以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成され、その操作に応じて演出に変化をもたらすための「枠演出ボタン13(手操作手段)」が設けられている。この演出用ボタン13は、たとえば、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時(入力受付期間中)に押下されることにより、特定の演出に変化をもたらすことが可能となっている。なお、演出用ボタン13は、押しボタン式、ジョグダイヤル式、タッチパネル式の操作手段などが挙げられ、いずれの操作手段も手操作手段として採用することができる。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する、複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。本実施形態に係る遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。このセンター飾り体48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、センター飾り48の右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長によって、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態の場合、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型の入賞装置」として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない形態となっているが、左流下経路3bのみに形成してもよいし、双方の流下経路に形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお上始動口34については、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、右流下経路3cからの遊技球については、入賞困難または入賞不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また下始動口35については、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となるように配設されている。ただし、下始動口35を開閉する可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37への遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には、右流下経路3cからの遊技球のみが入賞可能となる。この可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態が後述の電サポ無し状態を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
なお各入賞手段については、本発明の効果を奏するものであれば、その個数、形状、形成位置などについては適宜変更することができる。たとえば、特定の入賞口について、一方の流下経路からの遊技球は入賞容易であるが、他方の流下経路からの遊技球については、その入賞が困難または不可能に構成してもよいし、左右のいずれの流下経路からも入賞可能に構成してもよい。たとえば本実施形態では、大入賞口50や普通図柄始動口37については、右流下経路3cからの遊技球しか入賞することができない構成となっているが、これに限らず、左右のいずれの流下経路からも入賞可能に構成してもよい。また上始動口34や下始動口35についても左右いずれの流下経路からも入賞が可能となるように配設してもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入球すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出された場合に限らず、入賞口に遊技球が入球した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<可動体役物>
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンターケース48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物)90が配設されている。また第3の可動体役物(回転灯62および発光装置を納めた半透明の球状の可動体73)が演出用ボタン13内に揺動および回転可能に一体的に組み込まれている。
(第1の可動体役物80)
第1の可動体役物は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。この時計型役物80は、時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当り期待度を示す働きをする。
(第2の可動体役物90)
第2の可動体役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向に移動(落下移動)可能に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置する萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1および茎部B2を左右方向に移動(突出移動)可能に構成した第2可動体92とから構成される。第1可動体91と第2可動体92は、液晶画面の片側近く(右側方)に位置し、互いに独立に動作可能である。
第1可動体91は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置(後述する合体位置)よりも上方のホームポジション(原位置)に位置し、また第2可動体92は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置よりも右方のホームポジション(原位置)に位置する。そして、第1可動体91は単独に上方の原位置から液晶画面右上の図2の実線位置に花冠A2が来るように移動でき、また、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から液晶画面右上の図2の実線位置に萼B1が来るように移動できる。第1可動体91と第2可動体92は、両者が同時に作動して図2の実線位置(合体位置)まで移動した場合、ここで花冠A2と萼B1が重なり合って合体し、花心A1の周りに花冠A2を配し、更にその外側周囲に萼B1を配して花被を二重にした「花型部」を形作る。この意味で、第2の可動体役物90は「花型役物」とも称される。
この花型役物90は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する。第1可動体91と第2可動体92が合体した場合、第1可動体91(花心A1および花冠A2)が第2可動体92の茎部B2の先端部において回転すると共に、半透明の花心A1、花冠A2および萼B1が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。これらの作用により遊技者に対する当り期待感を高める。なお、図柄変動表示動作が停止すると、花型役物90は図2に実線で示す演出位置(合体位置)から原点位置に戻る。
この第2の可動体役物90の可動体組合せ動作態様種別には、上方に位置する第1可動体91の落下移動と、右方に位置する第2可動体92の突出移動との組合せとして、「上」「右」「上→右」「右→上」「両方」の5種類がある。そして、この組合せが定まったとき、動作させるべきとされた第1可動体91および第2可動体92の一方または両方を動作させる役物動作タイミングが種別として、リーチタイトル発生後、SPリーチ発生後、図柄仮停止後のそれぞれの時点から経過したいかなるタイミング時点で動作させるか、つまり何秒後に動作させるのかについて、1秒後〜10秒後まで1秒ごとに区分けして、計10種類が定められている。
(第3の可動体役物73:図2)
演出用ボタン13は、図2に概略を示すように、受け皿ユニット8と表面が一体をなすように構成された透明枠71内に、比較的大きな表面積を持つ透明な押圧ボタン型筒体72を上下動可能に組み込み、この押圧ボタン型筒体72内またはその下方(以下、単に押圧ボタン型筒体72内と略す。)において、第3の可動体役物としての可動体73をローリング可能につまり回転可能かつ複数方向に揺動可能に組み込んだ構造となっている。
可動体73(第3の可動体役物)は、押圧ボタン型筒体72内に配置され、遊技者から見て横軸を中心に回転可能かつ左右方向に揺動できるように装置した半透明の球状の空枠と、この空枠内に納めた回転灯62および発光装置から構成されている。押圧ボタン型筒体72を押したとき、またはその前後の所定のタイミングにおいて、可動体73がローリング動作(回転および揺動運動)し、その動作の様を空枠内部または周囲から有色光で照明して、遊技者が外部から視認できる構造となっている。
上記構造の演出用ボタン13は、その操作時の可動体73の動作態様が「通常静止中」、「回転灯待機中」、「ローリング動作中」のいずれにあるかの違いにより、「通常ボタン13A(第1演出ボタン)」、「回転灯ボタン66(第2演出ボタン:ラッキーパト)」、「爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)」として使い分けされる。
回転灯ボタン66(ラッキーパト)は、赤色半透明の包囲体64中に、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物は、大当り確定予告の当確予告(当確演出)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、図柄変動表示ゲームが開始されるとともに、または図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、一発告知音(確定音)が発生され回転灯62のランプ62aが点灯され続けると共に、ステッピングモータ63により反射鏡62bが回転され続ける。これにより遊技者は、図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。なお、一発告知は、後述のプレミアム保留(虹色保留)の現出時や特定の大当り(たとえば、利益度合いの高い大当り(後述の16R長開放確変大当りや10R長開放確変大当りなど)に当選した場合に限り、発生可能に構成してもよい。
<2.制御装置:図3>
図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。主制御部20は、取得手段、抽選手段、保留記憶手段、先読み判定手段としての機能部を含む。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込コントローラ回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、パチンコ遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ99(振動センサ、磁気センサ等)とが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、この枠用外部集中端子基板21を介して、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し、所定の遊技情報(たとえば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動表示ゲームの実行情報等)を送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理する。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20に対する賞球の払い出し状態に関する状態信号(払出状態信号)の送信などである。主制御部20は、払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19の機能が正常か否か(玉詰まりや賞球の払い出し不足などが生じたか否か)を監視している。
また払出制御基板29は、発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
また払出制御基板29は発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、ゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、タイマ割込/割込禁止機能などを備える割込みコントローラ回路、ハードウェア的に乱数を生成するためのカウンタ回路などが設けられている。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45や各種LED(演出用LED:図示せず)の発光制御、可動体役物の動作制御などである。演出制御部24は、保留表示決定手段および保留表示制御手段としての機能部を含む。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、および可動体役物モータ61、61a、61b、63、73aに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。ここで、可動体役物モータ61は時計型役物80を構成する時計針82の駆動用、可動体役物モータ61a、61bは花型役物90を構成する可動体91、92の駆動用、可動体役物モータ63は回転灯62を構成する反射鏡62bの駆動用、可動体役物モータ73aはローリングボタン70を構成する可動体73の駆動用である。演出制御部24は、これらの駆動制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出スイッチ97と、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出スイッチ97a、97bとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出スイッチ97、97a、97bからの検出信号に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な第1、第2演出ボタンのスイッチ、つまり演出用ボタン13のスイッチおよび回転灯スイッチ65が接続され、演出制御部24は、これらの演出用ボタン13A、66からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示、予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(ハズレが1種類の場合は、ハズレ種別の抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果および特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(たとえば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’など、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、変動パターンに係る変動時間については、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、演出時間を確保する関係上、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数がそれぞれ異なっていてもよく、一部同士が同数であってもよく、また特別図柄1と特別図柄2で大小関係(たとえば、「特別図柄1(2個)<特別図柄2(4個)」の関係を満たすもの)を定めてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
(3−2.遊技状態)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態(通常状態)」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。本実施形態では、上述の通常遊技状態や潜確状態や確変状態等の内部遊技状態の別を識別するデータとして「遊技状態判定番号(YJ)」を設けている。
なお本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば、上記確変状態には、「確変A状態(ST前半)」、「確変B状態(ST後半)」、および「ST最終」といった複数種類の確変状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。詳細は後述するが本実施形態の確変状態は、図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が規定回数(74回転)終了した場合に終了されるようになっており、上述の「ST前半」とは、確変状態開始から図柄変動表示ゲームが所定回数(たとえば、67回転)終了するまでの遊技区間を指し(1回転目〜67回転目まで)、「ST後半」とは、ST前半の67回転終了後の68回転目〜73回転目までの遊技区間を指し、「ST最終」とは最終の74回転目を指す。すなわち、内部遊技状態は同じ「確変状態」であるが、内部的には「ST前半」「ST後半」「ST最終」という遊技状態として管理されており、遊技進行状況に応じて、いずれかの状態に切り替え制御される。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「ST前半」、「ST後半」、および「ST最終」という遊技状態ごとに定められた1または複数種類の変動パターンのうちから目的の変動パターンを選択することができるようになっている。
(変動パターン振分指定番号(Tcode)、遊技状態判定番号(YJ))
本実施形態では、上記の「ST前半」や「ST後半」等の遊技状態の別を識別するデータとして「変動パターン振分指定番号(Tcode)」を設けている。すなわち、この「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、「通常状態、ST前半、ST後半、ST最終、CZ」という特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態を識別するデータである。たとえば、内部遊技状態を「遊技状態判定番号(YJ)」で区別すれば、「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確率)」は「YJ=00H」、潜確状態(電サポ無し状態、高確率)は「YJ=02H」、確変状態(電サポ有り状態、高確率)」は「YJ=03H」となっている(時短状態(電サポ有り状態、低確率)を含む場合は、たとえば、「YJ=05H」など)。また特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態(変動パターン選択モード)を「変動パターン振分指定番号(Tcode)」で区別すれば、「通常状態」は「Tcode=00H」、「ST前半(確変)」は「Tcode=01H」、「ST後半(確変)」は「Tcode=02H」、「ST最終」は「Tcode=05H」、後述の「CZ(CHANCE ZONE)」は「Tcode=03H」、「潜確状態」は「Tcode=04H」となっている。したがって、変動パターン振分指定番号(Tcode)は、上記のような遊技状態を識別する点で、後述の遊技状態判定番号(YJ)のように内部遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
また演出制御部24側においては、各遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に対応した演出モード、たとえば「ST前半(変動パターン振分指定番号「01H」)」や「ST後半(変動パターン振分指定番号「02H」)」等に対応した演出モードを設け、遊技状態に関連した演出を適切に現出可能な構成となっている。なお演出モードについての詳細は後述する。
本実施形態の場合、上記「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態、確変状態および潜確状態が含まれ(時短状態を含んでも良い)、特別図柄の変動パターンの決定に関する「変動パターン選択モード」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「通常状態」、「潜確状態」、「ST前半」、「ST後半」、「ST最終」、および「CZ」が含まれる(時短状態を含んでも良い)。このように、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態(たとえば、確変状態)であっても、変動パターン選択モード(たとえば、ST前半とST後半)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。この結果、同じ内部遊技状態でありながらも、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出をダイナミックに変化させることができ、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションが豊富化することができるようになっている。
また本実施形態では、内部遊技状態の「通常遊技状態」には「CZ」および「通常状態」といった複数種類の遊技状態(変動パターン選択モード)が設けられており、また内部遊技状態の「潜確状態」には「潜確状態」および「CZ」といった複数種類の遊技状態(変動パターン選択モード)が設けられている。つまり「潜確状態」と通常遊技状態とは、変動パターン選択モードとして共通の「CZ」を有し、「CZ」期間中は,それぞれ異なる内部遊技状態でありながらも、同じ特別図柄の変動パターン種別を選択する、換言すれば、同じ演出を発生させることができるようなっている。これにより、「CZ」期間中は、演出上、大当り抽選確率を秘匿することができるようになっている(各遊技状態の移行条件や、演出内容を指定する特別図柄の変動パターンに関する詳細については後述する)。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態(YJ)と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り」などの複数種類の当りが含まれる。
これらの当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「16R長開放確変大当り(16R確変大当り)」、「10R長開放確変大当り(10R確変大当り)」、「4R長開放確変大当り(4R確変大当り)」、および「2R短開放潜確大当り(2R潜確大当り)」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当り種別となっている。また「小当り」は、当選時の遊技状態を継続させる当り種別となっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、説明の便宜上、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。なお、特図1側と特図2側とで、大当り抽選対象の当り種別を同じにしているが、特図1側と特図2側とで、大当り抽選対象の当り種別を異ならせることもできる。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を16ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における右大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて右大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、「ラウンド間インターバル時間」が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても右大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、ラウンド間インターバル時間が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、および「2R短開放潜確大当り」も同様)。なお上記のラウンド間インターバル時間は、「残存球排出時間(たとえば、1980ms)」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまで「開放前インターバル時間(たとえば、20ms)」とからなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(下大入賞口センサ42aまたは右大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。
(4−2−2.10R長開放確変大当りによる当り遊技)
10R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「10R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を10ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と基本的には同じある。したがって、この10R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、6ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.4R長開放確変大当りによる当り遊技)
4R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「4R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を4ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この4R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技または10R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる。
(4−2−4.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口(大入賞口50)の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。したがって、2R潜確大当り遊技では、大入賞口が短開放時間(0.1秒)しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口への入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
(4−2−5.小当りによる当り遊技)
小当りによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、それぞれ大入賞口50の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口50の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間(短開放時間)に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口50の閉鎖後、2回目の大入賞口50開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口50の閉鎖条件に関しては、大入賞口50の最大開閉動作時間(大入賞口50の開放を2回分実行するための開閉動作時間)が経過した場合か、または大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。本実施形態の場合、上記最大開閉動作時間内に、大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数に達することがないため、実際には、大入賞口50の最大開閉動作時間が経過した後、具体的には、大入賞口の一連の開閉動作が実行された後、小当り遊技が終了されることになる。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口50を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の当り中演出(当り遊技中に現出される演出)は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、高確率状態への移行契機となる「2R短開放潜確大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態:図4)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。図示の各遊技状態は、内部遊技状態ではなく、変動パターン選択モードに着目した遊技状態を示してある。
(4−3−1.16R、10R、4R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R、10R、または4R確変大当り遊技終了後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が、所定の規定回数(たとえば、74回転)が終了するまでか、またはその規定回数内で大当りに当選するまで(正確には、大当り遊技が開始されるまで)確変状態が継続し、その規定回数内で大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには確変状態が終了して、次ゲームから「通常遊技状態」に移行されるようになっている。本実施形態では、確変状態中に、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計変動回数(特別図柄1および2の合計変動回数)が規定回数消化されると、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態に移行するとともに、電サポ有り状態であれば電サポ無し状態に移行される。
本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態(潜確状態、確変状態)に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる「回数切りの確変機(ST機)」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数とは、特別図柄変動表示ゲーム1および特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1および特図2の合計変動回数)であってもよいし、いずれか一方の実行回数(たとえば、特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。
(4−3−2.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であった場合には「CZ(潜確)」に、潜確状態であった場合は「潜確状態」に、「CZ(通常)」であった場合には「CZ(潜確)」に、「CZ(潜確)」であった場合は「潜確状態」に、確変状態であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。なお、当選時の遊技状態が潜確状態であった場合、潜確状態ではなく、確変状態に移行させても良い。
本実施形態では、当選時の遊技状態が「CZ」の場合、内部遊技状態に応じて次のような移行制御がなされる。当選時における遊技状態が、内部遊技状態が通常遊技状態である「CZ(通常)」であった場合には、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」に移行され、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」であった場合には「潜確状態」に移行される。なお、変動パターン選択モード((変動パターン振分指定番号(Tcode))について、「CZ(潜確)」は、「CZ(通常)」と同じ変動パターン選択モード(Tcode=03H)として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」である。
上記「CZ(潜確)」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば、20回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りするまで当該「CZ(潜確)」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「CZ(潜確)」が終了して、次ゲームから「潜確状態」に移行され、潜確状態である旨を演出上から、遊技者に明らかにするようになっている(後述の演出モードが「CZ演出モード」から潜確演出モードに移行される)。なお図中では、「CZ(20回:潜確)」と表記している。
なお、潜確状態の終了条件は、確変状態と同じであり、図柄変動表示ゲームの規定ST回数(74回転)の実行を以って終了される。混同してはならないのは、「CZ(潜確)」の実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」であり、変動パターン選択モードが「CZ」というだけである。したがって、「CZ(潜確)」が20回実行された場合には、この回数も規定ST回数の消化分としてカウントされ、潜確状態は残り54回となる。
(4−3−3.小当り遊技終了後の遊技状態)
小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続され、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。したがって、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。
ただし本実施形態では、小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘変動パターン選択モード’の移行制御は行うようになっている。このような移行形態を利用し、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ変動パターン選択モードに移行させた場合には、双方で同じ演出モードに滞在させ、小当り遊技後であっても、2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下の演出を発生させることが可能になる。これにより、演出上からは、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
なお本実施形態では、どの大当りに当選しても「時短状態」が発生しない構成となっているが本発明はこれに限られない。たとえば、大当り遊技終了後に「時短状態」を発生させる「時短大当り」を設けてもよい。この場合、時短状態の終了条件としては、たとえば、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当り当選を条件とすることができる。また上記の「時短大当り」の規定ラウンド数は特に制限されず、適宜定めることができる。
また本実施形態では、少なくとも高確率状態に移行された場合、規定ST回数(74回)まで確変状態が継続するものとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次回の大当りの当選となるまで高確率状態を継続させる大当り(非ST確変大当り)を設けてもよい。また、当り遊技後に何ら特典(時短状態や確変状態や潜確状態)を付与しない、通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」を設けてもよい。
また「回数切り確変状態」への移行契機となる「ST確変大当り」、「小当り」、潜確状態に移行契機となる「潜確大当り」、「時短大当り」、「非ST確変大当り」、および「通常大当り」は、それぞれ1または複数種類含むことができる。また、これらのうち、いずれの当り種別を設けるかも自由である。たとえば、複数種類の確変大当り、1種類の潜確大当り、1種類の時短大当りを設けることができる。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に関連する演出をなす複数種類の演出モード(メイン演出モード)が設けられており、遊技状態の移行に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記演出モード(メイン演出モード)には、「通常状態」の場合は「通常演出モード」、「CZ」の場合は「CZ演出モード」、「潜確状態」の場合は「潜確演出モード」、「確変状態」の場合は「確変演出モード」、「時短状態」の場合は「時短演出モード」といった各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。
本実施形態の場合、確変状態が「ST前半」「ST後半」「ST最終」に分けられているため、「確変演出モード」には、「ST前半」に関連する演出(ST前半用演出)が現出される「ST前半演出モード(第1の確変演出モード)」と、「ST後半」に関連する演出(ST後半用演出)が現出される「ST後半演出モード(第2の確変演出モード)」と、「ST最終」に関連する演出(ST最終用演出)が現出される「ST最終演出モード(第3の確変演出モード)」とが設けられている。
また「潜確状態」も確変状態と同様に規定ST回数で高確率状態が終了する。したがって、潜確状態を確変状態と同様に、遊技期間を前半・後半・最終に分けてもよい。たとえば、潜確状態を「潜確前半(1〜67回転)」と「潜確後半(68回転〜73回転)」と「潜確最終(74回転)」といった複数種類の遊技状態として管理する。この場合、潜確演出モードについては、「潜確前半」に関連する演出が現出される「潜確前半演出モード(第1の潜確演出モード)」と、「潜確後半」に関連する演出が現出される「潜確後半演出モード(第2の潜確演出モード)」と、「潜確最終」に関連する演出(潜確最終用演出)が現出される「潜確最終演出モード(第3の潜確演出モード)」とを設けることができる。
なお上記「CZ」である、「CZ(通常)」と「CZ(潜確)」とは、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同一の遊技状態として管理され、「CZ(通常)」または「CZ(潜確)」中の場合は、演出モードが同じ「CZ演出モード」下に置かれる。これにより、演出上からは、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)が秘匿状態とされるようになっている。上記「CZ演出モード」は、大当り抽選確率状態を演出上から秘匿状態とする「秘匿演出モード」としての役割を果たす。斯様な「秘匿演出モード」は、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす演出モードとして働く。ただし、内部遊技状態に応じた、潜確状態(高確率状態)下における「本物のCZ演出モード(第1の秘匿演出モード)」と、通常遊技状態(低確率状態)下における「ガセのCZ演出モード(第2の秘匿演出モード)」とを設け、当り後の内部遊技状態に応じて、これら演出モードに移行制御可能に構成しても良い。この場合、「本物のCZ演出モード」と「ガセのCZ演出モード」とで、特定の演出(たとえば、特定のキャラクタ画像)の出現率を異ならせることにより、遊技者に対して、いずれの演出モードに滞在しているかの推測要素を与えることができる。
また通常遊技状態についても、確変状態と同様に、複数種類の遊技状態(たとえば、通常Aと通常B)に分けて管理し、各遊技状態に対応する演出モードを設けることができる。通常Aと通常Bの切り替えは、図柄変動表示ゲームが所定回数実行されたことを契機に、または所定の移行抽選に当選したことを契機に、通常Aから通常Bに移行させることができる。また本実施形態では、変動パターン振分指定番号(Tcode)に関連した演出モードを設けた例ついて説明したが、本発明はこれに限らず、内部遊技状態(YJ)に関連した演出モードを設けてもよい。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部20側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。本実施形態の場合、この「特定の演出制御コマンド」には、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始インターバルコマンド(大当り開始コマンド)」、「大当り終了インターバルコマンド(大当り終了コマンド)」)などがある。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。演出制御部24(演出状態管理手段)は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号(Tcode)を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
(5−1−1.各演出モード下の演出)
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、演出モードのそれぞれにおいて、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示(背景演出)が、それぞれ異なる背景表示に切り替え制御されるようになっている。各演出モードに対応して現出されるデフォルトの背景画像表示(基本背景表示(基本背景画像))として、たとえば、通常演出モードの場合は、朝昼晩等の時間帯を表現した「昼背景(以下、通常状態時の背景を「通常背景」とも称する)」であり(たとえば、図7(A1))、その他、CZ演出モード、潜確演出モード、時短演出モードおよび確変演出モードの場合は、それぞれ、季節を表現(描写)した「春背景」「夏背景」「秋背景」「冬背景」等である。また各演出モードに対応した基本背景表示は、演出モードの変更(移行)を契機に切り替えられるだけでなく、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))自体の移行はないが(遊技状態の移行とは無関係に)、特定の予告演出(後述の背景チェンジ予告、ステージチェンジ演出、先読み背景チェンジ予告や、特定のリーチ演出や疑似連等)中の所定の切替タイミングによっても、他の背景画像(ただし、各演出モードに対応した基本背景画像以外の背景画像)に切り替え表示されうる。
また背景表示を各演出モードに応じて変化させるものに限らず、各演出モードに対応して異なる絵柄の装飾図柄を表示したり、音演出や光演出などを変化させたりすることもできる。このように、背景表示に限らず、装飾図柄等を切り替えて各演出モードを示唆することができる。
(5−1−2.ST期間中の演出)
本実施形態の場合、「確変演出モード」には、上記したように、「ST前半」に対応する「ST前半演出モード」と、「ST後半」に対応する「ST後半演出モード」と、「ST最終」に対応する「ST最終演出モード」とが含まれる。換言すれば、ST期間は、ST前半演出モード、ST後半演出モード、ST最終演出モードの3つに区分され、この3つのST区分のいずれに滞在しているかはST区分演出としての背景表示(背景演出)の切り替わりにより遊技者に報知される。この各ST区分内の演出(ST区分内演出)として、ST区分演出に重なる形で、上記のST前半用演出、ST後半用演出、ST最終用演出が当り種別に応じて現出される。なお、確変状態に限らず、通常遊技状態、潜確状態、時短状態など、内部遊技状態が複数種類の遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に区分され、これら遊技状態に対応した演出モードを設ける場合についても同様である。
ST期間中の演出モードを区分することとなる「ST区分演出」については、「ST前半演出モード」、「ST後半演出モード」、「ST最終演出モード」の各演出モードで、この順に色が濃くなるように定めた特定色(ダーク系の色)の背景色に切り替えられ、これにより段階的にST中の特別図柄の変動回数が最終回目(74回目)に近づいて来ていることが報知される。したがって、遊技者の緊張感は背景色が切り替わるたびに強まり、ST最終演出モードの背景色に至ったときに最も強くなる。また、これらのST区分演出(背景演出)の切り替え制御とは別に、各演出モードにおいて、それぞれに関連するST区分内演出として、「ST前半用演出:たとえば演出ボタンを絡め無い演出」、「ST後半用演出:たとえば演出ボタンを絡めた最終前あがきチャンス演出」、「ST最終用演出:たとえば演出ボタンを絡めた最終あがきチャンス演出」の切り替え制御が行われる。このST区分演出とST区分内演出の2つが切り替えられるにより、遊技者の緊張感はST段階が進むにつれて高まり、ST最終段階で最大となる。
なお上記では、ST前半演出モード、ST後半演出モードおよびST最終演出モードの背景表示について、背景色を切り替える例について説明したが、これに限らず、それぞれ共通性を有する基本背景表示(基本背景画像)とし、その背景表示中の一部のオブジェクト表示をそれぞれ異なる背景表示とすることができる。具体的には、確変演出モードを示唆する上記「冬背景」をベース背景画像とし、その冬背景表示中の一部のオブジェクト表示として、ST前半演出モードは、雪山が表示される「雪山背景表示」、ST後半演出モードは、夜空に光輝くオーロラが表示される「オーロラ背景表示」、ST最終演出モードは、冬服を着用した女性キャラクタが表示される「キャラ背景表示」などである。また他の演出モードが確変演出モードのように複数の演出モードに区分される場合についても同様である。
(5−2.演出手段)
パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、可動体役物として、上記の第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、第3の可動体役物(回転灯62)を搭載している。ローリングボタン70は、押圧ボタン型筒体72内またはその下方に、可動体73を回転可能かつローリング可能に組み込んだ構造となっているので、第3の可動体役物としても機能する。
(5−3.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、上述した演出モード下において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、上記演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な予告演出を現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。本実施形態の予告演出現出制御手段は、変動パターン指定コマンドおよび/または装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(たとえば当落抽選結果情報、リーチ演出の有無、特別停止図柄種別情報(当り種別情報)、特別図柄の変動時間情報など)に基づき、様々な予告演出を現出制御可能に構成されている。
斯様な予告演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものは、所謂「リーチ演出」の他、「疑似連演出」や「先読み予告演出」などがある。
(5−3−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。勿論、リーチ状態が形成されたからといって、図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が当りに対応した停止表示態様でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、「ノーマルリーチ演出(Nリーチ)」、Nリーチよりも当選期待度が高い「スーパーリーチ演出(SPリーチ)」、大当り当選確定を報知するプレミアムリーチ演出(プレミアリーチ)などが含まれる。SPリーチやプレミアリーチの多くは、遊技者の大当りに対する当選期待感を大いに煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持ち、また派手な演出を伴うようになっている。
本実施形態のリーチ演出には、複数種類のリーチ演出が設けられている。具体的には、Nリーチ種別には「NリーチA、NリーチB」が、SPリーチ種別には「SPリーチA、SPリーチB、SPリーチC」が、プレミアリーチ種別には「プレミアリーチA、プレミアリーチB」などが含まれる。なお、同種のリーチ演出における当選期待度の関係については、Nリーチ種別は「NリーチA<NリーチB」の関係、またSPリーチ種別は「SPリーチA<SPリーチB<SPリーチC」の関係となっている。なお、SPリーチ種別のうち、SPリーチA、Bは低期待度SPリーチに属し、SPリーチCは高期待度SPリーチに属するものとなっている。プレミアムリーチの場合は、当選確定を報知するものであるので(当選期待度100%)、当選期待度についてはプレミアリーチA、Bともに優劣はない。なお、実際の当選期待度は、他の予告演出(たとえば、疑似連演出や先読み予告演出など)が伴うか否かに応じて変化しうる。たとえば、「SPリーチA」が出現した場合であっても、当選期待度の高い他の予告演出が絡めば、「SPリーチB」と同等もしくはそれ以上の当選期待度となりうる。
なお、当選期待度に関し、「高期待度」とは、大当り抽選結果がハズレの場合には相対的に低い確率で選択され(低出現率)、当りの場合には相対的に高い確率で選択(高出現率)される、といった高い当選期待度を持つ予告演出(高期待度予告)であり、一般的には、当選期待度が所定値(たとえば、当選期待度30〜40%程度)以上の予告演出を指すが(当該所定値未満が「低期待度」の予告演出(低期待度予告)となる)、機種によってその値は異なる。
リーチ演出が現出される場合、具体的には、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(リーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記リーチ状態形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル(リーチタイトル演出)中」と、そのリーチタイトル演出後に所定の演出時間幅で発生する「リーチ演出中」とを介して、リーチ演出の終了後に所定の演出時間幅で発生する装飾図柄の「図柄仮停止状態」が終了した後、ゲーム結果が導出表示され(装飾図柄の確定停止表示)、これを以って、図柄変動表示ゲームが終了されるようになっている。たとえば、Nリーチを含む演出シナリオの場合は、少なくとも「Nリーチ中(Nリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成され、SPリーチを含む演出シナリオの場合は、少なくとも「リーチタイトル中」と「SPリーチ中」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成される。
(5−3−2.疑似連演出)
上記「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいう。「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、1回の図柄変動表示ゲーム中に、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているように表現する変動表示態様をいう。疑似連には、見た目上、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているかのように表現する演出態様だけでなく、疑似連専用図柄を利用して、疑似変動の発生可能性を遊技者に報知しながら(たとえば、疑似連の発生を遊技者が認識可能な演出態様で)、疑似変動が実行される演出態様を含むことができる。
「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率が定められており、たとえば、疑似変動回数に応じて、当選期待度が相対的に高いリーチ種別(SPリーチ)の発生期待感を煽るための予告演出として利用される。つまり、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別やプレミアリーチの発生が期待できるようになっている。疑似連とリーチ演出を含む演出シナリオの場合(疑似連有りリーチ変動パターンに係る演出態様の場合)、疑似連は、主として、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生される。すなわち、疑似連は、リーチ演出の発生可能性がある旨や特定のリーチ種別の発生可能性がある旨の予告として、1または複数回の疑似変動を行い、その後、リーチ演出が現出されて、最終的なゲーム結果が導出表示される。また、リーチ演出を含まない演出シナリオの場合(疑似連有り通常変動パターンに係る演出態様の場合)、疑似変動が終了した後、通常変動が実行されて最終的なゲーム結果が導出表示される。ここで、疑似変動終了後の変動表示動作を「本変動」とも称し、リーチ状態を経由するリーチ変動の場合には、この本変動にてリーチ演出が実行され、最終的なゲーム結果が導出表示され、リーチ状態を経由しない通常変動の場合には、本変動にて通常変動が実行され、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。なお、疑似連とリーチ演出とが複合的に現出される「疑似連+リーチ演出」については、説明の便宜のため「リーチ演出」と同列に扱う。
本実施形態では、「疑似N回」と表記は、「疑似変動回数N回」を意味する。たとえば、「疑似N+SPリーチA」の表記は、「疑似変動N回+本変動のSPリーチA」、つまり疑似変動N回後、SPリーチAを実行する、といった変動表示動作態様を意味する。
(5−3−3.先読み予告演出)
また予告演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、大当りの当選可能性がある旨(当選期待度)を事前に報知する先読み予告演出がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターンを事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由する「リーチ変動パターン」となるのか、それともリーチ状態を経由しない「通常変動パターン」となるのかについて事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、リーチの有無や疑似連の有無・その回数などの情報だけでなく、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターンを判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
詳しくは、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含めた現存する作動保留球数)を指定する「保留加算コマンド」と、上記先読み判定結果の情報(少なくとも当落結果を先読み判定した情報)を含む「入賞時コマンド」とが主制御部20から演出制御部24に送信され(図5参照)、これらのコマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。
上記保留加算コマンドと入賞時コマンドとは、それぞれ2バイトで構成される。本実施形態の場合、「保留加算コマンド」は、特図種別情報(特図1、2の別)を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定時の作動保留球数情報を特定可能とする下位バイト側データとから構成され、「入賞時コマンド」は、当落結果を指定する上位バイト側のデータ(MODE1)と、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データ(EVENT)とから構成される。
ただし演出制御部24は、必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行可否を抽選により決定し、先読み予告演出実行可と決定した場合には、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはその図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させるようになっている。
なお作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。これについて、たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「疑似2+SPリーチA」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。
このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「疑似2+SPリーチA」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「SPリーチA」種別である旨、具体的には、「SPリーチA」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチA種別」である旨を指定することができる。本実施形態の場合、「SPリーチA」という同系統の変動パターンとは、SPリーチA(疑似無し)、疑似2+SPリーチA、疑似3+SPリーチAなどを指す。このケースに係る先読み予告演出では、「SPリーチA」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチA種別」に関連した演出態様が現出されることになる。
したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、当選期待度が高い煽り演出(本ケースではSPリーチA種別)が発生する可能性が高いか低いかといった情報、換言すれば、大当りの当選可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(5−3−3−1.先読み予告演出態様:図5、図6)
次に図5および図6を参照しながら、先読み予告演出態様について説明する。図5および図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図5を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方左側)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と、特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:通常色である白色の作動保留球ありの場合(通常保留表示態様)は白丸印で、また青、黄、緑、赤、D柄、虹色などの色付きの作動保留球ありの場合(専用保留表示態様)はハッチングを施した丸印で示す)か、あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印で示す)にて示し、現在の作動保留球数に関する情報が報知されるようになっている。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(保留表示画像)からなる保留表示部a1〜d1(特図1側に対応)、a2〜d2(特図2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段(保留数表示手段)として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段(先読み予告手段)として働く。
また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球(以下「ゲーム実行中保留」と称する。)を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Mのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Mのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。このゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77での保留表示態様と同じ表示態様が維持され、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告表示態様(専用保留表示態様)が当該ゲーム中においても遊技者に報知される。これにより、遊技者に対し、大当りへの当選期待感を煽ることができるようになっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選した作動保留球が、先読み予告演出の対象の作動保留球となる(たとえば、図5のハッチングを施した保留表示部b1が該当する)。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。なお本実施形態では、先読み予告抽選実行条件として、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ変動パターン種別がないことを条件とする。これは、連続的に発生している先読み予告演出の途中に他のリーチ演出が介在して、本来の先読み予告演出が寸断され、その演出効果が希薄になってしまうのを回避するためである。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示の白色から、予告表示の青色、黄色、緑色、赤色、D柄、または虹色などの専用保留色に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。いずれの保留色に変化させるかについては、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。具体的には、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。この「保留表示変化系」の先読み予告演出態様としては、上述のように保留色を変化させることに限らず、保留アイコンの形状、模様、色彩またはこれらの結合について保留表示態様(デザイン)を変化させることが可能であり、たとえば点滅表示させたり、ターゲットの保留表示を通常の表示態様の大きさよりも巨大化して大きく表示させたり、特殊なキャラクタ画像やアイテム画像などに変化させたりする等、形状、色彩および模様の少なくともいずれか一つを変化させることができる。このような「保留表示変化系」の先読み予告演出(以下、「保留変化予告」とも称する)は、作動保留球発生時に現出されることから「入賞時変化系」の先読み予告演出とも称される。
上記では作動保留球に関する保留表示(保留アイコン)について、保留変化予告が発生した場合、その変化後の当選期待度に関連した色彩および模様の少なくとも一方または形状による表示態様により、次のような遊技情報を報知することができる。たとえば、保留色を代表例にとり説明すれば、上述のように「白、青、黄、緑、赤、D柄、虹色」の順に当りの当選期待度が高いことを報知する他、保留色に応じて、リーチ演出の発生の可能性がある旨(たとえば、保留色が青以上)や、リーチ演出の発生が確定的である旨(たとえば、保留色が黄色以上)や、リーチ演出種別に関する情報(たとえば、保留色が黄色ならばNリーチ以上確定、緑色であればSPリーチ確定以上、赤色であればSPリーチ種別のうち、相対的に当選期待度が高いSPリーチ種別確定(たとえば、SPリーチB確定)、疑似連の有無やその回数などを報知することができる。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、主制御部20から、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供された旨、つまり減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」が送られてくる。演出制御部24は、この保留減算コマンドにより、今回の作動保留球数消化後の残余作動保留球数を把握する。作動保留球が図柄変動表示ゲームに供されて消化された場合、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御(シフト表示)が行われるが、上記した通常と異なる保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、上記の保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
また保留変化予告は、入賞時を契機とし、演出制御部24側での先読み予告演出の実行抽選がなされ、その抽選結果に従って実行されるものである。演出制御部24は、保留変化予告を実行すると決定した場合、保留変化予告に関する演出シナリオ(保留変化予告シナリオ)を決定し、そのシナリオに従い、保留変化予告を現出させる。この保留変化予告シナリオには、専用保留表示をどのようなタイミングで現出させ、どのような保留色に変化させるか等の演出内容が定められている。すなわちシナリオの現出タイミング情報に応じ、(i)新たな保留アイコン(保留記憶)が発生した時点を専用保留表示態様で表示させるタイミングとするケースの他、(ii)新たな保留アイコン(保留記憶)が発生した時点では通常の基本保留表示態様(たとえば白色)で表示させ、所定のシフト後に、当該保留記憶に係る保留アイコンを専用保留表示態様で表示させる「突然保留変化」(突然に白色から青色、緑色、赤色などに変化)をさせるケースや、(iii)新たな保留アイコン(保留記憶)が発生した時点では相対的に当選期待度の低い第1の専用保留表示態様(たとえば青色、黄色など)で表示させ、所定のシフト後に、当該保留記憶に係る保留アイコンを、相対的に当選期待度の高い第2の専用保留表示態様(たとえば緑色や赤色など)で表示させる「発展的保留変化」(青色、黄色などから緑色や赤色などに変化)をさせるケースなど、が生じうるように構成される。
また保留変化予告は、保留変化対象となる保留アイコンが保留表示領域76、77に表示されている期間に限らず、ゲーム実行中保留Kとして表示される際にも発生する場合がある。具体的には、ゲーム実行中保留Kの表示態様が、受座J上に載る際、または今回の図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで、保留表示領域76、77での保留表示態様と異なる保留表示態様(別の保留色や別の形状)に変化しうる。たとえば、当選期待度が相対的に高い保留表示態様に変化したり、所定の遊技情報(たとえば、疑似連発生やその回数、あるいは、リーチ演出やその種別など)を示唆するキャラクタ画像やアイテム画像などに変化したりする(たとえば、後述の図13、図15参照)。これにより、図柄変動表示ゲーム中も、保留表示を利用した当選期待感を煽ることができるようになっている。
なお、保留表示態様は、静止画による保留アイコン表示(静的表示態様)に限らず、動画(アニメーション)による保留アイコン表示(動的表示態様:たとえば、保留アイコンを回転、振動、または搖動をさせて表示する)してもよい。また、保留アイコンをアニメーションで表示する場合、低期待度側の保留表示(たとえば、白色、青色、黄色)と、高期待度側に属する保留表示(たとえば、緑色、赤色、D柄、虹色)とを異なるアニメーションとすることができる。この場合、低期待度側の保留アイコン(低期待度保留表示)に比べて高期待度側の保留アイコン(高期待度保留表示)の方が、派手な動きや際立つ動きをするアニメーション(強調表示態様)とすることが、高期待度側の保留アイコンを注目させ易く、遊技者の期待感を効果的に煽る上で好ましい。このような保留表示態様としては、たとえば、「低期待度側の保留アイコンは、保留アイコンが低速で回転し、高期待度側の保留アイコンは高速で回転する」、「低期待度側の保留アイコンは、通常時の同じ形状の保留アイコンで小さな振幅幅で揺れ動く、高期待度側の保留アイコンは、通常時とは異なる形状の保留アイコンが、低期待度よりも大きな振幅幅で揺れ動く」などが挙げられる。ただし「強調表示態様」してしまうと、背景画像や保留アイコンの色彩・形状などの兼ね合いにより、保留表示が視認し辛くなる場合もある。このような場合、高期待度側の保留アイコンに比べて高期待度側の保留アイコンの方を強調表示態様とする、あるいは、高期待度側の保留アイコンを静的表示にするなどの工夫をして、保留表示を認識し易くすることが好ましい。
また、高期待度保留表示のうち「虹色」の保留アイコンは、当確表示となるプレミアム的な保留アイコン(プレミアム保留)である。このような‘プレミアム保留’については、他の保留アイコン(虹色以外の保留アイコン(非当確表示の保留アイコン))とは異なる特殊なアニメーション(当確専用のアニメーション)で表示してもよい。
また、高期待度保留表示については、上述したアニメーションによる強調表示態様に限らず、その保留アイコンの周囲や保留アイコン自体に、エフェクト画像を施すことにより保留アイコンを強調表示する、といった強調表示態様としてもよい。エフェクト手段としては、たとえば、エッジング(保留アイコンの周囲を所定の画像で縁取り表示する)、ライト(グロー効果やシャドウ効果を利用したエフェクト)、グラデーション、ブラー(たとえば、放射状ブラーやモーションブラーを利用したエフェクト)、ぼかし、キーイング(たとえば、クロマキー、カラーキー、ルミナンスキー等を利用したエフェクト)、またはエンボス等、といった特殊な画像処理によるエフェクトを採用することができる。また各エフェクトについては、静止画による静的表示であってもよいが、派手な動きにより期待感を煽ったり、遊技者に注目させたりするという観点からは、静的表示よりも動的表示(アニメーション)であることが好ましい。また、エフェクトの色彩や模様やアニメーション等については、適宜定めることができる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能となっている。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行し、単発的にまたは連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球のうちの全てまたは一部の図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像(たとえば、図6の稲妻を模した予告画像(稲妻画像))を表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出(以下、「稲妻連続予告」とも称する)も、上記した「入賞時変化系」の先読み予告演出(保留変化予告)と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。なお、「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出させる場合、各図柄変動表示ゲームにおいて、その全部または一部が異なる先読み予告画像を現出させてもよい。たとえば、3回の図柄変動表示ゲームにわたり現出させる場合、1回目の図柄変動表示ゲームは雷雲画像、2回目の図柄変動表示ゲームは雨画像(雷雲から雨が降る様を表現した画像表示)または雷雲画像、3回目図柄変動表示ゲームは稲妻画像とすることができる。また、予告画像に応じて当選期待度が異なるものとしてもよい。上述の例でいえば、たとえば、雷雲画像は低期待度、雨画像は中期待度、稲妻画像は高期待度とすることができる。この場合、「変動開始時変化系」の先読み予告演出において雷雲画像だけで終了した場合は当選期待感が低いが、稲妻画像が表示されれば、当選期待感が飛躍的に高まる、といった演出効果を奏することができる。また、図柄変動表示ゲームの実行ごとに、「雷雲画像→雨画像→稲妻画像」と段階的にステップアップするステップアップ的な先読み予告としてもよい。
先読み予告演出の実行形態については、保留変化予告および/または稲妻連続予告を現出可能に構成することができる。具体的には、先読み予告抽選には、保留変化予告抽選と稲妻連続予告抽選とが含まれ、それぞれ独立して抽選が実行されるように構成することができる。したがって、(イ)保留変化予告が現出した場合であっても、必ずしも稲妻連続予告が現出するとは限らず、またその逆に、(ロ)稲妻連続予告が現出した場合であっても、必ずしも保留変化予告が現出するとは限らない。また、(ハ)保留変化予告と稲妻連続予告とが重複的(同時)に発生することもある。なお、上記(イ)〜(ハ)の実行形態のうち、全部または一部を採用することができる。
(5−3−3−2.先読み予告演出態様例:図6)
次に図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(稲妻画像表示による稲妻演出(専用予告画像))を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了され、その後は、ゲーム実行保留Kとして表示される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。
このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。その後、先読み予告となった作動保留球が図柄変動表示ゲームに供され、当該図柄変動表示ゲーム中において、高期待度の予告演出(疑似連やSPリーチ)が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。なお同図(4)において、変動開始時変化系の稲妻演出が、今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了されると説明したが、これに限らず、前回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了してもよい。この場合、変動開始時変化系の先読み予告演出は、入賞時変化系の「専用保留表示」が図柄変動表示ゲームの実行に供されるとともに終了される。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
(5−3−4.背景チェンジ予告演出)
本実施形態では、バックグラウンドとしての背景表示(背景演出)の切り替えが、遊技状態の移行に起因して生起する場合だけでなく、図柄変動表示ゲームの予告演出としても生起する場合がある。たとえば、図柄変動表示ゲームの開始を契機に、または図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで、背景表示の一部または全部が切り替わり、これにより、今回のゲームの当選期待度を示唆する(リーチ演出や疑似連の発生期待度を示唆する)といった「背景予告チェンジ予告演出」である。この背景チェンジ予告演出は、「背景表示が切り替わる」といったインパクトの強い演出態様であることから、当選期待度が高い高期待度予告演出として利用される。
上記「背景チェンジ予告演出」が実行された場合、次ゲーム以降の背景表示が、背景チェンジ予告演出前の元の背景表示に戻らずに、背景チェンジ予告演出により切り替えられた後の背景表示に変更される。たとえば、今回のゲームが通常演出モード中の「昼背景」のとき(たとえば、図7(A1)の「昼背景」)、背景チェンジ予告演出が発生により「夜背景」に切り替えられた場合(たとえば、図7(A2)の「夜背景」)、次ゲーム以降の背景表示は「夜背景」となる。
ここで、背景チェンジ予告演出による背景表示の切り替えが生じた場合、演出上、‘「メイン演出モード」に変更が生じた’換言すれば、遊技状態の移行が生じたかのようにも見えるが、実際には遊技状態の移行は生じておらず、予告演出の一環として背景変化が生じただけである。つまり「背景チェンジ予告演出」は、メイン演出モード(「通常演出モード」、「CZ演出モード」、「潜確演出モード」、「確変演出モード」、または「時短演出モード」等)下で現出される演出の一つであり、メイン演出モード自体が変更されるわけではない(後述の「ステージチェンジ演出」や「先読み背景チェンジ予告演出」も同様)。より具体的には、背景チェンジ予告演出は、変動パターン振分指定番号(Tcode)が変更された場合に現出されるものではなく、予告抽選処理(変動パターン情報に基づき実行される演出抽選処理)で当選した場合に発生するものとなっている。たとえば、通常演出モードには、昼背景を表示する「通常中昼ステージ(第1の通常演出モード)」、朝背景を表示する「通常中朝ステージ(第2の通常演出モード)」、夜背景を表示する「通常中夜ステージ(第3の通常演出モード)」といったように、背景表示の異なる複数種類の演出モードが含まれる。このように、同じ演出モードに属するが、背景表示が異なる複数種類の演出モードを「演出ステージ」とも称する。本実施形態では、少なくとも1つのメイン演出モードには、背景表示および/または保留表示が異なる複数種類の演出ステージを含むことができる。
また、背景チェンジ予告演出では、切り替え先の背景表示を、現在の背景表示と当選期待度とに応じて、複数種類の背景表示のうちからいずれかの背景表示に切り替えることができる。たとえば、現在の背景表示が「朝背景」であった場合、低期待度を示唆するときは、背景表示を「昼背景」に切り替え(朝→昼)、高期待度を示唆するときは、背景表示を「夜背景」に切り替える(朝→夜)。また、現在の背景表示が「昼背景」であった場合、低期待度を示唆するときは、背景表示を「夜背景」に切り替え(昼→夜)、高期待度を示唆するときは、背景表示を「朝背景」に切り替える(昼→朝)。また、現在の背景表示が「夜背景」であった場合、低期待度を示唆するときは、背景表示を「朝背景」に切り替え(夜→朝)、高期待度を示唆するときは、背景表示を「昼背景」に切り替える(夜→昼)。なお、当確を示すプレミアム的なプレミア背景表示を設けてもよい。たとえば、「菊花紋章を表示された紋章背景画像」に切り替わった場合は、当選確定とすることができる。このプレミア背景表示は、今回の図柄変動表示ゲームに限り現出される背景画像となっている。なお、プレミア背景表示に対応した特殊な保留表示態様を用意してもよい。たとえば、現存する保留表示のすべてまたは一部が、特定の色彩および/または模様の保留(菊花紋章を表示した保留表示)とすることができる。
(5−3−5.ステージチェンジ演出)
また上述した背景チェンジ予告演出のように、背景表示の切り替えが生じる演出として、「ステージチェンジ演出」がある。この「ステージチェンジ演出」は、予告演出抽選処理によるものではなく、予告演出抽選処理とは無関係に(今回の図柄変動表示ゲームの大当り抽選結果とは無関係に)、背景表示(背景演出)の切り替えを生じさせる演出となっている。「ステージチェンジ演出」は、大当り抽選結果とは無関係に現出されるという点で、当選期待度を示唆するものではなく、専ら、演出の多様化を図るために利用される。
上記「ステージチェンジ演出」の現出条件(現出タイミング)は、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで現出させることもできるが、‘予告演出抽選処理とは無関係に現出可能’という点で、たとえば、次のようなタイミングで現出させることができる。
(1)「特定の演出モード」または「特定の遊技状態(特定の変動パターン振分指定番号または特定の内部遊技状態)」に移行した後、図柄変動表示ゲームが所定回数実行された場合に、ステージチェンジ演出を現出させることができる。この場合、当該所定回数目の図柄変動表示ゲームの開始または終了を契機にステージチェンジ演出を現出させることができる。
(2)また「所定のモード移行抽選に当選した場合」にステージチェンジ演出を現出させることができる。上記モード移行抽選は、上記(1)と同じく、「特定の演出モード」または「特定の遊技状態(特定の変動パターン振分指定番号または特定の内部遊技状態)」に移行した後、図柄変動表示ゲームが所定回数実行されたことを契機に実行してもよい。また、上記モード移行抽選に当選後、どのタイミングでステージチェンジ演出を現出させるかは、特に制限はなく適宜定めることができる。たとえば、モード移行抽選に当選した後(モード移行抽選を実行したゲームの後)、その当選状態を保留状態しておき、所定回数の図柄変動表示ゲームが実行された場合に当該保留状態を解除し、ステージチェンジ演出を現出させることができる。この場合、当該所定回数目の図柄変動表示ゲームの開始または終了を契機にステージチェンジ演出を現出させることができる。
なお、ステージチェンジ演出の演出態様については、背景チェンジ予告演出と同様の演出態様としてもよいし、異なるものであってもよい。ステージチェンジ演出と背景チェンジ予告演出とを同様の演出態様とした場合、ステージチェンジ演出を背景チェンジ予告演出が如く装うことができ、単なるステージチェンジ演出であっても、遊技者の当選期待感を煽ることができる。また上記「背景チェンジ予告」や「ステージチェンジ演出」や次に述べる「先読み背景チェンジ予告演出」には、その現出を事前報知する「チェンジ開始前演出」を現出可能に構成することができる。この「チェンジ開始前演出」とは、背景チェンジ開始前に、背景演出(背景画像)の切り替わりが生じることを示唆する演出表示(たとえば、爆弾が爆発する様を表現した爆轟演出)である。また背景画像が切り替わる際に、移行後の演出モードに係る背景画像を、連続的または段階的に徐々に表示していく、といった表示態様(以下「漸次的切替表示態様」または「漸次的切替表示演出」と称する)としてもよい。たとえば、切り替え前の背景画像が1000ms程度かけて徐々に明らかになっていくような表示態様とすることができる。斯様な演出は、演出モードの切り替わりが完了するまでの間に現出されるまでの繋ぎの演出(背景切り替え前の繋ぎの演出)として利用することができる。
(5−3−5.先読み背景チェンジ予告演出)
また上記した「背景チェンジ予告演出」または「ステージチェンジ演出」の他に、「先読み背景チェンジ予告演出」がある。この先読み背景チェンジ予告演出は、先読み判定結果に基づいて、背景表示(背景演出)の切り替えを実行するものであり、上記「背景チェンジ予告演出」または「ステージチェンジ演出」とは、その実行契機が異なる。
詳しくは、上記「先読み背景チェンジ予告演出」は、「画像表示変化系(変動開始時変化系)」の先読み予告演出の一態様であり、たとえば、液晶表示装置36の画面に専用の背景画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行し、単発的にまたは連続表示させるといった「背景画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「先読み背景チェンジ予告演出」は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み背景チェンジ予告演出を行うか否かに関し先読み背景チェンジ予告抽選を行い、この予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み背景チェンジ予告対象の作動保留球のうちの全てまたは一部の図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に専用の背景画像を表示させる。なお上記「先読み背景チェンジ予告演出」は、作動保留球の発生を契機に実行してもよいし、現存する作動保留球がある場合、最古の作動保留球(1個目)が消化されたタイミング、すなわち、最古の作動保留球に係る図柄変動表示ゲームの開始を契機に(シフト表示の実行を契機に)実行してもよい。
上記「先読み背景チェンジ予告抽選」は、保留変化予告抽選とは別途独立して実行され、作動保留球が‘当り’と先読み判定された場合や、特定の変動パターン(たとえば、リーチ変動パターンのうち、相対的に高期待度の「SPリーチC」や「プレミアリーチ」指定の変動パターンであると先読みされた場合)に、高確率で現出されるようになっている。すなわち、「保留変化予告」と「先読み背景チェンジ予告演出」とは、それぞれ独立して現出可能となっており、先読み背景チェンジ予告演出が現出した場合であっても必ずしも保留変化予告が発生するとは限らず、またその逆に、保留変化予告が発生した場合であっても必ずしも先読み背景チェンジ予告演出が現出するとは限らない。また「先読み背景チェンジ予告」が単独で発生する場合よりも、「先読み背景チェンジ予告」と「保留変化予告」とが重複的に現出される場合(同一の作動保留球を対象に、2種以上の先読み予告演出が現出される「複合先読み予告」)の方が、当選期待度が高まるようになっている。
なお上記した「背景チェンジ予告演出」や「ステージチェンジ演出」や「先読み背景チェンジ予告演出」などは、メイン演出モード下で現出される演出態様の一つとして設けられており、メイン演出モード自体が変更されるものではない。しかし「背景表示(背景演出)の切り替え制御が実行される」点や、「背景表示(背景演出)の切り替え制御が実行されるとともに、保留アイコンの基本的な表示態様(後述の「基本表示態様」)も切り替わる」という点で、演出上の観点から、メイン演出モードが変更された際の背景表示(背景演出)の切り替え制御と同列に扱うことができる。以下では、説明の便宜のために、メイン演出モードが変更されたことによる背景表示(背景演出)の切り替え制御だけでなく、上記「背景チェンジ予告演出」や「ステージチェンジ演出」や「先読み背景チェンジ予告演出」による背景表示の切り替え制御が実行されることを含めて、「演出モードの変更」あるいは「演出モードの移行」と称する。
<6.基本保留表示態様の変更と専用保留表示態様の関係>
先読み予告演出を実行する場合、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちの該当する一の保留アイコンの保留表示態様を、保留アイコンの形状、模様、色彩またはこれらの結合について「所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)」のうちのいずれか一つに変更する。本実施形態の場合、「色彩」については、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色を取り扱っている。これらの色彩のうち「白色」は通常色であるので、これを除く「青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色」が「所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)」となる。先読み予告演出を実行する場合、これらの「専用保留表示態様」のうちから抽選により一の表示態様(特定の保留表示態様)が選択されて表示される。
上記の「D柄」は「デンジャー柄」の略称である。この「デンジャー柄(D柄)」は、地の黄色に黒のストライプを施したもの、または、更にその黒のストライプ帯内にDANGERの文字を配してなるものの総称である。したがって「D柄」は色模様に属し、色要素と模様のどちらにも分類し得るが、本明細書では説明の便宜上、単に「D柄」といった場合、白、青、黄、緑、赤などと比肩し得る色要素「D柄の色(以下、必要に応じて「D柄色」と称する。)」を持つものとして取り扱う。
ところで、保留アイコンの保留表示態様を形状、模様、色彩またはこれらの結合について変化させることは、予告演出の多様性を高める上で好ましい。しかし、予告演出を多彩なものとすべく保留表示態様の種類を増加させて行くと、保留表示態様の種類が多くなりすぎて、遊技者が特定の保留表示態様の意味を正しく把握しきれなくなる、という課題がある。本実施形態の場合、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の順に、遊技者に対する当選期待度が高まるように構成されており、「青色」「黄色」は低期待度、「緑色」は中期待度、「赤色」以上(赤色、D柄、虹色)は高期待度の保留として分類される。ここで「青色」はリーチ演出の発生の可能性がある旨を、「黄色」はリーチ演出の発生が確定的である旨を、「緑色」はSPリーチ種別が確定以上である旨を、「赤色」はSPリーチ種別のうちで当選期待度が相対的に高いSPリーチが確定的である旨を報知する。このうち、当選期待度が低期待度の「青色」保留や「黄色」保留は遊技者の関心が薄いため、取り扱う上での重要度は低い。しかし、当選期待度が中期待度の「緑色」保留や、当選期待度が高期待度の「赤色」保留については、遊技者が「大当りの期待が持てる」として当り期待感ないし緊張度を高めているため、その後に、当該保留アイコンが当選期待度の高低が把握できない表示態様に変化してしまうことは避けるべきである。
遊技者が当選期待感を待ち緊張度を高めるか否かの観点から分類すると、「青色」や「黄色」保留との対比において、「緑色」保留も「赤色」保留と同様に高期待度を示す保留表示態様のものといえる。そこで、以下では特に必要がない限り、先読み保留予告アイコンをおおまかに低期待度と高期待度の2つに分類し、青色、黄色を低期待度の保留、緑色以上(緑色、赤色、D柄、虹色)を高期待度の保留として取り扱うことにする。以下では、「青色」保留を低期待度保留の代表例とし、「赤色」保留を高期待度保留の代表例として、説明して行く。以下では、高期待度保留として、「緑色、赤色、D柄、虹色」間で共通の保留アイコン(●)を使用する場合を例として説明するが、緑色(●)、赤色(▲)、D柄(■)、虹色(★)のそれぞれ個別に専用の保留アイコンを使用するようにしてもよい。
(6−1.具体例イ:背景演出の切り替えに伴って保留アイコンの基本保留表示態様が変更されるケースでの適用例、図7)
本実施形態では、既に説明したように、遊技状態(変動パターン選択データ(Tcode))に対応する複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行に伴い、その演出モード間を行き来可能に構成されている。各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態下に滞在しているのかを把握できるように、演出モードのそれぞれにおいて、装飾図柄の変動表示画面を含むバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景表示に切り替え制御(モードチェンジ)される。この「背景表示の切り替え(モードチェンジ)」は、メイン演出モードが変更された場合(遊技状態(変動パターン選択データ(Tcode))が変更された場合)に生じるだけでなく、前述の「背景チェンジ予告演出」や「ステージチェンジ演出」が実行された場合にも生じうる。したがって、本明細書中において「背景表示の切り替え」(「背景演出の切り替え」または「背景画像の切り替え」を含む)の概念には、背景表示が、遊技状態(変動パターン選択データ(Tcode)または内部遊技状態(YJ))の変更によって生じる「背景表示の切り替え」、「背景チェンジ予告演出」や「ステーンチェンジ演出」や「先読み背景チェンジ予告演出」によって生じる「背景表示の切り替え(演出ステージの切り替え)」、後述の「カスタマイズ(図12)」によって生じる「背景表示の切り替え」などが含まれる。そして本実施形態では、「背景表示の切り替え」にとともに、保留アイコンの基本的な表示態様(後述の「基本表示態様」)が変更されうるようになっている(後述の図7〜図16参照)。
図7は、具体例イとして、上記「背景演出の切り替え」に伴って保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここに「基本表示態様」とは、各演出モードに対応したデフォルトの表示態様、すなわち、先読み予告(保留変化予告)に係る作動保留球が存在しないときの保留アイコンの表示態様(形状、模様、色彩またはこれらの結合)を指し、本実施形態の場合、各演出モードに対応して現出される通常保留表示態様を指す。図7では、背景演出(演出モード)の切り替えに応じて保留アイコンの基本表示態様(本例では形状デザイン)が変更される演出制御が行われることを前提とし、このような変更がなされる状況下であっても、「高期待度」の先読み保留予告が生起した場合には、その「高期待度」の先読み予告に係る保留アイコンについてだけは、背景演出つまり遊技状態に対応した演出モードの如何に拘わらず、当該先読み予告に係る保留アイコンの表示態様(専用保留表示態様)を不変としている。つまり、一の遊技状態に対応した演出モード(昼背景)下で先読み予告に係る保留アイコンが高期待度の専用保留表示態様(たとえば星形赤色のデザイン)で表示されているときは、演出モードが、他の一の遊技状態に対応した演出モード(夜背景)に切り替わったことに伴って、保留アイコンの表示態様(たとえば形状のデザイン)が、第1の基本表示態様の形状デザイン(たとえば星形)から第2の基本表示態様の形状デザイン(たとえば三角形)に切り替えられた場合でも、当該先読み予告に係る保留アイコンについてだけは、それ迄の専用保留表示態様を変更せずに、同じ専用保留表示態様(たとえば星形赤色のデザイン)のままとする点に特徴がある。
(6−1−1.先読み予告保留が高期待度のものである場合)
(図A1:昼背景下での保留表示態様)
図7において、左側の図A1、A2は先読み保留予告に係る保留アイコンの保留表示態様が、高期待度の「赤色」保留である場合の液晶表示装置36の画面を示している。このうち図A1は、背景演出が「昼」になっているときの液晶画面の表示内容を示しており、画面内に、昼背景H1として、大地、山、空、太陽、雲の画像が表示され、太陽と雲の画像が存在することで昼背景であることを示している。また、画面下方において、特別図柄1側の保留表示領域76には保留アイコンの保留表示部a1〜d1が設けられ、また特別図柄2側の保留表示領域77には保留アイコンの保留表示部a2〜d2が設けられている。また、その左側の変動中表示領域78には受座Jが設けられ、これにゲーム実行中保留Kが載っている状態が示されている。以下、説明の便宜上、「保留表示部」を「保留アイコン」と称することにする。つまり保留表示部a1〜d1、a2〜d2や受座Jに現に表示されている保留アイコン(アイコン画像として顕在化しているもの)も、また、まだ表示されていない保留アイコン(アイコン画像として顕在化していないもの)も、共に「保留アイコン」と称し、たとえば保留アイコンa1〜d1、保留アイコンa2〜d2のように記す。
昼背景の図A1において、ゲーム実行中保留K、保留表示領域76の保留アイコンa1〜d1、および保留表示領域77の保留アイコンa2〜d2は、基本的にすべて同じ形状(図7では星形)にて表示される。先読み予告に係る高期待度の保留アイコンの表示形態は任意に定め得るが、この図A1では、形状が「丸形」で色彩が「赤色」の保留表示態様にて現出するものとしている。したがって、星形の保留アイコンのうちに丸形の赤色アイコンが発生する形となる。
図A1の現在の状態を説明すると、点灯状態つまり顕在化しているのは、保留アイコンa1〜c1の3つと、ゲーム実行中保留Kだけであり、これらの保留アイコンは「星形」の形状にて表示されている。また色彩については、ゲーム実行中保留Kと保留アイコンa1、b1は白色(通常色)、保留アイコンc1は高期待度の「赤色」となっている。つまり図A1は、ゲーム実行中保留K、保留アイコンa1、b1が存在する状態下で新たな入賞があり、その新たな入賞に基づき主制御部20から送られてくる入賞時コマンドと保留加算コマンドとを受けて、演出制御部24において行われる先読み予告抽選に当選し、その当選に係る作動保留球として、保留アイコンc1が発生し、その保留表示態様が所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)のうちの「赤色」に変更された状態を示している。なお、保留アイコンd1およびa2〜adは消灯状態つまり顕在化していない状態にある。
点灯状態つまり顕在化しているゲーム実行中保留Kと3つの保留アイコンa1〜c1の保留表示態様について整理すると、昼背景の図A1では、それらの保留アイコンの保留表示態様として、「形状」については、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1を除き、顕在化しているすべての保留アイコンK、a1〜b1が第1の基本保留表示態様の形状デザインに係る「星形」をしており、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1だけが専用保留表示態様の形状デザインに係る「丸形」をしている。また「色彩」については、新たに発生した先読み予告に係る保留アイコンc1だけが専用保留表示態様の色彩デザインに係る「赤色」で、それ以前に発生した保留アイコンK、a1、b1は第1の基本保留表示態様の色彩デザインに係る「白色」となっている。
(図A2:夜背景下での保留表示態様)
図7の図A2は、演出モードに応じて背景演出が上記の図A1の「昼背景」から「夜背景」に切り替わったときの液晶画面の表示内容を示している。図A2の画面内には、夜背景H2として、大地、山、空、月、星の画像が表示され、月と星の画像が存在することおよび全体の色彩が暗い青色に変更されていることで、夜背景であることを示している。また、画面下方において、特別図柄1側の保留表示領域76には保留アイコンa1〜d1の保留表示部が設けられ、また特別図柄2側の保留表示領域77には保留アイコンa2〜d2の保留表示部が設けられている。また、その左側の変動中表示領域78には受座Jが設けられ、これにゲーム実行中保留Kが載っている状態が示されている。
昼背景(図A1)から夜背景(図A2)への切り替わりに伴い、ゲーム実行中保留K、保留表示領域76の保留アイコンa1〜d1、および保留表示領域77の保留アイコンa2〜d2が表示されるときは、すべて第1の基本保留表示態様の形状デザインに係る「星形」から第2の基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」の形状に変更されて表示される。これは演出モードに応じて背景演出が「昼」から「夜」に切り替わったことを、より効果的に遊技者に知らしめるためである。
図7の図A2において、現在の状態にて説明すると、点灯状態つまり顕在化している保留アイコンは、a1〜c1の3つと、ゲーム実行中保留Kのアイコンだけである、という関係は、図A1の場合と同じである。しかし、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1を除き、図A2ではこれらの保留アイコンK、a1、b1が一斉に第2の基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」の形状に変更されている。先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1だけは専用保留表示態様の形状デザインに係る「丸形」をしている。そして、色彩については、昼背景(図A1)の場合から変更されていない。つまり、夜背景(図A2)下のゲーム実行中保留Kと保留アイコンa1、b1の第2の基本保留表示態様の色彩は、昼背景(図A1)下の第1の基本保留表示態様の色彩デザインと同じ白色(通常色)となっている。そして夜背景(図A2)下の先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1も、昼背景(図A1)のときと同じ専用保留表示態様の色彩デザインに係る「赤色」となっている。
ここで、仮に高期待度の保留アイコンc1も他の保留アイコンK、a1、b1と同じように「三角形」の形状に変更されて表示されたとすると、遊技者は、アイコンの形状が変更されているため、もとの「丸形赤色」の保留アイコンとの対比において、変更された後の「三角赤色」の保留アイコンは、同じ当選期待度のものであるのかどうかの判断ができなくなる。つまり遊技者の当選期待感にずれを生ずる。そこで本実施形態では、背景画像の変更に伴って保留アイコンの基本表示態様が変更される場合でも、高期待度の保留アイコンについては、その保留表示態様を変更せず、同じ形状と色彩のデザインを保つ。つまり図A2の夜背景において、高期待度の保留アイコンc1は、昼背景(A1)のときと同じ「三角赤色」の保留アイコンにしている。よって遊技者は、昼背景から夜背景に切り替わった場合でも、先読み予告保留が同じ「丸形赤色」の保留アイコンとして維持されるため、同じ高期待度の保留アイコンとして認識することができ、当選期待感にずれを生じない。
(6−1−2.先読み予告保留が低期待度のものである場合)
図7において、右側の図B1、B2は先読み保留予告に係る保留アイコンの保留表示態様が低期待度の「青色」保留である場合の液晶画面を示す。このうち図B1は、背景演出が「昼」のときの液晶画面の表示内容を示しており、図A1に対応している。また図B2は、背景演出が「夜」のときの液晶画面の表示内容を示しており、図A2に対応している。
先読み予告保留が低期待度のものである場合(図B1、B2)も、先読み予告保留が高期待度のものである場合(図A1、A2)と同じく、昼背景から夜背景への切り替わりに伴い、ゲーム実行中保留K、保留表示領域76、77の保留アイコンが表示されるときは、すべて第1の基本保留表示態様の形状デザインに係る「星形」から第2の基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」に変更されて表示されることを前提としている。
しかし、図B1、B2は低期待度の「青色」保留が発生した場合であることから、次の点で、図A1、A2の場合と異なっている。すなわち、昼背景の図B1から夜背景の図B2に変更された場合、先読み予告の保留アイコンc1も含め、ゲーム実行中保留K、保留アイコンa1〜c1が、すべて第1の基本保留表示態様の形状デザインに係る「星形」から第2の基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」に変更されている、という点である。図B1では先読み予告の保留アイコンc1を「星形」として示しているが、専用保留表示態様の形状デザインとして星形を例示しただけであり、図A1のような「丸形」であっても同じであって、一斉に第2の基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」に変更される例となっている。
このように保留アイコンK、a1〜c1のすべてを「星形」から「三角形」に変更させた場合、先読み予告の保留アイコンc1も「星形」から「三角形」に変更される。つまり先読み予告の保留アイコンc1が「星形青色」から「三角形青色」のものに変化する。しかし「青色」は低期待度の保留色であり遊技者の関心が薄いことから、高期待度の「赤色」の保留色である場合に比べ、形状が変化しても遊技者に不利となるような大きな影響は与えないと思われる。そこで本実施形態では、先読み予告保留の色彩が「青色」や「黄色」などの低期待度のものである場合は、これらを含めて、背景演出の切替に伴い一斉に保留表示態様を変更させている。
(6−2.具体例ロ:特別図柄1、2のいずれに係るかで保留アイコンの基本表示態様を異ならせているケースでの適用例、図8)
図8の具体例ロは、特別図柄1と特別図柄2のいずれに係るかで保留アイコンの基本表示態様を異ならせているケースに本発明を適用した例を示したものである。ここでは、特別図柄1に係る保留と特別図柄2に係る保留とで、保留アイコンの基本表示態様が異なっていることが前提となっている。すなわち特別図柄1側の保留表示領域76に表示される保留アイコンa1〜d1の基本保留表示態様は形状デザインが「星形」であり、特別図柄2側の保留表示領域77に表示される保留アイコンa2〜d2の基本保留表示態様は形状デザインが「三角形」である。
かかる前提のもとにおいて、図8の図A1のように、昼背景時に発生した先読み保留予告に係る保留アイコンc1、c2が「高期待度」のものである場合には、それが、特別図柄1側の保留アイコンa1〜d1の一つとして生じたか、または特別図柄2側の保留アイコンa2〜d2の一つとして生じたかを問わず、「高期待度」の先読み予告に係る保留アイコンc1、c2についてだけは、同じ専用保留表示態様(ここでは形状が星形で色彩が赤色)で表示される。よって遊技者は、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれに先読み予告保留が発せした場合も、同じ高期待度の保留アイコンとして認識することができ、同じ当選期待感を維持することができる。
これに対し、図8の図B1のように、昼背景時に先読み保留予告として発生した保留アイコンが「低期待度」のものである場合、特別図柄1側の保留アイコンa1〜d1の一つとして生じるときは、その保留アイコンa1〜d1の基本保留表示態様と同じ形状デザインに係る「星形」で表示され、また、特別図柄2側の保留アイコンa2〜d2の一つとして生じるときは、その保留アイコンa2〜d2の基本保留表示態様と同じ形状デザインに係る「三角形」で表示される。しかし、先読み保留予告として発生した保留アイコンが「低期待度」のものであるので、遊技者は特別図柄1側と特別図柄2側とで同じ当り期待度の保留アイコンとして認識することができなくても、あまり気にしなくて済む。
上記の関係は、背景演出が昼背景から夜背景に切り替わった場合も維持される。つまり、図A2に示すように、夜背景時に先読み保留予告として発生する保留アイコンc1、c2が、「高期待度」の「赤色」である場合は、その先読み予告保留が、特別図柄1側または特別図柄2側の保留アイコンとして生じたか否かを問わず、同じ専用保留表示態様(たとえば星形赤色のデザイン)で表示される。
しかし、図B2に示すように、夜背景時に先読み保留予告として発生する保留アイコンc1、c2が、「低期待度」の「青色」である場合は、特別図柄1側または特別図柄2側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(形状)で表示される。つまり、特別図柄1側で生じる場合は、特別図柄1側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(たとえば星形)で表示され、特別図柄2側で生じる場合は特別図柄2側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(たとえば三角)で表示される。
(6−3.具体例ハ:内部遊技状態に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースでの適用例、図9)
図9の具体例ハは、内部遊技状態(YJ)に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。上記では、ここでは、内部遊技状態が、低確率状態(低確時と略す)である場合と、高確率状態(高確時と略す)である場合を例にとり、低確時と高確時とで保留アイコンの基本表示態様が異なっていることが前提となっている。ここで、内部遊技状態を遊技状態判定番号(YJ)で区別すれば、「低確時」は‘YJ=00H’の「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」があり、「高確時」は‘YJ=03H’の「確変状態(電サポ有り状態、高確率)」または‘YJ=02H’の「潜確状態(電サポ無し状態、高確率)」に相当する。そして、図9の図A1に示す「低確時」においては、保留アイコンK、a1〜d1、a2〜d2がその基本保留表示態様の形状デザインに係る「星形」にて表示され、図9の図A2に示す「高確時」においては、保留アイコンK、a1〜d1、a2〜d2がその基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」にて表示される。なお、本実施形態に設けられてはいないが、「時短状態(電サポ有り状態、低確)」は「低確時」に相当する
かかる前提のもとにおいて、図9の図A1は、低確時において、保留アイコンK、a1、b1が存在する状況下で、先読み保留予告として「高期待度」の保留アイコンc1が発生し、所定の専用保留表示態様として「丸形赤色」の表示態様で表示されたケースを示している。
ここで図A2に示すように、内部遊技状態が低確時(通常遊技状態)から高確時(確変状態)に切り替わったとする。先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1を除き、保留アイコンK、a1、b1が一斉に第2の基本保留表示態様の形状デザインに係る「三角形」の形状に変更される。しかし、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1だけは、その専用保留表示態様が低確率状態(図A1)下の場合から変更されていない。つまり、内部遊技状態が低確率状態(図A1)から高確率状態(図A2)へ移行すると、保留アイコンK、a1、b1は「色彩」が低確時(図A1)のときと同じ白色(通常色)で、「形状」が三角形に変更された第2の基本保留表示態様にて表示される。しかし、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1については、低確率状態(図A1)から高確率状態(図A2)へ移行しても、低確率状態(図A1)のときと同じ専用保留表示態様の「丸形赤色」にて表示される。よって遊技者において、低確率状態(図A1)のときと高確率状態(図A2)のときとで、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1における期待度評価を異なったものと認識してしまうことが回避される。
しかし図B1、B2に示すように、先読み予告に係る保留アイコンc1が低期待度の「青色」保留であった場合は、上記のような保留表示制御をしない。すなわち、低確率状態(図B1)から高確率状態(図B2)に移行したことに伴い、保留アイコンK、a1、b1の基本保留表示態様の形状デザインが「星形」から「三角形」に変更された場合は、これに伴い、先読み予告に係る低期待度の保留アイコンc1も、その変更された保留アイコンK、a1〜c1の基本保留表示態様と同じ形状デザインに係る「星形」から「三角形」に変更される。低期待度保留(青色)の場合は、高期待度保留(赤色)に比べると、低確率状態(図B1)から高確率状態(図B2)への移行に伴って形状が変化しても、遊技者の当選期待感を覆すような大きな影響は与えないと思われるからである。
(6−4.具体例ニ:ST区分演出に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースでの適用例、図10)
図10の具体例ニは、変動パターン振分指定番号(Tcode)に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここではその代表例として、ST区分演出に応じて、保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例について説明する。
ST期間は、ST前半演出モード、ST後半演出モード、ST最終演出モードの3つに区分され、この3つのST区分のいずれに滞在しているかはST区分演出としての背景演出の切り替わりにより遊技者に報知される。ここでは、このうちのST前半とST後半の区切りを主制御部側から変動パターン選択データ(Tcode)で指示して、演出制御部側で演出モードを昼背景(ST前半演出モード)から夜背景(ST後半演出モード)へ切り替える場合を例にして説明する。
図10は、図9で低確時と高確時としているのをST前半とST後半に変更している点で相違するだけで、他は図9と同じになっている。図10の図A1、図A2から分かるように、ST区分演出としての背景演出は、図A1のST前半演出モードの「昼背景」から図A2のST後半演出モードの「夜背景」に移行する。このとき先読み予告に係る保留アイコンc1が、高期待度のもの(赤色保留)として存在していた場合は、保留アイコンの基本保留表示態様の形状デザインが「星形」からに「三角形」に変更される。しかし、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1だけは、その専用保留表示態様の色彩および形状デザインが、ST前半演出モード(図A1)下の場合のものから変更されない。すなわち、ST前半演出モードとST後半演出モードとで共通である「丸形赤色」の保留表示態様となる。よって遊技者において、ST前半の昼背景時(図A1)とST後半の夜背景時(図A2)とで、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1における期待度を異なったものと誤った判断をしてしまうことが回避される。
これに対し、図10の図B1、図B2に示すように、先読み予告に係る保留アイコンc1が低期待度のもの(青色保留)であった場合において、図B1のST前半演出モード(昼背景)から図B2のST後半演出モード(夜背景)に移行して保留アイコンK、a1〜c1の基本保留表示態様の形状デザインが「星形」からに「三角形」に変更されたときは、これに伴い、先読み予告に係る低期待度の保留アイコンc1も、その変更された保留アイコンK、a1〜c1の基本保留表示態様と同じ形状デザインに係る「星形」から「三角形」に変更される。低期待度保留(青色)の場合は、高期待度保留(赤色)に比べると、ST前半演出モードからST後半演出モードへの移行に伴って形状デザインが変化しても、遊技者に不利となるような大きな影響は与えないと思われるからである。
また図10では、確変期間をST前半とST後半に区分する場合に、その区切りを主制御部側からTcodeで指示して、確変演出モードをST前半演出モード(昼背景)からST後半演出モード(夜背景)へ切り替える場合を例にしたが、Tcodeの替わりに、確変期間の変動回数を計数管理することにより、ST前半演出モードからST後半演出モードへ切り替えることもできる。
(6−5.具体例ホ:ゲーム実行保留(K)へのシフト前と後で保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースでの適用例、図11)
図11の具体例ホは、ゲーム実行保留Kへのシフト前とシフト後で保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここでは、保留アイコンがゲーム実行保留Kへシフトされる前と後とで、保留アイコンの基本表示態様が異なることが前提となっている。すなわち、図11の図A1に示すように、ゲーム実行保留Kとなる「シフト前」の保留アイコンa1〜d1、a2〜d2であるときは、その基本保留表示態様の形状デザインが「星形」にて表示され、「シフト後」の保留アイコンKのときは、その基本保留表示態様の形状デザインが「三角形」に変更されて表示される。
かかる前提のもとにおいて、図11の図A1の現在の状態は、ゲーム実行保留Kへのシフト前の保留アイコンa1〜d1、a2〜d2の1つとして、先読み保留予告に係る「高期待度」の保留アイコンa1が発生し、当該保留アイコンa1が、所定の専用保留表示態様として「丸形赤色」の表示態様で表示されたケースを示している。この時点でのゲーム実行保留Kは通常保留がゲームの実行に供されている状態であるので、白色で「三角形」の形状になっている。
ここで図A2に示すように、その保留アイコンの全体が左に1ステップシフトされ、高期待度保留アイコンa1がゲームの実行に供されるゲーム実行保留Kに切り替わったとする。このときゲーム実行保留Kに係る高期待度の保留アイコンは、その専用保留表示態様が保留アイコンa1(図A1)のときと同じで変更されない。つまり、保留アイコンa1(図A1)からゲーム実行保留K(図A2)へ移行しても、先読み保留に係る保留が高期待度のものであるときは、ゲーム実行に供される前(図A1)のときと同じ色彩デザインに係る「赤色」で、形状デザインが「丸形」の専用保留表示態様にて表示される。よって遊技者において、ゲームの実行に供される前(図A1)と供された後(図A2)とで、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンの期待度評価を異なったものと認識してしまうことが回避される。
しかし図B1、B2に示すように、先読み予告に係る保留アイコンa1が低期待度の「青色」保留であった場合は、上記のような保留表示制御をしない。すなわち、ゲームの実行に供される前の保留(図B1、保留アイコンa1)から、ゲームの実行に供された後の保留(図B2、ゲーム実行保留K)に移行したこときは、保留アイコンの基本保留表示態様としてゲーム実行保留Kが「三角形」で表示される原則に従い、低期待度保留(青色)もこれと特に区別することなく、その原則が定める基本保留表示態様と同じ形状デザインに係る「三角形」に変更されて表示される。低期待度保留(青色)の場合は、高期待度保留(赤色)に比べると、ゲームの実行に供される前後で形状が変化しても、遊技者は色彩(青色)の点から、同じく当選期待度の低い範疇のものと解する訳であり、大きな影響は与えないと思われるからである。
(6−6.具体例ヘ:カスタマイズの種類に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースでの適用例、図12)
図12の具体例ヘは、カスタマイズの種類に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここでは図12(a)に示すように、カスタマイズの種類として「カスタマイズ1〜4」が用意され、各カスタマイズ1〜4では、遊技者が選択可能な「選択モード1〜4」として、保留アイコンの基本表示態様の形状として「星形、三角形、ダイヤ形、ハート形」の一つが選択可能になっている。
これらのカスタマイズ1〜4のいずれかへの変更は、客待ち待機用のデモ画面表示に切り替え制御中の「客待ち待機状態」に限り、遊技者による演出用ボタン13の操作で変更可能に構成してもよいし、客待ち待機状態だけに限らず、図柄変動表示ゲーム中においても変更可能に構成してもよい。客待ち待機状態への切り替えは、図柄変動表示ゲームが実行されておらず、かつ作動保留球が存在しない状態が所定時間(たとえば、30秒)継続した場合に移行される。
これらカスタマイズ1〜4は、それぞれ、次のような特徴ある演出モードとなっている。「カスタマイズ1」と「カスタマイズ2」とは、予告演出の発生頻度(出現率)が異なるカスタマイズモードとなっており、たとえば、カスタマイズ2は、カスタマイズ1よりも予告演出(たとえば、リーチ演出や疑似連や特定のキャラクタ演出などの特定の予告演出)の発生頻度が高く設定されるカスタマイズモード(選択モード)となっている。
また「カスタマイズ3」は、他のカスタマイズよりも高期待度予告の発生頻度が高く設定されるカスタマイズモードである。本実施形態の場合、代表的な高期待度予告として、リーチ演出の中では「SPリーチ種別」があり、その中でも特に当選期待度が高まる「SPリーチC」が高期待度予告に該当する。また先読み予告であれば、高期待度の保留として分類される緑色以上の保留色(緑色、赤色、D柄、虹色)に対応する専用保留表示態様が該当する。カスタマイズ3は、ハズレの場合において、カスタマイズ1、2よりも高期待度予告が高確率で出現しうるため、高期待度予告自体の期待度は、カスタマイズ1、2よりも低下するが、通常であれば出現率が低い予告演出が比較的高確率で出現することになるので、様々な演出を楽しみたいという遊技者にとって好適である。
また「カスタマイズ4」は、「一発告知系」の当確予告(当確演出)の発生頻度が、他のカスタマイズよりも高く設定されるカスタマイズモードである。したがって、カスタマイズ4は、通常の予告演出や当確演出以外の高期待度予告が他のカスタマイズモードと比べてあまり出現せず、そのかわりに、当り当選時の一発告知系の予告演出が高確率で発生する。このカスタマイズ4は、当確演出を好む遊技者に好適である。また、当確演出を好む遊技者の中には、高期待度予告により当選期待感を煽られた挙句、遊技結果がハズレとなる、といった演出シナリオが煩わしく感じるものも多い。そこで、当確演出以外の高期待度予告の発生頻度をゼロとしてもよい。また、1または複数種類の特定の当り(たとえば、相対的に利益の高い16R長開放確変大当りや10R長開放確変大当りの当選時)のに当選した場合に、他のカスタマイズモードよりも当確演出の発生頻度を高く設定してもよい。
図12の図A1(選択モード1)〜図A4(選択モード4)は、それぞれ、選択モード1〜4が選択されている場合において、保留アイコンK、a1、b1が存在する状況下で、先読み保留予告として「高期待度」の保留アイコンc1(黒く塗り潰した丸形図形にて示す)が発生し、所定の専用保留表示態様として「丸形赤色」の表示態様で表示されたケースを示している。図から分かるように、選択モード1〜4が選択された場合、保留アイコンの基本表示態様に係る形状が、「選択モード1」のときは「星形」に、「選択モード2」のときは「三角形」に、「選択モード3」のときは「ダイヤ形」に、「選択モード4」の場合は「ハート形」に変更される。
しかし、図A1(選択モード1)〜図A4(選択モード4)の各々の比較から分かるように、選択モード1〜4のいずれが選択された場合も、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1だけは、その専用保留表示態様が低確率状態に変更されない。つまり、選択モード1〜4のいずれにカスタマイズされると、保留アイコンK、a1、b1は、色彩が白色(通常色)で形状が星形、三角形、ダイヤ形、ハート形のいずれかである基本保留表示態様にて表示されるが、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンc1については、選択モード1〜4のいずれにカスタマイズされたときでも、同じ専用保留表示態様の「丸形赤色」にて表示される。よって遊技者において、カスタマイズした選択モード1〜4によって、高期待度保留の期待度評価を異なったものと認識してしまうことが回避される。
これに対し、図B1〜B4に示すように、先読み予告に係る保留アイコンc1が低期待度の「青色」保留であった場合は、上記のような保留表示制御をしない。すなわち、選択モード1〜4のいずれが選択され、保留アイコンK、a1、b1の基本保留表示態様の形状デザインが星形、三角形、ダイヤ形、ハート形のいずれかで表示されたことに伴い、先読み予告に係る低期待度の保留アイコンc1も、その変更された保留アイコンK、a1〜c1の基本保留表示態様と同じ形状デザインである星形、三角形、ダイヤ形、ハート形のいずれかで表示される。低期待度保留(青色)の場合は、高期待度保留(赤色)に比べると、選択モード1〜4に応じて形状が変化しても、遊技者に不利となるような大きは影響を与えないと思われるからである。
(6−7.具体例ト:先読み予告保留が特定のメッセージを発する専用保留表示態様であるケースでの適用例、図13)
図13の具体例トは、先読み予告保留が特定のメッセージを発する専用保留表示態様であるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここで「特定のメッセージ」とは、先読み予告保留がゲームの実行に供された場合、いわゆる疑似連演出などの予告演出が発生することを示唆したり、大当りとなる当選可能性や当り種別(たとえば、確変大当り、非確変大当り、潜確大当りなど)を示唆する内容を、文字図形などで視覚的に遊技者に知らしめる伝達表示態様をいう。
ここでは、図13の(A1−1、A1−2)に示すように、「疑似連演出」が発生することを示唆する伝達表示態様として、形状が「丸形」でその中に「擬」の文字を表した保留アイコンの例を示している。この「丸形図形中に疑文字」の伝達表示態様で先読み予告保留の専用保留表示態様が表示された場合、遊技者には「疑似連演出」が発生する旨のメッセージが伝達されることになる。すなわち、「丸形図形中に疑文字」の先読み予告保留アイコンが発生した場合、高期待度の先読み予告保留が発生したと受け入れられる。
図13の(A2−1、A2−2)は、「確変大当り」が発生することを示唆する伝達表示態様として、形状デザインが「丸形」でその中に「確」の文字を表した保留アイコンの例を示している。この「丸形図形中に確文字」の伝達表示態様で先読み予告保留の専用保留表示態様が表示された場合、遊技者には「確変大当り」が発生する旨のメッセージが伝達されることになる。すなわち、「丸形図形中に疑文字」の先読み予告保留アイコンが発生した場合、高期待度の先読み予告保留が発生したと受け入れられる。
図13の左側図は、遊技状態に応じて演出モードが昼背景(A1−1)から夜背景(A1−2)に切り替わっても、高期待度の先読み予告保留の専用保留表示態様に係る「丸形図形中に疑文字」の保留アイコンだけは変化しないこと、つまり同じ専用保留表示態様に係る「丸形図形中に疑文字」で表示されることを示している。また図13の右側図は、演出モードが昼背景(A2−1)から夜背景(A2−2)に切り替わっても、高期待度の先読み予告保留の専用保留表示態様に係る「丸形図形中に確文字」の保留アイコンだけは変化しないことを示している。したがって、先読み予告保留が高期待度である場合は、その表示態様を変更せず、同じ保留表示態様を維持して、遊技者に高期待度の判断について混乱させない、と言う点は、図7〜図12の場合と共通している。
図13では、単に演出モードが昼背景から夜背景に切り替わるだけの場合を例にて説明したが、先読み予告保留が特定のメッセージを発する専用保留表示態様である場合、その先読み予告保留アイコンの伝達表示態様が変更されずに表示されるという点は、図7〜図12で述べた変化に対しても同じく適用できるものであり、そこでも同じ「丸形図形中に疑文字」や「丸形図形中に確文字」の伝達表示態様で表示される。たとえば、図7の具体例イのように、背景演出モードが昼背景(A1)から夜背景(A2)に切り替わることで、保留アイコンの基本表示態様(形状)が星形から三角形に変更される場合でも、メッセージ保留アイコンの「丸形図形中に疑文字」や「丸形図形中に確文字」の保留アイコンだけは変化しないように定めることができる。
(6−8.具体例チ:背景演出に応じて先読み予告保留の専用保留表示態様(アクション)が変更されるケースでの適用例、図14)
図14の具体例チは、背景演出に応じて先読み予告保留の専用保留表示態様(アクション)が変更されるケース、つまり先読み予告保留に付随するアクション演出が背景演出毎に変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここで「アクション演出」とは、先読み予告保留自体の変化としてまたは先読み予告保留に付随する変化として表現される画像による演出をいい、動的画像として表現されるものだけでなく静的画像として表現されるものも含まれる。本具体例チの場合は、先読み予告の保留アイコンc1に対して「楕円形の囲み」や「炎」の画像付加や、UFOからの光線が当該保留アイコンを照らすなどの付加画像が、画像上の動作として付与される。
図14の図A1は、背景演出が昼背景であって保留アイコンa1、b1が存在している状況下で、先読み保留予告に係る「高期待度」の保留アイコンc1が発生し、当該高期待度保留アイコンc1の所定の専用保留表示態様に係るアクションとして、UFOからの光線が当該高期待度保留アイコンを照らす画像が付与されている状況を示している。
ここで図A2に示すように背景演出が夜背景に切り替わったとする。このとき先読み保留に係る保留アイコンc1が高期待度のものであるときは、その専用保留表示態様が昼背景(図A1)のときと同じ専用保留表示態様であり変更されない。つまり、昼背景(図A1)から夜背景(図A2)へ移行しても、先読み保留に係る保留アイコンc1は高期待度のものであるので、UFOからの光線が当該保留アイコンを照らすアクション画像付きの、同じ専用保留表示態様にて表示される。よって遊技者において、背景演出モードが昼背景(図A1)のときと夜背景(図A2)のときとで、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンの期待度評価を異なったものと認識してしまうことが回避される。
これに対して、先読み保留に係る保留アイコンc1が低期待度のものであるときは、背景演出が昼背景のときと夜背景のときとで異なる別個のアクションをする専用保留表示態様に変更される。すなわち、昼背景(図B1)では先読み予告の保留アイコンc1に対して「楕円形の囲み」がアクション画像として付加されが、その後、夜背景(図A2)に切り替わった場合は、先読み予告の保留アイコンc1に対してアイコン周囲に「炎」がアクション画像として付加される。
このように背景演出モードが昼背景の場合と夜背景の場合とで別のアクションをする専用保留表示態様に変更されても、先読み予告の保留アイコンc1が低期待度のものであることから、遊技者に当選期待感に大きな影響を与えないので差支えが無いと思われる。
(6−9.具体例リ:背景演出と特別図柄に応じて保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースでの適用例、図15)
図15の具体例リは、背景演出(昼背景と夜背景)と特別図柄の種類(特別図柄1と特別図柄2)で保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したもので、図7の具体例イと図8の具体例ロを混合したものに相当する。保留アイコンの基本表示態様が昼背景と夜背景で変更される点で図7の具体例イと類似し、保留アイコンの基本表示態様が特別図柄1と特別図柄2で変更される点で図8の具体例ロと類似する。
図15の図A1、A2から分かるように、先読み予告保留が高期待度のものである場合は、特別図柄1と特別図柄2で保留アイコンの基本表示態様が異なっていても、また、保留アイコンの基本表示態様が昼背景と夜背景で異なっていても、「高期待度」の先読み予告に係る保留アイコンc1、c2についてだけは、同じ専用保留表示態様(ここでは星形赤色)で表示される。よって遊技者は、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれの入賞に係る先読み予告保留として生じたときでも、同じ高期待度の保留アイコンとして認識することができる。
これに対し、図15の図B1、B2に示すように、「昼背景」の時に先読み保留予告として発生した保留アイコンc1、c2が「低期待度」の「青色」である場合、それが特別図柄1側で生じるときは、特別図柄1側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(ここでは星形)で表示され、特別図柄2側で生じるときは特別図柄2側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(ここではダイヤ形)で表示される。また、図B2に示すように、「夜背景」の時に先読み保留予告として発生した保留アイコンc1、c2が「低期待度」の「青色」である場合、それが特別図柄1側の入賞に係るものとして生じているときは、特別図柄1側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(たとえば三角形)で表示され、特別図柄2側の入賞に係るものとして生じているときは特別図柄2側の保留アイコンと同じ専用保留表示態様(ここではハート形)で表示される。
このように先読み保留予告として発生した保留アイコンが「低期待度」のものである場合、背景演出と特別図柄の種別に応じて、その専用保留表示態様が、基本表示態様の変更に伴って変化してしまう、つまり遊技者において同じ当り期待度の保留アイコンとして認識できなくなるが、先読み保留予告として発生した保留アイコンが「低期待度」のものであるので、遊技者は気にしないと思われる。
(6−10.具体例ヌ:ゲーム実行保留(K)へのシフト前と後および背景演出の違いで保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースでの適用例、図16)
図16の具体例ホは、保留記憶位置に関してゲーム実行保留Kへのシフト前とシフト後および背景演出の違いで保留アイコンの基本表示態様が変更されるケースに本発明を適用した例を示したものである。ここでは、図11の場合と同様に、保留アイコンの保留記憶位置がゲーム実行保留Kへシフトされる前と後とで、保留アイコンの基本表示態様が異なることが前提となっている。また図7、図9、図10と同様に、昼背景時と夜背景時とで保留アイコンの基本表示態様が変更されて異なっていることが前提となっている。すなわち、ゲーム実行保留Kとなる「シフト前」の保留アイコンa1〜d1、a2〜d2であるときは、その基本保留表示態様の形状デザインが「星形」にて表示され、「シフト後」の保留アイコンKのときは、その基本保留表示態様の形状デザインが「ダイヤ形」に変更されて表示される。
かかる前提のもとで、図16の図A1の現在の状態は、昼背景時において、ゲーム実行保留Kへのシフト前の保留アイコンa1〜d1、a2〜d2の1つとして、先読み保留予告に係る「高期待度」の保留アイコンa1が発生し、それが所定の専用保留表示態様として「丸形赤色」の表示態様で表示されたケースを示している。この時点でのゲーム実行保留Kは「通常保留」がゲームの実行に供されている状態であるので、色彩が白色であり、かつゲーム実行時には基本保留表示態様の形状が変化するとの原則に従い、形状が「三角形」に変更されている。
ここで図16の図A2に示すように、夜背景に移行し、かつ保留アイコンの保留記憶位置全体が左に1ステップシフトされ、高期待度保留アイコンa1がゲームの実行に供され、ゲーム実行保留Kに切り替わったとする。夜背景に移行したことで、保留アイコンの基本保留表示態様の形状が星形からダイヤ形に変更される。しかし、ゲーム実行保留Kの保留記憶位置に移行した高期待度の保留アイコンは、ゲーム実行に供される前(図A1)のときと同じく、色彩が「赤色」で形状が「丸形」の専用保留表示態様にて表示される。よって遊技者において、昼背景時と夜背景時とで保留アイコンの基本保留表示態様が星形からダイヤ形に変更された場合でも、ゲームの実行に供される前(図A1)と供された後(図A2)とで、先読み予告に係る高期待度の保留アイコンの期待度評価を異なったものと認識してしまうことが回避される。
しかし図16の図B1、B2に示すように、保留記憶位置がシフト前の先読み予告に係る保留アイコンa1が低期待度の「青色」保留であった場合は、上記のような保留表示制御をしない。すなわち、“ゲームの実行に供される前の保留(図B1、保留アイコンa1)から、ゲームの実行に供された後の保留(図B2、ゲーム実行保留K)に移行したこときは、保留アイコンの基本保留表示態様として、ゲーム実行保留Kが「三角形(昼背景時)」または「ハート形(夜背景時)」で表示される”という原則に従い、低期待度保留(青色)もこれと特に区別することなく、その原則が定める基本保留表示態様と同じ形状の「三角形(昼背景時)」または「ハート形(夜背景時)」に変更されて表示される。このように、ゲームの実行に供される前後で保留アイコンの形状が変化しても、それが低期待度保留(青色)であれば、高期待度保留(赤色)に比べ遊技者の当選期待感に大きな影響を与えないので、差し支えないと思われる。
(変形例)
上記実施形態では、高期待度保留アイコンの例として、その専用保留表示態様に係る色彩が「赤色」である場合について説明したが、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色のうちで、緑色以上(緑色、赤色、D柄、虹色)の高期待度保留アイコンについても、図7〜図16と同様に本発明を適用することができ、たとえば演出モードの切替に応じて基本保留表示態様の形状が変更される場合でも、それに影響されずに同じ専用保留表示態様にて表示することができる。
上記実施形態では、色彩に着目して当選期待度の序列を付けたが、点滅表示している表示態様を、先読み予告演出の専用保留表示態様の一つとして加えることができる。たとえば白色の場合、点滅していない静的な点灯状態にあるときは通常の保留記憶に係る保留表示状態であるとし、点滅している動的な点灯状態にあるときは、先読み予告演出に係る保留アイコンの専用保留表示態様であることを示すようにしてもよい。このように取り扱う場合、点滅している白色保留は、通常よりも当選期待度の高い先読み予告保留ではあるが、先読み予告保留アイコン間での序列では、低期待度保留の「点滅白色、青色、黄色」のグループに属するものとし、高期待度保留の「緑色、赤色、D柄、虹色」のグループと対比させることができる。また白色以外つまり青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色でも、点滅させて、動的な点灯状態として、先読み予告演出の専用保留表示態様の一つとして扱うことができる。
また、点滅の役割として、低期待度保留の「点滅白色は白色に、点滅青色は青色に、点滅黄色は黄色に」それぞれ対応する色へと変化する保留変化率が高いこと(対応する色へ変化する期待度が高いこと)を報知する構成としてもよい。また、点滅の役割として、点滅態様に応じて、現在の保留表示(たとえば、保留色)から他の保留表示(他の保留色)へと変化する期待度(保留変化期待度)を報知可能(示唆可能)に構成してもよい。すなわち、点滅態様に応じて、保留変化期待度が異なる構成とすることができる。たとえば、低速点滅よりも高速点滅の方が高確率で保留変化が発生する、または、高速点滅の場合には保留変化が確定する、などである。また低速点滅や高速点滅などに限らず、所定のエフェクトやアニメーションを付加した特殊な点滅状態(画像付き点滅状態)を用いて、保留変化期待度を報知可能に構成してもよい。たとえば、所定のエフェクト画像付き点滅状態の場合には、高期待度保留への保留変化が高確率で変化する、または保留変化が確定するなどを報知することができる。
また先読み予告保留演出をなす場合は、上記の先読み予告保留を専用の保留表示態様で表示するとともに、先読み予告保留の発生時またはその後の保留記憶位置シフト時に専用音を発生させることができる。その際、先読み予告保留アイコンの専用音として、先読み予告保留アイコンが高期待度のものである場合には、演出モードの切替に応じて変更されない同じ音を発生するように構成することができる。
また上記実施形態の場合とは逆に、先読み予告保留アイコンの専用保留表示態様の関係を、高期待度のものである場合と低期待度のものである場合とで、入れ替えることもできる。すなわち、先読み予告保留アイコンが高期待度のものである場合には演出モードの切替に応じて専用保留表示態様が変化するように表示態様制御し、先読み予告保留アイコンが低期待度のものである場合に演出モードの切り替えに応じて専用保留表示態様が変化しないように、表示態様制御することもできる。
また上記の実施形態では、受座Jや保留表示領域76、77の表示態様(特に形状)が変化しないことを前提に説明したが、演出モードの変化等に伴って、受座Jや保留表示領域76、77のデザインを変更するように構成してもよい。
また上記の実施形態では、演出モードの切替について、保留記憶内に高期待度保留が存在する場合に実行される「モード移行抽選」に当選した場合や、所定の移行確率(たとえば、保留記憶内に高期待度保留が存在する場合、当該高期待度保留が消化されるまでの間は、図柄変動表示ゲームが実行される毎に、所定の確率(たとえば、10%)で演出モードが切り替わる等)により、演出モードが変更(移行)されるようにしてもよい。また、今回発生した新たな作動保留球が高期待度保留であることを条件に、演出モードが変更されるように構成してもよい。
(暗転演出)
また上記の実施形態において、演出モードの変更(モードチェンジ)を行う際、所定のタイミングにて、液晶表示装置36の表示画面に暗転画像を表示したり、色調を黒色側に寄せた画像処理をしたりして、表示画面を全体的に‘ブラックアウト状態(暗転表示)’にする「暗転演出」を実行可能に構成してもよい。つまり、演出モードの変更を行う際に、暗転表示を介して、背景表示(背景演出)を切り替えることができる。この暗転演出は、たとえば、特開2006−130021号公報(図41(D)、図43(B)、図44(B)(D)等)に開示されているように、画像表示演出の視認性を通常の状態(基準状態)よりも低くし、演出表示を視認困難または視認不可能に変化させる。
上記「暗転演出」は、その演出の一環として、ブラックアウト開始前(暗転表示開始前)に所定の演出時間幅で現出される「ブラックアウト開始前演出」と、ブラックアウトが終了して演出モード移行完了前に所定の演出時間幅で現出される「ブラックアウト終了後演出」との少なくともいずれか一方の演出を含むことができる。「ブラックアウト開始前演出」とは、たとえば、ブラックアウト開始前に、専用の演出表示(たとえば、爆弾が爆発する様を表現した爆轟演出)を実行して、ブラックアウトが発生することを示唆するもの、換言すれば、演出モード移行が発生することを示唆する演出である。また「ブラックアウト終了後演出」とは、ブラックアウト終了後、演出モードの切り替わりが完了するまでの間に現出されるまでの繋ぎの演出(たとえば、上記「漸次的切替表示態様(漸次的切替表示演出)」)である。
すなわち「暗転演出」には、下記の(B1)〜(B4)の少なくともいずれかの1つの演出態様を含むことができる。
(B1)ブラックアウト状態(ブラックアウト演出)が前触れもなく突然に生起する演出態様(突発的ブラックアウト演出)、(B2)ブラックアウト開始前演出が実行された後、ブラックアウト状態となる演出態様、(B3)ブラックアウト開始前演出が実行された後、ブラックアウト状態となり、ブラックアウト終了後演出が実行される演出態様、(B4)ブラックアウトが前触れもなく突然に生起し、ブラックアウト状態となった後、ブラックアウト後演出が実行される演出態様。
なお上記「ブラックアウト開始前演出」、「ブラックアウト演出」および「ブラックアウト終了後演出」の演出時間幅は、それぞれ異なった時間であってもよいし、一部または全部が同一時間であってもよく、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。
このようなブラックアウト(暗転演出)を介して演出モードを切り替えることにより、ブラックアウトを介することなく、演出モードが突然切り替わるよりも、演出モード変更を事前に予告したり、遊技者が違和感を受けることなく背景画像や保留表示などの表示画像を切り替えることができる。特に、背景画像の切り替わりにより当選期待感を煽る「背景チェンジ予告演出」の場合には、ブラックアウト(暗転演出)が出現した時点で、遊技者の当選期待感を大いに煽ることができる。またブラックアウト中の一部(たとえば、ブラックアウト開始から所定時間)または全期間は、液晶画面をブラックアウトするだけでなく、「光演出について、たとえば、装飾ランプ45や演出用LEDの一部または全部を、消灯状態または明度を通常(基準状態)よりも低下させるように制御する」および/または「音演出について、無音状態または音量を通常(基準状態)よりも下げるように制御する」ことができる。この場合、遊技機の遊技動作が一時的に停止したかのような疑似的な遊技停止状態を演出的に表現したり、特に、液晶画面をブラックアウトする際、光演出を消灯状態とし、音演出も無音状態とすれば、遊技機の電源が突然落ちたような疑似的な電断状態を演出的に表現したりすることができる。このような演出は、インパクトが強く、演出効果を高める上で好適である。なお、上記暗転演出や光演出や音演出に関する「基準状態」とはデフォルトの状態を指す。ただし遊技者が所定の操作手段を用いて、液晶画面の輝度(明るさ)や音量を段階的(たとえば、10段階)に調整可能な調節手段(輝度調節手段および/または音量調節手段)を備える構成である場合には、遊技者が調整した現在の調整値が基準状態となる。
またブラックアウト中に、偶々、新たな入賞が発生して保留変化予告が実行されるケースがある。しかし、ブラックアウト中は保留表示が行われていないため、保留変化予告を現出させることができない。そこで、ブラックアウト中は、画像表示演出以外の他の演出(音演出、光演出および可動体演出の少なくとも1つの演出)により、保留変化予告が発生した旨を報知可能に構成してもよい。このようなブラックアウト中の保留変化予告を「暗転中保留予告演出」と称する。なお、遊技者は、ブラックアウト後、移行後の演出モードが表示された際に、保留変化予告後の保留表示態様を視覚的に認識することになるが、保留変化予告が発生した事実は、上述の暗転中保留予告演出により知ることになるため、ブラックアウトを介した演出モードの移行があっても、保留表示が突然変化した、ということがなく、遊技者に対し違和感を与えることがない。また上記暗転中保留予告演出が現出されることにより、作動保留球が発生した旨も併せて報知することができる。なお、ブラックアウト中に新たな入賞が発生したが保留変化予告を実行しない場合、音演出、光演出および可動体演出の少なくとも1つの演出を利用して、作動保留球が発生した旨を報知する入賞演出を現出させ、遊技者に新たな作動保留球が発生したことを報知することが好ましい。
(キャラクタ画像等を利用した保留変化予告に係る演出モード移行について)
また、保留変化予告を行う場合、たとえば、図14の「具体例チ」のように、キャラクタ画像等を利用する場合がある。具体的には、演出モードA(以下、「Aモード」と略す)では「Aキャラ」による保留変化予告、演出モードB((以下、「Bモード」と略す)では「Bキャラ」による保留変化など、演出モードに対応して、保留変化予告用のキャラクタが定められている場合には、演出モード変更(モードチェンジ)の際、以下の様な構成とすることができる。
たとえば、AモードからBモードへの演出モードの移行(変更)が決定されている場合、移行前のAモードにおいてAキャラによる保留変化が実行されないようにし、移行後のBモードにおいてBキャラによる保留変化を実行するようにする。この場合、以下のような効果を奏することができる。
演出モードの移行は、通常、図柄変動表示ゲームの開始を契機に実行される。これは、図柄変動が開始した直後に背景演出の切り替えを行うことで、今回のゲームに対する当選期待感を煽ったり(背景チェンジ予告演出の場合)、演出が単調化しない等の観点から演出効果として優れているからである。ここで、移行前のAモードにおいて「Aキャラ」による保留変化を実行する場合、Aキャラによる保留変化予告が完了した後に、Bモードに移行させることが好ましい。この点について詳述すれば、Aキャラによる保留変化予告が完結する前に、Aキャラが出現しないBモードに移行されてしまうと、Aキャラによる保留変化の途中で、突然、Aキャラとは異なるBキャラが出現して、このBキャラによる保留変化予告が実行されてしまうことになる。すなわち、Aキャラによる保留変化予告が寸断状態を呈していまい、遊技者に対して大きな違和感を与えてしまう。このため、AモードからBモードへの移行が決定されている場合には、移行前のAモードでは保留変化予告の実行を一旦禁止し、演出モード移行の完了を待って、その移行後のBモードにおいて、Bキャラによる保留変化予告を実行するか、または移行前のAモードにおいて保留変化予告の完了を待って、Bモードに移行させることが、演出モードの移行前後で、遊技者に対して、保留変化予告に対する違和感を与えないようにすることができる。
また、AモードにもBモードにも兼用される「Cキャラ」(兼用キャラ)を採用してもよい。この場合、上述のような、保留変化予告の寸断状態を呈することなく、演出モードの移行がスムーズに行うことができる。ただし、「Cキャラ」により、移行前のAモードと移行後のBモードとを跨いで保留変化予告を実行する場合において、上記暗転演出を介する場合には、次のように構成することが好ましい。たとえば「Aモード→暗転演出→Bモード」のケースを例にとり説明すれば、移行前のAモードにおいて「Cキャラ」を表示し、ブラックアウト中においてもその「Cキャラ」は表示しておく。この場合、ブラックアウトを介した演出モードの移行であっても、Cキャラによる保留変化予告を違和感なく実行することができるので、暗転演出を介して演出モードを移行するケースで好適である。なお、兼用キャラCは、静止画であっても動画(アニメーション)であってもよい。また、兼用キャラCをアニメーションとする場合、暗転演出中および移行先の演出モードにおいて、同じキャラCのアニメーションを継続して表示しておくことが好ましい。このようにすれば、演出モード移行に際しいて保留表示のデザインが変化したとしても、遊技者に違和感を与えない保留表示とすることが可能である。
また、ブラックアウト中において「Cキャラ」による保留予告演出を非表示としてもよい。この場合、移行前のAモードにおいて「Cキャラ」を表示し、ブラックアウト中において「Cキャラ」による保留予告演出を内部的に進行させ(見た目上、非表示だが保留変化予告演出シナリオ自体は進行させる)、移行後のBモード移行後において、保留変化予告が完了されるようにする。このようにすれば、ブラックアウトを介した演出モードの移行であっても、「Cキャラ」による保留変化の演出の進行を違和感なく実行でき、最終的な保留表示の変化態様も遊技者に認識し易くすることができる。
ところで、キャラクタによる保留変化予告が実行される際には、通常、キャラクタの動作や変化先の保留表示態様(たとえば、変化先の保留色)などに対応して、装飾ランプ45等による光演出(たとえば、保留色に対応した発光色や、発光パターンを変化させる)を現出させ、これにより演出効果を高めているが、ブラックアウト中は、装飾ランプや演出用LED等による光演出を現出させない場合がある。しかしブラックアウト中に光演出を実行してもよく、保留変化予告に対応する点灯パターンで点灯制御可能に構成してもよい。また、ブラックアウト中の当選期待感を煽るために、高期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合は、特殊な点灯パターンによる光演出を実行したり、当該保留変化予告に応じた光演出を実行したりすることができる。一方、低期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合は、これに対応した光演出(たとえば、LEDを消灯状態としたままとする)を実行しない構成としてもよい。勿論、ブラックアウト中の演出効果(たとえば、上記電断演出を実行するケース)を維持したい場合にはランプを消灯したままとする点灯制御してもよい。
また、暗転演出が上記「ブラックアウト開始前演出」を含む場合、当該ブラックアウト開始前演出実行中に、新たな作動保留球が発生して保留変化予告が生じた場合、ブラックアウト開始前演出と保留変化予告とが重複発生するケースがありうる。このような場合、少なくとも光演出については、次のように構成することが好ましい。低期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合には「ブラックアウト開始前演出」による光演出を優先して実行し、高期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合には当該保留変化予告に対応した光演出を優先して実行可能な構成とする。このようにすれば、高期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合に、遊技者に対して保留変化予告を注目させることができる。
また、保留変化予告に関し、画像表示演出、光演出および音演出のそれぞれが異なる演出時間を持つ場合がある。たとえば、画像表示による保留アイコンの変化は500msで終了するが、保留変化音は1000ms継続し、装飾ランプ45等による光演出は2000ms継続して実行するといった演出シナリオである。すなわち、上記「ブラックアウト開始前演出」が実行される前に保留変化予告が実行されるケースでは、当該保留変化予告に係る音演出や光演出が「ブラックアウト開始前演出」と重複しうる場合がある。このような場合、上述の重複発生するケースと同じように、低期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合には「ブラックアウト開始前演出」による光演出を優先して実行し、高期待度保留表示に変化する保留変化予告の場合には当該保留変化予告に対応した光演出を優先して実行させることができる。
なお、上記「Aモード→暗転演出→Bモード」のように、ブラックアウトを介して演出モードを移行させる場合、ブラックアウト後に、移行後の演出モードに係る背景演出(背景画像)を、連続的または段階的に徐々に表示していく、といった表示態様(上記「漸次的切替表示態様(漸次的切替表示演出)」)としてもよい。たとえば、Bモードの背景画像が500ms程度で徐々に明らかになっていくように表示することができる。このとき、Bモードの背景画像が完全に表示される前、つまり、ブラックアウト部が完全に消え去る前に、保留アイコンを事前表示(先表示)してもよい。このようにすることで、いち早く、保留表示態様を遊技者に示すことができる。また、演出モードの変更を跨いでキャラクタなどにより保留変化を実行している際にも同様に、保留表示やキャラクタ画像を事前に表示するようにしてもよい。
また、ブラックアウト中において、移行先のモードに関連する所定の画像を表示したり、上記した「漸次的切替表示態様」を異ならせたりして、移行先のモードを示唆するようにしてもよい。たとえば、「Aモード→暗転演出→Bモード」に移行する場合にはBモード移行用の暗転画像を表示し、「Aモード→暗転演出→Cモード」に移行する場合にはCモード移行用の暗転画像を表示することができる。また、所定の画像によらず、または所定の画像とともに、所定の光演出(消灯、点滅、点灯などを含む)および/または所定の音演出を利用して、移行先のモードを示唆可能に構成してもよい。
(暗転中保留表示:図17)
また上記では、ブラックアウト中は保留表示自体が消えて、保留表示自体が行われない形態について説明したが、本発明はこれに限らず、ブラックアウト中に保留表示を行ってもよい(暗転中保留表示演出)。このブラックアウト中の保留表示について、図17を用いて説明する。なお図17では、上記(B1)〜(B4)の暗転演出として、上記(B1)の「突発的ブラックアウト演出」を代表例として示してある。
図17(a)は、現在、特図1側の図柄変動表示ゲーム1が実行中であり、特図1側の作動保留球が3個だけ存在している状態を示してある(保留表示部a1〜c1)。本例において、保留表示部a1およびb1は通常保留表示(たとえば、白色保留)、c1は高期待度保留表示(たとえば、赤色保留)である。このゲームでは、演出シナリオとして、背景チェンジ予告が予定されているものとする。
遊技が進行して、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングになると、背景チェンジ予告に係る暗転演出が実行され、液晶画面がブラックアウト状態となる(同図(b))。本例の場合、ブラックアウト中は、装飾図柄の表示領域が画面右上隅部の比較的小さな表示領域79へと退避表示されるとともに、ブラックアウト開始前(同図(a))の保留表示態様がそのままブラックアウト中も表示される。なお、ブラックアウト中は装飾図柄の変動表示または装飾図柄自体を表示しなくてもよい。
なお同図(b)では、同図(a)の保留表示部c1の保留アイコンとして示す「黒丸」が「白丸」に反転表示されているが、これは、説明の便宜上、保留アイコンの存在を明確に示すために白黒を反転させて示しているだけであり、実際には、同図(a)の赤色保留アイコンが、ブラックアウト中においても、同一の赤色保留の保留アイコンとしてそのまま継続的に表示される。またブラックアウト中の保留表示を、装飾図柄の表示のように、液晶画面の所定の表示領域に退避表示してもよい。このとき、保留表示領域を通常時よりも小さく表示することができる。保留表示も退避表示させれば、ブラックアウト状態が強調されるので好ましい。
このブラックアウト中に、偶々、新たな入賞が発生した場合には、同図(b)に示すように、保留表示部d1の保留アイコンが点灯表示される。本例の場合、この新たな作動保留球を対象とした保留変化予告は実行されず、通常保留表示の白色保留で表示されたケースを示してあるが、ブラックアウト中に保留変化予告を実行し、専用保留表示態様で表示してもよい。また保留変化予告を実行する場合、ブラックアウト終了を待って、移行先の演出モードにて保留変化予告を実行してもよい。なお図示では、ブラックアウト中の保留表示態様を、ブラックアウト開始前の演出モードに対応した保留表示態様としているが、これに限らず、ブラックアウト中専用の保留表示態様としてもよい。またブラックアウト中の入賞についてのみ、ブラックアウト中専用の保留表示態様としてもよい。
そして、ブラックアウト状態が終了してモードチェンジが完了すると、同図(c)に示すように、移行先の演出モードに対応した背景画像(図示せず)や保留アイコンが表示されることになる。このとき、保留表示部c1の赤色保留アイコン(高期待度保留表示)は、移行前の演出モード(図(a))と同一表示態様の赤色保留アイコンで表示される。このように、暗転中保留表示演出では、ブラックアウト中も保留アイコンが継続表示されるので、「ブラックアウトが発生すると、現在の作動保留球数およびその表示態様が分からなくなる」といった不安感を払拭することができる。
(準暗転中保留表示演出)
また、上記した暗転中保留表示演出の変形例として、保留表示態様の種別自体は判別不能とするが、少なくとも作動保留球数は判別可能とする「準保留表示状態」としてもよい(準暗転中保留表示演出)。この準暗転中保留表示演出としては、たとえば、保留アイコンの保留色や形状などを秘匿状態にして保留表示態様の種別自体は判別不能にするが(たとえば、少なくとも当選期待度が分かるような表示(保留色、形状等)を秘匿状態とする)、保留アイコンの輪郭画像あるいは専用の表示画像(たとえば、旭日旗画像)等の暗転中保留画像を表示して作動保留球の有無自体は判別可能する、または、現存する作動保留球数を文字情報等により報知し(たとえば、液晶画面の所定領域に「1〜4」の数字を表示する、といった表示態様が挙げられる。この場合、特図1、2に応じて文字色が異なる等、どちらの特図の作動保留球であるかを把握し易いように違いを付けることができる)、以ってブラックアウト中も作動保留球数を報知する、といった演出態様が挙げられる。このように、準暗転中保留表示演出では、ブラックアウト中も少なくとも作動保留球数は報知されるので、「ブラックアウトが発生すると、現在の作動保留球数が分からなくなる」といった不安感を払拭することができる。
なおブラックアウトが終了するまで、移行先の演出モードを遊技者から秘匿したい場合もある。たとえば、上記背景チェンジ予告演出により移行先の演出モード(背景表示)によって当選期待度が報知される場合や、後述のガセパターンを設けた場合などは、移行先の演出モードを遊技者に事前に知られてしまうと、当選期待度が事前に示唆されることになり、折角の煽り演出が台無しになってしまう恐れがある。そこで移行先の演出モードを秘匿したいときは、ブラックアウト中の保留アイコンに関し、ブラックアウト実行前の基本表示態様(モードチェンジ前の図17(a)の保留アイコン)で表示するか、または暗転中専用の保留表示態様で表示し、移行先の演出モードを遊技者から秘匿することが好ましい。たとえば、「Aモード→暗転演出→Bモード」の場合、保留アイコンをAモードに対応する基本表示態様で表示したり、暗転中専用の保留表示態様で表示する。このようにすれば、少なくともブラックアウトが終了するまでは、移行先の演出モードを遊技者に知られることなく、ブラックアウト中であっても現在の作動保留球数を明確に報知することができる。
(暗転中保留表示演出または準暗転中保留表示演出中の保留変化予告)
また上記暗転中保留表示演出または準暗転中保留表示演出を現出させる場合、保留変化予告対象の保留アイコン(ターゲット)が存在するときには、そのターゲットを他の保留アイコンとは異なる表示態様(たとえば、強調表示態様)で表示してもよい。たとえば、当選期待度を示唆するキャラクタ画像に変化させたり、形状、色彩および模様の少なくともいずれか一つ等を変化させたり(たとえば、ターゲットの保留表示を通常の表示態様の大きさよりも巨大化して大きく表示する等)、所定のエフェクト画像(強調表示画像)を付加した保留アイコンで表示したりすることができる。この場合、ブラックアウト中であってもターゲットを明確に報知することができる。たとえば、図17(b)のケースでは、保留表示部c1の赤色保留アイコンを特定のキャラクタ画像に変化させたり、当該赤色保留アイコンを対象にエフェクトを施したりして、ターゲットを強調表示することができる。また、保留色(当選期待度)に対応した強調表示態様としてもよい。本実施形態の場合、暗転演出によるブラックアウトは、背景画像や装飾図柄よりも表示優先度が高いが、保留表示よりも優先度の低い特定画像(保留表示劣後画像)である、ということを意味する。このような特定画像は、ブラックアウトのように表示画面全体に表示するものに限らず、表示画面の一部の特定の箇所に表示するものであってもよい。また、この特定画像は、背景画像や装飾図柄と重複的に表示可能なものであり、保留変化予告は、当該特定画像の表示中に実行させることができる。なお上記した特定画像については、他の予告演出に係る画像も同様の扱いとすることができる。たとえば、ブラックアウト開始前演出(爆轟演出)、ブラックアウト開始後演出、チェンジ開始前演出、疑似連中、またはリーチ中に現出される所定の画像を上記「特定画像」として扱い、当該特定画像は、背景画像や装飾図柄と重複的に表示可能なものであり、保留変化予告は、当該特定画像の表示中に実行させることができる。
(暗転演出の変形例)
上記では、暗転演出(ブラックアウト)を介して演出モードの変更を行う形態について説明したが、暗転演出の替わりに、液晶表示装置36の表示画面に白色の明転画像を表示したり、色調を白色側に寄せた画像処理をしたりして、表示画面を全体的に‘ホワイトアウト状態(明転表示)’にする「明転演出」を介して演出モードの変更を行う形態を採用してもよい。また、ブラックアウト(暗転表示)またはホワイトアウト(明転表示)を実行する際に、たとえば、背景画像が1000ms程度かけて、徐々に黒くまたは白なっていく、といった表示態様としてもよい。また、ブラックアウトやホワイトアウトを実行することなく、昼背景画像から徐々に夜背景画像に切り替わるような上記漸次的切替表示態様を採用してもよい。演出モードの変更(移行)する際には、上記したブラックアウト、ホワイトアウトおよび漸次的切替表示のうち、いずれの表示態様も採用することができる。
また、演出モードの変更を、1回の図柄変動表示ゲーム中(1変動中)に複数回行うようにしてもよい。たとえば「Aモード→Bモード→Cモード・・」と移行するようにしてもよいし、「Aモード→Bモード→Aモード」の様に最終的に、最初の演出モードに回帰するようにしてもよい。この場合、演出モードが切り替わる毎に、段階的に保留変化を実行してもよい(モード移行型保留変化予告)。たとえば、「Aモード→Bモード→Cモード」と移行する場合、Aモードから移行したBモードにおいて保留変化を実行し、Bモードから移行したCモードにおいて、再度、保留変化を実行して、最終的な保留表示態様を表示することができる(上述の「Aモード→Bモード→Aモード」という回帰移行パターンの場合も同様)。具体的には、現在の保留色が白色保留表示(通常保留表示)であり、最終的に赤色保留表示(高期待度保留表示)に変化させる場合、Bモードにおいて赤色よりも当選期待度が低い保留表示(たとえば、青色保留表示)に変化させ、最終移行先のCモードにおいて、赤色保留表示に変化させる。このように、複数段階の演出モード移行を利用して保留変化も複数段階的に変化させることにより、背景画像が切り替わる度に、遊技者の当選期待感を煽ることができる。なお、移行途中の演出モードにおいて保留変化予告を完結してもよい。具体的には、現在の保留色が白色保留表示(通常保留表示)であり、最終的に赤色保留表示(高期待度保留表示)に変化させる場合、Bモードにおいて赤色保留表示に変化させ、最終移行先のCモードにおいて、その赤色保留表示を表示させる。
また「Aモード→Aモード」や「Aモード→暗転演出→Aモード」のように、モード移行が生じると見せかけて結果的に移行しない、といった「ガセパターン」を実行可能に構成してもよい。この「ガセパターン」の場合、保留変化予告が実行されると見せかけることができる。勿論、ガセパターンの場合にも、保留変化予告を実行してもよく、この場合には、「ガセパターンでありながらも保留変化予告が発生した」という矛盾した演出(矛盾演出)が現出されたとして、遊技者が違和感を受けることになる。これを利用して、上述の矛盾演出を、当選期待度が相対的に高い予告演出、または当確の予告演出として利用することができる。
また演出用ボタン13などの遊技者が操作可能な操作手段を利用して、演出モードを変更可能に構成することができる(遊技者参加型モード変更形態)。具体的には、遊技者が操作手段を所定手順で操作することにより、演出モードを変更可能に構成することができる。ただし操作手段による演出モードの変更は、所定の変更可能条件を満たした場合に変更可能とすることが好ましい。上記「変更可能条件」としては。たとえば、「特定の背景表示(特定のメイン演出モードや演出ステージ)」における図柄変動表示ゲームが所定回数実行されるまでは(たとえば20回転まで)「変更不可状態」とし、その後は(20回転目の図柄変動表示ゲーム終了した場合)、操作手段によるモード変更が許容される「変更可能状態」に切り替える。また他にも、「待ち待機状態中」に変更可能状態としたり、図柄変動表示ゲーム開始から所定時間が経過するまで変更可能状態としたりしてもよい。この「遊技者参加型モード変更形態」の場合、変更可能状態下であれば、遊技者の恣意的な操作で保留表示態様が変更可能となる。しかし演出モードが変更されても、高期待度保留表示態様に関しては同一の表示態様を保持するため、遊技者に特定の保留表示態様の意味を正しく把握させることができ、また保留表示について、特段、違和感を与えることがない。
(ボタン操作型保留変化予告)
また、保留変化予告演出の一態様として、所定の操作有効期間内において、遊技者による演出用ボタン13が操作された場合に、保留変化を発生可能な「ボタン操作型保留変化予告(遊技者参加型保留変化予告)」を実行可能に構成してもよい。このボタン操作型保留変化予告では、上記操作有効期間において、たとえば、保留変化予告対象の保留アイコン(ターゲット)に対して演出用ボタン13を模したボタン画像を付加した「ボタン付保留表示(ボタン操作要求演出)」を現出させ、遊技者に演出用ボタン13の操作を促すことが好ましい。なお、保留変化を発生させるための演出用ボタン13の操作手順は、1回のボタン操作や、複数回のボタン操作を条件とする「連打押し」や、所定時間押下し続ける「長押し」等の種々の操作手順を定めることができる。また、保留表示が低信頼度表示態様に変化するか高信頼度表示態様に変化するかに応じて、操作手順を異ならせてもよい。また、操作手順に応じて、異なるボタン付保留表示を現出させてもよい。たとえば、「連打押し」を要求する場合には、連打押しを表現したボタン付保留表示を、「長押し」を要求する場合には、連打押しとは異なる画像を用いて、長押しを表現したボタン付保留表示を現出させることができる。
このようなボタン操作型保留変化予告を行う場合、ターゲットとなる保留表示の変化後の保留表示態様が、低期待度保留表示であるか高期待度保留表示であるかによらずに、上述のボタン画像を付加してもよい。また、ターゲットとなる保留表示の変化後の保留表示態様が、低期待度保留表示であるか高期待度保留表示であるかに応じて、異なるボタン画像を付加してもよい。たとえば、ボタン画像として、低期待度保留表示に変化する場合には「低期待度用ボタン画像」を表示し、高期待度保留表示に変化する場合は「高期待度用ボタン画像」を表示する。この場合、ボタン画像により保留変化が生起する(保留変化予告が実行される)「保留変化期待度」が示され、演出のバリエーションが多彩なものとすることができる。なお、「低期待度用ボタン画像」や「高期待度用ボタン画像」の表示態様は、保留変化予告が発生した際の保留色を示唆するように、保留色に対応する配色パターン(白〜虹色)を施したボタン画像(色付きエフェクトを付加したボタン画像)とすることができる。
上記ボタン操作型保留変化予告が現出されても、ボタン操作要求演出の実行期間内、つまり操作有効期間内において遊技者によるボタン操作が行われない場合には、いずれの表示態様にも変化することなくボタン付保留表示が継続される。この場合、たとえば、ボタン付保留表示を、ボタン画像無しの保留表示態様(通常保留表示態様)に戻してもよいし、シフト表示を契機に(ターゲットよりも先に保留記憶された作動保留球に係る図柄変動表示ゲームの開始を契機に)、保留変化予告を発生させてもよい。
また、「Aモード→暗転演出→Bモード」に移行する場合において、移行前のAモードの時点でターゲットをボタン付保留表示とし、ブラックアウト中に遊技者により演出用ボタン13の操作が行われた場合は、ブラックアウト後のBモードにおいて、保留変化後の専用保留表示態様(低信頼度表示態様または高信頼度表示態様)を表示可能に構成してもよい。すなわち、ブラックアウト中も遊技者によるボタン操作を有効に受け付ける構成とすることができる。この場合、ブラックアウトが終了するまでを操作有効期間としてもよいし、Aモード→暗転演出→Bモードを跨いでボタン操作を有効としてもよいし、Bモードに移行した後、所定時間が経過するまでボタン操作を有効としてもよい。これは、ボタン操作手順として「連打押し」や「長押し」を要求する場合、比較的長時間の操作有効期間が必要となるためである。またブラックアウト中の保留表示については、上記「準暗転中保留表示演出」としてもよい。この場合、暗転中であってもターゲットを明確に報知することができる。なお、準暗転中保留表示演出を現出する際、ボタン付保留表示が存在する場合には、ボタン画像は付したままにしておくことが好ましい。暗転中もボタン操作を促すことが好ましいからである。
(その他の変形例)
また本実施形態では、演出モードによらず、高期待度保留表示を共通の表示態様とするとして説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技性や背景表示(背景演出)に応じて、低期待度保留表示ではなく、高期待度保留表示を異なる演出態様とする方が、高期待度保留表示の注目を集めやすいケースがありうる。このような事情を考慮し、本実施形態とは逆に、演出モードによらず低期待度保留表示を共通の表示態様とし、演出モードに応じて高期待度保留表示を異ならせることができる。また、同一の演出モード下であっても、背景チェンジ予告演出により、背景演出の切り替えが生じる場合がある。この場合、背景演出によらず低期待度保留表示を共通の表示態様とし、背景演出に応じて高期待度保留表示を異なる演出態様としてもよい。
また本実施形態では、各演出モードによらず、高期待度保留表示を共通の表示態様とするとして説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3つ以上の演出モードを設けている場合には、これら演出モードのうち、少なくとも2つの演出モード(第1演出モードと第2演出モード)においては、高期待度保留表示を共通の表示態様とし、その他の演出モードにおいては、高期待度保留表示を異なる表示態様としてもよい。
また本実施形態は、保留表示態様に限らず、その他の予告演出に適用することができる。たとえば、今回の図柄変動表示ゲーム中の予告演出として、その予告演出が低期待度に属する予告演出(たとえば、アイテム予告画像として、白色の花瓶、青色の花瓶、黄色の花瓶)である場合には、演出モードに応じてそれぞれ異なる演出態様(花瓶の形状が異なる)とし、高期待度に属する予告演出(たとえば、緑色の花瓶、赤色の花瓶、D柄の花瓶、虹色の花瓶)である場合には演出モードによらず、同一の演出態様(花瓶の形状が同一)とすることができる。また、保留変化予告以外の先読み予告(変動開始時系の先読み予告)に関しても同様である。たとえば、稲妻画像の種類(稲妻の色や形状など)により期待度の高低がある場合、低期待度の弱稲妻演出である場合には、演出モードに応じてそれぞれ異なる演出態様(稲妻の形状や落雷の方向が異なる稲妻演出)とし、高期待度の強稲妻演出である場合には演出モードによらず、同一の演出態様(同一の稲妻演出)とすることができる。
また本実施形態では、先読み予告演出として、主に、画像表示演出を対象として説明したが、他の演出、たとえば、光演出、音演出、または可動体演出を当選期待度に応じて異なる演出を現出可能に構成した場合、これら他の演出についても、保留変化予告などの画像表示演出と同様に本発明に適用することができる。具体的には、光演出であれば、低期待度の場合は第1発光態様(たとえば、低速点滅)、高期待度の場合は第2発光態様(たとえば、高速点滅)とすることができる。また音演出であれば、低期待度の場合は第1効果音(たとえば、男性の音声)、高期待度の場合は第2効果音(たとえば、女性の音声)とすることができる。また可動体演出であれば。低期待度の場合は第1動作態様(たとえば、変位が小さい動作態様)、高期待度の場合は第2動作態様(たとえば、第1動作態様よりも変位が大きい動作態様)とすることができる。勿論、上述の光演出、音演出、可動体演出についても、保留変化予告の保留色(青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色)と同様に、期待度に応じた複数種類の演出態様を含むことができる。
また本実施形態では、低期待度保留表示の表示プライオリティよりも高期待度保留表示の表示プライオリティを高く(表示優先度を高く)設定することができる。たとえば、低期待度保留表示の透明度を通常時よりも上げて透明度を高く表示し、以って高期待度保留表示を際立たせる等である。詳しくは、保留表示領域内に低期待度の保留アイコンと高期待度の保留アイコンが表示されることを禁止していない場合、期待度を示唆するキャラクタ画像やエフェクト画像(強調表示画像)等を付加したり、形状、色彩および模様の少なくともいずれか一つを変化させたりして遊技者に対して保留表示を注目させる場合がある。このようなケースでは、限られた保留表示領域内で、隣接する保留アイコン同士の表示領域が重複してしまうといった問題が生じうる。しかし上記のように、高期待度保留表示の表示プライオリティを高く設定しておくことで、表示領域が重なった場合でも高期待度保留表示を優先的に表示することができ、高期待度保留表示側の遊技者の注目させることができる。
また本実施形態では、入賞時変化系の先読み予告演出と変動開始時変化系の先読み予告演出とがそれぞれ独立して現出可能に構成されていることから、異なる作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に実行される場合がありうる。しかし、先読み予告演出中に新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に発生すると、現在発生中の先読み予告演出が、時系列的に先に発生した作動保留球(古い作動保留球)を対象とした先読み予告演出であるのか、それとも新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出であるのかが不明確になり、遊技者の混乱を招いたり、予告演出に係る当選期待度が不明確になるという問題が生じうる。そこで先読み予告演出中(保留表示変化系および/または画像表示変化系の先読み予告演出中)は、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出を実行しない構成とすることが好ましい。
しかし遊技性の関係上、上記のような問題が特に重要でない場合には(たとえば、複数の先読み予告を重複表示する方が演出を多彩のものとする上で好ましい場合など)、既に先読み予告演出を実行していても、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出を実行してもよい。たとえば、緑色の保留アイコン表示中、赤色の保留アイコンを重複表示することができる。また、専用保留表示を重複表示可能とする場合、低期待度保留表示の表示数と高期待度保留表示の表示数の間に、大小関係を定めることが好ましい。具体的には、保留表示領域内に共存して表示可能な保留表示として、低期待度保留表示の表示数Nと高期待度保留表示の表示数Mとの間に、「M<N」の関係を持たせることが好ましい。この表示数に関する「M<N」の関係の意味するところは、具体的には、(1)時系列的に先に発生した作動保留球を対象とした低期待度保留表示が1個だけ存在する場合、後に発生した作動保留球を対象とした低期待度保留表示の現出は許容するが、高期待度保留表示の現出は許容しない構成(N=1の場合、M=0)、または(2)時系列的に先に発生した作動保留球を対象とした低期待度保留表示が2個以上存在する場合には、後に発生した作動保留球を対象とした低期待度保留表示の現出を許容するとともに、高期待度保留表示の現出を低期待度保留表示よりも少ない数だけ許容する構成(N≧2の場合、M<N)である。本実施形態の場合、保留表示領域76、77に最大4個まで作動保留球を表示可能となっているので、後者の場合(上記(2)の場合)には、高期待度保留表示が許容される数は1個となる。なお、特図1の作動保留球と特図2の作動保留球を1つの保留表示領域に表示する「共用保留表示型」とした場合、最大8個まで作動保留球を表示可能となる。この共用保留表示型の場合、高期待度保留表示が許容される数は最大3個となる。このように表示数に関する禁則処理を設ければ、遊技者が期待を抱く保留表示を高期待度保留表示に集中させることができる。特に、低期待度保留表示は複数表示可能とするが、高期待度保留表示を1つだけに制限する場合、遊技者の関心を高期待度保留表示に集中させることができる。
また本実施形態では、演出モードや背景表示によらず、保留表示位置(保留表示領域))を共通の表示領域とする例について説明したが、本発明はこれに限らず、演出モードおよび背景表示種別の少なくともいずれか一方に応じて保留表示位置(保留表示領域)が異なるように構成してもよい。また、暗転演出中であるか否かに応じても保留表示位置(保留表示領域)を異ならせてもよい。たとえば、「Aモード→Bモード」に移行する場合、移行前のAモードにおいては、液晶画面の表示領域の下部側に表示し(たとえば、図5の保留表示領域76、77の表示位置)、移行後のBモードにおいては、液晶画面の表示領域の上部側に表示する(たとえば、図5の保留表示領域76、77の表示位置と対称的な位置に表示する)。これにより、移行前の演出モードと移行後の演出モードとで、保留表示位置(保留表示領域)を異ならせることができる。このように、モード移行や暗転演出の現出に伴い、遊技者に対して保留表示イメージの変化を与え、演出効果を高めることができる。なお、保留表示領域76、77のいずれの表示領域を、あるいは双方の保留表示領域76、77を、演出モードや背景表示(暗転演出を含む)に応じて異なる位置に移動表示させるかについては適宜定めることができる。また、上記共用保留表示型の場合、保留表示領域全体の表示位置を変えて、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の全部の表示位置を変化させてもよいし、保留表示部の一部の表示位置を変化させてもよい。たとえば、1〜4個目の保留表示は移動表示させず、5〜8個目の保留表示をモード移行の前後で異なる位置に表示することができる。また、特定の保留表示に関して、5〜8個目の保留表示をモード移行の前後で異なる位置に表示することができる。
また保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうち、特定の保留表示がある場合、この保留表示を、演出モードや背景表示(暗転演出を含む)に応じて、あるいは演出モードや背景表示(暗転演出を含む)の切り替え前後において、異なる表示位置に表示させることができる。上記「特定の保留表示」とは、たとえばターゲットとなっている保留表示(保留アイコン)や専用保留表示や高信頼度保留である。このように、ターゲットとなっている保留表示(保留アイコン)を対象に表示位置を変化させることにより、演出が多彩なものとなり、また遊技者の関心をターゲット等の保留表示に注目させることができるので好適である。
以上に説明した実施形態(その変形例を含む)によれば、保留表示態様の種類を多くした場合でも、遊技者に特定の保留表示態様の意味を正しく把握させることができる。