JP6535506B2 - 周波数共用導波管スロットアンテナ及びアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、周波数共用導波管スロットアンテナ及びアンテナ装置に関する。
従来より、導波管を用いたスロットアンテナとして、複数のスロット素子が形成された導波管を管軸方向に直交する方向に複数並べて構成された導波管スロットアンテナが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
特開2000−36711号公報 特開2012−204975号公報
上記導波管スロットアンテナは、例えば緊急報道やスポーツ中継等で撮影された映像信号をヘリコプター等に搭載されたFPU(Field Pickup Unit)により中継して受信基地局に無線伝送するシステムにおいて、FPUのアンテナとして用いることが検討されている。
前記映像信号の伝送には、一般にCDバンド(Cバンド:6426〜6570MHz,Dバンド:6873〜7125MHz)、及びEFバンド(Eバンド:10.251〜10.499GHz,Fバンド:10.552〜10.678GHz)を使用周波数帯域とするFPUが用いられる。
そこで、このような導波管スロットアンテナを実現するために、図16に示すように、CDバンドの電波を放射する第1スロット素子101が形成された複数の第1導波管102と、EFバンドの電波を放射する第2スロット素子103が形成された複数の第2導波管104とを組み合わせて一体化することが考えらえる。
しかし、このような導波管スロットアンテナでは、複数の第1導波管102の上方に複数の第2導波管104を積み重ねているため、広い設置スペースを確保しなければならないという問題がある。特に、ヘリコプター等の限られたスペースにアンテナを設置しなければならない場合には、上記の問題はより深刻となる。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、省スペースで互いに異なる2つの周波数帯域を共用することができる周波数共用導波管スロットアンテナ及びアンテナ装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る周波数共用導波管スロットアンテナは、第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されている周波数共用導波管スロットアンテナである。
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、収納容器と、前記収納容器に収納される上記周波数共用導波管スロットアンテナと、を備えるである。
本発明によれば、省スペースで互いに異なる2つの周波数帯域を共用することができる。
本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置を備えた無線中継伝送システムの構成を示すブロック図である。 アンテナ装置を示す一部断面斜視図である。 周波数共用導波管スロットアンテナを正面側から見た斜視図である。 周波数共用導波管スロットアンテナを背面側から見た斜視図である。 周波数共用導波管スロットアンテナの正面図である。 周波数共用導波管スロットアンテナの断面図である。 第2給電路部を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの正面図である。 第2実施形態の周波数共用導波管スロットアンテナの断面図である。 本発明の第3実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの断面図である。 本発明の第4実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの正面図である。 本発明の第5実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの正面図である。 本発明の第6実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの断面図である。 本発明の第7実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの断面図である。 本発明の第8実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナの断面図である。 従来の周波数共用導波管スロットアンテナの斜視図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナは、第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されている。
上記周波数共用導波管スロットアンテナによれば、複数の第1導波管は管軸方向に配列され、複数の第2導波管は、隣り合う第1導波管の間に少なくとも1つ配置されるように管軸方向に配列されている。このため、第1周波数帯域の電波を放射する複数の第1導波管と、第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数の第2導波管とを、管軸に直交する方向にコンパクトに配列することができる。したがって、省スペースで互いに異なる2つの周波数帯域を共用することができる。
(2)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、複数の前記第1導波管及び複数の前記第2導波管は、次式の関係を満たすように配列されているのが好ましい。
P1/λ<P2/λ
P1:隣り合う第1導波管同士の間のピッチ
P2:隣り合う第2導波管同士の間のピッチ
λ:第1周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
λ:第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
この場合、上式を満たしていれば、上記ピッチP1及びP2を自由に設定することができるので、第1導波管及び第2導波管の各配列の自由度を高めることができる。
(3)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、隣り合う前記第1導波管同士の間のピッチ、及び隣り合う前記第2導波管同士の間のピッチが、前記第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長の長さ以下であるのが好ましい。
この場合、第2導波管から不要な方向に第2周波数帯域の電波が放射されるグレーティングローブの発生を抑制することができる。
(4)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、隣り合う前記第1導波管同士の間のピッチと、隣り合う前記第2導波管同士の間のピッチとが同一であるのが好ましい。
この場合、周波数共用導波管スロットアンテナを容易に製作することができる。
(5)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、隣り合う前記第1導波管同士の間のピッチと、隣り合う前記第2導波管同士の間のピッチとが異なっていてもよい。
この場合、第1導波管及び第2導波管の各配列の自由度を高めることができる。
(6)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、隣り合う前記第1導波管と前記第2導波管との間には隙間が形成されているのが好ましい。
この場合、隣り合う第1導波管及び第2導波管の対向する壁面同士の間に隙間が形成されるため、例えばこれらの壁面にスロット素子の一部を形成することができる。したがって、隣り合う第1導波管及び第2導波管にそれぞれ形成されるスロット素子の設計自由度を高めることができる。
(7)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、隣り合う前記第1導波管と前記第2導波管とが一体に形成されているのが好ましい。
この場合、周波数共用導波管スロットアンテナを容易に製作することができる。
(8)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第1導波管及び前記第2導波管は、互いに管軸方向の長さが同一寸法に設定されているのが好ましい。
この場合、第1導波管及び第2導波管の互いの管軸方向の長さ寸法が異なる場合に比べて、周波数共用導波管スロットアンテナ全体の強度を高めることができる。
(9)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管は、その管内における第2導波路の管軸方向の長さを前記第1導波管内における第1導波路の管軸方向の長さよりも短くするための短絡壁を有するのが好ましい。
この場合、第1導波管及び第2導波管の管軸方向の長さを同一寸法としたまま、短絡壁によって第2導波路を第1導波路よりも短くすることができる。したがって、第2導波管を製作するときに第2導波管を第2導波路の長さに合わせて切断する加工が不要になるので、周波数共用導波管スロットアンテナを容易に製作することができる。
(10)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管の管軸方向の長さは、前記第1導波管の管軸方向の長さよりも短く設定されていてもよい。
この場合、周波数共用導波管スロットアンテナを軽量化することができるとともに、安価に製作することができる。
(11)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管は、その管内における第2導波路の管軸方向の中心線が前記第1導波管内における第1導波路の管軸方向の中心線よりも管軸方向に偏倚するように配置されているのが好ましい。
この場合、第1導波路の給電位置、及び第2導波路の給電位置がそれぞれ管軸方向の中心部に設定されていても、これらの各給電位置に接続される給電路部(例えば給電導波管等)同士が干渉し合うのを抑制することができる。これにより、各導波管の給電位置の設定自由度を高めることができる。
また、第2導波路の上記中心線と第1導波路の上記中心線との管軸方向の偏倚長さを調整することで、アンテナ全体の重量バランスも調整することができる。
(12)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管の管軸方向の長さは、前記第1導波管の管軸方向の長さよりも短く設定されており、前記第2導波管は、前記第1導波管の管軸方向の長さ範囲内に配置されているのが好ましい。
この場合、第1導波管及び第2導波管を管軸方向にコンパクトに配置することができる。
(13)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第1導波管及び前記第2導波管の少なくとも一方の導波管は、当該一方の導波管に奇数個形成された前記スロット素子を有するとともに、管軸方向の中心から管軸方向に偏倚した位置に給電点を有し、前記一方の導波管は、その給電点が他方の導波管の給電点に対して管軸方向に偏倚するように配置されているのが好ましい。
この場合、第1導波管及び第2導波管の一方の導波管は、その給電点が他方の導波管の給電点に対して管軸方向に偏倚するように配置されているため、第1導波管の給電点及び第2導波管の給電点にそれぞれ接続される給電路部同士が互いに干渉するのを抑制しつつ、第1導波管及び第2導波管を管軸方向にコンパクトに配置することができる。
(14)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管の個数が、前記第1導波管の個数よりも多いのが好ましい。
この場合、第2導波管から放射される第2周波数帯域の電波の利得を向上させることができるので、高周波数帯域である第2周波数帯域の電波の伝達距離を長くすることができる。
(15)前記の周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、管軸に直交する方向の両端にそれぞれ前記第2導波管が配置されているのが好ましい。
この場合、管軸に直交する方向の両端に配置された第2導波管同士の間が広がるので、第2導波管から放射される第2周波数帯域の電波の利得を向上させることができる。これにより、高周波数帯域である第2周波数帯域の電波の伝達距離をさらに長くすることができる。
(16)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管の管軸方向の長さは、前記第1導波管の管軸方向の長さよりも短く設定されており、前記第2導波管の管軸方向一端は前記第1導波管の管軸方向一端よりも管軸方向内側に配置され、前記第2導波管の管軸方向他端は前記第1導波管の管軸方向他端よりも管軸方向内側に配置されているのが好ましい。
この場合、管軸に直交する方向の両端にそれぞれ配置された第2導波管の管軸方向両端部が他部材と干渉するのを抑制することができる。したがって、これらの第2導波管の管軸方向両端部を面取り加工する必要がないので、周波数共用導波管スロットアンテナを容易に製作することができる。
(17)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、隣り合う前記第1導波管同士の間に前記第2導波管が2つ以上配置されているのが好ましい。
この場合、隣り合う第2導波管同士の隙間が狭い場合でも、隣り合う第1導波管の間に2つ以上の第2導波管を配置することで、複数の第1導波管と複数の第2導波管とを管軸に直交する方向にコンパクトに配列することができる。
(18)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管の第2スロットの個数が、前記第1導波管の第1スロットの個数よりも多いのが好ましい。
この場合、第2導波管から放射される第2周波数帯域の電波の利得を向上させることができるので、高周波数帯域である第2周波数帯域の電波の伝達距離を長くすることができる。
(19)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管は、その電波放射方向の前端面が前記第1導波管の電波放射方向の前端面よりも電波放射方向前方に位置するように配置されていてもよい。
この場合、第2導波管のスロット素子から高周波数帯域である第2周波数帯域の電波を放射するときに、第1導波管の影響を受けにくくすることができる。
(20)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管は、その電波放射方向の前端面が前記第1導波管の電波放射方向の前端面よりも電波放射方向後方に位置するように配置されているのが好ましい。
この場合、第2導波管のスロット素子から第2周波数帯域の電波を放射したたきに、その第2導波管の近くに配置された第1導波管を、前記電波のビーム幅が広がるのを抑制するサブレフレクタとして機能させることができる。したがって、第2導波管から不要な方向に第2周波数帯域の電波が放射されるグレーティングローブの発生を効果的に抑制することができる。
(21)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管の電波放射方向の長さは、前記第1導波管の電波放射方向の長さ以下に設定されており、前記第2導波管は、前記第1導波管の電波放射方向の長さ範囲内に配置されているのが好ましい。
この場合、第2導波管の電波放射方向両端は第1導波管の電波放射方向両端よりも電波放射方向外側に突出しないので、第1導波管及び第2導波管を電波放射方向にコンパクトに配置することができる。
(22)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第2導波管は、その電波放射方向の後端面が前記第1導波管の電波放射方向の後端面と面一となるように配置されているのが好ましい。
この場合、隣り合う第1導波管の前記後端面同士を給電路部により接続するときに、その給電路部が当該隣り合う第1導波管同士の間に位置する第2導波管と干渉するのを防止することができる。同様に、隣り合う第2導波管の前記後端面同士を給電路部により接続するときに、その給電路部が当該隣り合う第2導波管同士の間に位置する第1導波管と干渉するのを防止することができる。
(23)前記周波数共用導波管スロットアンテナにおいて、前記第1導波管及び前記第2導波管のうち、一方の導波管における電波放射方向の後端面が他方の導波管における電波放射方向の後端面よりも電波放射方向前方に配置されており、前記一方の導波管の前記後端面から前記他方の導波管の前記後端面よりも電波放射方向後方に延びて形成され、前記一方の導波管に給電するための給電接続部をさらに備えていてもよい。
この場合、給電接続部を隣り合う一方の導波管の後端面同士を接続する給電路部の一部として使用することで、隣り合う一方の導波管同士の間に配置されている前記他方の導波管と給電路部とが干渉するのを防止することができる。
(24)本発明の実施形態に係るアンテナ装置は、収納容器と、前記収納容器に収納される上記周波数共用導波管スロットアンテナと、を備える。
この場合、収納スペースが狭い収納容器であっても、互いに異なる2つの周波数帯域を共用する周波数共用導波管スロットアンテナを収納することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
<無線中継伝送システム>
図1は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置を備えた無線中継伝送システムの構成を示すブロック図である。
この無線中継伝送システム1は、例えばヘリコプター等の航空機に搭載されるものであり、2つのFPU(Field Pickup Unit)2,3と、周波数共用器4と、ダイプレクサ5と、アンテナ装置6とを備えている。
FPU2は、例えば第1周波数帯域のCDバンド(Cバンド:6426〜6570MHz,Dバンド:6873〜7125MHz)の無線信号を中継するものである。FPU3は、例えば第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域のEFバンド(Eバンド:10.251〜10.499GHz,Fバンド:10.552〜10.678GHz)の無線信号を中継するものである。これらのFPU2,3は、周波数共用器4に接続されている。
なお、第1周波数帯域及び第2周波数帯域は、それぞれCDバンド及びEFバンドに設定されているが、第2周波数帯域が第1周波数帯域よりも高ければ、それぞれ任意の周波数帯域に設定しても良い。
周波数共用器4は、CDバンドの無線信号とEFバンドの無性信号を合成又は分波する機能を有しており、ダイプレクサ5に接続されている。
ダイプレクサ5は、例えば、CDバンドの第1周波数帯域を通過させるローパスフィルタ(Low-pass filter;LPF)と、EFバンドの第2周波数帯域を通過させるハイパスフィルタ(High-pass filter;HPF)とを有している。ダイプレクサ5は、アンテナ装置6に接続されており、LPFとHPFとを接続することでCDバンドの第1周波数帯域とEFバンドの第2周波数帯域における各無線信号の送受信を行うアンテナ共用器として機能する。なお、ダイプレクサ5は、LPFとHPFとにより構成されているが、バンドパスフィルタ(Band-pass filter;BPF)を組み合わせて構成されていても良い。
<アンテナ装置>
図2は、アンテナ装置6を示す一部断面斜視図である。
アンテナ装置6は、レドーム(収納容器)7と、このレドーム7内に収納された周波数共用導波管スロットアンテナ8と、この周波数共用導波管スロットアンテナ8をレドーム内7において回転移動可能に支持する支持機構9とを備えている。
レドーム7は、例えば航空機の胴体の下面に取り付けられる。このため、レドーム7の外形は、航空機の飛行中の受風荷重を低減するように曲面状に形成されている。本実施形態のレドーム7は例えば球状に形成されている。
支持機構9は、レドーム7の内周面の真上においてY軸回りに回転可能に支持された第1回転軸91と、この第1回転軸91に固定された門型の支持部材92と、この支持部材92に対してX軸回りに回転可能に支持された一対の第2回転軸93とを備えている。第2回転軸93には、周波数共用導波管スロットアンテナ8(以下、単にアンテナともいう)のY軸方向の中心部が一体回転可能に取り付けられている。これにより、第1回転軸91及び第2回転軸93をそれぞれ回転させてアンテナ8を回転移動させることにより、アンテナ8の電波放射方向を所望の方向に向けることができる。
なお、アンテナ8は、上記2軸(第1回転軸91及び第2回転軸93)のうち少なくとも1軸に対して回転移動可能に支持されていれば良い。また、アンテナ8は、Y軸方向の中心部を中心に回転移動可能に支持されているが、上記中心部以外の点を中心として回転移動可能に支持したり、揺動移動可能に支持したりしても良い。
<周波数共用導波管スロットアンテナ>
図3は、周波数共用導波管スロットアンテナ8を正面側から見た斜視図である。また、図4は、周波数共用導波管スロットアンテナ8を背面側から見た斜視図である。
図3及び図4に示すように、本実施形態のアンテナ8は、複数(ここでは6つ)の第1導波管10と、複数(ここでは6つ)の第2導波管20と、第1導波管10に給電するための第1給電路部30と、第2導波管20に給電するための第2給電路部40とを備えている。
複数の第1導波管10は、管軸に直交する方向(Y軸方向)に所定のピッチで配列されている。各第1導波管10は、断面矩形状に形成されており、上記第1周波数帯域の電波を放射する複数かつ奇数個(ここでは7つ)の第1スロット素子13a〜13gを有している。
各第1スロット素子13a〜13gは、第1導波管10の一方の狭壁面11Aにおいて管軸に対して傾斜する方向に延びて形成されている。また、各第1スロット素子13a〜13gの長手方向両端部は、第1導波管10の広壁面12の一部を切り欠いて形成されている。
各第1導波管10は、その管軸方向両端部にそれぞれ設けられた終端壁17により短絡されている。これにより、各第1導波管10の管内には、管軸方向の全長にわたって中空の第1導波路14(図6参照)が形成されている。
複数の第2導波管20は、隣り合う第1導波管10同士の間に1つずつ配置されるように、管軸に直交する方向(以下、管軸直交方向ともいう)に所定のピッチで配列されている。本実施形態では、複数の第1導波管10及び複数の第2導波管20は互いに同一のピッチで配列されている。各第2導波管20は、上記第2周波数帯域の電波を放射する複数かつ奇数個(ここでは7つ)の第2スロット素子23a〜23gを有している。
各第2スロット素子23a〜23gは、第2導波管20の一方の狭壁面21Aにおいて管軸に対して傾斜する方向に延びて形成されている。また、各第2スロット素子23a〜23gの長手方向両端部は、第2導波管20の広壁面22の一部を切り欠いて形成されている。
各第2導波管20は、その管軸方向両端部にそれぞれ設けられた終端壁27により短絡されている。これにより、各第2導波管20の管内には、管軸方向の全長にわたって中空の第2導波路24(図6参照)が形成されている。
隣り合う第1導波管10と第2導波管20との間には所定の隙間Sが形成されている。これにより、隣り合う第1及び第2導波管10,20の互いに対向する壁面である広壁面12,22のうち、一方の広壁面12(22)に形成されたスロット素子13a〜13g(23a〜23g)の長手方向一端部が、他方の広壁面22(12)によって塞がれるのを防止している。
なお、本実施形態では、第1導波管10及び第2導波管20のスロット素子はそれぞれ広壁面を切り欠いて形成されているが、一方の導波管のスロット素子のみが広壁面を切り欠いて形成されていても良い。また、第1導波管10及び第2導波管20のスロット素子の個数は奇数個であるが、偶数個であっても良い。
複数の第1導波管10及び複数の第2導波管20は、例えばアルミニウム(A6063)材を押し出し成形することによって一体に形成されている。このため、隣り合う第1導波管10と第2導波管20とは連結部50(図5も参照)によって互いに連結されている。本実施形態の連結部50は、例えば平板部材からなり、第2導波管20の管軸方向の長さL2と同一長さに形成されている。
図5は、周波数共用導波管スロットアンテナ8の正面図である。
図5に示すように、本実施形態では、第2導波管20の管軸方向の長さL2は、第1導波管10の管軸方向の長さL1よりも短く設定されており、第2導波管20は、第1導波管10の長さL1の範囲内に配置されている。
また、第2導波管20は、第2導波路24の管軸方向の中心線C2が、第1導波管10における第1導波路14の管軸方向の中心線C1よりも管軸方向(図中の右側)に偏倚するように配置されている。
第1導波管10及び第2導波管20は、第1導波管10の給電位置である第1給電点15と第2導波管の給電位置である第2給電点25とが互いに管軸方向の逆側に偏倚するように配置されている。
具体的には、第1導波管10は、その管軸方向の中心線(=第1導波路の中心線C1)から管軸方向の一方側(図中の左側)に偏倚した位置に第1給電点15を有する。本実施形態における第1給電点15は、第1スロット素子13cと、これと隣り合う第1スロット素子13dとの間に位置している。
第2導波管20は、その管軸方向の中心線(=第2導波路の中心線C2)から管軸方向の他方側(図中の右側)に偏倚した位置に第2給電点25を有する。本実施形態における第2給電点25は、第2スロット素子23dと、これと隣り合う第2スロット素子23eとの間に位置している。
なお、本実施形態では、第1スロット素子13a〜13g及び第2スロット素子23a〜23gは、いずれも奇数個形成されているが、いずれか一方のスロット素子のみが奇数個形成され、他方のスロット素子は偶数個形成されていても良い。この場合、奇数個のスロット素子が形成された導波管は、その給電点が偶数個のスロット素子が形成された導波管の給電点に対して管軸方向に偏倚するように配置すれば良い。
複数の第1導波管10及び複数の第2導波管20は、下記式(1)の関係を満たすように配列されている。
P1/λ<P2/λ ・・・(1)
P1:隣り合う第1導波管10同士の間のピッチ
P2:隣り合う第2導波管20同士の間のピッチ
λ:第1周波数帯域における最大周波数(7125MHz)の自由空間波長
λ:第2周波数帯域における最大周波数(10.678GHz)の自由空間波長
本実施形態では、前記ピッチP1及びP2が、第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長λ以下であって且つ互いに同一寸法となるように、各導波管10,20の寸法等が設定されている。
具体的には、第1導波管10の管軸直交方向の外幅D1は9mm(内幅7mm,肉厚1mm)に設定され、第2導波管20の管軸直交方向の外幅D2は8mm(内幅6mm,肉厚1mm)に設定されている。また、隣り合う第1導波管10と第2導波管20との間の隙間Sは4mmに設定されている。これにより、隣り合う第1導波管10間のピッチP1、及び隣り合う第2導波管20間のピッチP2は、いずれも同一寸法の25mm(=0.55λ=0.9λ)であって、且つ前記自由空間波長λ以下に設定されている。
なお、本実施形態のλ及びλは、第1及び第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長とされているが、第1及び第2周波数帯域における中心周波数の自由空間波長としても良い。但し、λは、グレーディングローブの抑圧特性を向上させるという観点では、第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長とされているのが望ましい。
図6は、周波数共用導波管スロットアンテナ8の断面図である。
第2導波管20は、その電波放射方向(Z軸方向)の前端面である狭壁面21Aが第1導波管10の電波放射方向の前端面である狭壁面11Aよりも電波放射方向前方に位置するように配置されている。
また、第2導波管20は、その電波放射方向の後端面である狭壁面21Bが第1導波管10の電波放射方向の後端面である狭壁面11Bよりも電波放射方向前方に位置するように配置されている。
なお、本実施形態の第1及び第2導波管10,20は、第2導波管20の狭壁面21Bが第1導波管10の狭壁面11Bよりも電波放射方向前方に位置するように配置されているが、第2導波管20の狭壁面21Bが第1導波管10の狭壁面11Bがよりも電波放射方向後方に位置するように配置されていても良い。
<給電路部>
図4において、第1給電路部30は、各第1導波管10にそれぞれ電力を供給するものであり、アンテナ8の電波放射方向の後側(図中の上側)に配置されている。第1給電路部30は、例えば断面矩形状の導波管からなり、第1導波管10の管軸直交方向に延びる給電路本体部31と、この給電路本体部31に電力を入力するための給電入力部32とを有している。
なお、第1給電路部30は、導波管以外に、分配回路や同軸ケーブルによって構成されていても良い。
図6において、第1給電路部30の給電路本体部31は、各第1導波管10の電波放射方向の後端面である狭壁面11Bに沿って配置された状態で各第1導波管10に固定されている。給電路本体部31は、各第1導波管10の狭壁面11Bとの接触部に出力口31aが形成されている。また、各第1導波管10の狭壁面11Bには、給電路本体部31の各出力口31aに対応する位置に給電口16が形成されている。この給電口16の中心点が上記第1給電点15とされている。
給電路本体部31の長手方向(Y軸方向)の中央部には入力口31bが形成されている。給電路本体部31の入力口31bには給電入力部32の一方の開口端が接続され、給電入力部32の他方の開口端は上述のダイプレクサ5側に接続されている。入力口31bの中心点は、給電路本体部31に電力が入力される第1給電入力点34とされている。
これにより、給電入力部32から給電路本体部31の入力口31b、出力口31a、第1導波管10の給電口16を経て、各第1導波管10に電力が給電される。
図4において、第2給電路部40は、各第2導波管20にそれぞれ電力を供給するものであり、アンテナ8の電波放射方向の後側(図中の上側)に配置されている。第2給電路部40は、例えば断面矩形状の導波管からなり、第2導波管20の管軸直交方向に延びる給電路本体部41と、この給電路本体部41に電力を入力するための給電入力部42と、給電路本体部41から分岐した複数(ここでは6つ)の給電接続部43とを有している。
なお、第2給電路部40は、導波管以外に、分配回路や同軸ケーブルによって構成されていても良い。
図7は、第2給電路部40を示す断面図である。
第2給電路部40の給電接続部43は、その一端が各第2導波管20の電波放射方向の後端面である狭壁面21Bに接続されており、その狭壁面21Bから第1導波管10の狭壁面11Bよりも電波放射方向後方に延びて形成されている。各第2導波管20の狭壁面21Bには、給電接続部43に対応する位置に給電口26が形成されている。この給電口26の中心点が上記第2給電点25とされている。
給電接続部43の他端には給電路本体部41が接続されている。給電路本体部41は、各給電接続部43との接続部に出力口41aが形成されている。
また、給電路本体部41の長手方向(Y軸方向)の中央部には入力口41bが形成されている。
給電路本体部41の入力口41bには給電入力部42の一方の開口端が接続され、給電入力部42の他方の開口端は上述のダイプレクサ5側に接続されている。入力口41bの中心点は、給電路本体部41に電力が入力される第2給電入力点44とされている。
これにより、給電入力部42から給電路本体部41の入力口41b、出力口41a、給電接続部43、第2導波管20の給電口26を経て、各第2導波管20に電力が給電される。
<スロット素子>
図5において、第1導波管10の第1給電点15を挟んで管軸方向に隣り合う第1スロット素子13c及び13dは、第1給電点15からそれぞれ同一長さ離れた位置で同じ方向に傾斜している。具体的には、各第1スロット素子13c,13dは、第1給電点15からそれぞれλg1/4離れた位置を中心として、第1導波管10の管軸X1に対して所定角度θ(本実施形態では40度)だけ傾斜している。ここで、λg1は第1周波数帯域(CDバンド)における中心周波数の管内波長である。
前記第1スロット素子13cよりも管軸方向一方側(図中の左側)の第1スロット素子13a,13bは、管軸方向に所定長さ(λg1/2)毎に、交互に逆方向に傾斜角度θだけ傾斜するように配置されている。また、前記第1スロット素子13dよりも管軸方向他方側(図中の右側)の第1スロット素子13e〜13gは、管軸方向一方側と同様に、管軸方向に所定長さ(λg1/2)毎に、交互に逆方向に傾斜角度θだけ傾斜するように配置されている。
第1給電入力点34を挟んで管軸直交方向に隣り合う第1導波管10C及び10Dは、各第1給電点15において相互に同位相で給電される。このため、一方の第1導波管10Cの第1スロット素子13a〜13gと、他方の第1導波管10Dの第1スロット素子13a〜13gとは、それぞれ同じ方向に傾斜している。
第1給電入力点34よりも管軸直交方向の一方側(図中の上側)に配置された第1導波管10A〜10Cは、各第1給電点15において相互に逆位相で給電される。このため、隣り合う第1導波管10A及び10B(10B及び10C)のうち、一方の第1導波管の第1スロット素子13a〜13gと、他方の第1導波管の第1スロット素子13a〜13gとは、それぞれ相互に逆方向に傾斜している。
同様に、第1給電入力点34よりも管軸直交方向の他方側(図中の下側)に配置された第1導波管10D〜10Fは、各第1給電点15において相互に逆位相で給電される。このため、隣り合う第1導波管10D及び10E(10E及び10F)のうち、一方の第1導波管の第1スロット素子13a〜13gと、他方の第1導波管の第1スロット素子13a〜13gとは、それぞれ相互に逆方向に傾斜している。
第2導波管20の第2給電点25を挟んで管軸方向に隣り合う第2スロット素子23d及び23eは、第2給電点25からそれぞれ同一長さ離れた位置で同じ方向に傾斜している。具体的には、各第2スロット素子23d,23eは、第2給電点25からそれぞれλg2/4離れた位置を中心として、第2導波管20の管軸X2に対して上記角度θだけ傾斜している。ここで、λg2は第2周波数帯域(EFバンド)における中心周波数の管内波長である。
前記第2スロット素子23dよりも管軸方向一方側(図中の左側)の第2スロット素子23a〜23cは、管軸方向に所定長さ(λg2/2)毎に、交互に逆方向に傾斜角度θだけ傾斜するように配置されている。また、前記第2スロット素子23eよりも管軸方向他方側(図中の右側)の第2スロット素子23f,23gは、管軸方向一方側と同様に、管軸方向に所定長さ(λg2/2)毎に、交互に逆方向に傾斜角度θだけ傾斜するように配置されている。
第2給電入力点44を挟んで管軸直交方向に隣り合う第2導波管20C及び20Dは、各第2給電点25において相互に同位相で給電される。このため、一方の第2導波管20Cの第2スロット素子23a〜23gと、他方の第2導波管20Dの第2スロット素子23a〜23gとは、それぞれ同じ方向に傾斜している。
第2給電入力点44よりも管軸直交方向の一方側(図中の上側)に配置された第2導波管20A〜20Cは、各第2給電点25において相互に逆位相で給電される。このため、隣り合う第2導波管20A及び20B(20B及び20C)のうち、一方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23gと、他方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23gとは、それぞれ相互に逆方向に傾斜している。
同様に、第2給電入力点44よりも管軸直交方向の他方側(図中の下側)に配置された第2導波管20D〜20Fは、各第2給電点25において相互に逆位相で給電される。このため、隣り合う第2導波管20D及び20E(20E及び20F)のうち、一方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23gと、他方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23gとは、それぞれ相互に逆方向に傾斜している。
なお、本実施形態の第1及び第2給電路部30,40は導波管を用いているため、第1及び第2導波管10,20への給電が同位相になる場合と逆位相になる場合とがあるが、分配回路又は同軸ケーブルを用いる場合には、全ての第1及び第2導波管10,20に対して同位相で給電することが可能となる。
但し、同軸ケーブルから同軸導波管変換器を介して第1及び第2導波管10,20に給電する場合には、同軸導波管変換器の取付方向により給電の位相が変化する。このため、同軸導波管変換器を用いる場合には、本実施形態の場合と同様に、同位相で給電される導波管同士のスロット素子は同じ方向に傾斜し、逆位相で給電される導波管同士のスロット素子は逆方向に傾斜する。
<作用効果>
以上、本実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8によれば、複数の第1導波管10は管軸方向に配列され、複数の第2導波管20は、隣り合う第1導波管10の間に1つずつ配置されるように管軸方向に配列されている。このため、CDバンドの第1周波数帯域の電波を放射する複数の第1導波管10と、EFバンドの第2周波数帯域の電波を放射する複数の第2導波管20とを、管軸直交方向にコンパクトに配列することができる。したがって、省スペースで互いに異なる2つの周波数帯域を共用することができる。
また、上記式(1)を満たしていれば、隣り合う第1導波管10同士の間のピッチP1、及び隣り合う第2導波管20同士の間のピッチP2を自由に設定することができるので、第1導波管10及び第2導波管20の各配列の自由度を高めることができる。
また、上記ピッチP1及びP2は、第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長λ以下に設定されているので、第2導波管20から不要な方向に第2周波数帯域の電波が放射されるグレーティングローブの発生を効果的に抑制することができる。
また、複数の第1導波管10及び複数の第2導波管20は、互いに同一のピッチで配列されているので、アンテナ8を容易に製作することができる。
また、隣り合う第1導波管10と第2導波管20との間には隙間Sが形成されているので、これらの第1及び第2導波管10,20の対向する広壁面12及び22同士の間に隙間が形成される。このため、これらの広壁面12及び22のうち一方の広壁面に形成されたスロット素子の長手方向一端部が、他方の広壁面によって塞がれるのを防止することができる。したがって、隣り合う第1導波管10及び第2導波管20にそれぞれ形成される第1及び第2スロット素子の設計自由度を高めることができる。
また、隣り合う第1導波管10と第2導波管20とが連結部50により一体に形成されているので、アンテナ8を容易に製作することができる。
また、第2導波管20の管軸方向の長さL2は、第1導波管10の管軸方向の長さL1よりも短く設定されているので、アンテナ8を軽量化することができるとともに、安価に製作することができる。
また、第2導波管20は、その管内における第2導波路24の管軸方向の中心線C2が第1導波管10内における第1導波路14の管軸方向の中心線C1よりも管軸方向に偏倚するように配置されている。このため、第1導波路10の給電位置(第1給電点15)、及び第2導波路の給電位置(第2給電点25)がそれぞれ管軸方向の中心部に設定されていても、これらの各給電位置に接続される給電路部30及び40同士が干渉し合うのを抑制することができる。これにより、各導波管10,20の給電位置の設定自由度を高めることができる。
また、第2導波路24の中心線C2と第1導波路14の中心線C1との管軸方向の偏倚長さを調整することで、アンテナ8全体の重量バランスも調整することができる。特に、アンテナ8を支持機構9により回転移動させて電波放射方向を所望の方向に向けた状態で使用する場合に、その回転移動させた使用状態でアンテナ8が保持されるように重量バランスを調整することで、安定した状態でアンテナ8を使用することができる。
また、第2導波管20は、第1導波管10の管軸方向の長さL1の範囲内に配置されているので、第1導波管10及び第2導波管20を管軸方向にコンパクトに配置することができる。
また、第1導波管10及び第2導波管20は、第1給電点15と第2給電点25とが互いに管軸方向の逆側に偏倚するように配置されているため、第1給電点15及び第2給電点25にそれぞれ接続される給電路部30及び40同士が互いに干渉するのを抑制しつつ、第1導波管10及び第2導波管20を管軸方向にコンパクトに配置することができる。
また、第2導波管20は、その前端面(狭壁面21A)が第1導波管10の前端面(狭壁面11A)よりも電波放射方向前方に位置するように配置されているので、第2導波管20の第2スロット素子23a〜23gから高周波数帯域である第2周波数帯域の電波を放射するときに、第1導波管10の影響を受けにくくすることができる。
また、隣り合う第2導波管20の後端面(狭壁面21B)同士は、給電接続部43を介して給電路本体部41に接続されるので、給電路本体部41が隣り合う一方の第2導波管20同士の間に配置されている第1導波管10と干渉するのを防止することができる。
また、本実施形態のアンテナ装置6は、収納スペースが狭いレドーム7であっても、互いに異なる2つの周波数帯域を共用するアンテナ8を収納することができる。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の正面図である。また、図9は、その周波数共用導波管スロットアンテナ8の断面図である。
第2実施形態と第1実施形態とが主に相違する点は、第1導波管10及び第2導波管20の各個数が異なる点、及び第1導波管10と第2導波管20の電波放射方向の位置関係が異なる点である。
図8に示すように、第2実施形態のアンテナ8は、3つの第1導波管10と、4つの第2導波管20とを備えており、第2導波管20の個数が第1導波管10の個数よりも多くなっている。これにより、第2導波管20から放射される第2周波数帯域の電波の利得を向上させることができるので、高周波数帯域である第2周波数帯域の電波の伝達距離を長くすることができる。
第2導波管20の管軸方向の長さL2は、第1導波管10の管軸方向の長さL1よりも短く設定されており、アンテナ8の管軸直交方向の両端にそれぞれ第2導波管20A及び20Dが配置されている。
これにより、第2導波管20A及び20D同士の間が広がるので、第2導波管20から放射される第2周波数帯域の電波の利得を向上させることができ、高周波数帯域である第2周波数帯域の電波の伝達距離をさらに長くすることができる。
第2導波管20の管軸方向一端(図中右端)は第1導波管10の管軸方向一端(図中右端)よりも管軸方向内側(図中左側)に配置されており、第2導波管20の管軸方向他端(図中左端)は第1導波管10の管軸方向他端(図中左端)よりも管軸方向内側(図中右側)に配置されている。
これにより、管軸直交方向の両端に配置された第2導波管20A,20Dの管軸方向両端部が、レドーム7の内周面や支持部材92などの他部材と干渉するのを抑制することができる。したがって、第2導波管20A,20Dの管軸方向両端部を面取り加工する必要がないので、アンテナ8を容易に製作することができる。
図9に示すように、第2導波管20の電波放射方向の長さD2は、第1導波管20の電波放射方向の長さD1よりも短く設定されており、第2導波管20は、第1導波管10の長さD1の範囲内に配置されている。
具体的には、第2導波管20は、その電波放射方向の前端面である狭壁面21Aが第1導波管10の電波放射方向の前端面である狭壁面11Aと面一となるように配置されている。また、第2導波管20は、その電波放射方向の後端面である狭壁面21Bが第1導波管10の電波放射方向の後端面である狭壁面11Bよりも電波放射方向前方に位置するように配置されている。
これにより、第2導波管20の電波放射方向両端は第1導波管10の電波放射方向両端よりも電波放射方向外側に突出しないので、第1導波管10及び第2導波管20を電波放射方向にコンパクトに配置することができる。
なお、第2導波管20の電波放射方向の長さD2は、第1導波管20の電波放射方向の長さD1と同一寸法に設定されていても良い。
本実施形態における第1給電路部30の給電入力部32は、第1導波管10Aと、これと隣り合う第1導波管10Bとの間の中央部に配置されている。したがって、給電路本体部31に電力が入力される第1給電入力点34は、隣り合う第1導波管10A及び10B同士の間の中央位置に配置されている(図8も参照)。
また、本実施形態における第2給電路部40の給電入力部42は、第2導波管20Bと、これと隣り合う第2導波管20Cとの間の中央部に配置されている。したがって、給電路本体部41に電力が入力される第2給電入力点44は、隣り合う第2導波管20B及び20C同士の間の中央位置に配置されている(図8も参照)。
なお、第2実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図10は、本発明の第3実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の断面図である。
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。第3実施形態と第2実施形態とが主に相違する点は、第2導波管20の個数が異なる点、第1導波管10と第2導波管20の電波放射方向の位置関係が異なる点、及び隣り合う第1導波管10(第2導波管20)間のピッチP1(P2)が異なる点である。
図10に示すように、第3実施形態のアンテナ8は、3個の第1導波管10と、2個の第2導波管20とを備えており、第1導波管10の個数が第2導波管20の個数よりも多くなっている。このため、アンテナ8の管軸直交方向の両端にはそれぞれ第1導波管10A及び10Cが配置され、2個の第2導波管20A及び20Bは、いずれも隣り合う第1導波管10同士の間に配置されている。
第2導波管20は、その電波放射方向の前端面である狭壁面21Aが第1導波管10の電波放射方向の前端面である狭壁面11Aよりも電波放射方向後方に位置するように配置されている。
また、第2導波管10は、その電波放射方向の後端面である狭壁面21Bが第1導波管10の電波放射方向の後端面である狭壁面11Bと面一となるように配置されている。
本実施形態の第2給電路部40は、第2導波管20の管軸直交方向に延びる給電路本体部41と、この給電路本体部41に電力を入力するための給電入力部42とからなり、第1実施形態における複数の給電接続部43(図7参照)を有していない。本実施形態の給電路本体部41及び給電入力部42は、第1給電路部30の給電路本体部31及び給電入力部32と同様の構成であるため、説明を省略する。
本実施形態では、第1導波管10の外幅D1及び第2導波管20の外幅D2は、第1実施形態と同一寸法であるが、隣り合う第1導波管10と第2導波管20との間の隙間Sは6.5mmに設定されている。これにより、隣り合う第1導波管10間のピッチP1、及び隣り合う第2導波管20間のピッチP2は、いずれも同一寸法の30mm(=1.1λ)であって、且つ上記自由空間波長λよりも大きく設定されている。
なお、第3実施形態において説明を省略した点は、第2実施形態と同様である。
以上、第3実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8によれば、第2導波管10の狭壁面21Bは第1導波管10の狭壁面11Bと面一に配置されている。このため、隣り合う第2導波管20の狭壁面21B同士を第2給電路部40の給電路本体部41により接続するときに、その給電路本体部41を当該隣り合う第2導波管20同士の間に位置する第1導波管10と干渉するのを防止することができる。したがって、第2給電路部40は第1実施形態のように給電接続部43が不要になるため、第2給電路部40を軽量化することができるとともに、安価かつ容易に製作することができる。
また、隣り合う第2導波管20間のピッチP2は、上記自由空間波長λよりも大きい1.1λに設定されているため、第2導波管20から第2周波数帯域の電波を放射したときに、その電波が不要な方向に放射されるグレーティングローブが発生し易くなる。しかし、このような場合であっても、第2導波管20の電波放射方向の前端面である狭壁面21Aは、第1導波管10の狭壁面11Aよりも電波放射方向後方に配置されているので、第2導波管20と隣り合う第1導波管10の広壁面12が、第2導波管20から放射された電波のビーム幅Wが広がるのを抑制するサブレフレクタとして機能する。したがって、第2導波管20から第2周波数帯域の電波を放射したときに、グレーティングローブの発生を効果的に抑制することができる。
[第4実施形態]
図11は、本発明の第4実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の正面図である。
第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。第4実施形態と第1実施形態とが主に相違する点は、第2導波管20の管軸方向の長さL2が異なる点である。
図11に示すように、第4実施形態における第2導波管20は、その図中右端部の終端壁27が、第1導波管10の図中右端部の終端壁17と面一となるように配置されている。また、第2導波管20は、その図中左端部の終端壁27が第1導波管10の図中左端部の終端壁17と面一となるように、管軸方向に延びて形成されている。これにより、第2導波管20の管軸方向の長さL2は、第1導波管10の管軸方向の長さL1と同一寸法に設定されている。
第2導波管20の管内には、図中の最も左側に位置する第2スロット素子23aのさらに左側に短絡壁28が設けられている。これにより、第2導波管20の管内には、短絡壁28と管軸方向一端部(図中の右端部)の終端壁27との間に中空の第2導波路24が形成されている。したがって、本実施形態における第2導波路24の管軸方向の長さL2’は、第1導波管10内における第1導波路14の管軸方向の長さL1’よりも短くなっている。
なお、第4実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
以上、第4実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8によれば、第2導波管20の管軸方向の長さL2は、第1導波管10の管軸方向の長さL1と同一寸法に設定されているので、これらの長さL1及びL2が異なる長さに設定されている場合に比べて、アンテナ8全体の強度を高めることができる。
また、第2導波管20の管内に短絡壁28を設けているので、第1導波管10及び第2導波管20の管軸方向の長さL1及びL2を同一寸法としたまま、第2導波路24を第1導波路14よりも短くすることができる。したがって、第2導波管20を製作するときに第2導波管20を第2導波路24の長さL2’に合わせて切断する加工が不要になる。したがって、アンテナ8を容易に製作することができる。
[第5実施形態]
図12は、本発明の第5実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の正面図である。
第5実施形態は、第1実施形態の変形例である。第5実施形態と第1実施形態とが主に相違する点は、第2導波管20のスロット素子の個数が第1導波管10のスロット素子の個数よりも多い点である。
図12に示すように、第5実施形態における第2導波管20は、第2周波数帯域の電波を放射する複数かつ偶数個(ここでは8つ)の第2スロット素子23a〜23hを有している。各第2スロット素子23a〜23hは、第2導波管20の一方の狭壁面21Aにおいて管軸に対して傾斜する方向に延びて形成されている。また、各第2スロット素子23a〜23hの長手方向両端部は、第2導波管20の広壁面22の一部を切り欠いて形成されている。
第2導波管20の第2スロット素子23eよりも管軸方向他方側(図中の右側)の第2スロット素子23f〜23hは、管軸方向に所定長さ(λg2/2)毎に、交互に逆方向に傾斜角度θだけ傾斜するように配置されている。
第2給電入力点44よりも管軸直交方向の一方側(図中の上側)に配置された第2導波管20A〜20Cは、各第2給電点25において相互に逆位相で給電される。このため、隣り合う第2導波管20A及び20B(20B及び20C)のうち、一方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23hと、他方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23hとは、それぞれ相互に逆方向に傾斜している。
同様に、第2給電入力点44よりも管軸直交方向の他方側(図中の下側)に配置された第2導波管20D〜20Fは、各第2給電点25において相互に逆位相で給電されている。このため、隣り合う第2導波管20D及び20E(20E及び20F)のうち、一方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23hと、他方の第2導波管の第2スロット素子23a〜23hとは、それぞれ相互に逆方向に傾斜している。
なお、第5実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
以上、第5実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8によれば、第2導波管20の第2スロットの個数が、第1導波管10の第1スロットの個数よりも多いので、第2導波管から放射される第2周波数帯域の電波の利得を向上させることができる。これにより、高周波数帯域である第2周波数帯域の電波の伝達距離を長くすることができる。
[第6実施形態]
図13は、本発明の第6実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の断面図である。
第6実施形態は、第2実施形態(図9参照)の変形例であり、複数の第1導波管10及び複数の第2導波管20が互いに異なるピッチで配列されている点で第2実施形態と相違する。
図13において、第6実施形態におけるアンテナ8は、4つの第1導波管10と、8つの第2導波管20とを備えている。第1導波管10の管軸直交方向の外幅D1は8mm(内幅6mm,肉厚1mm)に設定され、第2導波管20の管軸直交方向の外幅D2は7mm(内幅5mm,肉厚1mm)に設定されている。また、隣り合う第1導波管10と第2導波管20との間の隙間S1は2mmに設定され、直接隣り合う第2導波管20同士の間の隙間S2は12mmに設定されている。
これにより、隣り合う第1導波管10間のピッチP1は38mmに設定され、隣り合う第2導波管20間のピッチP2は19mmに設定されている。そして、隣り合う第1導波管10同士の間には第2導波管20が2つずつ配置されるとともに、各第1導波管10の管軸方向両側にはそれぞれ第2導波管20が配置されている。また、第1導波管10及び第2導波管20は、アンテナ8の管軸方向の中心線Zaを挟んで線対称に配置されている。
給電路本体部31(図示省略)に電力が入力される第1給電入力点34、及び給電路本体部41(図示省略)に電力が入力される第2給電入力点44は、いずれも前記中心線Za上に配置される。
なお、第6実施形態において説明を省略した点は、第2実施形態と同様である。
以上、第6実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8によれば、複数の第1導波管10及び複数の第2導波管20は互いに異なるピッチP1,P2で配列されるので、第1導波管10及び第2導波管20の各配列の自由度を高めることができる。
また、隣り合う第2導波管20同士の隙間が狭い場合でも、隣り合う第1導波管10の間に2つの第2導波管20を配置することで、複数の第1導波管10と複数の第2導波管20とを管軸直交方向にコンパクトに配列することができる。
[第7実施形態]
図14は、本発明の第7実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の断面図である。
第7実施形態は、第6実施形態の変形例であり、ダミー導波管を備えている点で第6実施形態と相違する。
図14に示すように、第7実施形態のアンテナ8は、2つの第1導波管10と、4つの第2導波管20と、3つのダミー導波管60とを備えている。ダミー導波管60は、電波を放射しない導波管であり、第1導波管10と同一形状に形成されている。ダミー導波管60は、アンテナ8の管軸方向の中央部及び両端部にそれぞれ配置されている。隣り合うダミー導波管60と第2導波管20との隙間S3は、隣り合う第1導波管10と第2導波管20との間の隙間S1と同一寸法(2mm)に設定されている。
これにより、隣り合うダミー導波管60同士の間のピッチP3は、隣り合う第1導波管10同士の間のピッチP1と同一寸法(38mm)に設定されている。そして、第1導波管10の管軸方向両側にはそれぞれ第2導波管20が配置されている。また、第2導波管20の管軸方向両側にはそれぞれ同一形状の導波管10及び60が配置されている。
なお、第7実施形態において説明を省略した点は、第6実施形態と同様である。
以上、第7実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8によれば、全ての第1導波管10の管軸方向両側が同一の構造となり、かつ全ての第2導波管20の管軸方向両側が同一の構造となる。したがって、全ての第1導波管10のアンテナ性能を同一にすることができ、かつ全ての第2導波管20のアンテナ性能を同一にすることができる。
[第8実施形態]
図15は、本発明の第8実施形態に係る周波数共用導波管スロットアンテナ8の断面図である。
第8実施形態は、第6実施形態(図13参照)の他の変形例であり、上記ピッチP1及びP2の寸法がそれぞれ異なる点で、第6実施形態と相違する。
図15に示すように、第8実施形態におけるアンテナ8は、隣り合う第1導波管10間のピッチP1は30mmに設定され、隣り合う第2導波管20間のピッチP2は25mmに設定されている。
これにより、アンテナ8の管軸方向の中心線Zaを挟んで隣り合う2つの第2導波管20を除く残りの第2導波管20が、隣り合う第1導波管10同士の間に1つずつ配置されている。
また、中心線Zaよりも管軸方向一方側及び管軸方向他方側に配置された3つの第1導波管10及び3つの第2導波管20は、隣り合う第1導波管10と第2導波管20との隙間Sがいずれも異なるように配置されている。
なお、第8実施形態において説明を省略した点は、第6実施形態と同様である。
[その他の変形例]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[付記]
上述の周波数共用導波管スロットアンテナは、以下の構成を有するものとして捉えることができる。
つまり、周波数共用導波管スロットアンテナは、
第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されている。
そして、上記構成を有する周波数共用導波管スロットアンテナであって、
複数の前記第1導波管及び複数の前記第2導波管は、次式の関係を満たすように配列されている。
P1/λ<P2/λ
P1:隣り合う第1導波管同士の間のピッチ
P2:隣り合う第2導波管同士の間のピッチ
λ:第1周波数帯域における中心周波数の自由空間波長
λ:第2周波数帯域における中心周波数の自由空間波長
1 無線中継伝送システム
2 FPU
3 FPU
4 周波数共用器
5 ダイプレクサ
6 スロットアンテナ装置
7 レドーム(収納容器)
8 周波数共用導波管スロットアンテナ
9 支持機構
10 第1導波管
11A 狭壁面
11B 狭壁面
12 広壁面
13a〜13g 第1スロット素子
14 第1導波路
15 第1給電点
16 給電口
17 終端壁
20 第2導波管
21A 狭壁面
21B 狭壁面
22 広壁面
23a〜23h 第2スロット素子
24 第2導波路
25 第2給電点
26 給電口
27 終端壁
28 短絡壁
30 第1給電路部
31 給電路本体部
31a 出力口
31b 入力口
32 給電入力部
34 第1給電入力点
40 第2給電路部
41 給電路本体部
41a 出力口
41b 入力口
42 給電入力部
43 給電接続部
44 第2給電入力点
50 連結部
60 ダミー導波管
91 第1回転軸
92 支持部材
93 第2回転軸
C1 第1導波路の管軸方向の中心線
C2 第2導波路の管軸方向の中心線
D1 第1導波管の管軸直交方向の外幅
D2 第2導波管の管軸直交方向の外幅
L1 第1導波管の管軸方向の長さ
L2 第2導波管の管軸方向の長さ
L1’第1導波路の管軸方向の長さ
L2’第2導波路の管軸方向の長さ
P1 第1導波管のピッチ
P2 第2導波管のピッチ
P3 ダミー導波管のピッチ
S 隣り合う第1導波管と第2導波管との隙間
S1 隣り合う第1導波管と第2導波管との隙間
S2 隣り合う第2導波管と第2導波管との隙間
S3 隣り合うダミー導波管と第2導波管との隙間
X1 第1導波路の管軸
X2 第2導波路の管軸
Za アンテナの管軸方向の中心線
λ 第1周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
λ 第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
λg1 第1周波数帯域における最大周波数の管内波長
λg2 第2周波数帯域における最大周波数の管内波長

Claims (24)

  1. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    隣り合う前記第1導波管同士の間のピッチと、隣り合う前記第2導波管同士の間のピッチとが異なる周波数共用導波管スロットアンテナ。
  2. 複数の前記第1導波管及び複数の前記第2導波管は、次式の関係を満たすように配列されている請求項1に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
    P1/λ<P2/λ
    P1:隣り合う第1導波管同士の間のピッチ
    P2:隣り合う第2導波管同士の間のピッチ
    λ:第1周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
    λ:第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
  3. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    隣り合う前記第1導波管と前記第2導波管との間には隙間が形成されている周波数共用導波管スロットアンテナ。
  4. 隣り合う前記第1導波管と前記第2導波管とが一体に形成されている請求項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  5. 前記第1導波管及び前記第2導波管は、互いに管軸方向の長さが同一寸法に設定されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  6. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第1導波管及び前記第2導波管は、互いに管軸方向の長さが同一寸法に設定されており、
    前記第2導波管は、その管内における第2導波路の管軸方向の長さを前記第1導波管内における第1導波路の管軸方向の長さよりも短くするための短絡壁を有する周波数共用導波管スロットアンテナ。
  7. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第2導波管の管軸方向の長さは、前記第1導波管の管軸方向の長さよりも短く設定されている周波数共用導波管スロットアンテナ。
  8. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第2導波管は、その管内における第2導波路の管軸方向の中心線が前記第1導波管内における第1導波路の管軸方向の中心線よりも管軸方向に偏倚するように配置されている周波数共用導波管スロットアンテナ。
  9. 前記第2導波管の管軸方向の長さは、前記第1導波管の管軸方向の長さよりも短く設定されており、
    前記第2導波管は、前記第1導波管の管軸方向の長さ範囲内に配置されている請求項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  10. 前記第1導波管及び前記第2導波管の少なくとも一方の導波管は、当該一方の導波管に奇数個形成された前記スロット素子を有するとともに、管軸方向の中心から管軸方向に偏倚した位置に給電点を有し、
    前記一方の導波管は、その給電点が他方の導波管の給電点に対して管軸方向に偏倚するように配置されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  11. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第2導波管の個数が、前記第1導波管の個数よりも多い周波数共用導波管スロットアンテナ。
  12. 管軸に直交する方向の両端にそれぞれ前記第2導波管が配置されている請求項11に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  13. 前記第2導波管の管軸方向の長さは、前記第1導波管の管軸方向の長さよりも短く設定されており、
    前記第2導波管の管軸方向一端は前記第1導波管の管軸方向一端よりも管軸方向内側に配置され、前記第2導波管の管軸方向他端は前記第1導波管の管軸方向他端よりも管軸方向内側に配置されている請求項12に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  14. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に2つ以上配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されている周波数共用導波管スロットアンテナ。
  15. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第2導波管の第2スロットの個数が、前記第1導波管の第1スロットの個数よりも多い周波数共用導波管スロットアンテナ。
  16. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第2導波管は、その電波放射方向の前端面が前記第1導波管の電波放射方向の前端面よりも電波放射方向前方に位置するように配置されている周波数共用導波管スロットアンテナ。
  17. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第2導波管は、その電波放射方向の前端面が前記第1導波管の電波放射方向の前端面よりも電波放射方向後方に位置するように配置されている周波数共用導波管スロットアンテナ。
  18. 前記第2導波管の電波放射方向の長さは、前記第1導波管の電波放射方向の長さ以下に設定されており、
    前記第2導波管は、前記第1導波管の電波放射方向の長さ範囲内に配置されている請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  19. 前記第2導波管は、その電波放射方向の後端面が前記第1導波管の電波放射方向の後端面と面一となるように配置されている請求項1〜請求項18のいずれか1項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  20. 第1周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第1導波管と、
    前記第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域の電波を放射する複数のスロット素子が管軸に対して傾斜する方向に延びて形成された第2導波管と、をそれぞれ複数備え、
    複数の前記第1導波管は、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    複数の前記第2導波管は、隣り合う前記第1導波管同士の間に少なくとも1つ配置されるように、管軸に直交する方向に所定のピッチで配列されており、
    前記第1導波管及び前記第2導波管のうち、一方の導波管における電波放射方向の後端面が他方の導波管における電波放射方向の後端面よりも電波放射方向前方に配置されており、
    前記一方の導波管の前記後端面から前記他方の導波管の前記後端面よりも電波放射方向後方に延びて形成され、前記一方の導波管に給電するための給電接続部をさらに備える周波数共用導波管スロットアンテナ。
  21. 複数の前記第1導波管及び複数の前記第2導波管は、次式の関係を満たすように配列されている請求項3、請求項6〜請求項8、請求項11、請求項14〜請求項17及び請求項20のいずれか1項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
    P1/λ<P2/λ
    P1:隣り合う第1導波管同士の間のピッチ
    P2:隣り合う第2導波管同士の間のピッチ
    λ:第1周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
    λ:第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長
  22. 隣り合う前記第1導波管同士の間のピッチ、及び隣り合う前記第2導波管同士の間のピッチが、前記第2周波数帯域における最大周波数の自由空間波長以下である請求項21に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  23. 隣り合う前記第1導波管同士の間のピッチと、隣り合う前記第2導波管同士の間のピッチとが同一である請求項21又は請求項22に記載の周波数共用導波管スロットアンテナ。
  24. 収納容器と、
    前記収納容器に収納される請求項1〜請求項23のいずれか1項に記載の周波数共用導波管スロットアンテナと、を備えるアンテナ装置。
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