以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の折畳みベッド(以下、単に「ベッド」ということがある)の斜視図である。図2は、図1のベッドの水平状態の側面図である。図3は、図1のベッドの折り畳み状態の側面図である。図1、図2及び図3に示されるように、ベッド1は、寝台部2を具えている。寝台部2は、使用者の下半身側が載せられる下半身側寝台部3と、使用者の上半身側が載せられる上半身側寝台部4とを含んでいる。
図1に示されるように、ベッド1は、寝台部2の一端側S1に、宮板5が設けられている。使用者は、通常、寝台部2の宮板5側を頭部として利用するのが一般的である。従って、上半身側寝台部4は、寝台部2の宮板5側(一端側S1)に配置されている。また、下半身側寝台部3は、寝台部2の他端側B2に配置されている。
下半身側寝台部3及び上半身側寝台部4には、ウレタンフォーム等のクッション材15が設けられている。本実施形態のクッション材15は、下半身側寝台部3から上半身側寝台部4にかけて連続している。また、図2に示されるように、一端側S1のクッション材15は、上半身側寝台部4の枠体53c、53dに固定されている。他方、他端側B2のクッション材15は、下半身側寝台部3の枠体53a、53bの上面に位置ずれ可能に載置されている。
ベッド1は、寝台部2が略水平となる水平状態(図2に示す)と、下半身側寝台部3と上半身側寝台部4とが逆V字状に折り曲げられた折り畳み状態(図3に示す)とに変形可能に形成されている。なお、本明細書において、特に指定されていない場合は、水平状態において説明されるものとする。また、理解しやすいように、ベッド長手方向がX、ベッド幅方向がY、ベッド高さ方向がZとして、それぞれ定義される。
上述したように、他端側B2のクッション材15は、下半身側寝台部3の枠体53a、53bの上面に位置ずれ可能に載置されている。このため、図3に示した折り畳み状態において、他端側B2のクッション材15が下半身側寝台部3の枠体53a、53bに沿って上方に位置ずれすることにより、折り畳み状態での一端側S1から他端側S2までの寝台部2の長さと、水平状態での一端側S1から他端側S2までの寝台部2の長さとの差を吸収することができる。
図1に示されるように、寝台部2は、ベッドフレーム枠6に載置されている。本実施形態のベッドフレーム枠6は、下半身側寝台部3が載置される下半身側フレーム枠7、上半身側寝台部4が載置される上半身側フレーム枠8、及び、下半身側フレーム枠7と上半身側フレーム枠8とを連結する連結フレーム9を含んでいる。図4は、ベッドフレーム枠6の平面図である。
下半身側フレーム枠7は、支持部7Aと、離間部7Bとを含んで構成されている。
支持部7Aは、一対の主枠10、10と、第1補強材11とを含んでいる。一対の主枠10、10は、ベッド幅方向Yの両側を、ベッド長手方向Xに沿って水平にのびている。第1補強材11は、主枠10、10の一端側S1の間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。
図1に示されるように、離間部7Bは、一対の傾斜枠16、16と、第2補強材12と、第4補強材17とを含んでいる。図2に示されるように、各傾斜枠16、16は、支持部7Aの一対の主枠10、10の他端側S2の端部から下に向かって斜めにのびている。一対の傾斜枠16、16の他端側S2には、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c2が設けられている。この水平軸c2に、下半身側脚部材21が回動可能に支持されている。
図4に示されるように、第2補強材12は、一対の傾斜枠16、16の一端側S1の両端部間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。図1に示されるように、第2補強材12には、下方に向かって突出する垂下部14が設けられている。垂下部14の一端側S1には、L字状の入隅が形成されている。この入隅に、第2補強材12が嵌め込まれ、垂下部14と第2補強材12とが溶接されている。また、垂下部14には、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c1(図2に示す)が設けられている。
図4に示されるように、第4補強材17は、一対の第1片17a、17aと、第2片17bとを含んでいる。図1に示されるように、各第1片17a、17aは、一対の傾斜枠16、16のベッド幅方向Yの内側において、第2補強材12から下に向かって斜めにのびている。第2片17bは、一対の第1片17a、17aの他端側S2の端部を、ベッド幅方向Yにのびている。図4に示されるように、第4補強材17は、平面視略コ字状に形成されている。
図1に示されるように、本実施形態の一対の第1片17a、17aは、一対の傾斜枠16、16に沿って傾斜している。図4に示されるように、本実施形態の一対の第1片17a、17aは、各傾斜枠16、16の他端側S2の端部よりも他端側S2へ突出している。第2片17bの他端側S2には、支持板19が固定されている。
図2に示されるように、支持板19は、下片19aと、上片19bとを含んでいる。下片19aは、第4補強材17の第2片17b(図4に示す)から他端側S2に向かって、上方に傾斜してのびている。本実施形態の下片19aは、ベッド側面視において、第4補強材17の第1片17aに対して直交している。上片19bは、下片19aの上端からベッド高さ方向Zに沿って垂直にのびている。
下半身側脚部材21は、第1脚フレーム22、一対の第2脚フレーム23、23及び、車輪24を含んで構成されている。図1に示されるように、第1脚フレーム22は、一対の第1片22a、22aと、第2片22bとを含んでいる。一対の第1片22a、22aは、ベッド幅方向Yの両側において、ベッド長手方向Xに沿って水平にのびている。第2片22bは、一対の第1片22a、22aの他端側S2の端部間を、ベッド幅方向Yにのびている。これにより、第1脚フレーム22は、平面視略コ字状に形成されている。各第1片22a、22aには、一つの車輪24が設けられている。第2片22bには、一対の車輪24、24が、ベッド幅方向Yに離間して配置されている。
一対の第2脚フレーム23、23は、第1脚フレーム22の一対の第1片22a、22aからベッド高さ方向Zに沿って上方にそれぞれのびている。一対の第2脚フレーム23、23の上端は、離間部7Bの水平軸c2(図2に示す)に回動可能に支持されている。
図4に示されるように、上半身側フレーム枠8は、例えば、主枠30と、第1補強材31と、一対の第2補強材32、32と、一対の第3補強材33、33と、一対の第4補強材34、34を含んで構成されている。主枠30は、一対の第1枠30a、30aと、第2枠30bとを含んでいる。一対の第1枠30a、30aは、ベッド幅方向Yの両側で、ベッド長手方向Xに沿ってそれぞれのびている。第2枠30bは、一対の第1枠30a、30aの一端側S1の端部間を、ベッド幅方向Yにのびている。これにより、主枠30は、平面視において、略コ字状に形成されている。
第1補強材31は、一対の第1片31a、31aと、第2片31bとを含んでいる。一対の第1片31a、31aは、主枠30の各第1枠30aの他端側S2からベッド幅方向Yの内側に向かって、他端側S2に傾斜してのびている。第2片31bは、一対の第1片31a、31aの端部間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。これにより、第1補強材31は、平面視において、他端側S2に凸となる台形状に形成される。
一対の第2補強材32、32は、主枠30の第2枠30bと第1補強材31の第2片31bとの間を、ベッド長手方向Xにのびている。一対の第3補強材33、33は、各第2補強材32、32の一端側S1において、第2補強材32、32と主枠30の各第1枠30a、30aとの間を、ベッド幅方向Yにそれぞれのびている。
各第3補強材33、33には、下方(ベッド高さ方向Z)にのびる垂下部36(図2に示す)がそれぞれ形成されている。図2に示されるように、垂下部36は、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c3が設けられている。この水平軸c3に、上半身側脚部材41が回動可能に支持されている。
図4に示されるように、一対の第4補強材34、34は、上半身側フレーム枠8のベッド長手方向Xの中央部において、一対の第2補強材32、32間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。図1及び図4に示されるように、一対の第4補強材34、34は、各第2補強材32、32のベッド幅方向Yの外側面から下方にのびる一対の垂下部34a、34aと、一対の垂下部34a、34a間をベッド幅方向Yにのびる連結部34bとを含み、略コ字状に形成されている。このような第4補強材34、34は、上半身側フレーム枠8のベッド長手方向Xの中央部を効果的に補強しうる。また、一対の第4補強材34、34間には、該第4補強材34、34間をベッド長手方向Xに連結する連結部35が設けられている。
図1に示されるように、上半身側脚部材41は、下半身側脚部材21と同様に、第1脚フレーム42、一対の第2脚フレーム43、43、及び、車輪44を含んで構成されている。図2に示されるように、一対の第2脚フレーム43、43の上端は、上半身側フレーム枠8の垂下部36の水平軸c3に回動可能に支持されている。図4に示されるように、上半身側脚部材41の第1脚フレーム42のベッド幅方向Yの長さは、下半身側脚部材21の第1脚フレーム22のベッド幅方向Yの長さよりも小に形成されている。これにより、図3に示されるように、ベッド1の折り畳み状態で接近する上半身側脚部材41と下半身側脚部材21とが、互いに接触するのを防ぎうる。
図4に示されるように、連結フレーム9は、一対の連結部46、46と、第1継ぎ材47aと、一対の第2継ぎ材47b、47b(図9に示す)と、一対の脚部材48、48とを含んで構成されている。各連結部46、46は、一対の側片46a、46aと、一対の側片46a、46aの上端を継ぐ上片46bと、一対の側片46a、46aの下端を継ぐ下片(図示省略)とを含んで構成されている。
図2に示されるように、一対の側片46a、46aの一端側S1は、上半身側フレーム枠8の第1枠30aの端部と、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c4を支点として、回動可能にそれぞれ連結されている。一対の側片46a、46aの他端側S2は、下半身側フレーム枠7の主枠10の端部と、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c5を支点として、回動可能にそれぞれ連結されている。図4に示されるように、第1継ぎ材47aは、各連結部46、46のベッド幅方向Yの内側に配置される側片46a、46a間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。図9に示されるように、一対の第2継ぎ材47b、47bは、側片46aと各脚部材48、48との間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。
図1に示されるように、一対の脚部材48、48は、主部51と補強部52とを含んで構成されている。主部51は、第1継ぎ材47aから床面まで垂直にのびている。補強部52は、主部51よりもベッド幅方向Yの内側で、第1継ぎ材47aから下方にのびる第1補強片52aと、第1補強片52aの下端からベッド幅方向Yの外側にのび、かつ、主部51に連結される第2補強片52bとを含んで構成されている。これにより、補強部52は、略L字状に形成されている。
このような連結フレーム9により、下半身側フレーム枠7と、上半身側フレーム枠8とが、水平状態(図2に示す)と折り畳み状態(図3に示す)との間で変形可能に連結される。下半身側脚部材21及び上半身側脚部材41は、下半身側フレーム枠7及び上半身側フレーム枠8を、水平状態(図2に示す)と折り畳み状態(図3に示す)との間で変形させる際に、各車輪24、44が床面を走行する。そして、下半身側脚部材21の各第2脚フレーム23、23、及び、上半身側脚部材41の各第2脚フレーム43、43が、水平軸c2及び水平軸c3を支点として傾動する。これにより、下半身側フレーム枠7と上半身側フレーム枠8との変形がスムーズに行われる。
図2に示したベッド1の水平状態において、連結フレーム9の一対の脚部材48、48の下端は、床面に当接している。これにより、下半身側フレーム枠7と上半身側フレーム枠8とのV字状の折り曲げが阻止される。
ベッドフレーム枠6には、例えば、連結フレーム9と上半身側フレーム枠8との間、及び、連結フレーム9と下半身側フレーム枠7との間に、それぞれ引張バネ(図示省略)が設けられてもよい。このような引張バネにより、ベッド1を折り畳み状態に変形する際に要する力が軽減されうる。
図5は、寝台部2の平面図である。下半身側寝台部3は、使用者の太腿側が載せられる第1部分3Aと、使用者の脹脛が載せられる第2部分3Bとを含んで構成されている。
第1部分3Aは、例えば、枠体53aと、クッション材15とを含んで構成されている。本実施形態の枠体53aは、第1枠56と、第2枠57とを含み、平面視横長矩形状に形成されている。第1枠56は、ベッド幅方向Yの両側で、ベッド長手方向Xにのびる一対の第1片56a、56aと、第1片56a、56aの一端側S1の端部をベッド幅方向Yにのびる第2片56bとを含んでいる。これにより、第1枠56は、平面視略コ字状に形成されている。第2枠57は、一対の第1片56a、56aの他端側S2の端部間を、ベッド幅方向Yにのびている。また、枠体53aには、クッション材15を支持するための支持材(図示省略)が設けられている。第1枠56の一端側S1には、下方にのびる連結片37が設けられている。連結片37には、ベッド幅方向Yにのびる第1水平軸a1が設けられている。
第2部分3Bは、第1部分3Aと同様に、枠体53bと、クッション材15とを含んで構成されている。枠体53bは、第1枠58と、第2枠59と、第3枠60とを含み、平面視矩形状に形成されている。第1枠58は、一対の第1片58a、58aと、第2片58bとを含み、平面視略コ字状に形成されている。第2枠59は、一対の第1片59a、59aの一端側S1の端部間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。第3枠60は、第2部分3Bのベッド幅方向Yの中央部において、第1枠58の第2片58bと、第2枠59との間を、ベッド長手方向Xに沿ってのびている。
図2及び図5に示されるように、第1枠58の第2片58bと第3枠60とが交わる位置には、下方に向かって他端側S2に傾斜してのびる一対の垂下片61、61が設けられている。一対の垂下片61、61には、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c6(図2に示す)が設けられている。水平軸c6は、下半身側フレーム枠7の垂下部14に設けられる水平軸c1よりも、ベッド高さ方向Zの上方に設けられている。枠体53bには、クッション材15を支持するための支持材(図示省略)が設けられている。
図2に示されるように、本実施形態の第1部分3Aの上半身側寝台部4側(即ち、一端側S1)の端部が、ベッドフレーム枠6の下半身側フレーム枠7の主枠10に、連結片37の第1水平軸a1で、傾動可能に連結されている。また、第2部分3Bの第1部分3Aに近い側(即ち、一端側S1)の端部は、第1部分3Aの第1枠56(図5に示す)に、ベッド幅方向にのびる第2水平軸a2で、傾動可能に連結されている。なお、第2部分3Bの第1部分3Aに遠い側(即ち、他端側S2)の端部は、ベッドフレーム枠6に連結されてない。
図6は、屈曲状態及びリクライニング状態に変形されたベッドの側面図である。下半身側寝台部3は、ベッド側面視において、その寝台面3Sが水平な基準状態(図2に示す)と、第1部分3Aと第2部分3Bとが上に凸で山折り状となる屈曲状態(図6に示す)とに変形可能に連結される。本実施形態の下半身側寝台部3は、後述する駆動手段63(図8に示す)によって、基準状態又は屈曲状態に変化される。
図2に示した基準状態において、第2部分3Bの第1部分3A寄り(即ち、一端側S1)の一部分は、下半身側フレーム枠7の支持部7Aに支えられる。また、下半身側フレーム枠7の離間部7Bは、支持部7Aよりも下方に位置している。このため、図6に示されるように、第2部分3Bの屈曲状態が許容される。屈曲状態の最大変化位置において、第2部分3Bの第1部分3Aに遠い側(即ち、他端側S2)の一部分は、離間部7Bに接触している。このように、第2部分3Bは、基準状態(図2に示す)及び屈曲状態(図6示す)の双方において、下半身側フレーム枠7に安定して支持されうる。
図5に示されるように、上半身側寝台部4は、使用者の頭部側が載せられる第3部分4Aと、使用者の背中が載せられる第4部分4Bとが含まれる。第3部分4Aと第4部分4Bとは、一対のリンク64、64を介して傾動可能に連結されている。
第3部分4Aは、下半身側寝台部3の第1部分3Aや第2部分3Bと同様に、例えば、枠体53cと、クッション材15と、支持材(図示省略)とを含んで構成されている。クッション材15は、枠体53cに固着され、かつ、カバー材(図示省略)によって被覆されている。
本実施形態の枠体53cは、一対の第1片66、66、第2片67及び第3片68を含んで構成されている。一対の第1片66、66は、ベッド幅方向Yの外側を、ベッド長手方向Xに沿ってそれぞれのびている。第2片67は、一対の第1片66、66の一端側S1の端部間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。第3片68は、一対の第1片66、66の他端側S2の端部間を、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。これにより、第3部分4Aは、平面視横長矩形状に形成されている。
枠体53cには、第2片67と第3片68との間をベッド長手方向Xにのびる一対の補強材69、69が設けられている。一対の補強材69、69は、ベッド幅方向Yにそれぞれ離間して設けられている。各補強材69、69の下面側には、後述する傾動アーム82、82のスライド部82c(図6に示す)をスライドさせるレール部70(図6に示す)が設けられている。
図5に示されるように、第4部分4Bは、第3部分4Aと同様に、例えば、枠体53dと、クッション材15と、支持材(図示省略)とを含んで構成されている。クッション材15は、枠体53dに固着され、かつ、カバー材(図示省略)によって被覆されている。枠体53dは、第3部分4Aの枠体53cと同様に、一対の第1片71、71、第2片72及び第3片73を含んで構成されている。本実施形態の枠体53dは、平面視矩形状に形成されている。第3片73の下方には、一対の連結片62、62が設けられる。図2に示されるように、一対の連結片62、62には、ベッド幅方向Yにのびる第3水平軸a3が設けられる。
第4部分4Bの下半身側寝台部3側の端部は、ベッドフレーム枠6に、連結片62の第3水平軸a3で、傾動可能に連結されている。これにより、ベッド側面視において、上半身側寝台部4は、その寝台面4Sが水平な基準状態(図2に示す)と、第3水平軸a3を支点として、上向きに傾くリクライニング状態(図6に示す)とで変形可能に連結されうる。
図7(a)、(b)は、リンク64の側面図である。一対のリンク64、64は、例えば、ベッド側面視において、ベッド下方側に凸となる円弧状に形成されている。各リンク64の一端側S1の端部は、第3部分4Aの第3片68の垂下片68sに、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c7で傾動可能に連結されている。各リンク64の他端側S2の端部は、第4部分4Bの第2片72の垂下片72sに、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c8を支点として傾動可能に連結されている。
本実施形態の各リンク64には、傾動阻止部64aが設けられている。傾動阻止部64aは、水平軸c8を支点として一定角度傾動(上昇)した後に、第4部分4Bの第2片72に当接する入隅状の切り欠きとして形成されている。傾動阻止部64aが第4部分4Bの第2片72に当接した後は、第4部分4Bに対する第3部分4Aの傾動が制限される。
図8(a)は、下半身側寝台部3の基準状態の駆動手段63を拡大して示す側面図である。図8(b)は、下半身側寝台部3の屈曲状態の駆動手段63を拡大して示す側面図である。駆動手段63は、下半身側寝台部3を、基準状態(図2に示す)又は屈曲状態(図6に示す)に変化させるためのものである。駆動手段63は、アクチュエータ(以下、単に「第1アクチュエータ」ということがある。)75を含んでいる。
第1アクチュエータ75は、電動モータ75aと、電動モータ75aの駆動により伸縮可能なロッド75bとが設けられている。本実施形態では、電動モータ75aが一端側S1に配置される一方、ロッド75bが他端側S2に配置されている。第1アクチュエータ75の操作は、例えば、リモコン等により、ベッド1上の使用者によって行われる。
電動モータ75aは、下半身側フレーム枠7の垂下部14に、水平軸c1で傾動可能に連結されている。ロッド75bの他端側S2の端部は、下半身側寝台部3の第2部分3Bの垂下片61、61に、水平軸c6で傾動可能に連結されている。従って、第1アクチュエータ75は、その一端がベッドフレーム枠6に連結され、かつ、他端が下半身側寝台部3の第2部分3Bに連結されている。
図8(a)に示されるように、下半身側寝台部3の基準状態において、伸長した状態のロッド75bが、第2部分3Bの一対の垂下片61、61に連結されている。これにより、電動モータ75a及びロッド75bは、ベッド側面視において、一端側S1から他端側S2に向かって、上方に傾斜している。
次に、本実施形態の駆動手段63の作用について説明する。先ず、図8(a)に示した第1アクチュエータ75の伸長したロッド75bを、図8(b)に示されるように収縮される。これにより、電動モータ75a及びロッド75bは、水平軸c1を支点として、図において時計回りに傾動し、一端側S1から他端側S2に向かって、下方に傾斜する。
ロッド75bの下方への傾動により、第2部分3Bの使用者の足先側(即ち、他端側S2)の端部3Btが、下方かつ第1部分3A(図2に示す)側(即ち、一端側S1)に移動される。この第2部分3Bの移動により、図6に示されるように、第2部分3Bが第2水平軸a2を支点として、図において時計回りに傾動し、第2部分3Bの一端側S1の端部が、基準状態の寝台面3S(図2に示す)よりも上方に持ち上げられる。
第2部分3Bの一端側S1の端部の持ち上げにより、図6に示されるように、第1部分3Aが、第1水平軸a1を支点として、図において反時計回り傾動する。これにより、下半身側寝台部3は、その寝台面3Sが水平な基準状態(図2に示す)から、第1部分3Aと第2部分3Bとが上に凸で山折り状となる屈曲状態(図6に示す)に変形されうる。
屈曲状態において、第2部分3Bの一部(本実施形態では、使用者の足先側)は、基準状態の寝台面3S(図2に示す)よりも下方に位置される。これにより、下半身側寝台部3によって使用者の足が持ち上げられた場合でも、脹脛を従来よりも下方に位置させることができる。これにより、本発明のベッド1は、下半身側寝台部3の屈曲状態において、従来のベッドに比べて使用者の腹部等の圧迫を軽減することができる。特に、使用者の上半身が起き上がる上半身側寝台部4のリクライニング時には、使用者の腹部等の圧迫が効果的に軽減されうる。従って、ベッド1の使用者は、快適な使用感が得られうる。
図6に示されるように、ベッド1の使用者が快適な使用感を効果的に得るために、下半身側寝台部3の屈曲状態において、第1部分3Aと第2部分3Bとの角度α1は、140度〜160度に設定されるのが望ましい。なお、角度α1が160度を超えると、第2部分3Bを、下半身側寝台部3の基準状態の寝台面3Sよりも、十分に下方に位置させることができないおそれがある。逆に、角度α1が140度未満であると、使用者の太腿と脹脛とが大きく折り曲げられ、快適な使用感を十分に得られなくなるおそれがある。
図8(b)に示されるように、屈曲状態の最大変化位置において、第2部分3Bの第1部分3Aに遠い側(即ち、他端側S2)の一部分は、下半身側フレーム枠7の離間部7Bに接触している。これにより、下半身側寝台部3は、屈曲状態においても、下半身側フレーム枠7に安定して支持されるため、振動等の発生を抑制することができる。さらに、離間部7Bによって、第2部分3Bの最大変化位置以上の屈曲が阻止される。これにより、第1部分3Aと第2部分3Bとの角度α1が上記範囲に維持され、使用者に、快適な使用感を確実に与えることができる。
図8(b)に示した下半身側寝台部3の屈曲状態において、第1アクチュエータ75のロッド75bが伸長されることにより、図8(a)に示されるように、第2部分3Bの使用者の足先側(即ち、他端側S2)の端部3Btが、上方かつ他端側S2に移動される。これにより、第1部分3A及び第2部分3Bが逆方向に傾動し、屈曲状態(図6に示す)から基準状態(図2に示す)に変形されうる。
図6に示されるように、第2部分3Bの第1部分3Aに遠い側(即ち、他端側S2)には、支持板19が配置されている。図2に示されるように、ベッド側面視において、支持板19の下片19aは、第4補強材17の第1片17aの長手方向に対して直交している。即ち、図6に示されるように、支持板19の下片19aは、屈曲状態の下半身側寝台部3の第2部分3Bの長手方向に対して直交している。さらに、図2に示されるように、支持板19の上片19bは、下片19aの上端からベッド高さ方向Zに沿って垂直にのびている。即ち、図2に示されるように、支持板19の上片19bは、基準状態の下半身側寝台部3の第2部分3Bの長手方向に対して直交している。このような支持板19により、下半身側寝台部3の基準状態(図2に示す)及び屈曲状態(図6に示す)において、寝台部2のクッション材15や布団等が、床面に落下するのを防ぐことができる。
本実施形態の駆動手段63として、第1アクチュエータ75である場合が例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、第1部分3Aと第2部分3Bとの連結部83に設けられた公知のラチエット式の固定具(図示省略)であってもよい。このような固定具は、第1アクチュエータ75で構成される場合に比べて、より簡素な構成で、下半身側寝台部3を、基準状態(図2に示す)と屈曲状態(図6に示す)とに変形させることができるため、製造コストを低減することができる。
図9は、本実施形態のリクライニング手段76の部分斜視図である。図10(a)は、上半身側寝台部4の基準状態のリクライニング手段76を拡大して示す側面図である。図10(b)は、上半身側寝台部4の屈曲状態のリクライニング手段76を拡大して示す側面図である。リクライニング手段76は、上半身側寝台部4を、基準状態(図2に示す)又はリクライニング状態(図6に示す)に変化させるためのものである。本実施形態のリクライニング手段76は、アクチュエータ(以下、単に「第2アクチュエータ」ということがある。)77と、傾動手段78とを含んで構成されている。
第2アクチュエータ77は、第1アクチュエータ75と同様に、電動モータ77aと、ロッド77bとが設けられている。本実施形態では、電動モータ77aが一端側に設けられる一方、ロッド77bが他端側S2に配置されている。第2アクチュエータ77の操作は、例えば、リモコン等により、ベッド1上の使用者によって行われる。
第2アクチュエータ77の電動モータ77aは、上半身側フレーム枠8の第4補強材34に、ベッド幅方向Yにのびる水平軸c9を支点として、回動可能に連結されている。ロッド77bの他端側S2の端部は、後述する傾動手段78の第1レバー80の上端に固定される。
傾動手段78は、回動軸79と、第1レバー80、第2レバー81、及び、一対の傾動アーム82、82を含んで構成されている。
図4及び図9に示されるように、回動軸79は、上半身側フレーム枠8の第1補強材31と、一対の第4補強材34、34との間において、一対の第2補強材32、32間をベッド幅方向Yに沿ってのびている。また、回動軸79は、その軸芯に配置されるベッド幅方向Yにのびる水平軸c10を支点として、水平軸回りに回転可能に枢支される。この水平軸c10の両端は、上半身側フレーム枠8の各第2補強材32、32に固着されている。
図9及び図10(a)に示されるように、第1レバー80は、例えば、板状に形成された一対の第1レバー片80a、80aを含んで構成されている。一対の第1レバー片80a、80aの長手方向の中央部は、回動軸79が軸支される水平軸c10を支点として、水平軸回りに回転可能に枢支される。これにより、第1レバー80は、回動軸79とは独立して、水平軸回りに回動しうる。
一対の第1レバー片80a、80aの上端には、第2アクチュエータ77のロッド77bの端部が、ベッド幅方向Yにのびる水平軸d1を支点として、回動可能に固定される。一対の第1レバー片80a、80aの下端には、ベッド幅方向Yの外側に突出するピン80dがそれぞれ設けられている。図10(a)に示されるように、ピン80dの一端側S1の側面は、一対の第2レバー片81a、81aの他端側S2の側縁に当接する。
第2アクチュエータ77のロッド77bの収縮時(本実施形態では、上半身側寝台部4の基準状態)において、一対のレバー片80a、80aは、水平軸d1が設けられる上端側から、ピン80dが設けられる下端側に向かって、他端側S2へ傾斜している。
第2レバー81は、例えば、板状に形成された一対の第2レバー片81a、81aと、一対の第2レバー片81a、81aを連結するピン81bとを含んで構成されている。
各第2レバー片81a、81aは、例えば、側面視略矩形の板状に形成されている。各第2レバー片81a、81aは、一対の第1レバー片80a、80aのベッド幅方向Yの外側にそれぞれ配置されている。一対の第2レバー片81a、81aの上端は、回動軸79に固着される。これにより、一対の第2レバー片81a、81aは、一対の第1レバー片80a、80aとは異なり、回動軸79と一体として、ベッド幅方向Yにのびる水平軸回りに回動しうる。
ピン81bは、一対の第2レバー片81a、81aの下端で、ベッド幅方向Yに沿ってのびている。図10(a)に示されるように、ピン81bの他端側S2の側面は、一対の第1レバー片80a、80aの一端側S1の側縁に当接する。
図6に示されるように、一対の傾動アーム82、82は、基部82aと、突出部82bと、スライド部82cとを含んで構成されている。図2に示されるように、基部82aは、上半身側寝台部4の基準状態において、ベッド長手方向Xに沿ってのびている。本実施形態の一対の傾動アーム82、82の基部82aは、上半身側寝台部4の基準状態において、上半身側フレーム枠8の第4補強材34に支持される。図10に示されるように、基部82aの他端側S2は、回動軸79に固定されている。これにより、各傾動アーム82、82は、回動軸79の回動とともに、水平軸回りに回動されうる。
図2に示されるように、突出部82bは、上半身側寝台部4の基準状態において、基部82aの一端側S1の端部から上方に向かって湾曲しながらのびている。このような突出部82b及び基部82aにより、各傾動アーム82、82は、側面視略L字状に形成される。
スライド部82cは、突出部82bの端部で、第3部分4Aのレール部70に沿ってのびている。このスライド部82cは、第3部分4Aのレール部70に沿って摺動可能に挿入されている。
次に、リクライニング手段76の作用について説明する。第2アクチュエータ77のロッド77bが、図10(a)に示した収縮した状態から伸長されることにより、一対の第1レバー片81a、81aが、水平軸c10を支点として、図において時計回りに回動される。一対の第1レバー片81a、81aの回動により、図10(b)に示されるように、第1レバー80のピン80d、及び、第2レバー81のピン81bを介して、一対の第2レバー片81a、81a、回動軸79、及び、一対の傾動アーム82、82が、回動軸79を中心に、図において時計回りに回動される。
一対の傾動アーム82、82の回動により、図7(a)、(b)に示されるように、スライド部82cがレール部70を他端側S2に摺動しながら、第3部分4Aが第4部分4Bに対して上方に持ち上げられる。第3部分4Aの上昇により、リンク64が、水平軸c7及び水平軸c8を支点として回動する。上述したように、リンク64は、傾動阻止部64aが第4部分4Bの第2片72に当接するまで、第4部分4Bが持ち上げられない。これにより、第3部分4Aと第4部分4Bとの間に段差が形成され、使用者は、第3部分4Aを枕のように使用することができる。
一対の傾動アーム82、82(図10(b)に示す)がさらに回動されることにより、リンク64の傾動阻止部64aが第4部分4Bの第2片72に当接する。そして、図6及び図10(b)に示されるように、一対の傾動アーム82、82が回動されることにより、第3水平軸a3を支点として、第4部分4Bが、第3部分4Aと一体に、図において時計回りに傾動される。
このように、本実施形態のリクライニング手段76は、上半身側寝台部4が上向きに傾けられることにより、使用者の上半身を起き上がらせることができる。しかも、上半身側寝台部4が上向きに傾けられてからも、第3部分4Aと第4部分4Bとの段差が維持される。これにより、使用者は、テレビの視聴、読書など長時間使用しても肩コリなど疲労感を抑えつつ、リラックスした快適なリクライニング状態を得ることができる。
第3部分4Aの枠体53cの第4部分4Bの枠体53dに対する角度α2については、適宜設定されうる。なお、角度α2が小さいと、第3部分4Aと第4部分4Bとの段差を十分に形成できないおそれがある。逆に、角度α2が大きいと、第3部分4Aと第4部分4Bとの段差が大きくなり、使用者に疲労感を生じさせてしまうおそれがある。このような観点より、角度α2は、好ましくは6度以上が望ましく、また、好ましくは12度以下が望ましい。
図10(a)、(b)に示されるように、上半身側寝台部4のリクライニング状態から、第2アクチュエータ77のロッド77bが収縮されることにより、一対の傾動アーム82、82が、回動軸79、第1レバー80及び第2レバー81を介して、図において反時計回りに傾動される。この一対の傾動アーム82、82の傾動により、第3部分4Aと第4部分4Bとの段差が維持されたまま、第3部分4A及び第4部分4Bが一体として、第3水平軸a3を支点として、図において反時計回りに傾動する。これにより、図7(b)に示されるように、第3部分4Aと第4部分4Bとの段差が維持されたまま、第4部分4Bの寝台面4Sが水平に変形される。
第4部分4Bの寝台面4Sが水平となり、かつ、リンク64の傾動阻止部64aと第4部分4Bの第2片72との当接が解除されてからは、一対の傾動アーム82、82(図10(b)に示す)の反時計回りの傾動により、第3部分4Aが下ろされる。これにより、図2及び図7(a)に示されるように、第3部分4Aと第4部分4Bとの段差が解消され、上半身側寝台部4が基準状態に変形される。
上半身側寝台部4の基準状態において、一対の傾動アーム82、82は、上半身側フレーム枠8の第4補強材34に支持される。これにより、上半身側寝台部4は、上半身側フレーム枠8に安定して支持されるため、使用者の就寝中に振動等が発生するのを抑制しうる。
図11は、第2アクチュエータ77のロッド77bの収縮時に、傾動アーム82の回動が許容された状態を示す側面図である。上述したように、第1レバー80のピン80dの一端側S1の側面は、第2レバー81の第2レバー片81a、81aの他端側S2の側縁が当接している。さらに、第2レバー81のピン81bの他端側S2の側面は、一対の第1レバー片80a、80aの一端側S1の側縁に当接している。また、第1レバー80は、回動軸79とは独立して水平軸回りに回動しうる。このため、図において、第1レバー80に対して、第2レバー81、回動軸79及び一対の傾動アーム82、82の時計回りの回動が許容され、上半身側寝台部4の第4部分4Bが時計回りに傾動されうる。これにより、例えば、上半身側寝台部4のリクライニング状態(図10(b)に示す)から基準状態(図10(a)に示す)への変形時に、上半身側フレーム枠8と上半身側寝台部4との間の異物が配置されても、第2アクチュエータ77の収縮によって、異物が強く挟まれるのを防ぐことができる。
本実施形態では、図6に示されるように、駆動手段63による下半身側寝台部3の屈曲状態と、リクライニング手段76による上半身側寝台部4のリクライニング状態とが、同時に行われている。これにより、使用者は、ソファに座っているかのようなリラックスした状態を得ることができる。なお、下半身側寝台部3の屈曲状態、又は、上半身側寝台部4のリクライニング状態のいずれか一方のみが独立して行われてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。