JP6528657B2 - スポット溶接継手及びその溶接方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、側梁と横梁と車体の内部骨組とを高抗張力鋼として、車体の外板をステンレス鋼として、ステンレス鋼と高抗張力鋼とを溶接して得られた車両の車体構造が開示されている。
また、非特許文献1には、ステンレス鋼を炭素鋼管に溶接して得られた海洋鋼構造物が開示されている。
特許文献1〜3及び非特許文献1に開示されるように、ステンレス鋼と炭素鋼との溶接継手が種々の分野において採用されている。
本発明は、このような実情に鑑み、十分な引張せん断強さを有するステンレス鋼板と炭素鋼板との溶接継手を提供することを課題とする。
(1)重ね合わされたステンレス鋼板と炭素鋼板がナゲットにより接合されているスポット溶接継手において、
前記炭素鋼板は、少なくとも前記ステンレス鋼板との重ね合わせ面側の表面に厚さが3〜50μmのNi系めっき層を有し、
前記ステンレス鋼板と前記炭素鋼板は、前記ナゲットにより接合されているとともに、前記Ni系めっき層の溶融凝固部により接合されており、
前記溶融凝固部は、前記ナゲットの周囲であって、前記ステンレス鋼板と前記炭素鋼板の重ね合わせ面の間に位置し、
前記ナゲットの中心を含む前記炭素鋼板の厚さ方向の断面において、当該炭素鋼板の重ね合わせ面に平行な方向のナゲットの端部から当該ナゲットから離れる方向の前記溶融凝固部の長さは、当該平行な方向のナゲットの長さ(mm)の0.3倍以上である
ことを特徴とするスポット溶接継手。
(2)前記ステンレス鋼板に対する前記炭素鋼板の接合箇所周囲の板厚比が6.0以上であることを特徴とする前記(1)に記載のスポット溶接継手。
(3)ステンレス鋼板と炭素鋼板を重ね合わせてスポット溶接する方法において、
炭素鋼板の少なくともステンレス鋼板との重ね合わせ面側の表面に厚さが3〜50μmとなるようにNi系めっきを施し、
前記ステンレス鋼板とNi系めっき層を有する炭素鋼板とを重ね合わせて溶接電極により挟み込みスポット溶接を行い、ナゲットを形成するとともに、当該ナゲットの周囲であって、当該ステンレス鋼板と当該炭素鋼板の重ね合わせ面の間に前記Ni系めっき層の溶融凝固部を形成するものであり、
前記スポット溶接の際、溶接電極先端の直径、通電電流、通電時間及び溶接電極の加圧力の1又は2以上を調整して、前記ナゲットの中心を含む前記炭素鋼板の厚さ方向の断面において、当該炭素鋼板の重ね合わせ面に平行な方向のナゲットの端部から当該ナゲットから離れる方向の前記溶融凝固部の長さを、当該平行な方向のナゲットの長さ(mm)の0.3倍以上とする
ことを特徴とするスポット溶接方法。
(4)前記ステンレス鋼板に対する前記炭素鋼板の接合予定箇所の板厚比が6.0以上であるステンレス鋼板及び炭素鋼板を用いることを特徴とする前記(3)に記載のスポット溶接方法。
本発明の継手について、図面を用いて説明する。
このように、Ni系めっき層の溶融凝固部6の長さLを規定することで、十分な引張せん断強さを有する溶接継手となる。
まず、本発明の溶接法では、ステンレス鋼板と炭素鋼板を準備する。例えば、ステンレス鋼板として、板厚0.2〜3.0mmのオーステナイト系ステンレス鋼板(SUS304)を準備し、炭素鋼板として、板厚1.0〜20.0mmのC含有量が0.48質量%以下の炭素鋼板(SS400)を準備する。
スポット溶接されるステンレス鋼板の成分組成や組織等は、特に限定されるものでない。例えば、Feを主成分としてCrを10.5質量%以上含む合金で構成される、オーステナイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、2相ステンレス、マルテンサイト系ステンレスとすることができる。
炭素鋼板の成分組成や組織等は、特に限定されるものでない。例えば、C含有量は0.48質量%以下、Mn含有量は2.5質量%以下、P含有量は0.05質量%以下、及び、S含有量は0.05質量%以下含有し、残部がFe及び不可避的不純物より炭素鋼板とすることができる。また、C含有量は0.01質量%以上0.30質量%以下、Mn含有量は0.40質量%以上1.8質量%以下、P含有量は0.03質量%以下、及び、S含有量は0.03質量%以下が好ましい。また、使用態様に応じて、必要な機械特性等が得られるように、更に、Si、Al、N、Ti、Nb、Cr、Cu、Ni、B、Mo、W、及び、Vの1種又は2種以上を含有させてもよい。
ステンレス鋼板に対する炭素鋼板の接合箇所周囲及び溶接予定箇所の板厚比を6.0以上にすることができる。板厚比が大きい被溶接部材の溶接において、ナゲットの直径を大きくすることが難しく、十分な引張せん断強さを有する溶接継手を得ることができない。本発明では、ナゲットの周囲にNi系めっき層の溶融凝固部を設けるので、板厚比の大きい被溶接部材の溶接継手において、接合面積が増加し、十分な引張せん断強さの溶接継手を得ることができる。
なお、接合箇所周囲とは、鋼板の重ね合わせ面において、ナゲットから遠い側のNi系めっき層の溶融凝固部の端部から、該溶融凝固部から離れる方向に10mm以内の部分のことであり、溶接継手の接合箇所周囲の板厚は、溶接前の鋼板の溶接予定箇所の板厚と一致する。
ナゲットは、ステンレス鋼板と炭素鋼板の重ね合わせ面に被覆されたNi系めっき層、ステンレス鋼板、及び、炭素鋼板が溶融し、凝固したものであり、Niを含有している。また、炭素鋼板側から平面視したときのナゲットの円相当直径(ナゲットの長さ)は、特に限定されるものでなく、薄い側の鋼板の板厚t(mm)に対し、2.5√t以上が例示される。
Ni系めっき層の溶融凝固部は、ナゲットの周囲であって、ステンレス鋼板と炭素鋼板の重ね合わせ面の間に位置しており、炭素鋼板に対してステンレス鋼板を上側とすると、Ni系めっき層の溶融凝固部は、上側から平面視したとき、ナゲットの外側に円環状となっている。
溶接条件は、特に限定されるものでなく、通常の溶接条件を採用することができる。例えば、電極をドームラジアス型の先端直径4〜8mmのものとし、溶接電極の加圧力100〜600kgf、通電時間0.1〜0.8s、通電電流4〜16kAとすることができる。スポット溶接において、電極先端直径、加圧力又は通電時間を増加させることで、Ni系めっき層の溶融凝固部の長さを長くすることができ、通電電流を増加させることで、ナゲットの長さ(ナゲットの円相当直径)を長くすることができる。そのため、電極先端直径、加圧力、通電時間及び通電電流の1又は2以上を鋼板の板厚や成分組成等に応じて調整し、Ni系めっき層の溶融凝固部の長さをナゲットの長さの0.3倍以上とする。
2 ステンレス鋼板
3 炭素鋼板
4 Ni系めっき層
5 ナゲット
6 Ni系めっき層の溶融凝固部
Ln ナゲットの長さ
L Ni系めっき層の溶融凝固部の長さ
ta Ni系めっき層の厚さ
Claims (4)
- 重ね合わされたステンレス鋼板と炭素鋼板がナゲットにより接合されているスポット溶接継手において、
前記炭素鋼板は、少なくとも前記ステンレス鋼板との重ね合わせ面側の表面に厚さが3〜50μmのNi系めっき層を有し、
前記ステンレス鋼板と前記炭素鋼板は、前記ナゲットにより接合されているとともに、前記Ni系めっき層の溶融凝固部により接合されており、
前記溶融凝固部は、前記ナゲットの周囲であって、前記ステンレス鋼板と前記炭素鋼板の重ね合わせ面の間に位置し、
前記ナゲットの中心を含む前記炭素鋼板の厚さ方向の断面において、当該炭素鋼板の重ね合わせ面に平行な方向のナゲットの端部から当該ナゲットから離れる方向の前記溶融凝固部の長さは、当該平行な方向のナゲットの長さ(mm)の0.3倍以上である
ことを特徴とするスポット溶接継手。 - 前記ステンレス鋼板に対する前記炭素鋼板の接合箇所周囲の板厚比が6.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接継手。
- ステンレス鋼板と炭素鋼板を重ね合わせてスポット溶接する方法において、
炭素鋼板の少なくともステンレス鋼板との重ね合わせ面側の表面に厚さが3〜50μmとなるようにNi系めっきを施し、
前記ステンレス鋼板とNi系めっき層を有する炭素鋼板とを重ね合わせて溶接電極により挟み込みスポット溶接を行い、ナゲットを形成するとともに、当該ナゲットの周囲であって、当該ステンレス鋼板と当該炭素鋼板の重ね合わせ面の間に前記Ni系めっき層の溶融凝固部を形成するものであり、
前記スポット溶接の際、溶接電極先端の直径、通電電流、通電時間及び溶接電極の加圧力の1又は2以上を調整して、前記ナゲットの中心を含む前記炭素鋼板の厚さ方向の断面において、当該炭素鋼板の重ね合わせ面に平行な方向のナゲットの端部から当該ナゲットから離れる方向の前記溶融凝固部の長さを、当該平行な方向のナゲットの長さ(mm)の0.3倍以上とする
ことを特徴とするスポット溶接方法。 - 前記ステンレス鋼板に対する前記炭素鋼板の接合予定箇所の板厚比が6.0以上であるステンレス鋼板及び炭素鋼板を用いることを特徴とする請求項3に記載のスポット溶接方法。
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