本明細書において、用語の意味は、以下の通りである。
「遊技媒体」とは、遊技の用に供する媒体をいい、本実施形態では「メダル(遊技メダル)」である。ただしこれに限らず、遊技球を使用することも可能である。また、遊技媒体には、実際のメダルの他に、遊技機内部に電気的に貯留(クレジット、記憶)された遊技媒体(遊技媒体に係るデータ)も含まれる。
「ベット」とは、遊技を行うためにメダル(遊技媒体)を賭けることをいう。本実施形態において、1遊技での最大ベット数(最大ベット枚数、限界枚数)は、通常遊技では「3(枚)」、MB(CB)遊技中では「2(枚)」に設定されている。
「貯留」とは、上記「ベット」とは異なり、スロットマシン10内部にメダルをクレジットすることをいう。「貯留」は、ベットを含む意味で用いられる場合もあるが、本明細書では、「貯留」というときは、「ベット」を含まない意味で使用する。本実施形態において、貯留可能な最大枚数(上限枚数)は、遊技状態等にかかわらず、「50」枚に設定されている。
「手入れ」とは、遊技者が、後述するメダル投入口44からメダルを直接投入することをいう。
「手入れベット」とは、遊技者が、メダル投入口44からメダルを手入れすることにより、メダルをベットする(ベット数を加算する)ことをいう。
「手入れ貯留」とは、遊技者が、メダル投入口44からメダルを手入れすることにより、メダルを貯留する(クレジット数(貯留枚数)を加算する)ことをいう。
「ベットメダル」とは、ベットされているメダルをいう。
「貯留メダル」とは、クレジットとして貯留されているメダルをいう。
「貯留ベット」とは、遊技者が後述するベットスイッチ40を操作することにより、当該遊技でベット可能な範囲内において、クレジットとして貯留されているメダルの一部又は全部を、遊技を行うためにベットすることをいう。
「自動ベット」とは、リプレイが入賞したときに、スロットマシン10の内部制御処理により、前回遊技でベットされていた数のメダルを自動でベットすることをいう。なお、上記の手入れベットしたメダル、貯留ベットしたメダル、及び貯留メダルは、その後に精算可能であるが、リプレイの入賞により自動ベットされたメダルは精算を行うことができないように設定されている。
「投入」とは、上記の手入れベット、手入れ貯留、貯留ベット、及び自動ベットを含み、メダルをベット又は貯留することをいう。
「精算」とは、ベットメダル及び/又は貯留メダルを遊技者に対して払い出すことをいう。
「払出し」とは、上記精算によりメダルを払い出すこと、又は役の入賞に基づきメダルを遊技者に払い出すことをいい、クレジットとして貯留すること、又は払出し口14からの実際のメダルを払い出すことをいう。本実施形態における払出しは、「50」枚を限界枚数として貯留し、役の入賞に基づき貯留数が「50」を超えた分のメダルは、遊技者に対して払い出すように制御する。また、役の入賞によって遊技者が獲得するメダル枚数を指す「獲得枚数」は、払出し枚数と同義である。
また、「メダルの飲み込み」とは、メダル投入口44からメダルが投入された場合において、ブロッカ47がオンとなっている状態で(メダルが返却されず)、メダルが正しくベット又は貯留されないことをいう。
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のスロットマシン10(遊技機)を示す外観斜視図である。
以下の図1の説明では、スロットマシン10に設けられている各装置の配置を中心に説明し、各装置の具体的説明は、後述する図3(ブロック図)において行う。
図1に示すように、スロットマシン10の筐体は、フロントカバー11(「前扉」ともいう。)と、フロントカバー11によって前面側を閉じられた基体部12(「裏箱」又は「キャビネット」ともいう。)とから構成されている。図1では図示しないが、フロントカバー11を開けると、その開放が後述するドアスイッチ16によって検知される。
このフロントカバー11は、基体部12の前面(開口面)を覆うようにして、基体部12に開閉可能に取り付けられたものである。図1に示すように、フロントカバー11の遊技者側には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、3つのストップスイッチ42、メダル投入口44等が配置されている。さらに、ベットスイッチ40の左側には、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72及び情報表示LED73が設けられている(詳細は後述する)。
また、フロントカバー11の略中央部には、内部に配置されたリール31の一部が透視可能に形成された表示窓13が形成されている。
さらにまた、フロントカバー11の上方部及び側面部には、略枠状に演出ランプ21(フロントカバー11に設けられた当該ランプを枠ランプ21と称する場合がある)が配置されている。さらに、表示窓13の上方部には、画像表示装置23が設けられ、さらにその両側にはスピーカ22が配置されている。
さらに、フロントカバー11の下方部には、メダル払出し口14と、メダル受け皿15が設けられている。さらにまた、メダル払出し口14の両側にもスピーカ22が設けられている。
図2は、図1中、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72及び情報表示LED73を拡大して示す平面図である。図2に示すように、これらのLED71〜73は、表示基板70上に搭載されている。
貯留数表示LED71は、貯留メダル枚数を表示するLEDであり、2桁を表示するために、2つのセブンセグメントディスプレイ(いわゆる7セグ)から構成されている。
貯留数表示LED71は、本実施形態では、「00」〜「50」(整数)の間の数字を表示する。
たとえば、ベット枚数が0枚、かつ貯留枚数が0枚の状態では、貯留数表示LED71の表示は、「00」となっている。ここで、1枚のメダルが手入れされると、当該遊技のためにその1枚のメダルがベットされる。さらに2枚を追加投入すると、当該遊技のために3枚のメダルがベットされる(ベット限界枚数が3枚の場合)。したがって、限界枚数が3枚の場合において、それ以前のベット枚数が0枚であれば、手入れされたメダルが3枚までのときは、そのメダルはベットされ、貯留されない。さらにメダルが手入れされ続けると、そのメダルが貯留されるとともに、その貯留枚数が貯留数表示LED71によって表示される。
したがって、たとえばベットメダル枚数が0枚、貯留メダル枚数が0枚の状態において、当該遊技におけるベットメダル限界枚数が3枚であるとき、4枚のメダルをメダル投入口44から投入すると、3枚のメダルがベットされるとともに1枚のメダルが貯留される。その結果、貯留数表示LED71には「01」と表示される。
本実施形態では、最大で50枚までのメダルを貯留可能となっている。したがって、貯留枚数が50枚となったとき(貯留数表示LED71に「50」と表示されたとき)は、それ以上、メダルは貯留されない。この状態で、仮に、メダル投入口44からメダルが手入れされると、ブロッカ47により、手入れされたメダルは、払出し口14から返却される。
獲得数表示LED72は、役の入賞時に、払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、貯留数表示LED71と同様に、2つのセブンセグメントディスプレイから構成されている。
なお、獲得数表示LED72は、通常は獲得数を表示するが、エラー発生時にはエラーの内容(種類)を表示するLEDとして機能するため、「獲得数(又はエラー)表示LED72」と称する場合もある。
獲得数表示LED72は、払い出されるメダルがないときは、表示は「00」であるが、たとえば後述するベル02が入賞して1枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED72の表示は、「00」から「01」となる。
なお、獲得数表示LED72は、払い出されるメダルがないときは、消灯するように制御してもよい。
ここで、メダル払出しのある役(リプレイを除く)が入賞してその役に対応するメダルが払い出されるときは、払出し口14から払い出されることよりも優先して、メダルが貯留される。たとえば、ベル02入賞前の貯留枚数が「10」であるときは、ベル02の入賞により、獲得数表示LED72の表示が「00」から「01」に更新されるとともに、貯留数表示LED71の表示が「10」から「11」に更新される。
さらにまた、役の入賞時に、貯留枚数が「50」を超えるときは、「50」を超えた分については払出し口14から払い出さされる。たとえば、役の入賞前に貯留枚数が「47」であり、ベル01の入賞によって8枚のメダルが払い出されるとき、3枚は貯留されて貯留枚数が「50」となり、「50」を超える5枚については払出し口14から払い出される。
さらに、リプレイの入賞時は、メダルの貯留及び払出しは行われず、当該遊技でベットされていた枚数のメダルが再遊技のために自動ベットされる。たとえば、当該遊技を2ベット(2枚)で行い、リプレイが入賞したときは、2枚のメダルが自動ベットされる。同様に、当該遊技を3ベット(3枚)で行い、リプレイが入賞したときは、3枚のメダルが自動ベットされる。そして、リプレイの入賞に基づく自動ベットは、再遊技を行うためのメダルの投入であるので、その後に精算(返却)操作を行っても、当該メダルを精算することはできない。
なお、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」では、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、メダル等の投入をすることによらずに行う遊技を付与することとされ、「入賞(メダル等を獲得するための図柄の組合せが表示されること)」ではないと解釈されている。しかし、本願(本明細書等)では、リプレイについても役の1つとして扱い(再遊技役)、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したことを「リプレイの入賞」と称する。
また、状態表示LED73は、本実施形態では、図2に示す7個のLED73a〜73gを備える。
リプレイ表示LED73aは、リプレイの入賞時に点灯するLEDである。リプレイの入賞に基づく自動ベットが行われると、リプレイ表示LED73aが点灯し、自動ベット状態であることを遊技者に知らせる。
なお、ノーマルリプレイの入賞時には、全リール31の停止後、すぐにメダルが自動投入され、リプレイ表示LED73aが点灯する。これに対し、ベルリプレイの入賞時には、フリーズが実行され、このフリーズ中は、リプレイ表示LED73aは消灯状態を維持する。そして、フリーズが解除され、メダルの自動投入が行われると、リプレイ表示LED73aが点灯する。このフリーズの解除条件としては、所定時間(たとえば5秒)の経過だけでなく、通路センサ46によりメダルを検知したことを解除条件としてもよい。このとき、通路センサ46により検知したメダルを正常のメダル投入とするため、通路センサ46によるメダル検知を条件に(かつ、貯留枚数が50枚でないことを条件に)ブロッカ47をオンにするようにしてもよい。
さらに、ベルリプレイの入賞時は、フリーズを伴わなくてもよい。その場合において、所定の条件(たとえば、通路センサ46によりメダルを検知したこと、スタートスイッチ41の操作を検知したこと、又はベットスイッチ40の操作を検知したこと、の少なくとも1つ)を満たしたことにより、リプレイ表示LED73aを点灯するように構成することもできる。また、同様の条件により、メダルの自動投入処理が行われるように構成することもできる。
ここで、本実施形態では、「ベル」図柄揃いが表示窓13内で一直線上に(無効ライン上に)停止表示可能なリプレイをベルリプレイと称しているが、たとえば「チェリー」図柄が左回胴に停止表示可能なチェリーリプレイ、「スイカ」(「スイカA」又は「スイカB」)図柄が表示窓13内で一直線上に停止表示可能なスイカリプレイを設け、上記ベルリプレイと同様な入賞時の処理を実行してもよい。
このように、ベルリプレイ等、小役に見せかけたリプレイ(以下、「小役リプレイ」とも称する。)が入賞したときには、リプレイ表示LED73aをすぐに点灯しないことにより、遊技者に対して小役が入賞したと認識させることができる。このとき、第1サブ制御基板80や第2サブ制御基板90側においても、遊技者に対して小役が入賞(当選)したと認識させるような演出(たとえば、小役に対応する図柄のバックランプの点灯、ベットスイッチ40の操作を促すベットランプの点灯や、画像表示装置23による演出)を実行することにより、小役が入賞したと認識させることができる。特に、リプレイの当選確率が高い状態においてこのような小役リプレイが当選・入賞することにより、遊技者に対して遊技の単調化(1種類のリプレイだけが頻繁に入賞する状態)を防ぐことができる。
また、小役リプレイが当選した遊技では、ストップスイッチ42の押し順によって停止表示される図柄組合せが異なるようにすることも可能である。
たとえば、ベルリプレイA及びベルリプレイBを設け、ベルリプレイAに当選した遊技では、中右左の押し順でストップスイッチ42が操作されたことにより「ベル」揃いが所定の図柄組合せライン(無効ライン)上に停止表示される(リプレイXが入賞する)ようにし、それ以外の押し順では「ベル」揃いが図柄組合せライン上に停止表示されない(ただし、リプレイX、又はベルリプレイAを構成する他のリプレイが入賞する)ように制御する。
一方、ベルリプレイBに当選した遊技では、中左右の押し順でストップスイッチ42が操作されたことにより「ベル」揃いが図柄組合せライン(無効ライン)上に停止表示される(リプレイY、又はベルリプレイBを構成する他のリプレイが入賞する)ようにし、それ以外の押し順では「ベル」揃いが図柄組合せライン上に停止表示されない(ただし、リプレイYは入賞する)ように制御することが挙げられる。
上記の方法は、たとえばAT遊技中において、「ベル」揃いが表示されることによりチャンス(ATの上乗せ等)を示唆する場合に用いることができる。たとえば、サブ制御基板80側の遊技状態(高確率等)に応じて、ベルリプレイA又はリプレイBに当選した遊技において、「ベル」揃いが表示される押し順を報知するか否かを決定し、AT遊技中において「ベル」揃いの表示頻度を異ならせることが可能となる。
このとき、上述したように、小役リプレイの当選時におけるベット処理や報知処理を採用することが好ましい。
なお、小役リプレイに当選したときに、必ずしもこのような処理を実行する必要はなく、たとえば、一部の当選役や遊技状態(RT状態や、サブボーナス状態、サブ制御手段の遊技状態)に応じて実行する場合と実行しない場合とを制御するようにしてもよい。
投入可表示LED73bは、メダルを投入(ベット)可能な状態のときに点灯するLEDである。すなわち、遊技が終了し、次遊技に移行するためのメダルが投入される前に点灯し、いわゆるベット待ち状態を示す。なお、本実施形態ではリプレイが作動した後であっても貯留枚数に応じてベット可能なときには点灯する。
精算表示LED73cは、本実施形態では、精算処理中に点灯するLEDである。貯留メダル及び/又はベットメダル(リプレイ入賞時の自動ベットを除く)を有する状態で、精算スイッチ43がオンされたときに、メダルを実際に払い出している最中に点灯する。
遊技開始LED73dは、規定数のメダルがベットされ、スタートスイッチ41を操作可能な状態となったときに点灯するLEDである。したがって、規定数のメダルがベットされていない(又はリプレイの自動投入がされていない)状態では点灯しない。
ここで、「規定数」とは、スタートスイッチ41の操作が可能、すなわち遊技開始可能なメダル枚数を指し、当該遊技における最大ベット枚数である「限界枚数」とは異なる。
ただし、本実施形態では、限界枚数が「2枚」であるときは規定数は「2枚」となり、限界枚数が「3枚」であるときは規定数は「3枚」となるように定められている。
(1枚、2枚、3枚)投入表示LED73e〜73gは、それぞれ、ベットされているメダル枚数を表示するLEDである。1枚のメダルがベットされたときは1枚投入表示LED73eが点灯し、2枚のメダルがベットされたときは、1枚投入表示LED73e及び2枚投入表示LED73fが点灯し、3枚のメダルがベットされたときは、1枚投入表示LED73e、2枚投入表示LED73f及び3枚投入表示LED73gが点灯する。
図3は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10は、メイン制御基板60とサブ制御基板(第1サブ制御基板80及び第2サブ制御基板90)とを備える。これらのメイン制御基板60、第1サブ制御基板80及び第2サブ制御基板90は、スロットマシン10の筐体内部において所定位置に配置されている。
メイン制御基板60は、入力ポート(0〜2)及び出力ポート(0〜6)を有し、RWM(メインメモリ)61、メインCPU62等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。
なお、実際には、メイン制御基板60上には、メインCPU62、RWM61、ROM、及びレジスタを含むMPUが搭載される。なお、ROMは、MPU内部に搭載されるもの以外に、外部ROMを備えていてもよい。一方、RWM61は、現行規則により、MPU内部にのみ設けられる。また、後述するサブ制御基板80及び90については、MPU外部にRWMを設けることができる。
したがって、メインCPU62というときは、MPUを含む意味で使用する。
また、RWM61(記憶手段)というときは、MPU内蔵のRWM61、ROM(内部/外部)、及びレジスタ(記憶回路)を含む意味で使用する。
メイン制御基板60と、図1で図示したベットスイッチ40等の操作スイッチを含む遊技進行用の周辺機器とは、入力ポート又は出力ポートを介して電気的に接続されている。入力ポートは、操作スイッチ等の信号が入力される接続部であり、出力ポートは、モータ32等の周辺機器に対して信号を送信する接続部である。
なお、図3において、入力用の周辺機器は、その周辺機器からの信号がメイン制御基板60に向かう矢印で表示しており、出力用の周辺機器は、メイン制御基板60からその周辺機器に向かう矢印で示している。
RWM(メインメモリ)61は、遊技の進行等に基づいた各種データを記憶(更新)可能な記憶媒体である。
ROMは、遊技の進行に必要なプログラムや各種データ(たとえば、データテーブル)等を記憶しておく記憶媒体である。
メインCPU62は、メイン制御基板60上に設けられたCPUを指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行する。
メダル投入口44から投入されたメダルは、メダルセレクタ45を通過するように構成されている。
メダルセレクタ45は、図3に示すように、通路センサ46、ブロッカ47、投入センサ48a及び48bを備え(ただし、これらに限定されるものではない)、メイン制御基板60と電気的に接続されている。
メダル投入口44からメダルが投入されると、最初に、通路センサ46により検知されるように構成されている。
さらに、通路センサ46の下流側には、ブロッカ47が設けられている。ブロッカ47は、メダルの通路中に設けられ、メダルの通過(投入)を許可/不許可にするためのものであり、メダルの投入が不許可状態のときは、メダル投入口44から投入されたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成する。これに対し、メダルの投入が許可状態のときは、メダル投入口44から投入されたメダルをホッパー35aに案内するメダル通路を形成する。
また、後述するように、ブロッカ47の状態として、メダルの投入を許可する状態をオン状態と称し、メダルの投入を不許可する状態をオフ状態と称する。
ここで、ブロッカ47は、遊技中(リール31の回転開始時から、全リール31が停止し、役の入賞時には入賞役に対応する払出しの終了時まで)は、メダルの投入を不許可(オフ)状態とする。すなわち、ブロッカ47がメダルの投入を許可するのは、少なくとも遊技が行われていないときである。
ブロッカ47のさらに下流側には、投入センサ48a及び48b(光学センサ)が設けられている。したがって、メダル投入口44から投入されたメダルは、通路センサ46によって検知された後、さらに、投入センサ48a(上流側)及び48b(下流側)により検知されるように構成されている。なお、図3に示すように、後述する説明においては、上流側の投入センサ48aを投入センサ1、下流側の投入センサ48bを投入センサ2と称する場合もある。
また、図3に示すように、メイン制御基板60には、遊技者が操作する操作スイッチとして、精算スイッチ43、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
精算スイッチ43は、スロットマシン10内部に貯留(クレジット)されたメダルを払い戻す(ペイアウトする)ときに遊技者が操作するスイッチである。
ベットスイッチ40は、貯留されたメダルを当該遊技のためにベットするときに遊技者が操作するスイッチである。本実施形態におけるベットスイッチ40は、1枚(1遊技における最小枚数)をベットするための1ベットスイッチ40aと、当該遊技でベット可能な最大枚数のメダルをベットするための3ベットスイッチ40bとを備える。
なお、これに限らず、2枚ベット用のベットスイッチを設けてもよい。また、1枚、2枚、3枚ベット用のベットスイッチ40のうち、スロットマシン10の仕様に応じて、2つ又は3つ設けることも可能である。
そして、「ベットスイッチに対応するベット数(ベット枚数)」とは、ベットスイッチが1ベットスイッチ40aであるときは「1(枚)」、3ベットスイッチ40bであるときは「3(枚)」を意味する。また、2枚ベット用のベットスイッチを設けたときは、そのベットスイッチに対応するベット数は「2(枚)」となる。
また、本実施形態における3ベットスイッチ40bは、常に3枚をベットするベットスイッチという意味ではなく、1枚又は2枚をベットする場合もあるが、いずれにしてもそのときにベット可能な最大枚数を加算するベットスイッチであるので、マックスベットスイッチとも称される。本実施形態では、説明の便宜上、3ベットスイッチ40bと称する。
ここで、1遊技の限界枚数は、上述したように、MB(CB)遊技中では2枚、MB遊技中以外(通常遊技)では3枚である。
たとえば通常遊技において、既にベットされているメダル枚数(既ベット枚数)が0枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が3枚以上であるときは、3枚がベットされる。
また、通常遊技において、既ベット枚数が0枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が2枚であるときは、ベット可能な最大枚数は2枚であるので、2枚がベットされる。
さらにまた、通常遊技において、既ベット枚数が1枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が2枚以上であるときは、ベット可能な最大枚数は2枚であるので、2枚がベット(それまでのベット枚数に加算)される。
さらに、通常遊技において、既ベット枚数が3枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作されたときは、貯留枚数を有するときであっても、ベット(加算)可能な枚数は0枚であるので、ベット枚数は加算されない。
また、MB遊技において、既ベット枚数が0枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が2枚以上であるときは、ベット可能な最大枚数は2枚であるので、2枚がベットされる。
スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
また、図3に示すように、メイン制御基板60には、表示基板70が電気的に接続されている。なお、実際には、メイン制御基板60と表示基板70との間には、中継基板が設けられ、メイン制御基板60と中継基板、及び中継基板と表示基板70とが接続されているが、図3では中継基板の図示を省略している。このように、メイン制御基板60と表示基板70とは、直接ハーネス等で接続されていてもよいが、両者間に別の基板が介在してもよい。
さらに、図3で示したように、制御基板同士が直接(ハーネス等で)接続されていることに限らず、他の別基板(中継基板等)を介して接続されていてもよい。たとえば、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよく、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよい。
この表示基板70には、上述した貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、及び状態表示LED73が接続されている。これらのLED71〜73は、図1に示すように、遊技者が操作する操作スイッチの左側端部に設けられ、遊技者が常に視認できる位置に設けられている。なお、1つの表示基板70上にすべてのLED71〜73が設けられている必要はなく、たとえば表示基板70A、70B、・・・のように複数の表示基板70を備え、いずれかの表示基板70にいずれかのLED71〜73が設けられていればよい。
さらに、表示窓13上(たとえば、リール31の視認領域の左側)に、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72及び情報表示LED73を設けることも可能である。この場合、表示基板70は、表示窓13の裏面側に配置される。
メイン制御基板60には、図柄表示装置30のモータ32等が電気的に接続されている。
図柄表示装置30は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ39とを含む。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段62cによって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。なお、リール31上の図柄の具体的配置は、後述する(図12)。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31の例えば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ39により検知される。リールセンサ39の信号は、メイン制御基板60に電気的に接続されている。そして、インデックスがインリールセンサ39を検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板60に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。
また、リールセンサ39がリール31のインデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を予めRWM61(メインROM)に記憶している。これにより、インデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。
また、メイン制御基板60には、メダル払出し装置35が電気的に接続されている。メダル払出し装置35は、メダルを溜めておくためのホッパー35aと、ホッパー35aのメダルを払出し口14から払い出すときに駆動するホッパーモータ36と、ホッパー35aから払い出されたメダルを検出するための払出しセンサ37a及び37bを備える。
メダル投入口44から手入れされ、受け付けられたメダルは、所定の通路(「シュート部」とも称する。)を通してホッパー35a内に収容されるように形成されている。
払出しセンサ37a及び37bは、投入センサ48a及び48bと同様に、上流側に払出しセンサ37aが設けられ、下流側に払出しセンサ37bが設けられている。
払出しセンサ37aと37bとは、所定距離を隔てて配置され、メダルが払出しセンサ37aにより検知されてから所定時間を経過した後に払出しセンサ37bにより検知されるように構成されている。そして、払出しセンサ37a及び37bがそれぞれオン/オフとなるタイミングに基づいて、メダルが正しく払い出されたか否かを判断する。
たとえば、ホッパーモータ36が駆動しているにもかかわらず、払出しセンサ37a及び37bの信号がいずれもオフであるときは、メダルが払い出されていないと判断し、ホッパーエラー(メダルなし)と検知される。
一方、払出しセンサ37a又は37bの信号の少なくとも1つがオンのままとなったときは、メダル詰まりが生じたと検知する。なお、払出しセンサ37を1つだけ設け、上記エラーを検知するようにしてもよい。
満杯センサ38は、ホッパー35aから溢れたメダルを収容するサブタンク35b(図3参照)の満杯を検知するセンサであり、サブタンク35bのメダルが満杯となったときにメダルが接触することで通電する回路から構成される。
また、ドアスイッチ16は、スロットマシン10のフロントカバー11を開けたときにオンとなるスイッチであり、フロントカバー11の開閉状態を検知するためのものである。
また、電源スイッチ51は、スロットマシン10の電源のオン/オフを行うスイッチである。
設定キースイッチ52は、設定キー挿入口から設定キーが挿入され、右90度に回転しているときにオンとなるスイッチであり、設定確認時や設定変更時にオンとする。
設定変更/リセットスイッチ53は、1つのスイッチで設定変更スイッチとリセットスイッチとを兼ねているスイッチである。なお、設定変更スイッチとリセットスイッチとは、別々に設けられていてもよい。
設定変更/リセットスイッチ53は、設定値を変更するときに操作される。また、設定キースイッチ52をオンにしつつ電源スイッチ51がオンにされると、リセットすなわち初期化処理が行われ、RWM61に記憶されている所定のデータがクリアされる。
設定ドアスイッチ54は、上述した設定ドア(設定キースイッチ52及び設定変更/リセットスイッチ53を覆うドア)の開閉を検知するスイッチである。たとえば設定ドアスイッチ54がオフ、すなわち設定ドアが開けられていない状態で設定キースイッチ52がオンであるとき等は、エラーとなる。
図4は、メイン制御基板60に設けられた入力ポート0〜2を示す図である。また、図5は、メイン制御基板60に設けられた出力ポート3〜6を示す図である。なお、出力ポート0〜2については、図面を用いた説明を割愛する。
本実施形態の入力ポート0〜2及び出力ポート0〜6は、D0〜D7の8ビットが入力又は出力可能な1バイトのポートである。
なお、入力ポート及び出力ポートは、図示したもの以外にも設けられているが、本実施形態では説明を省略する。
また、図4及び図5中、未使用と表示したポートは、実際に使用されていないか、又は本実施形態において説明を省略する信号の入出力ポートを意味する(信号の入出力がないポートは、すべて未使用という意味ではない)。
図4及び図5に示す入力ポート0〜2及び出力ポート3〜6において、「正」、「負」とは、それぞれ入力又は出力される信号を意味し、たとえば入力ポート0のD0ビット(特定のビットを指すときには「ビット目」ともいうが、以下の説明では「ビット」という。)における精算スイッチ信号では、操作されていないときにはD0ビットに「正(high)」の信号が入力され、操作されたときはD0ビットに「負(low )」の信号が入力される。換言すると、「負(low )」の信号がアクティブ信号となる。一方、たとえば3ベットスイッチ信号では、操作されていないときにはD2ビットに「負(low )」の信号が入力され、操作されたときはD2ビットに「正(high)」の信号が入力される。換言すると、「正(high)」の信号がアクティブ信号となる。
さらにまた、入力ポート0において、精算スイッチ信号及び1ベットスイッチ信号は、そのスイッチの操作時にいずれも操作時に負の信号が入力されるが、3ベットスイッチ信号は、そのスイッチの操作時に正の信号が入力される。これは、本実施形態では、精算スイッチ43及び1ベットスイッチ40aと、3ベットスイッチ40bとで、異なるスイッチを用いているためである。
たとえば、精算スイッチ43及び1ベットスイッチ40aは、押されること(あるいは押圧)に応じて接地/非接地を検出するボタンスイッチであり、押圧された場合に電流が流れる回路を備えるスイッチである。これに対し、3ベットスイッチ40bは、フォトセンサを内蔵したボタンスイッチであり、フォトセンサの受光素子が遮光片により発光素子側の光を遮光したときに電圧が変化するスイッチである。
このように、設計上の都合に応じて、同じベットスイッチ40であっても異なる構造のスイッチを採用している。なお、これに限らず、同一構造のスイッチを用いることも勿論可能である。
入力ポート0は、操作スイッチである精算スイッチ43、ベットスイッチ40(1ベットスイッチ40a及び3ベットスイッチ40b)、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42の各信号が入力される。
また、入力ポート1には、通路センサ46、ドアスイッチ16、設定ドアスイッチ54、設定キースイッチ52、設定変更/リセットスイッチ53、(左、中、右)リールセンサ39の各信号が入力される。
さらにまた、入力ポート2には、電断信号(電断が発生したときに出力される信号)、投入センサ1(48a)及び2(48b)の信号、払出しセンサ1(37a)及び2(37b)の信号、満杯センサ38の信号が入力される。なお、設定ドアスイッチ54を設けていない仕様のスロットマシン10であるときには、入力ポート1のD2ビットは未使用となる。
そして、後述するように、遊技を進行する情報処理として、1遊技あたり1回行うメインループないしメイン処理(M_MAIN)が設けられている。メインループでは、投入されたメダルの検知に基づいて行われる手入れメダルチェック処理や、全リール31が停止した後の入賞処理等が行われる処理である。
このメインループ中に、メインループを一旦抜けて、割込み処理(タイマ割込み処理)を実行する。そして、割込み処理では、入力ポート0〜2を検知する処理(図43のステップS607)を実行し、その処理の実行後、再度、メインループに戻る処理を定期的に行っている。その割込み時間の間隔は、本実施形態では2.235msである。すなわち、2.235ms間隔の割込み処理ごとに、入力ポート0〜2のデータを取得する。そして、取得したデータに基づいて、入力ポートのレベルデータ(各ビットのオン/オフを示すデータ)、入力ポートの立ち上がりデータ(前回割込み時がオフで、今回割込み時がオンになったデータがどのビットであるかを示すデータ)、入力ポートの立ち下がりデータ(前回割込み時がオンで、今回割込み時がオフになったデータがどのビットであるかを示すデータ)を生成し、記憶する。したがって、これらのデータは、2.235msごとに更新されていく。
本実施形態では、入力ポート0については、レベルデータ及び立ち上がりデータを生成する。また、入力ポート1については、レベルデータ、立ち上がりデータ、及び立ち下がりデータを生成する。さらにまた、入力ポート2については、レベルデータのみを生成する。入力ポート1については、設定キースイッチ52の操作信号が入力されるため、オンからオフになったことを検知する必要があるためである。
一方、入力ポート2については、各種センサからの入力信号であるため、センサからの入力に基づいて制御を行うだけでよいので、立ち上がりデータを生成する必要はないからである。
また、割込み処理がいつ行われたかにかかわらず、入力ポート0〜2のD0〜D7ビットのすべてを検知する。たとえば、リール31の回転中(ストップスイッチ42が操作される前)は、遊技者によってベットスイッチ40が操作されることはあり得ない(操作に基づいてベット処理が実行されることがない)ので、必ずしも入力ポート0のD1及びD2ビットのデータを取得する必要はないが、本発明では、すべてのビットのデータを取得する。そして、全ビットのデータを取得すれば、エラー判定を行うことも可能となる。さらに、リール31の回転中であっても当該処理を実行することにより、リール31の回転中には取得しない等の判断を行うことを要しないため、プログラム容量(ROM)の削減にもなる。さらにまた、たとえばリール31の回転中にベットスイッチ40の立ち上がりデータがオンになった場合に、サブ制御基板80、90側で実行する演出を変化させるように制御することや、リール31の回転態様を変化させるように制御すること等が挙げられる。
このように、入力ポート0の1バイトデータ(8ビット)を取得すれば、すべての操作スイッチのオン/オフの状況を知ることができるだけでなく、ブログラム容量の削減という効果や、演出制御の変更等の契機に使用することもできる。
図5において、出力ポート3では、D0〜D3ビットからは、左リール31のモータ32の各φ0〜φ3信号が出力される。本実施形態のモータ32は、1−2相励磁によりリール31を回転するように構成されており、φ0〜φ3の4相の励磁の組合せでリール31を駆動するようにしているため、各相の信号がそれぞれ所定のビットから出力される。
また、D6ビットからは、ブロッカ47の信号が出力される。さらにまた、D7ビットからは、ホッパーモータ36の駆動信号が出力される。
ここで、ブロッカ47は、ブロッカの信号が「1」(オン)であるときは、メダル投入口44とホッパー35aとを連結するメダル通路を形成し、メダルの受付けを許可する。これに対し、「0」(オフ)であるときは、メダル投入口44と払出し口14とを連結する通路(返却通路)を形成し、メダルの受付けを不許可とする。
そして、たとえばブロッカ47の駆動時には、割込み処理によって、出力ポート3のD6ビットからブロッカ信号を出力する。
出力ポート4のD0〜D3ビットからは、中リール31のモータ32の各φ0〜φ3信号が出力される。同様に、出力ポート5のD0〜D3ビットからは、右リール31のモータ32の各φ0〜φ3信号が出力される。
また、出力ポート4のD5〜D7ビットからは、状態表示LED73中、1枚〜3枚投入表示LED73e〜73gの信号が出力される。
さらにまた、出力ポート6からは、外部集中端子板100への外部信号が出力され、本実施形態では、外部信号1〜3が出力される。
ここで、「外部信号」とは、外部集中端子板100を介してスロットマシン10の外部(ホールコンピュータや、ホールに設置されているデータカウンタ等)に出力するための信号である。本実施形態では、AT発動(初当たり)を示す外部信号1、AT継続を示す外部信号2、ATの開始時から終了時までを示す外部信号3とを設けている。
ただし、これに限らず、特別役としてたとえばBB及びRB等を設け、さらに複数のRT状態を設けたときに、外部信号1をBB遊技とし、外部信号2をRB遊技とし、外部信号3を特定のRT状態と定めることも可能であり、外部信号が必ずしもATに限られるものではない。
次に、入力ポート0〜2から入力された信号に基づいて生成するレベルデータ、立ち上がりデータ、及び立ち上がりデータについて説明する。
図4に示すように、入力ポート0のD0〜D7(ただし、D4を除く)には、正又は負の信号が入力されるが、入力ポート0に入力された信号を取得した後、正論理又は負論理に変換(演算)した後のデータが、入力ポート0レベルデータとして記憶される。たとえば、入力ポート0において、D0、D1、D3ビットには、操作時には負の信号が入力され、入力された信号が「負」の場合は「1」、「正」の場合は「0」となるように演算する。
一方、入力ポート0において、D2、D5、D6、D7ビットには、操作時には正の信号が入力されるので、入力された信号が「正」の場合は「1」、「負」の場合は「0」となるように演算する。
上記の論理変換処理をより具体的に説明する。
まず、入力ポート0〜2にそれぞれ入力された論理を統一するために、定義データ(ROMに記憶されているデータ)に相当する負論理ビットを設ける。たとえば、入力ポート0の負論理ビットは、図4に記載したように、「00001011」である。
そして、入力ポート0に信号が入力されると仮定する。ここでは、1ベットスイッチ40aがオンにされたものとする。1ベットスイッチ信号は、オンのときは負の信号が入力されるので、入力される信号は「0」である。また、入力ポート0における他のスイッチは操作されないものとすると、精算スイッチ信号(D0ビット)及びスタートスイッチ信号(D3ビット)は「1」、その他は「0」であるので、
入力データ:00001001
となる。
この入力データは、MPU内の所定のレジスタ(たとえばAレジスタ)に記憶される。
次に、上記入力データと、定義データに相当する入力ポート0負論理ビット「00001011」とを排他的論理和(XOR;エクスクルーシブオア)による論理演算を行う。これにより、
00001001:入力データ
00001011:入力ポート0負論理ビット
00000010:演算後データ
となり、操作されたスイッチである1ベットスイッチ40aに係るデータ(D1ビット)のみが「1」となる。
上記のように演算することで、1ベットスイッチ40aのみが操作されたことを検知することができる。
この演算後データ、すなわち「00000010」が、当該割込み時における「入力ポート0レベルデータ」となる。
また、入力ポート0のD4ビットのように未使用ビットを有する場合には、この未使用ビットに対応するデータを確実に「0」にするために、上記の演算後データと定義データ「11101111」(未使用ビットのみを「0」としたデータ)とを「AND」演算(論理積)してもよい。これにより、
00000010:演算後データ
11101111:定義データ
00000010:演算後データ(AND後)
となる。
なお、未使用ビットを有さないときは、最初の演算後データの算出までで十分であり、演算後データ(AND後)の算出は不要である。また、未使用ビットを有する場合であっても、最初の演算後データの算出で終了することも可能であり、演算後データ(AND後)の算出は、ノイズをより確実に除去するために行われる。
以上のようにして、一割込み処理時に、入力ポート0〜2の信号に基づいて、入力ポート0レベルデータ、入力ポート1レベルデータ、入力ポート2レベルデータを作成する。
入力ポート1レベルデータは、実際に入力された信号と、図4に示す入力ポート1負論理ビット「00010001」とを排他的論理和(XOR)による演算を実行したものである。
また、入力ポート2レベルデータは、実際に入力された信号と、図4に示す入力ポート2負論理ビット「00101111」とを排他的論理和(XOR)による演算を実行したものである。
作成された入力ポート0レベルデータ〜入力ポート2レベルデータは、RWM61内の所定の番地(後述)に記憶される。
さらに、本実施形態では、入力ポート0レベルデータから、入力ポート0立ち上がりデータを作成する。また、入力ポート1レベルデータから、入力ポート1立ち上がりデータ及び入力ポート1立ち下がりデータを作成する。
図6は、入力ポート1の立ち上がりデータ及び立ち下がりデータを作成する演算例を示す図である。
図6において、前回割込み時の入力ポート1レベルデータ(データB0)が「00000010」(D1ビットのドアスイッチ信号のみがオン)であり、今回割込み時の入力ポート1レベルデータ(データA0)が「00000110」(D1ビットのドアスイッチ信号及びD2ビットの設定ドアスイッチ信号がオン)となった例である。したがって、設定ドアスイッチ信号について立ち上がりを有する例である。
この場合、図6に示すように、まず、データA0(今回割込み時のレベルデータ)とデータB0(前回割込み時のレベルデータ)とを排他的論理和(XOR)による演算を実行する。その演算結果をデータC0とすると、データC0は、入力ポート1の変化ビットを示すデータとなる。
次に、データA0(今回割込み時のレベルデータ)とデータC0(変化ビットを示すデータ)とを論理積(AND)により演算を実行する。これにより作成されるデータD0が、入力ポート1立ち上がりデータとなる。
また、立ち下がりを求める場合には、以下のように演算を行う。
前回割込み時の入力ポート1レベルデータ(データB1)が「00000010」(D1ビットのドアスイッチ信号のみがオン)であり、今回割込み時の入力ポート1レベルデータ(データA1)が「00000000」(全ビットがオフ)となった例である。したがって、ドアスイッチ信号について立ち下がりを有する例である。
この場合、まず、データA1(今回割込み時のレベルデータ)とデータB1(前回割込み時のレベルデータ)とを排他的論理和(XOR)による演算を実行する。その演算結果をデータC1とすると、データC1は、上記のデータC0と同様に、入力ポート1の変化ビットを示すデータとなる。
次に、データB1(前回回割込み時のレベルデータ)とデータC1(変化ビットを示すデータ)とを論理積(AND)により演算を実行する。これにより作成されるデータD1が、入力ポート1立ち下がりデータとなる。
さらに、上記の例では、入力ポートのデータを一割込みで1回取得した例を示したが、ノイズやチャタリング防止のために、一割込み内で複数回、入力ポートの信号を取得してもよい。
たとえば、入力ポート0を例にあげると、一割込み内で、2回、入力ポート0のデータを取得する。なお、データを2回取得する場合の時間間隔は任意であるが、たとえば1回目のデータ取得時から50μS(マイクロ秒)経過後に2回目のデータを取得することが挙げられる。
具体的に、1ベットスイッチ40aが操作されたことにより、D1ビットがオンになったとき、
00000100:取得データ1回目(正常)
00000100:取得データ2回目(正常)
であったと仮定する。なお、上記例では、1回目及び2回目のいずれも正常なデータを取得し、両データに変化がない例を示している。そして、これら2つのデータを論理積(AND)による演算を実行する。その結果、
00000100:AND演算後
となる。このAND演算後のデータを当該割込み処理時におけるレベルデータとする。
これに対し、ノイズやチャタリングが発生し、2回の取得データが異常となった場合には、以下のようになる。たとえば、2回目のデータ取得時に3ベットスイッチ40bの信号を誤検知し、「1」となったときは、
00000100:取得データ1回目(正常)
00000110:取得データ2回目(異常)
となる。そして、両データを上記のように論理積(AND)による演算を実行すると、
00000100:AND演算後
となり、上記と同じ結果を得る。すなわち、AND演算を実行することで、取得データ2回目のD1ビットを「0」にすることができ、これによってノイズやチャタリング等を防止することができる。
図7〜図11は、RWM61に記憶されるデータの格納番地とその内容を示す図である。なお、図7〜図11で示したデータは、本実施形態の説明で用いるためのデータであり、RWM61に記憶されるデータはこれらのデータに限られるものではない。
図7において、番地「F008」の「_PT_IN0_OLD 」は、入力ポート0レベルデータの記憶領域である。一割込み処理ごとに、入力ポート0からの入力信号が読み込まれ、上述したように演算された後、レベルデータが更新されていく。
番地「F009」の「_PT_IN0_UP」は、入力ポート0立ち上がりデータの記憶領域である。入力ポート0レベルデータの更新ごとに演算され、入力ポート0立ち上がりデータも更新されていく。
図8において、番地「F00A」の「_PT_IN1_OLD 」は、入力ポート1レベルデータの記憶領域である。一割込み処理ごとに、入力ポート1からの入力信号が読み込まれ、上述したように演算された後、データが更新されていく。
また、番地「F00B」の「_PT_IN1_UP」は、入力ポート1立ち上がりデータの記憶領域である。入力ポート1レベルデータの更新ごとに演算され、入力ポート1立ち上がりデータも更新されていく。
さらにまた、図9において、番地「F00C」の「_PT_IN1_DOWN」は、入力ポート1立ち下がりデータの記憶領域である。入力ポート1レベルデータの更新ごとに演算され、入力ポート1立ち下がりデータも更新されていく。
また、番地「F00D」の「_PT_IN2_OLD 」は、入力ポート2レベルデータの記憶領域である。一割込み処理ごとに、入力ポート2からの入力信号が読み込まれ、上述したように演算された後、データが更新されていく。
図10において、番地「F019」の貯留枚数表示データは、上述した貯留枚数表示LED71にその時点での貯留枚数を表示するためのデータを格納している記憶領域である。ここで、本実施形態では、データそのものは16進数(H)であるが、貯留枚数を10進数に換算した値を記憶する。たとえば、表示すべき貯留枚数が「29」であるとき、「29(H)」という値を記憶する。換言すると、番地「F019」には、「00101001(B)」を記憶する。これにより、番地「F019」のD0〜D3の下位4ビットは、貯留枚数の下位桁(本例では「9」)を表示するために使用し、D4〜D7の上位4ビットは、貯留枚数の上位桁(本例では「2」)を表示するためのデータとして記憶している。なお、本実施形態では、貯留枚数の上限値は「50」であるので、記憶されるデータ値は、「0」〜「50」の範囲となる。
番地「F01B」の「_FL_MEDAL_STS 」は、メダル管理フラグである。このメダル管理フラグは、主として状態表示LED73の点灯/消灯を制御するためのフラグである。メダル管理フラグにおいて、D0ビットは、スタートスイッチ41受付け状態を示し、スタートスイッチ41を受け付けているとき、すなわちスタートスイッチ41が操作可能であるとき(たとえばメダルがベットされ、遊技開始前の状態)に「1」となり、スタートスイッチ41の操作受付けが不可能状態であるとき(たとえばリール31の回転中)は「0」にされる。
D2ビットのブロッカ状態は、ブロッカ47がオンであるときは「1」となり、オフであるときは「0」にされるデータである。このD2ビットの値を判断することにより、現在のブロッカ47がどのような状態であるか(オンかオフか)を判断可能となる。
D3ビットのリプレイ表示LEDは、リプレイが表示され、再遊技としてメダルが自動投入されるとき(図22のステップS144)に、「1」にされるデータである。このデータが「1」のときに、上述した状態表示LED73のうちのリプレイ表示LED73aが点灯する。また、再遊技による遊技が終了したとき(図18のステップS118)に、「0」にされるデータである。このデータが「0」のとき、リプレイ表示LED73aが消灯する。
D4ビットの精算表示LEDは、精算スイッチ43が操作され、貯留メダルを精算するとき(図38のステップS324)に、「1」にされるデータである。このデータが「1」のとき、上述した状態表示LED73のうちの精算表示LED73cが点灯する。また、貯留メダルの精算が終了したとき(図38のステップS326)に、「0」にされるデータである。
このように、本実施形態では、最大50枚まで記憶可能な貯留メダルの精算を実行しているときに精算表示LED73cが点灯するように形成されているが、一度にベットメダルと貯留メダルとを精算するように形成されている場合には、ベット又は貯留メダルを精算するときに「1」にされるように(精算表示LED73cが点灯するように)形成されていることが好ましい。
D6ビットの設定変更不可フラグは、設定変更が可能な状態であるときに「0」となり、それ以外は「1」となるデータである。本実施形態では、スタートスイッチ41が操作されて遊技が進行されたとき(図42のステップS433)に、「1」にされるデータであり、次遊技のメダル受付けが開始されたとき(図22のステップS136)に、「0」にされるデータである。設定変更に際しては、設定変更許可フラグの値が参照され、設定変更不可フラグが「1」であるときは設定変更は許可されない。ただし、設定変更不可フラグが「1」のときであっても復帰不可能エラー(たとえば、割込み処理ごとに判定される乱数の更新異常)と判断されたときは設定変更が許可され、設定変更に基づいて復帰不可能エラーを解除することが可能となる。
D7ビットのメダル限界設定判定は、ベットメダル枚数がメダル限界枚数に達しているときは「1」となり、メダル限界枚数に達していないときは「0」となるデータである。上述したように、限界枚数は、本実施形態では、通常遊技中は3枚、MB遊技中は2枚に設定されており、これらの3枚又は2枚がメダル限界枚数である。したがって、たとえば通常遊技中において、ベットメダル枚数が0、1、又は2枚であるときはメダル限界枚数に達していないので「0」となり、3枚であるときはメダル限界枚数に達しているので「1」となる。
また、番地「F01C」の「_FL_ACTION」は、作動状態フラグを示し、本実施形態では、D0ビットにリプレイ、D1ビットにMB、D2ビットにCBが割り当てられている。なお、MB又はCBが設けられない仕様の場合には、当該ビットは未使用となる。
たとえばリプレイが入賞したときは、リプレイの作動状態となり、遊技状態をセットするとき(図20のステップS126)に、D0ビットが「1」にされる。このD0ビットが「1」から「0」にされるのは、再遊技による遊技が終了したとき(図18のステップS118)である。
図11において、番地「F023」の「_PT_BLK_HPM 」は、ブロッカ信号及びホッパーモータの駆動信号データであり、ブロッカ信号としてD6ビット、ホッパーモータ駆動信号としてD7ビットが用いられる(D0〜D5ビットは未使用)。ブロッカ47をオンにするときは、D6ビットが「1」となり、ホッパーモータ36をオンにするときはD7ビットが「1」にされる。より具体的には、メインループ処理内で番地「F023」を更新し、割込み処理内で番地「F023」のデータに基づいて出力ポート3のデータを生成し、ブロッカ47を制御している。
また、番地「F025」の「_PT_MEDAL_LED 」は、投入枚数表示LEDデータであり、D5〜D7ビットにそれぞれ3枚〜1枚投入表示LED73g〜73eが割り当てられている。たとえば、D7ビットのみが「1」であるときは、1枚投入表示LED73eのみが点灯するように制御される。また、D7及びD6ビットが「1」であるときは、1枚投入表示LED73e及び2枚投入表示LED73fが点灯するように制御される。
番地「F06C」の「_NB_REP_MEDAL 」は、自動投入枚数データ(リプレイ入賞時に自動ベットするメダル枚数を示すデータ)であり、本実施形態では「3」が記憶される。
さらに、番地「F06D」の「_NB_PLAY_MEDAL」は、メダルベット枚数データを示し、本実施形態では、「0」〜「3」のいずれかが記憶される。
さらにまた、番地「F06E」の「_NB_PAY_MEDAL 」は、メダル払出し枚数データを示し、本実施形態では、「0」〜「8」の値のいずれかが記憶される。なお、本実施形態では、1遊技におけるメダルの最大払出し枚数が8枚であるため、メダル払出し枚数データの最大値は「8」であるが、たとえば15枚払出し役を設けたときは、メダル払出し枚数データは、「0」〜「15」となる。
次に、メイン制御基板60の具体的構成について説明する。
図3に示すように、メイン制御基板60のメインCPU62は、以下の設定変更手段62a等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
設定変更手段62aは、設定値を変更・決定する手段である。
ここで、設定値とは、遊技者の有利度、より具体的にはメダルの投入枚数に対する払出し枚数の期待値(遊技者が獲得できるメダル)の程度を定めるものであり、本実施形態では設定1〜設定6の6段階を設けている。
そして、設定値が高くなるほど、少なくとも一部の役の当選確率が高く設定される等、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定している。
また、設定値が高くなるほど、ATに移行する確率が高くなり、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定している。
なお、ATに移行する確率を高くすることのみに限られるものではなく、たとえばAT中の遊技回数や払出し枚数を上乗せする確率を高くしたり、ATを継続する確率を高くしてもよい。
設定値を設定・変更するには、電源スイッチ51、設定キースイッチ52、設定変更/リセットスイッチ53が用いられる。
本実施形態では、電源スイッチ51を一旦オフにし、電源断をした後に、設定キー挿入口に設定キーを差し込み、これを時計回りに90度回転させると、設定キースイッチ52がオンとなる。この状態で電源スイッチ51を再度オンにすると、設定変更中、すなわち設定変更モードになる。この場合、通常の立ち上げ処理は行われない。したがって、設定変更中にするためには、電源スイッチ51のオン/オフ操作が必要である。
設定変更モードでは、設定変更手段62aは、設定値表示LED63に、現在の設定値を表示する。
また、設定変更手段62aは、設定変更/リセットスイッチ53が1回操作(オン)されるごとに、設定値の表示を、・・・→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」→・・・と順次変化させる。
さらに、設定変更手段62aは、スタートスイッチ41がオンにされると、このときに設定値表示LED63に表示していた数値で設定値を決定し、設定値が決定されたことを示す「0」を設定値表示LED63に表示する。
そして、設定変更手段62aは、設定キーを反時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオフにすることで、決定した設定値をRWM61中の所定の記憶領域に記憶し、設定変更後の設定値で遊技が可能となる。
なお、本実施形態では、設定キースイッチ52のオフの判定は、設定キースイッチ52の立下りデータに基づいて実行されるように構成されているが、設定キースイッチ52のオン/オフの状態に基づいて実行されるように構成してもよい。
また、設定キー挿入口から設定キーを抜かなければ設定変更後の設定値で遊技ができないように構成してもよい。
さらに、設定キーを反時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオフにし、設定キー挿入口から設定キーを抜き、この状態で電源スイッチ51を一旦オフにした後に再度オンにしなければ、設定変更後の設定値で遊技ができないように構成してもよい。
また、メイン制御基板60は、RWM61に記憶された設定値を、第1サブ制御基板80に送信する。そして、第1サブ制御基板80側でもRWM81に設定値を記憶し、第1サブ制御基板80においてもメイン制御基板60のRWM61に記憶された設定値と同一の設定値を共有する。そして、第1サブ制御基板80側でも、その設定値に応じた確率でATの抽選を実行する等、ATに関する変数を決定する。
また、メダルがベットされていない状態で、かつ役抽選が行われていない状態(スタートスイッチ41の操作前)で、設定キーが設定キー挿入口に挿入され、設定キースイッチ52がオンにされると、「設定確認中」になる。すなわち、設定値を確認するだけの場合には、電源スイッチ51のオン/オフは不要である。設定確認中は、設定変更中と同様に、現時点での設定値が設定表示LED63に表示される。
さらにまた、設定キースイッチ52がオンにされた状態で、電源スイッチ51がオンにされると、リセット、すなわち初期化処理が行われる。
役抽選手段62bは、遊技ごとに、遊技開始時に、役の抽選を行うものである。
ここで、本実施形態の役、図柄の組合せ等について説明する。
図12は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図12では、図柄番号を併せて図示している。たとえば、左リール31において、図柄番号20番の図柄は、「ベル」である。
図12に示すように、本実施形態では、各リール31は、20コマ(図柄)に等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。
なお、図12に示すように、本実施形態では、「スイカ」は、異なる図柄である「スイカA」と「スイカB」とを備える。さらにまた、「BAR」は、異なる図柄である「黒BAR」と「白BAR」とを備える。
さらに、「ブランク」は、所定の図柄を有するものであり、当該コマに図柄が何も表示されていないという意味ではない。
また、図13は、スロットマシン10のフロントカバー11に設けられた表示窓13(透明窓)と、各リール31の位置関係と、有効ラインとを示す図である。
各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
なお、本明細書では、図13中、左リール31の「スイカA」、中リール31の「リプレイ」、及び右リール31の「スイカB」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「リプレイ」、中リール31の「スイカA」、及び右リール31の「リプレイ」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
さらにまた、図13に示すように、表示窓11から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、図7に示すように、水平方向中段の有効ライン(1本)のみが定められ、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。
たとえば、図13中、各リール31の上段を通過する図柄組合せラインや、左リール31の下段、中リール31の中段、及び右リール31の上段を通過する図柄組合せラインも考えられるが、このようなラインは、本実施形態では無効ラインとなっている。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。たとえば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、2枚又は3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、すべての遊技において、常に水平方向中段の1本のみが有効ラインとなる。なお、有効ラインはメダルのベット枚数に応じて予め定められていればよく、たとえばベット枚数が2枚のときの有効ライン数を5本とし、3枚のときの有効ライン数を1本としてもよい。
図14及び図15は、本実施形態における役(役抽選手段62bで抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
本実施形態の役は、大別して、特別役、小役、リプレイを有する。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する。以下同じ。)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
ただし、特別役(MB)の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。さらに、小役(ベル)のうち、ベル01においては、特別遊技を除く遊技での払出し枚数は8枚であるが、特別遊技(MB遊技:規定数が2枚)では2枚の払出しとなる。
小役は、図14及び図15に示すように、ベル、チェリー、スイカを備える。さらに、ベルは、ベル01〜ベル33の33種類を有する。また、チェリーは、中チェリーと角チェリーとを有する。なお、中チェリーにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいこと(任意の図柄)を意味する。さらにまた、リプレイは、ノーマルリプレイ、ベルリプレイ(2種類)、特殊リプレイを有する。
ベル01は、いわゆる「ベル」揃いの図柄の組合せであり、ストップスイッチ42の押し順正解時(後述)に停止する図柄の組合せである。また、ベル02〜ベル33は、押し順不正解時に停止表示可能な図柄の組合せである。ベル02〜ベル25は、左リール31の図柄は「リプレイ」に設定されている。さらに、ベル02〜ベル07の右リール31の図柄は「赤7」、ベル08〜ベル13の右リール31の図柄は「青7」、ベル14〜ベル19の右リール31の図柄は「黒BAR」、ベル20〜ベル25の右リール31の図柄は「白BAR」である。
さらに、ベル02〜ベル25において、右リール31の図柄が同一であるベルについては、中リール31の図柄が、「スイカA」、「黒BAR」、「赤7」、「チェリー」、「青7」、又は「白BAR」のいずれかに設定されている。
さらにまた、ベル26〜ベル29については、中リール31の図柄は、「ベル」に設定されており、ベル30〜ベル33については、右リール31の図柄は、「ベル」に設定されている。
さらに、図14及び図15に示すように、ベル02〜ベル33の入賞時のメダル払出し枚数は、常に1枚に設定されている。
また、リプレイ(再遊技役)とは、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動ベットする)再遊技が行えるようにした役である。
本実施形態のリプレイは、ノーマルリプレイ、2種類のベルリプレイ、及び特殊リプレイを備え、それぞれ図柄の組合せが異なる。
ベルリプレイとは、実際の入賞役は「リプレイ」であるが、遊技者には小役であるベルに見せるようにしたリプレイである。
図13で示したように、有効ラインは、「中段」−「中段」−「中段」であり、その他の一直線状のラインは、いずれも無効ラインに設定されている。
そして、ベルリプレイ1の当選時には、中段ライン(有効ライン)には、ベルリプレイ1に対応する図柄の組合せを停止させる。
ベルリプレイ1の当選時に、たとえば「リプレイ(14番)」−「スイカA(18番)」−「リプレイ(04番)」が中段ラインに停止したとする。なお、かっこ書きで示す番号は、図12の図柄番号である。これにより、中段ラインには、ベルリプレイの図柄の組合せである「リプレイ」−「スイカA」−「リプレイ」が停止したこととなるのでベルリプレイの入賞となる。さらに、この図柄の組合せの停止時に、「上段」−「上段」−「上段」の無効ラインには、「ベル(15番)」−「ベル(19番)」−「ベル(05番)」、すなわちベル揃いが停止する。
なお、図12に示すように、中リール31の停止時に、中段に「スイカB」又は「白BAR」が停止しても、上段ラインには上記と同様に常にベル揃いが停止する。
上記と同様に、ベルリプレイ2の当選時に、中段ライン(有効ライン)に、ベルリプレイ2に対応する図柄の組合せである「リプレイ」−「ベル」−「スイカA/スイカB」を停止させると、右下がりライン、すなわち「上段」−「中段」−「下段」には、常に、「ベル」揃いが停止する。たとえば、中段ラインに、「リプレイ(09番)」−「ベル(14番)」−「スイカB(01番)」が停止したときは、「上段」−「中段」−「下段」のライン上には、「ベル(10番)」−「ベル(14番)」−「ベル(20番)」が停止する。
そして、ベルリプレイの入賞時には、有効ラインである中段ライン上の図柄ではなく、「ベル」の図柄を点滅する等して、「ベル」(小役)が入賞したかのような演出を出力する。
さらに、ベルリプレイの入賞時に、直ちにメダルの自動ベットを行うと、リプレイの入賞に見えてしまうため、ベルリプレイの入賞と同時にたとえばフリーズを実行する。
ここで「フリーズ」とは、遊技の進行を、所定期間一時停止状態にして、遅延させることであり、たとえば、メダルの受付け、ベットスイッチ40の操作の受付け、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42の操作の受付け(リール31の停止操作の受付け)に関する機能を一時停止状態にすることである。さらに、前記一時停止状態の間に、リール31が通常動作とは異なる動作をする等の演出期間として使用されることもある。この動作は、擬似遊技(広義には、リール演出)とも称される(擬似遊技については後述する)。
本実施形態では、ベルリプレイの入賞と同時にフリーズを開始するとともに、その経過時間を計測する。そして、所定時間(たとえば20秒)を経過する前にベットスイッチ40が操作されたときは、そのベットスイッチ40の操作を契機としてフリーズを解除(キャンセル)する。メイン制御基板60は、フリーズを解除すると、ベルリプレイの入賞に基づくメダルの自動ベットを行うように制御する。
よって、3枚のメダルをベットして遊技を行い、ベルリプレイが入賞したとき、その入賞時から20秒を経過する前に遊技者がベットスイッチ40を操作したときは、3枚のメダルが自動ベットされる。これにより、遊技者に対し、ベットスイッチ40の操作により3枚のメダルがベットされた印象を与えることができるので、ベルリプレイを、擬似的にベル(小役)に見せることができる。
また、フリーズの解除は、ベットスイッチ40の操作時に限らず、遊技者によるメダル投入口44からのメダルの手入れ時に行うことも可能である。
ベルリプレイの入賞時に、遊技者は、ベルリプレイを小役であると認識していれば、3枚のメダルがクレジットに加算されると考える。したがって、その3枚のクレジットを用いて、ベットスイッチ40の操作により、次遊技を開始できると考える。
さらに、小役の入賞後、次遊技の開始前(スタートスイッチ41を操作する前)に、メダルを手入れベットして遊技を行うことは、当然に可能である。ここで、ベルリプレイの入賞後、次遊技の開始前に、遊技者がメダルを手入れしたときに、そのメダルを受け付けずに、払出し口14から返却してしまうと、ベルリプレイを小役のように見せることができない。そこで、ベルリプレイの入賞時に、メダル投入口44からのメダルの手入れを検出したときに、フリーズを解除するとともに、そのメダルを受け付け、貯留するように制御する。
この場合、通路センサ46によりメダルが検知された時にフリーズを解除するとともに、ベルリプレイの入賞に基づくメダルの自動ベットを行う。さらに、手入れされたメダルについては、貯留処理を行う。なお、通路センサ46に限らず、投入センサ48a又は48bがメダルを検知したときにフリーズを解除してもよい。あるいは、スタートスイッチ41が操作されたときにフリーズを解除してもよい。
さらにまた、リプレイのうち、特殊リプレイは、ATを開始させるときに入賞させる(「赤7」揃いさせる)役である。特殊リプレイの当選時に、所定の押し順(本実施形態では、右中左)でストップスイッチ42を操作し、かつ、各リール31の「赤7」図柄を有効ラインに停止するように目押しすると、有効ライン上に「赤7」揃いが停止するように設定されている。
また、特別役は、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、図15に示すように、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)のみが設けられている。
なお、特別役としては、他に、1BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技に相当するMB遊技に移行する。
なお、上記の1BBやRBの入賞によってそれぞれ移行する1BB遊技及びRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
これに対し、本実施形態のMBは、MB遊技でメダルを増加させることを直接の目的としたものではなく、MBに当選した後、入賞前の遊技状態(内部中)を作り出すことを主目的とする。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役であるMBである。MBに当選したときは、MBが入賞するまでの遊技において、MBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
一方、MBの当選は持ち越されるのに対し、MB以外の小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが入賞可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、特別役(MB)に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役が入賞していない遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
説明を図4に戻す。
役抽選手段62bは、たとえば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数や、MPUに備えられている乱数生成回路等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数(ハードウェア乱数)や予め定められたランダムな数値順序(数列)に対してMPUに入力されるクロックの周期毎に更新する乱数(内蔵乱数)であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、役抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。たとえば、抽出した乱数値がMBの当選領域に属する場合は、MBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
なお、抽出した乱数を演算により加工して役抽選テーブルと照合してもよい。
役抽選テーブルは、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。役抽選テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
図16は、各遊技状態で抽選される当選役の種類を示す図である。
ここで、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技とを有する。通常遊技は、MBの非内部中遊技と内部中遊技とを有する。内部中遊技におけるリプレイの当選確率(合算値)は、約47%である。また、非内部中遊技におけるリプレイの当選確率(合算値)は内部中遊技よりも低く設定されている。このように内部中遊技におけるリプレイの当選確率が高い状態を内部中RTと称し、非内部中遊技におけるリプレイの当選確率が低い状態を非RTと称することもある。
また、非内部中遊技は、常に非ATであり、ATである場合はない。さらにまた、内部中遊技は、非ATであるときと、ATであるときとを有する。また、MB遊技は、上述のように特別遊技である。
そして、各遊技状態ごとに役抽選テーブルが設けられているとともに、図16に示すように、抽選される役の種類や当選確率が設定されている。
まず、非内部中遊技では、MBが抽選される。そして、MBに当選したときは、次遊技から内部中遊技に移行する。内部中遊技に移行すると、MBは抽選されない。
特別遊技以外の遊技状態では、リプレイの当選として、4種類を有する。
また、小役の当選の種類としては、第1に、複合ベルA1〜複合ベルD3の12種類を有し、いずれも複数種類のベルが重複当選するものである。そして、これらの各当選確率は1/24であり、合算の当選確率は1/2に設定されている。
内部中遊技は、複合ベル合算の当選確率が1/2、リプレイ合算の当選確率が約47%であり、他の小役の当選確率を含めると、非当選確率は、ほぼ「0」(極めて低確率)に設定される。
また、MB遊技では、すべての役の抽選が行われない。なお、リプレイについては抽選を行うことも可能である。後述するように、MB遊技では、すべての小役の当選フラグがオンとなり、いずれかの小役が入賞可能な遊技状態となる。
図17は、重複当選の種類、内容、及び押し順との関係を示す図である。
まず、リプレイ重複当選は、ノーマルリプレイと特殊リプレイとの重複当選である。そして、このリプレイ重複当選時には、右中左の押し順(逆押し)でストップスイッチ42が操作されると、特殊リプレイが入賞可能となる(本実施形態では常に入賞する)。一方、第一停止左又は中の押し順では、常にノーマルリプレイが入賞し、特殊リプレイは入賞しない。さらに、右左中の押し順では、右リール31の停止時に「赤7」が停止したときには特殊リプレイが入賞し、「赤7」が停止しなかったときはノーマルリプレイが入賞するように設定されている。
また、複合ベルA1〜D3は、いずれも、5種類のベル(ベル01〜ベル33のいずれか)の重複当選であり、いずれの複合ベルも、ベル01の当選を含む。
さらにまた、たとえば複合ベルA1では、ベル02及びベル03の当選を含むが、ベル02及びベル03の中リール31に係る図柄は、図14に示すようにそれぞれ「スイカA」と「黒BAR」である。
同様に、複合ベルA2では、ベル04及びベル05の当選を含むが、ベル04及びベル05の中リール31に係る図柄は、図14に示すようにそれぞれ「赤7」と「チェリー」である。
さらに同様に、複合ベルA3では、ベル06及びベル07の当選を含むが、ベル06及びベル07の中リール31に係る図柄は、図14に示すようにそれぞれ「青7」と「白BAR」である。
他の複合ベルについても上記と同様に、たとえば複合ベルB1においては、ベル08とベル09の中リール31の各図柄は、「スイカA」と「黒BAR」である。
また、図17に示すように、各複合ベルには、正解押し順が割り当てられている。
具体的には、複合ベルA1〜A3の正解押し順は、中左右であり、複合ベルB1〜B3の正解押し順は、中右左である。さらにまた、複合ベルC1〜C3の正解押し順は、右左中であり、複合ベルD1〜D3の正解押し順は、右中左である。
たとえば複合ベルA1では、中左右の押し順が正解押し順であり、他の5通りの押し順は不正解押し順となる。そして、正解押し順のときは、ベル01を常に入賞させる。これに対し、不正解押し順の場合において、順押し(左第一停止時。順挟みを含む。以下同じ。)のときは、ベル02又はベル03を入賞可能とし、変則押し(ここでは、中第一停止かつ右第二停止、又は右第一停止を指す。)のときは、ベル26又はベル27を入賞させる。
メインCPU62は、役抽選手段62bによる役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグのオン/オフを制御する。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ(RWM61の記憶領域の一部)を備える。そして、役抽選手段62bによる役の抽選においていずれかの当選となったときは、当該当選に対応する役の当選フラグをオンにする(当選フラグを立てる)。
たとえば、非内部中遊技において、複合ベルA1に当選したときは、ベル01、02、03、26、27(合計5個)に係る当選フラグがオンとなり、それ以外の役の当選フラグはオフとなる。
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグがオフにされる。
これに対し、MBの当選は持ち越されるので、当該遊技でMBに当選し、当選したMBに係る当選フラグが一旦オンになったときは、そのMBが入賞するまでオンの状態が維持され、そのMBが入賞した時点でオフにされる。
たとえば役抽選手段62bでMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかった場合において、次遊技(内部中遊技)で複合ベルA1に当選したときは、前遊技で当選したMB、及び当該遊技で当選したベル01、02、03、26、27(合計6個)の当選フラグがオンにされる。そして、この遊技でMBが入賞しなかったときは、MBの当選フラグのオンの状態は維持される。これに対し、当該遊技での遊技結果(入賞/非入賞)にかかわらず、当該遊技の終了時に複合ベルA1に係る5個の当選フラグはオフにされる。
なお、本実施形態における「遊技結果」とは、役抽選手段62bにより当選した当選役に対応したリール31の停止表示結果を指す。
図3において、リール制御手段62cは、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段62cは、役抽選手段62bにより役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグのオン/オフを参照して当選フラグのオン/オフに対応する停止位置決定テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
たとえば、リール制御手段62cは、少なくとも1つの当選フラグがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、MB遊技以外の遊技では、ストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が4コマに設定されている。
また、MB遊技中の左リール31については、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が75ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が1コマに設定されている。なお、MB遊技中の中及び右リール31については、上記と同様に190ms以内(最大移動コマ数が4コマ)に設定されている。
なお、本実施形態では、MB遊技中に75ms以内で停止するリール31を左リール31に定めたが、これに限らず、1又は2以上の任意のリール31に定めることができる。
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行う。
さらに、リール制御手段62cは、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号がリール制御手段62cに入力される。この信号を判別することで、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
さらに、本実施形態では、非AT中(後述するAT準備中を除く)は、最初に操作すべき(第一停止の)ストップスイッチ42は、左(順押し)と定めている(左第一停止指示)。ここで、中又は右第一停止(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときは、たとえば所定遊技回数の間、ペナルティ期間に設定するための条件としている。つまり、変則押しをしても必ずしもペナルティ期間に設定されるわけではない。たとえば、いずれかの複合ベルに当選し、かつ押し順正解となり、8枚の払出しとなったときにペナルティ期間に設定するようにする。しかし、変則押しを抑制するために、当選役等によらずにペナルティの押し順であることを、音、画像、ランプ等により警告報知している。
これにより、遊技者は、変則押し(第一停止が中又は右)の押し順報知が行われたとき以外は、常に左第一停止として遊技を消化する。
なお、AT中に押し順報知が行われた場合において、その報知内容が中又は右第一停止であるときはペナルティは設定されない。
また、変則押し時に設定するペナルティは、種々挙げられるが、本実施形態では、ペナルティ期間中は、AT抽選を遊技者にとって不利な確率で実行する(たとえば、後述する低確率よりもさらに不利な確率で実行する)こと、及び当選役の報知を行わないことに設定されている。
停止位置決定テーブルは、当選フラグのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段62bによる役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブルには、たとえば01番の図柄(左リール31であれば「スイカA」)が中段(有効ライン)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
停止位置決定テーブルは、以下のものを備える。
MBテーブルは、MBの当選フラグのみがオンであるとき、すなわち当該遊技でMBに当選したとき、又は当該遊技以前にMBに当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
本実施形態では、MBに係る図柄は、すべてのリール31において「ブランク」である(図15)。さらに、「ブランク」は、左及び右リール31では1個、中リール31には2個設けられている。したがって、遊技者は、「ブランク」が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42を操作しなければ、「ブランク」を有効ラインに停止させることはできない。
ここで、上記のように、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数の範囲内において停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
そして、「PB=1」は、その役について、全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてのみそのようになっている場合とを有する。
上述したように、第1実施形態では、最大移動コマ数は「4」であるので、5図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄を超える間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
さらに、本実施形態では、非内部中遊技におけるMB当選時の遊技、又はMB内部中遊技における役の非当選時の遊技、すなわちMBが入賞可能な遊技では、右中左の押し順でストップスイッチ42が操作されたときに限り、MBの入賞を許可する。それ以外の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、MBは入賞しない(役の非入賞となる)。
また、非内部中遊技におけるMB当選時の遊技は、常に非ATであるので、押し順報知が行われることはない。したがって、遊技者は、ペナルティとならないように左第一停止でストップスイッチ42を操作するので、当該遊技でMBが入賞することはない。
さらにまた、内部中遊技においても、非AT中は、左第一停止でストップスイッチ42を操作するので、当該遊技でMBが入賞することはない。
さらに、内部中遊技において、AT中であって、MBが入賞可能となった遊技では、左第一停止となる(ダミーの)押し順を報知する。これにより、MBの入賞を回避し、役の非当選時には、当選しているMBを入賞させないようにする。
また、MBの入賞を回避する方法として、たとえば、遊技者に対して所定の目押しを行わせることにより、当選しているMBの入賞を回避させる方法が挙げられる。たとえば、MBが入賞可能となった遊技では、左リール31について、「「赤7」を狙え!」等を報知し、左リール31の2番の「ブランク」が有効ラインに停止させないようにする報知を行うことが挙げられる。このとき、狙った「赤7」図柄を有効ライン上に停止するように制御してもよいし、無効ライン上に停止するように制御してもよい。
あるいは、左及び中リール31の停止時には何ら報知を行わず、「ブランク」−「ブランク」−「回転中」となってMBのテンパイ形を形成したときに限り、右リール31について報知を行う(たとえば、「「赤7」を狙え!」等)ことも考えられる。
これに反し、MBを入賞させてしまったときは、ペナルティを課すようにしてもよい。たとえば、MB遊技の終了後は、所定遊技回数の間、ATの抽選を行わないことが挙げられる。
複合ベルA1テーブルは、複合ベルA1の当選となったとき(ベル01、02、03、26、27の各当選フラグがオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順及び操作タイミングに応じて、当選したベルを入賞させる又は入賞可能となるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
また、複合ベルA2〜D3の当選となったときの停止位置決定テーブルとして、それぞれ複合ベルA2テーブル〜複合ベルD3テーブルが設けられている。
ここで、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合のリール31を停止制御する方法として、「枚数優先」と「個数優先」とが挙げられる。
「枚数優先」とは、重複当選している役のうち、払出し枚数の最も多い役に係る図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ように、リール31の停止位置を定めている。
一方、「個数優先」とは、リール31の停止時に、その図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能となる役の数が最も多くなるように、リール31の停止位置を定めている。
本実施形態では、複合ベルA1の当選時は、8枚役のベル01、1枚役のベル02及び03、同じく1枚役のベル26及び27の重複当選となる。
複合ベルの当選時は、8枚役のベル01と、1枚役の4種類のベルとの重複当選になることは、他の複合ベルについても同様である。
そして、本実施形態では、いずれかの複合ベル当選時において、ストップスイッチ42の押し順が正解押し順であるときは枚数優先に基づく停止制御を行い、押し順が不正解押し順であるときは個数優先に基づく停止制御を行う。
以下、複合ベルA1当選時を例に挙げ、停止制御について説明する。
図17に示すように、複合ベルA1では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段62cは、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから(6択押し順の場合には、第二停止で押し順正解が確定する)、リール制御手段62cは、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止するので、ベル01の入賞となり、通常遊技であれば8枚の払出しとなる。
一方、複合ベルA1当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル02又はベル03を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル02及び03に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に、「ベル」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は1個(ベル01)であるが、「リプレイ」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は2個(ベル02及び03)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」の図柄を有効ラインに停止させる。
なお、左リール31の「リプレイ」は、「PB=1」であるので、左ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず常に停止させることができる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「リプレイ」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル02に係る「スイカA」又はベル03に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。
ここで、図12に示すように、中リール31において、ベル02又はベル03に係る図柄である「スイカA」又は「黒BAR」は、17番及び18番に配置されている。
そして、たとえば17番の「黒BAR」を有効ラインに停止させるためには、13番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。
同様に、18番の「スイカA」を有効ラインに停止させるためには、14番〜18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA1当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、13番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」のみが有効ラインに停止可能であり、18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、18番の「スイカA」のみが有効ラインに停止可能である。一方、14番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」及び「スイカA」のいずれも有効ラインに停止可能である。
一方、17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」が有効ラインに停止可能なタイミング以外のタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」を有効ラインに停止させることができないので、その時点で、ベル02又はベル03の非入賞が確定する。
また、ベル02又はベル03の右リール31に係る図柄は、「赤7」であり、12番に配置されている。そして、右リール31において、12番の「赤7」を有効ラインに停止させるためには、08番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42を操作する必要がある。一方、12番の「赤7」を有効ラインに停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、その時点で、ベル02又はベル03の非入賞となる。
一方、中リール31の停止時には「スイカA」又は「黒BAR」が有効ラインに停止したが、右リール31の停止時には「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、右リール31の停止時には、有効ライン(中段)に「ベル」を停止させる。右リール31において、「ベル」は、5図柄以内の間隔で配置されているので、常に有効ラインに停止させることができる。
また、左リール31の停止時に有効ラインに「リプレイ」を停止させた後、中第二停止時に、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれも有効ラインに停止させることができないときは、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないことを条件に、どの図柄を有効ラインに停止させてもよい。
たとえば、中リール31の停止時には「ベル」を有効ライン(中段)に停止させることが挙げられる。
一方、この場合には、中リール31の停止時点で、複合ベルA1に係る当選役の非入賞が確定する。したがって、右リール31の停止時には、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しない限り、どのような図柄を有効ラインに停止させてもよいが、たとえば「リプレイ」を中段に停止させることが挙げられる。右リール31の「リプレイ」は、「PB=1」の図柄配置であるので、常に停止させることができる。これにより、複合ベルA1当選時において、中及び右リール31の双方を取りこぼしたときの役の非入賞時は、「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」となる。そして、この図柄の組合せを、複合ベル当選時の1枚ベル取りこぼし出目としてもよい。
なお、複合ベルA1当選時に、左中右の押し順であり、中リール31の停止時点で役の非入賞が確定したときは、右リール31の停止時に、たとえば複合ベルA1の当選役であるベル02又はベル03に係る「赤7」の図柄が有効ラインに停止可能であるときは、「赤7」を停止させてもよい。
また、複合ベルA1の当選時に、左右中の順(順挟み)でストップスイッチ42が操作されたときは、上述の左中右の押し順時と同様の停止制御を、中及び右リール31に対して行う。
一方、複合ベルA1当選時において、AT中は、正解押し順である「中左右」が報知され、かつ、非AT中は、左第一停止と定めている。したがって、一般には、非ATでは、「中右左」や、「右第一停止」の押し順は、想定されない。しかし、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等でそのような押し順となったときは、以下のように制御する。
まず、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、中リール31の停止時には有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、右第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて右リール31を停止する。右リール31の停止時に、「ベル」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル01(1個)となるが、「リプレイ」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル26又はベル27(2個)となる。よって、ベル26又はベル27の入賞を優先し、「リプレイ」を中段に停止させる。
そして、最後の左リール31の停止時には、ベル26に係る「スイカA」、又はベル27に係る「ブランク」を有効ラインに停止させる。
ここで、図12に示すように、左リール31においては、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、左リール31において、ベル26又はベル27に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、中右左の押し順では、常に、ベル26又はベル27を入賞させることができる。ただし、ベル26又はベル27は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
なお、非AT中において、複合ベルA1当選時に中右左の押し順でストップスイッチ42を操作したときは、ペナルティとなる。
次に、複合ベルA1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。そして、押し順不正解であるので、個数優先によりリール31を停止制御する。ここで、右リール31の停止時に中段に「赤7」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル02又はベル03の2個となり、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル26又はベル27の2個となる。このように、個数優先時に入賞可能性を有する役の数が同一となる場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。仮に、ベル02又はベル03を優先するのであれば、左第一停止時と同様に、各リール31を停止制御する。
これに対し、ベル26又はベル27を優先するのであれば、右リール31の停止時には「リプレイ」(右リール31では「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」又は「ブランク」を有効ラインに停止させ、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。これにより、右第一停止時には、上述の中右左の押し順時と同様の停止制御となり、「PB=1」でベル26又はベル27が入賞する。
次に、複合ベルA2当選時について説明する。複合ベルA2では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、有効ラインに「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止する。よって、個々のリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様となる。
一方、複合ベルA2当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル04又はベル05を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル04及びベル05に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に「ベル」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は1個(ベル01)となり、「リプレイ」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は2個(ベル04及びベル05)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「ベル」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル04に係る「赤7」又はベル05に係る「チェリー」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」又は「チェリー」を停止させる。
ここで、図12に示すように、中リール31において、ベル04又はベル05に係る図柄である「赤7」と「チェリー」は、それぞれ12番と11番に配置されている。
そして、「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させるためには、07番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA2当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、07番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、11番の「チェリー」のみが有効ラインに停止可能であり、12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、12番の「赤7」のみが有効ラインに停止可能である。一方、08番〜11番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「チェリー」及び「赤7」のいずれも有効ラインに停止可能である。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルA3当選時において、押し順正解時の停止制御は、複合ベルA1と同様である。また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル06又はベル07を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル06に係る「青7」又はベル07に係る「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」又は「白BAR」を停止させる。
ここで、図12に示すように、中リール31において、ベル06又はベル07に係る図柄である「青7」と「白BAR」は、それぞれ06番と03番に配置されている。
そして、「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させるためには、19番〜20番、又は01番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA3当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、19番〜20番、及び01番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」のみが停止可能であり、04番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、06番の「青7」のみが停止可能である。02番又は03番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」及び06番の「青7」のいずれの図柄も有効ラインに停止可能である。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルB1当選時において、正解押し順は、中右左であり、複合ベルB1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル08又はベル09を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル08に係る「スイカA」又はベル09に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル08又はベル09に係る図柄は「青7」であるので、図12中、07番の「青7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「青7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「青7」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルB1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「中左右」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル28又はベル29の入賞を優先するように制御する。これにより、ベル01よりもベル28又はベル29の入賞が優先されるので、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の右リール31については、「チェリー」又は「ブランク」を有効ラインに停止させる。図12に示すように、右リール31においては、5図柄以内の間隔で、「チェリー」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、右リール31において、ベル28又はベル29に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、複合ベルB1当選時の中左右の押し順では、常に、ベル28又はベル29を入賞させることができる。ただし、ベル28又はベル29は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、右第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するので、「青7」(ベル08又はベル09)、又は「チェリー」若しくは「ブランク」(ベル28又はベル29)を停止させる。
右第一停止時に「青7」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「スイカA」又は「黒BAR」を停止可能であるときは、これらのいずれかの図柄を停止させる。
また、右第一停止時に「チェリー」又は「ブランク」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「ベル」(PB=1)を停止させる。
複合ベルB2当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル10又はベル11と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルB3当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル12又はベル13と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルC1当選時において、正解押し順は、右左中であり、複合ベルC1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル14又はベル15を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル14に係る「スイカA」又はベル15に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル14又はベル15に係る図柄は「黒BAR」であるので、図12中、17番の「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「黒BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルC1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右中左」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、中第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて中リール31を停止する。すなわち、ベル30又はベル31の入賞を優先するように制御する。これにより、中リール31の停止時には「リプレイ」(中リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の左リール31については、「スイカA」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルC1当選時の右中左の押し順では、常に、ベル30又はベル31を入賞させることができる。ただし、ベル30又はベル31は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させると、その停止時点で入賞可能性のあるベルは、1つに絞られるが、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル30又はベル31の2個となる。よって、個数優先により、中第一停止時には「リプレイ」(「PB=1」)を停止させる。
そして、左リール31の停止時には「スイカA」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルC2当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル16又はベル17と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルC3当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル18又はベル19と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルD1当選時の正解押し順は、右中左であり、複合ベルD1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル20又はベル21を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル20に係る「スイカA」又はベル21に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル20又はベル21に係る図柄は「白BAR」であるので、図12中、02番の「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「白BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「白BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「白BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルD1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右左中」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル32又はベル33の入賞を優先するように制御する。これにより、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の中リール31については、「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルD1当選時の右左中の押し順(不正解時)では、常に、ベル32又はベル33を入賞させることができる。ただし、ベル32又はベル33は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、複合ベルD1当選時において、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」(ベル20)、「黒BAR」(ベル21)、「スイカB」(ベル32)、又は「ブランク」(ベル33)のいずれを停止させても、その停止時点で入賞可能性を有する役は、1個となる。
このような場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。たとえば、中第一停止時に、16番の「スイカB」が有効ラインを通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカB(16番)」、「黒BAR(17番)」、又は「スイカA(18番)」のいずれかを有効ラインに停止可能となる。
ここで、仮に、ベル20又はベル21を優先し、中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させたときは、左リール31は「PB=1」、右リール31は「PB≠1」となる。
これに対し、ベル32又はベル33を優先するのであれば、中リール31の停止時には「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」(「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルD2当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル22又はベル23と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルD3当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル24又はベル25と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
中チェリーテーブルは、中チェリーの当選となったときに用いられ、左リール31の停止時に、「チェリー」を有効ライン(中段)に停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、左リール31の「チェリー」の図柄は、「PB≠1」配置である。
また、中チェリーテーブルにおいては、中及び右リール31の停止時における図柄の制限は特にないが、たとえば「赤7」揃い、「青7」揃い、「黒BAR」揃い、「白BAR」揃い、「リプレイ」揃い、「ベル」揃い、「スイカ(A、B)」揃いが一直線状のラインに停止しないように制御する。
また、角チェリーテーブルは、角チェリーの当選となったときに用いられ、角チェリーに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
ここで、角チェリーである「黒BAR/赤7/青7」−「チェリー」−「黒BAR/赤7/青7」が有効ラインに停止すると、「下段」−「中段」−「上段」の無効ライン(右上がりライン)には、「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」、いわゆる3連チェリーが停止する。角チェリーの各リール31の図柄配置は、いずれも「PB≠1」である。
さらにまた、スイカテーブルは、スイカの当選となったときに用いられ、左リール31については「スイカA」を、中及び右リール31については「スイカB」を有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、左リール31の「スイカA」の図柄は、「PB=1」配置であり、中及び右リール31の「スイカB」の図柄は、「PB≠1」配置である。
次に、リプレイに係る停止位置決定テーブルについて説明する。
まず、ノーマルリプレイイテーブルは、ノーマルリプレイの当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ノーマルリプレイを入賞させるとともに、ノーマルリプレイ以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図12に示すように、すべてのリール31において、「リプレイ」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、ノーマルリプレイについては、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、ノーマルリプレイを常に入賞させることができる(PB=1)。
非内部中遊技及び内部中遊技のいずれも、ノーマルリプレイの当選時は、「PB=1」でノーマルリプレイが入賞する。
ベルリプレイ1テーブルは、ベルリプレイ1の当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ベルリプレイ1を入賞させるとともに、ベルリプレイ1以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。ベルリプレイ1の図柄の組合せは、図15に示すように、「リプレイ」−「スイカA/スイカB/白BAR」−「リプレイ」である。ここで、左及び右リール31の「リプレイ」は、上述したように「PB=1」の図柄配置である。
また、中リール31については、5図柄以内の間隔で、「スイカA」、「スイカB」、又は「白BAR」のいずれかが配置されている。これにより、これら3図柄の合算で「PB=1」となっている。したがって、ベルリプレイ1の当選時は、「PB=1」でベルリプレイ1が入賞する。
また、上述したように、ベルリプレイ1の入賞時には、「上段」−「上段」−「上段」の無効ラインに、「ベル」揃いとなる。
また、ベルリプレイ2テーブルは、ベルリプレイ2の当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ベルリプレイ2を入賞させるとともに、ベルリプレイ2以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。ベルリプレイ2の図柄の組合せは、図15に示すように、「リプレイ」−「ベル」−「スイカA/スイカB」である。ここで、左リール31の「リプレイ」及び中リール31の「ベル」は、上述したように「PB=1」の図柄配置である。
また、右リール31については、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「スイカB」のいずれかが配置されている。これにより、これら2図柄の合算で「PB=1」となっている。したがって、ベルリプレイ2の当選時は、「PB=1」でベルリプレイ2が入賞する。
また、上述したように、ベルリプレイ2の入賞時には、「上段」−「中段」−「下段」の無効ラインに「ベル」揃いとなる。
リプレイ重複テーブルは、ノーマルリプレイ及び特殊リプレイの重複当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が右第一停止のときは特殊リプレイを入賞させ、左又は中第一停止となる押し順ではノーマルリプレイを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
特に本実施形態では、ATを開始するときに、リプレイ重複当選となるのを待ち、リプレイ重複当選となった遊技において、右中左の押し順でストップスイッチ42を操作すべきこと及び「赤7」図柄を狙うべきことを遊技者に報知する。
ここで、右第一停止時に12番の「赤7」を狙い、中第二停止時に12番の「赤7」を狙い、さらに左第三停止時に13番の「赤7」を狙うと、有効ライン上に「赤7」揃いとなる特殊リプレイが停止する。一方、右第一停止、中第二停止の押し順において、右及び中リール31の停止時に「赤7」を停止させることができないときは、それぞれ「リプレイ」を停止させる。さらに右第一停止の押し順において、左リール31の停止時に「赤7」を停止させることができないときは「ベル」を停止させる。
一方、左又は中第一停止となる押し順ではノーマルリプレイテーブルを用いて各リール31を停止させる。
なお、右第一停止の押し順をした場合において、遊技者の目押しミスにより、「赤7」揃いを取りこぼしても、特殊リプレイの図柄は、全リール31で「PB=1」の配置であるので、特殊リプレイ当選時には常に特殊リプレイが入賞する。
MBの当選を持ち越しているとき(内部中)にいずれかの小役又はリプレイに当選したときは、以下の停止位置決定テーブルを用いてリール31を停止制御する。
先ず、内部中遊技のリプレイ当選時は、リプレイの入賞を優先する停止位置決定テーブルが用いられる。そして、リプレイは、上述したように、常に入賞するので(PB=1)、内部中遊技におけるリプレイの当選時は、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技における複合ベル当選時は、ベルの入賞を優先し、ベルを入賞させることができないときは、当選を持ちしているMBを入賞させる停止位置決定テーブルが用いられる。
まず、内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順正解時には、常にベル01を入賞させる停止位置決定テーブルが用いられる。したがって、内部中遊技における複合ベル当選時かつ押し順正解時は、「PB=1」でベル01が常に入賞し、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時(第一停止左時)には、1枚ベルを入賞させることを優先し、MBが入賞する場合はない。
上述したように、複合ベル当選時の押し順不正解時において、第一停止左時は、常に、中段に「リプレイ」が停止する。これに対し、MBの左リール31の図柄は、「ブランク」であるから、左第一停止時点でMBの非入賞が確定する。したがって、MBの内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時、かつベル取りこぼし時であっても、MBが入賞する場合はない。
なお、ベル29については、右リール31の図柄がMBと同一の「ブランク」である。そして、複合ベルB1〜B3の当選時には、ベル29の当選を含む。このため、複合ベルB1〜B3のいずれかの当選時に、右第一停止時(押し順不正解時)には、右リール31の「ブランク」が有効ラインに停止する場合がある。しかし、ベル29の左リール31の「スイカA」、中リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」の配置であるので、常にベル29が有効ラインに停止する。よって、MBが入賞する場合はない。
さらに、複合ベルD1〜D3の当選時において、中第一停止時(押し順不正解時)には、ベル33の「ブランク」を停止させる場合がある。しかし、ベル33の左リール31の「スイカA」及び右リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」配置であるので、ベル33が常に入賞する。したがって、この場合にもMBが入賞する場合はない。
MB遊技中テーブルは、MB遊技中において役の抽選が一切行われないか、又は役(たとえば、リプレイ)の抽選が行われる場合にあっては当該役に当選していないときに用いられ、全小役の当選フラグがオンとなり、リール31の停止制御の範囲内において、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
本実施形態では、左リール31については75ms以内(最大移動コマ数が1コマ)の停止制御、中及び右リール31については190ms(4コマ以内)の停止制御が行われる。
さらに、MB遊技中は、どのような小役を入賞させるように制御してもよいが、本実施形態では、ベル01を入賞させるように制御する。
非当選テーブルは、すべての当選フラグがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図3において、メインCPU62の入賞判定手段62dは、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。入賞判定手段62dは、たとえばリールセンサ39がインデックスを検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。ただし、入賞判定手段62dは、ストップスイッチ42が操作され、リール31の停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
払出し手段62eは、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したと判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出す。払出しは、上述したように、貯留枚数として加算するか、又は貯留枚数が「50」を超えるときは実際にメダルを払出し口14から払い出す。メダルを実際に払い出すときは、ホッパーモータ36を駆動制御して、所定枚数のメダルを払い出す。メダルの払出し時には、払い出されたメダルを払出しセンサ37a及び37bにより検知し、正しく払い出されたか否かをチェックする。
コマンド制御手段62fは、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に対し、各種のコマンド(情報)を送信する手段である。送信される情報としては、設定変更処理を開始した旨を示す情報、設定変更処理を終了した旨を示す情報、異常(エラー)が発生した旨の情報、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中、内部中、MB遊技中)の情報、フリーズに関する情報等が挙げられる。
また、図3において、メイン制御基板60は、外部集中端子板100と電気的に接続されている。そして、メインCPU62は、ATを実行することに決定されたときに、外部集中端子板100に対して外部信号(ATに係る信号)を送信する。その外部信号は、たとえば外部集中端子板100から、スロットマシン10上に設けられたホールの遊技情報表示装置や、ホールコンピュータ等に送信される。
なお、外部信号は、上述したように出力ポート6(図5)から出力される。
本実施形態では、メインCPU62は、ATの開始時、すなわち特殊リプレイの入賞時に外部信号を送信する。なお、これに限らず、AT当選時から、そのAT終了時までの間において、どのタイミングで外部信号を送信してもよい。たとえば、他の例として、リプレイ重複当選時に特定の操作順番(たとえば、右中左)で操作されたとき、RT状態が移行したとき、AT当選時(レア役に当選し、かつAT抽選で当選したとき)、前兆中、前兆終了時、AT準備中の開始時、ATの最初の遊技開始時等が挙げられる。
また、複合ベル当選時に、3連続で正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、AT中であると判断し、外部信号(AT開始時の信号)を送信することができる。さらに、複合ベル当選時に、3連続で不正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときや複合ベルに所定回数当選したときは、ATが終了したと判断し、外部信号(AT終了時の信号)を送信することができる。
以上説明したように、遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口44からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、リール制御手段62cは、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓13内で上下方向に移動表示される。また、スタートスイッチ41が操作されると、役抽選手段62bは、役の抽選を行う。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、リール制御手段62cは、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
図3において、サブ制御基板は、本実施形態では、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90とを備える。サブ制御基板は、遊技中及び遊技待機中における演出(情報)の選択や出力等を制御するものである。
第1サブ制御基板80及び第2サブ制御基板90は、メイン制御基板60の下位に属する制御基板である。そして、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80とは電気的に接続されており、メイン制御基板60のメインCPU62内にあるシリアル通信回路により、第1サブ制御基板80に一方向で演出等に必要な情報(信号、データ、制御コマンド等)を送信する。
なお、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、シリアル通信に限らず、パラレル通信であってもよく、シリアル通信とパラレル通信とを併用してもよい。
さらに、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90とは、第1サブ制御基板80内に設けられた第1サブCPU82と、第2サブ制御基板90内に設けられた第2サブCPU92とにそれぞれ設けられたシリアル通信回路により、双方向通信を行う。すなわち、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に対して必要な情報を送信するとともに、第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80に対して必要な情報(チェックサム等)を送信する。
なお、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90との間の接続についても、上記と同様に、電気的接続に限らず、光通信接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、シリアル通信に限らず、パラレル通信であってもよい。
第1サブ制御基板80に接続される演出用の周辺機器(プッシュボタン83及び十字キー84)とは、入力ポート又は出力ポート(図4では図示を省略する)を介して電気的に接続されている。プッシュボタン83及び十字キー84は、遊技者が意図する情報を表示させたりするときや、ホール管理者(店長等)が各種の設定を変更するとき等に用いられる。
また、メイン制御基板60と同様に、第1サブ制御基板80は、RWM81、及び第1サブCPU82等を備える。
ここで、第1サブ制御基板80上には、RWM81、第1サブCPU82、及びROMを含むMPUが搭載される。さらに、MPU内蔵のRWMとは別個に、MPUの外部(第1サブ制御基板80上)にRWMが搭載される。また、MPUの外部にROMを設けることも可能である。このため、RWM81というときは、MPU内蔵のRWM、外部RWM、ROM(内部/外部)を含む意味で使用する。
RWM(サブメインメモリ)81は、第1サブCPU82が演出を制御するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM(サブメインROM)は、演出用データとして、AT(サブボーナスを含む)の抽選を行うとき等のプログラムや各種データ等を記憶しておく記憶媒体である。
上述したように、
第1サブ制御基板80は、当選役及び遊技状態等に応じて、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を抽選によって決定する。
そして、第1サブ制御基板80のコマンド制御手段82bは、決定した演出内容に係るコマンドを第2サブ制御基板90に送信する。
第1サブCPU82は、AT制御手段82aを備える。このAT制御手段82aは、所定のプログラムに従って、遊技回数や当選役等に基づいて、AT(サブボーナス)等に関する抽選を実行する。
本実施形態では、第1サブ制御基板80により制御されるサブ内部状態として、非AT、AT準備中、ATを備える。
ここで、「AT」とは、ストップスイッチ42の操作態様に応じて、当該遊技の遊技結果又はその後の遊技において有利/不利が生じる役(単独及び重複の双方を含む)に当選したときに、遊技者にとって最も有利となるストップスイッチ42の操作態様を遊技者に対して報知する遊技(報知遊技)をいう。特に本実施形態では、上述した複合ベル当選時に、正解押し順(8枚の払出しとなる押し順)を報知する遊技である。
非AT中は、基本的には複合ベル当選時に正解押し順を報知しない。さらに、非AT中は、左第一停止指示であり、変則押し(中又は右第一停止)はペナルティとなる。これにより、非AT中に左第一停止を遵守して遊技を行う限り、複合ベル当選時に正解押し順となる場合はない。そして、非AT中は、複合ベル当選時の中及び右リール31の停止時には、偶然に、当該遊技で当選しているベルに係る図柄の組合せを構成する図柄を有効ラインに停止可能な操作タイミングでストップスイッチ42を操作すれば、1枚ベルを入賞させることは可能である。
よって、AT中は、複合ベル当選時に8枚の払出しとなるベル01を入賞させることができるが、非AT中は、偶然で1枚の払出しとなるベル02〜ベル25を入賞させることができるだけである。したがって、AT中は、非AT中よりも、メダル払出し枚数の期待値が高くなる。
なお、AT中等、ストップスイッチ42の正解押し順を報知した遊技では、その報知に従って変則押しを行ったとしても、ペナルティになることはない。
非ATは、ATに当選する確率が異なる低確率、通常確率、及び高確率を備える。さらに、これら低確率、通常確率、高確率中にATに当選すると、ATに当選しているがATの開始前の遊技期間である前兆に移行する。この前兆中において、ATに当選していることが遊技者に報知される。
また、前兆の終了後、AT開始時(特殊リプレイ入賞時)までの間の期間は、AT準備中となる。
さらにまた、ATは、ATの遊技回数が上乗せされる期待値が異なる通常確率と高確率とを備える。ここで、ATの遊技回数(総じて、「AT実行可能数」ともいう。)とは、AT期間のゲーム数、AT期間中に払い出される払出し枚数、複合ベル当選時に報知を行う報知回数(ナビ回数ともいう)、投入枚数と払出し枚数との差枚数等を指す。
これらの内部状態の移行は、当該遊技における当選役によって行われる。また、一つの内部状態から他の内部状態に移行するときは、前記一つの内部状態における遊技終了時(全リール31が停止して当該遊技の遊技結果を表示した時)に行われる。
本実施形態では、内部状態のうち、前兆に移行することに決定したときが、ATの当選に相当する。
内部状態において、非AT(ATに当選している前兆を除く。)では、低確率、通常確率、高確率間を移行する。たとえば、中チェリー当選時、角チェリー当選時、スイカ当選時に、それぞれ、その当選時における内部状態に応じて、所定の確率で、遊技者に有利となる内部状態(たとえば、低確率から通常確率への移行)に移行する。また、リプレイ当選時に、所定の確率で、遊技者に不利となる内部状態(たとえば、高確率から低確率への移行)に移行する。
AT制御手段82aは、AT抽選において前兆に移行することに決定したときは、前兆の遊技回数を、「1」〜「32」の範囲内において抽選で決定し、カウンターにその値をセットする。そして、カウンター値を毎遊技「1」ずつ減算し、「0」となったときは、前兆を終了してAT準備中に移行する。
なお、一旦前兆に移行したときは、前兆から、低確、通常確率、又は高確率に移行する場合はない。また、ATに当選したときや天井ゲーム数に到達したときは、その時点でAT確定である旨を報知し、前兆を経由せずに(前兆の遊技回数を「0」にして)AT準備中としてもよい。
また、前兆の終了時は、AT確定演出を表示し、リプレイ重複当選となるまで待機する。したがって、前兆の終了後、リプレイ重複当選となるまでの遊技がAT準備中となる。
AT準備中に複合ベルに当選したときは、正解押し順を報知する。そして、リプレイ重複当選となったときは、上述したように、逆押しし、かつ「赤7」を狙うべき旨の演出を出力する。当該遊技では、「赤7」揃いであるか否かにかかわらず常に特殊リプレイが入賞する。そして、特殊リプレイの入賞時には、ATを開始する旨の演出を出力し、その次遊技からATを開始する。
なお、本実施形態のようにAT準備中を設けなくてもよい。たとえば、前兆の残り遊技回数が「0」となったときは、次遊技からATを開始することも可能である。
また、AT準備中での差枚数が過多となるとき(たとえば、AT準備中で、リプレイ重複当選にならずに複合ベルの当選が続いたとき)には、複合ベル当選時に報知と非報知とを繰り返すことで、AT準備中の差枚数を調整するように制御してもよい。
なお、ATに当選していない非AT(報知なし時)において、リプレイ重複当選時に遊技者が逆押しをし、特殊リプレイを入賞させても、AT制御手段82aは、ATを開始しない。また、次遊技から、ペナルティ期間を設定することもできる。
ATを開始した後、ATの終了条件としては、種々挙げられる。たとえば、
(1)遊技回数が所定回数(たとえば初期遊技回数を「50」とし、この「50」に「N」が上乗せされた場合には、「50+N」)に到達したとき
(2)払出し枚数又は差枚数(払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)が所定枚数(たとえば、300枚)に到達したとき
(3)複合ベル当選回数(正解押し順時)が所定回数(たとえば40回)に到達したとき
が挙げられる。
なお、ATの初期値は、たとえば遊技回数によってATの終了条件を定めるときは、「50」のように固定する場合と、「50」、「60」又は「70」の中から抽選で選択する方法がある。そして、ATの初期遊技回数を抽選で決定する場合の決定タイミングは、AT当選時、前兆終了時、AT開始時(特殊リプレイ入賞時)等、種々設定することが可能である。
また、AT中は、内部状態として、通常確率と高確率とを有する。たとえば第1に、ATの開始時は常に通常確率に設定する方法と、ATを開始するまでに、ATの初期内部状態を通常確率とするか高確率とするかを抽選で決定する方法とが挙げられる。
本実施形形態では、AT中にレア小役であるチェリー又はスイカに当選したときには、ATの上乗せ抽選を行う。そして、通常確率よりも高確率の方が、上乗せされる確率が高く、かつ遊技回数が多くなるように設定する。
たとえば、ATの終了条件を遊技回数とし、遊技回数の初期値を「50」に設定する。そして、チェリー又はスイカ当選時に、遊技回数を上乗せするか否か、及び上乗せ遊技回数を抽選で決定する。上乗せ遊技回数を決定したときは、その時点でのATの残り遊技回数に上乗せ遊技回数を加算する処理を行う。
また、特殊リプレイとノーマルリプレイの重複当選時に、第1サブ制御基板80の遊技状態に基づいて、特殊リプレイが入賞する押し順を報知する(いいかえると、「赤7」揃いが可能となる)か否かを決定し、特殊リプレイが入賞する押し順を報知した遊技において上乗せ遊技回数を加算することもできる。この場合、上乗せ遊技回数は、役抽選の結果よりも、第1サブ制御基板80の遊技状態に大きく依存することとなるスロットマシン10を提供することができる。
また、AT中における通常確率と高確率の移行は、役の抽選結果や、役抽選とは別個に行う抽選で行うことが挙げられる。
役抽選結果に基づいて内部状態を移行する場合、たとえば、通常確率中は、中チェリー当選時の70%、角チェリー当選時の20%、スイカ当選時の40%で高確率に移行することが挙げられる。
また、高確率中は、リプレイ当選時の10%で通常確率に移行することが挙げられる。
また、第1サブCPU82は、コマンド制御手段82bを備える。コマンド制御手段82bは、後述するように、第2サブ制御基板90に対し、画像表示や音声出力等に必要な制御コマンドや認証コマンド等を所定のタイミングで送信する。
第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80のさらに下位に属する制御基板である。第1サブ制御基板80を、サブメイン基板と称し、第2サブ制御基板90をサブサブ制御基板と称する場合もある。
また、第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80と同様に、RWM91及び第2サブCPU92を備える。
ここで、第2サブ制御基板90上には、RWM91、第2サブCPU92、及びROMを含むMPUが搭載される。さらに、MPU内蔵のRWMとは別個に、MPUの外部(第2サブ制御基板90上)にRWMが搭載される。また、MPUの外部にROMを設けることも可能である。このため、RWM91というときは、MPU内蔵のRWM、外部RWM、ROM(内部/外部)を含む意味で使用する。
RWM(サブサブメモリ)91は、第2サブCPU92が各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM(サブサブROM)は、演出ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23から出力する演出用データ(演出パターン等)を記憶しておく記憶媒体である。
第2サブCPU92は、所定のプログラムに従って、演出の実行を行う。
ここで、第2サブCPU92は、コマンド制御手段92a及び出力制御手段92bを備える。
コマンド制御手段92aは、第1サブ制御基板80から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて所定の処理、例えばチェックサムを第1サブ制御基板80に送信すること等を実行する。
また、出力制御手段92bは、第1サブ制御基板80から送信されたコマンドに基づいて演出を選択し、演出用の周辺機器から各種の演出を出力するように制御する。
また、第2サブ制御基板90の出力ポート(図3では図示せず)には、演出ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出用の周辺機器が電気的に接続されている。
演出ランプ21は、たとえばLED等からなり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、演出ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ、リール31の上部からリール31上の図柄を照光する蛍光灯、スロットマシン10のフロントカバー11前面に配置され、役の入賞時等に点滅する枠ランプ21(図1参照)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(フリーズ中の演出画像、AT中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報(AT中の遊技回数や獲得枚数等)等を表示するものである。
スロットマシン10におけるスピーカ22及び画像表示装置23の配置は、図1等で説明した通りである。
続いて、メイン制御基板60(メインCPU62)による情報処理について、フローチャートに基づき説明する。
本実施形態において説明するメイン制御基板60による情報処理は、以下の図18〜図44である。以下に、各図の処理概要を示す。
図18;メインループ(M_MAIN)
図19;遊技開始セット(MS_GAME_SET)
図20;遊技状態セット(MS_ACTION_SET)
図21;遊技状態出力(MS_STATUS_OUT)
図22;メダル受付け開始(MS_MEDAL_START )
図23;メダルの読み込み(S_PLAYM_READ)
図24;貯留枚数読み込み(S_CREDIT_READ )
図25;ブロッカオン(MS_BLOCKER_ON )
図26;制御コマンドセット1(S_CMD_SET )
図27;制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)
図28;メダル1枚の加算(MS_MEDAL_INC)
図29;メダル限界枚数のセット(MS_MMAX_SET )
図30;メダル管理(MS_MEDAL_CHK)
図31及び図32;メダルの手入れ時のチェック(MS_INSERT_CHK )
図33;ブロッカオフ(MS_BLOCKER_OFF)
図35;貯留枚数1枚加算(MS_CREDIT_ADD )
図36;貯留ベット処理(MS_BET_IN )
図37;貯留枚数から1枚を減算する処理(MS_CREDIT_DEC )
図38;精算処理(MS_MEDAL_RET)
図39;貯留メダルの精算処理(MS_CREDIT_RET )
図40及び図41;メダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )
図42;スタートスイッチ受付け(MS_START_CTL)
図43;割込み処理(I_INTR)
図44;制御コマンド送信(IS_CMD_OUT)
図18は、本実施形態におけるメインループ(M_MAIN)処理を示すフローチャートである。
そして、このメインループの処理中に、2.235msごとに割込み処理(図43)を行う。
図18において、ステップS101では、スタックポインタをセットする。ここで、スタックポインタとは、電断が生じた場合に、電断発生時のデータ(例えば、レジスタ値、割込み処理前のメインループの命令処理等)を保存するRWM61の領域を指し、スタックポインタのセットとは、そのRWM61の領域において、レジスタ値を初期値にセットする処理である。
次のステップS102では、遊技開始セット処理(MS_GAME_SET )を行う。ステップS102に進むと、後述する図19の処理に移行する。
次のステップS103ではベットメダルの読み込み(S_PLAYM_READ)を行う。この処理は、現時点においてベットされているメダル枚数が何枚であるかを読み込む処理であり、貯留枚数の読み込みとは異なる。このベットメダルの読み込み処理については後述する(図23)。
次のステップS104では、ステップS103で読み込んだベット枚数に基づき、ベットメダルの有無を判断する。
ステップS104でベットメダルあり(後述するゼロフラグが「0」)と判断したときはステップS106に進み、ベットメダルなし(ゼロフラグが「1」)と判断したときはステップS105に進んでメダル投入待ち処理を行い、ステップS106に進む。
ステップS106では、投入されたメダルの管理処理(MS_MEDAL_CHK)を行う。ステップS106に進むと、後述する図30の処理に移行する。
次のステップS107では、ソフト乱数の更新処理を行う。この処理は、役抽選手段62bで使用する乱数(ハード乱数、又は内蔵乱数)に加工(演算処理)するための加工用乱数を更新(たとえば「1」ずつ加算)する処理である。ソフト乱数は、0〜65535の範囲を有する16ビット乱数である。なお、更新方法として、更新前の値に、割込みカウント値(割込み時にインクリメントされるカウント値(変数))を加算する処理を実行してもよい。
次のステップS108では、メイン制御基板60は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、ステップS109に進み、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS103に戻る。なお、スタートスイッチ41が操作された場合であっても、ベット数が当該遊技の規定数に達していないときは、ステップS108で「No」と判断される。また、規定数に達しているときは、スタートスイッチ受付け許可フラグをオンにする。
ステップS109では、スタートスイッチ受付け時の処理(MS_START_CTL)を実行するステップS109に進むと、後述する図42の処理に移行する。
ステップS110では、役抽選手段62bは、スタートスイッチ41が操作されたタイミングで、すなわちスタートスイッチ41の操作信号の受信時に、役の抽選を実行する。なお、役抽選時の乱数値はステップS109で取得する。そして、ステップS110において、取得した乱数値が、いずれかの当選役に該当する乱数値であるか否かを役抽選テーブルを用いて判定する処理を行う。
次のステップS111では、リール制御手段62cは、リール31の回転を開始する。次にステップS112に進み、リール31の停止受付けをチェックする。ここでは、ストップスイッチ42の操作信号を受信したか否かを検知し、操作信号を受信したときは、役の抽選結果とリール31の位置とに基づいてリール31の停止位置を決定し、その決定した位置にリール31を停止させるように制御する。
次のステップS113では、リール制御手段62cは、全リール31が停止したか否かをチェックし、ステップS114に進む。ステップS114では、全リール31が停止したか否かを判断し、全リール31が停止したと判断したときはステップS115に進み、全リール31が停止していないと判断したときはステップS112に戻る。
ステップS115では、図柄の表示判定を行う。ここでは、入賞判定手段62dにより、有効ラインに、役に対応する図柄の組合せが停止したか否かを判断する。次にステップS116に進み、図柄の表示エラーが発生したか否かを判断する。図柄の表示エラーが発生したと判断したときはステップS121に進み、表示エラーが発生していないと判断したときはステップS117に進む。
ここで、リール31の停止は、停止位置決定テーブルに基づき実行されるので、通常は、停止位置決定テーブルで定められた位置以外の位置でリール31が停止する場合はない。しかし、図柄の表示判定の結果、有効ライン上に、本来表示されてはいけない図柄(蹴飛ばし図柄)が表示されたときは、異常であると判定し、ステップS121に進んだときは、復帰不可能エラー処理を実行する。この図柄組合せ異常エラーは、「E5」エラーと称し、獲得数表示LED72に「E5」と表示し、メイン処理を停止する。
なお、復帰不可能エラー(後述する復帰不可能エラーも同様)の発生時に、それを解除するためには、電源のオン/オフと、設定値の再設定が必要となる。復帰不可能エラーの発生時には、電源をオフにし、設定キーを差し込んで90度時計回りに回転させ、電源をオンにする。これにより、RWMの所定範囲(設定値情報、RT情報、当選役情報)がクリアされる。そして、設定値を設定し、他のエラーがなければ、復帰処理が行われる。
一方、後述する満杯エラー等の復帰可能エラーの発生時は、エラー内容を表示して処理を停止するが(たとえば図31のステップS239等)、ホール店員がエラー解除操作を実行し、リセットスイッチ53を操作すると、エラーが解除されたか否かを判断して、エラーが解除されたと判断したときは、処理を再開する。
次にステップS117では、役の入賞があったときは、払出し手段62eは、入賞役に対応するメダルの払出しを行う。次にステップS118に進み、メイン制御基板60は、遊技終了チェックを行う。この処理は、当選役フラグ(RWM61)のクリア、ストップスイッチ42の押し順判定処理、ウェイトのセット、フリーズを行う場合にフリーズ状態の移行処理、外部信号を送信する場合の外部信号データの生成処理等を実行する処理である。なお、作動状態フラグ(図10)は、当該遊技の開始時(役抽選後)に、当選役に応じてオンとなり、このステップS118においてオフにされる。
また、ステップS118では、入力ポート2のD5ビットである満杯センサ38の信号を判断し、オンであるときは、満杯エラーを表示する。満杯エラーは、本実施形態では「FEエラー」と称し、獲得数表示LED72に「FE」と表示する。
次のステップS119では、遊技終了時の出力要求をセットする。この処理は、1遊技が終了した旨を第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。
ここで、「出力要求セット」は、以下に説明する処理においてもしばしば実行されるものであるが、このステップS119と同様に、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドをセットする処理を意味する。また、ここでの制御コマンドは、実際に送信するコマンドのみを意味しているものではなく、実際に送信するコマンドの元となるコマンドも意味している。
次にステップS120に進み、メインCPU62は、制御コマンドセット1を実行する。この処理は、制御コマンドバッファ(RWM61)に、第1サブ制御基板80に送信する制御コマンドデータを記憶する処理である。
ここで、「制御コマンドセット1」は、以下に説明する処理においてもしばしば実行されるものであり、このステップS120と同様に、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドを記憶する処理を意味する。
本実施形態では、制御コマンドデータは、第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータからなり、出力要求に応じて、異なる第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータが送信される。
そして、ステップS120の処理を終了すると、再度、ステップS100に戻る。
図19は、図18のステップS102における遊技開始セット(MS_GAME_SET )を示すフローチャートである。
まず、ステップS122では、遊技待機表示時間をセットする。本実施形態では、遊技待機表示時間としては、「26846」割込み(≒60000ms、すなわち約60秒(1分))をセットする。このステップS121で遊技待機表示時間がセットされると、この時点から割込み回数がカウント(減算)される。
遊技待機表示時間が「0」となると、図18のステップS105においてメダル払出し枚数データをクリアする(図11中、「_NB_PAY_MEDAL 」を「0」にする処理)。つまり、獲得数表示LED72に「00」が表示される。たとえば、前回遊技に払い出されたメダル枚数が「8」枚であり、かつ、遊技者が精算スイッチ43の操作により精算し、遊技を終了したとしても、約1分後には「00」が表示される。これにより、ホールの店員や別の遊技者が空き台として認識できることにより空き台を減少させることができるという効果を有する。
次のステップS123では、メイン制御基板60は、遊技状態のセット処理(MS_ACTION_SET )を行う(図20)。
図20は、図19のステップS123における遊技状態のセット処理(MS_ACTION_SET )を示すフローチャートである。この処理は、遊技の開始前に前回遊技の結果に基づきリプレイ作動時やMB遊技、CB遊技であるときにはその状態をセットする処理である。
まず、ステップS124では、図柄組合せ表示フラグのデータを取得する。この処理では、前遊技でのリール31の停止後における有効ライン上の図柄組合せ、すなわち入賞役に関するデータをRWM61からレジスタに記憶する処理である。次のステップS125では、作動状態フラグを生成する。たとえばリプレイの入賞時には、ステップS124で記憶したデータに基づいてリプレイに係る作動状態フラグを生成する。次のステップS126では、作動状態フラグの更新及び保存を行う。すなわち、それまでの作動状態フラグに代えて、ステップS125で生成した作動状態フラグに置き換える(図10中、「_FL_ACTION」のD0ビットを「1」にする処理)。そして、その作動状態フラグを保存(記憶)する。
次のステップS127では、ステップS124で取得した図柄フラグデータに基づいて、リプレイの図柄の組合せが表示されたか(リプレイが入賞したか)否かを判断する。リプレイの図柄の組合せが表示されたと判断したときはステップS128に進み、表示されていなと判断したときはステップS130に進む。
ステップS128では、メイン制御基板60は、ベットメダルの読み込みを行う(図23)。この処理は、前回遊技でベットされていたメダル枚数を読み込む処理である。次にステップS129に進み、自動ベット数データをセットする。この処理は、自動ベット数を記憶した「_NB_REP_MEDAL (図11)」のデータを更新する処理である。そして、ステップS130に進み、遊技状態出力処理(MS_STATUS_OUT )に移行する。
図21は、図20のステップS130における遊技状態出力処理(MS_STATUS_OUT )を示すフローチャートである。この処理は、第1サブ制御基板80に対し、遊技状態に係るコマンドを送信する処理である。
まず、ステップS131では、作動状態の出力要求をセットする。次のステップS132では、制御コマンドセット1を実行する。具体的には、リプレイが作動したことやMBが作動したことを示す情報を第1サブ制御基板80に送信する。なお、図示していないが、今回遊技の設定値に関する情報や、今回遊技のRT状態に関する情報等も送信している。そして、ステップS133のメダル受付け開始処理(MS_MEDAL_START)に移行する。
図22は、図21のステップS133におけるメダル受付け開始(MS_MEDAL_START)を示すフローチャートである。
まず、ステップS134では、ベットダル枚数のデータをクリアする。すなわち、前遊技におけるベット枚数をクリアする処理である。具体的には、メダルベット枚数データ(図11;_NB_PLAY_MEDAL)の値を「0」にする処理を行う。
次にステップS135に進み、投入枚数表示LEDを消灯する処理を行う。具体的には、投入枚数表示LED信号データ(図11;_PT_MEDAL_LED )のD5〜D7ビットを「0」にする処理を行う。
次のステップS136では、メダル管理フラグの初期化を行う。具体的には、メダル管理フラグ(図10;_FL_MEDAL_STS)のD0、D2〜D4、D6、及びD7ビットを「0」にする処理を行う。
次のステップS137では、メイン制御基板60は、作動状態フラグをチェックする。ここで作動状態フラグをチェックするのは、次のステップS138において、リプレイ作動時であるか否かを判断するためである。本実施形態では、ステップS138では、作動状態フラグ(図10;_FL_ACTION)のD0ビット(リプレイ)の値を読み込む。
次にステップS138に進み、ステップS137における読み込みに基づいて、リプレイ作動時であるか否か、すなわちD0ビットが「1」であるか否かを判断する。D0ビットが「1」、すなわちリプレイ作動時であると判断したときはステップS139に進み、リプレイ作動時でないと判断したときはステップS149に進む。
リプレイ作動時でないと判断され、ステップS149に進むと、ブロッカ47をオンにする処理を実行し、本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、リプレイ非作動時には、一律に、メダルの手入れ投入を許可する。
また、本フローチャートのメダル受け付け開始処理において、ステップS139以降の処理は、リプレイ作動時のメダルの自動ベット処理に相当する。
ステップS139では、リプレイ作動時の待機時間をセットする。そして、次のステップS140で、ウェイト処理を実行する。本実施形態では、ウェイト時間として、約500msを設定するために、割込み数のカウント値「237」(237×2.235ms=約529.7ms)を設定する。そして、一割込みごとにこのカウント値を減算していき、「0」になるまで、ウェイト処理を実行する。このウェイト処理を設けるのは、遊技終了直後にリプレイ表示LED73aが点灯してしまう(ステップS146)ことや、遊技終了直後に自動ベットされてしまう(ステップS149)ことを防止するためである(見た目上、この好ましくないからである)。
なお、自動ベット時のベット音は、ステップS147及びステップS148で記憶されるコマンドに基づいて出力される。
さらにまた、入賞したリプレイの種類に応じてウェイト時間を異ならせることが可能である。たとえば「7」揃いの特殊リプレイ入賞時(すなわち、AT開始時)には、1秒以上のウェイト時間を設定してもよい。
次にステップS141に進み、貯留枚数の読み込みを行う(図24;S_CREDIT_READ )。次のステップS142では、貯留枚数が限界枚数(本実施形態では、50枚)であるか否かを判断する。限界枚数であると判断したときはステップS144に進み、限界枚数でないと判断したときはステップS143に進む。ここでの処理は、貯留枚数表示データ(図10)を読み込み、貯留枚数をチェックする。
ステップS143では、ブロッカをオン(図25;MS_BLOCKER_ON )、すなわちメダルの受付けを許可するように制御する。そしてステップS144に進む。
以上より、第1に、リプレイ作動時でないときは、常にブロッカ47をオンにし、メダルの受付けを許可する。リプレイ作動時でないときは、前回遊技で貯留枚数が上限枚数(50枚)であったとしても、ベットメダル(通常遊技では3枚)については消費しており、その分についてはベット可能だからである。
また第2に、リプレイ作動時において、貯留メダル枚数が限界枚数でないときは、ブロッカ47をオンにし、メダルの受付けを許可する。貯留メダル枚数が限界枚数でないときは、メダルの手入れにより、少なくとも貯留枚数の追加が可能だからである。
さらにまた第3に、リプレイ作動時において、貯留メダル枚数が限界枚数であるときは、ブロッカ47をオンにしない(それまでのブロッカ47のオフ状態を維持する)。リプレイ作動時かつ貯留メダル枚数が上限枚数であるときは、メダルをベットできず、かつ貯留メダル枚数の追加ができないので、メダルの受付けを行わないためである。
ステップS144では、リプレイ表示のLEDの点灯処理を行う。このステップS144では、メダル管理フラグ(図10;_FL_MEDAL_STS )のD3ビットをオン(「1」)にする処理を実行する。
なお、リプレイ表示LED73aを実際に点灯させる処理は、後述する割込み処理(図43)におけるステップS606のLED表示制御にて行う。
そして、次のステップS145では、第1サブ制御基板80に対し、自動ベットが行われたことを示すコマンドを送信するための出力要求セット処理を行い、次のステップS146で制御コマンドセット1処理を実行する。
次のステップS147では、メダルを1枚加算する処理(ここでは、自動ベット処理を意味する)、すなわち、リプレイの入賞に基づき、自動ベットを行うために、1枚ずつメダルの自動ベット(加算)処理を行う。なお、メダル1枚加算処理の詳細については後述する(図28;MS_MEDAL_INC)。次のステップS148では、メダル限界枚数になったか否か(たとえば通常遊技時では、3枚)を判断し、メダル限界枚数となったと判断したときは、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、メダル限界枚数になっていないと判断したときはステップS147に戻り、メダル1枚加算(自動ベット)処理を再度実行する。
なお、上記処理では、自動ベット時の出力要求セット処理及び自動ベット時のコマンドの送信(ステップS145及びS146)後に自動ベット処理(ステップS147〜S148)を行うが、これに限らず、自動ベット処理の終了後に、自動ベット時の出力要求セット処理及び自動ベット時のコマンドの送信を行ってもよい。
また、本実施形態では、リプレイ入賞時には、たとえば3枚のメダルを一気に自動ベットするためにウェイト処理を設けていないが、ウェイト処理を設けることも可能である。たとえば、ステップS148において、メダル限界枚数でないと判断したときは、ステップS139及びステップS140に示したような待機時間セット及びウェイト処理を実行し、その後、ステップS147に戻るように制御すればよい。
このようにウェイト処理を設けた場合には、後述するメダル1枚加算処理が所定時間経過するごとに実行されるため、投入枚数表示LED信号データ(_PT_MEDAL_LED )は所定時間経過するごとに更新される。これにより、投入枚数表示LED73e〜73gが順次点灯するように遊技者に見せることができる。
さらにまた、図22の例では、ステップS142において貯留限界枚数であるか否かを判断し、貯留限界枚数でないときは、メダルの手入れ投入を可能にするためにブロッカ47をオンにする処理(ステップS143)を実行したが、たとえばリプレイ入賞時には、メダルの手入れ投入を不可に設定することも可能である。このように制御する場合には、ステップS138においてリプレイ作動時であると判断したときは、ステップS139及びステップS140の処理後、ステップS143に進む(ステップS141〜S142の処理をなくす)ようにすればよい。
図23は、メダルの読み込み処理(S_PLAYM_READ)(図18のステップS103等)を示すフローチャートである。先ず、ステップS191において、メイン制御基板60は、メダル枚数データを読み込む。ここでは、RWM61に記憶されたメダルベット枚数データ(図11;_NB_PLAY_MEDAL)の値を読み込み、読み込んだベットメダル枚数データを所定のレジスタ(Aレジスタ)に記憶する処理である。
次にステップS192において、メイン制御基板60は、ステップS191で読み込んだメダル枚数のチェックを行う。具体的には、Aレジスタの値が「0」を示す値となっているときに、ゼロフラグ(フラグレジスタ)を「1」にする。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図24は、図22のステップS141等における貯留枚数読み込み処理(S_CREDIT_READ )を示すフローチャートである。先ず、ステップS151において、メイン制御基板60は、貯留枚数のデータを読み込む。ここでの処理は、RWM61に記憶された貯留枚数表示データ(_NB_CREDIT_LED;図10)の値を所定のレジスタ(たとえばAレジスタ)に記憶する処理である。次にステップS152において、ステップS151で読み込んだ貯留枚数のチェックを行う。具体的には、Aレジスタの値が「0」を示す値となっているときに、ゼロフラグ(フラグレジスタ)を「1」にする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図25は、図22のステップS143等におけるブロッカオンの処理(MS_BLOCKER_ON )を示すフローチャートである。
先ず、ステップS161において、メイン制御基板60は、ブロッカ監視時間の経過をチェックする。ブロッカ監視時間は、予め所定値(46割り込み:約102ms)に設定されており、通路センサ46がオンとなったとき(メダルを検知したとき)に計時を開始する。次にステップS162に進み、タイマによる所定時間が経過したか否かを判断する。経過したと判断したときはステップS163に進み、経過していないと判断したときはステップS161に戻る。
このように制御するのは、ブロッカ47によりメダルを挟み込んでしまうことを防止するためである。具体的には、通路センサ46によりメダルを検知してから約102ms経過していれば、通路センサ46により検知されたメダルはブロッカ47を既に通り過ぎていると判断できるからである。換言すれば、通路センサ46がオンとなってから約102ms以内にブロッカ47を駆動すると、通路センサ46により検知したメダルをブロッカ47が挟み込んでしまうおそれがあるためである。
ステップS163では、メイン制御基板60は、この時点からの割込みを禁止する。上述したように、メインループ(M_MAIN)の実行中には、2.235msごとに1回のタイマ割込み処理が入るが、ステップS163における「割込み禁止」の処理の実行後は、当該割込み禁止が解除されるまで、割込みを許可しないように制御する。
次のステップS164では、メイン制御基板60は、ブロッカ信号をオンにする処理を行う。この処理は、出力ポート3のD6ビットの信号を「1」にするためのRWM61にデータを記憶する処理である。具体的には、図11に示す「ブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データ」中、D6ビット(ブロッカ信号)を「1」にする処理である。
なお、本実施形態では、出力ポート3に限らず各出力ポートに対して最大8つのデータを出力することが可能である。また、割込み処理により出力を実行している。つまり、このタイミングにおいて、出力ポート3のD6ビットをオンにするのではなく、一度RWM61に記憶した後、出力ポート3を出力する処理時にRWM61に記憶されたデータに基づいて出力している。
さらに次のステップS165では、投入監視カウンタの値をクリアする。ここで、投入監視カウンタとは、通路センサ46がメダルを検知すると、「+1」とし、投入センサ48a及び48bがメダルを検知すると、「0」とするカウンタである。すなわち、正常時には、「+1」と「0」とを繰り返すカウンタである。ブロッカ47をオン、すなわちブロッカ47によりメダル通路を形成したときは、通路センサ46をメダルが検知するようになるからである。
次のステップS166では、ブロッカ信号状態のフラグをオンにする。ここでは、上述したメダル管理フラグ(図10;_FL_MEDAL_STS )のD2ビットをオン(「1」)にする処理を行う。そしてステップS167に進み、ステップS163で設定した割込み禁止の解除、すなわち割込みを許可する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
上記において、ステップS164〜ステップS166の処理間に割込みを発生させないのは、以下の理由による。
本実施形態では、ステップS164において、ブロッカ信号をオンにし、ステップS166において、ブロッカ状態信号をオンにする処理を行う。この場合、ステップS164とステップS166との間に割込みが入ると、一方がオン、他方がオフの状態になってしまう。具体的には、途中で入った割込み処理により、ブロッカ47に対してはオンを出力するのにもかかわらず、投入可表示LED73bにはオンを出力しない(非点灯)という不整合が生じることとなる。つまり、そのような状態を避け、双方の値を一気に更新するために、割込み処理を禁止することにより、遊技者に混乱を与えないように制御することを可能としている。なお、本実施形態でステップS164、S165、S166の順で処理を実行しているが、これらの順序は本実施形態と同様の処理順序ではなくてもよい。たとえば、ステップSS166、S165、S164の順序でもよい。
また、図25の処理により、通路センサ46がメダルを検知してから約100ms経過後にブロッカ47がオンとなり、メダル通路を形成する。このように設定したのは、投入されたメダル(通路センサ46により検知されたメダル)がブロッカ47に到達した瞬間にブロッカ47がオンとなり、メダルがブロッカ47に挟まることを防止するためである。よって、通路センサ46がメダルを検知した後、所定時間(メダルが挟まる可能性のある時間)を経過するまで、ブロッカ47をオンにしないように制御している。
図26は、図18のステップS120等における制御コマンドセット1(S_CMD_SET )を示すフローチャートである。
RWM61内には、複数のアドレスが設けられ、各アドレスごとに、制御コマンドバッファの記憶領域が設定されており、これらの記憶領域には、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータ(本実施形態では、32コマンド(64バイト))が記憶される。なお、RWM61内に制御コマンドバッファの記憶領域のみが複数アドレス設けられているという意味ではない。
まず、ステップS502では、割込み禁止処理を実行する。次のステップS503では、制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)(図27)を実行する。そしてステップS504に進み、ステップS502で禁止した割込み処理を解除(すなわち割込み許可)を実行する。以上の処理により、制御コマンドセット2の実行中は、割込み処理が禁止される。
そして、制御コマンドセット2では、以下に示すように、制御コマンドの書き込みを行うが、制御コマンドセット2の実行中は、上述したように割込み処理が禁止されている。したがって、制御コマンドの書き込み処理中に割込み処理が実行されることによる誤作動(正常の書き込み番地とは異なる番地に書き込んでしまうこと等)を防止することができる。
ここで、割込みの禁止/解除を記憶するための割込みフラグが設けられている。割込みフラグは、ステップS502で割込み処理を禁止した後、次の割込み処理を実行するタイミング(割込み処理を禁止した時から2.235ms以内)が到来したときにオンにされる。そして、メインCPU62は、禁止した割込み処理を解除するときは、その後、割込みフラグをクリアする。
メイン制御基板60は、割込み処理を実行するタイミングが到来したときは、割込みフラグのオン/オフを判断し、割込み処理の禁止/許可を判断する。
図27は、制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)を示すフローチャートである。
まず、ステップS511では、制御コマンドバッファのアドレスをセットする。この処理は、制御コマンドバッファの先頭アドレスをセットする処理である。
次のステップS512では、書き込みポインタの取得を行う。書き込みポインタとは、制御コマンドのデータを、RWM61のどのアドレスに書き込むかを指定するためのものであり、現時点での書き込みポインタが記憶されているので、その書き込みポインタを読み込む処理を行う。
次のステップS513では、指定アドレスを取得する。この処理は、制御コマンドバッファの先頭アドレスと、書き込みポインタの現在位置を示すデータとから、書き込む(RWM61の)アドレスを求めるものである。
次にステップS514に進み、指定アドレスのデータを取得する。この処理は、前処理のステップS513で求めたアドレスのRWM61の記憶領域に保存されているデータを読み込む処理である。
次のステップS515における「制御コマンド<32?」では、指定アドレスのデータが「0」であるか否かを判断する処理を行う。指定アドレスのデータが「0」でないときは、指定アドレスに既にデータが存在することである。換言すると、送信前のコマンドが32コマンドセットされている状態である。そして、指定アドレスのデータが「0」であるとき、すなわち指定アドレスにデータがないときはステップS516に進み、「0」でないときは本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、指定アドレスにデータがあるときは、データの書き込み処理を実行しない。これにより、指定アドレスにデータがあるときは、上書きが防止される。
次のステップS516の「RWM指定?」では、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RWM61に記憶されているデータを参照する必要があるデータであるか否かを判断する。たとえば、リプレイ入賞時の自動ベット時のメダル投入枚数は、前回遊技に依存するために、RWM指定となる(なお、RWM指定となるか否かについての詳細な説明は割愛するが、Dレジスタに記憶されている値のD7ビットが0か否かで判断する。
RWM指定であると判断されたときはステップS517に進み、RWM指定でないと判断されたときはステップS518に進む。
ステップS517では、第2制御コマンドを示すデータを所定のレジスタ(Eレジスタ)に記憶する。この処理は、第2制御コマンドとして書き込むデータをRWM61から読み込んで、レジスタに記憶する処理を行う。そしてステップS518に進む。
ステップS518では第1制御コマンドを示すデータをRWM61に記憶する。ここでは、ステップS513における「指定アドレス取得」で取得したアドレスに、第1制御コマンドを記憶する処理である。具体的には、制御コマンドセット2処理の前に記憶したDレジスタの値を記憶する処理である(RWM指定の場合は、Dレジスタの値に80(H)を加算した値を記憶している。)。
次にステップS519に進み、第2制御コマンドを示すデータをRWM61に記憶する。この処理は、ステップS513で算出したアドレスの次のアドレス(第1制御コマンドを記憶した次のアドレス)に第2制御コマンドを記憶する処理を行う。
そしてステップS520に進み、書き込みポインタの値を「+1」更新する処理を行う。なお、第1制御コマンド及び第2制御コマンドを示すデータを、2か所のRWM61の記憶領域に書き込むが、ステップS513における「指定アドレス取得」処理の演算において、書き込みポインタのデータを2倍にして演算を行うので、書き込みポインタの値としては「1」だけインクリメントする。
以上説明したように、たとえば図18中、ステップS119における遊技終了時の出力要求セット及びステップS120における制御コマンドセット1(S_CMD_SET )を実行することにより、遊技終了時の制御コマンドデータ(第1サブ制御基板80に送信するデータ)が所定番地の制御コマンドバッファに書き込まれる。そして、これらの制御コマンドデータは、後述する割込み処理により、第1サブ制御基板80に送信される。他の「出力要求セット」及び「制御コマンドセット1」のときも同様である。
図28は、図22のステップS149等におけるメダル1枚の加算処理(MS_MEDAL_INC)を示すフローチャートである。
なお、この図28におけるメダル1枚の加算処理は、メダルの手入れベット時、リプレイの表示に基づく自動ベット時、及びベットスイッチ40の操作に基づく貯留ベット時に、共通して用いられる処理である。このように、実行するベット処理が異なる場合であっても、共通する処理(プログラム)を用いることにより、プログラム容量を削減することができる。
先ず、ステップS171では、メイン制御基板60は、ベットされたメダルの読み込みを行う(図23;S_PLAYM_READ)。次のステップS172では、ベットメダル枚数を「1」加算する処理(「+1」)を行う。そして、その演算結果をCレジスタに記憶する。たとえば、それまでのベットメダル枚数が「0」枚であったときは、「1」を加算することにより、
Cレジスタ値=00000001
となる。
ここでの処理は、RWM61に記憶されたメダルベット枚数データ(_NB_PLAY_MEDAL;図11)の値を読み込み、読み込んだベットメダル枚数データを所定のレジスタ(たとえばAレジスタ)に記憶し、Aレジスタの値に「1」を加算し、加算後のAレジスタ値をメダルベット枚数データに記憶(更新)する処理である。
たとえば、読み込んだベットメダル枚数データ(_NB_PLAY_MEDAL)が「0」であったときは、
_NB_PLAY_MEDAL=0
Aレジスタ値=00000000
Aレジスタ値=00000001(「1」加算後)
_NB_PLAY_MEDAL=1
となる。
次のステップS175では、メイン制御基板60は、獲得枚数表示LED72の表示のクリア処理を行う。図7〜図11では図示していないが、RWM61には、獲得枚数表示データ(_NB_PAY_LED )が記憶されている。そして、このステップS175では、この獲得枚数表示データをクリアする処理である。
この処理は、Aレジスタの値が「0」となるように演算(たとえば、Aレジスタ値とAレジスタ値との排他的論理和を演算)し、演算後のAレジスタ値を獲得枚数表示データに記憶(更新)する処理を実行する。
なお、獲得数表示LED72を実際に表示する処理は、割込み処理でのLED表示制御(ステップS606)にて行われる。
次にステップS176に進み、メイン制御基板60は、投入表示LED73e〜73gの点灯データを生成する。なお、投入表示LED73e〜73gを実際に点灯させる処理は、上記と同様に、後述する割込み処理でのLED表示制御(ステップS606)にて行われる。
先ず、Aレジスタの値に「1」を加算する。加算前のAレジスタ値は、ステップS175の処理により「0」であるため、
Aレジスタ値(加算前):00000000
Aレジスタ値(加算後):00000001
となる。
次に、Aレジスタ値を右に一桁シフトする。本シフト処理は、単に右シフトを行うだけでなく、D0ビット目の値をD7にする循環的なシフト命令であるため、ローテートシフトとも呼ばれる。この処理により、
Aレジスタ値(シフト前):00000001
Aレジスタ値(シフト後):10000000
となる。
次のステップS177では、メイン制御基板60は、投入枚数分の点灯データの生成を終了したか否かを判断する。具体的には、以下の通りである。
先ず、Cレジスタ値から「1」を減算する。Cレジスタ値は、上記のように、「1」であるので、
Cレジスタ値(演算前):00000001
Cレジスタ値(演算後):00000000
となる。
そして、Cレジスタ値が「0」でないときは、ステップS177で「No」となり、「0」であるときは「Yes」となる。
ステップS177において投入枚数分を終了していないと判断したときはステップS176に戻り、点灯データの生成を継続する。一方、投入枚数分を終了したと判断したときはステップS178に進み、メイン制御基板60は、投入枚数表示LEDの点灯データをRWM61に記憶する制御を行う。
実際に投入枚数表示LED信号データを用いて点灯制御を実行するのは、後述する割込み処理にて実行される。
ステップS178の処理は、具体的には、以下の通りである。
先ず、Aレジスタ値を、投入枚数表示LED信号データ(図11;_PT_MEDAL_LED )に記憶する。したがって、
投入表示LED信号データ:10000000
となる。
なお、既に1枚のメダルが投入されていたときは、以下のようになる。
ステップS172では、
Cレジスタ値=00000010
となる。
また、ステップS176では、
Aレジスタ値(加算前):00000000
Aレジスタ値(加算後):00000001
となる。
さらに、
Aレジスタ値(シフト前):00000001
Aレジスタ値(シフト後):10000000
となる。
次のステップS177では、
Cレジスタ値(演算前):00000010
Cレジスタ値(演算後):00000001
となる。
したがって、Cレジスタ値≠「0」であるので、ステップS176に戻る。
そして、ステップS176では、
Aレジスタ値(加算前):10000000
Aレジスタ値(加算後):10000001
となる。
さらに、
Aレジスタ値(シフト前):10000001
Aレジスタ値(シフト後):11000000
となる。
次に、ステップS177に進み、
Cレジスタ値(演算前):00000001
Cレジスタ値(演算後):00000000
となる。
そして、Cレジスタ値=「0」であるので、ステップS177で「Yes」となり、ステップS178に進む。
これにより、ステップS178では、
投入枚数表示LED信号データ:11000000
となる。
このようにして、レジスタ(Cレジスタ、Aレジスタ)とシフト処理を用いることで、少ないプログラム処理(簡素なプログラム)で対応したデータに投入枚数表示LED信号データを記憶することができる。
ステップS178の後、ステップS179に進み、メイン制御基板60は、メダル限界枚数をセットする(MS_MMAX_SET )(後述する図29)。
メダル限界枚数とは、当該遊技においてベット可能なメダル枚数の最大値(又はその遊技でベットしなければいけないメダル枚数)を意味する。具体的には、本実施形態ではベット可能な最大メダル枚数が遊技状態で異なっているので、その遊技状態でベット可能な最大メダル枚数を意味する。特に本実施形態では、通常遊技では、最大3枚のメダルがベット可能であり、MBゲーム中では、最大で2枚のメダルをベット可能である。よって、MBゲーム中を除くメダル限界枚数は3枚となり、MBゲーム中のメダル限界枚数は2枚となる。
次にステップS180に進み、メイン制御基板60は、ベットされたメダルの読み込み処理(S_PLAYM_READ)を行う(ステップS171と同一)。
そして、次のステップS181において、メイン制御基板60は、ベット枚数が限界枚数であるか否かを判断する。具体的には、メダル限界枚数(Aレジスタの値)からベット枚数(Cレジスタの値)を減算することにより、「0」であればベット枚数が限界枚数であると判断する。ベット枚数が限界枚数でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、限界枚数であると判断したときはステップS182に進む。ステップS182では、メダル限界フラグをセットする。ここでは、メダル管理フラグ(図10;_FL_MEDAL_STS )のD7ビットを「1」にする処理を実行する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図29は、図28のステップS179等におけるメダル限界枚数のセット処理(MS_MMAX_SET )を示すフローチャートである。ステップS201では、自動ベット時の限界枚数をセットする。なお、自動ベットとは、リプレイ入賞時に自動でメダルが投入されることである。本実施形態では、「_NB_REP_MEDAL 」(図11)の値をCレジスタに記憶する処理に相当する。たとえば「_NB_REP_MEDAL 」の値が「3」であれば、Cレジスタ値=「3」となる。
次のステップS202では、作動状態フラグ(_FL_ACTION;図10)の値を読み込む。
そして、次のステップS203では、メイン制御基板60は、ステップS202で読み込んだ作動状態フラグのD0ビットが「1」であるか否か(リプレイ作動時であるか否か)を判断する。ここでは、たとえば、ステップS202で読み込んだデータのD0ビットが「1」であるときはリプレイ作動時であると判断し、「0」であるときはリプレイ非作動時であると判断する。リプレイ作動時であるときは、本フローチャートによる処理を終了し、リプレイ作動時でないときはステップS204に進む。すなわち、リプレイ作動時には、Cレジスタ値「3」が自動ベット数となる。
一方、ステップS204に進むと、メダルの限界枚数として、Cレジスタに「2」を記憶する。
次にステップS205に進み、メイン制御基板60は、当該遊技がメダル限界枚数2枚の遊技時であるか否かを判断する。上述したように、たとえば通常遊技であるときはメダル限界枚数が2枚でないと判断し、MB(CB)遊技中であるときはメダル限界枚数が2枚であると判断する。たとえばステップS202で読み込んだデータのD2ビットが「0」であるときはメダル限界枚数2枚の遊技時(MB遊技中)でないと判断し、「1」であるときはメダル限界枚数2枚の遊技時(MB遊技中)であると判断する方法が挙げられる。
メダル限界枚数が2枚であるときは、本フローチャートによる処理を終了する。これにより、メダル限界枚数は「2」に設定される。一方、メダル限界枚数が2枚でないと判断したときはステップS206に進み、Cレジスタ値に「1」を加算する。これにより、Cレジスタ値は「3」となり、この「3」をメダル限界枚数としてセットする。
図30は、図18のステップS106におけるメダル管理処理(MS_MEDAL_CHK)を示すフローチャートである。
図30において、ステップS211では、メイン制御基板60は、ブロッカ信号がオンであるか否かを検知する。ブロッカ信号がオンであるときはステップS212に進み、ブロッカ信号がオンでないときはステップS213に進む。ここで、「ブロッカ信号がオン」であるというのは、ブロッカ47によりメダル通路が形成されている場合に相当する。本実施形態では、メダル管理フラグ(図10;_FL_MEDAL_STS )のD2ビットのデータがオンであるか否かを検知する。
ステップS212では、メイン制御基板60は、投入センサ信号に係るデータがオンであるか否かを検知する。ここでは、入力ポート2レベルデータのD1又はD2ビットのいずれかが「1」であるか否かを判断する。投入センサ信号に係るデータがオンであると判断したときは、メダルの手入れ投入を意味するので、ステップS222(MS_INSERT_CHK :図31)に進み、メダルの手入れ時のチェック処理を実行する。これに対し、オンでないと判断したときは、ステップS213に進む。
ステップS213では、1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40bのベット操作、精算操作の受付けが可能であるか否かをチェックする要求をセットする。そして、次のステップS214において、これらの操作受付けが可能であるか否かをチェックする。
次にステップS215に進み、メイン制御基板60は、操作受付けが可能であるか否かを判断する。可能であると判断したときはステップS216に進み、可能でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、メインループに戻る。
上記のステップS213〜S215の処理により、ベット処理又は精算処理を行う前に、1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40b及び精算スイッチ43の操作受付けが可能な状態であるか否かを判断し、可能な状態である場合のみ、ベット処理又は精算処理に移行するようにしている。たとえば、上記のステップS213〜S215の処理により、入力ポート0レベルデータ、及び入力ポート0立ち上がりデータを読み込み、入力ポート0レベルデータと入力ポート0立ち上がりデータとが一致していないときに、操作受付可能ではないと判断している。
ステップS216では、ベットスイッチ信号及び精算スイッチ信号の確認要求をセットする。ここでは、入力ポート0立ち上がりデータ(図7;_PT_IN0_UP)を読み込む。
次のステップS217では、ステップS216での確認に基づき、1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40b又は精算スイッチ43のうち、いずれかの信号の立ち上がりがあるか否かを判断する。ここでの判断は、ステップS213で読み込んだ入力ポート0立ち上がりデータのうち、D0、D1、D2ビットが「1」であるか否かを判断する。
具体的には、たとえば読み込んだ入力ポート0立ち上がりデータと、「00000111」(定義データ)とをAND演算し、D3〜D7ビットをクリアする。そして、演算結果が「0」であるか否かを判断する。
演算結果が「0」であるときは、いずれの信号の立ち上がりもないと判断し(すなわち、1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40b及び精算スイッチ43のいずれも操作の変化がないと判断し)、本フローチャートによる処理を終了してメインループに戻る。
ステップS217で、演算結果が「0」でないと判断したとき、すなわちいずれかの信号の立ち上がりがあると判断されたときはステップS218に進む。ステップS218では、スタートスイッチ41の受付け許可フラグをクリアする。この処理は、上述したメダル管理フラグ(図10)のD0ビットを「0」にする処理である。メダル管理フラグのD0ビットが「0」のときは、スタートスイッチ41は有効にはならない(操作されても無効となる)ことを示すために、遊技開始LED73dを消灯する。一方、メダル管理フラグのD0ビットが「1」のときは、スタートスイッチ41が有効となっていることを示すために、遊技開始LED73dを点灯する。なお、遊技開始LED73dの点灯/消灯の実際の出力は、割込み処理(図43、ステップS606)で実行される。
したがって、1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40b又は精算スイッチ43のうち、いずれかの信号に変化があったときは、スタートスイッチ41を受付けを許可しないことを報知するために、メダル管理フラグのデータを更新してから、1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40b又は精算スイッチ43の操作に基づく処理(図30中、精算処理(MS_MEDAL_RET)、又は貯留ベット処理(MS_BET_IN ))を実行する。
なお、スタートスイッチ41に基づく処理(たとえば役抽選処理等)は、メインループで実行され、精算処理や貯留ベット処理もメインループで実行されることから、たとえば精算処理中にスタートスイッチ41に基づく処理が実行されないように構成されている。
次にステップS219に進み、メイン制御基板60は、精算スイッチ43信号に係るデータの確認要求をセットする。ここでの処理は、たとえば入力ポート0立ち上がりデータのD0ビットが「0」か「1」かを確認する処理である。
そして、次のステップS220で、メイン制御基板60は、ステップS219での確認に基づき、精算スイッチ43信号の立ち上がりがあるか否かを判断する。ここでの処理は、たとえばD0ビットが「0」であるときは、精算スイッチ43信号に係る立ち上がりデータがないと判断し、D0ビットが「1」であるときは、精算スイッチ43信号に係る立ち上がりデータを有すると判断する。
精算スイッチ43信号の立ち上がりがあると判断したときはステップS221に進み、精算処理(MS_MEDAL_RET:図38)を実行する。一方、精算スイッチ信号の立ち上がりがないと判断したときは、ベットスイッチ信号の立ち上がりがあることを意味するので、ステップS223に進み、貯留ベット処理(MS_BET_IN :図36)を実行する。
以上のメダル管理処理において、ステップS212で投入センサ信号に係るデータがオンであるか否かを判断し、オンであるときは手入れメダルチェックに進み、オンでないと判断したときは、ベットスイッチ40信号又は精算スイッチ43信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。
したがって、ベットスイッチ40や精算スイッチ43よりも、物理的なメダルの投入を優先的にチェックするので、メダルの飲み込みを防止することができる。
ここで、「ベットスイッチ40や精算スイッチ43よりも、物理的なメダルの投入を優先的にチェックする」とは、図18のステップS103〜S108をループしているときであって、かつブロッカ信号がオンの状況下において、割込み処理によって各入力ポートに係る各種RWMのデータが更新され、入力ポート2レベルデータのD1又はD2ビットのいずれかが「1」、及び入力ポート0立ち上がりデータのD0、D1又はD2ビットのいずれかが「1」のときに、「手入れメダルチェック(ステップS222)」が「精算処理(ステップS221)」や「貯留ベット処理(ステップS223)」よりも実行されやすいプログラム順序やプログラム処理を指す。
また、ステップS220では、精算スイッチ43の立ち上がりデータを確認し、続く処理の実行(精算処理又はベット処理)を判断している。
この理由の1つとして、本実施形態では貯留ベット処理を実行するためのスイッチとして1ベットスイッチ40a、3ベットスイッチ40bの2つのスイッチを備えているのに対し、精算処理を実行するためのスイッチとしては精算スイッチ43の1つしか備えていない。そのため、入力ポート0立ち上がりデータのうち、D0ビット(特定ビット)がオンか否かを判断するだけで、精算処理又は貯留ベット処理の判断が可能となる。換言すると、「D1ビット又はD2ビットがオン?」と判定するより処理が簡素化され、プログラム容量が削減される。
図31及び図32は、図30のステップS222におけるメダルの手入れ時のチェック処理(MS_INSERT_CHK )を示すフローチャートである。図32は、図31に続くフローチャートである。
図31において、ステップS231では、メイン制御基板60は、スタートスイッチ41の受付け許可フラグ(上述したように、メダル管理フラグのD0ビット)をクリアする。
次にステップS232に進み、メイン制御基板60は、投入センサ1(48a)信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。
投入センサ1信号に係るデータがオンであるときはステップS233に進み、オンでないとき(投入センサ2信号に係るデータがオンであるとき)はステップS238に進む。ステップS233では、投入センサ1の通過チェック時間(割り込み回数が64、約143ms)をセットする。ここで、投入センサ1によりメダルが検知されると投入センサ1信号に係るデータがオンとなるが、その後、所定時間を経過しても投入センサ1信号に係るデータがオフにならないときは、メダル詰まり等が考えられるので、投入センサ1の通過チェック時間を計測する。
次にステップS234に進み、メイン制御基板60は、ステップS232と同様にして、投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ここで、ステップS232で投入センサ1信号に係るデータがオンになった後、ステップS234で投入センサ1信号に係るデータがオフと判断されることは稀であるが、ノイズやメダルセレクタ45内でメダルが暴れる等により投入センサ1信号に係るデータが一時的にオンとなり、ステップS232でそのオンが検出される場合がある。そして、ノイズやメダルセレクタ45内でメダルが暴れる等により投入センサ1信号に係るデータが一時的にオンとなっても、ステップS234の処理により、ステップS235以下に進まないようにしている。つまり、このような現象が発生しても、エラーと判定してエラー報知等を行わないので、遊技をスムーズに進行することができる。
ステップS234において、投入センサ1及び2信号に係るデータがオフでないと判断したときはステップS235に進む。ステップS235では、投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであると判断したときはステップS240に進み、オンでないと判断したときはステップS236に進む。
ステップS236では、メイン制御基板60は、投入センサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS237に進み、オンでないと判断したときはステップS238に進む。
ステップS237では、メイン制御基板60は、投入センサ1の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。すなわち、ステップS233でセットした時間が所定時間を経過したか否かを判断する。通過チェック時間を経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間を経過していないと判断したときはステップS234に戻る。
ステップS232において投入センサ1信号に係るデータがオンでないと判断されたとき、又はステップS236において投入センサ1信号に係るデータがオンでないと判断されてステップS238に進むと、メイン制御基板60は、メダルの不正通過エラーの表示要求をセットする。このメダル不正通過エラーは、本実施形態では「CPエラー」と称し、獲得数表示LED72に「CP」と表示する制御処理を実行する。そしてステップS239に進み、エラー表示に移行する。なお、エラー表示の詳細な制御については説明を省略する。
また、ステップS235において投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであると判断され、ステップS240に進むと、メイン制御基板60は、投入センサ2の通過チェック時間(割り込み回数が、約143ms)をセットする。次にステップS241に進み、メイン制御基板60は、投入センサ2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。投入センサ2信号に係るデータがオンであるときはステップS245に進み、オンでないときはステップS242に進む。ステップS242では、メイン制御基板60は、投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであるときはステップS243に進み、オンでないときはステップS238に進む。
ステップS243では、メイン制御基板60は、投入センサ2の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。すなわち、ステップS240でセットした時間が所定時間を経過したか否かを判断する。投入センサ2の通過チェック時間が経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間が経過していないと判断したときはステップS244に進む。ステップS244では、メイン制御基板60は、投入センサ1の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。投入センサ1の通過チェック時間が経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間が経過していないと判断したときはステップS241に戻る。
ステップS241において投入センサ2信号に係るデータがオンであると判断され、ステップS245に進むと、メイン制御基板60は、投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであると判断したときは図19のステップS249に進み、オフでないと判断したときはステップS246に進む。ステップS246では、メイン制御基板60は、投入センサ2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。
投入センサ2信号に係るデータがオンでないと判断したときはステップS238に進み、オンであると判断したときはステップS247に進む。ステップS247では、メイン制御基板60は、投入センサ2の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。投入センサ2の通過チェック時間が経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間が経過していないと判断したときはステップS245に戻る。
ステップS248に進むと、メダル滞留エラーの表示要求をセットする。メダル滞留エラーとは、投入センサ1や2信号に係るデータが、通過チェック時間の経過後もオンの状態となり、メダル通路にメダルが滞留していることを意味するので、そのエラーを表示するためである。このメダル滞留エラーは、本実施形態では「CEエラー」と称し、獲得数表示LED72に「CE」と表示する制御処理を実行する。そしてステップS239に進み、エラー表示に移行する。
ステップS245において投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであると判断し、図32のステップS249に進むと、メイン制御基板60は、メダル異常投入エラーの表示要求をセットする。ここで、メダル異常投入エラーとは、通路センサ46と投入センサ1、2の通過異常があったことを示すエラーである。メダル異常投入エラーは、本実施形態では「C1エラー」と称し、このメダル異常投入エラーが発生したときは、獲得数表示LED72に「C1」と表示する制御処理を実行する。
次にステップS250に進み、メイン制御基板60は、投入監視カウンタの値を「1」減算する。ここで、投入監視カウンタとは、上述したように、通路センサ46がメダルを検知すると、「+1」とし、投入センサ1及び2がメダルを検知すると、「0」とするカウンタである。すなわち、正常時には、「+1」と「0」とを繰り返す。
次にステップS251に進み、メイン制御基板60は、投入監視カウンタの値が「0」〜「3」の範囲であるか否かを判断する。当該範囲内であると判断したときはステップS252に進み、範囲内でないと判断したときは、図31のステップS239に進み、上記と同様にエラー表示に移行する。
たとえば、当該カウンタの値が「−1」となるのは、通路センサ46を通過せずに投入センサ1、2を通過した場合が挙げられる。
また、当該カウンタの値が「+4」となるのは、通路センサ46を通過したメダルが投入センサ1、2を通過する前に滞留している場合が挙げられる。
ステップS252では、メダル限界枚数をセットする(MS_MMAX_SET :図29)。次にステップS253に進み、ベットメダル(現時点でベットされているメダル枚数)の読み込みを実行する(S_PLAYM_READ:図23)。
次のステップS254では、貯留枚数の読み込みを実行する(S_CREDIT_READ :図24)。
次にステップS255に進み、メイン制御基板60は、現時点でベットされているメダル枚数及び貯留枚数の合計数を算出する。次のステップS256では、メダルの投入を有効とした後に、その後のメダル投入は不可能であるか否かを判断する。本実施形態では、
「現在のベット枚数」+「現在の貯留枚数」−49=「メダル限界枚数」
という式が成立するか否かを演算する。
ここで、「現在のベット枚数」とは、現在通過したメダルを加算する前のメダル枚数を指す。たとえば、現在のベット数が「2」であり、現在の貯留数が「50」であるとき、メダル限界枚数は「3」となり、この式が成立するので、現在通過したメダルの投入後は、その後のメダル投入は不可能であると判断する。
そして、投入不可能と判断したときはステップS257に進んでブロッカ47をオフにする処理を実行する(MS_BLOCKER_OFF:図33)。そしてステップS258に進む。一方、投入可能と判断したときは、ステップS257をスキップしてステップS258に進む。
そして、ブロッカ信号がオンであるときは、投入センサ1及び2を通過するメダル通路を形成させ、オフであるときは、メダル投入口44から投入されたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成する。
次のステップS258では、メイン制御基板60は、メダル手入れ時の出力要求をセットし、次のステップS259では、制御コマンドセット1を実行する。
次のステップS260では、メイン制御基板60は、現時点でメダルのベット枚数が限界枚数(上限枚数)であるか否かを判断する。ベット枚数が限界値であると判断したときはステップS262に進み、貯留(クレジット)枚数の加算処理(MS_CREDIT_ADD :図35)を実行する。これに対し、ベット枚数が限界枚数でないと判断したときはステップS261に進み、メダル1枚のベット加算処理を行う(MS_MEDAL_INC:図28)。
図33は、ブロッカオフの処理(MS_BLOCKER_OFF)を示すフローチャートである。上述したように、メダルの手入れが有効になった後、メダルの手入れが不可能(受付け不可能)となったときは、ブロッカ47をオフにし、メダル投入口44から手入れされたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成するように制御する。
先ず、ステップS271において、メイン制御基板60は、ブロッカ信号の確認処理を行う。ここでは、RWM61に記憶されたブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データ(図11)のD6ビット(ブロッカ信号データ)を確認する。
次にステップS272に進み、メイン制御基板60は、ブロッカ信号がオフ(上記のブロッカ信号データが「0」)であるか否かを判断する。オフでないと判断したときはステップS273に進み、オフであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、既にブロッカ47がオフであるときは、ブロッカ47をオフにする本処理を進めることなく本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS272においてブロッカ信号がオフでないと判断し、ステップS273に進むと、メイン制御基板60は、この時点からの割込みを禁止する。上述したように、メインループ(M_MAIN)の実行中には、2.235msごとに1回のタイマ割込み処理が入るが、ステップS273のような「割込み禁止」の記述があるときは、当該割込み禁止が解除されるまで、割込みを許可しないように制御する。
次のステップS274では、メイン制御基板60は、ブロッカ信号をオフにする処理を行う。この処理は、出力ポート3のD6ビットを「0」にするための処理である。具体的には、上記のブロッカ信号データ(D6ビット)を「0」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD6ビットが「0」となる。さらに次のステップS275では、ブロッカ信号状態をオフにする処理を行う。この処理は、メダル管理フラグ(図10)のD2ビットを「0」にする処理である。
そしてステップS276に進み、メイン制御基板60は、投入センサ2の異常入力の検出時間をセットする。
ここで、本実施形態では、ブロッカ47をオン(メダル通過)からオフ(メダル返却)にした後、所定時間を経過する前には投入センサ2のオン信号を検出しても投入センサ2の異常入力とは判断しないが、所定時間を経過した後に投入センサ2のオン信号を検出したときは投入センサ2の異常入力と判断する。具体的には、ブロッカ47が物理的にオフになった直後やオフに制御している途中でメダルが投入センサ48a(1)や48b(2)を通過することがあり得るため、そのような場合においてエラーとして検知しない(正常の通過とみなす)ようにするためである。このため、ステップS276のタイミングで、投入センサ異常入力の検出時間(以下の500.64ms)をセットする。
図34は、ブロッカ47のオン/オフと、投入センサ2信号に係るデータのオン/オフと、エラー監視とのタイミングを示すタイムチャートである。この例は、投入センサ1信号を検出する前に投入センサ2信号を検出した例を示している。
図34に示すように、ブロッカ47がオンからオフになったタイミングで、時間の計測を開始し、所定時間、特にこの例では、500.64msの経過前までに投入センサ2信号に係るデータのオンを検出しても、その間は、エラー監視をしていないので、エラーと判断されることはない。図34の例では、ブロッカ47をオフにした後、エラー監視を有効にする前に、投入センサ2信号に係るデータがオンとなっている(メダルが投入センサ2により検知されている)。この場合、当該メダルはエラーと判断されず(遊技の進行を邪魔せず)、ベットされる。
なお、500.64msの計測は、割込み回数のカウント値「224」をセットすることにより行う(1割込みの時間「2.235ms」×回数「224」=500.64ms)。
次に、所定時間(500.64ms)の経過後、エラー監視を開始する。エラー監視を開始した後、投入センサ2のオン信号を検出したときは、その時点からエラー監視を無効とする。また、エラーを検知(投入センサ2信号を検知)してからエラー表示を開始する処理に達したときに、「C0」エラーを獲得数表示LED72で表示するとともに、当該エラーコマンドを受信したサブ制御基板80、90側でも画像表示装置23等を用いて投入センサ2信号に異常があった旨を報知する。エラー表示後は、エラーが解除されるまで、エラー表示が継続するとともに遊技停止状態となる。
エラー要因が除去され、投入センサ2の信号がオフとなったときは、その後、エラーを解除し、エラー監視を再度有効にする。
図33において、ステップS276で投入センサ異常入力の検出時間をセットすると、ステップS277に進み、ステップS273で設定した割込み禁止の解除、すなわち割込みを許可する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
上記処理において、ステップS274〜ステップS276の処理間に割込みを発生させないのは、ブロッカオンの処理時と同様である。
すなわち、ブロッカ信号をオフにする処理、及びブロッカ状態信号をオフにする処理との間に割込みが入ると、一方がオフ、他方がオンの状態になってしまうが、そのような状態を避け、双方の値を一気に更新するために、割込み処理を禁止している。
図35は、図32のステップS262における貯留枚数1枚加算(MS_CREDIT_ADD )を示すフローチャートである。
ステップS278では、貯留枚数の読み込みを実行する(S_CREDIT_READ ;図24)。すなわち、貯留枚数表示データ「_NB_CREDIT_LED」(図10)から貯留枚数表示データを読み込み、Aレジスタに記憶する。
次のステップS279では、貯留枚数に「1」を加算する処理(「+1」)を行う。この処理は、Aレジスタ値に「1」を加算する処理である。次のステップS280では、貯留枚数データを保存、すなわち演算後のAレジスタ値を貯留枚数表示データ「_NB_CREDIT_LED」に記憶する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS280では、貯留枚数データを10進数データに変換した値を貯留枚数表示データとして保存する。
図36は、図30のステップS223における貯留ベット処理(MS_BET_IN )を示すフローチャートである。
先ず、ステップS281において、メイン制御基板60は、図10に示すメダル管理フラグのD7ビットを読み込むことにより、メダル限界フラグがオン(「1」)であるか否かを判断する。メダル限界フラグがオンであるときは、ベット枚数が既に最大枚数であることを意味するので、本フローチャートによるベット処理を終了する。すなわち、図30のステップS220においてベットスイッチ40の操作を検知し、「MS_BET_IN 」の処理に移行したとしても、ベット枚数が既に最大枚数であるときは、貯留ベット処理を行わない。
ステップS281においてメダル限界フラグがオンでないと判断したときはステップS282に進み、ベット(投入)要求枚数として「1」をセットする。この処理は、Bレジスタに「1」を記憶する。したがって、
Bレジスタ値=1
となる。
次にステップS283に進み、入力ポート0立ち上がりデータのD1ビットが「1」であるか否か、すなわち1ベットスイッチ40aが操作されたか否かを判断する。1ベットスイッチ40aが操作されたと判断したときはステップS288に進み、1ベットスイッチ40aが操作されていないと判断したときはステップS284に進む。
なお、ステップS283以前の処理(図30のステップS217、ステップS220)において、いずれかのベットスイッチ40の操作を検知しているので、ステップS283において「No」となったときは、3ベットスイッチ40bが操作されたことを意味する。
ステップS284では、メダル限界枚数(たとえば、通常遊技では3枚)をセットする(図29;MS_MMAX_SET )。ここでは、Cレジスタにメダル限界枚数を記憶する。たとえば通常遊技であるときは、
Cレジスタ値=3
となる。
次のステップS285では、(ベット)メダルの読み込み処理を行う(図23;S_PLAYM_READ)。したがって、上述したように、メダルベット枚数データ(_NB_PLAY_MEDAL;図11)の値を読み込み、読み込んだベットメダル枚数データをAレジスタに記憶する処理である。また、メダルベット枚数データの番地「F06D」をHLレジスタに記憶する。これにより、
HLレジスタ値=F06D
となる。
次に、ステップS286に進み、ベット要求枚数をセットする。この処理では、まず、Cレジスタ値(メダル限界枚数)をAレジスタに記憶する。Cレジスタ値がたとえば上記のように「3」であるときは、Aレジスタ値=「3」とする処理である。さらに、Aレジスタ値(この時点では、メダル限界枚数を示している)から、HLレジスタが示す番地のデータ(メダルベット枚数データ)を減算し、その結果をAレジスタに記憶する。たとえばAレジスタ値(メダル限界枚数)が「3」であり、メダルベット枚数データ(すでにベットされている枚数)が「1」であるとき、「3−1=2」により、Aレジスタ値は「2」に更新される。この値が、新たにベットとして加算されるメダル枚数となる。
次にステップS287に進み、ベット要求枚数修正処理を行う。すなわち、ステップS286で算出した値をベット要求枚数としてセットする処理である。具体的には、Aレジスタ値をBレジスタに記憶する処理を実行する。
上述したステップS282では、初期値として、ベット要求枚数を「1」(Bレジスタ値=「1」)にセットしたが、1ベットスイッチ40aの操作時にはそのままとし、3ベットスイッチ40bの操作時には、ステップS282でセットした「1」に代えて、ステップS286で演算した値を再セットするものである。
次に、ステップS288に進み、現時点における貯留枚数の読み込みを行う(図24;S_CREDIT_READ )。すなわち、「_NB_CREDIT_LED」の値を読み込み、読み込んだデータをAレジスタに記憶する。
次のステップS289では、メイン制御基板60は、メダルの貯留の有無を判断する。ステップS288で記憶したAレジスタ値が「0」であるときはメダルの貯留なしと判断し、Aレジスタ値が「0」でないときはメダルの貯留ありと判断する。
そして、メダルの貯留なしと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、メダルの貯留有りと判断したときはステップS290に進む。
ステップS290では、1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータを有するか否か(入力ポート0立ち上がりデータのD1ビットが「1」であるか否か)を判断する。1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータを有すると判断したときはステップS291に進み、1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータを有さないと判断したときはステップS291をスキップしてステップS292に進む。
ステップS291では、1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータをクリアする。すなわち、入力ポート0立ち上がりデータ(図7;_PT_IN0_UP)のD1ビットを「0」にする処理を実行する。このようにして、ステップS289で貯留メダルありの場合には、1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータの有無を判断し、立ち上がりデータを有するときは、そのデータをクリアした後、ベット処理を実行する。
上述したように、入力ポート0〜2の立ち上がりデータは、割込み処理によって生成され、記憶される。
一方、ベット処理を実行する場合には、割込み処理によって生成・記憶した1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータを、メインループ内でクリアする処理を実行する。
ここで、1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータをクリアしなかった場合には、再度割込み処理が実行されるまで、1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータ「1」が維持される。
この場合、次の割込み処理が実行されて1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータが「0」に更新される前に、図30のメダル管理(MS_MEDAL_CHK)からステップS217で「Yes」となり、図36の貯留ベット処理(MS_BET_IN )が再度実行され、1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータが「1」であることに基づいて、再度、1枚のベット処理が実行されてしまう。したがって、たとえば遊技者が1ベットスイッチ40aを操作して1枚のメダルをベットしようとしたとき、連続して2枚や3枚のメダルがベットされてしまう可能性がある。
このような不都合を回避するために、メダルの貯留がある場合には、ベット処理の開始前に、1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータをクリアしている。
なお、本実施形態では、1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータのみをクリアし、3ベットスイッチ40bが操作されたときには、3ベットスイッチ40bに係る立ち上がりデータをクリアする処理は実行していない。
3ベットスイッチ40bの操作に基づき3枚が貯留ベットされたときは、その後、ステップS296のメダル1枚加算において、メダル限界フラグがセットされる(図28のステップS182)。
これにより、仮に、上記と同様に、次に割込み処理が実行されるまで、3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータ「1」が維持され、図30のメダル管理(MS_MEDAL_CHK)からステップS217で「Yes」となり、図36の貯留ベット処理(MS_BET_IN )が再度実行されると、ステップS281で「Yes」となり、貯留ベット処理は実行されないからである。
また、たとえば3ベットスイッチ40bが操作される前のベット枚数が「0」、貯留枚数が「2」であったときは、3ベットスイッチ40bの操作に基づいて、ベット枚数が「2」となる。このとき、ベット枚数は、未だ限界枚数となっていないので、メダル限界フラグは「1」にならない。
この状態において、3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータがクリアされておらず、次の割込み処理が実行される前に、再度、貯留ベット処理が実行されると、ステップS281では、「No」となるが、ステップS289で「No」となるので、ステップS290以降の処理が実行されることはない。
このため、3ベットスイッチ40bに係る立ち上がりデータのクリアは、必ずしも必要でない(少なくとも1ベットスイッチ40aに係る立ち上がりデータをクリアすればよい)。
しかし、3ベットスイッチ40bに係る立ち上がりデータを「1」のままにしておくと、次に割込み処理が実行されるまで、3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータが「1」であることに基づいて、貯留ベット処理が実行されてしまう(図36の処理に移行する)ことはたしかである。したがって、これを避ける場合には、3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータについてもクリアしてもよい。3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータをクリアする場合には、ステップS290の処理を、「1ベットスイッチ40a信号の立ち上がりデータを有するか否かの判断」に代えて、「3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータのクリア処理」にすればよい。3ベットスイッチ40b信号の立ち上がりデータのクリア処理は、入力ポート0立ち上がりデータ(図7;_PT_IN0_UP)のD2ビットを「0」にする処理である。
ステップS292に進むと、メダル貯留枚数(ステップS288で読み込んだ枚数)が、ベット要求枚数(ステップS282又はステップS287でセットした枚数)以上であるか否かを判断する。具体的には、Aレジスタ値(メダル貯留枚数)からBレジスタ値(ベット要求枚数)を減算する処理を実行し、「0」以上であるか否かを判断する。
そして、メダル貯留枚数がベット要求枚数以上であると判断したときはステップS294に進み、メダル貯留枚数がベット要求枚数以上でないと判断したときはステップS293に進む。
ステップS293では、メダル貯留枚数をセットする。この処理は、全貯留枚数をベット加算枚数に設定する処理である。すなわち、ステップS292で「No」のときは、貯留枚数がベット枚数に満たない場合であるので、この場合には全貯留枚数をベット加算枚数とする処理を行う。具体的には、Aレジスタ値をBレジスタに記憶する処理である。そしてステップS294に進む。
以上より、ステップS283で「Yes」であるとき(1ベットスイッチ40a操作時)は、ステップS282でセットしたベット要求枚数「1」がベット加算枚数とされ、その値がBレジスタに記憶される(Bレジスタ値=「00000001」)。
一方、ステップS287においてたとえばベット要求枚数として「3」がセットされ、ステップS292で「Yes」であるときは、ベット要求枚数「3」がベット加算枚数とされ、その値がBレジスタに記憶される(Bレジスタ値=「00000011」)。
また、ステップS287においてベット要求枚数として「3」がセットされたが、貯留枚数が「2」であるときは、ステップS292で「No」となり、ステップS293で「2」がベット加算枚数とされ、その値がBレジスタに記憶される(Bレジスタ値=「00000010」)。
このように、ベット加算枚数(ベット要求枚数)とは、ベットスイッチ40が操作されたときに演算結果に基づいて実際にベットされる枚数を指す。
ステップS294では、貯留ベット時の出力要求をセットする。具体的には、制御コマンドデータである「10(H)」をDレジスタに記憶し、Bレジスタ値をEレジスタに記憶する。ここで、Dレジスタ値は、貯留ベットに係ることを示す制御コマンドとなり、Eレジスタ値は、ベット加算枚数を示す制御コマンドとなる。
次にステップS295に進み、制御コマンドセット1を実行する。ここでの処理は、制御コマンドバッファに制御コマンドデータ(DEレジスタ値)を書き込む処理である。
次のステップS296では、メダル1枚の加算(ベット)処理を行う(図28;MS_MEDAL_INC)。このメダル1枚加算処理が実行されると、メダルメット枚数データ「_NB_PLAY_MEDAL」(図11)の値に「1」を加算する処理が行われる。
次にステップS297に進み、貯留枚数から1枚を減算する処理を行う(MS_CREDIT_DEC :後述する図37)。次のステップS298では、メイン制御基板60は、要求枚数のベットが終了したか否かを判断する。ここでは、Bレジスタ値(ベット要求枚数)から「1」減算し、減算後のBレジスタ値が「0」であるか否かを判断する。たとえば、メダル1枚加算処理前のBレジスタ値が「00000011」(3)であるとき、メダル1枚加算処理により、Bレジスタ値は、「00000010」(2)に更新される。
そして、演算後のBレジスタ値が「0」であると判断したときは要求枚数のベットが終了したと判断し、演算後のBレジスタ値が「0」でないと判断したときは要求枚数のベットが終了していないと判断する。
要求枚数のベットが終了したと判断したときはステップS302に進み、終了していないと判断したときはステップSステップS299に進む。
ステップS299では、ブロッカ47をオフにする(MS_BLOCKER_OFF;図33)。次にステップS300に進み、待機時間をセットする。ステップS300では、約105msの待機時間をセットするために、割込み数のカウント値として「47」をセットする。次にステップS301に進み、一割込みごとにカウント値から「1」を減算していき、カウント値が「0」になるまでウェイト処理を実行する。そして、ウェイト処理の終了後、ステップS296に戻る。
上記の処理において、ステップS299でブロッカ47をオフにするのは、メダル1枚加算処理を繰り返すときに、ウェイト処理を設けているので、この間にメダルが手入れ投入されてしまい、メダルの飲み込みが発生してしまうことを避けるためである。
以上のようにして、2枚以上をベットするときは、メダル1枚加算処理(ステップS296)とステップS301におけるウェイト処理とを繰り返す。
なお、上記のようにウェイト処理を設ければ、たとえば3ベットスイッチ40bに基づいて3枚をベットするときに、一瞬で3枚がベットされてしまう(一瞬で投入表示LED73e〜73gが点灯してしまう)ことをなくすことができる。
ステップS298において要求枚数のベットが終了したと判断され、ステップS302に進むと、ブロッカをオンにする(図25)。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
これにより、貯留ベット処理の終了後は、ブロッカ47がオンとなるので、メダルの手入れ投入が可能となる。
また、図36の処理では、1ベットスイッチ40aに係る立ち上がり信号をクリアした後、メダル1枚加算処理をベット加算枚数が「0」になるまで繰り返したが、これらの処理を逆にしてもよい。
具体的には、メダル1枚加算処理をベット加算枚数が「0」になるまで繰り返した後、ステップS302のブロッカオンの前又は後に、ステップS291における立ち上がりデータのクリア処理を実行してもよい。
本実施形態では、次のベット処理(再度、図36の処理)が実行される前までに、ベットスイッチ40(特に、1ベットスイッチ40a)の立ち上がりデータのクリア処理を実行すればよい。
図37は、図36のステップS297における貯留枚数から1枚を減算する処理(MS_CREDIT_DEC )を示すフローチャートである。
ステップS305では、貯留枚数の読み込みを実行する(図24;S_CREDIT_READ )。すなわち、貯留枚数表示データ「_NB_CREDIT_LED」(図10)から貯留枚数表示データを読み込み、Aレジスタに記憶する。
次のステップS306では、貯留枚数から「1」を減算する処理(「−1」)を行う。この処理は、図35のステップS279と逆の処理であり、Aレジスタ値から「1」を減算する。次のステップS307において、貯留枚数データを保存、すなわち演算後のAレジスタ値を貯留枚数表示データ「_NB_CREDIT_LED」に記憶する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS307では、ステップS280と同様に、貯留枚数データを10進数データに変換した値を貯留枚数表示データとして保存する。
図38は、図30のステップS221における精算処理(MS_MEDAL_RET)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS311では、メイン制御基板60は、貯留枚数の読み込み処理(図24;S_CREDIT_READ )を行う。次のステップS312では、メイン制御基板60は、(ベット)メダルの読み込み処理(図23;S_PLAYM_READ)を行う。
次に、ステップS313に進み、メイン制御基板60は、作動状態フラグ(_FL_ACTION)をチェックする。続いて、ステップS314では、メイン制御基板60は、当該遊技がリプレイ作動時であるか否か(リプレイの作動状態フラグがオンであるか否か)を判断する。
ステップS314においてリプレイ作動時でないときはステップS316に進み、リプレイ作動時であるときはステップS315に進む。
ステップS315では、精算可能なベット数をクリアする。この処理は、ステップS312で読み込んだベット枚数を、リプレイ作動時には「0」にする処理である。
なお、本フローチャートに示すように、リプレイの作動による自動ベットを有するときであっても、その自動ベットを維持した状態で、貯留メダルの精算が可能である。
次のステップS316では、メイン制御基板60は、精算可能なメダルの有無を判断する。この処理は、ステップS311で読み込んだ貯留(クレジット)枚数と、ステップS312で読み込んだベット数とを「OR」演算し、精算可能なメダルの有無を判断する。なお、ステップS311で読み込んだ貯留枚数及びステップS312で読み込んだベット枚数(又はステップS315による処理後のベット枚数)は、いずれも、上述したようにレジスタに記憶されている。ここで、リプレイ作動時の場合には、ステップS315において精算可能なベットメダル枚数を「0」(クリア)にしているため、貯留枚数がある場合にのみ「Yes」となる。
ステップS316において精算可能なメダルありと判断したときはステップS317以降の処理に進むが、精算可能なメダルなしと判断したときは、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS317では、ブロッカ47をオフにする処理(図33;MS_BLOCKER_OFF)を行う。
次に、ステップS318に進み、メインCPU62は、精算開始時の出力要求をセットし、次のステップS319では制御コマンドセット1を実行する。
次のステップS320及びステップS321の処理は、上述したステップS313及びステップS314の処理と同一である。
そして、ステップS321において、リプレイ作動時であると判断したときはステップS324に進み、リプレイ作動時でないと判断したときはステップS322に進む。
ステップS322では、メダル(現在ベットされているメダル枚数)の読み込み処理(S_PLAYM_READ)(ステップS312と同じ)を行う。
次にステップS323に進み、メイン制御基板60は、ベットメダルの有無を判断する。ベットメダルありと判断されたときはステップS327以降の処理に進み、ベットメダルなしと判断されたときはステップS324以降の処理に進む。
ここで、ベットメダルありの場合には、ステップS327以降の処理を行うことによって、ベットメダルの精算処理を行う。これに対し、ベットメダルなしの場合には、ステップS324以降の処理を行うことによって、貯留メダル、すなわちクレジットされているメダルの精算処理を行う。
したがって、ベットメダル及び貯留メダルの双方を有する場合には、ベットメダルの精算を先に行う。
ステップS323からステップS324に進むと、メイン制御基板60は、精算表示LED73cを点灯する処理を行う。本実施形態では、貯留メダルの精算処理を行っている間は、精算表示LED73cを点灯させる。
ステップS324では、上述したステップS146と同様の処理を行う。具体的には、RWM61に記憶されているメダル管理フラグ(図10;_FL_MEDAL_STS )中、D4ビット(精算処理中であるときに「1」)をオンにする処理である。
なお、精算表示LED73cを実際に点灯させる処理は、割込み処理でのLED表示制御(ステップS606)にて行う。
次にステップS325に進み、貯留メダルの精算処理(MS_CREDIT_RET )を行う(後述する図39)。この精算処理後は、ステップS326に進み、ステップS324で点灯させた精算表示LED73cの消灯処理を行う。この処理は、ステップS324とは逆の処理であり、上記のメダル管理フラグ中、D4ビット(精算処理中であるときに「1」)をオフ(「0」)にする処理である。そして、ステップS336に進む。
一方、ステップS323においてベットメダルありと判断され、ステップS327に進むと、メイン制御基板60は、メダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )を行う(後述する図40〜図41)。
次にステップS328に進み、メイン制御基板60は、投入数を表示するLED(投入表示LED73e〜73g)のいずれか1つを消灯する処理を実行する。
たとえば、現時点で3枚のメダルがベットされているときは、投入表示LED73e〜73gの3個全てが点灯状態にある。そして、この状態でステップS328に進んだときは、3枚投入表示LED73gのみを消灯する(1枚投入表示LED73e及び2枚投入表示LED73fの点灯は維持)するように制御する。
また、1枚投入表示LED73e及び2枚投入表示LED73fが点灯している状態でステップS328に進んだときは、2枚投入表示LED73fのみを消灯する(1枚投入表示LED73eの点灯は維持)するように制御する。
さらにまた、1枚投入表示LED73eのみが点灯している状態でステップS328に進んだときは、1枚投入表示LED73eを消灯する(これにより、投入表示LED73e〜73gが全消灯となる)ように制御する。
また、ステップS328では、上述したステップS176〜S178と同様に、記憶している投入表示LED信号データを更新する処理を行う。上述のように、投入枚数表示LED信号データ(図11;_PT_MEDAL_LED )は、投入数に応じて、
投入枚数表示LED信号データ(1枚投入時):10000000
投入枚数表示LED信号データ(2枚投入時):11000000
投入枚数表示LED信号データ(3枚投入時):11100000
となっている。
したがって、ステップS328の直前で、投入枚数表示LED信号データが3枚投入時の「11100000」であるときは、2枚投入時の投入枚数表示LED信号データとなるように、演算を行って「11000000」とする。
つまり、左にシフトする命令を出すことで、「11100000」→「11000000」となる(先述したローテート式ではない命令を用いている。)。
次のステップS329では、(ベット)メダルの読み込みを行う(S_PLAYM_READ;図23)。次にステップS330に進み、メダル枚数の減算処理を行う。この処理は、RWM61に記憶しているメダルベット枚数データ(_NB_PLAY_MEDAL;図11)から「1」を減算する処理を行う。
次のステップS331では、メダル枚数表示の出力要求をセットする。この処理は、1枚のメダルを減算した後のメダル枚数の表示の要求である。次のステップS332では、メイン制御基板60は、制御コマンドセット1を実行する。
さらに、次のステップS333で(ベット)メダルの読み込みを行う(S_PLAYM_READ;図23)。このステップS333では、1枚減算後のメダル枚数が読み込まれる。
そしてステップS334に進み、メイン制御基板60は、ステップS323と同様に、ベットメダルの有無を判断する。ベットメダルありと判断されたときはステップS327に戻り、上記と同様に、メダル1枚の払い出し処理を行う。これに対し、ベットメダルなしと判断されたときはステップS335に進み、メイン制御基板60は、メダル限界フラグ(メダル管理フラグのD7ビット)をクリアする処理を行う。次にステップS336に進み、メイン制御基板60は、精算終了時の出力要求をセットする。次のステップS337では、メイン制御基板60は、制御コマンドセット1を実行する。そして次に、ステップS338に進んでブロッカ47をオンにする処理(MS_BLOCKER_ON ;図25)に移行する。
以上の精算処理において、ステップS318及びステップS319では、精算を開始したことを第1サブ制御基板80に送信するため、制御コマンドデータのセットを行う。
また、ステップS336及びステップS337では、精算を終了したことを第1サブ制御基板80に送信するため、制御コマンドデータのセットを行う。
図39は、図38のステップS325における貯留メダルの精算処理(MS_CREDIT_RET )を示すフローチャートである。
図39において、まず、ステップS341では、メインCPU62は、現時点における貯留枚数の読み込み処理(S_CREDIT_READ ;図24)を行う。次にステップS342に進み、メイン制御基板60は、ステップS341で読み込んだ結果に基づいて、貯留メダル、すなわちクレジットの有無を判断する。貯留メダルあり(ゼロフラグが「0」)と判断したときはステップS343に進み、貯留メダルなし(ゼロフラグが「1」)と判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS343では、貯留メダルから、メダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )(後述する図40〜図41)を行う。次にステップS334に進み、貯留メダル枚数から1枚を減算する処理(MS_CREDIT_DEC ;図37)を行う。その後、ステップS341に戻る。つまり、貯留メダル精算では、貯留メダルが「0」となるまで処理が実行される。このとき、後述する図40〜図41の処理により正常に1枚のメダルが払い出されるよう制御されたときに、約100msの時間を要するように設計されている。いいかえれば、1枚のメダルを払い出す際に貯留枚数表示データが約100msの間隔で更新され、この間に割込み処理が実行されることにより、貯留数表示LED71の表示が1枚ずつ減算されることが視認できるように構成されている。
図40及び図41は、図38のステップS327(及び図39のステップS343)におけるメダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )を示すフローチャートである。図41は、図40に続くフローチャートである。
図40のステップS351では、メイン制御基板60は、エラー未検出をセットする。すなわち、初期状態ではエラーを検出していない状態をセットする。次のステップS352では、メイン制御基板60は、メダル詰まりエラー表示要求をセットする。
なお、メダル詰まりエラーは、本実施形態では「HPエラー」と称し、このメダル詰まりエラーが発生したときは、獲得数表示LED72に「HP」と表示する処理を実行する。
次にステップS353に進み、メイン制御基板60は、エラーを検出したか否かを判断する。エラーを検出したと判断したときはステップS354に進んでエラー表示を行う。そしてステップS355に進む。一方、ステップS353でエラーを検出していないと判断したときはステップS355に進む。
ステップS355では、メイン制御基板60は、メダル払出し装置の制御時間(たとえば2686割込み、約6000ms)をセットする。ここでは、制御時間の計時を開始する。次にステップS356に進み、ホッパーモータ36を駆動するための処理を行う。具体的には、ブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データ(図11)中、ホッパーモータ駆動信号データを示すD7ビットを「1」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD7ビットが「1」となる。次にステップS357に進み、メイン制御基板60は、ステップS355でセット後の制御時間の読み込みを行う。
そして、次のステップS358において、メイン制御基板60は、制御時間が所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過したと判断したときはステップS361に進み、所定時間を経過していないと判断したときはステップS359に進む。
ステップS361では、ホッパーモータ36の駆動信号をオフにするための処理を行う。具体的には、上述したホッパモータ駆動信号データを「0」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD7ビットが「0」となる。そして、次のステップS362では、払出しセンサ1の検出時間(たとえば27割り込み、約60ms)をセットし、検出時間の計時を開始する。次にステップS363に進み、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS355に進み、オンでないと判断したときはステップS364に進む。
ステップS364では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1の検出時間が所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過したと判断したとき、すなわち払出しセンサ1信号に係るデータがオンでなく、かつ払出しセンサ1の検出時間が所定時間を経過したときは、メダルが払い出されていないこととなるので、ステップS365に進み、メイン制御基板60は、メダル空エラーの表示要求をセットする。メダル空エラーは、本実施形態では「HEエラー」と称し、このメダル空エラーが発生したときは、獲得数表示LED72に「HE」と表示する処理を実行する。そしてステップS353に進む。
一方、ステップS364において払出しセンサ1の検出時間が所定時間を経過していないと判断したときはステップS363に戻る。
ステップS358において制御時間が所定時間を経過していないと判断され、ステップS359に進むと、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS360に進み、オンでないと判断したときはステップS357に戻る。
ステップS360では、払出しセンサ1の検出時間をセットする。この処理は、ステップS362と同様である。次にステップS366に進み、メイン制御基板60は、メダル詰まりを検出したか否かを判断する。メダル詰まりを検出したと判断したときはステップS352に進み、検出していないと判断したときはステップS367に進む。
ステップS367では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断されたときはステップS368に進み、オンでないと判断されたときはステップSステップS357に進む。
ステップS368では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1及び2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。双方がオンであると判断されたときはステップS369に進み、双方がオンでないと判断されたときはステップS366に戻る。
ステップS369では、メイン制御基板60は、払出しセンサ2の検出時間をセットする。次に、図41のステップS370に進み、メイン制御基板60は、メダル詰まりを検出したか否かを判断する。メダル詰まりを検出したと判断したときはステップS352に進み、検出していないと判断したときはステップS371に進む。
ステップS371では、メイン制御基板60は、払出しセンサ2信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。払出しセンサ2信号に係るデータがオフでないと判断したときはステップS370に戻り、オフであると判断したときはステップS372に進む。
ステップS372では、メイン制御基板60は、メダル払出しが無効であるか否かを判断する。無効であると判断したときはステップS357に進み、無効でないと判断したときはステップS373に進む。ステップS373では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。オフであると判断したときはステップS374に進み、オフでないと判断したときはステップS370に戻る。
ステップS374では、残り払出し数(カウント値)を「−1」(「1」減算)する。次にステップS375に進み、メイン制御基板60は、メダル払出しを終了したか否かを判断する。メダル払出しを終了したと判断したときはステップS376に進み、終了していないと判断したときは本フローチャートを終了する。ステップS376では、メイン制御基板60は、ホッパーモータ36の駆動信号をオフにするための処理を行う。具体的には、上述したホッパモータ駆動信号データを「0」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD7ビットが「0」となる。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図42は、図18中、ステップS109におけるスタートスイッチ受付け(MS_START_CTL)を示すフローチャートである。
ステップS431では、内蔵乱数をMPUのレジスタ(乱数ソフトラッチレジスタ)に記憶する。ここでは、乱数のラッチ(取得)を行うものであり、取得した乱数が当選役に相当する乱数であるか否かを判定するのは、図18のステップS110である。
次のステップS432では、メダル管理フラグ(図10)のD0ビットをクリアする(「0」にする)。
次にステップS433に進み、ステップS432と同じメダル管理フラグのD6ビットを「1」にする。これにより、設定変更が不可となる。
次のステップS434では、ブロッカ47をオフにする(図33)。すなわち、スタートスイッチ41の操作後は、メダルが投入されても受け付けないように制御する。次のステップS435では、ベットメダルの読み込みを実行する(図23)。ここで読み込んだベットメダル枚数をAレジスタに記憶する。次のステップS436では、メイン制御基板60は、リール回転開示の出力要求をセットする。ここでは、第1制御コマンド値として「13(H)」、第2制御コマンドとしてAレジスタ値をセットする。
次にステップS437に進み、ステップS435で読み込んだベットメダル枚数(Aレジスタ値)をEレジスタにセットする。
次のステップS438では、制御コマンドセット1を実行する。この処理は、ステップS436でセットした制御コマンドをバッファに記憶する処理である。
次にステップS439に進み、メイン制御基板60は、RWM61に記憶されている設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断する。正常範囲であると判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、正常範囲でないと判断したときはステップS441に進んで復帰不可能エラー処理を実行する。
なお、ステップS440の処理後は、たとえばベットメダル枚数を外部信号として出力ポート6(図5では図示していないが、たとえばD5ビット)から出力する処理が含まれるが、本実施形態では説明を省略する。
図43は、メイン制御基板60(メインCPU62)による割込み処理(I_INTR)を示すフローチャートである。上述したように、メイン制御基板60は、図18のメインループと並行して、2.235ms周期で、図43に示す割込み処理を行う。
先ず、ステップS601の割込み処理に移行すると、ステップS602では、初期処理として、レジスタ値の退避及び重複割込みの禁止処理を行う。ここでは、メインループで使用しているメインCPU62のレジスタを割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRWM61のスタック領域に退避する。さらに、割込み処理中に次の割込み処理が開始されないように、割込み禁止フラグをオンにする。このようにするのは、たとえば電源断処理の実行中に割込み処理の実行要求が行われるときがあるからである。
次のステップS603では、電源断を検知したか否かを判断する。ここでは、(図示しない)メイン制御基板60上に設けられた電圧監視装置(電源断検出回路)により、電源電圧が所定値以下になったときには、図4中、入力ポート2のD0ビットに電源断検知信号が入力されるので、その信号の入力があったか否かを検知する。
そして、電源断を検知したときはステップS617の電源断処理に進み、電源断を検知していないと判断したときはステップS604に進む。
ステップS604では、制御用カウンタ値の更新を行う。たとえば割込み処理ごとに値を更新するカウンターが設けられているので(たとえば、割込み処理回数に基づき所定時間の経過をカウントする場合等が挙げられる)、そのカウンター値の更新を行う。
次のステップS605では、タイマー計測を行う。この計測は、前回の遊技開始時から今回の遊技開始時までに4.1秒を経過したか否か(ウェイト処理)の計測や、図31中、ステップS237の処理で投入センサ1の所定時間を経過したか否か等の計測である。いいかえれば、メインループでセットした時間を減算する処理を実行する。
次に、ステップS606に進み、LED表示制御を行う。ここでは、スロットマシン10の状態に応じて、設定値、貯留枚数、獲得枚数、エラー表示内容(エラーコード)等をLED71〜73を用いて点灯する処理である。
次にステップS607に進み、入力ポート0〜2(図4)の読み込み処理を行う。これにより、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42等の操作が行われたか否かや、スイッチ信号、各種センサの入力信号が読み込まれ、入力ポート0〜2に基づくデータ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を生成し、RWM61の所定の記憶領域(図7〜図9)に記憶する。次のステップS608では、内蔵乱数のチェック処理を行う。本実施形態では、内蔵乱数にエラーが発生するとオンになるフラグが設けられており、このフラグがオンであるか否かが判断される。
具体的には、たとえば役抽選用の乱数のクロック周波数異常(乱数更新が遅い場合等)を検知したときは、当該エラーフラグがオンにされる。より具体的には、MPUに入力されるSCLK(発振源:12MHz)とRCK(発振源:9MHZ)を備え、RCKに基づいて内蔵乱数を更新するものとする。このとき、「RCK<SCLK/2」を満たした場合にエラーフラグがオンになる。
そして、ステップS609に進み、内蔵乱数にエラーが発生しているか否か(エラーフラグがオンか否か)を判断し、エラーが発生していないと判断されたときはステップS610に進み、エラーが発生していると判断したときは、ステップS618に進んで、復帰不可能エラー処理に移行する。このときのエラー表示内容は、「E7」となる。
ステップS610では、リール31の駆動制御を行う。この制御は、リール31単位(左、中、右)で行われるとともに、それぞれ動作状態に応じて、停止中、揺れ変動(後述)中、定速、加速、減速、減速開始、待機が挙げられる。リール31の駆動制御が終了するとステップS611に進み、ポート出力処理を行う。この処理は、(リール用)モータ32、ホッパーモータ36の励磁出力や、ブロッカ47の励磁出力を行う。
次のステップS612では、制御コマンドの送信(IS_CMD_OUT;後述する図44)を行う。この処理は、たとえば出力要求セット及び制御コマンドセット1でセットされた制御コマンド(RWM61のコマンドバッファに記憶されている未送信の制御コマンド)を第1サブ制御基板80に送信する処理である。
具体的には、たとえば上述した図18中、ステップS119(出力要求セット)及びステップS120(制御コマンドセット1)において制御コマンドがコマンドバッファにセットされると、その時点以降の割込み処理(コマンドバッファが空の場合は、原則としては、その時点の次に到来する割込み処理)において、このステップS612によって制御コマンドが第1サブ制御基板80に送信される。
次のステップS613では、RWM61に記憶されている外部信号1〜3のデータをレジスタに記憶する。この処理は、出力ポート6(図5)の各ビットのオン/オフを読み込む処理である。なお、本実施形態では、外部信号1データは、AT発動信号であり、外部信号2データは、AT継続信号であり、外部信号3データは、AT中を示す信号である。そして、次のステップS614では、外部信号の出力を行う。図3に示す外部集中端子板100に対して信号を送信する。
次のステップS615では、乱数更新処理を行う。この処理は、リール31の回転開始時のランダム遅延を行うとき(擬似遊技を終了し、通常遊技を開始するときのタイミングを決定するとき)等に、乱数を更新し、各リール31ごとに乱数値に基づく遅延処理を実行する。なお、擬似遊技、ランダム遅延については後述する。
次のステップS616では、ステップS602で退避したレジスタ値を復帰させ、次回割込みの許可を行う。具体的には、割込み処理開始時に記憶していたレジスタデータを復帰するとともに、次回の割込み処理を開始できるように、割込禁止フラグをオフにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上の処理に示すように、2.235msごとの割込み処理において、ステップS606の処理により、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、状態表示LED73(73a〜73g)、設定値表示LED63の点灯/消灯が制御される。
さらに、割込み処理ごとに、第1サブ制御基板80に未送信の制御コマンドがコマンドバッファに記憶されているときは、その送信処理が行われる。
なお、復帰不可能エラー処理時には、割込み処理を行わない。復帰不可能エラーは、通常では起こり得ない重大なエラーであり、異常データに基づく処理(入力ポートからのデータに基づくRWM61のデータ更新や、第1サブ制御基板80への制御コマンドの送信)等を実行させないようにするために、割込み自体を禁止している。
いいかえれば、復帰不可能エラー時には、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80への制御コマンドの送信が行われないので、制御コマンドセット1を実行しても意味がない。
さらに、復帰不可能エラーの発生時に、制御コマンドのバッファに未送信のコマンドが格納されていた場合は、当該コマンドを第1サブ制御基板80に送信しない。バッファに格納されている制御コマンドが正しくないおそれがあるからである。
図44は、図43のステップS612における制御コマンド送信を示すフローチャートである。
先ず、ステップS661では、制御コマンドバッファのアドレスをセットする。メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に送信する制御コマンドのデータは、RWM61内において、アドレスに対応付けられたバッファに記憶されている。また、どのアドレスの制御コマンドデータを読み込むかを指定する読み込みポインタを示すデータについても、アドレスに対応付けられてRWM61に記憶されている。このため、ステップS661では、制御コマンドバッファの先頭アドレスと、RWM61に記憶されている読み込みポインタを記憶しているアドレスを取得する。
次にステップS662に進み、読み込みポインタを取得する。この処理は、RWM61の読み込みポインタを記憶している領域から、現在の読み込みポインタを取得する処理である。
次のステップS663では、送信対象となる制御コマンドバッファのアドレスをセットする。この処理は、制御コマンドバッファの先頭アドレスと、読み込みポインタとから、次に読み込みを行うRWM61の制御コマンドバッファのアドレスを算出する処理である。
そして、ステップS664に進み、(送信すべき)制御コマンドを有するか否かを判断する。ステップS663でセットしたアドレスに制御コマンドデータがあるときは制御コマンドありと判断され、そのアドレスのデータが「0」であるときは制御コマンドなしと判断する。制御コマンドありと判断されたときはステップS665に進み、制御コマンドなしと判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS665では、SCU3データレジスタにアドレスをセットする。本実施形態では、送信用の制御コマンドデータを保存する記憶領域として、SCU3データレジスタを使用しており、このレジスタのアドレスをセットする。
次にステップS666に進み、ステップS665でセットしたアドレス(SCU3データレジスタ)に、第1制御コマンドデータを書き込む。これにより、その第1制御コマンドデータが第1サブ制御基板80に送信される。また、送信対象となる制御コマンドバッファのアドレスのデータを「+1」にする。これにより、第2制御コマンドデータが記憶されているアドレスがセットされる。
次にステップS677に進み、ステップS666と同様に、送信対象となる第2制御コマンドデータをSCU3データレジスタに書き込む。これにより、その第2制御コマンドデータが第1サブ制御基板80に送信される。
次のステップS668では、制御コマンドの送信が完了したか否かを判断する。ここでは、読み込みポインタのデータが奇数であるか否かを判断する。奇数であるときは、2回目の送信であることを示し、偶数であるときは、1回目の送信であることを示す。
このような処理を行うのは、本実施形態では、同一の制御コマンド(第1制御コマンド及び第2制御コマンド)を、2回続けて(2割込みで)第1サブ制御板80に送信するためである。
ステップS668において制御コマンドを送信した(読み込みポインタのデータが奇数である)と判断したときはステップS669に進み、送信していないと判断したときはステップS670に進む。
ステップS669では、送信済みの制御コマンドデータをクリアする。すなわち、制御コマンドバッファに記憶されているデータを消去し、RWM61の領域を空にする。
次にステップS670に進み、読み込みポインタのデータを「+1」更新する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上より、一割込みで、第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータの2バイトが送信されるとともに、前記一割込みの次の割込みで、前記一割込みで送信した制御コマンドと同一の第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータの2バイトが再度送信される。
一方、この制御コマンドデータを受信したサブ制御基板80側では、2回受信した制御コマンドが同一であるか否かを判断し、同一であるときは、その制御コマンドの一方を記憶し、同一でないときはその制御コマンドを記憶しない。したがって、2回の制御コマンドデータの送信において、ノイズの発生等により、同一でない制御コマンドデータが送信されたときは、第1サブ制御基板80側では、その制御コマンドデータに基づく演出処理を実行しないので、誤りのある制御コマンドデータに基づく演出の実行を防止することができる。
なお、2回受信した制御コマンドが同一でなく、かつ一方が誤りであると判断できるときは、正しい方の制御コマンドを記憶するように構成してもよい。たとえば、第1サブ制御基板80側で、メイン制御基板60から送信される制御コマンドの種類を予め記憶しておき、受信した制御コマンドは、記憶したいずれの制御コマンドとも一致しないときは、正しい制御コマンドでないと判断することが挙げられる。
また、同一の制御コマンドを受信しなかった場合に、その回数をカウントし、記憶する手段を設けてもよい。このようにすれば、スロットマシン10の回収時に、制御コマンドが不一致となった回数が何回あったかに基づいて、不正行為等があったか否かの判断材料にすることができる。
なお、フローチャートでは図示しないが、本実施形態では、第1サブ制御基板80においても、1msごとの割込み処理を実行し、この割込み処理において、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に制御コマンドを送信する。この制御コマンドとしては、一般には演出の出力に関するものであるが、認証データやチェックサムデータも含まれる。
特に本実施形態では、1パケット単位でデータを送信し、1パケット分のコマンドには、チェックサムデータを含めている。第2サブ制御基板90は、チェックサムデータを受信することにより、1パケット分のデータが第1サブ制御基板80から送信されたと判断することができる。
一方、第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80に対し、チェックサムと、受信したコマンドデータ数(又はバイト数)とを送信する。第1サブ制御基板80は、このデータを受信することにより、通信不良(いわゆるコマンドゴケ)の有無を判断することができる。
そして、第1サブ制御基板80は、コマンドごけがあったと判断したとき、又は第2サブ制御基板90から所定時間、返信がなかったときは、再度、1パケット分のデータ(前回送信時と同一のデータ)の送信(リトライ処理)を行う。
ここで、本実施形態では、リトライ処理は、3回までに設定している。リトライ処理の開始時に、同一データのリトライ処理が3回を超すと判断したときは、異常と判断し、そのリトライ処理を実行せずに、第2サブ制御基板90を初期化する処理を実行する。
また、本実施形態では、RWM81の不正を防止するために、RWM81に記憶しているプログラムやデータの少なくとも一部を、RWM91にも記憶している(プログラムやデータの共有)。そして、割込み処理により、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に対して、共有しているプログラムやデータ等の整合性を判断するための認証データを送信する。第2サブ制御基板90は、認証データを受信すると、RWM91に記憶しているデータとの整合性を判断し、チェックサムを第1サブ制御基板80に返信すること等を行う。
そして、認証データが一致すると判断したときには特段の処理を行わないが、認証データが不一致であると判断したときは、エラー報知等を実行する。なお、認証データの整合性の判断において、不一致であると判断した時点でエラーとしてもよい。あるいは、全範囲の整合性を判断した後、不一致となる認証データを有するときにエラーとしてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)フリーズ中の擬似遊技
本実施形態では、AT遊技の開始時に特殊リプレイを入賞させるようにしたが、これに限らず、フリーズ中の擬似遊技を利用して、「赤7」揃い等のAT作動図柄(ATを開始することが遊技者に分かりやすい図柄組合せ)を表示させてもよい。
ここで、本遊技と擬似遊技とについて説明する。
「本遊技」とは、操作スイッチの本来の機能(ベットスイッチ40は遊技を開始するためにメダルを投入する機能、スタートスイッチ41は遊技を開始するためにリール31の回転を開始する機能、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を役の抽選結果に基づいて最大移動コマ数の範囲内において停止させる機能)が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっている遊技を指す。
本遊技では、ベットスイッチ40が操作されたときにメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されたときにリール31の回転を開始し(及び役の抽選を行い)、ストップスイッチ42が操作されたときに、役の抽選結果に基づいてリール31を停止させ、リール31の停止時における図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示する。
これに対し、フリーズ中は、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されないこと、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しないこと、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を表示しない(リール31が停止しない)こと等は、操作スイッチの機能が本遊技を進行して本遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。
そして、「擬似遊技」とは、このフリーズ中に実行される遊技であって、本遊技と異なり、少なくとも1つの操作スイッチについて、その機能が、本遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない遊技を指す。特に、スタートスイッチ41が操作された時から、リール31が定速となってストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になるまで)の間に、擬似遊技を実行する。
擬似遊技の実行のタイミングは、前兆終了後の次遊技である。この次遊技に、擬似遊技で停止させる図柄の組合せ、たとえば「赤7」を狙わせる報知を行う。なお、擬似遊技で「赤7」揃いをさせる場合には、「赤7」揃いを役の図柄の組合せに設定しないようにしてもよい。
擬似遊技を実行することに決定したときは、次遊技において、本遊技の開始前に擬似遊技を開始する。
遊技者によりスタートスイッチ41が操作されると、役の抽選を行うとともに、擬似遊技を開始する。一方、スタートスイッチ41が操作されると、リール31の回転を開始する。スタートスイッチ41が操作されたことによりリール31を回転させる場合において、当該遊技で、本遊技の前に擬似遊技を実行する場合には、そのスタートスイッチ41の操作によるリール31の回転開始時は擬似遊技となる。
また、擬似遊技では、遊技者によるストップスイッチ42の操作を契機として、そのストップスイッチ42に対応するリール31を変動させ、遊技結果を表示する停止とは異なる図柄の表示状態とすることにより、遊技結果を示すものではない図柄の組合せの表示状態(リール31の停止に近い状態)となるように制御する。すなわち、ストップスイッチ42の機能は遊技結果を表示するものとして有効になっていないものの、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31の変動を行う。
このときに、ストップスイッチ42の操作を契機として上述したAT作動図柄を表示させることで、AT開始時の演出とする。また、AT作動図柄を表示した時に、外端信号を送信する。
なお、擬似遊技中に、ストップスイッチ42の操作を契機としてAT作動図柄を表示させる場合には、そのAT作動図柄は、本遊技における停止位置決定テーブルを用いる停止制御(最大スベリコマ数が4コマ)と同様の制御を行ってもよいが、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず(最大スベリコマ数が4コマを超える場合であっても)、AT作動図柄を常に有効ラインに表示するようにリール31を制御してもよい。擬似遊技は、本遊技における最大スベリコマ数の制約を受けないためである。
さらに、擬似遊技中の図柄の表示状態は、リール31(図柄)が一定位置に完全にとどまることなく、揺れ変動を伴うものとする。
ここで、「揺れ変動」とは、図柄が一定の振幅(揺れ幅)をもって上下移動を繰り返すものであり、常に上下移動を繰り返す場合や、静止及び移動を繰り返す場合、たとえば有効ラインを基準として上寄りの位置で所定時間静止した後、下寄りに移動してその位置で所定時間静止した後、再度上寄りに移動して所定時間静止することを繰り返す等の動作である。
より具体的には、図柄の表示状態とした時から約390msその位置にとどまり、上寄り位置に移動してその位置で約10msとどまり、次に下寄り位置に移動してその位置で約10msとどまる、というように、最初は約390msとどまり、次に移動及び約10msとどまることを繰り返すパターンが挙げられる。
なお、最初のとどまる時間を約390msに設定したのは、とどまる時間を500ms未満とすることで、遊技結果を表示する停止と区別するためである。
「リール31を停止させること」は、遊技結果を表示することを意味するものなる。そして、遊技結果を一旦表示した後は、その一遊技内で、遊技結果を表示したリール31の再変動を行うことはできない。したがって、擬似遊技中にリール31を停止させてしまうと、その後に本遊技においてリール31を停止させて遊技結果を表示することはできない。
そこで、擬似遊技中は、ストップスイッチ42の操作を契機として、リール31の停止に近い状態(一時的な仮停止、擬似停止ともいう。)である、揺れ変動を伴う図柄の表示状態とする。すなわち、擬似遊技中の図柄の表示状態は、遊技結果を示す停止ではない。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示すようにリール31が停止することはない。
このため、擬似遊技中の図柄の表示状態は、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したこと、すなわち役の入賞を意味するものではない。よって、小役入賞時のようなメダルの払出しや、リプレイ入賞時のようなメダルの自動投入が行われることはない。
このようにして、擬似遊技では、すべてのリール31について図柄の表示状態とした後、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、擬似遊技及びフリーズを終了し、全リール31の再変動を行う。なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自ら擬似遊技を終了させる(フリーズを解除ないしキャンセルする)操作である。また、リール31の再変動は、ランダム遅延によって、各リール31ごとに、再変動の回転開始タイミングをばらばらにする制御を行う。これにより、擬似遊技後の遊技において目押しの補助にならないように制御を行っている。
以上のようにして、擬似遊技を用いてAT作動図柄を表示するようにすれば、前兆終了後の次遊技でAT作動図柄を表示させ、かつ当該遊技(当該擬似遊技終了後の本遊技)からATを開始することができる。これにより、AT準備中(複合ベル当選時に正解押し順を報知する遊技)を設けることがないので、その分、AT前の出玉率(ベース)を下げることができる。
(2)マイスロ遊技
本実施形態のスロットマシン10を利用して、マイスロ遊技を実行することも可能である。
ここで、「マイスロ遊技」とは、以下の内容である。
スロットマシン10は、遊技者の遊技履歴(遊技回数、AT当選回数等)を記憶しておく。遊技終了時に、スロットマシン10は、遊技履歴を二次元コードとして画像表示装置23に画像表示する。
遊技者は、その二次元コードを遊技者自身の携帯通信端末(二次元コードを読み取り可能なCCDを備えるスマートフォン等)で読み取り、スロットマシン10の製造メーカ等が運営するサーバーコンピュータにアクセスする。サーバーコンピュータには、その遊技者の最新の遊技履歴が記憶される。また、サーバーコンピュータは、遊技者が保有する携帯通信端末に対し、パスワードを発行する。遊技者は、遊技開始時に、そのパスワードを入力して遊技を開始すれば、遊技履歴を引き継ぐことができるというものである。
このようなマイスロ遊技では、遊技履歴は、RWM81に記憶しておく。そして、単なる電源のオン/オフ時におけるRWM81の初期化時には、その遊技履歴を消去するように設定する場合と、消去しないように設定する場合とが挙げられる。
また、設定変更を開始した場合の初期化時には、遊技履歴を含めて消去する。
たとえば、電源がオフからオンになったときに遊技履歴を消去するようにしておくことにより、設定変更を開始したときの挙動と同じになることで、マイスロ遊技を用いて設定変更をしたか否かということを遊技者には知らせないことが可能となる。
また、電源のオフからオンになったときに遊技履歴を一律に消去してしまうと、遊技中に意図しない電源断が生じた場合に遊技者に不利益を与えてしまう。そこで、電源のオフから時間を計時し、所定時間(例えば2時間)経過した場合は電源のオン時に遊技履歴を消去し、所定時間経過前の場合には、電源オン時に遊技履歴を保持するようにしてもよい。
この遊技履歴は、上述したマイスロ遊技に限らず、例えば画像表示装置23に表示されている遊技に関する実行回数(通常ゲーム数、ATゲーム数、チャンスゾーン中を示すゲーム数)も同様に制御するようにすることができる。
たとえば、電源オフから電源オンによりこれら遊技に関する実行回数の表示は実行しないように制御するが、電源オフから電源オンにより天井までのゲーム数等は内部的に保持することが考えられる。これにより、見た目上の天井と内部的の天井とで相違が生じ、遊技を進めることにより設定変更がされたか否か等の推測の要素ともなり得る。
(3)上記実施形態では、ATは、基本遊技回数をたとえば「50」とし、この「50」に上乗せされる仕様とした。しかし、これに限らず、継続条件を満たさなくなるまで、1セット所定回数からなるATを継続する仕様であってもよい。この場合には、AT当選時、AT作動図柄(特殊リプレイ)入賞時等に継続率を抽選で決定する。そして、所定のタイミングで継続抽選を実行し、この継続抽選に当選したときは、次のセットのAT(所定遊技回数)を実行する。
(4)ATの管理(ATの抽選、開始、実行、終了等)をメイン制御基板60側で行うようにしてもよい。メイン制御基板60側でATを管理すれば、複合ベル当選時に、3連続で正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときにAT中であると判断することや、3連続で不正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときにATが終了したと判断する等が不要となり、ATの開始時や終了時の遊技を正確に判断可能となる。
(5)本実施形態では、1BBやRB等の遊技状態移行役(当選を持ち越す、いわゆるボーナス役)を設けていないが、これらを設けることは、もちろん、可能である。
さらに、本実施形態では、MBの当選を持ち越して内部中遊技を作り出したが、これに限らず、1BBやRBを当選をさせて内部中遊技を作り出してもよい。
(6)本実施形態では、設定変更/リセットスイッチ53を覆う設定ドアを設け、設定ドアスイッチ54のオン/オフを検知することにより、設定ドアの開閉を検知した。しかし、設定ドアは必ずしも設ける必要はない。設定ドア(設定ドアスイッチ54)を設けない場合には、入力ポート1のD2ビットや、入力ポート1レベルデータ等のD2ビットは未使用となる。
(7)本実施形態では、精算スイッチ43に係る立ち上がりデータに基づいて精算処理を開始するように制御した。すなわち、精算スイッチ43が操作されることで精算処理を開始するようにした。
しかし、これに限らず、精算スイッチ43を一定時間操作し続けること(押しっぱなし)により精算処理を開始するようにしてもよい。
たとえば、精算スイッチ43に係るレベルデータが、500回の割込み(≒約1100ms)の間、連続でオンであるときに精算処理を開始することが挙げられる。
(8)実施形態では、精算スイッチ43が操作された場合において、ベットメダルを有するときは、ベットメダルを先に精算するように制御している。したがって、ベットメダルと貯留メダルの双方を有する場合において、双方を精算するときは、精算スイッチ43を2回操作する必要がある。
しかし、これに限らず、1回の精算スイッチ43の操作で、ベットメダルと貯留メダルの双方を精算できるように制御してもよい(ただし、リプレイ非作動時に限る)。
(9)本実施形態では、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90とを設けたが、1つのサブ制御基板から構成してもよい。この場合、そのサブ制御基板には、演出ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23が接続される。
(10)本実施形態では、8ビット1バイトデータ(データ列)として、遊技者が操作可能な操作スイッチ(精算スイッチ43、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42)のデータを記憶したが、これに限らず、個々の操作スイッチのレベルデータ等をそれぞれ所定の格納領域(番地)に記憶するものでもよい。たとえば、本実施形態では、ベットスイッチ40と精算スイッチ43との各信号のデータを1バイト中に記憶し、同時に処理するようにしたが、それぞれ個々に記憶することも可能である。
ただし、本実施形態のように、各操作スイッチのデータを1バイトデータとして記憶し、一括して読み取るようにすれば、一度の読み取り処理で全操作スイッチのデータを取得することができ、処理速度の向上や、処理の簡素化を図ることができる。
さらに、これらのデータは、立ち上がりデータに基づいてメインループ処理内で制御処理が実行されるものであることから、一括で立ち上がりデータを生成することも可能となり、処理の簡素化をより図ることができる。
(11)1回の割込み処理において、入力ポートのデータを1回だけ取得して、入力ポートレベルデータ及び入力ポート立ち上がりデータを生成する方法と、1回の割込み処理においてデータを複数回取得し、入力ポート立ち上がりデータを生成する方法とを示した。
ここで、1回の割込み処理においてデータを複数回取得したときに、複数回取得したデータのうち、一部のビットの信号は一致しているが、他の一部のビットの信号は一致していない場合が考えられる。
このような場合に、上述したように、AND演算を行うことでそのビットのレベルデータを生成したが、これに限らず、一致していないビットの信号については当該割込み処理におけるレベルデータを記憶しないことも可能である。さらに、当該割込み処理において記憶しなかったビットのレベルデータについては、前回の割込み処理におけるそのビットのレベルデータを使用することが挙げられる。
(12)本実施形態では、ベット処理において、3枚ベット後は、1ベットにすることはできないが、そのようなベット数の変更を可能としてもよい。3枚ベット後、1ベットスイッチ40aが操作されたときは、ベット枚数を「−2」にする処理を行うとともに、2枚分を貯留枚数に加算するか又は精算処理(払出し)を行うようにすることが挙げられる。
(13)上記実施形態では、入力ポート0の入力について優先順位を特に定めていない。しかし、これに限らず、入力ポート0の入力を複数検知したときは、そのときの優先順位を事前に定めておき、優先順位の高い操作スイッチに係る処理を実行することも可能である。
実施形態で説明した入力ポート0のレベルデータ、立ち上がりデータは、そのまま記憶する。そして、入力ポート0立ち上がりデータにおいて、複数ビットのオンを検知したときは、たとえば以下のように処理を実行する。
まず、入力ポート0の各操作スイッチにおいて、優先順位格納データテーブルを設ける。そして、入力ポート0立ち上がりデータの複数ビットがオンであるときは、優先順位格納データテーブルのデータを参照し、処理すべき1つの操作スイッチを決定する。
たとえば、操作スイッチの優先順位を、
精算スイッチ43>3ベットスイッチ40b>1ベットスイッチ40a>スタートスイッチ41>左ストップスイッチ41>中ストップスイッチ42>右ストップスイッチ42(精算スイッチ43が最も優先順位が高いことを意味する)
に設定する。
そして、入力ポート0立ち上がりデータとAND演算をする定義データとして、
定義データ1:00000001
定義データ2:00000100
定義データ3:00000010
定義データ4:00001000
定義データ5:00100000
定義データ6:01000000
定義データ7:10000000
を記憶しておく。上記において、定義データ1から順に、定義データ「n」(n=1、2、・・)と入力ポート0立ち上がりデータとのAND演算を実行する。
入力ポート0立ち上がりデータと定義データ「n」とをAND演算した結果、「0」であるときは、次の定義データ「n+1」と入力ポート0立ち上がりデータとをAND演算する。
これに対し、AND演算を実行した結果、「0」でないときは、「1」となったビットに相当する操作スイッチの立ち上がり処理を実行する。その他の操作スイッチの立ち上がりは無視する。
たとえば、入力ポート0立ち上がりデータが、「00001001」であったと仮定する。この値では、D0ビットの精算スイッチ43及びD3ビットのスタートスイッチ41の立ち上がりデータが「1」となっている例である。
そして、まず、定義データ1と、「00001001」とをAND演算すると、「00000001」≠「0」となる。これにより、精算スイッチ43の立ち上がり処理が実行され、スタートスイッチ41の立ち上がり処理は実行されない(無視される)。
このとき、演算により得られたデータ(どのスイッチを優先するかのデータ)をRWM61に記憶しておくことが好ましい。
上記処理は、いずれも割込み処理で実行されるが、割込み処理で上記処理が実行され、メインループに戻ったとき、仮に、図18中、ステップS108の直前に戻ったとしても、スタートスイッチ41の立ち上がりデータは無視されるので、ステップS108では「No」と判断され、ステップS103に戻る。そして、ステップS106から図30に進み、ステップS220で「Yes」と判断され、ステップS221に進んで精算処理が実行される。
また、入力ポート0、入力ポート0レベルデータ、及び入力ポート0立ち上がりデータの各ビットを、優先順位で並び替えることも可能である。たとえば、優先順位の高い操作スイッチほど、下位ビットに割り当てることが挙げられる。上記の例で示したように、
操作スイッチの優先順位を、
精算スイッチ43>3ベットスイッチ40b>1ベットスイッチ40a>スタートスイッチ41>左ストップスイッチ41>中ストップスイッチ42>右ストップスイッチ42
に設定したとき、入力ポート0、入力ポート0レベルデータ、及び入力ポート0立ち上がりデータの各ビットを、
D0:精算スイッチ(46)信号
D1:3ベットスイッチ(40b)信号
D2:1ベットスイッチ(40a)信号
D3:スタートスイッチ(41)信号
D4:左ストップスイッチ(42)信号
D5:中ストップスイッチ(42)信号
D6:右ストップスイッチ(42)信号
D7:未使用
と割り当てる。
そして、入力ポート0立ち上がりデータとAND演算をする定義データとして、
定義データ1:00000001
定義データ2:00000010
定義データ3:00000100
定義データ4:00001000
定義データ5:00010000
定義データ6:00100000
定義データ7:01000000
を記憶しておく。上記において、定義データ1から順に、定義データ「n」(n=1、2、・・)と、入力ポート0立ち上がりデータとをAND演算する。
入力ポート0立ち上がりデータと定義データ「n」とをAND演算した結果、「0」であるときは、次の定義データ「n+1」と入力ポート0立ち上がりデータとをAND演算する。
これに対し、AND演算を実行した結果、「0」でないときは、「1」となったビットに相当する操作スイッチの立ち上がり処理を実行する。その他の操作スイッチの立ち上がりは無視する。
(14)本実施形態では、リプレイ作動時であるときは、図22のフローチャートで示したように、メダル1枚加算時にはウェイト処理を実行していない。したがって、リプレイ作動時は、一瞬で、3枚のメダルが自動投入される。
これに対し、3ベットスイッチ40bの操作時は、図36中、ステップS300及びステップS301に示すように、メダル1枚加算処理ごとにウェイト処理を実行する。
しかし、これに限らず、リプレイ動作時の自動ベット時であっても、3ベットスイッチ40b操作時と同様に、ウェイト処理を設けてメダル1枚加算処理を実行するようにしてもよい。
一方、3ベットスイッチ40bの操作に基づきメダル1枚加算を実行する場合において、リプレイ作動時のメダル自動投入時と同様に、ステップS300及びS301をなくしてもよい(ウェイト処理なしとしてもよい)。この場合には、ステップS299のブロッカオフの処理をなくすことも可能である。ウェイト時間がないので、メダルの飲み込みのおそれがないためである。
また、リプレイ作動時のメダル1枚加算時において、メダルの自動投入についてはウェイト無しで行うが、投入表示LEDの点灯については、ウェイト処理を設け、1枚投入表示LED73e〜3枚投入表示LED73gを順次点灯させるように制御することも可能である。3ベットスイッチ40bの操作時にも、ウェイト処理なしでメダル1枚加算を行うとともに投入表示LEDの点灯についてはウェイト処理を設けることも可能である。
たとえば、図43のステップS606のLED表示制御において、1枚投入表示LED73eを点灯させた後、割込み回数(タイマー)を所定回数に設定する。そして、割込み処理ごとに割込み回数をカウントし、割込み回数が所定回数に到達するまでは、投入表示LEDの点灯状態を維持する。次に、割込み回数が所定回数に到達したときは、投入表示LEDの点灯状態を更新する(たとえば、それまでの1枚投入表示LED73eの点灯状態から、1枚及び2枚投入表示LED73e及び73fの点灯に更新する)。
そして、3枚投入表示LED73gを点灯させる場合には、再度、割込み回数を所定回数に設定し、割込み回数が所定回数に到達するまで、1枚及び2枚投入表示LEDの点灯状態を維持する。このように設定すれば、投入表示LED73e〜73fを点灯させるときは、たとえば1枚投入表示LED73eの点灯→100msウェイト→1枚及び2枚投入表示LED73e及び73fの点灯→100msウェイト→1枚〜3枚投入表示LED73e〜73gの点灯、とすることができる。
なお、3ベットスイッチ40bの操作時にメダル1枚加算処理をウェイト処理なしで行い、投入表示LED73e〜73gの点灯にはウェイト処理を実行するときは、投入表示LED73e〜73gの点灯中もブロッカ45をオンにし、メダルの手入れ投入を受け付けることが可能となる。リプレイ作動時にメダル1枚加算をウェイトなしで行う場合も同様である。
(15)複数枚のメダルをベットするとき(リプレイ作動時における自動ベットを含む)には、一律に、ウェイト処理を実行してもよい。
たとえば、図36(貯留ベット処理)において、ステップS300及びS301の処理をなくす。
その代わりとして、図28(メダル1枚加算処理)において、たとえばステップS175とS176との間にウェイト処理(たとえば、46割込み(約102ms))を設ける。この処理は、ステップS300及びステップS301と同様である。そして、ステップS177で「No」と判断されたときは、ウェイト処理を経由してからステップS176に移行することが挙げられる。
このように制御すれば、投入表示LED73e〜73gを目視にてわかる程度に順次点灯させることができる。
また、このように制御することにより、図22のステップS149で「メダル1枚加算処理」を実行するので、リプレイ作動時の自動ベット時においても、投入表示LED73e〜73fを順次点灯させることができる。
なお、図22のメダル受付け開始処理において、ステップS143でブロッカ45をオンにした後、自動ベット時にウェイト処理を設けると、その間にメダルが手入れ投入され、メダルの飲み込みが生じるおそれがある。そこで、自動ベット時においてもウェイト処理を設けるときは、ステップS143を設けず、ステップS138で「Yes」のときはブロッカ45のオフを維持し、ステップS138で「No」のときだけブロッカ45をオンにすることが挙げられる。また、リプレイ作動時の自動ベット処理を行うときは、ステップS150において「Yes」となったときにブロッカ45をオンにすることが挙げられる。
(16)リプレイ作動時の自動ベット時にウェイト時間を設けるときは、3ベットスイッチ40b操作時のウェイト時間(ステップS300で設定する時間)よりも短い時間に設定することも可能である。これにより、リプレイ作動時の自動ベット時に、投入表示LED73e〜73gを順次点灯させることができるとともに、ウェイト時間を通常ベット時よりも短くすることで、リプレイ作動後にメダルが投入可能となる(ブロッカ45がオンとなる)までの時間を短縮することができる。
特に、ベルリプレイは、遊技者に対しては、小役の1つであるベルを意識させるものであるので、ベルリプレイの入賞直後に遊技者がメダルを手入れ投入することは十分に考えられる。このような場合に対応するために、ベルリプレイの作動後は速やかにブロッカ45をオンにすることが好ましい。
(17)本実施形態では、図18中、ステップS118における遊技終了チェック処理において、投入表示LED73e〜73gをクリアするように制御する。しかし、これに限らず、遊技待機中、すなわち次回遊技の遊技開始セット、遊技状態セット、又はメダル受け付け開始処理内で、投入表示LED73e〜73gをクリアするように制御してもよい。
また、リプレイ作動時には、図28のステップS176〜S178の処理において投入表示LED73e〜73gの点灯制御を行うが、この投入表示LED73e〜73gの点灯時には、ウェイト処理を設けるときと設けないときとが挙げられる。
以上より、
a)投入表示LED73e〜73gを遊技待機中に消灯させ、かつ、リプレイ作動時には、ウェイト処理を設けて投入表示LED73e〜73gを順次点灯させる場合
b)投入表示LED73e〜73gを遊技待機中に消灯させ、かつ、リプレイ作動時には、ウェイト処理を設けずに投入表示LED73e〜73gを同時に全点灯させる場合
c)投入表示LED73e〜73gを遊技終了時に消灯させ、かつ、リプレイ作動時には、ウェイト処理を設けて投入表示LED73e〜73gを順次点灯させる場合
d)投入表示LED73e〜73gを遊技終了時に消灯させ、かつ、リプレイ作動時には、ウェイト処理を設けずに投入表示LED73e〜73gを同時に全点灯させる場合
が挙げられる。
a)の場合には、1枚投入表示LED73eは点灯したままとなり、2枚及び3枚投入表示LED73f及び73gは、消灯後、順次点灯する。
b)の場合には、投入表示LED73e〜73gは、全て点灯したままとなる。
c)の場合には、投入表示LED73e〜73gの全消灯後、投入表示LED73e〜73gが順次点灯する。
d)の場合には、投入表示LED73e〜73gの全消灯後、投入表示LED73e〜73gが同時に全点灯する。
(18)本実施形態では、リプレイ作動時には、図22中、ステップS147及びS148において制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信した。
そして、自動ベット時のベット音は、メイン制御基板60から送信した制御コマンドに基づいて出力される。
このため、入賞したリプレイの種類に応じて異なる制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信すれば、入賞したリプレイの種類に応じて、異なる自動ベット音を出力することも可能となる。すなわち、ノーマルリプレイ、ベルリプレイ、特殊リプレイの入賞時ごとに、異なる自動ベット音を出力することができる。
また、3ベットスイッチ40bの操作に基づくベット時と、リプレイ入賞時の自動ベット時とで、同一の制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信してもよく、異なる制御コマンドを送信してもよい。そして、ベット音として、同一のベット音を出力してもよく、異なるベット音を出力してもよい。
(19)メダル1枚加算処理時にウェイト処理を実行する場合において、たとえば図36の例では、ステップS298で「Yes」と判断されたとき、すなわちベット加算枚数が「0」と判断されたときは、ステップS302に移行した。しかし、プログラムの作成上の都合等によっては、ベット加算枚数が「0」となった(判断された)後、ステップS300及びS301のウェイト処理を経由してステップS302に移行してもよい。
あるいは、ステップS301の処理後に、ステップS298の処理を実行してもよい。この場合には、ベット加算枚数が「0」となった後であっても、ウェイト処理が実行され、その後、ステップS302に移行する。
(20)本実施形態で示したフローチャートにおいて、処理の順序は、図で示した順序に限られるものではなく、処理の順序を入替え可能な場合には、処理の順序を入れ替えることも可能である。
(21)本実施形態では、遊技機の一例としてスロットマシン10を例に挙げたが、弾球遊技機や封入式遊技機等にも適用可能である。
(22)本実施形態及び上記の各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
前述の従来の技術において、3ベットスイッチのような複数枚数をベットするベットスイッチが操作されたときに、その時点で貯留されているメダル枚数と、その時点で既にベットされているメダル枚数とに応じて、その操作に基づく加算ベット枚数が異なるが、そのための演算や制御処理が複雑化するという問題があった。
また、メダルが手入れ投入されたときも、既ベット数等に応じて、ベット数の加算や貯留加算に分けて制御処理を行う必要がある。
当初発明が解決しようとする課題は、遊技媒体が手入れ投入されたときや複数の遊技媒体をベット可能なベットスイッチが操作されたときに、投入処理(ベット数の加算処理、貯留数の加算処理)を簡素化しつつ適切に実行することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
当初発明は、
遊技媒体投入口(44)から投入された遊技媒体を検知する投入センサ(48a及び48b)と、
遊技媒体の貯留数を記憶する貯留数記憶手段(貯留枚数表示データ)と、
遊技媒体のベット数を記憶するベット数記憶手段(メダルベット枚数データ)と、
貯留された遊技媒体をベットするときに操作されるスイッチであって、複数の遊技媒体をベット可能なベットスイッチ(3ベットスイッチ40b)と
を備え、
前記投入センサにより遊技媒体を検知した場合において(ステップS212で「Yes」)、その時点における前記ベット数記憶手段に記憶されているベット数が当該遊技における最大ベット数であるときは前記貯留数記憶手段に記憶されている貯留数の加算処理を実行し(ステップS262)、その時点における前記ベット数記憶手段に記憶されているベット数が当該遊技における最大ベット数でないときは前記ベット数記憶手段に記憶されているベット数の加算処理を実行し(ステップS261)、
前記ベットスイッチが操作されたときは、
1)前記ベットスイッチに対応するベット数と、前記ベットスイッチが操作される前に前記ベット数記憶手段に記憶されたベット数とに基づいて、加算可能なベット数を演算し(ステップS281〜S287)、
2)前記貯留数記憶手段に記憶されている貯留数が前記加算可能なベット数以上であるときは、前記加算可能なベット数の値を所定の記憶領域に記憶し(ステップS292で「Yes」)、前記貯留数記憶手段に記憶されている貯留数が前記加算可能なベット数未満であるときは、前記貯留数記憶手段に記憶されている貯留数の値を所定の記憶領域に記憶し(ステップS293)、
3)所定の記憶手段に記憶された値が「1」以上であるときは、
3a)ベット数を「1」加算する1加算処理(ステップS296)
3b)前記1加算処理の実行後、所定の記憶領域に記憶された値を「1」減算する処理(ステップS298)
を、所定の記憶領域に記憶された値が「0」になるまで繰り返し実行する
ことを特徴とする。
<作用>
当初発明においては、遊技媒体が手入れ投入されたときは、投入センサにより検知される。そして、その時点でのベット数に応じて、貯留数の加算処理又はベット数の加算処理が実行される。
また、ベットスイッチが操作されたときは、そのベットスイッチに対応するベット数と、ベットスイッチが操作される前のベット数(既ベット数)とから、加算可能なベット数を演算する。たとえば、そのベットスイッチに対応するベット数が「3」であり、ベットスイッチが操作される前のベット数が「1」であるときは、加算可能なベット数は「2」と演算される。
次に、貯留数が加算可能なベット数以上であるときは、その値が加算ベット数とされる。たとえば、上記の例において、貯留数が「3」であるときは、加算ベット数は「2」となる。
これに対し、貯留数が加算可能なベット数未満であるときは、貯留数が加算ベット数とされる。たとえば貯留数が「1」であるときは、加算ベット数は「1」となる。
そして、加算ベット数が「1」以上であるときは、ベット数を「1」加算する処理と、加算ベット数から「1」を減算する処理とを、加算ベット数が「0」になるまで繰り返す。
なお、当初発明(請求項に係る発明)において、「1)」等の符番、符号は、必ずしもその符番、符号の順序で処理を行うこと(時系列)を意味するものではない。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、遊技媒体が手入れ投入されたときや複数の遊技媒体をベット可能なベットスイッチが操作されたときに、投入処理(ベット数の加算処理、貯留数の加算処理)を簡素化しつつ適切に実行することができる。