JP6556492B2 - 散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置 - Google Patents

散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6556492B2
JP6556492B2 JP2015098320A JP2015098320A JP6556492B2 JP 6556492 B2 JP6556492 B2 JP 6556492B2 JP 2015098320 A JP2015098320 A JP 2015098320A JP 2015098320 A JP2015098320 A JP 2015098320A JP 6556492 B2 JP6556492 B2 JP 6556492B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imaging position
sinogram
scatter
scan
scattered radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015098320A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016050932A (ja
Inventor
ホンウェイ・イェ
シャオフォン・ニュウ
ウェンリー・ワン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Publication of JP2016050932A publication Critical patent/JP2016050932A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6556492B2 publication Critical patent/JP6556492B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T11/002D [Two Dimensional] image generation
    • G06T11/003Reconstruction from projections, e.g. tomography
    • G06T11/005Specific pre-processing for tomographic reconstruction, e.g. calibration, source positioning, rebinning, scatter correction, retrospective gating
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/02Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/03Computed tomography [CT]
    • A61B6/037Emission tomography
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/52Devices using data or image processing specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/5258Devices using data or image processing specially adapted for radiation diagnosis involving detection or reduction of artifacts or noise
    • A61B6/5282Devices using data or image processing specially adapted for radiation diagnosis involving detection or reduction of artifacts or noise due to scatter
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/29Measurement performed on radiation beams, e.g. position or section of the beam; Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2914Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2985In depth localisation, e.g. using positron emitters; Tomographic imaging (longitudinal and transverse section imaging; apparatus for radiation diagnosis sequentially in different planes, steroscopic radiation diagnosis)

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Nuclear Medicine (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明の実施形態は、散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置に関する。
3次元PETスキャンにおいて、散乱は、画像品質の低下に関して重大な物理的影響を及ぼすものの1つである。一般的なPETシステムにおいて、散乱事象は、1回のPETスキャンの中で検出される全ての事象の30%〜50%を占めるほど多い。画像品質は、画像再構成の前または間に散乱事象を補正することにより、改善することができる。
散乱事象の補正のための方法がいくつかある。そのような方法としては、バックグラウンド除去法またはテールフィッティング法、畳み込み除去法、モンテカルロ法による方法、または、モデルベース散乱推定(Model-Based Scatter Estimation:MBSE)が挙げられる。MBSEは最近のPETシステムでよく用いられる方法であり、優れた散乱補正が得られる。
複数のベッド(撮影位置)でスキャンするスキャンシステムにおけるPETスキャンでは、互いに隣接するベッドが、通常、少なくとも20%の面積で重複し、より均一な軸方向感度が得られるようになっている。優れた散乱推定を得るために、MBSEでは、軸方向の画像再構成領域(Field Of View:FOV)から外れた散乱を推定するために、互いに隣接するベッドからスキャンデータを収集する必要がある。
しかし、MBSE法を用いて散乱を推定する場合、膨大な計算が必要である。PETスキャンシステムが高度に最適化され非常に高い処理能力を持つ場合でも、MBSE法を用いる散乱推定は、必要とされる膨大な計算のため長い時間がかかる可能性がある。例えば、単一の3.3GHzのCPUを用いた8つのベッドで通常の被検体データについての散乱を推定するPETスキャンシステムは、ベッド毎に約2500〜4300秒、すなわち450分かかることがある。
特開2007−41007号公報
本発明が解決しようとする課題は、散乱線推定を行うために必要な処理時間を短縮させることができる散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置を提供することである。
実施形態の散乱線推定方法は、複数の撮像位置でのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)スキャンにおける散乱を推定する方法であって、算出ステップと、推定ステップとを含む。算出ステップは、所定の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す散乱サイノグラムを算出する。推定ステップは、前記所定の撮像位置と重複する撮像位置における散乱サイノグラムを、前記算出ステップによって算出された前記散乱サイノグラムから推定する。
図1Aは、例示的PETスキャンシステムを示す図である。 図1Bは、PETリングによる単一散乱事象の例示的検出を示す図である。 図2Aは、複数のPETリングを備えるPETスキャンシステムの軸方向視図、およびPETスキャンシステムの軸方向感度とPETリングの軸方向距離の関係を示す図である。 図2Bは、寝台がPETスキャンシステムを通って寝台移動方向に移動する際の、重複が50%のベッド、およびPETスキャンシステムの重複感度とPETリングの軸方向距離の関係を示す図である。 図3は、複数のベッドに基づいて散乱を推定する方法を示す図である。 図4は、寝台30がPETスキャンシステムを通って寝台移動方向に移動する際の、寝台30のベッドを示す図である。 図5は、方法100のステップ150で実行されるステップの詳細を示す図である。 図6Aは、補間されたサイノグラムを示す図である。 図6Bは、軸横断視(左)および軸方向視(右)における補間されたサイノグラムの座標系を示す図である。 図7Aは、−15.3〜15.3度の範囲で変化するθについて、FOVが700mmで重複量が50%の補間されたサイノグラムの同時計数線(Line Of Response:LOR)を示す図である。 図7Bは、重複量50%における4つの異なるθについてのベッドを示す図である。 図7Cは、θ=−10.2におけるベッドのLORを示す図である。 図8は、重複するベッドにおける複写されたLORの計算割合を示す図である。 図9Aは、重複量が50%を越える場合(左)および重複量が50%未満の場合(右)の隣接するベッドを示す図である。 図9Bは、異なるベッドからの同じLORに対して重み付けするための重み関数w(z)を示す図である。 図10は、PETスキャンシステムの例示的部品構成を示す図である。 図11Aは、MBSEによる散乱推定により再構成された横断面の画像を示す図である。 図11Bは、図3の提案方法を用いたMBSEによる散乱推定により再構成された横断面の画像を示す図である。 図12Aは、MBSEによる散乱推定により再構成された矢状面の画像を示す図である。 図12Bは、図3の提案方法を用いたMBSEによる散乱推定により再構成された矢状面の画像を示す図である。
以下、添付図面を参照して、散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置の実施形態を詳細に説明する。本明細書に記載の実施形態、及び、それに付随する諸利点の多くは、添付の図面と併せて考察すれば、以下の詳細な説明を参照することによって、理解がより深まり、実施形態のより完全に把握することが容易である。以下で開示する実施形態は、概して、ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)スキャンにおける散乱推定、特に、複数のベッドでのPETスキャンにおける散乱を推定する方法に関する。なお、以下の実施形態では、本願に係る散乱線推定方法をPETスキャンシステムが実行する場合を例に挙げて説明する。
一実施形態によれば、複数の撮像位置でのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)スキャンにおける散乱を推定する方法が提供され、この方法は、所定の撮像位置における散乱線推定データを算出する算出ステップと、前記所定の撮像位置と重複する撮像位置における散乱線推定データを、前記算出ステップによって算出された前記散乱線推定データから推定する推定ステップとを含む。
別の実施形態によれば、複数の撮像位置でのPETスキャンにおける散乱を推定する方法が提供され、この方法は、第1の撮像位置で取得される散乱データに基づき第1の散乱サイノグラムを計算するステップと、第2の撮像位置で取得される散乱データに基づき第2の散乱サイノグラムを計算するステップと、第1の撮像位置と第2の撮像位置との間の第3の撮像位置について、第3の散乱サイノグラムを導出するステップと、を含み、第3の散乱サイノグラムは、第1の撮像位置が第3の撮像位置と重なる第1の重複割合に応じて第1の散乱サイノグラムと、第2の撮像位置が第3の撮像位置と重なる第2の重複割合に応じて第2の散乱サイノグラムとから、導出される。
別の実施形態では、第3の散乱サイノグラムを導出するステップは、第1の散乱サイノグラムの第1の重複割合に等しい複写対象の第1の部分を決定するステップと、第2の散乱サイノグラムの第2の重複割合に等しい複写対象の第2の部分を決定するステップと、第3の散乱サイノグラムに第1の部分と第2の部分とを複写するステップと、を含む。
別の実施形態では、第1の散乱サイノグラム、第2の散乱サイノグラム、および第3の散乱サイノグラムは、互いに寸法が同じであり、第1の重複割合と第2の重複割合の合計が100%未満の場合、第3の散乱サイノグラムを導出するステップは、第1の部分の面積と第2の部分の面積の合計と第3の散乱サイノグラムの面積との差に等しい、第3の散乱サイノグラムの残りの部分を決定するステップと、第3の散乱サイノグラムの残りの部分を補間して補間部分を生成するステップと、第3の散乱サイノグラムに補間部分を複写するステップと、をさらに含み、第3の散乱サイノグラムは、第1の部分と、第2の部分と、補間部分とを含む。
別の実施形態では、第1の散乱サイノグラム、第2の散乱サイノグラム、および第3の散乱サイノグラムは、互いに寸法が同じであり、第1の重複割合と第2の重複割合の合計が100%を越える場合、第3の散乱サイノグラムを導出するステップは、第2の部分の第2の部位と重複する第1の部分の第1の部位を含む、第3の散乱サイノグラムの重複部分を決定するステップと、重複部分の第1の部位と第2の部位を平均して平均部分を生成するステップと、第3の散乱サイノグラムに平均部分を複写するステップと、をさらに含み、第3の散乱サイノグラムは、平均部分と、第1の部位を含まない第1の部分の第1の残余部位と、第2の部位を含まない第2の部分の第2の残余部位とを含む。
別の実施形態では、第3の散乱サイノグラムに第1の部分と第2の部分とを複写するステップは、第3の散乱サイノグラムにおける第1の部分に対して第1の位置を決定するステップと、第3の散乱サイノグラムにおける第2の部分に対して第2の位置を決定するステップと、第1の位置に第1の部分を複写し、第2の位置に第2の部分を複写するステップと、を含み、第3の散乱サイノグラムのサイズは、第1の散乱サイノグラムのサイズに等しく、かつ第2の散乱サイノグラムのサイズに等しい。
別の実施形態では、第3の散乱サイノグラムに補間部分を複写するステップは、第1の部分の位置と第2の部分の位置とに基づき決定される、第3の散乱サイノグラムにおける補間部分の位置を決定するステップと、第3の散乱サイノグラムにおける位置に補間部分を複写するステップと、を含む。
別の実施形態では、第3の散乱サイノグラムに平均部分を複写するステップは、第1の部分の位置と第2の部分の位置とに基づき決定される、第3の散乱サイノグラムにおける平均部分の位置を決定するステップと、第3の散乱サイノグラムにおける位置に平均部分を複写するステップと、を含む。
別の実施形態では、第1の散乱サイノグラムおよび第2の散乱サイノグラムは、モデルベース散乱推定(Model-Based Scatter Estimation:MBSE)を用いて計算される。
別の実施形態では、第1の散乱サイノグラムおよび第2の散乱サイノグラムは、モンテカルロ法による散乱推定を用いて計算される。
別の実施形態では、第3の散乱サイノグラムを導出するステップは、第3の撮像位置のために第3の散乱サイノグラムをサイズ変更するステップをさらに含む。
別の実施形態では、PETスキャンは、連続的に寝台を移動させながら実行される。
別の実施形態では、PETスキャンは、ステップアンドシュート方式で寝台を移動させながら実行される。
別の実施形態では、方法は、PETスキャンの複数の撮像位置中の各撮像位置を決定するステップをさらに含む。
別の実施形態では、方法は、第1の重複割合を決定するステップと、第2の重複割合を決定するステップと、をさらに含む。
以下に参照する図面において、いくつかの図面を通して同じ参照符号は、同一または対応する部品を示す。図1Aは、例示的PETスキャンシステムを示す。図1Bは、PETリングにおける単一散乱事象の例示的検出を示す。
図1Aに示すように、PETスキャンシステム10は、PETリング20および寝台30を備える。スキャンの対象は通常、被検体であり、寝台30上に置かれる。寝台30は、PETリング20を通って寝台移動方向に移動する。図1Aでは単一のPETリング20を備えるPETスキャンシステムが示されているが、PETスキャンシステム10は、複数のPETリング20を備えることができる。
寝台30がPETリング20を通って移動する際に、ポジトロンと電子が衝突して互いに消滅する際に放出される光子を検出することにより、PETリング20によってポジトロン放射事象が測定される。具体的には、寝台30がPETスキャンシステム10のPETリング20を通って移動する際に、PETリング20における検出器22Aおよび22Bが、光子の放出を検出し測定する。図1Bでは検出器22Aおよび22Bが示されているが、各PETリング20は、3つ以上の検出器22を備えることができる。
PETスキャンシステム10の例示的な使用では、寝台30は、連続的な移動動作で一定の速度を保ちながら、PETリング20を通って移動する。そのような連続的な動作において、PETリング20によりスキャンデータが連続的に収集される。あるいは、寝台30は、ステップアンドシュート動作で特定の寝台位置(撮像位置)毎に止まり、各撮影位置で所定時間停止し、PETスキャンシステム10を通って移動する。ステップアンドシュート動作で、PETリング20は、各特定の撮影位置においてスキャンデータを収集する。すなわち、PETスキャンシステム10は、ステップアンドシュート方式の寝台移動または連続的な寝台移動のいずれかを用いて、スキャンデータを収集する。
さらに、PETスキャンシステム10は、飛行時間(Time-Of-Flight:TOF)推定法または非TOF推定法を用いて、散乱事象を推定することができる。
寝台30がPETスキャンシステム10を通って移動する際に、PETスキャンシステム10により検出された全ての放射事象が収集される。一旦PETスキャンが終了すると、PETスキャンシステム10は、散乱データを補正することにより、収集したスキャンデータを処理し、収集したスキャンデータから画像を再構成する。
散乱データを補正するために、PETスキャンシステム10は、MBSE法を用いて散乱を推定する。あるいは、PETスキャンシステム10は、モンテカルロ散乱推定法、バックグラウンド除去法、または畳み込み除去法等の方法を用いて、散乱を推定することができる。
MBSE法は、数学的モデルによってシステムにおけるコンプトン散乱の物理的現象を考慮してモデル化し、単一散乱事象を計算する。一実施形態では、PETスキャンシステム10は、結晶内散乱および結晶内の光透過、ポジトロン範囲、非共直線性、複数の散乱事象、正確な光子減衰等の物理現象を利用して、単一散乱事象を計算する。しかし、PETスキャンシステム10の例示的実施形態は、散乱事象を単独で計算することにより、計算時間を短縮する。モデルと実際のシステムとの差を補うために、テールフィッティング法等の方法が適用される。
例示的実施形態では、PETスキャンシステム10は、MBSE法において周知の式を用いて、単一散乱事象を計算する。
スキャンデータを正確に収集するために、撮影位置は、理論的に0%〜100%のどこかで重複することができる。すなわち、値が0%で撮影位置が重複することはなく、値が100%で撮影位置が完全に重複する。実際には、PETスキャンシステム10にとって、少なくともいくらかの撮影位置の重複がある場合、すなわち0%よりも重複が大きい方が、均一な軸方向感度が増加する分、有利である。
図2Aは、複数のPETリング20を備えるPETスキャンシステム10の軸方向視図、およびPETスキャンシステム10の軸方向感度とPETリング20の軸方向距離の関係を示す。
図2Aに示すように、PETスキャンシステム10の軸方向感度は、複数のPETリング20の中央に向かうほど高くなり、複数のPETリング20の中央からいずれかの端に向かうほど、軸方向感度は直線的に低くなる。結果として、図2Bに示すように、隣接する撮像位置で撮られたスキャンを重ね合わせることにより、スキャンデータの均一な軸方向感度を得ることができる。なお、以下では、各撮像位置をベッドと記載する場合がある。
図2Bは、寝台30がPETスキャンシステム10を通って寝台移動方向に移動する際の、重複が50%のベッドを示す。寝台30がPETスキャンシステム10を通って移動する際に、各ベッドにおいて、PETスキャンシステム10により寝台30上のスキャン対象である被検体のスキャンデータが収集される。ベッドが重複するため、PETスキャンシステム10の感度が高くなる。図2Bは、PETスキャンシステム10の重複感度とPETリング20の軸方向距離の関係を示す。図2Bでは、重複する隣接のベッドにおいてスキャンデータを収集することにより、複数のPETリング20の端に近い位置ほど、軸方向感度が高くなる。図2Bでは50%重複するベッドが示されているが、PETスキャンシステム10は、ベッドの重複が0%〜100%のいずれの値でも、動作することができる。
ベッドの重複量が増加するほど感度が高くなるが、ベッドの重複量が増加するほどスキャン速度は低下する。一方、ベッドの重複量が減少すると、スキャン速度は高くなる。
PETスキャンシステム10によりスキャンデータが収集された後、PETスキャンシステム10は、収集したスキャンデータを処理して散乱事象を識別する。ベッドが重複するので、PETスキャンシステム10により収集されたスキャンデータの多くが、重複する可能性がある。すなわち、第1のベッドから収集されたスキャンデータは、第1のベッドと重複する第2のベッドから収集されたスキャンデータと同じであるため、ベッド毎の散乱データの計算が必要ではない場合もある。結果として、PETスキャンシステム10は、図3に示す方法100を実行して散乱推定の計算時間を短縮するが、隣接するベッド間の重複を利用することにより、同様の画像品質を保つ。
具体的には、PETスキャンシステム10は、所定のベッドにおける散乱線推定データを算出して、所定のベッドと重複するベッドにおける散乱線推定データを、算出した散乱線推定データから推定する。例えば、PETスキャンシステム10は、第1のベッドにおける第1の散乱線推定データと、第2のベッドにおける第2の散乱線推定データとをそれぞれ算出する。そして、PETスキャンシステム10は、第1のベッド及び第2のベッドにそれぞれ重複する第3のベッドにおける第3の散乱線推定データを、第1のベッドと第3のベッドとが重複する第1の重複割合及び第2のベッドと第3のベッドとが重複する第2の重複割合に基づいて、第1の散乱線推定データ及び第2の散乱線推定データから推定する。なお、以下の実施形態では、散乱線推定データとして、散乱サイノグラムを用いる場合を例に挙げて説明する。
図3および図4を参照して、PETスキャンシステム10により実行される方法100を説明する。図3は、複数のベッドに基づいて散乱を推定する方法100を示す。図4は、寝台30がPETスキャンシステム10を通って寝台移動方向に移動する際の、寝台30のベッドを示す。
寝台30は、PETスキャンシステム10を通って、図1Aに示す寝台移動方向に移動する。方法100の実行の前に、寝台30がPETスキャンシステム10を通って移動する際に、PETリング20によりスキャンデータが収集される。あるいは、前もって収集されたデータ等の、メモリに格納されたスキャンデータについて、PETスキャンシステム10により方法100が実行される。
方法100において、PETスキャンシステム10が、ステップ110を開始することにより方法100を実行する。
ステップ110で、PETスキャンシステム10は、ベッドの数を決定する。例示的実装では、ベッドの数は予め設定された量である。あるいは、ベッドの数は、所望の感度またはスキャン速度に応じて調整される。さらに、ベッドの数は、ユーザが入力または設定できる。ベッドの数を決定した後、PETスキャンシステム10は、ステップ120に進む。
ステップ120で、PETスキャンシステム10は、各ベッド間の重複量を決定する。例示的実装では、隣接するベッド間の重複量は予め設定された量である。あるいは、隣接するベッド間の重複量は、ベッドの数、寝台30の長さ、各ベッドのスキャニング領域のいずれかによって決めることもできる。さらに、重複量は、ユーザが入力または設定できる。重複量を決定した後、PETスキャンシステムは、ステップ130に進む。
ステップ130で、PETスキャンシステム10は、第1の散乱サイノグラムを計算する。例示的実装では、PETスキャンシステム10は、図4に示す第1のベッドにおいて収集されたスキャンデータを処理することにより、第1の散乱サイノグラムを計算する。次にステップ140で、PETスキャンシステム10は、図4に示す第2のベッドにおいて収集されたスキャンデータを処理することにより、第2の散乱サイノグラムを計算する。第1のベッドの中で収集されたスキャンデータを用いて、第1の散乱サイノグラムが計算され、第2のベッドの中で収集されたスキャンデータを用いて、第2の散乱サイノグラムが計算される。
ステップ150で、PETスキャンシステム10は、第3の散乱サイノグラムを導出する。ステップ150では、PETスキャンシステム10は、第3のベッドにおいて収集されたスキャンデータを処理することにより、第3の散乱サイノグラムを導出することはない。代わりに、PETスキャンシステム10は、第1の散乱サイノグラムおよび第2の散乱サイノグラムに基づいて第3のベッドのための第3の散乱サイノグラムを導出する。
図4に示すような例示的実装では、第1のベッドが第3のベッドと重なる第1の重複量は50%であり、第2のベッドが第3のベッドと重なる第2の重複量は50%である。第1のベッド、第2のベッド、および第3のベッドがそれぞれ重複しているため、第3のベッドにおいて収集された散乱データは、第1のベッドの一部および第2のベッドの一部において収集された散乱データと実質的に同じになり得る。
図4に示すように、第1のベッドにおいて収集された散乱データから計算された第1の散乱サイノグラムの部分Aを複写し、第2のベッドにおいて収集された散乱データから計算された第2の散乱サイノグラムの部分Bを複写することにより、ステップ150でPETスキャンシステム10により第3の散乱サイノグラムが導出される。こうして、PETスキャンシステム10は、第1の散乱サイノグラムの部分Aを複写し、第2の散乱サイノグラムの部分Bを複写することにより、ステップ150で第3の散乱サイノグラムを導出する。
なお、導出した散乱サイノグラムの誤差は、隣接するベッド間の重複量の減少に伴い増加する。ステップ150における第3の散乱サイノグラムの導出のさらなる詳細について、以下に説明する。
図3に示す方法に戻り、PETスキャンシステム10は、寝台30の両端においては、収集されたスキャンデータについて散乱サイノグラムを計算する。寝台30の両端におけるベッドは、片方のベッドに隣接しているだけであるため、そのような計算が必要になり得る。すなわち、散乱サイノグラムの導出のための重複データが十分にはないため、端のベッドにおける散乱データについて散乱サイノグラムが計算される。例えば、8つのベッドで重複量が50%のPETスキャン収集において、ベッド1、3、5、7、8におけるサイノグラムが計算される。しかし、寝台2、4、6については、散乱サイノグラムは、隣接するベッドにおいて計算される散乱サイノグラムから導出される。例えば、ベッド2において収集された散乱データについての散乱サイノグラムは、ベッド1および3において収集された散乱データについて計算された散乱サイノグラムから導出される。
隣接するベッドによって重なり合うベッドにおけるスキャンデータについて散乱サイノグラムを導出すること、すなわち、散乱サイノグラムの計算を省略することにより、計算時間が以下の式(1)に示すように節約することができる。
ここで、式(1)における「Time saved」は節約時間であり、「n」はベッドの総数であり、「x」は軸方向の重複領域であり、「Ns」は省略するベッドの数である。例えば、50%の重複量では散乱サイノグラムを計算するベッドを1つ飛ばしにでき、66.7%の重複量ではベッドを2つ飛ばしにでき、75%の重複量ではベッドを3つ飛ばしにできる。
なお、重複量が50%を越える場合は、PETスキャンシステム10は、前のベッドからの散乱サイノグラムおよび次のベッドからの散乱サイノグラムをサイズ変更する。さらに、PETスキャンシステム10は、導出された散乱サイノグラムに対してテールフィッティングを実行することで、現在のベッドにこれらの散乱サイノグラムをサイズ変更することができる。加えて、隣接するベッド間の重複量が50%未満の場合は、PETスキャンシステム10は、散乱サイノグラムにおいて欠けているスライスについて散乱データを補間する。これらの処理のさらなる詳細を、以下に示す。
あるいは、図3に示すような方法100は、処理回路により実行される。すなわち、メモリに格納されたデータに対して、処理回路が方法100を実行する。さらに、方法100に記載のステップのためのコンピュータ実行可能命令が、メモリに格納され、処理回路により実行される。例えば、非一時的コンピュータ可読媒体は、処理回路により実行されると処理回路に図3に示す方法を実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶する。
図5は、方法100のステップ150で実行されるステップの詳細を示す。
ステップ151で、PETスキャンシステム10は、第1の散乱サイノグラムの第1の部分を決定する。図4に示す例示的実装では、第1の散乱サイノグラムの第1の部分は、部分Aと表示されている。PETスキャンシステム10は、(i)ステップ120で決定されたベッドの重複量、(ii)第3のベッドと重複する第1のベッドの部分、(iii)第1のベッドの中のLORの角度θに基づき、第1の散乱サイノグラムの第1の部分を決定する。LORの角度θについて、図7A〜図7Cを参照しながら以下に説明する。
例えば、ステップ120で重複量が50%に決定され、かつθ=0°の場合、ステップ151で、PETスキャンシステム10は、第1の部分は、第3のベッドと重複する第1の散乱サイノグラムの50%に等しいと判断する。
ステップ152で、PETスキャンシステム10は、第2の散乱サイノグラムの第2の部分を決定する。図4に示す例示的実装では、第2の散乱サイノグラムの第2の部分は、部分Bと表示されている。PETスキャンシステム10は、(i)ステップ120で決定されたベッドの重複量、(ii)第3のベッドと重複する第2のベッドの部分、(iii)第2のベッドの中のLORの角度θに基づき、第2の散乱サイノグラムの第2の部分を決定する。
例えば、ステップ120で重複量が40%に決定され、かつθ=0°の場合、ステップ152で、PETスキャンシステム10は、第2の部分は、第3のベッドと重複する第2の散乱サイノグラムの40%に等しいと判断する。
ステップ153で、PETスキャンシステム10は、第1の部分および第2の部分を複写して、第3の散乱サイノグラムを生成する。特に、PETスキャンシステム10は、第1の部分が生成された元である第1の位置に第3の位置が重複する第3の散乱サイノグラムに、第1の部分を複写する。PETスキャンシステム10は、第2の部分が生成された元である第2の位置に第3の位置が重複する第3の散乱サイノグラムに、第2の部分を複写する。すなわち、PETスキャンシステム10は、重複する隣接のベッドと整合のとれた第3の散乱サイノグラムを生成する。
ステップ154で、PETスキャンシステム10は、第3の散乱サイノグラムを完成させるために補間が必要か否かを判断する。例えば、θ≠0°の場合、または重複量が50%未満の場合、補間が必要となり得る。例えば、ベッドの重複量が50%かつθ≠0°の場合、第3の散乱サイノグラムの残りの部分を計算するために、補間が必要となり得る。補間が必要であるとPETスキャンシステム10が判断した場合、PETスキャンシステム10はステップ155に進む。補間は不要であるとPETスキャンシステム10が判断した場合、PETスキャンシステム10はステップ158に進む。
ステップ155で、PETスキャンシステム10は、第3の散乱サイノグラムを完成させるために必要な残りの部分を決定する。例えば、重複量が50%未満の場合、第1の散乱サイノグラムおよび第2の散乱サイノグラムから複写された第1の部分および第2の部分は、それぞれ50%未満であり、従って、第3の散乱サイノグラムは100%完成に至らないままとなる。θ≠0°の場合、補間も必要となり得る。θおよび補間についてのさらなる説明を、図7A〜図7Cを参照しながら以下に示す。
すなわち、PETスキャンシステム10は、第1の部分と第2の部分の組み合わせと100%との差に基づいて、第3の散乱サイノグラムの残りの部分を決定する。
一旦残りの部分が決定されると、PETスキャンシステム10はステップ156に進む。ステップ156で、PETスキャンシステム10は、残りの部分を補間して補間部分を生成する。PETスキャンシステム10により実行される補間処理について、以下に詳細に説明する。
ステップ157で、PETスキャンシステム10は、補間部分を第3の散乱サイノグラム内に複写する。特に、PETスキャンシステム10は、補間部分を第1の部分と第2の部分との間に複写する。すなわち、補間部分は、第1の部分と第2の部分との間の計算された移行部を示す。次に、PETスキャンシステム10はステップ158に進む。
ステップ157の終了後、またはステップ154でPETスキャンシステム10が補間は不要であると判断すると、PETスキャンシステム10はステップ158に進む。ステップ158で、PETスキャンシステム10は、データの平均化が必要か否かを判断する。例えば、重複量が50%を越える場合、θの値によっては、データの平均化が必要となり得る。データの平均化が必要であるとPETスキャンシステム10が判断した場合、PETスキャンシステム10はステップ159に進む。しかし、データの平均化は不要であるとPETスキャンシステム10が判断した場合、方法のステップ150は終了する。
ステップ159で、PETスキャンシステム10は、第1の部分と第2の部分の重複部分を決定する。すなわち、重複量が50%を越えるため、重複部分は、第1の部分と第2の部分が重なり合う部分である。例示的実装では、重複部分は、第2の部分の第2の部位と重なる第1の部分の第1の部位を含む。
結果として、PETスキャンシステム10は、第1の散乱サイノグラムの重複量と第2の散乱サイノグラムの重複量の組み合わせと100%との差に基づいて、第3の散乱サイノグラムの重複部分を決定する。例示的実施形態では、PETスキャンシステム10がステップ157で補間部分を決定していれば、ステップ159でPETスキャンシステム10によって決定された重複部分は、補間部分の少なくとも一部と一致し得る。
一旦重複部分が決定されると、PETスキャンシステム10はステップ160に進む。ステップ160で、PETスキャンシステム10は、第1の部分と第2の部分の重複部分を平均または重み付けして平均部分を生成することにより、重複部分をサイズ変更する。PETスキャンシステム10によって実行されるサイズ変更処理について、以下に詳細に説明する。
最後に、ステップ161で、PETスキャンシステム10は、平均部分を第3の散乱サイノグラム内に複写して、第1の部分と第2の部分の重複部分を差し替える。特に、PETスキャンシステム10は、第1の部分の残りの部分と第2の部分との間に、平均部分を複写する。
方法100における散乱サイノグラムの一部の複写および/または補間は、それぞれ隣接するベッド位置の取り込まれたスキャンデータのLORを複写および/または補間することにより、PETスキャンシステム10により実行される。LORの複写と補間についてのさらなる説明を以下に示す。
ここで、MBSE法を用いて散乱を推定することを説明する。
統計的に、異なるベッドにおけるLORは、同じ位置の同じ被検体を通過するため、その散乱事象の数も同じである。すなわち、異なるPETリング20において、同じ散乱事象が検出器22によって検出される。異なるPETリング20において検出器22により検出される時、散乱事象は異なるLORにおいて検出される。
複数のベッドデータ収集の対象となるベッドにおいて、散乱推定のための二重計算が行われる。すなわち、ベッドが重複すると、散乱推定のための二重計算が行われる。結果として、重複するベッドについての散乱推定が、軸方向の傾斜角度が小さいLORについて、隣接するベッドから正確に推定される。
MBSE法は、生(未処理の)サイノグラム領域において、または補間されたサイノグラム領域において、実行することができる。生サイノグラムは、対応するFOVにおいて全ての起こり得るLORを含む。例えば、特定のFOV生サイノグラムの中に、numRadialInumPhiInumRingInumRing個のLORが存在し得る。これらのLORは、最終的な再構成に直接使用できる。
しかし、補間処理を用いたとしても、MBSE法を使用して膨大な数のLORを計算するのが難しいこともあり得る。従って、生サイノグラム領域の代わりに、補間されたサイノグラム領域において散乱サイノグラムを推定することが有益である。その理由は、補間されたサイノグラム領域にあるLORの数は、生サイノグラム領域にある数よりもはるかに少ないからである。例えば、特定のFOV補間サイノグラムの中には、わずかNINφININθ個のLORが存在し得るのみで、LORの総数は、生サイノグラム(N、Nφ、N、Nθは、それぞれs、φ、z、θの数)の中の総数よりもはるかに少ない。散乱補間サイノグラムを計算した後、最終的な再構成用に散乱事象を生サイノグラムに戻すために、逆補間処理が必要である。
図6Aは、補間サイノグラムを示し、図6Bは、その座標系を軸横断視および軸方向視で示す。
補間サイノグラム領域において、いずれのLORも1組のパラメータ(s,φ,z,θ)で表され、一般的な補間サイノグラムは、図6Aに示すように、sを最も速く変化させ、またθを最も遅く変化させて、配置される。例えば、zとθは以下の式(2)及び(3)に示すように計算される。
例示的実装では、最後の3つのパラメータが固定される。しかし、sは各FOVと共に変化することができる。
図6Bは、補間サイノグラムの座標系を示す。例えば、図6Bは、(z,θ)は固定されているが軸方向視において異なる(s,φ)を持つ1組のLORを示す。図に示すように、各LORは同じ線に重ね合わせられるが、異なる終点を持つ。そのような同じ線は、Z軸上の中点に関して対称である2つの終点を含む。このため、これ以降の各図面において、軸方向視におけるいずれの線も、補間サイノグラムにおいて(z,θ)が固定された1枚のスライスを実際に形成する1組のLORを表している。
図7A〜図7Cは、隣接するベッドの重複量が50%の場合の、異なるθに対するLORを示す。
PETスキャンシステム10は、隣接するベッドからLORを直接複写できるか否か、すなわちLORに補間が必要か否かを判断する。PETスキャンシステム10は、傾斜角θおよびz座標を解析することにより、そのような判断を行う。特に、PETスキャンシステム10は、現在のベッド(第3の位置)におけるLORを前のベッド(第2の位置)および/または次のベッド(第1の位置)におけるLORに関連付ける以下の式(4)を用いる。
ここで、式(4)における「p」は前のベッドを表し、「c」は現在のベッドを表し、「n」は次のベッドを表す。加えて、zshift=overlap%Izmax、かつ0≦z±zshift≦zmaxであり、ここでzmaxはPETスキャナの軸方向の画像再構成領域である。前の寝台および次の寝台における+zshiftまたは−zshiftのインデックス動作は、Z軸の増加方向によって決まる。
すなわち、LORおよび/またはLORが散乱サイノグラムの生成のために利用できる場合、PETスキャンシステム10は、隣接するベッドからLORを直接複写することができる。しかし、LORおよびLORの両方ともは利用できない場合、PETスキャンシステム10は、散乱サイノグラムの生成のために、LORおよび/またはLORを用いて補間処理を実行し、LORを計算する必要がある。
FOVが700mmで重複量が50%の補間サイノグラムを用いた例示的実装では、散乱補間サイノグラムは、−15.3〜15.3度の範囲にわたる7つのθと、全ての軸方向のFOV、例えば48個のリングを対象範囲に含む95のzとを有する。図7Aは各θを示し、異なるzでグループ化された1組のLORが各θに含まれる。図7Bは、重複量が50%で4つの異なるθの場合を示す。図7Bにおいて、実線は、前のベッドまたは次のベッドのいずれかから直接複写することができる1組のLORを表し、点線は、前のベッドまたは次のベッドのいずれかから部分的に複写または部分的に補間することができる1組のLORを表す。正の値を持つ他のθは、負の値を持つものと対称であるため、図7A〜図7Cには示されていない。図7Bおよび図7Cにおいて、境界LORは(1)および(2)で示され、これらの間のいずれのLORも補間が必要となり得る。
図7Cに示すように、LOR(1)とLOR(2)との間のいずれのLORについても、結晶aおよびbは、以下の3ケースのうち1つとすることができる。
(1)aおよびbは全て、三角形のように、前のベッドに位置する。
(2)aおよびbは全て、「x」のように、次のベッドに位置する。
(3)aおよびbは、四角形のように、それぞれ前のベッドおよび次のベッドに位置する。
ケース(3)のLORのみ、その隣に存在するLORから補間される。
図8は、複写されたLORの計算割合を点線で示す。
例示的実施形態では、PETスキャンシステム10は、補間サイノグラムの既知の以下の特質を用いて、複写されたLORの割合を計算する。
(1)LORの2つの結晶は、正反対のt座標を持つ。すなわち、t+t=0である(2つの終点は、その中心点に関して対称である)。
(2)sとφは均一にサンプリングされるので、1組のLORの結晶は、軸方向視で線に沿って均一に分布している。
従って、点線で示す複写されたLORの割合は、図8に示すように、線分(2IL)を点線全体の長さで割ることにより計算される。
copy%(複写割合)の計算は、PETスキャンシステム10のスキャニング幾何形状に大きく関係する。しかし、そのようなcopy%の計算は、以下の説明のように近似してもよい。
例えば、本実施形態では、PETスキャンシステム10は、以下の式(5)を導出してこの割合を計算する。
補間サイノグラムにおいて、軸横断FOVと軸方向FOVの両方を考慮することができる。軸方向FOV、すなわちzおよび/またはz<0、またはzおよび/またはz>zmaxからのいかなるLORも、サイノグラムには含まれない。例えば、図7(A)の点線の四角形の外側のいかなるLORも、その終点の位置によっては、部分的または全てが捨てられる。計算を簡略化するために、PETスキャンシステム10は、最初に、軸方向FOVの制約を考慮せずにcopy(θ)%を計算し、次に、追加のパラメータeff(θ)を導入して軸方向FOVに対処する。
まず、軸方向FOVを考慮せずに、PETスキャンシステム10は、任意の傾斜角θについて、copy(θ)%を以下の式(6)のように計算する。
ここで、式(6)における「Zend(Zstart=−Zend)」は、「Zend=transFOVtanθ/2」で与えられる。また、式(6)における「N」、「Nφ」、「N」は、それぞれ「s」、「φ」、「z」の数である。例えば、θ=10.2、transFOV(軸横断FOV)=700mmの場合、copy(θ)%は約51%である。
次に、total copy%(複写割合の合計)は、以下の式(7)で算出される。
例示的実装では、PETスキャンシステム10は、重複量50%では、前または次のベッドからLORの約44%を複写する。
軸方向FOVからいずれかのLORを捨てると、特に大きな傾斜角では散乱サイノグラムにおいて多くのLORは必要ないため、copy%が大きくなる。大まかに、PETスキャンシステム10は、FOR外のLORを除いてcopy%を以下の式(8)のように計算する。
ここで、式(8)における「eff(θ)」は有効LOR率(=軸方向FOVにおけるLOR/全LOR)である。
700mmのFOVでは、θ=±15.3°、±10.2°、±5.1°、0°に対し、eff(θ)はそれぞれ約1.4%、25%、63%、100%である。結果として、PETスキャンシステム10は、重複量50%に対して約80%の最終copy%を達成する。
図9Aは、重複量が50%を越える場合(左)および重複量が50%未満の場合(右)の隣接するベッドを示す。
図9Aの左側に示すように、隣接するベッドの重複量が50%を超える場合、copy%は増加し、PETスキャンシステム10により実行される方法の誤差はさらに減少する。一方、図9Aの右側に示すように、隣接するベッドの重複量が50%未満の場合、copy%が減少し、この方法の誤差は増加する。
図9Aの左側に示すように重複量が50%以上の場合、現在のベッドにおけるLORは、利用できるのであれば、前または次のベッドから直接複写することができる。重複量が50%を越える場合、現在のベッドにおける対象のLORに対し、前または次のベッドから利用できるLORが1つ以上あり得る。すなわち、重複量が50%を越える場合、PETスキャンシステム10は、2つ以上のLORを幾何平均して、対象のLORを取得することができる。あるいは、PETスキャンシステム10は、PETスキャンシステム10の軸方向感度に比例する重み関数w(z)を用いて、以下の式(9)のように対象LORを計算することができる。
図9Bは、異なるベッドからの同じLORに対して重み付けするための重み関数w(z)を示す。
あるいは、図9Aの右側に示すように重複量が50%未満の場合、現在のベッドにおけるLORを、重複する隣接のベッドにおけるスキャンデータから補間することができる。対応するLORとLORが利用できない場合、LORを、LORおよび/またはLORの近傍から補間することができる。PETスキャンシステム10は、最近傍法、各次元において異なる次数で線形の、三次スプライン法等のあらゆる種類の補間法を使って、LORおよび/またはLORの最近傍に基づき、所望のLORを取得することができる。例えば、以下の式(10)のようになる。
ここで、式(10)における「Δs」、「Δφ」、「Δz」、「Δθ」は、可能な限り小さい変化を表す(従って、最近傍)。精度および計算の要件によっては、補間方法および近傍の数は変化し得る。
PETスキャンシステム10により実行される散乱を推定する方法は、生サイノグラム領域のデータを用いて実行することもできる。そのような計算では、パラメータセット(s,φ,z,θ)を(rad,phi,ringSum,ringDiff)に置き換えることができる。対応するパラメータは、同様の意味および固有の相関関係を有し得る。生サイノグラムを理解するために、PETスキャンシステム10は、単に(rad,phi,ringSum,ringDiff)を用いて、上記の説明における(s,φ,z,θ)を置き換えることができ、例えば、以下の式(11)のようになる。
ここで、式(11)においては、「ringSumshift=overlap≦リング数、0≦ringSum±ringSumshift≦リング数」である。
図10は、PETスキャンシステムの例示的部品構成を示す。特に、図10では、PETスキャンシステム300は、フローチャートに示し先に説明した処理を実行するCPU500を備える。図3に関して説明したように、散乱を推定する方法に関する処理データおよび実行可能命令が、メモリ502に格納される。また、これらの処理および命令は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)等の記憶媒体ディスク504または携帯記憶媒体に格納、またはリモートに格納することもできる。さらに、請求する進歩性は、発明の処理の命令が記憶されるコンピュータ可読媒体の形態によって限定されない。例えば、命令は、CD、DVD、フラッシュメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、ハードディスク、またはPETスキャンシステム10が通信するサーバやコンピュータ等のその他の情報処理装置に格納することができる。
さらに、請求する進歩性は、Microsoft Windows(登録商標) 7、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple MAC−OS等、当業者に公知のオペレーティングシステムとCPU500とを連動して実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムの構成要素、またはそれらの組み合わせとして提供することができる。
CPU500は、個別論理回路を用いて実行することができる。さらに、上述した発明の処理の命令を実行するために、CPU500を、同時に協調して動作する複数のプロセッサとして実装することもできる。他の実施形態では、PETスキャンシステムは、CPU、GPU、またはその両方を備えてもよい。
図10に示すようなPETスキャンシステム300は、ネットワーク400に接続するためのネットワークコントローラ506を備えてもよい。ネットワーク400は、インターネット等の公衆通信網、LANやWANネットワーク等の私設通信網、またはこれらの組み合わせであってもよく、またPSTNサブネットワークやISDNサブネットワークであってもよい。ネットワーク400は、イーサネット(登録商標)ネットワーク等の有線であってもよく、またはEDGE、3G、4Gの無線セルラー方式を含むセルラー通信網等の無線であってもよい。また無線ネットワークは、WiFi、Bluetooth(登録商標)、またはその他の既知の通信技術の無線形態であってもよい。
例示的実装では、複数のベッドのPETスキャンにおいて散乱を推定する方法で実行される計算は、PETスキャンシステム300により全て実行することができる。あるいは、この方法で実行される計算を細分化して、ネットワーク400を介して複数の装置により直列または並列に実行することも可能である。例えば、ネットワーク400を介して通信し合う複数の装置により、計算を実行することができる。
PETスキャンシステム300は、ディスプレイ508に加えてキーボードおよび/またはマウス510と通信する汎用入出力インタフェース512をさらに備えてもよい。また、入出力インタフェース512は、プリンタやスキャナ等の様々な周辺装置514に接続することができる。
汎用記憶装置コントローラ516は、記憶媒体ディスク504と、PETスキャンシステム300の全ての構成部品を相互に接続するための通信バス518とを接続する。
図11および図12は、散乱推定後にスキャンデータを再構成した画像を示す。特に、図11(A)は、MBSEによる散乱推定により再構成された横断面の画像を示し、図12(A)は、MBSEによる散乱推定により再構成された冠状面の画像を示す。一方、図11(B)は、図3の提案方法を用いたMBSEによる散乱推定により再構成された横断面の画像を示し、図12(B)は、図3の提案方法を用いたMBSEによる散乱推定により再構成された冠状面の画像を示す。
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、散乱線推定を行うために必要な処理時間を短縮させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10、300 PETスキャンシステム
30 寝台
500 CPU
502 メモリ
504 ディスク

Claims (22)

  1. 複数の撮像位置でのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)スキャンにおける散乱を推定する方法であって、
    所定の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す散乱サイノグラムを算出する算出ステップと、
    前記所定の撮像位置と重複する撮像位置における散乱サイノグラムを、前記算出ステップによって算出された前記散乱サイノグラムから推定する推定ステップと、
    を含む、散乱線推定方法。
  2. 前記算出ステップは、第1の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す第1の散乱サイノグラムと、第2の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す第2の散乱サイノグラムとをそれぞれ算出し、
    前記推定ステップは、前記第1の撮像位置及び前記第2の撮像位置にそれぞれ重複する第3の撮像位置における第3の散乱サイノグラムを、前記第1の撮像位置に対する前記第3の撮像位置重複割合を示す第1の重複割合と、前記第2の撮像位置に対する前記第3の撮像位置重複割合を示す第2の重複割合に基づいて、前記第1の散乱サイノグラム及び前記第2の散乱サイノグラムから推定する、請求項1に記載の散乱線推定方法。
  3. 前記推定ステップは、
    前記第1の散乱サイノグラムにおいて、前記第3の撮像位置と重複する位置に対応し、前記第1の重複割合に等しい第1の部分と、前記第2の散乱サイノグラムにおいて、前記第3の撮像位置と重複する位置に対応し、前記第2の重複割合に等しい第2の部分とを決定する決定ステップと、
    前記第3の散乱サイノグラムとして、前記第1の部分と前記第2の部分とを複写する複写ステップと、
    を含む、請求項2に記載の散乱線推定方法。
  4. 前記第1の撮像位置におけるスキャン領域、前記第2の撮像位置におけるスキャン領域、および前記第3の撮像位置におけるスキャン領域が、互いにサイズが同じであり、前記第1の重複割合と前記2の重複割合の合計が100%未満の場合、前記決定ステップは、前記第3の撮像位置におけるスキャン領域のうち、前記第1の部分及び前記第2の部分に対応するスキャン領域以外のスキャン領域に対応する前記第3の散乱サイノグラムの残りの部分を決定して、前記残りの部分を補間して補間部分を生成し、
    前記複写ステップは、前記第3の散乱サイノグラムとして、前記第1の部分と、前記第2の部分と、前記補間部分とを複写する、請求項3に記載の散乱線推定方法。
  5. 前記第1の撮像位置におけるスキャン領域、前記第2の撮像位置におけるスキャン領域、および前記第3の撮像位置におけるスキャン領域が、互いにサイズが同じであり、前記第1の重複割合と前記第2の重複割合の合計が100%を越える場合、前記決定ステップは、前記第1の撮像位置におけるスキャン領域と前記第2の撮像位置におけるスキャン領域との重複部分を決定し、前記第1の部分において前記重複部分に対応する第1の部位と前記第2の部分において前記重複部分に対応する第2の部位を平均して平均部分を生成し、
    前記複写ステップは、前記第3の散乱サイノグラムとして、前記平均部分と、前記第1の部位を含まない前記第1の部分の第1の残余部位と、前記第2の部位を含まない前記第2の部分の第2の残余部位とを複写する、請求項3に記載の散乱線推定方法。
  6. 前記複写ステップは、前記第3の散乱サイノグラムにおいて前記第1の部分に対応する第1の位置と、前記第3の散乱サイノグラムにおいて前記第2の部分に対応する第2の位置とを決定して、前記第1の位置に前記第1の部分を複写し、前記第2の位置に前記第2の部分を複写し、
    前記第3の撮像位置におけるスキャン領域のサイズは、前記第1の撮像位置におけるスキャン領域及び前記第2の撮像位置におけるスキャン領域のサイズに等しい、請求項3に記載の散乱線推定方法。
  7. 前記複写ステップは、前記第3の撮像位置におけるスキャン領域における前記第1の部分に対応する位置と前記第2の部分に対応する位置とに基づいて、前記第3の散乱サイノグラムにおける前記補間部分の位置を決定して、前記第3の散乱サイノグラムにおける前記補間部分の位置に前記補間部分を複写する、請求項4に記載の散乱線推定方法。
  8. 前記複写ステップは、前記第3の撮像位置におけるスキャン領域における前記第1の部分に対応する位置と前記第2の部分に対応する位置とに基づいて、前記第3の散乱サイノグラムにおける前記平均部分の位置を決定して、前記第3の散乱サイノグラムにおける前記平均部分の位置に前記平均部分を複写する、請求項5に記載の散乱線推定方法。
  9. 記散サイノグラムは、モデルベース散乱推定(Model-Based Scatter Estimation:MBSE)、バックグラウンド除去法、または畳み込み除去法を用いて算出される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の散乱線推定方法。
  10. 記散サイノグラムは、モンテカルロ法による散乱推定を用いて計算される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の散乱線推定方法。
  11. 前記推定ステップは、前記第3の撮像位置に前記第1の撮像位置におけるスキャン領域と前記第2の撮像位置におけるスキャン領域とが重複する重複領域が含まれる場合、前記第1の部分及び前記第2の部分における前記重複領域に対応する重複部分を平均することで、前記第3の散乱サイノグラムのサイズ変更し、前記第3の撮像位置に前記第1の撮像位置におけるスキャン領域及び前記第2の撮像位置におけるスキャン領域以外の非重複領域が含まれる場合、前記非重複領域に対して補間することで、前記第3の散乱サイノグラムのサイズを変更する、請求項3に記載の散乱線推定方法。
  12. 前記PETスキャンは、連続的に寝台を移動させながら実行される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の散乱線推定方法。
  13. 前記PETスキャンは、ステップアンドシュート方式で寝台を移動させながら実行される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の散乱線推定方法。
  14. 前記PETスキャンの前記複数の撮像位置中の各撮像位置を決定する位置決定ステップをさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の散乱線推定方法。
  15. 前記第1の重複割合と前記第2の重複割合を決定する割合決定ステップをさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の散乱線推定方法。
  16. プロセッサによって実行されると、複数の撮像位置でのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)スキャンにおける散乱を推定する方法を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
    所定の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す散乱サイノグラムを算出する算出ステップと、
    前記所定の撮像位置と重複する撮像位置における散乱サイノグラムを、前記算出ステップによって算出された前記散乱サイノグラムから推定する推定ステップと、
    を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
  17. 複数の撮影位置でのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)スキャンにおける散乱を推定する散乱線推定装置であって、
    所定の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す散乱サイノグラムを算出する算出部と、
    前記所定の撮像位置と重複する撮像位置における散乱サイノグラムを、前記算出によって算出された前記散乱サイノグラムから推定する推定部と、
    を備える、散乱線推定装置。
  18. 前記算出部は、第1の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す第1の散乱サイノグラムと、第2の撮像位置において収集されたスキャンデータに含まれる散乱成分を示す第2の散乱サイノグラムとをそれぞれ算出し、
    前記推定部は、前記第1の撮像位置及び前記第2の撮像位置にそれぞれ重複する第3の撮像位置における第3の散乱サイノグラムを、前記第1の撮像位置に対する前記第3の撮像位置重複割合を示す第1の重複割合と、前記第2の撮像位置に対する前記第3の撮像位置重複割合を示す第2の重複割合に基づいて、前記第1の散乱サイノグラム及び前記第2の散乱サイノグラムから推定する、請求項17に記載の散乱線推定装置。
  19. 前記推定部は、前記第1の散乱サイノグラムにおいて、前記第3の撮像位置と重複する位置に対応する第1の部分と、前記第2の散乱サイノグラムにおいて、前記第3の撮像位置と重複する位置に対応する第2の部分とを決定し、前記第3の散乱サイノグラムとして、前記第1の部分と前記第2の部分とを複写する、請求項18に記載の散乱線推定装置。
  20. 前記第1の撮像位置におけるスキャン領域、前記第2の撮像位置におけるスキャン領域、および前記第3の撮像位置におけるスキャン領域は、互いにサイズが同じであり、前記第1の重複割合と前記第2の重複割合の合計が100%未満の場合、前記推定部は、前記第3の撮像位置におけるスキャン領域のうち、前記第1の部分及び前記第2の部分に対応するスキャン領域以外のスキャン領域に対応する前記第3の散乱サイノグラムの残りの部分を決定して、前記残りの部分を補間して補間部分を生成し、前記第3の散乱サイノグラムとして、前記第1の部分と、前記第2の部分と、前記補間部分とを複写する、請求項19に記載の散乱線推定装置。
  21. 前記第1の撮像位置におけるスキャン領域、前記第2の撮像位置におけるスキャン領域、および前記第3の撮像位置におけるスキャン領域は、互いにサイズが同じであり、前記第1の重複割合と前記第2の重複割合の合計が100%を越える場合、前記推定部は、前記第1の撮像位置におけるスキャン領域と前記第2の撮像位置におけるスキャン領域との重複部分を決定し、前記第1の部分において前記重複部分に対応する第1の部位と前記第2の部分において前記重複部分に対応する第2の部位を平均して平均部分を生成し、前記第3の散乱サイノグラムとして、前記平均部分と、前記第1の部位を含まない前記第1の部分の第1の残余部位と、前記第2の部位を含まない前記第2の部分の第2の残余部位とを複写する、請求項19に記載の散乱線推定装置。
  22. 前記推定部は、前記第3の散乱サイノグラムにおける前記第1の部分に対応する第1の位置と、前記第3の散乱サイノグラムにおける前記第2の部分に対応する第2の位置とを決定して、前記第1の位置に前記第1の部分を複写し、前記第2の位置に前記第2の部分を複写し、
    前記第3の撮像位置におけるスキャン領域のサイズは、前記第1の撮像位置におけるスキャン領域及び前記第2の撮像位置におけるスキャン領域のサイズに等しい、請求項19に記載の散乱線推定装置。
JP2015098320A 2014-08-28 2015-05-13 散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置 Active JP6556492B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/471,989 US9286701B1 (en) 2014-08-28 2014-08-28 Method and apparatus for estimating scatter in a positron emission tomography scan at multiple bed positions
US14/471,989 2014-08-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016050932A JP2016050932A (ja) 2016-04-11
JP6556492B2 true JP6556492B2 (ja) 2019-08-07

Family

ID=55403090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015098320A Active JP6556492B2 (ja) 2014-08-28 2015-05-13 散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9286701B1 (ja)
JP (1) JP6556492B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105389788B (zh) * 2015-10-13 2019-03-05 沈阳东软医疗系统有限公司 Pet多床位图像的重建方法及装置、合并方法及装置
US20200294285A1 (en) * 2017-10-23 2020-09-17 Koninklijke Philips N.V. Reconstructing images for a whole body positron emission tomograpy (pet) scan with overlap and varying exposure time for individual bed positions
WO2020099649A1 (en) * 2018-11-16 2020-05-22 Koninklijke Philips N.V. Edge preserving penalized reconstruction for step-and-shoot and motion compensated positron emission tomography (pet) studies
US10743830B2 (en) * 2018-12-04 2020-08-18 Canon Medical Systems Corporation Method and apparatus for scatter correction in position emission tomography (PET) imaging by performing a short PET scan in an extended region to estimate scatter coming from outside of the field of view (FOV)
WO2023177915A1 (en) * 2022-03-18 2023-09-21 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Positron emission tomography (pet) insert for a magnetic resonance imaging (mri) system

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6403960B1 (en) * 1999-04-29 2002-06-11 Koninklijijke Philips Electronics N.V. Correction for spatial variations of deadtime of a monolithic scintillator based detector in a medical imaging system
US7336760B2 (en) * 2006-07-28 2008-02-26 Varian Medical Systems Technologies, Inc. Methods, systems, and computer-program products to estimate scattered radiation in cone-beam computerized tomographic images and the like
US9575186B2 (en) * 2008-01-18 2017-02-21 Koninklijke Philips N.V. Multi-segment reconstruction
JP2010038594A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Shimadzu Corp Pet装置
US8193505B2 (en) * 2008-09-29 2012-06-05 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. System and method for scatter normalization of PET images
DE102009048151B4 (de) * 2009-10-02 2011-07-21 Siemens Aktiengesellschaft, 80333 Verfahren zur Steuerung eines bildgebenden Untersuchungssystems und zugehöriges Untersuchungssystem
JP5804681B2 (ja) * 2010-08-30 2015-11-04 株式会社東芝 放射線イメージング装置及び画像処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016050932A (ja) 2016-04-11
US20160063741A1 (en) 2016-03-03
US9286701B1 (en) 2016-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6556492B2 (ja) 散乱線推定方法、非一時的コンピュータ可読媒体及び散乱線推定装置
JP2020500085A5 (ja)
JP2016522071A5 (ja)
US9645261B2 (en) Normalization coefficients in PET continuous bed motion acquisition
US11238625B2 (en) Imaging system extended field-of-view
JP2017535344A5 (ja)
KR20130128124A (ko) 파노라마 영상 데이터 제공 방법 및 장치
US10878544B2 (en) Image data processing
JP2015522803A (ja) Pet再構成における迅速な散乱推定
US9044153B2 (en) Random sinogram variance reduction in continuous bed motion acquisition
JP2019525179A5 (ja)
EP2662835B1 (en) Method of reconstructing image and apparatus and tomography apparatus for performing the same
JP2015100702A5 (ja)
JP2018537224A5 (ja)
US9196063B2 (en) Super-resolution apparatus and method
US20150139513A1 (en) Cylinder source software-positioning method for pet calibration and image quality assurance
JP6932253B2 (ja) 陽電子放出断層撮影の偶発同時推定のための緩和された反復的最大尤度期待値最大化
JP2020531083A5 (ja)
JP5597517B2 (ja) 医用画像処理装置、医用画像撮影装置、及び医用画像処理プログラム
US20160300370A1 (en) Tomography apparatus and method of reconstructing tomography image by using the tomography apparatus
JP2019072190A5 (ja)
US10123757B2 (en) Image-processing device, radiation image capture system, image-processing method, and computer-readable storage medium
JP2019535451A (ja) 交互打ち消しを使用する画像ノイズ推定
KR20150117417A (ko) 컴퓨터 단층 촬영 영상 처리 장치 및 이를 이용한 3차원 복원 영상 생성 방법
CN110853113A (zh) 基于bpf的tof-pet图像重建算法及重建系统

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160513

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160928

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20161021

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6556492

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150