JP6543573B2 - CD8+Tリンパ球、特にCD8α及びβTリンパ球の亜集団の同定用のエピジェネティック法 - Google Patents

CD8+Tリンパ球、特にCD8α及びβTリンパ球の亜集団の同定用のエピジェネティック法 Download PDF

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Description

本発明は、配列番号1及び2によるCD8 β及びCD8 α細胞に特異的なバイサルファイト変換性遺伝子領域における少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性を分析することを含み、該遺伝子領域における少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性がCD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞の指標となる、哺乳動物のCD8陽性亜集団を同定する方法、特にin vitro方法に関する。本発明による分析では、CD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞をエピジェネティックレベルで同定し、それらを複合サンプル中の他の全ての細胞、例えば他の血液細胞等から区別することができる。本発明は、複合サンプル中のCD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞を、特にCD8 β及びα遺伝子のバイサルファイト変換性と、CD3、CD4、FOXP3、NKT、NK、ヘルパーT細胞及び/又はGAPDHの群から選択される少なくとも1つのマーカーのバイサルファイト変換性との比較に基づいて定量する改善された方法を更に提供する。該方法は、好ましくは全血及び/又は非トリプシン処理組織中の細胞を精製及び/又は富化する工程なしに行うことができる。
さらに、本発明は、上記の方法の実行用のキット及びそのそれぞれの使用に関する。本発明の一目的は、哺乳動物の任意の固形臓器若しくは組織内の血液又は任意の体液のCD8+細胞の特定のサブセットを定量的に検出及び測定する、新規のより確実な手段を提供することである。この方法を利用することによって、本発明者らは、CD8 α/β及びCD8 α/α細胞を決定、定量及び定期的に測定する新規のこれまで知られていなかった手段を提供する。
CD8(分化クラスター8)は細胞傷害性T細胞だけでなく、ナチュラルキラー細胞、皮質胸腺細胞及び樹状細胞の表面上で発現される膜貫通糖タンパク質である。CD8は、CD8 α及び/又はCD8 β鎖から構成されるホモ又はヘテロ二量体を形成する。CD8は、抗原特異的活性化の際にクラスI MHC受容体と相互作用し、タンパク質チロシンキナーゼp56lckと結合するコレセプターとして機能し、T細胞受容体媒介活性化に関与する。最近の研究によると、ホモ二量体はα/α鎖としてのみ存在し、CD3+/-CD8+細胞(細胞傷害性T細胞、NKT細胞)によって発現されるが、ヘテロ二量体α/βはCD3+CD8+細胞によってのみ発現される。ヒトにおいては、CD8 α及びβ分子はCD8 α遺伝子及びCD8 β遺伝子によってコードされる。
Tリンパ球は哺乳動物免疫系の主要な成分である。細胞傷害性CD3+CD8+ T細胞は細胞性免疫の重要な要素であり、細胞傷害性免疫防御を媒介する。CD8+細胞傷害性T細胞は感染細胞、癌性細胞又は損傷細胞を死滅させ、癌、自己免疫又は感染を防ぐために表面上に外来抗原のエピトープを提示する細胞を溶解させる。ナチュラルキラー細胞、皮質胸腺細胞及び樹状細胞は細胞傷害性T細胞に属さないが、同様にCD8タンパク質を発現する。
高等生物は、個体のほとんどの細胞がDNAコードの全く同じ相補体を含有するにもかかわらず、様々な組織型において異なるパターンの遺伝子発現を行い、維持する必要がある。大抵の遺伝子調節は細胞の現状に応じた一時的なものであり、外部刺激によって変化する。一方で、持続的な調節は、エピジェネティクス(DNAの基本的な遺伝コードを変更しない遺伝的な調節パターン)の基本的法則(role)である。DNAメチル化は後成的調節の典型的な形態であり、安定な細胞記憶として機能し、様々な細胞型の長期同一性を維持するうえで重要な役割を果たす。近年、後成的調節の他の形態が発見された。「5番目の塩基」である5-メチルシトシン(mC)に加えて、6番目の塩基(5-ヒドロキシメチルシトシン、hmC)、7番目の塩基(5-ホルミルシトシン、fC)及び8番目の塩基(5-カルボキシシトシン、cC)を見出すことができる(非特許文献1)。
上述のDNA修飾の主要な標的は、2ヌクレオチド配列であるシトシン−グアニン(「CpG部位」)であり、この状況でシトシン(C)は簡単な化学修飾を受けてホルミル化、メチル化、ヒドロキシメチル化又はカルボキシル化し得る。ヒトゲノムにおいては、CG配列は、「CpGアイランド」と呼ばれる或る特定の比較的密なクラスター以外については予想されるよりもはるかに稀である。CpGアイランドは遺伝子プロモーターと関連することが多く、半数を超えるヒト遺伝子がCpGアイランドを有すると推定されている(非特許文献2)。
異常なDNAメチル化は、しばしば健常細胞から癌性細胞への形質転換を伴う。観察される影響には、ゲノム規模での低メチル化、腫瘍抑制遺伝子のメチル化の増大及び多くの癌遺伝子の低メチル化がある(例えば非特許文献3、非特許文献4及び非特許文献5に概説される)。メチル化プロファイルは腫瘍特異的である(すなわち、特定の遺伝子又は更には個々のCpGのメチル化パターンの変化は、特定の腫瘍型の診断に用いられる)ことが認識されており、現在では、膀胱癌、乳癌、結腸癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、肺癌及び前立腺癌の大規模な診断マーカー群が存在する(例えば非特許文献5に要約される)。
近年記載されているシトシンの修飾の1つである5-ヒドロキシメチル化については、CpGアイランドの5hmCをマッピング及び定量する酸化バイサルファイトシークエンシングの有用性が示されている(非特許文献1)。高レベルの5hmCが、転写調節因子と関連するCpGアイランド及び長鎖散在反復配列(long interspersed nuclearelements)に見られた。これらの領域が胚性幹細胞において後成的リプログラミングを受ける可能性があることが示唆されている。
末梢血中の非接着性の非マトリックス化(non-matrixed)細胞を抗体で標識し、フローサイトメトリーによって定量することができるため、免疫細胞の定量は比較的容易であり、完全に標準化されていると一般に考えられている。細胞が非接着性の単一細胞懸濁液であり、無傷の細胞型特異的な表面抗原が利用可能であれば、フローサイトメトリーは実際に非常に正確な細胞定量ツールである。
しかしながら、研究及び医学的日常業務における多くの用途については、かかる正確な測定に指定の前提条件は与えられない:
1. 多くの場合、測定される材料/サンプルは末梢血に由来しないため、溶解性及び単一細胞懸濁液特性は満たされない。これは例えば、病理学的日常業務において行われるような全ての生検分析に当てはまる。
2. 分析物が末梢血であったとしても、無傷細胞を得るという前提条件は、その構造的完全性(「無傷性」)を維持するためには、これらの細胞を顆粒球等の亜画分が分解し始めるまでEDTA血として6時間を超えて凍結又は貯蔵してはならないため、満たすことが困難である。
3. 共通認識とは異なり、全ての免疫細胞型に対して高度に特異的な(表面)抗原は存在せず、細胞型の同定は期待され得るほど明白ではない。抗原発現はデジタルプロセスではないため、細胞が陽性画分に属するか又は陰性画分に属するかを決定するためには閾値を規定する必要がある。この問題はT細胞で特に顕著である。
したがって、多くの用途、例えば通常は幾らかの時間差、ひいては分析物のロバスト性及び安定性が必要とされる臨床用途における日常試験について、免疫細胞の定量的決定のための現在の方法論的アプローチには依然として問題がある。先に述べたように、末梢血中の細胞の測定に使用されるフローサイトメトリー法は、腫瘍成長中又は炎症時/炎症後に固形組織を含む他の組織に浸潤する免疫細胞には適切ではない。したがって、フローサイトメトリー法はこれら部位には適用されず、代替方法(大抵は免疫組織化学)は半定量的方法でしかない。
Hamerman et al.(非特許文献6)は、α−βヘテロ二量体又はααホモ二量体として未熟T細胞及び成熟T細胞の両方で発現されるCD8コレセプターを記載している。胸腺細胞及び末梢T細胞はCD8 α−βを発現するが、TCR α−β+上皮内リンパ球(IEL)はCD8 αα又はCD8 α−βを発現し、TCR γ−δ+ IELの大半がCD8 α αを保有する。CD8 βの存在はCD8 α−βコレセプターのシグナル伝達及び付着特性を高め、胸腺における効率的なT細胞発生に必要であるが、CD8 α α+IELの胸腺外成熟には必要とされない。CD8 α α+ IELがその発生時にCD8 βを発現するか否かについて対処するために、Hamerman et al.はCD8 β遺伝子5'調節領域中のシトシンのメチル化状態を調べ、メチル化状態がCD8 βタンパク質の発現と逆相関するシトシンを同定した。Hamerman et al.は、CD8 βを発現する胸腺細胞及びT細胞で脱メチル化したかかる4つのシトシンを同定した。興味深いことに、これらのシトシンは、発生時にCD8 βを一時的に発現するCD4+リンパ節T細胞においても脱メチル化していた。これらのシトシンのメチル化状態を、TCR α−β+ CD8 α α+及びTCR α−β+ CD8 α−β+IEL、並びにTCR γ−δ+ CD8 α α+及びCD3- CD8 α α+ IELから精製したDNAにおいて調べた。TCR α−β+CD8 α α+ IEL DNAのメチル化パターンは、CD4+リンパ節細胞に由来するDNAで見られるものとは異なり、TCR α−β+ CD8 α α+ IELが先にCD8βを発現しないことが示唆された。CD3- CD8 α α+IELに由来するDNAの分析により、TCR α−β+ CD8 α α+ IEL DNAにおけるCD8 β遺伝子の独特なメチル化パターンがCD8 α遺伝子の転写又は腸の微小環境の影響によるものではないことが示された。
特許文献1は、細胞、組織又は核から単離したDNAのメチル化パターンについての情報を収集することと、得られた情報を分析することとを含む、細胞、組織又は核を同定する方法を記載している。
特許文献2は、顕微鏡スライドガラス上で行われる抗CD4+、抗CD8+モノクローナル抗体検出に基づいてCD4+/CD8+ T細胞を推定する試験キット方法を記載している。顕微鏡下での更なる計数のために付加的な染色によりT細胞を可視化する。
特許文献3は、薬学的に有効な量のCD8+ T細胞阻害剤を投与することによって受容者において移植した組織又は細胞の免疫による拒絶を治療、阻止又は予防する方法を記載している。
特許文献4は、CD8 T細胞免疫応答を生じるワクチン接種のための方法及び試薬を記載している。
特許文献5は、CD4/CD8比及び腫瘍への単核細胞浸潤を変更することによりCD8 T細胞レベルを強く減少させる方法を記載している。
特許文献6は、同種移植片の生存を延長させ、移植者における移植片対宿主病を治療するうえで使用されるCD8α鎖に基づく免疫原性が低下した遺伝子治療ベクターを記載している。
上述の発明はCD8及びその亜集団での正確な定量を必要とするが、本発明はCD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞を効果的に検出及び定量する、特に初めてCD8+ β細胞を検出及び定量する新たな方法を提供する。さらに、本発明により、迅速なサンプル処理に左右されるのではなく、長期的なサンプル貯蔵及びサンプル採取とサンプル処理との間の個々の調整を可能にするフレキシブルな臨床前期間が可能となる。
さらに、Melvin et al.(非特許文献7)、Landolfi MM et al.(非特許文献8)及びCarbone AM et al.(非特許文献9)の文献に、発現及び分化と関連したメチル化が開示されている。
特許文献2は、免疫組織学的方法を用いたCD8の同定を記載している。
欧州特許出願公開第1 213 360号 国際公開第2008/132755号 国際公開第02/083162号 欧州特許出願公開第2058399号 欧州特許出願公開第1753452号 欧州特許第1616016号
Michael J. Booth et al. Quantitative Sequencing of 5-Methylcytosineand 5-Hydroxymethylcytosine at Single-Base Resolution Science 18 May 2012, Vol.336 no. 6083 pp. 934-937 Antequera and Bird, Proc Natl Acad Sci USA 90: 11995-9, 1993 Jones and Laird, Nature Genetics 21:163-167, 1999 Esteller, Oncogene 21:5427-5440, 2002 Laird, Nature Reviews/Cancer 3:253-266, 2003 Hamerman JA, Page ST, Pullen AM. Distinct methylation states of theCD8 beta gene in peripheral T cells and intraepithelial lymphocytes. J Immunol.1997 Aug 1;159(3):1240-6 Hypomethylation in IFN-Gamma Gen correlates with expression of IFN-G,including CD8 cells., Eur J Immunol. 1995 Feb;25(2):426-30 CD2-CD4-CD8- lymph node T lymphocytes in MRL lpr/lpr mice arederived from a CD2+CD4+CD8+ thymic precursor J Immunol. 1993 Jul15;151(2):1086-96 Demethylation in CD8 suggests that CD4+ derives from CD8+ cells.Role of methylation pattern during cell development. Science. 1988 Nov25;242(4882):1174-6
CD8+細胞の測定及び決定は概して容易であり、通常は細胞表面上でのCD8の発現を分析することにより臨床的に達成されるが、全CD8+細胞から実際のCD3+CD8+ α/β細胞を特異的に検出、同定、識別及び定量することは依然として困難である。現在、日常的な臨床用途はCD8 αの検出によるCD8+細胞の検出に限定され、したがってCD3+CD8+とCD3+/-CD8+とを差別化するとともに、CD8 βを検出する方法は確立されていない。
上記に鑑みると、本発明の一目的は、CD8+細胞のCD3+/-亜集団をより好都合かつ確実に検出、同定、識別及び定量する優れたツールとしてのシトシンバイサルファイト変換性分析に基づく改善された特に確実な方法を提供することである。
本発明は、上記の課題を、細胞傷害性T細胞の亜集団を同定する方法であって、CD8+ α及びCD8+ βの群から選択される遺伝子における少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性を分析することを含み、前記CD8+β遺伝子における少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性がCD3+CD8+細胞傷害性T細胞の指標となり、前記CD8+ α遺伝子のバイサルファイト変換性がCD3+/-CD8+細胞傷害性T細胞の指標となる、方法を提供することによって解決する。
現在、CD8+ β/β細胞を説明するデータは存在しない。しかしながら、本発明は好ましい実施の形態において、かかる細胞の検出を初めて可能にする。さらに、新規のCD8 βのマーカーによりCD8 β鎖発現細胞の細胞起源及び細胞状態の新たな科学的洞察が示されることが期待される。
現在、CD3+CD8+ NKT細胞がCD8 β鎖を発現することが文献に記載されている。しかしながら、本発明者らの結果から、これらの細胞の一部について、現在既知のタンパク質発現パターンを単純に反映又はそれと一致しない異なる後成的調節が存在し得ることが示されている。
上述のように、近年、3つの新たなシトシン修飾が発見された。したがって、今後の科学的所見によってこれまでに記載された修飾の後成的パターンが訂正されることが予想される。これらの過去のシトシン修飾のパターンは、バイサルファイト変換性(非メチル化、非修飾)及び非変換性(メチル化、修飾)シトシンを包含する。上記のように両方の語(terms)に訂正が必要である。新規の科学的所見によると、(i)非バイサルファイト変換性のシトシンが5-メチルシトシン(mC)及び5-ヒドロキシメチルシトシン(hmC)を包含し、(ii)バイサルファイト変換性の(すなわち「バイサルファイト変換性」)シトシンが5-ホルミルシトシン(fC)、5-カルボキシシトシン(cC)及び非修飾シトシンを包含する。
さらに、これまでの発明は、(i)全クロマチン量(細胞型に依存しない、100%のバイサルファイト変換性DNA遺伝子座)に対するバイサルファイト変換性シトシンの比率、又は(ii)非バイサルファイト変換性シトシン(hmC及びmC)に対するバイサルファイト変換性シトシン(fC、cC、非修飾シトシン)の比率に基づく。これらの比率は細胞型、細胞分化、細胞段階及び病的細胞段階を特徴付ける。したがって、新たな技法は新規のより具体的な比率をもたらし、現在の細胞特異的、細胞状態特異的及び病理学的な後成的修飾のパターンを補完し、それにより潜在的な新規のバイオマーカーを規定し得る。バイオマーカーとして発見される新規の比率は以下のように規定することができる:
バイオマーカー比=a/b
a=Σ(C及び/又はmC及び/又はhmC及び/又はfC及び/又はcC)
b=Σ(C及び/又はmC及び/又はhmC及び/又はfC及び/又はcC)
ここでa及びbは1種〜4種の修飾が互いに異なる。新規のDNA修飾の発見はこの数(enumeration)を拡大する。
本願の定義を目的として、DNA配列における「後成的修飾」は、(i)バイサルファイト変換性シトシン(5-ホルミルシトシン(fC)及び/又は5-カルボキシシトシン(cC))及び(ii)非バイサルファイト変換性シトシン(5-メチルシトシン(mC)、5-ヒドロキシメチルシトシン(hmC)を含む)という専門用語で称される。どちらの種のメチル化、すなわちmC及びhmCもバイサルファイト変換性ではないことから、これらの2つを区別することは可能ではない。同様に、fC、cC及び非修飾シトシンはバイサルファイト変換性であるが、同じく互いを区別することはできない。「メチル化」DNAという用語はmC及びhmCを包含する。「非メチル化」DNAという用語はfC、cC及び非修飾DNAを包含する。DNA修飾の新規の変形が今後発見されることが更に予想される。いずれのタイプの修飾もバイサルファイト変換性又は非変換性のいずれかである。しかしながら、本方法によってこれら2つの群を確実に区別することができることから、これらの新規の修飾もマーカーとして使用可能である。
さらに、DNAの修飾とは別に、ヒストンもDNA及び核タンパク質との相互作用を変化させる翻訳後修飾を受ける。修飾はメチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、SUMO化、シトルリン化及びADPリボシル化を含む。ヒストンのコアであるH2A、H2B及びH3も修飾され得る。ヒストン修飾は遺伝子調節、DNA修復、染色体凝縮(有糸分裂)及び精子形成(減数分裂)等の多様な生物学的プロセスで作用を示す。これらの修飾についても、特定の修飾パターンが異なる細胞型、細胞段階、分化状態に特異的であり、かかるパターンは或る特定の細胞及び細胞段階を同定するためにバイサルファイト変換性又は同様の方法で分析することができる。本発明はこれらの修飾の使用も包含する。
本発明は、CD8 β及びα鎖保有細胞のCD8亜集団の同定並びにその分析の日常的臨床適用を初めて可能にする特異的エピジェネティックマーカーとしてのCD8遺伝子領域、すなわちCD8 β及びα遺伝子領域の本発明者らによる驚くべき同定に基づく。
本発明では、配列番号1によるゲノム領域は、CD3+CD8+細胞傷害性T細胞(α/β CD8+細胞)の同定を可能にする「CD8 β鎖特異的バイサルファイト変換性領域」と本明細書で表され、配列番号2によるゲノム領域は、CD3+/-CD8+細胞(α/α CD8+細胞)の同定を可能にする「CD8 α鎖特異的バイサルファイト変換性領域」と本明細書で表される。驚くべきことに、バイサルファイト変換性及び非変換性シトシンの差別的パターンは、配列番号5及び/又は配列番号6による単位複製配列を用いて示されるようなCD8 β保有CD8+細胞の配列番号1によるゲノム領域、並びに配列番号7による単位複製配列を用いて示されるようなCD8 α保有CD8+細胞の配列番号2によるゲノム領域のみに限定される。
本発明による方法の好ましい実施の形態では、CD8+ α及びCD8+ βの両方の遺伝子を、好ましくは配列番号1及び配列番号2に由来する単位複製配列、及び/又は配列番号3に由来するCD8α特異的非メチル化領域、及び/又は配列番号4に由来するCD8β特異的非メチル化領域を分析することによって分析する。
細胞傷害性T細胞の亜集団を同定する本発明による方法(CD3+CD8+細胞の同定)の好ましい実施の形態では、上記少なくとも1つのCpG位置は、配列番号2及び3による単位複製配列のCpG位置から選択され、好ましくは配列番号7による単位複製配列2004番の位置67、92、116、123、133、161、199、231、255、267及び291(CD8 αアッセイ)、並びに配列番号5による単位複製配列2007番の位置40、63、95、135、142、169、194、213、216、232、245、273、339、345及び393、並びに配列番号6による単位複製配列2008番の位置165、196、219、267、277、307、314、341及び410(CD8 βアッセイ)から選択される。
発明概念は、CD8陽性細胞におけるCD8 β及びCD8α特異的領域の特異的なバイサルファイト変換性に基づく。単純かつ正確な定量PCR方法を用いて、本発明者らは上記遺伝子領域の特異的なシトシン修飾パターンが血液又は組織中のCD3+CD8+及びCD3+/-CD8+細胞数の特異的マーカーとなることを示す。好ましい一実施の形態では、CD8 β及びCD8 α遺伝子の非常に特徴的な一領域は、α/β及びα/α CD8+細胞を他の全ての細胞と比較した際に差次的バイサルファイト変換性を示す配列番号3及び配列番号4によるヌクレオチド配列で表される。
本発明者らは、CD8 β保有細胞においてCpGモチーフがほぼ完全に(すなわち70 %超、好ましくは80 %、好ましくは90 %超、最も好ましくは95 %超)バイサルファイト変換性である一方で、全てのCD8-及びα/α CD8+細胞においては同じモチーフが完全にメチル化されていることを実証することができた。同様に、本発明者らは、CD8 α保有細胞においてCpGモチーフが同様にほぼ完全に(すなわち70 %超、好ましくは80 %、好ましくは90 %超、最も好ましくは95 %超)バイサルファイト変換性である一方で、全てのCD8-細胞においては同じモチーフが完全にメチル化されていることを実証することができた。
上述の領域内のCpGモチーフの差次的メチル化はCD8 α及びβ鎖の発現と相関する。このため、CD8 α及びβ遺伝子座のバイサルファイト変換性の決定は、CD8+細胞の亜集団を同定するうえで有益なツールとなり、例えば任意の想定され得る診断状況下での自己免疫疾患、移植片拒絶反応、癌、アレルギー、原発性免疫不全及び続発性免疫不全、例えばHIV感染及びAIDS等、移植片対宿主(GvH)、血液悪性腫瘍、関節リウマチ、多発性硬化症、又は細胞傷害性T細胞関連免疫状態において上記細胞を同定及び定量するのに必要とされるか、又は少なくとも幾らか有用であり得る。このアッセイは、精製又は任意の染色手順なしにCD8+亜集団の測定を可能にする。固形腫瘍又は他の固形組織において、上記領域中のバイサルファイト変換性細胞の数も更に報告され、それにより腫瘍浸潤CD8+亜集団の総量が示される。
本発明者らは、全ての主要な末梢血細胞型について試験したところ、ヒトのCD8 β及びα遺伝子座でのバイサルファイト変換性がCD3+CD8+及びCD3+/-CD8細胞にそれぞれ限定されることを見出した。これらのデータによって、CD8β及びα遺伝子座における後成的修飾が、CD8 β及びα鎖の両方の発現にかかわらず、CD8+亜集団の同定に対する有益なマーカーとなることが示された。
本発明による方法の別の好ましい態様は次に、CD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞の相対量を、CD8 α及び/又はβに特異的な領域におけるバイサルファイト変換性DNAの相対量(複数の場合もあり)と、細胞特異的領域における非バイサルファイト変換性DNAの相対量(複数の場合もあり)との比較に基づいて定量することを更に含む。したがって、該定量は、本明細書で記載及び分析されるCD8 β及びαの遺伝領域におけるバイサルファイト変換性DNAと非変換性DNAとの比率に基づいて達成される。CD8 α及び/又はβの細胞特異的領域のバイサルファイト変換性DNAの相対量と、細胞非特異的遺伝子(好ましくは「制御遺伝子」又は「制御領域」、例えばGAPDH遺伝子等と表される)のバイサルファイト変換性DNAの相対量との(好ましくは並行又は同時)分析に基づくCD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞の相対量の定量が最も好ましい。該分析が、CD3 T細胞、CD4 T細胞、制御性T細胞、単球、顆粒球、B細胞、GAPDH、Th1、Th2、Th9、Th17、Th22、Tfh、NKT及びNKの細胞特異的遺伝子から選択される遺伝子における少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性の分析を更に含むのが好ましい。いくつかの実施の形態では、マーカーの比率並びにそれぞれの細胞の数及び/又は量は、分析するサンプルにおける例えばCD8+ β対CD8+ α、全CD8+(α+β)対全CD3+、CD8+ β対CD3+、CD8+ α対CD3+及び/又はCD3+CD8+対CD3+CD4+、及び/又はCD8+ β若しくはCD8+ α対Treg、又は全CD8+対Treg細胞及び/又はマーカーの本発明の分析に少なくとも部分的に基づいて決定及び確立することができる。
本発明による方法の更に好ましい実施の形態では、上記バイサルファイト変換性の分析は、配列番号1及び配列番号2に基づいて好適に設計することのできる好適なプライマー対の少なくとも1つのプライマー、好ましくは配列番号8〜配列番号13のいずれかによるオリゴマーを用いた増幅を含む。
FACS及びmRNA測定とは対照的に、本発明による方法を用いることで、精製、貯蔵、更には相当程度に組織の品質とは無関係に測定(複数の場合もあり)及び分析を行うことができる。
好ましくは、例えばMSP、HeavyMethyl、Scorpion、MS-SNUPE、MethylLight、バイサルファイトシークエンシング、メチル特異的制限アッセイ及び/又はデジタルPCR(例えば、Kristensen and HansenPCR-Based Methods for Detecting Single-Locus DNA Methylation Biomarkers inCancer Diagnostics, Prognostics, and Response to Treatment Clinical Chemistry55:8 1471-1483 (2009)を参照されたい)の状況における増幅には、ポリメラーゼ酵素、PCR増幅反応若しくは化学的増幅反応、又は下に記載されるような当業者に既知の他の増幅方法が含まれる。
増幅によって、本発明による方法(複数の場合もあり)を行うための特に好ましい「手段」である、CD8 β及びα遺伝子の単位複製配列が生成される。結果として、配列番号8〜配列番号13のいずれかによるオリゴマー、又は上で言及されるような配列番号1又は2に基づくプライマー対によって増幅される単位複製配列は、本発明の好ましい実施の形態を構成する。
当業者であれば、分析する部位、例えばCD8+ β特異的バイサルファイト変換性領域(配列番号1又は4)のCpG位置40、63、95、135、142、169、194、213、216、232、245、273、339、345、393、165、196、219、267、277、307、314、341及び410の少なくとも1つ、又は配列番号1若しくは4によるCD8+β特異的バイサルファイト変換性領域上に存在する全ての部位の量を最小限に抑えるために、CpG位置の特異的サブセットを選択することが更に可能である。該位置は、生成及び分析される単位複製配列(例えば、配列番号5による単位複製配列2007番の位置40、63、95、135、142、169、194、213、216、232、245、273、339、345及び393、並びに配列番号6による単位複製配列2008番の位置165、196、219、267、277、307、314、341及び410)の5'末端から数値的に数えられる。3、4、5、6、7、8、9又は10の位置の組合せ、例えば配列番号5による単位複製配列2007番の位置142、169、194、213、216、232、245、273等が好ましく、その分析により本発明において有益となるほど十分なデータ及び/又は情報が得られる。
当業者であれば、分析する部位、例えばCD8+ α特異的バイサルファイト変換性領域(配列番号2又は3)のCpG位置67、92、116、123、133、161、199、231、255、267及び291の少なくとも1つ、又は配列番号2若しくは3によるCD8+ α特異的バイサルファイト変換性領域上に存在する全ての部位の量を最小限に抑えるために、CpG位置の特異的サブセットを選択することが更に可能である。該位置は、生成及び分析される単位複製配列(例えば、配列番号7による単位複製配列2004番の位置67、92、116、123、133、161、199、231、255、267及び291)の5'末端から数値的に数えられる。3、4、5、6、7、8、9又は10の位置の組合せ、例えば配列番号7による単位複製配列2004番の位置116、123、133、161、199、231、255、267等が好ましく、その分析により本発明において有益となるほど十分なデータ及び/又は情報が得られる。
CpG位置のバイサルファイト変換性を分析するために、DNA修飾を分析する任意の既知の方法を使用することができる。本発明による方法の好ましい実施の形態では、DNA修飾の分析は、単一分子リアルタイム技術(SMRT)、DNA修飾依存性ポリメラーゼ動態、ナノポアによるDNAシークエンシング、鎖シークエンシング、エキソヌクレアーゼシークエンシング、DNA修飾依存性DNAハイブリダイゼーション、メチル化特異的酵素消化、バイサルファイトシークエンシングから選択される方法、プロモーターメチル化、CpGアイランドメチル化、MSP、HeavyMethyl、MethyLight、Ms-SNuPEから選択される分析、又は増幅DNAの検出に基づく他の方法を含む。これらの方法は当業者に既知であり、それぞれの文献中に見ることができる。
本発明による方法の好ましい実施の形態では、該方法は日常的適用、例えばDNAチップ上で好適である。当業者であれば、上記の情報及びそれぞれの文献に基づいて上記の方法をかかる状況に適応させることができる。
本発明による方法の更に別の好ましい実施の形態では、該方法は同定される上記細胞を、好ましくは全血及び/又は非トリプシン処理組織を使用して精製及び/又は富化する工程なしに行われる。
本発明による方法の別の好ましい実施の形態では、同定には、上記CD3+CD8+及びCD3+/-CD8+細胞を全ての主要な末梢血細胞型及び/又は非血液細胞、好ましくはCD19+Bリンパ球、CD3+CD8+T細胞、CD15+顆粒球、CD14+単球、CD56+ナチュラルキラー細胞及びCD3+CD56+ナチュラルキラーT細胞及びCD3+CD4+ ヘルパーT細胞、更には血液以外の器官に由来する多くの他の細胞型(これらに限定されない)から区別することが含まれる。
本発明による方法の更に別の好ましい実施の形態では、サンプルはヒト血液サンプルを含む哺乳動物の体液、又は組織、器官若しくは白血球のサンプル、又はかかる組織、器官若しくは白血球の精製画分若しくは分離画分、又は細胞型サンプルから選択される。好ましくは、上記哺乳動物はマウス、ラット、サル又はヒトである。サンプルは必要に応じて好適にプールすることができる。
本発明による方法の別の好ましい態様は次に、上記CD8+亜集団に基づいて、上記哺乳動物の免疫状態を決定する工程を更に含む。CD8+亜集団は定量することができ、更に詳細な亜集団(限定されるものではないが、CD4、Th1、Th2、Th9、Th17、Th22、Treg、Tfh)を相対的に定量するための基準として使用するか、又は予測因子及び/又はスクリーニング因子及び/又は診断因子及び/又は予後因子及び/又は有害事象検出因子として使用するか、又は最終的にこの集団を検出して、全体的な免疫活性状態を決定するために使用することができる。
本発明による方法の別の好ましい態様は、α/β及び/又はα/α CD8+細胞の検出及び品質保証及び制御へのCD3+、CD4+、制御性T細胞、Th1、Th2、Th9、Th17、Th22、Tfh、NKT、NK、単球、顆粒球及び/又はB細胞の細胞特異的遺伝子のシトシン修飾分析の使用に関する。
本発明による方法の更に別の好ましい実施の形態では、哺乳動物はクルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)感染、マラリア及びHIV感染、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、慢性リンパ性白血病、移植片対宿主病及び宿主対移植片病、菌状息肉腫、節外性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、及び他のT細胞腫瘍、B細胞腫瘍及びNK細胞腫瘍(これらに限定されない)のような血液悪性腫瘍、リンパ球減少症、重症複合免疫不全(SCID)、オーメン症候群、軟骨毛髪形成不全症、後天性免疫不全症候群(AIDS)(これらに限定されない)等のT細胞欠損、並びにディジョージ症候群(DGS)、染色体切断症候群(CBS)、多発性硬化症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変症、原発性硬化性胆管炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、白斑、水疱性類天疱瘡、円形脱毛症、特発性拡張型心筋症、1型糖尿病、グレーブス病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、IgA腎症、膜性腎症及び悪性貧血等の遺伝性疾患、並びに毛細血管拡張性運動失調症(AT)及びウィスコットアルドリッチ症候群(WAS)(これらに限定されない)等のB細胞とT細胞との複合障害、並びに乳癌、大腸癌、胃癌、膵臓癌、肝細胞癌、胆管癌、黒色腫及び頭頸部癌(これらに限定されない)等の癌(これらに限定されない)のような自己免疫疾患、移植片拒絶反応、感染性疾患、癌及び/又はアレルギーを患っているか、又はそれらを患う可能性がある。
本発明による方法の別の好ましい態様は次に、CD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞の量を、上記哺乳動物に与える化学物質及び/又は生物学的物質に応じて、すなわち上記患者の治療に応じて測定及び/又はモニタリングすることを更に含む、上記の方法に関する。上記方法は上記のような工程、並びに同定された上記細胞の相対量を、同じ哺乳動物から先に又は同時に採取したサンプル及び/又は対照サンプルと比較することを含む。本発明の方法(複数の場合もあり)によって得られる結果に基づき、主治医は患者の免疫状態を決定し、それに応じて基礎疾患の治療を調整することが可能である。
上記方法は、好ましくは全血及び/又は非トリプシン処理組織、又は例えば患者への細胞移入用のサンプルのような上記CD8+細胞の亜集団を潜在的に含有する任意の他の生体サンプル中の細胞を精製及び/又は富化する工程なしに行われるのが好ましい。
本発明による方法の別の好ましい態様は次に、同定される上記細胞の亜集団を患者への移植用に配合することを更に含む、上記の方法に関する。これらの目的での医薬調製物及びその製造方法は、移植医学の技術分野で既知の方法に従って行われる。
本発明による方法の別の好ましい態様は、配列番号8〜13のいずれかによるオリゴマー、配列番号1又は2に基づいて設計されるオリゴマー、配列番号3若しくは4によるCD8 α及び/又はβ遺伝子に特異的な非メチル化領域、又は配列番号3〜7のいずれかから選択される単位複製配列に関する。
本発明の更に別の好ましい態様は次に、哺乳動物において上記CD8亜集団(CD3+CD8+細胞及び/又はCD3+/-CD8+細胞)を、配列番号1及び2のそれぞれによるCD8 β及びCD8 α細胞に特異的なバイサルファイト変換性遺伝子領域、及び/又は配列番号3〜7のいずれかから選択される少なくとも1つの単位複製配列のそれぞれの少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性の分析に基づいて同定及び/又はモニタリングするキットであって、本明細書に記載の本発明による方法の実行用の材料を含む、キットに関する。該キットはa)バイサルファイト試薬、及びb)配列番号7による単位複製配列2004番の位置67、92、116、123、133、161、199、231、255、267及び291、並びに配列番号5による単位複製配列2007番の位置40、63、95、135、142、169、194、213、216、232、245、273、339、345及び393、並びに配列番号6による単位複製配列2008番の位置165、196、219、267、277、307、314、341及び410から選択される少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性の分析用の材料を含むのが好ましい。該位置が、配列番号1及び2のそれぞれによるCD8+細胞特異的非メチル化領域、及び/又は配列番号3〜7のいずれかによる上記単位複製配列の全ての位置、又は配列番号5による単位複製配列2007番の位置142、169、194、213、216、232、245、273、及び/又は配列番号7による単位複製配列2004番の位置116、123、133、161、199、231、255、267からなるのが更に好ましい。
本発明は、本明細書に記載されるような哺乳動物におけるCD3+CD8+及び/又はCD3+/-CD8+細胞の同定及び/又はモニタリングへの本発明によるオリゴマー又は単位複製配列又はキットの使用も包含する。
要約すると、CD8 β及びαマーカーを使用することで、本発明者らは、CD8陽性細胞自体及びその亜集団の両方を非常に特異的に、サンプル中の他の細胞型、例えばCD3のエピジェネティックマーカーを用いる全Tリンパ球、又はマーカーCD4を用いるCD4ヘルパーT細胞との関連で同定、定量、特に差別化した。かかる手段によって、例えばCD4陽性Tリンパ球をCD8リンパ球から更に区別することができた。マーカーCD8 β及びαのタンパク質発現はCD8陽性α/β及びα/α細胞の確実な同定及び定量に用いることができず、(新鮮、包埋又は凍結)全血又は組織サンプルから特定の保存手段なしにこれらの細胞型を定量する日常技術を得ることが可能ではなかったため、このことは本発明以前には可能ではなかった。加えて、これまで上記細胞を同定及び定量するCD8+ α/β細胞のマーカーは発見されていなかった。
本発明をここで、以下の実施例に基づき、添付の図面及び配列表を参照して(これらに限定されない)更に説明する。本発明の目的上、本明細書中に引用される全ての参考文献は、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。図面及び配列については以下のとおりである。
CD8 β遺伝子内の単位複製配列1482番、1483番、1484番、2006番、2007番(配列番号3)、2008番、2009番、2010番、2011番及び2012番のそれぞれのCpG部位の分析を示す図である。左側の番号は、それぞれの単位複製配列上のそれぞれのCpG位置を示す。下部の略語は、それぞれB細胞(CD3-CD8-)(BLC)、細胞傷害性Tリンパ球(CD3+CD8+)(CTL)、CD3-CD8-顆粒球(GRC)及びCD3-CD8-単球(MOC)、NK細胞(CD3-CD8+)(NKC)、NKT細胞(CD3+CD8+)(NKT11)、CD3+CD8- NKT細胞(NKT14)及びヘルパーT細胞(CD3+CD8-)(THC)を示す。 CD8 α遺伝子内の単位複製配列1474番、1475番、1476番、1477番、1478番(配列番号3)、1479番、1480番、1481番、2002番、2003番、2004番及び2005番のそれぞれのCpG部位の分析を示す図である。左側の番号は、それぞれの単位複製配列上のそれぞれのCpG位置を示す。下部の略語は、それぞれB細胞(CD3-CD8-)(BLC)、細胞傷害性Tリンパ球(CD3+CD8+)(CTL)、CD3-CD8-顆粒球(GRC)及びCD3-CD8-単球(MOC)、NK細胞(CD3-CD8+)(NKC)、NKT細胞(CD3+CD8+)(NKT11)、CD3+CD8- NKT細胞(NKT14)及びヘルパーT細胞(CD3+CD8-)(THC)を示す。 本発明によるCD8 β遺伝子内の特異的なバイサルファイト変換性領域の位置、及びこの領域に対する分析される単位複製配列のアラインメント(灰色の四角)を示す図である。 本発明によるCD8 α遺伝子内の特異的なバイサルファイト変換性領域の位置、及びこの領域に対する分析される単位複製配列のアラインメント(灰色の四角)を示す図である。 qPCR及びFCM測定の比較を示す図である。(A)健常対照(黒色の丸)及びHIV+患者(灰色の四角、白色の三角)の末梢血におけるFCMによって決定されるCD8+ T細胞とCD3+ T細胞との比率(%)(x軸)及びエピジェネティックqPCR測定結果(y軸)。(B)CD8+T細胞とCD3+ T細胞との方法の一致度のブランド−アルトマン図。両方の方法により決定された比率(x軸)及び対応する差異のパーセンテージ(FCM-qPCR)の平均をプロットする。実線は推定される平均差を表し、点線は推定される一致度の上限及び下限を表す。
配列番号1は本発明によるCD8 β鎖特異的バイサルファイト変換性領域を示す。
配列番号2は本発明によるCD8 α鎖特異的バイサルファイト変換性領域を示す。
配列番号3はCD8A特異的非メチル化領域(α)の配列を示す。該配列は差別的単位複製配列2004(AMP2004)を含有し、それぞれ5'末端及び3'末端で非差別的AMP2003及びAMP2005により限局される。
配列番号4はCD8B特異的非メチル化領域の配列を示す。該配列は差別的重複単位複製配列AMP2007及びAMP2008を含有する。該配列は3'末端で非差別的単位複製配列AMP2011及びAMP1479により限局される(CD8α遺伝子付近)。
配列番号5及び配列番号6はそれぞれCD8 βの単位複製配列Amp 2007及びAmp 2008の配列(重複)を示す。
配列番号7はCD8 αの単位複製配列Amp2004の配列を示す。
配列番号8〜配列番号13は本発明による特異的オリゴマーの配列を示す。
配列番号14〜配列番号25は本発明による特異的オリゴマーの配列を示す。配列番号14はAMP 2007のフォワードプライマー(nmF1.3)を示し、配列番号15はAMP2007のリバースプライマー(nmR1.5)を示し、配列番号16はAMP 2007のフォワードプライマー(mF1.3)を示し、配列番号17はAMP 2007のリバースプライマー(mR1.9)を示し、配列番号18はプローブ(nmP1.2)を示し、配列番号19はプローブ(mP1.2)を示し、配列番号20はAMP2007のフォワードプライマー(nmF1.3)のゲノム配列/位置を示し、配列番号21はAMP 2007のリバースプライマー(nmR1.5)のゲノム配列/位置を示し、配列番号22はAMP 2007のフォワードプライマー(mF1.3)のゲノム配列/位置を示し、配列番号23はAMP 2007のリバースプライマー(mR1.9)のゲノム配列/位置を示し、配列番号24はAMP 2007のプローブ(nmP1.2)のゲノム配列/位置を示し、配列番号25はAMP 2007のプローブ(mP1.2)のゲノム配列/位置を示す。
実施例1
B細胞(CD3-CD8-)(BLC)、細胞傷害性Tリンパ球(CD3+CD8+)(CTL)、CD3-CD8-顆粒球(GRC)及びCD3-CD8-単球(MOC)、NK細胞(CD3-CD8+)(NKC)、NKT細胞(CD3+CD8+)(NKT11)、CD3+CD8- NKT細胞(NKT14)及びヘルパーT細胞(CD3+CD8-)(THC)を含む様々な血液サブセットをFACS選別によって精製した。精製した細胞に由来するDNAをバイサルファイト処理して、CD8 α及びCD8 β遺伝子内の様々なCpGジヌクレオチドモチーフで分析した。次いで、バイサルファイト変換性を比較した(元の配列においてメチル化しなかったシトシンについてTが見られるのに対し、元の(ゲノム)配列においてメチル化したシトシンについてCが見られる)。
CD8 βデータ(図1)から、CD3+CD8+細胞傷害性T細胞ではメチル化されず、CD3+CD8+ NKT細胞では部分的にメチル化されなかったが、分析した他の全ての血液細胞型ではメチル化された、CD8 β遺伝子のAmp 2007(配列番号1を参照されたい)の様々なCpG位置が示された。CD8 βの差次的にシトシン修飾される遺伝子領域Amp 2007を配列番号5に示す。
現在、CD3+CD8+ NKT細胞がCD8 β鎖を発現することが文献に記載されている。しかしながら、本発明者らの結果から、これらの細胞の一部について、現在既知のタンパク質発現パターンを単純に反映又はそれと一致しない異なる後成的調節が存在し得ることが示されている。これはTreg細胞及びTh17細胞についても以前に示されている(欧州特許第1826279号及び国際出願PCT/EP2012/070676号、どちらも引用することにより本明細書の一部をなすものとする)。さらに、新規のCD8 βのマーカーによりCD8 β鎖発現細胞の細胞起源及び細胞状態の新たな科学的洞察が示されることが期待される。
CD8 αデータ(図2)に、CD3+CD8+細胞傷害性T細胞及びCD3+CD8+ NKT細胞においてはメチル化されていないが、分析した他の全ての血液細胞型ではメチル化されているCD8 α遺伝子のAmp 2004(配列番号2を参照されたい)の様々なCpG位置を示した。CD8 αの差次的にシトシン修飾される遺伝子領域Amp 2004を配列番号7に示す。CD8 βのバイサルファイト変換パターンと同様に、CD8 α遺伝子についても文献中にCD8 αタンパク質発現細胞(NK細胞)として記載される細胞について見られる部分的なメチル化が存在していた。タンパク質発現によるFACS選別は実際の後成的調節状態を反映しなかった。本発明のエピジェネティックCD8 αマーカーを用いるCD8 α遺伝子における後成的パターンの今後の科学研究から、例えば上記細胞の起源及び状態に対する理解が更に深められる。
実施例2:ヒト末梢血におけるCD8+ CD3+ T細胞の評価
新規のエピジェネティックアッセイを、CD8及びCD3細胞並びにその比率を検出するフローサイトメトリーアッセイと比較した。どちらの技法も同じ生物学的変量を決定するものであり、本質的に一致しているはずである。
ヒト末梢血を健常ボランティアから得た。静脈血に由来するDNAをDNeasy Blood&Tissue Kit(Qiagen)を使用し、製造業者の取扱説明書に従って精製した。加えて、毛細血管血をFTA(商標)Card(Whatman)にスポットし、室温で一晩乾燥させた。DNAを6×6 mmのスポットからQIAamp DNAKit(Qiagen)を使用して抽出した。続いて、DNAをバイサルファイト変換した。最大1.5 μgのゲノムDNAをEpitect (Fast) Bisulfite Kit(Qiagen)を用い、製造業者のプロトコルに従って変換した。全血DNAをMicrocon(商標)-30 Centrifugal Filter(Millipore)を用いて精製した。qPCR:CD3+及びCD8+ T細胞を定量する高度に細胞型に特異的なメチル化依存性qPCRを開発し、以下のように行った。TpG変異体又はCpG変異体に特異的な一連のオリゴヌクレオチド(すなわち、フォワード/リバースプライマー及び加水分解プローブ)を使用した。反応は2xProbe Mastermix(Roche)、15 pmolの各プライマー、1.25 pmol〜2.5 pmolのプローブ、25 ngのλ-DNA(NEB)及び最大で82 ngの鋳型DNA又はプラスミドを使用して10 μlの全容量、三連で1×95℃で10分間、並びに95℃で15秒間及び61℃で60秒間を50サイクル行った。CD8BTpGについては、MgCl2を4.7mMの最終濃度まで添加した。増幅交点を、二次微分最大値方法を展開するLightCycler480ソフトウェア(Roche)を使用して決定した。標的細胞のパーセントを以前に記載されているように算出した(Sehouli, J. et al. 2011. Epigenetic quantification oftumor-infiltrating T-lymphocytes. Epigenetics 6:236-246)。血液サンプルについては、qPCR値(xN)の正規化を、較正器(Cal)を使用し、決定されたFCM値(FCMCal)を用いて以下のように行った:xN = qPCRx/qPCRCal×FCMCal。プラスミド:合成されたリアルタイムqPCRアッセイの標的領域を、プラスミドpUC57又はpJet1.2(GenscriptInc.)に挿入した。線状化プラスミドを10 ng/μlのλ-ファージDNA(NEB)で希釈し、1反応当たり31250コピー、6250コピー、1250コピー、250コピー、50コピー及び30コピーのqPCR標準を得た。
オリゴヌクレオチド:qPCR:増幅プライマーの配列は以下のとおりである:
フォワードプライマー(nmF1.3)AMP 2007:GGTTAA GAA ATT AAT AGG AAA AAG AAT(配列番号14)
リバースプライマー(nmR1.5)AMP 2007:CTTCCC CAC CAC AAT ACA ACA(配列番号15)
フォワードプライマー(mF1.3)AMP 2007:GGTTAA GAA ATT AAT AGG AAA AAG AAC(配列番号16)
リバースプライマー(mR1.9)AMP 2007:CCCCAT ATT ACT TCC CCG(配列番号17)
プローブの配列は以下のとおりである:
プローブ(nmP1.2):TGT TTG TGA GGT ATT TAG TTG ATG GGAGTT TTG(配列番号18)
プローブ(mP1.2):CGT TTG TGA GGT ATT TAG TCG ACG GGA G(配列番号19)
増幅プライマー及びプローブのゲノム位置は以下のとおりである:
ゲノムフォワードプライマー(nmF1.3)AMP 2007:GGTTAAGAAACCAACAGGAAAAAGAAC(配列番号20)
リバースプライマー(nmR1.5)AMP 2007:CGTTGTATTGTGGCGGGGAAG(配列番号21)
フォワードプライマー(mF1.3)AMP 2007:GGTTAAGAAACCAACAGGAAAAAGAAC(配列番号22)
リバースプライマー(mR1.9)AMP 2007:CGGGGAAGCAACATGGGG(配列番号23)
プローブ(nmP1.2)AMP 2007:CGCCTGTGAGGCACTCAGCCGACGGGAGCTTTG(配列番号24)
プローブ(mP1.2)AMP 2007:CGCCTGTGAGGCACTCAGCCGACGGGAG(配列番号25)
増幅プライマー及びプローブのCD3-qPCR及びGAPDH-qPCR位置は、以前に記載されている(Sehouli, J. et al. 2011. Epigenetic quantification oftumor-infiltrating T-lymphocytes. Epigenetics 6:236-246)。
フローサイトメトリー:細胞選別:末梢血サンプルを顆粒球(CD15+)、単球(CD3-/CD14+)、NK細胞(CD56+/CD16+)、B細胞(CD19+)、CD8+ T細胞(CD3+/CD8+/CD4-)についてMACS/FACS選別プロトコル(Baron, U., Floess, S.,Wieczorek, G., Baumann, K., Gruetzkau, A., Dong, J., Thiel, A., Boeld, T.J., Hoffmann, P.,Edinger, M., et al. 2007. DNA demethylation in the human FOXP3 locusdiscriminates regulatory T cells from activated FOXP3(+) conventional T cells.Eur J Immunol 37:2378-2389.)で分画した。細胞計数:50 μlの末梢血をTruCount(商標)チューブ(Becton-Dickinson)において抗CD3 FITC、抗CD4 PerCP及び抗CD8 APCで染色した。染色及び赤血球溶解の後、細胞をFACS-LSRII(Becton Dickinson)で分析した。末梢血1マイクロリットル当たりのCD3+及びCD3+CD8+ T細胞の絶対数を、分析する細胞と蛍光TruCount(商標)ビーズとの比率によって製造業者の取扱説明書に従って算出した。抗CD45PE染色を、相対細胞数の評価のために行った。
統計分析:ブランド−アルトマンプロットについては、誤差をパーセントで示した(FCM-qPCR)。両側t検定を行い、平均差(バイアス)がゼロから有意に異なるか否かを試験した。線形回帰を行い、傾き及び切片を得た。シャピロ−ウィルク検定及びQ-Qプロットを用いて、回帰残差(regression residuals)の正規性の仮定を評価した。残差を均一なばらつきに関して目視検証した。0.05未満のp値を有意とみなした。ROC分析では、最適な感度及び特異性で座標点とのユークリッド距離を最小限に抑える値として最適なカットオフ値及び正確度を決定した。全てのp値が両側検定に一致する。統計ソフトウェアSPSS 21.0(IBM)及びR 2.14を用いた。
末梢血中のT細胞数。39人の健常ドナー及び86人のHIV+ドナーに由来する無作為に選択し、盲検した末梢血サンプルを、CD3及びCD8Bについてエピジェネティックアッセイで試験し、フローサイトメトリー(FCM)に基づくT細胞計数手順に従って比較した。健常被験体及びHIV+被験体はそれぞれ55歳(範囲:19歳〜67歳)及び46歳(範囲:23歳〜75歳)の年齢中央値を有していた。87.2 %のHIV+被験体を抗レトロウイルス療法で治療したところ、17.4 %が日和見感染を有していた。
CD8/CD3比についての方法の一致度。健常被験体におけるCD8/CD3比の中央値はqPCR試験では21.0 %(FCM:27.6 %)であり、9.1 %〜34.7%(FCM:15.1 %〜52.6 %)の範囲であるが、HIV+患者は41.5 %(FCM:64.6 %)の中央値を示し、25.1 %〜60.9 %(FCM:34.1 %〜94.0 %、図5A)の範囲であった。qPCRデータとFCMデータとの間のピアソン相関は0.94(p<0.001)であった。ブランド−アルトマン百分比差図において推定される平均差は、FCMと比較して34.1 %小さいqPCR測定値を示した(LoA:66.6 %及び1.6 %(図5B))。CD8/CD3比について6人の健常ドナーの静脈血と乾燥毛細血管血とのエピジェネティックqPCRの一致度も試験した(表Aを参照されたい)。
全血に対するこれらのアッセイを用いて、qPCR及びFCMによって得られる細胞比の良好な方法の一致度を観察した。また、臨床的に使用されるFCMカットオフ及び実験的に決定されたqPCRカットオフの合致を観察した。qPCRを乾燥血スポットについても行い、静脈血に由来するものと同等のデータが示された。
表A:ブランド−アルトマン法による新鮮血と比較した乾燥血スポットによるqPCR性能の評価

Claims (10)

  1. 細胞傷害性T細胞の亜集団を同定する方法であって、サンプルの配列番号5に示される単位複製配列2007番の位置40、63、95、135、142、169、194、213、216、232、245、273、339、345及び393のバイサルファイト変換性を分析することを含み、前記位置のバイサルファイト変換性CD8ヘテロ二量体CD3+CD8+細胞傷害性T細胞の指標となる、インビトロ方法。
  2. DNA修飾および/またはバイサルファイト変換性の前記分析がメチル化特異的酵素消化、単一分子リアルタイム技術(SMRT)ナノポアによるDNAシークエンシング、鎖シークエンシング、エキソヌクレアーゼシークエンシング、DNA修飾依存性DNAハイブリダイゼーション、バイサルファイトシークエンシングから選択される方法CpGアイランドメチル化の分析、MSP(メチル化特異的PCR)、HeavyMethyl(登録商標)、MethyLight(登録商標)、Ms-SNuPE(登録商標)から選択される分析含む、請求項1記載の方法。
  3. CD3 T細胞特異的遺伝子、CD4 T細胞特異的遺伝子、制御性T細胞特異的遺伝子、単球特異的遺伝子、顆粒球特異的遺伝子、B細胞特異的遺伝子、GAPDH遺伝子、Th1細胞特異的遺伝子、Th2細胞特異的遺伝子、Th9細胞特異的遺伝子、Th17細胞特異的遺伝子、Th22細胞特異的遺伝子、Tfh細胞特異的遺伝子、NKT細胞特異的遺伝子及びNK細胞特異的遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子内の少なくとも1つのCpG位置のバイサルファイト変換性を分析することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 分析が、ヒト血液サンプルを含む哺乳動物の体液、又は組織、器官若しくは細胞型の血液サンプル、血中リンパ球のサンプル若しくはその画分から選択されるサンプルで行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記哺乳動物がヒトである、及び/又は自己免疫疾患、移植片拒絶反応、感染性疾患、癌及び/又はアレルギーを患っているか、又はそれらを患う可能性があるヒトである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記細胞の同定が、
    全血及び/又は非トリプシン処理組織を使用して行われる、及び/又は
    精製及び/又は富化する工程なしに行われる、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 同定された前記細胞の亜集団を患者への移植用に製剤化することを更に含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 同定されたCD3+CD8+細胞傷害性T細胞に基づいて前記哺乳動物の免疫状態の決定を補助するための材料を提供することを更に含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 哺乳動物において細胞傷害性T細胞の亜集団レベルをモニタリングする方法であって、
    請求項48のいずれか一項に記載の方法、並びに
    同定される前記細胞の相対量を、同じ哺乳動物から先に採取したサンプルと比較すること、及び/又は同じ哺乳動物から先に又は並行して採取した対照サンプルと比較することを含む、インビトロ方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の哺乳動物においてCD8ヘテロ二量体CD3+CD8+細胞傷害性T細胞をインビトロで同定、定量及び/又はモニタリングに使用するためのキットの使用であって、
    該キットはa)バイサルファイト試薬、及びb配列番号5に示される単位複製配列2007の位置40、63、95、135、142、169、194、213、216、232、245、273、339、345及び393のバイサルファイト変換性の分析用の材料を含む、使用
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