾーン56から反射された光源3742の光を捕捉する光センサー3744を含む。
例示的な装置3700は、所定のタイミングプロトコルに従う、サンプル測定機構3720、洗浄液測定機構3725、及び少なくとも1つの計測デバイス3740のそれぞれを動作させるように構成されたコントローラ3786を更に含むことにより、被適用流体サンプル101の少なくとも1つの特性を決定する。コントローラ3786は、サンプル測定機構3720を動作させた後に、洗浄液測定機構3725を動作させるように構成されている。コントローラ3786は、また、インキュベータ3730を動作させるように構成されてもよい。
明確のためだけに、コントローラ3786と別の構成要素との間の通信接続が、破線で示されている。更に、この例示的な実施形態に従って、コントローラ3786は、輸送システム3710を動作させるように構成されている。例えば、コントローラ3786は、サンプル測定機構3720と、インキュベータ3730と、少なくとも1つの計測デバイス3740とを通るラテラルフローアッセイデバイス300の移動を順番付けることにより、流体サンプル101の電位差又は比色測定を実行してもよい。例示的なコントローラ3786は、更に、光センサー3744からデータを受け取り、そして、電子表示装置を介して測定データの図形表現を提供するように構成されてもよい。コントローラ3786は、図39に関して下記で論じられる様々な構成要素、例えば、プロセッサ3986を含んでもよい。
図38は、アッセイデバイスの流体流路内の流体サンプルを置換するための例示的な方法を図示するフローチャートを示す。少なくとも1つの例では、処理は、工程3810から始まる。説明の明確のために、例示的な方法の工程を実行してもよい又はそれに関与してもよい、図1〜図27、図37に示される様々な構成要素がここで参照される。しかし、別の構成要素が使用されてもよいこと、すなわち、図38に示される例示的な方法が、同一視される構成要素によって実行されることに限定されないことに留意すべきである。方法は、プロセッサ、例えば、プロセッサ3986(図39)又はコントローラ3786(図37)の別のプロセッサを使用して、記載された工程を自動的に実行することを含んでもよい。
工程3810では、流体サンプル101が、サンプル供給装置、例えば、サンプル測定機構3720(図37)からラテラルフローアッセイデバイス300のサンプル添加ゾーン2上に分注される。分注された流体サンプル101は、ラテラルフローアッセイデバイス300の流体流路64に沿って移動する。
工程3820では、洗浄液301が、洗浄液供給源、例えば、洗浄液測定機構3725(図37)から、流体流路64に沿ってサンプル添加ゾーン2の下流の、ラテラルフローアッセイデバイス300の洗浄液添加ゾーン409上に分注される。メニスカスは、次いで、ラテラルフローアッセイデバイス300の少なくとも1つの流動狭窄部310によって、分注された洗浄液301に形成される。流体流路64は、分注された洗浄液301の少なくとも一部をメニスカスによって少なくとも部分的に画定されたリザーバ535から引き込む。分注された洗浄液301のうちの引き込まれた少なくとも一部は、流体流路64内の流体サンプル101のうちの少なくとも一部を置換する。このことは、図6に関して上記で論じられている。工程3820は、正確な結果を提供するために、サンプル101の流体以外のものによって洗浄することを必要とするアッセイの実行を可能にする。様々な実施形態では、工程3820は、工程3830が続いて実行される。
工程3830では、工程3820での洗浄液の分注後に、分注された流体サンプル101の特性に対応する検出可能信号の存在が判定される。これは、インキュベータ3730、計測デバイス3740、又はその両方を使用してされてもよい。インキュベーションを用いる実施形態では、インキュベーション時間は、流体力学、並びに、ラテラルフローアッセイデバイス300の寸法、及び、サンプル101又は洗浄液301の粘性若しくは表面張力に基づいて適切であるように選択されてもよい。
図39は、データを分析し、装置3700(図37)を動作させるための、サンプル101を分析し、本明細書で説明される別の分析を実行するための例示的なデータ処理システム3901の構成要素、及び、関連構成要素を示すハイレベル線図である。データ処理システム3901は、プロセッサ3986と、周辺システム3920と、ユーザインタフェースシステム3930と、データ記憶システム3940と、を含む。周辺システム3920、ユーザインタフェースシステム3930、及びデータ記憶システム3940は、通信可能にプロセッサ3986に接続される。プロセッサ3986は、通信可能にネットワーク(図示せず)に接続されてもよい。次のデバイス、すなわち、コントローラ3786、サンプル測定機構3720、洗浄液測定機構3725、インキュベータ3730、光源3742、及び光センサー3744(全て図37)は、それぞれ、システム3986、3920、3930、3940のうちの1つ又は複数を含んでもよく、そして、それぞれが1つ又は複数のネットワークに接続してもよい。プロセッサ3986、及び本明細書で説明される別の処理デバイスは、それぞれ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、プログラマブルアレイロジックデバイス(PAL)、又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。
プロセッサ3986は、本明細書で説明される様々な態様のプロセスを実装してもよい。プロセッサ3986及び関連構成要素は、例えば、アッセイを実行するための、又は、ラテラルフローアッセイデバイス300の流体流路64内の流体サンプル101を置換するためのプロセスを実行してもよい。そのようなプロセスの例は、図37及び図38に関して上記されている。
プロセッサ3986は、電気的、磁気的、光学的、生物学的な構成要素に、又は別様に実装されるか否かに関係なく、データに自動的に作用するための1つ又は複数の装置、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ(MCU)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピューター、メインフレームコンピュータ、パーソナル携帯情報機器、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、又は、データを処理する、データを管理する、若しくはデータを取り扱うための任意の別のデバイスに具現化されてもよい。
「通信可能に接続される」という用語は、デバイス同士又はプロセッサ同士の間でのデータの通信のための、任意の種類の有線又は無線の接続を含む。これらのデバイス又はプロセッサは、物理的に近接して設置されても、そうでなくてもよい。例えば、周辺システム3920、ユーザインタフェースシステム3930、及びデータ記憶システム3940のようなサブシステムが、プロセッサ3986とは別に示されているが、プロセッサ3986の内部に完全に又は部分的に格納されてもよい。
周辺システム3920は、デジタルコンテンツ記録をプロセッサ3986に提供するように構成された1つ又は複数のデバイスを含んでもよい。例えば、周辺システム3920は、1つ又は複数の計測デバイス3740(図37)を含んでも、これらと通信してもよい。プロセッサ3986は、周辺システム3920のデバイスからデジタルコンテンツ記録を受け取ると、そのようなデジタルコンテンツ記録をデータ記憶システム3940に記憶してもよい。様々な例では、周辺システム3920は、サンプル測定機構3720、洗浄液測定機構3725、インキュベータ3730、光源3742、及び光センサー3744(全て図37)のうちの1つ又は複数のものに通信可能に接続される。
ユーザインタフェースシステム3930は、ユーザ3938と、データ処理システム3901のプロセッサ3986又は別の構成要素との間のいずれかの方向、又は両方向に情報を送ってもよい。ユーザインタフェースシステム3930は、マウス、キーボード、別のコンピュータ(例えば、ネットワーク又はヌルモデムケーブルを介して接続される)、又は、データがそれからプロセッサ3986に入力される任意のデバイス若しくはデバイスの組合せを含んでもよい。ユーザインタフェースシステム3930は、また、電子表示装置3935のようなディスプレイデバイス、プロセッサアクセス可能メモリ、又はデータがプロセッサ3986によってそれに出力される任意のデバイス若しくはデバイスの組合せを含んでもよい。ユーザインタフェースシステム3930とデータ記憶システム3940とは、プロセッサアクセス可能メモリを共有してもよい。
データ記憶システム3940は、情報を記憶するように構成された1つ又は複数のプロセッサアクセス可能メモリを含んでもよく、又はそれらと通信可能に接続されてもよい。メモリは、例えば、シャーシの内部にあるか、又は分散システムの部品としてあってもよい。「プロセッサアクセス可能メモリ」という用語は、プロセッサ3986がデータを(周辺システム3920の適切な構成要素を使用して)送信又は受信してもよい任意のデータ記憶デバイスを含むことを予定しており、そのデータ記憶デバイスは、揮発性又は不揮発性、取外し式若しくは固定式、電気的、磁気的、光学的、化学的、機械的、又は別の態様であることに関わらない。例示的なプロセッサアクセス可能メモリとしては、レジスタ、フロッピーディスク、ハードディスク、テープ、バーコード、コンパクトディスク、DVD、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM、EEPROM、又はフラッシュ)、及びランダムアクセスメモリー(RAM)が挙げられるが、これらに限定されない。データ記憶システム3940のプロセッサアクセス可能メモリのうちの1つは、有形非一時的コンピュータ可読記憶媒体、すなわち、実行のためにプロセッサ3986に提供されてもよい命令を記憶することに関与する製品の非一時的デバイス又は物品であってもよい。
一例では、データ記憶システム3940は、コードメモリ3941、例えば、RAM、及びディスク3943、例えばハードディスク若しくはフラッシュドライブのような有形コンピュータ可読記憶装置を含む。コンピュータプログラム命令は、ディスク3943からコードメモリ3941の中に読み取られる。プロセッサ3986は、次いで、本明細書で説明されるプロセス工程を実行する結果として、コードメモリ3941の中にロードされたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のシーケンスを実行する。このように、プロセッサ3986は、コンピュータ実装プロセスを実行する。例えば、本明細書で説明される方法の工程、本明細書のフローチャート説明図又はブロック線図のブロック(例えば図38)、及びそれらの組合せが、コンピュータプログラム命令によって実装されてもよい。コードメモリ3941は、また、データを記憶してもよく、又はコードだけを記憶してもよい。
本明細書で説明される様々な態様は、システム又は方法として具現化されてもよい。従って、本明細書における様々な態様は、ハードウェア全体態様、ソフトウェア全体態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は、ソフトウェア態様とハードウェア態様とを結合する態様の形式をとってもよい。これらの態様の全ては、一般に、本明細書において「サービス」、「回路」、「回路網」、「モジュール」、又は「システム」と呼ばれてもよい。
更に、本明細書の様々な態様は、有形非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読プログラムコードを含むコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。そのような媒体は、そのような物品に通常行われるように、例えば、CD−ROMをプレスすることによって製造されてもよい。プログラムコードは、プロセッサ3986に(及びおそらく別のプロセッサにも)ロードされて、本明細書の様々な態様の機能、作用、又は動作工程がプロセッサ3986(又は別のプロセッサ)によって実行されるようにできるコンピュータプログラム命令を含む。本明細書で説明される様々な態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されてもよく、そして、実行のためにコードメモリ3941にディスク3943からロードされてもよい。
様々な上記の実施形態は、洗浄液添加ゾーン409の流動狭窄部310(図3)を有利に使用することにより、分注された洗浄液301を安定化する、例えば、洗浄液301を洗浄液添加ゾーン409の選択された場所にピン留めする。流動狭窄部310は、1つ又は複数の部分的にメニスカスで区切られたリザーバ535の形成を有利に助長し、このリザーバは、洗浄液301の分注速度への低減された感応性を伴って、洗浄液301の可変容積を受け取ることができる。更に、そのようなメニスカスの圧力は、周囲に近いので、流体流路64を溢れさせる確率を低減する。
様々な例示的な流動狭窄部は、洗浄液供給源を洗浄液添加ゾーン409のラテラルフローアッセイデバイスの流体流路64に接続するノズルと、ノズル内の洗浄液301と基体9の親水面308との間の接触を促進するための非常に低いノズル出口と、メニスカス安定性を維持しながら、可変の流体メニスカスサイズ(リザーバ535の容積)を可能にする(例えば、図22のような)ノズル外側の段と、を含む。
様々な態様は、洗浄液301の可変速度で可変量の送達を有利に可能にし、所望の場所で受け取られる洗浄液301を安定化させる。様々な態様は、流体流路64を溢れさせる確率を低減して、洗浄効率を改善する。様々な態様は、以下の特性のうちの1つ又は複数に対する頑健な洗浄性能を有利に提供する。
・例えば、7μL〜17μLの範囲内の、洗浄液添加ゾーン409に送達される洗浄液301の容積の変動。この緩和容積範囲は、洗浄液送達システム(例えば、ブリスタ)の開発費を低減することができる。
・例えば、1μL/秒〜>10μL/秒の範囲内の、洗浄液301の送達速度の変動。この緩和範囲は、また、より効果的な流体送達システム設計を促進する(例えば、絞られたブリスタからの洗浄液の突発が使用されてもよい)。
・洗浄液301の送達量及び送達速度における上述の変動から独立した、洗浄液添加ゾーン内の安定したメニスカスの維持。
・「オーバーフロー」、すなわち、洗浄液301が流体流路64の内側のマイクロポスト7間のサンプル101を越えて流れることなく、流体流路64内のサンプル101の流体を効果的に置換するための適切な場所での流体流路64の中への洗浄液301の侵入。
・洗浄液301が添加されたとき、サンプル101の流動の終了。一旦洗浄液301が添加されると、様々な態様が、サンプル101が洗浄液添加ゾーン409を過ぎて下流側に流体流路64に沿って流れることを制限する。
・洗浄液301が洗浄を実行するために流体流路64に入るとき、洗浄液添加ゾーン409におけるメニスカス安定性の維持。
・1μL〜4μLの範囲、又は>4μLの範囲にある、検出ゾーンチャネル3064を通して送達されるべき洗浄液301の量の変動。
本発明は、本明細書において説明される態様の組合せを含む。「特定の実施形態」(又は、「態様」、「変形例」)などへの参照は、本発明の少なくとも1つの態様に存在する特徴を参照する。「一実施形態」又は「特定の実施形態」などへの別個の参照は、同じ1つの実施形態又は複数の実施形態を必ずしも参照するわけではないが、そのような実施形態は、そのように示されない限り、又は当業者に自明である限り、互いに排他的ではない。「1つの方法」又は「複数の方法」などを指す場合の単数又は複数の使用は、限定的でない。「又は」という語は、別途明示されない限り、非排他的な意味で本開示において使用される。本発明は、そのある好ましい態様への特定の参照によって詳細に説明されてきたが、別の修正例又は変更例が、本明細書で説明された概念の意図された範囲内において、そして、以下のクレームに従って可能であることは、容易に明かになるであろう。
〔実施の態様〕
(1) ラテラルフローアッセイデバイスであって、
a)流体流路に沿って配設されたサンプル添加ゾーン及び洗浄液添加ゾーンを有する基体であって、前記流体流路を通って、サンプルが前記サンプル添加ゾーンから離れて前記洗浄液添加ゾーンに向かう下流方向に毛細管作用下で流れ、前記流体流路は、前記洗浄液添加ゾーン内で洗浄液を受け取るように構成されている、基体と、
b)前記洗浄液添加ゾーン内に配列された少なくとも1つの親水面と、
c)1つ又は複数の流動狭窄部であって、前記流動狭窄部は、前記流体流路から離間配置され、前記少なくとも1つの親水面と共に、前記親水面と前記1つ又は複数の流動狭窄部との間でのメニスカスの形成によって前記洗浄液を保持するように構成されたリザーバを画定するように配列され、前記流体流路は、前記洗浄液を毛細管圧力によって前記リザーバから引き込むように構成されている、1つ又は複数の流動狭窄部と、
を備える、ラテラルフローアッセイデバイス。
(2) 前記基体が、前記少なくとも1つの親水面を含み、前記1つ又は複数の流動狭窄部は、前記親水面に形成された少なくとも1つの溝を含む、実施態様1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(3) 少なくとも1つの前記溝は、前記流体流路の一部分の概ね周りに配設された概ね弓状の経路に沿って配列されている、実施態様2に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(4) 前記少なくとも1つの前記溝は、前記洗浄液添加ゾーンから出る前記流体流路の中心線に沿った基準点の概ね周りに配設されている、実施態様3に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(5) 複数の前記流動狭窄部を含み、前記流動狭窄部のそれぞれは、前記親水面に形成された溝を含み、前記溝は、前記流体流路の中心線の周りのそれぞれの弓状経路に沿って配列されている、実施態様1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(6) 少なくとも1つの前記溝は、概ね長方形の断面を有する、実施態様2に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(7) 前記流動狭窄部は、前記親水面に形成された少なくとも3つの離間配置された溝を含む、実施態様2に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(8) 前記少なくとも1つの溝は、螺旋の線分として構成されている、実施態様2に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(9) 前記基体の上方に配列されたカバーを更に含み、前記カバーは、前記基体に対向する前記親水面と、前記洗浄液添加ゾーンと少なくとも部分的に整列し、前記洗浄液を受け取るように構成された洗浄液受口を画定する開口と、を備え、少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記開口に近接して前記カバーから前記基体に向かって延在する突起を含む第1のカバー流動狭窄部を備える、実施態様1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(10) 前記第1のカバー流動狭窄部は、前記基体からの第1の所定距離まで突き出ている前記開口の唇状部を含む、実施態様9に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(11) 第2のカバー流動狭窄部が、前記基体からの第2の所定距離まで延在する突起を含む、実施態様10に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(12) 前記第2の所定距離は、前記第1の所定距離よりも大きい、実施態様11に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(13) 前記第2のカバー流動狭窄部は、前記開口の外側に配列されている、実施態様11に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(14) 前記開口の前記唇状部は、形状が概ね環状である、実施態様10に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(15) 前記開口と、前記開口の前記唇状部とは、互いに同軸である、実施態様10に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(16) 前記開口と、前記開口の前記唇状部とは、互いから軸方向にずれている、実施態様10に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(17) 前記流動狭窄部のうちの第1のものは、凸形閉鎖形態として概ね形成されている、実施態様9に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(18) 前記流動狭窄部のうちの第1のものは、前記流体流路に対して画定された近位縁部及び遠位縁部を含み、前記遠位縁部は、前記近位縁部よりも鋭く曲がっている、実施態様9に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(19) 前記基体の上方に配列されたカバーを更に含み、少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記カバーから前記基体に向かって延在し、前記洗浄液添加ゾーンと少なくとも部分的に整列している洗浄液受口を画定し、前記洗浄液を受け取るように構成されたノズルを備える、実施態様1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(20) 少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記ノズルの周りに配列され、前記ノズルの場合よりも小さい距離だけ前記カバーから延在する環状部を備える、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(21) 少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記ノズルの周りに配列され、前記ノズルの場合と概ね同じ距離だけ前記カバーから延在する環状部を備える、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(22) 少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記ノズルの周りに配列され、前記ノズルの場合よりも大きい距離だけ前記カバーから延在する環状部を備える、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(23) 少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記環状部の周りに概ね対称的に配列され、前記環状部から離間配置された複数の突起を備える、実施態様22に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(24) 前記ノズルは、前記基体に対向する段付き面を有する、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(25) 少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記ノズルから離間配置された突起を備える、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(26) 少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記ノズルの周りに概ね対称的に配列され、前記ノズルから離間配置された複数の突起を備える、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(27) a)前記基体は、前記カバーに対向する前記親水面を含み、
b)前記1つ又は複数の流動狭窄部は、1つ又は複数の凹んだ基体流動狭窄部を含む、実施態様19に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(28) 少なくとも1つの前記基体流動狭窄部は、前記流体流路の一部分の概ね周りに配設された概ね弓状の経路に沿って配列されている、実施態様27に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(29) 前記サンプル添加ゾーン及び前記洗浄液添加ゾーンの下流の前記流体流路に沿って配設された少なくとも1つの検出ゾーンを更に含み、前記少なくとも1つの検出ゾーンは、検出可能信号を生成するための、前記サンプルの検体に反応する検出物質を含む、実施態様1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
(30) 流体サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
a)流体流路に沿って配設されたサンプル添加ゾーン及び洗浄液添加ゾーンを含む少なくとも1つのアッセイデバイスと、
b)前記流体サンプルを前記サンプル添加ゾーンに選択的に適用するように構成されたサンプル測定機構と、
c)洗浄液を前記洗浄液添加ゾーンに選択的に適用するように構成された洗浄液測定機構であって、前記洗浄液添加ゾーンは、前記適用された洗浄液にメニスカスを形成するために、前記流体流路から離間配置された1つ又は複数の流動狭窄部を含む、洗浄液測定機構と、
d)少なくとも1つの計測デバイスと、
e)前記サンプル測定機構、前記洗浄液測定機構、及び前記少なくとも1つの計測デバイスのそれぞれを、前記適用された流体サンプルの少なくとも1つの特性を判定するために所定のタイミングプロトコルに従って動作させるように構成されたコントローラであって、前記コントローラは、前記サンプル測定機構を動作させた後に、前記洗浄液測定機構を動作させる、コントローラと、
を備える、装置。
(31) 前記流体流路は、適用された洗浄液を前記メニスカスによって少なくとも部分的に画定されたリザーバから引き込む、実施態様30に記載の装置。
(32) アッセイデバイスの流体流路内の流体サンプルを置換する方法であって、前記方法は、
前記流体サンプルを前記アッセイデバイスのサンプル添加ゾーン上にサンプル供給源から分注することであって、前記分注された流体サンプルは、前記アッセイデバイスの前記流体流路に沿って移動する、ことと、
メニスカスが前記アッセイデバイスの少なくとも1つの流動狭窄部によって分注された洗浄液に形成されるように、洗浄液を前記流体流路に沿って前記サンプル添加ゾーンの下流にある前記アッセイデバイスの洗浄液添加ゾーン上に洗浄液供給源から分注することであって、前記流体流路は、分注された洗浄液を前記メニスカスによって少なくとも部分的に画定されたリザーバから引き込み、前記引き込まれた洗浄液が、前記流体流路内の前記流体サンプルの少なくとも一部を置換する、ことと、
を含む、方法。
(33) 前記洗浄液を分注することの後に、前記分注された流体サンプルの特性に対応する検出可能信号の存在を判定することを、更に含む、実施態様32に記載の方法。

Claims (16)

  1. ラテラルフローアッセイデバイスであって、
    a)流体流路に沿って配設されたサンプル添加ゾーン及び洗浄液添加ゾーンを有する基体であって、前記流体流路を通って、サンプルが前記サンプル添加ゾーンから離れて前記洗浄液添加ゾーンに向かう下流方向に毛細管作用下で流れ、前記流体流路は、前記洗浄液添加ゾーン内で洗浄液を受け取るように構成されている、基体と、
    b)前記洗浄液添加ゾーン内に配列された少なくとも1つの親水面と、
    c)1つ又は複数の流動狭窄部であって、前記流動狭窄部は、前記流体流路から離間配置され、前記少なくとも1つの親水面と共に、前記親水面と前記1つ又は複数の流動狭窄部との間でのメニスカスの形成によって前記洗浄液を保持するように構成されたリザーバを画定するように配列され、前記流体流路は、前記洗浄液を毛細管圧力によって前記リザーバから引き込むように構成されている、1つ又は複数の流動狭窄部と、
    を備える、ラテラルフローアッセイデバイス。
  2. 前記基体が、前記少なくとも1つの親水面を含み、前記1つ又は複数の流動狭窄部は、前記親水面に形成された少なくとも1つの溝を含む、請求項1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  3. 少なくとも1つの前記溝は、前記流体流路の一部分の概ね周りに配設された概ね弓状の経路に沿って配列されている、請求項2に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  4. 前記少なくとも1つの前記溝は、前記洗浄液添加ゾーンから出る前記流体流路の中心線に沿った基準点の概ね周りに配設されている、請求項3に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  5. 複数の前記流動狭窄部を含み、前記流動狭窄部のそれぞれは、前記親水面に形成された溝を含み、前記溝は、前記流体流路の中心線の周りのそれぞれの弓状経路に沿って配列されている、請求項1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  6. 少なくとも1つの前記溝は、概ね長方形の断面を有する、請求項2に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  7. 前記基体の上方に配列されたカバーを更に含み、前記カバーは、前記基体に対向する前記親水面と、前記洗浄液添加ゾーンと少なくとも部分的に整列し、前記洗浄液を受け取るように構成された洗浄液受口を画定する開口と、を備え、少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記開口に近接して前記カバーから前記基体に向かって延在する突起を含む第1のカバー流動狭窄部を備える、請求項1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  8. 前記第1のカバー流動狭窄部は、前記基体からの第1の所定距離まで突き出ている前記開口の唇状部を含む、請求項に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  9. 第2のカバー流動狭窄部が、前記基体からの第2の所定距離まで延在する突起を含む、請求項に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  10. 前記流動狭窄部のうちの第1のものは、前記流体流路に対して画定された近位縁部及び遠位縁部を含み、前記遠位縁部は、前記近位縁部よりも鋭く曲がっている、請求項に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  11. 前記基体の上方に配列されたカバーを更に含み、少なくとも1つの前記流動狭窄部は、前記カバーから前記基体に向かって延在し、前記洗浄液添加ゾーンと少なくとも部分的に整列している洗浄液受口を画定し、前記洗浄液を受け取るように構成されたノズルを備える、請求項1に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  12. a)前記基体は、前記カバーに対向する前記親水面を含み、
    b)前記1つ又は複数の流動狭窄部は、1つ又は複数の凹んだ基体流動狭窄部を含む、請求項11に記載のラテラルフローアッセイデバイス。
  13. 流体サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
    a)請求項1に記載の少なくとも1つのアッセイデバイスと、
    b)前記流体サンプルを前記サンプル添加ゾーンに選択的に適用するように構成されたサンプル測定機構と、
    c)洗浄液を前記洗浄液添加ゾーンに選択的に適用するように構成された洗浄液測定機構であって、前記洗浄液添加ゾーンは、前記適用された洗浄液にメニスカスを形成するために、前記流体流路から離間配置された1つ又は複数の流動狭窄部を含む、洗浄液測定機構と、
    d)少なくとも1つの計測デバイスと、
    e)前記サンプル測定機構、前記洗浄液測定機構、及び前記少なくとも1つの計測デバイスのそれぞれを、前記適用された流体サンプルの少なくとも1つの特性を判定するために所定のタイミングプロトコルに従って動作させるように構成されたコントローラであって、前記コントローラは、前記サンプル測定機構を動作させた後に、前記洗浄液測定機構を動作させる、コントローラと、
    を備える、装置。
  14. 前記流体流路は、適用された洗浄液を前記メニスカスによって少なくとも部分的に画定されたリザーバから引き込む、請求項13に記載の装置。
  15. アッセイデバイスの流体流路内の流体サンプルを置換する方法であって、前記方法は、
    前記流体サンプルを前記アッセイデバイスのサンプル添加ゾーン上にサンプル供給源から分注することであって、前記分注された流体サンプルは、前記アッセイデバイスの前記流体流路に沿って移動する、ことと、
    メニスカスが前記アッセイデバイスの少なくとも1つの流動狭窄部によって分注された洗浄液に形成されるように、洗浄液を前記流体流路に沿って前記サンプル添加ゾーンの下流にある前記アッセイデバイスの洗浄液添加ゾーン上に洗浄液供給源から分注することであって、前記流体流路は、分注された洗浄液を前記メニスカスによって少なくとも部分的に画定されたリザーバから引き込み、前記引き込まれた洗浄液が、前記流体流路内の前記流体サンプルの少なくとも一部を置換する、ことと、
    を含む、方法。
  16. 前記洗浄液を分注することの後に、前記分注された流体サンプルの特性に対応する検出可能信号の存在を判定することを、更に含む、請求項15に記載の方法。
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