JP6538857B2 - 弦楽器のネックとボディの接続装置及び該装置を備える弦楽器 - Google Patents

Description

本発明は、例えばギターといった弦楽器の分野に関する。

本発明は、特には、弦楽器のネックとボディの接続装置及び該装置を備える弦楽器に関する。

音楽業界では、演奏者において、自らが演奏する楽器に対して、自分の演奏スタイルに合うように調整が可能であって欲しいという要求が高まってきている。大規模な楽器メーカーは、著名な音楽家によって特別に注文されたオーダーメイドの楽器、例えばギター、を製造することがある。そのような著名音楽家は、新しいサウンドや、あるいは自分の演奏スタイルへのより一層の適合といったものを求めて、そのギターのいくつかの部分を他のものと交換するよう注文することもある。

しかしながら、左程著名ではない独立系ミュージシャンにとっては、費用面において、オーダーメイドのギターを作ることが常にオプションとなり得るわけでない。また、現在市販されているギターにあっては、そのギターのいくつかの部位を他のものと交換すること、例えば、ギターのブリッジをサイズの異なる別のものに変えることはできない。

本発明は、製造者の手を借りることなく、効率よく簡単な方法で弦楽器のネック及びボックスを接続でき、かつ容易に取り外すのに使用することのできる装置を提供することを目的とする。

本発明の他の目的は、前記ネックを前記ボックスに接続できる前記装置を備えた弦楽器を提供することである。

特に、本発明は、弦楽器のボディにネックを接続するための装置であって、該装置は、互いに形状的に係合する第１コンポーネント及び第２コンポーネントを備え、前記第１コンポーネントは該弦楽器の前記ネックに、かつ、前記第２コンポーネントは該弦楽器の前記ボディにそれぞれ接続可能とされており、さらに、前記第２コンポーネントに対する前記第１コンポーネントの接触位置を異なる角度に調節するための調節手段を備え、かつ、前記第２コンポーネントに対する前記第１コンポーネントの相対位置を固定するための固定手段を備えることを特徴とする。このように、該楽器のボディに対するネックの角度位置が調節できるため、ブリッジとネックの回転中心との間における各弦の距離を一定に保持したまま異なったサイズのブリッジを設けることが可能である。というのは、ネックの回転中心は常に、ネック上方にある各弦の一つと一致する点に位置するからである。

好ましくは、前記第１コンポーネント及び第２コンポーネントを調節する前記手段は、それぞれ、互いに形状係合する歯状接触曲面を備えている。

好ましくは、前記調節手段は、前記第２コンポーネントの内部に配置された、互いに適合する歯状接触曲面を各々備えた二つの部分を有し、これら双方の部分は、少なくとも一つの貫通孔を有し、該貫通孔に沿って少なくとも一つの固定コンポーネントが設けられており、該固定コンポーネントの先端は前記第１コンポーネントに取り付けられている。

好ましくは、前記固定手段は、少なくとも一つのボルトタイプのネジ付きコンポーネントを備える。

本発明の他の特徴によれば、本発明による接続装置によってネックに接続されたボックスを備えて製造された弦楽器が開示されている。特に、この弦楽器はギターである。

以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態により、本発明をより詳細に説明する。

ボディ及びネックが本発明による接続装置によって接続されてなる弦楽器を上部すなわち前面から見た斜視図である（弦は図示省略）。 ボディ及びネックが本発明による接続装置によって接続されてなる弦楽器を底部すなわち背面から見た斜視図である。 本発明による接続装置を一部断面で示す斜視図である。 弦楽器のネックとボディと接続する本発明による接続装置を示す分解図である。 本発明による接続装置が部分的に装着され、該弦楽器のネック及びボディ間の第１位置をとる弦楽器の側面図である。 本発明による接続装置が部分的に装着され、該弦楽器のネック及びボディ間の第２位置をとる弦楽器の側面図である。 本発明に係る弦楽器の拡大分解図である（弦は図示省略）。

図１ないし図７は、例えば、ボディ又はボックス１１、ネック１２、及び先端のヘッド１３を備えてなるギター１といった弦楽器における本発明のいくつかの特徴を示している。

図３ないし図６は本発明の第１態様を示している。特に図３は、第１コンポーネント２１を示している。第１コンポーネント２１は、ネック２１の一部として構成されるか、あるいは、少なくとも一つの固定コンポーネント（図示せず）によってネック１２に接続されるようにすることができる。図３はまた第２コンポーネント２２を示している。第２コンポーネント２２は、ギター１の前記ボディ１の一部として構成されるか、あるいは、少なくとも一つの固定コンポーネント（図示せず）によってボディ１に接続されるようにすることができる。これら第１コンポーネント２１及び第２コンポーネント２２はそれぞれ、互いに適合し、かつ、とりわけ例えばボルト、ロッド又はスタッドとすることのできるネジ付き固定コンポーネント２２３によって互いに結合される面を有している。該固定コンポーネント２２３は前記第１コンポーネント２１に設けられた孔又はオリフィス内に装着されている。

さらに、前記第２コンポーネント２２は、図３及び図４に示すように、前記ギター１のボディ１１に対するネック１２の角度を調節するための調節機構２を備えている。該調節機構２は、それぞれが互いの形状に起因して係合する曲面を有した第３コンポーネント２２１及び第４コンポーネント２２２を備える。さらに、第３コンポーネント２２１及び第４コンポーネント２２２はそれぞれ貫通孔を有しており、これら貫通孔を前記ネジ付き固定コンポーネント２２３が貫通し、前記第１コンポーネント２１に設けられた前記孔又はオリフィス２１０内に固定される。

図５に示すように、前記第３コンポーネント２２１及び第４コンポーネント２２２は、第３コンポーネント２２１がロックされかつ部位５及び６にて第２コンポーネント２２に当接するように、第２コンポーネント２２の内部に構成されている。第４コンポーネント２２２は、噛合適合曲面に沿って、第３コンポーネント２２１に対し傾くことができる。

このように、図５に示す示される第３コンポーネント２２１に対する第４コンポーネント２２２の構成によって、ネック１２はギターのボディ１１に対して位置整合されるものとなり、換言すれば、ギター１のボディ１１に対するネック１２の明確なスロープは存在しない。

しかしながら、図６において、第４コンポーネント２２２は第３コンポーネント２２１の前記噛合適合曲面に対して傾斜しており、このため、第１コンポーネント２１は第２コンポーネント２２に対して傾いている。つまりは、ネック１２がギター１のボディ１１に対して傾斜している。第１コンポーネント２１の回転円の中心、つまりはネック１２の回転中心が常に、ネックの上方の弦上の或る点に位置していることが重要である。これにより、サイズの異なるブリッジ１３０をギター１上に配置しても、その後、各弦の前記ブリッジ（どのようなサイズや形状のものでも）とネックの回転中心３との間の距離が一定に維持されるようにネックを調節できる。何故なら、ネック１２の前記回転中心３が常にネック１２上方の弦４の一つと一致する点に位置するからである。

噛合適合曲面を介し第３コンポーネント２２１に対して第４コンポーネント２２２を傾けることによって、ボディ１１に対するネック１２の傾斜を段階的に調節することが可能となる。

この機構２を使用してボディ１１に対してネック１２を調節することによって、ギタリストはギター１のボディ１１のブリッジ１３０を別の形態のブリッジと交換することが出来、これにより、従来のギターでは不可能であった、より広いレンジの音を提供できるようになる。

従って、楽器のボディ１１に対するネック１２の角度位置を調節できるので、各弦をそれらブリッジとネック１２の回転中心３との間において一定の距離に維持しながら、色々なサイズのブリッジを利用することができるようになる。

また、図１、図２及び図７から解るように、このギター１は、とりわけ、メイプル、マホガニー、あるいはパインウッドといった異なる材質からなる種々の交換可能な部分からなるボディ１１を備えた構成とされてもよい。例えば、一つの同じネックを、異なる材質、とりわけ耐腐食性金属、アルミニウム、あるいは真鍮といった材質からなるボックスに対して付け替えることが可能である。前記ボディ１１はカーボンファイバからなるものであってもよい。ボディ１１をさまざまな材質で作成することによって、ギター１のサウンドを生成する上でそれら材料が作り出す異なる効果及びサンウドを探求することができる。

前記ボディ１１は、ハーモニック・カバーとしても知られるトップカバー１８０を備えていてもよい。該トップカバーは、単に弦を緩めるだけで簡単に交換できる。このギターの各弦は、テールピース（１４０，１５０）としても知られる異なる二つの位置で、該ギターのボディ１１に取り付けることができる。つまり、前記ブリッジ１３０に対して弦を鋭角的とする第１内方テールピース１４０か、又は、同ブリッジ１３０に対して弦がより平坦となる第２外方テールピース１５０である。弦を前記第１内方テールピース１４０の内部に設けるためにギター１のボディ１１の底部に窪みを形成することができる。この窪みはカバー１４１によって閉じることができる。

また、ギター１のボディ１１の前部には、異なるサウンドをもたらすための複数の穴が設けられた別のカバー（１７０，１６０）を取り付けることも可能である。

図２及び図７から分るように、ピックアップとして知られる電磁変換器あるいはチップ（１１０，１２０）は、該ギター１のボディ１１の背部から交換すること及び取り外すことができる。これらピックアップ（１１０，１２０）は、ギター１の弦を緩めたり外したりすることなく前記背部から装着可能である。これらピックアップ（１１０，１２０）は、ギター１のボディ１１の背部から装着されると、ネジを備えたそれぞれのサポート（１１１，１２１）によって固定される。

また、ギター１のボディ１１の背部は、異なる音響を提供すべく複数の穴を有した異なるカバー１９０を備えていてもよい。

以上、本発明を好ましい実施形態を例に説明したが、本発明はこれら実施形態のものに限定されるべきでなく、添付の請求の範囲の最も広い解釈によって規定されることに注意すべきである。

１ ギター
２ 調節機構
３ ネックの回転中心
１１ ボディ（ボックス）
１２ ネック
２１ 第１コンポーネント
２２ 第２コンポーネント
１３０ ブリッジ
２２１ 第３コンポーネント
２２２ 第４コンポーネント

Claims (7)

1. 弦楽器のボディにネックを接続するための装置であって、互いに形状的に係合する第１コンポーネント及び第２コンポーネントを備え、前記第１コンポーネントは該弦楽器の前記ネックに、かつ、前記第２コンポーネントは該弦楽器の前記ボディにそれぞれ接続可能とされ、
   前記第２コンポーネントに対する前記第１コンポーネントの接触位置を異なる角度に調節するための調節手段を備え、
   さらに、前記第２コンポーネントに対する前記第１コンポーネントの相対位置を固定するための固定手段を備え、
   前記第１コンポーネント及び第２コンポーネントの前記調節手段は、互いに形状係合する歯状接触曲面をそれぞれ備える
   ことを特徴とする、弦楽器のボディにネックを接続するための装置。
2. 請求項１記載の弦楽器のボディにネックを接続するための装置において、前記調節手段は、前記第２コンポーネントの内部に配置された、互いに適合する歯状接触曲面を各々備えた二つの部分を有し、これら双方の部分は、少なくとも一つの貫通孔を有し、該貫通孔に沿って少なくとも一つの固定コンポーネントが設けられており、該固定コンポーネントの先端は前記第１コンポーネントに取り付けられていることを特徴とする、弦楽器のボディにネックを接続するための装置。
3. 請求項１記載の弦楽器のボディにネックを接続するための装置において、前記固定手段が少なくとも一つのボルトタイプのネジ付きコンポーネントを備えることを特徴とする、弦楽器のボディにネックを接続するための装置。
4. 請求項２記載の弦楽器のボディにネックを接続するための装置において、前記固定手段固定コンポーネントが少なくとも一つのボルトタイプのネジ付きコンポーネントを備えることを特徴とする、弦楽器のボディにネックを接続するための装置。
5. 請求項１ないし４の何れか一項記載の弦楽器のボディにネックを接続するための装置において、前記ボディに対する前記ネックの回転円の中心は、該弦楽器の弦の一点に位置していることを特徴とする、弦楽器のボディにネックを接続するための装置。
6. 請求項１ないし５の何れか一項記載の装置によってボックスがネックに接続されてなる弦楽器。
7. 請求項６記載の弦楽器において、該弦楽器はギターであることを特徴とする、弦楽器。

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