JP6548442B2 - 電子部品用レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 - Google Patents

電子部品用レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 Download PDF

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本発明は、検出されたレーザ反射光に基づいて、試料に照射されるレーザパワー密度を制御することにより、所望の溶接強度を安定的に実現可能な電子部品用レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法の技術思想に関する。
溶接部分からのレーザ反射光を逐次検出し、その強度をもとに焦点のズレを検知して焦点の自動調整を行うことのできるレーザ溶接機の焦点位置制御装置を提供することを目的とする発明が、下記特許文献1に開示されている。
この文献によれば、レーザ溶接はレーザ光を金属などの対象ワークに照射して溶融接合するものであり、照射されたレーザ光はワークに全て吸収されることは無く、吸収されないレーザ光は様々な方向へ反射することが記載されている。
従ってこの点を考慮して、レーザ光をレーザトーチでワークに照射して溶接を行うレーザ溶接機において、前記レーザトーチを光軸方向に駆動するための駆動ステージと、前記ワークから反射した反射レーザ光を受光して電気信号に変換する変換手段と、前記電気信号から前記反射レーザ光の強度を計測し、その計測結果があらかじめ定められたしきい値を越えると、あらかじめ定められた調整アルゴリズムに基づいて前記駆動ステージを制御して、前記反射レーザ光の強度が前記あらかじめ定められたしきい値よりも小さくなるようにする焦点制御手段とを備えたことを特徴とする焦点位置制御装置とする技術思想が開示されている。
これにより、特許文献1に開示される発明では、ワークに対するレーザ光の焦点位置を常に最適位置に制御することができ、その結果、溶接品質の安定、向上を図ることができ、また、レーザ反射光の検出部の主要部品がフォトダイオードと集光レンズであるため、簡単に構成できて安価であることが記載されている。
特開平11−129084号公報
レーザ溶接装置のレーザ光出射口付近には通常、溶接対象物等から発生した金属等蒸気を含むプル−ムやスパッタ等に起因する汚れ付着(汚れ飛来)を防止するため、当該レーザ出射口と対象ワークとを空間的に仕切る防汚ガラス等が配置されている。
しかし、レーザ溶接の時間経過とともに、この防汚ガラスに次第に汚れが付着することに起因して防汚ガラスがレンズ状機能等を有するに至り、対象ワークへの焦点が合わなくなり結果として充分な溶接強度を得られなくなる現象が見出された。このような現象に対しては、溶接対象物が搭載された対象ワークをZ軸方向(レーザ光照射方向)に移動させて焦点を合わせる対応だけでは解消できるものではないと思われる。
すなわち、防汚ガラスの汚れは、焦点のズレを招来するのみではなく、当該汚れにより幾ばくかのレーザ光が吸収、散乱されて、対象ワークに到達するレーザ光総エネルギーそのものの低減を招来することが判明した。
防汚ガラスは、一定程度以上の汚れが付着するとまたは一定時間以上のレーザ溶接作業が遂行されると、定期的等に交換されるものではあるが、交換しきい値に達するまでの間は多少の汚れ付着を有した状態でも、使用継続される。このような状態であっても、レーザ溶接装置は、安全かつ確実に所望の溶接強度を確保することが求められる。
検出されたレーザ反射光に基づいて、試料に照射されるレーザパワー密度を、好ましくは一定に制御することにより、所望の溶接強度を安定的に実現可能な電子部品用レーザ溶接装置等は従来知られていない。
本発明は上述の問題点に鑑み為されたものであり、検出されたレーザ反射光に基づいて、試料に照射されるレーザパワー密度を、好ましくは一定に制御することにより、所望の溶接強度を安定的に実現可能な電子部品用レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品用レーザ溶接装置は、電子部品に対してレーザ光を照射して電子部品を構成する要素を溶接する電子部品用レーザ溶接装置であって、電子部品の異なる部位に照射される複数のレーザ照射に起因する複数の反射光の積分値を演算する反射光積分値演算部と、反射光積分値演算部が取得した積分値に基づいて、レーザ光の照射出力を制御するレーザ光出力制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明のレーザ溶接方法は、電子部品に対してレーザ光を照射して電子部品を構成する要素を溶接するレーザ溶接方法であって、電子部品の異なる部位に照射される複数のレーザ照射に起因する複数の反射光の積分値を演算する工程と、反射光の積分値に基づいてレーザ光の照射パワーを制御する工程と、を有することを特徴とする。
検出されたレーザ反射光に基づいて、試料に照射されるレーザパワー密度を、好ましくは一定に制御することにより、所望の溶接強度を安定的に実現可能な電子部品用レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法等を提供できる。
(A)は本実施形態の電子部品用レーザ溶接装置の全体の構成概要を説明するブロック図であり、(B)は溶接対象ワークからのプルームやスパッタ等に起因して防汚ガラスに付着する汚れ及びその作用について説明する部分拡大図である。 一つのコンデンサの電極の異なる8箇所に対し、各々1回ずつ計8回のレーザ照射によりレーザ溶接した場合の、レーザ反射光の検出強度を説明する概念図である。 レーザ反射光の積分値と対象ワークの溶接箇所におけるレーザパワー密度との関係を説明する図である。 電子部品用レーザ溶接装置のレーザ光出力制御処理の手順概要を説明するフロー図である。 コンデンサ素子の素子端面上の陽極集電板及び陰極集電板の配置を説明する図である。 陽極集電板、陰極集電板、陽極部及び陰極部の形態の一例を説明する図である。
本実施形態で説明する電子部品用レーザ溶接装置は、例えばコンデンサ等の電子部品の電極等を、レーザを用いた熱溶融により接合するレーザ溶接装置である。コンデンサ等の電極は、その接合強度を所定値以上に確保する必要があるため、通常複数箇所または一定以上の接合面積を有するように接合される。
仮に、接合箇所数が不足したり接合面積が不足したりする等により、電極等の接合強度が所定値に達していないと判断される場合には、品質不良品として選別除去されるので、品質保証された正規品として出荷することができない。
一方、量産工程で用いるレーザ溶接装置等においては、順次に送られてくるコンデンサ等の対象ワークに対して、場合によっては24時間連続して溶接作業を遂行することもあり得る。このため、当初は予定された所望のレーザ溶接を遂行していたとしても、時間の経過とともに種々の環境要因等が変化して、所望の溶接を担保できない懸念が生じることから、一定時間経過後または一定数の溶接回数遂行後にはメンテナンス作業が必要となる。
レーザ溶接工程では、溶接効率を向上させるとともに確実な溶接を遂行するために、対象ワークの溶接該当箇所に対して正確にレーザの集光ポイントを調整して、所望箇所に焦点を合致させる必要がある。仮に、何らかの理由で当初の状態から焦点がずれて焦点が合致しない状態で、そのまま当初条件の溶接時間等でレーザ溶接を遂行すれば、対象ワークに付与される熱エネルギーが不足することとなるので、充分な所望の溶接を実現できない懸念が生じる。
このため、本実施形態では、レーザ溶接時のレーザ散乱光に基づいて溶接の適否を判断する、すなわち、所望の溶接強度を得るのに充分なレーザ光エネルギーが対象ワークの溶接箇所に吸収されているか否かを判断する。そして、充分なレーザ光エネルギーが対象ワークの溶接箇所に吸収されていないと判断される場合には、レーザ光照射強度を増大させる制御を行う電子部品用レーザ溶接装置を提案する。
また、レーザ溶接時のレーザ反射光の強度測定は一回の照射からのみ取得するのではなく、ノイズ等予期せぬ反射光の増減を検出する懸念を低減させてその判断の信頼性を高めるために、同一電子部品に対する複数のレーザ光照射から取得するものとする。例えば、同一の電子部品の電極に関して、4箇所の点または線でレーザ溶接を遂行する場合には、当該4箇所分のレーザ反射光を積分値として取得することが好ましい。これにより、突発的なレーザ反射光の増減成分による影響が低減されて、より確からしい溶接適否の判断が可能となる。
また、アルミニウムや銅を典型例とする金属では、1064nm等の近赤外レーザ光に対する光吸収率の特性が、大きな温度依存性を有することが見出された。すなわち、レーザ溶接時のレーザ光の集光が充分に機能して、溶接対象のアルミニウム箔等が充分に溶融していれば、レーザ光は溶融アルミニウムに吸収されて反射光は低減する。一方、レーザ溶接時のレーザ光の集光が充分に機能せず、溶接対象のアルミニウム箔等が充分に溶融していなければ、レーザ光はアルミニウム箔等に吸収されず反射光が増大する。
このようなレーザ光の反射光強度の特性を利用して、好ましくは複数のレーザ溶接照射時の反射光積分値を用いて、溶接対象金属が充分に溶融接着されたか否か、換言すればレーザ溶接が適切に遂行されたか否かを判断することができる。
そして、実施形態で示す電子部品用レーザ溶接装置では、仮にレーザ溶接が適切に遂行されていないと判断される場合には、レーザ照射強度を増大させる。そして、このレーザ光出力増大により、レーザが照射される箇所に対して溶接に必要充分な熱エネルギーが供与されるものとする。
そこで、本実施形態の電子部品用レーザ溶接装置について、図1乃至図4に基づいて以下に詳細に説明する。図1(A)は本実施形態の電子部品用レーザ溶接装置1000の全体の構成概要を説明するブロック図であり、図1(B)は溶接対象ワークからのプルームやスパッタ等に起因して防汚ガラスに付着する汚れ及びその作用について説明する部分拡大図である。
図1(A)に示すように、電子部品用レーザ溶接装置1000は、レーザ発振器1100と、レーザ発振器1100から出力されたレーザ光を溶接対象ワーク1700へと導く光学系レーザヘッド1500とを備える。図1(A)から明らかなように、レーザ発振器1100と光学系レーザヘッド1500との間は、光ファイバで光学的に接続される。
また、電子部品用レーザ溶接装置1000は、対象ワーク1700からのレーザ反射光を集光する反射光集光光学系1400と、反射光集光光学系1400で集光されたレーザ反射光を検出する反射光受光センサ1300とを備える。反射光受光センサ1300で検出された反射光強度は、波形信号処理部1200へと入力されて所望の積分演算処理等が為される。
また、波形信号処理部1200における処理結果はレーザ発振器1100へとフィードバックされて、このフィードバック結果に基づいてレーザ出射光強度の増大調整等が遂行される。このため、図1(A)においてレーザ発振器1100は、波形信号処理部1200からのフィードバック情報に基づいてレーザ光出力強度を増大制御するレーザ光出力制御部1110を備える。
また、波形信号処理部1200は、反射光受光センサ1300からのレーザ反射光検出信号に基づいて複数回のレーザ反射光の積分値を演算する反射光積分値演算部1210を備える。また、反射光受光センサ1300は、例えば赤外用受光センサを用いることができる。
また、反射光集光光学系1400は、例えば1064nmの帯域透過特性を有する干渉フィルタ1420とセンサ集光レンズ1410とを備える。そして、光学系レーザヘッド1500から取得したレーザ反射光を、レーザ干渉フィルタ1420でフィルタリングした後、センサ集光レンズ1410で集光させて、反射光受光センサ1300へと導くものとする。
また、光学系レーザヘッド1500は、レーザ光コリメート用レンズ1510と、ダイクロイックミラー1520と、レーザ光集光用レンズ1530とを順に備えるものとできる。ダイクロイックミラー1520は、例えば1064nmのレーザ光を99%透過させ、1%反射するミラー特性を有するものとできる。図1(A)に示すように、ダイクロイックミラー1520で反射されたレーザ反射光は、反射光集光光学系1400へと導入される。
また、本実施形態の電子部品用レーザ溶接装置1000においては、光学系レーザヘッド1500の光出力端外側に、防汚ガラス1600が配置されている。光学系レーザヘッド1500と対象ワーク1700との間に配置された防汚ガラス1600は、対象ワーク1700からのプルーム等に起因する汚れが、レーザ光集光用レンズ1530に付着して汚れることを防止する。
多数のレーザ溶接処理を順次遂行することが要求される電子部品用レーザ溶接装置1000は、時間の経過または/及び溶接処理回数の増大に伴い、防汚ガラス1600に汚れが付着する。そこで、防汚ガラス1600への汚れ付着とその作用について図1(B)を用いて簡単に概要を説明する。図1(B)では理解容易のためにやや誇張して記載し説明している。
図1(B)において、防汚ガラス1600に付着した汚れ1610は、あたかもレンズであるかのようなレンズ機能を有するか、または少なくともレーザ光集光用レンズ1530で当初に焦点合致するよう調整されたレーザ光の進行方向を変える作用を有する。
このため、溶接作業の開始時には対象ワーク1700の所望箇所に合致していた焦点が、工程の進行及び時間の経過とともに次第に焦点ズレや散乱等を招来することとなり、所望の熱エネルギーを対象ワーク1700の溶接箇所に供与できないような状態が生じる。
図1(B)に示すようなレーザ光の照射状態では、レーザ光の照射出力条件が焦点合致を前提とした当初のままである場合には、所望の熱エネルギーを対象ワーク1700の溶接箇所に供与できず、溶接強度不足、すなわち溶接強度の品質不良を生じかねない。
現実に、対象ワーク1700の溶接箇所に充分な熱エネルギーが供与されず、溶接に必要充分な溶融が生じなかった場合には、電子部品用レーザ溶接装置1000は、レーザ反射光が増大する現象を検出することにより、このような溶融不足状態を検知する。
このため、実施形態の電子部品用レーザ溶接装置1000は、例えば図2に例示するように、一つのコンデンサの電極等に対する計8回のレーザ溶接に関して、レーザ反射光の強度の積分値を算出し、当該積分値が所定の閾値以上であるか否かで判断してもよい。
図2は、一つのコンデンサの電極の異なる8箇所に対し、各々1回ずつ計8回のレーザ照射によりレーザ溶接した場合の、レーザ反射光の各回の検出強度を説明する概念図である。1回ごとそれぞれのレーザ反射光はノイズ成分等も重畳されており、その強度が必ずしも揃っているとはいえないものであるが、複数回分の積分値とすることにより、より確からしい反射強度に基づく判断が可能となる。
電子部品用レーザ溶接装置1000は、例えば積分値が所定の閾値以上である場合には、溶接不良であると判断できる。溶接不良である場合には、溶接対象金属に充分な溶融熱が供与されておらず充分に溶融していないことから、当該金属のレーザ光吸収率が低減してレーザ反射光が増大する。
従って、反射光積分値演算部1210で演算したレーザ反射光の積分値が所定の閾値を超えた場合には、レーザ光出力制御部1110がレーザ光出射強度を増大させて、対象ワーク1700に充分な熱エネルギーが供与されるように制御する。これにより、対象ワーク1700での溶接対象箇所に所望の溶融が生じ、所望の溶接強度が確保できるものとなる。
また、図3は、レーザ反射光の積分値と対象ワーク1700の溶接箇所におけるレーザパワー密度との関係を説明する図である。図3において、黒丸ドットで示す各プロットがレーザ反射光の積分値であり、これが400弱から900強まで増大した場合に、パワー密度が100%から60%強まで低下する状況を示している。パワー密度は溶接箇所に供与される熱エネルギーに対応するものであるから、パワー密度の低下は溶融に必要な熱エネルギーの不足を招来し溶接不良に繋がるものである。
図3に示す例では例えば閾値を500に設定し、反射光積分値演算部1210で演算したレーザ反射光の積分値が500を超えた場合に、レーザ光出力制御部1110がレーザ光出力強度を15%増大させる制御をするものとしてもよい。また、閾値は一つではなく複数設けるものとし多段階的に細かく制御するものとしてもよいし、線形処理によりリニア制御してもよい。
次に、図4に示すフローチャートに従って、電子部品用レーザ溶接装置1000のレーザ光出力制御処理の手順概要について説明する。図4は、電子部品用レーザ溶接装置1000のレーザ光出力制御処理の手順概要を説明するフロー図である。なお、図4では、電子部品用レーザ溶接装置1000が、レーザ溶接を現に遂行している状態をスタートとして説明している。
(ステップ4100)
レーザ光出力制御部1110は、反射光積分値演算部1210で演算したレーザ反射光の積分値を取得し、取得した積分値が所定の閾値(図3に示す例では500)以上であるか否かを判断する。取得した積分値が所定の閾値以上であればステップS4200へと進み、取得した積分値が所定の閾値以上でなければステップS4100に止まる。
(ステップS4200)
レーザ光出力制御部1110は、レーザ光出力強度を増大(図3に示す例では例えば15%程度上昇)させる。すなわち、レーザ反射光の積分値の増大が検知されたということは、レーザ光が対象ワークに吸収されていないことが推定され、吸収されない主たる理由の一つとして溶接対象物(金属箔等)が充分に溶融していないことが挙げられる。さらに、溶接対象物が充分に溶融していない主たる理由は、溶接対象物に供与される照射レーザ光のエネルギー密度が不足していることにある。このため、レーザ光出力制御部1110は、レーザ出力光強度を増大させる制御により、溶接対象物に現に供与されるエネルギー密度(パワー密度)を増大修正する。
なお、溶接対象物には、通常、レーザ光溶接開始時においてはキャリブレーション等により所望の必要なレーザ光エネルギーが供与されているものであるが、時間経過に伴い、上述したような防汚ガラス1600の汚染等に起因してレーザ光のフォーカスの乱れ等が生じ得る。
(ステップS4300)
レーザ光溶接を終了する場合には本フローを終了する。レーザ溶接を終了しない場合にはステップS4100へと戻る。次に溶接対象物たる電子部品について説明する。
(電子部品の例示)
レーザ溶接の対象物である電子部品の典型例として電気二重コンデンサを以下に図5及び図6に基づいて説明する。
図5はコンデンサ素子の素子端面上の陽極集電板及び陰極集電板の配置を説明する図である。また、図6は陽極集電板、陰極集電板、陽極部及び陰極部の形態の一例を説明する図である。
図5及び図6に示す電気二重層コンデンサは、コンデンサ素子40の同一の素子端面に陽極部60と陰極部80とが形成されている。陽極部60には陽極端子が陽極集電板120を介在させて接続され、また、陰極部80には陰極端子が陰極集電板160を介在させて接続されている。
また、これらの接続には、レーザ溶接や電子ビーム溶接が用いられる。また、コンデンサ素子40は円筒体であって、一方の素子端面より、陽極体を引き出して陽極部60が形成され、陰極体を引き出して陰極部80が形成されている。また、コンデンサ素子40の周囲には保持テープが巻回され、陽極体や陰極体の巻き戻りが防止されている。
陽極体及び陰極体にはベース材に例えば、アルミニウム箔が用いられ、このアルミニウム箔の両面に活性炭等の活物質及び結着剤等を含む分極性電極が形成されている。また、このコンデンサ素子40では、同一端面側に形成された陽極部60と陰極部80との間には一定幅の絶縁間隔440が設けられている。陽極部60は陽極体の基材で形成され、同様に陰極部80も陰極体の基材で形成されている。陽極体及び陰極体がアルミニウムで形成される場合、陽極部60及び陰極部80は、分極性電極を形成していないアルミニウム面を露出させた基材部である。
また、コンデンサ素子40の陽極部60又は陰極部80は、陽極集電板120又は陰極集電板160との接続前に、図6に示すように、加工してコンデンサ素子40の素子端面に密着状態に形成される。次に、陽極集電板120、陰極集電板160、コンデンサ素子40の陽極部60及び陰極部80について、図5及び図6を参照して簡単に以下に説明する。
陽極集電板120及び陰極集電板160は図5に示すように、コンデンサ素子40の一端面に配置され、陽極部60と陰極部80との間の絶縁間隔440に対応した間隔460を設けて配置される。
また、陽極集電板120及び陰極集電板160は図6に示すように、コンデンサ素子40の素子端面を二分する半円形状であり、各陽極集電板120及び陰極集電板160の図中上側には、端子接続部480が形成され、その背面側には陽極部60又は陰極部80を接続するための素子接続部500が形成されている。
素子接続部500は平坦面であるとともに、複数の溝部520が中心から放射状に形成されている。各溝部520は陽極部60又は陰極部80にある突条部540を収容する空間部を形成している。
各突条部540は、コンデンサ素子40の陽極部60又は陰極部80に切込みを入れ、圧縮成形した際に、切込み部分に各陽極部60又は陰極部80の重なりによって生じた線状の突部である。コンデンサ素子40の陽極部60及び陰極部80は、このようにコンデンサ素子40の中心方向に向かって陽極部60及び陰極部80全体を圧縮成形することで、高さ寸法を抑制できる。
また、陽極部60及び陰極部80は切込みにより、各3分割された中央部より圧縮成形し、その後端部側を順次圧縮成形することで、重なりによって生じた線状の突条部540の高さ寸法を抑制している。そして、陽極集電板120又は陰極集電板160の素子接続部500に形成された溝部520には各突条部540が収容されるので、素子接続部500には陽極部60又は陰極部80を密着させ、両者を密着状態でレーザ溶接し、電気的に接続することができる。
また、陽極部60と陽極集電板、又は陰極部80と陰極集電板との各接続について詳述すると、図6に示すように、陽極集電板120及び陰極集電板160が、圧縮成形された陽極部60及び陰極部80に配置され、図5に示すように、押圧されて密着される。
また、図5に示す状態で、陽極集電板120又は陰極集電板160の素子接続部500に対応する上面側からレーザを照射することで、素子接続部500及び陽極部60、陰極部80を溶融させて接続する。
また、レーザ照射の部位は図5に示すように、陽極集電板120及び陰極集電板160の計4箇所を各往復した計8回としてもよい。図5において八箇所に記載された590がレーザ照射接続部を示す。なお、溶接の順序は適宜設定できる。
この溶接順序は、レーザ照射に起因して生じる熱と当該熱の放散との関係に鑑み、電気二重層コンデンサ本体を熱損傷させないものである。また、溶接箇所は、上述した計八箇所に限定されるものではなく、対象物の大きさ等に併せて任意に増減することができ、例えば六箇所、四箇所としてもよく、二箇所としてもよい。
本発明の電子部品用レーザ溶接装置1000は、上述の実施形態で説明した構成やレーザ溶接方法に限定されるものではなく、当業者に自明な範囲でかつ本発明の技術思想の範囲内で適宜その構成を変更し溶接方法を変更することができる。
本発明は、電子部品用レーザ溶接装置に好適である。
1000・・電子部品用レーザ溶接装置、1200・・波形信号処理部、1300・・反射光受光センサ、1400・・反射光集光光学系、1500・・光学系レーザヘッド、1600・・防汚ガラス、1700・・溶接対象ワーク。

Claims (8)

  1. 電子部品に対してレーザ光を照射して前記電子部品を構成する要素を溶接する電子部品用レーザ溶接装置であって、
    前記電子部品の異なる部位に照射される複数のレーザ照射に起因する複数の反射光の積分値を演算する反射光積分値演算部と、
    前記反射光積分値演算部が取得した前記積分値が予め定められた所定の閾値を超えた場合に、前記積分値が増大した程度に対応して、前記レーザ光の照射出力を増大させるレーザ光出力制御部と、を備える
    ことを特徴とする電子部品用レーザ溶接装置。
  2. 請求項1に記載の電子部品用レーザ溶接装置において、
    前記溶接は、前記レーザ光を前記電子部品を構成する二つの要素間に挟持された金属箔に照射して、これを溶解させて遂行される
    ことを特徴とする電子部品用レーザ溶接装置。
  3. 請求項2に記載の電子部品用レーザ溶接装置において、
    前記金属箔は、銅箔またはアルミニウム箔である
    ことを特徴とする電子部品用レーザ溶接装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電子部品用レーザ溶接装置において、
    前記電子部品は、キャパシタである
    ことを特徴とする電子部品用レーザ溶接装置。
  5. 電子部品に対してレーザ光を照射して前記電子部品を構成する要素を溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記電子部品の異なる部位に照射される複数のレーザ照射に起因する複数の反射光の積分値を演算する工程と、
    前記反射光の積分値が予め定められた所定の閾値を超えた場合に、前記積分値が増大した程度に対応して、前記レーザ光の照射パワーを増大させる工程と、を有する
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
  6. 請求項5に記載のレーザ溶接方法において、
    前記溶接は、前記レーザ光を前記電子部品を構成する二つの要素間に挟持された金属箔に照射して、これを溶解させて遂行される
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
  7. 請求項6に記載のレーザ溶接方法において、
    前記金属箔は、銅箔またはアルミニウム箔である
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のレーザ溶接方法において、 前記電子部品は、キャパシタである
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
JP2015087190A 2015-04-22 2015-04-22 電子部品用レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 Active JP6548442B2 (ja)

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