以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
まず、プラズマ処理方法の実施形態が適用され得るプラズマ処理装置について説明する。図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型のプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置1は、処理容器10を備えている。処理容器10は、略円筒形状を有しており、アルミニウムといった材料から形成されている。この処理容器10の内壁面には、陽極酸化処理が施されている。また、処理容器10は、接地されている。
処理容器10の底部上には、絶縁板12が設けられている。絶縁板12は、例えば、セラミックから形成されている。この絶縁板12上には、支持台14が設けられている。支持台14は、略円柱形状を有している。この支持台14上にはサセプタ16が設けられている。サセプタ16は、アルミニウムといった導電性の材料から形成されており、下部電極(第2電極)を構成している。
サセプタ16上には、静電チャック18が設けられている。静電チャック18は、絶縁層又は絶縁シートの間に、導電膜から構成された電極20が挟まれた構造を有している。静電チャック18の電極20には、スイッチ22を介して直流電源24が電気的に接続されている。この静電チャック18は、直流電源24からの直流電圧により静電吸着力を発生し、当該静電チャック18上に載置された被加工物Wを静電吸着力により保持するようになっている。なお、被加工物Wは、例えば、ウエハのような円盤状の物体であり得る。この静電チャック18の周囲、且つ、サセプタ16上には、フォーカスリング26が配置されている。また、サセプタ16及び支持台14の外周面には、円筒状の内壁部材28が取り付けられている。この内壁部材28は、例えば、石英から形成されている。
支持台14の内部には、冷媒流路30が形成されている。冷媒流路30は、例えば、鉛直方向に延びる中心軸線に対して螺旋状に延在している。この冷媒流路30には、処理容器10の外部に設けられたチラーユニットから配管32aを介して冷媒cw(例えば、冷却水)が供給される。冷媒流路30に供給された冷媒は、配管32bを介してチラーユニットに回収される。この冷媒の温度がチラーユニットによって調整されることにより、被加工物Wの温度が調整されるようになっている。さらに、プラズマ処理装置1では、ガス供給ライン34を介して供給される伝熱ガス(例えば、Heガス)が、静電チャック18の上面と被加工物Wの裏面との間に供給されるようになっている。
サセプタ16には、導体44(例えば、給電棒)が接続されている。この導体44には、高周波電源36、即ち第1の高周波電源が、整合器40、即ち第1の整合器を介して接続されており、また、高周波電源38、即ち第2の高周波電源が、整合器42、即ち第2の整合器を介して接続されている。高周波電源36は、プラズマの生成用の高周波RF1、即ち第1の高周波を出力する。高周波電源36が出力する高周波RF1の基本周波数fB1は、例えば、100MHzである。高周波電源38は、プラズマから被加工物Wにイオンを引き込むための高周波RF2、即ち第2の高周波を出力する。高周波電源38が出力する高周波RF2の基本周波数fB2は、例えば、13.56MHzである。
整合器40及び導体44は、高周波電源36からの高周波RF1をサセプタ16に伝送する給電ライン43、即ち第1の給電ラインの一部を構成している。また、整合器42及び導体44は、高周波電源38からの高周波RF2をサセプタ16に伝送する給電ライン45、即ち第2の給電ラインの一部を構成している。
処理容器10の天部には、上部電極46が設けられている。この上部電極46とサセプタ16の間には、プラズマが生成される処理容器10内の処理空間PSが介在している。一実施形態において、上部電極46には直流電源74が接続されている。直流電源74は、負極性の直流電圧DCを上部電極46に印加するように構成されている。上部電極46は、天板48及び支持体50を有している。天板48には、多数のガス噴出孔48aが形成されている。天板48は、例えば、Si、SiCといったシリコン系の材料から形成されている。支持体50は、天板48を着脱可能に支持する部材であり、アルミニウムから形成されており、その表面には陽極酸化処理が施されている。
支持体50の内部には、ガスバッファ室52が形成されている。また、支持体50には、多数のガス通気孔50aが形成されている。ガス通気孔50aは、ガスバッファ室52から延びて、ガス噴出孔48aに連通している。ガスバッファ室52には、ガス供給管54を介してガス供給系55が接続されている。ガス供給系55は、ガスソース群56、流量制御器群58、及び、バルブ群60を含んでいる。ガスソース群56は、複数のガスソースを含んでいる。流量制御器群58は、複数の流量制御器を含んでいる。複数の流量制御器は、例えば、マスフローコントローラであり得る。また、バルブ群60は複数のバルブを含んでいる。ガスソース群56の複数のガスソースは、流量制御器群58の対応の流量制御器及びバルブ群60の対応のバルブを介して、ガス供給管54に接続されている。ガス供給系55は、複数のガスソースのうち選択されたガスソースからのガスを、調整された流量でガスバッファ室52に供給するように構成されている。ガスバッファ室52に導入されたガスは、ガス噴出孔48aから処理空間PSに噴出される。
サセプタ16と処理容器10の側壁との間、及び、支持台14と処理容器10の側壁との間には、平面視において環状の空間が形成されており、当該空間の底部は処理容器10の排気口62に繋がっている。処理容器10の底部には、排気口62に連通する排気管64が接続されている。この排気管64は、排気装置66に接続されている。排気装置66は、ターボ分子ポンプといった真空ポンプを有している。排気装置66は、処理容器10の内部空間を所望の圧力に減圧する。また、処理容器10の側壁には被加工物Wの搬入及び搬出のための開口68が形成されている。処理容器10の側壁には、開口68を開閉するためのゲートバルブ70が取り付けられている。
また、プラズマ処理装置1は、制御部72を備えている。制御部72は、一以上のマイクロコンピュータを含み、外部メモリ又は内部メモリに格納されているソフトウェア(プログラム)及びレシピに従って、プラズマ処理装置1の各部、例えば、高周波電源36,38、整合器40,42、直流電源74、ガス供給系55、即ち、流量制御器群58の複数の流量制御器及びバルブ群60の複数のバルブ、排気装置66等の個々の動作、並びに、プラズマ処理装置1の装置全体の動作を制御する。また、制御部72は、キーボード等の入力装置や液晶ディスプレイ等の表示装置を含むマン・マシン・インタフェース用の操作パネル、並びに、各種プログラム、レシピ、及び設定値等の各種データを格納する外部記憶装置等とも接続されている。
プラズマ処理装置の基本動作は次のようにして行われる。まず、ゲートバルブ70が開かれて、被加工物Wが開口68を経由して処理容器10内に搬入される。処理容器10内に搬入された被加工物Wは、静電チャック18上に載置される。次いで、ガス供給系55からガスが処理容器10内に導入され、排気装置66が作動されて、処理容器10内の空間の圧力が所定の圧力に設定される。さらに、高周波電源36からの高周波RF1がサセプタ16に供給され、必要に応じて高周波電源38からの高周波RF2がサセプタ16に供給される。また、必要に応じて直流電源74からの直流電圧DCが上部電極46に印加される。さらに、直流電源24からの直流電圧が静電チャック18の電極20に印加され、被加工物Wが静電チャック18上に保持される。そして、処理容器10内に供給されたガスが、サセプタ16と上部電極46との間に形成された高周波電界により励起される。これにより、プラズマが生成される。このように生成されたプラズマからのラジカル及び/又はイオンによって被加工物Wが処理される。なお、高周波電源38からの高周波RF2がサセプタ16に供給されている場合には、被加工物Wに衝突するイオンのエネルギーが高められる。また、直流電源74から直流電圧DCが上部電極46に印加されている場合には、正イオンが上部電極46に引き込まれて当該上部電極46に衝突し、上部電極46から二次電子が放出され、及び/又は、上部電極46を構成する材料、例えば、シリコンが上部電極46から放出される。
以下、プラズマ処理方法の実施形態(以下、「方法MT」という)について説明する。図2及び図3は、一実施形態に係るプラズマ処理方法に関するタイミングチャートである。方法MTは、プラズマ処理装置1を用いて実施することが可能である。図2及び図3には、方法MTにおける第1のガス、第2のガス、高周波RF1、高周波RF2のそれぞれのタイミングチャートが示されている。図2及び図3において、横軸は、時間を示している。また、第1のガスのタイミングチャートのレベルは、処理容器10内に供給されている第1のガスの量を示している。また、第2のガスのタイミングチャートのレベルは、処理容器10内に供給されている第2のガスの量を示している。また、高周波RF1のタイミングチャートにおいて、高周波RF1が高レベルであることは、高周波RF1がサセプタ16に供給されていることを示しており、高周波RF1が低レベルであることは、高周波RF1がサセプタ16に供給されていないことを示している。また、高周波RF2のタイミングチャートにおいて、高周波RF2が高レベルであることは、サセプタ16に高周波RF2が供給されていることを示しており、高周波RF2が低レベルであることは、サセプタ16に高周波RF2が供給されていないこと、或いは、高レベルで示す当該高周波RF2のパワーよりも低いパワーを有する高周波RF2がサセプタ16に供給されていることを示している。また、直流電圧DCのタイミングチャートにおいて、直流電圧DCが高レベルであることは、直流電圧DCが上部電極46に印加されていることを示しており、直流電圧DCが低レベルであることは、直流電圧DCが上部電極46に印加されていないことを示している。
図2及び図3に示すように、方法MTでは、複数回のサイクルCYが順に実行される。複数回のサイクルCYの各々は、第1の処理ガスのプラズマを生成する第1段階S1、第1段階S1に続き、第2の処理ガスのプラズマを生成する第2段階S2を含む。複数回のサイクルCYの各々において、第1段階S1は第1の期間P1において行われ、第2段階S2は、第1の期間P1に続く第2の期間P2において行われる。
以下、複数回のサイクル又は複数回のサイクルの各々を示す参照符号として「CY」を用いる。また、複数回のサイクルの各々を、その実行順序と共に示す場合には、「CY(i)」との参照符号を用いる。また、第1段階S1を、当該第1段階S1が含まれるサイクルの実行順序と共に示す場合には、「S1(i)」との参照符号を用い、第2段階S2を、当該第2段階S2が含まれるサイクルの実行順序と共に示す場合には、「S2(i)」との参照符号を用いる。また、第1の期間P1を、関連するサイクルの実行順序と共に示す場合には、「P1(i)」との参照符号を用い、第2の期間P2を、関連するサイクルの実行順序と共に示す場合には、「P2(i)」との参照符号を用いる。また、第2の期間P2の開始時点を示す参照符号として「Ts」を、第2の期間P2の終了時点を示す参照符号として「Te」を用いる。また、開始時点Tsを、関連するサイクルの実行順序と共に示す場合には、「Ts(i)」との参照符号を用いる。また、終了時点Teを、関連するサイクルの実行順序と共に示す場合には、「Te(i)」との参照符号を用いる。さらに、後述する第2のガスの出力開始時点を示す参照符号として「To」を、第2のガスの出力停止時点を示す参照符号として「Tt」を用いる。また、出力開始時点Toを、関連するサイクルの実行順序と共に示す場合には、「To(i)」との参照符号を用い、出力停止時点Ttを、サイクルの実行順序と共に示す場合には、「Tt(i)」との参照符号を用いる。ここで、「i」は、1以上N以下の整数であり、Nは2以上の整数である。
第1段階S1では、被加工物Wを収容している処理容器10内において、第1の処理ガスのプラズマが生成される。第1の処理ガスは、第1のガスを含んでいる。第1のガスは、限定されるものでないが、例えば、Arガスといった希ガス、及び/又は、フルオロカーボンガスであり得る。第1段階S1において第1の処理ガスのプラズマを生成するために、制御部72は、ガス供給系55を制御する。具体的に、制御部72は、ガス供給系55にガス供給制御信号を送出する。このガス供給制御信号に応答して、ガス供給系55は、第1の処理ガスのためのガスソースに接続されたバルブ群60のバルブを開き、当該ガスソースに接続された流量制御器群58の流量制御器の出力流量を、レシピによって指定された出力流量に設定する。ガス供給系55からの第1の処理ガスの供給は、初回のサイクルCY(1)の第1段階S1(1)が行われる第1の期間P1(1)の開始時点よりも前に、開始される。第1のガスの供給は、第1の期間P1に続く第2の期間P2においても継続する。
また、第1段階S1において第1の処理ガスのプラズマを生成するために、制御部72は、高周波RF1をサセプタ16に供給するよう、高周波電源36を制御する。高周波RF1の供給は、初回のサイクルCYの第1の期間P1(1)の開始時点に開始される。高周波RF1の供給は、第1の期間P1に続く第2の期間P2においても継続する。なお、第1の期間P1では、高周波電源38からの高周波RF2はサセプタ16に供給されない。或いは、第1の期間P1では、第2の期間P2において高周波電源38からサセプタ16に供給される高周波RF2のパワーよりも低いパワーの高周波RF2が、高周波電源38からサセプタ16に供給されてもよい。
第2段階S2においては、被加工物Wを収容している処理容器10内において、第2の処理ガスのプラズマが生成される。第2の処理ガスは、上述の第1のガスを含んでいる。第2の処理ガスは、第2のガスを更に含んでいる。第2のガスは、第1の処理ガスに含まれるガスとは異なるガスである。即ち、第2の処理ガスでは、第1のガスに第2のガスが添加されている。第2のガスは、限定されるものではないが、フルオロカーボンガス及び/又は酸素ガスであり得る。第2段階S2において第2の処理ガスのプラズマを生成するために、制御部72は、ガス供給系55を制御する。具体的に、制御部72は、ガス供給系55にガス供給制御信号を送出する。このガス供給制御信号に応答して、ガス供給系55は、第2の処理ガスのためのガスソースに接続されたバルブ群60のバルブを開き、当該ガスソースに接続された流量制御器群58の流量制御器の出力流量を、レシピによって指定された出力流量に設定する。
なお、制御部72は、各サイクルCYにおいて、ガス供給系55が第2の期間P2の開始時点Tsよりも前の出力開始時点Toに第2のガスの出力を開始するよう、ガス供給系55を制御する。出力開始時点Toは、直後の第2の期間P2の開始時点Tsよりも第1の時間差Doの分だけ前の時点であり、後述するように、初期的には第1の遅延時間を用いて決定される。また、制御部72は、各サイクルCYにおいて、ガス供給系55が第2の期間P2の終了時点Teよりも前の出力停止時点Ttに第2のガスの出力を停止するよう、ガス供給系55を制御する。出力停止時点Ttは、直後の終了時点Teよりも第2の時間差Dtの分だけ前の時点であり、後述するように、初期的には第2の遅延時間を用いて決定される。
また、上述したように、第2段階S2において第2の処理ガスのプラズマを生成するために、制御部72は、直前の第1段階S1から継続して高周波RF1をサセプタ16に供給するよう、高周波電源36を制御する。また、制御部72は、各サイクルCYの第2の期間P2において、高周波RF2をサセプタ16に供給するよう、高周波電源38を制御する。各サイクルCYにおいて、高周波RF2のサセプタ16への供給は、第2の期間P2の開始時点Tsに開始し、第2の期間P2の終了時点Teにおいて終了する。或いは、各サイクルCYにおいて、第2の期間P2の開始時点Tsにサセプタ16に供給される高周波RF2のパワーが増加され、第2の期間P2の終了時点において、サセプタ16に供給される高周波RF2のパワーが低下される。
また、一例において、制御部72は、第2の期間P2の開始時点Tsから終了時点Teの間、直流電圧DCを上部電極46に印加するよう、直流電源74を制御する。なお、直流電圧DCは、第1の期間P1においてのみ、上部電極46に印加されてもよい。
ここで、第1の遅延時間及び第2の遅延時間について説明する。本願発明者は、第1のガスの流量及び第2のガスの流量を可変のパラメータとして、第1のガスを処理容器10内に供給しているときに、ガス供給系55が第2のガスの出力を開始した時点から、第2のガスのプラズマに起因する発光が処理容器10内において検出される時点までの遅延時間Td1(秒)を、発光分析装置(OES)を用いて測定した。図4にその結果を示す。図4において、横軸は第1のガスの流量を示しており、縦軸は遅延時間Td1を示している。図4に示すように、遅延時間Td1は、第1のガスの流量及び第2のガスの流量に依存しており、第1のガスの流量及び第2のガスの流量を変数にもつ関数として定義できることが確認された。あるプラズマ処理装置を用いた図4の実験結果から導かれた関数は、
Td1=5×10−6×Qm2−0.0064×Qm+4.4778+(−0.0151×Qp+0.0663)
であった。ここで、Qmは第1のガスの流量であり、Qpは第2のガスの流量である。このように、遅延時間Td1は、第1のガスの流量及び第2のガスの流量を変数にもつ関数として定義できる。また、関数の代わりに、遅延時間Td1は、第1のガスの流量及び第2のガスの流量に関連付けてテーブルに登録することが可能である。制御部72は、当該関数を利用することにより、或いは、当該テーブルを参照することにより、レシピにおいて指定された第2段階S2の第1のガスの流量及び第2のガスの流量に対応する第1の遅延時間を特定し、当該第1の遅延時間を初期的に第1の時間差Doに設定することができる。
また、本願発明者は、第1のガスの流量及び第2のガスの流量を可変のパラメータとして、第2の処理ガスを処理容器内に供給しているときに、ガス供給系55が第2のガスの出力を停止した時点から、第2のガスのプラズマに起因する発光が処理容器10内において検出されなくなる時点までの遅延時間Td2(秒)を、発光分析装置(OES)を用いて測定した。図5にその結果を示す。図5において、横軸は第1のガスの流量を示しており、縦軸は遅延時間Td2を示している。図5に示すように、遅延時間Td2は、第2のガスの流量には依存せず、第1のガスの流量に依存しており、第1のガスの流量を変数にもつ関数として定義できることが確認された。あるプラズマ処理装置を用いた図5の実験結果から導かれた関数は、
Td2=5×10−6×Qm2−0.0063×Qm+4.2333
であった。ここで、Qmは第1のガスの流量である。このように、遅延時間Td2は、第1のガスの流量を変数にもつ関数として定義できる。また、関数の代わりに、遅延時間Td2は、第1のガスの流量に関連付けてテーブルに登録することが可能である。制御部72は、当該関数を利用することにより、或いは、当該テーブルを参照することにより、レシピにおいて指定された第2段階S2の第1のガスの流量に対応する第2の遅延時間を特定し、当該第2の遅延時間を初期的に第2の時間差Dtに設定することができる。
また、制御部72は、一実施形態では、初回のサイクルCY(1)の後のサイクルCYのために、第1の時間差Do及び第2の時間差Dtを調整するように構成されている。第1の時間差Do及び第2の時間差Dtの調整はそれぞれ、プラズマのインピーダンスに依存するパラメータを用いて、決定される。当該パラメータは、整合器40において算出される。
以下、図6〜図9を参照して、高周波電源36及び整合器40、並びに、高周波電源38及び整合器42について詳細に説明する。図6は、高周波電源36及び整合器40の構成を例示する図であり、図7は、整合器40のセンサ及びコントローラの構成を例示する図である。また、図8は、高周波電源38及び整合器42の構成を例示する図であり、図9は、整合器42のセンサ及びコントローラの構成を例示する図である。
図6に示すように、一実施形態において、高周波電源36は、発振器36a、パワーアンプ36b、パワーセンサ36c、及び、電源制御部36eを有している。電源制御部36eは、CPUといったプロセッサから構成されており、レシピに基づき制御部72から与えられる信号、及び、パワーセンサ36cから与えられる信号を利用して、発振器36a及びパワーアンプ36bのそれぞれに制御信号を与えて、発振器36a及びパワーアンプ36bを制御する。
制御部72からに与えられる信号は、第1の高周波設定信号を含む。第1の高周波設定信号は、高周波RF1のパワー及び設定周波数を少なくとも指定する信号である。一実施形態では、この設定周波数は、基本周波数fB1である。方法MTの実施において、高周波電源36は、第1の高周波設定信号に応答して、初回のサイクルCY(1)の第1段階S1の開始時点に、サセプタ16に対する高周波RF1の供給を開始し、続く第2段階S2、及び、後続のサイクルCYにおいても継続して高周波RF1をサセプタ16に供給する。
電源制御部36eは、第1の高周波設定信号によって指定される周波数を有する高周波を出力するよう、発振器36aを制御する。この発振器36aの出力はパワーアンプ36bの入力に接続されている。発振器36aから出力された高周波はパワーアンプ36bに入力される。パワーアンプ36bは、第1の高周波設定信号によって指定されるパワーを有する高周波RF1を出力するために、入力された高周波を増幅する。これにより、高周波電源36から高周波RF1が出力される。
パワーアンプ36bの後段には、パワーセンサ36cが設けられている。パワーセンサ36cは、方向性結合器、進行波パワー検出部、及び、反射波パワー検出部を有している。方向性結合器は、高周波RF1の進行波の一部を進行波パワー検出部に与え、反射波を反射波パワー検出部に与える。このパワーセンサ36cには、高周波RF1の周波数を特定する信号が電源制御部36eから与えられる。進行波パワー検出部は、進行波の全周波数成分のうち高周波RF1の周波数と同一の周波数を有する成分のパワーの測定値、即ち、進行波パワー測定値PF1を生成する。この進行波パワー測定値は、パワーフィードバック用に電源制御部36eに与えられる。
反射波パワー検出部は、反射波の全周波数成分のうち高周波RF1の周波数と同一の周波数を有する成分のパワーの測定値、即ち、反射波パワー測定値PR11、及び、反射波の全周波数成分のトータルパワーの測定値、即ち反射波パワー測定値PR12を生成する。反射波パワー測定値PR11は、モニタ表示用に制御部72に与えられる。また、反射波パワー測定値PR12は、パワーアンプ36bの保護用に、電源制御部36eに与えられる。
図6に示すように、整合器40は、整合回路40a、センサ40b、コントローラ40c、並びに、アクチュエータ40d及び40eを有している。整合回路40aは、可変リアクタンス素子40g及び40hを含んでいる。可変リアクタンス素子40g及び40hは、例えば、可変コンデンサである。なお、整合回路40aは、インダクタ等を更に含んでいてもよい。
コントローラ40cは、例えば、プロセッサから構成され、制御部72の制御の下で動作する。コントローラ40cは、センサ40bから与えられる測定値を利用して高周波電源36の負荷インピーダンスを求めるようになっている。また、コントローラ40cは、求めた負荷インピーダンスを高周波電源36の出力インピーダンス又は整合ポイントに近づけるように、アクチュエータ40d及び40eを制御して、可変リアクタンス素子40g及び40hそれぞれのリアクタンスを調整するようになっている。アクチュエータ40d及び40eは、例えば、モータである。
また、コントローラ40cは、センサ40bから与えられる測定値を利用して、後述するパラメータを算出する。コントローラ40cは、算出したパラメータを利用して、種々の処理を行うようになっている。
図7に示すように、センサ40bは、電流検出器102A、電圧検出器104A、フィルタ106A、及び、フィルタ108Aを有している。電圧検出器104Aは、給電ライン43上で伝送される高周波RF1の電圧波形を検出し、当該電圧波形を表す電圧波形アナログ信号を出力する。この電圧波形アナログ信号は、フィルタ106Aに入力される。フィルタ106Aは、入力された電圧波形アナログ信号をデジタル化することにより、電圧波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ106Aは、制御部72からの信号によって特定される高周波RF1の設定周波数の成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。フィルタ106Aによって生成された濾過電圧波形信号は、コントローラ40cの演算部150Aに与えられる。なお、フィルタ106Aは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成される。
電流検出器102Aは、給電ライン43上で伝送される高周波RF1の電流波形を検出し、当該電流波形を表す電流波形アナログ信号を出力する。この電流波形アナログ信号は、フィルタ108Aに入力される。フィルタ108Aは、入力された電流波形アナログ信号をデジタル化することにより、電流波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ108Aは、制御部72からの信号によって特定される高周波RF1の設定周波数の成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。フィルタ108Aによって生成された濾過電流波形信号は、コントローラ40cの演算部150Aに与えられる。なお、フィルタ108Aは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成される。
コントローラ40cの演算部150Aは、フィルタ106Aから与えられる濾過電圧波形信号、及び、フィルタ108Aから与えられる濾過電流波形信号を用いて、整合器40におけるインピーダンス整合のために、高周波電源36の負荷インピーダンスZL1を求める。具体的に、演算部150Aは、濾過電圧波形信号によって特定される交流電圧V1、濾過電流波形信号によって特定される交流電流I1、及び、交流電圧V1と交流電流I1との位相差Φ1から、高周波電源36の負荷インピーダンスZL1を求める。
また、演算部150Aは、交流電圧V1、交流電流I1、及び、位相差Φ1から、後述するパラメータを求めるようになっている。パラメータは、上記の負荷インピーダンスZL1であってもよい。この場合には、整合器40のインピーダンス整合のために求められた負荷インピーダンスをパラメータとして利用できるので、別途にパラメータを求める必要はない。或いは、パラメータは、負荷抵抗Zr1、負荷リアクタンスZi1、及び、反射波係数Γ1のうち何れかであってもよい。なお、演算部150Aによって求められるパラメータとしては、負荷インピーダンスZL1、負荷抵抗Zr1、負荷リアクタンスZi1、及び、反射波係数Γ1から選択される何れかのパラメータが用いられてもよい。
負荷インピーダンスZL1は、V1/I1により求められ、負荷抵抗Zr1は、負荷インピーダンスZL1の実部を求めることにより得られ、負荷リアクタンスZi1は、負荷インピーダンスZL1の虚部を求めることにより得られる。また、反射波係数Γ1は、以下に式(1)により、求められる。
なお、反射波係数Γ1は、パワーセンサ36cによって求められる進行波パワー測定値PF1及び反射波パワー測定値PR11から、PR11/PF1により、求められてもよい。
演算部150Aは、求めた負荷インピーダンスZL1をマッチング制御部152Aに出力する。マッチング制御部152Aは、負荷インピーダンスZL1を高周波電源36の出力インピーダンス(又は整合ポイント)に近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御して、可変リアクタンス素子40g及び40hのリアクタンスを調整する。これにより、整合器40によるインピーダンス整合が実行される。なお、マッチング制御部152Aは、演算部150Aによって出力される負荷インピーダンスZL1の系列の移動平均値を、高周波電源36の出力インピーダンス(又は整合ポイント)に近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御してもよい。
また、演算部150Aは、出力開始時点To(i)と開始時点Ts(i)との間の期間において上述のパラメータが第1の閾値を超えた時点で、パラメータが第1の閾値を超えたことを制御部72に通知するようになっている。制御部72は、サイクルCY(i)の後のサイクルCY(i+1)における利用のために、出力開始時点To(i)と開始時点Ts(i)との間の期間においてパラメータが第1の閾値を超えた時点と開始時点Ts(i)との時間差の分だけ、第1の時間差Doを減少させるようになっている(例えば、図3におけるサイクルCY(2)の第1の時間差Doを参照)。また、演算部150Aは、出力開始時点To(i)と開始時点Ts(i)との間の期間において、パラメータが第1の閾値を超えなかった場合には、パラメータが第1の閾値を超えなかったことを制御部72に通知するようになっている。制御部72は、パラメータが第1の閾値を超えなかった場合には、サイクルCY(i)の後のサイクルCY(i+1)における利用のために、第1の時間差Doを所定時間だけ増加させるようになっている(例えば、図2におけるサイクルCY(2)の第1の時間差Doを参照)。
また、演算部150Aは、出力停止時点Tt(i)と終了時点Te(i)との間の期間においてパラメータが第2の閾値を超えた時点で、パラメータが第2の閾値を超えたことを制御部72に通知するようになっている。制御部72は、サイクルCY(i)の後のサイクルCY(i+1)における利用のために、出力停止時点Tt(i)と終了時点Te(i)との間の期間においてパラメータが第2の閾値を超えた時点と終了時点Te(i)との時間差の分だけ、第2の時間差Dtを減少させるようになっている(例えば、図3におけるサイクルCY(2)の第2の時間差Dtを参照)。また、演算部150Aは、出力停止時点Tt(i)と終了時点Te(i)との間の期間において、パラメータが第2の閾値を超えなかった場合には、パラメータが第2の閾値を超えなかったことを制御部72に通知するようになっている。制御部72は、パラメータが第2の閾値を超えなかった場合には、後述するように、サイクルCY(i)の後のサイクルCY(i+1)における利用のために、第2の時間差Dtを所定時間だけ増加させるようになっている(例えば、図2におけるサイクルCY(2)の第2の時間差Dtを参照)。
また、演算部150Aは、パラメータの系列から移動平均値を求めて、当該移動平均値を用いて上述の第1の閾値及び第2の閾値を調整する。パラメータの系列は、実行済のサイクルCYの第2段階S2、又は、実行済のサイクルCYの第2段階S2と実行中のサイクルCYの第2段階S2のそれぞれで整合器40によるインピーダンス整合が完了した状態におけるパラメータを含む。当該系列に含まれるパラメータの各々は、上述した第1の閾値及び第2の閾値と比較されるパラメータと同一の種類のパラメータであり得る。
以下、図8を参照する。図8に示すように、一実施形態において、高周波電源38は、発振器38a、パワーアンプ38b、パワーセンサ38c、及び、電源制御部38eを有している。電源制御部38eは、CPUといったプロセッサから構成されており、制御部72から与えられる信号、及び、パワーセンサ38cから与えられる信号を利用して、発振器38a及びパワーアンプ38bのそれぞれに制御信号を与えて、発振器38a及びパワーアンプ38bを制御する。
制御部72から電源制御部38eに与えられる信号は、第2の高周波設定信号を少なくとも含む。第2の高周波設定信号は、各サイクルCYに含まれる第2段階S2における高周波RF2のパワー及び設定周波数を少なくとも指定する信号である。一実施形態では、この設定周波数は、基本周波数fB2である。なお、各サイクルCYに含まれる第1段階S1においても、高周波RF2がサセプタ16に供給される場合には、第2の高周波設定信号は、第1段階S1における高周波RF2のパワー及び設定周波数を指定する。
方法MTの実施においては、高周波電源38は、第2の高周波設定信号に応答して、各サイクルの第2段階S2の開始時点Tsに、サセプタ16に対する高周波RF2の供給を開始し、各サイクルの第2段階S2の終了時点Teに、サセプタ16に対する高周波RF2の供給を停止するか、或いは、高周波RF2のパワーを低下させる。
電源制御部38eは、第2の高周波設定信号によって指定される周波数を有する高周波を出力するよう、発振器38aを制御する。この発振器38aの出力はパワーアンプ38bの入力に接続されている。発振器38aから出力された高周波はパワーアンプ38bに入力される。パワーアンプ38bは、第2の高周波設定信号によって指定されるパワーを有する高周波RF2をその出力から出力するために、入力された高周波を増幅する。
パワーアンプ38bの後段には、パワーセンサ38cが設けられている。パワーセンサ38cは、方向性結合器、進行波パワー検出部、及び、反射波パワー検出部を有している。方向性結合器は、高周波RF2の進行波の一部を進行波パワー検出部に与え、反射波を反射波パワー検出部に与える。このパワーセンサ38cには、高周波RF2の周波数を特定する信号が電源制御部38eから与えられる。進行波パワー検出部は、進行波の全周波数成分のうち高周波RF2の周波数と同一の周波数を有する成分のパワーの測定値、即ち、進行波パワー測定値PF2を生成する。この進行波パワー測定値は、パワーフィードバック用に電源制御部38eに与えられる。
反射波パワー検出部は、反射波の全周波数成分のうち高周波RF2の周波数と同一の周波数を有する成分のパワーの測定値、即ち、反射波パワー測定値PR21、及び、反射波の全周波数成分のトータルパワーの測定値、即ち反射波パワー測定値PR22を生成する。反射波パワー測定値PR21は、モニタ表示用に制御部72に与えられる。また、反射波パワー測定値PR22は、パワーアンプ38bの保護用に、電源制御部38eに与えられる。
図8に示すように、整合器42は、整合回路42a、センサ42b、コントローラ42c、並びに、アクチュエータ42d及び42eを有している。整合回路42aは、可変リアクタンス素子42g及び42hを含んでいる。可変リアクタンス素子42g及び42hは、例えば、可変コンデンサである。なお、整合回路42aは、インダクタ等を更に含んでいてもよい。
コントローラ42cは、例えば、プロセッサから構成され、制御部72の制御の下で動作する。コントローラ42cは、センサ42bから与えられる測定値を利用して高周波電源38の負荷インピーダンスを求めるようになっている。また、コントローラ42cは、求めた負荷インピーダンスを高周波電源38の出力インピーダンス又は整合ポイントに近づけるように、アクチュエータ42d及び42eを制御して、可変リアクタンス素子42g及び42hそれぞれのリアクタンスを調整するようになっている。アクチュエータ42d及び42eは、例えば、モータである。
図9に示すように、センサ42bは、電流検出器102B、電圧検出器104B、フィルタ106B、及び、フィルタ108Bを有している。電圧検出器104Bは、給電ライン45上で伝送される高周波RF2の電圧波形を検出し、当該電圧波形を表す電圧波形アナログ信号を出力する。この電圧波形アナログ信号は、フィルタ106Bに入力される。フィルタ106Bは、入力された電圧波形アナログ信号をデジタル化することにより、電圧波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ106Bは、制御部72からの信号によって特定される高周波RF2の設定周波数の成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。フィルタ106Bによって生成された濾過電圧波形信号は、コントローラ42cの演算部150Bに与えられる。
電流検出器102Bは、給電ライン45上で伝送される高周波RF2の電流波形を検出し、当該電流波形を表す電流波形アナログ信号を出力する。この電流波形アナログ信号は、フィルタ108Bに入力される。フィルタ108Bは、入力された電流波形アナログ信号をデジタル化することにより、電流波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ108Bは、制御部72からの信号によって特定される高周波RF2の設定周波数の成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。フィルタ108Bによって生成された濾過電流波形信号は、コントローラ42cの演算部150Bに与えられる。
コントローラ42cの演算部150Bは、フィルタ106Bから与えられる濾過電圧波形信号、及び、フィルタ108Bから与えられる濾過電流波形信号を用いて、高周波電源38の負荷インピーダンスZL2を求める。具体的に、演算部150Bは、濾過電圧波形信号によって特定される交流電圧V2、濾過電流波形信号によって特定される交流電流I2、及び、交流電圧V2と交流電流I2との位相差Φ2から、負荷インピーダンスZL2を求める。
演算部150Bは、求めた負荷インピーダンスZL2をマッチング制御部152Bに出力する。マッチング制御部152Bは、負荷インピーダンスZL2を高周波電源38の出力インピーダンス(又は整合ポイント)に近づけるよう、アクチュエータ42d及び42eを制御して、可変リアクタンス素子42g及び42hのリアクタンスを調整する。これにより、整合器42によるインピーダンス整合が実行される。なお、マッチング制御部152Bは、演算部150Bによって出力される負荷インピーダンスZL2の系列の移動平均値を、高周波電源38の出力インピーダンス(又は整合ポイント)に近づけるよう、アクチュエータ42d及び42eを制御してもよい。
以下、上述したガスの出力開示時点及び出力停止時点に関連した時間差を決定する方法について説明する。図10は、一実施形態に係る、ガスの出力開示時点及び出力停止時点に関連した時間差を決定する方法を示す流れ図である。なお、以下の説明では、上述した第1のガスのように、複数のシーケンスの各々に含まれる複数の段階のうち連続する二つの段階において処理容器内に連続して供給されるガスを、「主ガス」という。
図10に示す方法MTDでは、まず、工程STd1において、jが1に設定される。「j」は、複数のサイクルCYの各々に含まれる複数の段階の順番を示す変数である。続く工程STd2において、kが1に設定される。「k」は、方法MTにおいて用いられるガスを示す変数である。
続く工程STd3では、レシピにおいて指定されている第j段階の第kのガスの流量と当該レシピにおいて指定されている第(j+1)段階における第kのガスの流量とが一致するか否かが判定される。なお、(j+1)がJMAX+1である場合には、(j+1)は、次のサイクルの第1段階の順序を示す「1」となることに留意されたい。ここで、JMAXは、複数のサイクルの各々における複数の段階の総数である。
レシピにおいて指定されている第j段階の第kのガスの流量と当該レシピにおいて指定されている第(j+1)段階における第kのガスの流量とが一致する場合には、処理は後述する工程STd7に移る。例えば、図2に示した第1段階の第1のガスの流量と第2段階の第1のガスの流量は同じであるので、この場合には、第2段階の開始時点と第1のガスの出力開始時点との間の時間差は設定されず、或いは、ゼロに設定されて、処理は工程STd7に移る。
一方、レシピにおいて指定されている第j段階の第kのガスの流量と当該レシピにおいて指定されている第(j+1)段階における第kのガスの流量とが異なる場合には、処理は工程STd4に移る。工程STd4では、レシピにおいて指定されている第j段階の第kのガスの流量が当該レシピにおいて指定されている第(j+1)段階における第kのガスの流量よりも少ないか否かが判定される。レシピにおいて指定されている第j段階の第kのガスの流量が当該レシピにおいて指定されている第(j+1)段階における第kのガスの流量よりも少ない場合には、続く工程STd5において、上述した関数又はテーブルから第(j+1)段階の主ガスの流量及び第kのガスの流量に対応する遅延時間が特定される。特定された遅延時間は、第(j+1)段階の開始時点と第kのガスの出力開始時点との間の時間差に初期的に設定される。例えば、図2に示した第1段階の第2のガスの流量は第2段階の第2のガスの流量よりも少ないので、第2段階における主ガスの流量である第1のガスの流量及び第2のガスの流量に対応する遅延時間(第1の遅延時間)が関数又はテーブルから特定され、特定された遅延時間が、第2段階の開始時点と第2のガスの出力開始時点との間の時間差(第1の時間差)に初期的に設定される。
続く工程STd6では、第(j+1)段階の開始時点よりも工程STd5で設定された時間差分だけ前の時点が第j段階の開始時点よりも前の時点であるか否かが判定される。第(j+1)段階の開始時点よりも工程STd5で設定された時間差分だけ前の時点が第j段階の開始時点よりも前の時点でない場合には、処理は工程STd7に進む。第(j+1)段階の開始時点よりも工程STd5で設定された時間差分だけ前の時点が第j段階の開始時点よりも前の時点である場合には、処理は工程STd10に進む。
工程STd4における判定により、レシピにおいて指定されている第j段階の第kのガスの流量が当該レシピにおいて指定されている第(j+1)段階における第kのガスの流量よりも多いと判定される場合には、工程STd8において、上述した関数又はテーブルから第j段階の主ガスの流量に対応する遅延時間が特定される。特定された遅延時間は、第j段階の終了時点と第kのガスの出力停止時点との間の時間差に初期的に設定される。例えば、図2に示した第2段階の第2のガスの流量は次のサイクルの第1段階の第2のガスの流量よりも多いので、第2段階における主ガスの流量に対応する遅延時間(第2の遅延時間)が関数又はテーブルから特定され、特定された遅延時間が、第2段階の終了時点と第2のガスの出力停止時点との間の時間差(第2の時間差)に初期的に設定される。
続く工程STd9では、第j段階の終了時点よりも工程STd8で設定された時間差分だけ前の時点が第j段階の開始時点よりも前の時点であるか否かが判定される。第j段階の終了時点よりも工程STd8で設定された時間差分だけ前の時点が第j段階の開始時点よりも前の時点でない場合には、処理は工程STd7に進む。第j段階の終了時点よりも工程STd8で設定された時間差分だけ前の時点が第j段階の開始時点よりも前の時点である場合には、処理は工程STd10に進む。工程STd10では、警告が発せられて、方法MTDが終了する。
工程STd7では、kが1だけ増分される。続く工程STd11では、kがKMAXより大きいか否かが判定される。KMAXは、複数のサイクルCYにおいて用いられるガス種の総数である。kがKMAX以下である場合には、処理は工程STd3に戻る。一方、kがKMAXより大きい場合には、続く工程STd12において、jが1だけ増分される。続く工程STd13では、jがJMAXよりも大きいか否かが判定される。jがJMAX以下である場合には、処理は工程STd2に戻る。一方、jがJMAXよりも大きい場合には、方法MTDは終了する。
以下、図2及び図3と共に、図11を参照して、方法MTについて詳細に説明する。図11は、一実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。方法MTでは、レシピに基づく制御部72による制御により、以下に説明する工程が実行される。まず、方法MTでは、工程ST1が実行される。工程ST1では、初回のサイクルCY(1)の第1段階S1の実行に先立って、ガス供給系55による第1の処理ガスの出力が開始される。この第1の処理ガスは第1のガスを含む。以後、各サイクルCYの第1段階S1が行われる第1の期間P1及び第2段階S2が行われる第2の期間P2にわたって、処理容器10内への第1のガスの供給が継続される。
続く工程ST2では、高周波電源36によるサセプタ16に対する高周波RF1の供給が開始される。高周波RF1の供給の開始時点は、初回のサイクルCY(1)の第1段階S1の開始時点である。以後、各サイクルCYの第1段階S1が行われる第1の期間P1及び第2段階S2が行われる第2の期間P2にわたって、サセプタ16に対する高周波RF1の供給が継続される。また、第1段階S1において高周波RF2がサセプタ16に供給される場合には、第2段階S2においてサセプタ16に供給される高周波RF2のパワーよりも低いパワーの高周波RF2の供給が、工程ST2において開始される。
なお、処理容器10内に第1のガスが供給されているが、第2のガスが供給されておらず、高周波RF1がサセプタ16に供給されている期間、即ち第1の期間P1においては、処理容器10内において、第1のガスを含む第1の処理ガスのプラズマが生成される。即ち、第1段階S1が行われることになる。
続く工程ST3においては、制御部72により、第2のガスの出力開始時点To(i)及び出力停止時点Tt(i)が決定される。具体的に、制御部72は、第2段階S2(i)の開始時点Ts(i)よりも第1の時間差Doだけ前の時点を、出力開始時点To(i)に設定する。また、制御部72は、第2段階S2(i)の終了時点Te(i)よりも第2の時間差Dtだけ前の時点を、出力停止時点Tt(i)に設定する。なお、初回のサイクルCY(1)の実行に先立って、図10を参照して説明した方法MTDが実行されている。具体的に、制御部72は、レシピ内において指定されている第2段階S2の第1のガスの流量及び第2のガスの流量に対応した第1の遅延時間を、上述した関数又はテーブルから取得する。制御部72は、初期的には、この第1の遅延時間を第1の時間差Doに設定する。また、制御部72は、初回のサイクルCY(1)の実行に先立って、レシピ内において指定されている第2段階S2の第1のガスの流量に対応した第2の遅延時間を、上述した関数又はテーブルから取得する。制御部72は、初期的には、この第2の遅延時間を第2の時間差Dtに設定する。
続く工程ST4では、出力開始時点To(i)にガス供給系55が第2のガスの出力を開始する。続く工程ST5においては、演算部150Aによる上述したパラメータの算出が開始する。演算部150Aは、出力開始時点To(i)から開始時点Ts(i)までの期間においてパラメータが第1の閾値を超えた時点で、パラメータが第1の閾値を超えたことを制御部72に通知する。一方、演算部150Aは、出力開始時点To(i)から開始時点Ts(i)までの期間においてパラメータが第1の閾値を超えなかった場合には、パラメータが第1の閾値を超えなかったことを制御部72に通知する。
続く工程ST6では、高周波RF2のサセプタ16に対する供給が開始される。高周波RF2のサセプタ16に対する供給は、第2段階S2(i)の開始時点Ts(i)に開始される。或いは、第1段階S1(i)においても高周波RF2がサセプタ16に供給されている場合には、第2段階S2(i)の開始時点Ts(i)に、サセプタ16に対して供給される高周波RF2のパワーが増加される。これにより、処理容器10内において第2の処理ガスのプラズマが生成される。
続く工程ST7では、ガス供給系55が第2のガスの出力を停止する。第2のガスの出力の停止は、出力停止時点Tt(i)に行われる。続く工程ST8においては、演算部150Aによる上述したパラメータの算出が開始する。演算部150Aは、出力停止時点Tt(i)から終了時点Te(i)までの期間においてパラメータが第2の閾値を超えた時点で、パラメータが第2の閾値を超えたことを制御部72に通知する。一方、演算部150Aは、出力停止時点Tt(i)から終了時点Te(i)までの期間においてパラメータが第2の閾値を超えなかった場合には、パラメータが第2の閾値を超えなかったことを制御部72に通知する。
続く工程ST8では、サセプタ16に対する高周波RF2の供給が停止される。サセプタ16に対する高周波RF2の供給の停止は、終了時点Te(i)に行われる。或いは、第1段階S1においても高周波RF2がサセプタ16に供給される場合には、高周波RF2のパワーが低下される。方法MTでは、工程ST6の実行から工程ST9までの実行の間に、第2段階S2が行われる。そして、工程ST9から次のサイクルCYの工程ST6までの間、第1段階S1が行われる。
続く工程ST10では、全てのサイクルCYが完了しているか否かが判定される。工程ST10において、全てのサイクルCYが完了していないと判定される場合には、第1の処理ガスの処理容器10への供給及び高周波RF1のサセプタ16への供給が継続する。即ち、サイクルCY(i+1)の第1段階S1(i+1)が進行する。
また、工程ST10において、全てのサイクルCYが完了していないと判定される場合には、工程ST11において、第1の時間差Doが調整される。具体的には、工程ST5において、パラメータが第1の閾値を超えたことが演算部150Aから制御部72に通知されている場合には、出力開始時点To(i)から開始時点Ts(i)までの期間中でパラメータが第1の閾値を超えた時点と開始時点Ts(i)との間の時間差の分、第1の時間差Doが減少される。一方、パラメータが第1の閾値を超えなかったことが演算部150Aから制御部72に通知されている場合には、第1の時間差Doが所定時間分だけ増加される。
続く工程ST12では、第2の時間差Dtが調整される。具体的には、工程ST8において、パラメータが第2の閾値を超えたことが演算部150Aから制御部72に通知されている場合には、出力停止時点Tt(i)から終了時点Te(i)までの期間中でパラメータが第2の閾値を超えた時点と終了時点Te(i)との間の時間差の分、第2の時間差Dtが減少される。一方、パラメータが第2の閾値を超えなかったことが演算部150Aから制御部72に通知されている場合には、第2の時間差Dtが所定時間分だけ増加される。
続く工程ST13では、演算部150Aにおいて、上述したように第1の閾値及び第2の閾値が調整される。その後、工程ST3に進む。一方、工程ST10において、全てのサイクルCYが完了していると判定されると、方法MTの実施が終了する。
ガス供給系55が第2のガスの出力を開始した時点に対して当該第2のガスが処理容器10内に供給される時点の遅延時間は、第2段階S2における第1のガスの流量及び第2のガスの流量に依存する。方法MTでは、関数又はテーブルが予め準備されており、当該関数又はテーブルが、第1のガスの流量及び第2のガスの流量に、ガス供給系55が第2のガスの出力を開始した時点から当該第2のガスが処理容器内に供給されるまでの遅延時間を関連付けている。そして、制御部72が、当該関数又はテーブルを用いて、レシピにおいて指定された第2段階S2の第1のガスの流量及び第2のガスの流量に関連付けられた第1の遅延時間を特定し、当該第1の遅延時間を第1の時間差Doに初期的に設定する。第1の時間差Doは、高周波RF2の供給を開始する開始時点Ts(i)を基準に、第2のガスの出力を開始する出力開始時点To(i)を決定する。このように、方法MTでは、第2のガスの出力を開始する出力開始時点To(i)を、高周波RF2の供給を開始する時点を基準に定める時間差(即ち、第1の時間差Do)を、レシピに応じて自動的に決定することができる。また、方法MTによれば、第2のガスが処理容器10内に供給される時点と高周波RF2がサセプタ16に供給される時点との時間差が低減される。
また、ガス供給系55が第2のガスの出力を停止した時点に対して処理容器10内への第2のガスの供給が終了する時点は遅延するが、第2段階S2の終了時点と処理容器内への第2のガスの供給が終了する時点との間の時間差は小さいことが望ましい。上述したように、ガス供給系55が第2のガスの出力を停止した時点に対して処理容器10内への第2のガスの供給が終了する時点の遅延時間は、第2段階S2における第1のガスの流量に依存する。方法MTでは、制御部72が、関数又はテーブルを用いて、レシピにおいて指定された第1のガスの流量に応じた第2の遅延時間を特定し、初期的に第2の遅延時間を第2の時間差Dtに設定する。第2の時間差Dtは、第2段階S2の終了時点Te(i)を基準に第2のガスの出力を停止する出力停止時点Tt(i)を決定する。このように、方法MTでは、第2のガスの出力を停止する出力停止時点Tt(i)を第2段階S2(i)の終了時点Te(i)を基準に定める時間差(即ち、第2の時間差Dt)を、レシピに応じて自動的に決定することができる。また、方法MTによれば、第2のガスの処理容器10内への供給が終了する時点と第2段階S2の終了時点Teとの間の時間差を低減することができる。
また、第2のガスが処理容器10内に供給されるとプラズマのインピーダンスが変化するので、上記パラメータが上昇する。方法MTでは、このパラメータが第1の閾値を超えた時点が、第2のガスが処理容器10内に供給された時点として用いられる。そして、パラメータが第1の閾値を超えた時点が第2の期間P2(i)の開始時点Ts(i)よりも前である場合には、第2の期間P2(i)の開始時点Ts(i)よりも前に第2のガスが処理容器10内に供給されているものと判断されて、後続のサイクルCY(i+1)における出力開始時点To(i+1)を遅らせるために、第1の時間差Doが調整される。これにより、第2のガスが処理容器10内に供給される時点と高周波RF2がサセプタ16に供給される時点との間の時間差が低減される。
また、出力開始時点To(i)から第2の期間P2(i)の開始時点Ts(i)までの間にパラメータが第1の閾値を超えない場合には、第2の期間P2(i)の開始時点Ts(i)までに第2のガスが処理容器10内に十分に供給されていない可能性がある。方法MTでは、出力開始時点To(i)から第2の期間P2(i)の開始時点Ts(i)までの間にパラメータが第1の閾値を超えない場合には、後続のサイクルCY(i+1)における出力開始時点To(i+1)を早めるために、第1の時間差Doが調整される。これにより、第2のガスが処理容器10内に供給される時点と高周波RF2がサセプタ16に供給される時点との間の時間差が低減される。
また、第2のガスの処理容器10内への供給が終了するとプラズマのインピーダンスが変化するので、上記パラメータが上昇する。方法MTでは、このパラメータが第2の閾値を超えた時点が、第2のガスの処理容器10内への供給が終了した時点として用いられる。そして、パラメータが第2の閾値を超えた時点が第2の期間P2(i)の終了時点Te(i)よりも前である場合には、第2の期間P2(i)の終了時点Te(i)よりも前に第2のガスの処理容器10内への供給が終了しているものと判断されて、後続のサイクルCY(i+1)における出力停止時点Tt(i+1)を遅らせるために、第2の時間差Dtが調整される。これにより、第2のガスの処理容器10内への供給が終了する時点と第2段階S2の終了時点Te(i)との間の時間差が低減される。
また、出力停止時点Tt(i)から第2の期間P2(i)の終了時点Te(i)までの間にパラメータが第2の閾値を超えない場合には、第2の期間P2(i)の終了時点Te(i)においても第2のガスが処理容器10内に供給されている可能性がある。上記実施形態では、出力停止時点Tt(i)から第2の期間P2(i)の終了時点Te(i)までの間にパラメータが第2の閾値を超えない場合には、後続のサイクルCY(i+1)における出力停止時点Tt(i+1)を早めるために、第2の時間差が調整される。これにより、第2のガスの処理容器10内への供給が終了する時点と第2段階S2の終了時点Te(i)との間の時間差が低減される。
以下、別の実施形態について説明する。別の実施形態の方法MTでは、少なくとも第2段階S2において、高周波RF1及び高周波RF2それぞれの周波数が調整される。また、更なる実施形態では、少なくとも第2段階S2において、高周波RF1及び高周波RF2それぞれの周波数に加えて、高周波RF1のパワー及び高周波RF2のパワーが調整される。以下では、図12〜図15を参照して、この実施形態の方法MTの実行のために、高周波電源36、整合器40、高周波電源38、整合器42に代えてプラズマ処理装置1に採用される高周波電源36A、整合器40A、高周波電源38A、整合器42Aについて説明する。図12は、高周波電源36A及び整合器40Aの構成を示す図である。図13は、高周波電源36Aのインピーダンスセンサの構成を示す図である。図14は、高周波電源38A及び整合器42Aの構成を示す図である。図15は、高周波電源38Aのインピーダンスセンサの構成を示す図である。
図12に示すように、高周波電源36Aは、高周波電源36と同様に、発振器36a、パワーアンプ36b、パワーセンサ36c、及び、電源制御部36eを有している。高周波電源36Aは、インピーダンスセンサ36dを更に有している。以下、高周波電源36Aの各要素に関して、高周波電源36の対応の要素と異なる点を説明する。また、インピーダンスセンサ36dについても説明する。
高周波電源36Aの電源制御部36eは、第2段階S2が行われる第2の期間P2内の第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれにおける高周波RF1の周波数を設定する周波数制御信号を発振器36aに与えるようになっている。具体的に、電源制御部36eは、インピーダンスセンサ36dから、過去のサイクルCYの第1の副期間Ps1の高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp11及び過去のサイクルCYの第2の副期間Ps2の高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp12を受ける。そして、電源制御部36eは、移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれる場合には、移動平均値Imp11から推定される第1の副期間Ps1の高周波電源36Aの負荷インピーダンス及び移動平均値Imp12から推定される第2の副期間Ps2の高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるために、第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF1の周波数を設定する周波数制御信号を発振器36aに与える。発振器36aは、当該周波数制御信号に応じて、第1の副期間Ps1の高周波の周波数及び第2の副期間Ps2の高周波の周波数を設定する。一方、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれない場合には、電源制御部36eは、高周波電源36Aに関するインピーダンス整合を、整合器40Aに行わせるために、整合器40Aに制御信号を送出する。なお、負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるとは、負荷インピーダンスを理想的には整合ポイントに一致させることを意味する。また、「所定の調整範囲」は、高周波RF1の周波数の調整により、高周波電源36Aの負荷インピーダンスを高周波電源36Aの出力インピーダンス又は整合ポイントに整合させることが可能な範囲である。
パワーアンプ36bは、発振器36aから出力された高周波を増幅することにより高周波RF1を生成し、当該高周波RF1を出力する。このパワーアンプ36bは、電源制御部36eによって制御される。具体的には、電源制御部36eは、制御部72によって指定されるパワーの高周波RF1を出力するよう、パワーアンプ36bを制御する。
一実施形態において、電源制御部36eは、第1の副期間Ps1の高周波RF1のパワーが第2の副期間Ps2の高周波RF1のパワーよりも大きくなるように、パワーアンプ36bを制御してもよい。例えば、第1の副期間Ps1の高周波RF1のパワーは、第1の副期間Ps1の反射波パワー測定値PR11又は所定数の第1の副期間Ps1の反射波パワー測定値PR11の移動平均値に応じて、プラズマに結合される高周波RF1のパワーが所定のパワーとなるように、設定され得る。また、第2の副期間Ps2の高周波RF1のパワーは、第2の副期間Ps2の反射波パワー測定値PR11又は所定数の第2の副期間Ps2の反射波パワー測定値PR11の移動平均値に応じて、プラズマに結合される高周波RF1のパワーが所定のパワーとなるように、設定され得る。
インピーダンスセンサ36dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2のそれぞれの実行期間(第2の期間P2)内の第1の副期間Ps1における高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp11を求める。また、インピーダンスセンサ36dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2のそれぞれの実行期間(第2の期間P2)内の第2の副期間Ps2における高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp12を求める。図2に示すように、第1の副期間Ps1は、第2段階S2の実行期間(第2の期間P2)内において、高周波RF2の供給の開始時点から当該実行期間(第2の期間P2)の途中までの間の期間である。第2の副期間Ps2は、第2段階S2のそれぞれの実行期間(第2の期間P2)内において、当該途中から当該実行期間(第2の期間P2)の終了時点までの間の期間である。
第1の副期間Ps1の時間長及び第2の副期間Ps2の時間長は、電源制御部36eによって指定される。例えば、第1の副期間Ps1の時間長は電源制御部36eが記憶してる所定の時間長であってもよく、第2の副期間Ps2の時間長は電源制御部36eが記憶してる別の所定の時間長であってもよい。或いは、電源制御部36eは、上述の反射波パワー測定値PR11の時系列から、第2の期間P2において反射波パワー測定値PR11が所定値以下に安定する期間を第2の副期間Ps2に設定し、第2の期間P2において当該第2の副期間Ps2よりも前の期間を第1の副期間Ps1に設定してもよい。
図13に示すように、インピーダンスセンサ36dは、電流検出器102C、電圧検出器104C、フィルタ106C、フィルタ108C、平均値演算器110C、平均値演算器112C、移動平均値演算器114C、移動平均値演算器116C、及び、インピーダンス演算器118Cを有している。
電圧検出器104Cは、給電ライン43上で伝送される高周波RF1の電圧波形を検出し、当該電圧波形を表す電圧波形アナログ信号を出力する。この電圧波形アナログ信号は、フィルタ106Cに入力される。フィルタ106Cは、入力された電圧波形アナログ信号をデジタル化することにより、電圧波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ106Cは、電源制御部36eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF1の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。なお、フィルタ106Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
フィルタ106Cによって生成された濾過電圧波形信号は、平均値演算器110Cに出力される。平均値演算器110Cには、電源制御部36eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2を特定する副期間特定信号が与えられる。平均値演算器110Cは、濾過電圧波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第1の副期間Ps1における電圧の平均値VA11を求める。また、平均値演算器110Cは、濾過電圧波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第2の副期間Ps2における電圧の平均値VA12を求める。なお、平均値演算器110Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
平均値演算器110Cによって求められた平均値VA11及び平均値VA12は、移動平均値演算器114Cに出力される。移動平均値演算器114Cは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値VA11のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの第2段階S2における第1の副期間Ps1について求められた所定個の平均値VA11の移動平均値(移動平均値VMA11)を求める。また、移動平均値演算器114Cは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値VA12のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの第2段階S2における第2の副期間Ps2について求められた所定個の平均値VA12の移動平均値(移動平均値VMA12)を求める。移動平均値演算器114Cによって求められた移動平均値VMA11及びVMA12は、インピーダンス演算器118Cに出力される。なお、移動平均値演算器114Cは、例えば、CPU、又は、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
電流検出器102Cは、給電ライン43上で伝送される高周波RF1の電流波形を検出し、当該電流波形を表す電流波形アナログ信号を出力する。この電流波形アナログ信号は、フィルタ108Cに入力される。フィルタ108Cは、入力された電流波形アナログ信号をデジタル化することにより、電流波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ108Cは、電源制御部36eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF1の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。なお、フィルタ108Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
フィルタ108Cによって生成された濾過電流波形信号は、平均値演算器112Cに出力される。また、平均値演算器112Cには、電源制御部36eから上述の副期間特定信号が与えられる。平均値演算器112Cは、濾過電流波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第1の副期間Ps1における電流の平均値IA11を求める。また、平均値演算器112Cは、濾過電流波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第2の副期間Ps2における電流の平均値IA12を求める。なお、平均値演算器112Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
平均値演算器112Cによって求められた平均値IA11及び平均値IA12は、移動平均値演算器116Cに出力される。移動平均値演算器116Cは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値IA11のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの段階S2における第1の副期間Ps1について求められた所定個の平均値IA11の移動平均値(移動平均値IMA11)を求める。また、移動平均値演算器116Cは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値IA12のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの第2段階S2における第2の副期間Ps2について求められた所定個の平均値IA12の移動平均値(移動平均値IMA12)を求める。移動平均値演算器116Cによって求められた移動平均値IMA11及びIMA12は、インピーダンス演算器118Cに出力される。なお、移動平均値演算器116Cは、例えば、CPU、又は、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
インピーダンス演算器118Cは、移動平均値IMA11及び移動平均値VMA11から、高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp11を求める。この移動平均値Imp11は、絶対値と位相成分を含む。また、インピーダンス演算器118Cは、移動平均値IMA12及び移動平均値VMA12から、高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp12を求める。この移動平均値Imp12は、絶対値と位相成分を含む。インピーダンス演算器118Cによって求められた移動平均値Imp11及びImp12は、電源制御部36eに出力される。移動平均値Imp11及びImp12は、上述したように電源制御部36eにおいて、高周波RF1の周波数の設定のために用いられる。
図12に戻り、整合器40Aは、整合器40と同様に、整合回路40a、センサ40b、コントローラ40c、並びに、アクチュエータ40d及び40eを有している。以下、整合器40Aの各要素に関して、整合器40の対応の要素と異なる点を説明する。
整合器40Aのセンサ40bは、インピーダンスセンサ36dと同様に、電源制御部36eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF1の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。そして、センサ40bは、濾過電圧波形信号をコントローラ40cに出力する。また、整合器40Aのセンサ40bは、インピーダンスセンサ36dと同様に、電源制御部36eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF1の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。センサ40bは、濾過電流波形信号をコントローラ40cに出力する。
整合器40Aのコントローラ40cは、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれない場合に電源制御部36eから送出される上記の制御信号を受けると、移動平均値Imp11と移動平均値Imp12の平均値によって特定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御する。或いは、整合器40Aのコントローラ40cは、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれない場合に電源制御部36eから送出される上記の制御信号を受けると、移動平均値Imp12によって特定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御する。
以下、図14を参照する。図14に示すように、高周波電源38Aは、高周波電源38と同様に、発振器38a、パワーアンプ38b、パワーセンサ38c、及び、電源制御部38eを有している。高周波電源38Aは、インピーダンスセンサ38dを更に有している。以下、高周波電源38Aの各要素に関して、高周波電源38の対応の要素と異なる点を説明する。また、インピーダンスセンサ38dについても説明する。
高周波電源38Aの電源制御部38eは、第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれにおける高周波RF2の周波数を設定する周波数制御信号を発振器38aに与えるようになっている。具体的に、電源制御部38eは、インピーダンスセンサ38dから、過去のサイクルCYの第1の副期間Ps1の負荷インピーダンスの移動平均値Imp21及び過去のサイクルCYの第2の副期間Ps2の負荷インピーダンスの移動平均値Imp22を受ける。そして、電源制御部38eは、移動平均値Imp21及び移動平均値Imp22が所定の調整範囲内に含まれる場合には、移動平均値Imp21から推定される第1の副期間Ps1の高周波電源38Aの負荷インピーダンス及び移動平均値Imp22から推定される第2の副期間Ps2の高周波電源38Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるために、第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF2の周波数を設定する周波数制御信号を発振器38aに与える。発振器38aは、当該周波数制御信号に応じて、第1の副期間Ps1の高周波の周波数及び第2の副期間Ps2の高周波の周波数を設定する。一方、電源制御部38eは、移動平均値Imp21又は移動平均値Imp22が所定の調整範囲内に含まれない場合には、高周波電源38Aに関するインピーダンス整合を、整合器42Aに行わせるために、整合器42Aに制御信号を送出する。なお、「所定の調整範囲」は、高周波RF2の周波数の調整により、高周波電源38Aの負荷インピーダンスを高周波電源38Aの出力インピーダンス又は整合ポイントに整合させることが可能な範囲である。
パワーアンプ38bは、発振器38aから出力された高周波を増幅することにより高周波RF2を生成し、当該高周波RF2を出力する。このパワーアンプ38bは、電源制御部38eによって制御される。具体的には、電源制御部38eは、制御部72によって指定されるパワーの高周波RF2を出力するよう、パワーアンプ38bを制御する。
一実施形態において、電源制御部38eは、第1の副期間Ps1の高周波RF2のパワーが第2の副期間Ps2の高周波RF2のパワーよりも大きくなるように、パワーアンプ38bを制御してもよい。例えば、第1の副期間Ps1の高周波RF2のパワーは、第1の副期間Ps1の反射波パワー測定値PR21又は所定数のサイクルCYの第1の副期間Ps1の反射波パワー測定値PR21の移動平均値に応じて、プラズマに結合される高周波RF2のパワーが所定のパワーとなるように、設定され得る。また、第2の副期間Ps2の高周波RF2のパワーは、第2の副期間Ps2の反射波パワー測定値PR21又は所定数のサイクルCYの第2の副期間Ps2の反射波パワー測定値PR21の移動平均値に応じて、プラズマに結合される高周波RF2のパワーが所定のパワーとなるように、設定され得る。
インピーダンスセンサ38dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2のそれぞれの実行期間(第2の期間P2)内の第1の副期間Ps1における高周波電源38Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp21を求める。また、インピーダンスセンサ38dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2のそれぞれの実行期間(第2の期間P2)内の第2の副期間Ps2における高周波電源38Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp22を求める。なお、電源制御部38eは、電源制御部36eと同様に、第1の副期間Ps1の所定の時間長及び第2の副期間Ps2の別の所定の時間長を記憶していてもよい。或いは、電源制御部38eは、電源制御部36eと同様に、上述の反射波パワー測定値PR21の時系列から、第2の期間P2において反射波パワー測定値PR21が所定値以下に安定する期間を第2の副期間Ps2に設定し、第2の期間P2において当該第2の副期間Ps2よりも前の期間を第1の副期間Ps1に設定してもよい。
図15に示すように、インピーダンスセンサ38dは、電流検出器102D、電圧検出器104D、フィルタ106D、フィルタ108D、平均値演算器110D、平均値演算器112D、移動平均値演算器114D、移動平均値演算器116D、及び、インピーダンス演算器118Dを有している。
電圧検出器104Dは、給電ライン45上で伝送される高周波RF2の電圧波形を検出し、当該電圧波形を表す電圧波形アナログ信号を出力する。この電圧波形アナログ信号は、フィルタ106Dに入力される。フィルタ106Dは、入力された電圧波形アナログ信号をデジタル化することにより、電圧波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ106Dは、電源制御部38eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF2の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。なお、フィルタ106Dは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
フィルタ106Dによって生成された濾過電圧波形信号は、平均値演算器110Dに出力される。平均値演算器110Dには、電源制御部38eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2を特定する副期間特定信号が与えられる。平均値演算器110Dは、濾過電圧波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第1の副期間Ps1における電圧の平均値VA21を求める。また、平均値演算器110Dは、濾過電圧波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第2の副期間Ps2における電圧の平均値VA22を求める。なお、平均値演算器110Dは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
平均値演算器110Dによって求められた平均値VA21及び平均値VA22は、移動平均値演算器114Dに出力される。移動平均値演算器114Dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値VA21のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの第2段階S2における第1の副期間Ps1について求められた所定個の平均値VA21の移動平均値(移動平均値VMA21)を求める。また、移動平均値演算器114Dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値VA22のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの第2段階S2における第2の副期間Ps2について求められた所定個の平均値VA22の移動平均値(移動平均値VMA22)を求める。移動平均値演算器114Dによって求められた移動平均値VMA21及びVMA22は、インピーダンス演算器118Dに出力される。なお、移動平均値演算器114Dは、例えば、CPU、又は、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
電流検出器102Dは、給電ライン45上で伝送される高周波RF2の電流波形を検出し、当該電流波形を表す電流波形アナログ信号を出力する。この電流波形アナログ信号は、フィルタ108Dに入力される。フィルタ108Dは、入力された電流波形アナログ信号をデジタル化することにより、電流波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ108Dは、電源制御部38eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF2の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。なお、フィルタ108Dは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
フィルタ108Dによって生成された濾過電流波形信号は、平均値演算器112Dに出力される。また、平均値演算器112Dには、電源制御部38eから上述の副期間特定信号が与えられる。平均値演算器112Dは、濾過電流波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第1の副期間Ps1における電流の平均値IA21を求める。また、平均値演算器112Dは、濾過電流波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した各第2の期間P2内の第2の副期間Ps2における電流の平均値IA22を求める。なお、平均値演算器112Dは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
平均値演算器112Dによって求められた平均値IA21及び平均値IA22は、移動平均値演算器116Dに出力される。移動平均値演算器116Dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値IA21のうち、直近に実行された所定数のサイクルCYの第2段階S2における第1の副期間Ps1について求められた所定個の平均値IA21の移動平均値(移動平均値IMA21)を求める。また、移動平均値演算器116Dは、実行済のサイクルCYの第2段階S2に関して既に得られている複数の平均値IA22のうち、直近に実行された所定数の第2段階S2における第2の副期間Ps2について求められた所定個の平均値IA22の移動平均値(移動平均値IMA22)を求める。移動平均値演算器116Dによって求められた移動平均値IMA21及びIMA22は、インピーダンス演算器118Dに出力される。なお、移動平均値演算器116Dは、例えば、CPU、又は、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。
インピーダンス演算器118Dは、移動平均値IMA21及び移動平均値VMA21から、高周波電源38Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp21を求める。この移動平均値Imp21は、絶対値と位相成分を含む。また、インピーダンス演算器118Dは、移動平均値IMA22及び移動平均値VMA22から、高周波電源38Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp22を求める。この移動平均値Imp22は、絶対値と位相成分を含む。インピーダンス演算器118Dによって求められた移動平均値Imp21及びImp22は、電源制御部38eに出力される。移動平均値Imp21及びImp22は、上述したように電源制御部38eにおいて、高周波RF2の周波数の設定のために用いられる。
図14に戻り、整合器42Aは、整合器42と同様に、整合回路42a、センサ42b、コントローラ42c、並びに、アクチュエータ42d及び42eを有している。以下、整合器42Aの各要素に関して、整合器42の対応の要素と異なる点を説明する。
整合器42Aのセンサ42bは、インピーダンスセンサ38dと同様に、電源制御部38eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF2の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。そして、センサ42bは、濾過電圧波形信号をコントローラ42cに出力する。また、整合器42Aのセンサ42bは、インピーダンスセンサ38dと同様に、電源制御部38eから第1の副期間Ps1及び第2の副期間Ps2それぞれの高周波RF2の周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。センサ42bは、濾過電流波形信号をコントローラ42cに出力する。
整合器42Aのコントローラ42cは、移動平均値Imp21又は移動平均値Imp22が所定の調整範囲内に含まれない場合に電源制御部38eから送出される上記の制御信号を受けると、移動平均値Imp21と移動平均値Imp22の平均値によって特定される高周波電源38Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ42d及び42eを制御する。或いは、整合器42Aのコントローラ42cは、移動平均値Imp21又は移動平均値Imp22が所定の調整範囲内に含まれない場合に電源制御部38eから送出される上記の制御信号を受けると、移動平均値Imp22によって特定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ42d及び42eを制御する。
以下、図12〜図15を参照して説明した高周波電源36A、整合器40A、高周波電源38A、及び、整合器42Aを有するプラズマ処理装置1において行われるインピーダンス整合の方法について説明する。図16は、別の実施形態にかかるプラズマ処理方法において実行されるインピーダンス整合の方法を示す流れ図である。
図16に示すインピーダンス整合の方法MTIは、方法MTにおける第2段階S2において用いられる。第2段階S2以外の他の段階においては、整合器40及び整合器42に関して上述したインピーダンス整合が行われ得る。
方法MTの実施の初期においては、サイクルCYが上述した移動平均値Imp11、移動平均値Imp12、移動平均値Imp21、及び、移動平均値Imp22を求めるに足る回数、実行されていない。したがって、方法MTの実施の初期においては、上述した平均値VA11、平均値IA11、平均値VA12、平均値IA12、平均値VA21、平均値IA21、平均値VA22、及び、平均値IA22の算出、並びに、これらの蓄積のみが行われる。
サイクルCYが移動平均値Imp11、移動平均値Imp12、移動平均値Imp21、及び、移動平均値Imp22を求めるに足る回数だけ実行された後には、インピーダンスセンサ36dにおいて移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が求められ、インピーダンスセンサ38dにおいて移動平均値Imp21及び移動平均値Imp22が求められる。
移動平均値Imp11、移動平均値Imp12、移動平均値Imp21、及び、移動平均値Imp22が求められた後には、各サイクルCYの第2段階S2において、図16に示すように、判定J20が行われる。判定J20では、移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が上述した調整可能範囲内にあるか否かが電源制御部36eによって判定される。また、移動平均値Imp21及び移動平均値Imp22が上述した調整可能範囲内にあるか否かが電源制御部38eによって判定される。
移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が上述した調整可能範囲内にあると判定された場合には、工程ST21において、電源制御部36eは、上述したように、第1の副期間Ps1における高周波RF1の周波数を設定し、第2の副期間Ps2における高周波RF1の周波数を設定する。続く工程ST22において、電源制御部36eは、上述したように、第1の副期間Ps1における高周波RF1のパワーを設定し、第2の副期間Ps2における高周波RF2のパワーを設定する。また、移動平均値Imp21及び移動平均値Imp22が上述した調整可能範囲内にあると判定された場合には、工程ST21において、電源制御部38eは、上述したように、第1の副期間Ps1における高周波RF2の周波数を設定し、第2の副期間Ps2における高周波RF2の周波数を設定する。続く工程ST22において、電源制御部38eは、上述したように、第1の副期間Ps1における高周波RF2のパワーを設定し、第2の副期間Ps2における高周波RF2のパワーを設定する。
一方、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が上述した調整可能範囲内にないと判定された場合には、工程ST23において、高周波電源36Aに関するインピーダンス整合を整合器40Aに行わせるために、電源制御部36eから整合器40Aに制御信号が送出される。この制御信号を受けた整合器40Aのコントローラ40cは、上述したように、高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御する。また、移動平均値Imp21又は移動平均値Imp22が上述した調整可能範囲内にないと判定された場合には、工程ST23において、高周波電源38Aに関するインピーダンス整合を整合器42Aに行わせるために、電源制御部38eから整合器42Aに制御信号が送出される。この制御信号を受けた整合器42Aのコントローラ42cは、上述したように、高周波電源38Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ42d及び42eを制御する。
第2段階S2における第1の副期間Ps1は、高周波RF2の供給の開始時点を含む期間であるので、第1の副期間Ps1では、給電ライン43における反射波が、第2の副期間Ps2における反射波よりも大きくなり得る。これは、高周波電源36Aの負荷インピーダンスの変動によるものである。この現象については、高周波RF2についても同様である。したがって、高周波RF1の反射波を減少させるためには、第1の副期間Ps1と第2の副期間Ps2それぞれの高周波電源36Aの負荷インピーダンスを個別に高周波電源36Aの出力インピーダンスに整合させる必要がある。また、高周波RF2の反射波を減少させるためには、第1の副期間Ps1と第2の副期間Ps2それぞれの高周波電源38Aの負荷インピーダンスを個別に高周波電源38Aの出力インピーダンスに整合させる必要がある。図16に示したインピーダンス整合の方法MTIによれば、実行済のサイクルCYの第2段階S2の第1の副期間Ps1の高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値(移動平均値Imp11)によって推定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを高周波電源36Aの出力インピーダンスに近づけるよう、高周波RF1の周波数が調整される。また、第2の副期間Ps2における高周波RF1の周波数は、移動平均値Imp12に基づき、同様に調整される。また、第1の副期間Ps1における高周波RF2の周波数は、移動平均値Imp21に基づき、同様に調整される。また、第2の副期間Ps2における高周波RF2の周波数は、移動平均値Imp22に基づき、同様に調整される。高周波電源36A及び高周波電源38Aは、高速に高周波の周波数を変更することができるので、方法MTIによれば、負荷インピーダンスの変化に高速に追従してインピーダンス整合を行うことが可能となる。
また、工程ST22によれば、第1の副期間Ps1においてプラズマに結合される高周波RF1のパワーが不足する場合には、高周波RF1のパワーを補うことができる。また、工程ST22によれば、第1の副期間Ps1においてプラズマに結合される高周波RF2のパワーが不足する場合には、高周波RF2のパワーを補うことができる。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、高周波電源36及び高周波電源36Aは、上部電極46に高周波RF1を供給するように構成されていてもよい。また、方法MTが適用されるプラズマ処理装置は、容量結合型のプラズマ処理装置に限定されるものではない。方法MTは、第1電極及び第2電極を有する任意のプラズマ処理装置、例えば、誘導結合型のプラズマ処理装置にも適用され得る。
また、上述した方法MTにおける複数のサイクルCYの各々は第1段階S1及び第2段階S2を含むサイクルであったが、複数のサイクルCYの各々が、第1段階S1の前に、又は、第2段階S2の後に、一以上の別の段階を含んでいてもよい。例えば、複数のサイクルCYの各々が第2段階S2の後に第3段階を含み、当該第3段階において、第1のガスと第1のガスに添加された第3のガスを含む第3の処理ガスが処理容器10内に供給され、第3段階S3における高周波RF2のパワーが第2段階S2における高周波RF2のパワーよりも低下されてもよい。この場合に、上述した出力開始時点Toの決定手法と同様に、関数又はテーブルから第1のガスの流量及び第3のガスの流量に対応する第3の遅延時間を特定して、第3段階の開始時点と当該開始時点よりも前の第3のガスの出力開始時点との第3の時間差を、初期的に第3の遅延時間を用いて決定してもよく、この第3の時間差を第1の時間差と同様に調整してもよい。また、上述した出力停止時点Ttの決定手法と同様に、関数又はテーブルから第1のガスの流量に対応する第4の遅延時間を特定して、第3段階の終了時点と当該終了時点よりも前の第3のガスの出力停止時点との第4の時間差を、初期的に第4の遅延時間を用いて決定してもよく、この第4の時間差を第2の時間差と同様に調整してもよい。