JP6556059B2 - 二酸化塩素発生装置及び二酸化塩素発生用ユニット - Google Patents

二酸化塩素発生装置及び二酸化塩素発生用ユニット Download PDF

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Description

本発明は、二酸化塩素発生装置及び二酸化塩素発生用ユニットに関する。より詳しくは、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒の混合物に可視領域の波長の光を照射することによって二酸化塩素が発生するメカニズムを利用した小型の二酸化塩素発生装置及び二酸化塩素発生用ユニットに関する。本発明は、特に車(例えば、自家用車、バス、タクシー等)やその他の乗り物(例えば、飛行機、電車、船等)に好適に搭載され得る。
従来より、亜塩素酸塩を含む水溶液や亜塩素酸塩を含むゲル剤等に紫外線を照射し、二酸化塩素を発生させる装置は知られていた(例えば、特許文献1)。しかしながら、従来の二酸化塩素製造装置は、持ち運ぶことを念頭に開発されたものではなく、大がかりなものが多かった。また、従来の二酸化塩素発生装置は亜塩素酸塩を含有する液体、あるいはそれを含んだゲル状物が主成分(二酸化塩素発生源)であり、これらをあえて持ち運ぼうとすると、当該主成分が、あるいは廃液がこぼれるという問題があった。さらに、単に小型化して持ち運びできるようにしても、小型が故に生じる問題、すなわち(亜塩素酸塩の絶対量が不足して)二酸化塩素発生の持続性に乏しいという問題が新たに生じ、継続的に使用することが難しかった。
二酸化塩素発生装置の「小型化」と「継続的な使用」という課題を同時に解決した装置として、所定の構造を備えたカートリッジに固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を包含させ、紫外線を照射することによって二酸化塩素を発生させる装置が知られている(特許文献2)。
特開2005−224386号公報 WO2011/118447
上記の特許文献2に記載の装置は、従来の二酸化塩素発生装置と比較して小型であり、且つ、継続的な使用が可能であるという点で優れている。しかし、当該装置は、固形の亜塩素酸塩を二酸化塩素発生源として用いる点で、亜塩素酸塩を含む水溶液や亜塩素酸塩を含むゲル剤に紫外線を照射して二酸化塩素を発生させる装置と比較して、二酸化塩素の発生量が少ないという、さらなる課題があった。
従来、固形の亜塩素酸塩に光を照射して二酸化塩素を発生させる場合、より効率的に二酸化塩素を発生させるためには、様々な波長の光の中でも、よりエネルギーの高い紫外領域の光を用いることが必須であると考えられてきた。
本発明者らは、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を二酸化塩素の発生源として用いる装置の二酸化塩素発生量を増加させるために鋭意検討を重ねた。その結果、予想外にも、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に紫外線を照射すると、二酸化塩素だけではなく、オゾンまでもが発生し、このオゾンが二酸化塩素と干渉することによって、全体として発生する二酸化塩素の量がオゾンの量よりも減少していることを見出した(本明細書の試験例1および図3も参照のこと)。
本発明者らは、上記の知見に基づき、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を二酸化塩素の発生源として用いる装置において、オゾンの発生を抑えつつ、全体として発生する二酸化塩素の量を増加させるために、さらに検討を重ねた。その結果、従来、固形の亜塩素酸塩から二酸化塩素を発生させるために必須であると考えられてきた紫外線ではなく、可視領域の光を用いることによって、オゾンの発生量を減少させることができ、装置全体として発生させることができる二酸化塩素量を増加させることに成功した。さらに、紫外線よりもエネルギーの低い可視領域の光を用いることによる反応性の低下を補うために、固形の亜塩素酸塩に金属触媒または金属酸化物触媒(例えば、二酸化チタン)を混合することで、固形の亜塩素酸塩から発生する二酸化塩素の量をさらに増加できることを見出した。
これらの創意工夫によって、発明者らは、小型でありながら、実用的に十分な量の二酸化塩素を、極めて長時間にわたって放出することができる、本発明の装置を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、その一実施形態において、二酸化塩素発生装置であって、前記装置は、光源部および薬剤収納部を備え、前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤が収納されており、前記薬剤収納部には、内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、ここで、前記薬剤収納部の内部に存在する前記薬剤が、前記光源部から発生される前記光によって照射されることにより、二酸化塩素ガスが発生することを特徴とする、二酸化塩素発生装置を提供する。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部と前記光源部が一体的に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部が前記光源部の上方に配置されていることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部の少なくとも底面が、実質的に可視領域の波長からなる光を透過させる樹脂製であることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための送風部をさらに備えることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記送風部が、前記二酸化塩素発生装置の外部から内部へとエアを取り込むためのファン、または、前記二酸化塩素発生装置の内部から外部へとエアを放出するためのファンであることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部の下方に、前記送風部が配置されていることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部の開口部のうち少なくとも1つは、前記薬剤収納部の側面に存在し、前記送風部から送られたエアは、少なくとも部分的には、前記薬剤収納部の側面に存在する開口部を介して、薬剤に送られることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記光源部が、ランプ、または、チップを備えることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記チップが、LEDチップであることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記可視領域の波長からなる光が、360nm〜450nmの波長の光であることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記「金属触媒または金属酸化物触媒」が、パラジウム、ルビジウム、ニッケル、チタン、および、二酸化チタンからなる群から選択されることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記「金属触媒または金属酸化物触媒」が、粒状または粉状であることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記固形の亜塩素酸塩が、粒状であり、当該粒子の平均粒子径が1mm〜3mmの範囲であることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記「金属触媒または金属酸化物触媒」が、粒状または粉状であり、前記固形の亜塩素酸塩が、粒状であり、前記薬剤中における前記固形の亜塩素酸塩と前記「金属触媒または金属酸化物触媒」との混合割合が、重量比において、2:1〜5:3の間の範囲であることを特徴とする。
本発明の二酸化塩素発生装置は、その一実施形態において、前記薬剤収納部が、交換可能なカートリッジであることを特徴とする。
また、本発明は、他の実施形態において、二酸化塩素発生装置において用いる、二酸化塩素発生用ユニットであって、前記ユニットは、薬剤収納部と光源部を備え、前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤が収納されており、前記薬剤収納部には、内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、前記薬剤収納部と前記光源部は、一体的に接続されていることを特徴とする、二酸化塩素発生用ユニットを提供する。
本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、その一実施形態において、前記薬剤収納部が、交換可能なカートリッジであることを特徴とする。
また、本発明は、他の実施形態において、上記の二酸化塩素発生用ユニットを備えることを特徴とする、二酸化塩素発生装置を提供する。
上記の、本発明の一または複数の特徴を、当業者の観点から技術的に矛盾しないように任意に組み合わせたものも、本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
本発明の二酸化塩素発生装置は、上記の構成をとることにより、小型でありながら、実用的に十分な量の二酸化塩素を、極めて長時間にわたって放出することができるため、例えば乗物搭載用に好適に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生装置の縦断面図を示す。 図2は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生装置および二酸化塩素発生用ユニットの縦断面図を示す。 図3は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生装置において、光源部から照射される光の波長を変化させた場合の、エア中の二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の実測値を示したグラフである。 図4は、図3における二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の実測値のうち、紫外領域における測定値の平均値と、可視領域における測定値の平均値を示したグラフである。 図5は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生装置における、金属触媒または金属酸化物触媒の形状による二酸化塩素発生量の変化を示したグラフである。 図6は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生装置において、電源をON/OFFにした場合の二酸化塩素発生量の変化を測定したグラフである。図6のグラフの縦軸は発生量(mg/h)(1目盛は0.2)を示し、横軸は時間(h)(1目盛は24時間)を示す。
本発明で使用される光源は、可視領域の光を単独に、あるいは可視領域の含めて放つものであれば従来公知の光源を用いることができる。従って、本発明で用いられる光源から発生される光の波長は、可視領域の光の波長(360nm〜830nm)のみに限定されず、紫外領域の光の波長(〜360nm)および赤外領域の光の波長(830nm〜)を含んだ光であっても構わない。しかし、紫外領域の波長の光を固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に照射すると、副産物としてオゾンが発生しやすく、また、赤外領域の波長の光ではエネルギーが弱いため、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に照射しても発生する二酸化塩素の量が少ない。したがって、本発明において使用される光源から発生される光は、実質的に可視領域の波長の光からなることが好ましい。本発明において使用される光源から発生される光は、360nm〜450nmの波長の光であることが好ましく、380nm〜450nmまたは360nm〜430nmの波長の光であることがさらに好ましく、380nm〜430nmの波長の光であることが最も好ましい。
光源から発生される光の波長が実質的に特定の波長領域の範囲に含まれることは、公知の測定機器によって光源から発生される光の波長やエネルギーを測定することによって確認することができる。
本発明において使用される光源は、可視領域の波長の光を発生させるものであれば特に限定されないが、例えば可視領域の光を発生させるランプ(白熱ランプ、LEDランプ)、チップ、レーザー装置等、様々なものを用いることができる。光源から発生される光の指向性の観点から、また、装置の小型化の観点から、光源としてチップの形態のものを用いることが好ましい。チップの形態の光源は指向性が狭いことから、光が拡散することなく、照射の対象物に対して効率よく光を照射することができ、装置の二酸化塩素発生効率を向上させることができる。また、光源から発生される光の波長を限定し、紫外領域や赤外領域の光を含まないようにするという観点からは、光源として、可視領域の光を発生させるLEDを用いることが好ましい。特に、装置の小型化の観点、および、二酸化塩素の発生効率の観点から、本発明において使用される光源は、可視領域の光を発生させるLEDチップであることが最も好ましい。
本発明の二酸化塩素発生装置における光源部と薬剤収納部とは、一体的に配置されていてもよく、分離して配置されていてもよいが、薬剤収納部に収納されている薬剤に対して、光源部から発生される光を効率よく照射させるためには、一体的に配置されていることが好ましい。ここで、光源部と薬剤収納部とは、分離不可能な態様で一体的に配置または接続されていてもよく、分離可能な態様で一体的に配置または接続されていてもよい。光源部と薬剤収納部とが分離可能な態様で一体的に配置または接続される場合には、薬剤収納部は交換可能なカートリッジであってよい。
本発明の二酸化塩素発生装置において、光源部と薬剤収納部との位置関係は特に限定されず、光源部は薬剤収納部の上方、下方、側方等、様々に配置することができる。好ましくは、薬剤収納部は光源部の上方に配置される。
本発明において用いられる薬剤収納部は、内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられている限り、その素材や構造において限定されない。例えば、薬剤収納部(特に、薬剤収納部のうち、光源部からの光が直接照射される面)の素材を、公知の光透過性の素材とすることによって、光源部から照射された光を薬剤収納部の内部の薬剤へ照射させることができる。好ましくは、薬剤収納部の素材を、実質的に可視領域の光を透過させる樹脂製とすることによって、光源部から発生された光が樹脂に吸収されずに薬剤収納部の内部の薬剤に照射される。本明細書において、実質的に可視領域の波長の光を透過させる樹脂とは、例えば、照射された可視領域の波長の光の80%以上を透過させる樹脂であってよく、好ましくは、照射された可視領域の波長の光の90%以上を透過させる樹脂であってよく、さらに好ましくは、照射された可視領域の波長の光の95%以上を透過させる樹脂であってよい。具体的には、薬剤収納部のうち、光源部からの光が直接照射される面の素材として、アクリル板や透明塩化ビニル板を用いることができるが、特にこれらに限定されない。
また、例えば、薬剤収納部を、収納物が零れ落ちない程度の網目を有する網上板によって構成することもできる。このような構成によれば、薬剤収納部の外部のエアが、薬剤収納部の内部と外部を移動することができ、光源部から発生した光は網目を通って薬剤収納部の内部の薬剤に照射される。
本発明の二酸化塩素発生装置において、薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための送風部は、例えばファンまたはエアポンプであってよいが、ファンであることが好ましい。このような送風部を備えることにより、薬剤収納部の内部の薬剤により多くのエアを供給することができる。薬剤により多くのエアが供給されることにより、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤とエア中の水分(水蒸気)の接触頻度が高まるので、光が照射された固形の亜塩素酸塩から二酸化塩素が発生しやすくなる。
本発明の二酸化塩素発生装置は、装置の外部から内部へとエアを取り込むための送風部、または、装置の内部から外部へとエアを放出するための送風部のいずれかを備えていてもよく、その両者を備えていてもよい。
上記に述べた特徴を有する本発明の装置は、二酸化塩素発生装置において用いる、二酸化塩素発生用ユニットとして構成することもできる。本発明の二酸化塩素発生用ユニットは小型であるため、二酸化塩素の発生を目的とする様々な装置に組み込むことができる。
本発明の二酸化塩素発生用ユニットを組み込んだ二酸化塩素発生装置の一実施態様においては、前記薬剤収納部自体あるいは、前記薬剤収納部の内部の薬剤を交換することができるように、前記装置が開閉可能であるように構成することができる。また、二酸化塩素発生用ユニットの薬剤収納部を交換可能なカートリッジとすることもできる。このような構成を有することにより、装置自体を廃棄することなく、新しい薬剤を導入して、引き続き二酸化塩素を発生させることができるため、エコロジーの面においても経済面においても優れる。
本発明において使用される亜塩素酸塩としては、例えば、亜塩素酸アルカリ金属塩や亜塩素酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。亜塩素酸アルカリ金属塩としては、例えば亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウムが挙げられ、亜塩素酸アルカリ土類金属塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸バリウムが挙げられる。なかでも、入手が容易という点から、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムが好ましく、亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。これら亜塩素酸塩は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明の「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」に含まれる亜塩素酸塩の割合は3w/w%〜15w/w%であってよく、好ましくは5w/w%〜12w/w%であってよい。「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」に含まれる亜塩素酸塩の割合が3w/w%未満であると十分な反応が起きず、二酸化塩素の発生が極めて難しくなり、15w/w%を超えると過剰に反応が起こり得るため、取り扱い上、危険性が上がる可能性がある。
本発明において使用される固形の亜塩素酸塩とは、固形状態にある亜塩素酸塩をいう。そのような固形の亜塩素酸塩として、粉状や粒状の亜塩素酸塩をそのまま用いることができ、また、粉状や粒状の亜塩素酸塩を適宜の無機物質担体と混合させたもの、さらには、亜塩素酸塩の水溶液を適宜の無機物質担体に混合し、必要に応じて乾燥させ、固形とした亜塩素酸塩を用いることもできる。
本発明において使用される固形の亜塩素酸塩は、どのような粒子径のものを使用してもよいが、特に平均粒子径が1mm〜3mmのものを好適に使用できる。一般的には、固形の亜塩素酸塩を二酸化塩素の発生源とする場合、平均粒子径が5mm以上の固形の亜塩素酸塩を用いることが多い。しかし、平均粒子径が1mm〜3mmの小型の固形の亜塩素酸塩を用いることにより、カートリッジ内の薬剤に含まれる多孔性の物質に亜塩素酸塩が入り込み、イオン反応が促進される。さらに、多孔性の物質に亜塩素酸塩が入り込むことによって、多孔質に二酸化塩素が取り込まれることを防ぎ、装置の電源をOFF(すなわち、エアの供給と光の照射を停止)にした後にまで二酸化塩素が放出され続けることを防ぐことができる。これらの効果によって、装置の電源をON(すなわち、エアの供給と光の照射を開始)にすることにより、速やかに二酸化塩素の放出を開始させることができ、装置の電源をOFF(すなわち、エアの供給と光の照射を停止)にすることにより、速やかに二酸化塩素の放出を停止させることができる。
なお、本明細書において、粉状・粒状(あるいは顆粒状)の大きさのおおよその目安としては、例えば粉状とは、平均粒子径が0.01mm〜1mmの大きさの固形物をいい、また粒状(あるいは顆粒状)とは、平均粒子径が1mm〜30mmの大きさの固形物をいうが、特に限定するものではない。
本発明における亜塩素酸塩の平均粒子径は、例えば、光学顕微鏡によって用いる亜塩素酸塩の粒子径を測定し、統計処理を行い、平均値と標準偏差を計算することによって算出することができる。
本発明において使用される金属触媒または金属酸化物触媒としては、例えば、パラジウム、ルビジウム、ニッケル、チタン、二酸化チタンが挙げられる。これらのうち、特に二酸化チタンが好適に用いられる。なお、二酸化チタンは、単に酸化チタン、またはチタニアと呼ばれることもある。
本発明において使用される金属触媒または金属酸化物触媒は、粉状または粒状等、様々な形態のものを使用することができるが、特に粒状であることが好ましい。
本発明の「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」に含まれる金属触媒または金属酸化物触媒の割合は5w/w%〜50w/w%であってよく、好ましくは10w/w%〜30w/w%であってよい。「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」に含まれる金属触媒または金属酸化物触媒の割合が5w/w%未満であると十分なイオン化反応が起こらず、50w/w%を超えるとイオン化反応が過剰に起こり、反応を制御しづらくなる。
本発明の「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」に含まれる固形の亜塩素酸塩と金属触媒または金属酸化物触媒との配合比率は特に限定されないが、二酸化塩素の放出の制御性の観点から、固形の亜塩素酸塩:金属触媒または金属酸化物触媒=2:1〜5:3(重量比)であることが好ましい。
本発明において、「固形の亜塩素酸塩および金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」には、粉状や粒状の無機物質をさらに含むことができる。無機物質としては、例えば多孔性の物質(例えば、セピオライト、ゼオライト、モンモリロナイト、シリカゲル、ベイナイト、アパタイト)を使用することができる。多孔性の物質と所定の粒径の亜塩素酸塩を混合させて使用することにより、カートリッジ内でのイオン反応を促進させることができるとともに、本発明の装置からの放出される二酸化塩素の制御性を調節することができる。
また、本発明で使用することができる他の無機物質としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウムなどの潮解性の物質が挙げられる。これらは周囲の空気中に存在する水分を積極的に取り込むことが可能であり、亜塩素酸塩(固形)の周辺の湿度を高めるので二酸化塩素を効率よく安定して発生させることができる。これらの無機物質は複数を同時に用いることもできる。例えば、多孔性の物質と潮解性の物質を併用することもできる。
本発明において、「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」には、さらに水酸化物を含むことができる。薬剤に水酸化物を加えることにより、薬剤のpHを調整することができ、薬剤自体の安定性を高め、光の照射を行っていない保管時などでの無駄な二酸化塩素の放出を抑えることができる。そのような水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムを挙げることができ、これらのいくつかを混合して用いることもできる。これらの水酸化物は、水酸化物イオンで結晶した物質として使用することが好ましい。
本発明の「固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤」に含まれる水酸化物の割合は1w/w%〜6w/w%であってよく、好ましくは1w/w%〜4w/w%であってよい。
二酸化塩素の発生効率からすれば、粉状や粒状の亜塩素酸塩の周辺の湿度は一般に高いほど良いといえる。しかしながら、水が凝縮すれば電気系統に影響することが考えられるので、本発明の装置の内部の相対湿度が20%〜99%であることが好ましい。なお、上述の無機物質が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウムなどの潮解性物質であれば、周りの空気中に存在する水分を積極的に取り込むことが可能であり、亜塩素酸塩の周辺の湿度を高めるので二酸化塩素を効率よく安定して発生させることができる。また、装置内部にファンを用いる場合、ファンの働きによっても、内部のエアと外部のエアの交換が促進されることになる。さらには、空気中の水分を凝縮して集めるペルチェ素子(ペルチェ効果)を利用することもできる(水蒸気の侵入や結露が生じるペルチェ素子の欠点を逆利用して湿度上昇に働かせることもできる。)。
その他、次のような手段を講じることもできる。すなわち、
(1)装置本体内部の湿度を計測する湿度計を設け、水分量を監視しながらペルチェ素子により湿度をコントロールすることもできる。
(2)装置本体内部の二酸化塩素濃度あるいは装置の開口部から放出される二酸化塩素濃度を計測するガスセンサーを設け、二酸化塩素の発生量を監視しながら光源のON、OFFにより二酸化塩素ガス濃度をコントロールすることもできる。
(3)亜塩素酸塩と金属触媒または金属酸化物触媒とを別体として扱うのではなく、予め両者を混ぜてタブレット状に成形したものを使用することもできる。
(4)固形の亜塩素酸塩とエア中の水分(水蒸気)との接触効率を高めるため、また、光が照射される薬剤の部分が長時間同じ場合、二酸化塩素発生量が低下する傾向があるが、光と薬剤の当たる場所を変え二酸化塩素発生量が低下することを抑える目的で薬剤収納部における薬剤収納空間を撹拌する装置を設け、固形の亜塩素酸塩を薬剤収納部の内部でかき混ぜることもできる。あるいは、薬剤収納部を揺らして固形の亜塩素酸塩を薬剤収納部の内部でかき混ぜる方法を採っても構わない。薬剤収納部自体を揺らす方法としては、例えば小形モータ(回転軸を偏心させたモータ)を用いた振動装置(バイブレーション)や、モーター(回転装置)により薬剤収納部自体を定期的にあるいは不定期で回転させたり、動かす装置を設けることもできる。あるいは、薬剤収納部を装置本体内部にて定期的に上下逆さまにひっくり返す装置を備えることもできる。
本明細書において用いられる用語は、特定の実施態様を説明するために用いられるのであり、発明を限定する意図ではない。
また、本明細書において用いられる「含む」との用語は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記載された事項(部材、ステップ、要素または数字等)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(部材、ステップ、要素または数字等)が存在することを排除しない。
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語および科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書および関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、または、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
本発明の実施態様は模式図を参照しつつ説明される場合があるが、模式図である場合、説明を明確にするために、誇張されて表現されている場合がある。
本明細書において、例えば、「1〜10w/w%」と表現されている場合、当業者は、当該表現が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10w/w%を個別具体的に指すことを理解する。
本明細書において、成分含有量や数値範囲を示すのに用いられるあらゆる数値は、特に明示がない限り、用語「約」の意味を包含するものとして解釈される。例えば、「10倍」とは、特に明示がない限り、「約10倍」を意味するものと理解される。
本明細書中に引用される文献は、それらのすべての開示が、本明細書中に援用されているとみなされるべきであって、当業者は、本明細書の文脈に従って、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、それらの先行技術文献における関連する開示内容を、本明細書の一部として援用して理解する。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
製造例1:二酸化塩素発生装置
図1は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生装置10の内部構造を示した縦断面図である。図1に示すとおり、二酸化塩素発生装置10は薬剤収納部11および可視領域の光を発生させる光源部(LEDチップ12および操作基板13)を備える。薬剤収納部11は、内部に固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒を含む薬剤14を含む。薬剤収納部11は、内部と外部をエアが移動できるように、開口部16を備える。二酸化塩素発生装置10は、装置外部のエアを装置内に導くためのチューブ15を備える。
チューブ15から導入されたエアは、開口部16を通って薬剤収納部11の内部に供給される。供給されたエア中に含まれる水蒸気は、薬剤14中の亜塩素酸塩に取り込まれる。光源部から発生した可視領域の光は、薬剤収納部11の底面を透過して、薬剤収納部11の内部に存在する薬剤14に照射される。水蒸気を含んだ亜塩素酸塩は、照射された光と反応し、二酸化塩素を発生させる。亜塩素酸塩と共に薬剤14に含まれる金属触媒または金属酸化物触媒は、可視領域の光を照射されることにより、亜塩素酸塩から二酸化塩素が発生する反応を促進する。発生した二酸化塩素は、開口部16を通じて外部へ排出される。
製造例2:二酸化塩素発生装置および二酸化塩素発生用ユニット
図2は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生装置20の内部構造を示した縦断面図である。図2に示すとおり、二酸化塩素発生装置20は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生用ユニット21を内部に備える。二酸化塩素発生装置20の装置本体22は、装置外部のエアを装置内部へ導入するためのエア供給口23、および、装置内部のエアを装置外部へ排出するためのエア排出口25を備える。さらに、二酸化塩素発生装置20は、装置内部へ効率よくエアを導入するために、ファン24を内部に備える。
ファン24の駆動によって、エア供給口23から装置本体22の内部へエアが導入される。導入されたエアは、装置内部に設置された二酸化塩素発生用ユニット21を通過して、エア排出口25から排出される。二酸化塩素発生用ユニット21では、製造例1と同様の機構で二酸化塩素が発生するため、エア排出口25から排出されるエアには二酸化塩素が含まれる。
試験例1:照射する光の波長による二酸化塩素発生量の変化
10wt%亜塩素酸ナトリウム水溶液70gを100gのセピオライトに噴霧吸着させ乾燥させた後、さらに10wt%水酸化ナトリウム水溶液20gを噴霧吸着させて乾燥させた。これに、チタン粉末に焼成処理を施して調製した粉状の二酸化チタン20gを混合して、供試薬剤とした。
製造例1に記載の二酸化塩素発生装置中の薬剤収納部に、上記の薬剤を格納した。薬剤収納部の開口部から1L/minで薬剤収納部内にエアを導入し、LEDチップから薬剤収納部内の薬剤に対して光を照射した。LEDチップから照射する光の波長を80nm〜430nmまで2nmごとに変化させ、二酸化塩素発生装置から排出されたエアに含まれる二酸化塩素濃度およびオゾン濃度を測定した。その結果を、図3および図4に示した。なお、本試験には、周波数カウンタ(MCA3000、テクトロニクス社)、スペクトラム・アナライザー(BSA、アシレント・テクノロジー社)、波長スイープ光源(TSL−510、サンテック社)、紫外線積算光量計(UIT−250、ウシオ電機社)、および紫外線積算光量計受光器(VUV−S172、UVD−C405、ウシオ電機社)を用いた。
図3は、様々な光の波長における、エア中の二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の実測値を示したグラフであり、図4は、上記の測定値のうち、紫外領域(80nm〜358nm)における測定値の平均値と、可視領域(360nm〜430nm)における測定値の平均値を比較したグラフである。なお、図4において、紫外領域および可視領域における二酸化塩素の測定値の平均値はそれぞれ約2.25ppm、約4.87ppmであり、紫外領域および可視領域におけるオゾンの測定値の平均値はそれぞれ約7.04ppm、約3.04ppmであった。
図3に示すように、薬剤に照射する光の波長を紫外領域から可視領域にかけて移動させていくと、エア中のオゾン濃度は紫外領域で極大となり、紫外領域から可視領域にかけて減少していくことが示された。一方、驚くべきことに、エア中の二酸化塩素濃度は、紫外領域から可視領域にかけて上昇していくことが示された。この結果から、当業者であれば、本発明において好適に用いられる波長の範囲は、本試験例の測定範囲の上限である430nmを越えて、例えば、少なくとも450nm程度の波長においても問題なく使用可能であることを理解できる。
さらに、図4に示すように、紫外領域と可視領域とにおける、エア中のオゾン濃度および二酸化塩素濃度のそれぞれの平均値を比較すると、オゾン濃度は紫外領域から可視領域にかけて約43%まで減少したのに対し、二酸化塩素濃度は紫外領域から可視領域にかけて約213%まで上昇した。
すなわち、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒の混合物に対して可視領域の光を照射することによって、紫外領域の光を照射するよりも極めて効率的に二酸化塩素を発生させることができることがわかった。
試験例2:触媒の形状による二酸化塩素発生量の変化
本試験例において用いるサンプル1では、粒状の二酸化チタン(チタンを焼成処理して調製したもの)を用いた以外は、試験例1と同様の方法で薬剤を調製した。本試験例で用いるサンプル2およびサンプル3では、試験例1と同様の方法で薬剤を調製した。
上記の方法によって調整した薬剤(サンプル1〜3)をそれぞれ製造例1に記載の二酸化塩素発生装置の薬剤収納部に格納した。サンプル1およびサンプル2については、薬剤収納部の開口部から1L/minで装置内にエアを導入し、光源部のLEDチップから405nmの光を照射した。サンプル3については、薬剤収納部の開口部から1L/minで装置内にエアを導入するのみで、光は照射しなかった。照射開始から11時間後までの、装置から排出されたエアに含まれる二酸化塩素濃度を測定した。サンプル1〜3それぞれについての測定結果を図5に示す。
図5に示すように、本発明の二酸化塩素発生装置を用いると、サンプル1〜3のいずれにおいても、低濃度の二酸化塩素を極めて長時間にわたって持続的に放出させ得ることがわかった。さらに、驚くべきことに、薬剤中に粒状の二酸化チタンを混合した場合(サンプル1)は、薬剤中に粉状の二酸化チタンを混合した場合(サンプル2)と比較して、より効率的に二酸化塩素を発生させ得ることがわかった。
試験例3:二酸化塩素発生の制御性
試験例1と同様の方法で薬剤を調製し、製造例1に記載の二酸化塩素発生装置の薬剤収納部に格納した。
本発明の二酸化塩素発生装置において、電源をON/OFFにした場合(すなわち、LEDチップからの光の照射、および、装置へのエアの供給をON/OFFにした場合)の、二酸化塩素発生の発生量の変化を測定した。その結果を図6に示す。
図6に示すとおり、本発明の二酸化塩素発生装置では、電源をONにすると直ちに二酸化塩素の発生が開始され、電源をOFFにすると直ちに二酸化塩素の発生が止まることがわかった。さらに、電源をONにした際に急激に二酸化塩素濃度が上昇しすぎるような現象も見られなかった。すなわち、本発明の二酸化塩素発生装置は、二酸化塩素の発生に関して高い制御性を備えていることがわかった。
10 二酸化塩素発生装置
11 薬剤収納部
12 LEDチップ
13 操作基盤
14 薬剤
15 チューブ
16 開口部
20 二酸化塩素発生装置
21 二酸化塩素発生用ユニット
22 装置本体
23 エア供給口
24 ファン
25 エア排出口

Claims (16)

  1. 二酸化塩素発生装置であって、
    前記装置は、光源部および薬剤収納部を備え、
    前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、
    前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩、および、二酸化チタンを含む薬剤が収納されており、
    前記薬剤収納部には、内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、
    ここで、前記薬剤収納部の内部に存在する前記薬剤が、前記光源部から発生される前記光によって照射されることにより、二酸化塩素ガスが発生し、
    前記二酸化チタンが1mm〜30mmの平均粒子径を有する粒状のものであり、
    前記薬剤に含まれる二酸化チタンの割合は5w/w%〜30w/w%であり、
    前記可視領域の波長からなる光が、360nm〜450nmの波長の光であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  2. 請求項1に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部と前記光源部が一体的に配置されていることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  3. 請求項1または2に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部が前記光源部の上方に配置されていることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部の少なくとも底面は、実質的に可視領域の波長からなる光を透過させる樹脂製であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための送風部をさらに備えることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  6. 請求項5に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記送風部が、前記二酸化塩素発生装置の外部から内部へとエアを取り込むためのファン、または、前記二酸化塩素発生装置の内部から外部へとエアを放出するためのファンであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部の下方に、前記送風部が配置されていることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  8. 請求項7に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部の開口部のうち少なくとも1つは、前記薬剤収納部の側面に存在し、
    前記送風部から送られたエアは、少なくとも部分的には、前記薬剤収納部の側面に存在する開口部を介して、薬剤に送られる
    ことを特徴とする
    二酸化塩素発生装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記光源部が、ランプ、または、チップを備えることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  10. 請求項9に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記チップが、LEDチップであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記固形の亜塩素酸塩が、粒状であり、当該粒子の平均粒子径が1mm〜3mmの範囲であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記固形の亜塩素酸塩が、粒状であり、
    前記薬剤中における前記固形の亜塩素酸塩と前記二酸化チタンとの混合割合が、重量比において、2:1〜5:3の間の範囲であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部は、交換可能なカートリッジであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  14. 二酸化塩素発生装置において用いる、二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記ユニットは、
    薬剤収納部と光源部を備え、
    前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、
    前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩、および、二酸化チタンを含む薬剤が収納されており、
    前記薬剤収納部には、内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、
    前記薬剤収納部と前記光源部は、一体的に接続されており、
    前記二酸化チタンが1mm〜30mmの平均粒子径を有する粒状のものであり、
    前記薬剤に含まれる二酸化チタンの割合は5w/w%〜30w/w%であり、
    前記可視領域の波長からなる光が、360nm〜450nmの波長の光であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  15. 請求項14に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記薬剤収納部は、交換可能なカートリッジであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  16. 二酸化塩素発生装置であって、
    請求項14または請求項15に記載の二酸化塩素発生用ユニットを備えることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
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