JP6525527B2 - 読影レポート作成支援装置、読影レポート作成支援方法及びプログラム - Google Patents
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このような読影レポートの作成を支援するための読影レポート作成支援装置が開発されている。特許文献1には、入力済みの情報に基づく装置の推論結果に対して、画像処理の結果と推論結果に及ぼす影響から、入力済みの情報以外の情報を提示する技術が記載されている。これにより、特許文献1に記載の技術は、入力していない情報で重要と考えられる情報を提示することを可能にしている。特許文献2には、入力したレポート文の内容を解析し、解析結果と類似した過去のレポート文の内容との差分情報を提示する技術が記載されている。これにより、特許文献2に記載の技術は、入力したレポート文に不足している可能性が高い情報の確認を可能としている。
本発明は、医師が自らレポート文を修正する負担を軽減させることを目的とする。
<実施形態1>
実施形態1における読影レポート作成支援装置は、医療診断の対象である症例に関する読影レポートや、電子カルテ等に記載された医用情報を取得し、読影レポートの修正案を提示することにより当該症例に関する読影レポートの作成支援を行う。なお、以下では読影レポート作成支援装置を用いて、肺の異常陰影に関する読影レポート及び過去の病歴や腫瘍マーカー値(以下、臨床情報と称する)を取得するものとする。そして、取得した情報を基に読影レポートの修正案を作成し、その修正案を提示する場合を例として説明する。もちろん対象はこれに限定されるものではなく、以下に示す診断名や読影レポートの解析の結果得られる読影所見、臨床情報等は、何れも読影レポート作成支援装置の処理の工程を説明するための一例に過ぎない。
更に、症例情報入力端末200は、ユーザ(医師)が読影可能な形でこれらの情報をモニタに表示し、ユーザが表示内容を基に作成した読影レポートを取得する。本実施形態では、ユーザはモニタに表示された医用画像の読影レポートを、マウスやキーボード、ディクテーションソフトウェア等を用いて作成する。そして、症例情報入力端末200は、ユーザからの要求に従い、肺の異常陰影に関して取得したデータとそれに付随するデータ(代表画像等)とを、LAN等を介して読影レポート作成支援装置100への入力情報として送信する。
共起関係情報は、ある文や文章の中で項目が同時に出現する頻度や確率等を示す情報である。位置関係情報は、項目の出現する順番(前後関係)や、項目間の距離(何項目離れているか)等を示す情報である。以下では共起関係と位置関係とに関する情報をまとめて関係情報と称する。データベース300に格納された関係情報は、LAN等を介して読影レポート作成支援装置100との間で送受信される。即ち、データベース300は、読影レポート作成支援装置100との間でデータを送受信する機能を備えている。
読影レポート解析部102は、症例情報入力端末200から読影レポート作成支援装置100へ入力された肺の異常陰影に関する読影レポートを解析する。解析の具体的な内容については後述する。そして、読影レポート解析部102は、同時に入力された臨床データとそれに付随するデータと解析結果とを、修正情報候補作成部104、推論部106、影響度算出部108、選択部110、修正案作成部112へと出力する。
修正情報候補作成部104は、読影レポート解析部102から出力された情報に基づいて、読影レポートの修正に用いる修正情報の候補(以下、修正情報候補と呼ぶ)を作成する。そして、修正情報候補作成部104は、作成した修正情報候補を推論部106へと出力する。
影響度算出部108は、読影レポート解析部102から出力された情報と、推論部106で算出された夫々の推論結果とに基づいて、夫々の修正情報候補の影響度を算出して取得する。影響度算出部108は、取得した影響度を選択部110へと出力する。
選択部110は、読影レポート解析部102から出力された情報と、影響度算出部108で取得された夫々の修正情報候補の影響度を用いて情報を選択する。選択部110は、選択した情報を修正案作成部112へと出力する。
提示部114は、修正案作成部112で作成された読影レポート文を提示する。なお、図1に示した読影レポート作成支援装置100の各部の少なくとも一部は独立した装置(ハードウェア)として実現されてもよいし、夫々が機能を実現するソフトウェアとして実現されてもよい。本実施形態では、図1に示した読影レポート作成支援装置100の各部が夫々ソフトウェアにより実現されているものとする。
表示メモリ1004は、表示用データを一時記憶する。モニタ1005は、例えばCRTモニタや液晶モニタ等であり、表示メモリ1004からのデータに基づいて画像やテキスト等の表示を行う。マウス1006及びキーボード1007は、ユーザによるポインティング入力及び文字等の入力を夫々行う。上記各構成要素は、共通バス1008により互いに通信可能に接続されている。
以下の説明では、診断対象である症例に関係する読影所見及び臨床情報名(即ち項目)をIj(j=1〜n)で表し、n種類の項目I1〜Inを取り扱うものとする。なお、Ijはデータベース300に関係情報として保存された項目と一致する。
また、Ijが取り得るk個の離散値(以下、状態と称する)をSjkと表記する。kの範囲はIjにより様々な値となる。本実施形態では、例として、図4に示したような項目を扱うものとする。更に、夫々の項目は図4に示したような状態を取り得るものとする。例えば、I1の「形状」は、異常陰影の全体形状を表しており、S11「球形」、S12「分葉状」、S13「不整形」の3つの状態を取る。即ち、I1がS11を取る場合には、異常陰影の全体形状が球形であることを示す。同様に、I2の「切れ込み」は、異常陰影における切れ込みの程度を表している。また、Ilの「巻(気管支)」は、異常陰影における気管支の巻き込みの有無を表している。また、Imの「CEA」は、腫瘍マーカーであるCEAの値が基準値の範囲に収まっているかどうかを表している。更に、Inの「既往」は、過去に疾患の既往があったかどうかを表している。
また、以下の説明では、診断名を記号Dを用いて表記する。本実施形態では、診断名として、原発性肺癌、癌の肺転移、その他の3値を取るものとし、夫々D1、D2、D3と表記する。また、推論部106への入力として集合Eが与えられた場合の診断名Dd(d=1,2,3)の推論確率を、P(Dd|E)と表記する。また、診断名Ddに対するEの影響度をI(Dd|E)と表記する。
更に以下では、Euの部分集合のうち条件を満たすものをEup(p=1,2,・・・)と表記する。また、Evのうち条件を満たすものをEvq(q=1,2,・・・)と表記する。このEup、Evqは修正情報候補に相当する。なお、上記の条件は実施形態により異なる。本実施形態での条件は後述する。
図5は、読影レポートの一文に対して読影レポート解析部102が解析を行った結果の一例を示す図である。例えば、「球形の形状で、鋸歯状辺縁はありません。」という一文を解析する場合を考える。
まず、読影レポート解析部102は、言語で意味を持つ最小単位である形態素に分割する形態素解析を行う。一般に形態素解析では、品詞の種類や活用形等が得られる。本実施形態では名詞又は名詞の連続を項目の候補とする。そして、読影レポート解析部102は、その候補に対し、類義語やオントロジーによる語句の拡張を考慮してマッチングを行い、最終的な項目を決定する。もし、マッチングが得られなかった場合は、その候補は項目ではないものとして扱う。前述の例だと、「球形」「形状」「鋸歯状辺縁」(鋸歯状+辺縁)が候補となり、I1「形状」とI3「鋸歯状辺縁」が項目として得られる。
加えて、本実施形態では、読影レポート解析部102は、電子カルテに記載の臨床情報を基に既取得情報を取得する。例えば、項目Imに対応する腫瘍マーカー「CEA」の値が8.3ng/mlと記載されていた場合は、読影レポート解析部102は、基準値(≦5.0ng/ml)と照合して、Im「CEA」:Sm2「異常値」を取得する。そして、読影レポート解析部102は、項目ImをNuに、項目と状態の組Im:Sm2をEuに夫々追加する。同様の処理を全ての臨床情報にも適用すると、最終的に、例えば、Nu={Im,・・・}、Eu={Im:Sm2,・・・}が既取得情報として得られる。
ステップS3020において、推論部106は、ステップS3000で取得された情報に基づいて診断対象である肺の異常陰影に関する推論を実行し、当該異常陰影が夫々の診断名である確率を算出する。このとき推論を行う方法(推論手法)としては、ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン等、既存の様々な手法が利用できる。本実施形態では、推論部106が実行する推論手法としてベイジアンネットワークを用いる。ベイジアンネットワークは条件付確率を用いた推論モデルであり、情報が入力された場合の各診断名の推論確率(その事例が夫々の診断名である確率であり、事後確率ともいう)の取得が可能である。本実施形態では異常陰影の診断名D1、D2、D3の夫々の推論確率が取得される。なお、本実施形態において、推論部106は、ErとEuとの両方を用いて推論を実行する。即ち、推論部106は、P(Dd|Er∪Eu)を算出する。
ステップS3040において、影響度算出部108は、ステップS3000で取得された情報と、ステップS3020で算出された推論結果と、ステップS3030で算出された夫々の推論結果とに基づいて、夫々の修正情報候補の影響度を算出する。本実施形態において、影響度算出部108は、影響度I(Dd|Evq)を以下の式(1)により定義する。
ステップS3060において、修正案作成部112は、ステップS3050で選択された修正情報候補を基に、関係情報を取得する。本実施形態では関係情報として、一文で出現する項目の共起回数を計数した共起頻度を利用するものとする。より具体的には、ステップS3000で示したような解析方法を既存の読影レポートに適用し、その結果として項目の共起頻度がデータベース300に格納されているものとする。例えば、図7に示すような共起頻度が格納されている場合を考える。選択した修正情報候補がI2「切れ込み」であった場合、データベース300から「I1:20、I3:15、・・・」といった共起頻度(関係情報)が取得される。
ステップS3070において、修正案作成部112は、ステップS3000で解析された情報と、ステップS3060で取得した関係情報とを基に、読影レポートの修正案を作成する。本実施形態では、修正案作成部112は、ステップS3000で取得された項目順序と、ステップS3060で取得した共起頻度とから、対象となる修正情報候補の挿入位置を決定し、元の読影レポートに修正情報候補を挿入した読影レポートの修正案を作成する。
ステップS3080において、提示部114は、ステップS3070で作成された読影レポート文の修正案を提示する。
本実施形態によれば、読影レポート作成支援装置100は、読影レポートに記載されていない情報を、推論結果に及ぼす影響やレポート文での位置を考慮して挿入した修正案を提示することができる。そうすることで、医師は、読影レポートに記載していなかった有用な情報を組み入れたレポート文の修正案を手間無く得ることができる。これにより、医師の読影レポート修正に関する負担を軽減させることができる。
本実施形態に関わる読影レポート作成支援装置100は、ユーザが選択した情報に伴い修正した読影レポートの提示を行う。なお、本施形態における読影レポート作成支援装置100の機能構成は実施形態1における図1と同様である。また、読影レポート作成支援装置100のハードウェア構成は実施形態1における図2と同様である。即ち、CPU1001が主メモリ1002、磁気ディスク1003に格納されているプログラムを実行することにより、本実施形態の読影レポート作成支援装置100の機能(ソフトウェア)及びフローチャートにおける処理が実現される。また、読影レポート作成支援装置100が行う全体の処理を説明するフローチャートは図3と同様である。但し、処理の一部が実施形態1とは異なっている。以下、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における読影レポート作成支援装置100が行う全体の処理について、実施形態1との相違部分についてのみ説明する。
ステップS3010において、修正情報候補作成部104は、ステップS3000で取得された情報に基づいて修正情報候補を作成する。本実施形態では、修正情報候補作成部104が、実施形態1で説明した未取得情報を基にした修正情報候補(Evq)に加え、電子カルテに記載の臨床情報(即ち既取得情報)を基に修正情報候補(Eup)を作成するものとする。このように、修正情報候補作成部104は、未取得情報を基に修正情報候補を作成してもよいし、既取得情報を基に修正情報候補を作成してもよい。なお、本実施形態では、Euの部分集合のうち、要素が1の集合をEupとするものとする。この場合、Euに含まれる要素がw個であれば、修正情報候補Eupはw個となる。例えば、Eu={S93,Sm2,・・・}であれば、Eu1={S93}、Eu2={Sm2}、・・・、等が修正情報候補として作成される。
ステップS3020の処理は、実施形態1における処理と同様である。
ステップS3030において、推論部106は、ステップS3000で取得された情報と、ステップS3010で取得された修正情報候補とに基づいて、夫々の診断名の推論確率を算出する。本実施形態では、推論部106が、実施形態1で説明した夫々のEvqについてP(Dd|Er∪Eu∪Evq)を算出するのに加え、Eupの夫々を考慮した推論確率の算出を行う。本実施形態では、推論部106が、夫々のEupに関し、ErとEuの和集合からEupを除いた状態で推論確率を算出する。即ち、推論部106は、夫々のEupについてP(Dd|(Er∪Eu)−Eup)を算出する。
なお、本実施形態では、選択部110は、読影レポート解析結果により診断名Ddが得られた場合は、その診断名Ddに関する影響度を基に情報を提示するものとする。更に、選択部110は、影響度の大きい順からGUI上で上に来るように修正情報候補を提示するものとする。もちろん、この方法に限定されず、選択部110は、例えば項目に与えられたID(例えば、Ijのj)の順に提示してもよい。なお、選択部110は、診断名が得られなかった場合は、実施形態1と同様に、推論確率P(Dr|Er∪Eu)が最も高いDrに関する影響度を基に情報を提示するものとする。また、本実施形態では、選択部110は、影響度が閾値を超えた情報をユーザに提示するものとする。なお、EupとEvqで影響度の計算方法が異なるため、夫々に異なる閾値を用意するものとする。このとき、選択部110は、EupとEvq(即ち、既取取得情報と未取得情報)を区別して提示するようにしてもよい。本実施形態では、選択部110は、EupとEvqを区別せずに表示するものとする。
ステップS3060乃至ステップS3080の処理は、実施形態1における処理と同様である。
本実施形態によれば、読影レポート作成支援装置100は、ユーザが自ら選んだ読影レポートに記載されていない情報を、推論結果に及ぼす影響やレポート文での位置を考慮して挿入した修正案を提示することができる。これにより、医師は、レポートに記載していなかった有用な情報のうち、自分が必要だと思った情報を組み入れたレポート文の修正案を手間無く得ることができる。これにより、より効率的に医師の読影レポート修正に関する負担を軽減させることができる。
本実施形態に関わる読影レポート作成支援装置100は、診断名に及ぼす影響だけではなく、過去の読影レポートの記述内容も加味した修正情報候補の選択を行う。なお、本実施形態における読影レポート作成支援装置100の機能構成は実施形態1における図1と同様である。また、読影レポート作成支援装置100のハードウェア構成は実施形態1における図2と同様である。即ち、CPU1001が主メモリ1002、磁気ディスク1003に格納されているプログラムを実行することにより、本実施形態の読影レポート作成支援装置100の機能(ソフトウェア)及びフローチャートにおける処理が実現される。また、読影レポート作成支援装置100が行う全体の処理を説明するフローチャートは図3と同様である。但し、ステップS3040の処理の一部が実施形態1とは異なっている。以下、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における読影レポート作成支援装置100が行う全体の処理について、実施形態1との相違部分についてのみ説明する。
ステップS3040において、影響度算出部108は、ステップS3000で取得された情報と、ステップS3020で算出された推論結果と、ステップS3030で算出された夫々の推論結果とに基づいて、夫々の修正情報候補の影響度を算出する。本実施形態では、影響度算出部108が、過去の読影レポートの解析結果から得られる修正情報候補の読影レポートへの出現確率も加味して影響度を計算する。この出現確率は、例えばデータベース300に保存されたデータから取得することが可能である。本実施形態では、Evqに関する影響度I(Dd|Evq)、Eupに関する影響度I(Dd|Eup)を以下の式(3)、(4)により定義する。但し、Evq、Eupの出現確率を夫々Po(Evq)、Po(Eup)とする。
本実施形態によれば、読影レポート作成支援装置100は、読影レポートに記載されていない情報を、読影レポートへの出現確率も加味して挿入した修正案を提示することができる。そうすることで、医師は、一般的に読影レポートに記載されることの多い情報で、かつ、有用な情報を優先的に組み入れたレポート文の修正案を手間無く得ることができる。これにより、医師の読影レポート修正に関する負担を軽減するとともに、質の高い修正レポートを提供することができる。
上記三つの実施形態では、ステップS3000において、読影レポート解析部102が、電子カルテに記載された臨床データを基に既取得情報を取得していた。しかし、読影レポート解析部102は、その他の手法で既取得情報を取得してもよい。例えば、読影レポート解析部102は、医用画像を画像処理し、画像処理の結果を用いて既取得情報を取得してもよい。
また、簡単のために、読影レポートの解析結果から得られたNrとNuの要素は重複しないとしていたが、重複してもよい。この場合、NrとNuで重複する要素(項目)は、Nuから除外するのが望ましい。更に、NrとNuの同一要素(項目)で、状態が異なる場合は警告を出すようにしてもよい。
上記三つの実施形態では、ステップS3060で取得される関係情報を一文での共起頻度としていた。しかし、必ずしも一文でなくてもよい。例えば、レポート文の文章全体での共起頻度であってもよい。また、単純な共起頻度ではなく、前後関係を考慮した共起頻度であってもよい。更に、語句の近さを考慮した重み付きの共起頻度であってもよい。あるいは、共起頻度ではなく、共起確率等他のパラメータであってもよい。また、指定位置に挿入後(修正後)の文の尤度等であってもよい。
以下では、文章全体を対象とし、語句の近さを考慮した重み付けの共起頻度を作成する例を、図12を用いて説明する。なお、以下では語句Iaの後にIbが位置するような語句の関係を、「Ia−>Ib」と表す。この例では一文の項目順序を基に文全体の項目順序を作成し、項目と項目との距離が2以内にある場合に共起関係にあるものとしている。そして、距離1の場合は重みを2とし、距離2の場合は重みを1とした重み付け共起頻度を生成する。例えば、文書全体での項目順序が「I1−I3−Il−I14−In−I25」の場合、「I1−>Il」の共起頻度に1を加える。当然であるが「Il−>I1」については何もしない。同様に、「I3−>Il」の共起頻度に2を加える。以下同様の処理を繰り返す。このようにして作成された図が図12に示す共起頻度の図である。図12に示したように、例えば、「I2−>In」の共起頻度と、「In−>I2」の共起頻度とは異なってくる。
なお、位置関係を考慮した関係情報の場合、ステップS3070におけるスコア付けも位置関係を考慮したスコア付けとなる。例えば修正情報候補がI2の場合、図12に示したように、I1の前の位置のスコアは「I2−>I1」の共起頻度を用い、8となる。一方、I1とI3の間のスコアは、「I1−>I2」の共起頻度32と「I2−>I3」の共起頻度14とを用い、0.75(32+14)=34.5となる。
上記三つの実施形態では、ステップS3070において、修正案作成部112が、項目順序と共起頻度とから挿入位置に関してスコア付けを行い、スコアの最も高い部分に対象となる修正情報候補を挿入していた。しかし、修正案作成部112は、必ずしもその部分に修正情報候補を挿入しなくてもよい。例えば予め閾値を設けておき、修正案作成部112は、スコアがその閾値を超えた場合はその部分に修正情報候補を挿入し、超えない場合は独立した文としてレポート文の文章の最初の文や最後の文として修正情報候補を挿入してもよい。また、診断名が記載された文がある場合、修正案作成部112は、その前の文として修正情報候補を挿入してもよい。
上記三つの実施形態では、一回だけ修正情報候補を挿入して修正する例について説明した。しかし、複数回連続で修正可能であってもよい。より具体的に説明すると、ステップS3080の処理後、図3の一連の処理を終了するか否かをユーザが選択できるようにしておき、終了しない場合はステップS3000の処理に戻るような構成にしてもよい。なお、修正に用いた修正情報候補がEupの場合は、ステップS3000においてEuからEupを除去し、ErにEupを加えればよい。一方、修正に用いた修正情報候補がEvqの場合は、ステップS3000においてErにEvqを加えればよい。この場合はステップS3010においてNvが更新される。
上記三つの実施形態では、関係情報の共起関係として項目の共起関係を用いる例について説明した。しかし、項目のみに限定されない。例えば、項目と項目の状態の組で共起関係を考慮してもよい。
実施形態2では、ステップS3050において選択部110が、影響度が閾値を超えた修正情報候補を提示後、ユーザが選択した情報に従って、ステップS3080において提示部114が、レポート文の修正案を提示していた。しかしその他の方法であってもよい。例えば、影響度が閾値を超えた情報全てに対してレポート文の修正案を生成し、提示部114が複数の修正レポート文を表示してもよい。また、ステップS3050において選択部110が、影響度が閾値を超えた修正情報候補を提示していたが、他の方法であってもよい。例えば、選択部110は、影響度の上位数個を提示するようにしてもよい。
また、ステップS3050において提示された修正情報候補から、ユーザが一つを選択するようにしていたが、複数を同時に選択可能としてもよい。例えばユーザが修正情報候補を2つ選択した場合は、修正案作成部112が、夫々の修正情報候補に関してステップS3060、ステップS3070の処理を行う。そして、提示部114が、ステップS3080で二つの修正情報候補が挿入されたレポート文の修正案を提示すればよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
Claims (13)
- 入力情報に含まれる医療診断に係る読影レポートを解析することで得られた解析結果に基づいて、前記読影レポートの修正に用いる修正情報の候補を取得する取得手段と、
前記取得された候補から少なくとも一つを選択する選択手段と、
前記選択された候補の修正情報に基づく文字を前記読影レポートに挿入することにより、前記読影レポートを修正する修正手段と、
を有する読影レポート作成支援装置。 - 前記取得手段は、前記入力情報に含まれる前記読影レポート以外の情報に基づく既取得情報を取得し、前記既取得情報に基づいて前記修正情報の候補を取得する請求項1に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記取得手段は、前記入力情報に含まれる前記読影レポート以外の情報に基づく既取得情報を取得し、診断対象である症例に関する情報のうち、前記読影レポートの解析結果と前記既取得情報との何れにも属さない未取得情報に基づいて前記修正情報の候補を取得する請求項1に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記解析結果に基づいて前記医療診断に関する推論結果を取得する推論手段を更に有し、
前記取得手段は、前記取得された推論結果に対する、前記取得された候補の影響度を取得し、
前記選択手段は、前記取得された影響度に基づいて前記候補から少なくとも一つを選択する請求項1乃至3の何れか1項に記載の読影レポート作成支援装置。 - 前記取得手段は、前記取得された候補の過去の読影レポートにおける出現確率を加味した前記影響度を取得する請求項4に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記選択手段は、前記取得された候補を操作部に表示し、前記操作部を介して受け付けた指示に従って前記候補から少なくとも一つを選択する請求項1乃至3の何れか1項に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記解析結果に基づいて前記医療診断に関する推論結果を取得する推論手段を更に有し、
前記取得手段は、前記取得された推論結果に対する、前記取得された候補の影響度を取得し、
前記選択手段は、前記取得された候補を前記影響度が大きい順に前記操作部に表示し、前記操作部を介して受け付けた指示に従って前記候補から少なくとも一つを選択する請求項6に記載の読影レポート作成支援装置。 - 前記修正手段は、過去の読影レポートの解析から得られる読影レポートで使用され得る潜在情報の共起関係、位置関係のうち少なくとも何れかを示す関係情報と、前記選択された候補とに基づいて、前記入力情報に含まれる読影レポートを修正する請求項1乃至7の何れか1項に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記修正手段は、前記選択された候補の挿入位置に関するスコアを前記関係情報に基づいて評価し、前記評価したスコアに基づいて決定した挿入位置に前記選択された候補の文字を挿入することにより前記読影レポートを修正する請求項8に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記取得手段は、前記入力情報に含まれる読影レポートを形態素解析と、構文解析とにより解析した解析結果を取得する請求項1乃至9の何れか1項に記載の読影レポート作成支援装置。
- 前記修正手段により修正された読影レポートを提示する提示手段を更に有する請求項1乃至10の何れか1項に記載の読影レポート作成支援装置。
- 読影レポート作成支援装置が実行する読影レポート作成支援方法であって、
入力情報に含まれる医療診断に係る読影レポートを解析することで得られた解析結果に基づいて、前記読影レポートの修正に用いる修正情報の候補を取得する取得ステップと、
前記取得された候補から少なくとも一つを選択する選択ステップと、
前記選択された候補の修正情報に基づく文字を前記読影レポートに挿入することにより、前記読影レポートを修正する修正ステップと、
を含む読影レポート作成支援方法。 - コンピュータに、
入力情報に含まれる医療診断に係る読影レポートを解析することで得られた解析結果に基づいて、前記読影レポートの修正に用いる修正情報の候補を取得する取得ステップと、
前記取得された候補から少なくとも一つを選択する選択ステップと、
前記選択された候補の修正情報に基づく文字を前記読影レポートに挿入することにより、前記読影レポートを修正する修正ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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