JP6533816B2 - プラントの状態判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラントの内部状態と出力との相関性を表すプラントモデルを作成するとともに、プラントの状態を判定するプラントの状態判定装置に関する。
従来、例えば内燃機関の排気温度センサの故障を判定する判定装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この判定装置は、排気温度センサが応答遅れ特性を有することを考慮し、その応答遅れ分を含む排気温度センサの出力値を推定するとともに、この推定出力値を排気温度センサの実際の出力値と比較することによって、排気温度センサの故障を判定するものである。
上記の推定出力値の算出は、以下のように行われる。
a.まず、吸気酸素濃度と燃料噴射時期と図示熱効率変化量との関係を規定した所定のモデル式(第2モデル式)を用い、検出された吸気酸素濃度及び設定された燃料噴射時期に応じて、図示熱効率変化量を算出する。
b.次に、図示熱効率変化量と排気温度との関係を規定した所定のモデル式(第3モデル式)を用い、aで算出された図示熱効率変化量に応じて、推定排気温度を算出する。
c.さらに、排気温度と排気温度センサの所定の時定数と排気流量と排気温度との関係を規定した所定のモデル式(第1モデル式)を用い、bで算出された推定排気温度、時定数及び排気流量に応じて、排気温度センサの応答遅れを反映させた推定出力値を算出する。
算出された推定出力値は、排気温度センサの実出力値と比較され、例えば実出力値と推定出力値との差が所定のしきい値よりも大きくなったときに、排気温度センサが故障していると判定される。
特開2015−31169号公報
上述したように、この従来の判定装置では、複数のモデル式(第2、第3及び第1モデル式)があらかじめ設定されるとともに、これらのモデル式を順に用いて、排気温度センサの推定出力値が算出される。このため、内燃機関を構成するデバイスの個体間の動作特性のばらつきや、運転パラメータを検出するセンサの故障や劣化などに起因して、運転パラメータ間の実際の相関性がモデル式における相関性から乖離した場合には、排気温度センサの推定出力値を精度良く算出できない。その場合には、推定出力値を用いた排気温度センサの故障判定の精度も低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、プラントの内部状態と出力との相関性を表すプラントモデルを効率良く高い精度で作成できるとともに、その後の運転中におけるプラントの状態を精度良く推定することができるプラントの状態判定装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため、請求項1に係る発明は、プラントの状態判定装置であって、プラント(実施形態における(以下、本項において同じ)内燃機関3)の内部状態を表す内部状態パラメータ(エンジン回転数NE、吸気圧Pin、燃料噴射量Q、EGR弁開度φegr)を検出する内部状態パラメータ検出手段(クランク角センサ20、吸気圧センサ23、EGR弁開度センサ25)と、検出された多数の内部状態パラメータのデータのうちの、当該データの分布の中心点からの距離(マハラノビス距離DMA)が大きい方の所定数(M1個)のデータを用いて、内部状態パラメータとプラントの出力を表す出力パラメータ(排気温度Tex)との相関性を表すプラントモデル(参照モデル)を作成するプラントモデル作成手段(モデリング装置50、図2)と、所定数の内部状態パラメータのデータに基づき、プラントの状態を判定するためのしきい値(しきい値D_ABN、しきい値D_DET、しきい値D_OPRN、しきい値D_INI)を設定するしきい値設定手段(ECU2、図6のステップ40、図9のステップ70、図12のステップ90、図14のステップ122)と、プラントモデルが作成された後のプラントの運転中に内部状態パラメータ検出手段によって検出された多数の内部状態パラメータのデータと、設定されたしきい値との関係に基づき、プラントの状態を判定する状態判定手段(ECU2、図7のステップ53〜61、図10のステップ83〜88、図13のステップ103〜105、図15のステップ133〜138)と、を備えることを特徴とする。
このプラントの状態判定装置では、プラントの内部状態を表す内部状態パラメータが内部状態パラメータ検出手段によって検出されるとともに、検出された多数の内部状態パラメータを用いて、内部状態パラメータとプラントの出力を表す出力パラメータとの相関性を表すプラントモデルが作成される。その際、多数の内部状態パラメータのデータのうちの、データの分布の中心点からの距離が大きい方の所定数のデータが選択され、プラントモデルの作成に用いられる。このように選択された所定数のデータは、より少ないデータ数で、プラントの内部状態を網羅するとともに良好に反映する。したがって、中心点からの距離が小さいデータを含むすべてのデータを用いた場合と比較して、データ数が少ない条件下で、モデル化誤差が低減されたプラントモデルを効率良く高い精度で作成することができる。なお、請求項1中の「データの分布の中心点からの距離が大きい方の所定数のデータを用い」るとは、距離の大きさに比例した確率で所定数のデータを用いることや、距離が大きい方から順に所定数のデータを用いることなどを含むものである。
また、本発明の状態判定装置によれば、プラントモデルの作成に用いられた内部状態パラメータの所定数のデータに基づき、しきい値が設定される。したがって、設定されたしきい値は、プラントモデルの作成時におけるプラントの内部状態を良好に反映する。一方、その後のプラントの運転時に、プラントの状態が変化すると、それに伴い、検出された内部状態パラメータに誤差やずれなどの変化が生じる。したがって、プラントの運転中に検出された内部状態パラメータのデータと、上記のように設定されたしきい値との関係に基づき、プラントの状態を適切に判定することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプラントの状態判定装置において、データの分布の中心点からの距離は、マハラノビス距離DMAであり、しきい値設定手段は、所定数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離DMAに基づき、しきい値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、多数の内部状態パラメータのデータの分布の中心点からの距離として、データ間の相関性を反映するマハラノビス距離が用いられる。したがって、プラントモデルの作成に用いられた所定数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離に基づいて、しきい値を設定することにより、内部状態パラメータのデータ間の相関性を反映させながら、しきい値を適切に設定することができ、それにより、しきい値との比較に基づくプラントの状態判定をより精度良く行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のプラントの状態判定装置において、プラントの運転中に検出された多数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離DMAを、運転時マハラノビス距離DMAとして算出する運転時マハラノビス距離算出手段(ECU2、図7のステップ53、図10のステップ83、図13のステップ103、図15のステップ133)をさらに備え、状態判定手段は、算出された運転時マハラノビス距離DMAをしきい値と比較することによって、プラントの状態を判定することを特徴とする。
この構成によれば、プラントの運転中に検出された多数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離を、運転時マハラノビス距離として算出するとともに、運転時マハラノビス距離をしきい値と比較することによって、プラントの状態を判定する。これにより、プラントモデルの作成時からの、データ間の相関性の変化を含む内部状態パラメータの変化に基づいて、プラントの状態判定をさらに適切に行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のプラントの状態判定装置において、しきい値設定手段は、しきい値として、異常判定用のしきい値D_ABNを設定し(図6のステップ40)、状態判定手段は、運転時マハラノビス距離DMAが異常判定用のしきい値D_ABNよりも大きいときに、内部状態パラメータ検出手段が異常であると判定すること(図7のステップ55、56、59〜61)を特徴とする。
内部状態パラメータ検出手段に異常が発生すると、検出される内部状態パラメータに誤差が生じ、それらのデータ間の相関性が低下することによって、運転時マハラノビス距離が増加する。したがって、この構成によれば、運転時マハラノビス距離が異常判定用のしきい値よりも大きいときに、内部状態パラメータ検出手段が異常であると適切に判定することができる。
請求項5に係る発明は、請求項3に記載のプラントの状態判定装置において、しきい値設定手段は、しきい値として、劣化判定用のしきい値D_DETをプラントの運転期間(車両走行距離DV)に応じて設定し(図9のステップ70)、状態判定手段は、運転時マハラノビス距離が劣化判定用のしきい値D_DETよりも大きいときに、内部状態パラメータ検出手段が劣化していると判定すること(図10のステップ86〜88)を特徴とする。
内部状態パラメータ検出手段に経年的な劣化が発生すると、検出される内部状態パラメータの誤差が徐々に増加し、それらのデータ間の相関性が低下することによって、運転時マハラノビス距離が徐々に増加する。したがって、この構成によれば、しきい値として、劣化判定用のしきい値をプラントの運転期間に応じて設定するとともに、運転時マハラノビス距離が劣化判定用のしきい値よりも大きいときに、内部状態パラメータ検出手段が経年的に劣化していると適切に判定することができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のプラントの状態判定装置において、状態判定手段は、内部状態パラメータ検出手段が劣化していると判定されたときに、劣化による内部状態パラメータ検出手段の検出特性のずれを学習すること(図10のステップ89)を特徴とする。
この構成によれば、内部状態パラメータ検出手段が劣化していると判定されるのに応じて、劣化による検出特性のずれを適切なタイミングで学習することができる。
請求項7に係る発明は、請求項3に記載のプラントの状態判定装置において、しきい値設定手段は、しきい値として、運転領域判定用のしきい値D_OPRNを設定し(図12のステップ90)、状態判定手段は、内部状態パラメータのデータの運転時マハラノビス距離DMAが運転領域判定用のしきい値D_OPRNよりも大きいときに、そのデータで表されるプラントの運転領域が、プラントモデルの作成時に学習された運転領域から逸脱していると判定すること(図13のステップ105〜106)を特徴とする。
プラントの運転状態は、プラントの運転者の特徴(くせ)や好みによる運転や、運転環境に応じた又は不注意による通常と異なる運転が行われることによって変化し、それに応じて内部状態パラメータが変化し、データ間の相関性が低下することで、その内部状態パラメータのデータの運転時マハラノビス距離が増加する。この構成によれば、しきい値として、運転領域判定用のしきい値を設定するとともに、内部状態パラメータのデータの運転時マハラノビス距離が運転領域判定用のしきい値よりも大きいときに、そのデータで表されるプラントの運転領域が、プラントモデルの作成時に学習された運転領域(以下「学習領域」という)から逸脱していると判定する。これにより、上述した運転者の特徴的な運転や通常と異なる運転などに起因する、学習領域からのプラントの運転領域の逸脱を適切に判定することができる。
請求項8に係る発明は、請求項3に記載のプラントの状態判定装置において、プラントモデル作成手段は、プラントと同じ構成を有する他の複数のプラント(複数のサンプル用エンジン)に対してプラントモデルを作成し、しきい値設定手段は、複数のプラントのプラントモデルの作成にそれぞれ用いられた所定数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離(モデル作成時マハラノビス距離DMAM)に基づき、しきい値として、プラントの初期状態判定用のしきい値を設定し(図14のステップ122)、運転時マハラノビス距離算出手段は、プラントの初期運転中に運転時マハラノビス距離DMAを算出し(図15のステップ133)、状態判定手段は、運転時マハラノビス距離が初期状態判定用のしきい値よりも大きいときに、プラントの初期状態において、内部状態パラメータ検出手段の検出特性のずれ及び/又は内部状態に関連するデバイスの動作特性のずれが発生していると判定すること(図15のステップ135〜137)を特徴とする。
この構成によれば、判定対象のプラントと同じ構成を有する複数のプラントに対してプラントモデルを作成するとともに、その際にそれぞれ用いられた所定数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離に基づき、しきい値として、プラントの初期状態判定用のしきい値が設定される。また、当該プラントの初期運転中に運転時マハラノビス距離を算出し、この運転時マハラノビス距離が初期状態判定用のしきい値よりも大きいときに、このプラントの初期状態において、内部状態パラメータ検出手段の検出特性のずれ及び/又は内部状態に関連するデバイスの動作特性のずれが発生していると判定する。
これにより、出荷工場内での試験運転や出荷直後のならし運転などの初期運転中に、異常や劣化などに起因しない、新品のプラントにおける内部状態パラメータ検出手段の検出特性のずれや内部状態に関連するデバイスの動作特性のずれを、適切に判定することができる。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のプラントの状態判定装置において、プラントは内燃機関3であり、プラントの内部状態パラメータは、内燃機関3の回転数(エンジン回転数NE)、吸気圧Pin、燃料噴射量Q及びEGR弁開度φegrであり、プラントの出力パラメータは、内燃機関3の排気の物理量を表す排気パラメータ(排気温度Tex)であることを特徴とする。
この構成によれば、プラントは内燃機関であり、内燃機関の回転数、吸気圧、燃料噴射量及びEGR弁開度を内部状態パラメータとして、これらと排気パラメータとの相関性を表すプラントモデルが効率良く高い精度で作成される。また、内燃機関の運転中に検出された内部状態パラメータのデータと、プラントモデルの作成時に検出された内部状態パラメータのデータに基づいて設定されたしきい値との関係に基づいて、内燃機関の状態を適切に判定することができる。
本発明を適用した、プラントとしての内燃機関とその状態判定装置の構成を模式的に示す図である。 参照モデル作成処理を示すフローチャートである。 マハラノビス距離の説明図である。 マハラノビス距離を用いたサンプリング手法及びランダムサンプリング手法による誤差を比較した図である。 学習モデル作成処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態によるしきい値設定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態によるセンサの異常判定処理を示すフローチャートである。 モデル作成時マハラノビス距離と図6の処理で設定されるしきい値との関係を説明するための図である。 本発明の第2実施形態によるしきい値設定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態によるセンサの劣化判定処理を示すフローチャートである。 図9の処理で設定されるしきい値マップを示す図である。 本発明の第3実施形態によるしきい値設定処理を示すフローチャートである。 第3実施形態によるエンジンの運転領域判定処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態によるしきい値設定処理を示すフローチャートである。 第4実施形態によるエンジンの初期状態判定処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をプラントとしての内燃機関に適用したものである。図1に示すように、状態判定装置1はECU(電子制御ユニット)2を備えており、ECU2によって、後述する各種の制御処理が実行される。また、車両の工場出荷前において、参照用のプラントモデルである参照モデルを作成する場合には、さらにモデリング装置50が用いられる。
内燃機関(以下「エンジン」という)3は、ガソリンを燃料とする多気筒の内燃機関であり、車両(図示せず)に動力源として搭載されている。エンジン3は、気筒ごとに設けられた燃料噴射弁4及び点火プラグ5(いずれも1つのみ図示)と、スロットル弁機構8及びEGR装置9などを備えている。
燃料噴射弁4及び点火プラグ5はECU2に電気的に接続されており、ECU2により、エンジン3の運転状態に応じて、燃料噴射弁4による燃料噴射量Q及び燃料噴射時期と、点火プラグ5による混合気の点火時期が制御される。
スロットル弁機構8は、スロットル弁8a及びこれを駆動するTHアクチュエータ8bなどで構成されている。スロットル弁8aは、吸気通路6内に回動自在に設けられている。ECU2からの制御信号によってTHアクチュエータ8bを駆動し、スロットル弁8aの開度を変化させることによって、スロットル弁8aを通過する空気量が制御される。
また、EGR装置9は、エンジン3の気筒から排出された排気の一部を排気通路7から吸気通路6に還流させるものであり、EGR通路9a、EGR弁9b及びEGRクーラ9cなどで構成されている。EGR通路9aの一端部は排気通路7に接続され、他端部は、吸気通路6のスロットル弁8aよりも下流側に接続されている。
EGR弁9bは、バタフライ弁タイプのものであり、EGR弁アクチュエータ(図示せず)に連結されている。ECU2からの制御信号によってEGR弁アクチュエータを駆動し、EGR弁9bの開度を変化させることによって、排気通路7から吸気通路6への還流ガス量(EGR量)が制御される。
また、EGRクーラ9cは、EGR通路9aのEGR弁9bよりも排気通路7側に配置された水冷式のものであり、エンジン冷却水を利用して、EGR通路9aを流れる高温の還流ガスを冷却する。
ECU2には、クランク角センサ20、水温センサ21、エアフローセンサ22、吸気圧センサ23、EGRセンサ24、EGR弁開度センサ25及びアクセル開度センサ26が電気的に接続されており、それらの検出信号が入力される。
クランク角センサ20は、クランクシャフト(図示せず)の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号を出力する。CRK信号は、所定クランク角(例えば30゜)ごとに出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
水温センサ21は、エンジン3のシリンダブロック(図示せず)内を循環する冷却水の温度であるエンジン水温TWを、絶対温度として検出する。エアフローセンサ22は、スロットル弁8aを通過する空気量Gthを、質量流量として検出する。吸気圧センサ23は、吸気通路6の吸気マニホールド(図示せず)内の圧力(以下「吸気圧」という)Pinを、絶対圧として検出する。
EGR圧センサ24は、EGRクーラ9cからEGR弁9bに流入する還流ガスの圧力(以下「EGR圧」という)Pegrを、絶対圧として検出する。EGR弁開度センサ25は、EGR弁9bの開度(以下「EGR弁開度」という)φegrを検出する。また、アクセル開度センサ26は、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(アクセル開度)APを検出する。
ECU2は、CPU、RAM、E2PROM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されており、上述した各種のセンサ20〜26の検出信号などに応じて、後述する各種の制御処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2が、しきい値設定手段、状態判定手段、及び運転時マハラノビス距離算出手段に相当する。
また、モデリング装置50は、CPU、ROM及びRAMなどを有するマイクロコンピュータと、各種の電気回路などで構成されている。本実施形態では、モデリング装置50がプラントモデル作成手段に相当する。前述したように、モデリング装置50は、参照モデルの作成時にのみECU2に接続され、モデリング装置50には排気温センサ51が接続される。
この排気温センサ51は、排気通路7の排気マニホールド(図示せず)に取り付けられ、排気の温度(以下「排気温度」という)Texを検出し、その検出信号をモデリング装置50に出力する。これらのモデリング装置50及び排気温センサ51は、車両が工場から出荷されるときに、ECU2及びエンジン3からそれぞれ取り外される。
モデリング装置50は、エンジン3がECU2によって様々な運転モードで制御されているときに、ECU2との間で各種の電気信号を授受しながら、図2に示す参照モデル作成処理を実行する。
この参照モデル作成処理は、エンジン3の運転パラメータ(内部状態パラメータ)である、エンジン回転数NE、吸気圧Pin、燃料噴射量Q及びEGR弁開度φegrを入力変数とし、排気パラメータである排気温度Tex(出力パラメータ)を出力変数とする、参照用のプラントモデルである参照モデルを作成するものであり、所定の周期で実行される。なお、以下の説明において「RAM」は、モデリング装置50のRAMを意味する。
同図に示すように、本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、5つのパラメータ(NE,Pin,Q,φegr,Tex)のデータをサンプリングし、これらのデータにおける4つの入力変数(NE,Pin,Q,φegr)と1つの出力変数(Tex)を、これらの対応関係を保持した状態、すなわち5要素から成る1行5列の行列データの状態でRAMに記憶する。
次いで、ステップ2に進み、第1サンプリング回数N1をインクリメントする。この第1サンプリング回数N1は、ステップ1におけるサンプリングの実行回数を表すものであり、その初期値は0に設定される。
次に、ステップ3において、第1サンプリング回数N1が所定値K1(例えば4桁の整数)以上になったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ3の判別結果がYESで、ステップ1でのサンプリング回数が所定値K1に達したときには、ステップ4に進み、第1サンプリング回数N1をリセットする。
次いで、ステップ5に進み、モデルデータのサンプリングを実行する。具体的には、RAMに記憶されているK1組のデータ(K1行5列の行列データ)における4つの入力変数(NE,Pin,Q,φegr)に対し、次式(1)〜(3)により、各データについてマハラノビス距離DMAを算出する。
Figure 0006533816
Figure 0006533816
Figure 0006533816
式(1)のxは、式(2)で定義される入力変数の行列であり、この行列xの4つの要素x1〜x4はそれぞれ、NE,Pin,Q,φegrに相当する。また、式(1)のx_aveは、式(3)で定義される入力変数の平均値の行列であり、この行列x_aveの4つの要素x1_ave〜x4_aveはそれぞれ、NE,Pin,Q,φegrのサンプリングデータの平均値に相当する。
以上のようにK1個のマハラノビス距離DMAを算出した後、K1組のデータから、マハラノビス距離DMAに比例した確率で、M1(例えば2桁の整数)個の入力変数データ及びこれに対応する出力変数のデータを要素とする行列データを、モデルデータとしてサンプリングし、RAMに記憶する。その結果、合計M1個の5要素の1行行列データ(M1行5列の行列データ)がRAMに記憶される。このサンプリング処理は、図3に示すように、中心点のデータD1に対して、マハラノビス距離DMAが大きいデータD2〜D4を重点的にサンプリングすることに相当する。
上記のようにマハラノビス距離DMAを用いてサンプリングを実行する理由は、以下による。すなわち、図4に示すように、マハラノビス距離DMAを用いた場合、通常のランダムサンプリング手法を用いた場合と比較して、データサンプル数が少ない条件下で、誤差V_RMSEを小さくし、サンプリング精度を向上させることができるためである。なお、この誤差V_RMSEは、交差検定における2乗平均平方根誤差である。
以上のように、ステップ5でモデルデータのサンプリングを実行した後、ステップ6に進み、第2サンプリング回数N2をインクリメントする。この第2サンプリング回数N2は、上記ステップ5におけるサンプリングの実行回数を表すものであり、その初期値は0に設定される。
次に、ステップ7において、第2サンプリング回数N2が所定値K2(例えば3桁の整数)以上になったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ7の判別結果がYESで、ステップ5でのサンプリング回数が所定値K2に達し、合計K2×M1個の5要素から成る1行行列データ(K2×M1行5列の行列データ)のサンプリングが完了したときには、ステップ8に進み、2つのモデルパラメータλ,σを決定し、本処理を終了する。
これらのモデルパラメータλ,σは、後述する排気温度の推定値Tex_est算出用の回帰モデル式(4)(5)におけるモデルパラメータであり、以下の手法によって決定される。まず、上記のようにサンプリングされた4つの入力変数及び1つの出力変数を要素とする行列データにおける誤差V_RMSEを算出するとともに、この誤差V_RMSEを出力とし、パラメータλ,σを入力とする関数を定義する。そして、Nelder−Mead法(滑降シンプレックス法)を用いて、この関数の最小値を探索することによって、2つのモデルパラメータλ,σが決定される。
以上の処理により、4つの入力変数(NE,Pin,Q,φegr)と1つの出力変数(Tex)との相関性を表すプラントモデルが作成される。作成されたプラントモデルは、参照モデルとして、ECU2のROMに書き込まれるとともに、後述するように、車両の工場出荷後、ECU2によって学習モデルを作成する際に参照される。
次に、図5を参照しながら、ECU2によって実行される学習モデル作成処理について説明する。この処理は、車両の工場出荷後、運転者による車両の運転中において、所定の周期(例えば数十msec)で実行される。
本処理では、まずステップ20において、4つの入力変数(NE,Pin,Q,φegr)のデータをサンプリングし、RAMに記憶する。次に、ステップ21に進み、第3サンプリング回数N3をインクリメントする。この第3サンプリング回数N3は、ステップ20におけるサンプリングの実行回数を表すものであり、その初期値は0に設定される。
次に、ステップ22において、第3サンプリング回数N3が所定値K3(例えば3桁の整数)以上になったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ22の判別結果がYESで、ステップ20でのサンプリング回数が所定値K3に達したときには、ステップ23に進み、第3サンプリング回数N3をリセットする。
次いで、ステップ24に進み、学習データのサンプリングを実行する。具体的には、RAMに記憶されている4つの入力変数(NE,Pin,Q,φegr)から成るK3組のデータ(K3行4列の行列データ)に対し、前記式(1)〜(3)により、K3個のマハラノビス距離DMAを算出した後、K3組のデータから、マハラノビス距離DMAに比例した確率で、M2(例えば2桁の整数)個の4つの入力変数データを要素とする行列データ(M2行4列の行列データ)を、学習データとしてサンプリングする。
次に、ステップ25において、学習モデルのデータを算出する。具体的には、ステップ24でサンプリングしたM2組の行列データの各組の行列に対し、ROM内の参照モデルを参照することによって、排気温度の学習値Tex_lrnを算出する。この場合、補間演算手法が用いられる。これにより、5つのパラメータ(NE,Pin,Q,φegr,Tex_lrn)を要素とするM2組の1行行列データ(M2行5列の行列データ)が、学習モデルのデータとして算出される。
次いで、ステップ26に進み、以上のように算出したM2組のデータを、学習モデルの一部のデータとして、E2PROM内に書き込んだ後、本処理を終了する。この場合、M2組のデータは、M2組分の最も古い学習モデルのデータに上書きされる。このように学習モデルのデータが更新された場合、更新されたデータに基づき、前述した2つのモデルパラメータλ,σが再度、算出される。
以上のように作成及び学習されたプラントモデルを用い、次式(4)及び(5)によって、排気温度の推定値Tex_estが算出される。
Figure 0006533816
Figure 0006533816
式(4)は、カーネル関数としてガウスカーネル関数を用いたカーネルリッジ回帰手法から導出した回帰モデル式であり、右辺のxは、今回の制御タイミングで実際にサンプリングした4つの入力変数(NE,Pin,Q,φegr)のデータを要素とする1行行列であり、右辺のx(j)は、前述した学習モデルにおける、今回の制御タイミングでサンプリングしたxに最も近い入力変数のデータを要素とする行列である。
さらに、式(4)のαは、式(5)で定義される係数ベクトルであり、残差平方和が最小になるように導出される。式(5)のKは、Kij=k(x(j),x(i))を(i,j)成分とする行列であり、各サンプリングデータ間の類似性を表す。また、式(5)のInは、n次の単位行列であり、yは、x(j)に対応する排気温度の学習値Tex_lrnである。
以上のように算出された排気温度の推定値Tex_estは、エンジン3の制御に用いられ、例えばEGR制御において、EGR弁開度φegrの目標値である目標EGR弁開度を算出するのに用いられる。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン3の内部状態を表す4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)が検出されるとともに、検出された多数の運転パラメータを用いて、これらの運転パラメータとエンジン3の出力である排気温度Texとの相関性を表すプラントモデル(参照モデル)が作成される。その際、K1個の運転パラメータのデータの各々についてマハラノビス距離DMAを算出するとともに、算出したマハラノビス距離DMAが大きい方のM1個のデータが選択され、プラントモデルの作成に用いられる。これにより、中心点からの距離が小さいデータを含むすべてのデータを用いた場合と比較して、データ数が少ない条件下で、モデル化誤差が低減されたプラントモデルを効率良く高い精度で作成することができる。
次に、エンジン3の状態を判定する各種の判定処理について説明する。この状態判定は、前述した排気温度の推定値Tex_estを算出するための参照モデルの入力変数である運転パラメータに誤差やずれが生じると、運転パラメータ間の相関性が低下し、それに伴ってマハラノビス距離DMAが増加することに着目したものである。具体的には、参照モデルの作成時に入力変数として用いられた4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)について算出された多数のマハラノビス距離(以下「モデル作成時マハラノビス距離DMAM」という)(図8参照)を基準とし、これに基づいてしきい値を設定するとともに、その後のエンジン3の運転中に得られた運転パラメータのマハラノビス距離(以下「運転時マハラノビス距離」という)DMAを、しきい値と比較することによって、入力変数の誤差やずれの原因になるような、センサの異常や劣化などを含むエンジン3の状態を判定するものである。
これらの判定処理のうち、図6及び図7は、第1実施形態によるセンサの異常判定処理を示す。この判定処理は、前述した4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)の検出系を構成するセンサの異常を判定するものである。
まず、図6のしきい値設定処理では、異常判定用のしきい値D_ABNを設定する(ステップ40)。この処理は、図2の処理による参照モデルの作成が完了した後に1回、実行される。このしきい値D_ABNは、上述したモデル作成時マハラノビス距離DMAMに対して、異常とみなされるマハラノビス距離DMAの下限を規定するものであり、モデル作成時マハラノビス距離DMAMの最大値D_MAXを基準とし、それよりも大きな値に設定される。
このようなしきい値D_ABNの設定は、図8に示すように、最大値D_MAXを通る等マハラノビス距離線の外側に、しきい値D_ABNを通る等マハラノビス距離線(以下「しきい値線」という)Xを設定することに相当し、しきい値D_ABNの値が小さいほど、異常判定としてより厳しいことを意味する。また、しきい値D_ABNは、排ガス特性(エミッション)に対する法規制や車両の使用環境なども加味して設定され、例えば法規制の強化に対応する場合には、より小さな値に設定される。
図7の異常判定処理は、エンジン3の通常の運転中に実行される。本処理では、まずステップ50において、参照モデル作成時の入力変数と同じ4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)のデータをサンプリングし、1行4列の行列データの状態で、ECU2のRAMに記憶する。
次に、ステップ51に進み、そのサンプリング回数N4をインクリメントした後、ステップ52において、サンプリング回数N4が所定値K4(例えば2桁の整数)に達したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ50及び51に戻り、データのサンプリングとサンプリング回数N4のインクリメントを繰り返す。
サンプリング回数N4が所定値K4に達した場合には(ステップ52:YES)、ステップ53に進み、RAMに記憶された4つの運転パラメータを要素とするK4組のデータ(K4行4列の行列データ)に対し、前記式(1)〜(3)により、各データの運転時マハラノビス距離DMA(1)〜DMA(K4)を算出する。
次に、ステップ54において、運転時マハラノビス距離DMAを指示するインデックス番号iを1に設定した後、ステップ55に進み、運転時マハラノビス距離DMA(i)が、しきい値D_ABNよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESで、運転時マハラノビス距離DMA(i)がしきい値D_ABNよりも大きいとき(図8において点Aのようにしきい値線Xの外側に位置するとき)には、そのデータが異常であると判定し、ステップ56において、その異常データ数N_ABNをインクリメントした後、ステップ57に進む。一方、前記ステップ55の判別結果がNOのときには直接、ステップ57に進む。
このステップ57では、インデックス番号iが所定値K4に達したか否かを判別し、その判別結果がNOのときには、ステップ58において、インデックス番号iをインクリメントした後、前記ステップ55及び56に戻り、運転時マハラノビス距離DMA(i)としきい値D_ABNの比較、及びその比較結果に応じた異常データ数N_ABNのインクリメントを繰り返す。
K4個のすべての運転時マハラノビス距離DMAについてしきい値D_ABNとの比較が完了した場合には(ステップ57:YES)、ステップ59に進み、異常データ数N_ABNが所定値NREF1以上であるか否かを判別する。
このステップ59の判別結果がYESのときには、運転時マハラノビス距離DMAがしきい値D_ABNを超える異常データ数が多く、その原因が、上記4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)の検出系を構成するセンサ(クランク角センサ20、吸気圧センサ23、EGR弁開度センサ25)の異常によるものと判定し、ステップ60において異常フラグF_ABNを「1」にセットした後、本処理を終了する。一方、ステップ59の判別結果がNOのときには、上記のセンサに異常が発生していないと判定し、ステップ61において異常フラグF_ABNを「0」にセットした後、本処理を終了する。
上記のように異常フラグF_ABNが「1」にセットされると、例えば、センサの異常を知らせる警告灯が点灯され、異常なセンサの特定や交換などが促される。
あるいは、本処理において、異常なセンサの特定を行うようにしてもよい。例えば、上述した処理により、異常を示した複数のデータがすでに把握されているので、それらの各データの4つの運転パラメータを、参照モデルの作成に用いられた4つの運転パラメータ(入力変数)と比較する。その結果、異常な値を示す運転パラメータが特定されれば、その運転パラメータを検出するセンサが異常であると判定することができる。
以上のように、本実施形態によれば、異常判定用のしきい値D_ABNを、モデル作成時マハラノビス距離DMAMの最大値D_MAXよりも大きな値に設定するとともに、エンジン3の運転中に検出された4つの運転パラメータから成るK4組のデータに対し、各データの運転時マハラノビス距離DMA(1)〜DMA(K4)を算出する。そして、算出された各運転時マハラノビス距離DMA(i)がしきい値D_ABNを上回った異常データ数N_ABNが所定値NREF1以上のときに、運転パラメータの検出系を構成するセンサに異常が発生していると判定するので、センサの異常判定を適切に行うことができる。
図9及び図10は、本発明の第2実施形態によるセンサの劣化判定処理を示す。この判定処理は、上記の運転パラメータの検出系を構成するセンサの経年的な劣化を判定するものである。
まず、図9のしきい値設定処理では、劣化判定用のしきい値D_DETを設定する(ステップ70)。この処理は、参照モデルの作成が完了した後に1回、実行される。この場合のしきい値D_DETは、センサの経年的な劣化による検出値のずれに伴って増加する運転時マハラノビス距離DMAの上限を規定するものであり、図11に示すように、車両の走行距離DVをパラメータとするしきい値マップの形態で設定される。より具体的には、しきい値D_DETは、車両走行距離DV=0のときの初期値D_INIがモデル作成時マハラノビス距離DMAMの平均値に設定されるとともに、実験結果などに基づき、車両走行距離DVが増加するにつれて次第に増加するように設定される。
図10の劣化判定処理は、エンジン3の通常の運転中に実行される。本処理のステップ80〜82は、図7のステップ50〜52と基本的に同じであり、ステップ80では、上記4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)のデータをサンプリングし、ECU2のRAMに記憶する。このデータサンプリングを、サンプリング回数N5が所定値K5(例えば2桁の整数)に達するまで繰り返す(ステップ81、82)。
次に、ステップ83に進み、RAMに記憶された4つの運転パラメータを要素とするK5組のデータ(K5行4列の行列データ)に対し、前記式(1)〜(3)により、各データの運転時マハラノビス距離DMA(1)〜DMA(K5)を算出するとともに、ステップ84において、その平均値DMA_AVEを算出する。また、ステップ85において、そのときの車両走行距離DVに応じ、図11のしきい値マップを検索することによって、しきい値D_DETを算出する。
次に、ステップ86において、平均値DMA_AVEがしきい値D_DETよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESで、運転時マハラノビス距離の平均値DMA_AVEがしきい値D_DETよりも大きいときには(例えば図11の点B)、4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)の検出系を構成するセンサ(クランク角センサ20、吸気圧センサ23、EGR弁開度センサ25)に、過大な劣化が発生していると判定し、ステップ87において、劣化フラグF_DETを「1」にセットする。次に、後述するステップ89において、劣化によるセンサ検出値のずれ量を学習し、本処理を終了する。
一方、ステップ86の判別結果がNOのときには、上記のセンサに過大な劣化は発生していないと判定し、ステップ88において、劣化フラグF_DETを「0」にセットし、本処理を終了する。
上記ステップ89におけるセンサの検出値のずれ量の算出は、例えば次のようにして行われる。例えばEGR弁開度センサ25の場合には、EGR弁9bを強制的に全閉開度に制御し、その状態においてEGR弁開度センサ25で検出された検出値が、開度=0からの検出値のずれ量として学習される(0点学習)。あるいは、吸気圧センサ23の場合には、大気圧センサが併用されることを前提とし、吸気圧が大気圧と等しいと想定される条件、例えば車両及びエンジン3が停止している条件において検出された大気圧センサと吸気圧センサ23との検出値の差が、吸気圧センサ23の検出値のずれ量として学習される。
以上のように、本実施形態によれば、劣化判定用のしきい値D_DETを、モデル作成時マハラノビス距離DMAMの平均値及び車両走行距離DVに基づいて設定するとともに、運転時マハラノビス距離DMAの平均値DMA_AVEがしきい値D_DETを上回ったときに、運転パラメータを検出するセンサに過大な劣化が発生していると判定する。これにより、センサの劣化判定を適切に行うことができる。また、過大な劣化が発生していると判定されたときに、劣化によるセンサ検出値のずれ量を適切なタイミングで学習することができる。
なお、上記の例では、センサ検出値のずれ量の学習を、過大な劣化が発生していると判定されることを条件として実行しているが、その条件の成否にかかわらず、実行してもよい。
図12及び図13は、本発明の第3実施形態によるエンジン3の運転領域判定処理を示す。この判定処理は、エンジン3の運転領域が、参照モデルの作成時に得られた運転パラメータで表される運転領域(以下「学習領域」という)から逸脱しているか否かを判定するものである。まず、図12のしきい値設定処理では、領域判定用のしきい値D_OPRNを設定する(ステップ90)。この処理は、例えば参照モデルの作成が完了した後に1回、実行される。このしきい値D_OPRNは、参照モデルの作成時の学習領域の外縁を規定するものであり、例えばモデル作成時マハラノビス距離DMAMの最大値D_MAXに設定される。
図13の運転領域判定処理は、エンジン3の通常の運転中に実行される。本処理のステップ100〜102は、図7のステップ50〜〜52と基本的に同じであり、ステップ100において、上記4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)のデータをサンプリングし、ECU2のRAMに記憶する。このデータサンプリングを、サンプリング回数N6が所定値K6(例えば2桁の整数)に達するまで繰り返す(ステップ101、102)。
次に、ステップ103に進み、RAMに記憶された4つの運転パラメータを要素とするK6組のデータ(K6行4列の行列データ)に対し、前記式(1)〜(3)により、各データの運転時マハラノビス距離DMA(1)〜DMA(K6)を算出する。
次のステップ104〜108もまた、図7のステップ54〜〜58と基本的に同じであり、ステップ104において、インデックス番号iを1に設定した後、ステップ105に進み、各運転時マハラノビス距離DMA(i)が、しきい値D_OPRNよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESで、運転時マハラノビス距離DMA(i)がしきい値D_OPRNよりも大きいときには、そのデータで表されるエンジン3の運転領域が学習領域から逸脱していると判定し、ステップ106において、その領域外データ数N_OPRNをインクリメントした後、ステップ107に進む。一方、前記ステップ105の判別結果がNOのときには直接、ステップ107に進む。
このステップ107では、インデックス番号iが所定値K6に達したか否かを判別し、その判別結果がNOのときには、ステップ108において、インデックス番号iをインクリメントした後、前記ステップ105及び106において、運転時マハラノビス距離DMA(i)としきい値D_OPRNの比較、及びその比較結果に応じた領域外データ数N_OPRNのインクリメントを繰り返す。
K6個のすべての運転時マハラノビス距離DMAについてしきい値D_OPRNとの比較が完了した場合には(ステップ107:YES)、ステップ109において、学習領域外と判定された運転パラメータについて、エンジン3の運転状態を学習し、本処理を終了する。この運転状態の学習は、例えば、領域外データ数N_OPRNを考慮するとともに、学習領域外と判定されたデータ(以下「領域外データ」という)を分析することによって行われる。より具体的には、複数の領域外データの中から、互いに同じ又は近似した運転パラメータを示すデータをピックアップするとともに、その運転パラメータを参照モデルの作成時に得られた運転パラメータと比較し、その特異性を把握することによって、エンジン3の運転状態が学習される。このような学習により、例えば運転者の特徴的な運転パターンや運転環境に応じた又は不注意による通常と異なる運転状態などを把握することが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、運転領域判定用のしきい値D_OPRNを、モデル作成時マハラノビス距離DMAMの最大値D_MAXに設定するとともに、運転時マハラノビス距離DMA(i)がしきい値D_OPRNよりも大きいときに、そのデータで表されるエンジン3の運転領域が学習領域から逸脱していると判定する。これにより、学習領域からのエンジン3の運転領域の逸脱の有無を適切に判定することができる。また、領域外データを分析することによって、学習領域を逸脱したエンジン3の運転状態を学習することができる。
図14及び図15は、本発明の第4実施形態によるエンジン3の初期状態判定処理を示す。この判定処理は、エンジン3の通常の運転中に実行される第1〜第3実施形態の判定処理と異なり、工場出荷前やその直後において、新品のエンジン3を対象とし、センサの検出特性やデバイスの動作特性のずれの有無を判定するものである。
図14のしきい値設定処理では、まずステップ120において、エンジン3と同じ構成のN個のサンプル用エンジンのそれぞれについて、モデリング装置50を接続した状態で、図2の処理によって参照モデルを作成し、その際に算出された多数のモデル作成時マハラノビス距離DMAMを平均した平均値DMAM_AVEを得ることによって、N個の平均値DMAM_AVE(1)〜DMAM_AVE(N)を算出する。次に、これらの平均値DMAM_AVE(1)〜(N)をさらに平均することによって、全体平均値DMAM_AVE2を算出する(ステップ121)とともに、初期状態判定用のしきい値D_INIとして設定し(ステップ122)、本処理を終了する。
図15の初期状態判定処理は、図14の処理の後、出荷前の工場内での試験運転又は出荷直後のならし運転などのエンジン3の初期運転中に実行される。そのステップ130〜132は、図7のステップ50〜52と基本的に同じであり、ステップ130では、上記4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)のデータをサンプリングし、ECU2のRAMに記憶する。このデータサンプリングを、サンプリング回数N7が所定値K7(例えば2桁の整数)に達するまで繰り返す(ステップ131、132)。
次に、ステップ133に進み、RAMに記憶された上記4つの運転パラメータから成るK7組のデータ(K7行4列の行列データ)に対し、前記式(1)〜(3)により、各データの運転時マハラノビス距離DMA(1)〜DMA(K7)を算出するとともに、ステップ134において、その平均値DMA_AVEを算出する。
次に、ステップ135において、運転時マハラノビス距離の平均値DMA_AVEがしきい値D_INIよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESで、平均値DMA_AVEがしきい値D_INIよりも大きいときには、上記4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)の検出系を構成するセンサ(クランク角センサ20、吸気圧センサ23、EGR弁開度センサ25)の検出特性、又は4つの運転パラメータに関連するデバイス(例えばスロットル弁機構8、燃料噴射弁4、EGR装置9)の動作特性が、しきい値D_INIで表される中央品の特性に対してずれていると判定し、ステップ136において、初期ずれフラグF_INIを「1」にセットし、本処理を終了する。
一方、ステップ135の判別結果がNOのときには、上記のセンサの検出特性のずれやデバイスの動作特性のずれが発生していないと判定し、ステップ137において、初期ずれフラグF_INIを「0」にセットし、本処理を終了する。
なお、上記のように初期ずれフラグF_INIが「1」にセットされると、例えば、初期ずれを知らせる表示が行われ、それに応じてセンサやデバイスの交換などが適宜、行われる。あるいは、センサの検出値やデバイスの動作量のずれを学習し、その学習値を用いて検出値や動作量を補正するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン3と同じ構成を有する他の複数のサンプル用エンジンを対象として、参照モデルを作成し、その際に算出された多数のモデル作成時マハラノビス距離DMAMを全体として平均した全体平均値DMAM_AVE2を、初期状態判定用のしきい値D_INIとして設定する。そして、エンジン3の初期運転中に算出された運転時マハラノビス距離DMAの平均値DMA_AVEがしきい値D_INIよりも大きいときに、運転パラメータの検出系を構成するセンサの検出特性、及び/又は運転パラメータに関連するデバイスの動作特性が、中央品の特性からずれていると判定する。これにより、新品のエンジン3におけるセンサの検出特性やデバイスの動作特性のずれの有無を適切に判定することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、運転パラメータ(内部状態パラメータ)のデータの分布の中心点からの距離として、マハラノビス距離DMAを用いているが、これに限らず、ユークリッド距離などの、中心点からの距離を表すものであればよい。
また、実施形態では、図2のステップ5におけるモデルデータのサンプリング、及び図5のステップ24における学習データのサンプリングを、マハラノビス距離DMAに比例した確率で行っているが、これに限らず、マハラノビス距離DMAが大きい方から順にサンプリングを行ってもよい。
また、第1〜第4実施形態ではそれぞれ、エンジン3の状態として、センサの異常、センサの劣化、エンジン3の運転領域及びエンジン3の初期状態を判定しているが、これに限らず、エンジン3の運転パラメータ(内部状態パラメータ)のデータの相関性に影響を及ぼすものである限り、エンジン3の他の状態を対象として、その判定を行ってもよい。
さらに、第1〜第4実施形態でそれぞれ示したしきい値の設定方法や、しきい値と比較される運転時マハラノビス距離DMAの算出方法は、あくまでも例示であり、その細部の構成を変更することが可能である。
また、実施形態では、エンジン3の内部状態パラメータとして、前記4つの運転パラメータ(NE,Pin,Q,φegr)を用い、出力パラメータとして排気温度Texを用いている。これに限らず、運転パラメータについては、排気温度Texとの相関性を有する限り、他の適当なパラメータ、例えば点火時期IG、エンジン水温TWやスロットル弁8aの開度などをさらに用いてもよい。また、排気温度Texに代えて、排気の物理量を表す他の排気パラメータ、例えば排気圧力又は排気還流量を用いてもよい。
さらに、本発明は、実施形態のような排気パラメータを出力パラメータとする入出力系に限らず、他の入出力系に適用することが可能である。例えば、エンジン3の吸気の物理量を表す吸気パラメータ(例えば気筒吸気量や過給圧)を出力パラメータとし、吸気パラメータとの相関性を有する複数の運転パラメータを内部状態パラメータとする入出力系に、本発明を適用してもよい。あるいは、例えば車両の自動運転装置では通常、多数のセンサで検出された検出値を入力変数として用い、外界認識などの出力を得るように構成されるので、本発明は、そのような自動運転装置の入出力系に有効に用いることができる。
また、実施形態は、プラントとして車両用の内燃機関を用い、本発明を適用した例であるが、本発明は、これに限らず、船舶用の内燃機関や、他の産業機器を含むプラントに広く適用することが可能である。
1 状態判定装置
2 ECU(しきい値設定手段、状態判定手段、運転時マハラノビス距離算出手段)
3 内燃機関(プラント)
4 燃料噴射弁(デバイス)
8 スロットル弁機構(デバイス)
9 EGR装置(デバイス)
20 クランク角センサ(内部状態パラメータ検出手段)
23 吸気圧センサ(内部状態パラメータ検出手段)
25 EGR弁開度センサ(内部状態パラメータ検出手段)
50 モデリング装置(プラントモデル作成手段)
NE エンジン回転数(内部状態パラメータ)
Pin 吸気圧(内部状態パラメータ)
Q 燃料噴射量(内部状態パラメータ)
φegr EGR弁開度(内部状態パラメータ)
DMA マハラノビス距離(運転時マハラノビス距離)
DMAM モデル作成時マハラノビス距離
Tex 排気温度(出力パラメータ、排気パラメータ)
D_ABN センサの異常判定用のしきい値
D_DET センサの劣化判定用のしきい値
DV 車両走行距離(プラントの運転期間)
D_OPRN 運転領域判定用のしきい値
D_INI 初期状態判定用のしきい値

Claims (9)

  1. プラントの内部状態を表す内部状態パラメータを検出する内部状態パラメータ検出手段と、
    当該検出された多数の内部状態パラメータのデータのうちの、当該データの分布の中心点からの距離が大きい方の所定数のデータを用いて、前記内部状態パラメータと前記プラントの出力を表す出力パラメータとの相関性を表すプラントモデルを作成するプラントモデル作成手段と、
    前記所定数の内部状態パラメータのデータに基づき、前記プラントの状態を判定するためのしきい値を設定するしきい値設定手段と、
    前記プラントモデルが作成された後の前記プラントの運転中に前記内部状態パラメータ検出手段によって検出された多数の前記内部状態パラメータのデータと、前記設定されたしきい値との関係に基づき、前記プラントの状態を判定する状態判定手段と、
    を備えることを特徴とするプラントの状態判定装置。
  2. 前記データの分布の中心点からの距離は、マハラノビス距離であり、前記しきい値設定手段は、前記所定数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離に基づいて、前記しきい値を設定することを特徴とする、請求項1に記載のプラントの状態判定装置。
  3. 前記プラントの運転中に検出された多数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離を、運転時マハラノビス距離として算出する運転時マハラノビス距離算出手段をさらに備え、
    前記状態判定手段は、前記算出された運転時マハラノビス距離を前記しきい値と比較することによって、前記プラントの状態を判定することを特徴とする、請求項2に記載のプラントの状態判定装置。
  4. 前記しきい値設定手段は、前記しきい値として、異常判定用のしきい値を設定し、
    前記状態判定手段は、前記運転時マハラノビス距離が前記異常判定用のしきい値よりも大きいときに、前記内部状態パラメータ検出手段が異常であると判定することを特徴とする、請求項3に記載のプラントの状態判定装置。
  5. 前記しきい値設定手段は、前記しきい値として、劣化判定用のしきい値を前記プラントの運転期間に応じて設定し、
    前記状態判定手段は、前記運転時マハラノビス距離が前記劣化判定用のしきい値よりも大きいときに、前記内部状態パラメータ検出手段が劣化していると判定することを特徴とする、請求項3に記載のプラントの状態判定装置。
  6. 前記状態判定手段は、前記内部状態パラメータ検出手段が劣化していると判定されたときに、当該劣化による内部状態パラメータ検出手段の検出特性のずれを学習することを特徴とする、請求項5に記載のプラントの状態判定装置。
  7. 前記しきい値設定手段は、前記しきい値として、運転領域判定用のしきい値を設定し、
    前記状態判定手段は、前記内部状態パラメータのデータの前記運転時マハラノビス距離が前記運転領域判定用のしきい値よりも大きいときに、そのデータで表される前記プラントの運転領域が、前記プラントモデルの作成時に学習された運転領域から逸脱していると判定することを特徴とする、請求項3に記載のプラントの状態判定装置。
  8. 前記プラントモデル作成手段は、前記プラントと同じ構成を有する他の複数のプラントに対して前記プラントモデルを作成し、
    前記しきい値設定手段は、前記複数のプラントのプラントモデルの作成にそれぞれ用いられた前記所定数の内部状態パラメータのデータのマハラノビス距離に基づき、前記しきい値として、前記プラントの初期状態判定用のしきい値を設定し、
    前記運転時マハラノビス距離算出手段は、前記プラントの初期運転中に前記運転時マハラノビス距離を算出し、
    前記状態判定手段は、前記運転時マハラノビス距離が前記初期状態判定用のしきい値よりも大きいときに、前記プラントの初期状態において、前記内部状態パラメータ検出手段の検出特性のずれ又は前記内部状態に関連するデバイスの動作特性のずれが発生していると判定することを特徴とする、請求項3に記載のプラントの状態判定装置。
  9. 前記プラントは内燃機関であり、
    前記プラントの前記内部状態パラメータは、前記内燃機関の回転数、吸気圧、燃料噴射量及びEGR弁開度であり、
    前記プラントの前記出力パラメータは、前記内燃機関の排気の物理量を表す排気パラメータであることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のプラントの状態判定装置。
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