JP6530128B1 - 被ばく線量管理装置、被ばく線量管理方法、およびプログラム - Google Patents

被ばく線量管理装置、被ばく線量管理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】患者の被ばく線量を精度良く管理できる被ばく線量管理装置を提供する。【解決手段】被ばく線量管理装置1は、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベース21と、患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付ける処方データ受付部12と、放射性医薬品が投与された患者の実投与量のデータを受け付ける実投与量受付部15と、放射性医薬品に対応する実効線量のデータを実効線量データベースから読み出し、実効線量のデータと実投与量のデータとに基づいて患者の被ばく線量を計算する被ばく線量計算部16と、患者の被ばく線量のデータを記録する患者データベース22とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、被ばく線量管理装置、被ばく線量管理方法、およびプログラムに関する。
近年、CT装置、SPECT装置、PET装置といった放射線を用いる検査装置の普及に伴って、医療行為に伴う被ばくへの関心が高まっている(非特許文献1)。SPECT装置やPET装置などの検査では、放射性医薬品が患者に投与され、放射線医薬品に含まれる放射性同位元素から放出されるガンマ線を検出することによって撮影を行う。このガンマ線による患者の被ばく線量を極力低減し、被ばく障害のリスクを把握する観点から、患者の被ばく線量を管理することが重要である。
特許文献1は、被検体に投与された放射性医薬品による被ばく線量の影響を考慮して被ばく線量管理を行うことができる被ばく線量管理装置を開示している。
特開2017−67708号公報
「医療被ばくの適正管理のあり方について」厚生労働省、第4回医療放射線の適切管理に関する検討会、資料1
特許文献1に記載された被ばく線量管理装置は、被検体の核医学診断画像に基づいて放射性医薬品の集積臓器および集積量を同定し、同定した集積量に基づいて被検体の臓器の被ばく線量を求めている。
しかし、このように核医学診断画像に基づいて放射性医薬品の被ばく線量を求める方法は、患者の体格等に起因して誤差を生じるおそれがあった。核医学診断画像には、患者の体内から放出されて撮像装置に到達したガンマ線の線量が反映されるが、患者の体で吸収されるガンマ線の量は異なるため、同じ量の放射性医薬品を投与した場合であっても、撮像装置に到達するガンマ線の量は異なるからである。
本発明は、上記背景に鑑み、患者の被ばく線量を精度良く管理できる被ばく線量管理装置を提供することを目的とする。
本発明の被ばく線量管理装置は、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースと、患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付ける処方データ受付部と、前記放射性医薬品が投与された患者の実投与量のデータを受け付ける実投与量受付部と、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを前記実効線量データベースから読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算する被ばく線量計算部とを備える。
本発明において「実投与量」とは、患者に実際に投与された投与時刻における放射性医薬品の放射能量である。放射性医薬品は、放射性崩壊を起こすために時間と共に放射能量が減少する。「処方量」は、検定時刻を基準として定められる放射能量である。したがって、実投与量は、処方量より増加または減少する。本発明では、実投与量に基づいて、患者の被ばく線量を求めるので、患者の体格等に左右されることなく、被ばく線量を精度良く求めることができる。
本発明の被ばく線量管理装置において、前記処方データは、前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含み、当該被ばく線量管理装置は、前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付ける投与時刻受付部と、前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算する実投与量計算部とを更に含み、前記実投与量受付部は、前記実投与量計算部が計算した実投与量のデータを受け付けてもよい。
本発明の被ばく線量管理装置において、前記処方データ受付部および前記投与時刻受付部は、処方管理システムとネットワークを通じて接続しており、前記処方管理システムから前記処方データおよび前記投与時刻の入力を受け付けてもよい。この構成により、処方管理システムから処方データおよび投与時刻のデータを受け付け、患者の被ばく線量を求めることができる。
本発明の被ばく線量管理装置において、前記投与時刻受付部は、放射性医薬品の投与装置とネットワークを通じて接続しており、前記投与装置から前記投与時刻の入力を受け付けてもよい。この構成により、正確な投与時刻を自動的に入力できる。
本発明の被ばく線量管理装置において、前記実投与量受付部は、放射性医薬品の投与装置とネットワークを通じて接続しており、前記投与装置から前記実投与量のデータを受け付けてもよい。患者に実投与した放射線医薬品の量を管理できる投与装置と連携する場合には、投与装置から放射性医薬品の実投与量のデータを受け付けて患者の被ばく線量を求めることができる。
本発明の被ばく線量管理装置において、前記処方データ受付部は、処方管理システムとネットワークを通じて接続しており、前記処方管理システムから前記処方データを受け付け、前記投与時刻受付部は、患者の画像の撮像時刻に関するデータを管理する撮像時刻管理システムとネットワークを通じて接続しており、前記撮像時刻管理システムから、撮像時刻に関するデータの入力を受け付け、前記処方データに含まれる放射性医薬品の種類に基づき、予め記憶された、放射性医薬品の種類に応じて定まる投与時刻から撮像時刻までの経過時間のデータを用いて、入力された撮像時刻に関するデータから放射性医薬品の投与時刻を算出してもよい。この構成により、放射性薬剤を投与した時刻を手入力しなくても、撮像時刻に関するデータから投与時刻を算出することができる。撮像時刻に関するデータとは、投与時刻から逆算できる撮影中の所定の時刻であれば撮像開始時刻に限定されず、撮像開始から所定の時間が経過した所定の時刻であってもよいし、撮像終了時刻であってもよい。なお、撮像時刻管理システムは、撮像時刻に関するデータを管理するものであればよく、処方管理システムも撮像時刻管理システムに含まれてもよい。
本発明の被ばく線量管理装置は、前記被ばく線量計算部にて計算された前記患者の被ばく線量のデータを出力する出力部を更に備えてもよい。この構成により、患者の被ばく線量のデータを他の病院等で参照することができる。
本発明の被ばく線量管理装置において、実効線量データベースは、安静状態および負荷状態の各々の状態において、放射性医薬品を投与された患者が受ける実効線量を状態別に記憶し、前記処方データ受付部は、安静状態または負荷状態のいずれかの状態別に対応する処方データを受け付け、前記実投与量受付部は、前記状態別に前記実投与量を受け付け、前記被ばく線量計算部は、放射性医薬品の種類および患者の状態に対応する実効線量のデータを前記実効線量データベースから読み出し、前記患者の状態における被ばく線量を計算してもよい。
同じ量の放射性医薬品を投与した場合であっても、放射性医薬品を投与されたときの患者の負荷状態によって被ばく線量が異なることがある。患者の負荷状態を考慮することにより、患者の被ばく量をより精度良く求めることができる。
本発明の被ばく線量管理装置において、前記処方データ受付部は、複数の前記状態別に対応した処方データを受け付け、前記被ばく線量計算部は、複数の状態における被ばく線量を計算してもよい。この構成により、放射性医薬品を投与した後の患者の状態が安静状態と負荷状態の両方の状態をとる場合や安静時に複数回の撮像を行う場合など患者の種々の状態に合わせて、被ばく線量を適切に求めることができる。
本発明の被ばく線量管理装置において、患者が受けた被ばく線量が前回までの被ばく線量に加算して記録する患者データベースを備えてもよい。これにより、患者が受けた被ばく線量の総量を管理することができる。
本発明の被ばく線量管理方法は、被ばく線量管理装置によって患者の被ばく線量を管理する方法であって、前記被ばく線量管理装置が、患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付けるステップと、前記被ばく線量管理装置が、前記放射性医薬品が投与された患者の実投与量のデータを受け付けるステップと、前記被ばく線量管理装置が、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶したデータベースから、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップとを備える。
本発明のプログラムは、患者の被ばく線量を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付けるステップと、前記放射性医薬品が投与された患者の実投与量のデータを受け付けるステップと、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を記憶したデータベースから、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップとを実行させる。
本発明によれば、患者に実投与した放射線医薬品の量に基づいて、患者の被ばく線量を精度良く求めることができる。
第1の実施の形態の被ばく線量管理装置の構成を示す図である。 第1の実施の形態の実効線量DBに記憶されたデータの例を示す図である。 第1の実施の形態の被ばく線量管理装置の動作を示す図である。 第1の実施の形態の被ばく線量管理装置の動作を示す図である。 第2の実施の形態の被ばく線量管理装置の構成を示す図である。 第2の実施の形態の実効線量DBに記憶されたデータの例を示す図である。 第2の実施の形態の被ばく線量管理装置の動作を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の被ばく線量管理装置について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の被ばく線量管理装置1の構成を示す図である。被ばく線量管理装置1は、SPECTやPETの検査により、患者の被ばく線量を管理する装置である。被ばく線量管理装置1は、病院情報システム30、投与装置31および放射線情報システム32とネットワーク40を介して接続されている。
病院情報システム(Hospital Information System)30は、病院全体の診療・会計業務の効率化を目指すシステムの総称である。病院情報システム30は、患者に処方された放射性医薬品の種類および処方量のデータ(以下、これらのデータを総称して「処方データ」という)を有している。処方量とは、検定時刻あたりの放射能量である。また、検定時刻とは、対象となる放射性医薬品の放射能がいつの時点でどれくらいあるかということを示すための基準となる時刻である。放射線情報システム(Radiology Information Systems)32は、主に放射線機器による検査と、治療の予約から検査結果までの管理を行うシステムである。放射線情報システム32も処方データを有している。病院情報システム30および放射線情報システム32は、「処方管理システム」に相当する。投与装置31は、SPECT装置またはPET装置である。本実施の形態において、SPECT装置やPET装置は、撮像の際に患者に投与した放射性医薬品と実投与量のデータを有している。
被ばく線量管理装置1は、病院情報システム30および放射線情報システム32から放射性医薬品の処方データを受け付けて、あるいは、投与装置31から放射性医薬品の実投与量のデータを受け付けて患者の被ばく線量を計算して管理する。放射性医薬品の種類には、放射性医薬品に予め設定したIDを用いてもよいし、放射性医薬品の一般名または商品名を用いてもよい。なお、本実施の形態では、処方データを病院情報システム30、放射線情報システム32から取得する例を挙げたが、処方データは、放射性医薬品メーカーが提供するWebオーダーシステムから入手してもよい。Webオーダーシステムも「処方管理システム」に該当する。
被ばく線量管理装置1は、入力部10と、通信部11と、処方データ受付部12と、投与時刻受付部13と、実投与量計算部14と、実投与量受付部15と、被ばく線量計算部16と、患者の被ばく線量のデータを記憶する患者データベース(以下、「患者DB」という)22を有している。入力部10は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。入力部10は、処方データの入力を受け付けることもできる。通信部11は、病院情報システム30、投与装置31および放射線情報システム32と通信する機能を有する。
処方データ受付部12は、入力部10または通信部11を通じて入力された処方データを受け付ける機能を有する。投与時刻受付部13は、入力部10または通信部11を通じて入力された投与時刻のデータを受け付ける機能を有する。
実投与量計算部14は、処方データと投与時刻のデータとから放射性医薬品の実投与量を計算する機能を有する。放射性医薬品は、放射性崩壊をするため、時間の経過とともに放射能が低減する。実投与量計算部14は、放射性医薬品のデータを記憶した医薬品データベース(以下、「医薬品DB」という)20と接続されている。医薬品DB20には、放射性医薬品の半減期のデータが記憶されている。半減期は、放射性医薬品の放射能が半分に減るまでの時間である。実投与量計算部14は、検定時刻と投与時刻とに基づいて、放射性医薬品の種類に応じた処方量のデータおよび半減期から、投与時刻における放射性医薬品の放射能量を求めることにより、放射性医薬品の実投与量を計算する。
実投与量受付部15は、放射性医薬品の実投与量のデータを受け付ける機能を有する。入力部10または通信部11から処方データおよび投与時刻のデータが入力されたときには、実投与量計算部14にて計算された実投与量が入力される、入力部10または通信部11から放射性医薬品の実投与量のデータが入力された場合には、実投与量受付部15は入力された実投与量のデータを受け付ける。
被ばく線量計算部16は、放射性医薬品の実投与量に基づいて、放射性医薬品を投与された患者が受ける被ばく線量を計算する。被ばく線量計算部16は、実効線量データベース(以下、「実効線量DB」という)21と接続されている。
図2は、実効線量DB21に記憶されたデータの例を示す図である。実効線量DB21には、放射性医薬品の一般名と、商品名と、実効線量のデータとが記憶されている。実効線量DB21の記憶されるデータとしては、国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告した実効線量のデータを用いることができる。実効線量DB21には、ICRP勧告と同様に、核種のデータや、臓器別の吸収線量(mGy/MBq)のデータを記憶してもよい。
被ばく線量計算部16は、実効線量DB21から計算対象の放射性医薬品の実効線量のデータを読み出し、読み出した実効線量と実投与量計算部14で計算した実投与量とに基づいて、患者の被ばく線量を計算する。被ばく線量計算部16は、後述する出力部17に計算結果を出力する。また、計算により求めた患者の被ばく線量のデータは患者DB22に記憶してもよい。患者の被ばく線量データを患者DB22に蓄積していくことにより、すなわち、今回の被ばく線量データを前回までの被ばく線量データに加算していくことにより、患者の被ばく線量の総量を管理することができる。
出力部17は、被ばく線量計算部16が計算した計算結果や患者DB22に記憶されている患者の被ばく線量データを出力する機能を有する。出力部17は、例えば、所定の患者の被ばく線量のデータをモニタ上に表示してもよい。この際、被ばく線量の履歴を時系列に表示してもよい。また、出力部17は、患者の被ばく線量のデータを病院情報システム30や放射線情報システム32等の他のシステムに対して出力してもよい。これにより、他のシステムでも患者の被ばく線量を管理でき、どのような検査を行うか計画を立てることができる。
図3は、第1の実施の形態の被ばく線量管理装置1の動作を示す図である。被ばく線量管理装置1は、放射性医薬品の種類、処方量、および検定時刻を含む処方データと、投与時刻のデータとを受け付ける(S10)。被ばく線量管理装置1は、病院情報システム30や放射線情報システム32から処方データを受信して受け付けてもよいし、入力部10からの入力を受け付けてもよい。
被ばく線量管理装置1は、処方データのうちの処方量および検定時刻と、投与時刻のデータとに基づいて、放射性医薬品の実投与量を計算する(S11)。続いて、被ばく線量管理装置1は、実効線量DB21から対象の放射性医薬品の実効線量のデータを読み出し、実効線量のデータと実投与量とに基づいて患者の被ばく線量のデータを計算する(S12)。被ばく線量管理装置1は、被ばく線量のデータを患者DB22に記録する(S13)。
図4は、第1の実施の形態の被ばく線量管理装置1の動作を示す図であり、投与装置31からデータを受け付けて患者の被ばく線量を管理する例である。被ばく線量管理装置1は、投与装置31から、放射性医薬品、実投与量のデータを受け付ける(S20)。被ばく線量管理装置1は、実効線量DB21から対象の放射性医薬品の実効線量のデータを読み出し、実効線量のデータと実投与量とに基づいて患者の被ばく線量を計算し(S21)、求めた被ばく線量のデータを患者DB22に記録する(S22)。
以上、本実施の形態の被ばく線量管理装置1の構成について説明したが、上記した被ばく線量管理装置1のハードウェアの例は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、マウス、通信インターフェース等を備えたコンピュータである。上記した各機能を実現するモジュールを有するプログラムをRAMまたはROMに格納しておき、CPUによって当該プログラムを実行することによって、上記した被ばく線量管理装置1が実現される。このようなプログラムも本発明の範囲に含まれる。
本実施の形態の被ばく線量管理装置1は、患者に実投与した放射線医薬品の量に基づいて被ばく線量を計算するので、患者の体格等に左右されることなく、被ばく線量を精度良く求めることができる。また、投与時刻と検定時刻とに基づいて求めた実投与量に基づいて、精度良く被ばく線量を求めることができる。
また、投与装置31から、放射性医薬品の実投与量のデータを受信して被ばく線量を計算する場合には、撮像時に使った放射性医薬品の量に基づくデータを使うので、より正確に被ばく線量を求めることができる。
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態の被ばく線量管理装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の被ばく線量管理装置2の基本的な構成は、第1の実施の形態の被ばく線量管理装置1と同じであるが、第2の実施の形態の被ばく線量管理装置2は、SPECT、PET検査を行ったときの患者の負荷状態にも基づいて被ばく線量を求める点が異なる。軽い運動をさせる等の負荷をかけた状態の患者に放射性医薬品を投与すると、安静状態の患者に放射性薬品を投与した場合に比べて、被ばく線量が小さくなる。これは、負荷状態においては血流が活発になり、放射性医薬品が早期に体外に排出されるためである。
図6は、第2の実施の形態の実効線量DB21に記憶されたデータの例を示す図である。実効線量DB21には、放射線医薬品の一般名と、商品名と、負荷状態と、実効線量のデータとが記憶されている。実効線量としては、安静時/負荷時のいずれの負荷状態であったかに応じて、それに対応する実効線量のデータが記憶されている。
図7は、第2の実施の形態の被ばく線量管理装置2の動作を示す図である。被ばく線量管理装置2は、放射性医薬品、処方量、検定時刻、および負荷状態を含む処方データと、投与時刻のデータとを受け付ける(S30)。被ばく線量管理装置2は、病院情報システム30や放射線情報システム32から処方データを受信して受け付けてもよいし、入力部10からの入力を受け付けてもよい。被ばく線量管理装置2は、処方データの処方量、検定時刻、投与時刻のデータに基づいて、放射性医薬品の実投与量を計算する(S31)。続いて、被ばく線量管理装置2は、実効線量DB21から対象の放射性医薬品の実効線量のデータを読み出し、実効線量のデータと実投与量と負荷状態とに基づいて患者の被ばく線量のデータを計算する(S32)。被ばく線量管理装置2は、被ばく線量のデータを患者DB22に記録する(S33)。
図7では、被ばく線量管理装置2が処方データを受け付けた場合の動作について説明したが、被ばく線量管理装置2が、投与装置31から、放射性医薬品、実投与量および負荷状態のデータを受け付けた場合の動作については、図4で示した動作と基本的に同じである。第2の実施の形態では、実投与量に加えて、患者の負荷状態にも基づいて実効線量DB21から実効線量のデータを読み出して、患者の被ばく線量を計算する。
第2の実施の形態の被ばく線量管理装置2は、放射性医薬品が投与されたときの患者の負荷状態も踏まえて被ばく線量を求めるので、より精度良く、患者の被ばく線量を求めることができる。
以上、本発明の被ばく線量管理装置について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。上記した実施の形態では、放射性医薬品を用いて行うSPECT、PETの検査での被ばく量を管理する例を挙げているが、上記の患者DB22には、CT装置やX線装置等による被ばく線量も合わせて管理してもよい。また、出力部17によって、他のシステムに対して、放射性医薬品による患者の被ばく量のデータを出力することで、他のシステムでCT装置やX線装置の被ばく線量等と共に、包括的に患者の被ばく量を管理してもよい。
上記した実施の形態の被ばく線量管理装置は、医療用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)と接続され、PACSから撮像時刻のデータを受信し、受信したデータから実投与量を算出することとしてもよい。ここでは、PACSから撮像開始時刻のデータを受信する例を挙げているが、画像を管理する他のシステムから、撮像時刻に関するデータを受信することであればよい。撮像時刻に関するデータは、投与時刻から逆算できる撮影中の所定の時刻であれば撮像開始時刻に限定されず、撮像開始から所定の時間が経過した所定の時刻であってもよいし、撮像終了時刻であってもよい。PACS以外の患者の画像の撮像時刻に関するデータを管理する撮像時刻管理システムとしては、SPECT装置またはPET装置などの核医学画像検査装置であってもよいし、放射線科情報システムや病院情報システムであってもよい。
撮像時刻を使って実投与量を算出する場合には、まず、撮像時刻から放射性医薬品の投与時刻を算出する。放射性医薬品を投与してから撮像を行うまでの経過時間は、放射性医薬品の種類によって定められているので、撮像時刻のデータから投与時刻を逆算できる。撮像時に投与した放射性医薬品の情報(すなわち、放射性医薬品の種類、処方量、検定時刻、投与時刻等)は、放射線科情報システムから取得する。なお、放射性医薬品を投与してから撮像を行うまでの経過時間は、病院によって異なることがあるので、被ばく線量管理装置を利用する病院が放射性医薬品ごとの経過時間を設定することができるようにしてもよい。
投与時刻を求めた後は、検定時刻と投与時刻とを用いて放射性医薬品の実投与量を計算する。すなわち、放射性医薬品の種類に応じた処方量のデータおよび半減期から、投与時刻における放射性医薬品の放射能量を求めることにより、放射性医薬品の実投与量を計算する。そして、実効線量データベースを参照して、放射性医薬品の実投与量から患者の被ばく線量を計算する。
本発明は、患者の被ばく線量を管理する装置等として有用である。
1,2 被ばく線量管理装置
10 入力部
11 通信部
12 処方データ受付部
13 投与時刻受付部
14 実投与量計算部
15 実投与量受付部
16 被ばく線量計算部
17 出力部
20 医薬品DB
21 実効線量DB
22 患者DB
30 病院情報システム
31 投与装置
32 放射線情報システム
40 ネットワーク

Claims (14)

  1. 放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースと、
    患者に投与される放射性医薬品の種類、および前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含む処方データを受け付ける処方データ受付部と、
    ネットワークを通じて接続された放射性医薬品の投与装置から、前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付ける投与時刻受付部と、
    前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算する実投与量計算部と、
    前記実投与量計算部が計算した実投与量のデータを受け付ける実投与量受付部と、
    前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを前記実効線量データベースから読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算する被ばく線量計算部と、
    を備える被ばく線量管理装置。
  2. 放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースと、
    患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付ける処方データ受付部と、
    ネットワークを通じて接続された放射性医薬品の投与装置から前記実投与量のデータを受け付ける実投与量受付部と、
    前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを前記実効線量データベースから読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算する被ばく線量計算部と、
    を備える被ばく線量管理装置。
  3. 前記処方データ受付部は、ネットワークを通じて接続された処方管理システムから前記処方データの入力を受け付ける請求項2に記載の被ばく線量管理装置。
  4. 放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースと、
    ネットワークを通じて接続された処方管理システムから、患者に投与される放射性医薬品の種類、および前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含む処方データを受け付ける処方データ受付部と、
    前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付ける投与時刻受付部と、
    前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算する実投与量計算部と、
    前記実投与量計算部が計算した実投与量のデータを受け付ける実投与量受付部と、
    前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを前記実効線量データベースから読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算する被ばく線量計算部と、
    を備え
    前記投与時刻受付部は、患者の画像の撮像時刻に関するデータを管理する撮像時刻管理システムとネットワークを通じて接続しており、前記撮像時刻管理システムから、撮像時刻に関するデータの入力を受け付け、
    前記処方データに含まれる放射性医薬品の種類に基づき、予め記憶された、放射性医薬品の種類に応じて定まる投与時刻から撮像時刻までの経過時間のデータを用いて、入力された撮像時刻に関するデータから放射性医薬品の投与時刻を算出する被ばく線量管理装置。
  5. 前記被ばく線量計算部にて計算された前記患者の被ばく線量のデータを出力する出力部を更に備える請求項1乃至のいずれか一項に記載の被ばく線量管理装置。
  6. 前記実効線量データベースは、安静状態および負荷状態の各々の状態において、放射性医薬品を投与された患者が受ける実効線量を状態別に記憶し、
    前記処方データ受付部は、安静状態または負荷状態のいずれかの状態別に対応する処方データを受け付け、
    前記実投与量受付部は、前記状態別に前記実投与量を受け付け、
    前記被ばく線量計算部は、放射性医薬品の種類および患者の状態に対応する実効線量のデータを前記実効線量データベースから読み出し、前記患者の状態における被ばく線量を計算する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の被ばく線量管理装置。
  7. 前記処方データ受付部は、複数の前記状態別に対応した処方データを受け付け、
    前記被ばく線量計算部は、複数の状態における被ばく線量を計算する、請求項に記載の被ばく線量管理装置。
  8. 患者が受けた被ばく線量が前回までの被ばく線量に加算して記録する患者データベースを備える請求項1乃至のいずれか一項に記載の被ばく線量管理装置。
  9. 被ばく線量管理装置によって患者の被ばく線量を管理する方法であって、
    前記被ばく線量管理装置が、患者に投与される放射性医薬品の種類、および前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含む処方データを受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、ネットワークを通じて接続された放射性医薬品の投与装置から、前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算するステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、前記実投与量のデータを計算するステップにて計算した実投与量のデータを受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースから前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップと、
    を備える被ばく線量管理方法。
  10. 被ばく線量管理装置によって患者の被ばく線量を管理する方法であって、
    前記被ばく線量管理装置が、患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、ネットワークを通じて接続された放射性医薬品の投与装置から実投与量のデータを受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースから、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップと、
    を備える被ばく線量管理方法。
  11. 被ばく線量管理装置によって患者の被ばく線量を管理する方法であって、
    前記被ばく線量管理装置が、ネットワークを通じて接続された処方管理システムから、患者に投与される放射性医薬品の種類、および前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含む処方データを受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算するステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、前記実投与量のデータを計算するステップにて計算した実投与量のデータを受け付けるステップと、
    前記被ばく線量管理装置が、放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースから、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップと、
    を備え
    前記投与時刻の入力を受け付けるステップでは、患者の画像の撮像時刻に関するデータを管理する撮像時刻管理システムとネットワークを通じて接続しており、前記撮像時刻管理システムから、撮像時刻に関するデータの入力を受け付け、
    前記処方データに含まれる放射性医薬品の種類に基づき、予め記憶された、放射性医薬品の種類に応じて定まる投与時刻から撮像時刻までの経過時間のデータを用いて、入力された撮像時刻に関するデータから放射性医薬品の投与時刻を算出する被ばく線量管理方法。
  12. 患者の被ばく線量を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、
    患者に投与される放射性医薬品の種類、および前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含む処方データを受け付けるステップと、
    ネットワークを通じて接続された放射性医薬品の投与装置から、前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付けるステップと、
    前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算するステップと、
    前記実投与量のデータを計算するステップにて計算した実投与量のデータを受け付けるステップと、
    放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースから前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップと、
    を実行させるプログラム。
  13. 患者の被ばく線量を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、
    患者に投与される放射性医薬品の種類を含む処方データを受け付けるステップと、
    ネットワークを通じて接続された放射性医薬品の投与装置から実投与量のデータを受け付けるステップと、
    放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースから、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップと、
    を実行させるプログラム。
  14. 患者の被ばく線量を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、
    ネットワークを通じて接続された処方管理システムから、患者に投与される放射性医薬品の種類、および前記放射性医薬品の検定時刻あたりの放射能量を示す処方量を含む処方データを受け付けるステップと、
    前記処方データに従って前記放射性医薬品が患者に投与された投与時刻の入力を受け付けるステップと、
    前記処方量および前記投与時刻に基づいて、放射性医薬品の患者への実投与量のデータを計算するステップと、
    前記実投与量のデータを計算するステップにて計算した実投与量のデータを受け付けるステップと、
    放射性医薬品を投与された患者が受ける投与量あたりの実効線量を放射性医薬品の種類ごとに記憶した実効線量データベースから、前記放射性医薬品に対応する実効線量のデータを読み出し、前記実効線量のデータと前記実投与量のデータとに基づいて前記患者の被ばく線量を計算するステップと、
    を実行させ、
    前記投与時刻の入力を受け付けるステップでは、患者の画像の撮像時刻に関するデータを管理する撮像時刻管理システムとネットワークを通じて接続しており、前記撮像時刻管理システムから、撮像時刻に関するデータの入力を受け付け、
    前記処方データに含まれる放射性医薬品の種類に基づき、予め記憶された、放射性医薬品の種類に応じて定まる投与時刻から撮像時刻までの経過時間のデータを用いて、入力された撮像時刻に関するデータから放射性医薬品の投与時刻を算出するプログラム。
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