JP6527749B2 - 射出成形機 - Google Patents
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「射出成形システムの概要について」
図1〜図3に示すように、射出成形システムは、射出成形機1と、吸引装置2と、エアパージ装置3と、ベント異常検知装置4と、を有している。なお、吸引装置2、エアパージ装置3、ベント異常検知装置4は、射出成形機1の構成要素となり得る。更に、射出成形機1は、射出成形用スクリュ5(以下、スクリュ5という)と、バレル6と、ベント機構7と、加熱装置8と、冷却装置9と、を備えている。
かかる構成によれば、スクリュ5をシリンダ10に挿通させた状態において、回転移動装置によって、スクリュ5は、直線状の軸線16を中心に回転可能となると共に、軸線16に沿って移動可能となる。
ベント機構7を通してシリンダ10内を負圧に引いた状態において、スクリュ5を回転させる。このとき、スクリュ5は、その先端をノズル14に近接させた状態で回転する。ここで、ホッパ11に原料13(例えば、ペレット)を供給すると、当該原料13は、投入口12を通ってシリンダ10内に投入される。
なお、射出に際し、スクリュ5を、ノズル14に近接した位置(図1参照)から計量完了位置(図2参照)まで後退させる距離について、以下、「ストローク長」と称する。
図1、図2、図5に示すように、スクリュ5において、定量移送部5a、供給部5b、圧縮部5c、計量部5dは、それぞれ、スクリュ本体33,34,35,36、及び、フライト37,38,39,40によって構成されている。フライト37,38,39,40は、スクリュ本体33,34,35,36の外周面33s,34s,35s,36sに沿って螺旋状にねじれて構成されている。なお、フライト37,38,39,40の詳細は後述する。
スクリュ本体33〜36(スクリュ5)は、その基端に、上記した回転移動装置が連結されるように構成されている。スクリュ本体33〜36(スクリュ5)は、当該基端から先端に亘って、上記した直線状の軸線16に沿って真っ直ぐに延出している。スクリュ本体33〜36(スクリュ5)は、軸線16を中心に同心円状に構成されている。スクリュ本体33〜36(スクリュ5)の基端から先端に向かって順に、定量移送部5a、供給部5b、圧縮部5c、計量部5dが並んで構成されている。かかる構成によれば、スクリュ本体33〜36(スクリュ5)をシリンダ10に挿通させた状態において、回転移動装置によって、スクリュ本体33〜36(スクリュ5)は、軸線16を中心に回転可能となると共に、軸線16に沿って移動可能となる。
フライト37,38,39,40は、シリンダ10内に投入された原料13を、定量移送部5a、供給部5b、圧縮部5c、計量部5dの順に、連続的に搬送するように構成されている。フライト37〜40は、互いに同一方向に向かって螺旋状にねじれている。フライト37〜40のねじれ方向としては、例えば、右ねじと同様に時計回りに設定してもよいし、或いは、左ねじと同様に逆時計回りに設定してもよい。
本実施形態のスクリュ5によれば、第1仕様として、第1スクリュ本体33の差渡し寸法(直径)33dを、第2スクリュ本体34の差渡し寸法(直径)34dよりも大きく設定する。又は、第2仕様として、第1フライト37のフライト幅(厚さ)37wを、第2フライト38のフライト幅(厚さ)38wよりも大きく設定する。そして、第3仕様として、上記した第1仕様と第2仕様の双方を同時に適用する。これにより、シリンダ10内に投入された原料13を、定量移送部5aによって、定量的かつ安定的に供給部5bに移送することができる。この結果、原料供給装置を別途備えることなく、一定量の原料に対する射出成形が可能となる。
スクリュ本体33〜36は、互いに連続した一体物として構成してもよいし、複数に分割された組立体として構成してもよい。図4には一例として、組立体に係るスクリュ本体33〜36が示されている。即ち、スクリュ本体33〜36は、軸線16を横断する方向に2分割された第1本体及び第2本体を有している。分割部分は、定量移送部5aと供給部5bと間に設定されている。
図1〜図3に示すように、ベント機構7の配置は、定量移送部5a、供給部5b、圧縮部5c、計量部5dに対向するバレル6のうち、供給部5bに対向した範囲のバレル6に設けるように設定することが好ましい。具体的には、ベント機構7を設ける位置は、射出時にスクリュ5を軸線16に沿ってバレル6の先端に移動させた状態において、供給部5bに対向した範囲のバレル6のうち、バレル6の基端に最も近接した部分に設定することが好ましい。なお、供給部5bのうち、バレル6の先端寄りの部分は、原料13の可塑化が始まっている。このため、当該部分にベント機構7を設けた場合、ベントアップ現象を生じ易い。
図1、図6〜図10に示すように、ベント機構7は、カバー部材44によって覆われている。カバー部材44には、通路45が貫通して構成されている。通路45には、上記した共用配管19の一端が接続されている。この場合、共用配管19の一端を、後述する支持部材50に形成された通路54にダイレクトに接続させてもよい。更に、ベント機構7は、ベントポート47と、ベント部材48と、排気路構成部49と、を備えている。
ベントポート47は、上記したベント機構7の配置に対応して、供給部5bに対向した範囲のバレル6に設けられている。具体的には、ベントポート47を設ける位置は、射出時にスクリュ5をシリンダ10内に沿ってバレル6の先端に移動させた状態において、供給部5bに対向した範囲のバレル6のうち、バレル6の基端に最も近接した部分に設定されている。
ベント部材48は、ベントポート47の内側輪郭に沿った外側形状を有している。上記した長方形の内部輪郭を有するベントポート47の場合、ベント部材48は、長方形の外側形状を有している。ベント部材48は、互いに対向する一端面48aと他端面48bとを有している。ベント部材48の一端面48aは、平坦面形状を有している。ベント部材48の他端面48bは、シリンダ10の内周面10sの曲率に一致した曲面形状を有している。
排気路構成部49は、ベント部材48に少なくとも1つ設けられている。図面には一例として、複数の排気路構成部49を有するベント部材48が示されている。排気路構成部49は、ベント部材48をベントポート47に組み込んだ状態において、バレル6の外面6sからシリンダ10の内周面10sに亘って貫通して構成される。このとき、排気路構成部49は、シリンダ10内に発生した気体成分を排気するための中空の排気路53として構成される。かかる構成において、排気路53は、上記した支持部材50に形成された通路54を通って外部に連通可能となる。
排気路53の延出方向と、シリンダ10の半径方向との成す角は、0°を含まずに、かつ、90°を含めて0°〜90°の範囲に設定することが好ましい。この場合、排気路53の延出方向は、重力方向46gに直交する方向、或いは、重力方向46gとは逆方向に設定することが好ましい。最も好ましい仕様として、排気路53の延出方向は、ベントポート47がシリンダ10の内周面10sに対して内側から接する方向で、かつ、スクリュ5の回転方向5Rとは逆方向に一致させることが好ましい。図6〜図8には、かかる最も好ましい仕様が示されている。
上記したベント機構7によれば、スクリュ5の回転中に、その回転運動を、排気路53に入り込んだ原料13を当該排気路53から掻き出す方向に働かせることができる。これにより、シリンダ10内が負圧に引かれている間に、原料13によって排気路53が目詰まりするのを防止することができる。この結果、排気性能を長期に亘って一定に維持することができる。
上記した一実施形態において、ベント部材48をベントポート47に挿入する構成を適用したが、これに代えて、図11〜図13に示すように、ベント部材48を、バレル6と固定ブロック55との間に挟み込むように構成してもよい。この場合、固定ブロック55は、バレル6の一部を切り取って構成することができる。図面には一例として、排気路構成部49と同寸法の固定ブロック55が示されている。
上記した一実施形態において、ベント部材48(他端面48b)の先端を、シリンダ10の内周面10sの曲率に沿って先細り形状にした構成を適用したが、これに代えて、図14に示すように、ベント部材48の他端面48bの先端を途中でカットする構成にしてもよい。
上記した一実施形態において、ベント部材48(他端面48b)の先端を、シリンダ10の内周面10sの曲率に沿って先細り形状にした構成を適用したが、これに代えて、図15〜図16に示すように、ベント部材48を直方体形状に構成してもよい。
上記した一実施形態において、ベント部材48の一方側面の排気路構成部49によって構成された排気路53について説明したが、これに代えて、図17に示すように、ベント部材48の両側面に沿って排気路構成部49を構成してもよい。
上記した一実施形態において、長方形の輪郭を有するベントポート47及びベント部材48を適用したが、これに代えて、図18に示すように、円形の輪郭を有するベントポート47及びベント部材48を適用してもよい。この場合、ベントポート47は、中空の円筒形状を有している。ベント部材48は、ベントポート47に挿入可能な円筒形状を有している。排気路構成部49は、ベント部材48の周面に沿って間隔を存して設けられている。
5b…供給部、5c…圧縮部、5d…計量部、6…バレル、7…ベント機構、
8…加熱装置、9…冷却装置、10…シリンダ、12…投入口、13…原料、
14…ノズル、33,34,35,36…スクリュ本体、37,38,39,40…フライト。
Claims (5)
- 直線状の軸線を中心に回転すると共に、前記軸線に沿って移動可能な射出成形用スクリュと、
前記射出成形用スクリュが挿通されたシリンダを有するバレルと、
前記バレルの基端に設けられ、前記シリンダ内に原料を投入するための投入口と、
前記バレルの先端に設けられ、可塑化された原料を射出するためのノズルと、
前記シリンダ内に発生した気体成分を排気するベント機構と、
可塑化された原料によって前記ベント機構が目詰まりするのを防止すべく、前記ベント機構に向けて圧縮空気を供給するエアパージ装置と、を備え、
前記射出成形用スクリュは、
前記投入口から投入された原料を定量的に移送する定量移送部と、
移送された原料を連続的に供給する供給部と、
供給された原料を可塑化する圧縮部と、
可塑化された原料を計量する計量部と、を有していると共に、
前記射出成形用スクリュには、前記バレルの基端から先端に向かって順に、前記定量移送部、前記供給部、前記圧縮部、前記計量部が並んでおり、
前記ベント機構は、前記供給部に対向した範囲の前記バレルに設けられている射出成形機。 - 前記ベント機構を設ける位置は、射出時に前記射出成形用スクリュを前記軸線に沿って前記バレルの先端に移動させた状態において、前記供給部に対向した範囲の前記バレルのうち、前記バレルの基端に最も近接した部分に設定されている請求項1に記載の射出成形機。
- 前記定量移送部によって原料を定量的に移送することで、少なくとも前記ベント機構が設けられた位置に対向する前記バレルの前記シリンダ内に、前記原料の存在しない空間的な隙間が構成される請求項2に記載の射出成形機。
- 前記ベント機構を通して、前記シリンダ内を負圧に引く吸引装置を備えている請求項1に記載の射出成形機。
- 可塑化された原料によって前記ベント機構が目詰まりした際に、その状態を検知するベント異常検知装置を備えている請求項1に記載の射出成形機。
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