JP6528499B2 - 画像形成装置、制御方法、および制御プログラム - Google Patents

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Description

本開示は、画像形成装置の制御に関し、特に、タッチパネルを備える画像形成装置の制御に関する。
従来、ユーザーが画面上の位置を指示することができる入力装置が普及している。入力装置としては、タッチパネルやデジタイザなどが挙げられる。当該入力装置は、ユーザーによって入力される指示位置を一定時間ごとにサンプリングする。近年では、指示位置のサンプリング間隔を適切に制御するための技術が開発されている。
たとえば、特開平9−146689号公報(特許文献1)は、「筆記を行っている時に、筆記する領域ごとにサンプリングレートを変化させる」デジサイザを開示している。特開平5−61604号公報(特許文献2)は、「座標検出のサンプリング時間を最適な時間に変えられるようにし、位置情報を正確に得ることができる」タッチパネルを開示している。特開平7−114621号公報(特許文献3)は、「ジェスチャの速度への依存度を低減した」ジェスチャ認識装置を開示している。特開2010−146266号公報(特許文献4)は、「表示面において指定された位置を表わす画像を忠実に表示する」表示装置を開示している。
特開平9−146689号公報 特開平5−61604号公報 特開平7−114621号公報 特開2010−146266号公報
ところで、近年では、MFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置などにもタッチパネルが搭載されている。また、機能の多様化に伴ってタッチパネルに表示するオブジェクトも多様になっている。「オブジェクト」とは、画像形成装置に対する命令が関連付けられている画像のことをいう。オブジェクトとしては、アイコンやパイメニューなどが挙げられる。
画像形成装置は、タッチパネルに対する所定操作を検出したときに、当該所定操作に関連付けられているオブジェクトを表示することで、オブジェクトの表示領域を節約する。以下では、オブジェクトを表示するためのユーザーの操作を「オブジェクト表示操作」ともいう。ユーザーは、オブジェクト表示操作に引き続く一連の操作でオブジェクトを選択することにより、選択したオブジェクトに関連付けられている命令を画像形成装置に実行させる。
画像形成装置は、オブジェクトを選択するまでの指示位置のサンプリング間隔を短くすると、オブジェクトの選択を正確に検出することができるが、CPU(Central Processing Unit)の使用率が増大してしまう。一方で、画像形成装置は、オブジェクトを選択するまでの指示位置のサンプリング間隔を長くなると、CPUの使用率を抑制することができるが、オブジェクトの選択が正確に検出されなくなる。そのため、オブジェクト表示操作によって新たに表示されるオブジェクトの表示位置に応じて指示位置のサンプリング間隔を適切に変えるための画像形成装置が望まれている。
特許文献1に開示されるデジサイザは、上述のように、筆記する領域ごとに指示位置のサンプリングレートを変化させる。すなわち、サンプリングレートは、筆記する領域ごとに固定である。そのため、当該デジサイザは、新たに表示されるオブジェクトの表示位置によっては、オブジェクトの選択を上手く検出できなかったり、重要でない領域においてサンプリングレートを上げたりしてしまうことがある。
同様に、特許文献2〜4に開示される技術も、新たに表示されるオブジェクトの表示位置に応じて指示位置のサンプリング間隔を変えることができない。より具体的には、特許文献2に開示されるタッチパネルは、指示位置のサンプリング間隔の設定を受け付け、設定されたサンプリング間隔で指示位置の検出を行なうのみである。特許文献3に開示されるジェスチャ認識装置は、過去の指示位置から速度を割り出し、当該速度が速いほど指示位置のサンプリング間隔を短くするのみである。特許文献4に開示される表示装置は、指示位置の移動方向の変化量が大きくなったときにサンプリング間隔を短くするのみである。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、オブジェクト表示操作によって新たに表示されるオブジェクトの表示位置に応じて、タッチパネルに対する指示位置のサンプリング間隔を適切に変えることができる画像形成装置を提供することである。他の局面における目的は、オブジェクト表示操作によって新たに表示されるオブジェクトの表示位置に応じて、タッチパネルに対する指示位置のサンプリング間隔を適切に変えることができる制御方法を提供することである。さらに他の局面における目的は、オブジェクト表示操作によって新たに表示されるオブジェクトの表示位置に応じて、タッチパネルに対する指示位置のサンプリング間隔を適切に変えることができる制御プログラムを提供することである。
ある局面に従うと、画像形成装置は、タッチパネルと、タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次取得するための取得部と、タッチパネルに対する位置指示操作が所定条件を満たしたときに、画像形成装置に対する命令に関連付けられているオブジェクトをタッチパネルに表示するための表示制御部と、位置指示操作に引き続く一連の操作における指示位置とオブジェクト内の基準点との間の距離が短くなるにつれて、指示位置の取得間隔を短くするための変更部と、位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が基準点を基準とする所定範囲内に含まれたときに、命令を実行するための実行部とを備え、変更部は、指示位置が所定範囲に含まれる前に、指示位置の取得間隔を短くする。
好ましくは、変更部は、位置指示操作に引き続く指示位置が取得されなくなったことに基づいて、指示位置の取得間隔を変更前に戻す。
好ましくは、変更部は、位置指示操作に引き続いて取得された指示位置がオブジェクトに到達したことに基づいて、指示位置の取得間隔を変更前に戻す。
好ましくは、取得部は、タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次サンプリングするためのサンプリング部を含む。変更部は、タッチパネルからサンプリング部に一定間隔で出力される指示位置を間引くことにより指示位置のサンプリング間隔を変える。
好ましくは、所定条件は、位置指示操作がタッチパネルに表示されている第1アイコンを選択する操作である場合に満たされる。表示制御部は、第1アイコンの周辺に第2アイコンをオブジェクトとして表示する。変更部は、位置指示操作に引き続く指示位置と第2アイコンの中心点との間の距離が第1距離以下になった場合に、指示位置の取得間隔を現在の取得間隔よりも短くする。実行部は、位置指示操作に引き続く指示位置が第2アイコンの中心点との間の距離が、第1距離よりも短い第2距離以下になった場合に、第2アイコンに対応付けられている命令を実行する。
好ましくは、所定条件は、位置指示操作がパイメニューの表示を要求する操作である場合に満たされる。表示制御部は、位置指示操作による指示位置を中心としてパイメニューをオブジェクトとして表示する。変更部は、位置指示操作に引き続く指示位置とパイメニューの中心点との間の距離が第3距離以上になった場合に、指示位置の取得間隔を現在の取得間隔よりも短くする。実行部は、位置指示操作に引き続く指示位置とパイメニューの中心点との間の距離が、第3距離よりも長い第4距離以上になった場合に、当該指示位置に示されるパイメニューの項目に対応付けられている命令を実行する。
好ましくは、パイメニューに示される項目には、次の階層の新たなパイメニューを表示するための命令が関連付けられている。実行部は、位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が項目に含まれたときに、新たなパイメニューを表示するための命令を実行する。変更部は、新たなパイメニューを表示する操作に引き続く指示位置と当該新たなパイメニューの中心点との間の距離が第5距離以上になった場合に、指示位置の取得間隔を現在の取得間隔よりも短くする。実行部は、位置指示操作に引き続く指示位置と新たなパイメニューの中心点との間の距離が、第5距離よりも長い第6距離以上になった場合に、当該指示位置に示される新たなパイメニューの項目に対応付けられている命令を実行する。
好ましくは、変更部は、位置指示操作に引き続いて取得された指示位置が、オブジェクトから所定距離以上離れた場合に、指示位置の取得間隔を変更前に戻す。
好ましくは、変更部は、予め設定されているタスクが画像形成装置によって実行されている場合には、取得間隔を短くする度合いを小さくする、または、取得間隔を短くしない。
他の局面に従うと、タッチパネルを備える画像形成装置の制御方法は、タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次取得するステップと、タッチパネルに対する位置指示操作が所定条件を満たしたときに、画像形成装置に対する命令に関連付けられているオブジェクトをタッチパネルに表示するステップと、位置指示操作に引き続く一連の操作における指示位置とオブジェクト内の基準点との間の距離が短くなるにつれて、指示位置の取得間隔を短くするステップと、位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が基準点を基準とする所定範囲内に含まれたときに、命令を実行するステップとを備え、指示位置の取得間隔を短くするステップは、指示位置が所定範囲に含まれる前に、指示位置の取得間隔を短くするステップを含む
さらに他の局面に従うと、タッチパネルを備える画像形成装置の制御プログラムは、画像形成装置に、タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次取得するステップと、タッチパネルに対する位置指示操作が所定条件を満たしたときに、画像形成装置に対する命令に関連付けられているオブジェクトをタッチパネルに表示するステップと、位置指示操作に引き続く一連の操作における指示位置とオブジェクト内の基準点との間の距離が短くなるにつれて、指示位置の取得間隔を短くするステップと、位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が基準点を基準とする所定範囲内に含まれたときに、命令を実行するステップとを実行させ、指示位置の取得間隔を短くするステップは、指示位置が所定範囲に含まれる前に、指示位置の取得間隔を短くするステップを含む
ある局面において、オブジェクト表示操作によって新たに表示されるオブジェクトの表示位置に応じて、タッチパネルに対する指示位置のサンプリング間隔を適切に変えることができる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
第1の実施の形態に従う画像形成装置の外観を示す図である。 第1の実施の形態に従う画像形成装置におけるオブジェクト表示操作およびオブジェクト選択操作の一例を示す図である。 第1の実施の形態に従う画像形成装置による指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。 第1の比較例に従う画像形成装置による指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。 第2の比較例に従う画像形成装置による指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。 第1の実施の形態に従う画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に従う画像形成装置が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 第1の実施の形態に従う画像形成装置が実行する処理をボックス機能に適用した場合のフローチャートである。 第1の実施の形態に従う画像形成装置の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に従う画像形成装置によるサンプリング処理と、第3の比較例に従う画像形成装置によるサンプリング処理とを示す図である。 第2の実施の形態に従う画像形成装置が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 第3の実施の形態に従う画像形成装置のオブジェクト表示操作およびオブジェクト選択操作の一例を示す図である。 第3の実施の形態に従う画像形成装置による指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。 第3の実施の形態に従う画像形成装置が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 第4の実施の形態に従う画像形成装置による指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。 第4の比較例に従う画像形成装置による指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。 第4の実施の形態に従う画像形成装置が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 第5の実施の形態に従う画像形成装置が参照するタスクリストの内容を示す図である。 第5の実施の形態に従う画像形成装置が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 第6の実施の形態に従う画像形成装置におけるオブジェクト表示操作の一例を示す図である。 第6の実施の形態に従う画像形成装置におけるサンプリング処理を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。また、以下で説明する各実施の形態または変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<第1の実施の形態>
[オブジェクト選択操作]
図1および図2を参照して、上述のオブジェクト表示操作と、当該オブジェクト表示操作によって表示されるオブジェクトを選択するための操作(以下、「オブジェクト選択操作」ともいう。)ついて説明する。図1は、MFPとして構成される画像形成装置100Aの外観を示す図である。図2は、画像形成装置100Aにおけるオブジェクト表示操作およびオブジェクト選択操作の一例を示す図である。
図1に示されるように、画像形成装置100Aは、操作パネルとして構成されるタッチパネル17を有する。画像形成装置100Aは、タッチパネル17に対するユーザー操作に応じて、スキャナー機能、コピー機能、プリンター機能、ボックス機能などの各機能を実行する。
ボックス機能は、プリントあるいはスキャンしたデータ、他のコンピュータで作成されたデータ、FAX送受信データなどを画像形成装置100A内部のHDD(Hard disk Drive)に格納する機能である。これにより、ユーザーは、格納されたデータを必要なときに利用することができる。
図2には、ボックス機能を実行したときの操作画面の一例が示されている。より具体的には、画面例(A)に示されるように、タッチパネル17には、画像としてのボックスアイコン31〜39が示されている。ボックスアイコン31〜39の各々には、ユーザーごとの文書データなどが格納されている。ユーザーは、ボックスアイコン31〜39のいずれかを選択することにより、選択したボックス内に格納されているデータを利用することができる。
画面例(B)に示されるように、ユーザーがタッチパネル17に対してオブジェクト表示操作を行なったときに、画像形成装置100Aは、オブジェクト35A〜35Dをタッチパネル17に表示する。オブジェクト表示操作としては、ボックスを長押しする操作やボックスを選択する操作が挙げられる。画面例(B)では、ユーザーは、ボックスアイコン35を長押ししている。
オブジェクト35A〜35Dの各々には、画像形成装置100Aに対する命令が関連付けられている。すなわち、オブジェクト35A〜35Dは、画像形成装置100Aの各機能に関連付けられているアイコン画像であり、ユーザーは、目的のオブジェクトを選択することにより、画像形成装置100Aに所望の機能を実行させる。たとえば、オブジェクト35Aには、ボックスアイコン35の名前を変更するための機能が関連付けられている。オブジェクト35Bには、ボックスアイコン35を削除するための機能が関連付けられている。オブジェクト35Cには、ボックスアイコン35内のデータを編集するための機能が関連付けられている。オブジェクト35Dには、ボックスアイコン35内のデータをFAXで送信する画面を表示する機能が関連付けられている。
画面例(C)に示されるように、ユーザーは、オブジェクト表示操作に引き続く一連の操作によって目的のオブジェクトを選択する。すなわち、ユーザーは、オブジェクト表示操作を行なった後に、指をタッチパネル17に接触させたまま目的のオブジェクトに指をスライドさせ、当該オブジェクト上で指を離すことにより、目的のオブジェクトを選択する。画面例(C)では、ユーザーによってオブジェクト35Bが選択されている例が示されている。これにより、画像形成装置100Aは、オブジェクト35Bに関連付けられている機能を実行する。すなわち、画像形成装置100Aは、オブジェクト35Bを削除する機能を実行する。
[画像形成装置100Aのサンプリング処理]
図3〜図5を参照して、比較例に従う画像形成装置100XA,100XBと比較しながら、本実施の形態に従う画像形成装置100Aにおける指示位置のサンプリング処理について説明する。図3は、画像形成装置100Aによる指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。図4は、画像形成装置100XAによる指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。図5は、画像形成装置100XBによる指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。
図3の操作例(A)を参照して、画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作を検出すると、オブジェクト表示操作による指示位置の周辺にオブジェクト35A〜35Dを表示する。このとき、画像形成装置100Aは、各オブジェクトに対して2つの領域を決定する。
一方の領域は、オブジェクトが選択されたことを検出するために用いられる。以下では、当該一方の領域を「到達領域」ともいう。到達領域は、たとえば、各オブジェクトの中心点から所定距離を有する円領域である。図3には、到達領域37A〜37Dが示されている。到達領域37Aは、オブジェクト35Aの中心点36Aを中心とする。到達領域37Bは、オブジェクト35Bの中心点36Bを中心とする。到達領域37Cは、オブジェクト35Cの中心点36Cを中心とする。到達領域37Dは、オブジェクト35Dの中心点36Dを中心とする。
他方の領域は、オブジェクト選択操作における指示位置がオブジェクトに近付いていることを検出するために用いられる。以下では、当該他方の領域を「近接領域」ともいう。近接領域は、たとえば、各オブジェクトの中心点から所定距離を有する円領域である。近接領域は、到達領域よりも大きく、到達領域を含む。より具体的には、近接領域は、到達領域の外周部分に位置し、到達領域と同心円である。図3には、近接領域38A〜38Dが示されている。近接領域38Aは、オブジェクト35Aの中心点36Aを中心とする。近接領域38Bは、オブジェクト35Bの中心点36Bを中心とする。近接領域38Cは、オブジェクト35Cの中心点36Cを中心とする。近接領域38Dは、オブジェクト35Dの中心点36Dを中心とする。
図3の操作例(B)に示されるように、ユーザーは、オブジェクト表示操作に引き続く一連のオブジェクト選択操作によってオブジェクト35Bの方に指をスライドさせたとする。このとき、画像形成装置100Aは、タッチパネル17に対するタッチ操作の指示位置を順次サンプリングする。図3の操作例(B)では、指示位置42A,42Bが順にサンプリングされている。
画像形成装置100Aは、オブジェクト選択操作による指示位置が各オブジェクトに近接しているか否かを判断する。画像形成装置100Aは、順次サンプリングされる指示位置が近接領域38A〜38Dに到達した場合に、ユーザーの指が各オブジェクトに近接していると判断する。図3の操作例(C)には、サンプリングされた指示位置42Cが近接領域38Bに入った例が示されている。これにより、画像形成装置100Aは、ユーザーの指がオブジェクトに近接していると判断する。
図3の操作例(D)に示されるように、画像形成装置100Aは、オブジェクト選択操作における指示位置が近接領域に入ったことに基づいて、指示位置のサンプリング間隔を現在のサンプリング間隔よりも短くする。図4および図5を参照して、このことによる効果について説明する。
図4の操作例(A)および(B)に示されるように、ユーザーは、オブジェクト35Bに指をスライドさせた後に、指を離したとする。このとき、比較例に従う画像形成装置100XAは、指示位置39A,39Bをサンプリングしたとする。指示位置39A,39Bは、到達領域37Bに含まれていないので、画像形成装置100XAは、オブジェクト35Bが選択されていないと判断する。このように、指示位置のサンプリングレートを低い場合には、ユーザーの指がオブジェクトに到達しているにも関わらず、画像形成装置100XAは、オブジェクトが選択されていないと判断してしまう。
本実施の形態に従う画像形成装置100Aは、図3の操作例(D)に示されるように、オブジェクト表示操作に引き続く一連の操作における指示位置とオブジェクト内の基準点(中心点)との間の距離が短くなるにつれて、指示位置のサンプリング間隔を短くする。そのため、画像形成装置100Aは、画像形成装置100XAと比べてオブジェクトが選択されたことを正確に検出することができる。
図5に示されるように、比較例に従う画像形成装置100XBは、オブジェクト選択操作における指示位置のサンプリングレートを常に高く保っている。画像形成装置100XBは、指示位置41A〜41Fをサンプリングしたとする。この場合、画像形成装置100XBは、オブジェクト35Bが選択されたことを検出することができるが、サンプリングレートを常に高く保っているので、CPUの使用率が上がってしまう。
本実施の形態に従う画像形成装置100Aは、図3に示されるように、近接領域外では、近接領域におけるサンプリングレートよりも低くする。その結果、画像形成装置100Aは、画像形成装置100XBと比べてCPUの使用率を下げることができる。
なお、図3には、到達領域37A〜37Dおよび近接領域38A〜38Dが円形で示されているが、到達領域37A〜37Dおよび近接領域38A〜38Dは、円形に限定されない。オブジェクトが到達領域に含まれ、到達領域が近接領域に含まれれば、当該形状は任意である。たとえば、当該形状は、矩形形状であってもよいし、多角形であってもよい。
また、図3には、到達領域および近接領域に基づいて、サンプリングレートが2段階で変えられている例が示されているが、画像形成装置100Aは、さらに多くの段階でサンプリングレートを変えてもよい。また、画像形成装置100Aは、到達領域および近接領域を必ずしも設定する必要はない。たとえば、画像形成装置100Aは、オブジェクトと現在の指示位置との間の距離を順次算出し、当該距離が短いほどサンプリングレートを上げてもよい。
[画像形成装置100Aの機能構成]
図6を参照して、画像形成装置100Aの機能について説明する。図6は、画像形成装置100Aの機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示されるように、画像形成装置100Aは、機能構成として、イベント制御部200と、パネル制御部300とを備える。
イベント制御部200は、タッチパネル17に対するユーザーのタッチ操作を検出し、当該タッチ操作をイベントとしてパネル制御部300に送信する。イベント制御部200は、タッチパネル17に対するタッチ操作の指示位置を順次取得するための取得部205と、指示位置の取得間隔を変更するための変更部220とを含む。取得部210は、受付部210と、サンプリング部230とを有する。
受付部210は、タッチパネル17に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作によって示される指示位置をタッチパネル17から順次受け付ける。一例として、指示位置は、タッチパネル17の表示領域の座標値として示される。受付部210は、受け付けた指示位置を順次サンプリング部230に出力する。
変更部220は、後述する要求部390からの要求を受けて指示位置のサンプリングレートを変更する。一例として、変更部220は、タッチパネル17からサンプリング部230に一定間隔(一定周期)で出力される指示位置をサンプリング部230に間引かせることにより指示位置の取得間隔を変える。すなわち、イベント制御部200からパネル制御部300に出力される指示位置の間隔は、タッチパネル17からイベント制御部200に出力される指示位置の間隔よりも長くなる。あるいは、変更部220は、タッチパネル17から出力される指示位置の間隔を直接的に変えることによって指示位置の取得間隔を変えてもよい。
サンプリング部230は、変更部220によって決定されたサンプリングレートで、タッチパネル17に対するタッチ操作の指示位置を順次サンプリングする。サンプリング部230は、たとえば、タイマなどで一定時間を計測し、一定時間ごとに最新の指示位置をタッチイベントとしてイベント受付部310に出力する。あるいは、サンプリング部230は、受付部210からの指示位置を蓄積し、指示位置を一定数以上蓄積したときに、最新の指示位置または指示位置の平均値をタッチイベントとしてイベント受付部310に出力してもよい。サンプリング部230は、指示位置を間引いてイベント受付部310に出力することで、CPUの使用率を抑制する。その結果、画像形成装置100Aは、処理能力の高いCPUを用いる必要がなくなるため、本体価格や消費電力を下げることができる。また、画像形成装置100Aは、印刷、スキャンなどの画像形成に関する他のタスクに削減したCPUのリソースを割り当てることができる。
パネル制御部300は、タッチパネル17の表示領域に対する描画処理や、タッチパネル17に対するジェスチャ認識などを行なう。パネル制御部300は、イベント受付部310と、離反判断部320と、ジェスチャ検出部330と、表示制御部340と、領域決定部350と、近接判断部360と、到達判断部370と、実行部380と、要求部390とを含む。
イベント受付部310は、サンプリングされた指示位置をサンプリング部230から受け付ける。イベント受付部310は、受け付けた指示位置を離反判断部320とジェスチャ検出部330に出力する。
離反判断部320は、タッチパネル17からユーザーの指が離れたか否かを判断する。たとえば、離反判断部320は、指示位置がサンプリングされなくなったことに基づいて、ユーザーがタッチパネル17からユーザーの指が離れたと判断する。一例として、指示位置がサンプリングされなくなったことは、指示位置が一定時間検出されない場合に検出される。離反判断部320は、タッチパネル17からユーザーの指が離れたと判断した場合に、指示位置のサンプリングレートを変更前に戻すための要求を要求部390に出力する。
ジェスチャ検出部330は、タッチパネル17に対する指示位置に基づいて、オブジェクト表示操作を検出する。一例として、オブジェクト表示操作は、タッチパネル17に表示されているアイコンの長押し操作、アイコンなど表示されていない領域のタッチ操作、予め登録されているジェスチャなどを含む。
表示制御部340は、タッチパネル17に対する位置指示操作が所定条件を満たした場合に、タッチパネル17にオブジェクトを表示する。一例として、当該所定条件は、位置指示操作がタッチパネル17に表示されているアイコンを選択するオブジェクト表示操作である場合に満たされる。当該オブジェクト表示操作は、アイコンに対するタップ操作やアイコンに対する長押し操作を含む。
領域決定部350は、表示されるオブジェクトの表示位置に応じて、近接領域および到達領域を決定する。近接領域および到達領域は上述の通りであるので説明を繰り返さない(図3参照)。
近接判断部360は、オブジェクト表示操作に引き続く一連の操作における指示位置がオブジェクトに近接したか否かを判断する。たとえば、近接判断部360は、当該指示位置が近接領域に含まれる場合に、ユーザーの指がオブジェクトに近接していると判断する。この場合、近接判断部360は、指示位置のサンプリングレートを上げるための要求を要求部390に出力する。
到達判断部370は、表示されているオブジェクトに指示位置が到達したか否かを判断する。たとえば、到達判断部370は、サンプリングされる指示位置が到達領域に含まれる場合に、指示位置がオブジェクトに到達したと判断する。この場合、到達判断部370は、オブジェクトが選択されたことを実行部380に出力する。また、到達判断部370は、指示位置のサンプリングレートを変更前に戻すための要求を要求部390に出力する。
実行部380は、オブジェクト表示操作に引き続いてサンプリングされる指示位置がオブジェクトの中心点を基準とする到達領域に含まれたときに、当該オブジェクトに関連付けられている命令(コマンド)を実行する。
要求部390は、離反判断部320、近接判断部360、および到達判断部370から出力される要求を変更部220に出力する。すなわち、要求部390は、離反判断部320からサンプリングレートを変更前に戻すための要求を受け付けたことに基づいて、当該要求を変更部220に出力する。要求部390は、近接判断部360からサンプリングレートを上げるための要求を受け付けたことに基づいて、当該要求を変更部220に出力する。要求部390は、到達判断部370からサンプリングレートを変更前に戻すための要求を受け付けたことに基づいて、当該要求を変更部220に出力する。
変更部220は、要求部390から受け付けた要求に基づいて、指示位置のサンプリング間隔を変更する。たとえば、変更部220は、近接判断部360がオブジェクト表示操作に引き続く一連の操作における指示位置がオブジェクトに近接したと判断した場合に、指示位置のサンプリングレートを通常状態よりも上げる。一例として、通常状態におけるサンプリングレートは、予め設定されている。あるいは、通常状態におけるサンプリングレートは、ユーザーによって予め設定されている。
[フローチャート1]
図7を参照して、画像形成装置100Aの制御構造について説明する。図7は、画像形成装置100Aが実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図7の処理は、後述のCPU20Aがプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS10において、CPU20Aは、上述のジェスチャ検出部330(図6参照)として、オブジェクト表示操作を検出する。
ステップS12において、CPU20Aは、上述の表示制御部340(図6参照)として、オブジェクト表示操作が検出されことに基づいて、オブジェクト表示操作により示される指示位置の周辺にオブジェクトを表示する。
ステップS14において、CPU20Aは、上述の領域決定部350(図6参照)として、タッチパネル17に表示された各オブジェクトの表示位置に基づいて、各オブジェクトの近接領域および到達領域を決定する。
ステップS20において、CPU20Aは、上述の離反判断部320(図6参照)として、ユーザーの指がタッチパネル17から離れたか否かを判断する。たとえば、CPU20Aは、一定時間の間に指示位置を検出しない場合に、ユーザーの指がタッチパネル17から離れたと判断する。CPU20Aは、ユーザーの指がタッチパネル17から離れたと判断した場合(ステップS20においてYES)、制御をステップS60に切り替える。そうでない場合には(ステップS20においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS30に切り替える。
ステップS30において、CPU20Aは、指示位置が移動したか否かを判断する。たとえば、CPU20Aは、過去の指示位置と現在の指示位置との間の距離が一定値よりも長くなった場合に、指示位置が移動したと判断する。CPU20Aは、指示位置が移動したと判断した場合(ステップS30においてYES)、制御をステップS40に切り替える。そうでない場合には(ステップS30においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
ステップS40において、CPU20Aは、現在の指示位置が到達領域に含まれているか否かを判断する。CPU20Aは、現在の指示位置が到達領域に含まれていると判断した場合(ステップS40においてYES)、制御をステップS50に切り替える。そうでない場合には(ステップS40においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS42に切り替える。
ステップS42において、CPU20Aは、指示位置のサンプリングレートの変更前であるか否かを判断する。たとえば、CPU20Aは、当該サンプリングレートが予め設定されている初期値から変わっている場合に、当該サンプリングレートが変更されていると判断する。CPU20Aは、当該サンプリングレートの変更前であると判断した場合(ステップS42においてYES)、制御をステップS44に切り替える。そうでない場合には(ステップS42においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
ステップS44において、CPU20Aは、現在の指示位置が近接領域に含まれているか否かを判断する。CPU20Aは、現在の指示位置が近接領域に含まれていると判断した場合(ステップS44においてYES)、制御をステップS46に切り替える。そうでない場合には(ステップS44においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
ステップS46において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態よりも上げる。すなわち、CPU20Aは、サンプリング間隔を短くする。
ステップS50において、CPU20Aは、上述の実行部380(図6参照)として、選択されたオブジェクトに関連付けられている命令を実行する。当該命令は、オブジェクトごとに予め関連付けられている。
ステップS60において、CPU20Aは、指示位置のサンプリングレートを通常状態よりも上げているか否かを判断する。CPU20Aは、当該サンプリングレートを通常状態よりも上げていると判断した場合(ステップS60においてYES)、制御をステップS62に切り替える。そうでない場合には(ステップS60においてNO)、CPU20Aは、本実施の形態に従う制御処理を終了する。
ステップS62において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態に戻す。すなわち、CPU20Aは、位置指示操作に引き続く指示位置がサンプリングされなくなったことに基づいて、指示位置のサンプリング間隔を変更前(通常状態)に戻す。あるいは、変更部22は、位置指示操作に引き続いてサンプリングされた指示位置がオブジェクトに到達したことに基づいて、指示位置のサンプリング間隔を変更前(通常状態)に戻す。
[フローチャート2]
図8を参照して、本実施の形態に従う制御処理を図2に示されるボックス機能に適用した場合における画像形成装置100Aの制御構造について説明する。図8は、画像形成装置100Aが実行する処理をボックス機能に適用した場合のフローチャートである。図8の処理は、後述のCPU20Aがプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。なお、図8に示されるステップS10A,S12A,S14A,S40A,S44A以外の処理は図7に示される処理と同じであるので、それらのステップについて説明を繰り返さない。
ステップS10Aにおいて、CPU20Aは、上述のジェスチャ検出部330(図6参照)として、ボックスアイコンに対する長押し操作を検出する。
ステップS12Aにおいて、CPU20Aは、上述の表示制御部340(図6参照)として、選択されたボックスアイコンの周辺に、当該ボックスアイコンに関連付けられているアイコンをオブジェクトとして表示する。
ステップS14Aにおいて、CPU20Aは、上述の領域決定部350(図6参照)として、近接領域および到達領域の基準点として各オブジェクトの中心点を決定する。
ステップS40Aにおいて、CPU20Aは、現在の指示位置とオブジェクトの中心点との間の距離が閾値Th1以下になったか否かを判断する。すなわち、CPU20Aは、現在の指示位置が到達領域に含まれているか否かを判断する。CPU20Aは、当該距離が閾値Th1以下になったと判断した場合(ステップS40AにおいてYES)、制御をステップS50に切り替える。そうでない場合には(ステップS40AにおいてNO)、CPU20Aは、制御をステップS42に切り替える。
ステップS44Aにおいて、CPU20Aは、現在の指示位置とオブジェクトの中心点との間の距離が閾値Th2以下になったか否かを判断する。すなわち、CPU20Aは、現在の指示位置が近接領域に含まれているか否かを判断する。ステップS44Aに示される閾値Th2は、ステップS40Aに示される閾値Th1よりも大きい。CPU20Aは、現在の指示位置とオブジェクトの中心点との間の距離が閾値Th2以下になったと判断した場合(ステップS44AにおいてYES)、制御をステップS46に切り替える。そうでない場合には(ステップS44AにおいてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
以上のように、図8に示されるフローチャートによれば、オブジェクトを表示する条件は、タッチパネルに対する位置指示操作がボックスアイコンなどのアイコン画像(第1アイコン)を選択するオブジェクト表示操作である場合に満たされる。この条件が満たされたときに、画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作による指示位置の周辺にアイコン(第2アイコン)をオブジェクトとして表示する。画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作に引き続く指示位置と第2アイコンの中心点との間の距離が所定距離(閾値Th2)以下になった場合、指示位置のサンプリング間隔を現在のサンプリング間隔よりも短くする。画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作に引き続く指示位置と第2アイコンの中心点との間の距離が閾値Th2よりも短い所定距離(閾値Th1)以下になった場合に、当該第2アイコンに対応付けられている命令を実行する。
[ハードウェア構成]
図9を参照して、第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aのハードウェア構成の一例について説明する。図9は、画像形成装置100Aの主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図9に示されるように、画像形成装置100Aは、制御部10を含む。制御部10は、装置全体を制御するためのCPU20A、制御プログラムを格納するためのメモリーであるROM(Read Only Memory)11、ワーキングメモリとしてS−RAM(Static Random Access Memory)12、および画像形成に関わる各種の設定を記憶するためのバッテリーバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリー)13を含む。
制御部10には、バスを介して、画像読取装置16、操作パネル17A、通信ネットワーク(図示しない)を介して接続された他の装置との間で各種の情報を送受信するためのネットワークI/F(インターフェース)20、当該ネットワークI/F20により受信したプリントデータから複写画像を生成するためのプリンターコントローラー19、複写画像を用紙上に形成するための画像出力装置18が接続されている。
記憶装置15は、バスを介して制御部10に接続されている。記憶装置15は、たとえば、ハードディスク装置などの記憶装置を含む。記憶装置15は、後述の「第5の実施の形態」において用いられるタスクリスト15Aを格納する。
操作パネル17Aは、各種の入力を行なうためのキーや表示部を備え、タッチ操作を受け付ける機能および表示部としての機能を有するタッチパネル17と、数字キー、プリントキー、ログアウトキーなどのキースイッチ群とを有する。
[小括]
以上のようにして、本実施の形態に従う画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作に基づいて表示されるオブジェクトの表示位置に合わせて指示位置のサンプリングレートを変える。より具体的には、画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作に引き続く一連の操作における指示位置がオブジェクトに近付くにつれて、指示位置のサンプリング間隔を短くする。これにより、ユーザーの指がオブジェクトから離れているときにはサンプリングレートを下げることができ、CPUの使用率を抑制することができる。一方で、ユーザーの指がオブジェクトに近接しているときにはサンプリングレートを上げることができ、オブジェクトの選択を正確に検出することができる。
<第2の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aは、指示位置のサンプリングを変更した後の処理については任意であった。これに対して、第2の実施の形態に従う画像形成装置100Bは、オブジェクト表示操作に引き続いてサンプリングされた指示位置が、オブジェクトから所定距離以上離れた場合に、指示位置のサンプリング間隔を変更前に戻す。
画像形成装置100Bのハードウェア構成などその他の点については第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aと同じであるので、以下ではそれらの説明は繰り返さない。
[画像形成装置100B]
図10を参照して、第2の実施の形態に従う画像形成装置100Bのサンプリング処理について説明する。図10は、第2の実施の形態に従う画像形成装置100Bによるサンプリング処理と、比較例に従う画像形成装置100XCによるサンプリング処理とを示す図である。
図10の操作例(A)に示されるように、ユーザーは、最初に、オブジェクト35Bの方向に指をスライドさせたとする。画像形成装置100Bは、指示位置が近接領域38Bに含まれたことに基づいて、指示位置のサンプリングレートを上げる。
その後、ユーザーは、指をスライドする方向を変えて、オブジェクト35Aの方向に指をスライドさせたとする。このとき、画像形成装置100Bは、指示位置が近接領域38Bに含まれなくなったことに基づいて、指示位置のサンプリングレートを変更前(通常状態)に戻す。すなわち、画像形成装置100Bは、オブジェクト表示操作に引き続いてサンプリングされる指示位置が、オブジェクト35Bから所定距離以上離れた場合に、指示位置のサンプリング間隔を変更前に戻す。異なる言い方をすれば、画像形成装置100Bは、オブジェクト35B内で検出されていた指示位置がオブジェクト35Bの外部で検出されたことに基づいて、指示位置のサンプリングレートを近接領域におけるサンプリングレートよりも下げる。
図10の操作例(B)を参照して、このことによる効果について説明する。比較例に従う画像形成装置100XCは、指示位置が近接領域38Bから外れた場合に、指示位置のサンプリングレートを元に戻さなかったとする。この場合、領域53におけるサンプリングレートは、近接領域におけるサンプリングレートと同じになる。そのため、指示位置は、高密度にサンプリングする必要のない領域で余分にサンプリングされ、CPUの使用率が高くなる。
本実施の形態に従う画像形成装置100Bは、図10の操作例(A)に示されるように、指示位置が近接領域に含まれなくなったことに基づいて、サンプリングレートを通常状態に戻す。これにより、画像形成装置100Bは、領域51におけるサンプリングレートを近接領域におけるサンプリングレートよりも下げることができ、オブジェクトに近接する重要な領域でのみ指示位置を高密度にサンプリングできる。その結果、画像形成装置100Bは、CPUの使用率を抑制することができる。
[フローチャート]
図11を参照して、画像形成装置100Bの制御構造について説明する。図11は、画像形成装置100Bが実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図11の処理は、CPU20A(図9参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。なお、図11に示されるステップS70,S72以外の処理は図7に示される処理と同じであるので、それらのステップについて説明を繰り返さない。
ステップS70において、CPU20Aは、現在の指示位置が近接領域に含まれなくなったか否かを判断する。CPU20Aは、現在の指示位置が近接領域に含まれなくなったと判断した場合(ステップS70においてYES)、制御をステップS72に切り替える。そうでない場合には(ステップS70においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
ステップS72において、CPU20Aは、指示位置のサンプリングレートを通常状態に戻す。通常状態のサンプリングレートは、設計時に設定されてもよいし、ユーザーによって設定されてもよい。
[小括]
以上のようにして、オブジェクト表示操作に引き続いてサンプリングされた指示位置が、オブジェクトから所定距離以上離れた場合に、本実施の形態に従う画像形成装置100Bは、指示位置のサンプリング間隔を変更前に戻す。これにより、ユーザーが近接領域内から近接領域外に指をスライドさせた場合に、指示位置のサンプリングレートを通常状態に戻すことができる。その結果、画像形成装置100Bは、CPUの使用率を抑制することができる。
<第3の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aは、オブジェクト表示操作を検出したときに、オブジェクトとしてアイコンを表示していた。これに対して、第3の実施の形態に従う画像形成装置100Cは、オブジェクト表示操作を検出したときに、オブジェクトとしてパイメニューを表示する。
画像形成装置100Cのハードウェア構成などその他の点については第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aと同じであるので、以下ではそれらの説明は繰り返さない。
[オブジェクト選択操作]
図12を参照して、第3の実施の形態におけるオブジェクト表示操作およびオブジェクト選択操作ついて説明する。図12は、画像形成装置100Cのオブジェクト表示操作およびオブジェクト選択操作の一例を示す図である。
画面例(A)に示されるように、ユーザーは、アイコンなどが何も表示されていない領域をタップする操作をオブジェクト表示操作として行なう。なお、本実施の形態においては、オブジェクト表示操作は、パイメニューを表示させるための操作であればタップ操作に限定されない。たとえば、オブジェクト表示操作は、パイメニューの表示を要求するためのボタンの押下であってもよいし、アルファベット「P」などの記号をタッチパネルに対して描くジェスチャ操作であってもよい。
画面例(B)に示されるように、画像形成装置100Cは、オブジェクト表示操作を検出すると、オブジェクト表示操作における指示位置の周辺にパイメニュー70を表示する。パイメニュー70は、画像形成装置100Cに対する命令が関連付けられている項目70A〜70Fを含む。ユーザーは、目的の項目を選択することにより、画像形成装置100Cに所望の機能を実行させる。
一例として、項目70Aには、ホーム画面を表示するための命令が関連付けられている。項目70Bには、現在画面の前の画面を表示するための命令が関連付けられている。項目70Cには、テンキーを表示するための命令が関連付けられている。項目70Dには、画像形成装置100Cが実行中の機能を停止するための命令が関連付けられている。項目70Eには、画像形成装置100Cの特定の機能を開始するための命令が関連付けられている。項目70Fには、現在画面の次の画面を表示するための命令が関連付けられている。
画面例(C)に示されるように、ユーザーは、オブジェクト表示操作に引き続く一連のオブジェクト選択操作によって目的の項目を選択する。すなわち、ユーザーは、オブジェクト表示操作を行なった後に、指をタッチパネル17に接触させた状態で目的の項目に指をスライドさせ、当該項目上で指を離すことにより、目的の項目を選択する。画面例(C)では、ユーザーが項目70Fを選択している例が示されている。これにより、画像形成装置100Cは、項目70Fに関連付けられている機能を実行する。すなわち、画像形成装置100Cは、現在画面の次の画面を表示する命令を実行する。
[画像形成装置100Cのサンプリング処理]
図13を参照して、本実施の形態に従う画像形成装置100Cにおける指示位置のサンプリング処理について説明する。図13は、画像形成装置100Cによる指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。
画像形成装置100Cは、オブジェクト表示操作を検出すると、オブジェクト表示操作による指示位置の周辺にパイメニュー70をオブジェクトとして表示する。このとき、画像形成装置100Cは、パイメニュー70に対して近接領域と到達領域との2つの領域を決定する。
図13の例では、近接領域71および到達領域72が示されている。近接領域71および到達領域72は、パイメニュー70の中心点36Aを中心とする中空の領域である。近接領域71は、到達領域72よりも小さく、到達領域72の内部に位置する。すなわち、近接領域71は、到達領域72の外周に位置する。
ユーザーがオブジェクト選択操作としてパイメニュー70の項目70Fの方に指をスライドさせたとする。このとき、画像形成装置100Cは、タッチパネル17に対するタッチ操作の指示位置を順次サンプリングし、指示位置が各項目に近接しているか否かを判断する。画像形成装置100Cは、順次サンプリングされる指示位置が近接領域71に到達した場合に、ユーザーの指が各項目に近接していると判断する。
図13には、サンプリングされた指示位置75Cが近接領域71に入った例が示されている。画像形成装置100Cは、指示位置75Cが近接領域71に入ったことに基づいて、指示位置のサンプリング間隔を現在のサンプリング間隔よりも短くする。
画像形成装置100Cは、サンプリング間隔を短くした状態で引き続き指示位置をサンプリングし、指示位置が到達領域72に入ったか否かを判断する。画像形成装置100Cは、指示位置が到達領域72に入ったと判断した場合、パイメニュー70の項目が選択されたことを検出する。画像形成装置100Cは、選択された項目に関連付けられている命令を実行する。
なお、図13には、到達領域および近接領域に基づいて、サンプリングレートが2段階で変えられる例が示されているが、画像形成装置100Cは、さらに多くの段階でサンプリングレートを変えてもよい。また、画像形成装置100Cは、到達領域および近接領域を必ずしも設定する必要はない。たとえば、画像形成装置100Cは、パイメニュー70の中心位置と現在の指示位置との間の距離を順次算出し、当該距離が短いほどサンプリングレートを上げてもよい。さらに、パイメニューの各項目における到達領域は、同一のサイズである必要はない。同様に、パイメニューの各項目における近接領域は、同一のサイズである必要はない。
[フローチャート]
図14を参照して、画像形成装置100Cの制御構造について説明する。図14は、画像形成装置100Cが実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図14の処理は、CPU20A(図9参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。なお、図14に示されるステップS10B,S12B,S14B,S40B,S44B,S50B以外の処理は図7に示される処理と同じであるので、それらのステップについて説明を繰り返さない。
ステップS10Bにおいて、CPU20Aは、上述のジェスチャ検出部330(図6参照)として、アイコンなどが何も表示されていない表示領域に対するタップ操作を検出する。
ステップS12Bにおいて、CPU20Aは、上述の表示制御部340(図6参照)として、タップ操作による指示位置の周囲に、オブジェクトとしてパイメニューを表示する。
ステップS14Bにおいて、CPU20Aは、上述の領域決定部350(図6参照)として、近接領域および到達領域の基準点としてパイメニューの中心点を決定する。
ステップS40Bにおいて、CPU20Aは、現在の指示位置とパイメニューの中心点との間の距離が閾値Th3以上になったか否かを判断する。すなわち、CPU20Aは、現在の指示位置が到達領域に含まれているか否かを判断する。CPU20Aは、当該距離が閾値Th3以上になったと判断した場合(ステップS40BにおいてYES)、制御をステップS50Bに切り替える。そうでない場合には(ステップS40BにおいてNO)、CPU20Aは、制御をステップS42に切り替える。
ステップS50Bにおいて、CPU20Aは、パイメニューの選択された項目に関連付けられている命令を実行する。
ステップS44Bにおいて、CPU20Aは、現在の指示位置とオブジェクトの中心点との間の距離が閾値Th4以上になったか否かを判断する。すなわち、CPU20Aは、現在の指示位置が近接領域に含まれているか否かを判断する。ステップS44Bに示される閾値Th4は、ステップS40Bに示される閾値Th3よりも小さい。CPU20Aは、当該距離が閾値Th4以上になったと判断した場合(ステップS44BにおいてYES)、制御をステップS46に切り替える。そうでない場合には(ステップS44BにおいてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
なお、図14では、CPU20Aが近接領域および到達領域を決定する基準点としてパイメニューの中心点を用いる例について説明を行なったが、CPU20Aは、パイメニューの外周を基準に近接領域および到達領域決定してもよい。この場合、CPU20Aは、パイメニューの外周から所定距離内部の中空の円領域を到達領域とし、到達領域の外周から所定距離内部の円領域を近接領域とする。
[小括]
以上のようにして、本実施の形態においては、オブジェクトを表示する条件は、位置指示操作がパイメニューの表示を要求する操作である場合に満たされる。画像形成装置100Cは、オブジェクト表示操作による指示位置を中心としてパイメニューを表示する。画像形成装置100Cは、オブジェクト表示操作に引き続く指示位置とパイメニューの中心点との間の距離が、所定距離(閾値Th4)以上になった場合に、指示位置のサンプリング間隔を現在のサンプリング間隔よりも短くする。また、画像形成装置100Cは、オブジェクト表示操作に引き続く指示位置とパイメニューの中心点との間の距離が、閾値Th4よりも長い所定距離(閾値Th3)以上になった場合に、当該指示位置に示されるパイメニューの項目に対応付けられている命令を実行する。
このように、第1の実施における指示位置のサンプリング処理は、第3の実施の形態におけるパイメニューに対しても適用され得る。
<第4の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態においては、1階層で構成されるパイメニューに対いてサンプリング間隔を変更していた。これに対して、第4の実施の形態においては、複数の階層で構成されるパイメニューに対いてサンプリング間隔を変更する。
第4の実施の形態に従う画像形成装置100Dのハードウェア構成などその他の点については第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aと同じであるので、以下ではそれらの説明は繰り返さない。
[画像形成装置100Dのサンプリング処理]
図15および図16を参照して、比較例に従う画像形成装置100XDと比較しながら、本実施の形態に従う画像形成装置100Dにおける指示位置のサンプリング処理について説明する。図15は、画像形成装置100Dによる指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。図16は、比較例に従う画像形成装置100XDによる指示位置のサンプリング処理を概略的に示した概念図である。
操作例(A)に示されるように、画像形成装置100Dは、オブジェクト表示操作を検出すると、オブジェクト表示操作による指示位置の周辺にパイメニュー70をオブジェクトとして表示する。このとき、画像形成装置100Dは、上述したように、パイメニュー70に対して近接領域71および到達領域72を設定する。
ユーザーがパイメニュー70の特定の項目を選択したとする。このとき、画像形成装置100Dは、選択された項目に関連付けられているパイメニュー80を表示し、新たなパイメニュー80に対して近接領域81および到達領域82を設定する。
ユーザーがパイメニュー80の特定の項目を選択したとする。このとき、画像形成装置100Dは、選択された項目に関連付けられているパイメニュー90を表示し、新たなパイメニュー90に対して近接領域91および到達領域92を設定する。
このように、画像形成装置100Dは、複数の階層で構成されるパイメニューをオブジェクトとして表示する場合には、パイメニューが展開される度に近接領域および到達領域を設定する。これにより、パイメニューが複数の階層で構成されている場合であっても、画像形成装置100Dは、指示位置のサンプリング間隔を短くすべき領域とそうでない領域とを適宜設定できる。
図16を参照して、複数の階層で構成されるパイメニューに対して指示位置のサンプリング間隔を変更することの効果について説明する。図16に示されるように、ユーザーは、項目70Fに指をスライドさせた後に指を離したとする。このとき、比較例に従う画像形成装置100XDは、指示位置74A〜74Eを順にサンプリングしたとする。指示位置74A〜74Eは、到達領域72に含まれていないので、画像形成装置100XDは、項目70Fが選択されていないと判断する。このように、ユーザーの指が到達領域72に到達しているにも関わらず、指示位置が到達領域72内でサンプリングされていないため、画像形成装置100XDは、パイメニュー70の次階層のパイメニュー80を表示することができない。
本実施の形態に従う画像形成装置100Dは、新たなパイメニューを表示する度に近接領域と到達領域とを設定する。そのため、画像形成装置100Dは、パイメニューの項目が選択されたことを正確に検出することができる。これにより、画像形成装置100Dは、パイメニューを順次展開するときの操作性を改善しつつ、CPU使用率を抑制することができる。
[フローチャート]
図17を参照して、画像形成装置100Dの制御構造について説明する。図17は、画像形成装置100Dが実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図17の処理は、CPU20A(図9参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。なお、図17に示されるステップS40C,S44C,S50C以外の処理は図7および図14に示される処理と同じであるので、それらのステップについて説明を繰り返さない。
ステップS40Cにおいて、CPU20Aは、現在の指示位置が次階層のパイメニューを展開するための項目に含まれ、かつ、現在の指示位置とパイメニューの中心点との間の距離が閾値Th3以上になったか否かを判断する。CPU20Aは、現在の指示位置が次階層のパイメニューを展開するための項目に含まれ、かつ、当該距離が閾値Th3以上になったと判断した場合(ステップS40CにおいてYES)、制御をステップS50Cに切り替える。そうでない場合には(ステップS40CにおいてNO)、CPU20Aは、制御をステップS42に切り替える。
ステップS50Cにおいて、CPU20Aは、選択された項目に関連付けられている新たなパイメニューを表示する。
ステップS44Cにおいて、CPU20Aは、現在の指示位置が次階層のパイメニューを展開するための項目に含まれ、かつ、現在の指示位置とオブジェクトの中心点との間の距離が閾値Th4以上になったか否かを判断する。ステップS44Cに示される閾値Th4は、ステップS40Cに示される閾値Th3よりも小さい。CPU20Aは、現在の指示位置が次階層のパイメニューを展開するための項目に含まれ、かつ、当該距離が閾値Th4以上になったと判断した場合(ステップS44CにおいてYES)、制御をステップS46に切り替える。そうでない場合には(ステップS44CにおいてNO)、CPU20Aは、制御をステップS20に戻す。
[小括]
以上のようにして、本実施の形態においては、パイメニューに示される項目には、次階層の新たなパイメニューを表示するための命令が関連付けられている場合がある。画像形成装置100Dは、次階層の新たなパイメニューを表示する操作に引き続く指示位置が新たなパイメニューの近接領域に含まれた場合に、指示位置のサンプリング間隔を現在のサンプリング間隔よりも短くする。また、画像形成装置100Dは、新たなパイメニューを表示する操作に引き続く指示位置が到達領域に含まれた場合に、当該指示位置に示される新たなパイメニューの項目に対応付けられている命令を実行する。
このように、画像形成装置100Dは、項目の選択により順次展開されるパイメニューに対して近接領域と到達領域とを順次設定する。これにより、画像形成装置100Dは、パイメニューを順次展開するときの操作性を改善しつつ、CPU使用率を抑制することができる。
<第5の実施の形態>
[概要]
上述の画像形成装置100Aは、画像形成処理やネットワーク通信、リモートパネルへの画像転送制御など別のタスクを上述のサンプリング処理のバックグランドで実行している場合もある。このような重要なタスクが実行されているときには、画像形成装置100Aは、サンプリング処理に対するCPUの使用率を下げてでも、当該タスクにCPUのリソースを割り当てた方が良い場合もある。
第1の実施の形態においては、指示位置のサンプリングレートを変更する度合いは、バックグラウンドで実行されているタスクの種類に関係せずに一定であった。これに対して、第5の実施の形態においては、指示位置のサンプリングレートを変更する度合いは、バックグラウンドで実行されているタスクの種類に応じて調整される。
なお、第5の実施の形態に従う画像形成装置100Eのハードウェア構成などその他の点については第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aと同じであるので、以下ではそれらの説明は繰り返さない。
[画像形成装置100E]
図18を参照して、第5の実施の形態に従う画像形成装置100Eについて説明する。図18は、画像形成装置100Eが参照するタスクリスト15Aの内容を示す図である。一例として、タスクリスト15Aは、記憶装置15(図9参照)に格納されている。
上述と同様に、画像形成装置100Eは、オブジェクト表示操作に引き続く一連の操作における指示位置が近接領域に含まれる場合に、指示位置のサンプリング間隔を短くする。このとき、画像形成装置100Eは、予め設定されているタスクが実行されている場合には、指示位置のサンプリング間隔を短くする度合いを小さくする、または、サンプリング間隔を短くしない。
図18に示されるように、サンプリング間隔を短くする度合いは、たとえば、タスクリスト15Aに規定されている。タスクリスト15Aは、タスクの種類と、当該タスクの優先度と、当該タスクがバックグランドで実行されているときのサンプリングレートの向上率と、当該タスクが実行されているか否かを示すフラグとを互いに関連付けている。
バックグランドで実行されているタスクの優先度が高いほど、画像形成装置100Eは、指示位置のサンプリングレートを上げる度合いを低くする。一方で、バックグランドで実行されているタスクの優先度が低いほど、画像形成装置100Eは、指示位置のサンプリングレートを上げる度合いを高くする。
より具体的な処理として、画像形成装置100Eは、実行中のタスクを監視し、実行されているタスクのフラグを「1」に書き換え、タスクの実行が終了すると当該タスクのフラグを「0」に書き換える。オブジェクト選択操作に引き続く指示位置が近接領域に含まれているときに、画像形成装置100Eは、タスクリスト15Aに示されるフラグを参照し、実行中のタスクに関連付けられているサンプリングレートの向上率を選択する。画像形成装置100Eは、選択した向上率に基づいて、指示位置のサンプリングレートを変更する。これにより、画像形成装置100Eは、重要なタスクが実行されている場合には、CPUのリソースを当該タスクに優先的に割り当てることができる。
[フローチャート]
図19を参照して、画像形成装置100Eの制御構造について説明する。図19は、画像形成装置100Eが実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図19の処理は、CPU20A(図9参照)がプログラムを実行することにより実現される。
ステップS110において、CPU20Aは、複数のタスクが実行されているか否かを判断する。すなわち、CPU20Aは、指示位置のサンプリングタスクとは別に他のタスクが実行されているか否かを判断する。CPU20Aは、複数のタスクが実行されていると判断した場合(ステップS110においてYES)、本実施の形態に従うサンプリング処理を終了する。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS120に切り替える。
ステップS120において、CPU20Aは、一定時間でタイムアウトするネットワーク送信を実行中であるか否かを判断する。CPU20Aは、当該ネットワーク送信を実行中であると判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS122に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS130に切り替える。
ステップS122において、CPU20Aは、ネットワーク送信のタイムアウト時間が所定時間よりも短いか否かを判断する。CPU20Aは、ネットワーク送信のタイムアウト時間が所定時間よりも短いと判断した場合(ステップS122においてYES)、本実施の形態に従うサンプリング処理を終了する。そうでない場合には(ステップS122においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS124に切り替える。
ステップS124において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態の1.5倍に変更する。
ステップS130において、CPU20Aは、プリント関連のタスクをバックグランドで実行中であるか否かを判断する。CPU20Aは、プリント関連のタスクをバックグランドで実行中であると判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS140に切り替える。
ステップS132において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態の1.2倍に変更する。
ステップS140において、CPU20Aは、ファックス関連のタスク、またはスキャン関連のタスクをバックグランドで実行中であるか否かを判断する。CPU20Aは、ファックス関連のタスク、またはスキャン関連のタスクをバックグランドで実行中であると判断した場合(ステップS140においてYES)、制御をステップS142に切り替える。そうでない場合には(ステップS140においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS150に切り替える。
ステップS142において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態の1.5倍に変更する。
ステップS150において、CPU20Aは、リモートパネルに接続中であるか否かを判断する。CPU20Aは、リモートパネルに接続中であると判断した場合(ステップS150においてYES)、制御をステップS152に切り替える。そうでない場合には(ステップS150においてNO)、CPU20Aは、制御をステップS154に切り替える。
ステップS152において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態の2倍に変更する。
ステップS154において、CPU20Aは、上述の変更部220(図6参照)として、指示位置のサンプリングレートを通常状態の4倍に変更する。
[小括]
以上のようにして、本実施の形態に従う画像形成装置100Eは、バックグランドで実行しているタスクに応じて、指示位置のサンプリングレートを変更する。これにより、画像形成装置100Eは、重要なタスクが実行されている場合には、CPUのリソースを当該タスクに優先的に割り当てることができる。
<第6の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態においては、オブジェクト表示操作中における指示位置のサンプリングレートは一定であった。これに対して、第6の実施の形態においては、オブジェクト表示操作中における指示位置のサンプリングレートを変更する。
なお、第6の実施の形態に従う画像形成装置100Fのハードウェア構成などその他の点については第1の実施の形態に従う画像形成装置100Aと同じであるので、以下ではそれらの説明は繰り返さない。
[画像形成装置100Fのサンプリング処理]
図20を参照して、画像形成装置100Fのオブジェクト表示操作におけるサンプリング処理ついて説明する。図20は、画像形成装置100Fにおけるオブジェクト表示操作の一例を示す図である。図21は、画像形成装置100Fにおけるサンプリング処理を示す図である。
オブジェクト表示操作としては、タッチパネル17に対して予め登録されている記号や図形を描くジェスチャ操作がある。画像形成装置100Fは、このようなジェスチャ操作を検出したときにパイメニューを表示する。このようなオブジェクト表示操作は、パイメニューを展開するためのジェスチャとパイメニューの項目の選択操作とを一連の入力で受け付けるので、ユーザーは、オブジェクト表示操作およびオブジェクト選択操作を簡単に行なうことができる。
このようなジェスチャ操作には、円、三角形、往復する直線などの閉領域を描く操作がある。画像形成装置100Fは、指示位置の開始点と終了点とが同じ位置にあることに基づいて、閉領域を描くジェスチャ操作を検出する。閉領域を描くジェスチャ操作においては、パイメニューが表示されるタイミングをユーザー自身が把握できるため、ユーザーは、引き続くオブジェクト選択操作も行ないやすくなる。
図20の操作例(A)(B)には、ユーザーが閉領域を描くジェスチャ操作を行なっている例が示されている。画像形成装置100Fは、閉領域を描くジェスチャ操作を認識する際には、指示位置が入力開始点95から一度離れて再び入力開始点95に戻ってきたことを検出する。画像形成装置100Fは、当該ジェスチャ操作を認識するとパイメニュー70を表示する。
図21に示されるように、このとき、画像形成装置100Fは、入力開始点95から半径Td離れた領域95A外で指示位置がサンプリングされたことに基づいて、指示位置が入力開始点95から離れたことを検出する。このことに基づいて、画像形成装置100Fは、近接領域95Bと到達領域95Cとを決定する。
近接領域95Bは、たとえば、入力開始点95を中心とし半径Ta2を有する中空の円領域であり、領域95Aに含まれる領域である。到達領域95Cは、たとえば、入力開始点95を中心とし半径Ta1を有する円領域である。到達領域95Cは、近接領域95Bに含まれる。
指示位置が近接領域95B内でサンプリングされたことに基づいて、画像形成装置100Fは、指示位置が入力開始点95に近接していることを検出する。このことに基づいて、画像形成装置100Fは、指示位置のサンプリングレートを上げる。
画像形成装置100Fは、到達領域95B内でサンプリングされたことに基づいて、指示位置が入力開始点95に到達したことを検出する。このことに基づいて、画像形成装置100Fは、パイメニュー70を表示する。
[小括]
以上のようにして、本実施の形態に従う画像形成装置100Fは、閉領域を描くオブジェクト表示操作に対して、指示位置のサンプリングレートを変える。より具体的には、画像形成装置100Fは、指示位置の開始点から一度離れたことを検出し、再び指示位置が開始点に近接したときに、サンプリングレートを上げる。これにより、画像形成装置100Fは、閉領域を描くオブジェクト表示操作を正確に検出することが可能になる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 制御部、15 記憶装置、15A タスクリスト、16 画像読取装置、17 タッチパネル、17A 操作パネル、18 画像出力装置、19 プリンターコントローラー、20 ネットワークI/F、20A CPU、22,220 変更部、31〜39 ボックスアイコン、35A〜35D オブジェクト、36A〜36D 中心点、37A〜37D,72,82,92,95C 到達領域、38A〜38D,71,81,91,95B 近接領域、39A,39B,41A〜41F,42A〜42E,74A〜74E,75A〜75E 指示位置、51,53,95A 領域、70,80,90 パイメニュー、70A〜70F 項目、95 入力開始点、100A〜100F,100XA〜100XD 画像形成装置、200 イベント制御部、205 取得部、210 受付部、230 サンプリング部、300 パネル制御部、310 イベント受付部、320 離反判断部、330 ジェスチャ検出部、340 表示制御部、350 領域決定部、360 近接判断部、370 到達判断部、380 実行部、390 要求部。

Claims (11)

  1. 画像形成装置であって、
    タッチパネルと、
    前記タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次取得するための取得部と、
    前記タッチパネルに対する位置指示操作が所定条件を満たしたときに、前記画像形成装置に対する命令に関連付けられているオブジェクトを前記タッチパネルに表示するための表示制御部と、
    前記位置指示操作に引き続く一連の操作における指示位置と前記オブジェクト内の基準点との間の距離が短くなるにつれて、前記指示位置の取得間隔を短くするための変更部と、
    前記位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が前記基準点を基準とする所定範囲内に含まれたときに、前記命令を実行するための実行部とを備え、
    前記変更部は、前記指示位置が前記所定範囲に含まれる前に、前記指示位置の取得間隔を短くする、画像形成装置。
  2. 前記変更部は、前記位置指示操作に引き続く指示位置が取得されなくなったことに基づいて、前記指示位置の取得間隔を変更前に戻す、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記変更部は、前記位置指示操作に引き続いて取得された指示位置が前記オブジェクトに到達したことに基づいて、前記指示位置の取得間隔を変更前に戻す、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記取得部は、前記タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次サンプリングするためのサンプリング部を含み、
    前記変更部は、前記タッチパネルから前記サンプリング部に一定間隔で出力される指示位置を間引くことにより前記指示位置のサンプリング間隔を変える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記所定条件は、前記位置指示操作が前記タッチパネルに表示されている第1アイコンを選択する操作である場合に満たされ、
    前記表示制御部は、前記第1アイコンの周辺に第2アイコンを前記オブジェクトとして表示し、
    前記変更部は、前記位置指示操作に引き続く指示位置と前記第2アイコンの中心点との間の距離が第1距離以下になった場合に、前記指示位置の取得間隔を現在の取得間隔よりも短くし、
    前記実行部は、前記位置指示操作に引き続く指示位置が前記第2アイコンの中心点との間の距離が、前記第1距離よりも短い第2距離以下になった場合に、前記第2アイコンに対応付けられている命令を実行する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記所定条件は、前記位置指示操作がパイメニューの表示を要求する操作である場合に満たされ、
    前記表示制御部は、前記位置指示操作による指示位置を中心として前記パイメニューを前記オブジェクトとして表示し、
    前記変更部は、前記位置指示操作に引き続く指示位置と前記パイメニューの中心点との間の距離が第3距離以上になった場合に、前記指示位置の取得間隔を現在の取得間隔よりも短くし、
    前記実行部は、前記位置指示操作に引き続く指示位置と前記パイメニューの中心点との間の距離が、前記第3距離よりも長い第4距離以上になった場合に、当該指示位置に示される前記パイメニューの項目に対応付けられている命令を実行する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記パイメニューに示される項目には、次の階層の新たなパイメニューを表示するための命令が関連付けられており、
    前記実行部は、前記位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が前記項目に含まれたときに、前記新たなパイメニューを表示するための前記命令を実行し、
    前記変更部は、前記新たなパイメニューを表示する操作に引き続く指示位置と当該新たなパイメニューの中心点との間の距離が第5距離以上になった場合に、前記指示位置の取得間隔を現在の取得間隔よりも短くし、
    前記実行部は、前記位置指示操作に引き続く指示位置と前記新たなパイメニューの中心点との間の距離が、前記第5距離よりも長い第6距離以上になった場合に、当該指示位置に示される前記新たなパイメニューの項目に対応付けられている命令を実行する、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記変更部は、前記位置指示操作に引き続いて取得された指示位置が、前記オブジェクトから所定距離以上離れた場合に、前記指示位置の取得間隔を変更前に戻す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記変更部は、予め設定されているタスクが前記画像形成装置によって実行されている場合には、前記取得間隔を短くする度合いを小さくする、または、前記取得間隔を短くしない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. タッチパネルを備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次取得するステップと、
    前記タッチパネルに対する位置指示操作が所定条件を満たしたときに、前記画像形成装置に対する命令に関連付けられているオブジェクトを前記タッチパネルに表示するステップと、
    前記位置指示操作に引き続く一連の操作における指示位置と前記オブジェクト内の基準点との間の距離が短くなるにつれて、前記指示位置の取得間隔を短くするステップと、
    前記位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が前記基準点を基準とする所定範囲内に含まれたときに、前記命令を実行するステップとを備え、
    前記指示位置の取得間隔を短くするステップは、前記指示位置が前記所定範囲に含まれる前に、前記指示位置の取得間隔を短くするステップを含む、制御方法。
  11. タッチパネルを備える画像形成装置の制御プログラムであって、
    前記制御プログラムは、前記画像形成装置に、
    前記タッチパネルに対するタッチ操作の指示位置を順次取得するステップと、
    前記タッチパネルに対する位置指示操作が所定条件を満たしたときに、前記画像形成装置に対する命令に関連付けられているオブジェクトを前記タッチパネルに表示するステップと、
    前記位置指示操作に引き続く一連の操作における指示位置と前記オブジェクト内の基準点との間の距離が短くなるにつれて、前記指示位置の取得間隔を短くするステップと、
    前記位置指示操作に引き続いて取得される指示位置が前記基準点を基準とする所定範囲内に含まれたときに、前記命令を実行するステップとを実行させ、
    前記指示位置の取得間隔を短くするステップは、前記指示位置が前記所定範囲に含まれる前に、前記指示位置の取得間隔を短くするステップを含む、制御プログラム。
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