JP6548926B2 - 閉塞用キャップを用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂成形体等からなる構造体の開口部を閉塞する熱可塑性樹脂製の閉塞用キャップ用い閉塞方法に関し、特に、回転摩擦圧接による溶着で開口部を閉塞する閉塞用キャップ用い閉塞方法に関するものである。
老朽化した既設管の補修法の一例として、既設管の内周面に沿って中空骨組み状の補強材を配置し、この補強材の内側に、複数の熱可塑性樹脂製の内面部材を既設管の周方向に連続的に取り付けて筒状に組み立て、この筒状に組み立てられた内面部材を更生管とし、この更生管と既設管との間にモルタル等の充填剤を充填するようにしたものがある。
充填剤を充填するにあたっては、更生管を構成する内面部材に円形状の注入孔を形成し、この注入孔を通して更生管と既設管との間に充填剤を注入するようされている。
充填剤の注入が完了すれば注入孔は不要となるので、注入孔を閉塞する必要がある。
従来、注入孔を閉塞する方法として、例えば、注入孔にねじ込み可能なプラグや、注入孔に嵌め込み可能なキャップ、注入孔を覆うことが可能なシートなどを用いるものが知られている。
プラグを用いるものでは、プラグのねじ山にシーリング剤を塗り、ドライバー等の工具を用いてプラグを注入孔にねじ込むようにされ、キャップを用いるものでは、シーリング剤を塗り付けたキャップを注入孔に嵌め込むようにされ、シートを用いるものでは、注入孔を覆うようにシートを内面部材に接着剤で貼り付けるようにされている。
しかし、シーリング剤や接着剤を用いる従来の閉塞方法では、接合する両者の材質に応じた種類のシーリング剤や接着剤を選ぶ必要があり、強い接合強度を得るには使用するシーリング剤等の選定や施工に専門知識が不可欠であり、また施工後の養生期間を長くとる必要があるなどの問題がある。
そこで、シーリング剤等を用いることなく開口部を閉塞するようにしたものが、例えば、特許文献1及び2にて提案されている。
特開2014−162067号公報 特許第4128484号公報
特許文献1には、樹脂部材の接合構造に関するものが記載されており、ポリアミド系樹脂からなるオイルフィルタブラケットの筒部と、やはりポリアミド系樹脂からなる止め栓とを振動溶着により接合して、筒部を止め栓で閉塞するようにした技術が開示されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂成形体に形成された貫通穴を熱可塑性樹脂製の栓体で穴埋めする技術に関するものが記載されており、貫通穴の周辺部位に対して外側に向けて拡径する漏斗状の拡径部を回転切削刃により形成し、形成された拡径部に対し栓体を回転させながら押し付ける回転摩擦圧接で拡径部と栓体とを溶着により接合して、貫通穴を栓体で閉塞するようにした技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、筒部に対して止め栓を加圧した状態で、例えば、共鳴振動や機械的振動を付与することができる構成の振動溶着機のような特殊な機械を用いなければならず、適用範囲が限定され、例えば、既設管補修の施工現場での閉塞処理の用途に適用するのは困難であるという問題点がある。
また、特許文献2に記載のものでは、貫通穴の周辺部位に対する栓体の回転摩擦圧接を行う前に、予め貫通穴の周辺部位に漏斗状の拡径部を形成しなければならず、工数が増えるため、施工効率が悪いという問題点がある。
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑み、熱可塑性樹脂成形体等からなる構造体に形成された開口部を特殊な機械を用いることなく汎用の回転工具等を用いて容易かつ効率よく閉塞することができる閉塞用キャップ用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、発明による閉塞用キャップを用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法は、熱可塑性樹脂成形体からなる構造体に形成された開口部を、該開口部を閉塞するための、開口部の内径よりも大きい外径の溶融代部を有する基端側軸部及びその基端側軸部の先端側に一体的に設けられて開口部に回転可能に挿入される先端側軸部とを有してなる軸体と、この軸体の先端側軸部が開口部に挿入されて溶融代部が開口部の周縁に接触された状態のときに構造体との間に隙間を存するように基端側軸部に一体的に設けられる鍔部とを備え、軸体の先端側軸部を開口部に挿入して溶融代部を開口部の周縁に接触させた状態で軸体を回転させながらその開口部の奥へと押し込む回転摩擦圧接により、溶融代部が開口部の周縁との摩擦熱で溶融するようにしてなる閉塞用キャップを用いて閉塞する閉塞方法であって、閉塞用キャップの先端側軸部を開口部に挿入して閉塞用キャップの溶融代部を開口部の周縁に接触させ、その後、閉塞用キャップの軸体に回転動力を付与してその軸体を回転させながら開口部の奥へと押し込み、閉塞用キャップの鍔部が構造体に接触させた後、閉塞用キャップの軸体に回転動力を付与するのを止めることを特徴とする。
この場合において、前記閉塞用キャップとして、軸体の基端側に、回転工具からの回転動力を受け取るための回転動力受部を設けてなる閉塞用キャップを用いることを特徴とすることができる
本発明おいては、熱可塑性樹脂成形体等の構造体に形成された開口部の周縁に閉塞用キャップの溶融代部を接触させた状態で、閉塞用キャップの軸体を回転させながらその開口部の奥へと押し込む回転摩擦圧接によって閉塞用キャップが構造体に溶着される。
このため、閉塞用キャップの軸体に回転動力を付与することができる汎用の回転工具等を用いて開口部の閉塞作業を容易に行うことができる。
上記の閉塞作業での回転摩擦圧接時には、開口部に挿入された閉塞用キャップの先端側軸部がその開口部内で回転されるので、開口部内に挿入された先端側軸部がその回転運動時に心棒の役目をして開口部に対する閉塞用キャップの位置ずれを防ぐとともに回転運動を安定化させることができる。
また、上記の閉塞作業での回転摩擦圧接時において、開口部に対し閉塞用キャップの軸体が所定距離だけ押し込まれて閉塞用キャップの鍔部が熱可塑性樹脂成形体等からなる構造体に接触すれば、構造体に対する閉塞用キャップの接触面積が急激に増すことになるから閉塞用キャップの回転を停止させる摩擦力が働き、これによって溶融代部が溶融しきって溶着が完了しつつあることを作業者が容易に認識することができるとともに、閉塞用キャップがそれ以上開口部の奥へと押し込まれないように鍔部によって閉塞用キャップの押込方向の動きを止めることができ、閉塞用キャップが開口部の奥へと突き抜けてしまうのを未然に防ぐことができる。
また、上記の閉塞作業を行うにあたり、例えば、特許文献2に係る技術では必要とされる前処理、すなわち予め貫通穴の周辺部位に漏斗状の拡径部を形成するといったような特別な前処理が不要であり、閉塞用キャップの溶融代部を開口部の周縁に接触させた状態で閉塞用キャップの軸体を回転させながら閉塞用キャップの鍔部が熱可塑性樹脂成形体等の構造体に接触するまで閉塞用キャップを開口部の奥へと押し込むだけで構造体と閉塞用キャップとを容易に接合することができる。
したがって、本発明よれば、熱可塑性樹脂成形体等からなる構造体に形成された開口部を特殊な機械を用いることなく汎用の回転工具等を用いて容易かつ効率よく閉塞することができる。
ここで、軸体の基端側に、回転工具からの回転動力を受け取るための回転動力受部を設ける構成を採用することにより、回転工具を用いてより効率よく閉塞作業を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 第1の実施形態の閉塞用キャップを用いた回転摩擦圧接を示す図で、(a)は閉塞用キャップが注入孔に挿入された状態図、(b)は閉塞用キャップの溶融代部と注入孔周縁部とが溶着された状態図である。 本発明の第2の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 本発明の第3の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 本発明の第4の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 本発明の第5の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 第5の実施形態の閉塞用キャップを用いた回転摩擦圧接を示す図で、(a)は閉塞用キャップが注入孔に挿入された状態図、(b)は閉塞用キャップの溶融代部と注入孔周縁部とが溶着された状態図である。
次に、本発明の閉塞用キャップ用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
<閉塞用キャップの概略説明>
図1(a)、(b)及び(c)並びに図2(a)に示されるに閉塞用キャップ1は、図2(a)の紙面を垂直に貫く方向に長く延びる所定厚みの帯板状の内面部材2に形成された円形状の注入孔3を閉塞するための熱可塑性樹脂製の部材であり、断面円筒形の中空軸状部材からなる軸体4備えている。
ここで、内面部材2は、既設管補修用の更生管を構成する熱可塑性樹脂製の部材であり、本発明の「(熱可塑性樹脂成形体等からなる)構造体」に相当する。
また、注入孔3は、既設管と更生管との間にモルタル等の充填剤を注入するために設けられるものであり、本発明の「開口部」に相当する。
<軸体の説明>
図2(a)に示されるように、軸体4は、注入孔3を貫くように挿入可能な所定長さ寸法に設定され、先端側に位置する先端側軸部5と、基端側に位置する基端側軸部6とが一体形成されて構成されている。
先端側軸部5は、軸方向の全域に亘って注入孔3の内径寸法よりもやや小さい一定の外径寸法で円筒形状に形成される先導部7と、この先導部7の基端側に一体的に形成され、注入孔3の周縁に係合する係合部8とを有している。
基端側軸部6は、その先端位置から基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなるテーパ円筒形状に形成され、その外周部に溶融代部9を有している。
なお、図1(b)及び(c)並びに図2(a)において、記号L1にて示される一点鎖線は、先端側軸部5と基端側軸部6との境界位置を示すものである。
<先導部の説明>
先導部7は、軸体4を注入孔3へ挿入する際に真っ先に注入孔3に差し込まれる部位であり、注入孔3に対し軸体4がラジアル方向に位置ずれしたときにその注入孔3の周縁に当接してそのラジアル方向の位置ずれを止める役目と、軸体4の回転運動時の心棒としての役目をする。
<係合部の説明>
係合部8は、テーパ外周面を有し、この係合部8のテーパ外周面は、先端側軸部5と基端側軸部6との境界位置(ラインL1で示される位置)では注入孔3の内径と等しい外径であり、そのラインL1で示される位置から先端側軸部5の先端に向かって進むに従い外径が小さくなり、最終的には先端側軸部5の外径と等しい外径となる形状に形成されている。
この係合部8は、先端側軸部5における先導部7が注入孔3に挿入されたときに、そのテーパ外周面が注入孔3の周縁に係合するようにされたものであり、この係合部8のテーパ外周面が注入孔3の周縁に係合することにより、この係合部8のテーパ外周面の調心作用によって、注入孔3と軸体4とが同軸心をなして位置決めされ、先端側軸部5の先導部7を注入孔3に挿入するだけで、注入孔3に対する閉塞用キャップ1の位置決めを容易かつ正確に行うことができる。
<溶融代部の説明>
溶融代部9は、基端側軸部6の外周部を注入孔3の内径よりも大きくすることで形成されるものであり、テーパ外周面を有している。
この溶融代部9のテーパ外周面は、先端側軸部5と基端側軸部6との境界位置(ラインL1で示される位置)では注入孔3の内径と等しい外径であり、そのラインL1で示される位置から基端側軸部6の基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなり、最終的には後述する鍔部11の外径よりも小さい外径の形状に形成されている。
この溶融代部9は、回転摩擦圧接時に注入孔3の周縁との摩擦熱によって溶融するものであり、テーパ状に形成されることにより、注入孔3の周縁への食い込みがよくなるので、注入孔3の周縁との溶着を強固なものとすることができるとともに、回転摩擦圧接時における押し込み動作をより容易に行うことができ、さらに、例えば、内面部材2が若干湾曲した形状であっても注入孔3の周縁に確実に接触させることができて溶着不良等の不具合を未然に防ぐことができる。
ここで、係合部8のテーパ外周面と溶融代部9のテーパ外周面とは、両者間に段差がなく平坦に連続するように一体的に連設され、これら係合部8のテーパ外周面と溶融代部9のテーパ外周面とによって軸体4のテーパ外周部10が形成される。
なお、係合部8のテーパ外周面と溶融代部9のテーパ外周面とは、上記のように、両者間に段差がなく平坦に連続するように一体的に連設するほか、概形的に傾斜面として見られるものであれば、例えば、基端位置に向かって段階的に外径が大きくなる細かな段部から形成されるものであってもよい。
<鍔部の説明>
軸体4の基端側には、軸体4の径方向外側に張り出すように円環状の鍔部11が軸体4に一体的に設けられている。
この鍔部11は、軸体4の先端側軸部5が注入孔3に挿入された際に内面部材2における注入孔3の周辺部位と対向する対向面12を有し、溶融代部9が注入孔3の周縁に接触された状態のときに注入孔3の周辺部位とその対向面12との間に所定の隙間S1を存するように軸体4に対する軸方向の配置が定められており、回転摩擦圧接時に注入孔3に対し軸体4がその隙間S1に相当する所定距離だけ押し込まれたときに、この鍔部11の対向面12が注入孔3の周辺部位に接触するようにされている。
ここで、溶融代部9と鍔部11とは、溶融代部9のテーパ外周面と鍔部11の対向面12とが連続するように一体形成されている。
これにより、回転摩擦圧接によって溶融代部9が溶融しきった瞬間に鍔部11の対向面12が注入孔3の周辺部位に接触され、これによって軸体4が注入孔3の奥へとそれ以上押し込まれないことになるから、注入孔3の周縁と溶融代部9とが確実に溶着されることになる。
仮に、溶融代部9のテーパ外周面と鍔部11の対向面12とが連続せずに、両者間に、例えば、軸体4の軸方向に真っ直ぐに延びる円周面が介在されて、溶融代部9と鍔部11とがその円周面が設けられる分だけ離れて配置された場合、回転摩擦圧接時に軸体4がその円周面が設けられる分だけ余計に注入孔3の奥へと押し込まれることになり、注入孔3の周縁と溶融代部9との互いの溶融部によって形成される後述の溶着部16が内面部材2を突き抜ける方向に押し込まれることになり、また単なる円周面では注入孔3の周縁との回転摩擦による発熱が不十分であるから、溶着不良が引き起こされる恐れがある。
したがって、溶融代部9のテーパ外周面と鍔部11の対向面12とが連続するように、溶融代部9と鍔部11とを軸体4の軸方向に一体的に連設するのがよい。
<天板部の説明>
軸体4の基端側には、さらに、天板部13が、断面円筒形の中空軸状部材からなる軸体4の基端側開口を塞ぐように、軸体4及び鍔部11と一体形成されている。
<回転動力受部の説明>
天板部13の裏面には、直方体状のブロック部14が一体的に設けられ、天板部13及びブロック部14には、両者に亘って所定深さで掘り下げられるように形成される細長い長方形穴(マイナス溝)15が設けられている。
この長方形穴15には、例えば、電動インパクトドライバーやエアインパクトレンチ等の回転工具の出力軸に連結されたマイナスドライバービットの先端部が差し込み可能とされており、回転工具からマイナスドライバービットを介して出力された回転動力が長方形穴15の内壁面で受け止められ、受け止められた回転動力が軸体4に伝達されるようになっている。
こうして、軸体4の基端側に、回転工具からの回転動力を受け取るための長方形穴15を設ける構成を採用することにより、回転工具を用いてより効率よく後述する閉塞作業を行うことができる。
なお、長方形穴15が本発明の「回転動力受部」に相当する。
<熱可塑性樹脂の説明>
閉塞用キャップ1及び内面部材2を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE、LDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)などが挙げられる。
なお、閉塞用キャップ1と内面部材2とは、同種の樹脂であるのが好ましい。
次に、以上に述べたように構成される閉塞用キャップ1を用いて内面部材2に形成された注入孔3を閉塞する閉塞方法について図2(a)及び(b)を用いて説明する。
予め、図示されない電動インパクトドライバーやエアインパクトレンチ等の回転工具の出力軸にマイナスドライバービットを連結しておく。
次いで、図2(a)に示されるように、閉塞用キャップ1の先端側軸部5を注入孔3に挿入して閉塞用キャップ1の溶融代部9を注入孔3の周縁に接触させる。このとき、閉塞用キャップ1の鍔部11と注入孔3の周辺部位との間に隙間S1が存在した状態で注入孔3に閉塞用キャップ1が差し込まれる。
次いで、回転工具に取り付けられたマイナスドライバービットの先端部を閉塞用キャップ1の長方形穴15に差し込む。
次いで、回転工具を作動させて閉塞用キャップ1の軸体4に回転動力を付与してその軸体4を回転させながら注入孔3の奥へと押し込む回転摩擦圧接を行う。
これにより、注入孔3の周縁部と閉塞用キャップ1の溶融代部9との接触部位に回転摩擦が生じ、相対回転速度と押当力とに応じた摩擦による発熱で注入孔3の周縁部と閉塞用キャップ1の溶融代部9とが溶融し始め、これに相対回転による溶融樹脂同士の掻き混ぜ効果が加わって、両者の溶融部の組織がからみあった状態となる。
そして、図2(b)に示されるように、上記回転摩擦圧接によって閉塞用キャップ1の軸体4が上記隙間S1に相当する所定距離だけ押し込まれて閉塞用キャップ1の鍔部11が注入孔3の周辺部位に接触した後、回転工具の作動を停止させて閉塞用キャップ1の軸体4に回転動力を付与するのを止める。
これにより、注入孔3の周縁部及び閉塞用キャップ1の溶融代部9の両者の溶融部が冷えて固まり、これによって形成される溶着部16を介して閉塞用キャップ1と内面部材2とが強固に接合された閉塞構造が得られる。
こうして、摩擦溶融と相対回転による攪拌との相乗作用によって溶着されるので、融点温度が大きく掛け離れていないかぎり、殆どの種類の熱可塑性樹脂同士の接合において高い強度の接合が達成できる。
<作用効果の説明>
第1の実施形態の閉塞用キャップ1並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法においては、内面部材2に形成された注入孔3の周縁に閉塞用キャップ1の溶融代部9を接触させた状態で、閉塞用キャップ1の軸体4を回転させながらその注入孔3の奥へと押し込む回転摩擦圧接によって閉塞用キャップ1が内面部材2に溶着されるので、閉塞用キャップ1の軸体4に回転動力を付与することができる電動インパクトドライバーやエアインパクトレンチ等の汎用の回転工具を用いて注入孔3の閉塞作業を容易に行うことができる。
上記の閉塞作業での回転摩擦圧接時には、注入孔3に挿入された閉塞用キャップ1の先端側軸部5がその注入孔3内で回転されるので、注入孔3内に挿入された先端側軸部5がその回転運動時に心棒の役目をして注入孔3に対する閉塞用キャップ1の位置ずれを防ぐとともに回転運動を安定化させることができる。
また、上記の閉塞作業での回転摩擦圧接時において、注入孔3に対し閉塞用キャップ1の軸体4が隙間S1に相当する所定距離だけ押し込まれて閉塞用キャップ1の鍔部11の対向面12が内面部材2における注入孔3の周辺部位に接触すれば、内面部材2に対する閉塞用キャップ1の接触面積が急激に増すことになるから閉塞用キャップ1の回転を停止させる摩擦力が働き、これによって溶融代部9が溶融しきって溶着が完了しつつあることを作業者が容易に認識することができるとともに、閉塞用キャップ1がそれ以上注入孔3の奥へと押し込まれないように鍔部11によって閉塞用キャップ1の押込方向の動きを止めることができ、閉塞用キャップ1が注入孔3の奥へと突き抜けてしまうのを未然に防ぐことができる。
また、上記の閉塞作業を行うにあたり、例えば、特許文献2に係る技術では必要とされる前処理、すなわち予め貫通穴の周辺部位に漏斗状の拡径部を形成するといったような特別な前処理が不要であり、閉塞用キャップ1の溶融代部9を注入孔3の周縁に接触させた状態で閉塞用キャップ1の軸体4を回転させながら閉塞用キャップ1の鍔部11が注入孔3の周辺部位に接触するまで閉塞用キャップ1を注入孔3の奥へと押し込むだけで閉塞用キャップ1と内面部材2とを容易に接合することができる。
したがって、第1の実施形態の閉塞用キャップ1並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法によれば、特殊な機械を用いることなく汎用の回転工具等を用いて内面部材2の注入孔3を容易かつ効率よく閉塞することができる。
〔第2の実施形態〕
図3には、本発明の第2の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)には平面図が、(b)には正面図が、(c)には底面図が、それぞれ示されている。
なお、この第2の実施形態において、先に述べた第1の実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては第2の実施形態に特有の部分を中心に説明することとする(後述する第3の実施形態〜第5の実施形態についても同様)。
第1の実施形態の閉塞用キャップ1においては、軸体4が断面円筒形の中空軸状部材からなるものであるのに対し、第2の実施形態の閉塞用キャップ1Aにおいては、軸体4Aが断面円形の中実軸状部材からなるものとされ、これに伴い、第1の実施形態の閉塞用キャップ1では必要とされる天板部13やブロック部14が不要となり、これら天板部13やブロック部14の役目は軸体4Aそれ自体が担うことになり、回転動力受部の役目をする長方形穴15は軸体4Aの基端部に直接設けられ、それ以外については基本的に第1の実施形態の閉塞用キャップ1と同構造である。
以上に述べた第2の実施形態の閉塞用キャップ1A並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法によっても、第1の実施形態の閉塞用キャップ1並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法と同様の作用効果を得ることができる。
〔第3の実施形態〕
図4には、本発明の第3の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)には平面図が、(b)には正面図が、(c)には底面図が、それぞれ示されている。
第1の実施形態の閉塞用キャップ1においては、軸体4の基端側軸部6に形成される溶融代部9のテーパ外周面が、先端側軸部5と基端側軸部6との境界位置(ラインL1で示される位置)では注入孔3の内径と等しい外径であり、そのラインL1で示される位置から基端側軸部6の基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなり、最終的には鍔部11の外径よりも小さい外径の形状に形成されているのに対し、第3の実施形態の閉塞用キャップ1Bにおいては、軸体4B(中空軸状部材又は中実軸状部材のいずれでも可であるが、ここでは中実軸状部材の場合を示す。)の基端側軸部6Bに形成される溶融代部9Bにおけるテーパ外周面が、先端側軸部5と基端側軸部6との境界位置(ラインL1で示される位置)では注入孔3の内径と等しい外径であり、そのラインL1で示される位置から基端側軸部6Bの基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなるところまでは第1の実施形態の閉塞用キャップ1と同様であるが、最終的には鍔部11の外径と等しい外径になるような形状に形成されて外観が皿ビス形状とされ、それ以外については基本的に第1の実施形態の閉塞用キャップ1と同構造である。
以上に述べた第3の実施形態の閉塞用キャップ1B並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法によっても、第1の実施形態の閉塞用キャップ1並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法と同様の作用効果を得ることができる。
〔第4の実施形態〕
図5には、本発明の第4の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)には平面図が、(b)には正面図が、(c)には底面図が、それぞれ示されている。
第1の実施形態の閉塞用キャップ1においては、テーパ外周面を有する形状の溶融代部9が採用されているのに対し、第4の実施形態の閉塞用キャップ1Cにおいては、基端側軸部6Cの基端位置に向かって段階的に外径が大きくなる複数段(ここでは2段のもののみを例示するが、3段以上であってもよく、あるいは1段であってもよい。)の段付き形状の溶融代部9Cが採用され、それ以外については基本的に第1の実施形態の閉塞用キャップ1と同構造である。
以上に述べた第4の実施形態の閉塞用キャップ1C並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法によっても、第1の実施形態の閉塞用キャップ1並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法と同様の作用効果を得ることができる。
〔第5の実施形態〕
図6には、本発明の第5の実施形態に係る閉塞用キャップを示す図で、(a)には平面図が、(b)には正面図が、(c)には底面図が、それぞれ示されている。
また、図7には、第5の実施形態の閉塞用キャップを用いた回転摩擦圧接を示す図で、(a)には閉塞用キャップが注入孔に挿入された状態図が、(b)には閉塞用キャップの溶融代部と注入孔周縁部とが溶着された状態図が、それぞれ示されている。
<閉塞用キャップの概略説明>
図6(a)、(b)及び(c)並びに図7(a)に示される閉塞用キャップ1Dは、断面円形で先端に向かって先細る逆円錐台状の中実軸状部材(勿論、中空軸状部材でも可であるが、ここでは中実軸状部材を採用した例のみを示す。)からなる軸体4Dを備えている。
<軸体の説明>
図7(a)に示される軸体4Dは、注入孔3を貫くように挿入可能な所定長さ寸法に設定され、先端側に位置する先端側軸部5Dと、基端側に位置する基端側軸部6Dとが一体形成されて構成されている。
先端側軸部5Dは、先端位置の外径が注入孔3の内径寸法よりも小さく基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなり基端位置の外径が注入孔3の内径寸法よりもやや小さい部分逆円錐台状に形成される先導部7Dと、この先導部7Dの基端側に一体形成され、注入孔3の周縁に係合する係合部8Dとを有している。
基端側軸部6Dは、先端側軸部5Dと段差なく連続するような部分逆円錐台状に形成され、その先端位置から基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなり、その外周部に溶融代部9Dを有している。
なお、図6(b)及び(c)並びに図7(a)において、記号L1にて示される一点鎖線は、先端側軸部5Dと基端側軸部6Dとの境界位置を示すものであり、記号L2にて示される二点鎖線は、先導部7Dと係合部8Dとの境界位置を示すものである。
<先導部の説明>
先導部7Dは、軸体4Dを注入孔3へ挿入する際に真っ先に注入孔3に差し込まれる部位であり、注入孔3に対し軸体4Dがラジアル方向に位置ずれしたときにその注入孔3の周縁に当接してそのラジアル方向の位置ずれを止める役目と、軸体4Dの回転運動時の心棒としての役目をする。
<係合部の説明>
係合部8Dは、テーパ外周面を有し、この係合部8Dのテーパ外周面は、先端側軸部5Dと基端側軸部6Dとの境界位置(ラインL1で示される位置)では注入孔3の内径と等しい外径であり、そのラインL1で示される位置から先端側軸部5Dの先端に向かって進むに従い外径が小さくなる形状に形成されている。
この係合部8Dは、先端側軸部5Dにおける先導部7Dが注入孔3に挿入されたときに、そのテーパ外周面が注入孔3の周縁に係合するようにされたものであり、この係合部8Dのテーパ外周面が注入孔3の周縁に係合することにより、この係合部8Dのテーパ外周面の調心作用によって、注入孔3と軸体4Dとが同軸心をなして位置決めされ、先端側軸部5Dの先導部7Dを注入孔3に挿入するだけで、注入孔3に対する閉塞用キャップ1Dの位置決めを容易かつ正確に行うことができる。
<溶融代部の説明>
溶融代部9Dは、基端側軸部6Dの外周部を注入孔3の内径よりも大きくすることで形成されるものであり、テーパ外周面を有している。
この溶融代部9Dのテーパ外周面は、先端側軸部5Dと基端側軸部6Dとの境界位置(ラインL1で示される位置)では注入孔3の内径と等しい外径であり、そのラインL1で示される位置から基端側軸部6Dの基端位置に向かって進むに従い外径が大きくなり、最終的には鍔部11の外径よりも小さい外径の形状に形成されている。
この溶融代部9Dは、回転摩擦圧接時に注入孔3の周縁との摩擦熱によって溶融するものであり、テーパ状に形成されることにより、注入孔3の周縁への食い込みがよくなるので、注入孔3の周縁との溶着を強固なものとすることができるとともに、回転摩擦圧接時における押し込み動作をより容易に行うことができ、さらに、例えば、内面部材2が若干湾曲した形状であっても注入孔3の周縁に確実に接触させることができて溶着不良等の不具合を未然に防ぐことができる。
なお、係合部8Dのテーパ外周面と溶融代部9Dのテーパ外周面とは、両者間に段差がなく平坦に連続するように一体的に連設され、これら係合部8Dのテーパ外周面と溶融代部9Dのテーパ外周面とによって軸体4Dのテーパ外周部10Dが形成される。
<鍔部の説明>
軸体4Dの基端側には、軸体4Dの径方向外側に張り出すように円環状の鍔部11が軸体4Dに一体的に設けられている。
この鍔部11は、軸体4Dの先端側軸部5Dが注入孔3に挿入された際に内面部材2における注入孔3の周辺部位と対向する対向面12を有し、溶融代部9Dが注入孔3の周縁に接触された状態のときに注入孔3の周辺部位とその対向面12との間に所定の隙間S2を存在するように軸体4Dに対する軸方向の配置が定められており、回転摩擦圧接時に注入孔3に対し軸体4Dがその隙間S2に相当する所定距離だけ押し込まれたときに、この鍔部11の対向面12が注入孔3の周辺部位に接触するようにされている。
ここで、溶融代部9Dと鍔部11とは、溶融代部9Dのテーパ外周面と鍔部11の対向面12とが連続するように一体形成されている。
これにより、回転摩擦圧接によって溶融代部9Dが溶融しきった瞬間に鍔部11の対向面12が注入孔3の周辺部位に接触され、これによって軸体4Dが注入孔3の奥へとそれ以上押し込まれないことになるから、注入孔3の周縁と溶融代部9Dとが確実に溶着されることになる。
仮に、溶融代部9Dのテーパ外周面と鍔部11の対向面12とが連続せずに、両者間に、例えば、軸体4Dの軸方向に真っ直ぐに延びる円周面が介在されて、溶融代部9Dと鍔部11とがその円周面が設けられる分だけ離れて配置された場合、回転摩擦圧接時に軸体4Dがその円周面が設けられる分だけ余計に注入孔3の奥へと押し込まれることになり、注入孔3の周縁と溶融代部9Dとの互いの溶融部によって形成される溶着部16Dが内面部材2を突き抜ける方向に押し込まれることになり、また単なる円周面では注入孔3の周縁との回転摩擦による発熱が不十分であるから、溶着不良が引き起こされる恐れがある。
したがって、溶融代部9Dのテーパ外周面と鍔部11の対向面12とが連続するように、溶融代部9Dと鍔部11とを軸体4Dの軸方向に一体的に連設するのがよい。
以上に述べた第5の実施形態の閉塞用キャップ1D並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法によっても、第1の実施形態の閉塞用キャップ1並びにそれを用いた閉塞構造及び閉塞方法と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の閉塞用キャップ用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
例えば、上記各実施形態においては、回転工具からの回転動力を受け取るための回転動力受部として長方形穴15を採用した例を示したが、これに限定されるものではなく、非円形穴であれば任意の形状を採用することができ、長方形穴15に代えて、例えば、正方形穴や六角穴、十文字状穴などを採用してもよい。
また、軸体4の基端部に回転工具のチャックによって掴まれる掴み軸や回転工具の工具ビットと係合する非円形断面の突起などを回転動力受部として設けて、これら掴み軸や突起を介して回転工具からの回転動力を軸体4に伝達するようにしてもよい。
また、鍔部11の外形を非円形状として、その鍔部11に係合するソケットレンチ等を介して回転工具からの回転動力を軸体4に伝達したり、鍔部11それ自体を回転工具のチャックで掴んで軸体4に回転動力を伝達したりする態様もあり得る。
次に、本発明の閉塞用キャップ用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法のより具体的な実施例について説明する。
<実施例1〜実施例5の説明>
図1(b)に示される第1の実施形態の閉塞用キャップ1において、軸体4の直径が30mmで係合部8と溶融代部9とで構成されるテーパ外周部10の高さH、幅W、角度θについて表1に示されるように3水準(実験No.1〜3)を用意し、これらを実施例1〜3とした。
図4(b)に示される第3の実施形態の閉塞用キャップ1Bにおいて、軸体4Bの直径が30mmで係合部8と溶融代部9Bとで構成されるテーパ外周部10Bの高さH、幅W、角度θについて表1に示されるように2水準(実験No.4及び5)を用意し、これらを実施例4及び5とした。
<比較例1〜比較例5の説明>
実施例1に係る閉塞用キャップにおいて、テーパ外周部10を無とし、鍔部11の厚さ(t)を1.5mmとしたもの(実験No.6)を比較例1とした。
実施例1に係る閉塞用キャップにおいて、テーパ外周部10を無とし、鍔部11の厚さ(t)を2.0mmとしたもの(実験No.7)を比較例2とした。
実施例1に係る閉塞用キャップにおいて、鍔部11を無とし、テーパ外周部10の最外径を注入孔3の内径と同程度としたもの(実験No.8)を比較例3とした。
実施例1に係る閉塞用キャップにおいて、先端側軸部5における先導部7を無とし、テーパ外周部10の高さH、幅W、角度θについて表1に示されるように2水準(実験No.9及び10)を用意し、これらを比較例4及び5とした。
Figure 0006548926
上記実施例1〜5及び比較例1〜5のそれぞれを用いて内面部材2に対する回転摩擦圧接を行い溶着状態を評価した。
実施例1〜5のものは、いずれも回転摩擦圧接を何ら支障なく容易かつスムーズに行うことができ、表1に示されるように、良好な溶着状態を示した。
これに対し、比較例1のものでは、テーパ外周部10がなく、しかも鍔部11の厚みが薄いため、回転摩擦圧接の動作途中で鍔部11が軸体4から分離してしまい、溶着不良となった。
また、比較例2のものでは、比較例1のものよりは鍔部11の厚みが大きくされているため、鍔部11における対向面12の一部が注入孔3の周辺部位に溶着されてはいるものの、溶着部の食い込みが浅い等のため、溶着強度が不足しており、剥がれ易く、溶着不良となった。
また、比較例3のものでは、鍔部11がないため、鍔部11があれば働くストッパ機能が得られず、回転摩擦圧接時の押し込みによって軸体4が注入孔3の奥へと突き抜けてしまった。
また、比較例4及び5のものでは、先端側軸部5の係合部8が注入孔3の周縁に係合するものの、先端側軸部5の先導部7がないため、軸体4のラジアル方向に不意に力が作用したときに位置ずれが生ずることがあり、回転摩擦圧接時の回転運動が安定せず、一応溶着するが強度がなく、溶着不良となった。
本発明の閉塞用キャップ用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法は、特殊な機械を用いることなく汎用の回転工具等を用いて熱可塑性樹脂成形体等からなる構造体の開口部を容易かつ効率よく閉塞することができるという特性を有していることから、例えば、更生管に形成されたモルタル等の注入孔を閉塞する用途に好適に用いることができる。
1、1A〜1D 閉塞用キャップ
2 内面部材(熱可塑性樹脂成形体)
3 注入孔(開口部)
4、4A〜4D 軸体
5、5D 先端側軸部
6、6B〜6D 基端側軸部
9、9B〜9D 溶融代部
11 鍔部
15 長方形穴(回転動力受部)
16、16D 溶着部

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂成形体からなる構造体に形成された開口部を、該開口部を閉塞するための、開口部の内径よりも大きい外径の溶融代部を有する基端側軸部及びその基端側軸部の先端側に一体的に設けられて開口部に回転可能に挿入される先端側軸部とを有してなる軸体と、この軸体の先端側軸部が開口部に挿入されて溶融代部が開口部の周縁に接触された状態のときに構造体との間に隙間を存するように基端側軸部に一体的に設けられる鍔部とを備え、軸体の先端側軸部を開口部に挿入して溶融代部を開口部の周縁に接触させた状態で軸体を回転させながらその開口部の奥へと押し込む回転摩擦圧接により、溶融代部が開口部の周縁との摩擦熱で溶融するようにしてなる閉塞用キャップを用いて閉塞する閉塞方法であって、閉塞用キャップの先端側軸部を開口部に挿入して閉塞用キャップの溶融代部を開口部の周縁に接触させ、その後、閉塞用キャップの軸体に回転動力を付与してその軸体を回転させながら開口部の奥へと押し込み、閉塞用キャップの鍔部が構造体に接触させた後、閉塞用キャップの軸体に回転動力を付与するのを止めることを特徴とする閉塞用キャップを用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法。
  2. 前記閉塞用キャップとして、軸体の基端側に、回転工具からの回転動力を受け取るための回転動力受部を設けてなる閉塞用キャップを用いることを特徴とする請求項1記載の閉塞用キャップを用いる構造体に形成された開口部の閉塞方法
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