JP6537917B2 - 炭素繊維複合材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、炭素繊維織布に含浸する熱硬化性樹脂を硬化させた炭素繊維布硬化層が複数積層された炭素繊維複合材およびその製造方法に関するものである。
ノートパソコンやプリンタなどのOA機器の筐体や機械部品、釣竿、自動車や自転車等の車両部品等のように軽量性と高剛性との両立が求められる部材に、炭素繊維で強化したプラスチックが使用されている。この炭素繊維強化プラスチックとしては、炭素繊維をシート状に織った炭素繊維織物のような炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させて半乾燥させた炭素繊維プリプレグを複数枚重ねて成形型で圧縮加熱することで一体化した炭素繊維複合材が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−209717号公報 特開昭58−92522号公報
所要の形状に成形した前記炭素繊維複合材は、他の構成部品と連結することで製品または製品の一部として成立することが多い。ここで、金属製や樹脂製の部材では、成形後の後工程としてタップ加工を行いネジ孔を形成したり、下孔にボルトやナット、ピン等を圧入等することで締結部を設け、該締結部を利用して他の構成部品が締結されている。しかし、前記炭素繊維プリプレグを硬化した前記炭素繊維複合材は連続繊維が樹脂層に混在もしくは短繊維が樹脂層に分散されているので、圧縮加熱後に後加工として、ネジ切りタップ加工締を行っても、繊維が分断されたり、樹脂層にネジ溝がうまく反転されず、加工そのものが困難である。
このため、炭素繊維複合材に対しては、炭素繊維複合材の表裏からブラケットを介して接合部品を挟み込んで固定する方法が採用されている。しかし、ブラケットを用いる方法では、部品数の増加、作業工数の増加、外観状の制約などの不都合がある。
ここで特許文献2には、炭素繊維片および接合部品を配置した射出成形型に樹脂を射出することで、炭素繊維片で強化された炭素繊維複合材に接合部材をインサートする技術が開示されている。しかし、特許文献2の炭素繊維複合材は、炭素繊維片を分散した型内に射出した樹脂を行き渡らせる必要があることから、炭素繊維片の配合量(密度)を高めると、接合部品の周囲に樹脂の欠損等が発生して接合不良を招くことが懸念され、接合部品の接合強度を高くできない。また、炭素繊維複合材における炭素繊維片の偏在を制御することが困難なため、製品毎に接合部品の接合強度にばらつきが生じたり、接合部品の配設位置に割れや欠けが生ずる要因ともなる。
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、接合部品の接合強度を高めた炭素繊維複合材およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、
炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグが硬化した複数層の炭素繊維布硬化層と、
前記炭素繊維布硬化層の間に積層されると共に当該炭素繊維布硬化層と一体化されており、圧縮状態で熱硬化性樹脂を含浸させた発泡体が硬化した発泡体硬化層と、
最外層を形成する前記炭素繊維布硬化層から一部が露出する埋設状態で接合されている接合部品とを備え、
前記最外層の炭素繊維布硬化層が形成する凹状部に埋設状態で接合されている前記接合部品が、当該凹状部の形成部において前記発泡体硬化層と一体化した炭素繊維布硬化層により包囲されていることを要旨とする。
これによれば、炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを硬化してなる炭素繊維布硬化層と熱硬化性樹脂を含浸させた発泡体を圧縮硬化させてなる発泡体硬化層とを一体化して形成された凹状の凹状部に接合部品が埋設状態で接合されているので、接合部品の周りに均質に炭素繊維布硬化層を設けることができる。すなわち、機械的特性(高比強度、高比弾性)に優れた炭素繊維布を硬化させた炭素繊維布硬化層が接合部品を包囲すると共に、当該炭素繊維布硬化層を発泡体硬化層で支持することで、炭素繊維布硬化層からの接合部品の脱落を防止し、接合部品の接合強度を高めることができる。
請求項2に係る発明は、
前記凹状部から前記接合部品を引き抜く方向において、当該凹状部を形成する炭素繊維布硬化層と接合部品が係合するよう構成されたことを要旨とする。
これによれば、凹状部から接合部品が引き抜かれる方向に力が作用した際に、炭素繊維布硬化層に接合部品が係合することで、接合部品の引き抜きを防止することができる。
更に、請求項1の構成を含む発明に関し、以下の構成を具有する発明とすることもできる。すなわち、熱硬化性樹脂が含浸された表面層を形成する炭素繊維布と、前記炭素繊維布に積層されると共に熱硬化性樹脂が含浸された樹脂含浸発泡体と、前記炭素繊維布が形成する凹状部に一体に埋め込まれた接合部品とが、前記樹脂含浸発泡体が前記接合部品を埋め込む状態で、前記炭素繊維布と接合部材の埋め込まれた部分が密着するように構成されている炭素繊維複合材であることを要旨とする。
また更に、前記炭素繊維布と前記樹脂含浸発泡体を複数積層させることもできる。複数積層させることで、炭素繊維複合材の強度や剛性が高まる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項3に係る発明は、
連続気泡を有する発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂含浸発泡体を炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させた複数の炭素繊維プリプレグの間に積層させてなる積層体を、型面に接合部品を保持した成形型により積層体の積層方向から圧縮して、当該接合部品により圧縮される最外層の炭素繊維プリプレグを接合部品の外面形状に追従変形させると共に、当該最外層の炭素繊維プリプレグに追従して前記樹脂含浸発泡体を圧縮変形させ、
前記積層体を圧縮した状態で加熱して、前記熱硬化性樹脂の硬化に伴い前記接合部品の外面形状に追従変形させた前記炭素繊維プリプレグを硬化してなる炭素繊維布硬化層と、当該炭素繊維プリプレグに追従変形させた前記樹脂含浸発泡体を硬化してなる発泡体硬化層とを一体化して、外表面に露出する状態で前記接合部品を埋設することを要旨とする。
これによれば、接合部品を保持した成形型で積層体を圧縮すると共に加熱することで、炭素繊維布硬化層と発泡体硬化層とを一体化しつつ最外層の炭素繊維布硬化層から露出する状態で接合部品が埋設される。この積層体が圧縮されるとき、炭素繊維布プリプレグは接合部材の形状に合わせて屈曲すると同時に、樹脂含浸発泡体は、その弾性特性によって接合部材の形状に密着することができるので、接合部品が強固に炭素繊維複合材に固定される。また、炭素繊維布硬化層と発泡体硬化層とを一体化しつつ接合部品が埋設されるので、成形型で圧縮および加熱する工程とは別に接合部品を取り付ける工程を設ける必要がない。また、得られた炭素繊維複合材は、接合部品の外面形状に追従した形態で発泡体硬化層と一体化された炭素繊維布硬化層により包囲されるので、接合部品の周りに均質に炭素繊維布硬化層を設けることができる。すなわち、機械的特性(高比強度、高比弾性)に優れた炭素繊維布を硬化させた炭素繊維布硬化層が接合部品を包囲すると共に当該炭素繊維布硬化層を発泡体硬化層で支持することにより、炭素繊維布硬化層からの接合部品の脱落を防止し、接合部品の接合強度を高めた炭素繊維複合材を得ることができる。
請求項4に係る発明は、
凹凸形状部が設けられた前記接合部品を保持した前記成形型により前記積層体を圧縮した状態で加熱して、前記最外層の炭素繊維プリプレグを前記接合部品の凹凸形状部に追従変形させた状態で、前記炭素繊維布硬化層と発泡体硬化層とを一体化することを要旨とする。
これによれば、接合部品に形成された凹凸形状部に炭素繊維布硬化層が嵌合した状態となるので、接合部品の接合強度をより高めることができる。
更に、請求項3の構成を含む発明に関し、以下の構成を具有する発明とすることもできる。すなわち、炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させて炭素繊維プリプレグを得る工程と、発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させて樹脂含浸発泡体を得る工程と、金型に接合部品を保持する工程と、上記接合部品が保持された金型に上記炭素繊維プリプレグを積層する工程と、前記炭素繊維プリプレグに前記樹脂含浸発泡体を積層する工程と、前記金型を閉じて圧縮加熱する工程を含んでおり、前記金型に前記炭素繊維プリプレグを積層する工程により表面層を形成し、前記炭素繊維プリプレグに前記樹脂含浸発泡体を積層する少なくとも一回の工程が含まれてなる炭素繊維複合材の製造方法である。
更には、前記炭素繊維プリプレグに前記樹脂含浸発泡体を積層する工程が複数回あっても良い。
本発明に係る炭素繊維複合材によれば、接合部品の接合強度を高めることができる。またその製造方法によれば、接合部品の接合強度が高い炭素繊維複合材が得られる。
本発明の実施例に係る炭素繊維複合材の要部を概略で示す平面図である。 実施例に係る炭素繊維複合材の要部を一部破断して示す斜視図である。 (a)は、図1のA−A線における概略断面図であり、(b)は、(a)のB−B線における接合部品の配設位置を拡大した概略断面図である。 実施例に係る炭素繊維複合材の製造工程を断面で示す概略図であって、(a)は積層体を成形型で圧縮および加熱する前の状態を示し、(b)は積層体を成形型で圧縮および加熱した状態を示す。
次に、本発明に係る炭素繊維複合材およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
(炭素繊維複合材10について)
図1〜図3に示すように、本発明に係る炭素繊維複合材10は、炭素繊維布が硬化した炭素繊維布硬化層14と、圧縮状態で発泡体が硬化した発泡体硬化層16とを一体化した基材12に接合部品30が埋設されて、当該接合部品30を介して他の部品に着脱可能に取り付け可能に構成されている。ここで具体的に、炭素繊維布硬化層14は、炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸した炭素繊維プリプレグ54が硬化した層であり、発泡体硬化層16は、熱硬化性樹脂を含浸させた連続気泡を有する発泡体を圧縮状態で硬化した層である。炭素繊維複合材10は、ドアトリムやコンソールボックス等の車両内装部品の外装板として使用可能な板状に形成され、接合部品30を介して車両内装部品の基部に連結されるようになっている。この炭素繊維複合材10の基材12は、複数の炭素繊維布硬化層14の間に少なくとも1つの前記発泡体硬化層16が積層され、炭素繊維布硬化層14、発泡体硬化層16および接合部品30が一体化することで構成されている。炭素繊維複合材10の基材12は、表裏面を形成する炭素繊維布硬化層14の間に発泡体硬化層16を積層して構成され、炭素繊維複合材10の外面(最外層)が炭素繊維布硬化層14により形成されている。以下の説明では、炭素繊維複合材10において、厚み方向の一方の外面(図3(a)における上面)を第1外面10Aと指称し、他方の外面(図2)を第2外面10Bと指称する場合がある。
前記炭素繊維複合材10の基材12には、図1、図2、図3(a)に示すように、基材12の厚み方向(積層方向)に凹んだ凹状部20が形成されており、全体または一部を基材12に埋設するよう当該凹状部20に前記接合部品30が嵌合した状態で固定されている。この凹状部20は、基材12の最外層の炭素繊維布硬化層14を形成する炭素繊維布(炭素繊維プリプレグ54)が前記接合部品30の外面形状に密着するように追従した形状で硬化することにより、基材12の厚み方向に凹んだ凹状に形成されて、当該凹状部20に嵌合した接合部品30の外面を、当該最外層の炭素繊維布硬化層14が包囲するようになっている。すなわち、凹状部20の開口を介して接合部品30の一部が最外層を形成する炭素繊維布硬化層14から基材12の外側に露出している。すなわち、前記基材12は、前記凹状部20を形成する炭素繊維布硬化層14に対して内部側で前記発泡体硬化層16が一体化しており、当該凹状部20の剛性を高めて、接合部品30の接合強度を高めるようにしてある。言い換えると、凹状部20を形成する最外層の炭素繊維布硬化層14が前記接合部品30に接合する接合層を構成し、最外層の炭素繊維布硬化層14に一体化した発泡体硬化層16が当該炭素繊維布硬化層14を支持する支持層を構成している。
ここで、前記凹状部20は、前記炭素繊維複合材10の第1外面10Aとの境界をなす境界縁22より奥側において、接合部品30の後述する拡大部38に対して当該凹状部20から接合部品30を引き抜く方向で係合する規制部が形成されている。すなわち、前記凹状部から接合部品30を引き抜く方向において、当該凹状部20をなす炭素繊維布硬化層14により形成される規制部26と接合部品30の拡大部38とが係合することで、凹状部20からの接合部品30の引き抜きを規制するようになっている。この規制部26は、当該規制部26の形成位置における凹状部20の内径寸法に対して、当該規制部26の形成位置より奥側における凹状部20の内径寸法が拡大することで形成されている。具体的に図3(a)では、前記凹状部20の境界縁22と底部24との間の周面において、前記接合部品30の外形形状に合わせて炭素繊維複合材10の厚み方向と向と交差する方向(凹状部20の内側(接合部品30側))へ炭素繊維布硬化層14が突出することで前記規制部26が形成されている。
前記炭素繊維布硬化層14は、前記炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグ54を硬化して形成されている。前記炭素繊維布は、炭素繊維をシート状に形成したものであり、熱硬化性樹脂を含浸可能であると共に、軽くて剛性が高いという性質を持つ。炭素繊維布としては、例えば、炭素繊維を織った炭素繊維織物や、炭素繊維をシート状に結合した炭素繊維不織布等を採用することができる。ここで、前記炭素繊維布は、特に繊維が一方向のみではないものが好ましく、例えば、縦糸と横糸で構成される平織、綾織、朱子織及び3方向の糸で構成される三軸織等が好ましい。また、前記炭素繊維布は、熱硬化性樹脂の含浸及び剛性の点から、その繊維の重さを90〜400g/mとするのが好ましい。繊維の重さが90g/m未満の場合には、炭素繊維複合材10の強度、剛性が充分に確保することが困難になる。一方で、繊維の重さが400g/mを超える場合には、接合部材30を炭素繊維布硬化層14に密着させるように埋め込んで一体に成形することが困難になる。
前記炭素繊維布に含浸する前記熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、前記炭素繊維複合材10の剛性を高めるためには、硬化した際に熱硬化性樹脂自体がある程度の剛性を有するのが好ましい。例えば、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂とエポキシ樹脂の混合物等を採用し得る。特に、前記熱硬化性樹脂としては、ノボラック系の2核体が低減された架橋度の高いフェノール樹脂化合物が好適である。なお、前記炭素繊維複合材10に難燃性が要求される場合には、前記熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂のように良好な難燃性を示す樹脂を含浸することが好ましい。なお、熱硬化性樹脂は、前記炭素繊維布に含浸し易くするために、アルコール等の希釈剤で希釈するのが好ましい。また、前記炭素繊維布への熱硬化性樹脂の含浸量は、軽量化や剛性を高めるためには、前記炭素繊維プリプレグ54における前記熱硬化性樹脂の樹脂重量比率を30〜80%の範囲に設定するのが好ましく、該樹脂重量比率を40〜70%の範囲に設定するのがより好ましい。なお、前記樹脂重量比率は、(熱硬化性樹脂を含浸する前後における炭素繊維布と発泡体の合計重量の差)÷(熱硬化性樹脂を含浸した後の炭素繊維布と発泡体の合計重量)×100(%)の式により算出された値である。なお、前記樹脂重量比率の式における熱硬化性樹脂を含浸した後の重量は、熱硬化性樹脂を溶剤に溶かして使用した場合には、含浸後に乾燥させて溶剤を除去した後の重量である。
前記発泡体硬化層16を形成する発泡体としては、特に限定されるものではない。この発泡体は、各気泡(セル)が連通する連続気泡構造からなる発泡体が適しているが、気泡が連通しない構造の発泡体を用いることも可能である。ここで、発泡体は連続気泡構造を有することで、熱硬化性樹脂を好適に含浸させることができるだけでなく、高い圧縮率で成形が可能となる。また、連続気泡構造の発泡体は、前記接合部品30を後述する嵌合状態で接合するのにも適している。前記発泡体としては、例えば、メラミン樹脂発泡体、ウレタン樹脂発泡体、ポリオレフィン(ポリアミド)樹脂発泡体などから選択することができる。発泡体硬化層16を形成する発泡体としてこれらの素材を選ぶことにより炭素繊維布の積層枚数に相当する厚みにまで圧縮成形が可能である。特に、前記発泡体として、メラミン樹脂発泡体もしくはポリアミド樹脂発泡体が好ましい。また、前記炭素繊維複合材10に難燃性が求められる場合には、含浸される熱硬化性樹脂としては難燃性のものが好ましく、メラミン樹脂発泡体は良好な難燃性を有するため、前記炭素繊維複合材10として好適なものである。前記発泡体の圧縮前の厚み(元厚み)は適宜に設定することができるが、例えば1〜25mmの範囲を挙げる。また、前記発泡体は、圧縮容易性、含浸性、軽量性、剛性等の観点から、圧縮する前の密度を5〜80kg/m3とするのが好ましく、8〜12kg/m3とするのがより好ましい。すなわち、発泡体の圧縮前の密度が5kg/m3未満の場合には、炭素繊維複合材10の強度、剛性を充分に確保することが困難になる。一方で、発泡体の圧縮前の密度が80kg/m3を超える場合には、発泡体への熱硬化性樹脂の含浸や発泡体の圧縮が困難になったり、炭素繊維複合材10の重量が増して取扱い性が低下する要因となる。
前記発泡体に含浸する熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、前記炭素繊維複合材10の剛性を高めるためには、硬化した際に熱硬化性樹脂自体がある程度の剛性を有するのが好ましい。例えば、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂とエポキシ樹脂の混合物等を採用し得る。特に、前記熱硬化性樹脂としては、ノボラック系の2核体が低減された架橋度の高いフェノール樹脂化合物が好適である。なお、前記炭素繊維複合材10に難燃性が要求される場合には、前記熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂のように良好な難燃性を示す樹脂を含浸することが好ましい。なお、熱硬化性樹脂は、前記炭素繊維布に含浸し易くするために、アルコール等の希釈剤で希釈するのが好ましい。また、炭素繊維プリプレグ54に含浸させる熱硬化性樹脂と、発泡体に含浸させる熱硬化性樹脂とは、同じ種類のものでも異なる種類のものでもよいが、同じ種類の熱硬化性樹脂を含浸することが好ましく、積層体52を圧縮硬化した際に炭素繊維布硬化層14と発泡体硬化層16との密着性を高め、層間剥離を著しく抑制して両層を強固に一体化し得る。
図1〜図3に示すように、前記接合部品30としては、他の部材との締結に用いられるネジやナット、ピン等の他の構成部品に対する連結に供される部品の他に、装飾用の飾り部品等を採用することができ、炭素繊維複合材10の凹状部20に埋設することで、当該接合部品30を強固に固定することが可能になる。なお、前記接合部品30の材質は、後述する圧縮および加熱に耐え得る程度の耐圧性および耐熱性を備えていれば特に限定されない。実施例では、一端面にネジ孔32が開口した金属製の所謂インサートナットを接合部品30として採用してある。すなわち、接合部品30の前記ネジ孔32に、他の構成部材に設けた雄ネジを螺挿することで、前記炭素繊維複合材10を他の構成部材に対して容易に連結可能となっている。
また、前記接合部品30は、炭素繊維複合材10の第1外面10Aから前記ネジ孔32が開口する開口面34が露出する状態で凹状部20に嵌合するよう設けられて、当該凹状部20を形成する最外層の炭素繊維布硬化層14に接合部品30が接合されている。このように接合部品30は、前記凹状部20に嵌合することで、前記一体化した炭素繊維布硬化層14および発泡体硬化層16からなる基材12に対して厚み方向に埋め込まれた状態で固定されている。ここで、接合部品30の全体が前記凹状部20に嵌合して埋設される形態に限られるものでない。例えば、前記凹状部20の深さ寸法より長い接合部品30を嵌合させて、接合部品30の一部が凹状部20から突出するよう構成することもできる(図示せず)。換言すると、接合部品30において前記凹状部20に嵌合する部位だけが、炭素繊維布硬化層14に包囲された状態で接合される接合部となる。
ここで、前記接合部品30の外面形状は、特に限定されないが、前記凹状部20に嵌合する接合部に、前記凹状部20の前記規制部26に対して凹状部20の底部24側から境界縁22の方向で当接する抜け止め部38を設けることが好ましい。このような抜け止め部38は、接合部品30の外周面を凹凸状に形成したり、凹状部20の奥側において外形が拡大するよう形成することで設けることができる。例えば、図2、図3に示す接合部品30は、軸状部36の両端部に、当該軸状部36より外形の大きな拡大部38,40が形成されており、当該軸状部36より凹状部20の奥側に位置する拡大部38が前記抜け止め部として機能するようになっている。すなわち、前記接合部品30の外面形状に追従した形態で前記炭素繊維布硬化層14および発泡体硬化層16が形成される前記規制部26が、軸状部36および拡大部38,40により形成される接合部品30の拡大部38,40の間の溝状部分に嵌合することで、凹状部20から引き抜かれる方向に力が前記接合部品30に作用した際に、前記凹状部20の奥側(底部24側)に位置する拡大部38が当該規制部26に係合して、接合部品30が凹状部20から脱落するのを効果的に防止している。また、凹状部20の奥側に接合部品30を押し込む方向に力が作用した際には、発泡体硬化層16の弾性力によって、規制部26に炭素繊維布硬化層14を押し込め、接合部品30と炭素繊維布硬化層14、発泡体硬化層16の密着力を高めている。また、凹状部20を形成する表面層において炭素繊維布硬化層14が複数積層されている場合には、複数の炭素繊維布硬化層14および発泡体硬化層16が接合部品30の形状に合わせて密着している。ここで、複数の炭素繊維布硬化層14は一定の深さまで接合部品30の形状に追従しているものの、それより深い領域では、破断している。ここでいう破断とは、炭素繊維布が接合部材30によって圧縮されることで、当該繊維布の伸びを超えて、接合部材30の圧縮面で破断し接合部材30が繊維布を貫通している状態をいう。接合部品30の底部に圧縮される領域では、表面層と裏面層(第1外面10Aと第2外面10B)の炭素繊維布硬化層14と発泡体硬化層16が圧縮されており、発泡体硬化層16が中実になっている。ここで、前記抜け止め部は、接合部品30を錐体形状に形成したり、当該接合部品30の外周面に凹み部や突出部を設けることによっても形成することが可能であり、当該接合部品30の外面形状に追従した形態で炭素繊維布硬化層14および発泡体硬化層16が形成されることで、接合部品30の引き抜きや押し込みを防止することが可能である。
また、図3(b)に示すように、前記接合部品30には、前記凹状部20に嵌合する接合部に、当該凹状部20の中心線(凹状部20の奥行き方向)を軸線とした回転方向への回転を規制する滑り止め部42が設けることが好ましい。このような、滑り止め部42は、接合部品30の外周面を凹凸状に形成したり、凹状部20の中心線に交差する方向での接合部品30の断面形状を非円形状に形成することで設けることができる。例えば、図3(b)および図2に示す接合部品30は、前記拡大部38,40の外周面に、凹状部20の中心線を軸線とした回転方向に交差する傾斜状の溝部を周方向に離間して複数形成されており、当該溝部により形成される微少な突起42が前記滑り止め部として機能するようになっている。また、凹状部20からの接合部品30の引き抜き方向に対して交差するよう前記溝部を形成することで、突起42が前記抜け止め部として機能するよう構成することができる。
このような滑り止め部42は、所謂ローレット加工や、ブラスト加工等の接合部品30外周面に凹凸形状を形成可能な各種の加工方法により形成することができる。なお、ローレット加工により突起42を形成する際には、凹状部20の中心線に対して溝部が傾斜した斜めローレットや、凹状部20の中心線に沿って溝部が延在する平目ローレット、溝部を網目状に形成した綾目ローレット等を採用できる。なお、図2では、溝部を網目状に形成した状態を示してある。言い換えると、滑り止め部42は、接合部品30の外表面から突出するよう形成された微少な突起42の間の隙間に炭素繊維が嵌合することで形成される。すなわち、前記接合部品30の外面形状に追従した形態で形成される炭素繊維布硬化層14が接合部品30の滑り止め部(突起)42に嵌合することで、凹状部20の内部で接合部品30が回転する方向に力が作用した際に接合部品30が回転するのを効果的に防止することができる。このような滑り止め部42は、ボルトやナットのように回転方向に力が作用する部品を接合部品30として埋設する場合に特に有効である。また、前記滑り止め部42は、接合部品30の断面を楕円や多角形状に形成することで形成することも可能である。
(炭素繊維複合材10の製造方法について)
次に、前述した炭素繊維複合材10の製造方法について説明する。図4に示すように、炭素繊維複合材10は、成形型60を用いて製造される。前記成形型60は、炭素繊維複合材10における第1外面10A(第1表面層とも称す)を成形する第1型面62aを有する第1型62と、炭素繊維複合材10における第2外面10B(第2表面層とも称す)を成形する第2型面64aを有する第2型64とから構成される。そして、前記成形型60(第1および第2型62,64)の型面62a,64aに、成型後に成形型60から離脱可能な状態で前記接合部品30を保持する保持手段66が設けられている。ここで、接合部品30は、第1および第2型62,64の何れか片方の型に保持してもよく、また両方の型に保持してもよい。すなわち、片方の型に接合部品30を保持した成形型60で前記積層体52を圧縮加熱することで、得られる炭素繊維複合材10の片面に接合部品30を埋設することができ、両方の型に接合部品30を保持した成形型60で前記積層体52を圧縮加熱することで、得られる炭素繊維複合材10の両面に接合部品30を埋設することができる。なお、前記成形型60に保持する接合部品30の数は適宜に決定することができ、複数の接合部品30を保持した成形型60で前記積層体52を圧縮加熱することで、得られる炭素繊維複合材10に複数の接合部品30を埋設することができる。図4では、前記第1型面62aに形成した1つの前記保持手段66に接合部品30を保持してある。なお、図4では、保持手段66は、接合部品30の前記ネジ孔32に挿入されるピンで構成されている。
また、第1型面62aには凹凸形成部68が形成されており、積層体52を圧縮加熱することで、炭素繊維複合材10の第1外面10Aの適宜位置に凹凸を形成するよう構成されている。この凹凸は、図示した凸形状や凹形状に限定されず、曲面が隆起することで形成されるなだらかな凹凸であってもよい。さらに、凹凸領域が異なる面積の凹凸部を、各々第1型面62aには凸部、第2型面64aには凹部として設けることも可能である。このように、積層体52を圧縮加熱する成形型60の型面62a,64aは、必要な炭素繊維複合材10の形状に合わせて形成することができる。図4では、前記第1型面62aに、炭素繊維複合材10の第1外面10Aに凹部18を形成する凹凸形成部68が設けられている。また、この成形型60には電熱ヒーター等の加熱手段(図示せず)が設けられており、積層体52を圧縮した状態で前記熱硬化性樹脂の硬化反応に必要可能な温度まで加熱し得るよう構成されている。
また、前記炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させて前記炭素繊維プリプレグ54を作成する(炭素繊維プリプレグを得る工程)。この炭素繊維プリプレグ54は、液状の熱硬化性樹脂溶液中に、所要の平面サイズに裁断した前記炭素繊維布を浸漬して、該炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させることで作成することができる。また、前記発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させて前記樹脂含浸発泡体56を作成する(樹脂含浸発泡体を得る工程)。この樹脂含浸発泡体56は、炭素繊維プリプレグ54と同様に、液状の熱硬化性樹脂溶液中に、所要の平面サイズに裁断した前記発泡体を浸漬して、該発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させることで作成することができる。また、溶剤に熱硬化性樹脂を溶かした溶液を含浸させた後に、熱硬化性樹脂の硬化反応を生じない温度で乾燥させて希釈剤を除去することで、炭素繊維プリプレグ54や樹脂含浸発泡体56を容易に作成することが可能になる。なお、炭素繊維布や発泡体に熱硬化性樹脂を含浸する方法としては、前述した熱硬化性樹脂溶液に浸漬する方法の他、スプレーにより熱硬化性樹脂溶液を吹き付けて含浸させる方法や、ロールコータにより熱硬化性樹脂溶液を塗布する方法等を採用することができる。
ここで、前記炭素繊維布および発泡体への熱硬化性樹脂の含浸量は、軽量化や剛性を高めるために、前記炭素繊維プリプレグ54における前記熱硬化性樹脂の重量比率を30〜80%の範囲に設定するのが好ましく、該重量比率を40〜70%の範囲に設定するのがより好ましい。なお、熱硬化性樹脂を希釈剤に溶かして含浸させた場合には、含浸後に乾燥させて希釈剤を除去した後の重量を基準にして前記樹脂重量比率が求められる。また、炭素繊維布や発泡体に対して同じ種類の熱硬化性樹脂を含浸することで、積層体52を圧縮加熱した際に、炭素繊維布硬化層14および発泡体硬化層16を効果的に一体化して基材12の剛性を高めることができる。
そして、図4(a)に示すように、最外層に前記炭素繊維プリプレグ54が位置するように、複数の炭素繊維プリプレグ54の間に樹脂含浸発泡体56を積層した積層体52を、前記接合部品30を保持した前記成形型60の第1型62および第2型64の間に配置して、当該積層体52における炭素繊維プリプレグ54および樹脂含浸発泡体56の積層方向から圧縮すると共に圧縮状態で加熱する。すなわち、成形型60に接合部品30を保持する工程と、当該接合部品30が保持された成形型60に炭素繊維プリプレグ54を積層する工程と、前記炭素繊維プリプレグ54に前記樹脂含浸発泡体56を積層する工程と、前記成形型60を閉じて積層体52を圧縮加熱する工程とが含まれて、前記成形型60に前記炭素繊維プリプレグ54を積層する工程により炭素繊維複合材10の表面層を形成するようになっている。ここで、積層する炭素繊維プリプレグ54および樹脂含浸発泡体56の枚数は適宜に定めることができる。例えば、炭素繊維プリプレグ54と樹脂含浸発泡体56とを複数枚重ねて積層したとしても、樹脂含浸発泡体の弾性力によって、圧縮量に関係なく金型の凹凸形成部68が、忠実に反転されることにより凹部の深さや、凸部の高さを調整することが可能である。すなわち、炭素繊維プリプレグ54を複数枚重ねても、樹脂含浸発泡体56を複数枚重ねることで、得られる炭素繊維複合材10の立体形状を複雑にすることができる。また、最外層を形成する一対の炭素繊維プリプレグ54の間に、炭素繊維プリプレグ54および樹脂含浸発泡体56を複数枚重ねて積層することで、得られる炭素繊維複合材10の内部に炭素繊維布硬化層14を形成することができ、炭素繊維複合材10の耐引張荷重や耐曲げ荷重の向上を図りうる利点がある。
また、炭素繊維複合材10の一方の外表面から最も近い樹脂含浸発泡体56までの間に存在する炭素繊維プリプレグ54の数と、炭素繊維複合材10の他方の外表面から最も近い樹脂含浸発泡体56までの間に存在する炭素繊維プリプレグ54の数とが等しくなるよう積層したり、当該炭素繊維プリプレグ54の数を異なるよう積層することも可能である。積層体52の圧縮に伴って接合部品30や凹凸形成部68により炭素繊維プリプレグ54を圧縮する際に、接合部品30の埋設位置や凹凸形成部68による凹凸形状の形成位置に応じて、炭素繊維複合材10の両外表面側に位置する炭素繊維プリプレグ54の枚数を調整することで、反りのない炭素繊維複合材10を得ることができる。すなわち、前記炭素繊維プリプレグ54に前記樹脂含浸発泡体56を積層する少なくとも一回の工程が含まれており、当該炭素繊維プリプレグ54に前記樹脂含浸発泡体56を積層する工程を複数回設けることが可能である。
例えば、炭素繊維複合材10の両面に均等になるよう接合部品30を埋設したり、凹凸形状を形成する場合には、炭素繊維複合材10の両面側に位置する炭素繊維プリプレグ54の枚数を等しくすることで、接合部品30の埋設や凹凸形状の形成を良好に行いつつ、炭素繊維複合材10の反りを押さえることができる。一方で、炭素繊維複合材10の片面に接合部品30を埋設したり、凹凸形状を形成する場合のように、埋設される接合部品30や形成する凹凸形状が炭素繊維複合材10の両面で不均等になるような場合には、炭素繊維複合材10の両面側に位置する炭素繊維プリプレグ54の枚数を異ならせることで、接合部品30の埋設や基材12に対して凹凸形状の形成を良好に行いつつ、炭素繊維複合材10の反りを押さえることができる。すなわち、積層体52を圧縮するのに伴って接合部品30等により押圧されて炭素繊維プリプレグ54が引っ張られる外表面と反対側の外表面側に積層する炭素繊維プリプレグ54の枚数を増やすことで、接合部品30の埋設側に炭素繊維複合材10が反り返るのを効果的に防止することが可能になる。なお、図4(a)では、炭素繊維複合材10において接合部品30を埋設する第1外面10A側に炭素繊維プリプレグ54を1枚配置し、反対となる第2外面60B側に炭素繊維プリプレグ54を2枚重ねて配置した状態を図示してある。
前記積層体52を圧縮することで、炭素繊維プリプレグ54および樹脂含浸発泡体56は、前記型面62a,64aおよび前記接合部品30の外面の凹凸形状部(軸状部36や拡大部38,40、滑り止め部42)へ追従した形状に変形する。この際、圧縮に反発する力(樹脂含浸発泡体56の反発力や圧縮に伴い流動する熱硬化性樹脂)により積層体52の内部側から炭素繊維プリプレグ54が押圧されることで、接合部品により圧縮される最外層の炭素繊維プリプレグ54を、当該接合部品30に密着するよう追従変形させることができる。すなわち、接合部品30の軸状部36および拡大部38,40に追従した形状に最外層の炭素繊維プリプレグ54が変形することで前記規制部26を形成することができる。また、炭素繊維プリプレグ54を接合部品30に押し付けることで、接合部品30の滑り止め部42の隙間に炭素繊維プリプレグ54の炭素繊維が嵌まり込ませることができる。
そして、前記積層体52を圧縮した状態で熱硬化性樹脂を反応硬化することで、炭素繊維プリプレグ54が硬化した炭素繊維布硬化層14と、樹脂含浸発泡体56が硬化した発泡体硬化層16とが、前記型面62a,64aおよび前記接合部品30の外面形状に追従した形態で一体化されると共に、前記接合部品30の一部(開口面34)が炭素繊維布硬化層14から露出した状態で接合される。すなわち、積層体52の圧縮に伴って、前記接合部品により圧縮される最外層の炭素繊維プリプレグ54を接合部品30の外面形状に追従変形させると共に、当該最外層の炭素繊維プリプレグ54に追従して樹脂含浸発泡体56を圧縮変形させた状態で加熱により硬化することで、接合部品30の外面形状に追従変形させた炭素繊維プリプレグ54を硬化してなる炭素繊維布硬化層14と、当該炭素繊維プリプレグ54に追従変形させた樹脂含浸発泡体56を硬化してなる発泡体硬化層16とが一体化して接合部品30が嵌合する凹状部20が形成され、外表面に露出する状態で接合部品30を埋設した炭素繊維複合材10を得ることができる。このとき、硬化した炭素繊維布硬化層14および発泡体硬化層16により前記規制部26が形成されると共に、接合部品30の滑り止め部42の隙間に炭素繊維が嵌まり込んだ状態で、炭素繊維布硬化層14が形成されることで、接合部品30が凹状部20に対して強固に接合される。
次に、炭素繊維複合材10の具体的な製造方法の一例を示す。熱硬化性樹脂として2核体が低減されたノボラック系フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製 品名;スミライトレジンPR−55791B)を、主成分がエタノールである希釈剤(大伸化学株式会社製 品名;ネオエタノール)に91wt%となるよう希釈した熱硬化性樹脂溶液を生成する。そして、炭素繊維布として平織の炭素繊維織物(東邦テックス株式会社製 品名;W−3101 繊維重さ200g/m)を前記熱硬化性樹脂溶液中に浸漬して、当該溶液から取り出した炭素繊維布を自然乾燥し、熱硬化性樹脂を含浸した炭素繊維プリプレグ54を作成する。同様に、連続気泡を有する発泡体として厚み10mm、平面サイズ200×300mmに切り出したメラミン樹脂発泡体(BASF社製 品名;バソテクトG 密度10.3kg/m)を、前記炭素繊維布と同様にして熱硬化性樹脂溶液中に浸漬して、当該溶液から取り出した発泡体を自然乾燥し、熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸発泡体56を作成する。このとき、前述した式で算出される樹脂重量比率は93%とした。
次に、成形型60における第1型62の第1型面62aに形成した保持手段66としてのピンに接合部品30を嵌挿保持すると共に、第1型62および第2型64の表面に離型剤を塗布すると共に、第1型62側から順に1枚の炭素繊維プリプレグ54、1枚の樹脂含浸発泡体56、2枚の炭素繊維プリプレグ54を積層した積層体52を第1型62および第2型64の間に配置する。この状態で、図4(b)に示すように、前記積層体52を前記第1型62および第2型64により積層方向から圧縮すると共に、成形型60の鋳込みヒーターを用いて圧縮状態で加熱して、圧縮状態において熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)を反応硬化させた。第1表面層(第1外面10A)側に配置した炭素繊維プリプレグ54は、布が柔軟に変形して袋状に凹状部20を形成して接合部材30と密着するとともに、凹状部20に取られる面積ぶんだけ成形型周縁が短くなっている。このとき、成形型60により150℃で15分間、18MPaの面圧をかけて圧縮した。第1型62に対向する炭素繊維プリプレグ54により形成される最外層の炭素繊維布硬化層14が形成する凹状部20に接合部品30が嵌合して、当該炭素繊維布硬化層14により接合部品30が包囲された状態で接合すると共に、当該炭素繊維布硬化層14における凹状部20の形成部と発泡体硬化層16)とが一体化した炭素繊維複合材10を得ることができる。
(実施例の作用)
次に、前述した炭素繊維複合材およびその製造方法の作用について説明する。炭素繊維複合材10は、炭素繊維布を硬化してなる炭素繊維布硬化層14と発泡体を圧縮硬化させてなる発泡体硬化層16とを一体化して形成された凹状の凹状部20に接合部品30が嵌合状態で接合されているので、接合部品30の周りに均質に炭素繊維布硬化層14を設けることができる。すなわち、機械的特性(高比強度、高比弾性)に優れた炭素繊維布を硬化させた炭素繊維布硬化層14が接合部品30を包囲すると共に、当該炭素繊維布硬化層14を発泡体硬化層16で支持することで、炭素繊維布硬化層14からの接合部品30の脱落を防止し、接合部品30の接合強度を高めることができる。また、炭素繊維複合材10は、接合部品30に設けられた抜け止め部(拡大部)38が、凹状部20の規制部26に係合するよう構成されている。このため、接合部品30に対して嵌合を浅くする方向(接合部品30を凹状部20から引き抜く方向)に力が加わった際に、抜け止め部(拡大部)38に規制部26が干渉するので、接合部品30がより外れ難い。更に、炭素繊維複合材10は、接合部品30に設けられた滑り止め部42の凹凸形状に炭素繊維布硬化層14が嵌まり込むことで、接合部品30の接合強度がより高められている。特に、接合部品30に対して前記ネジ孔32を軸として回転する方向の力が作用しても、凹状部20が滑り止め部42に嵌合しているため、凹状部20内で接合部品30が供回りするのを効果的に防ぐことができる。
また、炭素繊維複合材10は、第1型面62aに接合部品30が保持された前記成形型60で前記積層体52を圧縮して、当該接合部品30により圧縮される最外層の炭素繊維プリプレグ54を接合部品30の外面形状に追従変形させると共に、当該最外層の炭素繊維プリプレグ54に追従して樹脂含浸発泡体56を圧縮変形させ、更に積層体52を圧縮した状態で加熱することで、熱硬化性樹脂の硬化に伴い接合部品30の外面形状に追従変形させた炭素繊維プリプレグ54を硬化してなる炭素繊維布硬化層14と、当該炭素繊維プリプレグ54に追従変形させた樹脂含浸発泡体56を硬化してなる発泡体硬化層16とを一体化して、外表面に露出する状態で接合部品30を埋設することで得ることができる。このように、この積層体52が圧縮される際に、炭素繊維布プリプレグ54が接合部材30の形状に合わせて屈曲すると同時に、樹脂含浸発泡体56がその弾性特性によって接合部材30の形状に合わせて炭素繊維布プリプレグ54に密着することができるので、接合部品30が強固に炭素繊維複合材10に固定される。また、炭素繊維布硬化層14と発泡体硬化層16とを一体化しつつ接合部品30が埋設されるので、接合部品30を炭素繊維複合材10の基材12に接合する工程を、炭素繊維布硬化層14や発泡体硬化層16を形成する工程とは別に設ける必要がなく、該接合部品30の接合作業性を向上することができる。
そして、接合部品30が保持された成形型60で積層体52を圧縮硬化させることで、接合部品30の外面形状に追従した形態で発泡体硬化層16と一体化された炭素繊維布硬化層14により包囲することができ、接合部品30の周りに均質に炭素繊維布硬化層14を設けることができる。すなわち、機械的特性(高比強度、高比弾性)に優れた炭素繊維布を硬化させた炭素繊維布硬化層14が接合部品30を包囲すると共に当該炭素繊維布硬化層14を発泡体硬化層16で支持することにより、炭素繊維布硬化層14からの接合部品30の脱落を防止し、接合部品30の接合強度を高めた炭素繊維複合材10を容易に得ることができる。
前記滑り止め部42が設けられた接合部品30を保持した成形型60で前記積層体52を圧縮および加熱することで、炭素繊維布硬化層14が前記滑り止め部42の凹凸形状に嵌合する状態で、炭素繊維布硬化層14と発泡体硬化層16とが一体化される。更に、前記抜け止め部(拡大部)38が設けられた接合部品30を保持した成形型60で前記積層体52を圧縮および加熱することで、炭素繊維布硬化層14と発泡体硬化層16とが抜け止め部(拡大部)38に沿った形態で一体化される。すなわち、接合部品30が保持された成形型60で積層体52を圧縮硬化させるだけで、炭素繊維複合材10の基材12に対して接合部品30を強固に接合することができ、埋設した接合部品30を締結部として好適に利用することが可能な炭素繊維複合材10を得ることができる。
(変更例)
なお、本発明に係る炭素繊維複合材およびその製造方法としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、炭素繊維複合材を平板状に形成するようにしたが、成形型のキャビティを適宜に調節することで、屈曲形状や湾曲形状の炭素繊維複合材に形成することができる。
(2) 炭素繊維複合材の基材に埋め込む接合部品は、実施例で示したナットである必要はなく、ボルトやピン状の部品であってもよい。また、接合部品の1箇所を炭素繊維複合材の基材に埋め込む形態に限られるものではなく、例えばコ字状に形成した接合部品の両端部を炭素繊維複合材の基材に埋め込むよう構成することで、炭素繊維複合材に把持部を形成することも可能である。
(3) 接合部品は、炭素繊維複合材の一方面に埋設する構成に限らず、炭素繊維複合材の両面に埋設する構成とすることができる。例えば、実施例に示した成形型の第1型および第2型の夫々に接合部品を保持して積層体を圧縮および加熱することで実現できる。このとき、各面の接合部品を異なる部品とすることができることは当然である。
10 炭素繊維複合材,14 炭素繊維布硬化層,16 発泡体硬化層,20 凹状部
30 接合部品,38 拡大部(凹凸形状部),42 抜け止め部(凹凸形状部)
52 積層体,54 炭素繊維プリプレグ,56 樹脂含浸発泡体
60 成形型,62a 第1型面(型面)

Claims (4)

  1. 炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグが硬化した複数層の炭素繊維布硬化層と、
    前記炭素繊維布硬化層の間に積層されると共に当該炭素繊維布硬化層と一体化されており、圧縮状態で熱硬化性樹脂を含浸させた発泡体が硬化した発泡体硬化層と、
    最外層を形成する前記炭素繊維布硬化層から一部が露出する埋設状態で接合されている接合部品とを備え、
    前記最外層の炭素繊維布硬化層が形成する凹状部に埋設状態で接合されている前記接合部品が、当該凹状部の形成部において前記発泡体硬化層と一体化した炭素繊維布硬化層により包囲されている
    ことを特徴とする炭素繊維複合材。
  2. 前記凹状部から前記接合部品を引き抜く方向において、当該凹状部を形成する炭素繊維布硬化層と接合部品が係合するよう構成された請求項1記載の炭素繊維複合材。
  3. 連続気泡を有する発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂含浸発泡体を炭素繊維布に熱硬化性樹脂を含浸させた複数の炭素繊維プリプレグの間に積層させてなる積層体を、型面に接合部品を保持した成形型により積層体の積層方向から圧縮して、当該接合部品により圧縮される最外層の炭素繊維プリプレグを接合部品の外面形状に追従変形させると共に、当該最外層の炭素繊維プリプレグに追従して前記樹脂含浸発泡体を圧縮変形させ、
    前記積層体を圧縮した状態で加熱して、前記熱硬化性樹脂の硬化に伴い前記接合部品の外面形状に追従変形させた前記炭素繊維プリプレグを硬化してなる炭素繊維布硬化層と、当該炭素繊維プリプレグに追従変形させた前記樹脂含浸発泡体を硬化してなる発泡体硬化層とを一体化して、外表面に露出する状態で前記接合部品を埋設する
    ことを特徴とする炭素繊維複合材の製造方法。
  4. 凹凸形状部が設けられた前記接合部品を保持した前記成形型により前記積層体を圧縮した状態で加熱して、前記最外層の炭素繊維プリプレグを前記接合部品の凹凸形状部に追従変形させた状態で、前記炭素繊維布硬化層と発泡体硬化層とを一体化する請求項3記載の炭素繊維複合材の製造方法。
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