(第1実施形態)
以下、遊技機の一種であるスロットマシンの第1実施形態について説明する。本明細書において、上、下、左、右、前、後の各方向は、スロットマシンで遊技を行う遊技者から見たときの各方向を指すものとする。
図1に示すように、スロットマシン10は、四角箱状の本体キャビネット11を備えている。本体キャビネット11は、前面に、図示されていない開口部を備えている。スロットマシン10は、本体キャビネット11の開口部を覆っている前面扉12を備えている。前面扉12は、本体キャビネット11に対して開閉可能に支持されている。
スロットマシン10は、前面扉12に、遊技に伴う演出(以下、遊技演出と示す)の1つとして、例えば、発光体を点灯、消灯又は点滅させる演出を実行できる装飾ランプ13を備えている。スロットマシン10は、前面扉12に、遊技演出の1つとして、例えば、効果音や楽曲、音声などの音を出力する演出を実行できるスピーカ14を備えている。
スロットマシン10は、前面扉12に、遊技演出の1つとして、例えば、キャラクタや文字などを模した画像を表示する演出を実行できる演出表示装置15を備えている。演出表示装置15としては、例えば、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイなどを採用できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面であって且つ演出表示装置15の下方に、遊技者が機内部を透視できる略四角形の表示窓12aを備えている。
スロットマシン10は、リールユニット16を備えている。リールユニット16は、表示窓12aを介して遊技者が視認できるように、機内部に配設されている。リールユニット16は、左リール16a(第1リール)と、中リール16b(第2リール)と、右リール16c(第3リール)と、を備えている。リール16a〜16cは、ドラムとも称される回胴である。
リール16a〜16cは、その外周面に沿って、複数の図柄が識別可能に配列されている図柄列をそれぞれ備えている。図柄列は、複数の図柄を長手方向に沿って印刷した帯状の透光性フィルムを、リール16a〜16cの外側に巻き付けることにより設けられている。リール16a〜16cの図柄列には、それぞれ図柄番号00から図柄番号20までの全21個の図柄が含まれている。図柄には、複数種類の図柄がある。例えば、複数種類の図柄には、チェリーを模したチェリー図柄や、スイカを模したスイカ図柄、ベルを模したベル図柄、アラビア数字の「7」を模したセブン図柄及び「REPLAY」の文字を模したリプレイ図柄が含まれている。
リールユニット16は、左リール16aを回転及び停止させるアクチュエータと、中リール16bを回転及び停止させるアクチュエータと、右リール16cを回転及び停止させるアクチュエータと、を備えている(何れも図示していない)。リール16a〜16cを駆動させるアクチュエータとしては、例えば、ステッピングモータを採用できる。リール16a〜16cは、それぞれに対応して設けられたアクチュエータによって、相互に独立して、縦方向に回転及び停止が可能である。スロットマシン10では、リール16a〜16cが回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄列(複数種類の図柄)が変動され、これにより変動ゲームが実行される。例えば、図柄列の変動は、図柄列が上方から下方に向かって縦方向にスクロール表示される態様により行われる。このように、スロットマシン10は、複数の図柄が配列されたリールを動作(回転)させて変動ゲームを実行可能に構成されている。また、リールユニット16は、左リール16aの回転位置を検出するための左リールセンサSE1と、中リール16bの回転位置を検出するための中リールセンサSE2と、右リール16cの回転位置を検出するための右リールセンサSE3と、を備えている(図3に示す)。
表示窓12aは、リール16a〜16cにおいて周方向に連続している3つの図柄を表示可能な大きさである。表示窓12aには、リール16a〜16c毎に、上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置が設定されている。スロットマシン10では、リール16a〜16c毎に設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組み合わせによって、停止された図柄組み合わせを入賞と判定し得る有効な停止位置の組み合わせが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組み合わせを構成する複数の停止位置を結んだラインを単に有効ラインNLと示す。本実施形態では、リール16a〜16cの各中段停止位置によって、有効ラインNL(有効な停止位置の組み合わせ)が構成されている。有効ラインは、入賞ラインともいわれる。
ここで、図柄について「停止」とは、図柄が表示窓12a内、すなわち上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置の何れかに停止され、遊技者に視認可能に表示されることを意味する。また、「入賞」とは、賞が定められた図柄組み合わせが有効ラインNL上に表示されることを意味している。スロットマシン10では、入賞が発生すると、該入賞した図柄組み合わせに予め定められた賞が付与される。
なお、有効な停止位置の組み合わせ以外の組み合わせは、表示された図柄組み合わせを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組み合わせ(所謂、無効ライン)となる。本明細書において「変動ゲームにて導出されるゲーム結果」とは、変動ゲームにおいて有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせに相当する。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技媒体としてのメダルを投入するメダル投入口17を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、ベットボタン18を備えている。ベットボタン18は、スロットマシン10において内部的に記憶しているクレジットからメダルを賭ける(以下、ベットと示す)手段として把握できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、精算ボタン19を備えている。精算ボタン19は、ベットされたメダルやスロットマシン10において内部的に記憶しているクレジットを払い戻すときに操作する手段として把握できる。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、開始操作部としてのスタートレバー20を備えている。スタートレバー20は、リール16a〜16cの回転を開始させる開始操作をするための手段として把握できる。すなわち、開始操作の受付は、変動ゲームを開始させる契機となる。また、リールの動作(回転)を開始させる(変動ゲームを開始させる)スタートレバー20の操作が開始操作に相当し、スロットマシン10では、開始操作に基づき変動ゲームが開始される。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、左ストップボタン21a(第1ストップボタン)を備えている。左ストップボタン21aは、左リール16aと対応しており、左リール16aの回転を停止させる停止操作をするための手段として把握できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、中ストップボタン21b(第2ストップボタン)を備えている。中ストップボタン21bは、中リール16bと対応しており、中リール16bの回転を停止させる停止操作をするための手段として把握できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、右ストップボタン21c(第3ストップボタン)を備えている。右ストップボタン21cは、右リール16cと対応しており、右リール16cの回転を停止させる停止操作をするための手段として把握できる。このように、ストップボタン21a〜21cは、複数の図柄列と各別に対応している。また、対応している図柄列の変動を停止させることは、対応しているリールの回転を停止させることに相当する。
本実施形態において、ストップボタン21a〜21cが、それぞれ停止操作部に相当する。このように、スロットマシン10は、停止操作部としてのストップボタンが操作されたことを契機としてリールの動作(回転)を停止させることが可能に構成されている。また、動作中(回転中)のリールを停止させるためのストップボタンの操作が停止操作に相当し、スロットマシン10では、停止操作に基づきリールの回転が停止する。
スロットマシン10は、前面扉12の前面における下部に、メダル払出し口22を備えている。スロットマシン10は、メダル払出し口22から払出されたメダルを受ける受皿23を備えている。スロットマシン10は、機内部に、メダルセレクタを備えている(図示していない)。メダルセレクタは、メダル投入口17から投入されたメダルを検出する投入センサSE4を備えている(図3に示す)。スロットマシン10は、機内部に、メダル払出し口22からメダルを払出す払出し動作が可能なホッパーユニットを備えている(図示していない)。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、予め定めた情報を表示できる情報パネル30を備えている。
情報パネル30は、投入可能表示部を備えている(図示していない)。投入可能表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、スロットマシン10がメダルを投入可能な状態であるか否かを表示する。情報パネル30は、リプレイ表示部を備えている(図示していない)。リプレイ表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、再遊技(リプレイ)であるか否かを表示する。なお、再遊技については後述する。
情報パネル30は、ウェイト表示部を備えている(図示していない)。ウェイト表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、ウェイトタイム中であるか否かを表示する。ウェイトタイムは、単位時間当りの変動ゲームの実行回数が予め定めた回数を超えないように設定された最短の遊技時間(最短遊技時間)である。情報パネル30は、状態表示部を備えている(図示していない)。状態表示部は、例えば、スロットマシン10において発生したエラーを特定できるように、エラーコードなどを表示する。
情報パネル30は、1ベット表示部、2ベット表示部及び3ベット表示部を備えている(図示していない)。以下の説明では、1ベット表示部〜3ベット表示部を纏めてベット表示部と示す場合がある。ベット表示部は、例えば、ベット表示部を構成する3つの表示部の点灯状態によって、賭数(ベット数)を表示する。また、情報パネル30は、クレジット表示部を備えている(図示していない)。クレジット表示部は、機内部においてクレジットとして記憶されているメダルの枚数を表示する。
また、情報パネル30は、払出表示部を備えている(図示していない)。払出表示部としては、例えば、並ぶように配置された2つの7セグメント表示器を採用できる。この場合、払出表示部は、2つの7セグメント表示器により、00〜99の十進法による二桁の数字を表示できるように構成できる。また、払出表示部は、変動ゲームにおける入賞の発生によって払出されるメダルの枚数に関する情報の表示を行う。なお、変動ゲームにおける入賞の発生によって払出されるメダルの枚数とは、実際にメダル払出し口22から払出されるメダルの枚数ではなく、クレジットに加算されるメダルの枚数でもあることから、変動ゲームにおける入賞の発生によって付与されるメダルの枚数ともいえる。
次に、賞が定められた図柄組み合わせについて、説明する。なお、賞が定められた図柄組み合わせとは、「役」ともいわれる。
賞が定められた図柄組み合わせ(役)には、賞としてメダルの払出しを定めた図柄組み合わせ(払出し役)及び賞として再遊技を定めた図柄組み合わせ(再遊技役)がある。再遊技は、メダルを賭ける必要がなく次の変動ゲームを開始できることである。
払出し役には、例えば、チェリー役、スイカ役及びベル役がある。
チェリー役には、賞として所定枚数(例えば、2枚)のメダルの払出しが定められている。以下の説明において、チェリー役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせを「チェリー停止目」という。
スイカ役には、賞として所定枚数(例えば、6枚)のメダルの払出しが定められている。以下の説明において、スイカ役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせを「スイカ停止目」という。
ベル役には、賞として所定枚数(例えば、8枚)のメダルの払出しが定められている。以下の説明において、ベル役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせを「ベル停止目」という。
再遊技役は、リプレイ役ともいわれる。再遊技役には、賞として再遊技が定められている。以下の説明において、再遊技役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせを「再遊技停止目」という。本実施形態において再遊技役には、第1再遊技役と、第2再遊技役と、がある。そして、第1再遊技役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせ(以下、第1再遊技停止目という)は、第2再遊技役が入賞する場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせ(以下、第2再遊技停止目という)と異なる。
スロットマシン10では、複数種類の遊技状態のうち1つの遊技状態が制御される。以下、各遊技状態及び遊技状態の移行態様について、説明する。
図2に示すように、スロットマシン10における遊技状態には、第1遊技状態及び第2遊技状態がある。第1遊技状態は、第2遊技状態に比して、再遊技役の入賞が許容され難い遊技状態である。換言すると、第2遊技状態は、第1遊技状態に比して、再遊技役の入賞が許容され易い遊技状態である。このため、第2遊技状態では、第1遊技状態に比して、メダルの消費が抑制される。
スロットマシン10では、第1遊技状態において第1再遊技役が入賞したことを契機に、第1遊技状態から第2遊技状態へと移行する。また、スロットマシン10では、第2遊技状態において有利終了条件が成立したことを契機に、第2遊技状態から第1遊技状態へと移行する。本実施形態において有利終了条件は、変動ゲームにおいてベル役の入賞が許容されたにもかかわらずベル役が入賞しなかった場合に成立する。以下の説明において、ベル役の入賞が許容されたにもかかわらずベル役が入賞しなかった場合に有効ラインNL上に停止される図柄組み合わせを「ベルこぼし停止目」という。本実施形態において有利終了条件は、変動ゲームにてベルこぼし停止目がゲーム結果として導出されたことを契機に、成立する。なお、本実施形態では、「ベルこぼし停止目」には賞を定めていない。
次に、スロットマシン10において遊技演出の1つとして実行可能な演出状態と、演出状態の移行態様と、について説明する。演出状態には、複数種類ある。そして、スロットマシン10では、複数種類の演出状態のうち何れかの演出状態が実行される。
図2に示すように、本実施形態における演出状態には、通常演出状態及び有利演出状態がある。各演出状態では、滞在中の演出状態を識別可能な演出状態識別情報が報知される。スロットマシン10では、例えば、演出状態の種類毎に異なる背景画像を演出表示装置15に表示させたり、演出状態の種類毎に異なる発光色で装飾ランプ13を発光させたり、演出状態の種類毎に異なる楽曲をスピーカ14に出力させたりして、演出状態識別情報を報知する。したがって、遊技者は、演出表示装置15に表示される背景画像や、装飾ランプ13の発光色、スピーカ14から出力される楽曲から、滞在中の演出状態を認識できる。
通常演出状態は、主に、第1遊技状態であるときに滞在する演出状態である。通常演出状態は、有利演出状態に比して、変動ゲームにおいてストップボタン21a〜21cの操作態様に関する情報を報知するナビゲーション演出(以下、「ナビ演出」と示す)が実行される確率が低い演出状態となる。ナビ演出は、操作関連演出ともいわれ、操作ナビゲーション演出(操作ナビ)や、押し順ナビゲーション演出(押し順ナビ)ともいわれる。
スロットマシン10において、ストップボタン21a〜21cの操作態様に関する情報は、払出表示部における指示情報の表示により報知される。その他、スロットマシン10において、ストップボタン21a〜21cの操作態様に関する情報は、演出表示装置15に表示される遊技演出により報知される。
有利演出状態は、主に、第2遊技状態であるときに滞在する演出状態である。また、有利演出状態は、通常演出状態に比して、ナビ演出が実行される確率が高い演出状態である。このように、本実施形態のスロットマシン10において、有利演出状態は、通常演出状態に比して、ナビ演出が実行される確率が高く、有利な状態といえる。また、スロットマシン10では、再遊技役の入賞が許容され易い第2遊技状態で主に実行される有利演出状態は、再遊技役の入賞が許容され難い第1遊技状態で主に実行される通常演出状態に比して、メダルの消費が抑制され、有利な演出状態といえる。本実施形態において有利演出状態が、有利状態に相当する。このように、本実施形態のスロットマシン10は、有利状態を制御可能に構成されている。
なお、図示しないが、第1遊技状態であって通常演出状態であるとき、第1再遊技役が入賞すると、演出状態は通常演出状態が維持される一方で、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態へ移行することもある。したがって、通常演出状態は、必ずしも第1遊技状態であるときにのみ実行される演出状態ではない。同様に、図示しないが、第2遊技状態であって有利演出状態であるとき、変動ゲームにてベルこぼし停止目が導出されると、演出状態は有利演出状態が維持される一方で、遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態へ移行することもある。したがって、有利演出状態は、必ずしも第2遊技状態であるときにのみ実行される演出状態ではない。
次に、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、スロットマシン10は、機内部に、第1制御部としての主基板40(主制御部)を備えている。主基板40は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する。本実施形態における主基板40は、主制御部に相当する。スロットマシン10は、機内部に、第2制御部としての副基板41(副制御部)を備えている。副基板41は、主基板40から入力する制御信号に基づいて処理を行う。副基板41は、演出表示装置15による表示演出、装飾ランプ13による演出及びスピーカ14による演出を制御する。本実施形態における副基板41は、主基板40における処理結果に基づき制御を行う制御部に相当する。
まず、主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、主制御用CPU40aと、主制御用ROM40bと、主制御用RAM40cと、を備えている。主制御用CPU40aは、主制御用プログラムに基づいて、主に遊技の進行に関する処理を実行する。
主基板40は、センサSE1〜SE4と接続されている。主制御用CPU40aは、センサSE1〜SE4が出力する信号を入力可能に構成されている。主基板40は、リール16a〜16cの各アクチュエータと接続されている。主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの各アクチュエータに対する制御信号の出力態様を制御することにより、リール16a〜16cの各アクチュエータの動作を各別に制御可能に構成されている。
主基板40は、ベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20及びストップボタン21a〜21cと接続されている。主制御用CPU40aは、ベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20及びストップボタン21a〜21cが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主基板40は、情報パネル30と接続されている。主制御用CPU40aは、情報パネル30の表示内容を制御可能に構成されている。
主制御用ROM40bは、主制御用プログラムや、主制御用CPU40aによって行われる抽選処理に用いられる抽選テーブルなどを記憶している。また、主制御用RAM40cは、上述したクレジットなどのように、スロットマシン10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶できる。主制御用RAM40cが記憶する情報は、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどである。
主基板40は、所定の抽選処理に用いる乱数を生成可能に構成されている。乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成してもよい。これに加えて又は代えて、乱数は、例えば、主制御用CPU40aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成してもよい。
次に、主制御用ROM40bに記憶されている抽選テーブルのうち、複数ある当選番号の中から当選番号を決定するための内部抽選に用いられる役抽選テーブルと上記当選番号について、説明する。
なお、当選番号を決定するための内部抽選は、一般的に、「役抽選」ともいわれる。以下の説明では、当選番号を決定するための内部抽選を「役抽選」と示す。役抽選において決定される当選番号は、条件装置組み合わせともいわれる。このため、役抽選は、「条件装置組み合わせ抽選」ともいえる。また、以下の説明では、「役抽選にて所定の当選番号が決定される」ことを、「役抽選にて所定の当選番号に当選する」と示したり、「役抽選にて決定される当選番号」を「当選した当選番号」と示したりする場合がある。
当選番号は、変動ゲームにおいて導出(表示)可能な図柄組み合わせとして、1つ又は複数の図柄組み合わせが定められた制御情報である。すなわち、当選番号は、変動ゲームにおいて入賞が可能な役として、1つ又は複数の役が定められた条件装置識別子である。
当選番号には、例えば、チェリー役の入賞が許容される当選番号や、スイカ役の入賞が許容される当選番号、ベル役の入賞が許容される当選番号、ボーナス役の入賞が許容される当選番号、再遊技役の入賞が許容される当選番号が含まれている。
スロットマシン10における当選番号のうちベル役の入賞が許容される当選番号の中には、複数通りのストップボタンの操作順序のうち一部の操作順序がベル役を入賞させるためのストップボタンの操作順序として規定されている当選番号がある。例えば、ベル役の入賞が許容される当選番号の中には、所定の操作順序でストップボタンを操作した場合にはベル役が入賞する一方、所定の操作順序とは異なる操作順序でストップボタンを操作した場合にはベル役が入賞しない当選番号が含まれている。
スロットマシン10における当選番号のうち再遊技役の入賞が許容される当選番号の中には、第1再遊技役と第2再遊技役の入賞が許容される当選番号がある。このような第1再遊技役と第2再遊技役の入賞が許容される当選番号には、第1再遊技役を入賞させるためのストップボタンの操作順序と、第2再遊技役を入賞させるためのストップボタンの操作順序と、が異なる当選番号が含まれている。例えば、第1再遊技役と第2再遊技役の入賞が許容される当選番号の中には、所定の操作順序でストップボタンが操作された場合には第1再遊技役が入賞する一方、所定の操作順序とは異なる操作順序でストップボタンが操作された場合には第2再遊技役が入賞する当選番号が含まれている。
本実施形態において、「チェリー役の入賞が許容された場合」とは、役抽選にてチェリー役の入賞が許容される当選番号に当選したことを意味する。また、本実施形態において、「スイカ役の入賞が許容された場合」とは、役抽選にてスイカ役の入賞が許容される当選番号に当選したことを意味する。同様に、本実施形態において、「ベル役の入賞が許容された場合」とは役抽選にてベル役の入賞が許容される当選番号に当選したことを意味し、「再遊技役の入賞が許容された場合」とは役抽選にて再遊技役の入賞が許容される当選番号に当選したことを意味する。
スロットマシン10において、役抽選テーブルには、第1役抽選テーブル及び第2役抽選テーブルがある。第1役抽選テーブルは、第1遊技状態における役抽選において用いられる。第2役抽選テーブルは、第2遊技状態における役抽選において用いられる。役抽選テーブルには、決定可能とする当選番号に対して、役抽選に用いられる乱数(以下、役抽選用乱数と示す)の値が、当該役抽選用乱数の値として取り得る範囲内の数値の中から所定個数ずつ振り分けられている。
本実施形態のスロットマシン10では、役抽選において何れの当選番号にも当選しなかった場合、つまり、役の入賞が許容されなかった場合、役抽選の抽選結果が「はずれ」となる。そして、役抽選の抽選結果がはずれの場合、役抽選の抽選結果に基づいて、賞が定められた図柄組み合わせが導出されない。
次に、副基板41について詳しく説明する。
副基板41は、副制御用CPU41aと、副制御用ROM41bと、副制御用RAM41cと、を備えている。副制御用CPU41aは、副制御用プログラムに基づいて、演出に関する処理を実行する。
副基板41は、演出表示装置15と接続されている。副制御用CPU41aは、演出表示装置15の表示態様を制御可能に構成されている。副基板41は、装飾ランプ13と接続されている。副制御用CPU41aは、装飾ランプ13の点灯態様(発光態様)を制御可能に構成されている。副基板41は、スピーカ14と接続されている。副制御用CPU41aは、スピーカ14の出力態様を制御可能に構成されている。
また、副制御用ROM41bは、副制御用プログラムや、副制御用CPU41aによって行われる抽選処理に用いられる抽選テーブルなどを記憶している。副制御用ROM41bは、演出表示装置15における演出の態様(内容)を特定可能な表示演出パターンや、演出表示装置15における演出の実行に用いる表示演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、装飾ランプ13における演出の態様(内容)を特定可能な発光演出パターンや、装飾ランプ13における演出の実行に用いる発光演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、スピーカ14における演出の態様(内容)を特定可能な音演出パターンや、スピーカ14における演出の実行に用いる音演出データを記憶している。
また、副制御用RAM41cは、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶できる。副制御用RAM41cが記憶する情報は、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどである。副基板41は、主基板40と同様に、所定の抽選処理に用いる乱数を、ハードウェア乱数やソフトウェア乱数として生成可能に構成されている。
次に、主制御用CPU40aが主制御用プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理(遊技進行メイン処理)について説明する。
図4に示すように、遊技進行メイン処理において主制御用CPU40aは、遊技開始セット処理を行う(ステップS101)。遊技開始セット処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにおける所定の記憶領域の情報を消去又は更新したりする。次に、主制御用CPU40aは、メダルのベット受付を開始する(ステップS102)。その後、主制御用CPU40aは、遊技状態をチェックする(ステップS103)。
次に、主制御用CPU40aは、再遊技作動時であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御用CPU40aは、再遊技作動時ではない場合(ステップS104:NO)、今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理処理を行う(ステップS105)。ステップS105の処理において主制御用CPU40aは、投入センサSE4からメダルの検出信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数に1加算する。また、ステップS105の処理において主制御用CPU40aは、ベットボタン18から操作信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数が規定ベット数Xとなるようにベット数に加算するとともに、該加算分だけ、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットを減算する。
主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、又はステップS105の処理を終了した場合、今回の変動ゲームにおけるベット数が、変動ゲームを開始可能とする規定ベット数Xと一致するか否かを判定する(ステップS106)。なお、主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、前回の変動ゲームにおけるベット数を、今回の変動ゲームにおけるベット数として主制御用RAM40cに再び設定する。
ベット数が規定ベット数Xと一致しない場合(ステップS106:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理に移行する。すなわち、ステップS106の処理において主制御用CPU40aは、変動ゲームを開始可能な状態となったか否かを判定している。一方、今回の変動ゲームにおけるベット数が規定ベット数Xと一致する場合(ステップS106:YES)、主制御用CPU40aは、スタートレバー20による開始操作を受付けたか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の処理において主制御用CPU40aは、スタートレバー20から操作信号を入力した場合には肯定判定する一方、スタートレバー20から操作信号を入力しない場合には否定判定する。開始操作を受付けていない場合(ステップS107:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理へ移行する。
一方、開始操作を受付けた場合(ステップS107:YES)、主制御用CPU40aは、有利演出状態に関する処理の1つとして、ゲーム数減算処理を行う(ステップS108)。ゲーム数減算処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている有利滞在回数が1以上であるか否かを判定する。ここで、有利滞在回数は、有利演出状態においてベル役を入賞させるためのストップボタンの操作態様を報知可能となる変動ゲームの残り回数であって、第2遊技状態から第1遊技状態へ移行することを回避可能となる変動ゲームの回数ともいえる。また、有利滞在回数は、有利演出状態に滞在する回数であって、有利状態の滞在回数に相当する。そして、ゲーム数減算処理において主制御用CPU40aは、有利滞在回数が1以上でない場合、ゲーム数減算処理を終了するとともに、遊技進行メイン処理に戻る。一方、ゲーム数減算処理において主制御用CPU40aは、有利滞在回数が1以上である場合、主制御用RAM40cに記憶されている有利滞在回数を1減算して更新する。
ゲーム数減算処理を終えた後、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を行う(ステップS109)。内部抽選処理において行われる制御については後ほど詳しく説明するが、内部抽選処理では、役抽選が行われるとともに、役抽選の抽選結果を特定可能な当選情報が主制御用RAM40cに記憶される。また、本実施形態における内部抽選処理では、通常演出状態であるときに有利演出状態への移行を許容することを抽選する有利許容抽選が行われる。そして、有利許容抽選にて有利演出状態への移行を許容することが決定された場合、主制御用RAM40cには、有利演出状態への移行が許容されていることを示す有利許容情報が記憶される。また、有利許容情報を主制御用RAM40cに記憶する場合、主制御用CPU40aは、有利演出状態への移行が許容されたことを示す制御情報(以下、有利許容コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納する。
また、内部抽選処理を終えた後、主制御用CPU40aは、フリーズ処理を行う(ステップS110)。フリーズ処理において行われる制御については後ほど詳しく説明するが、フリーズ処理が行われることにより遊技の進行が停滞される場合がある。
また、フリーズ処理を終えた後、主制御用CPU40aは、指示情報処理を行う(ステップS111)。指示情報処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている指示番号フラグを初期化する。指示番号フラグは、払出表示部において表示する指示情報(指示内容)を予め定めた指示番号を特定可能とするための情報である。主制御用CPU40aは、指示番号フラグから特定可能な指示番号に基づいて、払出表示部において表示させる指示情報を特定可能である。指示番号には、指示情報としてストップボタンの押し順が定められた指示番号と、指示情報としてストップボタンの押し順が定められていない指示番号と、がある。
例えば、指示番号には、1番目に左リール16aを停止させるストップボタンの押し順(2番目と3番目に停止させるリールについては指示しない)に対応する指示情報が定められた指示番号がある。その他にも、例えば、指示番号には、1番目に左リール16a、2番目に中リール16b、3番目に右リール16cの順に停止させるストップボタンの押し順に対応する指示情報が定められた指示番号がある。また、指示番号には、1番目に中リール16b、2番目に右リール16c、3番目に左リール16aの順に停止させるストップボタンの押し順に対応する指示情報が定められた指示番号がある。
そして、指示情報処理において主制御用CPU40aは、指示番号フラグを初期化すると、主制御用RAM40cに記憶されている演出状態に関する情報(以下、演出状態情報と示す)を参照し、滞在中の演出状態を特定する。続いて、主制御用CPU40aは、特定した演出状態及び役抽選の抽選結果に基づいて、複数の指示番号の中から何れかの指示番号を決定する。その後、主制御用CPU40aは、決定した指示番号を特定可能な値(情報)を、指示番号フラグに設定する。また、指示情報処理において指示番号フラグを設定すると、主制御用CPU40aは、指示情報処理を終了するとともに、遊技進行メイン処理に戻る。
因みに、指示情報処理において主制御用CPU40aは、通常演出状態であって、有利演出状態への移行が許容されていない場合、指示情報としてストップボタンの押し順が定められていない指示番号を決定する。一方、指示情報処理において主制御用CPU40aは、通常演出状態であって、有利演出状態への移行が許容されている場合に第1再遊技役の入賞が許容されたとき、第1再遊技役を入賞させるためのストップボタンの押し順が指示情報として定められた指示番号を決定する。
また、指示情報処理において主制御用CPU40aは、有利演出状態であって、有利滞在回数が1以上である場合にベル役の入賞が許容されたとき、ベル役を入賞させるためのストップボタンの押し順が指示情報として定められた指示番号を決定する。一方、指示情報処理において主制御用CPU40aは、有利演出状態であって、有利滞在回数が1以上でない場合にベル役の入賞が許容されたとき、指示情報としてストップボタンの押し順が定められていない指示番号を決定する。
図4に示すように、指示情報処理を終了すると、主制御用CPU40aは、演出コマンド送信処理を行う(ステップS112)。演出コマンド送信処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている演出状態情報を参照し、滞在中の演出状態を特定する。主制御用CPU40aは、特定した演出状態を特定可能な制御情報(以下、演出状態コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納する。
また、演出コマンド送信処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている指示番号フラグの値を参照することにより、指示情報処理で決定した指示番号を特定する、主制御用CPU40aは、特定した指示番号を特定可能な制御情報(以下、指示情報コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納する。
また、演出コマンド送信処理において主制御用CPU40aは、賞が定められた図柄組み合わせの導出が許容される当選番号に当選した場合、当該当選番号を特定可能な制御情報(以下、当選情報コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納する。なお、本実施形態において主制御用CPU40aは、役抽選の抽選結果がはずれの場合、当選情報コマンドを生成しない。
演出コマンド送信処理を終えると、主制御用CPU40aは、指示情報表示処理を行う(ステップS113)。指示情報表示処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている指示番号フラグの値を参照することにより、指示情報処理で決定した指示番号を特定する。そして、主制御用CPU40aは、特定した指示番号に応じた指示情報を払出表示部に表示させ、ナビ演出を実行させる。
指示情報表示処理の後、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過したか否かを判定する(ステップS114)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS114:NO)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過するまで待機する(ステップS114の判定処理を繰り返し行う)。一方、最短遊技時間が経過している場合(ステップS114:YES)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間を設定する(ステップS115)。
その後、主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの回転が開始されるように、リール16a〜16cの各アクチュエータを制御する(ステップS116)。なお、ステップS115の処理において主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの回転速度が所定の回転速度で一定となり、ストップボタン21a〜21cによる停止操作を受付可能となるまで待機する。
次に、主制御用CPU40aは、ストップボタン21a〜21cの何れかによる停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS117)。ステップS117において主制御用CPU40aは、ストップボタン21a〜21cの何れかから操作信号を入力している場合には肯定判定する一方、ストップボタン21a〜21cの何れからも操作信号を入力していない場合には否定判定する。停止操作を受け付けていない場合(ステップS117:NO)、主制御用CPU40aは、停止操作を受け付けるまで待機する(ステップS117の判定処理を繰り返し行う)。
一方、停止操作を受け付けた場合(ステップS117:YES)、主制御用CPU40aは、操作信号を入力したストップボタンに対応するリールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS118)。すなわち、主制御用CPU40aは、停止操作の受け付けを契機としてアクチュエータを制御し、受け付けた停止操作に対応するリールの回転を停止させて、図柄を停止させる。
詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、役抽選の抽選結果及びストップボタン21a〜21cの操作態様(押し順や押し位置(操作タイミング))に基づいて、予め定められた引き込み範囲(例えば、4図柄)内に位置する図柄の中から有効ラインNL上に停止可能な図柄を検索する。そして、主制御用CPU40aは、検索された図柄が有効ラインNL上に停止されるようにアクチュエータを制御する。主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの停止操作に関して上記のようなリール停止処理を行うことにより、役抽選の抽選結果とストップボタンの操作態様に応じた図柄組み合わせを有効ラインNL上に停止させる。
また、ステップS118の処理において主制御用CPU40aは、ストップボタン21a〜21cから操作信号を入力すると、当該操作信号を入力したストップボタンを特定可能な制御情報(以下、操作コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納する。因みに、主制御用CPU40aは、指示情報を払出表示部に表示させているとき、当該指示情報で報知している操作態様とは異なる操作態様でストップボタンが操作された場合、指示情報の表示を中止させる。
次に、主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの全てを停止させたか否かを判定する(ステップS119)。リール16a〜16cのうち1以上のリールを停止させていない場合(ステップS119:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS117の処理へ移行する。一方、リール16a〜16cの全てを停止させている場合(ステップS119:YES)、主制御用CPU40aは、有効ラインNL上に停止されている図柄組み合わせを判定する表示図柄判定処理を行う(ステップS120)。
表示図柄判定処理において主制御用CPU40aは、有効ラインNL上に賞が定められた図柄組み合わせ(役)が停止されているか、及び有効ラインNL上に賞を定めた図柄組み合わせ(役)が停止されている場合にその図柄組み合わせの種類を判定する。このとき、有効ラインNL上に賞として再遊技が定められた図柄組み合わせが停止されている場合、主制御用CPU40aは、今回の変動ゲームでベットされたベット数を再びベット数として設定し、再遊技を作動させる(再遊技作動時とする)。これにより、再遊技が賞として付与されることになる。
次に、主制御用CPU40aは、遊技者にメダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップS121)。ステップS121の処理において主制御用CPU40aは、払出役が入賞している場合には肯定判定する一方、払出役が入賞していない場合には否定判定する。メダルの払出しを行う場合(ステップS121:YES)、主制御用CPU40aは、図示されていないホッパーユニットを駆動してメダルを払出すためのメダル払出処理を行う(ステップS122)。これにより、賞メダルが賞として付与される。なお、賞が定められていない図柄組み合わせが有効ラインNL上に停止されている場合、賞は付与されない。
また、ステップS121の処理において主制御用CPU40aは、払出役が入賞した場合、当該入賞により払い出すメダルの枚数に関する情報を表示するように、払出表示部を制御する。払出表示部では、最大で第3停止操作を受付ける迄の期間において指示情報が表示される一方、当該期間とは異なる期間においては入賞により払い出すメダルの枚数に関する情報が表示される。なお、全てのリールが停止するまでの期間にて指示情報が払出表示部で表示され、該期間とは異なる期間にて入賞により払い出すメダルの枚数に関する情報が払出表示部で表示される。なお、入賞により払い出すメダルの枚数に関する情報の表示は、ベットボタン18が操作されるなどして所定の終了条件が成立すると終了する。
主制御用CPU40aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップS121:NO)、及びステップS122の処理を終えた場合、変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS123)。ステップS123において主制御用CPU40aは、変動ゲームの終了を指示する制御情報(以下、変動ゲーム終了コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納する。変動ゲーム終了コマンドは、入賞の有無や、入賞した図柄組み合わせ(役)についても特定可能である。なお、変動ゲーム終了コマンドは、遊技状態に関係なく、入賞した図柄組み合わせを特定可能なコマンドとして出力される。
ステップS123の処理において主制御用CPU40aは、遊技状態を移行させる処理を行う。主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている遊技状態に関する情報(以下、遊技状態情報と示す)を更新し、遊技状態を移行させる。具体的に、第1遊技状態であるとき、主制御用CPU40aは、第1再遊技役の入賞を契機に、第1遊技状態を特定可能な遊技状態情報から第2遊技状態を特定可能な遊技状態情報に更新し、第1遊技状態から第2遊技状態へ移行させる。また、第2遊技状態であるとき、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞が許容されたにもかかわらずベル役が入賞しなかったことを契機に、第2遊技状態を特定可能な遊技状態情報から第1遊技状態を特定可能な遊技状態情報に更新し、第2遊技状態から第1遊技状態へ移行させる。
また、ステップS123の処理において主制御用CPU40aは、演出状態を移行させる処理を行う。主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている演出状態情報を更新し、演出状態を移行させる。具体的に、通常演出状態であるときに、有利演出状態への移行が許容されている場合、主制御用CPU40aは、第1再遊技役の入賞を契機に、通常演出状態を特定可能な演出状態情報から有利演出状態を特定可能な演出状態情報に更新し、通常演出状態から有利演出状態へ移行させる。また、有利演出状態であって、有利滞在回数が1以上でないとき、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞が許容されたにもかかわらずベル役が入賞しなかったことを契機に、有利演出状態を特定可能な演出状態情報から通常演出状態を特定可能な演出状態情報に更新し、有利演出状態から通常演出状態へ移行させる。なお、本実施形態において有利滞在回数が1以上でないときとは、有利滞在回数が「0(零)」であるときに相当する。本実施形態において、主制御用CPU40aによって有利状態に相当する有利演出状態を特定可能な演出状態情報を主制御用RAM40cに記憶する制御が行われることで、有利状態を制御する有利状態制御手段としての機能が実現される。
ここで、図5に基づき、遊技進行メイン処理にて行われる内部抽選処理(ステップS109)について、説明する。
内部抽選処理において主制御用CPU40aは、役抽選用乱数の値を取得する(ステップS201)。続いて、主制御用CPU40aは、役抽選を行う(ステップS202)。ステップS202において主制御用CPU40aは、ステップS201にて取得した役抽選用乱数の値に基づき役抽選を行う。本実施形態において主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた役抽選テーブルを用いて、役抽選を行う。本実施形態において役抽選を行うことで、所定の表示結果(賞が定められた図柄組み合わせ)の表示を許容するか否かの決定が行われる。そして、主制御用CPU40aは、役抽選の抽選結果を特定可能な情報(以下、当選情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する(ステップS203)。
その後、主制御用CPU40aは、有利演出状態に滞在しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている演出状態情報を参照し、滞在中の演出状態を特定する。なお、有利演出状態に滞在していることは有利演出状態であることに相当し、ステップS204では、有利演出状態であるか否かを判定することに相当する。そして、有利演出状態に滞在している場合(ステップS204:YES)、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を行い(ステップS205)、内部抽選処理を終了する。フリーズ準備処理において行われる制御については後ほど詳しく説明する。
一方、有利演出状態に滞在していない場合(ステップS204:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに有利許容情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206において主制御用CPU40aは、通常演出状態において既に有利演出状態への移行が許容されているか否かを判定する。そして、既に有利演出状態への移行が許容されている場合(ステップS206:YES)、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。
また、有利演出状態への移行が許容されていない場合(ステップS206:NO)、主制御用CPU40aは、所定の当選番号に当選したか否かを判定する(ステップS207)。ステップS207において主制御用CPU40aは、役抽選にてチェリー役の入賞が許容される当選番号又はスイカ役の入賞が許容される当選番号に当選したか否かを判定する。そして、所定の当選番号に当選していない場合(ステップS207:NO)、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。一方、所定の当選番号に当選している場合(ステップS207:YES)、主制御用CPU40aは、有利許容抽選を行う(ステップS208)。有利許容抽選では、有利演出状態への移行を許容すること及び有利演出状態への移行を許容しないことのうち何れか一方が決定される。本実施形態では、有利許容抽選に当選することで有利演出状態への移行が許容され、有利許容抽選に非当選することで有利演出状態への移行が許容されない。
続いて、主制御用CPU40aは、有利許容抽選に当選したか否かを判定する(ステップS209)。ステップS209において主制御用CPU40aは、ステップS208の処理にて行われた有利許容抽選にて有利演出状態への移行が許容されたか否かを判定する。そして、有利許容抽選に非当選した場合(ステップS209:NO)、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。一方、有利許容抽選に当選した場合(ステップS209:YES)、主制御用CPU40aは、有利許容情報を主制御用RAM40cに記憶し(ステップS210)、内部抽選処理を終了する。
次に、図6に基づき、内部抽選処理にて行われるフリーズ準備処理(ステップS205)について、説明する。因みに、図5に示されるように、フリーズ準備処理は有利演出状態であるときに行われる処理である。
図6に示すように、フリーズ準備処理において主制御用CPU40aは、フリーズ制御を行うことを示すフリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されているか否かを判定する(ステップS301)。フリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されている場合(ステップS301:YES)、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を終了する。一方、フリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されていない場合(ステップS301:NO)、主制御用CPU40aは、所定の当選番号に当選したか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302において主制御用CPU40aは、役抽選にてチェリー役の入賞が許容される当選番号又はスイカ役の入賞が許容される当選番号に当選したか否かを判定する。そして、所定の当選番号に当選していない場合(ステップS302:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を終了する。一方、所定の当選番号に当選している場合(ステップS302:YES)、主制御用CPU40aは、フリーズ抽選を行う(ステップS208)。フリーズ抽選では、フリーズ制御を行うこと及びフリーズ制御を行わないことのうち何れか一方が決定される。本実施形態では、フリーズ抽選に当選することでフリーズ制御を行うことが決定され、フリーズ抽選に非当選することでフリーズ制御を行わないことが決定される。
続いて、主制御用CPU40aは、フリーズ抽選に当選したか否かを判定する(ステップS304)。ステップS304において主制御用CPU40aは、ステップS303の処理にて行われたフリーズ抽選にてフリーズ制御を行うことが決定されたか否かを判定する。
そして、フリーズ抽選に当選した場合(ステップS304:YES)、主制御用CPU40aは、フリーズ実行情報を主制御用RAM40cに記憶する(ステップS305)。続いて、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている待機回数を特定可能な情報(以下、待機回数情報と示す)を基に、待機回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS306)。待機回数が「0」でない場合(ステップS306:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS308の処理へ進む。一方、待機回数が「0」である場合(ステップS306:YES)、主制御用CPU40aは、待機回数を決定する(ステップS307)。ステップS307において主制御用CPU40aは、待機回数を決定すると、当該待機回数を特定可能な待機回数情報を主制御用RAM40cに記憶する。ステップS307の処理を終えると、主制御用CPU40aは、ステップS308の処理へ進む。
ステップS308において主制御用CPU40aは、フリーズ時間抽選処理を行う。フリーズ時間抽選処理において行われる制御については後ほど詳しく説明するが、フリーズ時間抽選処理では、フリーズ制御が行われる時間(フリーズ時間)が決定される。因みに、フリーズ制御が行われる時間とは、フリーズ制御が行われる期間に相当し、フリーズ時間はフリーズ期間ともいえる。また、主制御用CPU40aは、フリーズ時間抽選処理においてフリーズ時間を決定すると、当該フリーズ時間を特定可能な情報(以下、フリーズ時間情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。
その後、主制御用CPU40aは、上乗せ回数決定処理を行い(ステップS309)、フリーズ準備処理を終了する。上乗せ回数決定処理において行われる制御については後ほど詳しく説明するが、上乗せ回数決定処理では、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)を増加させる回数が決定される。以下の説明では、有利滞在回数を増加させることを「上乗せ」といい、有利滞在回数が増加する回数を「上乗せ回数」という。また、主制御用CPU40aは、上乗せ回数決定処理において上乗せ回数を決定すると、上乗せ回数を特定可能な情報(以下、上乗せ回数情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。
一方、フリーズ抽選に非当選した場合(ステップS304:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている待機回数情報を基に、待機回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS310)。待機回数が「0」でない場合(ステップS310:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を終了する。一方、待機回数が「0」である場合(ステップS310:YES)、主制御用CPU40aは、待機回数を決定し(ステップS311)、フリーズ準備処理を終了する。ステップS311において主制御用CPU40aは、待機回数を決定すると、当該待機回数を特定可能な待機回数情報を主制御用RAM40cに記憶する。
本実施形態では、フリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されていないときであって、役抽選にて所定の当選番号に当選した場合、フリーズ抽選の抽選結果に関係なく、待機回数が「0」であれば待機回数が決定される。そして、フリーズ準備処理において、既に待機回数が決定されているとき(待機回数が1以上であるとき)、新たに待機回数が決定されない。このため、フリーズ抽選に非当選して待機回数が決定された後、当該待機回数が「0」になるよりも前にフリーズ抽選に当選すると、「0」になる前の待機回数がそのまま維持される。
次に、図7に基づき、遊技進行メイン処理にて行われるフリーズ処理(ステップS110)について、説明する。
フリーズ処理において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている待機回数情報から特定可能な待機回数が1以上であるか否かを判定する(ステップS401)。そして、待機回数が1以上でない場合(ステップS401:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ処理を終了する。なお、本実施形態において、待機回数が1以上でない場合とは、待機回数が「0(零)」である場合となる。
また、待機回数が1以上である場合(ステップS401:YES)、主制御用CPU40aは、待機回数から1減算し、減算後の待機回数を特定可能な待機回数情報に更新する(ステップS402)。例えば、ステップS402において主制御用CPU40aは、待機回数が「3」であることを特定可能な待機回数情報が主制御用RAM40cに記憶されている場合、待機回数が「2(=3−1)」であることを特定可能な待機回数情報に更新する。
その後、主制御用CPU40aは、更新後の待機回数情報から特定可能な待機回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS403)。そして、待機回数が「0」でない場合(ステップS403:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ処理を終了する。一方、待機回数が「0」である場合(ステップS403:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにフリーズ実行情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS404)。なお、ステップS404においてフリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されているときとは、フリーズ抽選に当選しているときである。一方、ステップS404においてフリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されていないときとは、フリーズ抽選に当選していないときである。
そして、フリーズ実行情報が記憶されていない場合(ステップS404:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ処理を終了する。一方、フリーズ実行情報が記憶されている場合(ステップS404:YES)、主制御用CPU40aは、フリーズ時間の計測を開始する(ステップS405)。ステップS405において主制御用CPU40aは、フリーズ時間情報から特定可能なフリーズ時間の計測を開始する。具体的に、ステップS405において主制御用CPU40aは、フリーズ時間情報から特定可能なフリーズ時間をタイマに設定し、当該フリーズ時間の計測を開始する。詳しくは後ほど説明するが、フリーズ時間には、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間が含まれており、特定フリーズ時間の計測を行うことにより特定状態が制御されることになる。したがって、本実施形態において主制御用CPU40aが、特定フリーズ時間を計測することにより特定状態を制御する特定状態制御手段としての機能が実現される。また、特定フリーズ時間を計測する主制御用CPU40aが備えられた主基板40は、特定状態を制御する特定状態制御手段としての機能を有していることがわかる。
また、主制御用CPU40aは、ステップS405においてフリーズ時間の計測を開始すると、フリーズ時間を特定可能な制御情報(以下、フリーズ時間コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。フリーズ時間コマンドは、フリーズ時間の計測が開始されることを契機に生成されて出力バッファに格納されることから、フリーズ制御が開始されたことを特定可能な制御情報ともいえる。また、ステップS405において主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間を特定可能な制御情報(以下、特定フリーズ時間コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。
その後、主制御用CPU40aは、フリーズ時間が経過したか否かを判定する(ステップS406)。フリーズ時間が経過していない場合(ステップS406:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ時間が経過するまで待機する(ステップS406の判定処理を繰り返し行う)。一方、フリーズ時間が経過している場合(ステップS406:YES)、主制御用CPU40aは、上乗せ処理を行う(ステップS407)。
ステップS407において主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている有利滞在回数に、主制御用RAM40cに記憶されている上乗せ回数情報から特定可能な上乗せ回数を加算する。例えば、有利滞在回数が「10回」であって、上乗せ回数情報から特定可能な上乗せ回数が「100回」である場合、主制御用CPU40aによりステップS407の上乗せ処理が行われることにより、有利滞在回数は「110回(=10+100)」となる。このように、本実施形態では、主制御用CPU40aによって上乗せ処理(ステップS407)が行われることにより、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)を増加させる回数増加手段としての機能が実現される。
また、ステップS407において上乗せ処理を行った場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されていた上乗せ回数情報を消去する。続いて、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているフリーズ実行情報を消去し(ステップS408)、フリーズ処理を終了する。
本実施形態では、フリーズ処理においてフリーズ時間を計測する制御(ステップS405の処理を行った後にステップS406の判定結果が肯定となるまでの制御)が、フリーズ制御に相当する。そして、フリーズ制御が行われてストップボタン21a〜21cの操作(遊技の進行に関する操作)を有効化する有効化条件の成立が遅延されることで、遊技の進行が遅延される。このため、主制御用CPU40aによってフリーズ制御が行われることで、有効化条件の成立を遅延させる遅延手段としての機能が実現される。
ここで、図8(a)〜(c)に基づき、フリーズ処理の制御内容と、ストップボタン21a〜21cの操作を有効化する有効化条件が成立するまでの期間について、説明する。なお、「有効化条件が成立するまでの期間(時間)」とは、遊技進行メイン処理におけるステップS107の判定結果が肯定となってからステップS117の処理が行われるまでの期間(時間)をいう。
図8(a)に示すように、フリーズ処理においてフリーズ制御が行われていない場合であって、最短遊技時間が既に経過している場合、有効化条件が成立するまでの期間は、期間T1となる。因みに、本実施形態において、フリーズ処理においてフリーズ制御が行われない場合とは、フリーズ処理においてステップS401、ステップS403及びステップS404の判定処理のうち何れかの判定結果が否定となる場合である。
また、図8(b)に示すように、フリーズ制御が行われる場合、フリーズ時間の計測に時間を要するため、有効化条件が成立するまでの期間は、期間T1よりも長いT2となる。したがって、フリーズ制御が行われる場合には、フリーズ制御が行われない場合よりも、有効化条件の成立が遅延されることになる。因みに、期間T2は、期間T1に最大の最短遊技時間を加算した期間T3よりも長い期間となる。
つまり、図8(c)に示すように、フリーズ制御が行われない場合、開始操作が行われてから最大の最短遊技時間が経過した後に有効化条件が成立するまでの期間T3は、期間T2よりも短い時間となる。
以上のように、フリーズ制御が行われる場合、有効化条件が成立する時点は、フリーズ制御が行われない期間の期間T1及び期間T3よりも後の時点となる。すなわち、フリーズ制御が行われるときに有効化条件が成立する時点は、フリーズ制御が行われないときに有効化条件が成立する時点よりも後の時点へと遅延される。したがって、フリーズ制御は、有効化条件の成立を遅延させる制御といえる。
また、フリーズ処理においてフリーズ制御が行われている間は、図4に示す遊技進行メイン処理の制御が進行しない。このため、フリーズ制御が行われることにより、遊技進行メイン処理の制御が停滞される。なお、遊技進行メイン処理において開始操作を受付けてから終了処理が行われるまでの間にフリーズ処理が行われるため、フリーズ処理にてフリーズ制御が行われる場合、開始操作が行われてから終了処理が行われるまでの遊技の進行が停滞する。したがって、フリーズ制御は、遊技の進行を停滞させる制御といえる。また、遊技の進行が停滞される場合には結果的に遊技の終了が遅延されることから、フリーズ制御は、遊技の終了を遅延させる制御といえる。
また、遊技進行メイン処理においてフリーズ処理は、リール16a〜16cの回転が開始されるようにリール16a〜16cの各アクチュエータを制御する処理(ステップS116)が行われるよりも前に、行われる。したがって、フリーズ制御が行われる場合、フリーズ制御が行われない場合よりも、リールの回転が開始されるタイミングが遅延されることになる。このように、リール16a〜16cの回転が開始してから全てのリール16a〜16cの回転が停止するまでを変動ゲームとする場合、フリーズ制御が行われるときには、フリーズ制御が行われないときよりも変動ゲームの開始が遅延され、変動ゲームの開始が停滞することになる。したがって、フリーズ制御は、変動ゲームの開始を遅延させる制御といえる。また、フリーズ制御は、変動ゲームの開始を停滞させる制御といえる。
次に、図9に基づき、フリーズ準備処理にて行われるフリーズ時間抽選処理(ステップS308)について、説明する。
フリーズ時間抽選処理において主制御用CPU40aは、継続抽選の当選確率を決定する(ステップS501)。継続抽選の当選確率として決定可能な当選確率は複数あり、ステップS501において主制御用CPU40aは、複数の当選確率の中から継続抽選の当選確率を決定する。なお、本実施形態の継続抽選の当選確率には、「80%」、「90%」及び「94%」がある。因みに、詳しくは後述するが、継続抽選は、非当選するまで繰り返し行われることから、継続抽選の当選確率は、継続抽選が継続して行われる確率(ループ率)ともいえる。また、例えば、継続抽選の当選確率が「80%」である場合には継続抽選に非当選する確率は「20%(=100%−80%)」となることから、継続抽選に当選する確率を決定することは、継続抽選に非当選する確率を決定するともいえる。同様に、継続抽選の当選確率が複数あることは、継続抽選に非当選する確率が複数あることに相当する。また、ステップS501において主制御用CPU40aは、継続抽選の当選確率を決定すると当該当選確率を特定可能な情報(以下、継続確率情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。
続いて、主制御用CPU40aは、継続抽選を行う(ステップS502)。ステップS502において主制御用CPU40aは、ステップS501において決定した当選確率で継続抽選を行う。このように、主制御用CPU40aは、継続抽選を行うよりも前に、継続抽選の当選確率を決める。また、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている抽選回数情報から特定可能な抽選回数に1加算する(ステップS503)。本実施形態において抽選回数は、継続抽選が行われた回数に相当する。また、抽選回数情報は、継続抽選が行われた回数に相当する抽選回数を特定可能な情報に相当する。
その後、主制御用CPU40aは、継続抽選に当選したか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504において主制御用CPU40aは、ステップS502において行った継続抽選に当選したか否かを判定する。そして、継続抽選に当選した場合(ステップS504:YES)、主制御用CPU40aは、再びステップS502の処理へと進む。このように、主制御用CPU40aは、継続抽選に非当選するまで継続抽選を繰り返し行う。本実施形態のスロットマシン10では、継続抽選に当選した後、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、スタートレバー20やベットボタン18)の操作に関係なく、再び継続抽選が行われる。
以上のように、所定抽選に相当する継続抽選は、継続抽選にて非当選となるまで繰り返し行われる。このため、継続抽選に非当選することは、所定抽選において所定の抽選結果が導出されることに相当する。一方、継続抽選に当選することは、所定抽選において所定の抽選結果とは異なる抽選結果が導出されることに相当する。そして、継続抽選に非当選する確率は、所定抽選にて所定の抽選結果が導出される確率に相当する。このため、ステップS501において主制御用CPU40aが継続抽選の当選確率を決定することは、所定抽選にて所定の抽選結果が導出される確率を決めることに相当する。
一方、継続抽選に非当選した場合(ステップS504:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている抽選回数情報から特定可能な抽選回数が下限回数以上であるか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505において主制御用CPU40aは、抽選回数が下限回数に達しているか否かを判定する。因みに、本実施形態では、下限回数を「3回」としている。そして、抽選回数が下限回数に達していない場合(ステップS505:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS502の処理へと進む。
また、抽選回数が下限回数に達している場合(ステップS505:YES)、主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間を決定する(ステップS506)。ステップS506において主制御用CPU40aは、抽選回数を用いた演算を行う。具体的に、ステップS506において主制御用CPU40aは、抽選回数に「1秒」を乗算する演算を行う。そして、主制御用CPU40aは、ステップS506の処理における演算により求められた時間を特定フリーズ時間とする。例えば、抽選回数が「5回」である場合、ステップS506において主制御用CPU40aは、5回に1秒を乗算する演算を行い、特定フリーズ時間を「5秒(=5回×1秒)」と決定する。このように、ステップS506において主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間を演算によって算出する。本実施形態では、特定フリーズ時間が特定状態の期間に相当し、特定状態の期間を決めるにあたって用いられる抽選回数が「所定抽選が行われた回数に基づく値」に相当し、1秒が「所定期間」に相当する。このように、特定状態の期間は、所定抽選が行われた回数に基づく値に所定期間を乗算した期間となる。そして、本実施形態では、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間が決定されるフリーズ時間抽選処理が主制御用CPU40aにより行われることで、特定状態の期間を決定する期間決定手段としての機能が実現される。したがって、主制御用CPU40aを備えた主基板40は、特定状態の期間を決定する期間決定手段としての機能を有していることがわかる。
また、主制御用CPU40aは、ステップS506において特定フリーズ時間を決定すると、特定フリーズ時間を特定可能な情報(以下、特定フリーズ時間情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。
その後、主制御用CPU40aは、フリーズ時間を決定し(ステップS507)、フリーズ時間抽選処理を終了する。ステップS507において主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間を用いた演算を行う。具体的に、ステップS507において主制御用CPU40aは、基礎フリーズ時間に特定フリーズ時間を加算する演算を行う。基礎フリーズ時間は、予め定められた時間である。本実施形態では、基礎フリーズ時間を「10秒」としている。そして、主制御用CPU40aは、ステップS507の処理における演算により求められた時間をフリーズ時間とする。例えば、特定フリーズ時間が「5秒」である場合、ステップS507において主制御用CPU40aは、基礎フリーズ時間「10秒」に特定フリーズ時間「5秒」を加算する演算を行い、フリーズ時間を「15秒(=10秒+5秒)」と決定する。このように、ステップS507において主制御用CPU40aは、演出を行い、フリーズ時間を決定する。また、本実施形態においてフリーズ時間は、基礎フリーズ時間と特定フリーズ時間の和であることから、フリーズ時間には特定フリーズ時間が含まれることがわかる。
また、主制御用CPU40aは、ステップS507においてフリーズ時間を決定すると、フリーズ時間を特定可能な情報(以下、フリーズ時間情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。
因みに、本実施形態において基礎フリーズ時間は予め定められた時間であることから、特定フリーズ時間情報を主制御用RAM40cに記憶しなくても、フリーズ時間情報を主制御用RAM40cに記憶すれば、当該フリーズ時間情報から特定可能なフリーズ時間から基礎フリーズ時間を減算すれば、特定フリーズ時間を特定することはできる。同様に、本実施形態において基礎フリーズ時間は予め定められた時間であることから、フリーズ時間情報を主制御用RAM40cに記憶しなくても、特定フリーズ時間情報を主制御用RAM40cに記憶すれば、当該特定フリーズ時間情報から特定可能な特定フリーズ時間に基礎フリーズ時間を加算すれば、フリーズ時間を特定することはできる。
次に、図10に基づき、フリーズ準備処理にて行われる上乗せ回数決定処理(ステップS309)について、説明する。
上乗せ回数決定処理において主制御用CPU40aは、係数を決定する(ステップS601)。係数として決定可能な係数は複数あり、ステップS601において主制御用CPU40aは、複数の係数の中から1つの係数を決定する。なお、本実施形態の係数には、「1」、「2」、「3」、「4」及び「5」がある。本実施形態において主制御用CPU40aによって係数を決定する処理(ステップS601の処理)が行われることにより、係数を決定する係数決定手段としての機能が実現される。また、ステップS601において主制御用CPU40aは、係数を決定すると、当該係数を特定可能な情報(以下、係数情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。また、主制御用CPU40aは、係数を決定すると、係数を特定可能な制御情報(以下、係数コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。
続いて、主制御用CPU40aは、上乗せ回数を決定する(ステップS602)。ステップS602において主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間と、係数と、を用いた演算を行う。具体的に、ステップS602において主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間情報から特定可能な特定フリーズ時間に応じた値に、ステップS601において決定した係数を乗算する演算を行う。そして、主制御用CPU40aは、ステップS602の処理における演算の演算結果に応じた回数を上乗せ回数とする。例えば、特定フリーズ時間が「5秒」であって、係数が「3」である場合、ステップS602において主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間となる「5秒」に応じた値に相当する「5」に係数である「3」を乗算する演算を行い、上乗せ回数を「15回(=5×3)」と決定する。このように、スロットマシン10では、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間に基づき、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加される。また、スロットマシン10では、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果に基づき、有利滞在回数が増加されることがわかる。特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間と係数を用いた演算の演算結果に応じた回数分、有利滞在回数が増加されることがわかる。また、本実施形態のスロットマシン10では、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間に基づき有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加することから、特定フリーズ時間に応じた特典には、特定フリーズ時間に基づき有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加する特典が含まれることがわかる。本実施形態では、上乗せ回数を決めるにあたって用いられる特定フリーズ時間が「特定状態の期間に基づく値」に相当する。
ステップS602の処理を終えると、主制御用CPU40aは、上乗せ回数を特定可能な上乗せ回数情報を主制御用RAM40cに記憶し(ステップS603)、上乗せ回数決定処理を終了する。
主制御用CPU40aにより出力バッファに格納された制御情報(各種のコマンドなど)は、所定の制御周期で主制御用CPU40aにより行われる出力処理にて、主基板40内の出力部としての出力ポートから副基板41内の入力ポートに格納される。そして、副制御用CPU41aが所定の制御周期で行う読出処理において、副基板41内の入力ポートに設定された制御情報を読み出すことにより、当該制御情報が副制御用CPU41aに入力される。したがって、制御情報を出力バッファに格納することは、制御情報を副制御用CPU41aに出力することに相当する。
前述したように、出力バッファに格納される制御情報の中には、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を特定可能な制御情報としての特定フリーズ時間コマンドが含まれている。したがって、出力処理を行う主制御用CPU40aが備えられた主基板40は、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を特定可能な制御情報を出力する機能を有していることがわかる。また、読出処理を行う副制御用CPU41aが備えられた副基板41は、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を特定可能な制御情報を受け取る機能を有していることがわかる。
次に、副制御用CPU41aが副制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや、入賞指示コマンドの各種制御情報を入力すると、当該制御情報に指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置15の表示態様、装飾ランプ13の発光態様、スピーカ14の出力態様を制御する。なお、副制御用CPU41aは、入賞指示コマンドを入力しない場合、賞が定められていない図柄組み合わせが有効ラインNL上に停止したことを把握する。
副制御用CPU41aは、演出状態コマンドを入力すると、制御中の演出状態を示す副用演出状態情報を副制御用RAM41cに記憶する。そして、副制御用CPU41aは、副用演出状態情報から特定可能な演出状態に応じて演出状態識別情報を報知させる制御を行う。
副制御用CPU41aは、指示情報コマンドを入力すると、当該指示情報コマンドから指示番号を特定し、特定した指示番号に応じてストップボタンの操作態様を報知するナビ演出を実行させる。なお、主制御用CPU40aが払出表示部に実行させるナビ演出の態様と、副制御用CPU41aが演出表示装置15に実行させるナビ演出の態様は、同一であってもよいが、同一でなくてもよい。
また、副制御用CPU41aは、係数コマンドを入力すると、当該係数コマンドから係数を特定し、当該係数を特定可能な情報(以下、副用係数情報と示す)を副制御用RAM41cに記憶する。また、副制御用CPU41aは、フリーズ時間コマンドを入力すると、当該フリーズ時間コマンドからフリーズ時間を特定し、当該フリーズ時間を特定可能な情報(以下、副用フリーズ時間情報と示す)を副制御用RAM41cに記憶する。また、副制御用CPU41aは、特定フリーズ時間コマンドを入力すると、当該特定フリーズ時間コマンドから特定フリーズ時間を特定し、当該特定フリーズ時間を特定可能な情報(以下、副用特定フリーズ時間情報と示す)を副制御用RAM41cに記憶する。このように、副基板41の副制御用CPU41aは、特定フリーズ時間コマンドを入力することで特定フリーズ時間、つまり、特定状態の期間を決定する。
ここで、図11に基づき、フリーズ抽選に当選してから実際にフリーズ制御が行われるまでについて、説明する。
図11に示すように、フリーズ抽選に当選したときに待機回数が「3回」であったとする。このとき、フリーズ抽選に当選したときに決定された待機回数が「3回」である場合もあれば、その他、フリーズ抽選に当選するよりも前に滞在回数が決定されておりフリーズ抽選に当選したときの待機回数が「3回」である場合もある。
そして、フリーズ抽選に当選したときの待機回数が「3回」であるとき、変動ゲームが行われる毎に、フリーズ処理のステップS402の処理が行われることで待機回数が1減算される。フリーズ抽選に当選したときから待機回数に相当する「3回」分の変動ゲームが行われると、待機回数は「0(零)」となり、フリーズ制御が行われる。フリーズ制御が行われることにより、フリーズ時間だけ遊技の進行が停滞されることになる。
本実施形態では、フリーズ制御が行われることによって特定状態となることから、フリーズ抽選に当選することは特定状態とすることが決定されることに相当する。したがって、フリーズ抽選に当選してからフリーズ制御が行われるまでの期間は、特定状態とすることが決定された後、特定状態となるまでの未実行期間に相当する。そして、フリーズ抽選に当選してからフリーズ制御が行われるまでの期間は、フリーズ抽選に当選したときの待機回数が「0(零)」となるまでの期間となることから、主制御用CPU40aによって待機回数を決定する処理が行われることで、未実行期間決定手段としての機能が実現される。また、本実施形態では変動ゲームが行われる毎に待機回数が1減算されることから、本実施形態における未実行期間は、変動ゲームの回数により定められているともいえる。
本実施形態のスロットマシン10では、フリーズ制御が行われているとき、第1表示演出が実行される。具体的に、第1表示演出は、フリーズ制御が開始されてから基礎フリーズ時間分の時間が経過した後の特定状態であるとき(特定フリーズ時間分の時間が計測されているとき)、演出表示装置15にて実行される。第1表示演出の演出内容には、複数種類の演出内容がある。後ほど詳しく説明するが、本実施形態では、第1表示演出の演出内容として、「白色」、「青色」、「黄色」、「緑色」及び「赤色」がある。
また、本実施形態のスロットマシン10では、フリーズ制御が行われているとき、所定演出に相当する第2表示演出が実行される。具体的に、第2表示演出は、フリーズ制御が開始されてから基礎フリーズ時間分の時間が経過した後の特定状態であるとき(特定フリーズ時間分の時間が計測されているとき)、演出表示装置15にて実行される。第2表示演出の演出内容には、複数種類の演出内容がある。後ほど詳しく説明するが、本実施形態では、第2演出の演出内容として、「第1演出内容」、「第2演出内容」、「第3演出内容」、「第4演出内容」及び「第5演出内容」がある。
このように、本実施形態のスロットマシン10では、フリーズ制御が行われているときの中でも、フリーズ制御が開始されてから基礎フリーズ時間分の時間が経過した後の特定フリーズ時間分のフリーズ制御が行われているときに、第1表示演出及び第2表示演出が演出表示装置15にて実行される。以下の説明では、フリーズ制御が行われているときの中でも、フリーズ制御が開始されてから基礎フリーズ時間分が経過した後の特定フリーズ時間分の時間が計測されているときを、「特定状態」と示す。したがって、以下の説明において、例えば、「特定状態となる」とは、フリーズ制御が開始してから基礎フリーズ時間分の時間が経過した後に特定フリーズ時間分のフリーズ制御が行われることを意味する。
本実施形態において第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミング及び第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングは、特定状態において一定間隔で到来する。すなわち、特定状態であるとき、一定間隔で第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなる。同様に、特定状態であるとき、一定間隔で第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなる。具体的に、特定状態において5秒が経過する毎に、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなる。同様に、特定状態において5秒が経過する毎に、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなる。
そして、スロットマシン10では、第1演出の演出内容が決定される度に、決定された演出内容の第1表示演出が実行される。同様に、スロットマシン10では、第2演出の演出内容が決定される度に、決定された演出内容の第2表示演出が実行される。なお、第1表示演出の演出内容が決定される決定タイミングは、第1表示演出を実行する実行タイミングよりも前であって、第1表示演出を実行する実行タイミングと略同一タイミングとなる。同様に、第2表示演出の演出内容が決定される決定タイミングは、第1表示演出を実行する実行タイミングよりも前であって、第2表示演出を実行する実行タイミングと略同一のタイミングとなる。以下の説明において、第1表示演出が実行される実行タイミングと示す場合、当該タイミングは、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングに相当する。同様に、以下の説明において、第2表示演出が実行される実行タイミングと示す場合、当該タイミングは、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングに相当する。
以上のようなことから、本実施形態において第1表示演出及び第2表示演出は、特定状態において一定間隔で実行されることになる。具体的には、第1表示演出は、特定状態となってから5秒が経過する毎に、演出表示装置15にて実行される。同様に、第2表示演出は、特定状態となってから5秒が経過する毎に、演出表示装置15にて実行される。すなわち、本実施形態において第1表示演出及び第2表示演出は、特定状態において5秒間隔で実行される。なお、スロットマシン10では、特定フリーズ時間として決定された時間が5秒未満である場合、特定状態であっても第1表示演出及び第2表示演出の演出内容は決定されず、第1表示演出及び第2表示演出は実行されない。
ここで、図12(a)〜(c)に基づき、特定フリーズ時間として決定された時間に応じて第1表示演出や第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングと、決定タイミングの数について、説明する。図12(a)には、特定フリーズ時間が「17秒」であるときを示し、図12(b)には、特定フリーズ時間が「19秒」であるときを示している。また、図12(c)には、特定フリーズ時間が「32秒」であるときを示している。
図12(a)に示すように、特定フリーズ時間が「17秒」であるとき、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングは、それぞれ「3回」となる。したがって、特定フリーズ時間が「17秒」であるとき、第1表示演出が実行される実行タイミングや第2表示演出が実行される実行タイミングは、それぞれ「3回」となる。
図12(b)に示すように、特定フリーズ時間が「19秒」であるとき、特定フリーズ時間が「17秒」であるときと同様、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングは、それぞれ「3回」となる。したがって、特定フリーズ時間が「19秒」であるとき、特定フリーズ時間が「17秒」であるときと同様、第1表示演出が実行される実行タイミングや第2表示演出が実行される実行タイミングは、それぞれ「3回」となる。
このように、特定フリーズ時間として決定された時間が異なる場合であっても、各特定フリーズ時間が、第1表示演出の演出内容が決定される間隔の間(図12(a),(b)では、15秒〜20秒)となる時間である場合、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第1表示演出が実行される実行タイミングは同一回数となる。同様に、特定フリーズ時間として決定された時間が異なる場合であっても、各特定フリーズ時間が、第2表示演出の演出内容が決定される間隔の間(図12(a),(b)では、15秒〜20秒)となる時間である場合、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第2表示演出が実行される実行タイミングは同一回数となる。
図12(c)に示すように、特定フリーズ時間が「32秒」であるとき、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングは、それぞれ「6回」となる。したがって、特定フリーズ時間が「32秒」であるとき、第1表示演出が実行される実行タイミングや第2表示演出が実行される実行タイミングは、それぞれ「6回」となる。
このように、特定状態の期間が長いほど、第1表示演出や第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングの数が多くなり易い。また、特定フリーズ時間として決定された時間が異なる場合であって、各特定フリーズ時間の差が、第1表示演出の演出内容が決定される間隔よりも大きい場合、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第1表示演出が実行される実行タイミングの回数は相違する。同様に、特定フリーズ時間として決定された時間が異なる場合であって、各特定フリーズ時間の差が、第2表示演出の演出内容が決定される間隔よりも大きい場合、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングや第1表示演出が実行される実行タイミングの回数は相違する。
以下、第1表示演出の実行に係る制御及び第2表示演出の実行に係る制御について、説明する。
副制御用CPU41aは、フリーズ時間コマンドを入力したことを契機に、当該フリーズ時間コマンドから特定可能なフリーズ時間の計測を開始する。副制御用CPU41aは、フリーズ時間コマンドを入力してから基礎フリーズ時間分の時間が経過するまでの間、導入演出を実行するように演出表示装置15の表示内容を制御する。導入演出は、フリーズ制御が行われていることを特定できる内容で実行される。
そして、フリーズ時間コマンドを入力してから基礎フリーズ時間分の時間が経過すると、副制御用CPU41aは、フリーズ中演出を実行するように演出表示装置15の表示内容を制御する。フリーズ中演出を実行させた場合、副制御用CPU41aは、フリーズ制御が終了するまでの間、すなわち、フリーズ時間コマンドの入力を契機に計測を開始したフリーズ時間が経過するまでの間、フリーズ中演出を実行するように演出表示装置15の表示内容を制御する。フリーズ中演出は、フリーズ中演出が実行されてから経過した時間を報知する内容で実行される。なお、フリーズ中演出が実行されてから経過した時間とは、フリーズ制御が開始してから基礎フリーズ時間分が経過した後に経過した時間に相当し、特定フリーズ時間分の時間として経過される時間に相当する。
また、副制御用CPU41aは、フリーズ時間コマンドを入力してから基礎フリーズ時間分の時間が経過すると、第1表示演出や第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングの間隔に相当する時間(本実施形態では、5秒)を繰り返し計測する。副制御用CPU41aは、フリーズ制御が終了するまでの間、第1表示演出や第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングの間隔に相当する時間を繰り返し計測する。
そして、副制御用CPU41aは、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングにて、第1表示演出の演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、副用係数情報から特定可能な係数に基づき、第1表示演出の演出内容を決定する。このため、第1表示演出は、係数に基づく演出内容で実行される。
図13に示すように、副制御用CPU41aは、係数が「1」である場合、第1表示演出の演出内容として「白色」を決定する。副制御用CPU41aは、係数が「2」の場合、第1表示演出の演出内容として、80%の確率で「白色」、20%の確率で「青色」を決定する。副制御用CPU41aは、係数が「3」の場合、第1表示演出の演出内容として、60%の確率で「白色」、20%の確率で「青色」、20%の確率で「黄色」を決定する。副制御用CPU41aは、係数が「4」の場合、第1表示演出の演出内容として、49%の確率で「白色」、17%の確率で「青色」、17%の確率で「黄色」、17%の確率で「緑色」を決定する。副制御用CPU41aは、係数が「5」の場合、第1表示演出の演出内容として、40%の確率で「白色」、15%の確率で「青色」、15%の確率で「黄色」、15%の確率で「緑色」、15%の確率で「赤色」を決定する。
そして、副制御用CPU41aは、第1表示演出の演出内容を決定すると、決定した演出内容の第1表示演出を実行するように演出表示装置15の表示内容を制御する。すなわち、副制御用CPU41aは、演出表示装置15の表示内容を制御し、第1表示演出の実行をさせる制御を行う。このように、第1表示演出の演出内容を決定する処理には、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングで第1表示演出の演出内容を決定する処理が含まれている。
また、副制御用CPU41aは、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングにて、第2表示演出の演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、特定状態の残り時間に応じて、第2表示演出の演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、副制御用RAM41cに記憶されている副用フリーズ時間情報から特定可能なフリーズ時間、及びフリーズ時間コマンドを入力したときから計測している時間に基づき、特定状態の残り時間を特定する。なお、副制御用CPU41aは、副制御用RAM41cに記憶されている副用特定フリーズ時間情報から特定可能な特定フリーズ時間、及びフリーズ時間コマンドを入力してから基礎フリーズ時間が経過してから計測する時間に基づき、特定状態の残り時間を特定することも可能である。
このように、特定状態の残り時間(特定状態の残り期間)に応じて第2表示演出の演出内容が副制御用CPU41aにより決定されることから、所定演出に相当する第2表示演出は、特定状態の残り時間に応じた演出内容で実行される。なお、特定状態の残り時間とは、特定状態の時間経過に基づくものであることから、第2表示演出が特定状態の残り時間に応じた演出内容で実行されることは、第2表示演出が特定状態の時間経過に応じた演出内容で実行されることに相当する。
図14に示すように、副制御用CPU41aは、フリーズ時間の残り時間が10秒未満である場合、第2表示演出の演出内容として、80%の確率で第1演出内容、10%の確率で第2演出内容、10%の確率で第3演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、フリーズ時間の残り時間が10秒以上20秒未満である場合、70%の確率で第1演出内容、15%の確率で第2演出内容、15%の確率で第3演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、フリーズ時間の残り時間が20秒以上30秒未満である場合、49%の確率で第1演出内容、17%の確率で第2演出内容、17%の確率で第3演出内容、17%の確率で第4演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、フリーズ時間の残り時間が30秒以上50秒未満である場合、37%の確率で第1演出内容、21%の確率で第2演出内容、21%の確率で第3演出内容、21%の確率で第4演出内容を決定する。副制御用CPU41aは、フリーズ時間の残り時間が50秒以上である場合、20%の確率で第1演出内容、20%の確率で第2演出内容、20%の確率で第3演出内容、20%の確率で第4演出内容、20%の確率で第5演出内容を決定する。
そして、副制御用CPU41aは、第2表示演出の演出内容を決定すると、決定した演出内容の第2表示演出を実行するように演出表示装置15の表示内容を制御する。すなわち、副制御用CPU41aは、演出表示装置15の表示内容を制御し、第2表示演出の実行をさせる制御を行う。このように、第2表示演出の演出内容を決定する処理には、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングで第2表示演出の演出内容を決定する処理が含まれている。
このように、本実施形態では、所定演出に相当する第2表示演出の演出内容を決定する処理を副制御用CPU41aが行うことにより、所定演出の演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能が実現される。また、所定演出に相当する第2表示演出を実行させる制御を副制御用CPU41aが行うことにより、所定演出を実行させる演出制御手段としての機能が実現される。また、第2表示演出の演出内容を決定する副制御用CPU41aが備えられた副基板41は、所定演出の演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有していることがわかる。また、第2表示演出を実行させる副制御用CPU41aが備えられた副基板41は、所定演出を実行させる演出制御手段としての機能を有していることがわかる。
ここで、図15及び図16に基づき、スロットマシン10においてフリーズ抽選に当選してからフリーズ制御が行われて、有利演出状態に滞在する変動ゲームの回数(有利滞在回数)が増加するまでの流れについて、説明する。
図15に示すように、フリーズ抽選に当選した場合、滞在回数が「0(零)」になるまでは、フリーズ制御が行われない。なお、フリーズ抽選に当選したことを契機に行われるフリーズ時間抽選処理では、特定フリーズ時間として「37秒」が決定されたとする。このため、フリーズ時間は、基礎フリーズ時間である「10秒」と特定フリーズ時間である「37秒」の和から「47秒」となる。また、フリーズ抽選に当選したことを契機に行われる上乗せ回数決定処理では、係数として「2」が決定されたとする。
その後、スタートレバー20が操作されたことを契機に、滞在回数が「0(零)」となる場合、変動ゲームにて図柄の変動が開始されるよりも前に、フリーズ制御が行われる。このとき、有利滞在回数が「20回」であったものとする。
前提の通り、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間は「37秒」であって、係数が「2」であることから、「37秒」に基づく値「37」に係数「2」を乗算した値となる「74(=37×2)」に基づく回数「74回」が上乗せ回数となる。この結果、フリーズ制御が行われるときの有利滞在回数が「20回」であることから、当該有利滞在回数に上乗せ回数として決定された「74回」が加算され、有利滞在回数は「94回(=20+74)」となる。
このように、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間が長いほど上乗せ回数が多くなり易いことから、フリーズ制御が長く続くことへの注目度を高めることができる。また、フリーズ時間には一定時間となる基礎フリーズ時間が含まれることから、フリーズ制御が行われているときであっても、フリーズ制御が開始してから基礎フリーズ時間分の時間が経過した後においてフリーズ制御が長く続くことへの注目度を特に高めることができる。
また、図16に示すように、特定フリーズ時間が「37秒」である場合、つまり、特定状態が「37秒」である場合、5秒毎のタイミングt11〜t17において、それぞれ第1表示演出及び第2表示演出が実行される。
第1表示演出は、係数に応じた演出内容で実行されることから、タイミングt11〜t17の何れにおいても、複数種類の演出内容の中から各演出内容が決定される確率は同じである。なお、第1表示演出が実行される回数が多くなればなるほど、係数を特定し易くなる。例えば、図13に示すように、係数が「2」である場合には、演出内容として「白色」又は「青色」が決定される。第1表示演出の演出内容が「白色」である場合には、係数が「1〜5」の何れであるかを特定できないが、1度でも第1表示演出の演出内容が「青色」であれば、係数が「2以上」であることを特定できる。このように、第1表示演出が実行される回数が多いほど、係数を特定し易くなる。
一方、第2表示演出は、特定状態の残り時間に応じた演出内容で実行されることから、時間経過に伴って特定状態の残り時間が変化し、複数種類の演出内容の中から各演出内容が決定される確率が変化し得る。
例えば、特定状態となってから5秒が経過するときのタイミングt11において、特定状態の残り時間は「32秒(=37秒−5秒)」となるため、図14に示すように、残り時間が30秒以上50秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。また、特定状態となってから10秒が経過するときのタイミングt12において、特定状態の残り時間は「27秒(=37秒−10秒)」となるため、残り時間が20秒以上30秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。
同様に、特定状態となってから15秒が経過するときのタイミングt13において、特定状態の残り時間は「22秒(=37秒−15秒)」となるため、残り時間が20秒以上30秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。また、特定状態となってから20秒が経過するときのタイミングt14において、特定状態の残り時間は「17秒(=37秒−20秒)」となるため、残り時間が10秒以上20秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。また、特定状態となってから25秒が経過するときのタイミングt15において、特定状態の残り時間は「12秒(=37秒−25秒)」となるため、残り時間が10秒以上20秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。また、特定状態となってから30秒が経過するときのタイミングt16において、特定状態の残り時間は「7秒(=37秒−30秒)」となるため、残り時間が10秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。そして、特定状態となってから35秒が経過するときのタイミングt17において、特定状態の残り時間は「2秒(=37秒−35秒)」となるため、残り時間が10秒未満のときの決定率で第2表示演出の演出内容が決定される。
本実施形態のスロットマシン10は、次のような効果を有する。
(1)従来の遊技機(例えば、特開2011−160844号公報に記載された遊技機)では、有利状態の滞在回数を増加させる場合があるが、有利状態の滞在回数を増加させることに伴って興趣の向上を図ることが望まれている。
そこで、特定状態の期間に相当する特定フリーズ時間に基づき、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加するようにした。このため、特定フリーズ時間によって、有利滞在回数の増加が変化する。このように、特定フリーズ時間に基づき有利滞在回数が増加されることにより、特定フリーズ時間についての注目度を高め、興趣の向上を図ることができる。
(2)継続抽選に非当選するまで(所定抽選にて所定の抽選結果が導出されるまで)、継続抽選が繰り返し行われる。そして、継続抽選が行われた回数である抽選回数に基づく値に、所定期間に相当する「1秒」を乗算した時間(期間)が、特定フリーズ時間(特定状態の期間)となる。このため、特定フリーズ時間は、所定期間に相当する「1秒」の倍数となる。これにより、特定状態であるとき、1秒が経過する毎に特定状態が継続するか否かについて注目させ、興趣の向上を図ることができる。特に、特定フリーズ時間に基づき有利滞在回数が増加されるため、特定状態が継続するかについての注目度を更に高め、興趣の向上を図ることができる。
(3)継続抽選に非当選する確率(所定抽選にて所定の抽選結果が導出される確率)は、複数種類あることから、特定フリーズ時間(特定状態の期間)が長くなり易い状況と、特定フリーズ時間が長くなり難い状況と、を創出することができる。これにより、特定フリーズ時間が長くなり易い状況下にあるか否かについても注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
(4)特定状態であるとき、遊技の進行が停滞しており、遊技が進行しない。このような遊技の進行が停滞しているときに特定状態となることから、特定状態に対して注目させ易く、効果的に興趣の向上を図ることができる。
(5)特定フリーズ時間(特定状態の期間)と係数を用いた演算の演算結果に応じた回数分、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加する。このため、特定フリーズ時間が同一であっても、係数が異なる値である場合には、有利滞在回数の増加が変化する。これにより、特定フリーズ時間に限らず、係数についても注目させ、興趣の向上を図ることができる。
(6)従来の遊技機(例えば、特開2001−120725号公報に記載された遊技機)では、演出パターンを決定して当該演出パターンに基づき所定の期間内において所定の演出を複数回実行する。しかし、所定の期間内において所定の演出を実行する回数が多いときや、所定の演出の演出内容の種類が多いときには、パターンが増加し過ぎてしまうことが考えられる。一方で、パターンが増加し過ぎることを抑制するために、所定の期間内において所定の演出を実行する回数を少なくしたり、所定の演出の演出内容の種類を少なくしたりすることも考えられる。これらを要因として、所定の演出によって効果的に興趣を向上させることができない虞があった。
そこで、所定演出に相当する第2表示演出の演出内容を決定する各決定タイミングにて第2表示演出の演出内容を決定するようにした。これにより、決定タイミングの数がどのように変化しても当該変化に対応して第2表示演出の演出内容を決定できる。したがって、特定フリーズ時間(特定状態の期間)がどのように変化しても当該変化に対応して第2表示演出の演出内容を決定できる。また、各決定タイミングに応じて第2表示演出の演出内容を決定することもできる。これにより、第2表示演出の演出内容の種類や決定タイミングの数が増加しても、演出内容の組み合わせパターンを増加させることなく、第2表示演出を実行可能となるため、第2表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(7)継続抽選に非当選するまで(所定抽選にて所定の抽選結果が導出されるまで)、継続抽選が繰り返し行われる。そして、継続抽選が行われた回数である抽選回数に、所定期間に相当する「1秒」を乗算した時間(期間)が、特定フリーズ時間(特定状態の期間)となる。このため、特定フリーズ時間として取り得る時間に上限はなく、不定となる。このように時間が不定となる特定フリーズ時間が計測されているとき(特定状態であるとき)、決定タイミングとなる度に所定演出に相当する第2表示演出の演出内容を決定しようとすると、演出内容の組み合わせパターンで全てを補うことは困難である。しかし、決定タイミングとなる度に第2表示演出の演出内容を決定することで、特定フリーズ時間として取り得る時間がどれだけ長くなったとしても当該特定フリーズ時間に対応して第2表示演出の演出内容が決定され、当該演出内容での第2表示演出を実行することができ、第2表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(8)所定演出としての第2表示演出の演出内容は、特定状態の残り時間(特定状態の残り期間)に応じて決定されることから、特定状態の残り時間を推測する上で第2表示演出の演出内容に注目させ、興趣の向上を図ることができる。
特に、特定フリーズ時間(特定状態の期間)に基づき、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加するため、特定状態の期間への注目度が高くなっているため、特定状態の残り時間に応じた演出内容で実行される第2表示演出への注目度を高め、第2表示演出によって効果的に興趣の向上を図ることができる。
(9)特定状態であるとき、一定間隔で、所定演出に相当する第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなる。このように、一定間隔で第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなることから、特定フリーズ時間(特定状態の期間)が長くなればなるほど決定タイミングの数が多くなり、結果的に、特定フリーズ時間が長くなることで第2表示演出によって興趣を向上させる機会を多くすることができる。
(10)特定フリーズ時間分の時間を計測する制御(特定状態の制御)は、第1制御部としての主基板40にて行われる。一方、所定演出としての第2表示演出を実行させる制御は、第2制御部としての副基板41にて行われる。このように、特定フリーズ時間分の時間を計測する制御を行う制御部と第2表示演出を実行させる制御を行う制御部が異なる制御部であっても、特定フリーズ時間を特定可能な制御情報(特定フリーズ時間コマンド)によって副基板41にて特定フリーズ時間を特定できる。このため、特定状態であることを把握した上で第2表示演出を実行でき、第2表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(11)第1表示演出の演出内容を決定する各決定タイミングにて第1表示演出の演出内容を決定することにより、決定タイミングの数がどのように変化しても当該変化に対応して第1表示演出の演出内容を決定できる。したがって、特定フリーズ時間(特定状態の期間)がどのように変化しても当該変化に対応して第1表示演出の演出内容を決定できる。また、各決定タイミングに応じて第1表示演出の演出内容を決定することもできる。これにより、第1表示演出の演出内容の種類や決定タイミングの数が増加しても、演出内容の組み合わせパターンを増加させることなく、第1表示演出を実行可能となるため、第1表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(12)継続抽選に非当選するまで(所定抽選にて所定の抽選結果が導出されるまで)、継続抽選が繰り返し行われる。そして、継続抽選が行われた回数である抽選回数に、所定期間に相当する「1秒」を乗算した時間(期間)が、特定フリーズ時間(特定状態の期間)となる。このため、特定フリーズ時間として取り得る時間に上限はなく、不定となる。このように時間が不定となる特定フリーズ時間が計測されているとき(特定状態であるとき)、決定タイミングとなる度に第1表示演出の演出内容を決定しようとすると、演出内容の組み合わせパターンで全てを補うことは困難である。しかし、決定タイミングとなる度に第1表示演出の演出内容を決定することで、特定フリーズ時間として取り得る時間がどれだけ長くなったとしても当該特定フリーズ時間に対応して第1表示演出の演出内容が決定され、当該演出内容での第1表示演出を実行することができ、第1表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(13)特定状態であるとき、一定間隔で、所定演出に相当する第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなる。このように、一定間隔で第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングとなることから、特定フリーズ時間(特定状態の期間)が長くなればなるほど決定タイミングの数が多くなり、結果的に、特定フリーズ時間が長くなることで第1表示演出によって興趣を向上させる機会を多くすることができる。
(14)特定フリーズ時間分の時間を計測する制御(特定状態の制御)は、第1制御部としての主基板40にて行われる。一方、第1表示演出を実行させる制御は、第2制御部としての副基板41にて行われる。このように、特定フリーズ時間分の時間を計測する制御を行う制御部と第1表示演出を実行させる制御を行う制御部が異なる制御部であっても、特定フリーズ時間を特定可能な制御情報(特定フリーズ時間コマンド)によって副基板41にて特定フリーズ時間を特定できる。このため、特定状態であることを把握した上で第1表示演出を実行でき、第1表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(15)従来の遊技機(例えば、特開2011−160844号公報に記載された遊技機)では、再遊技役の当選確率が上昇する状態やボーナス遊技を生起することで特典を付与するが、特典を付与するにあたって興趣を向上させることが望まれている。
そこで、特定状態の期間としての特定フリーズ時間に応じて、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加するという特典が付与されるようにすることで特定フリーズ時間への注目度を高めた。更に、所定演出としての第2表示演出は、特定状態の残り時間(特定状態の残り期間)に応じた演出内容で実行される。これにより、特定状態の期間(特定フリーズ時間)への注目度を高めた遊技機において、第2表示演出の演出内容にて特定状態の残り時間を推測させて、興趣の向上を図ることができる。
(16)特定状態であるとき、一定間隔で(所定時間に相当する「5秒」が経過する毎に)、特定状態の残り時間(特定状態の残り期間)に応じて所定演出としての第2表示演出の演出内容が決定される。このように、所定時間が経過する毎に第2表示演出の演出内容を決定することで、多量の演出内容の組み合わせパターンを備えなくても、又は、特定フリーズ時間がどのような時間であっても、一定間隔で第2表示演出の演出内容を決定して第2表示演出を実行することができ、第2表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(17)特定状態であるとき、一定間隔で(所定時間に相当する「5秒」が経過する毎に)、係数に応じて第1表示演出の演出内容が決定される。このように、所定時間が経過する毎に第1表示演出の演出内容を決定することで、多量の演出内容の組み合わせパターンを備えなくても、又は、特定フリーズ時間がどのような時間であっても、所定時間が経過する毎に第1表示演出の演出内容を決定して第1表示演出を実行することができ、第1表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
(18)フリーズ抽選に当選して特定状態とすることが決定されてから特定状態となるまでの期間(未実行期間)の後、特定状態となる。このように、フリーズ抽選に当選して特定状態とすることが決定された後、実際に特定状態となるまでに、待機回数が「0」になるまでという期間が設けられる。このため、役抽選の抽選結果が所定の抽選結果となった後、つまり、役抽選の抽選結果がフリーズ抽選を行う契機となった後、待機回数として取り得る回数の変動ゲームが行われるまでの間、特定状態となることを遊技者に期待させて、興趣の向上を図ることができる。
(19)既に待機回数が「1以上」である場合には、待機回数を新たに決定しない。具体的には、例えば、フリーズ抽選に非当選したことを契機に待機回数が「1以上」の回数となってから、当該待機回数が「0(零)」になる前にフリーズ抽選に当選した場合、待機回数を新たに決定しない。この場合、待機回数として取り得る回数の変動ゲームが実行されるまでの間に、役抽選の抽選結果がフリーズ抽選を行う抽選結果(所定の当選番号に当選)となった回数が複数回である。この場合、役抽選の抽選結果がフリーズ抽選を行う抽選結果となった変動ゲームのうち何れの変動ゲームを実行させる際に行われたフリーズ抽選に当選したかを把握することが困難になる。この結果、恰もフリーズ抽選に当選し易いかのように体感させることができ、興趣の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、遊技機の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明及び図面は省略する。
第2実施形態のスロットマシン10では、フリーズ抽選に当選してから待機回数が「0(零)」になるまでの期間内における役抽選の抽選結果に応じて、特典が付与される。なお、フリーズ抽選に当選してから待機回数が「0(零)」になるまでの期間とは、フリーズ抽選に当選して特定状態とすることが決定されてから特定状態となるまでの期間、に相当する。本実施形態では、フリーズ抽選に当選してから待機回数が「0(零)」になるまでの期間、つまり、フリーズ抽選に当選してから特定状態となるまでの期間が、特定状態とすることが決定された後、特定状態となるまでの未実行期間に相当する。また、フリーズ準備処理におけるステップS306やステップS307の処理を行うことによってフリーズ抽選に当選した後の待機回数が決定されることから、ステップS306やステップS307の処理を主制御用CPU40aが行うことにより、未実行期間決定手段としての機能が実現される。
本実施形態の特典には、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果に基づき有利滞在回数が増加されるスロットマシン10において、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典が含まれる。ここで、特定フリーズ時間を用いた演算結果のうち有利な演算結果とは、当該演算結果に基づき有利滞在回数が増加される回数が多くなる演算結果を意味する。
本実施形態における特典には、係数として有利な値を決定し易くする特典が含まれる。スロットマシン10では、第1実施形態で説明したように、特定フリーズ時間と係数を乗算した値(演算結果)に基づき有利滞在回数が増加するため、特定フリーズ時間が同じ時間であれば係数が大きい値であるほど、有利滞在回数が増加する回数が多くなる。したがって、本実施形態において「係数として有利な値」とは、大きい値を意味する。係数として有利な値を決定し易くする特典とは、係数として有利な値が決定され易くなる特典に相当する。
また、本実施形態における特典には、特定フリーズ時間を長くなり易くすることで特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典が含まれる。
特定フリーズ時間を長くなり易くすることで特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典としては、特定フリーズ時間を決定するフリーズ時間抽選処理において行われる継続抽選に非当選する確率を低くし易くする特典が考えられる。その他、特定フリーズ時間を長くなり易くすることで特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典としては、特定フリーズ時間を決定するステップS506の処理において抽選回数に乗算される所定時間(第1実施形態では、「1秒」)を長い時間になり易くする特典が考えられる。また、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典としては、ステップS506の処理において決定された特定フリーズ時間に所定の時間を加算することで特定フリーズ時間を長くし易くする特典が考えられる。特定フリーズ時間を長くなり易くする特典とは、特定フリーズ時間が長くなり易くなる特典に相当する。
本実施形態のスロットマシン10では、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典として、継続抽選に非当選する確率を低くし易くする特典を採用している。なお、継続抽選に非当選する確率を低くし易くする特典とは、継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典に相当する。以下、特定フリーズ時間を決定するフリーズ時間抽選処理において行われる継続抽選に非当選する確率を低くし易くする特典を「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」と示す場合がある。
前述したように、第2実施形態では、待機回数として1以上の値が決められた後から当該待機回数が0(零)になるまでの間、役抽選の抽選結果に応じて、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典が付与される。第1実施形態では、待機回数が「1以上」であるときにフリーズ準備処理にてフリーズ時間抽選処理及び上乗せ回数決定処理を行ったが、第2実施形態では、待機回数が「0(零)」となった後、フリーズ実行抽選処理及び上乗せ回数決定処理を行う。
具体的に、図17に示すように、第2実施形態では、フリーズ処理において、待機回数が「0(零)」となった後、フリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されているとき(ステップS404:YES)であって、ステップS405の処理にてフリーズ制御が開始されるよりも前に、フリーズ時間抽選処理及び上乗せ回数決定処理を行う。
ここで、図18に基づき、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典の付与を決定する処理について、説明する。本実施形態では、フリーズ準備処理において、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典の付与を決定する処理を行う。
図18に示すように、フリーズ準備処理において主制御用CPU40aは、フリーズ実行情報が主制御用RAM40cに記憶されているとき(ステップS301:YES)、所定の当選番号に当選したか否かを判定する(ステップS701)。ステップS701において主制御用CPU40aは、役抽選にてチェリー役の入賞が許容される当選番号又はスイカ役の入賞が許容される当選番号に当選したか否かを判定する。そして、所定の当選番号に当選していない場合(ステップS701:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を終了する。
一方、所定の当選番号に当選している場合(ステップS701:YES)、主制御用CPU40aは、付与抽選を行う(ステップS702)。付与抽選では、特典を付与すること及び特典を付与しないことのうち何れか一方が決定される。本実施形態では、付与抽選に当選することで特典を付与することが決定され、付与抽選に非当選することで特典を付与しないことが決定される。
続いて、主制御用CPU40aは、付与抽選に当選したか否かを判定する(ステップS703)。そして、付与抽選に非当選した場合(ステップS703:NO)、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を終了する。一方、付与抽選に当選した場合(ステップS703:YES)、主制御用CPU40aは、特典を決定する(ステップS704)。また、ステップS704の処理を終えると、主制御用CPU40aは、フリーズ準備処理を終了する。
ステップS704において主制御用CPU40aは、「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」のうち何れかの特典を決定する。また、ステップS704において特典を決定した場合、主制御用CPU40aは、特典を特定可能な情報(以下、特典情報と示す)を主制御用RAM40cに記憶する。
因みに、ステップS704において主制御用CPU40aは、「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」のうち何れか一方の特典の付与を既に決定している場合には、他方の特典の付与を決定する。また、ステップS704において主制御用CPU40aは、「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の全ての特典の付与を既に決定している場合には、特典を決定しない。
次に、特典の付与に関する制御について、説明する。
主制御用CPU40aは、フリーズ時間抽選処理のステップS501の処理において、主制御用RAM40cに「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」を付与することを特定可能な特典情報が記憶されているか否かに応じた確率で、継続抽選の当選確率を決定する。
図19(a)に示すように、主制御用CPU40aは、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」を付与することを特定可能な特典情報が記憶されていない場合(図面では、特典なしと示す)、継続抽選の当選確率として、90%の確率で「80%」、9%の確率で「90%」、1%の確率で「94%」を決定する。一方、主制御用CPU40aは、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」を付与することを特定可能な特典情報が記憶されている場合(図面では、特典ありと示す)、継続抽選の当選確率として、60%の確率で「80%」、35%の確率で「90%」、5%の確率で「94%」を決定する。
このように、主制御用CPU40aは、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」を付与する場合、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」を付与しない場合に比して、継続抽選の当選確率として高い当選確率を決定し易い。
本実施形態においてフリーズ時間抽選処理のステップS501の処理が主制御用CPU40aにより行われることによって、継続抽選に当選し易くなって抽選回数が多くなり易く、結果的に、特定フリーズ時間が長くなり易くなる。そして、特定フリーズ時間が長くなり易くなることで、上乗せ回数決定処理のステップS602において、演算の演算結果に基づき決定される上乗せ回数が多くなり易くなる。
また、主制御用CPU40aは、上乗せ回数決定処理のステップS601の処理において、主制御用RAM40cに「係数として有利な値を決定し易くする特典」を付与することを特定可能な特典情報が記憶されているか否かに応じた確率で、係数を決定する。
図19(b)に示すように、主制御用CPU40aは、「係数として有利な値を決定し易くする特典」を付与することを特定可能な特典情報が記憶されていない場合(図面では、特典なしと示す)、係数として、60%の確率で「1」、25%の確率で「2」、10%の確率で「3」、4%の確率で「4」、1%の確率で「5」を決定する。一方、主制御用CPU40aは、「係数として有利な値が決定され易くなる特典」を付与することを特定可能な特典情報が記憶されている場合(図面では、特典ありと示す)、係数として、37%の確率で「1」、33%の確率で「2」、16%の確率で「3」、9%の確率で「4」、5%の確率で「5」を決定する。
このように、主制御用CPU40aは、「係数として有利な値を決定し易くする特典」を付与する場合、「係数として有利な値を決定し易くする特典」を付与しない場合に比して、係数として有利な値を決定し易い。
本実施形態において上乗せ回数決定処理のステップS601の処理が主制御用CPU40aにより行われることによって、係数として有利な値が決定され易くなり、結果的に、上乗せ回数処理のステップS602において、演算の演算結果に基づき決定される上乗せ回数が多くなり易くなる。
以上のように、本実施形態のスロットマシン10では、特定状態となることに伴い、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典が付与される。本実施形態において、フリーズ時間抽選処理や上乗せ回数決定処理において、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典が付与される。すなわち、主制御用CPU40aによってフリーズ時間抽選処理や上乗せ回数決定処理が行われることにより、特定状態の期間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典を付与する特典付与手段としての機能が実現される。なお、本実施形態における「特定状態の期間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典」は、第1実施形態における「特定状態の期間に応じた特典」とは異なるものである。
ここで、図20(a)〜(d)に基づき、「係数として有利な値を決定し易くする特典」や「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」が付与される場合の上乗せ回数の違いについて、説明する。
なお、図20(a)〜(d)では、説明の都合上、「係数として有利な値を決定し易くする特典」が付与されない場合には係数として「2」が決定され、「係数として有利な値を決定し易くする特典」が付与される場合には係数として「4」が決定されるものとして説明する。また、図20(a)〜(d)では、説明の都合上、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」が付与されない場合には特定フリーズ時間として「20秒」が決定され、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」が付与される場合には特定フリーズ時間として「40秒」が決定されるものとして説明する。
図20(a)には、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0(零)」になるまでの期間内において、特典の付与が決定されなかった場合の上乗せ回数を示す。因みに、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内に特典の付与が決定されない場合とは、役抽選の抽選結果が所定の抽選結果とならなかった場合や、役抽選の抽選結果が所定の抽選結果となったものの付与抽選に非当選した場合となる。そして、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内に特典の付与が決定されなかった場合、特定フリーズ時間として「20秒」、係数として「2」がそれぞれ決定された結果、上乗せ回数は「40回(=20秒×2)」となる。
図20(b)には、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において、「係数として有利な値を決定し易くする特典」の付与が決定された場合の上乗せ回数を示す。因みに、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において「係数として有利な値を決定し易くする特典」の付与が決定された場合とは、役抽選の抽選結果が所定の抽選結果となった回数が1回以上であり、付与抽選に当選した回数が1回である場合となる。そして、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において「係数として有利な値を決定し易くする特典」の付与が決定された場合、特定フリーズ時間として「20秒」、係数として「4」がそれぞれ決定された結果、上乗せ回数は「80回(=20秒×4)」となる。
図20(c)には、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において、「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の付与が決定された場合の上乗せ回数を示す。因みに、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の付与が決定された場合とは、役抽選の抽選結果が所定の抽選結果となった回数が1回以上であり、付与抽選に当選した回数が1回である場合となる。そして、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の付与が決定された場合、特定フリーズ時間として「40秒」、係数として「2」がそれぞれ決定された結果、上乗せ回数は「80回(=40秒×2)」となる。
図20(d)には、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において、「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の付与が決定された場合の上乗せ回数を示す。因みに、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の付与が決定された場合とは、役抽選の抽選結果が所定の抽選結果となった回数が2回以上であり、付与抽選に当選した回数が2回以上である場合となる。そして、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間内において「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「継続抽選に当選する確率を高くし易くする特典」の付与が決定された場合、特定フリーズ時間として「40秒」、係数として「4」がそれぞれ決定された結果、上乗せ回数は「160回(=40秒×4)」となる。
本実施形態のスロットマシン10は、第1実施形態の効果(1)〜(19)に加え、次のような効果を有する。
(20)フリーズ抽選に当選して特定状態とすることが決定された後、実際に特定状態となるまでの期間(未実行期間)における役抽選の抽選結果に応じて、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)の増加に係る演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典が付与されることがある。このため、特定状態とすることが決定された後に特定状態となるまでの期間における役抽選の抽選結果に注目させることができ、実際に特定状態となるまでの期間を楽しませ、興趣の向上を図ることができる。また、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を用いた演算の演算結果に基づいて有利滞在回数が増加されることから、特定フリーズ時間についての注目度を高め、興趣の向上を図ることができる。
(21)特典として、演算に用いられる係数が有利な値となり易くする特典を付与可能にした。このように、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)の増加に係る演算に用いられる係数を実際に有利になり易くする特典が付与されるため、特定状態となって有利滞在回数が増加するまでの期間(未実行期間)を有利滞在回数の増加への関連付けを高めて楽しませ、興趣の向上を図ることができる。
(22)特典として、演算に用いられる特定フリーズ時間(特定状態の期間)を長くなり易くする特典を付与可能にした。このように、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)の増加に係る演算に用いられる特定フリーズ時間が実際に有利になり易くなる特典が付与されるため、特定状態となって有利滞在回数が増加するまでの期間(未実行期間)を有利滞在回数の増加への関連付けを高めて楽しませ、興趣の向上を図ることができる。
(23)継続抽選に非当選するまで(所定抽選にて所定の抽選結果が導出されるまで)、継続抽選が繰り返し行われる。そして、継続抽選が行われた回数である抽選回数に、所定期間に相当する「1秒」を乗算した時間(期間)が、特定フリーズ時間(特定状態の期間)となる。そして、特典として、継続抽選に当選する確率が高くなり易くする特典(継続抽選に非当選する確率が低くなり易くする特典)を付与可能にした。このような特典が付与される場合には、特定フリーズ時間を長くなり易くなり、結果的に、有利滞在回数(有利状態の滞在回数)が増加することになる。したがって、有利滞在回数が増加する回数が実際に多くなり易くなる特典を付与することで、特定状態となって有利滞在回数が増加するまでの期間(未実行期間)を有利滞在回数の増加への関連付けを高めて楽しませ、興趣の向上を図ることができる。
上述した実施形態は、例えば、次のような別の実施形態に変更してもよい。
・図21に示すように、フリーズ処理におけるステップS405及びS406の処理に替えて、以下に説明するようなステップS801〜S804の処理を行い、基礎フリーズ時間と特定フリーズ時間を別々に計測するように構成してもよい。具体的に、フリーズ実行情報が記憶されている場合(ステップS404:YES)、主制御用CPU40aは、基礎フリーズ時間の計測を開始する(ステップS801)。その後、主制御用CPU40aは、基礎フリーズ時間が経過したか否かを判定する(ステップS802)。基礎フリーズ時間が経過していない場合(ステップS802:NO)、主制御用CPU40aは、基礎フリーズ時間が経過するまで待機する(ステップS802の判定処理を繰り返す)。一方、基礎フリーズ時間が経過すると(ステップS802:YES)、主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間の計測を開始する(ステップS803)。その後、主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間が経過したか否かを判定する(ステップS804)。特定フリーズ時間が経過していない場合(ステップS804:NO)、主制御用CPU40aは、特定フリーズ時間が経過するまで待機する(ステップS804の判定処理を繰り返す)。一方、特定フリーズ時間が経過すると(ステップS804:YES)、主制御用CPU40aは、上乗せ処理を実行する(ステップS407)。以上のように構成する場合、ステップS803の処理が行われた後にステップS804の判定結果が肯定となるまでが、特定状態に相当する。
・上記実施形態において、第1遊技状態と第2遊技状態において再遊技役の入賞が共用される確率が同一であってもよい。この場合、有利演出状態であるとき、通常演出状態であるときに比して、例えば、ベル役を入賞させるためのストップボタンの操作順序が報知するナビ演出が実行され易いように構成してもよい。このように構成することで、有利演出状態であるときには、通常演出状態であるときに比して、ベル役を入賞させ易くなり、有利な演出状態、すなわち、有利状態とすることができる。
・上記実施形態の通常演出状態であるときに、有利演出状態への移行が許容されたことを契機に、通常演出状態及び有利演出状態とは異なる演出状態(以下、準備演出状態という)へ移行するように構成してもよい。そして、準備演出状態において第1再遊技役が入賞したことを契機に、準備演出状態から有利演出状態へと移行するように構成してもよい。
・上記実施形態において主制御用CPU40aは、フリーズ時間の計測を開始してから基礎フリーズ時間が経過した場合、特定フリーズ時間分の時間の計測が開始されること、つまり、特定状態が開始されることを示す制御情報を生成し、出力バッファに格納するように構成してもよい。この制御情報を利用すれば、副制御用CPU41aが特定状態であることを認識する状況が、主制御用CPU40aが特定状態であることを認識する状況と一致し易くなり、特定状態において実行される演出により違和感を与えてしまう虞などを抑制し易くなり、特定状態において実行される演出によって興趣の向上を図り易くなる。
・上記実施形態における抽選回数を継続抽選に当選した回数としてもよい。このように構成するために、例えば、ステップS503の処理をステップS504の判定結果が肯定となった場合に行うように構成すればよい。なお、継続抽選が行われることによって、「継続抽選に当選する」という事象が発生する。このため、継続抽選に当選した回数は、継続抽選が行われた回数に応じた回数(値)や、継続抽選が行われた回数に基づく回数(値)ともいえる。また、上記実施形態において継続抽選にて非当選することが所定抽選において所定の抽選結果が導出されることに相当することから、継続抽選に当選した回数は、所定抽選において所定の抽選結果とは異なる抽選結果が導出された回数に相当する。
・上記実施形態における第1表示演出と第2表示演出のうち何れか一方のみを実行するように構成してもよい。例えば、第1表示演出と第2表示演出のうち第1表示演出のみを実行するように構成する場合、当該第1表示演出を所定演出として対応付けることもできる。この場合、所定演出に相当する第1表示演出は、係数に基づく演出内容で実行されることになる。また、上記実施形態において第1表示演出と第2表示演出のうち両方を実行しなくてもよい。また、第1表示演出は、係数に基づき演出内容が決定されなくてもよい。同様に、第2表示演出は、残り時間に基づき演出内容が決定されなくてもよい。例えば、第1表示演出と第2表示演出のうち一方の演出内容は、全体の特定フリーズ時間やフリーズ時間に基づき決定されるように構成してもよい。また、第1表示演出と第2表示演出のうち一方の演出内容は、フリーズ制御が行われてから経過した時間や、特定状態となってから経過した時間に基づき決定されるように構成してもよい。また、第1表示演出と第2表示演出のうち一方の演出内容は、継続抽選の当選確率に基づき決定されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、基礎フリーズ時間と特定フリーズ時間を含むフリーズ時間が計測されているときを特定状態としてもよい。この場合、フリーズ時間が特定状態の期間となり、フリーズ時間コマンドが特定状態の期間を特定可能な制御情報に相当する。また、基礎フリーズ時間と特定フリーズ時間を含むフリーズ時間を特定状態とする場合、上乗せ回数を決定する際、基礎フリーズ時間を含むフリーズ時間を演算に用いてもよいし、上記実施形態と同様に特定フリーズ時間のみを演算に用いてもよく、何れの場合も特定状態の期間に基づき有利状態の滞在回数が増加されることに相当する。
・上記実施形態において、特定状態となるときに第1表示演出を実行するように構成してもよい。この場合、第1表示演出の演出内容を決定する処理には、特定状態の開始時に第1表示演出の演出内容を決定する処理が含まれる。このように構成する場合には、特定フリーズ時間が5秒未満であっても第1表示演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。以上のように、第1表示演出の演出内容を決定する処理としては、第1表示演出の演出内容を決定する決定タイミングで第1表示演出の演出内容を決定する処理に限らない。例えば、特定状態の開始時やフリーズ制御の開始時などの特定状態でないときに、実行タイミング毎に実行する第1表示演出の演出内容を副制御用CPU41aが決定するように構成してもよい。
・上記実施形態において、特定状態となるときに第2表示演出を実行するように構成してもよい。この場合、第2表示演出の演出内容を決定する処理には、特定状態の開始時に第2表示演出の演出内容を決定する処理が含まれる。このように構成する場合には、特定フリーズ時間が5秒未満であっても第2表示演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。以上のように、第2表示演出の演出内容を決定する処理としては、第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングで第2表示演出の演出内容を決定する処理に限らない。例えば、特定状態の開始時やフリーズ制御の開始時などの特定状態でないときに、実行タイミング毎に実行する第2表示演出の演出内容を副制御用CPU41aが決定するように構成してもよい。
・上記実施形態において、特定フリーズ時間を決定する方法として、継続抽選を用いる方法でなくてもよい。例えば、複数の異なる時間の中から抽選により特定フリーズ時間が決定されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、抽選回数が上限回数に達した場合には、継続抽選に非当選しなくてもステップS506の処理が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態のフリーズ時間抽選処理において、ステップS505の処理を行わなくてもよい。すなわち、抽選回数が下限回数に達していなくてもステップS506の処理が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態では、特定フリーズ時間を決定する演算にて抽選回数そのものの値を用いたが、例えば、抽選回数そのものの値を用いた演算の演算結果を、特定フリーズ時間を決定する演算にて用いてもよい。例えば、抽選回数に所定数(0.5や3)を乗算した値や、抽選回数に所定数を加算又は減算した値を、特定フリーズ時間を決定する演算に用いてもよい。何れの場合も、導き出される値は、抽選回数を基にしているため、抽選回数に基づく値に相当する。また、特定フリーズ時間を決定する演算に用いられる所定期間は、上記実施形態のように「1秒」でなくてもよく、例えば、「0.5秒」や「2秒」、「5秒」としてもよい。
・上記実施形態において、継続抽選の当選確率は、複数なくてもよく、例えば、単一の当選確率で継続抽選が行われるように構成してもよい。また、継続抽選の当選確率の種類は、上記実施形態のように3種類の当選確率でなくてもよく、適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、特定状態であるときに遊技の進行が停滞されていた(フリーズ制御が行われていた)が、特定状態である状況は、遊技の進行が停滞されている状況でなくてもよい。
・上記実施形態では、特定フリーズ時間と係数を用いた演算の演算結果に応じた回数分、有利滞在回数が増加するように構成したが、特定フリーズ時間と係数のうち何れか一方を用いた演算の演算結果に応じた回数分、有利滞在回数が増加するように構成してもよい。
・上記実施形態では、特定状態であることを特定可能な演出としてフリーズ中演出を演出表示装置15にて実行するとともに、特定状態の残り時間(特定状態の残り期間)に応じた演出内容で実行される第2表示演出を演出表示装置15にて実行する。しかし、フリーズ中演出を実行する演出装置と、第2表示演出を実行する演出装置と、を異ならせてもよい。例えば、リール16a〜16cのうち少なくとも1つのリールを回転させてフリーズ中演出を実行するように構成してもよい。この場合、フリーズ中演出を実行するリール16a〜16cが特定状態であることを特定可能な演出を実行する第1演出装置に相当する。一方、第2表示演出を実行する演出表示装置15が所定演出を実行する第2演出装置に相当する。なお、リール16a〜16cの動作は主制御用CPU40aによって制御されることから、第1演出装置を制御する制御部と、第2演出装置を制御する制御部が異なることになる。以上のように、フリーズ中演出を実行する演出装置と第2表示演出を実行する演出装置を異ならせることにより、各演出を別々に楽しむことができ、効果的に興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において主制御用CPU40aは、特定状態であるとき、当該特定状態の期間を延長する延長処理を行うように構成してもよい。例えば、ステップS406の判定結果が否定となった場合に、特定フリーズ時間を延長するか否かを判定し、特定フリーズ時間を延長することが決定された際に特定フリーズ時間を延長する処理を、延長処理としてもよい。なお、特定状態であるときに特定フリーズ時間が延長された場合、上乗せ処理が行われるよりも前に、延長後の特定フリーズ時間を用いて上乗せ回数を決定するように構成してもよい。このように、特定状態であるときに特定状態の期間が延長処理によって延長されたとしても、決定タイミングとなる毎に第2表示演出(所定演出)の演出内容が決定されるため、延長処理によって延長された時間内でも第2表示演出の演出内容を決定でき、第2表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において主制御用CPU40aは、特定状態であるとき、当該特定状態の期間を短縮する短縮処理を行うように構成してもよい。例えば、ステップS406の判定結果が否定となった場合に、特定フリーズ時間を短縮するか否かを判定し、特定フリーズ時間を短縮することが決定された際に特定フリーズ時間を短縮する処理を、短縮処理としてもよい。なお、特定状態であるときに特定フリーズ時間が短縮された場合、上乗せ処理が行われるよりも前に、短縮後の特定フリーズ時間を用いて上乗せ回数を決定するように構成してもよい。このように、特定状態であるときに特定状態の期間が短縮処理によって短縮されたとしても、決定タイミングとなる毎に第2表示演出(所定演出)の演出内容が決定されるため、短縮処理によって短縮された時間内でも第2表示演出の演出内容を決定できるとともに、実行しない第2表示演出の演出内容を無駄に決定することもない。したがって、無駄な処理を行うことを抑制しつつ、第2表示演出にて効果的に興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において第1表示演出や第2表示演出の演出内容を決定する決定タイミングは予め決められているが、各決定タイミングは、抽選により決められるように構成してもよい。
・上記実施形態において係数として決定可能な種類は、1種類であってもよい。例えば、係数は予め決められた固定値であってもよい。そして、第2実施形態において係数として有利な値が決定され易く特典が付与される際には、当該特典が付与されないときに用いられる係数よりも有利な値が係数となるように構成してもよい。
・上記実施形態の未実行期間における役抽選の抽選結果の種類に応じて、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を用いた演算の演算結果が有利な演出結果となり易くする特典の種類が決定されるように構成してもよい。例えば、役抽選の抽選結果が第1の抽選結果である場合(例えば、チェリー役の入賞が許容される当選番号に当選した場合)、係数として有利な値を決定し易くする特典が付与されるように構成する。一方、役抽選の抽選結果が第2の抽選結果である場合(例えば、スイカ役の入賞が許容される当選番号に当選した場合)、特定フリーズ時間を長くなり易くする特典が付与されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を用いた演算の演算結果が有利な演出結果となり易くする特典は、「係数として有利な値を決定し易くする特典」及び「特定フリーズ時間を長くなり易くする特典」のうち何れか一方の特典、若しくは、他の特典のみが付与されるようにしてもよい。すなわち、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を用いた演算の演算結果が有利な演出結果となり易くする特典の種類は、1種類であってもよい。また、特定フリーズ時間(特定状態の期間)を用いた演算の演算結果が有利な演出結果となり易くする特典は、3種類や5種類など上記実施形態に示した2種類以上であってもよい。
・上記実施形態における未実行期間は、変動ゲームの回数で定められた期間としたが、例えば、時間で定められてもよい。また、上記実施形態における特定状態の期間は、時間で定められた期間としたが、例えば、所定条件が成立した回数で定められてもよいし、変動ゲームの回数で定められてもよい。なお、特定状態の期間を変動ゲームの回数で定める場合、フリーズ制御が行われているときに特定状態とした上記実施形態とは異なり、フリーズ制御が行われていないときを特定状態とすることが好ましい。
・上記実施形態の遊技進行メイン処理において、ステップS109の内部抽選処理を行った後、ステップS108のゲーム数減算処理を行うように構成してもよい。
・上記実施形態において、フリーズ制御が行われた場合に有効化条件が成立する時点が、フリーズ制御が行われない場合に有効化条件が成立する時点よりも必ず後の時点となるように構成する必要はない。例えば、フリーズ制御が行われたとしても、フリーズ制御が行われない場合に有効化条件が成立する時点と同じ時点で有効化条件が成立する場合があってもよい。なお、フリーズ制御が行われるときに有効化条件が成立する時点が、フリーズ制御が行われないときに有効化条件が成立時点よりも後の時点へと遅延されない場合があっても、フリーズ処理においてフリーズ制御が行われる場合には、遊技の進行が停滞されるとともに、変動ゲームの開始が遅延される。
・上記実施形態において、第1表示演出が実行される間隔と第2表示演出が実行される間隔を同一とする一方、第1表示演出の実行タイミング(例えば、1回目の実行タイミング、実行開始タイミング)と第2表示演出の実行タイミング(例えば、1回目の実行タイミング、実行開始タイミング)を異ならせても良い。この場合、第1表示演出と第2表示演出が交互に実行されることから、第1表示演出と第2表示演出のうち何れか一方の表示演出が実行される期間を多くする(又は、長くする)ことができ、飽きを抑制することができる。また、第1表示演出と第2表示演出のうち何れか一方へ注目する時間を確保することができ、第1表示演出や第2表示演出をより効果的に楽しませることができるとともに、第1表示演出の実行によってもたらされる効果や第2表示演出の実行によってもたらされる効果をより効率的に得られる。
・上記実施形態では、第1表示演出が実行される間隔と第2表示演出が実行される間隔を同一としたが、例えば、第1表示演出が実行される間隔と第2表示演出が実行される間隔を異ならせてもよい。この場合、第1表示演出が実行される間隔と第2表示演出が実行される間隔の公倍数にあたる時間では、第1表示演出と第2表示演出の両方が実行されることから、第1表示演出と第2表示演出のうち何れか一方のみが実行されるタイミングと第1表示演出と第2表示演出の両方が実行されるタイミングを創出し、興趣の向上を図ることができる。因みに、第1表示演出が実行される間隔を第2表示演出が実行される間隔よりも短くする場合には、単位時間あたりに第1表示演出が実行される回数が、第2表示演出が実行される回数よりも多くなり易くなる。逆に、第2表示演出が実行される間隔を第1表示演出が実行される間隔よりも短くする場合には、単位時間あたりに第2表示演出が実行される回数が、第1表示演出が実行される回数よりも多くなり易くなる。以上のように、第1表示演出が実行されるタイミングと第2表示演出が実行されるタイミングを異ならせる場合、第1表示演出と第2表示演出のうち何れか一方の表示演出が実行される期間を多くする(又は、長くする)ことができ、飽きを抑制することができる。また、第1表示演出と第2表示演出のうち何れか一方へ注目する時間を確保することができ、第1表示演出や第2表示演出をより効果的に楽しませることができるとともに、第1表示演出の実行によってもたらされる効果や第2表示演出の実行によってもたらされる効果をより効率的に得られる。
・上記実施形態において、特定フリーズ時間を用いた演算の演算結果が有利な演算結果となり易くなる特典として、ステップS506の処理において決定された特定フリーズ時間に所定の時間を加算することで特定フリーズ時間を長くし易くする特典を採用してもよい。例えば、フリーズ抽選に当選してから滞在回数が「0」になるまでの期間(未実行期間)において、特定フリーズ時間を延長すること(特典を付与すること)を決定する抽選(フリーズ時間抽選とは異なる抽選)を行ってもよい。そして、この抽選にて特定フリーズ時間を延長すること(特典を付与すること)が決定された場合、特定フリーズ時間に所定時間(固定時間であってもよいし、抽選により決定される時間であってもよい)が加えられるようにしてもよい。なお、特定フリーズ時間が算出された後、当該特定フリーズ時間に所定時間が加えられるように構成してもよい。その他、所定時間に、算出された特定フリーズ時間が加えられるように構成してもよい。
・上記実施形態において、役抽選の抽選結果に係わらず有利許容抽選が行われるように構成してもよい。つまり、役抽選の抽選結果が特定の抽選結果でなくても、有利許容抽選が行われるように構成してもよい。このとき、有利許容抽選にて有利演出状態への移行を許容することが決定される確率を、役抽選の抽選結果に応じて変更してもよい。
・上記実施形態において、副制御用CPU41aが制御中の遊技状態を特定可能に構成してもよい。例えば、主制御用CPU40aは、遊技状態を特定可能な制御情報(以下、遊技状態コマンドと示す)を生成するとともに、出力バッファに格納するようにしてもよい。そして、副制御用CPU41aは、遊技状態コマンドを入力すると、遊技状態を特定可能な情報を副制御用RAM41cに記憶するように構成してもよい。
・上記実施形態において、有利許容抽選にて有利演出状態への移行を許容することが決定される確率は、役抽選の抽選結果に応じて変更してもよい。例えば、抽選結果として導出される確率が低い抽選結果であるほど有利演出状態への移行を許容することが決定され易く構成してもよい。
・上記実施形態ではスロットマシンに適用したが、パチンコ遊技機に適用してもよい。例えば、パチンコ遊技機において通常よりも大当りとなる確率が高い状態(所謂、確変状態)、又は単位時間あたりに開閉部材を有する始動入賞口(所謂、電チュー)の開閉部材が開放される機会が通常よりも多くなる状態(所謂、電サポ状態)を特定状態としてもよい。そして、変動ゲームが所定回数行われる毎に、第1表示演出や第2表示演出が実行されるように構成してもよい。また、大当り遊技が付与されている状態を特定状態とする場合、大入賞口が開放される上限時間に応じて演出内容で演出が実行されるように構成してもよい。例えば、大入賞口が開放される上限時間が長い大当り遊技(例えば、16ラウンド大当り遊技)の終了後は、大入賞口が開放される上限時間が短い大当り遊技(例えば、2ラウンド大当り遊技)の終了後に比して、前述した電サポ状態が付与される期間が長くなるようにしてもよい。
・上記実施形態において、主制御用CPU40aは、役抽選の抽選結果がはずれの場合、役抽選の抽選結果がはずれであることを特定可能な当選情報コマンドを生成し、出力バッファに格納するようにしてもよい。この場合、当選情報コマンドは、はずれを含む役抽選の抽選結果を特定可能な制御情報に相当する。
・上記実施形態において、役抽選用乱数の値が、賞が定められた図柄組み合わせの入賞を許容する当選番号に振り分けられていない場合でも、はずれに限らず、例えば、有利許容抽選が行われるなどの利益が生じ得る図柄組み合わせ(所謂、チャンス目)が導出され得るように構成することもできる。
・上記実施形態を、遊技者に不利益を生じさせるペナルティを付与し得る遊技機に適用してもよい。なお、ペナルティの付与は、1回の変動ゲームを対象としてもよいし、複数回の変動ゲームを対象としてもよい。
・スロットマシン10は、メダルとは異なる遊技媒体を用いる遊技機であってもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いる遊技機として具体化してもよい。
・スロットマシン10は、ボーナス遊技を付与可能な遊技機であってもよい。例えば、ボーナス遊技としてビッグボーナス遊技やレギュラーボーナス遊技を付与可能な遊技機であってもよい。一般的に、ボーナス遊技は遊技者にとって有利な状態といえる。
・上記実施形態における主基板40の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。また、主制御用CPU40aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・上記実施形態において、主基板40からの制御信号に基づき遊技媒体としてのメダルの払出しを制御する払出基板を設け、上記実施形態におけるメダルの払出しに関する制御を払出基板で行うように構成してもよい。このように構成する場合、主基板40及び払出基板を主制御部や第1制御部としてもよい。
・上記実施形態における副基板41の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、演出表示装置15を専門に制御する表示基板、スピーカ14を専門に制御する音基板及び装飾ランプ13を専門に制御するランプ基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。また、副制御用CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特定状態であることを特定可能な演出は第1演出装置にて実行され、前記所定演出は、前記第1演出装置とは異なる第2演出装置にて実行される。
(ロ)有利状態を制御する有利状態制御手段と、係数を決定する係数決定手段と、を備え、前記係数決定手段は、複数の係数の中から1の係数を決定し、前記特定状態となったことに伴い、前記特定状態の期間と前記係数を用いた演算の演算結果に応じた回数分、前記有利状態の滞在回数が増加される。
(ハ)前記特定状態であるとき、当該特定状態の期間を延長する延長処理を実行可能に構成された遊技機。
(ニ)前記特定状態であるときの前記決定タイミングは、抽選により決まる。