JP6525754B2 - 液化天然ガス充填方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液化天然ガス車両の燃料容器に対する液化天然ガス充填方法および装置に関するものである。
いま、これからの化石燃料として液化天然ガス(LNG)が注目されている。これまで主流であった石炭や石油は、残存する埋蔵量の枯渇が心配されている。一方LNGは、シェールガスに代表されるように、利用の実用化が急激に進んでいる。このようなLNGは、これから利用の拡大が期待されているエネルギー源であり、その取り扱い量は今後ますます増えていくと考えられる。
LNGの輸送は、アメリカや中国などの大陸ではパイプラインが主流である。日本のような島国で自国での産出量が少ない国は、他国から海運によって輸送されることが多い。この場合は、LNGをバッチで取り扱うことになり、貯槽や容器に充填する機会が多くなる。
また、LNGを工場プラントのような大掛かりな設備における燃料として利用するだけでなく、LNGを駆動源とした車両の開発も、これから増えていくと考えられる。
日本でも現在、都市部を中心に天然ガス駆動の車両が普及しはじめている。いま使われている車両は、燃料容器に圧縮天然ガス(CNG)が充填されたCNG車両である。しかし、CNG車両は、一回の燃料充填による航続距離が短いという欠点がある。このため、CNG車両の利用は、都市部の近郊に限られているのが実情である。
LNGであればCNGに比べ、単位体積あたりのエネルギー密度が約3倍と高い。したがって、燃料容器にLNGを搭載して駆動用の燃料として用いれば、CNG車両と比較して航続距離が大幅に伸びることになる。このようなLNG車両が実現すれば、都市部の近郊に限らず、長距離輸送など、その利用範囲が大幅に拡大する。
本出願人は、LNGを容器に充填する方法に関する先行技術として、下記の特許文献1を把握している。
本出願人は、液化ガス燃料の充填方法に関する先行技術として、下記の特許文献2を把握している。
本出願人は、上記のようなLNG車両に関する先行技術として、下記の非特許文献1を把握している。
本出願人は、LNG車両用の燃料容器に関する先行技術として、下記の非特許文献2を把握している。
特許文献1は、液化天然ガスの充填方法に関するものである。特許文献1にはつぎの記載がある。
[要約]
[課題]タンクローリーからの液化天然ガスの充填に際して発生するボイルオフガスをタンクローリー内の昇圧に利用してボイルオフガスの処理において発生する制約を緩和する、あるいは、大気中への放散量を減少する。
[解決手段]第1の貯蔵タンク1の上部から排出されるボイルオフガスを第4の配管18の一部から第1のタンクローリー用配管21および第1の液化天然ガス充填配管2の一部を通じてタンクローリーTLの底部側に供給し、第1の貯蔵タンク1内の圧力を減少するとともに、タンクローリーTL内の圧力を増加する。その後、第1の貯蔵タンク1からタンクローリーTLへのボイルオフガスの供給を停止し、ローリー用加圧器29によりタンクローリーTL内の圧力を設定圧力まで昇圧し、第1の液化天然ガス充填配管2を通じてタンクローリーTL内の液化天然ガスを第1の貯蔵タンク1に充填供給する。
特許文献2は、液化ガス燃料の充填方法に関するものである。特許文献2にはつぎの記載がある。
[要約]
[課題]液化ガス燃料が規定流量以上に流出することを防ぐ過流防止弁が作動しているか否かを、運転者が運転中に確認することができる液化ガス燃料の充填システムと、その充填方法を提供する。
[解決手段]メインタンク4内のDMEの気相Gaの充填先圧力Paと、サブタンク5(貯槽31)内のDMEの気相Gb(Gs)の充填元圧力Pb(Ps)との差圧ΔPが、予め定めた差圧判定値Pn以上の場合に、過流防止弁17が流通路12を遮断したと判断し、過流防止弁17が流通路12を遮断し、警告灯42(57)を点灯させるCU41(56)を備える。
非特許文献1は、液化天然ガス自動車(LNG自動車)の技術動向と最新事例に関するものである。非特許文献1には、下記の事項が記載されている。目次を掲載する。
第2項 液化天然ガス自動車(LNG自動車)の技術動向と最新事例
はじめに
1.液化天然ガス自動車(LNG自動車)の技術動向
2.液化天然ガス自動車(LNG自動車)の最新事例
2.1 LNG供給装置の課題
2.1.1 燃料供給装置
2.1.2 LNG濃縮(ウェザリング)対策
2.1.3 ガス漏洩検知対策
2.2 新たなLNG燃料供給装置の検討
2.1.1 外部加圧方式
2.3 大型LNGトラック技術開発
2.3.1 開発目標
2.3.2 開発した大型LNGトラックの実走行試験
2.3.3 チャレンジ公道走行試験の実施
2.4 大型LNGトラックの改善に向けた今後の課題
非特許文献2は、液化天然ガスの車両用燃料タンクに関するものである。非特許文献2には、燃料タンクの内部にアレッジタンク(Ullage Tank)と呼ばれる小さなタンクを備え付けることが記載されている。
上記アレッジタンクは、隔壁によって充填室から隔てられた空間で、タンク全体の10%程度の容積である。上記隔壁には小さな穴が開いている。充填室に充填しすぎたり、内圧が上昇しはじめたりすると、少しずつアレッジタンク内にLNGが侵入する。これにより、タンク全体として内圧の急激な上昇を防止する。また、上記アレッジタンクを外気からの入熱ポイントとすることにより、充填室内の液化ガスの気化を抑制し、ボイルオフガス(BOG)の発生を最小に食いとめる。
特開2007−132490号公報 特開2014−58997号公報
後藤雄一;次世代自動車技術とシェール革命、株式会社情報機構、p.70〜79、(2014) LNG Vehicle Fuel Tank System OPERATIONS MANUAL;NexGen FUELING,A Chart Industries Company
LNG容器にLNGを充填するときの充填量の検知方法は、一般につぎの方法が採られている。すなわち、容器自体の空重量を測っておき、LNGが充填されるにしたがって変化する容器全体の重量を測り、重量の増加分をLNGの充填量とする方法である。
しかし、LNG車両に燃料タンクとして搭載されたLNG容器の場合、充填のたびにLNG容器を車両から降ろして重量を測るわけにはいかない。この場合、車両を含めた重量を測定することも考えられる。ところが、数10kg〜数100kg程度の充填量を測定するのに、何トンもある車両ごと重量を測定するのは現実的でない。なぜなら、測定器自体の測定誤差がLNGの充填量の測定誤差の許容範囲を超える場合もあるし、測定器のコストも不釣合いに高くなるからである。
また、供給側のLNG重量減少量を測定し、これをもってLNG容器への充填量とする方法も考えられる。ところが、充填の経路上でLNGの一部が気化するため、供給側における重量の減少量と、車両側の充填量は一致しない。
このように、LNG車両に燃料タンクとして搭載されたLNG容器において、正確なLNGの充填量を簡便なシステムによって車両側で検知する方法が確立されていない。
また、特に貨物輸送や旅客輸送のような業務ユースを想定した場合、ほとんどすべてのケースで燃料は満タンまで補給される。したがって、LNG車両にLNGを充填する場合も、LNGが満タン状態になった充填の終点を検知できれば足りる。
ところが、現在のところ、LNG車両にLNGを充填する場合に、重量測定以外の方法でLNGの充填量やLNGが満タン状態になった充填の終点を検知する方法は提案されていないのが実情である。
上記特許文献1は、タンクローリーから貯蔵タンクヘの充填システムを開示するものである。しかしながら、上記特許文献1は、あくまで充填方法の提案であって、充填の終点を検知する方法については開示されていない。
上記特許文献2は、液化ガス燃料(ジメチルエーテル)を充填スタンドから車両のタンクに充填する方法が開示されている。しかしながら、上記特許文献2も、あくまで充填方法の提案であって、充填の終点を検知する方法については開示されていない。
上記非特許文献1は、LNG自動車の技術動向と最新事例を開示するものである。しかしながら、上記非特許文献1も、LNGを充填するときの終点を検知する方法は開示していない。
上記非特許文献2は、液化天然ガスの車両用燃料タンクに関するものである。上記非特許文献2には、燃料タンクの内部にアレッジタンクを設け、内圧の急激な上昇を防止し、ボイルオフガス(BOG)の発生を抑えることが開示されている。しかしながら、上記非特許文献2も、LNGを充填するときの終点を検知する方法は開示していない。
〔目的〕
本発明は、上記の課題を解決するためつぎの目的をもってなされたものである。
液化天然ガス車両の燃料タンクに対して液化天然ガスを充填するときに、充填の終点を正確かつ容易に検知できる液化天然ガス充填方法および装置を提供する。
請求項1記載の液化天然ガス充填方法は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
車両に搭載されて上記車両用の燃料として液化天然ガスを貯留するタンクに対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する供給ステップと、
上記供給ステップの開始により、初期状態より上昇する上記タンクの内圧が変化する所定のタイミングで上記供給ステップにおける液化天然ガスの供給を停止する停止ステップとを備え、
上記タンクが、上記供給ステップによって上記液化天然ガスが充填される充填室と、連通路つきの隔壁で上記充填室と仕切られた予備室とを備えたものであり、
上記所定のタイミングが、0.3〜0.4MPa程度で推移していた上記充填室内の圧力が、さらに上昇したのち平衡に達した時点である。
請求項2記載の液化天然ガス充填方法は、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記初期状態は、上記タンク内が内圧0.6MPa以下の低圧状態かつ温度−120℃以下の低温状態である。
請求項3記載の液化天然ガス充填方法は、請求項2記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記供給ステップを開始する前に、上記タンク内のガスを抜くことにより上記タンク内を上記低圧状態とする。
請求項4記載の液化天然ガス充填方法は、請求項2または3記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記供給ステップを開始する前に、上記タンク内に液化天然ガスを導入することにより上記タンク内を上記低温状態とする。
請求項5記載の液化天然ガス充填装置は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
車両に搭載されて上記車両用の燃料として液化天然ガスを貯留するタンクに対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する供給手段と、
上記供給手段によって液化天然ガスの供給を開始することにより、初期状態より上昇する上記タンクの内圧が、その後変化する所定のタイミングで上記供給手段による液化天然ガスの供給を停止する停止手段とを備え、
上記タンクが、上記供給ステップによって上記液化天然ガスが充填される充填室と、連通路つきの隔壁で上記充填室と仕切られた予備室とを備えたものであり、
上記停止手段は、上記所定のタイミングを、0.3〜0.4MPa程度で推移していた上記充填室内の圧力が、さらに上昇したのち平衡に達した時点とする。
請求項1および5記載の発明は、車両に搭載されて上記車両用の燃料として液化天然ガスを貯留するタンクに対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する。この供給の初期から中期にわたっては、液化天然ガスがタンク内に安定したペースで流れ込み、タンク内の液量が増え続ける。このときは、初期状態より上記タンクの内圧がやや上昇している。タンク内が液化天然ガスで満たされると、それ以上液化天然ガスはタンク内に流れ込まなくなる。一方、液化天然ガスの供給源の液化天然ガスはタンク内に移動しようとするため、タンクの内圧が変化する。この所定のタイミングで上記停止手段は、上記供給手段による供給ステップにおける液化天然ガスの供給を停止する。上記タンク内は液化天然ガスで満たされている。このようにして、液化天然ガス車両の燃料タンクに対して液化天然ガスを充填するときに、充填の終点を正確かつ容易に検知できる。

また、請求項1および5記載の発明は、上記タンクの具体的構造を特定するものである。すなわち、上記タンクが、上記供給ステップによって上記液化天然ガスが充填される充填室と、連通路つきの隔壁で上記充填室と仕切られた予備室とを備えたものである。
液化天然ガスのような燃料系の液化ガスの貯蔵では、タンクに完全にフル容量を充填してしまうと、危険性が高くなる。たとえば、外気温により液化ガスが気化して内圧が上昇し、爆発のおそれが生じてくる。燃料系のガスによる火災に繋がるおそれもある。そこで、フル充填による事故を防止するため、タンクの内部に予備室を設けたのである。
さらに、請求項1および5記載の発明は、上記所定のタイミングが、0.3〜0.4MPa程度で推移していた上記充填室内の圧力が、さらに上昇したのち平衡に達した時点である。
このようにすることにより、充填量を90%に近い値とするまで充填することができる。
請求項2記載の発明は、上記初期状態を特定したものである。すなわち、上記初期状態は、上記タンク内が内圧0.6MPa以下の低圧状態かつ温度−120℃以下の低温状態である。上記タンク内が上記の低圧状態かつ低温状態であれば、上記タンクは液化天然ガスの供給を受け入れる状態にある。つまり、上記タンクの内圧が高いと、そこから液化天然ガスを供給してもすぐにタンクの内圧が急上昇してしまい、タンクに十分な量の液化天然ガスを充填できない。また、上記タンク内の温度が高くても、そこから液化天然ガスを供給してもすぐにタンクの内圧が急上昇してしまい、タンクに十分な量の液化天然ガスを充填できない。したがって、上記タンクの初期状態が上記の低圧状態かつ低温状態であれば、そこからタンクに液化天然ガスの供給を介しても、十分な量の液化天然ガスを充填することができるのである。
請求項3記載の発明は、上記供給ステップを開始する前に、上記タンクを初期状態にするステップを特定するものである。すなわち、上記供給ステップを開始する前に、上記タンク内のガスを抜くことにより上記タンク内を上記低圧状態とする。これにより、上記タンクを確実に初期状態としてから上記供給ステップを開始する。そこからタンクに液化天然ガスの供給を介しても、十分な量の液化天然ガスを充填することができるのである。
請求項4記載の発明は、上記供給ステップを開始する前に、上記タンクを初期状態にするステップを特定するものである。すなわち、上記供給ステップを開始する前に、上記タンク内に液化天然ガスを導入することにより上記タンク内を上記低温状態とする。これにより、上記タンクを確実に初期状態としてから上記供給ステップを開始する。そこからタンクに液化天然ガスの供給を介しても、十分な量の液化天然ガスを充填することができるのである。
本発明では、上記予備室の容量をタンク全体の容量の10体積%±5体積%に設定するのが好ましい。つまり、液化天然ガスのユーザーにとっては、タンクへはできるだけ多くの液化天然ガスを充填したい。予備室の容量をタンク全体の容量の10体積%±5体積%に設定すれば、タンクの容量から予備室の容量(タンク全体の10体積%±5体積%)を除いた充填室の容量(タンク全体の90体積%−5体積%)を上限として、できる限り多くの液化天然ガスを充填したところで、上記供給ステップが停止する。これにより、安全性を確保した範囲で、上限一杯の液化天然ガスを充填できるのである。
本発明の第1実施形態の液化天然ガス充填装置を説明する図である。 実施例の試験装置を説明する図である。 実施例(ケース1)の測定結果を示す図である。 実施例(ケース2)の測定結果を示す図である。
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
〔液化天然ガス充填装置〕
図1は、本発明が適用された液化天然ガス充填装置を示す第1実施形態である。
この液化天然ガス充填装置は、車両3に搭載された車載タンク4に液化天然ガスを供給する供給手段1と、上記供給手段1による液化天然ガスの供給を停止する停止手段2とを備えている。
上記車両3は、天然ガスを燃料とするエンジンユニット5が搭載された自動車である。上記燃料の天然ガスは、上記車載タンク4に充填された液化天然ガスを蒸発器6で気化したものを用いる。
上記車載タンク4は、内槽4Aと外槽4Bの間に真空断熱層4Cが形成された二重断熱構造の低温液化ガス容器である。上記内槽4Aの内部に充填室4Dと予備室4Eが設けられている。上記充填室4Dは、上記供給手段1による供給ステップによって、上記液化天然ガスが充填される空間である。上記予備室4Eは、隔壁4Gによって上記充填室4Dと仕切られた空間である。上記隔壁4Gには連通路4Fが設けられ、上記充填室4Dと予備室4Eとを連通させている。上記隔壁4Gは、充填室4D側に膨らんだ凸面状を呈している。上記連通路4Fは、上記凸面状の頂部よりも下側に配置されている。
上記車載タンク4には、上記供給手段1から上記充填室4Dに液化天然ガスを供給するための供給路7の下流端部が接続されている。また、上記車載タンク4には、上記充填室4Dの内部に溜まったガスを排出するガス排出路8が設けられている。上記ガス排出路8に設けられた排出バルブ8Aを開くことにより、上記充填室4Dの内部に溜まったガスを排出し、充填室4Dの内圧を下げることができる。
上記供給手段1は、車両3に搭載されて上記車両3用の燃料として液化天然ガスを貯留する車載タンク4に対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する。
上記供給手段1は、上記車載タンク4に供給する液化天然ガスが貯留された第1貯留タンク11と、上記第1貯留タンク11内を加圧するための加圧ユニット12とを備えて構成されている。
上記第1貯留タンク11は、内槽11Aと外槽11Bの間に真空断熱層11Cが形成された二重断熱構造の低温液化ガス容器である。上記内槽11Aの内部空間が、液化天然ガスを貯留する充填室11Dを構成している。上記第1貯留タンク11には、上記供給路7の上流端部が接続されている。上記供給路7は、上記充填室11Dに貯留された液化天然ガスを取り出して上記車載タンク4に供給する。
上記加圧ユニット12は、上記第1貯留タンク11の充填室11D内に天然ガスを送り込んで加圧する。上記加圧ユニット12による加圧により、上記第1貯留タンク11の充填室11D内の液化天然ガスが上記供給路7から取り出される。
上記加圧ユニット12は、液化天然ガスを貯留する第2貯留タンク13と、上記第2貯留タンク13から取り出された液化天然ガスを気化させる蒸発器14とを備えて構成されている。
上記第2貯留タンク13は、内槽13Aと外槽13Bの間に真空断熱層13Cが形成された二重断熱構造の低温液化ガス容器である。上記内槽13Aの内部空間が、液化天然ガスを貯留する充填室13Dを構成している。上記第2貯留タンク13には、上記充填室13Dに貯留された液化天然ガスを取り出して上記蒸発器14に導入する取出路17の上流端部が接続されている。
上記第2貯留タンク13には、上記充填室13Dの内部を加圧するための加圧路15が設けられている。上記加圧路15は、上記充填室13Dの底部に接続されて液化天然ガスを取り出す。上記加圧路15から取り出した液化天然ガスは、蒸発器15Bによって気化させる。さらに、上記加圧路15は、上記充填室13Dの上部に接続され、気化された天然ガスを気相に送り込む。上記加圧路15には圧力調整弁15Aが設けられ、上記充填室13Dの上部に形成される気相を加圧する。この加圧により、上記充填室13Dに貯留された液化天然ガスが取出路17から取り出される。
上記蒸発器14は、第2貯留タンク13から取り出されて導入された液化天然ガスを気化させて天然ガスにする。上記蒸発器14には、気化した天然ガスを取り出して、上記第1貯留タンク11に送るガス移送路16の上流端部が接続されている。上記ガス移送路16の下流端部は、上記第1貯留タンク11の充填室11Dの上部の気相部分に接続されている。上記ガス移送路16には、圧力計16Aと圧力調整弁16Bが設けられている。上記ガス移送路16により、第1貯留タンク11の充填室11Dの気相部分に天然ガスが送り込まれ、充填室11D内が加圧される。この加圧により、上記充填室11Dに貯留された液化天然ガスが供給路7から取り出される。
上記蒸発器14は、液化天然ガスを加温して気化するものであり、空気加温式のものをはじめ、水・温水・スチーム・電気などを熱源としたものを用いることができる。
上記停止手段2は、上述した供給路7に設けられている。上記停止手段2は、車載タンク4の充填室4D内の内圧を検知する圧力検知器2Aと、上記圧力検知器2Aで検知された圧力が急上昇したタイミングで、上記供給手段1による液化天然ガスの供給を停止する停止バルブ2Bとを含んで構成されている。
上記停止手段2は、上記供給手段1によって液化天然ガスの供給を開始することにより、初期状態より上昇する上記車載タンク4の内圧が、その後急上昇したタイミングで上記供給手段1による液化天然ガスの供給を停止する。
〔液化天然ガス充填方法〕
本発明の第1実施形態の液化天然ガス充填方法は、たとえば上述した装置により実現することができる。つまり、本実施形態の液化天然ガス充填方法は、たとえば上記供給手段1で実現できる供給ステップと、たとえば上記停止手段2で実現できる停止ステップとを備えている。
上記供給ステップは、車両3に搭載されて上記車両3用の燃料として液化天然ガスを貯留する車載タンク4に対し、液化天然ガスの供給源である第1貯留タンク11から上記液化天然ガスを供給する。
つまり、上記供給ステップは、第1貯留タンク11の充填室11Dに貯留された液化天然ガスを、供給路7を通じて車載タンク4の充填室4Dに供給する。このとき、第1貯留タンク11の充填室11Dの内圧を加圧ユニット12によって加圧する。
上記加圧ユニット12は、第2貯留タンク13の充填室13Dに貯留された液化天然ガスを蒸発器14で気化し、ガス移送路16を通じて第1貯留タンク11の充填室11D内に送り込む。このとき、上記蒸発器14で気化された天然ガスは、圧力調整弁16Bによって所定の圧力に調整されている。これにより、第1貯留タンク11の充填室11Dの内圧が加圧され、第1貯留タンク11の充填室11Dに貯留された液化天然ガスが供給路7から取り出されて車載タンク4の充填室4Dに供給される。
上記第2貯留タンク13の充填室13Dに貯留された液化天然ガスの一部は、加圧路15を通るときに気化され、充填室11Dの気相に送り込まれる。このとき、上記加圧路15で気化された天然ガスは、圧力調整弁15Aによって所定の圧力に調整されている。これにより、第2貯留タンク13の充填室13Dの内圧が加圧され、第2貯留タンク13の充填室13Dに貯留された液化天然ガスが取出路17から取り出されて蒸発器14に送られる。
上記停止ステップは、上記供給ステップの開始により、初期状態より上昇する上記車載タンク4の内圧が、その後急上昇したタイミングで上記供給ステップにおける液化天然ガスの供給を停止する。
つまり、上記供給ステップを開始すると、上記車載タンク4の充填室4D内に液化天然ガスが流れ込む。これにより、上記車載タンク4の内圧は、初期状態よりも少し上昇する。上記車載タンク4の充填室4D内に液化天然ガスが流れ込み続けているあいだ、上記車載タンク4の内圧は初期状態より少し上昇したレベルで、ほぼ安定して推移する。充填室4D内が液化天然ガスで満たされると、それ以上充填室4D内に液化天然ガスは流れ込まなくなる。一方で、供給手段1によって供給路7の液化天然ガスは加圧され続ける。このため、充填室4Dの内圧は急激に上昇する。このときの充填室4Dの内圧の急上昇を圧力検知器2Aで検知し、停止バルブ2Bを閉じることにより、供給手段1による液化天然ガスの供給を停止する。
上記初期状態は、上記車載タンク4の充填室4Dの内圧が0.6MPa以下の低圧状態、かつ上記車載タンク4の充填室4D内の温度が−120℃以下の低温状態であるのが好ましい。
このように車載タンク4の充填室4Dの状態を初期状態にする操作は、充填室4D内に低温の液化天然ガスが残っていれば省略することも可能である。しかしながら、たとえば車載タンク4の液化天然ガスがほとんどカラになったまま数日以上放置された車両3では、外部から熱が侵入することにより車載タンク4内の液化天然ガスが気化し、車載タンク4内は高圧かつ高温な状態になる。このまま液化天然ガスの供給を開始しても十分な量の液化天然ガスを充填できないため、車載タンク4の充填室4Dを初期状態にする操作が必要となる。
つまり、上記充填室4Dが上記圧力を超える圧力であると、そこから液化天然ガスの供給を開始しても十分な量の液化天然ガスを充填できない。また、上記充填室4Dが上記温度を超える温度であっても同様に、そこから液化天然ガスの供給を開始しても十分な量の液化天然ガスを充填できない。したがって、上記初期状態を上述した低圧状態かつ低温状態にすることにより、そこから液化天然ガスの供給を開始したときに十分な量の液化天然ガスを充填できるのである。
上記供給ステップを開始する前に、上記車載タンク4内のガスを抜くことにより上記車載タンク4内を上記低圧状態とするのが好ましい。上記低圧状態とする操作は、排出バルブ8Aを開けてガス排出路8から車載タンク4の充填室4D内のガスを抜くことにより充填室4Dの内圧を下げることができる。このガス抜き操作により、充填室4Dの内圧が低下する。
上記供給ステップを開始する前に、上記車載タンク4内に液化天然ガスを導入することにより上記車載タンク4内を上記低温状態とするのが好ましい。上記低温状態とする操作は、供給手段1から車載タンク4の充填室4D内に液化天然ガスを導入し、低温液化ガスで充填室4D内を冷却することにより行うことができる。この冷却操作により、充填室4D内に充満していたガスが冷却されて液化し、充填室4Dの内圧も下がる。
上述した充填室4D内のガスを抜く操作と、充填室4D内に液化天然ガスを導入して冷却する操作は、情況に応じていずれか一方を実施してもよい。たとえば、充填室4D内が−120℃以下の低温状態で内圧が0.6MPaを超える場合は、充填室4D内のガスを抜く操作を行えば足りる。また、充填室4Dの内圧が0.6MPa以下の低圧状態で温度が−120℃を超える場合は、充填室4D内に液化天然ガスを導入して冷却する操作を行えば足りる。これらの場合でも、ガスを抜く操作と冷却する操作の両方を同時に行うこともできるし、これらを連続的に続けて行うこともできる。
〔実施形態の効果〕
本実施形態は、つぎの効果を奏する。
本実施形態は、車両3に搭載されて上記車両3用の燃料として液化天然ガスを貯留する車載タンク4に対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する。この供給の初期から中期にわたっては、液化天然ガスが車載タンク4内に安定したペースで流れ込み、車載タンク4内の液量が増え続ける。このときは、初期状態より上記車載タンク4の内圧がやや上昇している。車載タンク4内が液化天然ガスで満たされると、それ以上液化天然ガスは車載タンク4内に流れ込まなくなる。一方、液化天然ガスの供給源の液化天然ガスは車載タンク4内に移動しようとするため、車載タンク4の内圧が急激に上昇する。このタイミングで上記停止手段2は、上記供給手段1による供給ステップにおける液化天然ガスの供給を停止する。上記車載タンク4内は液化天然ガスで満たされている。このようにして、液化天然ガス車両3の車載タンク4に対して液化天然ガスを充填するときに、充填の終点を正確かつ容易に検知できる。
本実施形態は、上記初期状態を特定したものである。すなわち、上記初期状態は、上記車載タンク4内の内圧が0.6MPa以下の低圧状態、かつ上記車載タンク4内の温度が−120℃以下の低温状態である。上記車載タンク4内が上記の低圧状態かつ低温状態であれば、上記車載タンク4は液化天然ガスの供給を受け入れる状態にある。つまり、上記車載タンク4の内圧が高いと、そこから液化天然ガスを供給してもすぐに車載タンク4の内圧が急上昇してしまい、車載タンク4に十分な量の液化天然ガスを充填できない。また、上記車載タンク4内の温度が高くても、そこから液化天然ガスを供給してもすぐに車載タンク4の内圧が急上昇してしまい、車載タンク4に十分な量の液化天然ガスを充填できない。したがって、上記車載タンク4の初期状態が上記の低圧状態かつ低温状態であれば、そこから車載タンク4に液化天然ガスの供給を介しても、十分な量の液化天然ガスを充填することができるのである。
本実施形態は、上記供給ステップを開始する前に、上記車載タンク4を初期状態にするステップを特定するものである。すなわち、上記車載タンク4が上記低温状態である場合、上記供給ステップを開始する前に、上記車載タンク4内のガスを抜くことにより上記車載タンク4内を上記低圧状態とする。これにより、上記車載タンク4を確実に初期状態としてから上記供給ステップを開始する。そこから車載タンク4に液化天然ガスの供給を介しても、十分な量の液化天然ガスを充填することができるのである。
本実施形態は、上記供給ステップを開始する前に、上記車載タンク4を初期状態にするステップを特定するものである。すなわち、上記車載タンク4が上記低圧状態である場合、上記供給ステップを開始する前に、上記車載タンク4内に液化天然ガスを導入することにより上記車載タンク4内を上記低温状態とする。これにより、上記車載タンク4を確実に初期状態としてから上記供給ステップを開始する。そこから車載タンク4に液化天然ガスの供給を介しても、十分な量の液化天然ガスを充填することができるのである。
本実施形態は、上記車載タンク4の具体的構造を特定するものである。すなわち、上記車載タンク4が、上記供給ステップによって上記液化天然ガスが充填される充填室4Dと、連通路4Fつきの隔壁4Gで上記充填室4Dと仕切られた予備室4Eとを備えたものである。
液化天然ガスのような燃料系の液化ガスの貯蔵では、車載タンク4に完全にフル容量を充填してしまうと、危険性が高くなる。たとえば、外気温により液化ガスが気化して内圧が上昇し、爆発のおそれが生じてくる。燃料系のガスによる火災に繋がるおそれもある。そこで、フル充填による事故を防止するため、車載タンク4の内部に予備室4Eを設けたのである。
このとき、上記予備室4Eの容量を車載タンク4全体の容量の10体積%±5体積%に設定するのが好ましい。つまり、液化天然ガスのユーザーにとっては、車載タンク4へはできるだけ多くの液化天然ガスを充填したい。予備室4Eの容量を車載タンク4全体の容量の10体積%±5体積%に設定すれば、車載タンク4の容量から予備室4Eの容量(車載タンク4全体の10体積%±5体積%)を除いた充填室4Dの容量(車載タンク4全体の90体積%−5体積%)を上限として、できる限り多くの液化天然ガスを充填したところで、上記供給ステップが停止する。これにより、安全性を確保した範囲で、上限一杯の液化天然ガスを充填できるのである。
図2は、実施例の試験装置を説明する図である。
この試験装置では、車載タンク4を車両3に搭載せず、第1質量計21に載置し、その質量を計測するようにしている。また、第1貯留タンク11を第2質量計22に載置し、その質量を計測するようにしている。それ以外は図1と同様の構成であり、同様の部分には同じ符号を付して説明を省略している。
この試験装置では、第1貯留タンク11として容量176Lのタンクを用い、車載タンク4として容量131Lのタンクを用いた。本試験では、液化天然ガスを液化窒素で代替し、安全を確保した状態で充填試験を行った。また、本試験では、第1貯留タンク11の質量減少と、車載タンク4の質量増加を計測し、車載タンク4における充填の終点について、質量変化の面から裏づける確認を行った。
〔試験手順〕
1)第1貯留タンク11にLNを規定量(約119kg)充填する。圧力調整弁15Aを開き、充填室13Dの内圧を1.6MPa程度まで昇圧して圧力調整弁15Aを閉じる。
2)試験に使用する第1貯留タンク11の空質量を、第2質量計22で計測する。第1貯留タンク11にLNを規定量(約119kg)充填する。
3)車載タンク4を第1質量計21に搭載する。その状態で、第1貯留タンク11と別の容器(図示せず)からGNおよびLNを充填室4Dに供給しながら排出弁8Aからガスを排出し、充填室4D内の冷却を実施する。このとき、第1質量計21の表示値に変化が生じないことを確認しながら冷却を実施する。つまり充填室4Dに液化天然ガスが溜まってしまわないレベルで冷却を行う。目安として、排出バルブ8Aから排出されるガス温度がおよそ−100℃程度となるまで冷却する。冷却後、充填室4D内の圧力を0.5MPaまで降下させる。
4)第1貯留タンク11から車載タンク4に液化天然ガスの供給を開始する。このときのバルブV1〜V5の開閉状態を下記の表1に示す。なお、V5は停止バルブ2Bである。5)そして、圧力検知器2Aが検知した圧力と、第1質量計21で測定した質量をプロットした。
Figure 0006525754
〔ケース1〕
ケース1では、充填率0体積%の車載タンク4に液化天然ガスの充填を行った。
図3は、圧力検知器2Aで測定した充填室4D内の圧力(下の線)と、第1質量計21で測定した車載タンク4の質量(上の線)をプロットした図である。
表2は、第1質量計21で測定した車載タンク4の質量を充填量に換算し、第2質量計22で測定した第1貯留タンク11の質量を供給量に換算してまとめたものである。
Figure 0006525754
図3からわかるように、充填開始後、0.3〜0.4MPa程度で推移していた車載タンク4内の圧力が、充填開始後6分程度で一気に0.65MPaまで急激に上昇している。車載タンク4の充填率が0%の状態から充填を開始し、77.4体積%に達した時点で急激な圧力上昇をしている。そのわずかあとに圧力変動が平衡に達している。この時点で、充填率は80.4%となり、これが車載タンク4の充填終点であった。
この結果より、実際に液化天然ガスを車載タンク4に充填するに際しては、つぎのようにして、車載タンク4の充填終点を検知できる。
(1)車載タンク4は空(充填率0%)であって、充填室4Dは十分に予冷を実施しておく。
(2)V4バルブを開け、車載タンク4に液化天然ガスの供給を開始する。
(3)圧力検知器2Aでの圧力変化を見る。ここで圧力が急激に上昇し、その後、平衡に達した時点が充填の終点である。つまりこの時点で満足できる車載タンク4の充填率となる。
〔ケース2〕
ケース2では、充填率を37%とした車載タンク4を準備し、ここから充填を開始する試験を実施した。つまり、車載タンク4に液化天然ガスがいくらか残っている状態から充填を開始するケースである。
図4は、圧力検知器2Aで測定した充填室4D内の圧力(下側で始まる線)と、第1質量計21で測定した車載タンク4の質量(上側で始まる線)をプロットした図である。
表3は、第1質量計21で測定した車載タンク4の質量を充填量に換算し、第2質量計22で測定した第1貯留タンク11の質量を供給量に換算してまとめたものである。
Figure 0006525754
図4からわかるように、充填開始後、0.3〜0.4MPa程度で推移していた車載タンク4内の圧力が、充填開始後4分程度で一気に1.2MPa程度まで急激に上昇している。ケース2では、LNG容器は充填割合が37%の状態から充填を開始し、81.8%に達した時点で急激な圧力上昇が見られた。そのわずかあとに圧力変動は平衡に達した。この時点で、充填量は84.3%となり、これが本体容器の充填終点であった。
この結果より、ケース2のような、液化天然ガスが残った状態の車載タンク4への実際のLNG充填に際しては、以下のようにして充填の終点を検知できる。
(1)車載タンク4には、液化天然ガスが残っていて、充填室4Dはすでに予冷された状態である。
(2)V4バルブを開け、車載タンク4に液化天然ガスの供給を開始する。
(3)圧力検知器2Aでの圧力変化を見る。ここで圧力が急激に上昇し、その後、平衡に達した時点が充填の終点である。つまりこの時点で満足できる車載タンク4の充填率となる。
ケース1、ケース2とも、充填室4Dの圧力が急上昇を開始してから、充填終了までの間、充填量の差はいずれも3%程度でほぼ一定であった。
よって圧力検知器2Aで圧力変化を検知すれば、0.3〜0.4MPa程度で推移していた充填室4D内の圧力が急激に上昇し始める時点で充填量が80〜84%に達していた。この第1の時点では充填率が90%を超えているわけではない。これを充填の終点とすることができる。また、平衡に達する第2の時点では、より90%に近い値まで充填することができる。
実施例の試験結果より、以下のことがわかる。
予備室4Eを有する車載タンク4を燃料タンクとして搭載した液化天然ガス車両において、液化天然ガスの充填の終点を検知するために、圧力検知器2Aにおける充填室4Dの圧力変化を測定する。ここで圧力が急激に上昇した時点で供給を停止すれば、車載タンク4の容量の80%以上の充填が可能となる。その後、平衡に達した時点で供給を停止すれば、さらに多く充填できる。
これにより、液化天然ガスを適切な充填量に充填することができる。つまり、車載タンク4の容量の90%以内でできるだけ多く充填することができる。
このように、本発明において「初期状態より上昇する上記タンクの内圧が、その後急上昇したタイミング」とは、つぎの時点とする趣旨である。
0.3〜0.4MPa程度で推移していた充填室4D内の圧力が急激に上昇したのち平衡に達した時点である。
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
1:供給手段
2:停止手段
2A:圧力検知器
2B:停止バルブ
3:車両
4:車載タンク
4A:内槽
4B:外槽
4C:真空断熱層
4D:充填室
4E:予備室
4F:連通路
4G:隔壁
5:エンジンユニット
6:蒸発器
7:供給路
8:ガス排出路
8A:排出バルブ
11:第1貯留タンク
11A:内槽
11B:外槽
11C:真空断熱層
11D:充填室
12:加圧ユニット
13:第2貯留タンク
13A:内槽
13B:外槽
13C:真空断熱層
13D:充填室
14:蒸発器
15:加圧路
15A:圧力調整弁
15B:蒸発器
16:ガス移送路
16A:圧力計
16B:圧力調整弁
17:取出路
21:第1質量計
22:第2質量計

Claims (5)

  1. 車両に搭載されて上記車両用の燃料として液化天然ガスを貯留するタンクに対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する供給ステップと、
    上記供給ステップの開始により、初期状態より上昇する上記タンクの内圧が変化する所定のタイミングで上記供給ステップにおける液化天然ガスの供給を停止する停止ステップとを備え、
    上記タンクが、上記供給ステップによって上記液化天然ガスが充填される充填室と、連通路つきの隔壁で上記充填室と仕切られた予備室とを備えたものであり、
    上記所定のタイミングが、0.3〜0.4MPa程度で推移していた上記充填室内の圧力が、さらに上昇したのち平衡に達した時点である
    ことを特徴とする液化天然ガス充填方法。
  2. 上記初期状態は、上記タンク内が内圧0.6MPa以下の低圧状態かつ温度−120℃以下の低温状態である
    請求項1記載の液化天然ガス充填方法。
  3. 上記供給ステップを開始する前に、上記タンク内のガスを抜くことにより上記タンク内を上記低圧状態とする
    請求項2記載の液化天然ガス充填方法。
  4. 上記供給ステップを開始する前に、上記タンク内に液化天然ガスを導入することにより上記タンク内を上記低温状態とする
    請求項2または3記載の液化天然ガス充填方法。
  5. 車両に搭載されて上記車両用の燃料として液化天然ガスを貯留するタンクに対し、液化天然ガスの供給源から上記液化天然ガスを供給する供給手段と、
    上記供給手段によって液化天然ガスの供給を開始することにより、初期状態より上昇する上記タンクの内圧が、その後変化する所定のタイミングで上記供給手段による液化天然ガスの供給を停止する停止手段とを備え、
    上記タンクが、上記供給ステップによって上記液化天然ガスが充填される充填室と、連通路つきの隔壁で上記充填室と仕切られた予備室とを備えたものであり、
    上記停止手段は、上記所定のタイミングを、0.3〜0.4MPa程度で推移していた上記充填室内の圧力が、さらに上昇したのち平衡に達した時点とする
    ことを特徴とする液化天然ガス充填装置。
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