以下、一実施形態の構成を図1ないし図10を参照して説明する。
図10において、10は電気掃除装置を示し、この電気掃除装置10は、電気掃除機としてのスティック型(縦型)電気掃除機11(以下、単に掃除機11という)と、この掃除機11を置く置き台である充電装置12とを備えている。
そして、掃除機11は、図8および図10に示すように全体を動かしながら使用する形態と、図9に示すように一部を肩掛けなどして持ち運びながらハンディ型電気掃除機のように使用する形態とを選択的に切り換えできるものである。
図4ないし図10に示すように、掃除機11は、含塵空気を吸い込む風路体15と、この風路体15が接続された本体部16とを備えている。なお、以下、掃除機11の上下方向は、この掃除機11を被掃除面上に載置した状態を基準とする。すなわち、図8に示す矢印U1方向が掃除機11の上方向、矢印D1方向が掃除機11の下方向となる。
風路体15は、上流側(前端側)を構成するアタッチメント部18と、このアタッチメント部18が接続されて下流側(後端側)を構成するホース部19とを備えている。
アタッチメント部18は、掃除の形態に応じてホース部19に対して適宜着脱されるものであり、任意の形態とすることができるが、例えば本実施形態では吸込口体としての床ブラシ21と、この床ブラシ21を上流端である前端に着脱可能な直管長尺状の延長管22とを備えている。
床ブラシ21は、吸込具、吸込ノズル、吸込ヘッドなどとも呼ばれるもので、左右幅方向に沿って長手状、すなわち横長のケース体24と、このケース体24の後部に回転可能に接続された回転管25とを備えている。そして、ケース体24には、被掃除面に対向する下面に図示しない吸塵口が開口され、回転管25は、ケース体24に対して上下方向や軸回り方向などに回動可能に軸支されており、吸塵口と連通している。なお、吸塵口には、例えばモータなどの駆動手段によって駆動される回転清掃体としての回転ブラシを配置してもよい。
延長管22は、上流端部である前端部に吸込口部27を備え、下流端部である後端部に接続口部28を備えている。なお、この延長管22は、複数の直管状の延長管部材を摺動可能に連結するなどの構成として伸縮可能とすることもできる。
吸込口部27は、硬質の部材である合成樹脂などにより円筒状(直管状)に形成されている。この吸込口部27には、上流端部である前端部に、延長管用清掃部材であるブラシ毛31aを備えた清掃体部としてのブラシ毛部31が上下方向に回動可能に取り付けられている。そして、この吸込口部27には、床ブラシ21を着脱可能に係止保持するクランプ部32が設けられている。さらに、この吸込口部27の背面側には、アタッチメント部18を充電装置12に保持するためのフック部33が、吸込口部27の先端側に向けてL字状に屈曲するように突設されている。
接続口部28は、アタッチメント部18(延長管22)をホース部19に接続する際にこのホース部19の前端部に挿入される部分である。
また、ホース部19は、この接続口部28が挿入接続される吸込口体部34と、この吸込口体部34の下流側(後端側)に連通接続された伸縮可能なホース体35とを有している。
吸込口体部34は、例えばホース体35よりも硬質の部材である合成樹脂などにより円筒状(直管状)に形成されている。この吸込口体部34には、上流端部である前端部に、ブラシ毛37aを備えた清掃部としてのブラシ部37が上下方向に回動可能に取り付けられ、後端部に、風路体15を本体部16と別個に操作する際の把持操作用のハンドル38が同軸状に突設されているとともにこのハンドル38の下部にホース体35と連通する接続部39が分岐されて突設されている。そして、この吸込口体部34には、アタッチメント部18を着脱可能に係止保持する保持クランプ40が設けられている。
ハンドル38は、風路体15の先端側(上流側)の位置を移動操作するもので、ホース体35よりも硬質の合成樹脂などの部材により前後方向に沿って長尺の円柱(円筒)状、すなわち軸状に形成されている。したがって、風路体15は、ホース体35の下流端部と異なる位置、本実施形態ではホース体35の上流側に分岐するハンドル38の後端部の位置で本体部16に対して着脱可能となっている。そして、このハンドル38には、このハンドル38を本体部16に対して着脱可能に係止する係止体としてのクランプ体46が設けられている。
接続部39は、ホース体35とハンドル38とを分岐するもので、吸込口体部34の軸方向に対して鋭角状に交差する方向に沿って軸方向が傾斜した直管状となって吸込口体部34と一体に設けられており、ホース体35の上流端部が挿入されて気密に接続されている。この接続部39は、ハンドル38の前端部の下方に位置している。
また、ホース体35は、例えば可撓性を有する合成樹脂などにより蛇腹状に形成されて伸縮自在となっており、下流側である一端側すなわち後端側が本体部16と気密に接続され、上流側である他端側すなわち前端側が接続部39に保持されて吸込口体部34(アタッチメント部18)と気密に接続されている。
一方、本体部16は、構造的には、本体ケース51と、この本体ケース51の下部に着脱可能な塵埃収容体としてのカップ部である略有底円筒状の集塵カップ52とを備えている。この本体部16の内部には、電動送風機53が収容されているとともに、この電動送風機53により風路体15を介して吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離捕集する集塵部54が設けられている。そして、この集塵部54は、塵埃を分離する分離部55と、分離された塵埃を溜める溜め部56と、空気を導く風路部57とに大別される。分離部55は、本実施形態では含塵空気中の比較的大きい塵埃(粗塵)を(遠心)分離する第1遠心分離部61と、この第1遠心分離部61を通過した含塵空気中に残留する比較的小さい塵埃(細塵)を(遠心)分離する複数の第2遠心分離部62と、これら第2遠心分離部62を通過した空気中に僅かに残留する塵埃(微細塵)をろ過分離して捕集するフィルタ63とを備えている。また、溜め部56は、第1遠心分離部61により分離された塵埃を溜める粗塵溜め部である第1溜め部65と、第2遠心分離部62により分離された塵埃を溜める細塵溜め部である第2溜め部66とを備えている。さらに、風路部57は、第1遠心分離部61に含塵空気を導入する導入風路部68と、第1遠心分離部61と第2遠心分離部62とを連通する連通風路部69と、第2遠心分離部62と電動送風機53とを連通する吸込風路部70とを備えている。
本体ケース51は、例えば合成樹脂などにより形成されている。そして、この本体ケース51は、前後方向に沿って長手状のケース本体73と、このケース本体73に対して着脱可能な蓋体74とを備えている。
ケース本体73は、複数のケース部を組み合わせて形成されており、上部に、蓋体74が着脱される露出開口部75、および、肩掛け用の図示しないベルト(ショルダーベルト)が係止されるベルト取付開口76,76が開口され、下部に、集塵カップ52を着脱可能な取付開口部77が開口されている。また、このケース本体73の前端部には、風路体15のハンドル38が着脱可能に接続される保持受部78と、ホース体35の後端部(下流端部)が接続される風路体接続部79とが上下に突設されている。さらに、このケース本体73の後端部には、把持用の本体用ハンドル80が突設されている。そして、このケース本体73の内部、すなわち露出開口部75と取付開口部77との間で、かつ、保持受部78および風路体接続部79と本体用ハンドル80との間には、電動送風機53および第2遠心分離部62などを収容したユニット部81が設けられている。
露出開口部75は、蓋体74が着脱されることで開閉されるとともに、開いた状態でユニット部81の上部を露出させる部分であり、前後方向に沿って長手状に形成され、保持受部78の後方上側に位置している。
ベルト取付開口76,76は、ケース本体73の上部にて露出開口部75の前後にそれぞれ開口されており、これらベルト取付開口76,76にベルトの両端をループ状に引っ掛けることにより、ベルトを肩掛けして本体部16を保持できるようになっている。
取付開口部77は、集塵カップ52が着脱されることで開閉されるとともに、開いた状態でユニット部81の下部を露出させる部分であり、前後方向に沿って長手状に形成され、風路体接続部79の後方に位置している。また、この取付開口部77の内縁部には、集塵カップ52を気密に接続するための弾性変形可能な環状のシール部材84が取り付けられている。
保持受部78は、前後方向および水平方向に沿って軸方向を有する、すなわち前方に開口した円筒状に形成されており、電動送風機53(ユニット部81)の前方で、かつ、風路体接続部79の上方(直上)に位置している。この保持受部78には、風路体15の接続凸部48が挿入される図示しない挿入開口部と、この挿入開口部の内部に位置してクランプ体46の図示しない爪部が下方から挿入係止される図示しない係合受部とがそれぞれ凹設されている。
風路体接続部79は、前後方向および水平方向に沿って軸方向を有する、すなわち前方に開口した円筒状に形成されており、電動送風機53(ユニット部81)の前方下側で、かつ、保持受部78の下方(直下)に位置している。また、この風路体接続部79には、ホース体35の後端部が前方から挿入されて着脱不可能に固定されている。ここで、ホース体35の後端部が風路体接続部79に対して着脱不可能であるとは、風路体接続部79を分解などしない限りホース体35の後端部を風路体接続部79から取り外しできないことを言うものとする。そして、この風路体接続部79の後端部には、円筒状のシール部88が同軸状に取り付けられている。このシール部88は、弾性変形可能な部材により形成され、取付開口部77に取り付けられた集塵カップ52の前端部(上流端部)に圧接されて風路体15(ホース体35)と集塵カップ52(集塵部54)とを気密に接続するものである。
また、本体用ハンドル80は、本体部16(ケース本体73)の後部の位置に、この本体部16の上下に亘って上下方向に沿って形成され、本体部16(ケース本体73)の長手方向と交差(直交)する左右方向に開口するようにループ状となっている。そして、この本体用ハンドル80の上部には、この本体用ハンドル80を把持した手で使用者が電動送風機53の動作などを設定するための設定ボタン89が互いに前後方向に沿って離間されて複数配置されている。
ユニット部81は、本体ケース51の内部構造を収容するもので、電動送風機53を収容する電動送風機室91を内部に区画する円筒状のユニット本体部92と、このユニット本体部92の外方に位置する筒状の隔壁部93と、この隔壁部93の外方に位置して各第2遠心分離部62を内部に形成する円筒状の分離筒部94とを一体的に備えている。また、このユニット部81の上面部は、平板状に形成されて水平状に位置し吸込風路部70の上部を区画する区画壁部95となっている。この区画壁部95には、中央部に、電動送風機室91(電動送風機53)の吸込側と連通する例えば円形状の吸込開口96が開口されている。
ユニット本体部92は、上下方向に沿って軸方向を有している。このユニット本体部92と隔壁部93との間に、連通風路部69の下流側(上側)が前後に位置してそれぞれ区画されている。すなわち、ユニット部81の内部には、連通風路部69の一部(下流側)が区画されている。また、このユニット本体部92は、下端側が下方に向けて徐々に縮径されており、下端部が、電動送風機53からの排気を排出する円形状の排出開口100となっている。そして、この排出開口100の外方には、この排出開口100を囲んで、弾性変形可能な環状の排気側シール部材101が取り付けられている。
隔壁部93は、連通風路部69と各第2遠心分離部62(各分離筒部94)との間を区画するもので、ユニット本体部92に対して両側部が連続し、両側方向の中央部がユニット本体部92に対して前後方向に離間される、すなわち左右方向に短軸を有し前後方向に長軸を有する楕円筒状に形成されており、上下方向に沿って軸方向を有している。また、この隔壁部93の下端部には、集塵カップ52を気密に接続するための弾性変形可能な環状のシール部材102が取り付けられている。
各分離筒部94は、コーン部などとも呼ばれ、上下方向に沿って軸方向を有しており、ユニット本体部92の前後に、例えば3つずつ配置されている。これら分離筒部94は、ユニット本体部92(電動送風機53)の中心軸を中心とする同心円上に互いに離間され、電動送風機53の中心軸に対して互いに前後方向に線対称に位置している。また、これら分離筒部94は、上端部から下端部へと徐々に縮径されている。さらに、これら分離筒部94は、集塵カップ52よりも径寸法が小さく設定されており、このため、第2遠心分離部62の旋回流の流速が、第1遠心分離部61の旋回流の流速よりも速くなっている。また、これら分離筒部94の上端近傍には、連通風路部69と連通してこの分離筒部94の内面の接線方向に沿って含塵空気を導く第2遠心分離部62の吸込口である吸込開口部103が軸方向に対して交差する側方に向けてそれぞれ開口されている。さらに、これら分離筒部94の上端部には、この分離筒部94と同軸状に、塵埃を遠心分離した空気が吸込風路部70へと連通する円筒状の排出筒部104が区画壁部95を貫通して配置されており、この排出筒部104の下流端である上端部が、空気を吸込風路部70へと排出する第2遠心分離部62の排気口である排出開口部105となっている。そして、各分離筒部94の下端部は、集塵カップ52の上部に対向して開口し第2遠心分離部62で分離された塵埃を第2溜め部66へと排出する塵埃排出口106となっている。したがって、これら分離筒部94内に区画される第2遠心分離部62は、上流側が吸込開口部103を介して連通風路部69と連通し、下流側が排出開口部105を介して吸込風路部70と連通し、塵埃排出口106を介して第2溜め部66と連通している。
また、蓋体74は、フィルタ63を覆うとともに、露出開口部75に取り付けられてこの露出開口部75を閉塞することでユニット部81の上面部である区画壁部95との間で吸込風路部70を区画するもので、例えば板状に形成されている。この蓋体74の上側の前部には、露出開口部75の前縁部に臨んで、蓋体74をこの露出開口部75に係止するための係止クランプ107が設けられている。
また、集塵カップ52は、有底円筒状の収容部としてのカップ部本体111と、このカップ部本体111の軸方向の一端部である上端部から前後に突設された塵埃受け部(細塵受け部)112,112と、カップ部本体111の上端近傍から前方に突設された導入部113と、カップ部本体111の上端部に着脱可能なカバー部114と、このカバー部114と一体に設けられた分離体部115と、カップ部本体111の軸方向の他端部である下端部(底部)側を覆うカバー体116と、集塵カップ52を本体ケース51に対して係止する係止手段としてのクランプ117とを備え、本体ケース51の取付開口部77に対して着脱可能となっている。そして、この集塵カップ52は、カップ部本体111および塵埃受け部112,112の上端部が、塵埃(粗塵および細塵)を廃棄するための塵埃廃棄口118となっている。
カップ部本体111は、第1遠心分離部61の一部および第1溜め部65をなすもので、例えば塵埃受け部112および導入部113とともに、透光性を有する(透明な)合成樹脂などの部材によって一体的に成形されている。このカップ部本体111は、カバー部114をこのカップ部本体111(塵埃廃棄口118)に取り付けた状態で分離体部115の周囲に位置して、この分離体部115とともに第1遠心分離部61を構成しているとともに、下部(底部側)の内部に第1溜め部65を区画している。また、このカップ部本体111は、各分離筒部94よりも径寸法が大きく設定されている。さらに、このカップ部本体111の上端側は、下端側に対して段差状に拡径され、この拡径された位置に、カバー部114を支持する支持部としての段差部120が形成されている。また、このカップ部本体111の外周部の両側部には、前側寄りの位置に、複数のリブ状の滑り止め部121が上下方向に沿って、すなわちカップ部本体111の軸方向と平行な方向に沿って突設されている(一側部のみ図示)。そして、このカップ部本体111の底部には、このカップ部本体111と同軸(同心)状に、すなわちこのカップ部本体111の中心軸、換言すれば第1遠心分離部61(カップ部本体111内)で旋回する空気の旋回軸に沿って、排出部としての排気筒部122が上方に向けて突設されているとともに、この底部の外面部には、複数の導風部であるリブ123がそれぞれ径方向に沿って突設されている。
排気筒部122は、電動送風機53の排気を本体部16の外部へと排出する部分であり、集塵カップ52を本体ケース51に取り付けた状態で分離体部115の内部に挿入されるようになっている。
リブ123は、排気筒部122から排出された排気を径方向に沿って導くものであり、カバー体116の底面と接触している。
また、各塵埃受け部112は、第2遠心分離部62で分離された塵埃を受ける部分であり、カップ部本体111の軸方向と交差(直交)する前後方向に沿って軸方向を有する半円筒状(受け皿状)などに形成されており、上側が開口されているとともに、カップ部本体111と反対側(反カップ部本体111側)が閉塞されている。これら塵埃受け部112は、集塵カップ52を本体ケース51に取り付けた状態で、外縁部が取付開口部77の内縁部に沿って配置されたシール部材84に圧接されて気密に接続されるようになっている。そして、これら塵埃受け部112とカバー部114との間に第2溜め部66が区画される。
導入部113は、風路体接続部79と気密に接続されることで風路体15と集塵部54とを気密に接続するものであり、前側に位置する塵埃受け部112の下部の位置にて、カップ部本体111の一側から前方へと、このカップ部本体111の接線方向に沿って筒状に突設され、内部に導入風路部68を区画している。したがって、この導入部113により、導入風路部68が第1遠心分離部61へと、含塵空気をカップ部本体111の接線方向に沿って集塵カップ52内に導入するようになっている。また、この導入部113の前端部には、集塵カップ52を本体ケース51(取付開口部77)に取り付けた状態でシール部88の後端部に圧接されて気密に接続されるフランジ面状の圧接部124が外縁部に沿って形成されており、この導入部113の後端部(下流端部)には、第1遠心分離部61と連通する吸込口125が区画されている。そして、この導入部113には、吸込口125を吸い込み方向(下流側)である後方向にのみ開き、吸い込み方向と反対方向(上流側)である前方向に開かないようにする逆止弁126が取り付けられている。
逆止弁126は、導入部113に可動的に取り付けられた弁体128と、この弁体128の導入部113での前後方向の位置(導入風路部68での上流下流方向の位置)を規制する規制部129とを備えている。
弁体128は、例えばゴムあるいはエラストマなどの可撓性(弾力性)を有する部材により板状に形成され、外縁部の形状が、導入部113(導入風路部68)の内面に隙間なく密着するように、この導入部113の断面形状に沿った形状となっている。また、この弁体128は、上部の内側、すなわちカップ部本体111の中心軸側(第1遠心分離部61の旋回軸側)が導入部113(集塵カップ52)に対してねじなどの固定体131によって前後方向に固定されている。したがって、この弁体128は、この固定体131と反対側(反固定体131側)である外側が規制部129よりも後方の位置で前後方向に回動するようになっている。すなわち、この弁体128は、導入部113の軸線に対して、外側部が内側部に対して後方となるように傾斜状に弾性的に変形して、主として吸込口125の外側部ないし下側部を開くようになっている。
規制部129は、導入部113の断面形状の内縁部(内周部)に沿って環状に形成され、弁体128の外縁部全体に当接するように導入部113(導入風路部68)の断面の中心側に向けて段差状に突出した部分である。したがって、この規制部129は、弁体128の外縁部と当接することでこの弁体128が規制部129に対して導入部113の前方(導入風路部68の上流側)に回動しないように規制している。
また、カバー部114は、ユニット部81とともに集塵部54の風路部57(連通風路部69)の一部を構成し、かつ、カップ部本体111を覆う蓋部となるもので、例えば合成樹脂などにより板状に一体に成形され、第1被覆部としてのカバー部本体134と、このカバー部本体134から前後に突設されて前後の塵埃受け部112(第2溜め部66)の上部に位置する第2被覆部としての傾斜壁部135,135と、カバー部本体134の両側部から立ち上がって傾斜壁部135,135と連続する外郭部としての壁部136,136とを備え、カップ部本体111と別体となっている。
カバー部本体134は、カップ部本体111(第1溜め部65)の上部を覆うものであり、軸寸法(上下寸法)が小さい円筒状、すなわち浅い皿状に形成され、中央部に、分離体部115と連通する円形状の連通開口部141が開口されている。また、このカバー部本体134の連通開口部141よりも外方の位置には、集塵カップ52を本体ケース51に取り付けた状態でユニット部81のシール部材102が上部に圧接される平面状のカバー部圧接部142が略水平方向に沿って延びている。したがって、このカバー部本体134は、このカバー部圧接部142がシール部材102に圧接されることによって、このカバー部本体134(カバー部114)が連通風路部69の下部を構成する。換言すれば、カバー部本体134(カバー部114)は、連通風路部69の他部(上流側)を区画している。さらに、このカバー部本体134の外周部には、カバー部114をカップ部本体111に取り付けた状態でカップ部本体111の段差部120に上方から圧接される弾性変形可能な円環状のシール部材143が取り付けられている。したがって、このシール部材143により、カップ部本体111に取り付けられたカバー部本体134(カバー部114)が第1溜め部65と第2溜め部66とを区画している。
各傾斜壁部135は、カバー部本体134の前端部および後端部とともに、第2溜め部66の上方を覆うものであり、各分離筒部94の下端部が挿入嵌合される円形状の複数の挿入孔145が上下方向に沿ってそれぞれ開口されている。また、カバー部本体134の前部に位置する傾斜壁部135には、カバー部114をカップ部本体111から取り外すための摘み部146が上方に向けて突設されている。そして、これら傾斜壁部135と、ユニット部81(隔壁部93(シール部材102)および分離筒部94)とにより、連通風路部69の外方でかつこの連通風路部69と各第2遠心分離部62との間に、電動送風機53の吸込側と連通しない(電動送風機53の駆動により生じる負圧が作用しない)気密な空間部148が区画される。このため、この空間部148の内部に摘み部146および壁部136が位置することとなり、これら摘み部146および壁部136が、電動送風機53により吸い込まれる空気の流れの外に位置するようになっている。
摘み部146は、例えば左右方向の中央部に位置する挿入孔145の後方に、この挿入孔145の形状に沿う円弧状に湾曲する舌片状に形成されて、傾斜壁部135から突出している。
各壁部136は、カバー部本体134の外縁部に沿って円弧状に湾曲してカバー部本体134から立ち上がっており、カバー部114をカップ部本体111に取り付けた状態で、このカップ部本体111の段差部120よりも上側の内周縁に重ねられて位置するものである。また、一側に位置する壁部136の上縁部には、開口部151が切り欠き形成されており、この開口部151に臨んで、例えば分離体部115や塵埃受け部112,112などに付着した塵埃を除去する手入れ用のブラシ体152が着脱可能に取り付けられている。したがって、この、ブラシ体152は、カバー部114に取り付けられた状態で空間部148内に収容されて、電動送風機53により吸い込まれる空気の流れの外に位置するようになっている。
また、分離体部115は、第1遠心分離部61の旋回中心で、かつ、電動送風機53からの排気流通路となるもので、上下方向に沿って軸方向を有する円筒状に形成されており、集塵カップ52と同軸(同心)に配置される。この分離体部115は、円筒状の分離体部本体161、この分離体部本体161の内方に同軸状に位置する排気部162、および、分離体部本体161よりも径寸法が大きい円筒状の圧縮部163を軸方向に隣接して備えている。
分離体部本体161は、周囲に開口され連通風路部69と連通する複数の開口164と、これら開口164を覆う分離フィルタ165とを有している。すなわち、分離体部本体161の外部(集塵カップ52の内部)と連通風路部69とが、開口164により連通している。そして、第1遠心分離部61では、この分離体部本体161の外周面と集塵カップ52の内周面との間で空気が旋回するようになっている。
排気部162は、分離体部本体161と一体成形され、この分離体部本体161と二重筒状となっている。したがって、この排気部162は、電動送風機53の中心軸に対して略平行な中心軸を有し、実質的に電動送風機53と同軸状に配置されている。そして、この排気部162は、カバー部114をカップ部本体111に取り付けた状態で、下端部が、分離体部115(分離体部本体161)に内挿された排気筒部122の上端部と気密に接続されるとともに、集塵カップ52を本体ケース51に取り付けた状態で、上端部が、排気側シール部材101に圧接されて排出開口100と気密に接続される。したがって、排気部162および排気筒部122の外方が電動送風機53の吸込側(連通風路部69)と連通し、排気部162および排気筒部122の内方が電動送風機53の排気側と連通して、これら吸込側と排気側とが互いに別室となるように区画されている。
圧縮部163は、シェード部とも呼ばれ、分離体部本体161の下端部に段差状に拡径して連続しており、この分離体部本体161と同軸に配置されている。この圧縮部163は、分離体部本体161の下端部の周囲に上下方向に沿って開口した複数の圧縮開口166と、これら圧縮開口166を覆う圧縮フィルタ167とを有している。そして、分離体部本体161の外周と集塵カップ52の内周との間を旋回する空気の一部が圧縮部163の下端部から圧縮部163の内部を介して圧縮開口166(圧縮フィルタ167)を通過することにより、第1遠心分離部61にて遠心分離した塵埃を圧縮フィルタ167に押し付けて圧縮部163内で圧縮するようになっている。
また、カバー体116は、カップ部本体111の底部側を保護するもので、例えばエラストマなどの軟質の合成樹脂である軟質部材により、軸方向寸法が小さい有底円筒状、すなわち浅い皿状に形成されており、カップ部本体111の下端部(リブ123)を覆ってこのカップ部本体111に取り付けられている。そして、このカバー体116の外側部である外周部の全体には、複数の排気開口171がそれぞれ形成されている。これら排気開口171は、排気筒部122から排出されてカバー体116に当たった後、各リブ123を介して径方向に沿って導かれた排気風を外部へと分散排出するものである。
クランプ117は、集塵カップ52を本体ケース51に着脱可能に係止するもので、カップ部本体111の後部上端、すなわち集塵カップ52(カップ部本体111)の導入部113と反対側の側部に配置され、このカップ部本体111の後部上端から塵埃受け部112の後部の下部に亘って略L字状に配置されている。
また、電動送風機53は、吸込側である吸気口53aを上側として電動送風機室91内に配置されている。したがって、この電動送風機53は、第1遠心分離部61(集塵カップ52のカップ部本体111および分離体部115)の上方で、かつ、各第2遠心分離部62(各分離筒部94)の側方に位置しており、吸気口53aがユニット部81の上面部である区画壁部95の吸込開口96と同軸に位置してこの吸込開口96と気密に接続されている。そして、この電動送風機53は、ケース本体73内に収容された二次電池174からの給電により駆動することで負圧を発生させて含塵空気を吸い込むとともに、その動作が、ケース本体73内に収容された図示しない本体制御部によって制御されるようになっている。
ここで、二次電池174は、電動送風機53、本体制御部、および、風路体15側などへと給電する電池パックであり、例えば本体用ハンドル80の前方の位置であるケース本体73の後端部に収容されている。そして、この二次電池174は、本体ケース51に内蔵された図示しない定電流回路などの充電回路、および、ケース本体73の前端部の一側部から前方に向けて突出する充電端子176を介して充電装置12と電気的に接続され、この充電装置12を介して供給された電力によって充電回路により必要に応じて充電可能となっている。
また、本体制御部は、例えばマイコンなどを備えており、電動送風機53を導通角制御して、この電動送風機53を所定の動作モードで動作させたり停止させたりすることが可能となっている。
そして、第1遠心分離部61は、上流側遠心分離部(上流側分離部)であり、集塵カップ52内に位置し、この集塵カップ52のカップ部本体111の内周面と分離体部115の分離体部本体161(分離フィルタ165)の外周面との間で空気を旋回させることにより、塵埃(粗塵)を遠心分離可能であり、例えば電動送風機53と同軸状に配置されている。
各第2遠心分離部62は、下流側遠心分離部(下流側分離部)であり、各分離筒部94の内面に沿って空気を旋回させることにより、塵埃(細塵)を遠心分離可能である。これら第2遠心分離部62は、第1遠心分離部61の上方、本実施形態では、この第1遠心分離部61の上端部よりも上方で、かつ、電動送風機53の前方および後方に互いに前後方向に対称に同数ずつ位置し、本体ケース51(ケース本体73)の内部に収容されている。
フィルタ63は、集塵部54中で電動送風機53の吸気口53aに対して最下流に位置する、最終フィルタ(ファイナルフィルタ)である。すなわち、このフィルタ63の下流側から電動送風機53の吸気口53aまでの間には、塵埃を分離捕集する手段が備えられておらず、電動送風機53(吸気口53a)に吸い込まれる空気に対して最下流の位置で塵埃を捕集するようになっている。また、このフィルタ63は、ケース本体73(ユニット部81)と蓋体74との間に上下から挟持されて吸込風路部70に前後方向に沿って収容され、ユニット部81の吸込開口96を覆っている。さらに、このフィルタ63は、例えば軟質の不織布などを層状に重ねて一体に形成されており、空気を通過させて塵埃をろ過捕集するようになっている。そして、このフィルタ63には、各排出筒部104がそれぞれ嵌合されて挿通される円形状の複数のフィルタ開口63cが前端部および後端部に開口されている。
また、吸込風路部70は、本体ケース51のケース本体73内の上部に沿って前後方向に延びて位置している。この吸込風路部70は、内部に配置されたフィルタ63によって、このフィルタ63の上側に位置する上流側吸込風路部である上側風路178と、フィルタ63の下側に位置する下流側吸込風路部である下側風路179とに上下に分割されている。そして、上側風路178が、フィルタ63のフィルタ開口63cに挿通された各排出筒部104の排出開口部105を介して第2遠心分離部62の下流側と直接連通し、下側風路179が、フィルタ63を介して上側風路178と連通するとともに、ユニット部81の吸込開口96(電動送風機53の吸気口53a)と連通するようになっている。
一方、図1ないし図3、図7および図10に示すように、充電装置12は、電源アダプタ181と充電台182とを別体として備えている。そして、この充電装置12は、掃除機11の収納台となるものであり、掃除や生活の邪魔にならないように、部屋の隅などの壁部近傍に配置される。なお、以下、充電装置12の上下方向は、この充電装置12を被掃除面などの載置面上に載置した状態を基準とする。すなわち、図1に示す矢印U2方向が充電装置12の上方向、矢印D2方向が充電装置12の下方向となる。また、この充電装置12においては、便宜的に、掃除機11の上側を支持する側を前側(矢印FR方向)、掃除機11の下側(集塵カップ52側)を支持する側を後側(矢印RR方向)とする。
電源アダプタ181は、壁部などに設けられた図示しないコンセント部に接続される図示しない電源プラグ部を一端に有し、充電台182側に接続されるプラグ部184を他端に有するとともに、これら電源プラグ部とプラグ部184との間に図示しないAC−DC変換部を有して、これら電源プラグ部とプラグ部184とAC−DC変換部とが、電線を絶縁被覆した電線部185を介して電気的に接続されている。プラグ部184は、径寸法などが予め決められた所定の規格のいわゆるDCプラグであり、略円筒状に形成されているとともに、電線部185と電気的に接続された図示しない導電部が先端部に露出し、基端側が電線部185と連続している。なお、AC−DC変換部は、例えば電源プラグ部と一体に設けられていてもよい。
また、充電台182は、被掃除面などの載置面上に載置される足場部である所定の厚みの平板状の台座部187と、この台座部187から上方に向けて垂直状に立ち上がり掃除機11を縦方向(風路体15側を下側として長手方向を上下に沿わせた状態)に支持して保持する保持部188とを一体的に備えている。
台座部187は、広い接地面積を得て充電装置12を安定させるように上方から見て四角形状(正方形状)に形成されている。
保持部188は、台座部187の略中央部から上方に向けて長尺状(長手状)に突出しており、先端である上端が開口した筒状となっている。すなわち、この保持部188は、上下方向に沿って軸方向を有しており、上端部に、掃除機11が上方から挿入される挿入開口191を備え、内部に、この挿入開口191と連通し掃除機11の一部(掃除機11の前側)を収納する収納空間192が区画されている。さらに、挿入開口191の外縁部は、上方(台座部187と反対方向)に向けて徐々に拡開する拡開部193となっている。また、挿入開口191の内縁部には、掃除機11(本体部16)を位置決めするための図示しない位置決め部が突設されている。また、この保持部188の外面の一側部には、アタッチメント部18を係止保持する係止保持部196が突設されている。さらに、この保持部188の外面の他側部には、上端側に掃除機11の充電端子176と電気的に接続される端子部198が設けられ、下端側、すなわち台座部187に近接した位置に、電源アダプタ181を介して外部電源(商用電源)と電気的に接続するためのジャック部199が設けられている。
挿入開口191は、掃除機11の本体ケース51(ケース本体73)の長手方向に対して交差(直交)する方向に沿う平面による断面形状に沿って形成されており、前側が上方からみて略四角形状で、後側が略円弧状となっている。
収納空間192は、保持部188の軸方向である上下方向に沿って長手状に区画されている。
拡開部193は、掃除機11を充電装置12に着脱する際に引っ掛かりにくくするためのものであり、保持部188の上端部に位置している。この拡開部193の前側部は、下方へと傾斜した傾斜部193aとなっている。
位置決め部は、挿入開口191から内方に向けて突出している。
係止保持部196は、上側が開口したフック受け部であり、掃除機11のアタッチメント部18のフック部33が上方から挿入されて係止されるようになっている。
端子部198は、拡開部193の下部で、かつ、充電装置12の前側寄りの位置で、挿入開口191に臨んで収納空間192内に配置されている。この端子部198は、保持部188の側部に開口された目視用開口部としての側部開口部202に臨んで位置しており、この側部開口部202を介して充電装置12の外方から目視可能となっている。また、この端子部198は、上側すなわち挿入開口191側が開口しており、掃除機11を充電装置12に置いて収納した状態で充電端子176が上方から挿入接続され、この掃除機11側(充電回路および二次電池174)と電気的に接続されるようになっている。換言すれば、端子部198と充電端子176との接続方向は、掃除機11の本体部16の保持部188(収納空間192)への挿入(置き)方向に沿う上下方向となっている。さらに、この端子部198には、図示しないマイクロスイッチなどの接続検知手段が配置され、充電端子176が接続された(掃除機11が充電装置12に接続された)ことを検知するようになっている。
ジャック部199は、保持部188の下端部で、かつ、台座部187の上部に配置されている。このジャック部199は、電源アダプタ181のプラグ部184の導電部が挿入接続される円形状の図示しない接続開口を備えた、いわゆるDCジャックであり、この接続開口が台座部187の上方に離間されて位置している。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
掃除を開始する際には、まず、集塵カップ52を組み立てた後、予め本体ケース51に取り付けておくとともに、フィルタ63を予め本体ケース51に取り付けておく。
集塵カップ52は、カップ部本体111に対して、上方からカバー部114を挿入することで、シール部材143が段差部120に圧接され、第1溜め部65と第2溜め部66とが区画されるとともに、カバー部114と一体の分離体部115がカップ部本体111に同軸状に挿入されて第1遠心分離部61を構成し、かつ、排気筒部122が分離体部115に下方から内挿されて排気部162の下端部と気密に接続される。また、カバー部114には、ブラシ体152を、一部を開口部151に嵌合させて固定する(図4)。
そして、この組み立てた集塵カップ52を本体ケース51の取付開口部77に位置合わせして本体ケース51(ケース本体73)側へと押し込むことで、集塵カップ52のカップ部本体111の上端部がシール部材84に圧接されるとともに、集塵カップ52の上部に位置するカバー部114のカバー部圧接部142に本体ケース51のユニット部81の隔壁部93の下部に位置するシール部材102が圧接されて連通風路部69が構成され、各連通開口部141に各分離筒部94の下端がそれぞれ挿入されて各塵埃排出口106が第2溜め部66と連通され、排気側シール部材101に対して排気部162の上端部が圧接されて排気部162が排出開口100と気密に接続されるとともに、導入部113の圧接部124がシール部88に圧接されて導入風路部68が風路体接続部79(風路体15)の下流側である後端部に気密に接続された状態で、クランプ117の作用により集塵カップ52が本体ケース51に係止保持される。
また、フィルタ63は、各フィルタ開口63cに排出筒部104を挿通してケース本体73に対して位置決めし、蓋体74を露出開口部75に対して位置合わせしてケース本体73側へと押し込むことで上下から挟持され、ケース本体73と蓋体74との隙間が閉塞された状態で、係止クランプ107の作用によって蓋体74がケース本体73に係止保持される。
なお、集塵カップ52およびフィルタ63は、既に取り付けられた状態である場合、上記の各作業は不要である。
この結果、風路体15から、導入風路部68(逆止弁126および吸込口125)、第1遠心分離部61、開口164(分離フィルタ165)、連通風路部69、吸込開口部103、第2遠心分離部62、排出開口部105、吸込風路部70(上側風路178、フィルタ63および下側風路179)、吸込開口96および電動送風機53(吸気口53a)と連通する吸込風路と、電動送風機53(排気口)、排出開口100、排気部162、排気筒部122、および、排気開口171と連通する排気風路とが気密に形成される。
そして、掃除機11をスティック型として使用する場合には、例えば図8および図10に示すように、風路体15のハンドル38の後端部を本体部16に対して保持受部78の位置で装着し、必要に応じてアタッチメント部18を着脱した後、本体用ハンドル80を把持して全体を動かしながら掃除をする。
また、掃除機11をハンディ型として使用する場合には、例えば図9に示すように、床ブラシ21あるいはアタッチメント部18をホース部19から取り外すとともにハンドル38を把持して風路体15を本体部16から取り外し、本体用ハンドル80によって本体部16を持ち運んだり、図示しないベルト(ショルダーベルト)を用いて本体部16を肩掛けして持ち運んだりしつつ、ハンドル38によって本体部16に対して風路体15のホース体35を伸張(伸縮)させながら風路体15の位置を操作して掃除をする。
そして、掃除を開始する際に使用者が設定ボタン89を操作すると、本体制御部が電動送風機53を導通角制御して、電動送風機53が所望の動作モードで駆動し、負圧を発生させて塵埃を空気とともに風路体15から吸い込む。
塵埃とともに風路体15に吸い込まれた空気、すなわち含塵空気は、風路体15のホース体35の下流端から風路体接続部79を介して導入風路部68へと流入し、逆止弁126の弁体128により整流されつつ導入部113の外側部に沿って導かれ、吸込口125からカップ部本体111の内周面の接線方向に沿って第1遠心分離部61へと吸い込まれる。この後、含塵空気は、集塵カップ52(カップ部本体111)の内周面と分離体部115の分離体部本体161の外周面との間で旋回されて特に大きい塵埃(粗塵)が自重により空気から遠心分離され、カップ部本体111の内周面に沿って落下してカップ部本体111の第1溜め部65に捕集される。この塵埃は、カップ部本体111内の旋回流の一部が圧縮部163の下端部から圧縮開口166(圧縮フィルタ167)を通過することによって圧縮フィルタ167に押し付けられて圧縮され、圧縮部163の内部に溜まる。
塵埃が遠心分離された空気は、分離フィルタ165を通過しつつ開口164に流入する。この開口164(分離フィルタ165)を通過した空気は、排気部162の滑らかな円筒状の外周によって整流されつつ連通風路部69を通過し、電動送風機室91とともに電動送風機53を冷却する。さらに、この連通風路部69を通過した空気は、吸込開口部103を介して第2遠心分離部62へと流入し、この第2遠心分離部62において分離筒部94の内周面に沿って旋回されて細塵がさらに遠心分離される。この分離された細塵は、分離筒部94の下端部の塵埃排出口106から集塵カップ52内の第2溜め部66へと落下して捕集される。この細塵が分離された空気は、各排出開口部105から吸込風路部70の上側風路178へと流出し、吸込開口96に向かってフィルタ63全体を厚み方向(上下方向)に傾斜状に下側風路179へと通過し、僅かに残留した塵埃(微細塵)がフィルタ63によってろ過捕集されるとともに、さらに吸込開口96から電動送風機53の吸気口53aへと吸い込まれる。
そして、この電動送風機53に吸い込まれた空気は、この電動送風機53を冷却しつつ通過して排気風となり、排気口から電動送風機室91内へと排出された後、この電動送風機室91の下部の排出開口100から排気部162および排気筒部122の滑らかな内周面によって整流されつつ分離体部115の内方を下方へと通過して集塵カップ52(本体部16)の外方へと排出され、各リブ123によって分散されつつ各排気開口171へと導かれ、これら排気開口171から径方向に沿って分散排気される。
掃除が終了すると、使用者は設定ボタン89を操作して電動送風機53を停止させ、掃除機11を充電装置12に設置して収納するとともに二次電池174を充電する。
このとき、掃除機11は、まず、吸込口体部34の保持クランプ40を操作してアタッチメント部18をホース部19から取り外す。この取り外したアタッチメント部18は、フック部33を係止保持部196に上方から挿入して係止保持する。
アタッチメント部18を取り外した掃除機11は、風路体15をハンドル38の後端部の位置で保持受部78にて本体部16に接続した状態で、挿入開口191に対して上方から挿入する。
このとき、掃除機11は、風路体15を下側、本体部16を上側として、すなわち風路体15から挿入開口191に挿入する。この挿入は、本体部16において風路体15と反対側に位置する本体用ハンドル80を把持して行うことで、自然な動作で行うことが可能となる。
挿入開口191に風路体15側を挿入した掃除機11は、本体部16が位置決め部によって位置決めされて下方から支持され、本体部16の略全体が保持部188上に載置されて導入部113が下方に向けて保持部188に挿入された状態となるとともに、充電端子176が端子部198に上方から挿入されて電気的に接続される。この状態で、本体部16は、集塵カップ52、電動送風機53、フィルタ63(蓋体74)および二次電池174などが保持部188の上端部よりも上方に位置して、これら集塵カップ52および蓋体74が本体ケース51から離脱する側、すなわち集塵カップ52の後方(および上方)と、蓋体74の前方とがそれぞれ規制されておらず、集塵カップ52のクランプ117が集塵カップ52の上部に操作可能に露出するとともに、蓋体74をケース本体73に係止する係止クランプ107が傾斜部193aの上方に露出して、クランプ117および係止クランプ107がそれぞれ操作可能となっている(図1)。したがって、これらクランプ117および係止クランプ107の操作によって、導入部113を支点として集塵カップ52および蓋体74が本体ケース51から取り外し可能な状態となっている。
充電装置12は、端子部198などを介して掃除機11の設置を認識すると、電源アダプタ181を介して外部電源から供給された電力を端子部198によって掃除機11の充電回路に供給してこの充電回路を駆動させ、この充電回路が二次電池174を充電する。充電回路では、例えば二次電池174の充電状態を監視しており、二次電池174が所定の充電状態(満充電)となったことを確認すると充電を停止する。
また、塵埃を廃棄する際には、図1に示す状態から、滑り止め部121に手を掛けてカップ部本体111を掴んだ状態でクランプ117を操作して集塵カップ52を本体ケース51(取付開口部77)から取り外す。すなわち、充電装置12に装着した掃除機11において本体ケース51の長手方向となる上下方向に対して交差(直交)する水平方向が軸方向となる集塵カップ52を、この集塵カップ52の軸方向である水平方向に沿って、導入部113を支点としつつ後方へと回動させながら取り外す。このとき、集塵カップ52は、吸込口125が下方を向いた状態となっているものの、逆止弁126が電動送風機53の負圧が作用していない状態では弁体128の前面部の外縁部が規制部129と当接していることにより、弁体128が吸込口125をカップ部本体111と反対側(反カップ部本体111側)である下側、すなわち第1溜め部65から塵埃がこぼれる下方に開かず、第1溜め部65内の塵埃が吸込口125から導入部113を介して外部にこぼれ落ちることがない。また、本体ケース51から取り外した集塵カップ52は、カップ部本体111にカバー部114が取り付けられていることにより、第1溜め部65および第2溜め部66のそれぞれの上部がカバー部114により覆われて、収容された塵埃が舞い上がることがない。さらに、カバー部114上に塵埃が仮に付着していたとしても、この塵埃は保持部188側へと落ちるので、載置面(被掃除面)に落下しない。この状態で、使用者は、ごみ箱などの廃棄位置に集塵カップ52を運び、摘み部146を摘んでカバー部114をカップ部本体111から取り外す。このとき、摘み部146は、電動送風機53の吸込側と連通する風路外の空間部148に位置していることにより含塵空気と触れておらず、塵埃が付着していない、清潔な状態を保っているため、使用者の手が汚れることがない。そして、使用者はカップ部本体111を上下逆さにして、塵埃廃棄口118から第1溜め部65および第2溜め部66の塵埃を排出する。また、カップ部本体111から取り外したカバー部114については、このカバー部114の上部に取り付けられたブラシ体152を上方へとスライドさせることによって取り外し、カバー部114と一体の分離体部115の分離フィルタ165や圧縮フィルタ167に付着した塵埃、あるいは塵埃受け部112などの表面に付着した塵埃を除去して手入れ(メンテナンス)する。そして、この集塵カップ52は、塵埃を除去した後、再装着して使用できる。
なお、第2遠心分離部62を通過した後の空気には殆ど塵埃が残留していないので、フィルタ63には、実質的に目詰まりが生じることはなく、基本的にメンテナンスの必要はないが、充電装置12の保持部188(拡開部193)の上方に露出している係止クランプ107を操作して蓋体74をケース本体73から前方へと取り外し、露出開口部75を露出させて取り外し(図3)、叩いたりすることでこのフィルタ63に付着した塵埃を除去することもできる。
このように、スティック型電気掃除機11の場合には、そのままでは自立しないため、集塵カップを取り外すためには一旦床面などの上に置くなどの作業が必要になる。そこで、以上説明した一実施形態によれば、掃除機11(本体部16)が、導入部113が下方を向いて保持部188に挿入された状態で本体部16が保持部188に保持されるとともにクランプ117が集塵カップ52の上方に操作可能に露出するように充電装置12に装着されるので、これらクランプ117を操作して集塵部54の少なくとも一部、本実施形態では第1遠心分離部61および溜め部56(第1および第2溜め部65,66)を内部に有する集塵カップ52を本体ケース51から取り外し可能となる。
また、掃除機11を充電装置12に装着した状態で、蓋体74が保持部188の上方に位置するとともに係止クランプ107も操作可能に露出するので、この係止クランプ107を操作して蓋体74を取り外し、電動送風機53の吸込側に配置されたフィルタ63を本体ケース51から取り外し可能となる。
したがって、これら集塵カップ52やフィルタ63を容易に取り外しでき、塵埃を容易に廃棄できる。
また、本体ケース51に電動送風機53および第2遠心分離部62を配置し、この本体ケース51に対して着脱可能な集塵カップ52の第1溜め部65を内部に形成するカップ部本体111の開口した上端側(一端側)を、このカップ部本体111に内挿されて第1遠心分離部61を構成する分離体部115と一体で連通風路部69の一部と第1遠心分離部61とを区画するカバー部114によって着脱可能に覆うことにより、第1溜め部65および第2溜め部66内の塵埃を廃棄する際に、集塵カップ52を本体ケース51から取り外すと、この集塵カップ52がカップ部本体111および分離体部115と一体のカバー部114のみの構成となっているため、集塵カップ52が軽量で取り扱いやすく、かつ、第1溜め部65(および第2溜め部66)の上方がカバー部114によって覆われているので、廃棄の際に塵埃を誤ってこぼしたり、舞い上がらせたりしにくい。
しかも、カバー部114は、カップ部本体111の上端側を覆う単なる蓋ではなく、連通風路部69の一部(上流側)を区画するものであるから、複数の構成を共通のカバー部114によって形成でき、構成を簡略化できる。
すなわち、本実施形態は、本体ケース51とこの本体ケース51に対して着脱可能な集塵カップ52とを構成するに当たり、これらによって分割される壁部などを適切に選択することで、蓋などの別途の新たな構成を必要とすることなく、必須となる構成(連通風路部69)の一部をカップ部本体111(第1溜め部65(および第2溜め部66))を覆うカバー部114として利用できるようにしたので、廃棄の際の塵埃のこぼれや舞い上がりを確実に防止する構成を、簡単な構成(低コスト)で実現できる。
また、第2遠心分離部62で遠心分離された塵埃を溜める第2溜め部66が、カップ部本体111とこのカップ部本体111に装着されたカバー部114との間に形成されるので、集塵カップ52を本体ケース51から取り外した状態でも、カップ部本体111に取り付けられたカバー部114によって第2溜め部66を覆っておくことができ、塵埃の廃棄の際に第2溜め部66内の塵埃がこぼれたり、舞い上がったりしにくくなる。特に、第2溜め部66内には、相対的に小さい塵埃である細塵が溜められ、このような細塵は容易に舞い上がるため、カバー部114によって第2溜め部66の上方を覆って、細塵の舞い上がりを確実に防止できる。
さらに、カバー部114がカップ部本体111に取り付けられた状態で第1溜め部65と第2溜め部66とを区画しているので、電動送風機53の駆動によって生じた負圧によって、第2溜め部66内に溜められた塵埃(細塵)が第1溜め部65(第1遠心分離部61)へと循環することがなく、塵埃を第2溜め部66内に確実に溜めておくことができる。
そして、電動送風機53により含塵空気を内部に吸い込む吸込口125を、含塵空気の吸い込み方向にのみ開口可能とする逆止弁126を備えているので、この逆止弁126が、吸込口125から外部にこぼれようとする第1溜め部65内の塵埃を堰き止め、塵埃を廃棄する際に、第1溜め部65内に溜められた塵埃が吸込口125からこぼれることを確実に防止できる。特に、本実施形態では、掃除機11を充電装置12に縦方向に置いた状態で吸込口125が下方を向くため、この吸込口125に逆止弁126を設けていることで、掃除機11を充電装置12に置いた状態で集塵カップ52を取り外す際などの吸込口125からの塵埃のこぼれを確実に防止できる。
しかも、この逆止弁126の弁体128は、上側でかつカップ部本体111の中心軸側の位置が固定体131によってカップ部本体111に固定されていることにより、外側部ないし下側部が開くように傾斜状に変形するので、導入部113(導入風路部68)から第1遠心分離部61へと吸い込まれる含塵空気がこの弁体128により整流されてカップ部本体111の内周面に対して接線方向に沿って導かれる。したがって、含塵空気がカップ部本体111内で旋回しやすくなり、第1遠心分離部61での遠心分離の効率を向上できるとともに、含塵空気がカップ部本体111と同軸に位置する分離体部115へと直接的に吹き付けられにくくなり、分離フィルタ165への塵埃の付着も抑制できる。
そして、掃除機11を置く置き台を、二次電池174を充電するための充電装置12としたので、掃除機11を収納するために充電装置12に置くだけで、特別の操作などを要することなく二次電池174を容易かつ確実に充電できる。したがって、充電装置12に置いた掃除機11の本体ケース51から集塵カップ52やフィルタ63を取り外して塵埃を廃棄するなどのメンテナンス作業をしている間でも二次電池174を充電できるので、二次電池174が次に使用可能となるまで充電される間の時間を有効利用でき、使い勝手が良好である。
なお、充電回路は、掃除機11に内蔵したが、充電装置12の保持部188などに内蔵することもできる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。