JP6528149B2 - 津波避難用装置 - Google Patents

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本発明は、津波避難用装置に関する。
津波避難用の対策装置が各種提案実施されているが、複数本の垂直な支柱とそれらの間を縦横に繋ぐ桁材・梁材とでもって立体鉄骨構造となし、その屋上に避難ステージを設定するとともに避難者を避難ステージまで導くための斜め階段あるいはスロープなどの登降手段を有して構成されているものが一般的であり、多くの人を避難させ得るものとして多く設置されている。その一方、家庭用や近隣者用、一企業向けなど10人ないし20人程度の少人数の避難用装置の要求もあることから、その具体的装置の一つとして特許文献1の図32に示すものを提案した。
特開2004−339920
特許文献1の図32に示す実施形態は、単一本の支柱300を地盤301に垂直に埋め込んで立設した津波からの避難タワー(津波避難用装置)に関するもので、支柱300は、丸や角などのパイプ製で、その外周にはラセン状(螺旋状)をした階段302が一体化されるとともに、上端には避難ベース303が水平に固定されている。避難ベース303には階段につながる通穴が形成されるとともに手摺り304が周囲に立設されている。階段302のまわりには縦向きのパイプでもよいが図示では津波を避けるためラセン面状の波避け側面材305が設けられている。306は、支柱上端に設けた天板である。
この津波避難用装置は、ラセン状の階段302をもつので狭いスペースであってもコンパクトに設置が可能でありまた連続して駆け登ることができて避難が速くできる点で避難用として有利であるが、階段302は扇状の部分円でなる踏板を避難ベース303に至るまで連続的に配備してなっているので、差程多くの人を避難させることができないものである。すなわち、避難ベース303にはラセン階段302を登ってくる際に頭が当たらないようにするためのラセン通穴が大きく開けられている関係でその通穴の残った平面部分が避難面積であってそれは狭いものであり、またラセン階段302の避難可能な上部についても部分円状の踏板の複数枚分にしか過ぎないものであるため、これら避難ベース303と階段上部とを合わせた実質避難可能面積は狭くて多くの人を安全避難させ得るものとは言えない。また、階段302はラセン状で連続したものになっているので、災害弱者にとっては避難途中で一休みしたくても狭いスペース上ではそれが充分にできず他の登ってくる避難者の避難の障害にもなるものであった。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、階段途中や屋上避難場所などを連続したラセン階段式とするのでなく一部に標準的踏板面より可成り広目の平坦面を作って実質避難面積を広く確保することができるとともにその平坦面を利用して避難者は避難途中に一休みすることができしかも避難者の上方への吊上げ救助スペースとしても利用できるようにした津波避難用装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、設置基盤には垂直に支柱が立設され、この支柱の周りを介して複数枚の踏板が上方へ向けてラセン状をなすように配備されて階段が形成されるとともに、該階段の登降途中位置には、踏板複数枚分の広さの平坦面状の中途踊り場が形成され、前記支柱の上端には屋上避難場が形成されてなる津波避難用装置であって、前記屋上避難場周りには、屋根付きの蛇腹式のもので下向きに伸ばすことで該装置全体を密閉空間とし得る風除け蛇腹胴が取り付けられるとともに、該蛇腹胴は、設置基盤にアンカーで固定可能とされるとともに該下回りに対応して出入り扉シ ートが設けられていることを特徴とする。
上述したように本発明は、設置基盤には垂直に支柱が立設され、この支柱の周りを介して複数枚の踏板が上方へ向けてラセン状をなすように配備されて階段が形成されるとともに、該階段の登降途中位置には、踏板複数枚分の広さの平坦面状の中途踊り場が形成され、前記支柱の上端には屋上避難場が形成されてなる津波避難用装置であって、前記屋上避難場周りには、屋根付きの蛇腹式のもので下向きに伸ばすことで該装置全体を密閉空間とし得る風除け蛇腹胴が取り付けられるとともに、該蛇腹胴は、設置基盤にアンカーで固定可能とされるとともに該下回りに対応して出入り扉シートが設けられていることを特徴とするので、階段途中や屋上避難場所などを連続したラセン階段式とするのでなく一部に標準的踏板面より可成り広目の平坦面状の中途踊り場を作って実質避難面積を広く確保することができるとともにその平坦な中途踊り場を利用して避難者は避難途中に一休みすることができしかも避難者の上方への吊上げ救助スペースとしても利用できるようにした津波避難用装置を提供することができる。
本発明である津波避難用装置の第1実施形態を正面からみて示す縦断面正面図。 図1のII−II線に対応する断面図。 図1のIII−III線断面図。 図1のIV−IV線断面図。 津波避難用装置の他の実施形態を示す縦断面正面図。 他の実施形態を示す正面図。 他の実施形態を示す正面図。 他の実施形態を図9のVIII−VIII線に対応して示す横断面図。 図8のIX−IX線に対応して示す断面図。 他の実施形態を示す津波避難用装置の縦断面正面図。 他の実施形態を示す津波避難用装置の縦断面正面図。 付加的な提案例を示す断面図。 プレート穴明け方法を示す斜視断面図。 プレート穴明け方法の他の例を示す縦断面図。
図1および図2は本発明の第1実施形態を示すもので、1は設置基盤で、地盤である場合と地盤に打設したコンクリート基盤である場合とがある。この設置基盤1には、垂直な支柱2が基部を基盤1中に埋め込む形で高く立設されている。支柱2は、直径が50ないし60cmの丸パイプ製(角パイプ製でもよい)で地上に立ち上がった高さが約8m(H=6m、h=2m)になっている。支柱2の地下に埋設された長さは5ないし6mである。
3は下部ラセン階段で、扇形の一部円でなる標準的な下部踏板4…が上からみて1周分弱(7/8周)をもって図4の下端点aと上端点bまでラセン状に登るように設けられるとともに、その外周に沿って登るように固定された下部ラセン側周板5を備えてなっている。
6は下部ラセン階段3への避難入口となる蹴破りドアフレームであって、側方からも進入できない構造を採っている。下部ラセン階段3は蹴込み板を備える場合は、その蹴込み板と踏板4とは一体プレス製とする。
7は下部ラセン手摺で、1.5m前後の高さとしてあるが、2m前後に高くして安全性を向上するようにしてもよい。手摺7に沿って強化樹脂製ガードを張設してもよい。
10は第1中途踊り場で、図4のb点からc点まで1/4周(2/8周)分に相当する角度範囲となるような二等辺三角形をした平坦面部をもった広い踊り場とされている。
図4の二等辺三角形の底辺部分は同図左下欄のように円弧状にして1/4円板状を形成し踊り場10がやや広目になるようにしてもよい。11は第1踊り場前板、12は第1踊り場手摺である。
15は上部ラセン階段で、扇形の一部円でなる標準的な上部踏板16…が上からみて1周分弱(7/8周=14枚)をもって図3のc点からd点までラセン状に登るように設けられるとともに、その外周に沿って登るように固定された上部ラセン側周板17を備えてなっている。上部ラセン階段15は蹴込み板を備える場合は、その蹴込み板と踏板16…とは一体プレス製とする。
17は上部ラセン手摺で、1.5m前後の高さとしてあるが、2m前後に高くして安全性を向上するようにしてもよい。手摺17に沿って強化樹脂製ガードを張設してもよい。
20は第2中途踊り場で、図3のd点からe点まで1/2周分(4/8周分)に相当する角度範囲となるような四角形と1/4円形とをプラスした平坦面部をもった広い踊り場とされている。1/4円形部分は図3に仮想線で示すようにその前側平坦面部と同様な四角形にして全体が矩形をしたより広い平坦面部を提供できるようにしてもよい。
21は第2踊り場側板、22は第2踊り場手摺である。
支柱2は第2中途踊り場20よりもさらにh(2m)分追加的に高く伸びている。高さHはその装置が設置される地域の想定津波高さであるが、この場合さらにh分高くして安全を確保するようにしてある。
25は屋上避難場で、トラック積み込み可能な寸法である直径W=2.2〜2.4mに制限した円形をしており、その外周には避難場側周板26と避難場手摺27が設けられているとともに、屋上避難場25には登り口28が開けられまたこの登り口28には第2中途踊り場20から垂直に立設された避難梯子29の上端が挿通固定されて登降できるようになっている。
尚、31は一対の内側緩衝支柱で、下部は設置基盤1内に埋設固定される一方上部は第1踊り場前板11に一体の前受台14に溶接固定されている。この内側緩衝支柱31は設置基盤1内において支柱2に対し地中梁32で連結固定されている。
35は外側緩衝支柱で、設置基盤1の押し波襲来側Xと引き波襲来側−Xとに対応して前後に位置するように垂直に立設されている。
36は屋上ポールで、屋上避難場25の中央に基部を固定して垂直に高く立設されたもので、図1の実施形態の場合は、鯉のぼり37が掲揚式に設けられている。このポール36の上端には、避雷針38を設けたり、または図1の上端左欄のような落雷抑制型避雷針PDCE((株)落雷抑制システムズ)39を備え付けてもよい。
仮想線で示す42は避難部屋構成シート体で、屋上避難場25上に張設できることにより避難者に対し雨・雪や風除け可能にしヒーター(ソーラー駆動式でもよい)や室内点灯など必要設備を備えるものとする。また、避難者を護る手段として、屋上避難場25の下側の空間を遮蔽し防護する布・シート・ビニールなどによる上部外周遮蔽シート44を設けて避難者が風などに対して防寒対策ができるようにし、さらにその下側の中部外周遮蔽シート45を設けてもよい。
下部踏板4…には蹴込み板を付して下方からの風除けにするが、例えば、図1に破線46で示す部分には簡易式開閉扉を設けて登降は可能であるようにしそれが平時・避難時の風除けになるようにする。
48は遠隔操作型防犯カメラで、広く見渡せる高い避難場手摺27の周部に複数基配備して近隣を防犯上確認できるようにしてある。
49は取付ブラケットで、スピーカー50や広告板51の他に文字絵柄表示ネオン52などが取り付けられている。
文字絵柄表示ネオン52の他に、屋上避難場25と設置基盤1との間に斜めに張設された牽きワイヤ54の回りにライン発光型ネオン55を設けることもできる。
58は救助ケージで、第2中途踊り場20に備えたラチェット付き巻取りウインチ(図示省略)により地上からの避難者を乗せて同踊り場20まで巻き上げ救助するためのものである。踊り場20が広いことにより救助作業しやすく巻き上げられた人も安全に踊り場20に救助されるものである。この救助場所は第1中途踊り場10であったり屋上避難場25であったりする。
図5は他の実施形態を示す。この実施形態の津波避難用装置は、第2中途踊り場20より上に続く登降部として、避難梯子29でなく最上部ラセン階段60を構成し、その上に図5の右上欄のような平坦面矩形状をした屋上避難場65を備えたものである。最上部ラセン階段60は、12/16周分の最上部踏板61と最上部側周板62および最上部手摺63で構成されている。屋上避難場65は、上からみてコの字型をした避難場側周板66と避難場手摺67とを備えている。
屋上ポール69には日の丸国旗70が掲揚式に設けられている。国旗70の他に大漁旗71とか社旗72などを掲揚式とすることもできる。
また、74は取付架台で、この架台74を介して電力線や電話線、光ファイバーなどの電通線75…を架設することもできる。
その他、図1と同じ符号を付した部分については同様の構成となっている。
図6は他の実施形態を示す。図5のような津波避難用装置に設けられるポール80に避雷針81を備える場合、雷電圧により避難者が被害を受けないようにできるだけ離間して配したものであり、82…は避難場側周板66や避難場手摺67それに第2中途踊り場20の手摺22や側周板21などに上下直列になるように配備した絶縁型のポールブラケットで、これらブラケット82…を介して前記ポール80を差し込み避難部から離れた外側に位置するように固定配置してある。83はアース端子箱である。
図7は他の実施形態を示す。図7は屋上避難場85に避難屋根86を設けるに当たって屋根86にポール87を通すことなくそのポール87を邪魔でない屋上手摺88外周部を介して立設したものである。89はポール受筒である。また、この屋上避難場85には支柱90が突き抜けて設けられることがあるが、この支柱90には、津波が想定以上に高くなった際に上へ伸びる伸長パイプ91を備えておくことができ、この場合、補助ステップ92を備え付けておくことでより高いところまで避難し得るものとなる。93は止着具である。
図8および図9は他の実施形態を示す。津波避難用装置の外側緩衝支柱35のさらに前方および後方には、補助緩衝支柱95…を立設しておき、これらの支柱35,95間を介してテント屋根96を張設して雨風を防ぐようにすることによりその下方スペースに簡易市場を作ったりあるいは子供の遊び場に利用できるようにしたものである。
図10は他の実施形態を示す。津波避難用装置の上部(屋上避難場25)周りには、屋根付き風除け蛇腹胴100を取り付けて下向きに一杯に伸ばしてアンカー101で固定することで装置全体が密閉空間とされて雨風・雪に対応できるようにしたものである。下回りに対応して出入り扉シートを設けておくものとする。
図11は他の実施形態を示す。津波避難用装置に設けられる広告看板103には縦軸回りに巻き込まれた風除け巻シート104を備えておき、このシート104を必要に応じて図矢印のように繰出して巻き付けることで装置内部空間を風除け可能な空間とすることができるようにしたものである。
図12は付加的な提案例を示すもので、図において110は薩摩硫黄島、111は竹島であり、これらの島は鹿児島県の南方にあって約7300年前に起こった壊滅的な破局噴火に伴って形成された鬼界カルデラ112のうちの北端の島であって海面113より突き出て残されたものである。鬼界カルデラ112の下方には海底マグマ115が存在して今なお海底における5か所において大量の熱水噴出を観測していることが分かっている(神戸海洋海底探査センターによる)。またここに残された海底マグマ115は、富士山爆発時のフルパワーを1とした場合に約220倍の爆発噴火のパワーを秘めており非常に規模が強大で多数の人々の命が危ぶまれている。その一方においてそれを防ぐ方法は見つかっていない。
そこで、本出願人は、その対策方法を提案する。
図12に示すように、海底には鬼界カルデラ112を含む海底地盤(プレート)117の底方に海底マグマ115が存在し、そのマグマ115を一部排除(抽出)すればマグマの絶対量が減量化して本格的な爆発噴火には至らないものと想定しその排除のためには図のように「ちきゅう号」116を利用させて戴き、そのドリリングと抜き出し作業を通じて行うようにすることを提案する。しかし、ドリリングを行うにも鬼界カルデラ112などには堅い岩盤118…が広い範囲に分散している関係で困難であることも想定され、そこで、図12のように海底マグマ115に遠方においで繋がるマグマ穴道120のうちその上方岩盤が比較的柔らかい質である個所を探査してそこを通じてドリリングしマグマの一部排除を行うようにすることが好ましいとする。
図13は地盤(プレート)(海底を含む)125に大きな穴を開けて内部のマグマ126の一部を排除する一つの方法を示すもので、例えば、大きい直径のドリリング円127を設定し、その円に沿って多数のドリル128…を打ち込んでゆき最終的に一つの円127として繋がるようにして岩盤125を打ち抜くようにして内部のマグマ126を排除するようにする。岩盤125を打ち抜く際にはマグマ126側からの上方への圧力が作用するもとで容易に打ち抜きができるものである。ここで、図14に示すように、ドリル128…を打ち込むのが地上に都市部を抱えている場合には、斜め打ち込み工法を採るものとする。
1…設置基盤 2…支柱 3…下部ラセン階段 10…第1中途踊り場 15…上部ラセン階段 20…第2中途踊り場 25…屋上避難場。

Claims (1)

  1. 設置基盤には垂直に支柱が立設され、この支柱の周りを介して複数枚の踏板が上方へ向けてラセン状をなすように配備されて階段が形成されるとともに、該階段の登降途中位置には、踏板複数枚分の広さの平坦面状の中途踊り場が形成され、前記支柱の上端には屋上避難場が形成されてなる津波避難用装置であって、前記屋上避難場周りには、屋根付きの蛇腹式のもので下向きに伸ばすことで該装置全体を密閉空間とし得る風除け蛇腹胴が取り付けられるとともに、該蛇腹胴は、設置基盤にアンカーで固定可能とされるとともに該下回りに対応して出入り扉シートが設けられていることを特徴とする津波避難用装置。
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