JP6527135B2 - 証券発行システム及び資金調達方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インフラを新規に建設し又は既設のインフラを補修する資金を調達するための証券を発行する証券発行システム及び資金調達方法に関する。
特許文献1、及び、特許文献2には、民間資金調達用の証券、特に、インフラ整備等の公共事業に民間の資金を投下するために発行される民間資金調達用の証券が記載されている。
例えば、道路、鉄道等の公共施設の建設や運営、医療施設、社会福祉施設等の公益的施設の建設や運営は、これらの施設が建設される地域住民にとって、日常生活に密接に関連する事柄であるため、重大な関心事である。したがって、道路や医療施設と言った生活の基幹に直結するインフラ(社会の基本設備、インフラストラクチャーの略)の整備は、都市整備を行う上で重要である。また、このようなインフラを用いての行政サービスは、住民にとって不可欠なものであっても、全ての事業で採算が取れるものではない。
国又は地方公共団体は、都市整備のための手段として、先ず、以上のようなインフラ整備を行う必要があるが、国又は地方公共団体の幾つかは、財政難で、インフラ整備の公共事業に歳費を十分に割り当てることができないのが実情である。このため、インフラ整備のための費用を確保するため、民間から資金を調達する考え方がある。
民間の資金を調達するため手段として、国又は地方公共団体は、国債、地方債と言った公共債を発行することがある。公社債の中でも、政府保証債は、民間金融市場において発行されるものであり、債券発行者が負うべき元本と利子の償還債務を政府が全面的に保証するものである。
また、債券発行者が民間の事業者である場合の事業債には、例えば、SPC(特定目的会社:Specific Purpose Company/Specified Purpose Company)に係る債券がある。SPC債券は、いわゆるプロジェクトファイナンスに係る債券であり、特定のプロジェクトを遂行するための資金を集めるために発行される。例えば、ある駅前に大型のビルを建設し運営していく場合、発行する債券は、調達される資金の用途が「駅前ビルの建設及び運営」というプロジェクトで特定される。また、PFI(民間資金を活用した社会資本整備:(Private Finance Initiative))においても、インフラ整備等の公共事業を行う事業者が類似の債券を発行することによって資金調達を行うこともある。
特開2002−157419号公報 米国特許第7,536,330号明細書
しかしながら、政府保証債は、財政難の国又は地方公共団体にとって、事業が不振となった場合、債務の全てを保証することは困難である。SPCやPFIのようなプロジェクトファイナンスに係る債券の場合には、政府保証はなく、元本や利子に何ら保証がないので、十分な資金を調達できないおそれがある。また、債券は、償還期限を迎えたとき、元本を償還する必要があり、事業者にとって、負担が大きい。更に、採算性の悪い行政サービスのためのインフラ整備は、民間から資金も調達しづらい。
事業者が資金を調達する方法としては、更に、株式がある。事業者は、資金を得るために、株式を発行し、株式を購入した株主は、その事業者の事業に参画することができ、また、配当を得ることができる。しかしながら、増資のため株式を発行する場合であっても、投資家はその会社が業績不振となり、減資されることをおそれ、また、会社が清算されることをおそれて、十分な投資家が集まらず、十分な資金を調達できないおそれがある。
更に、インフラの多くは、長期間に亘って維持管理が必要な交通網や建物である。したがって、建設の後には、そのインフラを維持するため、補修が必要であり、その資金を調達する必要もある。
本発明は、以上のような背景に基づいてなされたものであり、事業者にとって容易に資金を調達することができる新たな証券を発行することができる証券発行システム及びこの新規な証券に基づいて容易に資金を調達することができる資金調達方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、投資家の要望に合わせて又は事業の進展に合わせて証券の種類や内容を変更することができる新規な証券発行システム及び資金調達方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、事業の進展に合わせて適切な種類の証券を選択し発行することができる新規な証券発行システム及び資金調達方法を提供することを目的とする。
証券発行システムは、新規のインフラを建設する新規事業の資金を調達するための証券を発行するように構成された証券発行コンピュータを備える。当該証券発行コンピュータは、前記証券の利率及び配当を決定する処理部を有する。
ここで、証券発行コンピュータが発行する証券は、第1証券であり、前記第1証券を発行する第1発行法人と、前記第1証券の保有と引換えに前記第1発行法人に支払われる第1額面価格と、前記第1額面価格の償還期限と、前記第1発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第1証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻され金額を定める第1保証率であって、第1額面価格に対する割合で定義された第1保証率と、前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第1利率であって、前記第1額面価格に対する又は前記第1保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第1利率と、前記第1証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第1配当であって、前記第1保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第1配当とを含む。
このような第1証券は、償還期限までの間、事業が滞りなく順調に運営された場合、毎年、利率(年利)に従った金利や配当が投資家に支払われ、償還期限を迎えた際には第1額面価格に相当する金額が払い戻される。一方で、償還期限を迎える前に、事業が不振となり、金利の支払が滞った場合や事業者が債務不履行に陥った場合にも、保証人によって、保証限度のX%が払い戻される。このように第1証券は、部分的な保証が付くため、資金を投資家から調達しやすくなる。また、保証人も、第1額面価格の全額を保証しなくて済むので、財政的負担が少なくなる。更に、証券保有者は、第1証券には非保証部分も存在するため、その事業を成功させるべく、その事業に積極的な意志を持って参画するようになる。この第1証券は、償還期限が設けられ、利息が支払われる点で債券に類似したものとなっている。
また、前記証券発行コンピュータは、前記新規事業とは異なる新規事業及び/又は既設のインフラを補修する補修事業の資金を調達する目的の他の証券を発行することもできる。前記他の証券となる第2証券は、償還期限がなく、前記第2証券を発行する第2発行法人と、前記第2証券の保有と引換えに前記第2発行法人に支払われる第2額面価格と、前記第2発行法人が利息支払が不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第2証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める第2保証率であって、前記第2額面価格に対する割合で定義された第2保証率と、前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第2利率であって、前記第2額面価格に対する又は前記第2保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第2利率と、前記第2証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に支払う第2配当であって、前記第2保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第2配当とを含む。前記第2証券は、前記第1証券とは償還期限が無い点で相違している。また、前記第2証券は、償還期限がなく、第2配当が設けられている点で、株券と類似している。そして、前記処理部は、前記第2証券の第2利率及び第2配当を決定し前記第2証券を発行する。
以上のような第1証券や第2証券は、都市間を繋ぐ交通インフラを建設する新規事業や既設のインフラを補修する事業の資金調達に用いることができる。前記新規事業としては、前記交通インフラの他に、更に、前記都市間に、更なる新都市を建設する事業を含んでいてもよい。また、前記新都市を建設する事業は、前記新都市に駅を建設する事業を含んでいてもよく、また、当該新都市にランドマークを建設する事業を含んでいてもよく、更に、前記新都市に教育施設、福祉施設、及び/又は、医療施設を建設する事業を含んでいてもよい。既設のインフラを補修する事業としては、既設の道路等の他、前記新規事業で設けられたインフラの補修がある。
第1及び第2証券は、債券の特徴と株券の特徴とを併せ持つ新型証券であり、金利が付く点で債券に類似しており、配当が付く点で株券に類似している。そして、第1証券は、償還期限がある点で債券に類似し、第2証券は、償還期限が無い点で株券に類似している。第2証券は、償還期限の無い点で株券に類似しているといっても、証券保有者に、株主のような地位は与えられない点で株券と異なっている。
第1証券や第2証券は、新規事業やインフラの補修事業といった規模の大きな事業の資金を調達することができ、事業者は、この大規模新規事業の範囲内で、大規模新規事業を構成する様々な事業に調達した資金を自由に用いることができる。投資家は、第1証券や第2証券の資金調達の目的が明確であるため、その資金調達の目的の範囲内で、資金が使われているかどうかを監視することができる。
更に、第1証券や第2証券は、上述の例より細かな目的別に発行するようにしてもよい。すなわち、新規の交通インフラを建設する事業の資金を調達するための証券を発行する他に、更に、種類の異なる、前記都市間に、更なる新都市を建設する新規事業の資金を調達する目的の更なる前記第1証券を発行するようにしてもよい。
前記第1証券や第2証券は、TVショッピングの番組で、調達する事業の説明とともにその内容が紹介することもできる。この場合、当該証券発行システムは、証券発行部で、TVショッピングの番組を表示するディジタルテレビ受信機から送信された買い注文データを受信すると、買い注文がされた前記第1証券や第2証券を、視聴者である投資家に対して発行する。
また、証券発行システムは、新規のインフラを建設する新規事業の資金を調達する第1証券を発行する証券発行コンピュータを備える。前記証券発行コンピュータは、前記第1利率及び第1配当を決定する処理部を有し、前記処理部は、前記第1証券を発行するとともに、前記第1証券の発行から所定期間を経過したとき、前記第1証券を、前記第1証券と異なる他の種類の第2証券に転換する処理を行う。ここでの前記第1証券は、償還期限が定められていても、定められていなくてもよいが、定められていることが好ましい。
例えば、前記処理部は、前記償還期限を迎えたときに前記他の種類の第2証券に転換するように構成される。また、前記処理部は、投資家コンピュータから前記第1証券を前記他の種類の第2証券に転換することを指示する転換権行使データを受信したとき、前記証券保有者の前記第1証券を前記他の種類の第2証券に転換処理し、前記転換権行使データを受信しなかったとき、前記投資家の第1証券の償還処理を行うように構成される。
ここでいう、前記第2証券は、前記第2保証率が0%で第2配当が付く証券であり、また、前記第2利率が0%又は前記第1証券の第1利率と異なる証券である。更に、転換時に、前記保証部分の金額に対して全額を保証した前記第2利率の付いた証券と、前記非保証部分の金額に対し保証を付けず第2配当の付いた証券とに分かれた複数の証券となってもよい。また、前記他の種類の証券は、株券であってもよい。また、例えば、前記株券は、通常(既存)の株券と同様であってもよいし、前記第2証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者によって、前記株券の額面又は前記第1証券からの転換時の市場価格の所定割合の金額が保証されていてもよい。
また、前記処理部は、前記第1証券の発行から所定期間が経過したとき、前記第1利率及び/又は前記第1保証率を変更するように構成されていてもよい。
更に、証券発行システムは、新規のインフラを建設する新規事業の資金を調達するための第1証券を発行するとともに、既設のインフラを補修する補修事業の資金を調達するための第2証券を発行する証券発行コンピュータを備える。ここで、発行する証券は、少なくとも、前記第1証券と前記第2証券である。前記証券発行コンピュータは、前記第1証券の第1利率及び第1配当を決定して前記第1証券を発行するとともに、前記第2証券の第2利率及び第2配当を決定して前記第2証券を発行するように構成される処理部を有する。前記処理部は、前記第2証券を、前記第1証券の発行の後に発行するように構成してもよい。例えば、前記新規事業で設けられたインフラの補修事業に用いるための前記第2証券を、前記第1証券の発行の後に発行する。
前記処理部は、前記第1証券が償還期限を迎える前に、次に更なる証券として、前記第1証券を発行するか、前記第2証券を発行するかを判定するように構成してもよい。この場合、前記処理部は、前記第1証券が償還期限を迎える前に、次に更なる証券として、前記第1証券を発行するか、前記第2証券を発行するかを判定するために必要な情報を入力するように警告を出力するように構成してもよい。例えば、前記処理部は、補修するインフラが長期的又は恒久的な施設であるとき、前記償還期限のない前記第2証券を選択し、補修するインフラが短期的な施設であるとき、前記償還期限のある前記第1証券を選択するように構成する。前記処理部は、前記第2証券を発行すると判定したときに、前記第1証券の発行の後に、前記第2証券を発行するように構成してもよい。また、前記処理部は、前記第1証券を発行すると判定したときに、前記第1証券の発行の後に、前記第2証券に代えて、又は、前記第2証券と共に第1証券を発行するように構成してもよい。
また、本発明は、以上のような証券発行システムを用いて行われる資金調達方法である。以上のような証券発行システムや資金調達方法は、コンピュータシステムにコンピュータプログラムをインストールすることによって実現することができる。
本発明によれば、処理部が、第1証券を発行するとともに、第1証券の発行から所定期間を経過したとき、第1証券を、第1証券と異なる他の種類の第2証券に転換する処理を行う。すると、元の第1証券は消滅し、転換された転換証券のみが残る。投資家は、第1証券を転換する前は、証券保有者として安定したキャッシュフローを確保することができ、転換後は転換後の内容に従って金利や配当を受け取ることができ、投資家にとって投資の自由度が増すことになる。また、償還期限のない第1証券に転換された場合、事業者は、償還時に、投資家に対して額面価格の金額を支払わなくて済み、財政的負担を少なくすることができる。このように、本発明によれば、事業者や投資家のニーズに合わせて証券の種類や内容を変更することができる。
また、本発明によれば、償還期限のない第2証券を、償還期限のある第1証券の発行の後に発行する。したがって、例えば、新規にインフラを建設するときには、償還期限のある第1証券で資金を調達し、補修のときには、償還期限のない第2証券で資金を調達することができる。第2証券は、償還期限がないため、発行者は、第2金利と第2配当を投資家に支払い、投資家に対して額面価格の金額を支払わなくて済み、財政的負担を少なくすることができる。このように、本発明によれば、事業者や投資家のニーズに合わせて証券の種類や内容を変更することができる。
第1証券の構成を示す図である。 第1証券を示す図である。 第2証券の構成を示す図である。 第2証券を示す図である。 カリフォルニア高速鉄道の計画ルートを示す図である。 第1証券を用いたカリフォルニア高速鉄道の計画を説明する図である。 カリフォルニア高速鉄道と沿線開発の資金調達のための第1証券を示す図である。 カリフォルニア高速鉄道と沿線開発の資金調達のために、1種類の第1証券を発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを示す図である。 カリフォルニア高速鉄道建設及び新都市A〜Cの資金調達のための第1証券を示す図である。 カリフォルニア高速鉄道と新都市A〜Cの建設の資金調達のために、4種類の第1証券を発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを示す図である。 新都市Aの開発に関し、更に細かな目的別に発行される第1証券を示す図である。 新都市Bの開発に関し、更に細かな目的別に発行される第1証券を示す図である。 新都市Cの開発に関し、更に細かな目的別に発行される第1証券を示す図である。 市営スタジアム改修資金の調達のために発行される第2証券を示す図である。 カリフォルニア高速鉄道の補修するための第2証券を示す図である。 都市Aの医療施設改修のための第2証券を示す図である。 橋梁の補修事業を示す図である。 有料橋の補修計画及び両岸の街の再開発のための第2証券を示す図である。 有料橋の補修計画及び両岸の街の再開発の資金調達のために、1種類の第2証券を発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを示す図である。 有料橋の補修に関し、更に細かな目的別に第2証券を発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを示す図である。 有料橋の補修と両岸の街の再開発の資金調達のために3種類の第2証券を発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを示す図である。 証券発行システムの構成を示すブロック図である。 証券発行コンピュータのブロック図である。 投資家データベースを示す図である。 第1及び第2証券の発行処理を示すフローチャートである。 第1及び第2証券の買い注文処理を示すフローチャートである。 第1及び第2証券の売り注文処理を示すフローチャートである。 利息と配当の支払処理を示すフローチャートである。 第1証券を第2証券に転換する転換処理を示すフローチャートである。 TVショッピングで第1証券を第2証券を発行する例を説明する図である。 復興証券と観光証券を説明する図である。 都市再生証券を説明する図である。 南ヨーロッパと北アフリカの地域開発証券を説明する図である。 エネルギ関連証券を説明する図である。 パイプライン建設証券を説明する図である。 砂漠緑化証券を説明する図である。 インフラ管理証券を説明する図である。 オリンピック証券を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
<1.第1及び第2証券の説明>
<2.第1及び第2証券を用いた具体例〜高速鉄道建設〜>
<2−1.高速鉄道の説明>
<2−2.第1証券を用いたカリフォルニア高速鉄道の計画の説明>
<2−3.目的別に第1証券を発行する例の説明>
<2−4.更に細かく目的別に第1証券を発行する例の説明>
<2−5.第2証券をスタジアム改修の資金調達に使用する例の説明>
<2−6.第1証券の作用効果>
<2−7.カリフォルニア高速鉄道に関連して第2証券を使用する例の説明>
<3.第2証券を用いた具体例〜橋梁の補修〜>
<3−1.老朽化した橋梁の説明>
<3−2.第2証券を用いた有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発計画の説明>
<3−3.目的別に第2証券を発行する例の説明>
<3−4.第2証券の作用効果>
<4.証券発行システム>
<4−1.システム構成>
<4−2.証券発行コンピュータ>
<4−3.証券発行処理>
<4−4.証券買い注文処理>
<4−5.証券売り注文処理>
<4−6.利息/配当支払処理>
<4−7.転換処理>
<4−8.判定部>
<4−9.TVショッピングについて>
<5.第1及び第2証券を用いたその他の具体例>
<5−1.復興証券と観光証券>
<5−2.都市再生証券>
<5−3.地域開発証券>
<5−4.エネルギ関連証券>
<5−5.砂漠緑化証券>
<5−6.インフラ管理証券>
<5−7.オリンピック証券>
<5−8.第1及び第2証券の利用可能性>
<1.第1及び第2証券の説明>
図1及び図2に示すように、第1証券10は、調達する資金の使用事業であるプロジェクト名及びその内容11と、その事業を計画し第1証券10を発行する計画者/事業者/発行者12と、第1証券10の保有と引換えに第1証券10の発行者に支払われる額面価格13と、発行する第1証券10の償還期限14とを含む。更に、発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、第1証券10の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める保証率(保証限度)15であって、額面価格13に対する割合で定義された保証率(保証限度)15と、その保証された金額を保証する保証人16とを含む。更に、証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める利率(年利)17であって、額面価格13に対する又は保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された利率(年利)17と、保証率15で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される、証券保有者に支払う配当18とを含む。この第1証券10は、部分的な保証が付いている点や調達資金の使用目的が明確である点で、社債、国債等の債券と異なるが、償還期限が設けられ、利息が支払われる点で債券に類似したものとなっている。
すなわち、第1証券10は、例えば、額面価格13のX%(0%<X<100%又は0%≦X≦100%)が事業者の債務部分となり、また、国又は地方公共団体等の第三者の保証人に保証された保証部分となる。また、額面価格13のY%(額面価格−債務部分(保証部分))は、投資家から見て投資部分となり、発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、投資家には返還されない非保証部分(投資家から見て「リスク部分」)となる。金利は、額面価格13に対して割合又は保証部分に対する割合で決定される。なお、保証人16としては、国又は地方公共団体の他、民間企業であってもよいし、官民合同体であってもよい。
このような第1証券10は、償還期限までの間、事業が滞りなく順調に運営された場合、毎年、利率(年利)17に従った金利が第1証券10の購入者である投資家に支払われ、また、収益の還元として配当が支払われる。また、償還期限を迎えた際には額面価格(100万円)に相当する金額が払い戻される。一方で、償還期限を迎える前に、事業が不振となり、金利の支払が滞った場合や事業者等12が債務不履行に陥った場合、保証人16によって、保証限度のX%(70万円)が払い戻される。このような第1証券10は、詳細は後述するが、部分的な保証が付くため、資金を投資家から調達しやすいので、新規公共事業を行う際の資金調達に好適である。また、この第1証券10には、非保証部分も存在するため、その事業が成功するように、また、より高い配当を得ることができるように、証券保有者が積極的にその事業に参画するようになる。なお、金利は、固定金利でも、変動金利であってもよい。また、保証は、額面価格13に対してだけでなく、定期的に支払われる変動又は固定の利息に対して同様な率で付けるようにしてもよい。例えば、利息が支払い不能となった年の利息(額面価格の3%)の70%が保証される。このような第1証券10は、保証人16が保証可能な範囲であれば、資金調達をするプロジェクトの数や規模や種類に関し特に限定されることなく発行することができる。
図2の例は、高速鉄道プロジェクトを目的とした第1証券10を示している。図2の例では、その内容を、カリフォルニア高速鉄道と沿線開発とし、計画者/事業者/発行者12がカリフォルニア州高速鉄道局となり、額面価格13が100万円で、償還期限14が10年、保証人16であるアメリカ合衆国、カリフォルニア州により保証される保証率(保証限度)15が70%となり、利率(年利)17が3%となっている。
また、図3及び図4に示すように、本発明の第2証券20は、調達する資金の使用事業であるプロジェクト名及びその内容21と、その事業を計画し第2証券20を発行する計画者/事業者/発行者22と、第2証券20の保有と引換えに第2証券の発行者に支払われる額面価格23とを含む。また、発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、第2証券20の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める保証率(保証限度)25であって、額面価格23に対する割合で定義された保証率(保証限度)25と、その保証された金額を保証する保証人26とを含む。更に、証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める利率(年利)27であって、額面価格23に対する又は保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された利率(年利)27と、保証率25で保証された保証部分以外の非保証部分(投資家から見て「リスク部分」)に対して付与される配当28を含む。すなわち、この第2証券20は、償還期限24が設けられておらず、配当28が設けられている点で、株式と類似している。しかし、第2証券20の所有者は、株主のようなプロジェクトに対して直接的に参画する地位が与えられることはない。なお、保証人26としては、国又は地方公共団体の他、民間企業であってもよいし、官民合同体であってもよい。
このような第2証券は、滞りなく順調に運営されている限り、毎年、利率(年利)27に従った金利が第1証券10の購入者である投資家に支払われる。また、事業が利益を産み始めた後には、決算期における利益に応じて配当28が支払われることになる。一方で、事業が不振となり、金利の支払が滞った場合や事業者等22が債務不履行に陥った場合、保証人26によってX%(70万円)が払い戻される。このような第2証券20は、詳細は後述するが、償還期限がなく、また、投資家に株主のような地位が与えられないので、既存の施設の補修事業等を行う際の資金調達に好適である。また、この第2証券20には、非保証部分も存在し、当該部分に配当が付くため、その事業が成功するように、また、より高い配当を得ることができるように、証券保有者が積極的にその事業に参画するようになる。なお、金利は、固定金利でも、変動金利であってもよい。また、保証は、額面価格23に対してだけでなく、定期的に支払われる変動又は固定の利息に対して同様な率で付けるようにしてもよい。例えば、利息が支払い不能となった年の利息(額面価格の3%)の70%が保証される。このような第2証券20は、保証人26が保証可能な範囲であれば、資金調達をするプロジェクトの数や規模や種類に関し特に限定されることなく発行することができる。
図4の例は、有料橋の補修プロジェクトを目的とした第2証券20を示している。図4の例では、その内容を、ロックランド郡とウエストチェスター郡を結ぶ有料橋と周辺地域の再開発とし、計画者/事業者/発行者22がニューヨーク州高速道路交通局となる。また、額面価格23が100万円で、償還期限24が無し、保証人26であるニューヨーク州、アメリカ合衆国により保証される保証率(保証限度)25が70%となり、利率(年利)17が3%となっている。また、その事業が利益を生み出すようになったときには配当28が支払われる。
図1〜図4に示した第1及び第2証券10,20は、債券の特徴と株券の特徴とを併せ持つ新型証券であり、金利が付く点で債券に類似しており、配当が付く点で株券に類似している。そして、第1証券10は、償還期限がある点で債券に類似し、第2証券20は、償還期限が無い点で株券に類似している。第2証券20は、償還期限の無い点で株券に類似しているといっても、証券保有者に、株主のような地位は与えられない点で株券と異なっている。
第1及び第2証券10,20は、仮に文言通りの利息を支払うことができなくなっても、購入者である投資家には一定の割合で保証された金額が返還されることになり、投資家に安心感を与えることができる。したがって、事業者も事業資金を調達しやすくなる。第1証券10や第2証券20の売買がされる証券市場においても、第1証券10及び第2証券20は、保証付きであることから、市場価格が大幅に値下がりを抑制することができる。また、証券市場において、第1証券10や第2証券20が値上がりした場合、投資家は、売却益を得ることができる。一方で、公共事業を計画する国又は地方公共団体にあっても、事業不振に陥った場合に、額面価格の全額を保証する必要がないことから、第1及び第2証券10,20を用いた資金調達をしやすくなる。特に、第1及び第2証券10,20の額面の全額を保証しなくてよいことから、財政難の国又は地方公共団体も第1及び第2証券10,20を用いた資金調達を行いやすくなる。このような第1証券10は、詳細は後述するが、資金を投資家から調達しやすいので、新規公共事業を行う際の資金調達に好適である。また、第2証券20は、償還期限が無く、利率(年利)27と配当28を投資家に支払うだけで額面価格23に相当する金額を払い戻す必要が無く、更に、第2証券20の所有者に株主のような地位が与えられる訳でないので、既存の事業の補修資金の調達等に好適である。いずれの証券にしても、非保証部分を有し、更に配当18,28もあるので、証券保有者に、その事業を成功させようとする意識を強く持たせることができ、その事業を成功に導きやすくなる。
<2.第1及び第2証券を用いた具体例〜高速鉄道建設〜>
<2−1.高速鉄道の説明>
例えば、アメリカ合衆国のカリフォルニア州には、カリフォルニア高速鉄道の計画がある。図5に示すように、この計画では、最高220マイル毎時(350km/h)の高速列車がサンフランシスコとロサンゼルスを2時間半で結ぶとともに、主要都市である、サクラメント、サンノゼ、フレズノ、サンディエゴ等も結び、路線長700マイル以上(1,100キロメートル以上)が予定されている。
カリフォルニア高速鉄道の計画において、例えば、サンフランシスコとロサンゼルスを結ぶ線路を敷設する。図5に示すルートは、カリフォルニア州の沿岸ではなく、内陸地域を通るものであり、広大な農耕地帯となっている。計画では、9100万人から9500万人の利用者が見込まれている中、更に、利用者を増やすには、更なる沿線開発が必要となる。そこで、図6に示すように、サンフランシスコとロサンゼルスの間に、新都市A、新都市B、新都市Cを建設し、高速鉄道の駅を建設し、各都市には、ランドマークとなる施設を建設する。
例えば、新都市Aでは、最先端医療を提供する大規模医療施設を建設し、新都市Bでは、第2のディズニーランドといった巨大遊園地を建設し、新都市Cでは、カジノを建設する。かくして、サンフランシスコとロサンゼルスの間の新都市A、新都市B、及び、新都市Cは、魅力ある都市となる。そして、カリフォルニア高速鉄道は、サンフランシスコとロサンゼルスの間を移動する乗客や既存の都市(サンノゼ、フレズノ、ベーカーズフィールド等)に移動する乗客だけでなく、新都市A〜Cに行くことを目的とした乗客を増やすことができ、一層、利用者増を見込むことができる。更に、新都市A〜C等を新たに建設することで、カリフォルニア高速鉄道の沿線の人口が増え、これにより、不動産価値が上昇し、また、沿線の各都市の自治体やカリフォルニア州の税収を増やすことができる。また、新都市の建設を短期間で行うことが可能となり、短期間で、人口を増加させることができる。
<2−2.第1証券を用いたカリフォルニア高速鉄道の計画の説明>
以上のようなカリフォルニア高速鉄道を新規に建設するに当たっては、本発明の第1証券10が好適である。図7に示す第1証券10Aは、プロジェクト名が高速鉄道建設と沿線開発であり、サンフランシスコとロサンゼルスの間の高速鉄道と沿線開発を行うための資金調達証券となっている。この第1証券10Aでは、カリフォルニア高速鉄道の建設資金の他、沿線開発として、図6に示した新都市A〜Cの建設、各新都市A〜Cの駅舎建設、各新都市A〜Cの教育施設建設、各新都市A〜Cの福祉施設建設、各新都市A〜Cの医療施設建設といった事業の資金調達を行う。更に、第1証券10Aでは、新都市Aの大規模先端医療施設建設、新都市Bの第2のディズニーランドといった巨大遊園地建設、新都市Cのカジノ建設、といった事業の資金調達を行う。
すなわち、図7に示す第1証券10Aでは、カリフォルニア高速鉄道と沿線開発の全ての資金を調達する証券となっている。そして、この第1証券10Aでは、額面価格が100万円で、年利が3%で、保証率が70%となっている。このような第1証券10Aは、アメリカ合衆国やカリフォルニア州が保証人となっているので、安心して投資家が購入することができ、また、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局(CHSRA: California High-Speed Rail Authority)も円滑に資金を調達することができる。また、証券保有者に対しては、収益の還元として配当が支払われることになっている。
ここで、例えば、図7に示すようなカリフォルニア高速鉄道と沿線開発の資金調達のために、1種類の第1証券10Aを発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを、図8を参照して説明する。カリフォルニア高速鉄道と沿線開発のプロジェクトが企画された場合には、事業者等35から依頼を受けたプロジェクトコーディネータ31によって、カリフォルニア高速鉄道建設、新都市Aの建設、新都市Bの建設、新都市Cの建設が具体的に計画される。そして、建設請負業者36〜39等が選定され、また、遂行に必要なプロジェクトの効果を最大限引き出すことができる最低限の金額の予算が組まれる(プロジェクトからの逆算)。すなわち、プロジェクトコーディネータ31は、カリフォルニア高速鉄道と新都市A〜Cの建設の個別の事業を統括する。プロジェクトコーディネータ31や金融機関/証券会社32は、第1証券10Aで調達すべき資金の総額を決定し、第1証券10Aの総発行枚数と額面価格を決定する。換言すると、調達できる資金からプロジェクトの内容が決められるのではなく、プロジェクトの内容から必要とされる総額が決まり、この金額が第1証券10Aで調達されることになる。また、プロジェクトコーディネータ31や金融機関/証券会社32は、金利や配当を決定する。また、事業者等35、プロジェクトコーディネータ31、及び、金融機関/証券会社32は、国又は地方公共団体といった保証人34と保証人34によって保証される保証率を決定し、第1証券10Aを設計する。金融機関/証券会社32は、自らが設計した又はプロジェクトコーディネータ31等と設計した第1証券10Aを引き受け、及び/又は、委託を受け、投資家33に対して売り出して資金を調達する。これにより、この実施例では、第1証券10Aを用いることで、投資家33が事業者等35に直接資金を供給する直接金融を実現することができる。なお、金融機関/証券会社32や事業者等35やプロジェクトコーディネータ31としては、具体的に、政策投資銀行といった政策金融機関や、地域毎の特定目的会社(SPC:Specific Purpose Company/Specified Purpose Company)、プロジェクト毎のSPCや、官民合同体や、これらの組合せとすることもできる。
調達された資金は、プロジェクトコーディネータ31を介して、カリフォルニア高速鉄道建設の請負業者36、新都市Aの建設の請負業者37、新都市Bの建設の請負業者38、新都市Cの建設の請負業者39に供給され、各工事に用いられる。この例では、カリフォルニア高速鉄道と沿線開発のプロジェクトという大きなプロジェクトに対して資金が調達されているので、この事業の範囲内であれば、調達された資金は、どの個別事業に用いてもよい。すなわち、カリフォルニア高速鉄道建設の他、新都市A〜Cの事業に用いることもできる。事業者等35は、金融機関/証券会社32を介して投資家33に対して金利の支払を行う。金利の支払に当たっては、事業者等35は、金融機関/証券会社32に対してその原資を支払い、金融機関/証券会社32が投資家33に対して金利を支払うことになる。また、この事業が利益を生み出すようになったときには配当を支払う。なお、以上のようなプロジェクトに実施にあたっては、少なくとも、会計年度毎に評価を行う第三者機関を設けるようにしてもよい。
<2−3.目的別に第1証券を発行する例の説明>
以上の例では、一種類の第1証券10Aで、カリフォルニア高速鉄道と沿線開発の全ての資金を調達するようにしていたが、本発明の第1証券10は、カリフォルニア高速鉄道と沿線開発の事業を複数の第1証券10で調達することもできる。具体的に、図9に示すように、第1証券10Bでは、カリフォルニア高速鉄道建設のための資金調達をし、第1証券10Cでは、新都市Aの建設のための資金調達をし、第1証券10Dでは、新都市Bの建設のための資金調達をし、第1証券10Eでは、新都市Cの建設のための資金調達をする。
カリフォルニア高速鉄道建設のための資金調達をする第1証券10Bでは、高速鉄道の要素技術である路線・軌道設備の開発及び建設、信号システムの開発及び建設、電源方式の開発及び建設、車両技術の開発及び建設、列車防護装置の開発及び建設、切符等の発券システムの導入、駅舎の建設等の資金調達を行う。また、新都市A〜Cの建設では、駅舎建設、教育施設建設、福祉施設建設、医療施設建設等の都市機能を実現するための施設建設の資金調達を行う。
カリフォルニア高速鉄道建設では、保証人に、カリフォルニア州やアメリカ合衆国が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局やカリフォルニア州も円滑に資金を調達することができる。また、新都市A〜Cの建設にも、保証人に、カリフォルニア州やアメリカ合衆国が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局やカリフォルニア州も円滑に資金を調達することができる。更に、投資家は、カリフォルニア州高速鉄道に関連した第1証券10を複数種類(10B〜10E)の中から選択することができる。第1証券10B〜10Eの証券保有者は、保有する証券の事業が利益を生み出したときには収益の還元として配当を得ることができる。
ここで、例えば、図9に示すようなカリフォルニア高速鉄道と新都市A〜Cの建設の資金調達のために、4種類の第1証券10B〜10Eを発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを図10を参照して説明する。カリフォルニア高速鉄道と新都市A〜Cの建設のプロジェクトが企画された場合には、事業者等45から依頼を受けたプロジェクトコーディネータ41によって、カリフォルニア高速鉄道建設、新都市Aの建設、新都市Bの建設、新都市Cの建設が具体的に計画される。そして、建設請負業者46〜49等が選定され、また、遂行に必要なプロジェクトの効果を最大限引き出すことができる最低限の金額の予算が組まれる(プロジェクトからの逆算)。すなわち、プロジェクトコーディネータ41は、カリフォルニア高速鉄道と新都市A〜Cの建設の個別の事業を統括する。プロジェクトコーディネータ41や金融機関/証券会社42は、第1証券10B〜10Eで調達すべき資金の総額を決定し、各第1証券10B〜10Eの総発行枚数と額面価格を決定する。換言すると、調達できる資金からプロジェクトの内容が決められるのではなく、プロジェクトの内容から必要とされる総額が決まり、この金額が第1証券10B〜10Eで調達される。また、プロジェクトコーディネータ41や金融機関/証券会社42は、金利や配当を決定する。また、事業者等45、プロジェクトコーディネータ41、及び、金融機関/証券会社42は、国又は地方公共団体といった保証人44と保証人44によって保証される保証率を決定し、第1証券10B〜10Eを設計する。金融機関/証券会社42は、自らが設計した又はプロジェクトコーディネータ41等と設計した各第1証券10B〜10Eを引き受け、及び/又は、委託を受け、投資家43に対して売り出して資金を調達する。なお、金融機関/証券会社42や事業者等45としては、具体的に、政策投資銀行といった政策金融機関や、地域毎のSPC、プロジェクト毎のSPCや、官民合同体や、これらの組合せとすることもできる。
各第1証券10B〜10Eによって事業ごとに調達された各資金は、プロジェクトコーディネータ41を介して、カリフォルニア高速鉄道建設の請負業者46、新都市Aの建設の請負業者47、新都市Bの建設の請負業者48、新都市Cの建設の請負業者49のそれぞれに供給され、各工事に用いられる。この例では、カリフォルニア高速鉄道建設のための第1証券10Bで調達された資金は、他の事業(新都市A〜Cの事業)に用いられることはない。事業者等45は、金融機関/証券会社42を介して投資家43に対して金利や配当の支払を行う。金利や配当の支払に当たっては、事業者等45は、金融機関/証券会社42に対してその原資を支払い、金融機関/証券会社42が投資家43に対して金利や配当を支払うことになる。なお、以上のようなプロジェクトに実施にあたっては、少なくとも、会計年度毎に評価を行う第三者機関を設けるようにしてもよい。
<2−4.更に細かく目的別に第1証券を発行する例の説明>
更に、カリフォルニア高速鉄道建設に関連して、更に細かな目的別に、第1証券10を発行することができる。ここで、図11は、新都市Aに関する証券を説明する図である。図11に示すように、第1証券10Fでは、新都市Aの駅建設のための資金調達をし、第1証券10Gでは、新都市Aの医療施設建設のための資金調達をし、第1証券10Hでは、新都市Aの福祉施設建設のための資金調達をする。特に、新都市Aの医療施設建設では、最先端医療を提供する施設とすることが好ましい。新都市Aの関連する事業では、保証人に、カリフォルニア州やアメリカ合衆国が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局やカリフォルニア州やX病院も円滑に資金を調達することができる。更に、投資家は、カリフォルニア州高速鉄道に関連した新都市Aに関し、第1証券10を更に細かく分類された複数種類(10F〜10H)の中から、自分が投資する事業を明確に理解した上で選択することができる。
また、図12は、新都市Bに関する証券を説明する図である。図12に示すように、第1証券10Iでは、新都市Bの駅建設のための資金調達をし、第1証券10Jでは、新都市Bのランドマークとなる第2のディズニーランドのような巨大遊園地建設のための資金調達をし、第1証券10Kでは、新都市Bの小学校,中学校、高校、大学、研究施設といった教育施設建設のための資金調達をする。教育施設としては、例えば、一分野に秀でた学校施設を挙げることができる。また、新都市Bの都市機能としては、欧米型の寄宿制の大学を建設し、教授、研究者等の大学職員と学生とが集住するようにしてもよい。これにより、学生同士や学生と大学職員とが緊密になり、大学等の研究機能と学生の教育機能を高めることができる。また、新都市Bには、新都市Bの大学の関係者が設立したベンチャー企業等の企業が設立されるように促すことができる。また、大学での研究資金を第1証券10Kや更に別の第1証券10や第2証券20を用いて調達することで、ベンチャー企業育成に繋げることもできる。新都市Bの関連する事業では、保証人に、アメリカ合衆国やカリフォルニア州が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局やカリフォルニア州も円滑に資金を調達することができる。更に、投資家は、カリフォルニア州高速鉄道に関連した新都市Bに関し、第1証券10を更に細かく分類された複数種類(10I〜10K)の中から、自分が投資する事業を明確に理解した上で選択することができる。
また、図13は、新都市Cに関する証券を説明する図である。図13に示すように、第1証券10Lでは、新都市Cの駅建設のための資金調達をし、第1証券10Mでは、新都市Cのランドマークとなるカジノ建設のための資金調達をし、第1証券10Nでは、新都市Cの研究施設建設のための資金調達をする。ここで、第1証券10Nには、研究施設といったハード面での資金調達だけではなく、新しい研究といったソフト面の資金調達を含ませるようにしてもよい。この場合、新しい研究の資金調達のために、第1証券10Nとは別の第1証券や第2証券を発行するようにしてもよい。例えば、第1証券10や第2証券20を用いることで、iPS細胞(induced Pluripotent Stem cells)に関する研究、遺伝情報に関する研究、新薬の研究、量子情報処理に関する研究、ロボット研究等の最先端の研究の資金を調達することができる。新都市Cの関連する事業では、保証人に、アメリカ合衆国やカリフォルニア州が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局やカリフォルニア州も円滑に資金を調達することができる。更に、投資家は、カリフォルニア州高速鉄道に関連した新都市Cに関し、第1証券10を更に細かく分類された複数種類(10L〜10N)の中から、自分が投資する事業を明確に理解した上で選択することができる。
<2−5.第2証券をスタジアム改修の資金調達に使用する例の説明>
なお、カリフォルニア州高速鉄道建設に関連して、サンノゼといった既存の都市の施設も改修する場合がある。この場合には、上述した第2証券20を用いるとよい。例えば、カリフォルニア州高速鉄道の停車駅となるサンノゼには、市営の野球スタジアムがある。野球スタジアム改修資金の調達に第2証券20Aを用いることができる。図14に示すように、第2証券20Aでは、市営の野球スタジアムの改修を目的として、証券期限が無しで配当が付くようになっている。これにより、サンノゼは、資金を迅速に調達して、スタジアム改修を行うことができる。また、第2証券20Aは、株式と類似しながらも第2証券20Aの所有者には、株主のような地位はない。したがって、仮に、一人の者が大量の第2証券20Aを所有することになっても、スタジアムのオーナーが代わってしまうことを抑制できる。また、例えば、スタジアムの観客席に、第2証券20の購入者の名前を入れる、観覧席に優先席を設ける、試合の観戦料の割引券を発行する、といった特典を付けることで、野球ファンの投資家に第2証券20Aの関心を持たせることができる。この特典の内容は、所定のタイミングで変更することもできる。更に、第1証券10と同様に、カリフォルニア州が保証人となっているので、安心して投資家が購入することができる。更に、カリフォルニア州も、事業不振に陥ったときにも、全額を返還する必要がないことから、財政的負担も少なくすることができる。
<2−6.第1証券の作用効果>
以上のようなカリフォルニア高速鉄道と沿線開発のプロジェクトでは、第1証券10を用いることで、当該プロジェクトのための膨大な資金を民間より容易に集めることができる。そして、カリフォルニア高速鉄道の他に、沿線開発として、個性豊かで魅力ある都市A〜Cを建設することができる。すなわち、都市Aでは、患者がカリフォルニア高速鉄道を使用して都市Aに移動し、都市Aで最先端医療を受けることができる。また、都市Bでは、第2のディズニーランドといった巨大遊園地施設を設け魅力ある都市とすることで、周辺都市から都市Bの巨大遊園地施設で過ごすことを目的とした観光客をカリフォルニア高速鉄道を利用して呼び込むことができる。更に、都市Cでは、カジノ建設を行うことで、カジノ利用者を、カリフォルニア高速鉄道を利用して呼び込むことができる。これにより、カリフォルニア高速鉄道は、サンフランシスコ駅とロサンゼルス駅の2駅間を移動する利用者だけでなく、既存の都市に加え都市A〜Cの利用者を呼び込むことができる。加えて、都市A〜Cを含むカリフォルニア高速鉄道の沿線は、不動産価値が上昇し、事業者やプロジェクトコーディネータ等は、これらを分譲等することによって開発利益を得ることができ、また、その利益を、第1証券10の元本の返還に充当することができる。更に、証券保有者自身も、第1証券10や第2証券20には非保証部分や配当があるため、自分の保有するプロジェクトに積極的に参画することになり、そのプロジェクトを成功に導くことができる。例えば、証券保有者は、積極的に、高速鉄道を利用して、遊園地やカジノ等の施設に赴くようになる。また、第1証券10の証券保有者は、保有する証券の事業が利益を生み出したときには収益の還元として配当を得ることができる。
また、公共事業の中には、採算の合わない事業もある。このプロジェクトでは、例えば図7の第1証券10の内容をカリフォルニア高速鉄道と沿線開発のプロジェクトといったように事業範囲を広くすることで、採算の合う事業の中に採算の合わない事業を含ませることもでき、全体として、高度の行政サービスを提供できるようになる。
更に、第1証券10や第2証券20の売買がされる証券市場においても、第1証券10及び第2証券20は、保証付きであることから、市場価格が大幅に値下がりすることも抑制することができる。また、証券市場においては、例えば不動産価格の上昇等の要因によって、第1証券10や第2証券20の価格が上昇する。第1証券10や第2証券20が値上がりした場合、投資家は、売却益を得ることができる。すなわち、一般に、金利は、債券価格の上昇とともに下がる傾向にあるが、投資家は、第1証券10や第2証券20を市場で売却することによって、利益を得ることができる。
なお、第1証券10は、発行から所定期間経過の後、長期証券保有者への優遇として、金利を変更するように設計してもよい。例えば、所定期間経過後に、金利を3%から3.5%に変更してもよく、また、段階的に、金利を上げるようにしてもよい。また、市場金利と連動させるようにしてもよい。
<2−7.カリフォルニア高速鉄道に関連して第2証券を使用する例の説明>
上述したように、カリフォルニア高速鉄道は、十数年又は数十年経過すると、例えば路線・軌道設備の改修や車両の補修や駅舎の補修が必要となる。この場合には、図3及び図4に示したような第2証券20を用いるとよい。第2証券20は、償還期限が無い。これにより、投資家は、第2証券20を第三者に売却するまで、金利と配当を受け取り続けることができる。図15の例では、カリフォルニア高速鉄道の改修プロジェクトに対して、配当を有りとして、金利を3%としている。このような第2証券20Bは、仮に文言通りの利息を支払うことができなくなっても、購入者である投資家には一定の割合で保証された金額が返還されることになり、投資家に安心感を与えることができる。なお、利息に対しても、部分保証を付けるようにして、金利支払い不能になったとき、そのときの利息に対しても額面と同様な率の保証をするようにしてもよい。したがって、事業者であるカリフォルニア州高速鉄道局も事業資金を調達しやすくなる。一方で、公共事業を計画するアメリカ合衆国やカリフォルニア州にあっても、事業不振に陥った場合であっても、額面価格の全額を保証する必要がないことから、第2証券20Bを用いた資金調達をしやすくなる。また、第2証券20Bは、一人の者が大量な第2証券20Bを所有することになっても、株式のようにオーナーが代わってしまうことがなく、事業が混乱することも抑制できる。
また、都市Aは、先端医療施設を有しており、期間が経過すると、医療機械器具の交換や施設の改修が必要となる。このような場合にも、第2証券20Cを用いるとよい。図16の例では、医療施設の改修プロジェクトに対して、配当を有りとして、金利を3%としている。このような第2証券20Cは、仮に文言通りの利息を支払うことができなくなっても、購入者である投資家には一定の割合で保証された金額が返還されることになり、投資家に安心感を与えることができる。したがって、事業者であるX病院等も、事業資金を調達しやすくなる。一方で、公共事業を計画するアメリカ合衆国やカリフォルニア州にあっても、事業不振に陥った場合であっても、額面価格の全額を保証する必要がないことから、第2証券20Cを用いた資金調達をしやすくなる。また、第2証券20Cは、一人の者が大量な第2証券20Cを所有することになっても、株式のようにオーナーが代わってしまうことがなく、事業が混乱することも抑制できる。
なお、第1証券10は、償還期限を迎えたときに、又は、償還期限を迎える前の所定期間内に第1証券10を第2証券20に転換することを指示する転換権行使データを受け付け、償還時に、第2証券20に転換することができる転換権付きの証券としてもよい。この場合、第1証券10を所有する投資家が転換権を行使すると、第1証券10が消滅し、第2証券20のみが残る。したがって、投資家は、転換権を行使するまでは第1証券10の所有者として安定したキャッシュフローを確保することができ、仮に、事業者等の業績が上がれば転換権を行使して第2証券20の所有者となり、向上した業績にあずかり、金利に加え配当を受け取ることができるようになる。また、事業者等にとっては、償還時に、投資家に対して額面価格の金額を支払わなくて済み、財政的負担を少なくすることができる。また、第2証券20は、第1証券10が償還期限を迎える前に、新たに発行してもよい。
また、第2証券20の金利は、市場金利に連動した変動金利としてもよい。第2証券20の場合、事業の収益は、配当として投資家に還元されることになる。
また、新規インフラ建設のとき発行した第1証券10の保証率と当該インフラを補修するとき発行する第2証券20の保証率は、変更するようにしてもよい。例えば、第1証券10では保証率が70%であったものを、第2証券20では、80%に上げてもよく、また、60%に下げてもよく、更に、0%にしてもよい。このような保証率の変更は、第1証券10を第2証券20に転換するときに行うようにしてもよい。
なお、高速列車としては、日本の新幹線、フランスのTGV、ドイツのICE等の鉄輪式高速鉄道でもよく、また、磁気浮上式のリニアモーターカーであってもよい。また、高速鉄道の区間も、上述したサンフランシスコとロサンゼルスに限定されるものではなく、例えば、ボストンやニューヨークとワシントンDCやボルティモアとの間であってもよい。また、ワシントンやダラスやニューヨークを繋げるものであってもよい。また、日本の場合には、東京と名古屋や東京と大阪等の間であってもよく、また、羽田空港と成田空港との間といった大型の空港の間に設けるようにしてもよい。更に、高速鉄道は、ヨーロッパやアジアや南米においては、路線が複数国に跨っていてもよい。路線が複数国に跨る場合には、国毎に、第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよいし、国際復興開発銀行等の世界銀行グループが発行するようにしてもよい。例えば、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸等に横断又は縦断する高速列車を設けてもよいし、沿線に新都市を設けるようにしてもよいし、旧都市を再生するようにしてもよい。これにより、経済再生のための都市の再配置を行うことができる。例えばアメリカの主要17都市を高速鉄道で繋き、その間に新都市を設け、また、旧都市を再生するようにしてもよい。また、アラスカからチリまでを繋ぐ高速鉄道やロンドンから喜望峰を繋ぐ高速鉄道や東京−ソウル−モンゴル−中東−アフリカを横断する高速鉄道であってもよい。更に、国家間に跨る又は海峡を横断する大規模トンネルを設けるようにしてもよい。また、保証人は、沿線の国々であったり、世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、米州開発銀行等であったり、官民合同体であってもよい。
<3.第2証券を用いた具体例〜橋梁の補修〜>
<3−1.老朽化した橋梁の説明>
例えば、ハドソン川にかかるロックランド郡とウエストチェスター郡を結ぶタッパン・ジー・ブリッジ (Tappan Zee Bridge)は、1955年に開通した橋梁であり、ニューヨーク州の高速道路の一部を構成し、交通の要でありながら、老朽化も進んでいる。タッパン・ジー・ブリッジは、有料橋で、ニューヨーク州高速道路局に管理されている。この橋梁は、全長が4,881mmあり、規模も巨大であり、その補修にも、多額の資金が必要である。図17に示すように、この橋梁の補修に当たっては、橋梁Xで繋がれる両側の街Y,Zの少なくとも一方の街を再開発することで、観光資源化することができ、橋梁Xの利用者を増やすことができる。例えば、街Yの再開発事業では、大規模ショッピングモールを建設する。また、街Zの再開発事業では、新規に、高層マンション、住宅団地を建設し、また、学校等の教育/福祉施設等を建設し、人口を増加させるようにする。これにより、街Yの大規模ショッピングモールと住宅街の街Zとの間の行き来が多くなるようにする。また、街Z及び/又は街Yは、欧米型の寄宿制の大学を建設し、教授、研究者等の大学職員と学生とが集住する街にするようにしてもよい。これにより、学生同士や学生と大学職員とが緊密になり、大学等の研究機能と学生の教育機能を高めることができる。また、街Zには、街Zの大学の関係者が設立したベンチャー企業等の企業が設立されるように促すことができる。このような手段によっても、橋梁Xの周辺地域の人口を増やすことができ、これにより、有料橋Xの利用者を増やすことができる。
<3−2.第2証券を用いた有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発計画の説明>
このような有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発の資金を調達する第2証券20Dは、図18に示すように、有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発に対して、配当を有りとして、金利を3%としている。このような第2証券20Dは、仮に文言通りの利息を支払うことができなくなっても、購入者である投資家には一定の割合で保証された金額が返還されることになり、投資家に安心感を与えることができる。したがって、事業者であるニューヨーク州高速道路局等も、事業資金を調達しやすくなる。一方で、公共事業を計画するアメリカ合衆国やニューヨーク州にあっても、事業不振に陥った場合に、額面価格の全額を保証する必要がないことから、第2証券20Dを用いた資金調達をしやすくなる。また、第2証券20Dは、一の者が大量な第2証券20Dを所有することになっても、株式のようにオーナーが代わってしまうことがなく、事業が混乱することも抑制できる。更に、この第2証券20Dには、非保証部分も存在し、当該部分に対して配当が付くため、その事業が成功するように、証券保有者が積極的にその事業に参画するようになる。
ここで、例えば、図18に示すような有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発の資金調達のために、1種類の第2証券20Dを発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを図19を参照して説明する。有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発が企画された場合には、事業者等55から依頼を受けたプロジェクトコーディネータ51によって、有料橋Xの補修計画、街Yの再開発(大規模ショッピングモールの建設)、街Zの再開発(新たな住宅団地の建設)が具体的に計画される。そして、各事業に対して建設請負業者等56,57,58が選定され、また、遂行に必要なプロジェクトの効果を最大限引き出すことができる最低限の金額の予算が組まれる。すなわち、プロジェクトコーディネータ51は、有料橋Xの補修計画、街Y、街Zの再開発の個別の事業を統括する。プロジェクトコーディネータ51や金融機関/証券会社52は、第2証券20Dで調達すべき資金の総額を決定し、第2証券20Dの総発行枚数と額面価格を決定する(プロジェクトからの逆算)。換言すると、調達できる資金からプロジェクトの内容が決められるのではなく、プロジェクトの内容から必要とされる総額が決まり、この金額が第2証券20Dで調達されることになる。また、プロジェクトコーディネータ51や金融機関/証券会社52は、金利や配当を決定する。また、事業者等55、プロジェクトコーディネータ51、及び金融機関/証券会社52は、国又は地方公共団体といった保証人54と保証人54によって保証される保証率を決定し、第2証券20Dを設計する。金融機関/証券会社52は、自らが設計した又はプロジェクトコーディネータ51等と設計した第2証券20Dを引き受け、及び/又は、委託を受け、投資家53に対して売り出して資金を調達する。なお、金融機関/証券会社52や事業者等55やプロジェクトコーディネータ51としては、具体的に、政策投資銀行といった政策金融機関や、地域毎の特定目的会社、プロジェクト毎のSPCや、官民合同体や、これらの組合せとすることもできる。
調達された資金は、プロジェクトコーディネータ51を介して、有料橋Xの補修の請負業者56、街Yの大規模ショッピングモール建設の請負業者57、及び、街Zの住宅団地建設の請負業者58に供給され、各工事に用いられる。すなわち、この例では、有料橋Xの補修計画及び両岸の街の再開発という大きなプロジェクトに対して資金が調達されているので、調達された資金は、どの事業に用いてもよい。すなわち、有料橋Xの補修事業の他に、街Yの大規模ショッピングモール建設や街Zの住宅団地建設にも使用することができる。事業者等55は、金融機関/証券会社52を介して投資家53に対して金利の支払を行う。金利の支払に当たっては、事業者等55は、金融機関/証券会社52に対してその原資を支払い、金融機関/証券会社52が投資家53に対して金利を支払うことになる。また、これらの事業により利益が生み出されたときには、配当が投資家に対して支払われる。なお、以上のようなプロジェクトに実施にあたっては、少なくとも、会計年度毎に評価を行う第三者機関を設けるようにしてもよい。
<3−3.目的別に第2証券を発行する例の説明>
以上の例では、1種類の第2証券20Dで有料橋Xの補修事業及び両岸の街の再開発の資金を調達するようにしたが、第2証券20は、更に細かな目的別に発行するようにしてもよい。すなわち、図20に示すように、第2証券20Eでは、有料橋Xの補修計画のための資金を調達し、第2証券20Fでは、街Yの再開発として、大規模ショッピングモールを建設するための資金を調達し、第2証券20Gでは、街Zの再開発として、住宅団地建設のための資金を調達する。有料橋Xの補修事業では、保証人に、アメリカ合衆国が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるニューヨーク州やニューヨーク州高速道路局も円滑に資金を調達することができる。また、街Y,Zの再開発事業にも、保証人に、アメリカ合衆国が入っていることで、投資家も安心して証券を購入することができ、また、事業者であるニューヨーク州高速道路局やニューヨーク州も円滑に資金を調達することができる。更に、投資家は、有料橋Xの補修事業に関連した第2証券20E〜20Gを複数種類の中から選択することができる。なお、ショッピングモールを新規に建設するときには、ショッピングモール建設の資金を調達するための第1証券10を発行するようにしてもよい。
また、例えば、図20に示すような有料橋Xの補修事業及び両岸の街の再開発の資金調達のために、3種類の第1証券10E〜10Gを発行する場合のプロジェクトフローとキャッシュフローを図21を参照して説明する。有料橋Xの補修事業及び両岸の街Y,Zの再開発のプロジェクトが企画された場合には、事業者等65から依頼を受けたプロジェクトコーディネータ61によって、有料橋の補修事業、街Yの再開発(大規模ショッピングモールの建設)、街Zの再開発(新たな住宅団地建設)が具体的に計画される。そして、建設請負業者等が選定され、また、遂行に必要なプロジェクトの効果を最大限引き出すことができる最低限の金額の予算が組まれる。すなわち、プロジェクトコーディネータ61は、有料橋Xの補修事業、街Yの再開発(大規模ショッピングモールの建設)、街Zの再開発(新たな住宅団地建設)の個別の事業を統括する。プロジェクトコーディネータ61や金融機関/証券会社62は、第2証券20E〜20Gで調達すべき資金の総額を決定し、各第2証券20E〜20Gの総発行枚数と額面価格を決定する(プロジェクトからの逆算)。換言すると、調達できる資金からプロジェクトの内容が決められるのではなく、プロジェクトの内容から必要とされる総額が決まり、この金額が第2証券20E〜20Gで調達されることになる。また、プロジェクトコーディネータ61や金融機関/証券会社62は、金利や配当を決定する。また、事業者等65、プロジェクトコーディネータ61、及び、金融機関/証券会社62は、国又は地方公共団体といった保証人64と保証人64によって保証される保証率を決定し、第2証券20E〜20Gを設計する。金融機関/証券会社62は、自らが設計した又はプロジェクトコーディネータ61等と設計した各第2証券20E〜20Gを引き受け、及び/又は、委託を受け、投資家63に対して売り出して資金を調達する。なお、金融機関/証券会社62や事業者等65やプロジェクトコーディネータ61としては、具体的に、政策投資銀行といった政策金融機関や、地域毎の特定目的会社、プロジェクト毎のSPCや、官民合同体や、これらの組合せとすることもできる。
各第2証券20E〜20Gによって事業ごとに調達された各資金は、プロジェクトコーディネータ61を介して、有料橋Xの補修事業の請負業者66、街Yの再開発(大規模ショッピングモールの建設)の請負業者67、及び、街Zの再開発(新たな住宅団地建設)の請負業者68のそれぞれに供給され、各工事に用いられる。すなわち、この例では、有料橋Xの補修事業のための第2証券20Eで調達された資金は、他の事業(街Yの再開発(大規模ショッピングモールの建設)、街Zの再開発(新たな住宅団地建設))に用いられることはない。事業者等65は、金融機関/証券会社62を介して投資家63に対して金利の支払を行う。金利の支払に当たっては、事業者等65は、金融機関/証券会社62に対してその原資を支払い、金融機関/証券会社62が投資家63に対して金利を支払うことになる。また、これらの事業により利益が生み出されたときには、配当が投資家に対して支払われることになる。なお、以上のようなプロジェクトに実施にあたっては、少なくとも、会計年度毎に評価を行う第三者機関を設けるようにしてもよい。
また、第2証券20の金利は、市場金利に連動した変動金利としてもよい。第2証券20の場合、事業の収益は、配当として投資家に還元されることになる。
また、第2証券20の保証率は、途中で、業績等に応じて、変更するようにしてもよい。例えば、保証率が70%であったものを、80%に上げてもよく、また、60%に下げてもよく、更に、0%にしてもよい。このような保証率の変更は、第1証券10を第2証券20に転換するときに行うようにしてもよい。
<3−4.第2証券の作用効果>
以上のような有料橋Xの補修事業及び両岸の街の再開発のプロジェクトでは、第2証券20を用いることで、当該プロジェクトのための膨大な資金を民間より容易に集めることができる。そして、有料橋Xの補修事業の他に、両岸の街Y、Zの再開発として、大規模ショッピングモールや住宅団地等の住宅街を建設することができる。これにより、有料橋Xを利用しての街Yの大規模ショッピングモールと住宅街の街Zとの間の行き来が多くなる。これにより、有料橋Xの両側の街Y,Zは、不動産価値が上昇し、プロジェクトコーディネータや事業者等は、これらを分譲等することによって開発利益を得ることができ、また、その利益を、第2証券20の配当に充当することができる。また、公共事業の中には、採算の合わない事業もある。このプロジェクトでは、例えば図18の第2証券20の内容を有料橋の補修事業及び両岸の街の再開発のプロジェクトといったようにその範囲を広くすることで、採算の合う事業の中に採算の合わない事業を含ませることもでき、全体として、高度の行政サービスを提供できるようになる。更に、この第2証券20には、非保証部分も存在し、当該部分に対して配当が付くため、その事業が成功するように、証券保有者が積極的にその事業に参画するようになる。
更に、第2証券20の売買がされる証券市場においても、第2証券20は、保証付きであることから、市場価格が大幅に値下がりすることも抑制することができる。また、証券市場においては、例えば不動産価格の上昇等の要因によって、第2証券20の価格が上昇する。第2証券20が値上がりした場合、投資家は、他の投資家に対して売却することで、売却益を得ることができる。すなわち、一般に、金利は、債券価格の上昇とともに下がる傾向にあるが、投資家は、第2証券20を市場で売却することによって、利益を得ることができる。
なお、補修事業としては、橋梁の他に、ハブ空港等の大規模空港やハブ機能を有する港湾等であってもよい。
<4.証券発行システム>
<4−1.システム構成>
図22に示すように、以上のような証券発行システムは、証券発行コンピュータ100と、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120と、請負業者コンピュータシステム130a,130b,130c…と、政府コンピュータシステム140とを備えている。証券発行コンピュータ100は、金融機関/証券会社等が管理し、プロジェクトに合わせて第1証券10や第2証券20を発行する。プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120は、プロジェクト全体をコーディネートする。請負業者コンピュータシステム130a,130b,130c…は、全体プロジェクトを構成する各プロジェクトを建設する。政府コンピュータシステム140は、第1及び第2証券10,20の保証人となる国又は地方公共団体等の政府系のコンピュータシステムである。そして、各コンピュータシステム100,120,130,140は、ネットワークを介して相互に接続されている。
なお、請負業者コンピュータシステム130としては、他に、施設を運営する請負業者のコンピュータシステムもある。各コンピュータシステム100,120,130,140は、複数のコンピュータやプロセッサを利用して、分散して計算処理するものであってもよい。また、ネットワークとしては、専用通信回線や仮想的に専用回線化した汎用の通信回線(仮想専用化通信回線)を用いることができる。具体的に、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)やSSL(Secure Socket Layer)等のプロトコルを用いて、インターネットを介して、暗号化データをカプセリングして通信するインターネットVPN(Virtual Private Network)等を用いることができる。その他、インタネットサービスプロバイダ(ISP、Internet Service Provider)が提供する専用化回線を用いてもよい。また、CATVのネットワークであってもよい。
また、投資家コンピュータ150は、ネットワークを介して金融機関/証券会社の証券発行コンピュータ100に接続され、インターネット等のウェブページやTVショッピング等のディジタル放送の番組で、売り出し中の第1証券10や第2証券20の買い注文を証券発行コンピュータ100に対して送信できる。投資家コンピュータ150は、機関投資家であるときにはワークステーション等の高性能コンピュータであり、個人投資家であるときには通常のデスクトップコンピュータやラップトップコンピュータやスマートフォン、携帯電話等の携帯型若しくは小型の情報処理端末である。また、データ通信が可能なディジタルテレビ受信機等であってもよい。
プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120や請負業者コンピュータシステム130や政府コンピュータシステム140は、ワークステーション等のコンピュータシステムであって、ネットワークを介して互いにデータのやり取りを行う。プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120は、プロジェクト全体を管理する。計画段階では、各プロジェクトでどの程度の資金が必要であるか、各プロジェクトの工期はどの程度の長さになるのか、各プロジェクトを合わせた全体でどの程度の資金が必要であるか、等を個別のデータから算出する。各プロジェクトの資金等に関するデータ等は、第1及び第2証券10,20を発行する金融機関/証券会社の証券発行コンピュータ100にネットワークを介して送信される。また、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120は、これらのデータを参照して、保証の割合(例えば70%にするのか、80%にするのか)を算出し、政府コンピュータシステム140等に報告する。また、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120は、各プロジェクトの工事等が開始したときには、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120とデータのやり取りを行って、全体プロジェクトを構成する個別プロジェクトの各プロジェクトの進捗状況等を管理する。
すなわち、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120が事業の現場側の請負業者コンピュータシステム130の側から各種のデータを吸い上げる。これにより、金融機関/証券会社の証券発行コンピュータ100やプロジェクトコーディネータコンピュータシステム120が資金計画を立案したり、第1証券10や第2証券20を設計できるようにしている。
<4−2.証券発行コンピュータ>
証券発行コンピュータ100は、図23に示すように、プロセッサ、ハードディスク、メモリ、通信インタフェース等を有するワークステーション等の高機能、高性能のコンピュータである。この証券発行コンピュータ100は、不特定多数の投資家が通常インターネット経由で他の人々や組織に対して財源を提供し、事業者が資金調達をできるようにしたクラウドファンディングを実現する。証券発行コンピュータ100は、ソフトウェアがインストールされることによって、次のような機能を備える。すなわち、証券発行コンピュータ100は、証券設計部101と、金利決定部102と、配当決定部103と、証券公開部104と、注文受付部105と、第1証券発行部106と、第2証券発行部107と、転換部108と、投資家データベース109と、判定部121としての機能を備える。
証券設計部101は、金融機関/証券会社の証券発行コンピュータ100やプロジェクトコーディネータコンピュータシステム120とプロジェクト全体や個別のプロジェクトの詳細なデータのやり取りを行って、発行する第1証券10や第2証券20を設計する。証券設計部101は、プロジェクト全体や個別のプロジェクトの詳細なデータから調達する金額、すなわち発行総額を決定する。発行総額は、例えば、プロジェクトの逆算、すなわちプロジェクトの実現に必要な資金を合算して算出される。これとともに、証券設計部101は、事業者等12,22、額面価格13,23、償還期限14,24、保証率15,25、保証人、16,26、利率(年利)17,27を決定し、第1及び第2証券10,20を設計する。例えば、証券設計部101は、第1証券10の場合、償還期限14を決定し、配当18はありとする。また、第2証券20の場合、償還期限24を無しとし配当を有りとする。勿論、第1証券10や第2証券20を発行するにあたって、配当の無いものや金利が0%のものを設計するようにしてもよい。なお、第1証券10が償還期限のないものであってもよい。
第1及び第2証券10,20の金利の利率(年利)17,27は、例えば、プロジェクトの事業者や保証人の格付(債務履行の確実性)、償還期限(期限が長いほど債務履行の確実性が低くなる)、現在の金利水準、プロジェクトから逆算された調達資金、プロジェクトの内容等の要因によって決定される。そこで、金利決定部102は、格付会社から得られる事業者や保証人の格付データ、発行から満期までの期間、現在の金利水準、投資家からの意見聴取のデータ等を参照して第1及び第2証券10,20の利率(年利)17,27を決定する。なお、金利は、固定金利であっても、変動金利であってもよい。
また、第1及び第2証券20を発行した場合は、投資家に対して配当18,28が支払われる。配当決定部103は、事業者等コンピュータシステム160から送信された決算報告データ等に基づいて第1及び第2証券10,20を保有する投資家に支払う配当の額を決定する。例えば、配当決定部103は、決算報告データに含まれる余剰金データから第1及び第2証券10,20の1枚当たりの配当の金額を決定し、投資家に支払う、すなわち当該投資家の口座データを更新する。
証券公開部104は、売り出し中の第1証券10や第2証券20に関する情報を公開する。具体的に、第1証券10、第2証券20を含む様々な証券は、売出しをしている例えば金融機関や証券会社のウェブページに公表される。例えば、第1及び第2証券10,20の紹介は、テキストデータや画像データで行ってもよい他、ビデオデータで行ってもよい。投資家が証券を購入可能なウェブページは、例えば、投資家が投資家コンピュータ150からユーザIDとパスワードを入力しログインすることによってアクセスすることができる。例えば、証券公開部104と投資家コンピュータ150との間は、インターネット等のネットワーク119を介して接続される。そこで、証券公開部104と投資家コンピュータ150との間は、公開鍵暗号や秘密鍵暗号、ディジタル証明書、ハッシュ関数等のセキュリティ技術を組み合わせ、データの盗聴や改ざん、なりすましを防ぐことができるSSL(Secure Sockets Layer)等のセキュアなプロトコルを用いて接続するようにしてもよい。更に、証券公開部104は、ログインした投資家がどの証券のウェブページにアクセスしたか等をカウントし、更に、閲覧開始日時や閲覧終了日時等のログを管理することによって、どの証券のウェブページに何人アクセスしたかを管理することができ、降順とすることで、各証券の人気を管理することができる。すなわち、アクセス数が多い証券ほど、人気が高いと判断することができる。ウェブページにアクセスする投資家からすれば、各証券の格付とこの人気度を、証券を選択する際の参考情報とすることができる。
また、証券公開部104は、金融機関や証券会社のウェブページで第1及び第2証券10,20を公開する他に、例えば、TVショッピング等で第1及び第2証券10,20等の証券を公開するようにしてもよい。すなわち、証券公開部104は、第1証券10や第2証券20を用いる資金調達の目的を、ウェブページやTVショッピングで詳細に公開することで、投資家が購入する証券で調達される資金の使われ方を詳細に分かりやすく知ることができるようにする。したがって、投資家は、プロジェクトの内容を十分に納得した上で、第1証券10や第2証券20を購入することができ、証券購入後においても、調達資金が正しく使われているか等を監視することができ、また、プロジェクトに対しても積極的に参加するようになる。すなわち、証券公開部104は、投資家に対して第1証券10や第2証券20のプロジェクトの内容を詳細に公表し、投資家と事業者(プロジェクトコーディネータ)が有する情報が同じとなるようにする(情報の対称性)。
注文受付部105は、投資家コンピュータ150から送信された証券公開部104で公開された第1証券10や第2証券20の買い注文データを受信する。また、この第1及び第2証券10,20にあっても、株式市場や債権市場のような新しい取引市場で売買される場合もある。このような場合、注文受付部105は、投資家コンピュータ150から送信された売り注文データを受信する。第1証券発行部106は、証券公開部104で公開された第1証券10に対して投資家コンピュータ150から買い注文データを受信したとき、受信した買い注文データを送信した投資家に対して、第1証券10を発行する。また、第2証券発行部107は、証券公開部104で公開された第2証券20に対して投資家コンピュータ150から買い注文データを受信したとき、受信した買い注文データを送信した投資家に対して、第2証券20を発行する。
転換部108は、第1証券10を第2証券20に転換する処理を行う。上述したように、第1証券10は、償還期限を迎えたときに、又は、償還期限を迎える前の所定期間内に、転換権行使データを受け付け、償還時に、第1証券10を第2証券20に転換することができる転換権付きの証券とすることもできる。この場合、第1証券10を所有する投資家が第1証券10を第2証券20に転換することを指示する転換権を行使すると、第1証券10が消滅し、第2証券20が残る。このような第1証券10を発行しているときに、転換部108は、投資家コンピュータ150からの転換権行使データを受信すると、投資家が所有する第1証券10を第2証券20にする転換処理を行う。
この転換権は、第1証券10の条件にもよるが、償還期限前いつでも行使することが認められていれば償還期限前いつでも行使してもよく、また、償還期限を迎えるときのみに行使することが認められていれば償還期限を迎えたときに行使される。また、転換権を行使できる所定期間が決められているときには、当該所定期間中に転換権が行使される。転換部108は、投資家コンピュータ150からの転換権行使データを受信したとき、これを受け付け、当該転換権に関連付いた第1証券10の転換権行使可能期間を参照し、転換権行使可能期間内の受付で、転換時期が来たとき、第1証券10を第2証券20に転換する処理を行う。また、転換部108は、転換権行使可能期間外に、投資家コンピュータ150からの転換権行使データを受信したとき、転換権を行使できない旨を知らせる拒否データを投資家コンピュータ150に送信する。
なお、転換部108は、第1証券10を第2証券20に転換する処理だけでなく、例えば、第1証券10であっても、償還期限を迎えたとき又は償還期限前の所定の時期に、更に、保証率(保証限度)15を変更する処理を行ってもよい。また、転換部108は、第1証券10を、図3に示す債券部分を全て投資部分に置き換える、すなわち保証率を0%にする処理を行ってもよい。また、第1証券10や第2証券20の金利を変更する処理をしてもよく、また、所定期間経過する毎に金利を変更する処理をしてもよい。
投資家データベース109は、図24に示すように、大容量ハードディスク等で構成されている。この投資家データベース109は、投資家毎に投資家IDが付与されており、投資家ID登録された投資家IDに関連付けて証券を特定する証券ID、当該証券IDが示す証券の償還期限、転換権行使可能期間、口座番号、残高データを管理している。
例えば、投資家「A100」は、現在、第1証券A、第2証券B−1、第2証券C−1を保有している。そして、第1証券Aは償還期限が2013年8月31日となっている。また、口座番号は、「12345」であり、残高が1,000,000円となっている。第2証券B−1は、第1証券Bの発行から所定期間経過したとき、金利が3%から2%に変更され、保証率が80%から70%に変更されている。勿論、金利が3%から上昇してもよいし、保証率も上昇してもよい。更に、第1証券Cは、転換権付きの証券であり、転換権を行使して第2証券C−1となっている。また、第1証券Cから第2証券C−1に転換されるとき、保証率は、80%から70%に変更されている。また、転換時に、金利を変更するようにしてもよい。プロジェクトが収益を上げている場合、変更される金利は低くなる。投資家データベース109は、投資家が新規に第1証券10や第2証券20を購入すると、購入した証券が登録され、また、売却されたとき、売却された証券が削除される。
また、投資家「B200」は、現在、第1証券E、第1証券F−1を保有している。第1証券F−1は、発行当初、金利が3%の第1証券Fであり、2010年7月1日から、長期保有者に対する優遇金利が適用され、金利が3.5%に上がっている。これに併せて、第1証券F−1は、保証率が65%に下がっている。なお、この第1証券F−1は、例えば5年毎に金利が0.5%ずつ上がるように設定されており、2015年7月1日から満期の2020年6月30日までは、金利が4%となる。また、保証率も段階的に下がり、2015年7月1日から満期の2020年6月30日までは、60%となる。
更に、投資家「C300」は、現在、第2証券Gを保有している。第2証券Gは、金利が0%であり、保証率が0%となっている。この第2証券Gでは、金利がない分、配当を多くして、投資家に収益を還元することになる。この第2証券Gは、第1証券から転換された証券であってもよい。なお、第2証券Gは、保証無しで配当のみの証券となり、極めて株券と近似したものとなるが、投資家「C300」には、株主のような地位が与えられない点で株券と相違する。また、第1証券Hは、転換権を行使することで、第1証券H−1と第2証券H−2に分割されている。例えば、第1証券H(額面100万円)の保証率が60%の場合、第1証券H−1は、額面60万円で保証率が100%で金利が1%となる(配当は有りでも無しでもよい。また、金利は100%保証となる分下がることが多い。)。また、第2証券H−2は、額面40万円で保証率が0%で配当が付くようになる(金利は有りでも無しでもよい。)。このように、第1証券H−1と第2証券H−2は、第1証券Hの保証部分と非保証部分とが分割された内容となっている。
更に、投資家D400は、現在、第1証券Iを保有している。第1証券Iは、発行当初、金利が5%であり、保証率が50%となっている。この第1証券Iは、転換権が行使されることによって、株券I−1に転換される。株券I−1は、通常の株券であり、投資家D400は、株主としての地位が与えられる。なお、第1証券Iは、株券I−2のような株券に転換されてもよい。株券I−2は、通常の株券と同様、投資家D400に株主の地位を与えると同時に、第1証券10や第2証券20の発行に関与した少なくとも1つの第三者によって、株券の額面又は第1証券10からの転換時の市場価格の所定割合(例えば70%)の金額が保証されている保証付き株券となっている。したがって、この株券I−2の所有者である投資家D400には、発行法人が利息支払不能及び/又は発行法人が債務不履行に陥った場合に、第1証券Iの発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に、当該株券の額面又は転換時の市場価格の所定割合(例えば70%)が払い戻されることになる。
投資家データベース109は、証券の売買が行われたときや金利や配当が支払われたとき、残高データを更新する。
<4−3.証券発行処理>
次に、以上のように構成された証券発行コンピュータ100は、図25に示すように、新規の第1証券10や第2証券20を発行する。具体的に、ステップS1において、証券設計部101は、プロジェクト全体や個別のプロジェクトの詳細なデータから調達する金額、すなわち発行総額を決定する処理を行う。
ステップS2において、証券設計部101は、プロジェクトの内容に応じて、第1証券10を発行するのか、第2証券20を発行するのかを判断し決定する処理を行う。第1証券10を発行するときには、更に、第2証券20への転換権付きの第1証券10にするのか、転換権の無い通常の第1証券10にするのかを決定する処理を行う。
発行する証券の種類が決定すると、証券設計部101は、ステップS3において、事業者等12,22、額面価格13,23、償還期限14,24、保証率15,25、保証人、16,26、利率(年利)17,27を決定し、第1及び第2証券10,20を設計する。例えば、証券設計部101は、第1証券10の場合、償還期限14を決定し、配当18を有りとする。また、第2証券20の場合、償還期限24を無しとし、配当28を有りとする。また、金利決定部102は、格付会社から得られる事業者や保証人の格付データ、発行から満期までの期間、現在の金利水準、投資家からの意見聴取のデータ、プロジェクトから逆算された調達資金、プロジェクトの内容等を参照して第1及び第2証券10,20の利率(年利)17,27を決定する。
ステップS4において、証券公開部104は、売り出し中の第1証券10や第2証券20に関する情報を公開する。具体的に、ウェブページでは、第1証券10に関しては、図7、図9、図11、図12、及び、図13に示すような証券の内容を、第1証券10毎に公表し、第2証券20に関しては、図14、図16、図18、及び、図20に示すような証券の内容を、第2証券20毎に公表する。また、これらウェブページでは、証券毎に購入ボタンが設けられており、購入ボタンをクリックすることによって、投資家が投資家コンピュータ150から所望の証券を購入することができる。このようなウェブページは、投資家コンピュータ150で入力されたユーザIDとパスワードの認証がとれたとき、投資家コンピュータ150がアクセスできるようになる。
<4−4.証券買い注文処理>
次に、第1証券10や第2証券20の買い注文処理について、図26を参照して説明する。ステップS11では、証券発行コンピュータ100の証券公開部104が売り出し中の第1及び第2証券10,20を含む証券をウェブページに公表している。ステップS12において、証券公開部104は、投資家コンピュータ150からユーザIDとパスワードを受信すると、ログイン処理として、受信されたユーザIDとパスワードをデータベースに登録されたユーザIDとパスワートと照合する。そして、認証がとれると、ステップS13において、認証した投資家コンピュータ150のアクセスを許可し、投資家が投資家コンピュータ150でウェブページを閲覧できるようにする。これにより、第1証券10や第2証券20を紹介している様々なウェブページを閲覧し、所望の証券を見つけ出すことができる。
ステップS14において、注文受付部105は、投資家ID及び購入する証券の証券IDとともに買い注文データを受信する。次いで、ステップS15において、注文受付部105は、投資家データベース109にアクセスし、当該投資家の口座の残高照会を行う。そして、発行可能証券が未だ残っているときであって、口座残高が注文金額より大きいときに、ステップS16において、注文をした投資家に対して証券を発行する。ステップS17において、投資家データベース109は、図24に示すように、投資家IDに関連付けて購入した証券IDが関連付けられることになる。また、投資家データベース109は、証券を購入した投資家の投資家IDに関連付いた口座データから、証券の購入金額分、減額処理を行って口座データを更新する。
<4−5.証券売り注文処理>
次に、第1証券10や第2証券20の売り注文処理について、図27を参照して説明する。証券を保有する投資家は、ステップS21において、金融機関/証券会社ウェブページより投資家IDやパスワードを入力してログインすると、当該投資家が保有する保有証券一覧ページにアクセスすることができる。ステップS22において、注文受付部105は、投資家ID及び売却する証券の証券IDとともに売り注文データを受信すると、次いで、投資家データベース109は、ステップS23において、当該投資家から売却した証券IDを削除する、すなわち関連付けを解除する。そして、投資家データベース109は、証券の売却金額分加算処理を行って口座データを更新する。
<4−6.利息/配当支払処理>
次に、図28を参照して、第1及び第2証券10,20の利息や配当の支払処理を説明する。決算期等の配当や金利を支払う時期が近づくと、配当決定部103は、ステップS31において、事業者等コンピュータシステム160から送信された決算報告データ等に基づいて第1及び第2証券10,20を保有する投資家に支払う配当の額を決定する。例えば、配当決定部103は、利益の例えば10〜30%程度を配当金に充当し、第1及び第2証券10,20の1枚当たりの配当の金額を決定する。ステップS32において、配当決定部103は、投資家への支払時期かどうかを判断する。支払時期が到来したとき、ステップS33において、投資家データベース109は、第1及び第2証券10,20の利息と配当の支払処理を行い、各投資家の口座データを更新する。勿論、利息の支払い期日と、配当の支払い時期がずれていてもよい。
<4−7.転換処理>
次に、第1証券10を第2証券20へ転換する転換処理について図29を参照して説明する。投資家は、自らが所有する転換権付き第1証券10の転換権を行使するとき、投資家コンピュータ150から第1証券10を第2証券20に転換することを指示する転換権行使データを証券発行コンピュータ100に送信する。転換部108は、ステップS41において、投資家コンピュータ150から転換権行使データを投資家ID及び証券IDとともに受信すると、ステップS42において、投資家データベース109にアクセスして、受信した投資家IDに関連付いた証券IDで特定される第1証券10の転換権行使可能期間内かどうかを判断する。転換権行使可能期間内であるとき、転換部108は、ステップS43において、転換時期に(例えば償還期限を迎えたとき)、第1証券10を第2証券20に転換する転換処理を行い、(図24の投資家ID「A100」の証券ID「第1証券C」及び「第2証券C−1」参照)投資家データベース109を更新する。
なお、図24に示す第1証券F,F−1のように、金利の変更をするときには、所定期間になったとき、転換部108が金利の変更処理を行う。また、第1証券10が満期を迎えたときや第1証券10を追加して発行するときに、金利や保証率を変更して発行するようにしてもよい。また、第1証券10から第2証券20に転換処理をする際に保証率の変更をするときには、図24に示す第1証券C,C−1のように、転換部108が保証率の変更処理を行う。また、図24に示す証券H,H−1,H−2のように、第1証券Hを、第1証券H−1(保証部分)と第2証券H−2(非保証部分)に分割する変更処理を行う。
<4−8.判定部>
ところで、上述した図23に示すように、証券発行コンピュータ100は、更に、第1証券10を発行すべきか、第2証券20を発行すべきかを判定する判定部121を設けるようにしてもよい。例えば、上述したように、カリフォルニア高速鉄道は、長期的又は恒久的な施設であり、十数年又は数十年経過すると、例えば路線・軌道設備の改修や車両の補修や駅舎の補修が必要となる。カリフォルニア高速鉄道等の公共交通機関は、利用者数の予測も比較的容易で、安定した収益も見込まれる。そこで、判定部121は、例えば、カリフォルニア高速鉄道の建設時に発行した第1証券10が償還期限を迎える前、所定期間が経過したとき、次に発行する証券の種類を決定する必要があるため、判定項目を入力するように促す警告をプロジェクトコーディネータコンピュータシステム120に出力する。例えば償還期限が10年の第1証券10の場合、発行から5年目を過ぎたときに、判定項目を入力するように促す警告をプロジェクトコーディネータコンピュータシステム120に出力する。そして、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120から判定項目の入力があったとき、入力結果に従って第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するかを決定する。判定項目としては、例えば、長期的又は恒久的な施設かどうか、利用者数の実績、今後の利用者数の予測、収益の予測等がある。
判定部121は、これらの入力項目に従い、今後も安定した収益を見込むことができるとき、第2証券20を発行することを選択する。例えば、予め設定された閾値を超えた判定項目が半数以上あるとき、第2証券20を選択する。また、安定した収益を見込むことができないとき(赤字でも公益性の観点から維持していく必要がある路線であるとき)、第1証券10を選択する。そして、その結果を、証券設計部101に出力する。証券設計部101では、判定部121で決定された第1証券10又は第2証券20の詳細な設計を行う。そして、第1証券10が償還期限を迎えるときには、新たな第1証券10又は第2証券20を発行する。これにより、証券発行コンピュータ100では、最初に建設したカリフォルニア高速鉄道といった公共交通機関を、第1証券10や第2証券20を用いて安定して維持していくことができる。このように、判定部121は、判定項目の内容に応じて第1証券10を発行するか第2証券20を発行するのかを判定するので、客観的に発行する証券の種類を決めることができる。
<4−9.TVショッピングについて>
図30に示すように、証券公開部104は、TVショッピング番組116の中で第1証券10及び第2証券20を紹介することができる。ディジタルテレビ受信機111は、放送局110で制作された第1及び第2証券10,20を紹介するTVショッピング番組116を番組プログラムに従って放送する。ディジタルテレビ受信機111は、放送を受信しデコードする放送受信部112と、番組を表示するスクリーン113と、チャンネルを選択するリモコン等で構成された操作部114と、ネットワーク119と接続する通信I/F115と、全体動作を制御する制御部となるCPU117とを備えている。
ディジタルテレビ受信機111は、放送受信部112において、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部でディジタル信号を抽出し、パケット単位の信号となっているトランスポートストリームパケット(以下、「TSパケット」という。)を目的別に分離する。そして、映像・音声のパケットであればMPEG2デコード部へ送り、映像・音声信号をデコードする。また、データ放送のパケットであればCPU117に送り、各データをデコードする。そして、CPU117は、映像信号をスクリーンに表示するとともに、データ放送処理のデータを映像信号に重ね合わせて表示する。例えば、TVショッピング番組116の場合には、映像信号や音声信号で構成された番組データを再生するとともに、この番組データに関連した証券を購入するためのボタン等のアイコン118等を表示する。これにより、投資家は、TVショッピング番組116を視聴する中で第1証券10や第2証券20の詳細や第1証券10や第2証券20が集める資金のプロジェクトの詳細を分かりやすく知ることができる。すなわち、投資家は、第1証券10や第2証券20やプロジェクトの内容を、発行者とほぼ同じだけ知ることができる。投資家は、このような詳細な情報を知った上で、十分検討してから第1証券10や第2証券20を購入することができる(発行者と投資家との間の情報の対称性)。
投資家は、TVショッピング番組116の中で気に入った証券があったときには、操作部114を構成する操作ボタンを操作してスクリーン113に表示されたボタンのアイコン118をクリックして又はリモコンの操作ボタンを押して、所望の証券の購入操作を行う。すると、通信I/F115は、ネットワーク119を介して投資家ID及び購入する証券の証券IDとともに買い注文データを証券発行コンピュータ100に送信する。なお、ディジタルテレビ受信機111と証券発行コンピュータ100との間は、SSL等のプロトコルを用いて接続するようにしてもよい。注文受付部105は、投資家ID及び購入する証券の証券IDとともに買い注文データを受信すると、次いで、投資家データベース109にアクセスし、当該投資家の口座の残高照会を行い、口座残高が注文金額より大きいとき、決済処理をして、注文をした投資家に対して証券を発行する。
以上のように、TVショッピング番組116では、ウェブページよりも多くの表現手法で第1及び第2証券10,20を紹介することができ、一層投資家に効率的に第1及び第2証券10,20をアピールすることができる。また、このTVショッピング番組116では、発行済みの第1証券10や第2証券20で資金が調達されたプロジェクトの進捗状況等の現状報告を行うようにし、発行者と投資家との間の情報の対称性を確保するようにすることもできる。
なお、投資家は、このディジタルテレビ受信機111を端末として用いて、上述した、第1証券10や第2証券20の売り注文や買い注文や第1証券10から第2証券20への転換を指示する転換権行使のデータを証券発行コンピュータ100に送信するようにしてもよい。
<5.第1及び第2証券を用いたその他の具体例>
<5−1.復興証券と観光証券>
2004年に発生したマグニチュード9.1の地震をスマトラ島沖地震は、震源地を中心としたインドネシア、インド、スリランカ、タイ王国、ミャンマー、マレーシア、モルディブ等の東南アジア諸国に甚大な被害をもたらした。また、日本において、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震も、当該地震とそれに伴って発生した津波、及びその後の余震により大規模な自然災害をもたらした。アメリカ合衆国においても、ニューオリンズ等でハリケーンによる大規模な水害が発生し、また、オクラホマ州等で発生した巨大竜巻によって甚大な被害が発生している。
上述したように、第1及び第2証券10,20は、発行の目的を発行者やプロジェクトコーディネータによって自由に設定することができる。したがって、このような自然災害に対しては、図31に示すように、第1証券10や第2証券20を、目的別に発行するようにし、例えば、国民の生活基盤を整える復興を目的として第1証券10や第2証券20を発行するとともに、観光施設等を設けるための観光を目的とした第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。第1証券10や第2証券20の発行にあたっては、国毎に発行するようにしてもよく、また、国際復興開発銀行等の世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、米州開発銀行等が国家間に跨った復興や観光を目的として、上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。この場合の保証人は、世界銀行グループや復興や観光事業が行われる各国が担うようにすることができる。更に、保証人は、官民合同体や複数国にしてもよい。また、発行国は、被災国や被災地の国又は地方自治体ではなく、第三国としてもよい。例えば、東南アジア諸国の復興や観光を目的とした第1証券10や第2証券20を、第三国のアメリカ合衆国等で発行するようにしてもよい。
災害が発生したときに最初になされる事業は、住民の生活の基盤を整える復興事業である(第1段階)。次いで、インフラ整備が終盤にさしかかると、次いで、災害地域の発展を目的とした新たな観光資源の開発等の観光事業が開始される(第2段階)。そこで、第1段階では、復興事業を目的とした第1証券10を発行する。例えば、第1証券10は、復興事業という大きな目的のために発行されるものであれば、例えば10年、20年といった償還期限が長期のものとなり、電気、ガス、水道等の生活に密接した最低限の生活インフラの復旧を目的とする場合、比較的工期が短いことから例えば1年、2年、5年といった比較的短期なものとなる。このような第1証券10は、復興事業計画に基づいて、目的別に、様々な償還期限ものが発行される。
復興事業の開始後、所定期間が経過すると、次いで、第2段階として、観光資源の開発事業が開始される。観光事業では、収益が期待されることから、第2証券20が発行される。ここで、発行済みの第1証券10は、第2証券20を発行する時期に、観光事業を目的とした第2証券20に転換するように設計できる。また、この時期には、新たな観光事業を目的とした新規な第2証券20を順次発行することもできる。勿論、この時期に、再度、第1証券10を発行するようにしてもよい。
なお、第1証券10や第2証券20を発行するにあたっては、一つ又は複数種類の第1証券10だけを発行してもよいし、一つ又は複数種類の第2証券20だけを発行してもよいし、第1証券10と第2証券20とを組み合わせて発行してもよい。
ところで、証券発行コンピュータ100は、更に、上述した判定部121で、第1段階から第2段階への移行時に、第2段階で第1証券10を発行すべきか、第2証券20を発行すべきかを判定するようにしてもよい。例えば、観光用の施設にあっても、観光客に飽きられやすい短期的施設と、飽きにくく長期間観光客を呼び込むことができる長期的施設とがある。第2段階に移行するため、第1段階に発行した第1証券10の償還期限が近づいたとき、長期的施設については、長期的収益を見込むことができることから、償還期限のない第2証券20を発行するようにし、飽きやすい短期的施設の場合は、長期間に亘る収益を見込みにくいことから第1証券10を発行するようにする。観光を目的としたどのような種類の施設を第2段階で設けるかは、例えば証券公開部104で、TVショッピングの番組中、ホームページの中で公募すればよい。
判定部121は、施設の目的、用途の判定項目が入力されると、これらの判定項目にしたがって、第2段階で第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するかの判定を行う。例えば、判定項目の入力結果に従い、短期的施設がよい場合には、第1証券10を選択し、長期的施設がよい場合には、第2証券20を選択する。証券発行コンピュータ100は、第1段階の第1証券10を発行してから償還期限を迎える前の所定期間が経過したとき、第2段階で発行する証券の種類を決定する必要があるため、警告をプロジェクトコーディネータコンピュータシステム120に出力する。例えば第1段階で発行した第1証券10の償還期限が10年の場合であって償還期限が近づいた5年目を過ぎたときに、第2段階で発行する証券の種類を決定することを促す警告をプロジェクトコーディネータコンピュータシステム120に出力する。そして、プロジェクトコーディネータコンピュータシステム120から判定項目の入力があったとき、入力結果に従って第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するかを決定する。なお、判定するに際しては、長期的施設であるか短期的施設かだけでなく、利用者数の予測、収益の予測等を考慮に入れてもよい。
そして、判定部121は、その結果を、証券設計部101に出力し、証券設計部101では、判定部121で決定された第1証券10又は第2証券20の詳細な設計を行う。そして、第1段階の第1証券10が償還期限を迎えるときには、第2段階での第1証券10又は第2証券20を発行する。これにより、証券発行コンピュータ100では、第1段階から第2段階への移行時に第1証券10を発行すべきか第2証券20を発行すべきかを自動的にかつ客観的に決定することができる。勿論、第2段階において、第1証券10と第2証券20の両方を発行してもよい。
<5−2.都市再生証券>
図32に示すように、一般に、財政が破綻した都市(例えば、日本の夕張市(2007年事実上破綻))にあっては、地方債を起債することが制限され、収支不足額を振り替えるため、例外的に、総務大臣の許可を受けて、償還年限が財政再生計画の計画期間内である地方債(再生振替特例債)を起債できるにとどまる。また、アメリカ合衆国のデトロイトも同様で、2013年に破綻した。
地方自治体の財政再建のためには、資金調達が必要である。また、財政再建が必要な都市は、少子高齢化が進み、人口の減少が問題となった都市も多い。このような都市を再生する政策の一つに、コンパクトシティー(Compact City)、ニューアーバニズム(New Urbanism)、アーバンビレッジ(Urban Village)といった都市政策がある。このような都市政策では、都市の郊外への拡張を抑え、中心部に行政、医療、教育、交通等の都市機能を集積し、中心街の活性化と都市住民の利便性の向上を目指すことになる。このような考え方に従えば、大型商業施設や公共施設(福祉施設、病院等)を都市中心部に移設し、交通手段として自動車より徒歩や自転車を重視し、このための道路等を整備する必要がある。また、路面電車等の小規模の公共交通機関を整備し、更に、コーポラティブ住宅(組合形式の集合住宅)の整備を行っていく必要がある。公共交通機関としては、ライトレールトランジット(Light rail transit, LRT)とも呼ばれる「軽量軌道交通」がある。
そこで、財政再建を目指す地方自治体は、図11に示す第1証券10F〜10H、図12に示す第1証券10I〜10K、図13に示す第1証券10L〜10Nといった、細分化された目的別の第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。すなわち、医療施設の建設、福祉施設の建設、教育施設の建設、研究施設の建設、公共交通機関の整備、コーポラティブ住宅の整備等を目的とした第1証券10や第2証券20を発行するようにする。これにより、財政再建を目指す地方自治体は、民間の資金を効率的に調達し、魅力的な都市を実現し、財政再建を実現することができる。この場合、発行者は、例えば当該地方自治体や官民合同体であり、保証人は、国や官民合同体等とすることができる。勿論、第1証券10や第2証券20を発行するにあたっては、一つ又は複数種類の第1証券10だけを発行してもよいし、一つ又は複数種類の第2証券20だけを発行してもよいし、第1証券10と第2証券20とを発行してもよい。
コンパクトシティーの実現に向けて第1証券10を用いて新設又は改修した施設を更に補修するとき、補修する資金を第1証券10や第2証券20でその資金を調達することになる。証券発行コンピュータ100は、第1段階での第1証券10を発行した後、所定期間が経過すると、次の第2段階の補修に必要な資金を調達するため、判定部121で、例えば改修する施設毎に、第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するのか、また、第1証券10と第2証券20の両方を発行するのかを判定する。また、第1段階で発行した第1証券10は、第2証券20に転換されてもよい。
<5−3.地域開発証券>
図33に示すように、地中海沿岸は、温暖な地域であり、南ヨーロッパ側は保養地として発展している。一方で、対岸の北アフリカは、同様な気候であるにかかわらず、未開発な地域も多い。そこで、北アフリカの地域の開発を目的として、上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。第1証券10や第2証券20を発行するにあたっては、一つ又は複数種類の第1証券10だけを発行してもよいし、一つ又は複数種類の第2証券20だけを発行してもよいし、第1証券10と第2証券20とを発行してもよい。このようなプロジェクトの場合、国家を跨るプロジェクトであるため、発行国は、開発される北アフリカ諸国であってもよく、また、経済規模の大きな第三国であってもよく、更に、世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、アフリカ開発銀行、米州開発銀行、官民合同体等であってもよい。更に、保証人は、施設の設けられる国々、世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、米州開発銀行、官民合同体等が担うようにするとよい。
例えば、南ヨーロッパと北アフリカの地中海沿岸には、高速鉄道を建設し、又は、地中海沿岸の都市を巡航するスクリュープロペラ推進装置やウォータージェット推進装置を用いた高速船を設けて、これらの地域の移動を簡便にして、経済の一体化を実現することができる。これらの事業では、高速鉄道や高速船の整備のために、第1証券10や第2証券20を発行することができる。また、高速鉄道の沿線や高速船の寄港する都市を開発することによって、南ヨーロッパと北アフリカの人が新都市に移住しやすくすることができる。そして、この都市開発の資金調達に、第1証券10や第2証券20を利用することができる。これにより、南ヨーロッパだけでなく北アフリカの経済復興や経済圏の一体化を実現することができる。このような広範な地域に跨って行う都市開発や交通インフラの整備は、南ヨーロッパや北アフリカの地中海沿岸に限定されるものではない。例えば、ユーラシア大陸のシベリア地方の開発に適用することもできるし、また、ペルシア湾沿岸の地域や紅海沿岸の地域や黒海沿岸の地域といった西アジアや東アフリカや東ヨーロッパの開発に適用することもできる。
地域開発によって設けられた高速鉄道や高速船の施設についても、十数年又は数十年経過すると補修の必要が生じる。そこで、補修に必要な資金も、第1証券10や第2証券20によって調達ことができる。証券発行コンピュータ100は、第1段階での第1証券10を発行した後、所定期間が経過すると、次の第2段階の補修に必要な資金を調達するため、判定部121で、第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するのかを判定する。また、第1段階で発行した第1証券10は、第2証券20に転換されてもよい。
また、次のような地域開発にも第1証券10や第2証券20を用いることができる。例えば、アメリカ合衆国のフロリダ半島は、広大な湿地が存在しており、周辺の都市開発や農地開発に伴う湿地への汚染水の流入による環境面での劣化を復元する大規模な植生浄化事業が行われ又は計画されているとともに、湿地の大規模開発も計画されている。すなわち、自然環境を保護しつつ大規模開発を行うことで、同地域の観光事業を更に発展させることができる。大規模開発としては、高速鉄道の建設とともに新都市の建設、国立公園の整備を挙げることができる。フロリダ半島において、湿地の復元とともに大規模開発にあたっての資金調達に、第1証券10や第2証券20を用いることができる。
具体的に、第1証券10や第2証券20を発行するにあたっては、一つ又は複数種類の第1証券10だけを発行してもよいし、一つ又は複数種類の第2証券20だけを発行してもよいし、第1証券10と第2証券20とを発行してもよい。このようなプロジェクトの場合、発行者は、例えば、フロリダ州やアメリカ合衆国となり、保証人は、フロリダ州やアメリカ合衆国、世界銀行グループ、米州開発銀行、官民合同体等が担うようにするとよい。また、発行者や保証人には、フロリダ半島や周辺やメキシコ湾沿いのジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州等が含まれていてもよい。既存の施設の補修や建設から十数年又は数十年経過した際の補修の資金も、第1証券10や第2証券20によって調達することができる。
<5−4.エネルギ関連証券>
再生可能エネルギとして、太陽光、風力、波力、潮力、流水、潮汐、地熱、バイオマス等自然の力で定常的又は反復的に補充されるエネルギを利用した発電事業が行われている。北アフリカでは、太陽電池パネルの他にも、大規模な太陽熱(CSP:Concentrating Solar Power)発電所等が建設されている。また、日本では、大規模な風力発電設備の導入が進められている。このような再生可能エネルギは、地下資源価格の高騰対策、枯渇資源対策、地球温暖化対策等の理由で世界中で導入が進められている。
また、北アフリカ等の地域は、水資源の枯渇問題があり、海水の淡水化技術を用いた水資源供給システムの構築が安定した電力供給とともに望まれている。水資源供給システムとしては、海水を蒸留して淡水を作り出す方式や、海水に圧力をかけて逆浸透膜(RO膜、Reverse Osmosis Membrane)等の濾過膜に通し、海水の塩分を濃縮して捨て、淡水を漉し出す方式等がある。いずれの方式にしても、水資源供給システムの実現には、安定した電力供給が必要である。
そこで、以上のような発電や淡水化を目的として、図34に示すように、上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。第1証券10や第2証券20を発行するにあたっては、一つ又は複数種類の第1証券10だけを発行してもよいし、一つ又は複数種類の第2証券20だけを発行してもよいし、第1証券10と第2証券20とを発行してもよい。一国内における事業である場合には、発行国をその国やその国での官民合同体にすればよいし、上述のように、発行国を経済規模の大きな第三国としてもよい。また、国家間に跨る発電事業の場合、発行国は、事業の行われる国々であってもよく、また、経済規模の大きな第三国であってもよく、更に、世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、米州開発銀行、官民合同体等であってもよい。更に、保証人は、当該事業が行われる国々や経済規模の大きな第三国であってもよく、更に、世界銀行グループ、アフリカ開発銀行、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、米州開発銀行等の金融機関や官民合同体であってもよい。
勿論、このようなエネルギ関連証券は、上述した地域開発証券とともに発行するようにすることもできる。すなわち、発電プラントや淡水化プラントの建設を目的としたエネルギ関連証券としての第1証券10や第2証券20を発行するとともに、交通インフラ等を建設する地域開発証券としての第1証券10や第2証券20を発行する。これにより、例えば、北アフリカ地域の開発を、エネルギ面と交通インフラの面の両面から実行することができる。
更に、図35に示すように、石油、天然ガスといった資源のプラント建設や管路輸送のためのパイプラインの建設に、上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。また、上述したように、淡水化プラントの建設や管路輸送のためのパイプラインの建設に、上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。また、水源に設けられた採水プラントや採水プラントから都市までのパイプラインの建設に上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。
なお、エネルギ関連施設についても、十数年又は数十年経過すると補修の必要が生じる。そこで、補修に必要な資金も、第1証券10や第2証券20によって調達ことができる。証券発行コンピュータ100は、第1段階での第1証券10を発行した後、所定期間が経過すると、次の第2段階の補修に必要な資金を調達するため、判定部121で、第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するのかを判定する。また、第1段階で発行した第1証券10は、第2証券20に転換されてもよい。
<5−5.砂漠緑化証券>
アフリカ大陸や中央アジアでは、砂漠化の進行が進み、砂漠の緑化が求められている。砂漠の緑化には、灌漑設備建設や植栽が行われる。そこで、以上のような砂漠緑化を目的として、図36に示すように、上述した第1証券10や第2証券20を発行するようにしてもよい。第1証券10や第2証券20を発行するにあたっては、一つ又は複数種類の第1証券10だけを発行してもよいし、一つ又は複数種類の第2証券20だけを発行してもよいし、第1証券10と第2証券20とを発行してもよい。一国内における事業である場合には、発行国をその国にすればよいし、上述のように、発行国を経済規模の大きな第三国としてもよい。また、国家間に跨る緑化事業の場合、発行国は、事業の行われる国々であってもよく、また、経済規模の大きな第三国であってもよく、更に、世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、米州開発銀行等や官民合同体であってもよい。更に、保証人は、当該事業が行われる国々や経済規模の大きな第三国であってもよく、更に、世界銀行グループ、欧州復興開発銀行、北欧投資銀行、アフリカ開発銀行、米州開発銀行等の金融機関や官民合同体であってもよい。灌漑施設等を建設してから所定期間が経過し補修が必要なときには、改めて第1証券10や第2証券20を発行して資金を調達することになる。証券発行コンピュータ100は、第1段階で建設のため第1証券10を発行した後、所定期間が経過すると、次の第2段階の補修に必要な資金を調達するため、判定部121で、第1証券10を発行するか、第2証券20を発行するのかを判定する。また、第1段階で発行した第1証券10は、第2証券20に転換されてもよい。
<5−6.インフラ管理証券>
東京をはじめとする世界の都市部では、図37に示すように、上水道、下水道、ガス、蒸気管等の冷暖房システム等の生活インフラの老朽化が問題となっており、このような生活インフラの維持管理・更新が必要である。また、高架道路、橋梁等の交通インフラにあっても、老朽化が問題となっており、このような生活インフラの維持管理・更新が必要である。
このような問題点を解決するには、例えば、上水道、下水道、ガス等の管路のクラック(ひび割れ)等の損傷の発生を自ら感知し、損傷部分を自ら修復できる機能を有する新材料を開発し、これを用いて修復を行うことで、管路の劣化の進行を抑止し、安全性の向上や長寿命化を実現することができる。また、情報通信技術を活用した非破壊センサーネットワークやデータマネジメント等の技術を用いてインフラの補修を行うことができる。すなわち、橋梁、水道管等インフラにセンサを取り付けることで逐次その状況を把握して構造物劣化診断(ヘルスモニタリング)を行い、また、ロボット技術(遠隔操作重機を含む)等によりインフラの点検、保守を行うことで、事故発生前に早期に異常を自動検知して補修等維持管理が可能となる。これにより、事故の未然抑止、インフラの長寿命化、保安要員不足の解消、コストの軽減等の効果を実現することができる。このような生活インフラや交通インフラは、都市部においては張り巡らされており、その全て足しあわせた総延長は、極めて長く、補修修繕には、長期間を要し、費用も嵩む。
そこで、以上のようなインフラの維持管理・更新や次世代インフラの開発やインフラの点検保守のための新技術開発や導入に必要な資金を、上述した第1証券10や第2証券20を用いて調達することができる。ターンパイクといった有料道路や有料橋の補修点検では、交通量の予測もしやすく、将来的な収益が見込まれるものであり、配当付きの第2証券20を発行することが好ましい。この場合、全区間や一部区間を有料として、徴収した料金で金利や配当を支払うようにすることができる。また、道路に休憩・食事・自動車の給油・整備点検のために設けられるサービスエリア等の施設を設ける場合にも、配当付きの第2証券20を発行することが好ましい。勿論、償還期限のある第1証券10を用いて資金を調達してもよいし、第1証券10と第2証券20とで資金を調達するようにしてもよい。
例えば、インフラの維持管理・更新や次世代インフラの開発やインフラの点検保守のための新技術開発や導入に必要な資金は、第1証券10で先行して調達し、開発された技実を用いて補修を行うときには、第2証券20を発行するようにしてもよい。これらのインフラは、将来的収益が見込まれるためである。また、第1証券10は、発行から所定期間経過したときに、第2証券20に転換されても良い。
一方で、無料の道路や橋梁といいた交通インフラ等の補修点検では、公共性が高いことから、償還期限付きで配当無しの第1証券10を用いることが好ましい。一方で、上水道、ガス等の生活インフラの補修点検では、公共料金を利用者から徴収することで、収益を得ることもできるので、配当のある第2証券20とすることもできる。
<5−7.オリンピック証券>
オリンピックやパラリンピックの招致開催にあたっては、莫大な費用が必要である。このため、コンパクトな開催計画にして、例えば都市中心部で開催して、更に、新設した施設を恒久的かつ有効に利用することで、開催都市機能の拡充を図るようになってきている。図38に示すように、オリンピック開催決定すると、開催都市や開催国にとってオリンピック開催の効果を最大限に引き出す予算が組まれる。例えば開催関連施設のオリンピック後の利用も考慮に入れて予算を組む。この予算に応じて、第1証券10と第2証券20が発行されることになる(第1段階)。
例えば、オリンピックのメイン会場である陸上競技やサッカー競技が開催される陸上競技場を新設するときには、オリンピック開催後にあっても、恒久的に、国内外の文化、スポーツ、教育関連の拠点として利用することができる。また、選手村は、オリンピック開催時は選手等の住居ゾーンの仕様としながらも、開催後は選手の住居ゾーンを改装し、分譲又は賃貸マンションとすることができる。パラリンピックの選手村としても利用される場合、オリンピック開催後、その住居ゾーンは、高齢者や障害者用の住宅に転用することもできる。
このように、オリンピック開催後であっても恒久的又は長期的に施設が利用される場合には、長期的な収益も見込まれることから、償還期限のない第2証券20を発行することが好ましい。勿論、このような場合であっても、第1証券10を発行することを妨げるものではなく、第1証券10と第2証券20との両方を発行するようにしてもよい。
一方で、全てのオリンピック関連施設を新設や既設の施設とすることはできず、一部は、仮設の施設となり、オリンピックやパラリンピックの開催の後は、解体撤去される場合もある。このような短期的利用の施設は、長期に亘って、すなわちオリンピック開催後も収益を見込むことはできない。このような場合には、償還期限が定めされた第1証券10を発行することが好ましい。
第1段階で発行された第1証券10は、転換権付きのものとし、償還期限を迎えるとき、又は、償還期限を迎える前であっても、投資家が転換権を行使することによって、第2証券20に転換されるようにしてもよい。これにより、投資家は、長期に亘り配当を受け取り続けることができる。また、投資家は、転換された第2証券20を売却することもできる。
オリンピック開催後、恒久的又は長期的に利用される施設を改修する場合には、回収資金を調達するため、更に、第1証券10や第2証券20を発行することができる(第2段階)。証券発行コンピュータ100は、オリンピック開催が決定してから所定期間経過したときやオリンピック開催後といった時期が到来すると、判定部121で、第1証券10を発行すべきか、第2証券20を発行すべきかを判定する。恒久的又は長期的に利用される施設を改修する場合、判定部121は、例えば第2証券20を選択する。短期的な施設を新規に建設する場合、判定部121は、例えば第1証券10を選択する。勿論、第1証券10と第2証券20の両方を発行するようにしてもよい。
<5−8.第1及び第2証券の利用可能性>
財政投融資とは、税負担に拠ることなく、国債の一種である財投債の発行等により調達した資金を財源として、政策的な必要性があるものの、民間では対応が困難な長期・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施を可能とするための投融資活動である。第1証券10や第2証券20は、この財政投融資の財源としても用いることができる。また、第1証券10や第2証券20は、現在の国債、ソブリン債、州債、県債、市債、等の公債に代えて用いることができる。
また、第1証券10や第2証券20は、新規のダム建設等の資金調達に用いることができる。また、起業だけでなく、企業支援や企業買収のめの資金調達に使用することもできる。この場合、企業支援又は買収するときは、第1証券20で資金を調達し、支援又は買収した企業が順調に軌道に乗ったときには、事業資金を確保するため、第2証券20を発行するようにしてもよい。また、第1証券10が償還期限を向かえるときに、第2証券20に転換するようにしてもよい。
更に、第1証券10や第2証券20は、インフラ建設等のハード面の資金調達の他、研究開発等のソフト面の資金調達に使用することができる。例えば、研究開発の初期段階の資金調達では、償還期限のある第1証券10を用い、商品化や実用化の目処のついた後半段階では、償還期限のない第2証券20を発行するようにしてもよい。また、第2証券20を発行する時期に第1証券10を第2証券20に転換するようにしてもよい。
10 第1証券、20 第2証券、100 証券発行コンピュータ、110 放送局、120 プロジェクトコーディネータコンピュータシステム、130 請負業者コンピュータシステム、140 政府コンピュータシステム、150 投資家コンピュータ、160 事業者等コンピュータシステム

Claims (32)

  1. 事業の資金を調達するための第1証券を発行するように構成された証券発行コンピュータを備え、
    前記第1証券は、
    前記第1証券を発行する第1発行法人と、
    前記第1証券の保有と引換えに前記第1発行法人に支払われる第1額面価格と、
    前記第1発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第1証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める第1保証率であって、前記第1額面価格に対する割合で定義された第1保証率と、
    前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第1利率であって、前記第1額面価格に対する又は前記第1保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第1利率と、
    前記第1証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第1配当であって、前記第1保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第1配当と、
    を含み、
    前記第1証券には、前記第1証券と異なる種類の第2証券、又は、第3証券及び第4証券の何れかの証券に転換する転換権の付いた転換権付き第1証券と、転換権なしの第1証券とがあり、
    前記第3証券は、前記転換権付き第1証券の保証部分に相当する証券であり、
    前記第4証券は、前記転換権付き第1証券の非保証部分に相当する証券であり、
    前記証券発行コンピュータは、
    投資家に関連付けて前記第1証券、前記第2証券、前記第3証券及び前記第4証券を管理するデータベースと、
    前記転換権付き第1証券と前記転換権なしの第1証券の何れの第1証券を発行するかを決定し、発行する第1証券の前記第1利率及び前記第1配当を決定し、前記第1証券を発行する処理を行う処理部とを有し、
    前記処理部は、前記転換権付き第1証券の発行から所定期間を経過したとき、前記転換権付き第1証券を、前記第2証券に転換する処理と、前記第3証券及び前記第4証券に転換する処理とを行い、前記データベースを更新する転換部を含み、
    前記証券発行コンピュータは、更に、プロジェクトの進捗状況を管理するプロジェクトコーディネータコンピュータシステムから事業の進捗データを受け取り、前記第1証券、前記第2証券、前記第3証券及び前記第4証券の発行前及び発行後において、事業の内容を公表する証券公開部を備える
    データ処理システム
  2. 前記第1証券に対して償還期限が定められている
    請求項1記載のデータ処理システム。
  3. 前記処理部は、前記償還期限を迎えたときに、前記第1証券を前記第2証券に転換するように構成されるとともに、前記第1証券を前記第3証券及び前記第4証券に転換するように構成される
    請求項2記載のデータ処理システム。
  4. 前記処理部は、
    投資家コンピュータから前記第1証券を転換することを指示する転換権行使データを受信したとき、前記証券保有者の前記第1証券を前記第2証券に転換処理するとともに、前記第3証券及び前記第4証券に転換し、
    前記転換権行使データを受信しなかったとき、前記証券保有者の第1証券の償還処理を行う
    ように構成される請求項2記載のデータ処理システム。
  5. 前記第2証券には償還期限が定められておらず、
    前記第2証券は、
    前記第2証券を発行する第2発行法人と、
    前記第2証券の保有と引換えに前記第2発行法人に支払われる第2額面価格と、
    前記第2発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第2証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により前記証券保有者に払い戻される金額を定める第2保証率であって、前記第2額面価格に対する割合で定義された第2保証率と、
    前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第2利率であって、前記第2額面価格に対する又は前記第2保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第2利率と、
    前記第2証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第2配当であって、前記第2保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第2配当と
    を含む請求項2記載のデータ処理システム。
  6. 前記第2保証率は0%である
    請求項5記載のデータ処理システム。
  7. 前記第2利率は0%又は前記第1証券の第1利率と異なる
    請求項5記載のデータ処理システム。
  8. 前記第3証券は、前記第1証券の前記保証部分の金額に対して全額保証を付け第3利率を付けた証券であり、前記第4証券は、前記第1証券の前記非保証部分の金額に対し保証を付けず第4配当を付けた証券である
    請求項1記載のデータ処理システム。
  9. 前記第2証券、前記第3証券、前記第4証券の少なくとも何れか1つの証券は、株券である
    請求項1記載のデータ処理システム。
  10. 前記株券は、前記株券の発行に関与した少なくとも1つの第三者によって、前記株券の額面又は前記第1証券からの転換時の市場価格の所定割合の金額が保証されている
    請求項9記載のデータ処理システム。
  11. 前記処理部は、前記第1証券の発行から前記所定期間が経過したとき、前記第1利率及び/又は前記第1保証率を変更するように構成される
    請求項1記載のデータ処理システム。
  12. 前記事業は、新規事業であって、都市間を繋ぐ交通インフラを建設する事業である
    請求項1記載のデータ処理システム。
  13. 前記新規事業は、更に、前記都市間に、更なる新都市を建設する事業を含む
    請求項12記載のデータ処理システム。
  14. 前記新都市を建設する事業は、前記新都市に駅を建設する事業を含む
    請求項13記載のデータ処理システム。
  15. 前記新都市を建設する事業は、前記新都市にランドマークを建設する事業を含む
    請求項13記載のデータ処理システム。
  16. 前記新都市を建設する事業は、前記新都市に教育施設、福祉施設、及び/又は、医療施設を建設する事業を含む
    請求項13記載のデータ処理システム。
  17. 前記証券発行コンピュータは、新規の交通インフラを建設する事業の資金を調達するための証券を発行する他に、更に、前記都市間に、更なる新都市を建設する新規事業の資金を調達するための更なる前記第1証券を発行するように構成され、
    前記処理部は、前記更なる第1証券の第1利率及び第1配当を決定するように構成される
    請求項12記載のデータ処理システム。
  18. 前記第1証券、前記第2証券、前記第3証券又は前記第4証券は、TVショッピングの番組で、資金調達する前記事業の説明とともにその内容が紹介され、
    当該データ処理システムは、更に、前記TVショッピングの番組を表示するディジタルテレビ受信機から送信された買い注文データを受信すると、買い注文がされた前記第1証券、前記第2証券、前記第3証券又は前記第4証券を、視聴者である投資家に対して発行するように構成される証券発行部を備え、
    前記証券公開部は、前記TVショッピングの番組で事業の内容を公表する証券公開部を備える
    請求項1ないし17のうち何れか1項記載のデータ処理システム。
  19. 前記第1証券には償還期限が定められていない
    請求項1記載のデータ処理システム。
  20. 証券発行コンピュータによって第1証券を発行して、事業の資金を調達するデータ処理方法において、
    前記第1証券は、
    前記第1証券を発行する発行法人と、
    前記第1証券の保有と引換えに前記発行法人に支払われる額面価格と、
    前記発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第1証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める第1保証率であって、前記額面価格に対する割合で定義された第1保証率と、
    前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第1利率であって、前記額面価格に対する又は前記第1保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第1利率と、
    前記第1証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第1配当であって、前記第1保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第1配当とを含み、
    前記第1証券には、前記第1証券と異なる種類の第2証券、又は、第3証券及び第4証券の何れかの証券に転換する転換権の付いた転換権付き第1証券と、転換権なしの第1証券とがあり、
    前記第3証券は、前記転換権付き第1証券の保証部分に相当する証券であり、
    前記第4証券は、前記転換権付き第1証券の非保証部分に相当する証券であり、
    前記証券発行コンピュータは、
    データベースが投資家に関連付けて前記第1証券、前記第2証券、前記第3証券及び前記第4証券を管理しており、
    前記転換権付き第1証券と前記転換権なしの第1証券の何れの第1証券を発行するかを決定し、発行する第1証券の前記第1利率及び前記第1配当を決定し、前記第1証券を発行する処理を行い、
    投資家コンピュータからの前記発行する第1証券の購入申込をネットワークを介して前記証券発行コンピュータで受け付け、
    前記証券発行コンピュータによって、前記発行する第1証券を購入した投資家に対して前記第1証券を発行し、
    前記転換権付き第1証券の発行から所定期間を経過したとき、前記証券発行コンピュータによって、前記転換権付き第1証券を、前記第2証券に転換する処理と、前記第3証券及び前記第4証券に転換する処理とを行い、前記データベースを更新し、
    プロジェクトの進捗状況を管理するプロジェクトコーディネータコンピュータシステムから事業の進捗データを受け取り、前記第1証券、前記第2証券、前記第3証券及び前記第4証券の発行前及び発行後において、事業の内容を公表する
    データ処理方法。
  21. 第1事業の資金を調達するための第1証券を発行するとともに、前記第1事業に関連した第2事業の資金を調達するための第2証券を発行するように構成された証券発行コンピュータを備え、
    前記第1証券は、
    前記第1事業のプロジェクト名及びその内容と、
    当該第1証券を発行する第1発行法人と、
    前記第1証券の保有と引換えに前記第1発行法人に支払われる第1額面価格と、
    前記第1額面価格の償還期限と、
    前記第1発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第1証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める第1保証率であって、前記第1額面価格に対する割合で定義された第1保証率と、
    前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第1利率であって、前記第1額面価格に対する又は前記第1保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第1利率と、
    前記第1証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第1配当であって、前記第1保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第1配当と
    を含み、
    前記第2証券には償還期限が定められておらず、
    前記第2証券は、
    前記第2事業のプロジェクト名及びその内容と、
    前記第2証券を発行する第2発行法人と、
    前記第2証券の保有と引換えに前記第2発行法人に支払われる第2額面価格と、
    前記第2発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第2証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により前記証券保有者に払い戻される金額を定める第2保証率であって、前記第2額面価格に対する割合で定義された第2保証率と、
    前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第2利率であって、前記第2額面価格に対する又は前記第2保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第2利率と、
    前記第2証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第2配当であって、前記第2保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第2配当と
    を含み、
    前記証券発行コンピュータは、前記第1利率及び前記第1配当を決定して前記第1証券を発行するとともに、前記第2利率及び前記第2配当を決定して前記第2証券を発行するように構成される処理部を有し、
    前記処理部は、前記第2証券を、前記第1証券の発行の後に発行するように構成され、
    さらに、前記第1事業又は前記第2事業を管理するプロジェクトコーディネータコンピュータシステムから入力された前記第2証券を発行するかどうかを決める複数の判定項目のデータが入力され、予め設定された条件を満たす判定項目が所定数以上であるとき、前記第2証券を発行し、そうでないとき、前記第1証券を発行する
    データ処理システム。
  22. 前記処理部は、前記第1事業で設けられたインフラの前記第2事業としての補修事業に用いる前記第2証券を、前記第1証券の発行の後に発行するように構成される
    請求項21記載のデータ処理システム。
  23. 前記処理部は、
    前記第1証券が前記償還期限を迎える前に、次に更なる証券として、前記第1証券を発行するか、前記第2証券を発行するかを判定し、
    前記第2証券を発行すると判定したときに、前記第2証券を前記第1証券の発行の後に発行する
    ように構成される請求項21記載のデータ処理システム。
  24. 前記処理部は、前記第1証券を発行すると判定したときに、前記第1証券の発行の後に前記第2証券と共に第1証券を発行するように構成される
    請求項23記載のデータ処理システム。
  25. 前記処理部は、前記第1証券が前記償還期限を迎える前に、次に更なる証券として、前記第1証券を発行するか、前記第2証券を発行するかを判定するために必要な情報の入力を促すように警告を出力するように構成される
    請求項24記載のデータ処理システム。
  26. 前記処理部は、前記第2事業として補修するインフラが長期的又は恒久的な施設であるとき、前記第2証券を選択するように構成される
    請求項22記載のデータ処理システム。
  27. 前記処理部は、前記第2事業として補修するインフラが短期的な施設であるとき、前記
    第1証券を選択するように構成される
    請求項22記載のデータ処理システム。
  28. 前記第1事業は、都市間を繋ぐ交通インフラを建設する事業である
    請求項21記載のデータ処理システム。
  29. 前記第1事業は、更に、前記都市間に、更なる新都市を建設する事業を含む
    請求項28記載のデータ処理システム。
  30. 前記証券発行コンピュータは、新規の交通インフラを建設する事業の資金を調達するための前記第1証券を発行する他に、更に、前記都市間に、更なる新都市を建設する新規事業の資金を調達するための更なる前記第1証券を発行するように構成され、
    前記処理部は、前記更なる第1証券の第1利率及び第1配当を決定するように構成される
    請求項28記載のデータ処理システム。
  31. 前記第1証券及び/又は前記第2証券は、TVショッピングの番組で、調達する事業の説明とともにその内容が紹介され、
    当該データ処理システムは、更に、前記TVショッピングの番組を表示するディジタルテレビ受信機から送信された買い注文データを受信すると、買い注文がされた前記第1証券及び/又は前記第2証券を、視聴者である投資家に対して発行するように構成される証券発行部を備え、
    前記プロジェクトコーディネータコンピュータシステムから事業の進捗データを受け取り、前記第1証券及び前記第2証券の発行前及び発行後において、前記TVショッピングの番組で事業の内容を公表する証券公開部を備え
    請求項21記載のデータ処理システム。
  32. 証券発行コンピュータによって、第1証券を発行して、第1事業の資金を調達するとともに、第2証券を発行して、前記第1事業に関連した第2事業の資金を調達するデータ処理方法において、
    前記第1証券は、
    前記第1事業のプロジェクト名及びその内容と、
    前記第1証券を発行する第1発行法人と、
    前記第1証券の保有と引換えに前記第1発行法人に支払われる第1額面価格と、
    前記第1額面価格の償還期限と、
    前記第1発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第1証券の発行に関与した少なくとも1つの第三者により証券保有者に払い戻される金額を定める第1保証率であって、前記第1額面価格に対する割合で定義された第1保証率と、
    証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第1利率であって、前記第1額面価格に対する又は前記第1保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第1利率と、
    前記第1証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第1配当であって、前記第1保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第1配当と
    を含み、
    前記第2証券には償還期限が定められておらず、
    前記第2証券は、
    前記第2事業のプロジェクト名及びその内容と、
    前記第2証券を発行する第2発行法人と、
    前記第2証券の保有と引換えに前記第2発行法人に支払われる第2額面価格と、
    前記第2発行法人が利息支払不能及び/又は債務不履行に陥った場合に、前記第2証券
    の発行に関与した少なくとも1つの第三者により前記証券保有者に払い戻される金額を定める第2保証率であって、前記第2額面価格に対する割合で定義された第2保証率と、
    前記証券保有者へ定期的に支払われる利息を定める第2利率であって、前記第2額面価格に対する又は前記第2保証率で保証された保証部分に対する割合で定義された第2利率と、
    前記第2証券により資金提供が行われた事業が利益を生み始めた後に、前記証券保有者に還元される、前記利益の少なくとも一部である第2配当であって、前記第2保証率で保証された保証部分以外の非保証部分に対して付与される第2配当と
    を含み、
    前記証券発行コンピュータによって、前記第1利率及び前記第1配当を決定し、
    第1投資家コンピュータからの前記第1証券の購入申込をネットワークを介して前記証券発行コンピュータで受け付け、
    前記証券発行コンピュータによって、前記第1証券を購入した投資家に対して前記第1証券を発行し、
    前記第1証券の発行の後に、前記証券発行コンピュータによって、前記第2利率及び前記第2配当を決定し、
    第2投資家コンピュータからの前記第2証券の購入申込をネットワークを介して前記証券発行コンピュータで受け付け、
    前記証券発行コンピュータによって、前記第2証券を購入した投資家に対して前記第2証券を発行し、
    さらに、前記第1事業又は前記第2事業を管理するプロジェクトコーディネータコンピュータシステムから入力された前記第2証券を発行するかどうかを決める複数の判定項目のデータが入力され、予め設定された条件を満たす判定項目が所定数以上であるとき、前記第2証券を発行し、そうでないとき、前記第1証券を発行する
    データ処理方法。
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