JP6554272B2 - 水素イオン選択性電極、pH測定方法及び感応膜 - Google Patents

水素イオン選択性電極、pH測定方法及び感応膜 Download PDF

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Description

本発明は、フッ化水素酸を含む溶液のpH(水素イオン指数)を測定するために用いることができる水素イオン選択性電極、pH測定方法及び感応膜に関し、特に、フッ化水素酸を含む強酸性溶液のpHを測定するために用いることが可能な水素イオン選択性電極、pH測定方法及び感応膜に関する。
電極を用いる典型的なpH測定では、水素イオン選択性電極と参照電極と直流電位差計とを用い、水素イオン選択性電極及び参照電極を測定対象の溶液に同時に浸し、このときに両方の電極間に生じる電位差(応答電位)を直流電位差計を用い測定する。電位差から水素イオン濃度[H+]を求めることができ、さらにpHは、次式により算出される。
pH=−log10 [H+
一般に、水素イオン選択性電極と参照電極とが対になったものをpHセンサあるいはpH電極、水素イオン電極などと呼ぶことが多い。本明細書では、水素イオン選択性電極と参照電極とが対になったものをpH電極と表記する。
pH電極は、実験用、各種プラントのpH管理用、工業排水の計測などの環境管理用、その他幅広い目的に利用されている。従来よりこれらの目的に広く利用されている水素イオン選択性電極は、感応膜にガラス薄膜を用いたガラス膜型水素イオン選択性電極であり、ガラス膜型水素イオン選択性電極は、一般に、ガラス電極とも呼ばれている。ガラス電極が広範に用いられるのは、ガラス電極が、1)pH応答範囲が広い、2)他のイオンの影響をほとんど受けない、3)酸化還元物質の影響が小さい、4)取り扱いが容易である、といった利点を有するためである。
しかしながら、解離していないフッ化水素(HF)分子がガラスを腐食するため、ガラス電極には、フッ化水素酸を含む溶液に適用できないという問題がある。特に、酸性から強酸性の領域の溶液では、フッ化水素の解離平衡が非解離側に傾いて溶液中のフッ化水素分子の割合が増加するので、ガラスが腐食される度合いが増加する。この問題を解決するため、フッ化水素酸に対する耐久性を有する特殊ガラスを用いるpH電極が市販されているが、その測定範囲はpH 2以上の溶液に限定され、しかもフッ化水素酸が1000mg/L以上含まれる溶液ではpH 3以上、フッ化水素酸が10000mg/L以上含まれる溶液ではpH 4以上の溶液でしか測定を行うことができない。
また、ガラス以外の材質としてアンチモンを用いるアンチモン膜型水素イオン選択性電極(アンチモン電極とも呼ぶ)が市販されているが、アンチモン電極は、pHが3以上の溶液でしか使用することができず、また酸化剤の存在下では測定が不可能である。
ガラス電極が有する欠点を改善するものとして、特公平5−48859号公報(特許文献1)には液膜型水素イオン選択性電極が開示されている。液膜型イオン選択性電極は、特定イオンに選択的に配位する分子を高分子マトリクスに閉じ込め、この高分子マトリクスを感応膜とするタイプの電極である。必要に応じて高分子マトリクスにイオン排除剤や可塑剤などを添加することもある。特許文献1には、フッ化水素酸を含む溶液でのpH測定を可能にするために、水素イオン選択性分子としてトリ−n−オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide,略号TOPO)を、アニオン排除剤としてテトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸カリウム(potassium tetrakis(4-chlorophenyl)borate,略号TCPB)を、可塑剤としてo−ニトロフェニルオクチルエーテル(o-nitrophenyl octyl ether,略号NPOE)を使用し、これらを高分子マトリクスとしてのポリ塩化ビニルに閉じ込めた感応膜を有する液膜型水素イオン選択性電極が開示されている。
特公平5−48859号公報
JIS(日本工業規格) K−0122(イオン電極測定方法通則)
しかしながら、特許文献1に示される水素イオン選択性電極は、フッ化水素酸を含む溶液中に浸漬させた状態では半月程度で応答特性が消失するため、実用上問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する課題を解決するためになされたものである。すなわち本発明の目的は、フッ化水素酸を含む溶液のpHを測定することが可能であって、かつ寿命が長く、特に強酸性溶液のpH測定に好適に用いることができる液膜型水素イオン選択性電極を提供することにある。
本発明の別の目的は、フッ化水素酸を含む溶液のpHを長期間にわたって安定して測定することでき、特に、強酸性溶液のpHの測定を行うことができるpH測定方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、上述した本発明の水素イオン選択性電極で用いられる感応膜を提供することにある。
本発明の水素イオン選択性電極は、アミン系の水素イオン選択性分子と、下記式(1)で示されるアニオン排除剤と、を含む感応膜を有する。ただし式(1)において、Z1〜Z4は、同一でも、Z1〜Z4の少なくとも2つが相互に異なっていてもよい置換フェニル基Zであって、置換フェニル基Zは、その一般式が下記式(1a)で示される。式(1a)において、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基、のいずれかであり、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、フッ素原子、または炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基を含んでいる。
Figure 0006554272
本発明のpH測定方法は、フッ化水素酸を含む溶液に、水素イオン選択性電極及び参照電極とを浸漬し、水素イオン選択性電極と参照電極との間に発生する応答電位を測定して溶液のpHを測定する方法において、アミン系の水素イオン選択性分子と、上記式(1)で示されるアニオン排除剤と、を含む感応膜を有する水素イオン選択性電極を用いることを特徴とする。
本発明の感応膜は、水素イオンに感応する感応膜において、アミン系の水素イオン選択性分子と、上記式(1)で示されるアニオン排除剤と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、アミン系の水素イオン選択性分子とアニオン排除剤とを含む感応膜を有する水素イオン選択性電極において、アニオン排除剤として上記式(1)で示される化合物を用いることにより、後述する実施例などから明らかになるように、フッ化水素酸を含む溶液のpHを測定することが可能であって、寿命が長く、強酸性溶液のpH測定に好適に用いることができる水素イオン選択性電極を得ることができる。
本発明の実施の一形態の水素イオン選択性電極の構造を示す断面図である。 本発明の別の実施形態の水素イオン選択性電極の構造を示す断面図である。 pHの測定原理を説明する図である。 参照電極の構造の一例を示す断面図である。 実施例1におけるフッ化水素酸を10000mg/L含む溶液における各水素イオン選択性電極でのpHに対する応答電位Eの変化を示すグラフである。 実施例1におけるフッ化水素酸を10000mg/L含む溶液に所定期間浸漬した後の各水素イオン選択性電極の電位勾配△Eの変化を示すグラフである。 実施例1におけるアニオン排除剤としてテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム(Potassium Tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl]borate]、略号TFPB)を用いた水素イオン選択性電極のpH応答特性を示すグラフである。 フッ化水素酸を10000mg/L含む溶液に所定期間浸漬した後の実施例1と比較例の水素イオン選択性電極の電位勾配△Eの変化を示すグラフである。 フッ化水素酸を10000mg/L含む溶液における実施例2の水素イオン選択性電極のpHによる応答電位Eの変化を示すグラフである。 フッ化水素酸を10000mg/L含む溶液に所定期間浸漬した後の実施例2の水素イオン選択性電極の電位勾配△Eの変化を示すグラフである。 実施例2の水素イオン選択性電極のpH応答特性を示すグラフである。 参考例1におけるフッ化水素酸を10000mg/L含む溶液に所定期間浸漬した後の各水素イオン選択性電極の電位勾配△Eの変化を示すグラフである。 参考例2におけるフッ化水素酸を1000mg/L含む溶液に所定期間浸漬した後のガラス電極の電位勾配△Eの変化を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態の水素イオン選択性電極の構成を示している。図1に示す構成は、本発明に基づく水素イオン選択性電極の一例を示すものであって、本発明に基づく水素イオン選択性電極はこれに限定されるものではない。
図1に示す水素イオン選択性電極は、内部電極31と内部液32と外筒33と感応膜34とを備えている。感応膜34は、水素イオンに対して選択的に応答する膜であって、水素イオン選択性分子、アニオン排除剤、可塑剤などを高分子マトリクスに分散させて乾燥させ、膜状としたものである。感応膜34は、外筒33に固定されている。外筒33の中には内部液32が充填され、ここに内部電極31が浸漬されている。水素イオン選択性電極からの応答電位はこの内部電極31からリード線などを通じて取り出される。
図2は、本発明に基づく水素イオン選択性電極の構成の別の例を示している。図2に水素イオン選択性電極は、感応膜34と導電体35とリード線36とを備えている。この水素イオン選択性電極は、内部液を使用しない形態のものであって、それに伴い、外筒も設けられておらず、導電体35に接して感応膜34が設けられている。感応膜34は、図1に示した水素イオン選択性電極におけるものと同様のものである。図2に導電体35には、例えば、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリフェニレンスルフィド類などの導電性高分子を用いることが多い。図2に示す水素イオン選択性電極では、応答電位は、導電体35からリード線36を通じて取り出される。この形態のイオン選択性電極は、図1に示したものと比較して液体部分が存在しないことから、全固体型イオン選択性電極と呼ばれる。
本発明に基づく水素イオン選択性電極では、感応膜34は、アミン系の水素イオン選択性分子と、一般式が式(2)で示されるアニオン排除剤と、を含んでいる。式(2)において、Z1〜Z4は、同一でも、Z1〜Z4の少なくとも2つが相互に異なっていてもよい置換フェニル基Zであって、置換フェニル基Zは、その一般式が下記式(2a)で示される。式(2a)において、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基、のいずれかであり、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、フッ素原子、または炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基を含んでいる。
Figure 0006554272
感応膜34は、これらアミン系の水素イオン選択性分子とアニオン排除剤を、可塑剤などとともに高分子マトリクスに分散させて乾燥させたものである。したがって、本発明に基づく水素イオン選択性電極は、有機物質からなる感応膜を使用した液膜型の水素イオン選択電極である。
まず、本発明において用いられるアミン系の水素イオン選択性分子について説明する。
アミン系の水素イオン選択性分子とは、分子構造中に第一級または第二級または第三級アミンを少なくとも1個以上有する分子である。よく知られているように、第一級、第二級及び第三級アミンでは、その窒素原子(N)が非共有電子対を有している。この非共有電子対に対して水素イオン(H+:すなわちプロトン)が容易に配位結合するようになる。したがって、第一級、第二級及び第三級アミンは、一般に液膜型イオン選択性電極の感応膜におけるプロトンのキャリアとして使用することができ、水素イオン選択性分子として使用できることになる。アミン系の水素イオン選択性分子は、例えば、シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)社からのSelectophoreシリーズとして各種のものが市販されている。
溶液への水素イオン選択性分子の溶解などを防ぐために、本発明において用いられるアミン系の水素イオン選択性分子は、その分子中に含まれる炭素原子の総数が10以上であることが好ましい。アミン系の水素イオン選択性分子の構造は、鎖状であってもよいし環状であってもよい。
本発明においてアミン系の水素イオン選択性分子として好適に用いられる化合物として、例えば、式(3)に一般式を示す構造の分子が挙げられる。式(3)において、R7〜R9は、水素原子及び/または脂肪族残基及び/または芳香族残基を表し、R7〜R9は同じであっても、異なっていてもよく、またヘテロ原子を含んでいてもよい。ただしR7〜R9のうちの少なくとも一つは炭素数6以上の基であり、かつ分子中に含まれる炭素原子の総数は10以上である。少なくとも一つは炭素数6以上の基が存在しなければ、分子全体の親水性が高くなり、水素イオン選択性分子が高分子マトリクスから溶液中へ溶出しやすくなる。また分子中に含まれる炭素原子の総数が10以上でなければ、分子全体の親水性が高くなり、水素イオン選択性分子が高分子マトリクスから溶液中へ溶出しやすくなる。またR7とR8が脂肪族残基及び/または芳香族残基の場合、R7とR8の間で環を形成していてもよく、またR7〜R9が脂肪族残基及び/または芳香族残基の場合、R7とR8とR9の間で環を形成していてもよい。
Figure 0006554272
7〜R9が脂肪族残基である場合のアミン系の水素イオン選択性分子として、例えば、トリドデシルアミン(R7=R8=R9=−C1225)、トリテトラデシルアミン(R7=R8=R9=−C1429)、トリヘキサデシルアミン(R7=R8=R9=−C1633)、トリオクタデシルアミン(R7=R8=R9=−C1837)、ジオクタデシルメチルアミン(R1=R2=−C1837、R3=−CH3)、オクタデシルジメチルアミン(R7=−C1837、R8=R9=−CH3)などを好適に用いることができる。
またR7〜R9が芳香族残基である場合のアミン系の水素イオン選択性分子として、例えば、式(4)に示すトリベンジルアミン、式(5)に示すジベンジルナフタレンメチルアミン、式(6)に示すジベンジルピレンメチルアミンなどが好適に用いられる。
Figure 0006554272
Figure 0006554272
さらに別の芳香族残基の例として、式(7)に示すn−オクタデシルベンゼンアミンなども好適に用いられる。
Figure 0006554272
本発明において用いられる水素イオン選択性分子の別の例として、式(8)に一般式を示すようなピリジン誘導体を用いることができる。式(8)において、R11〜R15は水素原子及び/または脂肪族残基及び/または芳香族残基を表し、R11〜R15は同じであっても、異なっていてもよく、またヘテロ原子を含んでいてもよい。ただしR11〜R15のうちの少なくとも一つは炭素数6以上の基である。少なくとも一つは炭素数6以上の基が存在しなければ、分子全体の親水性が高くなり、水素イオン選択性分子が高分子マトリクスから溶液中へ溶出しやすくなる。またR11〜R15のいずれか2以上の基が脂肪族残基及び/または芳香族残基の場合、それらの基の間で環を形成していてもよい。
Figure 0006554272
ピリジン誘導体であるアミン系の水素イオン選択性分子として、例えば、式(9)に示す4−ノナデシルピリジン(4-nonadecylpyridine)(R13=−C1939、R11=R12=R14=R15=H)が好ましい。またヘテロ原子を含む置換基を有する水素イオン選択性分子として、例えば式(10)に示すような1−(ピリジン−4−イル)デカン−1,3−ジオン(1-(pyridin-4-yl)decane-1,3-dione)のような分子も用いることができる。
Figure 0006554272
また置換基Rにヘテロ原子を含む他の例として、式(11)に一般式を示すイソニコチン酸誘導体、式(12)に一般式を示すニコチン酸誘導体、式(13)に一般式を示すピコリン酸誘導体などの、ピリジンカルボン酸誘導体を用いることができる。
Figure 0006554272
アミン系の水素イオン選択性分子として用いられるピリジンカルボン酸誘導体としては、例えば、イソニコチン酸デシル(R16=−C1021)、イソニコチン酸ドデシル(R16=−C1225)、イソニコチン酸テトラデシル(R16=−C1429)、イソニコチン酸ヘキサデシル(R16=−C1633)、イソニコチン酸オクタデシル(R16=−C1837)、ニコチン酸デシル(R17=−C1021)、ニコチン酸ドデシル(R17=−C1225)、ニコチン酸テトラデシル(R17=−C1429)、ニコチン酸ヘキサデシル(R17=−C1633)、ニコチン酸オクタデシル(R17=−C1837)、ピコリン酸デシル(R18=−C1021)、ピコリン酸ドデシル(R18=−C1225)、ピコリン酸テトラデシル(R18=−C1429)、ピコリン酸ヘキサデシル(R18=−C1633)、ピコリン酸オクタデシル(R18=−C1837)などを好適に用いることができる。特に入手の容易さと、疎水性が高いことから、式(14)に示すイソニコチン酸オクタデシル(isonicotinic acid octadecyl ester)が好ましい。
Figure 0006554272
さらに、アミン系の水素イオン選択性分子の別の化合物として、式(15)に一般式を示すモルホリン誘導体を用いることができる。式(15)において、R19は脂肪族残基及び/または芳香族残基を表し、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ただしR19は炭素数6以上の基である。炭素数6以上でなければ、分子全体の親水性が高くなり、水素イオン選択性分子が高分子マトリクスから溶液中へ溶出してしまう。特に、n−オクタデシルモルホリン(R19=−C1837)などが好ましい。
Figure 0006554272
アミン系の水素イオン選択性分子の別の化合物として、式(16)に一般式を示すピペラジン誘導体を用いることができる。式(16)において、R21〜R22は水素原子及び/または脂肪族残基及び/または芳香族残基を表し、R21〜R22は同じであっても、異なっていてもよく、またヘテロ原子を含んでいてもよい。ただしR21〜R22のうちの少なくとも一つは炭素数6以上の基である。少なくとも一つは炭素数6以上の基が存在しなければ、分子全体の親水性が高くなり、水素イオン選択性分子が高分子マトリクスから溶液中へ溶出しやすくなる。またR21とR22が脂肪族残基及び/または芳香族残基の場合、R21とR22の間で環を形成していてもよい。
Figure 0006554272
ピペラジン誘導体であるアミン系の水素イオン選択性分子として、例えば、式(17)に示す1−オクタデカノイル−4−メチルピペラジン(1-octadecanoyl-4-methylpiperazine)や、式(18)に示す1−オクタデカノイル−4−(2−ピリジル)−ピペラジン(1-octadecanoyl-4-(2-pyridyl)-piperazine)などのような分子を用いることができる。式(18)の分子は式(8)に示すピリジンの誘導体でもある。
Figure 0006554272
水素イオン選択性分子の別の化合物として、式(19)に一般式を示すアニリン誘導体を用いることができる。R23〜R27は水素原子及び/または脂肪族残基及び/または芳香族残基を表し、R23〜R27は同じであっても、異なっていてもよく、またヘテロ原子を含んでいてもよい。ただしR23〜R27のうちの少なくとも一つは炭素数6以上の基である。少なくとも一つは炭素数6以上の基が存在しなければ、分子全体の親水性が高くなり、水素イオン選択性分子が高分子マトリクスから溶液中へ溶出しやすくなる。またR23〜R27のいずれか2以上の基が脂肪族残基及び/または芳香族残基の場合、それらの基の間で環を形成していてもよい。式(20)に示す2−オクタデシルオキシアニリンのような分子も用いることができる。
Figure 0006554272
次に、本発明において用いられるアニオン排除剤について説明する。
本発明において用いられるアニオン排除剤は、アニオン、特にフッ化物イオン(F-)が感応膜34内を移動することを阻止するものであって、一般式が上述の式(2)によって表される、置換フェニル基Z1〜Z4を有するテトラキスフェニルホウ酸化合物である。置換フェニル基Z1〜Z4は、一般式が上述の式(2a)によって示されるものであり、Z1〜Z4は、同一の基であっても、これらのうちの2以上が相互に異なる基であってもよい。式(2a)において、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基、のいずれかであり、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、フッ素原子、または炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基を含んでいる。炭素数1〜6のアルキル基としては、一般式が−Cn(2n+1)(ただし、n=1〜6)で表される置換基であって、例えば、メチル基(−CH3)、エチル基(−CH2CH3)、プロピル基(−CH2CH2CH3)、イソプロビル基(−CH(CH3)CH3)などが挙げられる。
式(2)により表されるアニオン排除剤の一例として、式(21)に示されるものがある。式(21)において、R6はフッ素原子を少なくとも1個含む置換基であり、より好ましくは、R6は、少なくとも1個のトリフルオロメチル基(−CF3)を有する置換基である。
Figure 0006554272
式(21)に一般式を示すアニオン排除剤としては、特に入手の容易さから、式(22)に示すR6=−CF3であるテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸(tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl]borate)、または式(23)に示すR6=−C(CF3)2OCH3であるテトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ酸(tetrakis[3,5-bis(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-methoxy-2-propyl)phenyl]borate)を好適に用いることができる。
Figure 0006554272
式(2)に一般式を示すアニオン排除剤において、中心のホウ素はアニオンとなっている。このアニオン排除剤に対する対カチオンとしてはアルカリ金属イオンが好ましく、例えば、ナトリウム、カリウムなど用いられる。
また式(22),(23)に挙げた化合物以外に本発明においてアニオン排除剤として好適に用いられるものとして、式(24)に示すテトラキス(4−フルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム 二水和物(sodium tetrakis(4-fluorophenyl)borate dihydrate)、式(25)に示すリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート エチルエーテラート(lithium tetrakis(pentafluorophenyl)borate ethyl etherate)、及び式(26)に示すテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム(sodium tetrakis(pentafluorophenyl)borate)がある。式(24)に示す化合物は、式(2)においてR1=R2=R4=R5=−H,R3=−Fとしたものであり、式(25),(26)に示す化合物は、式(2)においてR1=R2=R3=R4=R5=−Fとしたものである。
Figure 0006554272
Figure 0006554272
感応膜34に含まれる可塑剤としては、フタル酸エステル系、セバシン酸エステル系、アジピン酸エステル系、りん酸エステル系、フェニルエーテル系など、公知のものを用いることができる。入手の容易さなどから、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(2-Nitrophenyl octyl ether、略号NPOE)、アジピン酸ビス(1−ブチルペンチル)(Bis(1-butylpentyl) adipate、略号BBPA)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)(Bis(2-ethylhexyl) sebacate、略号DOS)、りん酸トリス(2−エチルヘキシル)(Tris(2-ethylhexyl) phosphate、略号TEHP)、2−フルオロフェニル−2−ニトロフェニルエーテル(2-Fluorophenyl-2-nitrophenyl ether)、2−ニトロフェニルフェニルエーテル(2-nitrophenyl phenyl ether)、フタル酸ジブチル(Dibutyl phthalate)などを好適に用いることができる。
感応膜34を構成する高分子マトリクスとしては、水素イオン選択性分子、アニオン排除剤、可塑剤などを膜状に保持できる物質であればよく、特に限定されるものではないが、入手の容易さなどから、好ましくは、ポリ塩化ビニル、ポリアニリン、ポリウレタン、セルローストリアセテート、エポキシ樹脂、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニールアルコールが単独で、またはこれらを混合して用いられる。特に、耐久性の観点から、ポリ塩化ビニルの使用が好ましい。ポリ塩化ビニルは、エポキシ樹脂と混合しても用いてもよい。
次に、感応膜34中の各成分の好ましい成分比について説明する。
水素イオン選択性分子は、感応膜34中の全成分量に対して0.1重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。水素イオン選択性分子の成分比が0.1重量%未満であるときには水素イオンへの応答が出現しない場合があり、10重量%を超えると応答電位が不安定となる場合がある。アニオン排除剤は、水素イオン選択性分子に対して物質量比(単位モル)で10%以上、100%未満であることが好ましい。アニオン排除剤が、水素イオン選択性分子に対して物質量比で10%未満であるときは溶液中に含まれる陰イオンの影響を受け易く、100%以上では応答電位が不安定となる場合がある。可塑剤は、感応膜34中の全成分量に対して30重量%以上、85重量%以下であることが好ましい。可塑剤が30重量%未満であると感応膜34が硬くなり過ぎ、感応膜34中の水素イオン移動が阻害されるため応答が出現しない場合があり、85重量%を超えると感応膜34が柔らか過ぎて、水素イオン選択性分子やアニオン排除剤を保持できなくなる場合がある。なお通常は、残余が高分子マトリクスである。
感応膜34の形成方法は、特に限定されるものではない。例えば、所定量の水素イオン選択性分子、アニオン排除剤、可塑剤及び高分子マトリクスをテトラヒドロフランなどの有機溶媒に加えて溶解させ、よく撹拌した後に、ガラスシャーレなどの上に展開して、例えば室温から60℃の温度範囲で乾燥させることにより、感応膜34となるべき膜を形成することができる。その後、この膜を切り出し、ポリ塩化ビニルなどの樹脂をテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解させた溶液を接着剤として用い、外筒33の先端部などに取り付ければよい。
外筒33としては、例えば、ポリ塩化ビニルなどの樹脂を構成材料とするものを用いることができる。
内部液32としては、公知の緩衝液を用いることができ、例えば、酢酸と水酸化ナトリウムを混合し調製したpH 2〜3の緩衝液や、クエン酸と水酸化ナトリウムと塩化ナトリウムを混合し調製したpH 5〜6の緩衝液などが好ましく用いられる。また0.01M〜1Mの塩酸を内部液32に用いることも可能である。さらに、これらの緩衝液に対し、寒天などのゲル化剤、グリセリンなどの蒸発防止剤を添加したものも、内部液32として好適に用いられる。
内部電極31としては、内部液32中で安定に動作するものであれば任意の電極を用いることができ、例えば、銀−塩化銀電極などが好ましく用いられる。
次に、図3を用いて、水素イオン選択性電極を用いた水素イオン濃度の測定原理を説明する。
水素イオン濃度の測定では、水素イオン選択性電極1と参照電極2との組合せからなる一対の電極が用いられる。水素イオン選択性電極1には、上述したように、水素イオンに対して選択的に応答する感応膜34があり、この感応膜34は、試料溶液中の水素イオンに接すると、その濃度に応じた膜電位を生じる。溶液20に浸漬させた参照電極2を水素イオン選択性電極1の対極として直流電位差計10に接続し、両電極1,2間の電位差を測定することにより膜電位が測定される。このとき直流電位差計10により測定される相対電位を応答電位Eという。
応答電位Eと溶液中の水素イオン濃度[H+]との間には、一般に下記式の関係が成立する。
Figure 0006554272
この式はネルンスト(Nernst)式と呼ばれる。式において、E0は25℃での標準電極電位、Rは気体定数、Tは絶対温度、Zは測定対象イオンの電荷数(水素イオンの場合は1)、Fはファラデー定数、log10は常用対数である。式中の[2.303RT/(ZF)]をネルンスト定数と呼び、イオン濃度が10倍変化した場合のこの定数値を理論応答勾配またはネルンスト勾配という。1価イオンである水素イオンの場合、25℃でのネルンスト勾配理論値は約59mVとなる。イオン選択性電極を用いた測定法については、例えば、JIS K−0122(イオン電極測定方法通則)(非特許文献1)に詳しく記載されている。pHへは、本明細書の[背景技術]の欄で説明した式によって変換される。
参照電極は基準となる電位を出力する電極であり、その構成の一例を図4に示す。図4は、本発明に基づく水素イオン選択性電極と対をなして使用できるものを例示するものに過ぎず、ここに示すもの以外の参照電極も使用可能である。
参照電極は、内部電極41と内部液42と外筒43と液絡部44を備えている。液絡部44は、内部液42と溶液との間を電気的に接続するための部材で、通常は多孔質材料が用いられる。液絡部44には、炭化ケイ素などのセラミックスまたはフッ素樹脂など、フッ化水素酸に耐久性を有する材料を用いることが好ましい。これは、ガラス製の液絡部では、ガラスがフッ化水素酸により腐食され、液絡部が閉塞してしまうためである。内部電極41には、例えば銀/塩化銀電極が好ましく用いられる。外筒43の中には内部液42が充填され、ここに内部電極41が浸漬されている。内部電極41に銀/塩化銀電極を用いる場合、内部液42としては、一般に飽和塩化カリウム水溶液が用いられる。外筒43は、プラスチックなど、フッ化水素酸により腐食される恐れのない材料で構成されることが好ましい。この参照電極からの応答電位は内部電極41からリード線などを通じて取り出される。
直流電位差計10としては、入力インピーダンスが高い回路を有するものであればよく、特に低ノイズの回路が好ましい。イオン選択性電極用などとして市販されている電位差計を直流電位差計10に用いることができる。
上述した本実施形態の水素イオン選択性電極は、フッ化水素酸を含む溶液のpHを長期間にわたって安定して測定することできるものであり、特に、強酸性溶液のpHの測定を行うことができるものである。本実施形態の水素イオン選択性電極は、例えば、フッ化水素酸を含みpHが2以下である溶液のpHの測定や、フッ化水素酸を1000mg/L以上含む溶液のpHの測定に好ましく用いることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
[水素イオン選択性電極の作製]
図1に示した構成を有する水素イオン選択性電極を作製した。
感応膜34は、所定量の水素イオン選択性分子、アニオン排除剤、可塑剤及び高分子マトリクスをテトラヒドロフランに加えて室温下で溶解させ、10分間撹拌した後にガラスシャーレ上に展開して一昼夜風乾させることによって作成した。その後、直径6mmの膜を切り出し、ポリ塩化ビニルの50mg/mLテトラヒドロフラン溶液を接着剤として用いて、外筒33に取り付けた。その後、内部液32として、pH 5.6の緩衝液(1M クエン酸+2.73M NaOH+0.01M NaCl)溶液を外筒33に注入し、内部電極31を挿入することによって、水素イオン選択性電極を完成させた。外筒33はとしては、市販のイオン電極キット(東亜ディーケーケー製)に付属するものを使用し、内部電極31には、銀線に塩化銀を電着させた銀/塩化銀電極を用いた。感応膜34の組成は表1の通りとした。高分子マトリクスとしてはポリ塩化ビニル(シグマアルドリッチ社製)を用いた。使用した水素イオン選択性分子、アニオン排除剤及び可塑剤については後述する。
Figure 0006554272
[測定系]
応答電位Eの測定は、参照電極として、多孔質フッ素樹脂を液絡部に使用し飽和塩化カリウム水溶液を内部液に用いた銀−塩化銀電極(東亜ディーケーケー製、ELCP型電極)を用い、直流電位差計としてイオンメータ(東亜ディーケーケー製、IM−55G)を用い、恒温槽により水温を25℃として行った。
[試験方法]
作製した水素イオン選択性電極を用いて、フッ化水素酸を有する溶液のpHを測定することによって試験を行った。試験に用いる試料溶液として、フッ化水素酸と塩酸を混合してpH 0.5〜4の範囲にある異なる複数の溶液をそれぞれ調製した。溶液の調製に際し、混合するフッ化水素酸及び塩酸の量から計算によってpH値を求めた。作製した水素イオン選択性電極と参照電極とをpH 4.0の試料溶液から順次浸漬させ、応答電位Eを測定し記録した。試験終了後は、pH 0.5の試料溶液に浸漬させたまま、次の測定時期が来るまで放置した。
[pH応答範囲の確認]
作製した水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を含む溶液での試験とは独立して、フッ化水素酸を含まない溶液を用いてpH応答範囲の確認を行った。pH応答範囲の確認では、10mM トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris(hydroxymethyl)aminomethane、略号Tris)+10mM NaOH溶液を準備し、作製した水素イオン選択性電極と参照電極を浸漬させ、塩酸を適宜添加しながら応答電位の推移を記録した。溶液のpHは、別途、市販のpHガラス電極を用い測定した。
(実施例1)
アニオン排除剤の種類による水素イオン選択性電極の特性の違いを調べるために、水素イオン選択性分子としてイソニコチン酸オクタデシル(Octadecyl isonicotinate)(シグマアルドリッチ社製・商品名Hydrogen ionophore IV、略号Ionophore IV)を用い、アニオン排除剤として、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム(Potassium tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl]borate)(シグマアルドリッチ社製、略号TFPB)、テトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ酸ナトリウム三水和物(Sodium tetrakis[3,5-bis(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-methoxy-2-propyl)phenyl]borate trihydrate)(シグマアルドリッチ社製、略号HFPB)、テトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸カリウム(Potassium tetrakis(4-chlorophenyl)borate)(シグマアルドリッチ社製、略号TCPB)、及び、テトラフェニルホウ酸カリウム(Potassium tetraphenylborate)(シグマアルドリッチ社製、略号TPB)のいずれかを用い、可塑剤として2−ニトロフェニルオクチルエーテル(2-Nitrophenyl octyl ether、略号NPOE)を用いた感応膜をそれぞれ作成し、水素イオン選択性電極を作製した。
まず、作製直後の各水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を10000mg/L含む溶液におけるpHに対する応答電位Eの挙動を求めた。結果を図5に示す。また比較のため、フッ化水素酸溶液測定用として市販されているガラス電極(東亜ディーケーケー製・型式ELP−040、略号ガラス)での測定結果も併せて図5に示す。いずれの電極においても、pH 0.5〜4の強酸性領域において、pHが1異なるごとに−59mV前後の電位変化となるネルンスト勾配が得られた。
次に、フッ化水素酸を10000mg/L含むpH 0.5の溶液に浸漬させたままこれらの電極を放置し、所定期間経過後にpH応答を測定し、pH 1とpH 2での応答電位の差から電位勾配△Eを求めた。その結果を図6に示す。図6から明らかなように、フッ化水素酸溶液測定用とされている市販のガラス電極であっても、フッ化水素酸を10000mg/Lと高濃度に含むpH 0.5の強酸性溶液に浸漬させた状態では、浸漬開始から10日以内に応答が消失する。また、アニオン排除剤としてTCPBまたはTPBを用いた水素イオン選択性電極も浸漬開始から10〜20日以内に応答が消失する。これに対し、上記式(21)に示される化合物であって、式(21)中の置換基R6が少なくとも1個のフッ素原子を含む置換基を有する化合物に該当するTFPBまたはHFPBを用いた水素イオン選択性電極は、フッ化水素酸を含むpHが0.5の溶液に8カ月浸漬した後もpH応答を示した。このことから、本発明に基づく水素イオン選択性電極はフッ化水素酸を含む溶液のpH測定に有効であることが明らかである。
アニオン排除剤としてTFPBを用いた水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を含まない溶液のpHを測定することによってpH応答範囲を確認した結果を図7に示す。図7より、水素イオン選択性分子としてIonophore IV、アニオン排除剤としてTFPBを用いたこの水素イオン選択性電極は、pH 0.5〜5の範囲(強酸性から酸性領域)での測定に適用できることが分かる。
(比較例)
比較のため、特許文献1に記載された水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を含む溶液に浸漬した後の特性の変化を調べた。
比較例の水素イオン選択性電極として、水素イオン選択性分子としてTOPO、アニオン排除剤としてTCPB、可塑剤としてNPOEを用いた水素イオン選択性電極(図中の略号TOPO−TCPB)と、及び水素イオン選択性分子としてTOPO、アニオン排除剤としてTFPB、可塑剤としてNPOEを用いた水素イオン選択性電極(図中の略号TOPO−TFPB)とを作製した。
フッ化水素酸を10000mg/L含むpH 0.5の溶液に浸漬させたままこれらの電極を放置し、所定期間経過後にpH応答を測定し、pH 1とpH 2での応答電位の差から電位勾配△Eを求めた。その結果を図8に示す。図8には、比較のため、実施例1で示した、水素イオン選択性分子としてIonophore IV、アニオン排除剤としてTFPB、可塑剤としてNPOEを用いた水素イオン選択性電極(図中の略号Ionophore IV−TFPB)で得られた結果が合わせて示されている。
特許文献1には、フッ化水素酸を含む溶液中での測定例ならびにその耐久性に関する情報は開示されていないが、図8から明らかなとおり、特許文献1に示されたような水素イオン選択性分子としてTOPOを用いアニオン排除剤としてTCPBを用いる水素イオン選択性電極では、フッ化水素酸を10000mg/L含むpH 0.5の溶液に浸漬させた状態では、浸漬開始から10日以内に応答が消失する。アニオン排除剤として上記式(2)の範疇に含まれるTFPBを用いていても水素イオン選択性分子としてアミン系の水素イオン選択性分子を用いない場合(TOPO−TFPB)もまた、浸漬開始から10日以内に応答が消失している。これらから、アミン系の水素イオン選択性分子と上記式(2)に一般式を示すアニオン排除剤との組み合わせが有効であることが分かる。
(実施例2)
水素イオン選択性分子として4−ノナデシルピリジン(4-Nonadecylpyridine)(シグマアルドリッチ製・商品名Hydrogen ionophore II、略号Ionophore II)を、アニオン排除剤としてTFPB、可塑剤としてNPOEを用いた水素イオン選択性電極を作製した。
作製直後のこの水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を10000mg/L含む溶液におけるpHに対する応答電位Eの挙動を求めた。結果を図9に示す。pH 1〜4の強酸性領域において、pHが1異なるごとに−59mV前後のネルンスト勾配が得られた。
次に、フッ化水素酸を10000mg/L含むpH 0.5の溶液に浸漬させたままこの水素イオン選択性電極を放置し、所定期間経過後にpH応答を測定し、pH 1とpH 2での応答電位の差から電位勾配△Eを求めた。その結果を図10に示す。図10から、実施例1で用いたものとは異なる水素イオン選択性分子であってもアミン系の水素イオン選択性分子を用いた水素イオン選択性電極であれば3カ月経過後も応答があることから、本発明が有効であることが分かる。
実施例2の水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を含まない溶液のpHを測定することによってpH応答範囲を確認した結果を図11に示す。図11より、この水素イオン選択性電極はpH 1〜10の範囲での測定に適用できることが分かる。
(参考例1)
感応膜に含まれる可塑剤の種類の影響を調べるため、水素イオン選択性分子としてIonophore IVを用い、アニオン排除剤としてTFPBを用い、可塑剤としてNPOE、BBPA、DOS及びTEHPのいずれかを用いた水素イオン選択性電極をそれぞれ作製した。
まず、作製直後の各水素イオン選択性電極について、フッ化水素酸を10000mg/L含む溶液におけるpHに対する応答電位Eの挙動を求めた。いずれの水素イオン選択性電極においても、pH 1〜4の強酸性領域においてpHが1異なるごとに−59mV前後のネルンスト勾配が得られた。
次に、フッ化水素酸を10000mg/L含むpH 0.5の溶液に浸漬させたままこれらの電極を放置し、所定期間経過後にpH応答を測定し、pH 1とpH 2での応答電位の差から電位勾配△Eを求めた。その結果を図12に示す。いずれの電極も長期にわたって安定した応答特性を示した。
以上から、本発明に基づく水素イオン選択性電極では、可塑剤の種類によって大きく特性が変化することがないことが分かった。
(参考例2)
フッ化水素酸溶液測定用として市販されているガラス電極(東亜ディーケーケー製・型式ELP−040)について、フッ化水素酸を1000mg/L含む溶液におけるpHに対する応答電位Eの挙動を求めた。その結果、pH 1〜4の強酸性領域においてpHが1異なるごとに−59mV前後のネルンスト勾配が得られた。
次に、フッ化水素酸を1000mg/L含むpH 0.5の溶液にこのガラス電極を浸漬させたまま放置し、所定期間経過後にpH応答を測定し、pH 1とpH 2での応答電位の差から電位勾配△Eを求めた。その結果を図13に示す。ガラス電極では、フッ化水素酸を1000mg/L含むpH 0.5の溶液中で、1日でネルンスト応答が消失することを確認した。
本発明に基づく水素イオン選択性電極は、例えば、フッ化水素酸を含む溶液を用いる製造工程、あるいはフッ化水素酸を含む廃液の処理工程などにおいて、pHの測定に用いることができる。
1 水素イオン選択性電極
2 参照電極
10 直流電位差計
20 溶液
31,41 内部電極
32,42 内部液
33,43 外筒
34 感応膜
35 導電体
36 リード線
44 液絡部

Claims (17)

  1. アミン系の水素イオン選択性分子と、
    下記式(1)で示されるアニオン排除剤と、
    を含む感応膜を有し、フッ化水素酸を含む溶液のpHを測定するために用いる水素イオン選択性電極;
    Figure 0006554272
    [式(1)において、Z1〜Z4は、同一でも、Z1〜Z4の少なくとも2つが相互に異なっていてもよい置換フェニル基Zであって、置換フェニル基Zはその一般式が下記式(1a)で示され、
    Figure 0006554272
    式(1a)において、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基、のいずれかであり、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、フッ素原子、または炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基を含んでいる。]。
  2. 前記アニオン排除剤は下記式(2)に示す化合物である、請求項1に記載の水素イオン選択性電極;
    Figure 0006554272
    [式(2)において、R6はフッ素原子を少なくとも1個含む置換基である。]。
  3. 前記置換基R6は、少なくとも1個のトリフルオロメチル基を有する置換基である、請求項2に記載の水素イオン選択性電極。
  4. 前記置換基R6は、−CF3または−C(CF3)2OCH3である、請求項2に記載の水素イオン選択性電極。
  5. 前記アミン系の水素イオン選択性分子は、ピリジン誘導体を含む水素イオン選択性分子である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水素イオン選択性電極。
  6. フッ化水素酸を含む溶液に、水素イオン選択性電極及び参照電極を浸漬し、前記水素イオン選択性電極と前記参照電極との間に発生する応答電位を測定して前記溶液のpHを測定する方法において、
    アミン系の水素イオン選択性分子と、下記式(3)で示されるアニオン排除剤と、を含む感応膜を有する水素イオン選択性電極を用いることを特徴とするpH測定方法;
    Figure 0006554272
    [式(3)において、Z1〜Z4は、同一でも、Z1〜Z4の少なくとも2つが相互に異なっていてもよい置換フェニル基Zであって、置換フェニル基Zはその一般式が下記式(3a)で示され、
    Figure 0006554272
    式(3a)において、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基、のいずれかであり、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、フッ素原子、または炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基を含んでいる。]。
  7. 前記アニオン排除剤は、下記式(4)に示す化合物である、請求項6に記載のpH測定方法;
    Figure 0006554272
    [式(4)において、R6は、少なくとも1個のフッ素原子を含む置換基である。]。
  8. 前記置換基R6は、少なくとも1個のトリフルオロメチル基を有する置換基である、請求項7に記載のpH測定方法。
  9. 前記置換基R6は、−CF3または−C(CF3)2OCH3である、請求項7に記載のpH測定方法。
  10. 前記アミン系の水素イオン選択性分子は、ピリジン誘導体を含む水素イオン選択性分子である、請求項6乃至9のいずれか1項に記載のpH測定方法。
  11. フッ化水素酸を含みpHが2以下である溶液のpHを測定する、請求項6乃至10のいずれか1項に記載のpH測定方法。
  12. フッ化水素酸を1000mg/L以上含む溶液のpHを測定する、請求項6乃至11のいずれか1項に記載のpH測定方法。
  13. 水素イオンに感応する感応膜において、
    アミン系の水素イオン選択性分子と、
    下記式(5)で示されるアニオン排除剤と、
    を有し、フッ化水素酸を含む溶液のpHを測定するために用いることを特徴とする感応膜;
    Figure 0006554272
    [式(5)において、Z1〜Z4は、同一でも、Z1〜Z4の少なくとも2つが相互に異なっていてもよい置換フェニル基Zであって、置換フェニル基Zはその一般式が下記式(5a)で示され、
    Figure 0006554272
    式(5a)において、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基、のいずれかであり、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、フッ素原子、または炭素数1〜6のフッ素原子を含む置換基を含んでいる。]。
  14. 前記アニオン排除剤は下記式(6)に示す化合物である、請求項13に記載の感応膜;
    Figure 0006554272
    [式(6)において、R6はフッ素原子を少なくとも1個含む置換基である。]。
  15. 前記置換基R6は、少なくとも1個のトリフルオロメチル基を有する置換基である、請求項14に記載の感応膜。
  16. 前記置換基R6は、−CF3または−C(CF3)2OCH3である、請求項14に記載の感応膜。
  17. 前記アミン系の水素イオン選択性分子は、ピリジン誘導体を含む水素イオン選択性分子である、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の感応膜。
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